JP6307332B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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本発明は有機電界発光素子(以下、有機EL素子という)に関するものであり、詳しくは、特定の構造を有する化合物をホスト材料として混合して用いることにより、低電圧でありながら高効率かつ、長寿命を達成できる有機EL素子に関するものである。
一般に、有機EL素子は、その最も簡単な構造としては発光層及び該層を挟んだ一対の対向電極から構成されている。すなわち、有機EL素子では、両電極間に電界が印加されると、陰極から電子が注入され、陽極から正孔が注入され、これらが発光層において再結合される際にエネルギーとして光を放出する現象を利用する。
近年、有機薄膜を用いた有機EL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンからなる正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体(以下、Alq3という)からなる発光層兼電子輸送層とを電極間に薄膜として設けた素子の開発により、従来のアントラセン等の単結晶を用いた素子と比較して大幅な発光効率の改善がなされたことから、自発光・高速応答性といった特徴を持つ高性能フラットパネルへの実用を目指して進められてきた。
素子の発光効率を上げる試みとして、蛍光発光材料ではなく燐光発光材料を用いることも検討されている。上記の芳香族ジアミンからなる正孔輸送層とAlq3からなる発光層とを設けた素子をはじめとした多くの素子が蛍光発光を利用したものであったが、燐光発光を用いる、すなわち、三重項励起状態からの発光を利用することにより、従来の蛍光(一重項)を用いた素子と比べて、3〜4倍程度の効率向上が期待される。この目的のためにクマリン誘導体やベンゾフェノン誘導体を発光層とすることが検討されてきたが、極めて低い輝度しか得られなかった。その後、三重項状態を利用する試みとして、ユーロピウム錯体を用いることが検討されてきたが、これも高効率の発光には至らなかった。この燐光発光を利用した研究は、燐光発光ドーパントとしては、特許文献1に挙げられるようなイリジウム錯体等の有機金属錯体を中心に研究が多数行われており、高効率に発光するものも見出されてきている。
WO01/041512 A1 WO2008-056746A1 特開2005-162709号公報 特開2005-166574号公報 US2012/0319088 A1 WO2013/094834 A1 US2009/0167162 A1 WO2009-136596号A1 WO2010-098246号A1
特許文献2は、ホスト材料としてインドロカルバゾール化合物の使用を開示している。特許文献3〜7は、ホスト材料としてカルボラン化合物の使用を開示している。また、特許文献8、9はインドロカルバゾール化合物を混合ホストとして使用することを開示している。
しかし、特定のインドロカルバゾール化合物と、カルボラン化合物を混合してホスト材料とすることで、特別の効果が発現することを教えるものはない。
有機EL素子をフラットパネルディスプレイ等の表示素子に応用するためには、素子の発光効率を改善すると同時に駆動時の安定性を十分に確保する必要がある。本発明は、上記現状に鑑み、低電圧でありながら高効率かつ高い駆動安定性を有した実用上有用な有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明は、対向する陽極と陰極の間に、1つ以上の発光層を含む有機電界発光素子において、少なくとも1つの発光層が少なくとも 2つのホスト材料と少なくとも1つの発光性ドーパントを含有し、該少なくとも2つのホスト材料のうち、1つが下記一般式(1)又は(2)で表される化合物であり、他の1つが下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする有機電界発光素子に関する。
Figure 0006307332
Figure 0006307332
ここで、環a、環c、環c’は独立に、2つの隣接環と任意の位置で縮合する式(a1)で表される芳香環又は複素環を示し、XはC−R又はNを示し、
環b、環d、環d’は独立に、は2つの隣接環と任意の位置で縮合する式(b1)で表される複素環を示し、
Arは炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜16の芳香族複素環基を示し、
Zは炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜10連結してなる連結芳香族基を示し、
は独立に、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜10連結された連結芳香族基を示し、
pは独立に 0〜7の整数を示し、
R、R〜Rは独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30 の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜18の芳香族複素環基を示し、R、R、R〜Rが炭素数6の芳香族炭化水素基の場合、置換する芳香環と縮環を形成してもよく、更にAr、Z、L、R、R〜Rが、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基である場合は、置換基を有してもよい。
Figure 0006307332
ここで、環Aは独立に、式(1a)又は式(1b)で表されるC1010の2価のカルボラン基を示し、
s、t及びuは置換数を表し、mは繰り返し数を示し、s及びtは0〜10の整数、uは0〜4の整数 であり、mは0〜6の整数である。ただし、u=1のとき、mは0もしくは1である。
、L、Lは独立に、単結合又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又はそれらが2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を示し、但し、L、L、Lはそれぞれ、s+1価の基、u+1価の基、t+1価の基であり、L、L、又はLが、2価の基となる場合、 単結合であってもよく、
Wは独立に、N―RもしくはNを示し、W=Nのとき、NはL又はLと結合する、Rは独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは未置換の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3〜16の芳香族複素環基、又は該置換若しくは未置換の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を示す。
