以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係るチェックアウトシステム10の店舗での設置例を示す図である。
チェックアウトシステム10は、少なくとも1台の商品登録装置11と、少なくとも1台の決済装置12とを含む。図1においては、2台の商品登録装置11と4台の決済装置12とを含んだチェックアウトシステム10を示している。チェックアウトシステム10が、商品登録装置11および決済装置12をそれぞれ何台含むかは任意であり、商品登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。ただし本実施形態においては、1台の商品登録装置11に対して2台の決済装置12が関連付けられる。
商品登録装置11および決済装置12は、スーパーマーケットなどの店舗のチェックアウトコーナーに設置される。
商品登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った、上記店舗の従業員21が、その操作者となる。決済装置12は、上記の店舗で販売する商品を購入する買物客22が、その操作者となる。ただし、商品登録装置11の一部の操作が買物客22により行われる場合もある。また、決済装置12は、従業員により操作される場合もある。
商品登録装置11は、図1においては、作業テーブル31に取り付けられている。作業テーブル31は、矩形の天板を有している。複数の作業テーブル31が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、買物客22用の通路を形成している。作業テーブル31の一端の近傍に、この作業テーブル31に取り付けられた商品登録装置11に関連付けられている2つの決済装置12が設置されている。
商品登録装置11は、買上登録、取引情報の生成、決済処理、ならびに取引情報の決済装置12への通知の各機能を備える。買上登録は、通路に進入してきた買物客22が持参した商品を買上商品として登録する処理である。決済処理は、買上商品の決済のための処理である。取引情報は、決済処理に必要となる情報である。
決済装置12は、商品登録装置11から取引情報が通知された場合に、当該取引情報に基づく決済処理を行う。
買物客22は、商品登録装置11のいずれかでの買上登録を従業員21により行って貰う。そして買物客22は、買上登録に用いられた商品登録装置11に関連付けられた2つの決済装置12のうちのいずれか従業員21により指定された方の装置を操作し、決済する。
図2は商品登録装置11および決済装置12のブロック図である。
商品登録装置11および決済装置12は、いずれもLAN(local area network)13に接続されている。商品登録装置11および決済装置12からLAN13へのアクセス形態は、有線および無線のいずれであっても良い。また、LAN13に代えて、インターネットなどの別の通信網を用いることもできる。あるいは商品登録装置11と決済装置12との間でサーバを介して情報を授受する構成としても良い。
商品登録装置11は、CPU(central processing unit)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、プリンタ11h、カードリーダライタ11i、通信ユニット11jおよび伝送システム11kを含む。
CPU11a、ROM11b、RAM11cおよび補助記憶ユニット11dは、伝送システム11kにより接続されてコンピュータを構成する。
CPU11aは、上記のコンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、ROM11bおよびRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、商品登録装置11としての各種の動作を実現するべく商品登録装置11の各部を制御する。
ROM11bは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM11cは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶ユニット11dは、上記のコンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
ROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。商品登録装置11の使用者への譲渡は一般的に、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶された状態にて行われる。しかし、商品登録装置11が、制御プログラムがROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶されない状態で使用者に譲渡されても良い。これとは別に、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して、制御プログラムが使用者に譲渡されても良い。そして商品登録装置11の補助記憶ユニット11dに、使用者の操作の下に制御プログラムが書き込まれても良い。
スキャナ11fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ11fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ11fは、周知の種々のタイプうちの1つのみであっても良いし、複数のタイプのものをそれぞれ設けていても良い。具体的にはスキャナ11fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ11fとしては、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのものを含み得る。
タッチパネル11gは、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
