JP6305678B2 - コイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は、コイル部品に関し、特に、フェライトビーズの構造に関するものである。
近年、小型電子機器のバッテリーを非接触給電により充電する試みがなされている。電磁結合方式の非接触給電では、電子機器に受電用コイルと充電回路を設け、送電装置の給電用コイルから放射された電磁エネルギーを受電コイルで受電する。受電コイルに誘起された電流は充電回路を介してバッテリーに供給される。
上記小型電子機器が携帯電話等の無線通信端末である場合、実際の通信に用いる電波は通信用アンテナで受信される。しかし、受電用コイルもこの電波を拾い、この電波が受電用コイルに吸収されてしまい、これにより通信用アンテナによる電波の受信感度が低下してしまうという問題がある。非接触給電における現行の搬送周波数は100〜200kHzであるが、最近は6〜13.56MHzというより高い周波数の使用が試みられており、周波数が高くなるほどこのような問題が顕著になる。
この問題を解決するため、無線通信端末にフェライトビーズインダクタ(以下、単にフェライトビーズという)を使用することが検討されている。フェライトビーズはコイル部品の一つであり、高周波ノイズを除去して低い周波数の信号を通過させるノイズフィルタ(ローパスフィルタ)である。フェライトビーズの構造は通常の積層型インダクタと同じであるが(特許文献1、2参照)、その材料には高周波での損失が大きなフェライト等の磁性材料が用いられ、高周波ノイズを熱に変換して吸収する。すなわち、フェライトビーズは高周波において抵抗と等価である。
図13に示すように、フェライトビーズ20は受電用コイル21と充電回路22との間、特に受電用コイル21の直後に挿入される。受電用コイル21に発生した高周波の誘導電流は入力インピーダンスが低い充電回路22に向かって流れようとするが、フェライトビーズ20の高周波でのインピーダンスが高いことにより、充電回路22への流入が阻止される。したがって、通信用の電波の吸収を抑制することが可能となる。一方、低周波の誘導電流はフェライトビーズ20を通過し、充電回路22を介してバッテリー23に供給される。
特開2005−72267号公報 特開2011−49491号公報
無線通信端末の非接触給電に用いられるフェライトビーズには、非接触給電の低い周波数帯(例えば6〜13.56MHz)の損失は小さく、通信に用いる高い周波数帯(700〜3GHz)の損失は大きいことが要求される。しかしながら、従来の一般的なフェライトビーズの構造では所望の特性を得ることができず、さらなる改良が求められていた。
したがって、本発明の目的は、低周波のインピーダンスを低くして信号の通過特性を良好にし、高周波のインピーダンスは高く維持して従来通りノイズを低減することが可能なコイル部品を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の側面によるコイル部品は、磁性体からなる基体と、前記基体の内部に設けられたコイル導体と、前記基体の表面に設けられ、前記コイル導体の両端部に電気的に接続された一対の端子電極と、前記基体の内部に設けられ、前記コイル導体と磁気結合する少なくとも一つの閉ループ導体を備え、前記閉ループ導体は、前記コイル導体の外周よりも内側に設けられており、前記閉ループ導体のループサイズは、前記コイル導体のループサイズ以下であることを特徴とする。
磁性体内のコイル導体はフェライトビーズとして機能するが、コイル導体とは電気的に接続されない閉ループ導体がコイル導体と磁気結合することにより、例えば10MHz以下の低周波におけるインピーダンスを低くすることができ、低周波信号の通過特性を高くすることができる。一方、例えば100MHz以上の高周波においては、閉ループ導体の影響を無視することができ、コイル部品をフェライトビーズとして機能させることができる。したがって、高周波におけるインピーダンスを高くすることができ、高周波ノイズを低減することができる。
本発明によるコイル部品は、前記閉ループ導体を複数備えることが好ましい。この構成によれば、コイル導体と閉ループ導体との磁気結合を強めることができ、閉ループ導体を設けることによる効果を高めることができる。
