JP6305191B2 - 切断制御装置および切断制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、切断制御装置および切断制御方法に関し、詳しくは、ロール紙などのシートを切断する際の切断動作を管理する技術に関するものである。
ロール紙などのシートに記録を行った後、その部分をカッターによって切断する際の切断動作を管理する技術として、特許文献1に記載されたものが知られている。この文献には、カッターによる切断開始時間から切断完了までの実際の切断所要時間を計測し、これを標準的な切断所要時間と比較し、この比較に基づいてカッターを駆動するモーターのブレーキを掛けるタイミングを定めることが記載されている。これにより、カッターの使用条件にかかわらずカッターを正確な位置で動作、停止させることが可能となる。
特開平06−133576号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようなカッター動作の管理をしても、カッター動作に何らかの不具合があることを検知してそれに適切な対応をすることはできない。例えば、カッターの動作機構に切断動作自体には支障が生じないような動作のばらつきが生じている場合、これを適切に検知して対応しない場合には将来的により深刻な故障を生じる場合がある。また、カッターの切断動作における位置に異常が生じている場合、これを適切に検知して対応しない場合には紙詰まりなど、装置の動作を停止しなければならない事態を招くことがある。
本発明の目的は、シートを切断する機構においてカッターの動作に何らかの不具合があってもそれに対して適切な対応を行うことが可能な切断制御装置および切断制御方法を提供することである。
そのために本発明に係る切断制御装置は、シートを切断するためのカッターを動作させるための動作機構部と、前記カッターの動作状態を検出しカッター動作状態信号を出力する第1検出部と、前記動作機構部の動作状態を検出し機構部動作状態信号を出力する第2検出部と、前記動作機構部を制御するための基準信号を出力し、前記基準信号と、前記カッター動作状態信号および前記機構部動作状態信号との比較に基づいて、前記カッターおよび前記動作機構部の状態を判断しメンテナンス情報を取得する制御手段と、を具えたことを特徴とする。
以上の構成によれば、切断制御装置においてカッターの動作に何らかの不具合があってもそれに対して適切な対応を行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に係るプリント装置におけるロール紙切断のための制御成を示すブロック図である。 図1に示した、主に制御部の詳細な構成を示すブロック図である。 図2に示した機構部制御カウンター/パルス生成回路における各信号のタイミングを示すタイミングチャートである。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、カッターの位置による領域の設定を説明する図である。 (a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る、カッターの切断動作に不具合が発生した場合を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る切断動作の制御および不良確認の処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る、カッターの動作が行われるときの信号およびその状態を説明する図である。 カッターの動作に不具合が生じたときを説明する図7と同様の図である。 (a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係るカッターの構成およびその動作を検出する機構を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るプリント装置における主に、シートを切断する切断機構の制御構成を示すブロック図である。図1において、プリント装置は、カッター動作機構部10と、機構部動作検出部11と、カッター12と、カッター動作検出部13と、紙搬送機構部14と、表示部15と、制御部101と、を有する。また、図示しないが、シートに画像を印刷する印刷部を備える。
カッター動作機構部10は、カッター12を動作させる。カッター12は、図4にて後述される上カッター106と下カッター109を備えて構成される。そして、カッター動作機構部10は、下カッター109は固定されており、上カッター106を動作させることにより、紙搬送機構部14によって搬送される、記録媒体としてのロール紙を切断する。具体的には、カッター動作機構部10は、カッター用モーターを備え、このモーターによって駆動されるメカ駆動部が上カッター106を動作させる。
