JP6306891B2 - 部品実装機 - Google Patents

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Description

本発明は、フィーダが部品を部品吸着位置へ送る動作と実装ヘッドを部品吸着位置へ下降させる動作とを並行して実行する部品実装機に関する発明である。
特許文献1(特開2008−210984号公報)に記載された部品実装機は、予めフィーダの部品送り動作の開始から完了までの部品送り動作時間を算出して記憶手段に記憶しておき、部品実装機の稼働中(生産中)に、実装ヘッドを部品吸着位置へ下降させる動作の完了タイミングを予測して、実装ヘッドの下降動作が完了するのと同時にフィーダの部品送り動作が完了するように、実装ヘッドの下降動作完了タイミングを基準にして、それよりも部品送り動作時間だけ前のタイミングで部品送り動作を開始するようにしている。
特開2008−210984号公報
上記特許文献1では、生産中に実装ヘッドの下降動作完了タイミングを予測して、その下降動作完了タイミングよりも部品送り動作時間だけ前のタイミングで部品送り動作を開始するようにしているが、回路基板の部品実装位置が部品毎に異なるため、実装ヘッドが部品吸着位置と部品実装位置との間で移動する距離が部品毎に変動し、生産中に部品毎に実装ヘッドの下降動作完了タイミングを精度良く予測することは難しい。このため、フィーダの部品送り動作完了タイミングと実装ヘッドの下降動作完了タイミングとを精度良く合わせることは難しい。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、フィーダの部品送り動作完了タイミングと実装ヘッドの下降動作完了タイミングとを精度良く合わせることができる部品実装機を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1乃至5に係る発明は、部品を供給するフィーダと、前記フィーダにより部品吸着位置に送られた部品を吸着する吸着ノズルを保持する実装ヘッドと、前記実装ヘッドを水平方向及び上下方向に移動させるヘッド移動装置とを備え、前記フィーダが部品を前記部品吸着位置へ送る動作と前記ヘッド移動装置が前記実装ヘッドを前記部品吸着位置へ下降させる動作とを並行して実行する部品実装機において、前記フィーダの部品送り動作開始タイミング又は部品送り動作中の一定のタイミングを基準タイミングとし、当該基準タイミングから当該部品送り動作の完了までの時間(以下「部品送り時間」という)を測定する部品送り時間測定手段と、前記実装ヘッドの下降動作の開始から完了までの時間(以下「ヘッド下降時間」という)を測定するヘッド下降時間測定手段と、前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間の測定値を記憶する記憶手段と、前記実装ヘッドの下降動作開始前に前記記憶手段に記憶された前記部品送り時間から前記ヘッド下降時間を差し引いた時間をディレイ時間として算出し、前記基準タイミングから前記ディレイ時間が経過した時点で前記実装ヘッドの下降動作を開始させる制御手段とを備えることを共通の技術的特徴とする一群の発明であり、更に後述する技術的特徴を備えている。ここで、フィーダは、テープフィーダに限定されず、スティックフィーダ、バルクフィーダ、トレイフィーダ等であっても良い。
この構成では、フィーダの部品送り動作の基準タイミング(部品送り動作開始タイミング又は部品送り動作中の一定のタイミング)から当該部品送り動作の完了までの部品送り時間を測定すると共に、実装ヘッドの下降動作の開始から完了までのヘッド下降時間を測定するが、部品送り時間とヘッド下降時間は、回路基板の部品実装位置に影響されずに精度良く測定でき、部品毎に変動することはない。しかも、フィーダの部品送り動作の基準タイミングを基準にして、当該基準タイミングからディレイ時間(部品送り時間からヘッド下降時間を差し引いた時間)が経過した時点で実装ヘッドの下降動作を開始させるようにしているため、フィーダの部品送り動作完了タイミングと実装ヘッドの下降動作完了タイミングとを精度良く合わせることができる。
ところで、フィーダで供給する部品のサイズ等によってフィーダの送りピッチ(部品配列ピッチ)が異なったり、部品送り速度を複数段階に切換可能になっている場合がある。送りピッチや部品送り速度が異なれば、基準タイミングから部品送り動作の完了までの部品送り時間も異なる。同様に、部品実装機で使用可能な実装ヘッドが複数存在する場合は、実装ヘッド毎に下降速度や下降ストロークが異なったり、下降速度を複数段階に切換可能になっている場合がある。実装ヘッドの下降速度や下降ストロークが異なれば、ヘッド下降時間も異なる。
