JP6306732B2 - ヒータ - Google Patents

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Description

本発明は、液体加熱用ヒータ、粉体加熱用ヒータ、気体加熱用ヒータおよび酸素センサ用ヒータ等に用いられるヒータに関するものである。
液体加熱用ヒータ、粉体加熱用ヒータ、気体加熱用ヒータおよび酸素センサ用ヒータ等に用いられるヒータとして、例えば特開2011−60712号公報(以下、特許文献1という)に開示されたヒータが知られている。特許文献1に開示されたヒータは、内部に発熱抵抗体が埋設されたセラミック基体と、セラミック基体の表面に設けられた電極パッドと、電極パッドに接合された端子部材とを備えている。
特許文献1に開示されたヒータ装置は、端子部材がセラミック基体から立ち上がるように設けられていることによって、端子部材の立ち上がる方向の振動に対しては強度を向上させやすいものの、セラミック基体の長さ方向に沿った方向の振動に対しては強度を向上させることが困難であった。
ヒータは、棒状または筒状のセラミック体と、該セラミック体の内部に設けられた発熱抵抗体と、前記セラミック体の表面に設けられて前記発熱抵抗体に接続された電極層と、該電極層に接合されたリード端子とを備えており、該リード端子は、全体が前記電極層から立ち上がる第1部分と、前記セラミック体の外周から外側において前記セラミック体の長さ方向に沿って伸びた第2部分と、全体が該第2部分よりも外側を経由して前記第1部分と前記第2部分とを繋ぐ第3部分とを備えており、該第3部分は、一端が前記第1部分に連続しており、他端が前記第2部分に連続している。
ヒータを示す縦断面図である。 変形例のヒータを示す縦断面図である。 変形例のヒータを示す縦断面図である。 変形例のヒータのうち第1部分と電極層との接合部を通る断面で切った横断面図である。
以下、ヒータ10について詳細に説明する。
図1は、ヒータ10を示す縦断面図である。図1に示すように、このヒータ10は、棒状または筒状のセラミック体1と、セラミック体1の内部に設けられた発熱抵抗体2と、セラミック体1の表面に設けられた電極層3と、電極層3に接合されたリード端子4とを備えている。
セラミック体1は、発熱抵抗体2を保護するために設けられる部材である。セラミック体1の形状は、棒状または筒状である。棒状としては、例えば円柱状または角柱状等の柱状等が挙げられる。なお、ここでいう柱状とは、例えば特定の方向に長く伸びた板状も含んでいる。筒状としては、例えば円筒状または角筒状が挙げられる。図1に示すヒータ10においては、セラミック体1は円柱状である。
セラミック体1は、絶縁性のセラミック材料から成る。絶縁性のセラミック材料としては、例えばアルミナ、窒化珪素または窒化アルミニウムが挙げられる。熱伝導率に優れるという観点からは窒化アルミニウムを用いることが好ましい。特に、窒化アルミニウムを用いる場合には、セラミック体1の熱伝導率を150W/(m・K)と高くできるので、セラミック体1の内部に設けられた発熱抵抗体2で発生した熱をヒータ10の表面に効率良く伝えることができる。したがって、ヒータ10の急速昇温が可能となる。
また、製造のしやすさの観点からはアルミナを用いることが好ましい。セラミック体1が円柱状の場合には、セラミック体1の寸法は、例えば長さを100mmに、外径を20mmに設定することができる。また、セラミック体1が板状の場合には、セラミック体1の寸法は、例えば長さを80mmに、幅を50mmに、厚みを2mmに設定することができる。セラミック体1が円筒状の場合には、セラミック体1の寸法は、例えば長さを100mmに、外径を20mmに、内径を14mmに設定することができる。
発熱抵抗体2は、電流が流れることによって発熱する抵抗体である。発熱抵抗体2はセラミック体1の内部に設けられている。すなわち、発熱抵抗体2はセラミック体1に埋設されている。本例のヒータ10における発熱抵抗体2は折り返し形状を有している。発熱抵抗体2の両端部は引出電極21に接続されている。引出電極21は、セラミック体1の一方の端部へと引き出されており、端部においてセラミック体1の外周面に引き出されている。
本例においては、発熱抵抗体2の折り返し部がセラミック体1の他方の端部に設けられている。すなわち、引出電極21は、セラミック体1のうち発熱抵抗体2の折り返し部とは反対側の領域に設けられている。発熱抵抗体2の両端部は、引出電極21を介して、セラミック体1の外周面に設けられた電極層3に電気的に接続されている。
発熱抵抗体2は金属材料から成る。金属材料としては、例えばタングステン、モリブデンまたはレニウム等が挙げられる。発熱抵抗体2の寸法は、例えば幅を1mmに、全長を3000mmに、厚みを0.02mmに設定することができる。引出電極21は、発熱抵抗体2と同じ金属材料を用いて、発熱抵抗体2と同時に形成することができる。また、引出電極21は、発熱抵抗体2とは異なる材料を用いて別々に形成することもできる。