機構部動作検出部11は、エンコーダー等で構成されカッター動作機構部10のモーターやメカ駆動部の動作を検出し、これをパルス信号に変換して制御部101の比較部102に出力する。カッター動作検出部13は、用意された上カッター106の両側に取り付けられたエンコーダーと上カッター106の移動を読み取り可能なスケールとを備え、エンコーダが上記スケールの動きを検出し、これをパルス信号に変換して制御部101の比較部102に出力する。
制御部101は、プリント装置全体の動作を制御する。すなわち、制御部101は、切断機構の全体の動作を制御する。制御部101は、比較部102と、詳細は図2にて後述するが、CPU201と、ROM202と、RAM203と、PORT204と、モータ制御信号発生回路208と、制御レジスタ209と、を有する。制御部101の比較部102は、機構部動作検出部11とカッター動作検出部13からの信号を比較する。そして、制御部101は、この比較部102の比較結果に基づいてカッター動作機構部10の制御を行う。具体的には、比較部102は、機構部動作検出部11とカッター動作検出部13からの信号を受信し、これらの受信した信号に基づいてカッターの切断動作のタイミングに係る信号を生成し出力する。
制御部101は、また、搬送用モーターの駆動を制御することにより、ローラ等を有する紙搬送機構部14の動作を制御する。紙搬送機構部14は、モーターとメカ駆動部を有して構成され、制御部101の制御によってメカ駆動部を動作させてロール紙を所定の位置まで移動させカッター12によりロール紙を切断可能にする。表示部15はLCDや音源部で構成され、制御部101は、表示部15を制御し、異常やメンテナンスの判断結果の表示を行う。
図2は、図1に示した、主に制御部101の詳細な構成を示すブロック図である。CPU201と、ROM202と、RAM203と、PORT204と、カウンタ回路1(205)と、カウンタ回路2(206)と、制御レジスタ209とは、それぞれシステムバス211で相互に通信可能に接続される。図2において、CPU201は、プログラムの実行やハードウェアの起動により、図2に示す各要素に係る処理を制御する。具体的には、上述した制御部101による処理、制御を実行する。ROM202は、CPU201による処理、制御のためのプログラムやパラメーターを格納している。RAM203は、CPU201が処理、制御を実行する際にワークエリアとして用いられる。ポート204は、信号のON/OFF制御を行うためのポート制御部であり、メカ駆動部の制御や、カッター動作機構部10の動作を開始するためのENB_IN信号の出力や、カッターを駆動するモーターの回転方向を制御するCW_SEL信号の出力をする。
図1にて上述した比較部102は、カウンター回路1(205)、カウンター回路2(206)、カウンター差分検出回路207、および機構部制御カウンター/パルス生成回路210を有して構成される。
カウンター回路205、206は、カッター動作検出部13からのカッター動作状態信号であるパルス信号ENC_OUT1、ENC_OUT2がそれぞれ入力されると、そのカウント動作を行う。そして、カウンター回路205、206は、カウント結果を、それぞれカウント差分検出回路207に出力する。また、カウンター回路205、206は、受信したENC_OUT信号に基づいて、領域Window信号をモーター制御信号発生回路208および機構部制御カウンター/パルス生成回路210に出力する。この領域Window信号は、カッターの移動開始後にカッターが切断可能な領域を現在移動中か否かを示すものである。
カウント差分検出回路207は、カウンター回路205、206からのカウント結果の出力情報の差分を検出し、差分が所定値以上になったとき、切断処理が正常に行われていないことを示す切断不良検出パルスをモーター制御信号発生回路208に出力する。
機構部制御カウンター/パルス生成回路210は、制御レジスタ209の制御によってカッターの動作状態の変異を制御レジスタ209に記憶させる。具体的には、機構部制御カウンター/パルス生成回路210は、内部カウンターのカウント結果または機構部動作検出部11からの機構部動作状態信号である信号M_ENC_OUTと、カウンター回路205、206からの切断領域Window信号とに基づいて、カッターの動作状態の変異を制御レジスタ209に記憶させる。また、機構部制御カウンター/パルス生成回路210は、内部に基準クロック源を有し、モーター制御信号発生回路208にモーターを駆動するためのパルス信号を出力する。制御レジスタ209は、機構部制御カウンター/パルス生成回路210の内部カウント処理結果と、入力される領域Window信号(通知)のタイミングの比較結果を格納するとともに、モーター制御の各種情報の設定を行う。