この事情を考慮して、請求項のように、記憶手段は、部品実装機で使用可能なフィーダ毎及び/又は部品送り速度毎に部品送り時間の測定値を記憶すると共に、部品実装機で使用可能な実装ヘッド毎及び/又はヘッド下降速度毎にヘッド下降時間の測定値を記憶し、制御手段は、前記記憶手段に記憶された測定値の中から、部品実装機で使用する生産プログラム(生産ジョブ)で指定されたフィーダ及び/又は部品送り速度に対応する部品送り時間の測定値を読み出すと共に、生産プログラムで指定された実装ヘッド及び/又はヘッド下降速度に対応するヘッド下降時間の測定値を読み出してディレイ時間を算出するようにしても良い。このようにすれば、フィーダの送りピッチや部品送り速度が異なったり、実装ヘッドの下降速度や下降ストロークが異なっても、それに対応する正確なディレイ時間を算出することができ、フィーダの部品送り動作完了タイミングと実装ヘッドの下降動作完了タイミングとを精度良く合わせることができる。
また、請求項のように、記憶手段に部品送り時間及びヘッド下降時間の測定値が記憶されていない場合は、予め設定された部品送り時間及びヘッド下降時間のデフォルト値(初期設定値)を用いてディレイ時間を算出するようにしても良い。ここで、部品送り時間やヘッド下降時間のデフォルト値は、例えば、設計値、標準値、測定値、複数回の測定値の平均値、許容ばらつき範囲の中間値等を用いれば良い。部品実装機を設置した生産ラインを管理する生産管理用サーバーにフィーダ識別情報やヘッド識別情報と関連付けて部品送り時間やヘッド下降時間のデフォルト値を登録しておき、使用するフィーダや実装ヘッドに応じた部品送り時間やヘッド下降時間のデフォルト値を生産管理用サーバーから部品実装機の制御装置に伝送するようしても良い。或は、使用するフィーダの制御部から部品送り時間のデフォルト値のデータを部品実装機の制御装置に伝送するようしたり、フィーダや実装ヘッドに、部品送り時間やヘッド下降時間のデフォルト値のデータを、バーコード、二次元コード等のコード情報で記録したコード記録部を設けたり、電子的・電磁的に記憶した電子タグ等の記憶媒体を設けて、コード記録部や記憶媒体からデフォルト値のデータをリーダ等で読み取って部品実装機の制御装置に伝送するようしても良い。
本発明は、請求項のように、生産準備時に部品実装機を運転して部品送り時間及びヘッド下降時間を測定するようにしても良い。この場合、生産毎に、毎回、生産準備時に部品送り時間及びヘッド下降時間を測定するようしても良いし、複数回の生産を行う毎に、次の生産準備時に部品送り時間及びヘッド下降時間を測定するようしても良い。
或は、請求項のように、生産中に所定間隔で部品送り時間及びヘッド下降時間を測定して、それらの測定値を記憶手段に記憶し、その記憶手段に記憶された最新の測定値を用いてディレイ時間を算出するようにしても良い。このようにすれば、部品残量の重さによってフィーダの駆動系の負荷が変化して部品送り速度が変化したり、駆動系の経時的変化等で部品送り速度やヘッド下降速度が変化しても、その変化に応じた正確なディレイ時間を算出することができ、フィーダの部品送り動作完了タイミングと実装ヘッドの下降動作完了タイミングとを精度良く合わせることができる。この場合、部品送り動作とヘッド下降動作を行う毎に、毎回、部品送り時間及びヘッド下降時間を測定するようしても良いし、複数回の部品送り動作と複数回のヘッド下降動作を行う毎に、部品送り時間及びヘッド下降時間を測定するようしても良い。
また、請求項のように、部品送り時間及びヘッド下降時間の測定値を基準値と比較してメンテナンスの要否を判定するメンテナンス判定手段を備えた構成としても良い。ここで、基準値としては、例えば、部品送り時間及びヘッド下降時間の設計値、標準値、前回の測定値、複数回の測定値の平均値等を用いても良く、この場合は、部品送り時間及びヘッド下降時間の測定値と基準値とのずれが大きくなるほど、メンテナンスの必要性が増大していることを意味するため、測定値と基準値との比較結果からメンテナンスの要否を判定することができる。或は、基準値として、部品送り時間及びヘッド下降時間の許容ばらつき範囲の限界値を用いても良く、この場合は、部品送り時間及びヘッド下降時間の測定値を基準値と比較して、その測定値が基準値を越えた時点で、メンテナンスが必要と判定するようにすれば良い。
