JP6306292B2 - 水溶性多糖類を含むイムノクロマト用展開液 - Google Patents

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Description

本発明は、免疫測定法の1つであるイムノクロマトに用いる移動相を構成する展開液に関する。
抗原とこれに対する抗体による特異的反応を利用して特定の抗原又は抗体よりなる被検出物質を検出する免疫測定法として、標識物質により標識化した抗体又は抗原を免疫反応により試料中の被検出物質に結合させ、この結合状態にある標識物質等を測定する方法が知られており、標識物質として放射性同位元素を用いる放射免疫測定法、酵素を用いる酵素免疫測定法、蛍光物質を用いる蛍光免疫測定法なども採用されている。
これらの免疫測定法では、被検出物質と標識物質により標識化した抗体等との反応工程、被検出物質と結合状態にある標識物質と結合状態にない標識物質との分離工程が必要となるが、これらの工程を、クロマトグラフィーの原理を応用して、固定相とそれに接して連続的に流れる移動相からなる系で行う方法として、イムノクロマト法が知られている。
免疫測定の形式には、サンドイッチ形式又は競合形式等が知られているが、典型例としては、イムノクロマト法によるサンドイッチ形式で、例えば、試料中の抗原よりなる被検出物質を検出する場合には、以下のような操作が行われる。
(1)被検出物質である抗原に特異的に結合する抗体を固定化試薬とし、この固定化試薬をクロマトグラフ媒体の所定の部位に所定の形で塗布すること等により、クロマトグラフ媒体の任意の位置に反応部位を形成する。
(2)一方、被検出物質と特異的に結合する抗体を検出試薬とし、この検出試薬を酵素等の標識物質により標識する、又は、検出試薬を不溶性担体等の標識物質に感作することにより、標識化した検出試薬を調製する。
(3)移動相を構成する展開液を、被検出物質を含む試料及び標識化した検出試薬と共に、固定相であるクロマトグラフ媒体上を展開させる。
以上の操作により、クロマトグラフ媒体に形成された反応部位において、被検出物質である抗原が、反応部位に固定した固定化試薬である抗体と結合することにより捕捉されると共に、この抗原と、標識化した検出試薬である抗体とによって抗原−抗体反応が生ずる結果、当該反応部位においては固定化試薬(固定化した抗体)−被検出物質(抗原)−検出試薬(標識化した抗体)の三者のサンドイッチ型結合体が生成し、試料中に被検出物質が存在するときに反応部位に間接的に標識物質が結合することによって所定のシグナルが現れ、これによって被検出物質の検出を行うことができる。
このようなイムノクロマト法は、操作が簡便であり、短時間で測定可能であることから、臨床検査や研究室における測定試験等で広く利用されている。イムノクロマト法の標識物質には、一般に酵素や不溶性担体(以下、担体という。)が用いられているが、特別な操作を必要とせず、視覚的に検出することができる担体が、簡便性の点から多く使用されている。担体としては、一般的に金コロイド粒子または、着色ラテックス微粒子が用いられているが、本発明者らは、新規の担体として、着色セルロースナノ微粒子を報告している(特許文献1参照)。
近年、インフルエンザ等の感染症に対しては、早期発見、早期治療が重要とされており、低い抗原濃度(初期感染時)でも検出できる高感度のイムノクロマトキットの開発が期待されている。しかし、担体を標識物質に用いる場合、酵素を標識物質に用いた場合に比べて、反応部位に検出されるシグナルが弱く、早期発見をするための十分な感度が得られないという問題点もあった。ここで、上記問題点を解決するために、本発明者らは、着色セルロース微粒子をイムノクロマトキットに使用することで、偽陽性反応を抑制しながら高感度を達成できることを報告している。ここで、インフルエンザ等の用途に使用する場合、着色セルロース微粒子で十分な感度は得られているが、PCR法や酵素免疫測定法等は、イムノクロマト法の感度の100倍であるとの報告もあり、イムノクロマトキットの汎用性拡大のために、更なる高感度が求められている。また、一般的には、感度と偽陽性反応には、比例関係が存在しており、単純に高感度化を達成したとしても、偽陽性反応も出てしまうというケースが多く、こうなるとイムノクロマトキットとしては使用できなくなってしまう。従って、高感度化と偽陽性反応の抑制の両立が、ポイントになる。
高感度を目的として、イムノクロマト法における展開液に、感度増強剤が、適宜、添加されていることがある。ここで感度増強剤添加の狙いとしては、粘度を上昇させて、検査時間を遅延させることによる高感度化とクロマトグラフ媒体中で担体を軟凝集させることによる高感度化がある。ここで、増粘度目的で、感度増強剤を使用すると、当然、検査時間が遅延してしまい、更には、測定結果の再現性を低下も引き起こしていた。
これら問題点に対して、展開液の粘性を増大させずに、高感度を達成するために、担体同士を適度に軟凝集させる方法が知られている。これは、担体同士が、相互に引き寄せて結合するために、クロマトグラフ媒体の反応部位において視覚的に検出される陽性シグナルが増幅されるというものである。例えば、酸素原子含有極性基を有するビニル系水溶性ポリマーを使用すること(特許文献2)、被検出物質以外の成分の非特異的吸着を防止するために、被検出物質を含む試験液にイオン性界面活性剤又はグリシン誘導体を添加すること(特許文献3及び4)、又は、感度増強剤としてホスホベタイン構造を有する基を側鎖に有するポリマーを使用すること(特許文献5)等が提案されている。また、特許文献6では、金コロイド粒子と酸素原子含有極性基を有するビニル系水溶性ポリマーを組み合わせることで、高感度化を達成できると報告されているが、ここで使用している担体の平均粒子径が40nmと小さく、視認性に乏しい粒子を使用しているためか、十分な感度増強効果が得られていない。また、視認性が良い平均粒子径が大きいもの粒子を使用すると、これら合成系ポリマーを感度増強剤としてイムノクロマトキットを作製したとしても、粒子が凝集してしまい、十分な感度増強効果は得られていなかった。
国際公開第WO2011/062157A1号明細書 特開平5−133956号公報 特開2005−291783号公報 特開2005−291780号公報 特開2003−344413号公報 特開2010−19786号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、被検出物質の抗原の濃度が低いときにも十分にこれを検出することのできる高感度化を達成するとともに、検査時間を遅らせることなく、更に偽陽性反応を引き起こさない、イムノクロマト用展開液を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、イムノクロマト法の被検出物質の測定において、視認性が優れている一定以上の平均粒子径の不溶性担体を用い、更に水溶性多糖類を組み合わせることではじめて、偽陽性反応を抑制しながら高感度化が達成できることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]1wt%粘度が0.1cP以上200000cP以下の水溶性多糖類を0.001wt%以上20.00wt%以下で含み、かつ、平均粒子径が60nm以上700nm以下の不溶性担体で標識化された検出試薬を含む、イムノクロマト用展開液。
[2]前記水溶性多糖類は、水溶性セルロース誘導体である、前記[1]に記載の展開液。
[3]前記水溶性セルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる、前記[2]に記載の展開液。
[4]前記不溶性担体は、金コロイド、着色又は蛍光ラテックス微粒子、及び着色又は蛍光セルロース微粒子からなる群から選ばれる、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の展開液。
[5]前記着色又は蛍光セルロース微粒子100個の長径/短径は平均10以下である、前記[4]に記載の展開液。
[6]前記着色又は蛍光セルロース微粒子のCV値は40%以下である、前記[4]又は[5]に記載の展開液。
[7]前記着色又は蛍光セルロース微粒子の染料又は蛍光色素化合物の含有量は0.01%以上95%以下である、前記[4]〜[6]のいずれかに記載の展開液。
[8]カゼインをさらに含む、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の展開液。
[9]前記[1]〜[8]のいずれかに記載の展開液を含む、イムノクロマトキット。
本発明の1wt%粘度が0.1cP以上200000cP以下の水溶性多糖類を0.001wt%以上20.00wt%以下で含み、カゼインを含み、かつ、平均粒子径が60nm以上700nm以下の所定の不溶性担体で標識化された検出試薬を含む、イムノクロマト法用展開液を、クロマトグラフ媒体に使用することにより、偽陽性反応を抑制しつつ、高感度化を達成することができる。