電極層3はセラミック体1の表面に設けられている。電極層3は、引出電極21を介して発熱抵抗体2に接続されている。電極層3は金属材料からなる。金属材料としては、例えばタングステン、モリブデンまたはレニウム等が挙げられる。電極層3の寸法は、例えば長さを9mmに、幅を5mmに、厚みを0.02mmに設定することができる。なお、本例においては、電極層3が引出電極21を介して発熱抵抗体2に接続されているが、これに限られない。具体的には、ヒータ10が引出電極21を有しておらず、電極層3と発熱抵抗体2とが直接接続されていてもよい。
リード端子4は発熱抵抗体2に電力を供給するための部材である。リード端子4は外部の電源(図示せず)に接続されて用いられる。リード端子4としては、ニッケルまたは銅の金属からなる線材または板材を用いることができる。リード端子4は、電極層3の表面上に接合材5を用いて取り付けることができる。接合材5としては、例えば、ろう材を用いることができる。
リード端子4は、電極層3から立ち上がる第1部分41と、セラミック体1の外周から外側において長さ方向に沿って延びた第2部分42と、第2部分42よりも外側を経由して第1部分41と第2部分42とを繋ぐ第3部分43とを備えている。これにより、セラミック体1の長さ方向に沿った方向に振動が生じたときに、第3部分43がたわむことによって、この振動による応力を低減することができる。このため、第1部分41と電極層3との接合部に生じる応力を低減できる。その結果、セラミック体1の長さ方向に沿った方向の振動に対する強度を向上させることができる。
第1部分41の立ち上がる方向としては、電極層3の表面から垂直な方向および垂直な方向から見て20°以下で傾いた方向が挙げられる。ここでいう、「傾いた方向」とは、第1部分41が発熱抵抗体2に近づくように立ち上がる方向、第1部分41が発熱抵抗体2から遠ざかるように立ち上がる方向、セラミック体1の周方向に傾く方向、および、これらの合わさった方向を含む。特に、第1部分41が電極層3の表面に対して垂直な方向に立ち上がる場合には、接合材5を第1部分41の周囲に均等に濡れ広げやすくすることができる。そのため、少ない接合材5でリード端子4を強固に保持することができる。
本例においては、リード端子4が棒状であって、リード端子4の断面(第1部分41、第2部分42および第3部分43の断面)が円形状である。特に、第3部分43の断面が円形状であることによって、第3部分43がたわんだときに、第3部分43が損傷してしまうおそれを低減できる。リード端子4の断面のその他の形状としては、例えば、矩形状、Cの字形状、Uの字形状または中空状等が挙げられる。特に、第3部分43がCの字形状またはUの字形状の場合には、セラミック体1とは反対側に開口していることが好ましい。これにより、第3部分43をたわませやすくすることができる。また、リード端子4は、例えば、板状であってもよい。例えば、リード端子4のうち、第1部分41、第2部分42および第3部分42は、板状の部材を折り曲げることによって形成されていてもよい。リード端子4が板状であることによって、リード端子4の強度を向上できる。
また、本例においては、第3部分43の一部が、電極層3から立ち上がる第1部分41と滑らかに連続している。これにより、第1部分41と第3部分43との間に段差または屈曲部がある場合と比較して、振動が生じたときに応力が集中する箇所を第1部分41と電極層3との接合部分から遠ざけることができる。なお、ここでいう「滑らか」とは、第1部分41と第3部分43との間に段差または屈曲部が無いことを意味している。
また、本例においては、第1部分41から第3部分43が連続して設けられるとともに、第3部分43の先に第2部分42が位置していることによって、第3部分43によって振動による応力を吸収しつつも、第2部分42をセラミック体の外周面に近づけることができる。2つの第2部分42の間隔が広がってしまうと、ヒータ10が大型化してしまうおそれがあるが、2つの第2部分42をセラミック体の外周面に近づけることができる本例の構成を採用することによって、ヒータ10を小型化することができる。
また、本例においては、リード端子4のうち、第1部分41、第2部分42および第3部分43の断面の形状および大きさが同一であるが、これに限られない。具体的には、それぞれの部位で形状および大きさが異なっていてもよい。特に、第3部分43は第1部分41および第2部分42よりも細いことが好ましい。これにより、リード端子4の強度を確保しつつ、第3部分43をたわませやすくすることができる。
リード端子4の寸法は、例えば、以下のように設定できる。図1に示すようなヒータ10の場合には、第1部分41の長さを2.3mmに設定できる。第2部分42の長さは、第1部分41の立ち上がる方向の長さを1.5mmに、セラミック体1の長さ方向に沿った方向の長さを2.5mmに設定できる。また、第3部分43の長さを6.5mmに設定できる。また、第1部分41、第2部分42および第3部分43のそれぞれの断面は、直径が0.8mmφの円形状に設定できる。
また、リード端子4と電極層3との接合を接合材5によって行なう場合には、接合材5はリード端子4のうち第1部分41にのみ濡れ広がっていることが好ましい。具体的には、第3部分43には接合材5が濡れ広がっていないことが好ましい。これにより、第1部分41と電極層3との接合を行ないつつ、第3部分43に生じるたわみの働きを阻害してしまうことを低減できる。