モーター制御信号発生回路208は、機構部制御カウンター/パルス生成回路210からのパルス信号と、CW_SEL信号に基づいてIN1、IN2信号の出力を行うとともに、状態が変化した場合にはCPU201に割り込みを発生させる。IN1/IN2信号は、カッターを駆動するモーターを制御するための信号であり、1−2相、2相等の信号線で構成されモーターの制御を行う。本発明では特に方式は限定しない。
図3は、図2に示した機構部制御カウンター/パルス生成回路210における各信号のタイミングを示すタイミングチャートであり、特に、入力する切断領域信号Window信号の状態に応じた各信号のタイミングを示している。なお、図3では、図示および説明を簡略化するため、カウンター回路1、2から出力される2つのWindow信号うち1つのみ示している。上述したように、機構部制御カウンター/パルス生成回路210は、内部基準クロック源からの基準信号としての基準クロックに基づいて、IN1/IN2用パルス信号を出力する。これにより、モーター制御信号発生回路208からIN1/IN2信号が出力されて、カッター動作機構部10によるカッター12の移動が開始される。制御部の定義領域は、制御部101がIN1/IN2に基づいて定義するカッター12の動作領域である。すなわち、制御部101は、IN1/IN2に基づいて、カッター12の動作領域を図3に示すように認識する。IN1/IN2用パルス信号は、最初の100パルスがカッター12の、後述される「移動領域」に対応し、次の60パルスが「切断領域」に、さらに次の40パルスが「マスク領域」に、それぞれ対応している。カッター動作機構部10およびカッター12が正常に動作する場合は、IN1/IN2用パルス信号が上記パルス数を出力するときに、カッター12は制御部101が定義するそれぞれの領域に存在することになる。
一方、上記IN1/IN2信号に応じたモーター制御信号発生回路208からIN1/IN2信号によってカッター動作機構部10が動作すると、上述したように機構部動作検出部11からM_ENC_OUT信号が出力されて、機構部制御カウンター/パルス生成回路210に入力する。図3に示す例は、IN1/IN2用パルス信号の出力が開始されてから101パルス目でカッター12が切断領域に達することが期待される(認識される)が、M_ENC_OUT信号よりカッター12は実際は103パルス目で切断領域に達していることがわかる。すなわち、IN1/IN2用パルス信号に基づいて定義される切断領域の開始パルス(101パルス目)よりも、このM_ENC_OUT信号は、2パルス分遅れて出力されることを示している。すなわち、M_ENC_OUT信号は、103パルス目で切断領域に達したことを示している。また、M_ENC_OUT信号は、162パルス目で切断領域を抜けること(切断終了)を示している。
以上の各パルスのカウント値は、上述したように、制御レジスタ209に記憶される。CPU201は、図6にて後述されるように、カッター12の1回のカット動作ごとに、制御レジスタ209のカウント値を読み出し、RAM203内に記憶させるとともに、予めROM202内に記憶させておいた基準のカウント値と比較を行う。この比較結果に基づいて、カッターの切断処理の精度に異常がないか確認を行う。基準値との差分が所定値以上になった場合、ユーザーに対して機構制御部の寿命が来ているので交換処理を行うよう通知を行う。なお、本実施形態では、M_ENC_OUT信号の差分が、移動領域および切断領域で5パルス以内であれば寿命ではないと判断する。 図4(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、カッターの位置による領域の設定を説明する図である。
図4(a)は、カッター12の切断動作を、ENC_OUT1/ENC_OUT2信号の100パルスで行う場合の、切断動作におけるカッターの動作領域をパルス数で示している。図4(a)に示すように、ENC_OUT1/ENC_OUT2信号の50パルス目までが、未だロール紙を切断する前の、上カッター106の移動している領域(移動領域)である。次の30パルスは、カッター106がロール紙を切断している領域(切断領域)であり、次の20パルスは、切断が完了してカッター106が戻る動作をするまでの遊びの領域(マスク領域)である。