図1は本発明の実施例1における部品実装機の側面図である。 図2は部品実装機の制御系の構成を示すブロック図である。 図3は実施例1のフィーダの部品送り動作中に実装ヘッドの下降動作を開始するタイミングを決定する方法を説明するタイムチャートである。 図4は実施例1の制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである(その1)。 図5は実施例1の制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである(その2)。 図6は実施例1の制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである(その3)。 図7は実施例2のフィーダの部品送り動作中に実装ヘッドの下降動作を開始するタイミングを決定する方法を説明するタイムチャートである。 図8は実施例2の制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである(その1)。 図9は実施例2の制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである(その2)。 図10は実施例2の制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである(その3)。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した2つの実施例1,2を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて部品実装機の構成を説明する。
部品実装機のベース台11上には、回路基板12を搬送するコンベア13が設けられている(以下、このコンベア13による回路基板12の搬送方向をX方向とする)。このコンベア13を構成する2本のコンベアレール13a,13bとコンベアベルト14a,14bを支持する支持部材15a,15bのうち、一方の支持部材15aを、一定位置に固定し、その反対側の支持部材15bのY方向位置を送りねじ機構(図示せず)等によってガイドレール16に沿って調整することで、コンベア13の幅(コンベアレール13a,13bの間隔)を回路基板12の幅に合わせて調整できるようになっている。
また、ベース台11上のコンベア13の側方には、部品供給装置20がY方向に着脱可能にセットされている。この部品供給装置20は、複数のテープフィーダ等のフィーダ23を搭載したデバイスパレット22を、パレットベース21を介してベース台11上に取り付けた構成となっている。
この部品実装機には、実装ヘッド24を水平方向(XY方向)及び上下方向(Z方向)に移動させるヘッド移動装置25が設けられている。実装ヘッド24には、フィーダ23により部品吸着位置に送られた部品を吸着する吸着ノズル26が保持されている。
図2に示すように、部品実装機の制御装置31には、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置32と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置34と、後述する図4乃至図6の制御プログラムや後述する部品送り時間A及びヘッド下降時間Bの測定値等のデータを記憶するROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置33(記憶手段)と、吸着ノズル26に吸着した部品をその下方から撮像するパーツカメラ35(部品撮像用のカメラ)と、回路基板12の上面の基準マーク(図示せず)をその上方から撮像するマークカメラ36(基準マーク撮像用のカメラ)等が接続されている。マークカメラ36は、ヘッド移動装置25によって実装ヘッド24と一体的に移動するように設置されている。
部品実装機の制御装置31は、図4乃至図6の制御プログラムを実行することで、フィーダ23が部品を部品吸着位置へ送る動作とヘッド移動装置25が実装ヘッド24を部品吸着位置へ下降させる動作とを並行して実行する制御手段として機能し、更に、フィーダ23の部品送り動作中の一定のタイミング(部品送り動作開始から一定時間T経過したタイミング)を基準タイミングとし、当該基準タイミングから当該部品送り動作の完了までの時間(以下「部品送り時間A」という)を測定する部品送り時間測定手段として機能すると共に、実装ヘッド24の下降動作の開始から完了までの時間(以下「ヘッド下降時間B」という)を測定するヘッド下降時間測定手段として機能し、部品送り時間Aとヘッド下降時間Bの測定値を記憶装置33に記憶する。そして、制御装置31は、実装ヘッド24の下降動作開始前に、記憶装置33に記憶された部品送り時間Aからヘッド下降時間Bを差し引いた時間(A−B)をディレイ時間(A−B)として算出し、基準タイミング(図3のt1 )からディレイ時間(A−B)が経過した時点(図3のt2 )で実装ヘッド24の下降動作を開始させることで、フィーダ23の部品送り動作完了タイミングと実装ヘッド24の下降動作完了タイミングとを一致させるようにしている。