本発明の実施形態に係るイムノクロマトキットの一例の平面図及び断面図。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の展開液とは、クロマトグラフ媒体において、移動相を構成する液体であって、固定相であるクロマトグラフ媒体を、被検出物質を含む試料及び標識化した検出試薬と共に移動するものとして定義する。そのため、本発明の各種成分を含んだ展開液を、検査時に滴下してもよいし、クロマトグラフ媒体中に展開液の各種成分を予め含ませておいてから試料溶液を添加してもよい。すなわち、展開液の使用方法は何ら限定されるものではなく、適宜使用目的に応じて選択すればよい。
本発明の展開液は、1wt%粘度が0.1cP以上200000cP以下の水溶性多糖類を0.001wt%以上20.00wt%以下含む。1wt%粘度が0.1cP未満である水溶性多糖類を用いても、本発明で期待されるような感度増強効果はみられない。用いる水溶性多糖類の粘度の下限は、好ましくは0.2cP以上で、より好ましくは、0.3cP以上である。また1wt%粘度が200000cPをこえる水溶性多糖類を使用しようとすると、展開液が高粘度になりすぎて、クロマトグラフ媒体に使用した時に展開不良や、検出時間遅延を引き起こしてしまう。用いる水溶性多糖類の粘度の上限は、好ましくは150000cP以下で、より好ましくは、100000cP以下である。
ここで、水溶性とは、何ら限定されるものではないが、例えば、1気圧20℃で、1000gの純水に対して、0.1gの多糖類を混合させて、当該混合液が均一な外観を維持しており、沈殿物を生じていないものを言う。
水溶性多糖類の種類については、何ら限定されるものではないが、例えば、デンプン、グリコーゲン、水溶性セルロース誘導体、キチン誘導体、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン、キシログルカン、グルコマンナン、ポリデキストロース、アルギン酸、イヌリン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カードラン、コンドロイチン、フコダイン、プルラン等が挙げられるが、イムノクロマトキットにおける高感度化及び偽陽性反応抑制の観点から、水溶性セルロース誘導体が特に好適である。水溶性多糖類が、本発明に効果がある理由は明確になっていないが、豊富な水酸基を有している多糖類分子が、絶妙な親水性を持ち合わせているため、本発明の不溶性担体同士の軟凝集状態を構成できているものと考えられる。
この水溶性セルロース誘導体としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース(CEC)、カルボキシプロピルセルロース等のカルボキシル基を有する水溶性セルロース誘導体、硫酸セルロース、リン酸セルロース等の酸性基を有する水溶性セルロース誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース等のヒドロキシアルキル基を有する水溶性セルロース誘導体、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース、プロピルセルロース、メチルエチルセルロース等のアルキル化されたセルロース誘導体が挙げられ、更にこれらのナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩や、カルシウム塩やマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩も含まれる。この中で、特に限定されることはないが、取り扱い性の観点から、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が好ましい。また、これら水溶性セルロース誘導体は、2種類以上の置換基を持ち合わせていてもよい。ただし、イムノクロマトキットとしての感度を向上させるために、2種類以上の水溶性多糖類を混合して用いてもかまわない。以下、好ましい水溶性多糖類の一例を示す。
本発明の展開液に有効なCMCは、置換度が0.2以上2.5以下である。ここで、置換度とは、セルロースの1グルコース構造あたりの置換された水酸基の平均数のことをいい、最大で3になる。置換度が、0.2未満であると、CMCが水に溶けにくくなるため、均一に展開液に分散しなくなり、その結果、クロマトグラフ媒体に使用した時に展開液の展開不良や、偽陽性反応を引き起こしてしまう。CMCの水溶性の観点から、好ましい置換度の下限値は、0.3以上で、より好ましい置換度は0.4以上である。また、置換度が2.5をこえるCMCは、コスト上、好ましくない。従って、好ましくは、置換度の上限値が2.2以下で、より好ましくは置換度が1.8以下である。
CMCの重合度は特に限定されないが、重合度が20以上2000以下であると好ましい。CMCの重合度が20未満であると、展開液をクロマトグラフ媒体に使用した際に、感度が上昇しない。好ましくは、CMCの重合度の下限値が30以上で、より好ましくは、50以上である。また、CMCの重合度が2000より上回ると、展開液が高粘度になってしまい、展開不良や、偽陽性反応、検出時間遅延を引き起こしてしまう。CMCの重合度の上限値は、好ましくは1800以下で、更に好ましくは重合度が1500以下である。尚、CMCの構造や置換度は、IRのATR法で測定することで算出したり、また重水に溶解させて13C−NMRで測定して算出したりしてもよい。またCMCの重合度は、水系のGPCよりプルラン換算で求めた数平均分子量及び上記置換度を鑑みた分子量から算出することができるが、これに限定されることではない。
また、本発明の展開液に有効なMCは、置換度が0.5以上2.5以下である。置換度が、0.5未満であると、MCが水に溶けにくくなるため、MCが均一に展開液に分散しなくなり、その結果、クロマトグラフ媒体に使用した時に展開液の展開不良や、偽陽性反応を引き起こしてしまう。MCの水溶性の観点から、好ましい置換度の下限値は、0.6以上で、より好ましい置換度は0.7以上である。また、置換度が2.5を超えるMCは、コスト上、好ましくない。従って、MCの置換度の上限値は、好ましくは2.4以下で、より好ましくは置換度が2.3以下である。MCの重合度は特に限定されないが、重合度が20以上2000以下であると好ましい。MCの重合度が20未満であると、展開液をクロマトグラフ媒体に使用した際に、感度が上昇しない。好ましくは、MCの重合度の下限値は30以上で、より好ましくは、50以上である。また、MCの重合度が2000より上回ると、展開液が高粘度になってしまい、展開不良や、偽陽性反応、検出時間遅延を引き起こしてしまう。MCの重合度の上限値は、好ましくは1800以下で、更に好ましくは重合度が1500以下である。尚、MCの置換度は、IRのATR法で測定することで算出したり、また重水に溶解させて13C−NMRで測定して算出したりしてもよい。また、MCの重合度は、水系のGPCよりプルラン換算で求めた数平均分子量及び上記置換度を鑑みた分子量から算出することができるが、これに限定されることではない。
また、本発明の展開液に有効なHPMCは、メチル基の置換度が0.5以上2.5以下で、ヒドロキシプロピル基の置換度が、0.01以上0.50以下である。メチル基の置換度が、0.5未満であると、HPMCが水に溶けにくくなるため、HPMCが均一に展開液に分散しなくなり、その結果、クロマトグラフ媒体に使用した時に展開液の展開不良や、偽陽性反応を引き起こしてしまう。HPMCの水溶性の観点から、好ましい置換度の下限値は、0.6以上で、より好ましい置換度は0.7以上である。また、置換度が2.5をこえるHPMCは、コスト上、好ましくない。従って、好ましくは、メチル基の置換度の上限値が2.4以下で、より好ましくは置換度が2.3以下である。更に、ヒドロキシプロピル基の置換度が、0.01未満であると、展開液の粘度が安定しないため、好ましくない。好ましいヒドロキシプロピル基の置換度の下限値は、0.02以上で、より好ましくは0.03以上である。ヒドロキシプロピル基の置換度が、0.50を上回るHPMCを製造しようとすると、副反応(ヒドロキシプロピル基にメチル基置換)が進行してしまい、粘度等の品質が安定しないため好ましくない。好ましいヒドロキシプロピル基の置換度の上限値は、0.40以下で、より好ましくは、0.30以下である。HPMCの重合度は特に限定されないが、重合度が20以上2000以下であると好ましい。HPMCの重合度が20未満であると、展開液をクロマトグラフ媒体に使用した際に、感度が上昇しない。好ましくは、HPMCの重合度の下限値は、好ましくは30以上で、より好ましくは、50以上である。また、HPMCの重合度が2000より上回ると、展開液が高粘度になってしまい、展開不良や、偽陽性反応、検出時間遅延を引き起こしてしまう。HPMCの重合度の上限値は、好ましくは1800以下で、更に好ましくは重合度が1500以下である。尚、HPMCの置換度は、IRのATR法で測定することで算出したり、また重水に溶解させて13C−NMRで測定して算出したりしてもよい。またHPMCの重合度は、水系のGPCよりプルラン換算で求めた数平均分子量及び上記置換度を鑑みた分子量から算出することができるが、これに限定されることではない。また、クロマトグラフ媒体に含まれている水溶性多糖類の構造が不明である場合、媒体を純水で洗浄し、13C−NMRにより測定を行い、水溶性多糖類の構造特定することができる。
