JP6301960B2 - リニアモータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電流を通電したコイルと磁石との間に発生する推力により移動体が軌道部材に沿って移動するリニアモータ装置に関し、より詳細には、磁石が形成する磁界の影響を緩和する磁気遮蔽構造に関する。
多数の電子部品が装着された基板を生産する設備として、半田印刷機、部品実装機、リフロー炉、基板検査機などがある。これらの設備を基板搬送装置で連結して基板生産ラインを構築することが一般的になっている。部品実装機や基板検査機では、実装ヘッドや検査ヘッドの駆動装置として、従来から送りねじ駆動装置が用いられてきた。近年では、ヘッドの高速移動および高精度位置制御への要求が高まり、駆動装置としてリニアモータ装置が用いられるようになってきている。特に、限られた設置スペースで大きな推力を発生できるシャフト型リニアモータ装置が注目されている。
本願出願人は、この種のシャフト型リニアモータ装置の技術例を特許文献1に開示している。特許文献1の円筒型リニアモータは、複数の永久磁石を直線状に組み付けたシャフト状の固定子と、複数のコイルを内蔵した可動子とを備え、固定子の永久磁石の間に厚み寸法の限定された磁性体スペーサが挟み込まれている。これにより、推力の低下を抑制しつつ、固定子の組立作業を能率良く行うことができる。
ところで、シャフト型に限らず一般的なリニアモータ装置で大きな推力を得るためにコイルの通電電流を増加させると、損失熱が増加して温度上昇が顕著になる。このため、例えば放熱フィンや冷却ファンを用いて、コイルを強制的に冷却する必要が生じる。また、大きな推力を得るために強力な永久磁石を用いると、永久磁石によって形成された磁界が近隣の電装部品に影響を及ぼす。このため、磁界の影響の緩和に磁気遮蔽部材を用いる必要が生じる。磁気遮蔽が必要とされる電装部品(磁気遮蔽対象物)として、CPUを始めとする電子制御部品や、磁界変化を利用した検出方式のセンサなどを例示できる。リニアモータ装置で磁気遮蔽を行う技術例が特許文献2および特許文献3に開示されている。
特許文献2の請求項4のリニアモータ対は、可動子を構成する4N組の磁石ペアおよびヨークを磁気シールドで囲むように構成することを特徴としている。さらに、特許文献2の実施例2には、可動子の周囲の大部分を取り囲むように磁気シールドを2層配置した態様が開示されている。これにより、可動子からの漏洩磁場を低減できる、とされている。
また、特許文献3の請求項1の電気機械は、第1の作動部分と、第2の作動部分と、両作動部分の間の運動量(相対移動量)を検出するセンサ装置と、を備えている。そして、漂遊磁場に感応するセンサ装置が一方の作動部分に装着され、センサ装置と少なくとも一方の作動部分との間に磁気遮蔽装置が配置されている。特許文献3の請求項2では、電気機械がリニアモータとして構成され、第1の作動部分が第1次部分(移動体)、第2の作動部分が第2次部分(軌道部材)であると特定されている。さらに、特許文献3の実施形態において、センサ装置は移動体に装着されて軌道部材の度量器(リニアスケール)を走査する位置検出センサとされている。また、磁気遮蔽装置は、簡単な細片の遮蔽板とされており、軌道部材の永久磁石と移動体のセンサ装置との間に立設されている。
なお、リニアモータ装置は、部品実装機や基板検査機の用途に限定されず、直進可動部を有する各種の産業機械に広く用いられている。
特開2008−206335号公報 特開2011−193703号公報 特表2009−529131号公報
ところで、特許文献2のリニアモータ対の磁気シールドで、可動子(移動体)からの漏洩磁場を低減して、他装置への磁界の影響を緩和できる点は好ましい。しかしながら、この磁気シールドは、可動子上に配設された電装部品を磁気遮蔽することができない。このため、可動子上の電装部品が磁石ペアの磁界の影響を受けて機能停止したり、誤動作したり、精度低下したりするおそれを解消できない。
これに対して、特許文献2に開示された細片の遮蔽板は、移動体のセンサ装置を軌道部材の永久磁石から磁気遮蔽している。ところが、永久磁石の磁界を強くして大きな推力を得ようとすると、細片の遮蔽板では十分な磁気遮蔽効果を得ることが困難になり、センサ装置が磁界の影響を受けるおそれは解消されない。この対策として、遮蔽板の面積を十分に拡げれば磁気遮蔽効果は向上する。しかしながら、遮蔽板は鉄などの強磁性材料で形成されるので、永久磁石から遮蔽板に強い磁気吸引力が作用する。この磁気吸引力は、移動体の移動方向に交叉しておりかつ遮蔽板の面積に応じて増加するので、移動体の円滑な移動を妨げる。