この場合、部品送り時間A及びヘッド下降時間Bの測定値が記憶装置33に記憶されていない場合を考慮して、予め部品送り時間A及びヘッド下降時間Bのデフォルト値(初期設定値)を設定するようにしても良い。ここで、部品送り時間Aやヘッド下降時間Bのデフォルト値は、例えば、設計値、標準値、測定値、複数回の測定値の平均値、許容ばらつき範囲の中間値等を用いれば良い。部品実装機を設置した生産ラインを管理する生産管理用サーバーにフィーダ識別情報やヘッド識別情報と関連付けて部品送り時間Aやヘッド下降時間Bのデフォルト値を登録しておき、使用するフィーダ23や実装ヘッド24に応じた部品送り時間Aやヘッド下降時間Bのデフォルト値を生産管理用サーバーから部品実装機の制御装置41に伝送するようしても良い。或は、使用するフィーダ23の制御部から部品送り時間Aのデフォルト値のデータを部品実装機の制御装置41に伝送するようしたり、フィーダ23や実装ヘッド24に、部品送り時間Aやヘッド下降時間Bのデフォルト値のデータを、バーコード、二次元コード等のコード情報で記録したコード記録部を設けたり、電子的・電磁的に記憶した電子タグ等の記憶媒体を設けて、コード記録部や記憶媒体からデフォルト値のデータをリーダ等で読み取って部品実装機の制御装置31に伝送するようしても良い。
また、本実施例1では、生産開始前に部品実装機に電源を投入してフィーダ23を動作させて部品送り時間Aを測定すると共に、生産開始前に実装ヘッド24の動作を調整するオートキャリブレーションを行う場合に、オートキャリブレーション時の実装ヘッド24の下降動作を利用してヘッド下降時間Bを測定するようにしている。この場合、生産毎に、毎回、生産開始前に部品送り時間A及びヘッド下降時間Bを測定するようしても良いし、複数回の生産を行う毎に、次の生産開始前に部品送り時間A及びヘッド下降時間Bを測定するようしても良い。
また、本実施例1では、生産中に所定間隔で部品送り時間A及びヘッド下降時間Bを測定して、それらの測定値を記憶装置33に記憶し、その記憶装置33に記憶された最新の測定値を用いてディレイ時間(A−B)を算出するようにしている。この場合、部品送り動作とヘッド下降動作を行う毎に、毎回、部品送り時間A及びヘッド下降時間Bを測定するようしても良いし、複数回の部品送り動作と複数回のヘッド下降動作を行う毎に、部品送り時間A及びヘッド下降時間Bを測定するようしても良い。
更に、本実施例1では、制御装置31は、部品送り時間A及びヘッド下降時間Bの測定値を基準値と比較してメンテナンスの要否を判定するメンテナンス判定手段としても機能する。ここで、基準値としては、例えば、部品送り時間A及びヘッド下降時間Bの設計値、標準値、前回の測定値、複数回の測定値の平均値等を用いても良く、この場合は、部品送り時間A及びヘッド下降時間Bの測定値と基準値とのずれが大きくなるほど、メンテナンスの必要性が増大していることを意味するため、測定値と基準値との比較結果からメンテナンスの要否を判定することができる。或は、基準値として、部品送り時間A及びヘッド下降時間Bの許容ばらつき範囲の限界値を用いても良く、この場合は、部品送り時間A及びヘッド下降時間Bの測定値を基準値と比較して、その測定値が基準値を越えた時点で、メンテナンスが必要と判定するようにすれば良い。
ところで、フィーダ23で供給する部品のサイズ等によってフィーダ23の送りピッチ(部品供給テープの部品配列ピッチ)が異なったり、部品送り速度を複数段階に切換可能になっている場合がある。送りピッチや部品送り速度が異なれば、基準タイミングから部品送り動作の完了までの部品送り時間Aも異なる。同様に、部品実装機で使用可能な実装ヘッド24が複数存在する場合は、実装ヘッド24毎に下降速度や下降ストロークが異なったり、下降速度を複数段階に切換可能になっている場合がある。実装ヘッド24の下降速度や下降ストロークが異なれば、ヘッド下降時間Bも異なる。
この事情を考慮して、部品実装機で使用可能なフィーダ23毎及び/又は部品送り速度毎に部品送り時間Aの測定値を記憶装置33に記憶すると共に、部品実装機で使用可能な実装ヘッド24毎及び/又はヘッド下降速度毎にヘッド下降時間Bの測定値を記憶装置33に記憶し、前記記憶装置33に記憶された測定値の中から、部品実装機で使用する生産プログラム(生産ジョブ)で指定されたフィーダ23及び/又は部品送り速度に対応する部品送り時間Aの測定値を読み出すと共に、生産プログラムで指定された実装ヘッド24及び/又はヘッド下降速度に対応するヘッド下降時間Bの測定値を読み出してディレイ時間(A−B)を算出するようにしても良い。このようにすれば、フィーダ23の送りピッチや部品送り速度が異なったり、実装ヘッド24の下降速度や下降ストロークが異なっても、それに対応する正確なディレイ時間(A−B)を算出することができ、フィーダ23の部品送り動作完了タイミングと実装ヘッド24の下降動作完了タイミングとを精度良く合わせることができる。
以上説明した本実施例1の部品実装機の制御は、制御装置31によって図4乃至図6の制御プログラムに従って実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、部品実装機の電源がオンされるまで待機する。その後、電源がオンされた時点で、ステップ102に進み、フィーダ23又は生産管理用サーバーから部品送り時間Aのデフォルト値(初期設定値)を取得する。この際、制御装置31の記憶装置33に、過去に測定した部品送り時間Aの測定値が保存されていれば、その測定値を部品送り時間Aのデフォルト値として取得すれば良い。