水溶性多糖類の含有量が、0.001wt%未満であると、水溶性多糖類の感度増強効果が発現せず、課題としている高感度が達成できない。水溶性多糖類の含有量の下限は、好ましくは、0.002wt%以上、より好ましくは0.003wt%以上である。また、含有量が20.00wt%を超えると、展開液が高粘度になりすぎて、クロマトグラフ媒体に使用した時に展開不良や、偽陽性反応、また検出時間遅延を引き起こしてしまう。含有量の上限として、好ましくは10.00wt%以下、より好ましくは5.000wt%以下である。水溶性多糖類の含有量が不明である場合、測定方法としては、例えば、イムノクロマトキットのクロマトグラフ媒体を純水で洗浄後、洗浄液を濃縮し、H−NMRもしくは13C−NMRで多糖由来のピークを測定するか、洗浄液を乾燥させ、固形分をIRで測定し、多糖由来のピークを測定する方法があるが、いずれに限定されるものではない。
本発明の展開液は、平均粒子径が60nm以上700nm以下の不溶性担体で標識化された検出試薬を含む。平均粒子径がこの範囲であれば感度が良く、クロマトグラフ媒体にも適する。ここで、平均粒子径が小さすぎると、高感度が発現せず、平均粒子径が大きすぎるとクロマトグラフ媒体中で目詰まりを起こしてしまう問題が起きるため、平均粒子径のコントロールが重要である。平均粒子径が60nm以下になると、粒子同士が凝集して、クロマトグラフ媒体に使用した時に目詰まりを起こしてしまったり、クロマトグラフ媒体に使用した時に感度が出なかったりする。例えば、特許文献6では、この平均粒子径範囲外の金コロイド粒子と水溶性糖類を混合しており、その結果、凝集しすぎてしまい、偽陽性反応が発生してしまっている。また、700nmをこえると、クロマトグラフ媒体で展開した時、展開膜中で、目詰まりを起こしてしまう。また、クロマトグラフ媒体のバックグラウンドが悪くなる。ここで、クロマトグラフの媒体のバックグラウンドが汚れてしまうと、検出の判定が困難になるので好ましくない。高感度と、目詰まりをしない展開性を両立するための平均粒子径の下限値は、好ましくは70nm以上、更に好ましくは80nm以上である。また、上限値は、好ましくは、600nm以下であり、更に好ましくは、500nm以下である。ただし、イムノクロマトキットとしての感度を向上させるために、2種類以上の平均粒子径の不溶性担体を混合して用いても構わない。
また、本発明の不溶性担体とは、被検出物質の存在を視覚的に判定するのに適した標識物質(検出試薬)であり、目視による判定を容易にするためには、有色であることが好ましく、例えば、金コロイド粒子や、着色ラテックス微粒子、蛍光ラテックス微粒子、染料を含んだセルロース微粒子(着色セルロース微粒子)、蛍光色素化合物を含んだセルロース微粒子(蛍光セルロース微粒子)等が挙げられ、本発明の平均粒子径の範囲であれば、いずれの粒子を用いてもよい。一例を挙げると、例えば、着色セルロース微粒子、蛍光セルロース微粒子は、豊富な水酸基を持っているため、水溶性多糖類の水酸基との親和性により、クロマトグラフ媒体を展開する上で、水溶性多糖類と最適な分散状態の溶液構造をつくるため、この展開液を展開した時に、凝集や目詰まりによる展開不良、偽陽性反応を起こすことなく、高感度化を達成することができる。
本発明で使用する不溶性担体の平均粒子径とは、担体が液体に分散した分散液を粒子粒度分布測定装置で測定することによって得たものを指す。さらに平均粒子径は測定値の体積平均メジアン径の値を指す。粒度分布測定装置には各種の測定原理を応用したものがあるが、本発明では、動的光散乱法による粒度分布測定装置を用いる。後述するように、実施例では日機装社製の「ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150」を用いた。また得られた体積換算粒径分布の標準偏差を平均粒子径で割った値がCV値(Coefficient of Variationの略)であり、担体の均一性を表す指標として用いられる。
本発明で使用する不溶性担体とは、上記電子顕微鏡による担体の画像解析において、不溶性担体の短径と長径の比(長径/短径)が充分に小さいものを指す。この比が大きすぎる棒状、繊維状又は網目状のものは不溶性担体には含まれない。着色又は蛍光セルロース微粒子を使用する場合、不溶性担体としての機能を発揮するためには不溶性担体100個の長径/短径の平均値=10以下である。この長径/短径が10を超えると、クロマトグラフ媒体に使用したときに、展開せず、目詰まりを起こしてしまったり、偽陽性を発生させてしまったりする。長径/短径が高いと、高感度で検出し易くなる。好ましくは5.0以下、特に好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.0以下である。この値が1に近づくほど担体の形状は真球状に近くなる。
着色又は蛍光セルロース微粒子を使用する場合、該不溶性担体のCV値は、診断薬として用いる場合は40%以下である。CV値が40%を超えると、検査対象物の量と平均粒子径変化の不安定性が無視できなくなり、測定の正確性に悪影響が出てしまい、展開した時にクロマトグラフ媒体のバックグラウンドが汚くなる。より好ましくは35%以下であり、更に好ましくは30%以下である。また、ここでCV値を低くすることは可能であるが、生産性の観点から、低すぎるのは好ましくない。より好ましくは、CV値が1%以上であり、更に好ましくは、3%以上である。
担体として、例えば、着色セルロース微粒子を使用する場合、その着色セルロース微粒子の染料の含有量は、0.01%以上95%以下である。0.01%未満であると、クロマトグラフ媒体の検出用微粒子として十分な発色性が得られない。また95%を超えると、粒子同士の凝集が起こってしまい、クロマトグラフ媒体で展開させると目詰まりを起こして、使用ができなくなってしまう。本発明における着色セルロ−ス微粒子は、染料の含有量が5.0%の辺りから、イムノクロマトキットの好適な高感度を達成できる。好ましい下限値は、6.0%以上で、更に好ましくは7.0%以上である。また、上限値の好ましい範囲は、90%以下で、更に好ましくは85%以下である。ここでの染料の種類は特に限定されるものではないが、直接染料、含金染料、酸性染料、反応染料、塩基性染料、分散染料、硫化染料、植物染料、ナフトール染料等、各種の染色などが挙げられ、この中でも反応性染料が好ましい。
担体として、蛍光セルロース微粒子を使用する場合、蛍光セルロ−ス微粒子の蛍光色素化合物の含有量は、0.01%以上95%以下である。0.01%未満であると、イムノクロマトキットの検出用微粒子として十分な発色性が得られない。また95%を超えると、粒子同士の凝集が起こってしまい、クロマトグラフ媒体で展開させると目詰まりを起こして、使用ができなくなってしまう。従来の蛍光ナノ粒子は、蛍光色素化合物を0.001%以上0.01%未満の範囲で含んでいるものが多いが、この範囲では、イムノクロマトキットとして、十分な感度は発現しない。本発明における蛍光セルロース微粒子は、蛍光色素化合物の含有量が0.01%以上0.03%の辺りから、イムノクロマトキットの好適な高感度を達成できる。好ましい下限値は、0.04%以上で、更に好ましくは0.05%以上である。また、上限値の好ましい範囲は、90%以下で、更に好ましくは85%以下である。ここでの蛍光色素化合物の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、エステル基、カルボキシル基、マレイミド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、シアノ基、ハロゲン基、アルデヒド基、パラニトロフェニル基、ジエトキシメチル基、エポキシ基等の活性置換基を有するフルオレセイン類、ローダミン類、クマリン類、シアニン類の蛍光を発する化合物が挙げられる。
