JP6308798B2 - 不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具および不溶性電極 - Google Patents

不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具および不溶性電極 Download PDF

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Description

本発明は、電気防食、海水電解による防汚等の水溶液電解等に使用される、中空円筒状の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具およびその接続金具を使用した不溶性電極に関する。
従来から、電気防食や海水電解による防汚等に使用される不溶性電極として、金属酸化物被覆電極、白金被覆電極または珪素鉄電極等がある。
不溶性電極にはリボン状、メッシュ状、棒状など様々な形状があるが、中空円筒状のものも今日広く用いられている。
不溶性電極は外部から電源の供給を受けて電流を発生させるため、電極は絶縁被覆電線と接続されなければならない。
この接続に関して、本出願人は先に実公平3−39897号公報に示した考案を提案している。
即ち、特許文献1には、円筒状の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するに際し、不溶性電極に絶縁被覆電線をハンダ付けすると、ハンダ付の熱衝撃によって、割れを発生する恐れがあること、また、不溶性電極が小径である場合には、ハンダ付作業が困難であること等から、これらの問題を解決するために、円筒状の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための改良された接続金具が提案されている。
そして、該接続金具は、その概略を図1に示すように、先端よりも基端の直径が大きい円錐形状ねじと、この円錐形状ねじがねじ込まれる凹部が一方の端部に形成されるとともに、他方の端部に設けた穴に電線の芯線を差し込み、該端部と芯線とをハンダ付けして絶縁被覆電線を固着した軟質金属性の円筒状部材とからなり、円筒状の不溶性電極内に挿入された円筒状部材の裾部が、円錐形状ねじのねじ込みにより拡径して、不溶性電極に圧着する構造となっている。
従来の不溶性電極は、それ自体が水中や土中等の電解質中に浸漬または埋設されて使用されるが、不溶性電極と絶縁被覆電線との接続部も電解質中に浸漬等されて使用されることがある。
不溶性電極と絶縁被覆電線との接続部が電解質中に晒されている場合には、通電したとき接続部が溶出し短時間で断線するので、この部分の絶縁樹脂充填処理が必要となるが、このための方法として、流動性のある電気絶縁樹脂を電極端から流し込み、固化させる方法も広く知られている。
実公平3−39897号公報
しかし、前記特許文献1に示される不溶性電極の接続金具においては、円柱状部材の凹部内に円錐形状ねじをねじ込む際に、絶縁被覆電線がねじれて円柱状部材の裾部がうまく開かず、不溶性電極内面に接続部を固定するのに長時間要し、また、絶縁被覆電線に撚りができて、撚りを戻す作業が必要になり、絶縁被覆電線の把持部のシース(外皮)や芯線に傷が付くという問題もあった。
また、絶縁被覆電線の芯線を接続金具にはんだ付けするにあたり、接続金具の側面に溝を形成し、この溝の中に芯線をはんだ付けで取り付ける試みもなされているが、不溶性電極内面に接続金具を密着固定する際には、不溶性電極内面と接続金具側面の溝に取り付けられた芯線との接続部には大きな力がかかるため、強固なはんだ付けを行ったとしても、芯線が接続金具から離れやすくなるという問題は解消されない。そのため、はんだ付けの延長を大きくとる必要があり、作業に時間がかかるばかりか、はんだが外れないように、接続金具取り付け作業に慎重さが必要となり、作業コスト、作業負担が大きくなる。
また、不溶性電極内の接続金具に取り付けた芯線を絶縁処理する際に、不溶性電極の内部空間は接続金具で2分されているので、電気絶縁樹脂を不溶性電極の一方の側から内部に充填し、固化した後で、次に不溶性電極の他方の側から電気絶縁樹脂を充填し固化させなければならず、絶縁樹脂充填処理作業は2回に分けて行わなければならないという煩雑さがあった。
本発明は、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものであって、接続金具の構造について鋭意研究を進めたところ、接続金具として2分割の接続金具を使用し、この接続金具をボルト等で締結することで、絶縁被覆電線のねじれ発生を招くことなく、不溶性電極内面に確実に密着固定させて導通を図ることができるとともに、2分割した夫々の接続金具の側面をその軸方向に沿って一部切り欠くことで、電気絶縁のための絶縁樹脂充填作業を1回で完了させることができ、従来の諸問題を解消し得ることを見出したのである。