図4(b)〜(d)に示すように、上カッター106には、その両端にスケール107、108がそれぞれ取り付けられている。一方、下カッター109と所定の位置関係で、上記スケールに対応するエンコーダー110、111が設けられている。本実施形態では、スケール107、108は100μm移動するごとにパルスを出力することが可能であり、カッターの切断動作時、カッター106は10mm下に移動する場合、エンコーダー110、111から100パルスの信号が出力される。カッター動作機構部10により上カッター106が移動して、スケール107、108がエンコーダー内部のセンサー部に入ると、エンコーダー110、111よりパルスの信号が出力される。
図4(b)〜(d)は、上述したカッター動作の領域ごとの上カッター106としたカッター109との関係を示している。図4(b)は、上カッター106が動作を開始してロール紙を切断開始する少し前の段階までの「移動領域」の状態を示している。カッター動作機構部10によって、上カッター106が下カッター部109の方向に移動すると、上カッター106の移動に伴ってスケール107、108がエンコーダー110、111内部のセンサーを通過する。これにより、パルス信号ENC_OUT1/ENC_OUT2が出力され始める。パルス信号ENC_OUT1/ENC_OUT2が50パルスの間が移動領域となる。
図4(c)は、上カッター106がロール紙を実際に切断する「切断領域」の状態を示している。制御部101では、この領域でエンコーダー110、111よって出力されるパルス信号ENC_OUT1/ENC_OUT2がカウントされ、カウント結果に不具合がある場合、切断処理に異常が発生していることを検出することができる。
図4(d)は、上カッター106がロール紙の切断完了後、元の位置に戻るまでの遊びの領域(「マスク領域」)の状態を示している。この領域まで切断処理が進んだ場合は、復旧処理は行わない。
図5(a)および(b)は、カッター12の切断動作に不具合が発生した場合を説明する図である。図5(a)は、ロール紙切断中の不具合の発生により上カッター106が正常に切断できていない状態を示している。ここでいう不具合とは、例えば、紙詰まりが挙げられる。図5(a)に示す例では、上カッター106は、紙詰まりによって図中右側に傾くことによって、スケール107はエンコーダー111の内部まで移動する。その結果、エンコーダー110及びエンコーダー111のうち一方は、切断領域に入っていることを示すパルス信号を出力し、他方は切断領域に入っていることを示すパルス信号を出力しない。本来であれば、移動領域にあるべきタイミングで、上記傾きによって、エンコーダー111は、移動領域を超えて切断領域に入っていることを示すパルス信号ENC_OUT2を出力する。一方で、上カッター106と一体化されているスケール108は傾きが発生するため、エンコーダー110内に入りきれず、正常であれば切断領域に入るタイミングであっても切断領域に入ったことを示すパルス信号ENC_OUT1を出力することができない。制御部101では、このエンコーダー110、111からのパルス信号ENC_OUT1/ENC_OUT2をカウンター回路205、206でそれぞれカウントする。そして、パルス信号ENC_OUT1/ENC_OUT2には差が生じるため、カウント差分検出回路207が、その差に基づいて、切断不良検出パルスを出力する。これにより、図5(b)に示すように、カッター動作機構部10によって上カッター106を元に戻す動作を行う。
図6は、本発明の一実施形態に係る切断動作の制御および不良確認の処理を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、制御部101のCPU201が、ROM202などに格納されている制御プログラムをRAM203にロードし、それを実行することにより行われる処理の流れを示す。
本処理が起動されると、制御部101のCPU201は、ROM202のデータを読み込む。すなわち、切断部のカッター動作不良確認のための設定値を読み込む。具体的には、切断開始からの移動領域を示す、ENC_OUT信号の50パルス、切断領域を示す30パルス、マスク領域を示す20パルス、およびENC_OUT信号パルスのカウント値の差分の閾値、すなわち、異常を示すと判定するパルス数(本実施形態では、10パルス)を読み込む。そして、これらのパラメータをワーク用のRAM203に展開する(S1〜S4)。また、図3にて上述したカッター動作機構部10からのM_ENC_OUT信号のカウント値に係るパラメータとして、機構部制御カウンタ/パルス生成回路210内部の基準クロックのパルスで、移動領域を示す100パルス、切断領域を示す60パルス、およびマスク領域を示す40パルス、およびメンテナンス情報に係る差分情報である±3パルスの、各パラメータをワーク用のRAM203に設定する(S1〜S4)。