具体的には、フルオレン、フルオレン−9−酢酸、フルオレン−2カルボキシアルデヒド、9−フルオレン−1−カルボン酸、9−フルオレン−4−カルボン酸、9−フルオレンオキシム、炭酸9−フルオレメチルスクシンイミジル、9−フルオレトリフェニルホスホニウムブロミド、5−アミノフルオレセイン、ジソジウム8−アミノ−1,3,6−ナフタレントリスルホネート水和物、スルホローダミンB、エチジウムブロミド、6−アミノフルオレセイン、ローダミンB、ローダミン6G、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸アンモニウム、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸マグネシウム、2,3−ナフタレンジアルデヒド、カルセインナトリウム、カルセイン、クマリン102、クマリン314、クマリン343、AMCA、5−カルボキシフルオレセイン水和物、6−カルボキシフルオレセイン水和物、フルオレセインクロリド、2’,7’−ジクロロフルオレセイン、2’,7’−ジクロロフルオレセインナトリウム、2,3−ジアミノナフタレン、ジミジウムブロミド、2,3−ジフェニルマレK、フルオレセイン、ウラニン、フルオレセインジアセタ−ト、クマリン−3−カルボン酸、7−ヒドロキシクマリン−3−カルボン酸、4−ジメチルアミノアゾベンゼン−4'−カルボン酸、7−メトキシクマリン−3−カルボン酸、ピナシアノールクロリド、ピナシアノールヨージド、ピラニン、N−(1−ピレニル)マレイミド、ローダミン6G、ローダミンB、スルホンフルオレセイン、7−メトキシクマリン−3−カルボン酸N−スクシンイミジル、テトラブロモフルオレセインカリウム、アシッドレッド87、2',4',5',7'−テトラブロモ−3,4,5,6−テトラクロロフルオレセイン、9H−フルオレン−2−イルイソシアナート、フルオレセイン5−イソチオシアナート、アシッドレッド92、3,4,5,6−テトラクロロフルオレセイン、テトラヨードフルオレセイン、エリスロシンB、5−(6−)カルボキシテトラメチルローダミンーNHSエステル、DYLIGHT−405−NHSエステル、DY550−NHSエステル、DY630−NHSエステル、DY−631、DY−633、DY−635、DY−636、DY−650、DY−651ーNHSエステル、DY−777ーNHSエステル(以上、Dy〜は、Dyomics社製)BODYIPY650/665、ROX、TAMRA、CFSE、Cyto350、Cyto405、Cyto415、Cyto488、Cyto500LSS、Cyto505、Cyto510SS、Cyto514LSS、Cyto520LSS、Cyto532、Cyto546S、Cyto555、Cyto590、Cyto610、Cyto610、Cyto633、Cyto647、Cyto670、Cyto680、Cyto700、Cyto750、Cyto770、Cyto780、Cyto800(以上、Cyto〜は、Cytodaiagnostics社製)が挙げられる。これら蛍光色素化合物の蛍光波長としては、検出時に水やたんぱく質の波長と重ならない400nm以上の範囲が好ましい。上限は特に無く、波長としては高ければ高いほど好ましく、更に好ましくは500nm以上の範囲の蛍光色素化合物である。
また、処理前のセルロース微粒子の染料もしくは蛍光色素化合物の含有量が不明である場合、着色セルロース微粒子又は蛍光セルロース微粒子を、セルラーゼ処理、酸処理、塩基処理をして重合度を低下させる。その後、サンプルを重水に溶解させ、FT−NMRで13C−NMRにより測定を行い、置換度を算出する。その置換度から、染料もしくは蛍光色素化合物の含有量を算出してもよい。その際、使用するセルラーゼ、酸、塩基としては、いずれかに限定されるものではないが、例えば、セルラーゼとしては、オノズカRS(ヤクルト薬品工業社製)、Cellsoft(ノボ・ノルディクス社製)、メイセラーゼ(明治製菓社製)、酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、塩基としては、アルカリが挙げられる。また、処理前のセルロース微粒子の染料又は蛍光色素化合物の重量が不明で、かつ、染料及び蛍光色素化合物が窒素原子を含有している場合、窒素元素含有率を窒素定量装置CHNコーダーで、発光分析法により測定し、測定した窒素元素含有率から、含まれている染料や蛍光色素化合物の含有量を算出してもよい。
これら着色セルロース微粒子及び蛍光セルロース微粒子は、化学結合又は物理吸着を介してセルロ−ス以外の成分を担持させて利用することもできる。化学結合又は物理吸着の一例としては、共有結合、イオン結合、配位結合、金属結合、水素結合、親水結合、疎水結合、ファンデルワールス結合などが挙げられるが、それらに限定されるものではない。上記のような様々な力によって着色セルロース及び蛍光セルロース微粒子にセルロース以外の成分を担持させることにより、着色セルロース微粒子や蛍光セルロース微粒子にはない機能を持った微粒子を調製することが可能である。セルロースに染料や蛍光色素を導入していないセルロース微粒子でも、セルロース以外の成分を担持させることは可能だが、置換基の種類を任意に変えることで、より様々な種類の成分を担持させることができる。
本発明の展開液に含まれる不溶性担体に担持させる成分とは、該担体以外の様々な物質を指し、その種類は特に限定されない。それらの一例としては、界面活性剤、無機微粒子、有機微粒子、生体材料、染料、イオン性物質、水溶性低分子、水溶性高分子、ブロッキング剤、等が挙げられるがそれらに限定されるものではない。本発明における担体に担持させる生体材料とは生体から得られる様々な材料を指し、その種類は特に限定されない。それらの一例としては、コラ−ゲン、ゼラチン、フィブロイン、へパリン、ヒアルロン酸、デンプン、キチン、キトサン、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、核酸、炭水化物、脂肪酸、テルペノイド、カロテノイド、テトラピロ−ル、補因子、ステロイド、フラボノイド、アルカノイド、ポリケチド、配糖体、酵素、抗体、抗原、CMC、CEC、MCなどが挙げられる。それらを担体に担持させることで、担体の生体適合性の向上、各種バイオアッセイや診断薬としての利用、等が可能となる。
本発明における被検出物質とは、免疫血清検査、血液検査、細胞検査、遺伝子検査、などの検査などにおける測定対象を指しその種類は特に限定されない。例えば、癌マーカー、ホルモン、感染症、自己免疫、血漿蛋白、TDM、凝固・線溶、アミノ酸、ペプチド、蛋白、遺伝子、細胞などが挙げられる。より具体的には、CEA、AFP、フェリチリン、β2マイクロ、PSA、CA19−9、CA125、BFP、エラスターゼ1、ペプシノーゲン1・2、便潜血、尿中β2マイクロ、PIVKA−2、尿中BTA、インスリン、E3、HCG、HPL、LH、HCV抗原、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、HBe抗原、HBe抗体、HTLV−1抗体、HIV抗体、トキソプラズマ抗体、梅毒、ASO、A型インフルエンザ抗原、A型インフルエンザ抗体、B型インフルエンザ抗原、B型インフルエンザ抗体、ロタ抗原、アデノウィルス抗原、ロタ・アデノウィルス抗原、A群レンサ球菌、B群レンサ球菌、カンジダ抗原、CD菌、クリプトロッカス抗原、コレラ菌、髄膜炎菌抗原、顆粒菌エラスターゼ、ヘリコバクターピロリ抗体、O157抗体、O157抗原、レプトスピラ抗体、アスペルギルス抗原、MRSA、RF、総IgE、LEテスト、CRP、IgG,A,M、IgD、トランスフェリン、尿中アルブミン、尿中トランスフェリン、ミオグロビン、C3・C4、SAA、LP(a)、α1−AC、α1−M、ハプトグロビン、マイクロトランスフェリン、APRスコア、FDP、Dダイマー、プラスミノーゲン、AT3、α2PI、PIC、PAI−1、プロテインC、凝固第X3因子、IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、GHbA1c、各種抗原、各種抗体、各種ウィルス、各種菌、各種アミノ酸、各種ペプチド、各種蛋白質、各種DNA、各種細胞、等が挙げられるが何ら限定されるものではない。
本発明の展開液は、通常、水を使用するが、有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヘキサノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等やこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の展開液は、非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。非イオン性界面活性剤としては、特に限定はされないが、ポリオキシエチレン系界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(商品名「Tween」シリーズ)、ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(商品名「Triton」シリーズ)、ポリオキシエチレンp−t−ノニルフェニルエーテル(商品名「TritonN」シリーズ)等を挙げることができ、より具体的には、「Tween」シリーズでは、特にTween−20(商品名)、Tween−40(商品名)、Tween−60(商品名)、Tween−80(商品名)、「Triton」シリーズでは、特にTriton X−100(商品名)、Nonidet P−40(商品名、)、TritonX−102(商品名)、TritonX−165(商品名)、TritonX−405(商品名)、「TritonN」シリーズでは、特にTritonN−101(商品名)、TritonN−111(商品名)、TritonN−150(商品名)等を挙げることができる。非イオン性界面活性剤は、単独でも2種以上を混合して用いることもできる。上記した非イオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、高感度化の観点から、組成物全体の重量に対し、好ましくは0.001%以上で、より好ましくは0.002%以上である。また、上限値は特にないが、好ましくは10%以下の範囲であり、更に好ましくは5%以下である。