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、磁石が形成する磁界から磁気遮蔽対象物を磁気遮蔽する効果を従来よりも高めつつ、磁石から磁気遮蔽部材に作用して移動体の円滑な移動を妨げる磁気吸引力の増加を抑制したリニアモータ装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係るリニアモータ装置の発明は、移動方向に延在して磁石およびコイルの一方を有する軌道部材と、前記軌道部材に移動可能に装架されて前記磁石および前記コイルの他方を有する移動体とを備え、前記コイルに電流を通電して前記磁石との間に前記移動方向の推力を発生するリニアモータ装置であって、前記コイルを有する前記軌道部材または前記移動体は、前記磁石が形成する磁界の影響の緩和が必要な磁気遮蔽対象物と、強磁性材料で形成されて前記磁気遮蔽対象物を前記磁界から遮蔽する磁気遮蔽部材とを有し、前記磁気遮蔽部材は、前記磁気遮蔽対象物と前記磁石との間で前記移動方向に平行配置された平行遮蔽板、ならびに、前記平行遮蔽板の前記移動方向の前縁および後縁の少なくとも一方から前記移動方向に対して垂直に前記磁石から遠ざかる方向に配置された垂直遮蔽板を有し、前記軌道部材は、複数の前記磁石を同極性の磁極同士が対向するように前記移動方向に並べて形成したシャフト状軌道部材であり、前記移動体は、前記シャフト状軌道部材を周回して巻回された前記コイルを有する筒状移動体であり、前記筒状移動体は、周方向の特定角度範囲内に前記磁気遮蔽対象物および前記磁気遮蔽部材を有し、さらに、前記周方向の特定角度範囲外に強磁性材料で形成された磁気力相殺部材を有しており、複数の前記磁石が前記磁気遮蔽部材を吸引する磁気吸引力の少なくとも一部は、複数の前記磁石が前記磁気力相殺部材を吸引する磁気吸引力によって相殺される。
これによれば、コイルを有する軌道部材または移動体に磁気遮蔽対象物および磁気遮蔽部材が設けられており、磁石が形成する磁界から磁気遮蔽対象物を遮蔽する磁気遮蔽部材は、平行遮蔽板ならびに垂直遮蔽板を有している。一方、従来技術のリニアモータ装置において、磁気遮蔽部材は設けられないか、仮に設けられても平行遮蔽板のみからなる。したがって、本発明によれば、従来技術で磁気遮蔽対象物に到達していた磁力線の一部を垂直遮蔽板および平行遮蔽板により効果的に遮蔽して磁気遮蔽対象物への到達を阻止でき、磁気遮蔽効果が高まる。
また、鉄などの強磁性材料で形成される磁気遮蔽部材には、磁石から強い磁気吸引力が作用する。従来技術で磁気遮蔽効果を高めるために平行遮蔽板の面積を拡げた場合に、磁気吸引力は、面積に対応して増加する。一方、本発明で垂直遮蔽板は平行遮蔽板の前縁および後縁の少なくとも一方に連なり磁石から遠ざかる方向に配置される。したがって、仮に磁気遮蔽部材の面積を同じだけ増加させても、本発明では垂直遮蔽板が磁石から遠ざかる分だけ、従来技術よりも磁気吸引力の増加を抑制できる。これにより、本発明では、移動体の円滑な移動が磁気吸引力によって妨げられない。
さらに、軌道部材は、シャフト状軌道部材であり、移動体は、シャフト状軌道部材を周回して巻回されたコイルを有する筒状移動体である。これによれば、大きな推力を得るのに適したシャフト型リニアモータ装置で磁石の磁界を強くしても、十分な磁気遮蔽効果が得られる。また、筒状移動体は、周方向の特定角度範囲内に磁気遮蔽対象物および磁気遮蔽部材を有し、さらに、周方向の特定角度範囲外に強磁性材料で形成された磁気力相殺部材を有している。これによれば、筒状移動体に作用する横揺れ方向の正味の磁気吸引力が低減されて横揺れが軽減され、筒状移動体の円滑な移動が妨げられない。
また、請求項3に係るリニアモータ装置の発明は、移動方向に延在して磁石およびコイルの一方を有する軌道部材と、前記軌道部材に移動可能に装架されて前記磁石および前記コイルの他方を有する移動体とを備え、前記コイルに電流を通電して前記磁石との間に前記移動方向の推力を発生するリニアモータ装置であって、前記コイルを有する前記軌道部材または前記移動体は、前記磁石が形成する磁界の影響の緩和が必要な磁気遮蔽対象物と、強磁性材料で形成されて前記磁気遮蔽対象物を前記磁界から遮蔽する磁気遮蔽部材とを有し、前記磁気遮蔽部材は、前記磁気遮蔽対象物と前記磁石との間で前記移動方向に平行配置された平行遮蔽板、ならびに、前記平行遮蔽板の前記移動方向の前縁および後縁の少なくとも一方から前記移動方向に対して垂直に前記磁石から遠ざかる方向に配置された垂直遮蔽板を有し、前記磁気遮蔽対象物は、前記コイルを冷却する冷却ファンであり、前記磁気遮蔽部材の前記垂直遮蔽板は、冷却用の空気の流通を許容する刳り抜き穴を有する。
これによれば、磁気遮蔽効果が高まることに加え、刳り抜き穴により、冷却ファンによる空気の吸い込みおよび吹き出しが妨げられない。