次のステップ103で、実装ヘッド24又は生産管理用サーバーからヘッド下降時間Bのデフォルト値(初期設定値)を取得する。この際、制御装置31の記憶装置33に、過去に測定したヘッド下降時間Bの測定値が保存されていれば、その測定値をヘッド下降時間Bのデフォルト値として取得すれば良い。
この後、ステップ104に進み、生産開始前にオートキャリブレーションを実行するか否かを判定し、オートキャリブレーションを実行する場合は、ステップ105に進み、実装ヘッド24を下降動作させて、次のステップ106で、ヘッド下降時間Bを測定して、そのヘッド下降時間Bの測定値を記憶装置33に更新記憶する。尚、オートキャリブレーションを実行しない場合は、上記ステップ105及び106のヘッド下降時間Bの測定・更新の処理を省略する。
この後、ステップ107に進み、部品送り時間Aからヘッド下降時間Bを差し引いた時間(A−B)をディレイ時間(A−B)として算出する。その後、ステップ108に進み、オートキャリブレーション等の生産準備が完了するまで待機する。その後、生産準備が完了した時点で、図5のステップ109に進み、生産を開始する。
この後、ステップ110に進み、フィーダ23の部品送り動作(部品供給テープの先頭の部品を部品吸着位置へ送る動作)を開始する。この後、ステップ111に進み、部品送り動作開始(図3のt0 )から一定時間T経過した基準タイミング(図3のt1 )になるまで待機する。その後、基準タイミングになった時点で、ステップ112に進み、基準タイミングから部品送り動作の完了までの部品送り時間Aの測定値(記憶値)を更新する必要があるか否かを判定する。この場合、部品送り動作を行う毎に、毎回、部品送り時間Aを測定して更新するようしても良いし、予め設定された複数回の部品送り動作を行う毎に、部品送り時間Aを測定して更新するようしても良い。このステップ112で、部品送り時間Aを更新する必要があると判定された場合は、ステップ113に進み、基準タイミングから部品送り時間Aの測定を開始する。
この後、ステップ114に進み、基準タイミングからディレイ時間(A−B)が経過するまで待機する。その後、基準タイミングからディレイ時間(A−B)が経過した時点(図3のt2 )で、ステップ115に進み、実装ヘッド24の下降動作を開始する。そして、次のステップ116で、実装ヘッド24の下降動作の開始から完了までのヘッド下降時間Bの測定値(記憶値)を更新する必要があるか否かを判定する。この場合、実装ヘッド24の下降動作を行う毎に、毎回、ヘッド下降時間Bを測定して更新するようしても良いし、予め設定された複数回の下降動作を行う毎に、ヘッド下降時間Bを測定して更新するようしても良い。このステップ116で、ヘッド下降時間Bを更新する必要があると判定された場合は、ステップ117に進み、実装ヘッド24の下降動作の開始からヘッド下降時間Bの測定を開始する。
この後、図6のステップ118に進み、フィーダ23の部品送り動作が完了するまで待機し、部品送り動作が完了した時点(図3のt3 )で、ステップ119に進み、部品送り時間Aの測定を完了してその測定値を記憶装置33に更新記憶する。尚、前記ステップ112で、部品送り時間Aを更新する必要がないと判定して、部品送り時間Aを測定しなかった場合は、記憶装置33に記憶された部品送り時間Aの測定値は更新されない。
次のステップ120で、実装ヘッド24の下降動作が完了するまで待機し、下降動作が完了した時点(図3のt3 )で、ステップ121に進み、ヘッド下降時間Bの測定を完了してその測定値を記憶装置33に更新記憶する。尚、前記ステップ116で、ヘッド下降時間Bを更新する必要がないと判定して、ヘッド下降時間Bを測定しなかった場合は、記憶装置33に記憶されたヘッド下降時間Bの測定値は更新されない。
この後、ステップ122に進み、メンテナンス要否判定を行う必要があるか否かを判定する。この場合、部品送り時間Aとヘッド下降時間Bの測定・更新を行う毎に、毎回、メンテナンス要否判定を行うようにしても良いし、予め設定された複数回の測定・更新を行う毎に、メンテナンス要否判定を行うようにしても良い。このステップ122で、メンテナンス要否判定を行う必要があると判定された場合は、ステップ123に進み、部品送り時間A及びヘッド下降時間Bの測定値を基準値と比較して、次のステップ124で、メンテナンスが必要か否かを判定する。その結果、メンテナンスが必要と判定されれば、ステップ125に進み、表示装置34にメンテナンスの案内表示を行ったり、音声でメンテナンスを案内する。尚、上記ステップ122で、メンテナンス要否判定を行う必要がないと判定されれば、上記ステップ123〜125のメンテナンス要否判定の処理が省略される。
