JP6308539B1 - ワイヤハーネス検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単に導通検査をすることができるワイヤハーネス検査装置を提供する。【解決手段】ワイヤハーネスMの信号ラインに対応して、第1受コネクタ101から信号が入力され、第2受コネクタ102に信号を出力する信号ライン第1判定手段111を備える。1番目の信号ライン第1判定手段111−1は、基準信号と、1番目の信号ライン第1受ピン101−S1を通過した1番個別信号と、遅延信号が入力され、乗算して2番目の信号ライン第2受ピン102−S2に出力する。m番目の信号ライン第1判定手段111−mは、m−1番目の信号ライン第1受ピン101−Sm−1を通過したm−1番個別信号と、m番目の信号ライン第1受ピン101−Smを通過したm番個別信号と、遅延信号とが入力され、乗算して、m+1番目の信号ライン第2受ピン102−Sm+1に出力する。【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤハーネスの導通を検査するワイヤハーネス検査装置に関する。
近年、産業用機械においてワイヤハーネスが多数使用されている。ワイヤハーネスは、例えば、複数の電線を結束帯やチューブ、粘着テープなどでまとめ、端部に複数の電線を一度に接続できるコネクタが取り付けられている。このようなワイヤハーネスでは、製造の最終工程において、電線が設計通りに配線されているか否、又は、断線やショートがないか等の導通検査が行われる。この導通検査は非常に面倒であり、従来より、簡便に検査することができる検査装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、ダイオードが同一方向に接続され、かつ各接点及び両端のダイオードの端子に一個ずつ配線されたコネクタを有するダイオード終端器(1)と切替接触子が電源Eに接続されたn接点スイッチにより入力コネクタに電源Eを順次切替接続して、電流符号比較回路により電流符号致と不一致を検出する配線良否判定回路(3)により構成され、ケーブルの片側のコネクタにダイオード終端器(1)を接続し、さらに他方のコネクタを配線良否判定回路(3)の入力コネクタに接続して、ケーブルの配線の良否を判定する検査装置が記載されている。この検査装置によれば、スイッチを接点1からnに順次切り替えて各入力コネクタに電源Eを順次切替接続し、電流符号が一致するか否かを見ることにより、不良を発見することができる。
特開平6−148252号公報
しかしながら、特許文献1に記載の検査装置では、電流符号の不一致を見るので、誤配線と短絡とを区別することができず、また、複数個所において誤配線があった場合には、誤配線の位置を特定することが難しいという問題があった。更に、スイッチを接点1からnに順次切り替えて各入力コネクタに電源Eを順次切替接続し、各入力コネクタについて電流符号の一致を見るので、手間がかかり面倒であるという問題もあった。
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、簡単に導通検査をすることができるワイヤハーネス検査装置を提供することを目的とする。
本発明のワイヤハーネス検査装置は、ワイヤハーネスの導通を検査するものであって、ワイヤハーネスを接続する第1受コネクタ及び第2受コネクタと、これら第1受コネクタ及び第2受コネクタに接続され、ワイヤハーネスのn本(nは3以上の整数)の信号ラインに対応して、第1受コネクタから信号が入力され、第2受コネクタに信号を出力するn−1個の信号ライン第1判定手段と、1番目の信号ライン第1判定手段に対して、基準信号を入力する基準信号入力手段と、n−1個の信号ライン第1判定手段に対して、1番目からn−1番目まで順番に所定の時間ずつ遅らせて、矩形波よりなる遅延信号を入力する遅延信号回路と、第1受コネクタを通過した信号に基づいて、各信号ラインの検査結果を個別に表示するn個の信号ライン個別表示手段とを備え、1番目の信号ライン第1判定手段は、基準信号入力手段からの基準信号と、第1受コネクタにおいて1番目の信号ライン第1受ピンを通過した矩形波よりなる1番個別信号と、遅延信号回路からの遅延信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その出力信号を第2受コネクタの2番目の信号ライン第2受ピンに対して出力する機能を有し、m番目(mは2以上n−1以下の整数)の信号ライン第1判定手段は、第1受コネクタにおいてm−1番目の信号ライン第1受ピンを通過した矩形波よりなるm−1番個別信号と、第1受コネクタにおいてm番目の信号ライン第1受ピンを通過した矩形波よりなるm番個別信号と、遅延信号回路からの遅延信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その出力信号を第2受コネクタのm+1番目の信号ライン第2受ピンに対して出力する機能を有するものである。
このワイヤハーネス検査装置では、例えば、第1受コネクタ及び第2受コネクタにワイヤハーネスを接続し、1番目の信号ライン第2受ピンに矩形波よりなる信号を入力し、1番目の信号ライン第1判定手段に基準信号及び遅延信号を入力する。1番目の信号ライン第1判定手段では、例えば、基準信号と、1番目の信号ライン第1受ピンを通過した矩形波よりなる1番個別信号と、遅延信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その出力信号を2番目の信号ライン第2受ピンに対して出力する。また、m番目の信号ライン第1判定手段では、例えば、m−1番目の信号ライン第1受ピンを通過した矩形波よりなるm−1番個別信号と、m番目の信号ライン第1受ピンを通過した矩形波よりなるm番個別信号と、遅延信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その出力信号をm+1番目の信号ライン第2受ピンに対して出力する。よって、信号ライン第1判定手段は1番目からn−1番目まで順に動作する。また、信号ライン個別表示手段は、第1受コネクタの各信号ライン第1受ピンを通過した信号に基づいて、各信号ラインの良否を個別に表示する。
例えば、m番目の信号ラインに断線があった場合には、m−1番目までの信号ライン個別表示手段は導通となるが、m番目の信号ライン第1受ピンにはm番個別信号が入力されないので、m番目の信号ライン個別表示手段は不通となる。また、m番目以降の信号ライン第1判定手段は動作停止となり、m+1番目以降の信号ライン第1受ピンにも信号が入力されないので、m+1番目以降の信号ライン個別表示手段も不通となる。よって、各信号ライン個別表示手段において、所定の番号以降の全てに不通の表示がされた場合には、所定の番号の信号ラインに断線があることが分かる。