本発明は、上記知見基づいてなされたものであり、
「(1) 不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具であって、
接続金具(1)は、接続金具(1A)と接続金具(1B)からなり、接続金具(1A)と接続金具(1B)は、接続金具(1A)の端部に形成された斜面(1a)と、接続金具(1B)の端部に形成された斜面(1b)で相対向し、接続金具(1A)の斜面(1a)と反対側の端部には絶縁被覆電線(7)が接続され、接続金具(1B)の斜面(1b)と反対側の端部にはボルト(2)が挿入されるボルト挿入口(21)が形成され、接続金具(1B)のボルト挿入口(21)からボルト(2)を挿入し、接続金具(1B)を貫通して接続金具(1A)の内周に形成された雌ねじと螺合して接続金具(1A)と接続金具(1B)を接続し、該ボルト(2)をねじ込んで締め付けることにより、接続金具(1A)と接続金具(1B)は斜面(1a)と斜面(1b)に沿って、それぞれの中心軸に対して垂直方向かつ相互に逆方向にずれて段差(H,H)を形成して締結され、かつ、接続金具(1A)と接続金具(1B)からなる接続金具(1)の外周面が、中空電極(3)内面と密着固定され、接続金具(1A)と接続金具(1B)とからなる接続金具(1)の少なくとも一方は、その外周円の1箇所または複数個所が軸方向に沿って切り取られた形状であって、中空電極(3)内面と接続金具(1)との間に形成される空間は、中空電極(3)の軸方向に沿って連通していることを特徴とする不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。
(2) 接続金具(1A)と接続金具(1B)とからなる接続金具(1)の少なくとも一方は、その外周円の1箇所または複数個所が軸方向に沿って弓形に切り取られた半円柱体形状であることを特徴とする前記(1)に記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。
(3) 絶縁被覆電線(7)が接続される接続金具(1Aまたは1B)の中空電極(3)内面と密着する外周面の円弧頂部には、電気接続点(5)が突出形成されていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。
(4) 絶縁被覆電線(7)は、かしめ(9)により接続金具(1A)に接続されていることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。
(5) 中空電極(3)の内部であって、かつ、接続金具(1A)から離れた位置の絶縁被覆電線(7)には、水分侵入防止部材(91)が取り付けてあることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。」
に特徴を有するものである。
また、本発明は、
「(6) 前記(1)〜(5)のいずれかに記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具(1)を、中空円筒状の不溶性電極の内部に密着固定したことを特徴とする不溶性電極。
(7) 中空円筒状の不溶性電極の内部には、電気絶縁樹脂(8)が充填されていることを特徴とする前記(6)に記載の不溶性電極。
(8) 前記(6)または(7)に記載される不溶性電極を複数個配置し、それぞれの絶縁被覆電線(7)の一端を接続金具(1A)に接続するとともに、その他端を、他の不溶性電極に設けられた接続金具(1B)のボルト(2)に直列になるように接続することを特徴とする不溶性電極群。」
に特徴を有するものである。
以下、本発明について、図面とともに詳細に説明する。
図2に、本発明の接続金具(1A)と接続金具(1B)からなる接続金具(1)を示すが、接続金具(1A)と接続金具(1B)は、接続金具(1B)の端部のボルト挿入口(21)から挿入されるボルト(2)によって締結される。
図3に示すように、接続金具(1A)と接続金具(1B)には、それぞれ中心軸に沿って穴が設けられているが、接続金具(1A)の穴には接続金具(1B)の穴よりも口径が小さな雌ねじ(S)が設けられており、ボルト(2)の先端が、接続金具(1A)の穴の雌ねじ(S)に螺合することによって接続金具(1A)と接続金具(1B)が締結される。
また、接続金具(1A)の斜面(1)と反対側の端部には、頭部に電線接続スリーブ(4a)を備えたボルト(4b)からなる電線接続具(4)が、接続金具(1A)の端部に形成された雌ねじ(S)に螺合することによって固定される。そして、絶縁被覆電線(7)のねじれ発生を招くことなく、絶縁被覆電線(7)と接続金具(1)と中空電極(3)の導通が図られる。
