JP6307180B2 - 鉛含有ガラスからの鉛の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛含有ガラスからの鉛の回収方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、例えば、鉛を含有する光学レンズ、ブラウン管などの鉛含有ガラスから鉛を効率よく回収することができる鉛含有ガラスからの鉛の回収方法に関する。
使用済みのブラウン管テレビに用いられているブラウン管に含まれているブラウン管ガラスは、資源として有効利用するために、カレット化することによってブラウン管ガラスの原材料として水平リサイクルすることが望まれる。しかし、近年、ブラウン管テレビから液晶テレビ、プラズマテレビなどに需要が移行しつつあるため、ブラウン管ガラスを水平リサイクルすることが困難となってきていることから、ブラウン管ガラスを埋立地に埋めることによって最終処分することが検討されている。
しかしながら、ブラウン管ガラスにおける鉛の含有率は、酸化鉛ベースで21〜25質量%程度であることから、当該鉛を鉛原料として有効利用することが望まれる。特に、わが国においては、将来、鉛が不足することが予想され、また海外でも鉛の需要が増大することが考えられることから、ブラウン管ガラスを最終処分するのではなく、当該ブラウン管ガラスに含まれている鉛を回収することができる方法の開発が急務となっている。
前記ブラウン管ガラスなどの鉛含有ガラスに含まれている鉛を回収する方法として、鉛含有ガラスと粒径が100μm以上である還元剤と融剤とを含有する混合物を還元溶融し、当該鉛含有ガラスに含まれている酸化鉛を金属鉛として分離回収することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前記方法には、酸化鉛を還元することによって金属鉛として回収するためには、1200〜1600℃の高温に加熱しなければならないことからエネルギー効率が低いのみならず、前記混合物を還元溶融する際に酸化鉛が一部蒸発することから金属鉛を効率よく回収することができず、さらに蒸発した酸化鉛が大気中に飛散することを防止するためのフィルターを必要とすることから装置自体が大がかりとなるという欠点がある。
したがって、近年、鉛を含有する光学レンズ、ブラウン管などの鉛含有ガラスから鉛を容易に回収することができる鉛含有ガラスからの鉛の回収方法の開発が望まれている。
特開2012−97288号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、鉛を含有する光学レンズ、ブラウン管などの鉛含有ガラスを高温に加熱する必要がなく、酸化鉛の蒸気を系外に排出させずに鉛を容易に回収することができる鉛含有ガラスからの鉛の回収方法を提供することを課題とする。また、本発明は、鉛含有ガラスから鉛を回収する際に用いられた原料を再利用することができる鉛含有ガラスからの鉛の回収方法を提供することを課題とする。
本発明は、閉鎖系内で鉛含有ガラスから鉛を回収する方法であって、一酸化炭素を発生する物質を耐熱性容器A内に入れ、耐熱性容器Aとは別に耐熱性容器Bを用意し、耐熱性容器B内に鉛含有ガラスおよびガラス溶融剤を入れた後、耐熱性容器Bを耐熱性容器A内に入れ、耐熱性容器Aの開口部を密閉した状態で当該鉛含有ガラスが当該ガラス溶融剤の存在下で900〜1100℃の温度に加熱されるように耐熱性容器Aを加熱することによって当該鉛含有ガラスを溶融させ、得られた鉛含有ガラスの溶融物に前記一酸化炭素を発生する物質から発生した一酸化炭素ガスを接触させ、当該鉛含有ガラスの溶融物中で析出した鉛を回収することを特徴とする鉛含有ガラスからの鉛の回収方法に関する。
本発明の鉛含有ガラスからの鉛の回収方法によれば、鉛を含有する光学レンズ、ブラウン管などの鉛含有ガラスを高温に加熱する必要がなく、酸化鉛の蒸気を系外に排出させずに鉛を容易に回収することができるという優れた効果が奏される。
本発明の鉛含有ガラスからの鉛の回収方法において、ガラス溶融剤としてアルカリ金属炭酸塩を用い、一酸化炭素ガスの存在下で鉛含有ガラスの溶融物を600〜800℃の温度に冷却し、当該温度を維持することによってアルカリ金属酸化物を析出させ、析出したアルカリ金属酸化物を回収した場合には、回収されたアルカリ金属炭酸塩を再利用することができるという優れた効果が奏される。
本発明の鉛含有ガラスからの鉛の回収方法において、鉛含有ガラスをガラス溶融剤の存在下で900〜1100℃の温度に加熱する際に、一酸化炭素を発生する物質を存在させた場合には、ガラス溶融剤としてアルカリ金属炭酸塩を用い、一酸化炭素ガスの存在下で鉛含有ガラスの溶融物を600〜800℃の冷却し、当該温度を維持することによってアルカリ金属酸化物を析出させたとき、析出したアルカリ金属酸化物を効率よく回収することができるという優れた効果が奏される。
