JP6308462B2 - 外ケーブル構造におけるケーブル偏向部分用スペーサ、その偏向部分構造及びそのケーブル配設方法 - Google Patents

外ケーブル構造におけるケーブル偏向部分用スペーサ、その偏向部分構造及びそのケーブル配設方法 Download PDF

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Description

この発明は、例えば、橋梁の主桁断面外に配設されて、プレストレスを主桁に導入してその主桁を補強する外ケーブル構造において、そのケーブルを偏向部分で曲げる際、そのケーブル保護用としてのスペーサ及びそのスペーサを使用した偏向部分構造、並びにそのケーブルの配設方法に関する。
従来、例えば、図8に示すように、上記橋梁Bの主桁Hの補強用に使用される外ケーブル構造は、横桁CにそのケーブルPの定着部を設け、その横桁C間の下床版Eに偏向部Dを設け、その偏向部DにケーブルPを通し、前記定着部において、ジャッキ等でケーブルPの端部を緊張・定着させて、主桁Hにプレストレスを導入する(特許文献1段落0002、図9参照)。
上記ケーブルPは、例えば、図9に示す19本等のストランドaからなっており、上記横桁C、偏向部Dにおいて、それらの両側面に開口する貫通孔に保護管が挿通して嵌め込まれ、その保護管を介在した貫通孔に前記ケーブルPが挿通される(本願図2参照)。
このとき、ケーブルPは複数の横桁Cや偏向部Dに通される場合があり、その場合、ケーブルPの偏向部分は、上下(横桁C上部(定着部)又は偏向部D)に交互に生じることとなり、この偏向部分の貫通孔は、ケーブルPの両端の緊張方向(長さ方向)に沿わせるため、所定曲率の曲線部分を有する形状となっている(本願図2、特許文献1、図6、図8、図9参照)。
このように曲線部分を有する貫通孔に挿通されたケーブルPに緊張力を付与する際、その貫通孔の曲線部分外側から内側に圧縮力が生じる。この場合、その曲線部分外側(外径側)のストランドaは内側(内径側)に移動し、ケーブルPの外周形は、図9に示す円形から、例えば、同図において、上側を前記外側とすれば、同図鎖線に示すように内側に変形した形状となる。
この変形した形状のケーブルPは、その断面全域への力の不均衡が生じるため、耐久性の低下の恐れが生じる。また、各ストランドaには、防錆や傷防止のため、合成樹脂被覆したものがあり、上記外側のその合成樹脂被覆のストランドaに大きな緊張力が集中して前記合成樹脂被覆に亀裂が入ったり、場合によっては、破損したりする恐れがあり、その被覆による効果の低減を招く恐れがある。
このため、上記貫通孔に挿通するケーブルPの各ストランドa間にスペーサを介在した技術が提案されている。この技術は、偏向部分におけるストランドaの半断面形状の凹部を有するスペーサ片をケーブルP内のストランドの各層間に介在したものである(特許文献1段落0010、同0012、図1、図2、図6参照)。
特開平10−273903号公報
上記技術のスペーサは、合成ゴム等の弾性体やアルミニウム等の軟質金属からなり、その可撓性でもって上記貫通孔の曲りに対応するとしている(特許文献1請求項1、段落0013参照)。
しかし、ストランドaに導入される(付与される)緊張力は極めて大きいため、例えば、規格引張荷重の70%の緊張力、曲率半径:3m、長さ:1mの偏向部分であって、ストランドとスペーサの接触幅:3mmの時、その緊張力は15MPa以上のため、そのような可撓性を有するスペーサではその緊張力に抗することができず、破損したり、動いたりして、スペーサの役目を果たさなくなる恐れが高い。
また、その技術は、貫通孔にケーブルP(各ストランドa)を挿通した後に、スペーサ片を各ストランドaの各層間に嵌め込むとしている(特許文献1段落0020〜同0021参照)。
しかし、緊張前といっても、各ストランドaは重いものであり、例えば、19本撚りケーブルP:20.9kg/mの場合、ストランドa:1.1kg/mであり、その数mにも及ぶストランド層の荷重がかかる各ストランド間に可撓性のあるスペーサ片を差し込むことは非常に難しく、その作業性に問題がある。時に、偏向部分は最大:7mにも及ぶ場合があり、その場合はなおさらである。さらに、ケーブルPのストランドaは全長に亘って図9に示す態様ではなく、ねじれたり、交差したりしているものもあり、そのような態様のストランド層間にスペーサ片を差し込むことは非常に困難である。このため、この技術のスペーサはせいぜい1m程度の偏向部分に適用できるにすぎない。