実施形態のリニアモータ装置を構成するシャフト状軌道部材の斜視図である。 実施形態のリニアモータ装置を構成する筒状移動体の斜視図である。 磁気遮蔽対象物である後側冷却ファンを永久磁界から遮蔽する磁気遮蔽部材の斜視図である。 後側冷却ファンを取り付けるために従来技術で用いる取付部材の斜視図である。 磁気遮蔽部材が無い条件で磁界強度の分布をシミュレーションした非遮蔽モデルの形状を示す図である。 図5のA1断面における磁界強度の分布を示した図である。 図5のA2断面における磁界強度の分布を示した図である。 平行遮蔽板および外側平行遮蔽板からなる磁気遮蔽部材を用いた条件で磁界強度の分布をシミュレーションした平行遮蔽モデルの形状を示す図である。 図8のB1断面における磁界強度の分布を示した図である。 図8のB2断面における磁界強度の分布を示した図である。 上から見て矩形の磁気遮蔽部材を用いた条件で磁界強度の分布をシミュレーションした矩形遮蔽モデルの形状を示す図である。 図11のC1断面における磁界強度の分布を示した図である。 図11のC2断面における磁界強度の分布を示した図である。 実施形態のリニアモータ装置で、筒状移動体が移動するときに発生する横揺れの振動量を測定した波形である。 実施形態のリニアモータ装置から磁気力相殺部材を取り外して、筒状移動体が移動するときに発生する横揺れの振動量を測定した波形である。
本発明の実施形態のリニアモータ装置について、図1〜図15を参考にして説明する。実施形態のリニアモータ装置は、シャフト状軌道部材1および筒状移動体2で構成されている。図1は、実施形態のリニアモータ装置を構成するシャフト状軌道部材1の斜視図である。シャフト状軌道部材1は、複数の永久磁石11が移動方向に列設されて形成されている。また、図2は、実施形態のリニアモータ装置を構成する筒状移動体2の斜視図である。筒状移動体2は、シャフト状軌道部材1が係入する内筒部31を有しており、シャフト状軌道部材1に移動可能に装架されている。筒状移動体2は、図2の右手前側から左奥側へと往復移動する。便宜的に左奥側を前側、右手前側を後側とする。
図1に示されるように、シャフト状軌道部材1は、複数の永久磁石11、複数の磁性体スペーサ12、および図略のパイプ材で構成されている。パイプ材は、非磁性材料で形成されて筒状移動体2の移動範囲に延在する細長い円筒状の部材である。パイプ材の内部空間には、複数の永久磁石11および複数の磁性体スペーサ12が移動方向に交互に接して収納されている。
永久磁石11は、強磁性材料を用いて、パイプ材の内径よりもわずかに小さな外径を有する円柱形状に形成されている。永久磁石11の円柱形状の上底面111にN極が形成され、下底面112にS極が形成されている。磁性体スペーサ12は、強磁性材料を用いて、概ね永久磁石11と同じ外径を有する厚み寸法Tの円板形状に形成されている。磁性体スペーサの厚み寸法Tの決め方については、特許文献1に開示済みであるので、詳細な説明は省略する。磁性体スペーサ12を挟んで隣り合う永久磁石11は、同極性の磁極同士が向かい合うように配置される(図1にS、Nで示す)。複数の永久磁石11は、パイプ材の有無に影響されずに周囲の空間に永久磁界を形成する。
図2に示されるように、筒状移動体2は、筒状本体ユニット3および冷却ユニット4などで構成されている。筒状本体ユニット3は、外形形状が移動方向に長い略直方体であり、移動方向に貫通する内筒部31が形成されている。詳細には、筒状本体ユニット3の移動方向に直角な断面は、概ね正方形の一隅が斜めに切り取られた五角形であり、その中心に内筒部31が形成されている。筒状本体ユニット3は、移動方向に列設された11個のコイルを有している。各コイルは、シャフト状軌道部材1を周回するように巻回され、筒状本体ユニット3の内部に埋設されている。
筒状移動体2は、図略の位置検出部、移動制御部、および電源部を搭載している。位置検出部は、シャフト状軌道部材1上における筒状移動体2の現在位置を検出する。移動制御部は、検出された現在位置および移動指令に基づいて、電源部からコイルに流れる電流の大きさおよび方向を可変に制御する。これにより、筒状移動体2のコイルが形成する電流磁界と、シャフト状軌道部材1の永久磁石11が形成する永久磁界との間に、移動方向の推力が発生する。大きな推力を得るためにコイルに大きな電流を流すので、コイルは強制的に冷却する必要がある。また、電源部は、後述する冷却ファン51、55にも電源を供給している。
冷却ユニット4は、筒状本体ユニット3の一方の側面に付設されている。つまり、冷却ユニット4は、筒状移動体2の周方向の特定角度範囲内に配設されている。冷却ユニット4は、外形形状が移動方向に長い略直方体形状である。冷却ユニット4の移動方向の長さ寸法は筒状本体ユニット3の長さに匹敵し、移動方向に直角な幅寸法は筒状本体ユニット3よりも小さめである。冷却ユニット4は、前側から後側に向かって順番に前側冷却ファン51、6組の前側放熱フィン52、仕切り板53、5組の後側放熱フィン54、および後側冷却ファン55が列設されて構成されている。
