JP2587057B2 - 熱処理用雰囲気発生装置 - Google Patents

熱処理用雰囲気発生装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、鋼の無脱炭焼入れ、浸炭、焼結等の熱処
理の際、カーボンコントロール用雰囲気として利用され
るメタノール分解ガスを、効率良く供給する熱処理用雰
囲気発生装置に関する。
[従来の技術] 従来より、熱処理時のカーボンコントロール用雰囲気
としてCOガスやH2ガスが好ましいとされており、これら
のガスを得るために、(1)式のようなメタノール分解
反応が利用されている。
CH3OH→CO+2H2 ‥‥(1) このようなメタノールの分解ガスの利用法としては、
熱処理炉内にメタノールの液体あるいは気体状物を導入
し、熱処理炉内でメタノールの分解反応を行うと同時に
熱処理に供する方法と、熱処理炉と別にまたは熱処理炉
のガス導入口付近に分解器を設け、ここでメタノールの
分解反応を行った後発生分解ガスを熱処理炉内に導入し
て熱処理に供する方法とがある。
上述のように熱処理炉内でメタノール分解を行う方法
として、例えば、窒素ガスの噴霧物中でメタノールの霧
化が行なわれるようなインジェクターを設け、このイン
ジェクターを通して熱処理炉内に霧状メタノールを供給
するか、あるいは、メタノールの沸点以上に加熱された
加熱炉を設け、この加熱炉を通して気体状メタノールを
熱処理炉内に供給し、その後この熱処理炉内においてメ
タノールの分解反応を行うといった方法などが提供され
ている。この方法は、熱処理炉内部の熱を、熱処理と同
時にメタノール分解にも効率良く利用するために、メタ
ノールを霧状あるいは気体状で分解反応の場に送り込む
ことを意図している。
他方、熱処理炉とは別にまたは熱処理炉の導入口付近
に設けた分解器内でメタノール分解を行う方法として
は、例えば、熱処理炉のメタノール滴下付近に設けられ
た熱板と、その熱板の周囲を囲むように設けられた多孔
質の耐火物等からなる壁とで形成された分解器を設け、
この分解器内においてメタノールの分解反応を行った
後、生成分解ガスを順次熱処理炉内に導入するといった
方法などが提供されている。この方法は、熱処理を十分
行うために、これに必要なメタノール分解ガスのみを外
部から供給するというもので、未分解メタノールが熱処
理炉内に混入することなく、分解ガスのみ効率良く熱処
理に利用することを意図している。
しかし、上述のいずれの方法においても、熱処理に十
分効果を発揮するメタノール分解ガスを得るためには、
メタノールの分解反応が十分に進行するということが必
須である。
[発明が解決しようとする問題点] ところが、従来技術のうち、熱処理炉内で熱処理と同
時にメタノールの分解反応を行う方法においては、熱処
理炉内の熱を利用できるものの、熱処理炉内の雰囲気ガ
ス組成が不均一となり、特に未分解メタノールが直接処
理物に触れた部分においては部分的スーティングが発生
するなどといった問題があった。また、分解反応を効率
良く進行させるために、メタノール供給時に予め霧状、
あるいは気体状とする工程を経なくてはならないという
不都合もあった。さらに、メタノールの分解率が十分で
ないといった大きな問題も抱えていた。
一方、熱処理炉とは別にまたは熱処理炉の導入口付近
に設けた分解器でメタノールを分解し、この生成分解ガ
スを熱処理内に供給するという方法においては、熱処理
炉内の雰囲気ガス組成が不均一になるといった不都合は
解消したものの、特に熱処理炉と別に設けた分解器の場
合において、分解器の加熱源を新たに必要とするなどの
問題が生じ、また上述の方法と同様、メタノールの分解
率が十分得られないという重要な問題が残されていた。
この発明は、上述の問題点を解消し、熱処理炉内の雰
囲気ガス組成を不均一化することなく、熱処理炉の熱を
利用してメタノール分解反応を行い、高分解率で生成分
解ガスを得ることができるような熱処理用雰囲気発生装
置を提供することを目的としている。
[問題点を解決するための手段] この発明は、上記問題点を解決するために、熱処理炉
内に設置してメタノールの分解反応を行う熱処理用雰囲
気発生装置の内部に、カーボンおよび/または活性炭を