ここで、特許文献6には、ビニル系水溶性ポリマー存在下で、界面活性剤が不溶性担体の結合助剤となることで、感度増強効果が得られるとの記載があるが、本発明では、界面活性剤の添加は必須ではない。界面活性剤を使用できないイムノクロマト法も存在しており、例えば、競合免疫測定法のように分子量の小さな物質を測定する場合は、少量の界面活性剤を添加した場合でも感度の低下を招いてしまうため、界面活性剤の添加は致命的である。それに対して、本発明の水溶性多糖類を用いた系は、界面活性剤を添加することが必須ではなく、感度増強効果が得られるため、検出する物質に応じて、適宜対応ができる。
本発明の展開液は、緩衝剤を含有することが好ましい。緩衝剤の好ましい例としては、リン酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン緩衝剤等を挙げることができる。これらの緩衝剤に、特に限定されるものではなく、被検出物質の種類、性質、濃度などに応じて適宜調整して使用することが可能である。高感度化の観点から、好ましくは0.001%以上、より好ましくは、0.002%以上である。また、上限としては、10%以下が好ましく、より好ましくは3.0%以下である。これら単体で使用しても良いし、数種類を組み合わせて使用してもよい。
本発明の展開液は、例えば、1種類以上の安定化剤、溶解補助剤等を含んでいてもよい。該安定化剤、溶解補助剤等としては、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、スクロース、カゼイン、アミノ酸類などを挙げることができるが、カゼインが好ましい。
ここで、カゼインは、驚くべきことに感度をほとんど低下させずに、偽陽性反応を抑制するという効果がある。偽陽性反応が生じてしまった場合も、カゼインを添加すると、感度を落とすことなく、偽陽性反応を抑制できる。高感度化と偽陽性反応抑制の両立という観点でカゼインが好ましい。本発明の展開液にカゼインを含む場合、そのカゼインの含有量は0.0001%以上5.000%以下が好ましい。含有量が0.0001%未満であると、偽陽性反応抑制の効果が得られない。偽陽性反応抑制の観点から0.0002%以上が好ましく、より好ましく0.0003%以上である。また、5%を超えると、感度が低下してしまう。感度の観点から、カゼインの含有量は、4.0%以下が好ましく、より好ましくは3.0%以下である。
本発明の展開液のpHとしては、例えば、精製水や、pH4.0以上12.0以下の低濃度緩衝液のpHが挙げられる。低濃度緩衝液のpHとしては、感度の観点から、pH4.5以上が好ましく、より好ましくはpH5.0以上である。他方、pHの上限値は、好ましくはpH11.0以下、より好ましくはpH10.0以下である。
本発明のイムノクロマトキットとして、その構造には特に制限はないが、本実施形態で用いたイムノクロマトキットは、構造的には典型的なものである。例えば、図1に示すように、サンプルパッド1、コンジュゲートパッド2、試薬固定化クロマトグラフ媒体3、吸収パッド4の並び順に、各部材間で毛管現象を生じさせ易くするために、それら各部材の両端を隣接する部材と1〜5mm程度重ね合わせて(好ましくは、バッキングシート5上に)貼付することで作製することができる。また、テストラインとは、試薬固定化クロマトグラフ媒体上の抗体が固定化されている位置に測定試料が到達して検出されるライン(図1中6の位置に現れる)をいい、また、コントロールラインとは、同媒体上にコントロール捕捉試薬が固定化されている位置に測定試料が到達して検出されるライン(図1中7の位置に現れる)をいう。
本発明のイムノクロマトキットによる診断方法は、少量の試料液を試料添加部に添加することにより行われる。試料液として限定はされないが、例えば、主として生体試料、即ち、血液、血清、血祭、尿、唾液、髄液、汗、涙、羊水、乳頭分泌液、鼻汁、疾、鼻腔又は咽頭拭い液、皮膚からの浸出液、組織や細胞及び糞便からの抽出物、その他化学物質等を用いる。添加された試料液は、サンプルパッド、コンジュゲートパッドを通過し、クロマトグラフ媒体中を毛細管現象により長手方向に移動し、テストライン、コントロールライン部を通って、吸収パッドに吸収される。試料液中の被検出物質は、抗原−抗体反応を利用して、ライン部を通過する際に、クロマトグラフ媒体上のテストライン部に捕捉される。イムノクロマト法による検査では、規定された反応時間の間にクロマトグラフ媒体のテストライン部に捕捉された被検出物質の量を、不溶性担体に由来する着色の強度を指標として目視により判定する。
以下、クロマトグラフ媒体に使用する部材について、詳細に説明する。
本発明のクロマトグラフ媒体は、毛管現象を示す微細多孔性物質からなる不活性のものであって、使用される検出試薬、固定化試薬、被検出物質などと反応しないものであり、短時間での判定で十分な感度が得られる展開速度を有していれば、特にその素材が限定されるものではない。
本発明において、クロマトグラフ媒体としては、ニトロセルロース、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリア、アルミナ等のセラミック微粒子又は有機高分子の微粒子、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン又は酢酸セルロース等のセルロース誘導体等で構成される繊維状又は不織布繊維状マトリクス、膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿等が挙げられる。微粒子はそれ自体が多孔性でなくとも、充填された状態では微粒子間に空隙が生じクロマトグラフ媒体として機能する。好ましくはセルロース誘導体やナイロンの膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等であり、より好ましくはニトロセルロース膜、混合ニトロセルロースエステル(ニトロセルロースと酢酸セルロースの混合物)膜、ナイロン膜、濾紙である。
本発明の実施に供されるクロマトグラフ媒体の形態及び大きさは特に制限されるものではなく、実際の操作の点及び反応結果の観察の点において適切であればよい。操作をより簡便にするためには、反応部位が表面に形成されているクロマトグラフ媒体の裏面に、プラスチックなどよりなる支持体を設けることが好ましい。この支持体の性状は特に制限されるものではないが、目視判定によって測定結果の観察を行う場合には、支持体は、標識物質によりもたらされる色彩と類似しない色彩を有するものであることが好ましく、通常、無色又は白色であることが好ましい。
本発明において用いるクロマトグラフ媒体上には、被検出物質と特異的に結合する物質、例えば、抗体が固定化試薬として任意の位置に固定化された反応部位が形成される。固定化試薬をクロマトグラフ媒体に固定化する方法としては、固定化試薬をクロマトグラフ媒体に物理的又は化学的手段により直接固定化する方法がある。直接的に固定化する方法として、物理吸着を利用してもよいし、共有結合によってもよい。一般にクロマトグラフ媒体がニトロセルロース膜又は混合ニトロセルロースエステル膜の場合、物理吸着を行うことができる。前記クロマトグラフ媒体における前記抗体固定化部(判定部)の形状としては局所的に捕捉用抗体が固定化されている限り特に制限はなく、ライン状、円状、帯状等が挙げられるが、ライン状であることが好ましく、幅0.5〜1.5mmのライン状であることがより好ましい。
固定化試薬を固定化した後、非特異的な吸着により分析の精度が低下することを防止するため、必要に応じて、クロマトグラフ媒体に、公知の方法でブロッキング処理を行うことができる。一般にブロッキング処理はBSA、スキムミルク、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質が好適に用いられる。かかるブロッキング処理後に、必要に応じて、Tween−20、Triton X−100、SDS等の界面活性剤を1つ又は2つ以上組み合わせて洗浄してもよく、また何も処理しなくてもよい。