そして、CPU201は、RAM203に展開されている切断動作の移動領域に対応するパラメータ50をカウンター回路1(205)およびカウンター回路2(206)の内部レジスタに書き込む(S1)。同様に、CPU201は、RAM203に展開されている切断領域に対応するパラメータ30をカウンター回路1(205)およびカウンター回路2(206)の内部レジスタに書き込む(S2)。さらに、CPU201は、RAM203に展開されているマスク領域に対応するパラメータ20をカウンター回路1(205)およびカウンター回路2(206)の内部レジスタに書き込む(S3)。続いて、CPU201は、RAM203内に展開されているエラーに係る差分パラメータをカウンター差分検出回路207の内部レジスタに書き込む(S4)。
上述の初期設定を終了すると、CPU201は待機状態となり、ユーザーによって記録処理が開始されるのを待つ。ユーザーより記録処理要求があって記録が開始されると、CPU201は、紙搬送機構部14の搬送用モータを制御して、ロール紙をカッターの所定の位置まで搬送する。ロール紙が所定の位置まで搬送されると、CPU201は、ロール紙カット処理を開始する(S5)。そして、CPU201は、カッター部12のカッター用モーターを動作させるため、ポート204を制御してENB信号を‘H’(ON)に設定する(S6)。その後、CW_SEL信号を‘H’(ON)に設定し、機構部制御カウンター/パルス生成回路210を起動させ、内部の基準クロック源に基づいたカウントを開始させるとともに、モーター制御信号発生回路208にパルス信号を出力する。そして、モーター制御信号発生回路208は、入力されたパルス信号を基準にカッター用モーターを正転させるための、IN1、IN2信号を生成してカッター動作機構部10に出力して、カッター用モーターを正転方向に駆動し、上カッター106の切断動作を開始させる(S7)。
これにより、上カッター106が動作を開始し、エンコーダー107/108よってENC_OUT信号が出力される。そして、カウンター回路1(205)およびカウンター回路2(206)にこの信号が入力されることによって上カッター106の動作状態の検出が行われる。詳しくは、図3にて上述したように、機構部制御カウンター/パルス生成回路210は、切断処理が開始されると、自らが生成している内部の基準クロックを基準として、モーター用エンコーダーからのM_ENC_OUT信号のカウント値を確認するとともに、カウント値の差分の結果をワークRAM203に記憶させる。また、機構部制御カウンター/パルス生成回路210は、切断領域Window信号を内部の基準クロックでカウントし上記カウント値の差分の結果をワークRAM203に記憶させる(S8)。
以上のように上カッター106の切断動作が行われるとき、カウンター回路1(205)およびカウンター回路2(206)は、エンコーダー1(110)およびエンコーダー2(111)によって出力されるパルス信号ENC_OUT1、ENC_OUT2をカウントする処理を行う。そして、カウンター回路1(205)およびカウンター回路2(206)は、それぞれカウントが50になると、切断領域1Window信号および切断領域2Window信号を出力する。また、カウンター回路1(205)およびカウンター回路2(206)は、それぞれのカウント結果を、カウンター差分検出回路207に出力する。
図7は、以上説明した、カッター12の動作が行われるときの信号およびその状態を説明する図であり、図8は、カッターの動作に不具合が生じたときを説明する同様の図である。
図7に示すように、カッター動作が正常なときは、上述したように、カッター用モーターを動作させるための「ENB」信号がONになるとともに、モーターの回転方向を定める「CW_SEL」信号がON、すなわち、正転となる。これにより、モータ制御信号発生回路208から「IN1」信号および「IN2」信号が出力されてカッター用モーターが回転し、上カッター106の動作が開始される。上カッター106が移動を始めると、そのエンコーダーからの「ENC_OUT1」信号および「ENC_OUT2」信号が出力される。そして、カウンター回路205、206は、これらの信号をカウントし、それぞれ50パルス分をカウントすると、「切断領域1Window信号(通知)」および「切断領域2Window信号(通知)」をONとする。そして、それぞれその状態を30パルス分維持すると、「切断領域1Window信号」および「切断領域2Window信号」をOFFとする。