充填率が0.15(体積比)以上上となるように配合してな
る分解層を設け、これにメタノールまたはメタノールと
不活性ガスとの混合物を導入せしめ、上記カーボンおよ
び/または活性炭を触媒としてメタノールを分解せし
め、熱処理用雰囲気として使用されるメタノール分解ガ
スを発生させるたことをその解決手段とした。
次に、この発明を図面に基いて説明する。
第1図は、この発明の熱処理用雰囲気発生装置の一例
を示すものである。
図中符号1は、この発明の熱処理用雰囲気発生装置で
ある。この熱処理用雰囲気発生装置1は、分解層2と、
その上部に形成された高温ガス化層3、そして、さらに
その上部に設けられたメタノール導入管4とより構成さ
れる。ここで、この熱処理用雰囲気発生装置1は、その
外壁5を熱伝導性の良好な銅、鉄等からなる金属板で作
成したもので、この外壁5の厚さは2〜5mm程度が望ま
しい。また、熱処理用雰囲気発生装置1の内容積は、50
0〜7000cm3程度のものが好適に使用される。
また、導入管4はメタノールを上記高温ガス化層3お
よび分解層2へ送り込むためのもので、この導入管4に
は導入口が2個形成されているため、必要に応じてメタ
ノール以外にN2等の不活性ガスを同時に導入することも
できる。この導入管4を通過したメタノールは、導入管
4直下に設けられた高温ガス化層3の内部に導入され、
ここでガス化され気体状となる。この高温ガス化層3の
下部は、上部仕切り板6を隔ててその下の分解層2と仕
切られている。この上部仕切り板6は、厚さ2〜5mm程
度の銅、鉄等からなる金属板に、1〜4mm程度の微細孔
が形成されてなるものである。ガス化されたメタノール
はこれらの微細孔を通ってその下の分解層2へ導入され
る。分解層2は、耐火物7で充填された層とカーボンあ
るいは活性炭8で充填された層とからなり、この間を中
段仕切り板9で仕切られている。ここで、分解層2全体
に対するカーボンあるいは活性炭8で充填された層の比
は体積比で0.15以上である。中段仕切り板9は、厚さ2
〜5mm程度の銅、鉄等からなる金属板に微細孔が形成さ
れてなるものであり、メタノール分子はこの微細孔を自
由に通過しながら分解されていく。ここで、耐火物7と
しては、粒径3〜6mm程度のアルミナシリカ系、ケイ石
系、クロムマグネシア系などの耐火物粒、あるいは耐火
物棒が好適に使用される。また、カーボンとしてはアセ
チレンブラック、ファーネス系ブラック等が適当であ
り、活性炭にはヤシガラ系等が好ましい。これらのカー
ボンあるいは活性炭は、いずれも粒径2〜6mm程度のも
のが好適に使用される。この際、カーボンまたは活性炭
8はメタノール分解反応の触媒的な作用を示すものであ
る。ここで、このカーボンまたは活性炭8を充填してな
る層の体積比を上記の範囲に限定したのは、0.15(体積
比)未満であると、メタノール分解反応を促進させる効
果が充分得られないためである。
このように、耐火物7の充填層及びカーボンあるいは
活性炭8の充填層内でメタノール分解により発生したCO
ガスやH2ガスは、この熱処理用雰囲気発生装置1の最下
部に到達する。最下部には微細孔の形成された下部仕切
り板10が設けられている。COガスやH2ガスは、この下部
仕切り板10の微細孔を通過して熱処理に供することがで
きる。ここで、下部仕切り板10には、厚さ2〜5mm程度
の銅、鉄等からなる金属板が使用され、これに形成され
る微細孔の径は1〜4mm程度が好ましい。
次に、この発明の熱処理雰囲気発生装置1の使用法の
一例を第2図に示した。
図中符号11は熱処理炉である。この熱処理炉11の上部
炉壁12に、適宜の大きさの穴を炉壁面に垂直に2個あ
け、このうち1つに炉内撹拌ファン13、もう1つに熱処
理用雰囲気発生装置1を取り付ける。この際、熱処理用
雰囲気発生装置1は、高温ガス化層3及び分解層2が熱
処理炉11内に、また導入管4が熱処理炉11の外側に配置
されるように、上部炉壁12に貫通させて固定する。
このようにして、この熱処理用雰囲気発生装置1は銅
などの熱処理に際し使用されるのであるが、熱処理炉11
内の熱をそのまま利用するため、メタノールの分解反応
は温度720〜1000℃で行なわれる。また、熱処理用雰囲
気発生装置1内におけるガスの平均滞留時間は0.25〜0.