6組の前側放熱フィン52および5組の後側放熱フィン54は、筒状本体ユニット3内のコイルに一対一で設けられている。各放熱フィン52、54は、熱伝導率の高い材質、例えばアルミニウムなどで形成されている。放熱フィン52、54は、一側がコイルに近接し、または熱伝導性絶縁物を介してコイルに接し、他側がコイルから離れて配置されている。放熱フィン52、54は、移動方向(前側と後側を結ぶ方向)の空気の流通を許容し、かつ上方から空気が流入出できるようになっている。放熱フィン52、54は、コイルで発生した損失熱を受け取り、空気中に放散する。
前側冷却ファン51は、前側放熱フィン52から空気を吸い込み、前方に向けて吹き出す。冷却用の空気は、上方から前側放熱フィン52に流入して(図2の矢印F1)内部を流通した後、前側冷却ファン51から前方に流出する(図2の矢印F2)。後側冷却ファン55は、冷却用の空気を後方から吸い込み(図2の矢印F3)、後側放熱フィン54に向けて吹き出す。空気は、後側放熱フィン54の内部を流通した後、いずれかから上方に流出する(図2の矢印F4)。放熱フィン52、54に空気を流通させる強制冷却方式を採用することで、自然冷却方式と比較して熱放散特性が格段に高められる。仕切り板53は、前側放熱フィン52と後側放熱フィン54との間の空気の流通を遮断する。また、仕切り板53に設けられた取付部56のネジ留めにより、冷却ユニット4が筒状本体ユニット3に取り付けられている。
前側冷却ファン51および後側冷却ファン55は、ファンの回転を制御する制御基板、およびファンの回転を検出するホールセンサを内蔵している。ホールセンサは、磁界変化を利用した検出方式のセンサであるので、永久磁石11が形成する永久磁界に影響されて検出精度が低下したり誤動作したりするおそれがある。したがって、前側冷却ファン51および後側冷却ファン55は、永久磁界の影響の緩和が必要な本発明の磁気遮蔽対象物に相当する。永久磁界の影響を緩和するために、前側冷却ファン51および後側冷却ファン55の周りにそれぞれ磁気遮蔽部材6が配設されている。なお、磁気遮蔽対象物は、冷却ファン51、55に限定されない。例えば、前述した筒状移動体2の位置検出部や移動制御部などの電子制御部品も、磁気遮蔽対象物に該当する場合がある。
前側冷却ファン51および後側冷却ファン55の周りに配設された2個の磁気遮蔽部材6は、互いに鏡面対称(ミラーイメージ)の同一形状である。そこで、後側冷却ファン55側の磁気遮蔽部材6を例にして説明する。図3は、磁気遮蔽対象物である後側冷却ファン55を永久磁界から遮蔽する磁気遮蔽部材6の斜視図である。磁気遮蔽部材6は、概ね上方に開口する直方体の箱形状に形成されており、以下詳述する。
磁気遮蔽部材6は、略矩形の底板と、底板の4辺からそれぞれ立設された平行遮蔽板61、前側垂直遮蔽板62、後側垂直遮蔽板63、および外側平行遮蔽板64とにより形成されている。平行遮蔽板61は、後側冷却ファン55と永久磁石11(図3で左手前に位置する)との間で移動方向に平行配置されている。前側垂直遮蔽板62は、平行遮蔽板61の移動方向の前縁に連なり、移動方向に対して垂直に永久磁石11から遠ざかる方向に配置されている。後側垂直遮蔽板63は、平行遮蔽板61の移動方向の後縁に連なり、移動方向に対して垂直に永久磁石11から遠ざかる方向に配置されている。外側平行遮蔽板64は、前側垂直遮蔽板62および後側垂直遮蔽板63の永久磁石11から離れた側の縁を連結して配置されている。そして、底板の上に後側冷却ファン55が固設されている。したがって、上方から見て、磁気遮蔽部材6は、後側冷却ファン55を矩形に囲んでいる。
前側垂直遮蔽板62は、中央に略円形の大きな刳り抜き穴621が形成されている。後側垂直遮蔽板63は、中央に円形の大きめの中央刳り抜き穴631が形成され、中央刳り抜き穴631の周りに8個の小さめの周辺刳り抜き穴632が形成されている。これらの刳り抜き穴621、631、632により、後側冷却ファン55による空気の吸い込みおよび吹き出しが妨げられない。
磁気遮蔽部材6は、例えば、軟鉄などの強磁性材料の板材に打ち抜きプレス加工や曲げ成形加工などを施して製作することができる。磁気遮蔽部材6は、軟鉄以外の強磁性材料で製作されていてもよく、また、製作方法は特に制約されない。
参考までに、図4は、後側冷却ファン55を取り付けるために従来技術で用いる取付部材9の斜視図である。従来技術の取付部材9は、略矩形の底板91、および底板91の一辺から立設された矩形の平行遮蔽板92により、正面視でL字状に形成されている。