さらに、本例のヒータ10は、図1に示すように、第3部分43が屈曲形状を有している。これにより、屈曲している部分を起点として集中的にたわませることができるので、大きな振動を吸収することができる。
また、図2に示すように、第3部分43が湾曲形状を有していてもよい。第3部分43が湾曲形状であることによって、第3部分43がたわんだときに、特定の部位に応力が集中することを低減できる。そのため、ヒータ10の長期信頼性を向上できる。
また、図3に示すように、電極層3およびリード端子4をそれぞれ2つ以上備えているとともに、2つの電極層3と2つのリード端子4とのそれぞれの接合部の位置が、セラミック体1の長さ方向にずれていることが好ましい。これにより、電極層3およびリード端子4の接合部の耐久性を向上できる。具体的には、2つのリード端子4の接合部が一直線上に設けられている場合には、リード端子4の第1部分41を軸としてセラミック体1が回転するような振動に対して、接合部の強度を向上させることが困難であった。これに対して、2つのリード端子4の接合部の位置をずらして配置しておくことによって、リード端子4の第1部分41を軸としてセラミック体1が回転するような振動に対する強度を向上させることができる。
なお、ここでいう「接合部の位置をずらして配置しておく」とは、例えば、リード端子4のうち電極層3と接合される第1部分41の端面を見たときに、第1部分41の端面の中心同士がずれていることを意味している。つまり、接合部同士の位置が完全にずれている必要はなく、セラミック体1の長さ方向で見たときに接合部同士の一部が重なっていてもよい。接合部の位置は、例えば0.2〜1.2mmずらしておくことができる。
さらに、2つの第1部分41同士がセラミック体1の長さ方向で見たときに部分的に重なることなく完全にずれていることが好ましい。これにより、リード端子4の第1部分を軸としてセラミック体1が回転するような振動に対する強度をさらに向上できる。
また、図4に示すように、電極層3およびリード端子4をそれぞれ2つ以上備えているとともに、2つの電極層3とリード端子4とのそれぞれの接合部の位置が、セラミック体1を挟んで対向する位置から周方向にずれていることが好ましい。これにより、リード端子4の第1部分41を軸としてセラミック体1が回転するような振動に対する強度を向上させることができる。
なお、ここでいう「周方向にずれている」とは、例えば、リード端子4のうち電極層3と接合さている第1部分41の端面を見たときに、第1部分41の端面の中心同士の位置が周方向にずれているということを意味している。つまり、接合部同士が完全にずれている必要はなく、接合部同士の一部がセラミック体1を挟んで対向していてもよい。接合部同士は、例えば1°〜15°ずらしておくことができる。
さらに、2つの第1部分41同士の端面がセラミック体1の周方向で見たときに対向する部分を有することなく完全にずれていてもよい。これにより、リード端子4の第1部分41を軸としてセラミック体1が回転するような振動に対する強度をさらに向上させることができる。
1:セラミック体
2:発熱抵抗体
21:引出電極
3:電極層
4:リード端子
41:第1部分
42:第2部分
43:第3部分
5:接合材
10:ヒータ

Claims (6)

  1. 棒状または筒状のセラミック体と、該セラミック体の内部に設けられた発熱抵抗体と、前記セラミック体の表面に設けられて前記発熱抵抗体に接続された電極層と、該電極層に接合されたリード端子とを備えており、
    該リード端子は、全体が前記電極層から立ち上がる第1部分と、前記セラミック体の外周から外側において前記セラミック体の長さ方向に沿って伸びた第2部分と、全体が該第2部分よりも外側を経由して前記第1部分と前記第2部分とを繋ぐ第3部分とを備えており、
    該第3部分は、一端が前記第1部分に連続しており、他端が前記第2部分に連続しているヒータ。
  2. 前記第3部分が屈曲形状である請求項1に記載のヒータ。
  3. 前記第3部分が湾曲形状である請求項1に記載のヒータ。
  4. 前記リード端子と前記電極層との接合が接合材によって行なわれているとともに、該接合材は、前記リード端子のうち前記第1部分のみに濡れ広がっている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のヒータ。
  5. 前記電極層および前記リード端子をそれぞれ2つ以上備えているとともに、2つの前記電極層と2つの前記リード端子とのそれぞれの接合部の位置が、前記セラミック体の長さ方向にずれている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のヒータ。
  6. 前記電極層および前記リード端子をそれぞれ2つ以上備えているとともに、2つの前記電極層と2つの前記リード端子とのそれぞれの接合部の位置が、前記セラミック体を挟んで対向する位置から周方向にずれている請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のヒータ。
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