8secが望ましいとされる。そこで、この温度及び滞留時
間の条件において十分な分解率を得るために、次のよう
な方法によりこの熱処理用雰囲気発生装置1の設計を行
った。
ある温度におけるメタノールの平均流量は、次式
(1)に従って求められる。ここで、は分解温度にお
ける平均ガス流量(cm3/sec)、WIは不活性ガス流量(c
m3/sec)、WMはメタノールガス流量(cm3/sec)を表
す。さらに、この平均ガス流量と熱処理用雰囲気発生装
置内容積により、ガスの平均滞留時間が、次式(2)に
従って算出される。ここで、tは平均滞留時間(se
c)、Vは熱処理用雰囲気発生装置内容積(cm3)を現
す。
=WI+2WM …(2) t=V/ …(3) この関係により、温度720〜1000℃、平均滞留時間0.2
5〜0.8secとしたときの熱処理用雰囲気発生装置内容積
は、500〜7000cm3程度とされた。ここで、平均滞留時間
を上記範囲に限定したのは、0.25sec未満であると、分
解反応時間が短く十分な分解率が得られないという不都
合があり、また0.8secを越えると、分解率は向上するも
のの、熱処理用雰囲気発生装置内容積を大きくする必要
が生じ、これでは既存の熱処理炉11への取り付けが不可
能になるという不都合が生じるためである。
上述のようにして、この熱処理用雰囲気発生装置1は
既存の熱処理炉11に取り付けて使用される。この際、従
来のようにメタノールを予め霧状化あるいは気体化させ
ておく必要がなく、熱処理炉11の外部から導入管4を通
じて導入された液状メタノールは、熱処理炉11内に設置
された高温ガス化層3および分解層2において、熱処理
炉11の熱によりガス化され、分解される。一般に熱処理
温度は、上記のように720〜1000℃であるが、この熱を
そのまま有効利用することができるので、メタノールの
分解反応のための特別な加熱源を必要としない利点があ
る。
また、上述のように、使用温度や平均滞留時間等の使
用条件に合わせて、メタノールの平均流量および熱処理
用雰囲気発生装置内容積を適宜設計することも可能であ
る。
さらに、この分解層2においては、カーボンあるいは
活性炭8が分解反応に触媒的に作用し、このため分解反
応を促進する効果が得られる。すなわち、この分解層2
は、カーボンあるいは活性炭8が0.15(体積比)以上充
填されているため、温度720〜1000℃で、しかも熱処理
用雰囲気発生装置1内におけるメタノールの平均滞留時
間が0.25〜0.8secという比較的短い時間においても、高
い分解率をもって、熱処理に有効なCOガスおよびH2ガス
を発生させることが可能である。
さらに、この熱処理雰囲気発生装置1においては、未
分解メタノールを熱処理炉11内に送り込むことがないの
で、部分的スーティングが発生することがなく、また熱
処理炉11内の雰囲気組成の安定を保つことも比較的容易
である。
なお、以上の説明においては、分解層2としてカーボ
ンあるいは活性炭の層と炭化物の層とを積層したものを
示したが、これに限らず、カーボンあるいは活性炭と炭
化物とを混合したものを分解層2としてもよい。また、
この場合には、炭化物を全く用いずにカーボンあるいは
活性炭のみから分解層2を形成することもできる。
[実施例] この発明の実施例(9例)並びに比較例(4例)を、
表1のカーボンおよび活性炭充填率(Hc)に従って作成
した。
これらの熱処理用雰囲気発生装置は、いずれも、その
外壁を厚さ3mm程度の鉄板で作成し、その内容積を700cm
3としたものである。またその内部の上部仕切り板、中
段仕切り板、及び下部仕切り板はいずれも鉄板を利用
し、2mm程度の微細孔を形成してなるものである。
分解層内の耐火物の層には、耐火物粒が充填され、そ
の下の層にはカーボンもしくは活性炭が、表1に示した
充填比に従って充填されている。ここで、耐火物粒とし
ては粒径4mmのアルミナシリカ系のもの、またカーボン
には粒径3mmのアセチレンブラック、活性炭には粒径3mm
のヤシガラ系のものを使用した。実施例1〜3は上記カ
ーボン粒を充填してなる分解層を有するもので、実施例
4〜9は上記活性炭を充填してなる分解層を有するもの
である。