本発明において、前記基体は、複数の磁性体層の積層体からなり、前記コイル導体は、前記複数の磁性体層の主面にそれぞれ形成された複数の配線パターンと、前記複数の磁性体層の各々を貫通する複数のスルーホール導体との組み合わせからなり、前記閉ループ導体は、前記複数の磁性体層の少なくとも一つの主面に前記配線パターンと共に形成されていることが好ましい。この構成によれば、基体の内部の限られたスペースにコイル導体と閉ループ導体を効率よくレイアウトすることができる。
本発明において、前記基体は、複数の磁性体層の積層体からなり、前記コイル導体は、前記複数の磁性体層の主面にそれぞれ形成された複数の配線パターンと、前記複数の磁性体層の各々を貫通する複数のスルーホール導体との組み合わせからなり、前記閉ループ導体は、前記複数の磁性体層の少なくとも一つの主面に単独で形成されていることが好ましい。この構成によれば、閉ループ導体のループサイズをより大きくすることができ、コイル導体との磁気結合を強めることができる。したがって、低周波におけるインピーダンスを低くすることができ、低周波信号の通過特性を高くすることができる。
上記課題を解決するため、本発明の第2の側面によるコイル部品は、磁性体からなる基体と、前記基体の内部に設けられたコイル導体と、前記基体の表面に設けられ、前記コイル導体の一端及び他端に電気的に接続された一対の端子電極とを備え、前記コイル導体は、前記一端から前記他端に向かって所定の方向に巻回された順巻き部と、前記順巻き部の任意の位置に挿入され、前記順巻き部とは逆方向に当該順巻き部よりも少ないターン数で巻回された逆巻き部とを備えることを特徴とする。
磁性体内のコイル導体はフェライトビーズとして機能するが、コイル導体の順巻き部に接続された逆巻き部を有することにより、例えば10MHz以下の低周波におけるインピーダンスを低くすることができ、低周波信号の通過特性を高くすることができる。一方、例えば100MHz以上の高周波においては、逆巻き部の影響を無視することができ、コイル部品をフェライトビーズとして機能させることができる。したがって、高周波におけるインピーダンスを高くすることができ、高周波ノイズを低減することができる。
本発明において、前記逆巻き部は、前記コイル導体の始端又は終端に設けられていることが好ましい。この構成によれば、順巻き部が逆巻き部によって分割されないので、順巻き部に発生する誘導電流を大きくすることができる。
本発明において、前記基体は、複数の磁性体層の積層体からなり、前記コイル導体は、前記複数の磁性体層の主面にそれぞれ形成された複数の配線パターンと、前記複数の磁性体層の各々を貫通する複数のスルーホール導体との組み合わせからなり、前記逆巻き部は、前記複数の磁性体層のうちの一つの主面に形成された単一の配線パターンからなることが好ましい。この構成によれば、基体の内部の限られたスペースにコイル導体の逆巻き部を容易にレイアウトすることができる。
本発明によれば、インピーダンスカーブの立ち上がりを10MHz以上の高周波にし、これにより10MHz以下の低周波でのインピーダンスが低く、数百MHz以上の高周波でのインピーダンスが高いコイル部品を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品1の構成を示す略斜視図である。 図2は、コイル部品1の層構造を示す分解斜視図である。 図3は、本発明の第2の実施の形態によるコイル部品2の層構造を示す分解斜視図である。 図4は、本発明の第3の実施の形態によるコイル部品3の層構造を示す分解斜視図である。 図5は、本発明の第4の実施の形態によるコイル部品4の層構造を示す分解斜視図である。 図6は、本発明の第5の実施の形態によるコイル部品5の層構造を示す分解斜視図である。 図7は、本発明の第6の実施の形態によるコイル部品6Aの構成を示す略斜視図である。 図8は、コイル部品6Aの層構造を示す分解斜視図である。 図9は、本発明の第7の実施の形態によるコイル部品7の層構造を示す分解斜視図である。 図10は、本発明の第8の実施の形態によるコイル部品8の層構造を示す分解斜視図である。 図11は、本発明の第9の実施の形態によるコイル部品9の層構造を示す分解斜視図である。 図12は、本発明の第10の実施の形態によるコイル部品6Bの層構造を示す分解斜視図である。 図13は、無線通信端末の非接触給電方式によるバッテリー充電システムを示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品1の構成を示す略斜視図である。また、図2は、コイル部品1の層構造を示す分解斜視図である。