また、本発明の鉛含有ガラスからの鉛の回収方法において、回収されたアルカリ金属酸化物を水と接触させ、アルカリ金属を水中に抽出させた場合には、当該アルカリ金属を容易に回収することができるという優れた効果が奏される。
実施例1で得られたアルミナ製るつぼBの内容物の図面代用写真である。 実施例1で得られた析出物の断面の電界放出型走査電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた析出物において、図2の符号Aで表示された部分のエネルギー分散型X線分光器による測定結果を示す図である。 実施例1で得られた析出物において、図2の符号Bで表示された部分のエネルギー分散型X線分光器による測定結果を示す図である。 実施例2で得られたアルミナ製るつぼBの内容物の図面代用写真である。 実施例3で得られたアルミナ製るつぼBの内容物の図面代用写真である。 実施例7で得られたアルミナ製るつぼBの内容物の図面代用写真である。 実験例1におけるナトリウムの抽出率の測定結果を示す図である。
本発明の鉛含有ガラスからの鉛の回収方法は、前記したように、閉鎖系内で鉛含有ガラスから鉛を回収する方法であり、鉛含有ガラスをガラス溶融剤の存在下で900〜1100℃の温度に加熱することによって溶融させ、得られた鉛含有ガラスの溶融物に一酸化炭素ガスを接触させ、当該鉛含有ガラスの溶融物中で析出した鉛を回収することを特徴とする。
本発明の鉛含有ガラスからの鉛の回収方法が閉鎖系内で行なわれるのは、一酸化炭素ガスは人体に対して有毒であることから、鉛含有ガラスを加熱溶融させる際の雰囲気を外部と完全に遮断し、一酸化炭素ガスが外部に漏洩することを防止するためである。
本発明で用いられる鉛含有ガラスとしては、例えば、鉛を含有する光学レンズ、ブラウン管などの鉛含有ガラスなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。鉛含有ガラスに含まれる鉛の含有率については特に限定がない。例えば、ブラウン管ガラスにおける鉛の含有率は、酸化鉛ベースで21〜24質量%程度である。鉛含有ガラスは、容易に加熱溶融させるために、必要により、あらかじめ破砕しておいてもよい。
本発明においては、まず、鉛含有ガラスをガラス溶融剤の存在下で900〜1100℃の温度に加熱することにより、鉛含有ガラスを溶融させる。鉛含有ガラスおよびガラス溶融剤は、通常、両者を混合することによって用いることができる。
ガラス溶融剤としては、例えば、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属酸化物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのガラス溶融剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのガラス溶融剤のなかでは、鉛含有ガラスから鉛を回収した後のガラス質残渣から当該ガラス溶融剤を容易に回収することができることから、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属炭酸水素塩が好ましく、さらに回収した後に効率よく再利用することができることから、アルカリ金属炭酸塩がより好ましい。
なお、一酸化炭素ガスを接触させた鉛含有ガラスの溶融物中には、析出した鉛および主としてガラス成分からなる残渣が含まれるが、本明細書において、ガラス質残渣は、当該残渣を意味する。
鉛含有ガラス100質量部あたりのガラス溶融剤の量は、鉛含有ガラスの溶融性を向上させる観点から、好ましくは25質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、ガラス質残渣の耐酸性および耐水性の低下を抑制する観点から、好ましくは500質量部以下、より好ましくは300質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下である。
また、鉛含有ガラスをガラス溶融剤の存在下で900〜1100℃の温度に加熱する際に、さらに一酸化炭素を発生する物質を存在させて鉛含有ガラスを加熱することが好ましい。このように鉛含有ガラスをガラス溶融剤の存在下で加熱する際に、さらに一酸化炭素を発生する物質を存在させた場合には、鉛含有ガラスを溶融させた後、所定温度に冷却したときにガラス溶融剤、好ましくはアルカリ金属炭酸塩を効率よく析出させて回収することができるという利点がある。