プリンタ11hは、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列や画像などを印刷することにより、レシートを発行する。
カードリーダライタ11iは、カードに記録されたデータを読み取るとともに、上記のカードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカードなどの決済処理に関わる情報を記録する各種のカードを含み得る。カードリーダライタ11iは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
通信ユニット11jは、LAN13を介した通信を行う。
伝送システム11kは、CPU11a、ROM11b、RAM11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、プリンタ11h、カードリーダライタ11iおよび通信ユニット11jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム11kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
なお、商品登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12i、通信ユニット12jおよび伝送システム12kを含む。
CPU12a、ROM12b、RAM12cおよび補助記憶ユニット12dは、伝送システム12kにより接続されてコンピュータを構成する。
CPU12aは、上記のコンピュータの中枢部分に相当する。CPU12aは、ROM12bおよびRAM12cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM12bは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。ROM12bは、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM12bは、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM12bは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM12cは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。RAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM12cは、CPU12aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶ユニット12dは、上記のコンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット12dは、CPU12aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU12aでの処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット12dとしては、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。
ROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。決済装置12の使用者への譲渡は一般的に、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶された状態にて行われる。しかし、決済装置12が、制御プログラムがROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶されない状態で使用者に譲渡されても良い。これとは別に、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して、制御プログラムが使用者に譲渡されても良い。そして決済装置12の補助記憶ユニット12dに、使用者の操作の下に制御プログラムが書き込まれても良い。
自動釣銭機12eは、投入される硬貨および紙幣を収受する。また自動釣銭機12eは、釣銭としての硬貨および紙幣を排出する。
スキャナ12fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ12fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。スキャナ12fは、周知の種々のタイプうちの1つのみであっても良いし、複数のタイプのものをそれぞれ設けていても良い。具体的にはスキャナ12fは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナを含み得る。またスキャナ12fとしては、商品の画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプのものを含み得る。
タッチパネル12gは、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU12aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
プリンタ12hは、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列や画像などを印刷することにより、レシートを発行する。
カードリーダライタ12iは、カードに記録されたデータを読み取るとともに、上記のカードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードやポイントカードなどの決済処理に関わる情報を記録する各種のカードを含み得る。カードリーダライタ12iは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
通信ユニット12jは、LAN13を介した通信を行う。