一般式(1)及び(2)中、XがC−Rであること、又はXがC−Rであり、一般式(1)のArの少なくとも一つ若しくは一般式(2)のArの少なくとも一つが置換または未置換の炭素数3〜16の芳香族複素環基であることが望ましい。また、少なくとも 2つのホスト材料が、一般式(1)で表される化合物及び一般式(3)で表される化合物であることが望ましい。更に、発光性ドーパントが、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金から選ばれる少なくとも一つの金属を含む有機金属錯体であることが望ましい。
本発明の有機EL素子は、特定の化合物を混合ホストとして用いることで、低電圧でありながら、燐光発光ELの場合にあっては、最低励起三重項エネルギーを閉じ込めるのに十分高い最低励起三重項エネルギーを有していることから、発光層内からのエネルギー流出がなく、高効率かつ長寿命を達成できる。本発明の有機EL素子は、フラットパネルディスプレイ(携帯電話表示素子、車載表示素子、OAコンピュータ表示素子やテレビ等)、面発光体としての特徴を生かした光源(照明、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板や標識灯等への応用において、その技術的価値は大きいものである。
有機EL素子の一例を示した模式断面図である。
本発明の有機電界発光素子は、対向する陽極と陰極の間に、1つ以上の発光層を含 み、少なくとも1つの発光層が少なくとも 2つのホスト材料と少なくとも1つの発光性ドーパントを含有する。ホスト材料は、上記一般式(1)又は(2)の表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物を含む。
上記一般式(1)、(2)において、環a、環c、環c’は2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(a1)で表される芳香環(芳香族炭化水素環、複素環又は両者を意味する。)を示す。ここで、式(a1)において、XはC−R又はNを示すが、C−Rであることが好ましい。
上記一般式(1)、(2)において、環b、環d、環d’は2つの隣接環の任意の位置で縮合する式(b1)で表される複素環を示す。ここで、環cと環c’、環dと環d’は同一であっても異なっていても良い。
一般式(1)または(2)で表される化合物において、式(a1)で表される芳香環は、2つの隣接環と任意の位置で縮合することができるが、構造的に縮合できない位置がある。式(a1)で表される芳香環は、6つの辺を有するが、隣接する2つの辺で2つの隣接環と縮合することはない。また、一般式(1)、(2)において、式(b1)で表される複素環は2つの隣接環と任意の位置で縮合することができるが、構造的に縮合できない位置がある。すなわち、この複素環は、5つの辺を有するが、隣接する2つの辺で2つの隣接環と縮合することはなく、また、窒素原子を含む辺で隣接環と縮合することはない。したがって、一般式(1)、(2)で表される化合物の異性体の骨格の種類は限られる。
上記一般式(1)及び(2)において、Arは独立に、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜16の芳香族複素環基を示し、好ましくは炭素数6〜22の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜16の芳香族複素環基であり、より好ましくは炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜16の芳香族複素環基である。これらの芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基はそれぞれ置換基を有してもよい。Arはp+1価の基である。
Arの具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、ヘリセン、ヘキサフェン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、又はベンゾイソチアゾールからp+1個の水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましくはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、又はナフチリジンからp+1個の水素を除いて生じる基が挙げられる。
は、それぞれ独立に炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜10連結してなる基を示し、好ましくは炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜7連結してなる連結芳香族基である。これらの芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、連結芳香族基は各々置換基を有してもよい。
の具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、ヘリセン、ヘキサフェン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、又はベンゾイソチアゾール、又はこれら芳香族化合物の芳香環が複数連結された芳香族化合物から1個の水素を除いて生じる基が挙げられる。
本明細書でいう連結芳香族基は、複数の芳香族化合物の芳香環が複数連結された芳香族基をいう。連結芳香族基の連結構造は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、連結する芳香環は同一であっても異なっていてもよく、置換基を有してもよい。連結芳香族基は、1価又は2価以上の基であることができる。 連結芳香族基としては、例えば下記で示すような連結構造の連結芳香族基が挙げられる。
Figure 0006307332
連結芳香族基が2価の基である場合、下記で示すような連結構造の連結芳香族基が挙げられる。
Figure 0006307332
式中、Ar11〜Ar16、Ar21〜Ar26は置換または未置換の芳香環を示す。芳香環は芳香族炭化水素化合物、または芳香族複素環化合物の環を意味し、1価以上の基であることができる。芳香環が連結するとは、芳香環が直接結合で結合して連結することを意味する。芳香環が置換の芳香環である場合、置換基が芳香環であることはない。
連結芳香族基の具体例としては、例えばビフェニル、ターフェニル、ビピリジン、ビピリミジン、ビトリアジン、ターピリジン、フェニルターフェニル、ビナフタレン、フェニルピリジン、ジフェニルピリジン、フェニルピリミジン、ジフェニルピリミジン、フェニルトリアジン、ジフェニルトリアジン、フェニルナフタレン、ジフェニルナフタレン、カルバゾリルベンゼン、ビスカルバゾリルベンゼン、ビスカルバゾリルトリアジン、ジベンゾフラニルベンゼン、ビスジベンゾフラニルベンゼン、ジベンゾチオフェニルベンゼン、ビスジベンゾチオフェニルベンゼン等から水素を除いて生じる基が挙げられる。
一般式(2)中、Zは2価の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜10連結してなる連結芳香族基を示す。好ましくは、2価の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜7連結してなる連結芳香族基であり、各々の芳香環は独立に置換基を有してもよい。