これらの熱処理用雰囲気発生装置をそれぞれ既存の熱
処理炉に設置し、表1に示した温度、平均滞留時間の使
用条件で、メタノールと不活性ガスN2との混合物をこれ
らの熱処理用雰囲気発生装置内に導入した。
その結果、これらの熱処理用雰囲気発生装置より発生
したガスを検出し、それらの組成とメタノール分解率を
それぞれ求めて、表2に示した。この際、メタノール分
解率γは、次のような方法により求めた。
γ=1−C/C0 ‥‥(2) ここで、γはメタノール分解率、C0は熱処理用雰囲気
発生装置入口のメタノール濃度、Cは熱処理用雰囲気発
生装置出口のメタノール濃度である。
表2からも明らかなように、この発明の熱処理用雰囲
気発生装置を利用した場合は、カーボンあるいは活性炭
を充填してなる層を有しない比較例10〜13を用いた場合
に比べ、使用温度が720〜1000℃の範囲内のどの温度に
おいても、同じ温度条件であれば、高分解率でメタノー
ル分解反応が進行するということがわかった。例えば、
実施例1と比較例11はいずれも使用温度900℃、メタノ
ールの滞留時間0.5secの場合であるが、カーボン無充填
の比較例11を使用した時のメタノール分解率γが0.77
(体積比)であったのに対し、カーボン充填率Hcが0.4
(体積比)の分解層を持つ実施例1を使用した場合に
は、0.97(体積比)という高いメタノール分解率γが得
られた。同様に、使用温度が880℃のときは実施例2と
比較例12との比較において、また850℃のときは実施例
3と比較例13との比較において、カーボン充填分解層を
持つ実施例の方が、無充填の比較例よりも高分解率が得
られることが明らかになった。特に、850℃の条件にお
いては、カーボン無充填の比較例13では得られたメタノ
ール分解率γが0.37(体積比)と極めて低かったのに対
し、カーボンを0.4の体積比で充填した層を持つ実施例
3ではメタノール分解率γを0.78(体積比)まで向上さ
せることができた。
また、表2から、実施例、比較例いずれの熱処理用雰
囲気発生装置を利用した場合においても、使用温度が高
い場合の方が高いメタノール分解率が得られることも明
らかである。
次に、実施例4〜9はカーボンの代わりに活性炭を充
填してなる分解層を有する熱処理用雰囲気発生装置であ
るが、これらの使用温度はいずれも実施例1〜3のカー
ボン充填分解層を持つ熱処理用雰囲気発生装置を使用し
た場合の使用温度より低温であったにもかかわらず、同
程度の高分解率が得られている。
また、活性炭充填率Hcが0.4(体積比)の実施例6と
活性炭充填率Hcが0.8(体積比)の実施例7とを比較す
ると、活性炭充填率Hcの高い場合の方が、より高いメタ
ノール分解率γを得ることができる。このことは、実施
例8と実施例9との比較においても同様である。
次に、前述した例とは異なる実施例(8例)および比
較例(1例)を表3の条件に従って作成した。
次いで、これらの熱処理用雰囲気発生装置を既存の熱
処理炉に取り付けて、表3に示したそれぞれの条件に従
って使用した。
実施例14〜16の熱処理用雰囲気発生装置は、カーボン
充填分解層を有するもので、他方実施例17〜21の熱処理
用雰囲気発生装置は、活性炭充填分解層を有するもので
あり、また、比較例22は、カーボンも活性炭も無充填の
耐火物のみからなる分解層を持つものである。これらの
熱処理用雰囲気発生装置にメタノールを導入した際、導
入前のメタノール濃度C0に対する分解後のメタノール濃
度Cの比C/C0を求め、メタノールの平均滞留時間tを変
化させた時のC/C0を第3図及び第4図に示した。ここ
で、メタノールの分解率γは、1−C/C0で表される数値
であるから、第3図および第4図においては、図の下側
程メタノール分解率が高いと見なすことができる。
第3図は、実施例14〜16及び比較例22を示し、使用温
度900℃においてカーボン充填率Hcを変化させた場合の
平均滞留時間tとメタノール分解率γの関係を調べたも
のである。
第3図より、平均滞留時間tが0.25sec以上では、カ
ーボン充填率Hcが0、すなわち耐火物のみを充填した分
解層を有する比較例22に比べ、カーボン充填率Hcを0.15
(体積比,実施例14)、0.40(体積比,実施例15)、0.