また、例えば、m番目とm+1番目の信号ラインが誤配線されていた場合には、m番目の信号ライン第1受ピンにm番目の信号ライン第1判定手段の出力が入力されるので、信号は入力されず、m番目の信号ライン個別表示手段は不通となる。また、m番目以降の信号ライン第1判定手段は動作停止となるが、誤配線されたm+1番目の信号ライン第1受ピンには、m番目の信号ライン第1受ピンに入力されるべき信号が入力されるので、m+1番目の信号ライン個別表示手段導通となる。よって、各信号ライン個別表示手段において、所定の番号において不通が表示され、所定の番号よりも後の番号において導通の表示がされた場合には、その不通の表示がされた番号の信号ラインと導通の表示がされた番号の信号ラインとが誤配線されていることが分かる。
本発明によれば、各信号ライン個別表示手段において、所定の番号以降の全てに不通の表示がされた場合には、所定の番号の信号ラインに断線があることが分かり、所定の番号において不通が表示され、所定の番号よりも後の番号において導通の表示がされた場合には、その不通の表示がされた番号の信号ラインと導通の表示がされた番号の信号ラインとが誤配線されていることが分かるので、信号ラインについて、断線の有無及び位置、並びに、誤配線の有無及び位置を容易に検出することができる。
また、第1受コネクタを通過した信号に基づいて、信号ライン全体における良否を知らせる信号ライン全体判定手段を備えるようにすれば、不良の有無を容易に知ることができる。
更に、L番目(Lは1以上n以下の整数)の信号ライン第2受ピンに入力されるL番信号と、L+1番目の信号ライン第2受ピンに入力されるL+1番信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力する信号ライン第2判定手段と、信号ライン第2判定手段の出力をセット入力信号、L番信号の反転信号を積分した信号をリセット入力信号とするフリップフロップ回路とを有する信号ラインショート検出手段を備えるようにすれば、フリップフロップ回路の出力信号に基づいて、L番目とL+1番目の信号ラインのショートを容易に検出することができる。
加えて、信号ラインショート検出手段は、フリップフロップ回路の出力の反転信号と、マルチバイブレータの出力とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力する信号ライン第3判定手段を有するようにすれば、ショートがある場合に、一定の間隔を開けたパルス信号を出力することができる。よって、信号ラインショート検出手段の出力信号と、信号ライン第1受ピンを通過した信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力する信号ライン個別判定手段を設けるようにすれば、信号ライン個別表示手段において、信号ラインの断線、誤配線、及び、ショートを区別して表示することができる。よって、容易に不良の内容を知ることができる。
更にまた、各正電源ラインの導通状態を第1色の光で表示する正電源ライン個別表示手段と、各負電源ラインの導通状態を第1色とは異なる第2色の光で表示する負電源ライン個別表示手段とを備えるようにすれば、光及び色により、正電源ライン及び負電源ラインの断線、及び、誤配線を区別して表すことができる。よって、正電源ライン及び負電源ラインについて、断線の有無及び位置、並びに、誤配線の有無及び位置を容易に検出することができる。
本発明の一実施の形態に係るワイヤハーネス検査装置の全体構成を表す図である。 信号ライン誤配線検査部、信号ライン個別総合判断部、信号ライン全体判定手段、及び、表示部の構成を表す回路図である。 正電源ライン検査部、負電源ライン検査部、及び、表示部の構成を表す回路図である。 増設回路基板104の構成を表す回路図である。 信号ラインにショートがない場合のショート検出手段における動作を説明するタイムチャート図である。 信号ラインにショートがある場合のショート検出手段における動作を説明するタイムチャート図である。 電源装置の構成を表す図である。 ワイヤハーネスMの信号ラインに誤配線がある場合を説明するための図である。 ワイヤハーネスMの信号ラインに断線がある場合を説明するための図である。 ワイヤハーネスMの正電源ラインと負電源ラインとに誤配線がある場合を説明するための図である。 ワイヤハーネスMの正電源ライン又は負電源ラインに誤配線がある場合を説明するための図である。 ワイヤハーネスMの正電源ライン又は負電源ラインに断線がある場合を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るワイヤハーネス検査装置100の全体構成を表すものである。このワイヤハーネス検査装置100は、ワイヤハーネスMの導通を検査するものであり、例えば、シーケンサー用ワイヤハーネスの検査に好ましく用いることができる。ワイヤハーネスMは、例えば、複数の電線M1をまとめ、端部に複数の電線M1を一度に接続できる第1コネクタM2と第2コネクタM3とが取り付けられた構成を有している。本実施の形態では、電線M1として、n本(nは3以上の整数)の信号ラインと、n本の正電源ラインと、n本の負電源ラインとを有し、電線M1の一方の端部に第1コネクタM2としてn個の3Pコネクタが取り付けられ、電線M1の他方の端部に1個の第2コネクタM3が取り付けられたシーケンサー用ワイヤハーネスを検査する場合を例に挙げて説明する。
このワイヤハーネス検査装置100は、例えば、ワイヤハーネスMを接続する第1受コネクタ101及び第2受コネクタ102と、これら第1受コネクタ101及び第2受コネクタ102に接続された本体回路基板103と、この本体回路基板103に接続された増設回路基板104と、これら本体回路基板103及び増設回路基板104に入力する信号を制御する電源装置105とを備えている。
第1受コネクタ101は、ワイヤハーネスMの第1コネクタM2が取り付けられるものであり、第1コネクタM2に対応して、例えば、n個の3Pコネクタが設けられている。第2受コネクタ102は、ワイヤハーネスMの第2コネクタM3が取り付けられるものであり、第2コネクタM3に対応して、例えば、1個のコネクタが設けられている。
本体回路基板103は、例えば、ワイヤハーネスMの信号ラインの誤配線を個別に検査する信号ライン誤配線検査部110と、各信号ラインの総合判断を行う信号ライン個別総合判断部120と、信号ライン全体における良否を判定する信号ライン全体判定手段130と、検査の結果を表示する表示部140と、ワイヤハーネスMの正電源ラインを検査する正電源ライン検査部150と、ワイヤハーネスMの負電源ラインを検査する負電源ライン検査部160と、正電源ラインと負電源ラインとのショートを検出する電源ラインショート検出手段170とを有している。
図2は、信号ライン誤配線検査部110、信号ライン個別総合判断部120、信号ライン全体判定手段130、及び、表示部140の構成を表すものである。信号ライン誤配線検査部110は、例えば、ワイヤハーネスMのn本の信号ラインM11に対応して、第1受コネクタ101から信号が入力され、第2受コネクタ102に信号を出力するn−1個の信号ライン第1判定手段111を有している。