これに対し、カッター12の動作に異常があり、例えば、図5(a)にて上述したように上カッター106が傾くと、図8に示すように、「ENC_OUT1」信号および「ENC_OUT2」信号のうち、一方の「ENC_OUT2」信号が出力されなくなり、それに応じてカウンター回路205とカウンター回路206のカウント値に差が生じる。この差が10パルスを超えると、カウンター差分検出回路207は「切断不良検出信号(パルス)」をONとする。そして、この信号がONとなると、モータ制御信号発生回路208は、「IN1」信号と「IN2」信号の位相を逆転させて、カッター用モーターを逆転させる。これによって、上カッター106を切断方向とは逆の方向に移動させる。その結果、カウンター回路205は、「ENC_OUT1」信号をカウントダウンすることになる。このとき、「ENC_OUT2」信号は出力されないため、カウント数は変化しない。カウンター回路205とカウンター回路206のカウント値の差が上記10パルス未満になると、カウンター差分検出回路207からの「切断不良検出信号」はOFFとなり、これに応じてモータ制御信号発生回路208は、「IN1」信号と「IN2」信号の位相を元に戻して上カッター106の切断動作を再開する。
再び図6を参照すると、ステップS8のパルス検出処理が開始されると、検出した各種信号に基づいて、図7および図8を参照して上述した異常検出処理などに基づくカッターの停止回避処理(S21)やメンテナンス通知処理(S22)などが行われる。以下、これらについて説明する。
ステップS9では、正常に切断動作が完了したか否かを判断する。すなわち、図3にて説明したように、「M_ENC_OUT」信号のパルス数と、制御部101が定義するカッターの動作の定義領域との差が5パルス未満のときは、正常に切断動作が完了したと判断する。制御部101が定義するカッターの動作の定義領域は、IN1/IN2用信号に基づいて定義され、例えば、制御部101が内部のクロック等を用いて管理してもよい。なお、本実施形態では、制御部101が定義するカッターの動作の定義領域は、IN1/IN2用信号により定義されるため、IN1/IN2用信号との差が5パルス未満のときに、正常に切断動作が完了したと判断してもよい。そして、ステップS10に移行し、カッター動作機構部10について、IN1/IN2用信号を基準とし、その移動領域でカウントする「M_ENC_OUT」信号のパルス数が101パルス±3パルスの範囲内(所定範囲内)にあるかどうか、切断領域終了までのパルス数が、160パルス±3パルスの範囲内にあるかどうかを確認する。また、上カッター106について、同様に上記IN1/IN2用信号を基準とし、その移動領域でカウントする動作状態信号である「ENC_OUT1」信号および「ENC_OUT2」信号のパルス数が50パルス±3パルスの範囲内で、切断領域終了までのパルス数が、80パルス±3パルスの範囲内にあるかどうかを確認する(S10)。
制御部101は、上記いずれかのパルス数がその範囲内にない場合は、その回数をメンテナンス情報として取得して所定のメモリに記憶する(S11)。具体的には、「M_ENC_OUT」信号のカウント値が規格から外れている場合は、ROM202およびRAM203内に切断回数と何回目の規格外れかを示す情報を記憶する。また、「ENC_OUT1」信号および「ENC_OUT2」信号のカウント値が規格から外れている場合は、ROM202およびRAM203内に切断動作の回数と何回目の規格外れかを示す情報を記憶する。一方、上記いずれのパルス数もその範囲内にある場合は、複数回の切断動作の回数を所定のメモリに記憶する(S12)。
次に、制御部101は、記録済みのロール紙の総ての切断処理が完了したか否かを判断し(S13)、続いて切断するロール紙がある場合は、S9に戻って、再度ロール紙をカットする処理を行う。総ての記録済みのロール紙のカットが完了したことを検出すると(S13でYES)、ワークRAM203内の規格外の回数と、切断動作の回数を読み出し、規格外の回数の割合を求め、これが所定の割合以上か否かを判断する(S14)。
制御部101は、規格外の割合が所定の割合以上か否かを判断し(S14)、規格外の割合が所定の割合以上である場合は(S14でYES)、メンテナンスの通知を行う(S22)。具体的には、判断の結果、機構部動作検出部11のモーター用エンコーダーからのパルスの規格外の割合が所定割合以上あった場合は、モーターからメカ部の周りをメンテナンスするように表示部15に表示する。一方、カッター用エンコーダー110、111からのパルスが規格外の割合が所定値以上あった場合、カッター部12自体のメンテナンスをするようユーザーに対して報知を行い、さらに差分のカウント値が所定以上の場合には、切断ユニット全体をメンテナンスするよう報知を行う(S22)。