クロマトグラフ媒体の作製法としては、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、試薬固定化クロマトグラフ媒体、吸収パッドの並び順に、各部材間で毛管現象を生じさせ易くするために、それら各部材の両端を隣接する部材と1〜5mm程度重ね合わせて(好ましくはバッキングシート上に)貼付することで作製することができる。これら各構成部材の材料としては特に制限は無く、本願発明の中では、サンプルパッドはCellulose Fiber Sample(商品名、MILLIPORE社製)で、コンジュゲートパッドとしてはGlass Fiber Conjugate Pad(商品名、MILLIPORE社製)のガラスファイバーのパッド、メンブレンとしてはHi−Flow Plusメンブレン(商品名、MILLIPORE社製)等のニトロセルロースメンブレン、吸収パッドとしてはCellulose Fiber Sample Pad(商品名、MILLIPORE社製)のセルロースメンブレン、粘着剤付きバッキングシートとしては、AR9020(商品名、Adhesives Research社製)を用いたが、これに限定されるものではなく、適宜用途に応じて選択することができる。ここで、本発明ではコンジュゲートパッドの処理時に熱乾燥法を主に採用しているが、これに限定されるものではではなく、凍結乾燥法を用いてもよい。凍結乾燥法を用いると、ラインが発現し、感度が安定するまでの時間が短くなることも確認されており、検査時間の短縮を目的とした場合、コンジュゲートパッドの処理時に凍結乾燥法を採用してもよい。また、本発明では、メンブレンとして使用するHi−Flow PlusメンブレンのHF090を使用しているが、本発明の展開液の粘度に合わせて、HF075、HF120、HF135、HF180、HF240のいずれを用いても構わない。また、市販品のニトロセルロース膜はフローレートと呼ばれる一定距離を移動するために必要な時間によって分類されるが、このフローレートが早い膜ほど孔径が大きい。本願発明では孔径が大きい、すなわちフローレートが早い膜が好ましく、具体的には120sec/4cmより早い膜である。より好ましくは100sec/4cmより早い膜である。本発明における水溶性多糖類は、クロマトグラフ媒体中のサンプルパッド、コンジュゲートパッド、試薬固定化クロマトグラフ媒体、吸収パッドのいずれに含まれていてもよい。
発色の程度の判定は、目視以外に、例えば、イムノクロマトリーダーC10066(商品名、浜松フォトニクス社製)、プレテスターRM−405、プレテスターRM−505(いずれも商品名、和光純薬工業社製)等の尿試験紙用のテスター、例えば、デンシトメーター等を用いて、また、写真撮影後の画像解析を用いて、行ってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものでないことはいうまでもない。なお、特段の記載があない場合、実施例中の主な測定値は、以下の方法で、25℃1気圧で、測定した。
<水溶性多糖類の粘度測定方法>
共栓付300mL三角フラスコに2.2gの試料を精密にはかりとり、217.8gの純水を加える。混合溶液を一夜間放置後、マグネチックスターラーで約5分間かきまぜ、完全な溶液としたのち、コーンプレートタイプの粘度計(東機産業社製、TV−25L型)で粘度測定を行った。
<展開液中の水溶性多糖類の含有量算出方法>
前記したように、本発明の展開液とは、クロマトグラフ媒体において、移動相を構成する液体であって、固定相であるクロマトグラフ媒体を、被検出物質を含む試料及び標識化した検出試薬と共に移動するものとして定義する。そのため、本発明の展開液中の含有量は、大きく3つの算出方法に分けられる。
(1)滴下する溶液に水溶性多糖類が含まれる場合
クロマトグラフ媒体に滴下する溶液に水溶性多糖類が含まれる場合は、滴下する溶液量をAとして、溶液に溶解している水溶性多糖類の重量をBとする。この場合、含有量は、下記式(1)により算出した:
水溶性多糖類の含有量(%)=B(水溶性多糖類の重量)/A(滴下する溶液量)...式(1)
(2)クロマトグラフ媒体に水溶性多糖類が含まれる場合
クロマトグラフ媒体に予め水溶性多糖類が含まれており、その後に展開するための溶液を滴下する場合は、滴下する溶液量をAとすると、1クロマトグラフ媒体中に含まれている水溶性多糖類の重量をCとする。この場合、含有量は、下記式(2)により算出した:
水溶性多糖類の含有量(%)=C(媒体に含まれている水溶性多糖類の重量)/A(滴下する溶液量)...式(2)
(3)クロマトグラフ媒体に水溶性多糖類が含まれているが、含ませている水溶性多糖類の重量が不明である場合
クロマトグラフ媒体を所定量の純水で洗浄し、FT−NMR(Avance社製、400MHz)で、13C−NMRにより測定を行い、水溶性多糖類の構造と含有量を算出した。
<不溶性担体の平均粒子径の測定、及びCV値の算出方法>
不溶性担体の分散液を、日機装株式会社製粒度分布計マイクロトラックを用いて、粒度分布測定を実施し、平均粒子径を測定した。尚、CV値は下記式(3)により算出した。また、測定は、測定時間30秒で、積算回数99回で実施した。
CV値(%)=(粒度分布測定装置より求めた体積粒度分布における標準偏差)/(粒度分布測定装置より求めた体積平均メジアン径)×100...式(3)
<染料の含有量>
着色セルロース微粒子に対する染料成分の割合は、染料処理前後の重量変化から算出できる。処理後の回収できた粒子の重量と処理前のセルロース微粒子の絶乾後の重量を用いて、以下の式(4)から染料成分の割合を算出した:
染料含有量(%)=1−{(処理前のセルロース微粒子の重量)/(染料処理後の着色セルロース微粒子の重量)}×100...式(4)
(処理前のセルロース微粒子の重量が不明である場合)
着色セルロース微粒子をセルラーゼ処理、酸処理又は塩基処理をしてから、サンプルを重水に溶解させ3〜5wt%重水溶液を調整し、FT−NMRで13C−NMR 400MHz(商品名Avance400 Avance社製)により測定を行い、置換度を算出する。置換度はセルロースのC1のピーク面積を基準とし、染料のピーク面積から算出した。その置換度と染料の分子量から、染料の含有量を算出する。
(処理前のセルロース微粒子の重量が不明で、かつ、染料が窒素原子を含有している場合)
窒素元素含有率を窒素定量装置CHNコーダー(商品名、ヤナコ分析工業社製)を用いて下記測定条件で発光分析法により測定した。測定した窒素元素含有率から、含まれている染料の含有量を算出した。
測定方式:自己積分方式
キャリアーガス:ヘリウム
助燃ガス:高純度酸素
助燃方式:ヘリウム、酸素混合方式
<蛍光色素化合物の含有量>
蛍光セルロース微粒子に対する蛍光色素化合物成分の割合は、蛍光色素化合物処理前後の重量変化から算出できる。処理後の回収できた粒子の重量と処理前のセルロース微粒子の絶乾後の重量を用いて、以下の式(5)から蛍光色素化合物成分の割合を算出した:
蛍光色素化合物含有量(%)=1−{(処理前のセルロース微粒子の重量)/(蛍光色素化合物処理後の蛍光セルロース微粒子の重量)}×100...式(5)
(処理前のセルロース微粒子の重量が不明である場合)
蛍光セルロース微粒子をセルラーゼ処理、酸処理又は塩基処理をしてから、サンプルを重水に溶解させ3〜5wt%重水溶液を調整し、FT−NMRで13C−NMR(Avance 400MHz)により測定を行い、置換度を算出する。置換度はセルロースのC1のピーク面積を基準とし、蛍光色素化合物のピーク面積から算出した。その置換度と蛍光色素化合物の分子量から、蛍光色素化合物の含有量を算出した。
(処理前のセルロース微粒子の重量が不明で、かつ蛍光色素化合物が窒素原子を含有している場合)
窒素元素含有率を窒素定量装置CHNコーダー(商品名、ヤナコ分析工業社製)を用いて下記測定条件で発光分析法により測定した。測定した窒素元素含有率から、含まれている蛍光色素化合物の含有量を算出した。
測定方式:自己積分方式
キャリアーガス:ヘリウム
助燃ガス:高純度酸素
助燃方式:ヘリウム、酸素混合方式
<感度の判定基準>
反応部位におけるテストラインの赤い線を非常に明確に確認できるものを「+++」、赤い線を明確に確認できるものを「++」、赤い線を確認できるものを「+」、赤い線は確認できるが、非常に色が薄いものを「±」、赤い線を確認できないものを「−」とした。
(1)CMCの検討
[実施例1]
1.標識物質溶液の作製
不溶性担体として着色セルロース微粒子懸濁液(着色セルロース微粒子濃度1wt%(赤色)、平均粒子径335nm)300μLに、トリス緩衝液(50mM、pH7.0)を600μL加え、更に抗hCG-αマウス抗体(Fitzgerald社製、モノクローナル抗体)の0.1%水溶液を300μL加えて、ボルテックスで攪拌する。続いて、37℃で120分間、温調しながら攪拌した。上記懸濁液に36mLの1%のカゼイン水溶液(pH8.5、100mMホウ酸含有)を添加し、ボルテックスで攪拌後、37℃で60分間、温調しながら攪拌した。その後、遠心分離操作(10000g、15分間)を行い、上澄み液を除去した。その残渣に、ホウ酸水溶液(ホウ酸濃度100mM、pH10.0)を37.2mL加えて、30秒間超音波処理を行い、再度、遠心分離(10000g、15分間)した後、上澄み液を除去し、0.2%のカゼイン水溶液(pH9.5、100mMホウ酸含有)を18mL加えてから、超音波処理を30秒間行った。
2.コンジュゲートパッドの処理
1で調製した懸濁液1800μLに、スクロースを180mg加え、ボルテックスで攪拌し、超音波で30秒間処理した。その後、Glass Fiber Conjugate Pad(商品名、MILLIPORE社製)10mm×300mmに塗布して、50℃で60分間乾燥させた。