この発明は、以上の実状の下、硬く剛性を有しても屈曲性を有するスペーサとすることを課題とする。
上記課題を達成するため、この発明は、上記外ケーブル構造のケーブル偏向部分に設けられるスペーサにおいて、そのケーブルの長さ方向に亘って複数に分割されたスペーサ片からなり、そのスペーサ片は、前記偏向部分の貫通孔に嵌り込む外周形状を有するとともに、前記ケーブルの各ストランドが貫通する挿通孔を有する構成を採用したのである。
この発明は、以上のように構成したので、分割したスペーサ片間の屈曲によってスペーサの長さ方向を貫通孔の曲線部分に対応することができる。
この発明に係るスペーサの一実施例のスペーサ片の斜視図である。 同実施例のスペーサによるケーブルの偏向部分挿通状態の断面図である。 同実施例におけるストランドへの緊張力付与説明図である。 同実施例のスペーサによるケーブルの偏向部分の試験説明図である。 同実施例の他のスペーサ片の側面図である。 同実施例を使用した外ケーブル構造の一例を示す一部切欠き部分斜視図である。 橋梁における外ケーブル構造のケーブル配設状態の各偏向部分のストランド位置説明用断面図であり、(a)は横桁偏向部分、(b)は下床版偏向部分である。 橋梁における外ケーブル構造の一般的なケーブル配設状態説明用一部切欠き部分斜視図である。 ケーブルの一例の断面図である。
この発明に係る外ケーブル構造のケーブル偏向部分に設けられるスペーサの実施形態は、そのケーブルの長さ方向に亘って複数に分割されたスペーサ片からなり、そのスペーサ片は、前記偏向部分の貫通孔に嵌り込む外周形状を有するとともに、前記ケーブルの各ストランドが貫通する挿通孔を有する構成を採用することができる。
このような構成のスペーサであると、分割したスペーサ片間の屈曲によってスペーサの長さ方向を貫通孔の曲線部分に対応することができる。このため、スペーサ片に剛性、硬度の高い材料を使用できるため、ケーブルに大きな緊張力を付与してもスペーサ片が破損する等の恐れもない。
この構成のスペーサ片は、その分割面に他のスペーサ片の分割面の突起が嵌る係止孔を設ければ、その突起を前記係止孔に嵌めることによって各スペーサ片が同一心で連結された偏向部分用スペーサとすることができる。各スペーサ片が同一心となれば、スペーサとして全長に亘って同一配置のストランド挿通孔が位置することとなるため、ストランドを挿通し易いとともに、各ストランドがねじれることもない。
なお、スペーサの断面が四角形等の多角形であれば、スペーサの回転方向の位置ずれが無くなって好適である。
以上の各スペーサを使用した外ケーブル構造のケーブル偏向部分構造の実施形態としては、その偏向部分の貫通孔と、その貫通孔に嵌め込まれたスペーサと、そのスペーサに挿し通されたケーブルとを有する構成を採用することができる。
また、以上の各スペーサを使用したケーブル偏向部分構造をなすそのケーブルを配設する方法の実施形態としては、前記偏向部分の貫通孔の曲線部分に上記スペーサ片の所要数を嵌め込んでスペーサを介在し、その各スペーサ片の挿通孔に前記ケーブルの各ストランドを挿通する構成等を採用することができる。
これらの方法において、一般的な偏向管(保護管)の形状である円筒の場合、上記スペーサ片を上記貫通孔に嵌め込む際、その貫通孔を貫通するメッセンジャーワイヤに前記スペーサ片をその挿通孔を介して挿し通し、前記スペーサ片を前記貫通孔に嵌め込むようにすることができる。この場合、メッセンジャーワイヤに各スペーサ片を挿し通せば、そのメッセンジャーワイヤをガイドとしてスペーサ片を貫通孔に嵌め込むことができる。