図4に示すように、接続金具(1A)と接続金具(1B)の対向する面には、それぞれの対向面を斜めにカットした斜面(1a)、斜面(1b)を形成し、接続金具(1B)の端部のボルト挿入口(21)からボルト(2)を挿入してねじ込み、接続金具(1A)と接続金具(1B)を締め付けると、接続金具(1A)と接続金具(1B)は、それぞれの中心軸と垂直方向にずれて、接続金具(1A)と接続金具(1B)は斜面(1a)と斜面(1b)に沿って、それぞれの中心軸に対して垂直方向かつ相互に逆方向にずれて(移動して)段差(H,H)を形成して締結されるとともに、中空電極(3)内面に押し付けられ、接続金具本体(1)が中空電極(3)に密着固定される。
その後、中空電極(3)の内部に電気絶縁樹脂(8)を流し込み充填固化する。
なお、図3に示した接続スリーブ(4a)は、図4に示すように、かしめ(9)ることによりボルト(4b)からなる電線接続具(4)に強固に確実に固定されていることが望ましい。
図5(a)に示すように、接続金具(1A)と接続金具(1B)からなる接続金具(1)は、中空円(ドーナッツ状)の外周円の一部を軸方向に沿って弓形に切り取った半円柱体形状とすることが望ましい。
接続金具(1)をこのような形状とすることによって、中空円筒状の不溶性電極の内部に、電気絶縁樹脂(8)を流し込み充填する場合、不溶性電極の一方の端部から樹脂を流し込むことによって、中空円筒状の不溶性電極の内部全体に樹脂がいきわたるため、従来のように、不溶性電極の一方の端部から樹脂を流し込んだ後、これが凝固するのを待って、他方の端部からも再度樹脂を流し込むという作業が不要となり、樹脂充填の作業効率が向上する。
また、図5(b)に示すように、外周円の切り取りは、1箇所ではなく複数個所であってもよい。
また、図5(a)、(b)に示すように、絶縁被覆電線(7)が接続される接続金具(1Aまたは1B)の中空電極(3)内面と密着する外周面の円弧頂部には、電気接続点(5)を突出して形成することが、導通を確実なものとするうえで望ましい。
電気的接続点(5)としては、絶縁被覆電線(7)が接続される接続金具(1A)の中空電極(3)内面と密着する外周面の円弧頂部に、接続金具(1A)の軸方向に沿って溝(6)を形成し、該溝(6)にハンダや導電性樹脂を盛る、接続金具(1A)の側面の円弧頂部に金属ビスやリベットを立てる等の手段がある。
前述した絶縁被覆電線(7)を接続した接続金具(1)を中空電極(3)に密着固定し、電極内部にエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂(8)を充填することによって、不溶性電極(10)が作製される。
接続金具(1)が半円柱体形状である場合には、中空電極(3)の内部に、一方の端部から樹脂を流し込むことによって、樹脂の充填作業を完了させることができる。
また、中空電極(3)の内部であって、かつ、接続金具(1A)から離れた位置の絶縁被覆電線(7)に水分侵入防止部材(91)を取り付けた場合には、樹脂の空隙、間隙に沿って電線接続具(4)にまで水分が進入することを防止するため、不溶性電極の早期の劣化を防止することができる。
本発明では、前述した不溶性電極(10)を直列に複数個接続することによって、不溶性電極(10)群を構成することができる。
不溶性電極(10)群は、例えば、一端を接続金具(1A)に接続した絶縁被覆電線(7)の他端を、他の不溶性電極に設けられた接続金具(1B)のボルト(2)に直列になるように接続することによって構成することができ、これにより、長期にわたる安定的な防食効果が期待される
本発明の接続金具(1)は、接続金具(1A)と接続金具(1B)からなり、接続金具(1A)、(1B)をボルト(2)で締め付けると、穴の口径が大きな接続金具(1B)が中心軸と垂直方向にずれて接続金具(1A)と接続金具(1B)間に段差(H,H)ができ、接続金具(1A)側面の円弧頂部が中空電極(3)の内面に接触する。また、接続金具(1B)も中空電極(3)の反対側の内面に接触して接続金具(1)が中空電極(3)に密着固定される。
また、穴が雌ねじ(S)加工されている接続金具(1A)の端部に電線接続具(4)のボルト部(4b)をねじ込んだ後、電線接続スリーブ(4a)にハンダ付け或いはスリーブをかしめ(9)て絶縁被覆電線(7)を電線接続具(4)に取り付けることにより、中空電極(3)と接続金具(1)と絶縁被覆電線(7)との間での確実な導通が図られる。
本発明は、接続金具(1A)、(1B)の斜めにカットされた斜面(1a)、(1b)を合わせて、穴の口径が大きい接続金具(1B)のボルト挿入口(21)からボルト(2)を挿入し、予め電線(7)を電線接続具(4)に取り付けた接続金具(1A)の雌ねじ(S)にボルト(2)をねじ込んで締め付けることができるので、中空電極(3)への接続金具の取り付けがきわめて簡単になる。