1番目の信号ライン第1判定手段111−1は、電源装置105と、第1受コネクタ101における1番目の信号ラインM11−1に対応する1番目の信号ライン第1受ピン101−S1と、第2受コネクタ102における2番目の信号ラインM11−2に対応する2番目の信号ライン第2受ピン102−S2とそれぞれ接続されている。この1番目の信号ライン第1判定手段111−1は、電源装置105からの基準信号と、1番目の信号ライン第1受ピン101−S1を通過した矩形波よりなる1番個別信号と、電源装置105からの遅延信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その出力信号を2番目の信号ライン第2受ピン102−S2に対して出力する機能を有している。
m番目(mは2以上n−1以下の整数)の信号ライン第1判定手段111−mは、第1受コネクタ101におけるm−1番目の信号ラインM11−m−1に対応するm−1番目の信号ライン第1受ピン101−m−1と、第1受コネクタ101におけるm番目の信号ラインM11−mに対応するm番目の信号ライン第1受ピン101−mと、電源装置105と、第2受コネクタ102におけるm+1番目の信号ラインM11−m+1に対応するm+1番目の信号ライン第2受ピン102−Sm+1とそれぞれ接続されている。このm番目の信号ライン第1判定手段111−mは、m−1番目の信号ライン第1受ピン101−m−1を通過した矩形波よりなるm−1番個別信号と、m番目の信号ライン第1受ピン101−mを通過した矩形波よりなるm番個別信号と、電源装置105からの遅延信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その出力信号をm+1番目の信号ライン第2受ピン102−Sm+1に対して出力する機能を有している。
1番目の信号ライン第2受ピン102−S1は電源装置105と接続されており、1番目の信号ライン第2受ピン102−S1と電源装置105との間にはダイオード112が接続されている。また、1番目の信号ライン第1判定手段111−1と2番目の信号ライン第2受ピン102−S2との間、及び、m番目の信号ライン第1判定手段111−mとm+1番目の信号ライン第2受ピン102−Sm+1との間にも、それぞれダイオード112が接続されている。このダイオード112は、ワイヤハーネスMに誤配線があった場合に逆流を防止するためのものである。
1番目の信号ライン第1受ピン101−S1と1番目の信号ライン第1判定手段111−1とを接続する配線、及び、m番目の信号ライン第1受ピン101−Smとm番目の信号ライン第1判定手段111−mとを接続する配線には、ノイズフィルター113がそれぞれ接続されている。ノイズフィルター113は、例えば、コンデンサーと抵抗とからなる積分回路により構成されており、ワイヤハーネスMに外部空間より進入するノイズ等を除去すると共に、ワイヤハーネスMに誤配線があった時に信号ライン第1判定手段111に帰還されるトゲ波電圧を除去するためのものである。なお、n番目の信号ライン第1受ピン101−Snと信号ライン個別総合判断部120、具体的には、n番目の後述する信号ライン個別判定手段121−nとを接続する配線にも、ノイズフィルター113が接続されている。
信号ライン個別総合判断部120は、例えば、ワイヤハーネスMのn本の信号ラインM11に対応して、第1受コネクタ101及び増設回路基板104から信号が入力され、表示部140に信号を出力するn個の信号ライン個別判定手段121を有している。各信号ライン個別判定手段121は、各信号ラインの導通状態を個別に判定するものである。L番目(Lは1以上n以下の整数)の信号ライン個別判定手段121−Lは、第1受コネクタ101におけるL番目の信号ラインM11−Lに対応するL番目の信号ライン第1受ピン101−SLと、増設回路基板104と、表示部140とそれぞれ接続されており、L番目の信号ライン第1受ピン101−SLを通過したL番個別信号と、増設回路基板104からのL番目の信号ラインM11−Lに対応するショートに関する信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力する機能を有している。各信号ライン個別判定手段121と表示部140との間には、逆流防止用のダイオード122がそれぞれ接続されている。
信号ライン全体判定手段130は、例えば、各信号ライン個別判定手段121の出力電圧の総和をデジタル処理するためのダイオード131を有し、この出力信号に基づいて、全ての信号ラインM11につい不良が存在しなかったかを検出するようになっている。
表示部140は、例えば、ワイヤハーネスMの各信号ラインについて個別に検査結果を表示するn個の信号ライン個別表示手段141と、信号ライン全体として判定結果を表示する信号ライン全体表示手段142とを有している。各信号ライン個別表示手段141は、各信号ライン個別判定手段121と個別に接続されている。各信号ライン個別表示手段141は、例えば、LED等により検査結果を光で表示するように構成されており、導通があった時に点灯し、不通であった時に点灯しないように設定されている。
信号ライン全体表示手段142は、信号ライン全体判定手段130と接続されており、信号ライン全体判定手段130の判定結果をLED等の光とブザー等の音で表示するように構成されている。例えば、全ての信号ラインM11について導通があった時には、良として点灯すると共に連続音を発生させ、信号ラインM11について1つでも不通があった時には、不良として点滅すると共に断続音を発生させるように設定されている。
図3は、正電源ライン検査部150、負電源ライン検査部160、電源ラインショート検出手段170、及び、表示部140の構成を表すものである。正電源ライン検査部150は、例えば、ワイヤハーネスMのn本の正電源ラインM12に対応して、第1受コネクタ101の各正電源ライン第1受ピン101−Pと表示部140とを個別に接続するn本の配線151を有している。各配線151には、逆流防止用のダイオード152がそれぞれ接続されている。また、正電源ライン検査部150は、正電源ライン全体について判定する正電源ライン全体判定手段153を有している。正電源ライン全体判定手段153は、各正電源ライン第1受ピン101−P及び表示部140と接続され、各正電源ライン第1受ピン101−Pからの入力を乗算し、その結果に基づいて、全ての正電源ラインM12につい不良が存在しなかったかを検出するようになっている。なお、第2受コネクタ102の正電源ライン第2受ピン102−Pは電源装置105と接続されている。
負電源ライン検査部160は、例えば、ワイヤハーネスMのn本の負電源ラインM13に対応して、第1受コネクタ101の各負電源ライン第1受ピン101−Nと表示部140とを個別に接続するn本の配線161を有している。各配線161には、逆流防止用のダイオード162がそれぞれ接続されている。また、負電源ライン検査部160は、負電源ライン全体について判定する負電源ライン全体判定手段163を有している。負電源ライン全体判定手段163は、各負電源ライン第1受ピン101−N及び表示部140と接続され、各負電源ライン第1受ピン101−Nからの入力を乗算し、その結果に基づいて、全ての負電源ラインM13につい不良が存在しなかったかを検出するようになっている。なお、第2受コネクタ102の負電源ライン第2受ピン102−Nは電源装置105と接続されている。