3.サンプルパッドの処理
サンプルパッド用の処理用水溶液(2%BSA、2%Tween−20、250mM Tris、pH8.2)を調整し、Cellulose Fiber Sample Pad(商品名、MILLIPORE社製)17mm×300mmに塗布して、50℃で60分間乾燥させた。
4.メンブレンの処理
ニトロセルロース膜(ミリポア社製、Hi−Flow Plus HF090、メンブレン )25mm×300mmに、抗体塗布機(BioDot社製)を用いて、テストラインとして66mMリン酸緩衝液(pH7.4)で、0.05%になるように希釈した抗hCG-βマウス抗体(MedixBiochemica社製、モノクローナル抗体)を塗布した。次いで、コントロールラインとして、66mMリン酸緩衝液(pH7.4)で、0.05%になるように希釈した抗マウスウサギ抗体(Daco社製、ポリクローナル抗体)を塗布した。その後37℃で、30分間乾燥させた。
5.クロマトグラフ媒体の作製
バッキングシートから成る基材に、調製したサンプルパッド、コンジュゲートパッド、メンブレン、そして、不溶性担体を吸収するための吸収パッドを貼り合わせた。最後に、裁断機で幅が5mmとなるように裁断し、クロマトグラフ媒体を作製した。
6.測定
作製したクロマトグラフ媒体を用いて、以下の方法で試料中のhCG抗源の存在の有無を測定した。1.0重量%BSA水溶液と66mMリン酸緩衝液緩衝溶液(pH7.4)から成る展開液を陰性検体試料とし、ここにhCG抗体(Spipac社製)で各々の抗原濃度に調整したものを陽性検体試料とし、ここに1%のCMC水溶液(セロゲン7A、第一工業製薬社製、置換度0.75、1wt%粘度10cP、重合度250)を12mg加え、各々の試料を120μL分、クロマトグラフ媒体のサンプルパッド上に載せて展開させ、15分後に5キット分の目視判定をした。その結果、抗原濃度0.031mIU/mLまで検出することができ、偽陽性反応も発生しなかった。結果を以下の表1に示す。また、表1中の「展開液中の濃度」は、クロマトグラフ媒体中を展開している水溶性多糖類の濃度を、構成成分の量から算出したものである。
[実施例2〜6]
実施例1の「6.測定」での、CMC濃度を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表1に示す。
[実施例7〜15]
実施例1の「6.測定」での、CMCの置換度、粘度を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表1に示す。
[実施例16〜26]
実施例1の「1.標識物質溶液の作製」での、着色セルロース微粒子の平均粒子径、染料含有量、CV値、長径/短径を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表1に示す。
[実施例27と28]
実施例1の「1.標識物質溶液の作製」で、着色セルロース微粒子の代わりに金コロイド粒子や着色ラテックス微粒子を使用した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表1に示す。
[実施例29と30]
実施例1の「6.測定」で、CMCを添加せずに、「2.コンジュゲートパッドの処理」で試験実施時にCMCを各濃度になるように添加した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表1に示す。
[実施例31と32]
実施例1の「6.測定」で、CMCを添加せずに、「2.コンジュゲートパッドの処理」で試験実施時にCMCを各濃度になるように添加し、乾燥方法として凍結乾燥を用いた以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表1に示す。興味深いことに、実施例31と32では、キットの目視判定時、他の実施例よりも発色がより早く安定化し、5分間でラインの発色が安定化していた。
[実施例33]
実施例1の「3.サンプルパッドの処理」と「6.測定」で、Tween−20を使用しない以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表1に示す。
[比較例1]
実施例1の「6.測定」での、CMCを添加しない以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、各々の実施例よりも低感度だった。結果を以下の表1に示す。
[比較例2〜6]
実施例1の「6.測定」での、CMC濃度、置換度、粘度を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。結果を以下の表1に示す。比較例2では、CMCの濃度が低すぎて、感度上昇の効果が見られなかった。比較例3では、展開液中のCMC濃度が高すぎて、高粘度になってしまい、クロマトグラフ媒体中で全く展開しなかった。比較例4では、展開液に均一に溶解しなかったためか、クロマトグラフ媒体中で目詰まりを起こしており、バックグラウンドが汚かった。比較例5では、CMCの粘度が低すぎるために、高感度化の効果が見られなかった。比較例6では、粘度が高すぎるために、高粘度になってしまい、目詰まりを起こしており、また偽陽性反応も発生していた。
[比較例7〜12]
実施例1の「1.標識物質溶液の作製」での、着色セルロース微粒子の平均粒子径、染料含有量、CV値、長径/短径を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。結果を以下の表1に示す。着色セルロース微粒子の平均粒子径が小さい比較例7では、感度が低かった。また、比較例8では、着色セルロース微粒子の平均粒子径が大きすぎて、少しは展開したものの、クロマトグラフ媒体中で目詰まりを起こしてしまっていて、バックグラウンドが汚かった。比較例9と10では、着色セルロース微粒の染料含有量が少なすぎて高感度が発現しなかった。比較例11では、ある程度の感度は発現したものの、着色セルロース微粒子のCV値が高く、またバックグラウンドが汚かった。比較例12では、着色セルロースの長径/短径が、大きすぎたため、クロマトグラフ媒体中で目詰まりを起こしていた。
[比較例13]
実施例1の「1.標識物質溶液の作製」でカゼインを添加しない以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、感度は高かったものの、偽陽性反応が発生した。結果を以下の表1に示す。
[比較例14〜16]
実施例1の「1.標識物質溶液の作製」で着色セルロース微粒子の代わりに、金コロイド粒子(平均粒子径40nm、CV値15%)を用いて、「2.コンジュゲートパッドの処理」で、特許文献6とほぼ同等のCMCを用いて、濃度を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、本発明の実施例と比較して感度は低く、また偽陽性反応が発生した。結果を以下の表1に示す。
Figure 0006306292
(2)他の水溶性セルロース誘導体の検討
[実施例34〜36]
実施例1の「6.測定」で、CMCは使用せず、代わりにMCを各種濃度になるように、添加した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表2に示す。
[実施例37〜40]
実施例1の「6.測定」での、CMCは使用せず、代わりに、各種置換度及び粘度のMCを、添加した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表2に示す。
[実施例41〜43]
実施例1の「6.測定」での、CMCは使用せず、代わりにHPMCを各種濃度になるように、添加した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表2に示す。
[実施例44〜47]
実施例1の「6.測定」での、CMCは使用せず、代わりに、各種置換度及び粘度のHPMCを、添加した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表2に示す。
[実施例48と49]
実施例1の「6.測定」での、CMCは使用せず、代わりにCECを各種濃度になるように、添加した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表2に示す。
[比較例17〜19]
実施例1の「6.測定」での、MC濃度、置換度を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。結果を以下の表2に示す。比較例17では、MCの濃度が低すぎて、感度上昇の効果が見られなかった。比較例18では、展開液中のMC濃度が高すぎて、粘度が上昇しすぎたため、クロマトグラフ媒体中で全く展開しなかった。比較例19では、展開液に均一に溶解せず、クロマトグラフ媒体中で目詰まりを起こしており、偽陽性反応も発生していた。
[比較例20〜22]