いずれのパルスについても規格外の割合が所定割合未満である場合は(S14でNO)、制御部101は記録終了処理を行い(S15)、搬送用モーター102を制御してロール紙をもとに戻すとともに、ヘッド等の退避処理を行う。そして、制御部101は、前回記録時の規格外の割合に対し、今回の記録後の規格外の割合が大きくなっている場合、その割合から次にメンテナンスの時期がいつになるか推定して算出を行う(S16)。メンテナンス時期の算出方法は、例えば、前回の規格外の割合と、今回の規格外の割合との差分を算出するとともに、その差分が生じるのに要した時間を計算し、これらからマージンを考慮して規格外の割合が上記所定値以上となる時期を推定する。この算出結果は、ユーザーに音声や表示で通知することやユーザーの選択で画面等に表示するようにしてもよい。この処理を終了すると待機状態へと移行する(S17)。
ステップS9で、切断動作が正常に完了していない判断すると、制御部101は、M_ENC_OUT信号のパルスカウント値をカウントし(S18)、そのカウント値と制御部101が定義するカッターの動作の定義領域との差が5パルス以上の場合、カッター動作機構部10の異常を検出したと判定する(S19)。言い換えれば、このまま駆動するとエラーになると判断する。
このカッター動作機構部10の異常の場合、ステップS21で、記憶部203にエラーとなるカウント値を書き込み、モーター制御信号発生回路208を制御し、カッター用モーター103へのIN1、IN2信号を反転させるような信号を出力する。機構部制御カウンター/パルス生成回路210は、M_ENC_OUT信号のパルスカウントと、IN1/IN2用パルス信号のカウントが同じになるようカウントアップではなく、カウントダウン処理を行う。これにより、カウンター回路1(205)、カウンター回路2(206)のパルス信号のカウント値が同じになった場合、カウンター差分検出回路207は再度結果をカウンター回路1(205)、カウンター回路2(206)にフィードバックし、カウントアップ動作を開始する(S21)。本処理を繰り返すことで上カッター106が確実に切断可能になるまで制御を行うことで確実に切断処理を行う(S9)。
カッター動作機構部10に異常がないと判断した場合(S19)、図8にて上述したように、カウンター差分検出回路207が出力する差分が10以上か否かを判断し、10異常の場合はカッター異常を検出したと判定する(S20)。10以上でカッター動作自体に異常が発生していると判断すると、図8にて上述したように、上カッター106を切断動作とは逆の方向に移動した後、再度切断動作を行うようにする(S21)。なお、10未満でカッター動作事態に異常が発生していると判断しない場合は、S9に戻る。
以上説明したように、本実施形態によれば、シート切断制御において、実際の切断動作を検出して、カッターやこのカッターを駆動するためのカッター動作機構部の不具合を監視することにより、ユーザーに最適なメンテナンスの情報の提供が可能になる。また、カッターの動作やカッター動作機構部に異常が生じても、切断動作を停止することなく記録を継続でき、装置の信頼性を向上させることができる。また、装置が停止しないため、記録途中の記録物を廃棄する必要が無くなり経済的なプリント装置を提供することが可能となる。
(第2実施形態)
図9(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係るカッターの構成およびその動作を検出する機構を説明する図である。本発明の第2の実施形態は、上カッター106をロータリー形式で回転するように動作させる構成に関するものである。この構成では、上カッター部106は上下動ではなく、図9の紙面内で円を描くように、すなわち、切断面に対して円を描くように、移動してロール紙を切断する。この場合、上カッター106と一体で構成されるスケール107、108は、上カッター106の動きに合わせてエンコーダー110、111が検出できるよう、円形に形成される。
なお、上カッター106にスケール107、108を一体で構成するものとしているが、エンコーダー110、111を上カッター106と一体で構成するようにしてもよい。
上述した実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウエア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、1つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータを連動させて実行させるようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウエアで実現する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。
10 カッター動作機構部