80(体積比,実施例16)と増加するにつれ、メタノール
分解率γを高める効果も増大することがわかる。
次に、第4図はカーボンの代わりに活性炭を用い、そ
の充填率Hcが0.4(体積比)となるように作成した熱処
理用雰囲気発生装置を使用した場合の、平均滞留時間t
とメタノール分解率γの関係を調べたものである。
第4図より、活性炭無充填の比較例22は、使用温度90
0℃であってもメタノール分解率γは低いが、同じ900℃
という使用温度でも、実施例17は活性炭充填率Hcを0.4
(体積比)にしたことにより、急激にそのメタノール分
解率γが向上することは明らかであり、平均滞留時間が
0.33sec程度でも0.999(体積比)近くのメタノール分解
率γを得ることが可能である。また、使用温度を900℃
以下にした場合においても、実施例18〜21は、活性炭充
填率Hcを0.4にしたことにより、活性炭充填率Hcが0で
使用温度が900℃の比較例22よりも、そのメタノール分
解率γは高い。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の熱処理用雰囲気発生
装置は、カーボンあるいは活性炭を0.15(体積比)以上
充填してなる分解層を有するため、高い分解率で熱処理
に有効なCOガスやH2ガスを発生させることが可能であ
る。このことは、カーボンあるいは活性炭がメタノール
分解反応に触媒的に作用するためであって、特に、使用
温度720〜1000℃、平均滞留時間0.25〜0.8secという比
較的短い時間においても、充分その効果を発揮する。
さらに、使用温度や平均滞留時間等の使用条件に合わ
せて、メタノールの平均流量および熱処理用雰囲気発生
装置内容積を適宜設計することも可能である。
また、メタノールの導入に際しては、メタノールを予
め霧状化あるいは気化させておく必要がなく、熱処理用
雰囲気発生装置内でガス化され、次いで分解される。こ
こで、この熱処理用雰囲気発生装置は、既存の熱処理炉
内に取り付けて使用されるため、熱処理炉の熱をそのま
ま有効利用することができ、メタノール分解反応のため
の特別な加熱源を必要としない利点もある。
そのうえ、この熱処理用雰囲気発生装置においては、
未分解メタノールを熱処理炉内に送り込むことがなく、
また熱処理炉内の雰囲気組成の安定を保つことも比較的
容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の熱処理用雰囲気発生装置の一例を
示す概略断面図であり、第2図は、この熱処理用雰囲気
発生装置の使用法の一例を示す概略断面図である。ま
た、第3図、第4図は、それぞれ、カーボン、活性炭を
充填した層を持つ熱処理用雰囲気発生装置を使用した場
合に、メタノール分解率が向上する効果を示したグラフ
である。 1……熱処理用雰囲気発生装置 2……分解層 7……耐火物 8……カーボンあるいは活性炭

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボンおよび/または活性炭を充填率0.
    15(体積比)以上含有する分解層を設け、これにメタノ
    ールまたはメタノールと不活性ガスとの混合物を導入せ
    しめ、上記カーボンおよび/または活性炭を触媒として
    メタノールを分解せしめ、熱処理用雰囲気として使用さ
    れるメタノール分解ガスを発生させることを特徴とする
    熱処理用雰囲気発生装置。
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