図1に示すように、コイル部品1は、略直方体状の基体10と、基体10の長手方向(Y方向)の両端部に形成された一対の端子電極11a,11bとを備えており、基体10の内部には後述するコイル導体12及び閉ループ導体13が設けられている。
図2に示すように、基体10は配線パターン及びスルーホール導体が必要に応じて形成された複数の磁性体層の積層体からなり、磁性体層は絶縁体からなる。本実施形態による基体10は、第1〜第10の磁性体層10a〜10jが下から順に積層されたものである。磁性体層10a〜10jは、フェライト等の磁性体材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。またコイル導体12、閉ループ導体13、並びに端子電極11a,11bは、導電性材料(たとえば、Ag粉末又はPd粉末など)を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
コイル導体12は、第3〜第7の磁性体層10c〜10gの主面(上面)にそれぞれ形成された第1〜第5の配線パターン14a〜14eと、第4〜第7の磁性体層10b〜10eにそれぞれ形成された第1〜第4のスルーホール導体15a〜15dとの組み合わせからなる。第1〜第5の配線パターン14a〜14eは第1〜第4のスルーホール導体15a〜15dを介して直列に接続され、ヘリカルパターンを構成している。第1の配線パターン14aは直線パターンであり、第2〜第5の配線パターン14b〜14eはL字パターンである。
第1の配線パターン14aの一端は、第3の磁性体層10cの長手方向の一端側まで引き出されており、端子電極11aに接続されている。第1の配線パターン14aの他端は、第1のスルーホール導体15aを介して第2の配線パターン14bの一端に接続されており、第2の配線パターン14bの他端は、第2のスルーホール導体15bを介して第3の配線パターン14cの一端に接続されており、第3の配線パターン14cの他端は、第3のスルーホール導体15cを介して第4の配線パターン14dの一端に接続されており、第4の配線パターン14dの他端は、第4のスルーホール導体15dを介して第5の配線パターン14eの一端に接続されている。第5の配線パターン14eの他端は、第7の磁性体層10gの長手方向の他端側に引き出されており、端子電極11bに接続されている。
閉ループ導体13は、コイル導体12と電気的に接続されない独立したパターンである。閉ループ導体13は、第4の配線パターン14dと共に第6の磁性体層10fの主面に設けられており、閉ループ導体13の中心軸の向きはコイル導体12の中心軸の向きと一致している。コイル導体12のループサイズはできるだけ大きい方が好ましく、そのため第4の配線パターン14dが磁性体層10fの外周のできるだけ近くに配置されており、閉ループ導体13は、第4の配線パターン14dの内側、つまりコイル導体12の外周よりも内側に設けられている。このような構成により、基体10の内部の限られたスペースにコイル導体12と閉ループ導体13を効率よくレイアウトすることができ、コイル導体12及び閉ループ導体13の十分なループサイズを確保することができる。
閉ループ導体13の中空部は、平面視にてコイル導体12の中空部の領域内に含まれることが好ましい。このような構成により、コイル導体12と閉ループ導体13とを確実に磁気結合させることができ、閉ループ導体13を設けることによる効果を十分に発揮させることができる。