一酸化炭素を発生する物質としては、鉛含有ガラスを加熱溶融させたときに一酸化炭素を発生する物質が挙げられる。当該鉛含有ガラスを加熱溶融させたときに一酸化炭素を発生する物質としては、例えば、活性炭、黒鉛、コークス、木炭などの炭素質物質などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの物質は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。鉛含有ガラス100質量部あたりの一酸化炭素を発生する物質の量は、ガラス溶融剤の回収効率を高める観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、使用した一酸化炭素を発生する物質をガラス成分と分離し、容易に回収することができるようにする観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。前記一酸化炭素を発生する物質は、通常、鉛含有ガラスおよびガラス溶融剤と混合することによって用いることができる。
鉛含有ガラスをガラス溶融剤の存在下で加熱する際、閉鎖系を形成する耐熱性容器内に鉛含有ガラス、ガラス溶融剤および必要により一酸化炭素を発生する物質を入れ、当該耐熱性容器の開口部を封止した後、鉛含有ガラスを加熱溶融させることができる。閉鎖系を形成する耐熱性容器としては、例えば、アルミナ製るつぼなどの閉鎖系を形成する耐熱性容器が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
次に、鉛含有ガラスをガラス溶融剤の存在下で900〜1100℃の温度に加熱することによって溶融させる。鉛含有ガラスを加熱溶融させる際の温度は、当該鉛含有ガラスを溶融させる観点から、900℃以上であり、エネルギー効率を高めるとともに人体に有害な鉛蒸気の発生を抑制する観点から、1100℃以下、好ましくは1050℃以下である。本発明においては、鉛含有ガラスを加熱溶融させる際の温度が従来よりも低くてもよいのは、当該鉛含有ガラスを加熱溶融させる際の雰囲気が一酸化炭素雰囲気であることに基づく。鉛含有ガラスを前記温度で加熱する時間は、鉛含有ガラスを加熱溶融させる際の温度によって異なることから一概には決定することができないが、通常、好ましくは0.3〜3時間、より好ましくは0.5〜2時間である。
鉛含有ガラスをガラス溶融剤の存在下で加熱することによって得られた鉛含有ガラスの溶融物は、一酸化炭素ガスと接触させる。鉛含有ガラスの溶融物と一酸化炭素ガスと接触させる方法としては、例えば、鉛含有ガラスを加熱溶融させる際に、当該加熱溶融の際の熱によって一酸化炭素ガスを発生する物質の存在下で鉛含有ガラスを加熱する方法、鉛含有ガラスを加熱溶融させる際に一酸化炭素ガスを導入することにより、一酸化炭素ガスと加熱溶融した鉛含有ガスとを接触させる方法などが挙げられるが、本発明は、かかる方法のみに限定されるものではない。これらの方法のなかでは、一酸化炭素ガスは、人体に対して有毒であるので、鉛含有ガラスを加熱溶融させる際の雰囲気を外部と完全に遮断し、一酸化炭素ガスが外部に漏洩することを防止する観点から、前者の方法が好ましい。
前者の方法、すなわち、鉛含有ガラスを加熱溶融させる際に、当該熱によって一酸化炭素ガスを発生する物質の存在下で鉛含有ガラスを加熱する方法を採用する場合、一酸化炭素ガスを発生する物質として、例えば、活性炭、黒鉛、コークス、木炭などの炭素質物質などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの物質は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。鉛含有ガラス100質量部あたりの一酸化炭素を発生する物質の量は、一酸化炭素ガスを効率よく生成させる観点から、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、その上限値は特に限定されないが、当該一酸化炭素を発生する物質の使用量をできるだけ低減させる観点から、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下である。