このとき、各スペーサ片の複数の挿通孔、好ましくはその中心の点対称位置の挿通孔にメッセンジャーワイヤをそれぞれ挿し通すようにすれば、メッセンジャーワイヤに対する各スペーサ片の位置決めが成されて、その各スペーサ片の各挿通孔が同一線上に位置する。各スペーサ片の各挿通孔が同一線上に位置すれば、スペーサとして全長に亘って同一配置のストランド挿通孔が位置することとなるため、残りのストランドをスペーサに挿し通し易いとともにスペーサ全長に亘って同一のストランド挿通断面(図3、図9参照)となって、安定した緊張力を付与することができ、また、各ストランドがねじれることもない。
上記各ストランドへの緊張力の付与は、ケーブルをなすストランドの全部に一度に付与するようにしても良いが、この発明のスペーサはその挿通孔によって各ストランドが切り離されているため、各ストランドの緊張力が他のストランドに及び難い。このため、1本づつ緊張力を与えることができる。
このとき、スペーサが円柱(断面円形)の場合、ストランドの1本づつの緊張には、スペーサが中心軸周りに回転することを考慮する必要がある。スペーサがその中心軸周りに回転すると、ケーブルをなすストランドがねじれることとなり、1本づつの緊張ができなくなるからである。
このため、各ストランドに1本づつ緊張力を与えてケーブルに所要の緊張力を付与する際には、そのケーブルの曲線部分の外側から内側に向かってケーブル断面中心軸に対称に順々に、又はケーブルの曲線部分の内側から外側にケーブル断面中心軸に対称に順々に、緊張力を付与するようにすることが好ましい。
このようにすると、各ストランドの緊張に伴うスペーサ(スペーサ片)に生じる回転モーメントをバランスさせてその回転を防止し得る。このとき、スペーサが回転しない程度の低い緊張力を全てのストランドに導入した(与えた)後、必要な緊張力をさらに1本づつ全てのストランドに導入するようにすれば、そのスペーサの回転を有効に防止し得る。
さらに、各ストランドにその1本づつ緊張力を付与できれば、ケーブルをその長さ方向に向かって上下又は左右の偏向部分に交互に掛け渡す外ケーブル構造において、そのケーブルの偏向部分に上記スペーサを採用し、前記ケーブルの偏向部分からそのケーブルのストランドを分けて異なる方向に導くようにすることができる。この外ケーブル構造は、設計の自由度が増す利点がある。
この発明に係るスペーサの一実施例を図1、図2に示し、同図に示すように、この実施例のスペーサSは、10個の円柱状スペーサ片10からなる。このスペーサ片10の大きさ、数(スペーサSの分割数)などは、図2に示す偏向部分の屈曲部(曲線部分21)の長さや孔径等によって適宜に決定する。また、そのスペーサS(スペーサ片10)の材料は、ケーブルPの緊張力に抗する強度を有するものを適宜に選択する。この実施例では、高密度ポリエチレン(High Density Polyethylene:HDPE)製とし、図1において、径L:125mm、幅W:100mmとした。
このスペーサ片10は、その一側面の上下左右に突起11、他側面の上下左右にその突起11が嵌る係止孔12を有し、その突起11と係止孔12を嵌め合わせて適宜数を連結可能である。このとき、突起11と係止孔12の嵌合度合は、突起11の外周面と係止孔12の内周面との間に間隙を持たせて連結されたスペーサ片10が所要角度屈曲し得るように余裕をもっているようにする。突起11及び係止孔12の位置及び数は任意であり、これらは省略することもできる。図中、14は面取りである。
また、このスペーサ片10は、同心円上径方向順々に、1、6、12の計:19個の両側面(スペーサSの分割面)に開口する挿通孔13が形成されており、この挿通孔13にケーブルPの各ストランドaが挿通される。挿通孔13の数、大きさ、配置等は、ケーブルPのストランドaの数、径等によって、例えば、数は19以外に、7、12、27等と適宜に設定する。
このスペーサSは以上の構成であり、例えば、図8に示したケーブルPの横桁C又は(及び)下床版偏向部Dの貫通孔偏向部分に使用する。その態様の横桁Cの偏向部分を図2に示し、その各貫通孔20には、横桁C又は偏向部Dの構築時、適宜に保護管22が埋設される。この実施例では、その貫通孔20の少なくとも曲線部分21にこのスペーサSが位置するように各スペーサ片10を設ける(嵌め込む)。この実施例では10個のスペーサ片10を設けた。