図2に示されるように、筒状本体ユニット3は、さらに、磁気力相殺部材7を有している。磁気力相殺部材7は、例えば、軟鉄などの強磁性材料からなり、移動方向に長い矩形の板材で形成されている。磁気力相殺部材7は、筒状本体ユニット3の他方の側面に付設されている。つまり、磁気力相殺部材7は、筒状移動体2の冷却ユニット4が配設された周方向の特定角度範囲の反対側の角度範囲に配置されている。具体的には、磁気力相殺部材7は、筒状本体ユニット3を中心として、後側冷却ファン55の概ね対称位置に配置されている。
磁気力相殺部材7は、永久磁石11が磁気遮蔽部材6を吸引する磁気吸引力を相殺するための部材である。ここで、磁気遮蔽部材6と同一形状で同一材質のダミー部材を製作して、磁気遮蔽部材6の対称位置に配置すれば、磁気吸引力を相殺できることは明らかである。なぜなら、永久磁石11が磁気遮蔽部材6を吸引する磁気吸引力と、ダミー部材を吸引する磁気吸引力とが、同じ大きさで逆向きになるからである。しかしながら、このようなダミー部材は、筒状移動体2の幅寸法を著しく増加させて好ましくない。
このため、単純な板材の磁気力相殺部材7でもダミー部材と同等の効果が得られるように、磁気吸引力のシミュレーションを行うことが好ましい。さらに、シミュレーションは、磁気力相殺部材7を形成する板材の大きさや厚さ、配設位置、取付方法などをパラメータとして、複数回行うことが好ましい。これにより、筒状移動体2を大きくすることなく磁気吸引力を効果的に相殺し、かつ取付方法が容易になる最適な磁気力相殺部材7の板材形状を求めることができる。
なお、図2において、後側冷却ファン55の概ね対称位置だけでなく、前側冷却ファン51の概ね対称位置にも磁気力相殺部材7を配置してよい。また、筒状本体ユニット3の移動方向の中間位置の付近に1個の磁気力相殺部材7のみを配置することも考えられる。磁気力相殺部材7は板材に限定されず、その形状、個数、配設位置、および取付方法などには自由度がある。
次に、上述のように構成された実施形態のリニアモータ装置の磁気遮蔽の作用について、シミュレーション結果を参考にして説明する。シミュレーションは、非遮蔽モデル、平行遮蔽モデル、および矩形遮蔽モデルの3モデルで実施している。3モデルの共通条件として、前側冷却ファン51が或る永久磁石11の真横に位置した場合をモデル化する。モデル化では、前側冷却ファン51、永久磁石11、および磁気遮蔽部材6B、6Cのみを考慮し、他の部材は比透磁率が概ね1であるとして考慮しない。
図5は、磁気遮蔽部材が無い条件で磁界強度の分布をシミュレーションした非遮蔽モデルの形状を示す図である。非遮蔽モデルでは、前側冷却ファン51および永久磁石11のみが考慮されている。図5の紙面上下方向が筒状移動体2の移動方向であり、紙面左側から右側に向かう方向を垂直外方向とする。また、図中の位置P1は前側冷却ファン51の永久磁石11に近い一側面を示し、位置P3は前側冷却ファン51の永久磁石11から離れた他側面を示している。さらに、位置P2は、前側冷却ファン51の前寄り中央に配置されたホールセンサの位置P2を示している。この位置P2で、磁界の緩和の必要性が最も高い。図5のA1断面は、前側冷却ファン51の中心位置を通る断面である。図5のA2断面は、前側冷却ファン51のホールセンサの位置P2を通る断面である。なお、後述する図8のB1断面および図11のC1断面は、A1断面と同じ位置に対応しており、図8のB2断面および図11のC2断面は、A2断面と同じ位置に対応している。
図5に示す非遮蔽モデルで、図6および図7に示されるシミュレーション結果が得られている。図6は、図5のA1断面における磁界強度HA1の分布を示した図であり、図7は、図5のA2断面における磁界強度HA2の分布を示した図である。磁気遮蔽部材を考慮しない非遮蔽モデルでは、全領域が比透磁率1となるため、磁気双極子の一般的な磁界が形成される。これにより、磁界強度HA1および磁界強度HA2は、永久磁石11の中心からの距離が増加する垂直外方向に進むにつれてなだらかに減少している。
図8は、平行遮蔽板61および外側平行遮蔽板64からなる磁気遮蔽部材6Bを用いた条件で磁界強度の分布をシミュレーションした平行遮蔽モデルの形状を示す図である。平行遮蔽板61は前側冷却ファン51の一側面(位置P1)に接して配置され、外側平行遮蔽板64は前側冷却ファン51の他側面(位置P3)に接して配置されたものとする。平行遮蔽モデルで、図9および図10に示されるシミュレーション結果が得られている。
図9は、図8のB1断面における磁界強度HB1の分布を示した図である。磁界強度HB1は、永久磁石11の中心位置から垂直外方向に進むにつれて大きく減少している。これにより、位置P1での磁界強度HB1(P1)は、図6に示される非遮蔽モデルの磁界強度HA1(P1)よりもかなり減少している。また、位置P3での磁界強度HB1(P3)は概ねゼロになっている。