また、前者の方法を採用する場合には、例えば、一酸化炭素を発生する物質をあらかじめ耐熱性容器A内に入れ、当該耐熱性容器Aとは別に耐熱性容器Bを用意し、当該耐熱性容器B内に鉛含有ガラス、ガラス溶融剤などを入れた後、当該耐熱性容器Bを耐熱性容器A内に入れ、発生する一酸化炭素が外部に漏洩しないようにするために耐熱性容器Aの開口部を密閉した状態で、当該耐熱性容器Aを加熱することが好ましい。このようにして耐熱性容器A内に一酸化炭素を発生する物質を入れておいた場合には、当該一酸化炭素を発生する物質を加熱したときに、当該一酸化炭素を発生する物質がいわゆる蒸し焼き状態になり、当該一酸化炭素を発生する物質から直接的に一酸化炭素ガスを効率よく発生させ、発生した一酸化炭素ガスを耐熱性容器Aおよび耐熱性容器B内に充満させることができるとともに、鉛含有ガラスを加熱溶融させることができるので、エネルギー効率に優れ、さらに一酸化炭素を発生する物質は、鉛含有ガラスとは非接触の状態で用いられるので、繰り返して使用することができるという利点がある。
耐熱性容器Aおよび耐熱性容器Bとしては、例えば、アルミナ製るつぼなどの閉鎖系を形成する耐熱性容器が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。耐熱性容器Aおよび耐熱性容器Bの大きさは、使用される鉛含有ガラスの量などによって異なるので一概には決定することができないことから、当該鉛含有ガラスの量などに応じて適宜決定することが好ましい。また、耐熱性容器Aの大きさについても、耐熱性容器Bを収容することができる大きさであればよく、特に限定されるものではない。
鉛含有ガラスを加熱する際に使用される加熱装置として、例えば、電気炉、誘導加熱炉、アーク炉などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前者の方法を採用する場合には、耐熱性容器Aを当該加熱装置内に入れ、所定温度に加熱することにより、一酸化炭素ガスを発生させるとともに鉛含有ガラスを溶融させることができる。
以上のようにして鉛含有ガラスを加熱溶融させると、得られる溶融物に含まれている酸化鉛は還元されるので鉛となり、当該溶融物を冷却すると当該溶融物の底部に鉛が析出する。鉛が析出した溶融物は、析出した鉛および当該析出した鉛を含まずに主としてガラス成分からなるガラス質残渣で構成される。析出した鉛は、連続的に取り出してもよく、あるいは断続的に取り出してもよく、さらに溶融物を冷却した後に一括して取り出してもよい。析出した鉛を回収した後、当該鉛を必要により精製してもよい。
次に、鉛含有ガラスの溶融物を冷却する。当該冷却の際には、ガラス溶融剤としてアルカリ金属炭酸塩を用い、一酸化炭素ガスの存在下で鉛含有ガラスの溶融物を600〜800℃の温度に冷却し、当該温度を維持することによってアルカリ金属酸化物を析出させることが好ましい。
本発明においては、前記操作を採用する点にも1つの大きな特徴がある。本発明においてガラス溶融剤としてアルカリ金属炭酸塩を用い、鉛含有ガラスの溶融物を冷却する際に一酸化炭素が存在しており、鉛含有ガラスの溶融物を600〜800℃の温度に冷却し、当該温度を維持するという操作が採られているので、アルカリ金属酸化物を効率よく析出させることができる。
本発明においては、鉛含有ガラスの溶融物を600〜800℃の温度に冷却し、当該温度を維持するという操作が採られているが、前記温度は、アルカリ金属酸化物の析出量を増加させる観点から、600℃以上であり、また前記と同様にアルカリ金属酸化物の析出量を増加させる観点から、800℃以下、好ましくは750℃以下、より好ましくは700℃以下である。前記温度を維持する時間は、前記温度によって異なることから一概には決定することができない。前記温度を維持する時間は、アルカリ金属酸化物が十分に析出するのに要する時間であればよく、通常、0.5〜5時間程度である。
以上のようにして析出するアルカリ金属酸化物は、ガラス質残渣の表面上で析出することから容易に回収することができる。
回収されたアルカリ金属酸化物には資源として有用なアルカリ金属が含まれているので、当該アルカリ金属酸化物からアルカリ金属を回収することが好ましい。前記アルカリ金属酸化物からアルカリ金属を回収する方法としては、例えば、アルカリ金属酸化物を必要により粉砕して水と混合するなどによってアルカリ金属酸化物と水とを接触させることにより、当該アルカリ金属酸化物に含まれているアルカリ金属を水中に抽出させ、得られたアルカリ金属の水溶液を回収する方法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
なお、前記で回収されたアルカリ金属の水溶液に二酸化炭素ガス(炭酸ガス)を吹き込むことにより、当該水溶液中にアルカリ金属炭酸塩を析出させることができる。なお、鉛含有ガラスをアルカリ金属炭酸塩の存在下で加熱溶融させたときに二酸化炭素が発生するが、このときに発生した二酸化炭素を前記アルカリ金属の水溶液に吹き込まれる二酸化炭素ガスとして有効利用することができる。このように発生した二酸化炭素を有効利用することにより、大気中に放出される二酸化炭素量を低減させることができるので、地球温暖化の抑制に貢献することができる。