伝送システム12kは、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、カードリーダライタ12iおよび通信ユニット12jの間で授受されるデータを伝送する。伝送システム12kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
なお、決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフPOS端末を利用することが可能である。
次に、以上のように構成されたチェックアウトシステム10の動作について説明する。チェックアウトシステム10は、1人の買物客22による複数取引に関する決済を容易に行えるようにする機能を備えることを特徴の1つとする。そこで以下においては、この機能に関わる動作を中心に説明する。チェックアウトシステム10は他に、類似する既存のチェックアウトシステムが備える各種の機能を有するが、それらの機能に関わる動作の説明の一部は省略する。なお、買物客22による複数取引に関する決済を一括で行うための一連の処理の流れを、ここでは一括会計と称する。以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
商品登録装置11が、買上商品の登録処理を行うモードで起動されると、CPU11aは、ROM11bまたは補助記憶ユニット11dに記憶された制御プログラムに従った制御処理を開始する。
図3、図4および図5はCPU11aの制御処理のフローチャートである。
Act1においてCPU11aは、初期化処理を行う。CPU11aは具体的には、登録商品テーブル、一括会計フラグおよびカウント値Nをそれぞれクリアする。登録商品テーブルは、買上登録が済んだ商品に関する情報を記述するためのデータテーブルである。登録商品テーブルは、クリアされると、いずれの商品に関する情報も記述されていない状態となる。一括会計フラグは、セット状態である場合に、一括会計を実行する一括会計モードが設定中であることを示す。一括会計フラグは、クリアされるとリセット状態となる。一括会計フラグは、例えばRAM11c中の1ビットのデータとして実現される。カウント値Nは、一度の一括会計の中で1取引に関する取引情報の転送数をカウントするための変数である。カウント値Nは、クリアされると「0」となる。
Act2においてCPU11aは、タッチパネル11gの画面の少なくとも一部の領域を待受画面とする。待受画面は、商品登録装置11が待機状態にあることを従業員21に知らせる。待受画面は、一括会計を開始する場合には後述する一括会計ボタンにタッチすべきであることのガイダンスを表しても良い。
Act3においてCPU11aは、一括会計モードの設定が指示されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、該当する指示のための操作がなされていないためにNoと判定したならば、Act4へと進む。
Act4においてCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、商品コードが取得されていないためにNoと判定したならば、Act3へと戻る。
かくしてAct3,Act4においてCPU11aは、一括会計モードの設定が指示されるか、商品コードが取得されるのを待ち受ける。なおCPU11aは、ここでの待ち受けにおいて、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしても良い。
従業員21は、買物客22が一括会計を要求した場合は、タッチパネル11gの画面内に用意された一括会計ボタンをタッチするなどの操作により一括会計モードの設定を指示する。そしてCPU11aは、このような操作が例えばタッチパネル11gにより検出されたことに応じてAct3にてYesと判定したならば、Act5へと進む。
Act5においてCPU11aは、一括会計フラグをセットする。CPU11aはこののち、Act3およびAct4の待ち受け状態に戻る。
かくしてCPU11aは、一括会計の実施を入力デバイスからの指示入力に応じて決定する。つまり、制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU11aが実行することによって、CPU11aを中枢部分とするコンピュータは決定手段として機能する。
さてCPU11aは、図3〜5に示した制御処理とは別の周知の処理によって、従業員21による操作に基づいて商品コードを取得する。そしてCPU11aは、商品コードを取得したことに応じてAct4にてYesと判定したならば、Act6へと進む。
Act6においてCPU11aは、上記の取得した商品コードを含むように、登録商品テーブルを更新する。かくしてCPU11aは、一括会計の実施が指示されることなく、買上登録のための操作がなされたならば、一括会計フラグをリセット状態のままとする。
Act7においてCPU11aは、一括会計フラグがセット状態であるか否かを確認する。そしてCPU11aは、一括会計フラグがリセット状態であるためにNoと判定したならば、Act8へと進む。なお、後述するように、CPU11aは後述する処理の後にAct6へと戻ることがあり、この場合には一括会計フラグがセット状態となっていることも有り得る。
Act8においてCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部領域を第1の登録画面とする。第1の登録画面は、登録商品テーブルの内容などを表し、登録処理の実施状況を従業員21に確認させるものである。
図6は一例としての第1の登録画面SC1を示す図である。
第1の登録画面SC1は、領域R1,R2を含む。
領域R1は、最も新しく買上登録がなされた商品に関する商品名、個数および単価と、その商品を登録した後の買上商品の合計個数および合計金額とを表示するための領域である。領域R2は、第1の登録画面SC1に示された商品よりも前に買上登録がなされた商品に関する商品名、個数、単価および金額のリストを表示するための領域である。