一方、位置P3よりも垂直外方向に離れた領域で、磁界強度HB1は、非遮蔽モデルの磁界強度HA1よりも増加している。つまり、非遮蔽モデルで前側冷却ファン51に到達していた磁力線の一部は、平行遮蔽モデルで前側冷却ファン51の外側に誘導され、前側冷却ファン51への到達が阻止されている。磁気遮蔽の定量的な評価として、磁界強度HB1の前側冷却ファン51の幅範囲(P1〜P3の範囲)の平均値は、非遮蔽モデルの平均値の32%まで低減されている。つまり、図9に斜線で示された面積SBは、図6に斜線で示された面積SAの32%になっている。
図10は、図8のB2断面における磁界強度HB2の分布を示した図である。位置P1での磁界強度HB2(P1)および位置P3での磁界強度HB2(P3)は、概ねゼロになっている。定性的には、B1断面の磁界強度HB1と同様に、磁気遮蔽の効果は生じている。ただ、ホールセンサの位置P2における磁界強度HB2(P2)は、図7に示される非遮蔽モデルの磁界強度HA2(P2)の64%まで低減されているに過ぎない。したがって、ホールセンサの位置P2で磁気遮蔽効果が生じているものの、定量的には必ずしも十分とは言えない。
図11は、上から見て矩形の磁気遮蔽部材6Cを用いた条件で磁界強度の分布をシミュレーションした矩形遮蔽モデルの形状を示す図である。磁気遮蔽部材6Cは、前側冷却ファン51の4側面に接して配置されたものとする。図11に示される矩形遮蔽モデルで、図12および図13に示されるシミュレーション結果が得られている。
図12は、図11のC1断面における磁界強度HC1の分布を示した図である。磁界強度HC1は、前側冷却ファン51の幅範囲(P1〜P3の範囲)で極めて小さくなっている。また、位置P3よりも垂直外方向に離れた領域で、磁界強度HC1は、非遮蔽モデルの磁界強度HA1よりも増加している。つまり、非遮蔽モデルで前側冷却ファン51に到達していた磁力線の大部分が、矩形遮蔽モデルで前側冷却ファン51の外側に誘導され、前側冷却ファン51への到達が阻止されている。
図13は、図11のC2断面における磁界の強度HC2の分布を示した図である。磁界強度HC2は、前側冷却ファン51の幅範囲(P1〜P3の範囲)で小さくなっている。そして、ホールセンサの位置P2における磁界強度HC2(P2)は、図7に示される非遮蔽モデルの磁界強度HA2(P2)の32%と、1/3以下まで低減されている。したがって、ホールセンサの位置P2で、定量的に十分な磁気遮蔽効果が得られている。
実際の磁気遮蔽部材6と異なり、シミュレーションに用いた矩形の磁気遮蔽部材6Cは、前側垂直遮蔽板62および後側垂直遮蔽板63に相当する位置に刳り抜き穴621、631、632を有していない。したがって、実際の磁気遮蔽部材6で得られる磁気遮蔽効果は、矩形遮蔽モデルの効果よりも多少は減殺されるが、平行遮蔽モデルの効果を上回ることは確実である。このことは、実際の磁気遮蔽部材6を用いた実験でも裏付けられている。
なお、本実施形態において、コイルが形成する電流磁界の影響は、永久磁石11が形成する永久磁界の影響と比較して小さいので、上述のシミュレーションでは省略した。仮に、電流磁界が比較的大きな場合であっても、磁気遮蔽部材6は電流磁界および永久磁界に対して同等の磁気遮蔽性能を有している。
次に、実施形態のリニアモータ装置の磁気吸引力相殺の作用について、実験結果を参考にして説明する。図14は、実施形態のリニアモータ装置で、筒状移動体2が移動するときに発生する横揺れの振動量を測定した波形である。また、図15は、実施形態のリニアモータ装置から磁気力相殺部材7を取り外して、筒状移動体2が移動するときに発生する横揺れの振動量を測定した波形である。図14および図15の波形の横軸は時間を表し、縦軸は移動方向に直角な横揺れの振動量を表している。かつ、図14および図15の波形は、同じ掃引時間および同じ測定レンジで測定されている。
図14の実施形態における横揺れの振幅は、図15の磁気力相殺部材7を取り外したときの振幅の概ね半分になっている。この振幅の差異は、磁気力相殺部材7の有無のみに起因して発生している。磁気力相殺部材7を取り外した構成で、永久磁石11が磁気遮蔽部材6を吸引する磁気吸引力は、筒状移動体2と永久磁石11との位置関係に依存して大きく変化する。例えば、筒状移動体2の磁気遮蔽部材6が永久磁石11のN極やS極の真横に位置すると磁気吸引力は最大になり、磁気遮蔽部材6が永久磁石11のN極とS極の中間に位置すると磁気吸引力は最小になる。これにより、筒状移動体2には大きな横揺れが発生して、円滑な移動が妨げられる。