また、接続金具(1A)、(1B)を締め付ける際にボルト(2)の回転方向(右回り)にトルクがかかるが、特許文献1のように円柱状部材の裾部を広げるような力は必要ないので、絶縁被覆電線(7)が捩れて電線に損傷を与えたりする等のことがない。
また、本発明の接続金具(1)の別の態様によれば、接続金具(1A)、(1B)同士を締め付けた際に中空電極(3)内面と接触する接続金具(1Aまたは1B)の側面の円弧頂部の電気接続点(5)が中空電極(3)内面と接触するので、接続金具(1)と中空電極(3)との電気的接続がより確実に達成できる。
本発明の不溶性電極によれば、絶縁被覆電線(7)を接続した上記接続金具(1)を中空電極(3)の内部に挿入し固定した後、中空電極(3)内部に電気絶縁樹脂(8)を充填して製作されるが、接続金具(1)の円柱の一辺または複数辺が軸方向にカットされた半円柱形をしているので、中空電極(3)内面と接続金具(1)との間には、中空電極(3)の軸方向に沿って連通している空間が形成されているため、電気絶縁樹脂(8)が中空電極(3)内部と接続金具(1)との隙間から下側に流れ込み充填されることから、電気絶縁樹脂(8)の充填作業を一回で済ませることができる。
また、本発明の不溶性電極は、これを複数個配置し、それぞれの絶縁被覆電線(7)の一端を接続金具(1A)に接続するとともに、その他端を、他の不溶性電極に設けられた接続金具(1B)のボルト(2)に直列になるように接続することによって、長期にわたっての安定的な防食効果が発揮されることが期待される。
従来の不溶性電極の概略説明図を示す。 本発明の接続金具(1)の外観概略図を示す。 本発明のボルト(2)と接続金具(1)と電線接続具(4)の配列を示す。 本発明の不溶性電極の概略説明図を示す。 (a)は、本発明の接続金具(1A)の一つの態様を示し、(b)は、別の態様を示す。
本発明の実施例を、以下に図面とともに説明する。
接続金具(1)は、中空電極(3)内面より小径な中空円柱の一辺が軸方向にカットされた部分を含み、該部分は、中空のかまぼこ形をしている(図5(a)、(b)参照)。
接続金具(1)は、側面で斜めにカットされた斜面(1a)、(1b)をそれぞれ備える接続金具(1A)、(1B)からなる(図3、図4参照)。
双方の接続金具(1A)、(1B)の中心軸に沿って穴が設けられているが、接続金具(1A)には雌ねじ穴(S)が設けられ、もう一方の接続金具(1B)の穴はストレートで接続金具(1A)の雌ねじ穴(S)よりも口径は大きい(図3参照)。
接続金具(1A)の円柱の頂点には軸方向に溝(6)が設けられている。溝は必ずしも接続金具(1A)全長に設ける必要はなく、短い溝を一または複数設けてもよい。
接続金具(1A)の溝(6)に頂点から少しはみ出す程度にハンダが盛られて、中空電極(3)内面との電気的接続点(5)として作用する(図5(a)、(b)参照)。
まず、接続金具(1A)、(1B)の斜めにカットされた斜面(1a)、(1b)を対向させて、接続金具(1B)端部のボルト挿入口(21)からボルト(2)を挿入し、接続金具(1A)の雌ねじ穴(S)に緩くねじ込み、接続金具(1A)、(1B)同士を仮止めする。
電線接続スリーブ(4a)に絶縁被覆電線(7)を接続した電線接続具(4)を、電線接続具(4)に形成した雄ねじ(4b)を接続金具(1A)の端(41)の雌ねじ(S)にねじ込み、接続金具(1)と絶縁被覆電線(7)を接続する。
なお、絶縁被覆電線(7)の中空電極(3)内部に位置する範囲に水浸入防止部材(91)を取り付けてもよい(図4参照)。
また、電線(7)に被せた電線接続スリーブ(4a)をかしめ(9)て水浸入防止部材(91)を形成しても良く、また、水浸入防止部材(91)としては、ゴム製のリングなどを使用してもよい。
次いで、上記接続金具(1)を、中空電極(3)内部に挿入する。
ボックススパナ等でボルト(2)を締め付け、接続金具(1A)を接続金具(1B)側に引き寄せる。
これによって、接続金具(1A)、(1B)同士の合わせ面である斜面(1a)、(1b)が斜めにずれて段(H,H)ができ、接続金具(1A)の側面の円弧頂部のハンダ(5)が中空電極(3)内面に接触する。
さらにボルト(2)を締め付けると、接続金具(1A)側面の円弧頂部と、接続金具(1B)の斜面(1b)の端とが中空電極(3)内面の反対方向に押し付けられ、接続金具(1)が固定される。
次いで、中空電極(3)を、絶縁被覆電線(7)を上向きにして立てかけ、底部をプラグ等で栓をする。
中空電極(3)の頭部から電気絶縁性樹脂(8)を内部に流し込む。
電気絶縁性樹脂(8)は、電極(3)内面と、一部が軸方向に沿って弓形に切り取られた半円柱体形状の接続金具(1)との隙間を通って底から上部まで一度に充填させることができる。
また、隙間を設けることにより、電気絶縁性樹脂(8)充填の際、接続金具(1)下の中空電極(3)の内部の空気が抜けるので、電気絶縁性樹脂(8)の巣ができない。