そのスペーサSの設置は、少なくとも2本のストランドaに10個のスペーサ片10を挿し通し、その両ストランドaをメッセンジャーワイヤとして貫通孔20に挿し通す。その後、各スペーサ片10を貫通孔20に打ち込んで(カチ込んで)前記曲線部分21に嵌め込み挿入する。このとき、前記メッセンジャーワイヤ用ストランドaは、曲線部分21の最内側と最外側を結ぶ軸に対し90度回転させた位置(軸に対し左右対称位置)に挿通するのが好ましい。このようにすると、メッセンジャーワイヤの重量でスペーサSが回転することが無くて好ましいからである。
貫通孔20には、HDPE製パイプ23をその全長に嵌め込んでも良く、この実施例ではそのパイプ23を嵌めている。
貫通孔20の曲線部分21にそのスペーサS(全てのスペーサ片10)を嵌め込んだ後、残りのストランドaをスペーサS(各スペーサ片10)の各挿通孔13に挿通し、図2に示す、スペーサSを介在した貫通孔20へのケーブルPの挿通を完了する。このとき、全てのスペーサ片10に全てのストランドaを挿通した後で、その全スペーサ片10を貫通孔20に嵌め込むことができる。
下床版偏向部Dの貫通孔偏向部分にも同様にしてスペーサSを介在してストランドaを挿通する。
このように,各偏向部分にスペーサSを配置することにより、スペーサS設置部分の全長に亘りストランドa同士の配置間隔がスペーサSの剛性により一定に保たれる。
なお、貫通孔20を貫通するケーブルP(ストランドa)を貫通孔長より少し長くしたものとし、そのストランドaの片端に他の横桁C又は偏向部Dに向かう他の長いストランドaを連結して導入用のストランドとすることもできる。このようにすれば、貫通孔20に挿通するストランドaは仮設の軽いものとし、その軽い仮設のストランドによってストランドaの配列を本設ストランドaの挿入前に確定させることができて取り扱い易い。
この挿通状態において、ケーブルPの一端側を固定し(定着部とし)、他端側を緊張する(緊張部とする)ことによって、ケーブルPに所要の張力を付与する。
その張力は、ケーブルPの全体(全てのストランドa)に一度に行っても良いが、ストランドaを1本づつ行っても良い。何れの場合も、スペーサSの存在によって、各ストランドaは位置決めされて動くこと無く、所要の緊張力を付与することができる。
特に、ストランドaの1本毎の張力付与は、小さなジャッキ(シングルジャッキ)で行うことができるため、そのジャッキは軽く、作業性の良いものとなる(図4参照)。
その各ストランドaに1本づつ緊張力を与えてケーブルPに所要の緊張力を付与する際、図3に示す、スペーサS(スペーサ片10)が回転しないように、そのケーブルPの曲線部分21の外側(図2において上側)のストランドaから内側のストランドに向かってケーブル断面中心軸bに対称に順々(a、a、a・・a17、a18、a19)、又は同内側から外側のストランドに向かって同中心軸bに対称に順々(a19、a18、a17・・a、a、a)に緊張力を付与することができる。このとき、前者の緊張手順又は後者の緊張手順を行った後、逆の緊張手順、例えば、前者の緊張手順で行った場合は後者の緊張手順でもって緊張し直しを行うこともできる。この緊張のし直し数は任意である。
これらの場合、最初のケーブル緊張においては、各ストランドaの規格破断荷重の所要%、例えば10%としてスペーサS(スペーサ片10)と貫通孔20内面との摩擦力を高め、つぎに、ケーブルPの最終緊張においては、各ストランドaのその緊張荷重である引張荷重の所要%、例えば70%を付与するようにすれば、スペーサS(スペーサ片10)の貫通孔の軸心周りの回転を有効に防止できる。このとき、ケーブルP(各ストランドa)への緊張力の繰り返し数は任意である。
上記実施例の横桁Cが断面逆台形状のものにおいて、図4に示すように、その貫通孔20の一端から突出するケーブルPをラムチェア30aを介してアンカーデスク30bによって固定(定着)し、同他端から突出するケーブルPをラムチェア30a及びアンカーデスク30bを介して緊張可能な緊張部とし、その各ストランドaを1本づつシングルジャッキ31によって上記のように順々に緊張したところ、スペーサSの存在によって、各ストランドaは移動(回転)することなく、スペーサ片10の変形、破損もなかった。このとき、曲線部分21は約1m(スペーサ片10×10=100mm×10)であった。