また、前記で析出したアルカリ金属炭酸塩は、廃棄物として処理するのではなく、本発明の鉛含有ガラスからの鉛の回収方法に使用されるアルカリ金属炭酸塩として繰り返して再利用することができるので、本発明の回収方法は、鉛ガラスに含まれている鉛を回収することができるのみならず、廃棄物量を低減させることができることから、地球環境に優しい方法である。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
鉛ガラス(酸化鉛の含有率:25質量%)粉末10gおよび炭酸ナトリウム5gを30mL容のアルミナ製るつぼA(直径:40mm)に入れた。一方、100mL容のアルミナ製るつぼBに一酸化炭素の発生源として活性炭(粒子の大きさ:100メッシュパス)3gを入れた後、このアルミナ製るつぼB内に前記アルミナ製るつぼAに入れ、アルミナ製るつぼBの開口部に蓋を置き、密閉した。
前記アルミナ製るつぼAを電気炉内に入れた後、当該アルミナ製るつぼAを1000℃で1時間加熱することにより、アルミナ製るつぼB内の活性炭から一酸化炭素ガスを発生させた。アルミナ製るつぼAの蓋を取り外してアルミナ製るつぼBの内容物を確認したところ、溶融した鉛ガラスの底部に鉛が析出し、鉛ガラスにおける鉛の含有率が25質量%から2質量%に減少していることが確認された。このことから鉛の回収率は92質量%であることが確認された。引き続いてアルミナ製るつぼAの開口部に蓋を再度置いた後、電気炉内の温度が700℃となるまで冷却し、その状態を1時間保持した。その後、アルミナ製るつぼAの蓋を取り外してアルミナ製るつぼBの内容物を確認したところ、その内容物の表面上に図1に示されるように白色の析出物が存在していた。
次に、前記で得られた析出物の断面を電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した。その結果を図2に示す。図2において、符号Aで表示された部分が析出物であり、符号Bで表示された部分がガラス相(ケイ素とナトリウムとが分離せずに混在している部分)である。
また、符号Aで表示された部分および符号Bで表示された部分について、ケイ素およびナトリウムの存在の有無をエネルギー分散型X線分光器(EDS)で調べた。その結果をそれぞれ図3および図4に示す。符号Aで表示された部分には、図3に示されるようにナトリウムおよび酸素が存在しているのに対し、符号Bで表示された部分には、図4に示されるようにナトリウム、酸素およびケイ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、電気炉内の温度が700℃となるまでアルミナ製るつぼBの内容物を冷却し、その状態を1時間保持することにより、酸化ナトリウムを溶融物の表面上で析出させることができることが確認された。
実施例2
実施例1において、電気炉内の冷却温度を700℃から600℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。その結果、溶融した鉛ガラスの底部に鉛が析出していたことから、実施例1と同様に鉛ガラスから鉛を回収することができたことを確認した。また、アルミナ製るつぼBの内容物の表面上には、図5に示されるように白色の析出物が存在していた。
次に、前記で得られた析出物の断面を実施例1と同様にして電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した。その結果、実施例1と同様に析出物の部分とガラス相(ケイ素とナトリウムとが分離せずに混在している部分)の部分とが観察された。
また、析出物の部分とガラス相の部分について、ケイ素およびナトリウムの存在の有無を実施例1と同様にしてエネルギー分散型X線分光器(EDS)で調べた。その結果、析出物の部分にはナトリウムおよび酸素が存在しているのに対し、ガラス相の部分にはナトリウム、酸素およびケイ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、電気炉内の温度が600℃となるまでアルミナ製るつぼBの内容物を冷却し、その状態を1時間保持することにより、酸化ナトリウムを溶融物の表面上で析出させることができることが確認された。
実施例3
実施例1において、電気炉内の冷却温度を700℃から800℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。その結果、溶融した鉛ガラスの底部に鉛が析出していたことから、実施例1と同様に鉛ガラスから鉛を回収することができたことを確認した。また、アルミナ製るつぼBの内容物の表面の中央部分には、図6に示されるように白色の析出物が存在していた。