コイル導体12に電流が流れるとき、10MHz以下の低周波ではコイル導体12と閉ループ導体13との磁気結合が強くなり、閉ループ導体13がコイル導体12のインダクタンスを低める方向に作用するため、コイル導体12のインピーダンス(インダクタンス)が低下する。一方、100MHz以上の高周波では閉ループ導体13の寄生インダクタンス成分によってインピーダンスが高くなり、コイル導体12で発生する磁束によって誘起すべき磁束が生じにくくなるため、閉ループ導体13が実質的に機能せず、コイル部品1は本来のフェライトビーズとして機能する。すなわち、高周波では等価的に抵抗として機能し、コイル部品1のインピーダンスが増加する。このようなコイル部品1を非接触給電システムの受電用コイルの直後に挿入した場合には、受電用コイルに発生する誘導電流の高周波成分の吸収を防止することができる。したがって、非接触給電方式によるバッテリーの充電機能を備えた無線通信機器において、通信の受信感度の低下を防止することができる。
図3は、本発明の第2の実施の形態によるコイル部品2の層構造を示す分解斜視図である。
図3に示すように、このコイル部品2の特徴は、基体10内に複数(ここでは2つ)の閉ループ導体13a,13bが設けられている点にある。第1の閉ループ導体13aは、第4の磁性体層10dの主面に第2の配線パターン14dと共に設けられており、第2の閉ループ導体13bは、第6の磁性体層10fの主面に第4の配線パターン14dと共に設けられている。その他の構成は第1の実施の形態によるコイル部品1と実質的に同一である。
本実施形態による閉ループ導体13a,13bは平面視にてほぼ完全に重なり合っている。この構成によれば、閉ループ導体13a,13bを貫く磁束が安定するので、コイル導体12と閉ループ導体13a,13bとを確実に磁気結合させることができる。なお、閉ループ導体13a,13bを例えば第4及び第5の磁性体層10d,10eにそれぞれ形成し、閉ループ導体13a,13bが平面視にて部分的に重なるように構成することも可能であり、この場合でも本発明の効果を奏することができる。
以上のように、本実施形態によるコイル部品2は、コイル導体12と磁気結合する複数の閉ループ導体13a,13bを備えているので、低周波においてコイル導体12と閉ループ導体13との磁気結合がさらに強くなり、10MHz以下の低周波でのインピーダンスが十分に低下する。したがって、第1の実施の形態によるコイル部品1よりも顕著な効果を奏することができる。
図4は、本発明の第3の実施の形態によるコイル部品3の層構造を示す分解斜視図である。
図4に示すように、このコイル部品3の特徴は、直線パターンからなる配線パターン14aが設けられた第3の磁性体層10cの主面に閉ループ導体13が形成されている点にある。特に、閉ループ導体13のループサイズは、第1の実施の形態によるコイル部品1における閉ループ導体13よりも大きい。ただしこの場合でも、閉ループ導体13は、コイル導体12の外周よりも内側に設けられている。
このように、本実施形態によるコイル部品3は、コイル部品1に比べて閉ループ導体13のループサイズが大きいので、コイル導体12と閉ループ導体13との磁気結合を強めることができる。したがって、10MHz以下の低周波でのインピーダンスを十分に低下させることができ、コイル部品1よりも顕著な効果を奏することができる。
図5は、本発明の第4の実施の形態によるコイル部品4の層構造を示す分解斜視図である。
図5に示すように、このコイル部品4の特徴は、閉ループ導体13が専用の磁性体層10kの主面に形成されている点にある。すなわち、磁性体層10kの主面にコイル導体12の構成要素は設けられていない。本実施形態において、磁性体層10kは第5の磁性体層10eと第6の磁性体層10fとの間に設けられているが、その挿入位置は特に限定されない。第3の配線パターン14cの他端は、磁性体層10kを貫通するスルーホール導体15e及び磁性体層10fを貫通するスルーホール導体15cを介して第4の配線パターン14dの一端に接続されている。
本実施形態において、磁性体層の枚数は11層であり、第3の実施の形態によるコイル部品3よりも1層多いが、閉ループ導体13のループサイズはコイル部品3のそれよりも大きい。ただしこの場合でも、閉ループ導体13は、コイル導体12の外周よりも内側に設けられている。
このように、本実施形態によるコイル部品4は、コイル部品3に比べて閉ループ導体13のループサイズが大きいので、コイル導体12と閉ループ導体13との磁気結合をさらに強めることができる。したがって、10MHz以下の低周波でのインピーダンスを十分に低下させることができ、コイル部品3よりも顕著な効果を奏することができる。