上記のように、ストランドaを1本づつ緊張し得れば、図8に示す通常の外ケーブルにおいて、図6に示すように、一のケーブルPにおいて、その一部、例えば、9本のストランドaを床版下面の偏向部に導き、残りの10本を下床版Eの偏向部Dに導いて(ケーブルPの偏向部分からそのストランドaを分けて異なる方向に導いて)、各ストランドaの束P、Pに所要の緊張力を容易に付与し得る。
すなわち、ストランドaを1本づつ緊張し得れば、ケーブルPの配設態様を様々に変えることができ、例えば、横桁C、C間の下床版E上に複数の偏向部Dがあったり、同床版下面に複数の偏向部分があったりする場合において、その偏向部や定着部にケーブルP、P、Pを適宜に導いた態様を選択できるため、外ケーブル構造を構築する際の設計の自由度が増す。
なお、この種の外ケーブル構造において、ストランドaは、各偏向曲線(曲線部分21)の内側に配置される場合と外側に配置される場合とが生じる。例えば、ケーブルPが横桁Cからの下床版偏向部Dに至る場合、その横桁Cの偏向部分は曲線部分21が下向き(凸状)円弧状となって(図2参照)、緊張状態のストランドa、a、a・・a17、a18、a19は図7(a)の配置となり、一方、下床版偏向部Dの偏向部分は曲線部分21が上向き(凹状)円弧状となって、緊張状態のストランドa、a、a・・a17、a18、a19は図7(b)の配置となる。すなわち、その横桁Cの偏向部分(図7(a))において最外側のストランドa・・は下床版偏向部Dにおける偏向部分(同図(b))においては最内側となり、偏向部分の向きによって、曲線部分21の円弧に対する内側、外側のストランドaが入れ替わる。
このため、一偏向部分では、ストランドaを1本づつその円弧状保護管22(パイプ23)の内側(内径側)に位置するストランドaから順次、同外側(外径側)に位置するストランドaへと緊張していく。例えば、図7(a)ではストランドa19、a18等から同a、a等へと順次緊張していくことは可能であるが、他の偏向部分では、同外側から内側へは、例えば、図7(b)ではストランドa19、a18等から同a、aへと順次緊張していくこととなり、その外側のストランドa19、a18等の緊張により内側のストランドa、a等を拘束してしまうため、その緊張を行うことができない。
したがって、この種の外ケーブル構造においては、一のストランドaはその長さ方向に必ず複数の偏向部分が存在して上記内側となったり外側となったりするため(図8参照)、ストランドaを1本づつ緊張することはできない。このため、ストランドaを1本づつ緊張する場合には、外側から内側に向かって順々に緊張する偏向部分にはこの発明のスペーサSを介在する必要がある。勿論、内側から外側に向かって順々に緊張する場合の偏向部分にもこの発明のスペーサSを介在しても良いことは勿論である。
例えば、横桁Cに定着部を構成し、その定着部において、外側に位置するストランドaから内側に向かって緊張する場合、前記各ストランドaの配置態様の変動が生じ易いため、この発明のスペーサSを必ず介在する必要があり、一方、下床版偏向部Dにおける偏向部分においては内側のストランドaからの緊張となるため、この発明のスペーサSを必ずしも介在する必要はなくなる。
上記実施形態は、橋梁の場合であったが、他の構造物における外ケーブル構造の偏向部分にこの発明に係るスペーサSを採用し得ることは勿論である。
スペーサ片10の外周形状は、回転しない形状、例えば、縦断面三角形、同四角形、同五角形、同六角形、同七角形、同八角形(図5)、12角形、16角形等の同正多角形、同楕円形、及び同多角形等とすることができる。この時、貫通孔20(保護管22、パイプ23)もそのスペーサ片10の外周形状に対応する断面形状とすることが好ましい。さらに、スペーサ片10の外周面に摩擦抵抗を増す溝や凸条、多数の突起等を設けることもできる。
ケーブルPのストランドaは、図9に示す樹脂被覆eがされたものに限らず、その樹脂被覆eがされていないもの等を適宜に採用し得ることは勿論である。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