Zの具体例としては、Lの具体例で例示した芳香族化合物、又はこれらが複数連結された連結芳香族化合物等から2個の水素を除いて生じる2価の基が挙げられる。
一般式(1)、式(b1)において、pは独立に 0〜7の整数を示す。好ましくは0〜5であり、より好ましくは0〜3である。
Ar、Z、およびLは上記のような芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又はこれらが連結された連結芳香族基を示すが、これらの基は置換基を有することができる。この場合、置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、又は炭素数1〜20のアルキルスルホニル基であるが、好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜24のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は炭素数12〜36のジアリールアミノ基である。なお、置換基の数は0〜5、好ましくは0〜2である。
上記置換基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルイコシル、ナフチルメチル、アントラニルメチル、フェナンスレニルメチル、ピレニルメチル、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、デセニル、イコセニル、エチニル、プロパルギル、ブチニル、ペンチニル、デシニル、イコシニル、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジペンチニルアミノ、ジデシルアミノ、ジイコシルアミノ、ジフェニルアミノ、ナフチルフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジアントラニルアミノ、ジフェナンスレニルアミノ、ジピレニルアミノ、ジフェニルメチルアミノ、ジフェニルエチルアミノ、フェニルメチルフェニルエチルアミノ、ジナフチルメチルアミノ、ジアントラニルメチルアミノ、ジフェナンスレニルメチルアミノ、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ベンゾイル、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、バレリルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノニロキシ、デトキシ、ウンデシルオキシ、ドデトキシ、トリデトキシ、テトラデトキシ、ペンタデトキシ、ヘキサデトキシ、ヘプタデトキシ、オクタデトキシ、ノナデトキシ、イコキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ、ペントキシカルボニルオキシ、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル等が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等のC1〜12のアルキル基、フェニルメチル、フェニルエチル、ナフチルメチル、アントラニルメチル、フェナンスレニルメチル、ピレニルメチル等のC7〜20のアラルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノニロキシ、デトキシ等のC1〜10のアルコキシ基、ジフェニルアミノ、ナフチルフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジアントラニルアミノ、ジフェナンスレニルアミノ等のC6〜15の芳香族炭化水素基を2つ有するジアリールアミノ基が挙げられる。
一般式(1)、式(a1)、一般式(2)において、R、R〜Rは独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30 の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜18 の芳香族複素環基であり、好ましくは、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜24のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数12〜36のジアリールアミノ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜16の芳香族複素環基であり、より好ましくは、水素、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜16の芳香族複素環基である。なお、水素以外の基である場合は、それぞれの基は置換基を有してもよい。またR〜R,及びR〜Rはフェニル基 である場合、置換する芳香環と縮環を形成してもよい。
炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルイコシル、ナフチルメチル、アントラニルメチル、フェナンスレニルメチル、ピレニルメチル、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、デセニル、イコセニル、エチニル、プロパルギル、ブチニル、ペンチニル、デシニル、イコシニル、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジペンチニルアミノ、ジデシルアミノ、ジイコシルアミノ、ジフェニルアミノ、ナフチルフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジアントラニルアミノ、ジフェナンスレニルアミノ、ジピレニルアミノ、ジフェニルメチルアミノ、ジフェニルエチルアミノ、フェニルメチルフェニルエチルアミノ、ジナフチルメチルアミノ、ジアントラニルメチルアミノ、ジフェナンスレニルメチルアミノ、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ベンゾイル、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、バレリルオキシ、ベンゾイルオキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノニロキシ、デトキシ、ウンデシルオキシ、ドデトキシ、トリデトキシ、テトラデトキシ、ペンタデトキシ、ヘキサデトキシ、ヘプタデトキシ、オクタデトキシ、ノナデトキシ、イコキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ、ペントキシカルボニルオキシ、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル等が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等の炭素数1〜10のアルキル基、フェニルメチル、フェニルエチル、ナフチルメチル、アントラニルメチル、フェナンスレニルメチル、ピレニルメチル等の炭素数7〜17のアラルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノニロキシ、デトキシ等の炭素数1〜10のアルコキシ基、ジフェニルアミノ、ナフチルフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジアントラニルアミノ、ジフェナンスレニルアミノ等の炭素数12〜28のジアリールアミノ基が挙げられる。