電源ラインショート検出手段170は、例えば、正電源ライン第2受ピン102−P及び負電源ライン第2受ピン102−Nに接続され、正電源ライン第2受ピン102−Pに入力される信号と、負電源ライン第2受ピン102−Nに入力される信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、結果を表示部140に出力するように構成されている。
表示部140は、例えば、ワイヤハーネスMの各正電源ラインM12について個別に検査結果を表示するn個の正電源ライン個別表示手段143と、正電源ライン全体として判定結果を表示する正電源ライン全体表示手段144と、ワイヤハーネスMの各負電源ラインM13について個別に検査結果を表示するn個の負電源ライン個別表示手段145と、負電源ライン全体として判定結果を表示する負電源ライン全体表示手段146と、電源ラインショート検出手段170の検出結果を表示する電源ラインショート表示手段147とを有している。
各正電源ライン個別表示手段143は、例えば、各配線151を介して各正電源ライン第1受ピン101−Pと個別に接続され、各正電源ラインM12の導通状態をLED等により光で表示するように構成されている。例えば、第1色のLED等を用い、導通があった時に点灯し、不通であった時には点灯しないように設定されている。
正電源ライン全体表示手段144は、正電源ライン全体判定手段153と接続されており、正電源ライン全体判定手段153の判定結果をLED等の光とブザー等の音で表示するように構成されている。例えば、全ての正電源ラインM12について導通があった時には、良として点灯すると共に連続音を発生させ、正電源ラインM12について1つでも不通があった時には、不良として点灯せずに断続音を発生させるように設定されている。
各負電源ライン個別表示手段145は、例えば、各配線161を介して各負電源ライン第1受ピン101−Nと個別に接続され、各負電源ラインM13の導通状態をLED等により光で表示するように構成されている。例えば、第2色のLED等を用い、導通があった時に点灯し、不通であった時には点灯しないように設定されている。各正電源ライン個別表示手段143の第1色と、各負電源ライン個別表示手段145の第2色とは、異なる色とすることが好ましい。点灯の有無により断線を判断し、点灯の色により誤配線を判断することができるからである。また、各正電源ライン個別表示手段143と各負電源ライン個別表示手段145とは別にそれぞれ設けるようにしてもよいが、例えば、2色LED等を用いて一体として設けるようにすれば、どちらか一方のみが点灯した場合と、両方点灯した場合の合計3色で表すことができるので、誤配線の種類に応じて色を変えることができるので好ましい。
負電源ライン全体表示手段146は、負電源ライン全体判定手段163と接続されており、負電源ライン全体判定手段163の判定結果をLED等の光とブザー等の音で表示するように構成されている。例えば、全ての負電源ラインM13について導通があった時には、良として点灯すると共に連続音を発生させ、負電源ラインM13について1つでも不通があった時には、不良として点灯せずに断続音を発生させるように設定されている。
電源ラインショート表示手段147は、電源ラインショート検出手段170と接続されており、その検出結果をLED等の光とブザー等の音で表示するように構成されている。例えば、正電源ラインM12と負電源ラインM13との間にショートがない場合には、良として光も音も発生させず、ショートとがあった時には、不良として点滅させると共に断続音を発生させるように設定されている。
図4は、増設回路基板104の構成を表すものである。増設回路基板104は、例えば、第2受コネクタ102及び信号ライン個別判定手段121にそれぞれ接続され、ワイヤハーネスMの隣接する信号ラインのショートを検出する信号ラインショート検出手段180を有している。
信号ラインショート検出手段180は、例えば、第2受コネクタ102において、L番目(Lは1以上n以下の整数)の信号ラインM11−Lに対応するL番目の信号ライン第2受ピン102−SLに入力されるL番信号と、隣接するL+1番目の信号ラインM11−L+1に対応するL+1番目の信号ライン第2受ピン102−SL+1に入力されるL+1番信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力するn個の信号ライン第2判定手段181−Lを有している。なお、Lがnの場合には、n+1番目の信号ラインはないので、信号ラインが接続されない隣接する空のn+1番目の信号ライン第2受ピン102−Sn+1に接続され、n番信号とn+1番信号とを入力信号とし、それらを乗算して出力するようになっている。
信号ラインショート検出手段180は、更に、例えば、L番信号を反転する反転手段182−Lと、反転手段182−Lの出力を積分する積分手段183−Lと、各信号ライン第2判定手段181−Lの出力をセット入力信号、各積分手段183−Lの出力をリセット入力信号とするn個のフリップフロップ回路184−Lとを有している。フリップフロップ回路184−Lは、セット入力信号が0の場合には1を出力し、セット入力信号が1、リセット入力信号が0の場合には0を出力し、セット入力信号及びリセット入力信号が1の場合には出力信号を変化させずにそれまでの出力信号を出力するように構成されている。
Figure 0006308539
表1にフリップフロップ回路184−Lの真理値表を示す。また、図5及び図6に、ショート検出手段180における動作を説明するタイムチャートを示す。図5は隣接する信号ラインM11にショートがない場合、図6は隣接する信号ラインM11にショートがある場合である。ショートがない場合には、図5に示したように、信号ライン第2判定手段181−LにL番信号のみが入力されている時には、信号ライン第2判定手段181−Lの出力は1×0=0となり、フリップフロップ回路184−Lのセット入力信号が0となるので、フリップフロップ回路184−Lの出力は表1に示したように1のままで変化しない。また、信号ライン第2判定手段181−LにL番信号及びL+1番信号が入力された時には、信号ライン第2判定手段181−Lの出力は1×1=1となり、フリップフロップ回路184−Lのセット入力信号は1となるが、リセット入力信号が1となるので、フリップフロップ回路184−Lの出力は表1に示したように1のままで変化しない。
これに対して、ショートが有る場合には、図6に示したように、信号ライン第2判定手段181−LにL番信号とL+1番信号とが同時に入力されるので、信号ライン第2判定手段181−Lの出力は1×1=1、フリップフロップ回路184−Lのセット入力信号は1、リセット入力信号は0となり、フリップフロップ回路184−Lの出力は表1に示したように0となる。また、フリップフロップ回路184−Lのリセット入力信号はその後に1となるが、フリップフロップ回路184−Lの出力は表1に示したように0のまま変化しない。このように、ショートが有る場合と、ショートがない場合とで、フリップフロップ回路184−Lの出力が変わるので、信号ラインショート検出手段180は、各フリップフロップ回路184−Lの出力信号に基づいて、L番目とL+1番目の信号ラインのショートを検出することができるようになっている。