11 機構部動作検出部
12 カッター
13 カッター動作検出部
14 紙搬送機構部
15 表示部
101 制御部
102 比較部
106 上カッター
107、108 スケール
109 下カッター
110、111 エンコーダ
201 CPU
205、206 カウンター回路
207 カウンター差分検出回路
208 モーター制御信号発生回路
209 制御レジスタ
210 機構部制御カウンター/パルス生成回路

Claims (12)

  1. シートを切断するためのカッターを動作させるための動作機構部と、
    前記カッターの動作状態を検出しカッター動作状態信号を出力する第1検出部と、
    前記動作機構部の動作状態を検出し機構部動作状態信号を出力する第2検出部と、
    前記動作機構部を制御するための基準信号を出力し、前記基準信号と、前記カッター動作状態信号および前記機構部動作状態信号との比較に基づいて、前記カッターおよび前記動作機構部の状態を判断しメンテナンス情報を取得する制御手段と、
    を具えたことを特徴とする切断制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記基準信号を基準とした、前記カッター動作状態信号および前記機構部動作状態信号のそれぞれのパルス数が、それぞれ所定範囲内にないとき、当該動作状態信号に係る前記カッターまたは前記動作機構部が規格外であるとするメンテナンス情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の切断制御装置。
  3. 前記制御手段は、切断動作の回数に対する前記規格外の回数の割合を求め、該割合が所定の割合以上の場合、当該カッターまたは動作機構部をメンテナンスするよう、報知手段に報知を行わせることを特徴とする請求項2に記載の切断制御装置。
  4. 前記制御手段は、切断動作の回数に対する前記規格外の回数の割合を求め、該割合が所定の割合未満の場合、複数回の切断動作の間の前記割合の変化に基づいて、メンテナンス時期を判断することを特徴とする請求項2に記載の切断制御装置。
  5. シートに印刷を行う印刷部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の切断制御装置。
  6. シートを切断するためのカッター動作を行うカッター部を動作させるための動作機構部と、
    前記カッター部におけるカッターの動作状態を検出しカッター動作状態信号を出力するカッター動作検出部と、
    前記カッター部を制御するための基準信号を出力し、前記基準信号が示す前記カッター動作の領域に関する、前記カッター動作状態信号に基づいて、前記カッター動作の異常を判断する制御手段と、
    を具えたことを特徴とする切断制御装置。
  7. 前記カッター動作検出部は、前記カッターの複数の位置の移動をそれぞれ検出するための複数のエンコーダを有し、前記複数のエンコーダの出力に応じて前記カッターの動作状態を検出することを特徴とする請求項6に記載の切断制御装置。
  8. 前記カッター動作検出部は、前記複数のエンコーダが出力するパルス信号のパルス数の差に応じて前記カッターの動作状態を検出することを特徴とする請求項7に記載の切断制御装置。
  9. シートに印刷を行う印刷部をさらに備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の切断制御装置。
  10. シートを切断するためのカッターの動作状態を検出しカッター動作状態信号を出力する第1検出工程と、
    前記カッターを動作させるための動作機構部の動作状態を検出し機構部動作状態信号を出力する第2検出工程と、
    前記動作機構部を制御するための基準信号を出力し、前記基準信号と、前記カッター動作状態信号および前記機構部動作状態信号との比較に基づいて、前記カッターおよび前記動作機構部の状態を判断しメンテナンス情報を取得する制御工程と、
    を有したことを特徴とする切断制御方法。
  11. シートを切断するためのカッター動作を行うカッター部におけるカッターの動作状態を検出しカッター動作状態信号を出力するカッター動作検出工程と、
    前記カッター部を制御するための基準信号を出力し、前記基準信号が示す前記カッター動作の領域に関する、前記カッター動作状態信号に基づいて、前記カッター動作の異常を判断する制御工程と、
    を有したことを特徴とする切断制御方法。
  12. 請求項10または11に記載の切断制御方法をコンピュータにより実行することを特徴とするプログラム。
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