炭素数6〜30の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜18 の芳香族複素環基である場合の具体例としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、コラントリレン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、インドロカルバゾール、 フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、又はベンゾイソチアゾールから水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましくはベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、イソインドール、インダゾール、プリン、イソキノリン、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、インドール、カルバゾール、ジベンゾフラン、又はジベンゾチオフェンから水素を除いて生じる基が挙げられる。
一般式(1)、(2)において、R、R〜Rが水素以外の基であって、その基が置換基を有する場合の置換基は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30 の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜18 の芳香族複素環基である。好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜24のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数12〜36のジアリールアミノ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は炭素数3〜18 の芳香族複素環基であり、より好ましくは、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基ならびに炭素数3〜16の芳香族複素環基である。
上記炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30 の芳香族炭化水素基ならびに炭素数3〜16の芳香族複素環基の具体例は、上記R、R〜Rの具体例のうち、炭素数が該当するものと同様である。
一般式(1)及び(2)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
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一般式(3)において、環Aは式(1a)又は式(1b)で表されるC1010の2価のカルボラン基を示し、分子内に環Aが複数存在する場合は同一であっても異なっていてもよいが、好ましくは式(1a)で表される。
一般式(3)において、s、t及びuは置換数を表し、mは繰り返し数を表す。s及びtは0〜10の整数を表し、好ましくは1又は2である。uは0〜4の整数 を表し、mは0〜6の整数を表す。uは0又は1であることが好ましく、mは0であることが好ましい。ただし、u=1のとき、mは0もしくは1である。
、L、Lは、独立に置換若しくは未置換の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又はそれらが2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を表す。L、L、及びLは、それぞれ、s+1価、u+1価、及びt+1価の基であり、これらが2価の基である場合、単結合であってもよい。
WはN―R もしくはNを表し、Nのとき、NはL、L又はLと結合する。R は独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは未置換の炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換若しくは未置換の炭素数3〜16の芳香族複素環基、又は該置換若しくは未置換の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を表す。
未置換の芳香族炭化水素基の具体例としてはベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、アンスリル、フェナントレン、トリフェニレン、テトラフェニレン、フルオランテン、ピレン、クリセン等の芳香族炭化水素化合物、又はこれらが複数連結した芳香族炭化水素化合物から水素を除いて生じる基が挙げられ、好ましくはベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナントレン、又はトリフェニレンから水素を除いて生じる基である。
未置換の芳香族複素環基の具体例としてはピリジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ナフチリジン、カルバゾール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、アクリジン、アゼピン、トリベンゾアゼピン、フェナジン、ジアザフルオレン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾホスホール、ジベンゾボロール等の芳香族複素環化合物、又はこれらが複数連結した芳香族複素環化合物から水素を除いて生じる基が挙げられ、好ましくはピリジン、ピリミジン、トリアジン、カルバゾール、ジベンゾチオフェン又はジベンゾフランから水素を除いて生じる基である。
連結芳香族基は、芳香族環が2〜6つ連結されて構成される基であり、連結される芳香族環は同一でも異なっていてもよく、芳香族炭化水素基と芳香族複素環基の両者が含まれてもよい。連結される芳香族環の数は2〜4が好ましく、より好ましくは2又は3である。連結芳香族基の説明は、特段の断りがない限り、一般式(1)及び(2)における連結芳香族基の説明と同様である。
上記連結芳香族基の具体例としては、ビフェニル、ターフェニル、フェニルナフタレン、ジフェニルナフタレン、フェニルアントラセン、ジフェニルアントラセン、ジフェニルフルオレン、ビピリジン、ビピリミジン、ビトリアジン、ビスカルバゾール、フェニルピリジン、フェニルピリミジン、フェニルトリアジン、フェニルカルバゾール、ジフェニルピリジン、ジフェニルトリアジン、ビスカルバゾリルベンゼン、ビスジベンゾフラン、ビスジベンゾチオフェン、ビスフルオレン、フェニルジベンゾフラン、フェニルジベンゾチオフェン、ビスジベンゾフラニルベンゼン、ビスジベンゾチオフェニルベンゼン、ピリジルカルバゾール等から水素を除いて生じる基が挙げられる。