これに対して、実施形態の構成では、永久磁石11が磁気遮蔽部材6を吸引する磁気吸引力の少なくとも一部は、永久磁石11が磁気力相殺部材7を吸引する磁気吸引力によって相殺されている。これにより、筒状移動体2に作用する横揺れ方向の正味の磁気吸引力が低減され、結果として横揺れが1/2程度に軽減されている。したがって、筒状移動体2の円滑な移動が妨げられない。
実施形態のリニアモータ装置は、移動方向に延在して複数の永久磁石11を有するシャフト状軌道部材1と、シャフト状軌道部材1に移動可能に装架されてコイル有する筒状移動体2とを備え、コイルに電流を通電して永久磁石11との間に移動方向の推力を発生するリニアモータ装置であって、コイルを有する筒状移動体2は、永久磁石が形成する永久磁界の影響の緩和が必要な冷却ファン51、55(磁気遮蔽対象物)と、強磁性材料で形成されて冷却ファン51、55を永久磁界から遮蔽する磁気遮蔽部材6とを有し、磁気遮蔽部材6は、冷却ファン51、55と永久磁石11との間で移動方向に平行配置された平行遮蔽板61、ならびに、平行遮蔽板61の移動方向の前縁および後縁から移動方向に対して垂直に永久磁石から遠ざかる方向に配置された前側垂直遮蔽板62および後側垂直遮蔽板63を有する。
これによれば、コイルを有する筒状移動体2に冷却ファン51、55(磁気遮蔽対象物)および磁気遮蔽部材6が設けられており、永久磁石11が形成する永久磁界から冷却ファン51、55を遮蔽する磁気遮蔽部材6は、平行遮蔽板61ならびに垂直遮蔽板62、63を有している。一方、従来技術のリニアモータ装置において、磁気遮蔽部材は設けられないか、仮に設けられても平行遮蔽板のみからなる。したがって、本実施形態によれば、従来技術で磁気遮蔽対象物に到達していた磁力線の一部を平行遮蔽板61および垂直遮蔽板62、63により効果的に遮蔽して冷却ファン51、55への到達を阻止でき、磁気遮蔽効果が高まる。
また、軟鉄などの強磁性材料で形成される磁気遮蔽部材6には、永久磁石11から強い磁気吸引力が作用する。従来技術で磁気遮蔽効果を高めるために平行遮蔽板の面積を拡げた場合に、磁気吸引力は、面積に対応して増加する。一方、本実施形態で垂直遮蔽板62、63は平行遮蔽板61の前縁および後縁に連なり永久磁石11から遠ざかる方向に配置される。したがって、仮に磁気遮蔽部材の面積を同じだけ増加させても、本実施形態では垂直遮蔽板62、63が磁石から遠ざかる分だけ、従来技術よりも磁気吸引力の増加を抑制できる。これにより、本実施形態では、筒状移動体2の円滑な移動が磁気吸引力によって妨げられない。
さらに、実施形態のリニアモータ装置において、磁気遮蔽部材6は、平行遮蔽板61、平行遮蔽板61の移動方向の前縁および後縁から配置された前側垂直遮蔽板62および後側垂直遮蔽板63、ならびに、2枚の垂直遮蔽板62、63の永久磁石11から離れた側の縁を連結する外側平行遮蔽板64を有して、冷却ファン51、55(磁気遮蔽対象物)を矩形に囲んでいる。
これによれば、永久磁界の影響が懸念される冷却ファン51、55のホールセンサの位置P2で、磁気遮蔽部材6を用いない場合と比較して、磁界強度HC2(P2)を1/3程度まで低減できる。換言すれば、ホールセンサの位置P2で、定量的に十分な磁気遮蔽効果が得られる。
また、実施形態のリニアモータ装置において、軌道部材は、複数の永久磁石11を同極性の磁極同士が対向するように移動方向に並べて形成したシャフト状軌道部材1であり、移動体は、シャフト状軌道部材1を周回して巻回されたコイルを有する筒状移動体2である。
これによれば、大きな推力を得るのに適したシャフト型リニアモータ装置で永久磁石11の磁界を強くしても十分な磁気遮蔽効果が得られるので、冷却ファン51、55に内蔵されたホールセンサで検出精度の低下や誤動作は生じない。
また、実施形態のリニアモータ装置において、筒状移動体2は、周方向の特定角度範囲内に冷却ファン51、55(磁気遮蔽対象物)および磁気遮蔽部材6を有し、さらに、周方向の特定角度範囲外に強磁性材料で形成された磁気力相殺部材7を有しており、複数の永久磁石11が磁気遮蔽部材6を吸引する磁気吸引力の少なくとも一部は、複数の永久磁石11が磁気力相殺部材7を吸引する磁気吸引力によって相殺される。
これによれば、筒状移動体2に作用する横揺れ方向の正味の磁気吸引力が低減されて、横揺れが軽減される。したがって、筒状移動体2の円滑な移動が妨げられない。
さらに、実施形態のリニアモータ装置において、磁気力相殺部材7は、筒状移動体2の周方向の特定角度範囲の反対側の角度範囲に配置された板材である。
これによれば、単純な板材の磁気力相殺部材7を用いることで、筒状移動体2を大きくすることなく磁気吸引力を効果的に相殺できる。かつ、磁気力相殺部材7の取付方法は容易である。