なお、第1の登録画面SC1は、買上登録がなされた複数の商品に関する各種の情報を表した状態を示している。しかしながら、CPU11aがAct4からAct6,7を経てAct8へと進んだ場合は、登録商品テーブルは1つの商品に関する情報のみを含む。このため登録画面は、領域R1においては商品に関する情報を表すが、領域R2においては商品に関する情報を表さない。
またCPU11aは、タッチパネル11gの画面のうちの第1の登録画面としている領域以外には、従業員21が商品を指定するための商品ボタンや、小計ボタンおよび一括会計ボタンなどの各種の機能ボタンを表示するが、それらの図示は省略する。
Act9においてCPU11aは、一括会計モードの設定が指示されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、該当する指示のための操作がなされていないためにNoと判定したならば、Act10へと進む。
Act10においてCPU11aは、小計の実施が指示されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、該当する指示のための操作がなされていないためにNoと判定したならば、Act11へと進む。
Act11においてCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、商品コードが取得されていないためにNoと判定したならば、Act9へと戻る。
かくしてAct9〜Act11においてCPU11aは、一括会計モードの設定が指示されるか、小計の実施が指示されるか、あるいは商品コードが取得されるのを待ち受ける。なおCPU11aは、ここでの待ち受けにおいて、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしても良い。
CPU11aは、追加の買上登録のための操作が行われたために商品コードを取得したことに応じてAct11にてYesと判定したならば、Act12へと進む。
Act12においてCPU11aは、上記の取得した商品コードを含むように、登録商品テーブルを更新する。またこれに応じてCPU11aは、更新後の登録商品テーブルの内容に準じるように第1の登録画面を更新する。そしてCPU11aはこの後に、Act9〜Act11の待ち受け状態に戻る。
CPU11aは、一括会計モードの設定を指示する操作が例えばタッチパネル11gにより検出されたことに応じてAct9にてYesと判定したならば、Act13へと進む。
Act13においてCPU11aは、一括会計フラグをセットする。そしてCPU11aはこののち、図4中のAct14へと進む。
なおCPU11aは、取引の最初の商品コードが取得された際に、既に一括会計フラグがセット状態となっているためにAct7にてYesと判定したならば、Act8〜Act13の処理をいずれもパスしてAct14へと進む。
Act14においてCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部領域を第2の登録画面とする。
図7は一例としての第2の登録画面SC2を示す図である。
第2の登録画面SC2は、第1の登録画面と同様に領域R1,R2を含む。第2の登録画面SC2はさらに、インジケータIN1を含む。インジケータIN1は、一括会計モードが設定中であることを表す。従業員21は、第2の登録画面を目視することにより、一括会計の対象となる複数の取引のうちの1つについての商品登録を行っている最中であることを認識できる。かくして、一括会計の対象となる取引に関する決済のための取引情報を生成している最中である旨が、操作者に対して表示によって報知されている。つまり、制御プログラムに基づく制御処理をCPU11aが実行することによって、CPU11aを中枢部分とするコンピュータとタッチパネル11gとの協働によって報知手段としての機能が実現されている。
Act15においてCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、商品コードが取得されていないためにNoと判定したならば、Act16へと進む。
Act16においてCPU11aは、小計の実施が指示されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、該当する指示のための操作がなされていないためにNoと判定したならば、Act15へと戻る。
かくしてAct15およびAct16においてCPU11aは、商品コードが取得されるか、あるいは小計の実施が指示されるのを待ち受ける。なおCPU11aは、ここでの待ち受けにおいて、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしても良い。
CPU11aは、追加の買上登録のための操作が行われたために商品コードを取得したことに応じてAct15にてYesと判定したならば、Act17へと進む。
Act17においてCPU11aは、上記の取得した商品コードを含むように、登録商品テーブルを更新する。またこれに応じてCPU11aは、更新後の登録商品テーブルの内容に準じるように第2の登録画面を更新する。そしてCPU11aはこの後に、Act15およびAct16の待ち受け状態に戻る。
従業員21は、1取引分の商品登録を終えた場合は、タッチパネル11gの画面内に用意された小計ボタンをタッチするなどの操作により小計の実施を指示する。そしてCPU11aは、このような操作が例えばタッチパネル11gにより検出されたことに応じてAct16にてYesと判定したならば、Act18へと進む。
なおCPU11aは、図3中のAct9〜Act11の待ち受け状態にあるときに小計の実施を指示されたことに応じてAct10にてYesと判定した場合にも、Act18へと進む。
Act18においてCPU11aは、この時点における商品テーブルの内容に基づいて、1取引に関しての取引情報を生成する。CPU11aは、登録商品のリストや、買上商品の合計個数および合計金額などを取引情報に含める。またCPU11aは、一括会計フラグを取引情報に含める。ただし、カウント値Nの値が「0」ではない場合には、一括会計フラグを取引情報に含めなくても良い。つまりCPU11aは、一括会計モードが設定されていない場合における取引情報と、一括会計の対象となる複数の取引のうちの最初の取引に関する取引情報には、一括会計フラグを含める。かくして制御プログラムに基づいての制御処理をCPU11aが実行することによって、CPU11aを中枢部分とするコンピュータは生成手段として機能する。