、L、L、及びR に おいて、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基又は連結芳香族基である場合は、置換基を有してもよい。置換基を有する場合の置換基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又はアセチル基であり、アルキル基、アルコキシ基は直鎖状、分岐状、環状であってもよい。好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基、又はアセチル基である。
ここで、アルキル基は、鎖状の炭化水素基の他に、シクロやテルペン類等から生じる環状炭化水素基を含む。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等の環状アルキル基が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、これらメチル基、エチル基等のアルキル基から導かれるメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
前記一般式(3)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
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2種以上のホスト材料を使用する場合は、素子を作成する前に混合して1つの蒸着源を用いて蒸着してもよく、複数の蒸着源を用いた共蒸着等の操作により素子を作成する時点で混合してもよい。ホスト材料の混合比(重量比)について、特に制限はないが、一般式(1)又は(2)で表される化合物(A)と、一般式(3)で表される化合物(B)の比(A):(B)は、95:5〜5:95の範囲が好ましく、より好ましくは90:10〜10:90の範囲である。
次に、本発明の有機EL素子の構造について、図面を参照しながら説明するが、本発明
の有機EL素子の構造は何ら図示のものに限定されるものではない。
(1)有機EL素子の構成
図1は本発明に用いられる一般的な有機EL素子の構造例を模式的に示す断面図であり、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は電子輸送層、7は電子注入層、8は陰極を各々示す。本発明の有機EL素子では、陽極、発光層、電子輸送層及び陰極を必須の層として有するが、必要により他の層を設けてもよい。他の層とは、例えば正孔注入輸送層や電子阻止層及び正孔阻止層が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、正孔注入輸送層は、正孔注入層と正孔輸送層のいずれか又は両者を意味する。
(2)基板
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの平滑で透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリア性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
(3)陽極
基板1上には陽極2が設けられるが、陽極は正孔輸送層への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物、インジウム及び/又は亜鉛の酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板上に塗布することにより陽極を形成することもできる。更に、導電性高分子の場合は電解重合により直接基板上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極を形成することもできる(Appl.Phys.Lett.,60巻,2711頁,1992年)。陽極は異なる物質で積層して形成することも可能である。陽極の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、厚みは、通常、5〜1000nm、好ましくは10〜500nm程度である。不透明でよい場合には、陽極は基板と同一でもよい。また、更には上記の陽極の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
(4)正孔輸送層
陽極2の上に正孔輸送層4が設けられる。両者の間には、正孔注入層3を設けることもできる。正孔輸送層の材料に要求される条件としては、陽極からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、更に安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5に接するために発光層からの発光を消光したり、発光層との間でエキサイプレックスを形成して効率を低下させないことが求められる。上記の一般的要求以外に、車載表示用の応用を考えた場合、素子には更に耐熱性が要求される。従って、Tgとして85℃以上の値を有する材料が望ましい。
本発明で使用できる正孔輸送材料としては、従来この層に用いられている公知の化合物を用いることができる。例えば、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5-234681号公報)、4,4',4"-トリス(1-ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72-74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体からなる芳香族アミン化合物(Chem.Commun., 2175頁、1996年)、2,2',7,7'-テトラキス-(ジフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて、各々、混合して用いてもよい。
また、上記の化合物以外に、正孔輸送層の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7-53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
正孔輸送層を塗布法で形成する場合は、正孔輸送材料を1種又は2種以上と、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により陽極上に塗布し、乾燥して正孔輸送層を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常、50重量%以下が好ましい。
真空蒸着法で形成する場合は、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合って置かれた、陽極が形成された基板上に正孔輸送層を形成させる。正孔輸送層の膜厚は、通常、1〜300nm、好ましくは 5〜100nmである。この様に薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