なお、絶縁被覆電線(7)の中空電極(3)内部に位置する範囲に水浸入防止部材(91)を取り付ければ、電気絶縁性樹脂(8)硬化の際の収縮により万一、絶縁被覆電線(7)との間に隙間ができても、水の浸入を食い止め、接続金具(1)に到達しない。
ボルト(2)の頭部にも電線接続具(4)と同様の電線接続スリーブ(4a)を設けて、絶縁被覆電線(7)をボルト(2)に接続すれば、電線の先に上記同様の作業で、他の不溶性電極(10)を接続することができるので、複数の不溶性電極(10)を一連に繋いだ不溶性電極群を製作することもできる。
中空電極への電線の接続が確実、容易になり、電極内部への樹脂充填作業が一回で済むことによって、不溶性電極の中空円筒状電極組み立て作業が容易になる。
1 接続金具
1A 接続金具
1a 接続金具(1A)の斜面
1B 接続金具
1b 接続金具(1B)の斜面
2 ボルト
21 ボルト挿入口
3 中空電極
4 電線接続具
4a 電線接続スリーブ
4b 雄ねじ
5 電気接続点
6 溝
7 絶縁被覆電線
8 電気絶縁性樹脂
9 かしめ
91 水浸入防止部材
10 不溶性電極
,H 段差
S 雌ねじ

Claims (8)

  1. 不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具において、
    接続金具(1)は、接続金具(1A)と接続金具(1B)からなり、接続金具(1A)と接続金具(1B)は、接続金具(1A)の端部に形成された斜面(1a)と、接続金具(1B)の端部に形成された斜面(1b)で相対向し、接続金具(1A)の斜面(1a)と反対側の端部には絶縁被覆電線(7)が接続され、接続金具(1B)の斜面(1b)と反対側の端部にはボルト(2)が挿入されるボルト挿入口(21)が形成され、接続金具(1B)のボルト挿入口(21)からボルト(2)を挿入し、接続金具(1B)を貫通して接続金具(1A)の内周に形成された雌ねじと螺合して接続金具(1A)と接続金具(1B)を接続し、該ボルト(2)をねじ込んで締め付けることにより、接続金具(1A)と接続金具(1B)は斜面(1a)と斜面(1b)に沿って、それぞれの中心軸に対して垂直方向かつ相互に逆方向にずれて段差(H,H)を形成して締結され、かつ、接続金具(1A)と接続金具(1B)からなる接続金具(1)の外周面が、中空電極(3)内面と密着固定され、接続金具(1A)と接続金具(1B)とからなる接続金具(1)の少なくとも一方は、その外周円の1箇所または複数個所が軸方向に沿って切り取られた形状であって、中空電極(3)内面と接続金具(1)との間に形成される空間は、中空電極(3)の軸方向に沿って連通していることを特徴とする不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。
  2. 接続金具(1A)と接続金具(1B)とからなる接続金具(1)の少なくとも一方は、その外周円の1箇所または複数個所が軸方向に沿って弓形に切り取られた半円柱体形状であることを特徴とする請求項1に記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。
  3. 絶縁被覆電線(7)が接続される接続金具(1A)または(1B)の中空電極(3)内面と密着する外周面の円弧頂部には、電気接続点(5)が突出形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。
  4. 絶縁被覆電線(7)は、かしめ(9)により接続金具(1A)に接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。
  5. 中空電極(3)の内部であって、かつ、接続金具(1A)から離れた位置の絶縁被覆電線(7)には、水分侵入防止部材(91)が取り付けてあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具(1)を、中空円筒状の不溶性電極の内部に密着固定したことを特徴とする不溶性電極。
  7. 中空円筒状の不溶性電極の内部には、電気絶縁樹脂(8)が充填されていることを特徴とする請求項6に記載の不溶性電極。
  8. 請求項6または7に記載される不溶性電極を複数個配置し、それぞれの絶縁被覆電線(7)の一端を接続金具(1A)に接続するとともに、その他端を、他の不溶性電極に設けられた接続金具(1B)のボルト(2)に直列になるように接続することを特徴とする不溶性電極群。
JP2014031266A 2014-02-21 2014-02-21 不溶性電極に絶縁被覆電線を接続するための接続金具および不溶性電極 Active JP6308798B2 (ja)

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