Act19においてCPU11aは、一括会計フラグがセット状態であるか否かを確認する。そしてCPU11aは、一括会計フラグがセット状態であるためにYesと判定したならば、Act20へと進む。
Act20においてCPU11aは、カウント値Nの値が「0」であるか否かを確認する。このとき、一括会計の対象となる複数の取引のうちの1つ目の処理中である場合にカウント値Nの値は「0」である。そしてCPU11aは、カウント値Nの値が「0」であるためにYesと判定したならば、Act21へと進む。
なおCPU11aは、一括会計フラグがリセット状態であるためにAct19にてNoと判定したならば、Act20をパスしてAct21へと進む。
かくしてCPU11aは、一括会計モードが設定されていない場合と、一括会計モードが設定されている状態での最初の取引が行われている場合には、Act21へと進むことになる。
Act21においてCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部領域を第1の選択画面とする。
図8は一例としての第1の選択画面SC3を示す図である。
第1の選択画面SC3は、表示エリアAR1,AR2,AR3およびボタンB1,B2,B3を含む。
CPU11aは、表示エリアAR1には、取引情報に含まれた合計個数および合計金額を表す。CPU11aは、表示エリアAR2およびAR3には、2つの決済装置12のそれぞれへの取引情報の転送の可否をそれぞれ表す。なお決済装置12は、決済処理の実行中においては取引情報の転送を受け付けておらず、このような状態にある決済装置12に関連付けられた表示エリアにCPU11aは「転送不可」と表す。なお、ボタンB1,B2は、関連付けられている決済装置12が取引情報の転送を受け付けているか否かに応じて表示形態を異ならせるか、関連付けられている決済装置12が取引情報の転送を受け付けていない場合には非表示とするなどしても良い。ボタンB3は、タッチパネル11gの画面の一部領域を第1または第2の登録画面とする状態へと戻ることを従業員21が指定するためのものである。
Act22においてCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、商品コードが取得されていないためにNoと判定したならば、Act23へと進む。
Act23においてCPU11aは、取引情報の転送先とする決済装置12が指定されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、決済装置12が指定されていないためにNoと判定したならば、Act22へと戻る。
かくしてCPU11aはAct22およびAct23において、商品コードが取得されるか、あるいは決済装置12のいずれかが指定されるのを待ち受けている。なお図示を省略しているが、この待ち受け状態においてCPU11aは、ボタンB3がタッチされるのも待ち受けている。そしてCPU11aは、ボタンB3が従業員21によりタッチされ、そのことがタッチパネル11gにより検出されたならば、Act7へと戻る。
CPU11aは、追加の買上登録のための操作が行われたために商品コードを取得したことに応じてAct22にてYesと判定したならば、図3中のAct6へと戻る。
さて、従業員21は、1取引分の買上商品に関する登録を完了しているならば、表示エリアAR1,AR2を確認し、関連付けられた2つの決済装置12のそれぞれが転送可能な状態にあるか否かを確認する。そして従業員21は、転送可能な状態にある決済装置12の1つを選択し、ボタンB1,B2のうちの選択した決済装置12に対応したボタンにタッチする。
CPU11aは、ボタンB1,B2のいずれかへのタッチがタッチパネル11gにより検出されたことに応じてAct23にてYesと判定したならば、図5中のAct24へと進む。なお、CPU11aはこのときに、タッチされたボタンに対応した決済装置12を取引情報の転送先として決定する。
Act24においてCPU11aは、Act18で生成した取引情報を、転送先の決済装置12に対して転送する。CPU11aは具体的には、転送先の決済装置12を宛先として、転送対象となる取引情報をLAN13へと送出するように通信ユニット11jを制御する。これにより、取引情報が決済装置12へと通知されることとなる。
一方、決済装置12が起動されると、CPU12aは、ROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶された制御プログラムに従った制御処理を開始する。
図10はCPU12aの制御処理のフローチャートである。
Act41においてCPU12aは、タッチパネル12gの画面を待機画面とする。待機画面は、決済処理を行う状況にないことを表すものであり、どのような情報を表すかは任意であって良い。例えば待機画面は、決済処理を行うことができないことを表すメッセージを表すものや、スクリーンセーバーとして広告などを表す任意の画像を表示するものとすることが想定される。
Act42においてCPU12aは、取引情報が受信されたか否かを確認する。そしてCPU12aは、取引情報が受信されていないならばNoと判定し、Act42を繰り返す。かくしてCPU12aはAct42において、取引情報が受信されるのを待ち受ける。
さて、前述したように商品登録装置11の通信ユニット11jから送出された取引情報は、LAN13により伝送される。この取引情報の宛先となっている決済装置12に設けられた通信ユニット12jは、当該取引情報がLAN13を介して到来したならば、この取引情報を受信し、RAM12cまたは補助記憶ユニット12dに保存する。そうすると、これに応じてCPU12aは、Act42にてYesと判定し、Act43へと進む。