この後、ステップ126に進み、生産完了か否かを判定し、生産完了であれば、そのまま本プログラムを終了し、生産完了でなければ、図4のステップ110以降の処理を再度実行して、生産を継続する。
以上説明した本実施例1によれば、フィーダ23の部品送り動作開始から一定時間T経過した基準タイミングから当該部品送り動作の完了までの部品送り時間Aを測定すると共に、実装ヘッド24の下降動作の開始から完了までのヘッド下降時間Bを測定するが、部品送り時間Aとヘッド下降時間Bは、回路基板12の部品実装位置に影響されずに精度良く測定でき、部品毎に変動することはない。しかも、フィーダ23の部品送り動作の基準タイミングを基準にして、当該基準タイミングからディレイ時間(部品送り時間Aからヘッド下降時間Bを差し引いた時間)が経過した時点で実装ヘッド24の下降動作を開始させるようにしているため、フィーダ23の部品送り動作完了タイミングと実装ヘッド24の下降動作完了タイミングとを精度良く合わせることができる。
しかも、本実施例1では、生産中に所定間隔で部品送り時間A及びヘッド下降時間Bを測定して、それらの測定値を記憶装置33に更新記憶し、その記憶装置33に記憶された最新の測定値を用いてディレイ時間(A−B)を算出するようにしたので、部品残量の重さによってフィーダ23の駆動系の負荷が変化して部品送り速度が変化したり、駆動系の経時的変化等で部品送り速度やヘッド下降速度が変化しても、その変化に応じた正確なディレイ時間(A−B)を算出することができ、フィーダの部品送り動作完了タイミングと実装ヘッドの下降動作完了タイミングとを精度良く合わせることができる。
次に、図7乃至図10を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、上記実施例1と実質的に同じ部分については説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。
上記実施例1では、フィーダ23の部品送り動作開始から一定時間T経過したタイミングを基準タイミングとし、当該基準タイミングから当該部品送り動作の完了までの部品送り時間Aを測定するようにしたが、図7乃至図10に示す本発明の実施例2では、フィーダ23の部品送り動作開始タイミング(図7のt0 )を基準タイミングとし、当該基準タイミングである部品送り動作の開始から完了までの部品送り時間Cを測定し、当該部品送り時間Cからヘッド下降時間Bを差し引いた時間(C−B)をディレイ時間(C−B)として算出し、基準タイミングである部品送り動作開始タイミングからディレイ時間(C−B)が経過した時点(図7のt2 )で実装ヘッド24の下降動作を開始させることで、フィーダ23の部品送り動作完了タイミングと実装ヘッド24の下降動作完了タイミングとを一致させるようにしている。
本実施例2の部品実装機の制御は、制御装置31によって図8乃至図10の制御プログラムに従って実行される。図8乃至図10の制御プログラムにおいて、前記実施例1で説明した図8乃至図10の制御プログラムと実質的に同じ処理を行うステップの番号を同一とし、異なる処理を行うステップの番号に「a」を付している。
本プログラムが起動されると、部品実装機の電源がオンされた時点で、フィーダ23又は生産管理用サーバーから部品送り時間Cのデフォルト値を取得し(ステップ101〜102a)、実装ヘッド24又は生産管理用サーバーからヘッド下降時間Bのデフォルト値を取得する(ステップ103)。
生産開始前にオートキャリブレーションを実行する場合は、実装ヘッド24を下降動作させてヘッド下降時間Bを測定した後(ステップ104〜106)、部品送り時間Cからヘッド下降時間Bを差し引いた時間(C−B)をディレイ時間(C−B)として算出する。(ステップ107a)。
オートキャリブレーション等の生産準備が完了した時点で、フィーダ23の部品送り動作を開始し(ステップ108〜110)、基準タイミングである部品送り動作の開始から完了までの部品送り時間Cの測定値(記憶値)を更新する必要があるか否かを判定する(ステップ112a)。この場合、部品送り動作を行う毎に、毎回、部品送り時間Cを測定して更新するようしても良いし、予め設定された複数回の部品送り動作を行う毎に、部品送り時間Cを測定して更新するようしても良い。部品送り時間Cを更新する必要があると判定された場合は、基準タイミングである部品送り動作の開始から部品送り時間Cの測定を開始する(ステップ113a)。
この後、基準タイミングである部品送り動作の開始からディレイ時間(C−B)が経過した時点(図7のt2 )で、実装ヘッド24の下降動作を開始し(ステップ114a〜115)、ヘッド下降時間Bの測定値(記憶値)を更新する必要がある場合は、実装ヘッド24の下降動作の開始からヘッド下降時間Bの測定を開始する(ステップ116〜117)。