次に、前記で得られた析出物の断面を実施例1と同様にして電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した。その結果、実施例1と同様に析出物の部分とガラス相(ケイ素とナトリウムとが分離せずに混在している部分)の部分とが観察された。
また、析出物の部分とガラス相の部分について、ケイ素およびナトリウムの存在の有無を実施例1と同様にしてエネルギー分散型X線分光器(EDS)で調べた。その結果、析出物の部分にはナトリウムおよび酸素が存在しているのに対し、ガラス相の部分にはナトリウム、酸素およびケイ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、電気炉内の温度が800℃となるまでアルミナ製るつぼBの内容物を冷却し、その状態を1時間保持することにより、酸化ナトリウムを溶融物の表面上で析出させることができることが確認された。
実施例4
実施例1において、電気炉を冷却し、700℃に保持する時間を1時間から2時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。その結果、溶融した鉛ガラスの底部に鉛が析出していたことから、実施例1と同様に鉛ガラスから鉛を回収することができたことを確認した。また、アルミナ製るつぼBの内容物の表面の中央部分には、実施例1と同様に白色の析出物が存在していた。
次に、前記で得られた析出物の断面を実施例1と同様にして電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した。その結果、実施例1と同様に析出物の部分とガラス相(ケイ素とナトリウムとが分離せずに混在している部分)の部分とが観察された。
また、析出物の部分とガラス相の部分について、ケイ素およびナトリウムの存在の有無を実施例1と同様にしてエネルギー分散型X線分光器(EDS)で調べた。その結果、析出物の部分にはナトリウムおよび酸素が存在しているのに対し、ガラス相の部分にはナトリウム、酸素およびケイ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、電気炉を冷却し、700℃に保持する時間を1時間から2時間に変更した場合であっても、酸化ナトリウムを溶融物の表面上で析出させることができることが確認された。
実施例5
実施例1において、電気炉を冷却し、700℃に保持する時間を1時間から3時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。その結果、溶融した鉛ガラスの底部に鉛が析出していたことから、実施例1と同様に鉛ガラスから鉛を回収することができたことを確認した。また、アルミナ製るつぼBの内容物の表面の中央部分には、実施例1と同様に白色の析出物が存在していた。
次に、前記で得られた析出物の断面を実施例1と同様にして電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した。その結果、実施例1と同様に析出物の部分とガラス相(ケイ素とナトリウムとが分離せずに混在している部分)の部分とが観察された。
また、析出物の部分とガラス相の部分について、ケイ素およびナトリウムの存在の有無を実施例1と同様にしてエネルギー分散型X線分光器(EDS)で調べた。その結果、析出物の部分にはナトリウムおよび酸素が存在しているのに対し、ガラス相の部分にはナトリウム、酸素およびケイ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、電気炉を冷却し、700℃に保持する時間を1時間から3時間に変更した場合であっても、酸化ナトリウムを溶融物の表面上で析出させることができることが確認された。
実施例6
実施例1において、電気炉を冷却し、700℃に保持する時間を1時間から4時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行なった。その結果、溶融した鉛ガラスの底部に鉛が析出していたことから、実施例1と同様に鉛ガラスから鉛を回収することができたことを確認した。また、アルミナ製るつぼBの内容物の表面の中央部分には、実施例1と同様に白色の析出物が存在していた。
次に、前記で得られた析出物の断面を実施例1と同様にして電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した。その結果、実施例1と同様に析出物の部分とガラス相(ケイ素とナトリウムとが分離せずに混在している部分)の部分とが観察された。