Act43においてCPU12aは、受信された取引情報に含まれた一括会計フラグがセット状態であるか否かを確認する。そしてCPU12aは、一括会計フラグがリセット状態であるためにNoと判定したならば、Act44へと進む。なお、商品登録装置11においてCPU11aは、一括会計モードが設定されていない場合における取引情報には一括会計フラグを含めないようにしても良い。そしてこの場合には、決済装置12においてCPU12aは、受信された取引情報に一括会計フラグが含まれないならばAct43にてNoと判定する。
Act44においてCPU12aは、決済処理を実行する。ここでの決済処理は、買物客22による操作に応じて、上記のように受信されてRAM12cまたは補助記憶ユニット12dに保存された1取引分の取引情報に示された合計金額を決済するための処理である。ここでの決済処理は例えば、既存のセルフPOS端末などで行われている処理をそのまま適用できる。なおCPU12aは、決済処理の中ではタッチパネル12gの画面を、決済を買物客22に行わせるための画面に変更する。
Act45においてCPU12aは、プリンタ12hを制御し、RAM12cまたは補助記憶ユニット12dに保存された取引情報に示された情報や上記の決済処理の結果を表したレシートを発行する。従ってここでは、典型的には、1件の取引に関する1枚のレシートが発行される。そしてCPU12aはこののちに、Act41に戻り、それ以降の処理を前述と同様に行う。
一方でCPU12aは、受信された取引情報に含まれた一括会計フラグがセット状態であるためにAct43にてYesと判定したならば、Act46へと進む。
Act46においてCPU12aは、上述の受信された取引情報が今回の一括会計における1番目の取引に関するものであることを表した管理情報を生成する。CPU12aは、生成した管理情報をRAM12cまたは補助記憶ユニット12dに保存する。
Act47においてCPU12aは、タッチパネル12gの画面を受信中画面とする。受信中画面は、一括会計の対象となる複数の取引に関する会計情報の受信中であることを買物客22に報知するための画面である。
図11は一例としての受信中画面SC5を示す図である。
受信中画面SC5は、表示エリアAR21を含む。
表示エリアAR21は、「一括会計受信中です」との文字列を表し、これにより上記の報知を行うものとなっている。
Act48においてCPU12aは、解除通知がなされたか否かを確認する。そしてCPU12aは、後述する解除通知がなされていないためにNoと判定したならば、Act49へと進む。
Act49においてCPU12aは、新たな取引情報が受信されたか否かを確認する。そしてCPU12aは、該当する取引情報が受信されていないためにNoと判定したならば、Act48へと戻る。
かくしてCPU12aはAct48およびAct49においては、解除通知がなされるか、あるいは新たな取引情報が受信されるのを待ち受ける。
さて、商品登録装置11においてCPU11aは、図5中のAct24にて前述したように取引情報を転送し終えたならば、Act25へと進む。
Act25においてCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部領域を第1の報知画面とする。第1の報知画面は、転送先として決定された決済装置12へと取引情報を転送したことを従業員21に認識させるための画面である。第1の報知画面は、一括会計フラグの状態に拘わらずに同一の内容としても良いし、一括会計フラグの状態に応じて別の内容としても良い。
図9は一例としての第1の報知画面SC4を示す図である。
第1の報知画面SC4は、表示エリアAR11およびボタンB11を含む。
表示エリアAR11は、1件分の取引情報をいずれの決済装置12に転送したかを従業員21に認識させるための画像を表す。ボタンB11は、第1の報知画面SC4を閉じることを従業員21が指示するためのものである。
Act26においてCPU11aは、第1の報知画面を閉じるか否かを確認する。そしてCPU11aは、ボタンB11がタッチされていないためにNoと判定したならば、Act26を繰り返す。かくしてCPU11aはAct26においては、第1の報知画面SC4を閉じることが指示されるのを待ち受ける。そしてCPU11aは、ボタンB11がタッチされたことに応じてYesと判定したならば、Act27へと進む。
Act27においてCPU11aは、一括会計フラグがセット状態であるか否かを確認する。そしてCPU11aは、一括会計フラグがリセット状態であることに応じてNoと判定したならば、図3中のAct1に戻り、それ以降の処理を前述と同様に繰り返す。つまりCPU11aは、一括会計モードが設定されていないのであるならば、1取引分の取引情報をいずれかの決済装置12へと転送した後には、Act3およびAct4における初期の待ち受け状態に戻る。
しかしながらCPU11aは、一括会計フラグがセット状態であることに応じてAct27にてYesと判定したならば、Act28へと進む。
Act28においてCPU11aは、カウント値Nの値を1つ増加する。かくしてカウント値Nの値は、転送済みの取引情報の数を表す。
Act29においてCPU11aは、商品テーブルをクリアする。これにより商品登録装置11は、N+1番目の取引に関する商品登録を開始可能な状態となる。
Act30においてCPU11aは、一括会計モードの解除が指示されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、該当する指示のための操作がなされていないためにNoと判定したならば、Act31へと進む。
Act31においてCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、商品コードが取得されていないためにNoと判定したならば、Act30へと戻る。
かくしてAct30およびAct31においてCPU11aは、一括会計モードの解除が指示されるか、商品コードが取得されるのを待ち受ける。なおCPU11aは、ここでの待ち受けにおいて、他の操作が行われるなどの他の事象の発生を確認し、その発生事象に応じた処理に移行するようにしても良い。
この状態において従業員21は、同じ買物客22に関しての別の取引が存在するならば、その取引に関しての1つ目の商品の商品コードを商品登録装置11に取得させるための操作を行う。