(5)正孔注入層
正孔注入の効率を更に向上させ、かつ、有機層全体の陽極への付着力を改善させる目的で、正孔輸送層4と陽極2との間に正孔注入層3を挿入することも行われている。正孔注入層を挿入することで、初期の素子の駆動電圧が下がると同時に、素子を定電流で連続駆動した時の電圧上昇も抑制される効果がある。正孔注入層に用いられる材料に要求される条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、すなわち、ガラス転移温度が高く、ガラス転移温度としては100℃以上が要求される。更に、イオン化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが挙げられる。
この目的のために、これまでに銅フタロシアニン等のフタロシアニン化合物(特開昭63−295695号公報)、ポリアニリン(Appl. Phys. Lett., 64巻、1245頁,1994年)、ポリチオフェン(Optical Materials, 9巻、125頁、1998年)等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜(Synth. Met., 91巻、73頁、1997年)や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物(J.Phys. D, 29巻、2750頁、1996年)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCDA)やヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(HAT)などのP型有機物(WO2005-109542号公報)が報告されている。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に応じて、混合して用いてもよい。正孔注入層の場合も、正孔輸送層と同様にして薄膜形成可能であるが、無機物の場合には、更に、スパッタ法や電子ビーム蒸着法、プラズマCVD法が用いられる。以上の様にして形成される正孔注入層の膜厚は、通常、1〜300nm、好ましくは 5〜100nmである。
(6)発光層
正孔輸送層4の上に発光層5が設けられる。発光層は、単一の発光層から形成されていてもよいし、複数の発光層を直接接するように積層して構成されていてもよい。発光層は、少なくとも 2つのホスト材料と少なくとも 1つの発光性ドーパントを含む。ホスト材料は、一般式(1)又は(2)の化合物と一般式(3)の化合物を含み、特に一般式(1)の化合物と一般式(3)の化合物を含むことがよい。発光性ドーパントとしては、蛍光性発光材料と燐光性発光材料があり、蛍光発光又は遅延蛍光発光を利用する素子の場合は前者が使用され、燐光発光の場合を利用する素子の場合は後者が使用される。
蛍光発光に使用される蛍光性発光材料としては、ペリレン、ルブレンなどの縮合環誘導体、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン660、DCM1、ペリノン、クマリン誘導体、ピロメテン(ジアザインダセン)誘導体、シアニン色素などが使用できる。
遅延蛍光発光に使用される遅延蛍光発光材料としては、例えば、カルボラン誘導体、スズ錯体、インドロカルバゾール誘導体、銅錯体、カルバゾール誘導体等が挙げられる。具体的には、以下の非特許文献、特許文献に記載されている化合物が挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
1)Adv. Mater. 2009, 21, 4802-4806、2)Appl. Phys. Lett. 98, 083302 (2011)、3)特開2011-213643号公報、4)J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 14706-14709。
遅延発光材料の具体的な例を示すが、下記の化合物に限定されるものではない。
Figure 0006307332
上記蛍光性発光材料又は遅延蛍光発光材料を発光性ドーパントとして使用し、ホスト材料を含む場合、発光性ドーパントが発光層中に含有される量は、0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.01〜10%の範囲にあることがよい。
燐光発光に使用される燐光性発光材料としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金などから選ばれる少なくとも一つの金属を含む有機金属錯体を含有するものがよい。具体的には以下の特許公報に記載されている化合物が挙げられるが、これらの化合物に限定されない。
WO2009-073245号公報、WO2009-046266号公報、WO2007-095118号公報、WO2008-156879号公報、WO2008-140657号公報、US2008-261076号公報、特表2008-542203号公報、WO2008-054584号公報、特表2008-505925号公報、特表2007-522126号公報、特表2004-506305号公報、特表2006-513278号公報、特表2006-50596号公報、WO2006-046980号公報、WO2005-113704号公報、US2005-260449号公報、US2005-2260448号公報、US2005-214576号公報、WO2005-076380号公報等。
好ましい燐光発光ドーパントとしては、Ir等の貴金属元素を中心金属として有するIr(ppy)3等の錯体類、Ir(bt)2・acac3等の錯体類、PtOEt3等の錯体類が挙げられる。これらの錯体類の具体例を以下に示すが、下記の化合物に限定されない。
Figure 0006307332
Figure 0006307332
燐光発光ドーパントが発光層中に含有される量は、2〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の範囲にあることがよい。
発光層の膜厚については特に制限はないが、通常、1〜300nm、好ましくは5〜100nmであり、正孔輸送層と同様の方法にて薄膜形成される。
(7)電子輸送層
素子の発光効率を更に向上させることを目的として、発光層5と陰極8の間に、電子輸送層6が設けられる。電子輸送層としては、陰極からスムーズに電子を注入できる電子輸送性材料が好ましく、一般的に使用される任意の材料を用いることができる。このような条件を満たす電子輸送材料としては、Alq3などの金属錯体(JP 59-194393A)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−又は5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(USP 5,645,948)、キノキサリン化合物(JP6-207169A)、フェナントロリン誘導体(JP5-331459A)、2−t−ブチル−9,10−N,N'−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