また、析出物の部分とガラス相の部分について、ケイ素およびナトリウムの存在の有無を実施例1と同様にしてエネルギー分散型X線分光器(EDS)で調べた。その結果、析出物の部分にはナトリウムおよび酸素が存在しているのに対し、ガラス相の部分にはナトリウム、酸素およびケイ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、電気炉を冷却し、700℃に保持する時間を1時間から4時間に変更した場合であっても、酸化ナトリウムを溶融物の表面上で析出させることができることが確認された。
実施例7
鉛ガラス(酸化鉛の含有率:25質量%)粉末10g、炭酸ナトリウム5gおよび一酸化炭素の発生源として活性炭(粒子の大きさ:100メッシュパス)0.5gを30mL容のアルミナ製るつぼAに入れた。一方、100mL容のアルミナ製るつぼBに一酸化炭素の発生源として活性炭(粒子の大きさ:100メッシュパス)3gを入れた後、このアルミナ製るつぼB内に前記アルミナ製るつぼAに入れ、アルミナ製るつぼBの開口部に蓋を置き、密閉した。
前記アルミナ製るつぼAを電気炉内に入れた後、当該アルミナ製るつぼAを1000℃で1時間加熱することにより、アルミナ製るつぼB内の活性炭から一酸化炭素ガスを発生させた。アルミナ製るつぼAの蓋を取り外してアルミナ製るつぼBの内容物を確認したところ、溶融した鉛ガラスの底部に鉛が析出していたことから、実施例1と同様に鉛ガラスから鉛を回収することができたことを確認した。引き続いてアルミナ製るつぼAの開口部に蓋を再度置いた後、電気炉内の温度が700℃となるまで冷却し、その状態を1時間保持した。その後、アルミナ製るつぼAの蓋を取り外してアルミナ製るつぼBの内容物を確認したところ、その内容物の表面上に図7に示されるように白色の析出物が多量に存在していた。このアルミナ製るつぼBの中央部を垂直方向に切断し、その断面を観察したところ、アルミナ製るつぼBの内容物に白色の析出物が層状に形成されていることが確認された。
図1に示された結果および図7に示された結果から、実施例7によれば、実施例1よりも多量に白色の析出物を生成させることができることがわかる。
次に、前記で得られた析出物の断面を実施例1と同様にして電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した。その結果、実施例1と同様に析出物の部分とガラス相(ケイ素とナトリウムとが分離せずに混在している部分)の部分とが観察された。
また、析出物の部分とガラス相の部分について、ケイ素およびナトリウムの存在の有無を実施例1と同様にしてエネルギー分散型X線分光器(EDS)で調べた。その結果、析出物の部分にはナトリウムおよび酸素が存在しているのに対し、ガラス相の部分にはナトリウム、酸素およびケイ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、鉛ガラスを加熱溶融させる際、その周囲の雰囲気を一酸化炭素雰囲気とするだけでなく、溶融した鉛ガラスの内部で一酸化炭素ガスを発生させた場合には、溶融した鉛ガラスに含まれているアルカリ金属の酸化物を当該鉛ガラスの表面上に効率よく析出させることができることがわかる。
実施例8
実施例7において、電気炉を冷却し、700℃に保持する時間を1時間から2時間に変更したこと以外は、実施例7と同様の操作を行なった。その結果、溶融した鉛ガラスの底部に鉛が析出していたことから、実施例1と同様に鉛ガラスから鉛を回収することができたことを確認した。また、内容物の表面上には、図7に示された結果と同様に白色の析出物が多量に存在していた。このアルミナ製るつぼBの中央部を垂直方向に切断し、その断面を観察したところ、アルミナ製るつぼBの内容物に白色の析出物が層状に形成されていることが確認された。
次に、前記で得られた析出物の断面を実施例1と同様にして電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した。その結果、実施例7と同様に析出物の部分とガラス相(ケイ素とナトリウムとが分離せずに混在している部分)の部分とが観察された。
また、析出物の部分とガラス相の部分について、ケイ素およびナトリウムの存在の有無を実施例1と同様にしてエネルギー分散型X線分光器(EDS)で調べた。その結果、析出物の部分にはナトリウムおよび酸素が存在しているのに対し、ガラス相の部分にはナトリウム、酸素およびケイ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、電気炉を冷却し、700℃に保持する時間を1時間から2時間に変更した場合であっても、酸化ナトリウムを溶融物の表面上で析出させることができることが確認された。