実施例1の「6.測定」での、HPMC濃度、置換度を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。結果を以下の表2に示す。比較例20では、HPMCの濃度が低すぎて、感度上昇の効果が見られなかった。比較例21では、展開液中のHPMC濃度が高すぎて、粘度が上昇しすぎたため、クロマトグラフ媒体中で全く展開しなかった。比較例22では、展開液に均一に溶解せず、クロマトグラフ媒体中で目詰まりを起こしており、偽陽性反応も発生していた。
[比較例23と24]
実施例1の「6.測定」での、CMCは使用せず、代わりに各種水溶性合成ポリマーとして、ポリビニルピロリドン(10、40T、いずれも商品名、東京化成工業社製をそれぞれ添加した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。結果を以下の表2に示す。比較例23と24でポリビニルピロリドンを用いた場合、感度の低下が見られた。
Figure 0006306292
(3)蛍光セルロース微粒子の検討
[実施例50]
実施例1の「1.標識物質溶液の作製」で着色セルロース微粒子の代わりに、蛍光セルロース微粒子(平均粒子径335nm、蛍光波長671nm)を用いた以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。15分間放置後、テストストリップのサンプルパッドとコンジュゲートパッドを剥がし、メンブレンを露出させ、レーザダイオードを用いて励起を行いフォトダイオードで蛍光を受光することでメンブレンの蛍光プロファイルを取得した。得られた蛍光プロファイルからテストライン、コントロールラインの蛍光強度を評価した。評価基準として、テストラインにて、発色が認められない場合を(−)、発色が認められる場合を(+)とした。その結果、偽陽性を発生させること無く、高感度を達成することができた。結果を以下の表3に示す。
[実施例51〜54]
実施例50の「6.測定」での、CMC濃度を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表3に示す。
[実施例55〜59]
実施例50の「6.測定」での、CMCの置換度、粘度を変更した以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、いずれも偽陽性反応が発生することなく、高感度を達成することができた。結果を以下の表3に示す。
[比較例25]
実施例50の「6.測定」での、CMCを添加しない以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、実施例50〜59の結果と比較して、低感度の結果となってしまった。結果を以下の表3に示す。
Figure 0006306292
(4)インフルエンザウィルスでの検討
[実施例60]
1.標識物質溶液の作製
着色セルロース微粒子懸濁液(着色セルロース微粒子濃度1wt%、平均粒子径335nm)10mLを、100 mM炭酸カリウムでpHを7 . 0に調製した。2 mMホウ酸溶液で透析、遠心分離し精製した抗A型インフルエンザウイルスモノクローナルマウス抗体を2 mMホウ酸溶液で100μg/mLの濃度になるように調製した。調製した抗A型インフルエンザウイルスモノクローナル抗体の最終濃度が4μg/mLとなる量を十分撹拌させながら着色セルロースの懸濁液に加えた。5分後、36mLの1wt%のカゼイン水溶液(pH8.5、10mMホウ酸酸含有)を添加し、ボルテックスで攪拌後、37℃で60分間、温調子ながら攪拌した。全量を遠心管に移し、遠心分離操作(10000 g、15分)し、上澄み液を除去し、0.2wt%のカゼイン水溶液(pH9.5、100mMホウ酸酸含有)を18mL加えてから、超音波処理を30秒間行った。
2.コンジュゲートパッドの処理
1で調整した懸濁液1800μLに、スクロースを180mgと、1wt%のCMC水溶液(セロゲン6A、第一工業製薬社製、置換度0.75、重合度250)を900mg加え、ボルテックスで攪拌し、超音波で30秒間処理した。その後、Glass Fiber Conjugate Pad(商品名、MILLIPORE社製)に塗布して、50℃で60分間乾燥させた。
3.サンプルパッドの処理
サンプルパッド用の処理用水溶液(2%BSA、2%Tween−20、250mM Tris、pH8.2)を調整し、Cellulose Fiber Sample(商品名、MILLIPORE社製)に塗布して、50℃で60分間乾燥させた。
4.メンブレンの処理
プロテインAカラムでアフィニティー精製した抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体( マウス) を用意した。ニトロセルロース膜(ミリポア社製:Hi−Flow Plusメンブレン)に、抗体塗布機(BioDot社製)を用いて、テストラインとして66mMリン酸緩衝液(pH7.4)で、0.05%になるように希釈した抗インフルエンザウイルスモノクローナル抗体( マウス)を塗布した。次いで、コントロールラインとして、66mMリン酸緩衝液(pH7.4)で、0.05%になるように希釈した抗マウスウサギ抗体(Daco社製、ポリクローナル抗体)を塗布した。その後37℃で、30分間乾燥させた。
5.クロマトグラフ媒体の作製
バッキングシートから成る基材に、上記調製したサンプルパッド、コンジュゲートパッド、メンブレン、そして、不溶性担体を吸収するための吸収パッドを貼り合わせた。最後に、裁断機で幅が5mmとなるように裁断し、クロマトグラフ媒体を作製した。
6.測定
上記作製したクロマトグラフ媒体を用いて、以下の方法で試料中のインフルエンザ抗源の存在の有無を測定した。0.5重量%Tween−20、1.0重量%BSA水溶液と66mMリン酸緩衝液緩衝溶液(pH7.4)から成る展開液を陰性検体試料とした。またA型インフルエンザウイルスを含むと思われるサンプル(吸引カテーテルにより採取した鼻腔吸引液から綿棒で検体を採取)を各々の希釈濃度に調整したものを陽性検体試料とし、各々の試料を150μL分、クロマトグラフ媒体のサンプルパッド上に載せて展開させ、15分後に目視判定をした。後述する比較例26と27よりも、高い感度を示した。結果を以下の表4に示す。
[比較例26]
実施例60の「6.測定」での、CMCを使用しない以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、実施例60と比較して、低感度だった。
[比較例27]
実施例60の「1.標識物質溶液の作製」で着色セルロース微粒子の代わりに、金コロイド粒子(平均粒子径40nm、CV値15%)を用いた以外は全て同じ条件でクロマトグラフ媒体を作製し、展開試験を実施した。その結果、発色が見られなかった。
Figure 0006306292
本発明の水溶性多糖類を含み、カゼインを含み、かつ、所定の不溶性担体で標識化された検出試薬を用いるイムノクロマト用の展開液は、界面活性剤の有無に関わらず、生体試料中に含まれる被検出物質を、偽陽性反応を抑制しつつ高感度に検出できるので、臨床検査等における免疫測定法に好適に利用可能である。
1 サンプルパッド
2 コンジュゲートパッド
3 試薬固定化クロマトグラフ媒体
4 吸収パッド
5 バッキングシート(支持体)
6 テストライン
7 コントロールライン

Claims (9)

  1. 1wt%粘度が0.1cP以上200000cP以下の水溶性多糖類を0.001wt%以上20.00wt%以下で含み、かつ、平均粒子径が60nm以上700nm以下の不溶性担体で標識化された検出試薬を含む、イムノクロマト用展開液。
  2. 前記水溶性多糖類は、水溶性セルロース誘導体である、請求項1に記載の展開液。
  3. 前記水溶性セルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる、請求項2に記載の展開液。
  4. 前記不溶性担体は、金コロイド、着色又は蛍光ラテックス微粒子、及び着色又は蛍光セルロース微粒子からなる群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の展開液。
  5. 前記着色又は蛍光セルロース微粒子100個の長径/短径は平均10以下である、請求項4に記載の展開液。
  6. 前記着色又は蛍光セルロース微粒子のCV値は40%以下である、請求項4又は5に記載の展開液。
  7. 前記着色又は蛍光セルロース微粒子の染料又は蛍光色素化合物の含有量は0.01%以上95%以下である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の展開液。
  8. カゼインをさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の展開液。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の展開液を含む、イムノクロマトキット。
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