また、信号ラインショート検出手段180は、各フリップフロップ回路184−Lの出力を反転する反転手段185−Lと、この反転手段185−Lの出力と、マルチバイブレータの出力とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力するn個の信号ライン第3判定手段186−Lと、この各信号ライン第3判定手段186−Lの出力を反転するn個の反転手段187−Lとを有していることが好ましい。これにより、ショートがある場合には、一定の間隔を開けたパルス信号が出力されるようになっている。
各反転手段187−Lは、対応する信号ライン個別判定手段121に接続されている。例えば、L番目の信号ラインM11−Lに対応する信号ラインショート検出手段180の出力信号、具体的には、L番信号とL+1番信号とが入力されたL番目の信号ライン第2判定手段181−Lに対応する信号ラインショート検出手段180の出力信号は、L番目の信号ラインM11−Lに対応するL番目の信号ライン第1受ピン101−SLに接続されたL番目の信号ライン個別判定手段121−Lに入力されるようになっている。このように構成すれば、信号ライン個別表示手段141において、信号ラインの断線、誤配線、及び、ショートを区別して表示することができるので好ましい。
図7は、電源装置105の構成を表すものである。電源装置105は、信号ラインM11の検査を開始するための信号ライン検査スイッチ191と、1番目の信号ライン第2受ピン102−S1に対して矩形波を入力する信号ライン入力手段192と、1番目の信号ライン第1判定手段111に対して基準信号を入力する基準信号入力手段193と、各信号ライン第1判定手段111に対して、1番目からn−1番目まで順番に所定の時間ずつ遅らせて、矩形波よりなる遅延信号を入力する遅延信号回路194とを有している。
信号ライン入力手段192、基準信号入力手段193、及び、遅延信号回路194は、信号ライン検査スイッチ191がオンとなると、それぞれ信号の入力を開始するようになっている。信号ライン入力手段192及び遅延信号回路194の信号は、例えば、直流電圧(例えば5V)により、電圧が与えられた状態を数字の1、電圧が与えられない0Vの状態を数字の0とするデジタル信号で表される。基準信号入力手段193は、例えば、基準信号として、一定圧(例えば5V)の直流電圧を与えるようになっている。すなわち、信号ライン検査スイッチ191がオンとなると、信号ライン入力手段192及び基準信号入力手段193は直流電圧を与えて信号を入力し、遅延信号回路194は各信号ライン第1判定手段111に対して順番に所定の時間ずつ遅らせて直流電圧を与えて信号の入力を順番に開始するようになっている。
電源装置105は、また、正電源ラインM12の検査を開始するための正電源ライン検査スイッチ195と、正電源ライン検査スイッチ195がオンとなると、正電源ライン第2受ピン102−Pに対して一定圧を入力する正電源ライン入力手段196と、負電源ラインM13の検査を開始するための負電源ライン検査スイッチ197と、負電源ライン検査スイッチ197がオンとなると、負電源ライン第2受ピン102−Nに対して一定圧を入力する負電源ライン入力手段198とを有している。これらの信号は、例えば、直流電圧(例えば5V)により、電圧が与えられた状態を数字の1、電圧が与えられない0Vの状態を数字の0とするデジタル信号で表される。電源装置105は、更に、マルチバイブレータ199を有している。なお、電源装置105は、図示しない電源に対して接続されるようになっている。
このワイヤハーネス検査装置100は、例えば、次のようにしてワイヤハーネスMの検査を行う。まず、第1受コネクタ101及び第2受コネクタ102に、検査対象のワイヤハーネスMを取り付ける。次いで、順番に、信号ライン検査スイッチ191をオンにして信号ラインM11の検査を行い、正電源ライン検査スイッチ195をオンにして正電源ラインM12の検査を行い、負電源ライン検査スイッチ197をオンにして負電源ラインM13の検査を行う。信号ラインM11の検査、正電源ラインM12の検査、及び、負電源ラインM13の検査における動作は下記の通りである。
(ワイヤハーネスMの信号ラインM11に不良がない場合)
ワイヤハーネスMの信号ラインM11に不良がない場合には、次のように動作する(図2及び図4参照)。まず、信号ライン入力手段192により、1番目の信号ライン第2受ピン102−S1に対して矩形波が入力される。この信号1は、ワイヤハーネスMの1番目の信号ラインM11−1及び1番目の信号ライン第1受ピン101−S1を通過して、1番目の信号ライン第1判定手段111−1に入力される。1番目の信号ライン第1判定手段111−1には、また、基準信号入力手段193により一定圧の基準信号1が入力されると共に、遅延信号回路194により矩形波よりなる遅延信号1が入力される。1番目の信号ライン第1判定手段111−1では、1と1と1の乗算がされ、信号1が2番目の信号ライン第2受ピン102−S2に出力される。
この信号1は、ワイヤハーネスMの2番目の信号ラインM11−2及び2番目の信号ライン第1受ピン101−S2を通過して、2番目の信号ライン第1判定手段111−2に入力される。2番目の信号ライン第1判定手段111−2には、また、1番目の信号ライン第1受ピン101−S1を通過した信号1が入力されると共に、遅延信号回路194により遅延信号1が入力される。2番目の信号ライン第1判定手段111−2では、1と1と1の乗算がされ、信号1が3番目の信号ライン第2受ピン102−S3に出力される。以下、順に、m番目の信号ライン第1判定手段111−mまで同様に動作する。
また、1番目の信号ライン第1受ピン101−S1を通過した信号1は、1番目の信号ライン個別判定手段121−1に入力される。1番目の信号ライン個別判定手段121−1には、更に1番目の信号ラインM11−1に対応する信号ラインショート検出手段180からの信号1が入力される。1番目の信号ライン個別判定手段121−1では、1と1の乗算がされ、信号1が1番目の信号ライン個別表示手段141−1に出力されて点灯する。
なお、信号ラインショート検出手段180では、1番目の信号ライン第2受ピン102−S1に入力される信号1と、2番目の信号ライン第2受ピン102−S2に入力される信号1が1番目の信号ライン第2判定手段181−1に入力され、1と1の乗算がされ、信号1が1番目のフリップフロップ回路184−1にセット入力信号として入力される。また、1番目の信号ライン第2受ピン102−S1に入力される信号1は、反転し積分されて1番目のフリップフロップ回路184−1にリセット入力信号として入力される。1番目のフリップフロップ回路184−1では、表1及び図5に示したように動作し、信号1を出力する。この信号1は反転されて0となり、マルチバイブレータの出力と乗算されたのち、反転されて信号1となり、1番目の信号ライン個別判定手段121−1に入力される。