B 橋梁
C 横桁
D 偏向部
E 橋梁の下床版
H 主桁
S スペーサ
P、P、P ケーブル
a ケーブルのストランド
b ケーブル断面中心軸
10 スペーサSのスペーサ片
11 接続用突起
12 同係止孔
13 ストランド挿通孔
14 面取り
20 偏向部分のケーブル貫通孔
21 同貫通孔の曲線部分(偏向部分)
22 保護管
23 HDPE製パイプ
30a ラムチェア
30b アンカーデスク
31 シングルジャッキ

Claims (11)

  1. 外ケーブル構造のケーブル偏向部分に設けられるスペーサであって、そのケーブルの長さ方向に亘って複数に分割されたスペーサ片からなり、そのスペーサ片は、前記偏向部分の貫通孔の曲線部分軸方向に移動可能に嵌り込む外周形状を有するとともに、前記ケーブルの各ストランドが貫通する挿通孔を有し、さらにそのスペーサ片の外周面には、前記貫通孔の内面との摩擦抵抗を増す溝または凸条または多数の突起が設けられているケーブル偏向部分用スペーサ。
  2. 上記スペーサ片の縦断面形状を多角形とした請求項1に記載のケーブル偏向部分用スペーサ。
  3. 請求項1又は2に記載の偏向部分用スペーサにおいて、上記スペーサ片の分割面に他のスペーサ片の分割面の突起が嵌る係止孔を設け、その突起を前記係止孔に嵌めることによって各スペーサ片が同一心で連結されるケーブル偏向部分用スペーサ。
  4. 外ケーブル構造のケーブル偏向部分において、その偏向部分の貫通孔と、その貫通孔に嵌め込まれたスペーサと、そのスペーサに挿し通されたケーブルとを有し、前記スペーサは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のスペーサからなるケーブル偏向部分構造。
  5. 請求項4に記載の外ケーブル偏向部分構造をなすためのケーブル配設方法であって、前記偏向部分の貫通孔の曲線部分に請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のスペーサ片の所要数を嵌め込んでスペーサを介在し、その各スペーサ片の挿通孔に前記ケーブルの各ストランドを挿通する外ケーブル構造におけるケーブル配設方法。
  6. 請求項5に記載のケーブル配設方法において、上記スペーサ片を上記貫通孔に嵌め込む際、その貫通孔を貫通するメッセンジャーワイヤに前記スペーサ片をその挿通孔を介して挿し通し、前記メッセンジャーワイヤをガイドとして前記スペーサ片を前記貫通孔に嵌め込むようにした外ケーブル構造におけるケーブル配設方法。
  7. 請求項6に記載のケーブル配設方法において、上記スペーサ片の複数の挿通孔に上記メッセンジャーワイヤをそれぞれ挿し通すようにした外ケーブル構造におけるケーブル配設方法。
  8. 請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載のケーブル配設方法において、上記各ストランドに1本づつ緊張力を与えるようにした外ケーブル構造におけるケーブル配設方法。
  9. 請求項8に記載のケーブル配設方法において、上記各ストランドに1本づつ緊張力を与えて上記ケーブルに所要の緊張力を付与する際、そのケーブルの曲線部分の外側から内側に向かってケーブル断面中心軸に対称に順々に、又はケーブルの曲線部分の内側から外側にケーブル断面中心軸に対称に順々に、緊張力を付与するようにした外ケーブル構造におけるケーブル配設方法。
  10. 請求項8又は請求項9に記載のケーブル配設方法において、上記スペーサが回転しない程度の低い緊張力を全てのストランドに導入した後、さらに、必要な緊張力を1本づつ全てのストランドに導入するようにした外ケーブル構造におけるケーブル配設方法。
  11. ケーブルをその長さ方向に向かって上下又は左右の偏向部分に交互に掛け渡す外ケーブル構造において、そのケーブルの偏向部分に請求項4に記載のケーブル偏向部分構造を採用し、前記ケーブルの偏向部分からそのケーブルのストランドを分けて異なる方向に導くようにした外ケーブル構造。
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