その後、フィーダ23の部品送り動作が完了した時点(図7のt3 )で、部品送り時間Cの測定を完了してその測定値を記憶装置33に更新記憶し(ステップ118〜119a)、実装ヘッド24の下降動作が完了した時点(図3のt3 )で、ヘッド下降時間Bの測定を完了してその測定値を記憶装置33に更新記憶する(ステップ120〜121)。
メンテナンス要否判定を行う必要がある場合は、部品送り時間C及びヘッド下降時間Bの測定値を基準値と比較して(ステップ122〜123a)、メンテナンスが必要か否かを判定して、メンテナンスが必要と判定されれば、表示装置34にメンテナンスの案内表示を行ったり、音声でメンテナンスを案内する(ステップ124〜125)。以後、生産が完了するまで図8のステップ110以降の処理を繰り返し実行する(ステップ126)。
以上説明した本実施例2でも、前述した実施例1と同様の効果を得ることができる。
尚、上記実施例2においても、部品実装機で使用可能なフィーダ23毎及び/又は部品送り速度毎に部品送り時間Cの測定値を記憶装置33に記憶すると共に、部品実装機で使用可能な実装ヘッド24毎及び/又はヘッド下降速度毎にヘッド下降時間Bの測定値を記憶装置33に記憶し、前記記憶装置33に記憶された測定値の中から、部品実装機で使用する生産プログラム(生産ジョブ)で指定されたフィーダ23及び/又は部品送り速度に対応する部品送り時間Cの測定値を読み出すと共に、生産プログラムで指定された実装ヘッド24及び/又はヘッド下降速度に対応するヘッド下降時間Bの測定値を読み出してディレイ時間(C−B)を算出するようにしても良い。
また、部品を供給するフィーダ23は、テープフィーダに限定されず、スティックフィーダ、バルクフィーダ、トレイフィーダ等であっても良い。
その他、本発明は、上記実施例1,2に限定されず、部品実装機の構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
12…回路基板、13…コンベア、23…フィーダ、24…実装ヘッド、25…ヘッド移動装置、26…吸着ノズル、31…制御装置(制御手段,部品送り時間測定手段,ヘッド下降時間測定手段,メンテナンス判定手段)、33…記憶装置(記憶手段)、34…表示装置

Claims (5)

  1. 部品を供給するフィーダと、前記フィーダにより部品吸着位置に送られた部品を吸着する吸着ノズルを保持する実装ヘッドと、前記実装ヘッドを水平方向及び上下方向に移動させるヘッド移動装置とを備え、前記フィーダが部品を前記部品吸着位置へ送る動作と前記ヘッド移動装置が前記実装ヘッドを前記部品吸着位置へ下降させる動作とを並行して実行する部品実装機において、
    前記フィーダの部品送り動作開始タイミング又は部品送り動作中の一定のタイミングを基準タイミングとし、当該基準タイミングから当該部品送り動作の完了までの時間(以下「部品送り時間」という)を測定する部品送り時間測定手段と、
    前記実装ヘッドの下降動作の開始から完了までの時間(以下「ヘッド下降時間」という)を測定するヘッド下降時間測定手段と、
    前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間の測定値を記憶する記憶手段と、
    前記実装ヘッドの下降動作開始前に前記記憶手段に記憶された前記部品送り時間から前記ヘッド下降時間を差し引いた時間をディレイ時間として算出し、前記基準タイミングから前記ディレイ時間が経過した時点で前記実装ヘッドの下降動作を開始させる制御手段と を備え
    前記制御手段は、前記記憶手段に前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間の測定値が記憶されていない場合は、予め設定された前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間のデフォルト値を用いて前記ディレイ時間を算出することを特徴とする部品実装機。
  2. 部品を供給するフィーダと、前記フィーダにより部品吸着位置に送られた部品を吸着する吸着ノズルを保持する実装ヘッドと、前記実装ヘッドを水平方向及び上下方向に移動させるヘッド移動装置とを備え、前記フィーダが部品を前記部品吸着位置へ送る動作と前記ヘッド移動装置が前記実装ヘッドを前記部品吸着位置へ下降させる動作とを並行して実行する部品実装機において、
    前記フィーダの部品送り動作開始タイミング又は部品送り動作中の一定のタイミングを基準タイミングとし、当該基準タイミングから当該部品送り動作の完了までの時間(以下「部品送り時間」という)を測定する部品送り時間測定手段と、
    前記実装ヘッドの下降動作の開始から完了までの時間(以下「ヘッド下降時間」という)を測定するヘッド下降時間測定手段と、
    前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間の測定値を記憶する記憶手段と、