図6は、本発明の第5の実施の形態によるコイル部品5の層構造を示す分解斜視図である。
図6に示すように、このコイル部品5の特徴は、コイル導体12を構成する複数の配線パターン14のうち、第4〜第7の磁性体層10d〜10gの主面にそれぞれ形成された第2〜第5の配線パターン14b〜14eがL字パターンではなく、コの字(略U字)パターンである点にある。この場合、閉ループ導体13は、コの字パターンからなる第4の配線パターン14dの内側に設けられ、そのループサイズは第1の実施の形態によるコイル部品1の閉ループ導体13よりも小さい。しかし、本実施形態によれば、シート数を増やすことなくコイル導体12のターン数を稼ぐことができ、そのインダクタンスを大きくすることができる。
図7は、本発明の第6の実施の形態によるコイル部品6Aの構成を示す略斜視図である。また、図8は、コイル部品6Aの層構造を示す分解斜視図である。
図7及び図8に示すように、コイル部品6Aの特徴は、コイル導体12の両端がその中心軸Dと平行な方向(Y方向)に引き出されて端子電極11a,11bに接続されている点にある。図8において、本実施形態による基体10は、第1〜第11の磁性体層10a〜10kが下から順に積層されたものであり、第4の磁性体層10dの主面に形成された配線パターン14aの一端は、磁性体層10dの長手方向の一端側まで引き出されることなく、スルーホール導体15e、引き出し導体16a、スルーホール導体15fを介して、第1の磁性体層10aの外側表面に設けられた端子電極11a(図7参照)に接続される。また、第8の磁性体層10hの主面に形成された第5の配線パターン14eの他端は、磁性体層10hの長手方向の他端側に引き出されることなく、スルーホール導体15g、引き出し導体16b、スルーホール導体15hを介して、第11の磁性体層10kの外側表面に設けられた端子電極11b(図7参照)に接続される。
図6に示した第5の実施の形態と同様、配線パターン14a〜14eはL字パターンではなくコの字(略U字パターン)である。この場合、閉ループ導体13は、コの字パターンからなる第1の配線パターン14aの内側に設けられ、そのループサイズは第1の実施の形態によるコイル部品の閉ループ導体13よりも小さい。このように、本実施形態によるコイル部品6Aは、コイル導体12の中心軸Dが積層方向と平行でかつ実装面と平行な方向を向いているが、第1の実施の形態によるコイル部品1等と同様の効果を奏することができる。
図9は、本発明の第7の実施の形態によるコイル部品7の層構造を示す分解斜視図である。
図9に示すように、このコイル部品7の特徴は、基体10の内部にコイル導体12が設けられており、コイル導体12は、所定の方向に巻回されてコイル導体12の主要部をなす順巻き部12Aと、順巻き部12Aと逆方向に巻回されてコイル導体12の一部をなす逆巻き部12Bを有している点にある。すなわち、本実施形態によるコイル部品7は、第1の実施の形態によるコイル部品1の閉ループ導体13に代えて逆巻き部12Bを備えている。
第1の配線パターン14aの一端は、第3の磁性体層10cの長手方向の一端側まで引き出されており、端子電極11aに接続されている。第1の配線パターン14aの他端は、第1のスルーホール導体15aを介して第2の配線パターン14bの一端に接続されており、第2の配線パターン14bの他端は、第2のスルーホール導体15bを介して第3の配線パターン14cの一端に接続されており、第3の配線パターン14cの他端は、第3のスルーホール導体15cを介して第4の配線パターン14dの一端に接続されており、第4の配線パターン14dの他端は、第4のスルーホール導体15dを介して第5の配線パターン14eの一端に接続されている。第5の配線パターン14eの他端は、第7の磁性体層10gの長手方向の他端側に引き出されており、端子電極11bに接続されている。