以下、順に、L番目の信号ライン個別判定手段121−1まで同様に動作し、L番目の信号ライン個別表示手段141−Lまで順に点灯し、L+1番目の信号ライン個別表示手段141−L+1にはL+1番目の信号ライン第1受ピン101−SLからの信号1が入力されて点灯する。これにより、全ての信号ライン個別表示手段141について導通が確認されて点灯する。また、各信号ライン個別判定手段121の出力信号1及びL+1番目の信号ライン第1受ピン101−SLからの信号1は、信号ライン全体判定手段130において総和のデジタル処理がされ、不良なしと判断されて、信号ライン全体表示手段142は良として点灯すると共に連続音が鳴る。これにより、信号ラインの検査が終了する。
(ワイヤハーネスMの信号ラインM11に誤配線がある場合)
ワイヤハーネスMについて、例えば、図8に示したように1番目と2番目の信号ラインM11−1,M11−2の誤配線がある場合には、次のように動作する。1番目と2番目の信号ラインが誤配線されていると、1番目の信号ライン第1判定手段111−1の入力には、自己の出力が繋がることになる。この場合、1番目の信号ライン第1判定手段111−1の出力はトゲ波状の電圧を発生させることがあるが、このトゲ波状電圧は、ノイズフィルター113により除去されるので、1番目の信号ライン第1受ピン101−S1を通過して1番目の信号ライン第1判定手段111−1に入力される信号は0となる。1番目の信号ライン第1判定手段111−1には、基準信号入力手段193により基準信号1が入力されると共に、遅延信号回路194により遅延信号1が入力されるが、0と1と1の乗算がされるので、出力信号は0となる。
また、1番目の信号ライン第1受ピン101−S1を通過した信号0は2番目の信号ライン第1判定手段111−2にも入力されるので、2番目の信号ライン第1判定手段111−2の出力は0となり、以下、m番目の信号ライン第1判定手段111−mまで動作が停止する。この動作停止は誤配線されている箇所から始まることになる。
更に、1番目の信号ライン第1受ピン101−S1を通過した信号0は1番目の信号ライン個別判定手段121−1にも入力されるので、1番目の信号ライン個別判定手段121−1の出力は0となり、1番目の信号ライン個別表示手段141−1には信号1が出力されず、不通として点灯せずに消灯を保つ。
一方、誤配線されている2番目の信号ライン第1受ピン101−S2には信号1が入力されるので、2番目の信号ライン個別判定手段121−2には信号1が入力される。2番目の信号ライン個別判定手段121−1では、2番目の信号ラインM11−2に対応する信号ラインショート検出手段180からの信号1が入力されるので、1と1の乗算がされ、信号1が2番目の信号ライン個別表示手段141−2に出力されて、導通として点灯する。
また、信号ライン全体判定手段130では不良ありと判断され、信号ライン全体表示手段142は不良として点滅すると共に断続音が鳴る。これにより、信号ライン個別表示手段141において消灯が始まった番号の信号ラインM11と、その後点灯した番号の信号ラインM11とが誤配線されていることが分かる。
なお、1番目と2番目の信号ラインM11−1,M11−2が誤配線された場合について説明したが、他の位置で誤配線があっても、例えば、5番目と8番目というように離れた位置で誤配線があっても、同様に動作する。
(ワイヤハーネスMの信号ラインM11に断線がある場合)
ワイヤハーネスMについて、例えば、図9に示したように2番目の信号ラインM11−2の断線がある場合には、次のように動作する。1番目の信号ライン第1判定手段111−1、1番目の信号ライン個別判定手段121−1、及び、1番目の信号ライン個別表示手段141−1については正常の通常動作をする。2番目の信号ライン第1判定手段111−2では、2番目の信号ライン第1受ピン101−S2から信号1が入力されないので、出力は0となり、以下、m番目の信号ライン第1判定手段111−mまで動作が停止する。この動作停止は断線されている箇所から始まることになる。
また、2番目の信号ライン個別判定手段121−2にも2番目の信号ライン第1受ピン101−S2から信号1が入力されないので、出力は0となり、2番目の信号ライン個別表示手段141−2には信号1が出力されず、不通として点灯せずに消灯を保つ。更に、信号ライン全体判定手段130では不良ありと判断され、信号ライン全体表示手段142は不良として点滅すると共に断続音が鳴る。これにより、信号ライン個別表示手段141において消灯が始まった番号の信号ラインM11に断線があることが分かる。
(ワイヤハーネスMの隣接する信号ラインM11にショートがある場合)
ワイヤハーネスMの1番目と2番目の信号ラインM11−1,M11−2にショートが有る場合には、次のように動作する(図4及び図6参照)。信号ラインショート検出手段180では、1番目の信号ライン第2受ピン102−S1に入力される信号1と、2番目の信号ライン第2受ピン102−S2に入力される信号1が1番目の信号ライン第2判定手段181−1に同時に入力され、1と1の乗算がされ、信号1が1番目のフリップフロップ回路184−1にセット入力信号として入力される。また、1番目の信号ライン第2受ピン102−S1に入力される信号1は、反転し積分されて1番目のフリップフロップ回路184−1にリセット入力信号として同時に入力される。1番目のフリップフロップ回路184−1では、表1及び図6に示したように動作し、出力信号は0となる。リセット入力信号はそののち信号1となるが、表1及び図6に示した通り、1番目のフリップフロップ回路184−1の出力は0で変化しない。この出力は反転されて信号1となり、マルチバイブレータの出力と乗算されて断続信号とされたのち、反転されて1番目の信号ライン個別判定手段121−1に入力される。
1番目の信号ライン個別判定手段121−1には、1番目の信号ライン第1受ピン101−S1を通過した信号1と、1番目の信号ラインM11−1に対応する信号ラインショート検出手段180からの断続信号が入力され、乗算がされて、1番目の信号ライン個別表示手段141−1に断続信号が出力され、不良として点滅する。このように、信号ラインM11の誤配線、断線、及び、ショートの不良の種類により、個別表示手段141の点灯の状態が異なるので、不良の種類を区別して認識することができる。また、信号ライン全体判定手段130では不良ありと判断され、信号ライン全体表示手段142は不良として点滅すると共に断続音が鳴る。
(ワイヤハーネスMの正電源ラインM12、負電源ラインM13に不良がない場合)
ワイヤハーネスMの正電源ラインM12に不良がない場合には、次のように動作する(図3参照)。まず、正電源ライン入力手段196により、各正電源ライン第2受ピン102−Pに対して一定圧(例えば5V)が入力される。この信号1は、ワイヤハーネスMの各正電源ラインM12及び各正電源ライン第1受ピン101−Pを通過して、各配線151を介して、各正電源ライン個別表示手段143に出力され、全てについて導通であることを示す第1色の点灯がされる。また、各正電源ライン第1受ピン101−Pを通過した信号1は、正電源ライン全体判定手段153に入力され、乗算されて、信号1が正電源ライン全体表示手段144に出力され、正電源ライン全体表示手段144は良として点灯すると共に連続音が鳴る。これにより、正電源ラインM12の検査が終了する。