電子輸送層の膜厚は、通常、1〜300nm、好ましくは5〜100 nmである。電子輸送層は、正孔輸送層と同様にして塗布法あるいは真空蒸着法により発光層上に積層することにより形成される。通常は、真空蒸着法が用いられる。
(8)陰極
陰極8は、電子輸送層6に電子を注入する役割を果たす。陰極として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
陰極の膜厚は通常、陽極と同様である。低仕事関数金属からなる陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
更に、電子注入層7として、陰極8と電子輸送層6の間にLiF 、MgF2、Li2O等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも素子の効率を向上させる有効な方法である。
なお、図1とは逆の構造、すなわち、基板1上に陰極8、電子注入層7、電子輸送層6、発光層5、正孔輸送層4、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機EL素子を設けることも可能である。この場合も、必要により層を追加したり、省略したりすることが可能である。
また、基板1上に、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5−1、発光層5−2、電子輸送層6、電子注入層7、陰極8や陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4−1、発光層5−1、電子輸送層6−1、正孔輸送層4−2、発光層5−2、電子輸送層6−2、電子注入層7、陰極8のように複数の発光層を積層することも可能である。
本発明の有機EL素子は、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構造のいずれでもあることができる。本発明の有機EL素子によれば、低い電圧であっても発光効率が高くかつ駆動安定性においても大きく改善された素子が得られ、フルカラーあるいはマルチカラーのパネルへの応用において優れた性能を発揮できる。
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、その要旨を越えない限りにおいて、種々の形態で実施することが可能である。
実施例1
膜厚150nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10−4Paで積層させた。まず、ITO上に正孔注入層として銅フタロシアニン(CuPc)を20nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層として4,4−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)を20nmの厚さに形成した。次に発光層として、第一ホストとして化合物1−4を、第二ホストとして化合物3−21を、発光層ゲストとしてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(PPy))をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、30nmの厚さに形成した。この時、第一ホストと第二ホストとIr(PPy)の蒸着速度比(気化物の体積速度比)は、47:47:6であった。次に、正孔阻止層としてアルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フェニルフェノラート(BAlq)を10nmの厚さに形成した。次に、電子輸送層としてトリス−(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(III)(Alq)を40nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に、電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を0.5nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を100nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)からの発光が得られていることがわかった。表1に作製した有機EL素子の輝度、電圧、外部量子効率及び輝度半減時間 を示す。
実施例2〜4
実施例1において、発光層第二ホストとして表1に記載した化合物を用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれの有機EL素子からも極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)からの発光が得られていることがわかった。表1に作製した有機EL素子の輝度、電圧、視感発光効率及び輝度半減時間 を示す。
比較例1〜5
実施例1において、発光層ホストとして表1に記載した化合物を単独で用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。なお、ホスト量は、実施例1における第1ホストと第2ホストの合計と同じ量とし、ゲスト量は同様とした。得られた有機EL素子に電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれの有機EL素子からも極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)からの発光が得られていることがわかった。表1に作製した有機EL素子の輝度、電圧、視感発光効率及び輝度半減時間 を示す。
表1に作製した有機EL素子の輝度、電圧、視感発光効率及び輝度半減時間 を示す。表1において、輝度、電圧、及び発光効率は、駆動電流20mA/cm時での値であり、輝度半減時間は、初期輝度1000cd/mのときの値である。 化合物No.は上記化学式に付した番号である。
Figure 0006307332
表1において、本発明の実施例1〜4と比較例1〜5とを比較すると、実施例1〜4は輝度及び効率が向上し、良好な寿命特性を示すことが分かる。
実施例5
膜厚150nmのITOからなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度4.0×10−4 Paで積層させた。まず、ITO上に正孔注入層としてCuPcを20nmの厚さに形成し、次に正孔輸送層としてNPBを20nmの厚さに形成した。次に発光層として、第一ホストとして化合物2−5を、第二ホストとして化合物3−21を、発光層ゲストとしてIr(PPy)をそれぞれ異なる蒸着源から共蒸着し、30nmの厚さに形成した。この時、第一ホストと第二ホストとIr(PPy)の蒸着速度比は、47:47:6であった。次に、正孔阻止層としてBAlqを10nmの厚さに形成した。次に、電子輸送層としてAlqを40nmの厚さに形成した。更に、電子輸送層上に、電子注入層としてフッ化リチウム(LiF)を0.5nmの厚さに形成した。最後に、電子注入層上に、陰極としてアルミニウム(Al)を100nmの厚さに形成し、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)からの発光が得られていることがわかった。