第1の配線パターン14aの一端(端子電極11a)から第5の配線パターン14eの他端(端子電極11b)に向かって流れる電流をコイル部品7の上方から見るとき、第1、第2、第4、第5の配線パターン14a,14b,14d,14eに流れる電流の向きは右回りであるが、第3の配線パターン14cに流れる電流の向きは左回りである。このように、コイル導体12の大部分は右回りのループ(順巻き部12A)を構成しているが、コイル導体12の一部(第3の配線パターン14c)が左回りのループ(逆巻き部12B)を構成している。
逆巻き部12Bの形状や長さはその効果を得られる限りにおいて特に限定されず、例えばL字パターンに代えて直線パターンやU字パターンとしてもよい。ただし、逆巻き部12Bのターン数は順巻き部12Aのターン数よりも小さい。換言すれば、コイル導体12を構成する互いに逆方向に巻回された2つの部分のうち、ターン数の大きい部分が順巻き部12Aであり、ターン数の小さい部分が逆巻き部12Bであると定義することができる。
本実施形態において、逆巻き部12Bは、複数の磁性体層のうちの一つ(ここでは第5の磁性体層10e)の主面に形成された単一の配線パターンからなることが好ましい。この構成によれば、基体10の内部の限られたスペースにコイル導体の逆巻き部12Bを容易にレイアウトすることができる。
コイル導体12に電流が流れるとき、10MHz以下の低周波では順巻き部12Aと逆巻き部12Bとの磁気結合によって逆巻き部12Bが順巻き部12Aのインダクタンスを低める方向に作用するため、コイル導体12のインピーダンス(インダクタンス)が低下する。一方、100MHz以上の高周波では順巻き部12A、逆巻き部12B間での漏れインダクタンス成分でインピーダンスが高くなるため、コイル部品7は本来のフェライトビーズとして機能する。すなわち、高周波では等価的に抵抗として機能し、コイル部品7のインピーダンスが増加する。このようなコイル部品7を非接触給電システムの受電用コイルの直後に挿入した場合には、受電用コイルに発生する誘導電流の高周波成分の吸収を防止することができる。したがって、非接触給電方式によるバッテリーの充電機能を備えた無線通信機器において、通信の受信感度の低下を防止することができる。
図10は、本発明の第8の実施の形態によるコイル部品8の層構造を示す分解斜視図である。
図10に示すように、このコイル部品8の特徴は、逆巻き部12Bが第3の磁性体層10cの主面に形成されており、コイル導体12の始端(又は終端)を構成している点にある。第1の配線パターン14aの一端(端子電極11a)から第5の配線パターンの他端(端子電極11b)に向かって流れる電流をコイル部品8の上方から見るとき、第1の配線パターン14aは右回りであるが、第2、第3、第4、第5の配線パターン14b,14c,14d,14eに流れる電流の向きは左回りである。
このように、本実施形態においてもコイル導体12の大部分は左回りのループ(順巻き部12A)を構成しているが、一部が右回りのループ(逆巻き部12B)を構成している。したがって、低周波においてコイル導体12の順巻き部12Aと逆巻き部12Bとの磁気結合によって低周波でのインピーダンス(インダクタンス)が低下する。また、高周波では順巻き部12Aと逆巻き部12Bとの間の漏れインダクタンス成分によってインピーダンスが高くなるため、本来のフェライトビーズとして機能する。
さらに、本実施形態においては、逆巻き部12Bがコイル導体12の始端又は終端に設けられているので、順巻き部12Aが逆巻き部12Bによって分割されない。したがって、順巻き部12Aに発生する誘導電流を大きくすることができ、順巻き部12Aと逆巻き部12Bの磁気結合を強くすることができる。
図11は、本発明の第9の実施の形態によるコイル部品9の層構造を示す分解斜視図である。
図11に示すように、このコイル部品9の特徴は、第5の磁性体層10eの主面にコイル導体12の順巻き部12Aの一部と逆巻き部12Bの両方が形成されている点にある。第5の磁性体層10e上の逆巻き部12BはU字パターン14cであり、順巻き部12AはL字パターン14cであり、これらは連続する一本の線パターン(S字パターン)を構成している。本実施形態において、順巻き部12Aは右回りであり、逆巻き部12Bは左回りである。