負電源ラインM13の検査についても、正電源ラインM12と同様に、負電源ライン入力手段198により、各負電源ライン第2受ピン102−N、各負電源ラインM13、各負電源ライン第1受ピン101−N、及び、各配線161を介して、各負電源ライン個別表示手段145に出力され、全てについて導通であることを示す第2色の点灯がされる。また、各負電源ライン第1受ピン101−Nを通過した信号1は、負電源ライン全体判定手段163に入力され、乗算されて、信号1が負電源ライン全体表示手段146に出力され、負電源ライン全体表示手段146が良として点灯すると共に連続音が鳴る。これにより、負電源ラインM13の検査が終了する。
(ワイヤハーネスMの正電源ラインM12と負電源ラインM13とに誤配線がある場合)
ワイヤハーネスMについて、例えば、図10に示したように、正電源ラインM12と負電電ラインM13とを逆に接続する誤配線がある場合には、次のように動作する。例えば、正電源ラインM12を検査する際には、誤配線されている箇所では、正電源ライン入力手段196により一定圧(例えば5V)が入力されると、負電源ライン第1受ピン101−N、配線161を介して、負電源ライン個別表示手段145に信号が出力され、第2色の点灯がされる。よって、正常の箇所は第1色の点灯がされ、誤配線されている箇所は第1色は点灯せず第2色の点灯がされるので、正電源ラインM12と負電源ラインM13とを誤配線していることが分かる。また、正電源ライン全体判定手段153の出力は0となり、正電源ライン全体表示手段144は不良として点灯せず、断続音が鳴る。なお、負電源ラインM13を検査する際にも同様に動作する。
(ワイヤハーネスMの正電源ラインM12又は負電源ラインM13に誤配線がある場合)
ワイヤハーネスMについて、例えば、図11に示したように、正電源ラインM12又は負電電ラインM13の一方のみに誤配線がある場合には、次のように動作する。例えば、負電電ラインM13に接続されるべきものが正電源ラインM12に接続されている場合には、正電源ラインM12を検査する際に、誤配線されている箇所において、負電源ライン第1受ピン101−N、配線161を介して、負電源ライン個別表示手段145に信号が出力され、第1色と第2色とが同時に点灯がされる。よって、正常の箇所は第1色の点灯がされ、誤配線されている箇所は第1色と第2色とが同時に点灯がされるので、正電源ラインM12のみを誤配線していることが分かる。また、正電源ライン全体判定手段153の出力は1となり、正電源ライン全体表示手段144は正常時と同様に点灯すると共に連続音が鳴るが、負電源ラインM13の検査において、誤配線されている箇所の負電源ライン個別表示手段145は不良の表示として点灯せず、負電源ライン全体表示手段146は不良として点灯せず、断続音が鳴る。なお、正電源ラインM12に接続されるべきものが負電源ラインM13に接続されている場合も同様に動作する。
(ワイヤハーネスMの正電源ラインM12又は負電源ラインM13に断線がある場合)
ワイヤハーネスMについて、例えば、図12に示したように、正電源ラインM12又は負電電ラインM13に断線がある場合には、次のように動作する。例えば、正電源ラインM12に断線がある場合には、正電源ラインM12を検査する際に、断線がある箇所において、正電源ライン第1受ピン101−P、配線151、及び、正電源ライン個別表示手段143に信号が入力されず、正電源ライン個別表示手段143は不通として点灯しない。また、正電源ライン全体判定手段153の出力も0となり、正電源ライン全体表示手段144は不良として点灯せず、断続音が鳴る。なお、負電源ラインM13に断線がある場合も同様に動作する。
(ワイヤハーネスMの正電源ラインM12と負電源ラインM13とにショートがある場合)
ワイヤハーネスMの正電源ラインM12と負電電ラインM13とにショートがある場合には、次のように動作する(図3参照)。例えば、正電源ラインM12を検査する際も、負電源ラインM13を検査する際も、電源ラインショート検出手段170に、正電源ライン第2受ピン102−Pに入力される信号1と、負電源ライン第2受ピン102−Nに入力される信号1とが入力されるので、1と1を乗算して、信号1を電源ラインショート表示手段147に出力する。電源ラインショート表示手段147は不良として点滅点灯すると共に、断続音が鳴る。
このように本実施の形態によれば、各信号ライン個別表示手段141において、所定の番号以降の全てに不通の表示がされた場合には、所定の番号の信号ラインM11に断線があることが分かり、所定の番号において不通が表示され、所定の番号よりも後の番号において導通の表示がされた場合には、その不通の表示がされた番号の信号ラインM11と導通の表示がされた番号の信号ラインM11とが誤配線されていることが分かるので、信号ラインM11について、断線の有無及び位置、並びに、誤配線の有無及び位置を容易に検出することができる。
また、第1受コネクタ101を通過した信号に基づいて、信号ライン全体における良否を知らせる信号ライン全体判定手段130を備えるようにすれば、不良の有無を容易に知ることができる。
更に、L番目の信号ライン第2受ピン102−SLに入力されるL番信号と、L+1番目の信号ライン第2受ピン102−SL+1に入力されるL+1番信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力する信号ライン第2判定手段181と、信号ライン第2判定手段181の出力をセット入力信号、L番信号の反転信号を積分した信号をリセット入力信号とするフリップフロップ回路182とを有する信号ラインショート検出手段180を備えるようにすれば、フリップフロップ回路182の出力信号に基づいて、L番目とL+1番目の信号ラインM11−L,M11−L+1のショートを容易に検出することができる。
加えて、信号ラインショート検出手段180は、フリップフロップ回路182の出力の反転信号と、マルチバイブレータ199の出力とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力する信号ライン第3判定手段183を有するようにすれば、ショートがある場合に、一定の間隔を開けたパルス信号を出力することができる。よって、信号ラインショート検出手段180の出力信号と、信号ライン第1受ピン101−Nを通過した信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力する信号ライン個別判定手段121を設けるようにすれば、信号ライン個別表示手段121において、信号ラインの断線、誤配線、及び、ショートを区別して表示することができる。よって、容易に不良の内容を知ることができる。