    前記実装ヘッドの下降動作開始前に前記記憶手段に記憶された前記部品送り時間から前記ヘッド下降時間を差し引いた時間をディレイ時間として算出し、前記基準タイミングから前記ディレイ時間が経過した時点で前記実装ヘッドの下降動作を開始させる制御手段と を備え、
    前記部品送り時間測定手段及び前記ヘッド下降時間測定手段は、生産準備時に部品実装機を運転して前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間を測定することを特徴とする部品実装機。
  3. 部品を供給するフィーダと、前記フィーダにより部品吸着位置に送られた部品を吸着する吸着ノズルを保持する実装ヘッドと、前記実装ヘッドを水平方向及び上下方向に移動させるヘッド移動装置とを備え、前記フィーダが部品を前記部品吸着位置へ送る動作と前記ヘッド移動装置が前記実装ヘッドを前記部品吸着位置へ下降させる動作とを並行して実行する部品実装機において、
    前記フィーダの部品送り動作開始タイミング又は部品送り動作中の一定のタイミングを基準タイミングとし、当該基準タイミングから当該部品送り動作の完了までの時間(以下「部品送り時間」という)を測定する部品送り時間測定手段と、
    前記実装ヘッドの下降動作の開始から完了までの時間(以下「ヘッド下降時間」という)を測定するヘッド下降時間測定手段と、
    前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間の測定値を記憶する記憶手段と、
    前記実装ヘッドの下降動作開始前に前記記憶手段に記憶された前記部品送り時間から前記ヘッド下降時間を差し引いた時間をディレイ時間として算出し、前記基準タイミングから前記ディレイ時間が経過した時点で前記実装ヘッドの下降動作を開始させる制御手段と を備え、
    前記部品送り時間測定手段及び前記ヘッド下降時間測定手段は、生産中に所定間隔で前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間を測定して、それらの測定値を前記記憶手段に記憶し、
    前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された最新の測定値を用いて前記ディレイ時間を算出することを特徴とする部品実装機。
  4. 部品を供給するフィーダと、前記フィーダにより部品吸着位置に送られた部品を吸着する吸着ノズルを保持する実装ヘッドと、前記実装ヘッドを水平方向及び上下方向に移動させるヘッド移動装置とを備え、前記フィーダが部品を前記部品吸着位置へ送る動作と前記ヘッド移動装置が前記実装ヘッドを前記部品吸着位置へ下降させる動作とを並行して実行する部品実装機において、
    前記フィーダの部品送り動作開始タイミング又は部品送り動作中の一定のタイミングを基準タイミングとし、当該基準タイミングから当該部品送り動作の完了までの時間(以下「部品送り時間」という)を測定する部品送り時間測定手段と、
    前記実装ヘッドの下降動作の開始から完了までの時間(以下「ヘッド下降時間」という)を測定するヘッド下降時間測定手段と、
    前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間の測定値を記憶する記憶手段と、
    前記実装ヘッドの下降動作開始前に前記記憶手段に記憶された前記部品送り時間から前記ヘッド下降時間を差し引いた時間をディレイ時間として算出し、前記基準タイミングから前記ディレイ時間が経過した時点で前記実装ヘッドの下降動作を開始させる制御手段と を備え、
    前記部品送り時間及び前記ヘッド下降時間の測定値を基準値と比較してメンテナンスの要否を判定するメンテナンス判定手段を備えていることを特徴とする部品実装機。
  5. 前記記憶手段は、前記部品実装機で使用可能なフィーダ毎及び/又は部品送り速度毎に前記部品送り時間の測定値を記憶すると共に、前記部品実装機で使用可能な実装ヘッド毎及び/又はヘッド下降速度毎に前記ヘッド下降時間の測定値を記憶し、
    前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された測定値の中から、前記部品実装機で使用する生産プログラムで指定されたフィーダ及び/又は部品送り速度に対応する部品送り時間の測定値を読み出すと共に、前記生産プログラムで指定された実装ヘッド及び/又はヘッド下降速度に対応するヘッド下降時間の測定値を読み出して前記ディレイ時間を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の部品実装機。
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