このように、本実施形態においてもコイル導体12の大部分は右回りのループ(順巻き部12A)を構成しているが、一部が左回りのループ(逆巻き部12B)を構成している。したがって、低周波においてコイル導体12の順巻き部12Aと逆巻き部12Bとの磁気結合によって低周波でのインピーダンス(インダクタンス)が低下する。また、高周波では順巻き部12Aと逆巻き部12Bとの間の漏れインダクタンス成分によってインピーダンスが高くなるため、本来のフェライトビーズとして機能する。
図12は、本発明の第10の実施の形態によるコイル部品6Bの層構造を示す分解斜視図である。
図12に示すように、このコイル部品6Bの特徴は、第6の実施の形態と同様、コイル導体12の両端がその中心軸Dと平行な方向(Y方向)に引き出されて端子電極11a,11bに接続されている点にある。図12において、本実施形態による基体10は、第1〜第13の磁性体層10a〜10mが下から順に積層されたものであり、第4の磁性体層10dの主面に形成された配線パターン14aの一端は、磁性体層10dの長手方向の一端側まで引き出されることなく、スルーホール導体15g、引き出し導体16a、スルーホール導体15hを介して、第1の磁性体層10aの外側表面に設けられた端子電極11a(不図示、図7参照)に接続される。また、第10の磁性体層10jの主面に形成された第7の配線パターン14gの他端は、磁性体層10jの長手方向の他端側に引き出されることなく、スルーホール導体15i、引き出し導体16b、スルーホール導体15jを介して、第13の磁性体層10mの外側表面に設けられた端子電極11b(不図示、図7参照)に接続される。
配線パターン14a〜14gはL字パターンではなくコの字(略U字)パターンであり、このうち配線パターン14bが逆巻き部12Bを構成しており、それ以外の配線パターン14a,14c〜14gは順巻き部12Aを構成している。このように、本実施形態によるコイル部品6Bは、コイル導体12の中心軸が積層方向と直交する方向(実装面と平行な方向)を向いているが、第7の実施の形態によるコイル部品7等と同様の効果を奏することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明に包含されるものであることは言うまでもない。例えば、本発明において磁性体層の層数やコイル導体のターン数は特に限定されない。
1〜5,6A,6B,7〜9 コイル部品
10 基体
10a〜10m 磁性体層
11a,11b 端子電極
12 コイル導体
12A 順巻き部
12B 逆巻き部
13,13a,13b 閉ループ導体
14,14a〜14g 配線パターン
15a〜15j スルーホール導体
16a,16b 引き出し導体
20 フェライトビーズ
21 受電用コイル
21 フェライトビーズ
22 充電回路
23 バッテリー

Claims (4)

  1. 複数の磁性体層の積層体からなる基体と、
    前記複数の磁性体層の主面にそれぞれ形成された複数の配線パターンと、前記複数の磁性体層の各々を貫通する複数のスルーホール導体との組み合わせからなるコイル導体と、
    前記基体の表面に設けられ、前記コイル導体の両端部に電気的に接続された一対の端子電極と、
    前記複数の磁性体層の少なくとも一つの主面に前記複数の配線パターンの一部とともに形成され、前記コイル導体と磁気結合する少なくとも一つの閉ループ導体と、を備え、
    前記閉ループ導体は、前記コイル導体の外周よりも内側に設けられており、
    前記閉ループ導体のループサイズは、前記コイル導体のループサイズ以下であることを特徴とするコイル部品。
  2. 前記閉ループ導体を複数備える、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 複数の磁性体層は第1及び第2の磁性体層を含み、
    前記複数の閉ループ導体は第1及び第2の閉ループ導体を含み、
    前記第1の閉ループ導体は、前記複数の配線パターンの前記一部とともに前記第1の磁性体層に形成され、
    前記第2の閉ループ導体は、前記複数の配線パターンの他の一部ととともに前記第2の磁性体層に形成されることを特徴とする請求項2に記載のコイル部品。
  4. 前記第1及び第2の閉ループ導体は、平面視で重なり合っていることを特徴とする請求項3に記載のコイル部品。
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