更にまた、各正電源ラインM12の導通状態を第1色の光で表示する正電源ライン個別表示手段143と、各負電源ラインM13の導通状態を第1色とは異なる第2色の光で表示する負電源ライン個別表示手段145とを備えるようにすれば、光及び色により、正電源ラインM12及び負電源ラインM13の断線、及び、誤配線を区別して表すことができる。よって、正電源ラインM12及び負電源ラインM13について、断線の有無及び位置、並びに、誤配線の有無及び位置を容易に検出することができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、各構成要素について具体的に説明したが、全ての構成要素を備えていなくてもよく、また、他の構成要素を備えていてもよい。
100…ワイヤハーネス検査装置、101…第1受コネクタ、101−P…正電源ライン第1受ピン、101−N…負電源ライン第1受ピン、102…第2受コネクタ、102−P…正電源ライン第2受ピン、102−N…負電源ライン第2受ピン、103…本体回路基板、104…増設回路基板、105…電源装置、110…信号ライン誤配線検査部、111…信号ライン第1判定手段、112…ダイオード、113…ノイズフィルター、120…信号ライン個別総合判断部、121…信号ライン個別判定手段、122…ダイオード、130…信号ライン全体判定手段、131…ダイオード、140…表示部、141…信号ライン個別表示手段、142…信号ライン全体表示手段、143…正電源ライン個別表示手段、144…正電源ライン全体表示手段、145…負電源ライン個別表示手段、146…負電源ライン全体表示手段、147…電源ラインショート表示手段、150…正電源ライン検査部、151…配線、152…ダイオード、153…正電源ライン全体判定手段、160…負電源ライン検査部、161…配線、162…ダイオード、163…負電源ライン全体判定手段、170…電源ラインショート検出手段、180…信号ラインショート検出手段、181−L…信号ライン第2判定手段、182−L…反転手段、183−L…積分手段、184−L…フリップフロップ回路、185−L…反転手段、186−L…信号ライン第3判定手段、187−L…反転手段、191…信号ライン検査スイッチ、192…信号ライン入力手段、193…基準信号入力手段、194…遅延信号回路、195…正電源ライン検査スイッチ、196…正電源ライン入力手段、197…負電源ライン検査スイッチ、198…負電源ライン入力手段、199…マルチバイブレータ、M…ワイヤハーネス、M1…電線、M2…第1コネクタ、M3…第2コネクタ,M11…信号ライン、M12…正電源ライン、13…負電源ライン

Claims (5)

  1. ワイヤハーネスの導通を検査するワイヤハーネス検査装置であって、
    前記ワイヤハーネスを接続する第1受コネクタ及び第2受コネクタと、
    これら第1受コネクタ及び第2受コネクタに接続され、前記ワイヤハーネスのn本(nは3以上の整数)の信号ラインに対応して、前記第1受コネクタから信号が入力され、前記第2受コネクタに信号を出力するn−1個の信号ライン第1判定手段と、
    前記1番目の信号ライン第1判定手段に対して、基準信号を入力する基準信号入力手段と、
    前記n−1個の信号ライン第1判定手段に対して、1番目からn−1番目まで順番に所定の時間ずつ遅らせて、矩形波よりなる遅延信号を入力する遅延信号回路と、
    前記第1受コネクタを通過した信号に基づいて、前記各信号ラインの検査結果を個別に表示するn個の信号ライン個別表示手段とを備え、
    1番目の前記信号ライン第1判定手段は、前記基準信号入力手段からの基準信号と、前記第1受コネクタにおいて1番目の信号ライン第1受ピンを通過した矩形波よりなる1番個別信号と、前記遅延信号回路からの遅延信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その出力信号を前記第2受コネクタの2番目の信号ライン第2受ピンに対して出力する機能を有し、
    m番目(mは2以上n−1以下の整数)の前記信号ライン第1判定手段は、前記第1受コネクタにおいてm−1番目の信号ライン第1受ピンを通過した矩形波よりなるm−1番個別信号と、前記第1受コネクタにおいてm番目の信号ライン第1受ピンを通過した矩形波よりなるm番個別信号と、前記遅延信号回路からの遅延信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その出力信号を前記第2受コネクタのm+1番目の信号ライン第2受ピンに対して出力する機能を有する
    ことを特徴とするワイヤハーネス検査装置。
  2. 前記第1受コネクタを通過した信号に基づいて、信号ライン全体における良否を判定する信号ライン全体判定手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネス検査装置。
  3. 前記第2受コネクタにおいて、L番目(Lは1以上n以下の整数)の信号ライン第2受ピンに入力されるL番信号と、L+1番目の信号ライン第2受ピンに入力されるL+1番信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力するn個の信号ライン第2判定手段と、
    この各信号ライン第2判定手段の出力をセット入力信号、前記L番信号の反転信号を積分した信号をリセット入力信号とし、セット入力信号が0の場合には1を出力し、セット入力信号が1、リセット入力信号が0の場合には0を出力し、セット入力信号及びリセット入力信号が1の場合には出力信号を変化させずにそれまでの出力信号を出力するn個のフリップフロップ回路とを有し、
    この各フリップフロップ回路の出力信号に基づいて、前記信号ラインのショートを検出する信号ラインショート検出手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のワイヤハーネス検査装置。
  4. L番信号とL+1番信号とに基づく前記信号ラインショート検出手段の出力信号と、L番目の信号ライン第1受ピンを通過したL番個別信号とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力するn個の信号ライン個別判定手段を備え、
    前記信号ラインショート検出手段は、前記各フリップフロップ回路の出力の反転信号と、マルチバイブレータの出力とを入力信号とし、これらの入力信号を乗算して、その結果を出力するn個の信号ライン第3判定手段を有する
    ことを特徴とする請求項3記載のワイヤハーネス検査装置。
  5. 前記第1受コネクタにおいて、前記ワイヤハーネスのn本の正電源ラインに対応するn個の正電源ライン第1受ピンと個別に接続され、各正電源ラインの導通状態を第1色の光で表示するn個の正電源ライン個別表示手段と、
    前記第1受コネクタにおいて、前記ワイヤハーネスのn本の負電源ラインに対応するn個の負電源ライン第1受ピンと個別に接続され、各負電源ラインの導通状態を第1色とは異なる第2色の光で表示するn個の負電源ライン個別表示手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1に記載のワイヤハーネス検査装置。
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