実験例1
実施例1〜2および実施例4〜8で得られた白色の析出物をそれぞれ粉砕することにより、粒径が32〜125μmの範囲内にある粉末を得た。得られた粉末2.5gをそれぞれ別々に200mL容のビーカーに入れた後、イオン交換水(水温:約25℃)100mLをこのビーカー内に入れ、スターラーで1時間撹拌することにより、均一な組成の懸濁液を得た。この懸濁液を孔径が1μmのフィルターで吸引濾過することにより、固液分離を行ない、残渣を十分に乾燥させた。
前記で得られた濾液におけるナトリウムの抽出率を式:
〔ナトリウムの抽出率(質量%)〕
={[〔抽出前の粉末中のナトリウムの質量〕−〔乾燥後の残渣中のナトリウムの質量〕]
÷[抽出前の粉末中のナトリウムの質量]}
×100
に基づいて求めた。その結果を図8に示す。なお、図8において、各符号は実施例番号を意味する。
図8に示されるように、実施例1および実施例4〜6の結果から、電気炉を冷却し、700℃に保持する時間が長くなるにしたがってナトリウムの抽出率が高くなり、実施例1および実施例2の結果から、電気炉を冷却した後に保持する温度が高いほどナトリウムの抽出率が高くなり、また実施例1および実施例7の結果ならびに実施例4および実施例8の結果から、溶融した鉛ガラス中にも一酸化炭素を発生させることによってナトリウムの抽出率をより一層高くすることができることがわかる。
実験例2
実施例5で得られた白色の析出物を用い、実験例1と同様にして固液分離を行なうことにより、ナトリウムが抽出された濾液を回収した。この濾液に二酸化炭素ガスを吹き込むことによって炭酸ナトリウムを析出させ、析出した炭酸ナトリウムを濾別することによって回収した。
次に、この回収された炭酸ナトリウムを乾燥させ、乾燥した炭酸ナトリウムを用いて実施例1と同様の操作を行なった。その結果、溶融した鉛ガラスの底部に鉛が析出していたことから、実施例1と同様に鉛ガラスから鉛を回収することができたことを確認した。また、アルミナ製るつぼBの内容物の表面上に白色の析出物が存在していた。
次に、前記で得られた析出物の断面を実施例1と同様にして電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した。その結果、析出物の部分とガラス相(ケイ素とナトリウムとが分離せずに混在している部分)の部分とが観察された。
また、析出物の部分とガラス相の部分について、ケイ素およびナトリウムの存在の有無を実施例1と同様にしてエネルギー分散型X線分光器(EDS)で調べた。その結果、析出物の部分にはナトリウムおよび酸素が存在しているのに対し、ガラス相の部分にはナトリウム、酸素およびケイ素が存在していることが確認された。
以上の結果から、溶融した鉛ガラスの表面上に析出したアルカリ金属酸化物を水中で抽出することにより、アルカリ金属を水溶液として効率よく回収することができることがわかる。また、この回収されたアルカリ金属は、本発明の鉛含有ガラスからの鉛の回収方法に再利用することができることがわかる。
したがって、本発明の回収方法は、鉛ガラスに含まれている鉛を回収することができるのみならず、回収された原料(アルカリ金属炭酸塩など)を再利用することができるので、廃棄物量を低減させることができることから、地球環境に優しい方法であるといえる。
鉛資源が少ないわが国においては、将来、鉛が不足することが予想され、また海外でも鉛の需要が増大することが考えられているところ、本発明の鉛の回収方法によれば、例えば、鉛を含有する光学レンズ、ブラウン管などの鉛含有ガラスから鉛を効率よく回収することができるので、本発明の鉛の回収方法によって回収された鉛は、新たな鉛の供給源として有効利用することが期待される。

Claims (1)

  1. 閉鎖系内で鉛含有ガラスから鉛を回収する方法であって、一酸化炭素を発生する物質を耐熱性容器A内に入れ、耐熱性容器Aとは別に耐熱性容器Bを用意し、耐熱性容器B内に鉛含有ガラスおよびガラス溶融剤を入れた後、耐熱性容器Bを耐熱性容器A内に入れ、耐熱性容器Aの開口部を密閉した状態で当該鉛含有ガラスが当該ガラス溶融剤の存在下で900〜1100℃の温度に加熱されるように耐熱性容器Aを加熱することによって当該鉛含有ガラスを溶融させ、得られた鉛含有ガラスの溶融物に前記一酸化炭素を発生する物質から発生した一酸化炭素ガスを接触させ、当該鉛含有ガラスの溶融物中で析出した鉛を回収することを特徴とする鉛含有ガラスからの鉛の回収方法。
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