そしてCPU11aは、このような操作が行われたために商品コードを取得したことに応じてAct31にてYesと判定したならば、図3中のAct6へと戻り、それ以降の処理を前述と同様に繰り返す。これにより、2番目以降の取引を対象として、前述したのと同様にして商品登録および取引情報の転送が行われる。
さて、商品登録装置11において、一括会計モードが設定されている状態でCPU11aが図4中のAct14以降の処理を2番目以降の取引に関して実行する場合は、一括会計フラグがセット状態であり、かつカウント値Nの値が1以上である。このためCPU11aは、Act20でNoと判定することになり、Act32へと進む。
Act32においてCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部領域を第2の選択画面とする。
図12は一例としての第2の選択画面SC6を示す図である。
第2の選択画面SC6は、第1の選択画面SC3と同様に、表示エリアAR1,AR2,AR3およびボタンB1,B2,B3を含む。
第2の選択画面SC6は、一括会計の対象となる取引情報の転送先として1番の決済装置12が選択されている場合を示している。このため表示エリアAR1では、「会計中」との表示によって、取引情報が既に転送済みであり、決済が完了していない状態であることを表している。また表示エリアAR1では、「1取引」との表示によって、一括会計中であること、ならびに転送済みの取引情報が1取引分であることを表している。かくして従業員21は、第2の選択画面SC6を目視することにより、ボタンB1にタッチすることにより、2番目の取引についての取引情報を1番の決済装置12へと転送することになることを認識できる。
第2の選択画面SC6は、2番の決済装置12は、待機中である場合を示している。このため表示エリアAR3での表示は「転送可能」となっている。しかしながら、2番の決済装置12は一括会計の対象となる取引情報の転送先として指定されたものではないため、ボタンB2の表示形態をボタンB1とは異ならせて、2番の決済装置12を新たな転送先として指定することができないことを表している。
Act33においてCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、商品コードが取得されていないためにNoと判定したならば、Act34へと進む。
Act34においてCPU11aは、取引情報の転送が指示されたか否かを確認する。そしてCPU11aは、転送が指示されていないためにNoと判定したならば、Act33へと戻る。
かくしてCPU11aはAct33およびAct34において、商品コードが取得されるか、あるいは転送が指示されるのを待ち受けている。なお図示を省略しているが、この待ち受け状態においてCPU11aは、ボタンB3がタッチされるのも待ち受けている。そしてCPU11aは、ボタンB3が従業員21によりタッチされ、そのことがタッチパネル11gにより検出されたならば、図3中のAct7へと戻る。
CPU11aは、追加の買上登録のための操作が行われたために商品コードを取得したことに応じてAct33にてYesと判定したならば、図3中のAct6へと戻る。
さて、従業員21は、一括決済の対象となる2番目以降の1取引分の買上商品に関する登録を完了しているならば、第2の選択画面上で、転送先として指定済みの決済装置12に関連付けられたボタンにタッチする。
CPU11aは、該当するボタンへのタッチがタッチパネル11gにより検出されたことに応じてAct34にてYesと判定したならば、図5中のAct24へと進む。なお、CPU11aは、転送先として指定されていない決済装置12に関連付けられたボタンへのタッチは無視する。
Act24においてCPU11aは、Act18で新たに生成した取引情報を、転送先として決定済みの決済装置12に対して転送する。このように、同じ決済装置12に対して、複数の取引情報が順次に通知されることになる。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU11aが実行することによって、CPU11aを中枢部分とするコンピュータは取引通知手段として機能する。
このように新たな取引情報が商品登録装置11から決済装置12へと通知されるとき、決済装置12においてCPU12aは、Act48およびAct49の待ち受け状態にある。このためCPU12aは、上記のように新たに通知された取引情報が通信ユニット12jによって受信されたならば、Act49にてYesと判定し、Act50へと進む。
Act50においてCPU12aは、上記のように新たに受信された取引情報が今回の一括会計におけるN番目の取引に関するものであることを表すように管理情報を更新する。そしてCPU12aはこののち、Act48およびAct49の待ち受け状態に戻る。
以上のようにして、商品登録装置11から順次に通知される取引情報が、一括会計の対象であるものとしてRAM12cまたは補助記憶ユニット12dに蓄積される。かくして、RAM12cまたは補助記憶ユニット12dは、取引情報を蓄積するための記憶デバイスの一例である。また制御プログラムに基づく制御処理をCPU12aが実行することによって、CPU12aを中枢部分とするコンピュータは制御手段として機能する。そして、CPU12aを中枢部分とするコンピュータとRAM12cまたは補助記憶ユニット12dとの協働によって蓄積手段としての機能が実現される。
さて、1取引に関する取引情報を商品登録装置11から決済装置12へと転送し終えたのちには、商品登録装置11においてCPU11aは、図5中のAct30およびAct31の待ち受け状態となる。
この状態において従業員21は、同じ買物客22に関しての別の取引がもう存在しないならば、一括会計モードの解除を指示する。一例として従業員21は、タッチパネル11gの画面内に用意された一括会計ボタンにタッチする。これに応じてCPU11aはAct30でYesと判定し、Act35へと進む。
Act35においてCPU11aは、取引情報の転送先となっている決済装置12に対して、解除通知を行う。CPU11aは具体的には、取引情報の転送先となっている決済装置12を宛先として、解除通知のために予め定められたデータをLAN13へと送出するように通信ユニット11jを制御する。