また、実施形態のリニアモータ装置において、磁気遮蔽対象物は、コイルを冷却する冷却ファン51、55であり、磁気遮蔽部材6の前側垂直遮蔽板62は冷却用の空気の流通を許容する刳り抜き穴621を有し、後側垂直遮蔽板63は冷却用の空気の流通を許容する中央刳り抜き穴631および周辺刳り抜き穴632を有する。
これによれば、刳り抜き穴621、631、632により、冷却ファン51、55による空気の吸い込みおよび吹き出しが妨げられない。
なお、磁気遮蔽対象物が冷却ファン51、55でない場合、前側垂直遮蔽板62の刳り抜き穴621や後側垂直遮蔽板63の中央刳り抜き穴631および周辺刳り抜き穴632は不要である。この場合、磁気遮蔽効果は一層確実に高まる。また、シャフト状軌道部材1および筒状移動体2の構造は、様々に変形できる。本発明は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
本発明のリニアモータ装置は、部品実装機や基板検査機のヘッド駆動装置に限定されず、直進可動部を有する各種の産業機械に広く利用可能である。
1:シャフト状軌道部材 11:永久磁石 12:磁性体スペーサ
2:筒状移動体 3:筒状本体ユニット 4:冷却ユニット
51:前側冷却ファン 52:前側放熱フィン 53:仕切り板
54:後側放熱フィン 55:後側冷却ファン
6:磁気遮蔽部材 61:平行遮蔽板 62:前側垂直遮蔽板
63:後側垂直遮蔽板 64:外側平行遮蔽板
6B、6C:シミュレーションに用いた磁気遮蔽部材
7:磁気力相殺部材
9:従来技術の取付部材
P2:前側冷却ファンに内蔵されたホールセンサの位置
HA1、HA2、HB1、HB2、HC1、HC2:磁界強度

Claims (4)

  1. 移動方向に延在して磁石およびコイルの一方を有する軌道部材と、前記軌道部材に移動可能に装架されて前記磁石および前記コイルの他方を有する移動体とを備え、前記コイルに電流を通電して前記磁石との間に前記移動方向の推力を発生するリニアモータ装置であって、
    前記コイルを有する前記移動体は、前記磁石が形成する磁界の影響の緩和が必要な磁気遮蔽対象物と、強磁性材料で形成されて前記磁気遮蔽対象物を前記磁界から遮蔽する磁気遮蔽部材とを有し、
    前記磁気遮蔽部材は、前記磁気遮蔽対象物と前記磁石との間で前記移動方向に平行配置された平行遮蔽板、ならびに、前記平行遮蔽板の前記移動方向の前縁および後縁の少なくとも一方から前記移動方向に対して垂直に前記磁石から遠ざかる方向に配置された垂直遮蔽板を有し、
    前記軌道部材は、複数の前記磁石を同極性の磁極同士が対向するように前記移動方向に並べて形成したシャフト状軌道部材であり、前記移動体は、前記シャフト状軌道部材を周回して巻回された前記コイルを有する筒状移動体であり、
    前記筒状移動体は、周方向の特定角度範囲内に前記磁気遮蔽対象物および前記磁気遮蔽部材を有し、さらに、前記周方向の特定角度範囲外に強磁性材料で形成された磁気力相殺部材を有しており、
    複数の前記磁石が前記磁気遮蔽部材を吸引する磁気吸引力の少なくとも一部は、複数の前記磁石が前記磁気力相殺部材を吸引する磁気吸引力によって相殺される、
    リニアモータ装置。
  2. 前記磁気力相殺部材は、前記筒状移動体の前記周方向の前記特定角度範囲の反対側の角度範囲に配置された板材である請求項1に記載のリニアモータ装置。
  3. 移動方向に延在して磁石およびコイルの一方を有する軌道部材と、前記軌道部材に移動可能に装架されて前記磁石および前記コイルの他方を有する移動体とを備え、前記コイルに電流を通電して前記磁石との間に前記移動方向の推力を発生するリニアモータ装置であって、
    前記コイルを有する前記軌道部材または前記移動体は、前記磁石が形成する磁界の影響の緩和が必要な磁気遮蔽対象物と、強磁性材料で形成されて前記磁気遮蔽対象物を前記磁界から遮蔽する磁気遮蔽部材とを有し、
    前記磁気遮蔽部材は、前記磁気遮蔽対象物と前記磁石との間で前記移動方向に平行配置された平行遮蔽板、ならびに、前記平行遮蔽板の前記移動方向の前縁および後縁の少なくとも一方から前記移動方向に対して垂直に前記磁石から遠ざかる方向に配置された垂直遮蔽板を有し、
    前記磁気遮蔽対象物は、前記コイルを冷却する冷却ファンであり、前記磁気遮蔽部材の前記垂直遮蔽板は、冷却用の空気の流通を許容する刳り抜き穴を有するリニアモータ装置。
  4. 前記磁気遮蔽部材は、前記平行遮蔽板、前記平行遮蔽板の前記移動方向の前縁および後縁から配置された2枚の前記垂直遮蔽板、ならびに、2枚の前記垂直遮蔽板の前記磁石から離れた側の縁を連結する外側平行遮蔽板を有して、前記磁気遮蔽対象物を矩形に囲んでいる請求項1〜3のいずれか一項に記載のリニアモータ装置。
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