表2に作製した有機EL素子の輝度、外部量子効率、輝度半減寿命及び輝度半減時間 を示す。
実施例6〜7
実施例5において、発光層第二ホストとして表2に記載してある化合物を用いた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を作製した。得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれの有機EL素子からも極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)からの発光が得られていることがわかった。表2に作製した有機EL素子の輝度、電圧、視感発光効率及び輝度半減時間 を示す。
比較例6〜9
実施例5において、発光層ホストとして表2に記載してある化合物を単独で用いた以外は実施例5と同様にして有機EL素子を作製した。なお、ホスト量は、実施例5における第1ホストと2ホストの合計と同じ量とした。得られた有機EL素子に外部電源を接続し直流電圧を印加したところ、いずれの有機EL素子からも極大波長517nmの発光スペクトルが観測され、Ir(PPy)からの発光が得られていることがわかった。
表2に作製した有機EL素子の輝度、外部量子効率及び輝度半減寿命を示す。輝度及び外部量子効率は、駆動電流20mA/cm時での値であり、輝度半減時間は、初期輝度1000cd/mのときの値である。
Figure 0006307332
表2において、本発明の実施例5〜7と比較例6〜9とを比較すると、実施例5〜7は輝度が向上し、良好な寿命特性を示すことが分かる。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 陰極

Claims (5)

  1. 対向する陽極と陰極の間に、1つ以上の発光層を含む有機電界発光素子において、少なくとも1つの発光層が少なくとも2つのホスト材料と少なくとも1つの発光性ドーパントを含有し、該ホスト材料が下記一般式(1)又は(2)で表される化合物と、下記一般式(3)で表される化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 0006307332
    Figure 0006307332
    (ここで、環a、環c、環c’は独立に、2つの隣接環と任意の位置で縮合する式(a1)で表される芳香環を示し、XはC−R又はNを示し、環b、環d、環d’は独立に、2つの隣接環と任意の位置で縮合する式(b1)で表される複素環を示し、
    Arは独立に、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜16の芳香族複素環基を示し、
    Zは炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜10連結してなる連結芳香族基を示し、
    は独立に、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又はそれらが2〜10連結された連結芳香族基を示し、
    pは独立に 0〜7の整数を示し、
    R、R〜Rは独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜38のアラルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭素数12〜44のジアリールアミノ基、炭素数14〜76のジアラルキルアミノ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜18の芳香族複素環基を示し、R、R、R〜Rがフェニル基の場合、フェニル基が置換する芳香環と縮環を形成してもよく、Ar、Z、L、R、R〜Rが、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基である場合は、置換基を有してもよく、
    Z、L、R、R〜R7が連結芳香族基である場合は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、連結する芳香環は同一であっても異なっていてもよく、置換基を有してもよい。)
    Figure 0006307332
    (ここで、環Aは独立に、式(1a)又は式(1b)で表されるC1010の2価のカルボラン基を示し、
    s、t及びuは置換数を表し、mは繰り返し数を示し、s及びtは0〜10の整数、uは0〜4の整数であり、mは0〜6の整数である。ただし、u=1のとき、mは0もしくは1である。
    、L、Lは独立に、単結合又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又はそれらが2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を示し、但し、L、L、Lはそれぞれ、s+1価の基、u+1価の基、t+1価の基であり、L、L、又はLが、2価の基となる場合、単結合であってもよく、
    Wは独立に、N―RもしくはNを示し、W=Nのとき、NはL又はLと結合する。Rは独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、炭素数3〜16の芳香族複素環基、又は該置換若しくは未置換の芳香族環が2〜6つ連結して構成される連結芳香族基を示す。L、L、L、Rが芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基である場合は、置換基を有してもよく、L、L、L、Rが連結芳香族基である場合は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、連結する芳香環は同一であっても異なっていてもよく、置換基を有してもよい。)
  2. 一般式(1)又は(2)において、XがC−Rである請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 一般式(1)又は(2)において、Arの少なくとも一つが置換または未置換の炭素数3〜16の芳香族複素環基である請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. ホスト材料が、一般式(1)で表される化合物及び一般式(3)で表される化合物を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  5. 発光性ドーパントが、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金及び金から選ばれる少なくとも一つの金属を含む有機金属錯体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機電界発光素子。
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