Act36においてCPU11aは、タッチパネル11gの画面の一部領域を第2の報知画面とする。第2の報知画面は、一括会計の対象となる取引情報の決済装置12への転送を完了したことを従業員21に認識させるための画面である。
図13は一例としての第2の報知画面SC7を示す図である。
第2の報知画面SC7は、表示エリアAR31およびボタンB21を含む。
表示エリアAR31は、一括会計のための2件分の決済情報を1番の決済装置12に転送したことを従業員21に認識させるための画像を表す。ボタンB21は、報知画面SC7を閉じることを従業員21が指示するためのものである。
Act37においてCPU11aは、第2の報知画面を閉じるか否かを確認する。そしてCPU11aは、ボタンB21がタッチされていないためにNoと判定したならば、Act37を繰り返す。かくしてCPU11aはAct37においては、第2の報知画面を閉じることが指示されるのを待ち受ける。そしてCPU11aは、ボタンB21がタッチされたことがタッチパネル11gにより検出されたことに応じてAct37にてYesと判定したならば、図3中のAct1へと戻り、それ以降の処理を前述と同様にして繰り返す。つまりCPU11aは、新たな買物客22に関する取引を対象とした処理を行う。
さて、前述の様な解除通知がなされた決済装置12においてCPU12aは、図10中のAct48にてYesと判断することとなり、Act51へと進む。
このようにして、取引情報の蓄積は、セット状態の一括会計フラグが含まれた取引情報が最初に受信されてから、解除通知がなされるまでの間に行われる。かくしてセット状態の一括会計フラグが含まれた取引情報の通知および解除通知は、一括会計の開始および終了の通知にそれぞれ相当する。つまり制御プログラムに基づく制御処理をCPU11aが実行することによって、CPU11aを中枢部分とするコンピュータは開始通知手段および終了通知手段として機能する。
Act51においてCPU12aは、今回の一括会計の対象としてRAM12cまたは補助記憶ユニット12dに保存されている全ての取引情報のそれぞれに示された合計金額の総計として取引合計金額を算出する。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU12aが実行することによって、CPU12aを中枢部分とするコンピュータは算出手段として機能する。
Act52においてCPU12aは、決済処理を実行する。ここでの決済処理は、買物客22による操作に応じて、上記のように算出した取引合計金額を決済するための処理である。ここでの決済処理は例えば、既存のセルフPOS端末などで行われている処理をそのまま適用できる。なおCPU12aは、決済処理の中ではタッチパネル12gの画面を、決済を買物客22に行わせるための画面に変更する。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU12aが実行することによって、CPU12aを中枢部分とするコンピュータは決済手段として機能する。
Act53においてCPU12aは、プリンタ12hを制御し、上記の決済処理の結果を表したレシートを発行する。またCPU12aは、プリンタ12hを制御し、今回の一括会計の対象としてRAM12cまたは補助記憶ユニット12dに保存されている全ての取引情報のそれぞれに示された情報を表した取引後とのレシートとをそれぞれ発行する。従ってここでは、一括会計の対象となった取引の数よりも1枚多い枚数のレシートが発行される。そしてCPU12aはこののちに、Act41に戻り、それ以降の処理を前述と同様に行う。
かくして商品登録装置11では、一括会計の対象となる複数の取引のそれぞれに関する複数の取引情報を、これら複数の取引情報のうちの転送済みの別の取引情報に応じた決済処理が決済装置12で行われなくとも決済装置12へと通知する。従って、商品登録装置における取引情報を転送するための待ち時間が増加してしまうことがない。そして決済装置12は、上記の複数の取引情報の受信が完了するのを待った上で、これら複数の取引情報のそれぞれが示す合計金額の総計として求まる取引合計金額を1度の決済処理で決済する。従って、買物客22は、複数の取引に関する決済を一括で済ませることが可能である。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
前記実施形態では、取引情報に一括会計フラグを含めることで、一括会計モードが設定されていることを商品登録装置11から決済装置12へと通知している。しかしながらこの通知は、例えば一括会計の対象となる最初の取引情報の送信に先立って所定のコマンドを商品登録装置11から決済装置12へと送信するなどの別の方法により行っても良い。
取引情報には、1取引に関する合計金額を含めず、合計金額を算出するための、例えば商品リストなどの情報を含めておいても良い。そして決済装置12においてCPU12aは、上記の情報に基づいて1取引に関する合計金額を算出しても良い。
商品登録装置11または決済装置12の動作を実行する主体は例えば、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの複合体、ソフトウェア、及び実行中のソフトウェアなどといった、コンピュータに係る主体である。動作を実行する主体は例えば、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、スレッド、プログラム及びコンピュータであるがこれらに限るものではない。例えば、商品登録装置11および決済装置12やそこで実行されるアプリケーションが動作を実行する主体であっても良い。プロセスやスレッドに、動作を実行する主体を複数演じさせても良い。動作を実行する主体が1つの商品登録装置11または決済装置12内にあっても良いし、複数の商品登録装置11または決済装置12へ分配されたかたちであっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。