JPH11220866A - シャフト型リニアモータ及びその駆動方法 - Google Patents

シャフト型リニアモータ及びその駆動方法

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JPH11220866A
JPH11220866A JP1953898A JP1953898A JPH11220866A JP H11220866 A JPH11220866 A JP H11220866A JP 1953898 A JP1953898 A JP 1953898A JP 1953898 A JP1953898 A JP 1953898A JP H11220866 A JPH11220866 A JP H11220866A
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JP
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coil
stator
linear motor
magnetic pole
magnetic
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JP1953898A
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English (en)
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Katsuhiro Nanba
克宏 難波
Toshio Kitaoka
利夫 北岡
Masazo Ishiyama
雅三 石山
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 界磁マグネットを有する棒状の固定子と、電
機子コイルを有する可動子とを備えるシャフト型リニア
モータであって、電機子コイルを構成する各コイルの中
心位置間隔を正確に所定の間隔にでき、推力変動小さ
く、効率良く駆動でき、可動子幅の小さいシャフト型リ
ニアモータ及びその駆動方法を提供する。 【解決手段】 コイルLU 、LV 、LW からなる電機子
コイル21を有する可動子2と、磁極幅Pm のN、S極
が交互に並べられた界磁マグネット11を有する固定子
1からなるリニアモータ。各コイルの幅Pc はPm /3
より小さくし、コイル間には、幅PSP=Pm /3−Pc
のスペーサを設けて、各コイルの中心位置はPm /3ず
つずらす。各コイルには、その中心位置が、磁極の駆動
方向において上流側よりPm /6駆動方向に進んだ位置
から、さらに2Pm /3駆動方向に進んだ位置までの
間、駆動方向に電磁力を発生する向きの一定電流を流
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定方向に延びる
界磁マグネットを有するシャフト状の固定子と、界磁マ
グネットに外嵌する電機子コイルを有し、固定子に沿っ
て往復動する可動子とを備えたシャフト型リニアモータ
及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リニアモータは、複写機、プリンタ、イ
メージスキャナ等のOA機器、X−Yテーブル、物品搬
送装置等のFA機器、カメラ等の光学機器などの広い分
野において、物品を直線的に移動させることに利用され
ている。リニアモータは、種々のタイプのものが提案さ
れており、その特徴に合わせて上記のような各種機器に
適用されている。例えば、界磁マグネットを有し、所定
方向に延びるシャフト状の固定子と、該界磁マグネット
に外嵌する電機子コイルを有する可動子とを備えたシャ
フト型のリニアモータは、シャフト状の固定子をそのま
ま可動子の案内部材として利用でき、それだけ構造を簡
単にできるなどの利点がある。
【0003】特開平7−181601号公報において
は、図42に示すシャフト型リニアモータが提案されて
いる。このリニアモータは、シャフト部材910上にN
極とS極の磁極を等ピッチPn にて該部材910の長手
方向に交互に配列した界磁マグネット911と、界磁マ
グネット911に外嵌する電機子コイル921とを有す
るものである。このリニアモータは、界磁マグネット9
11側を固定子91とし、コイル921側を固定子91
に沿って往復動させる可動子92とする、いわゆるムー
ビングコイル型のリニアモータである。電機子コイル9
21は、3つのコイルLu、Lv及びLwからなる。こ
れらのコイルLu、Lv及びLwは、それぞれ2Pn
3の幅であり、各コイルの中心位置を2Pn /3ずつず
らして配置されている。
【0004】これらのコイルに対しては、それぞれのコ
イルが対向する位置にある界磁マグネット911の磁極
の極性に応じた電流を流して推力を発生させ、それによ
り可動子92を駆動するために、磁極の極性、換言すれ
ば該磁極の形成する磁界の向きを検出するためのセンサ
としてホール素子hu、hv及びhwが配置されてい
る。
【0005】特開平7−181601号公報において
は、図42に示すリニアモータの各コイルLu、Lv及
びLwに、各ホール素子が検出する磁極の極性に応じ
て、図43のように通電して可動子92を図中左方向に
駆動することが示されている。このリニアモータは、い
わゆる3相全波方式にて駆動される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のシャフト型リニアモータにおいては、次のような
三つの問題がある。一つは、コイルLU 、LV 、LW
各コイルの中心位置を2Pn /3ずつずらして順次隙間
なくつめて配置しようとするのであるが、コイルの導線
径、導線の巻き方によって、各コイルの中心位置を2P
n /3ずつ正確にずらして配置することは困難であり、
2Pn /3ずつずらして正確に配置しようとすれば、導
線径や導線の巻き方がきわめて制限されたものとなる。
また、そのように導線径や導線の巻き方を調整してもな
お、精度よく隣合うコイルの中心位置間距離を所定距離
に設定することは難しく、しかもリニアモータの製造コ
ストが高くついてしまう。各コイルを導線を巻き回して
形成して、そのコイル幅から、界磁マグネットの各磁極
幅を隣合うコイルの中心位置間距離が磁極幅に対して所
定のものになるように界磁マグネットを形成することも
考えられるが、このようにすると、界磁マグネットの磁
極幅は、コイルの導線幅によって限定されてしまうた
め、選択の幅が狭くなってしまう。なお、隣合うコイル
の中心位置間隔の精度が低下するとモータの駆動精度が
低下する。
【0007】また、もう一つの問題は以下のとおりであ
る。図42に示すリニアモータを図43に示すように各
コイルに通電して駆動するときには、次のような問題が
ある。例えば、図43に示す区間の間には、コイルL
uには所定の一方向に通電され、該コイルを含む可動子
92は図42(A)に示す位置から図42(B)に示す
位置に移動する。その間、コイルLuは、N極上からS
極上へと磁極をまたぐように移動するため、コイルLu
の移動方向(この例では、図中左方向)における先端部
分はS極上に位置し、後端部分はN極上に位置すること
となり、一方向に通電されるコイルLuにはその先端部
分と後端部分とでは逆向きの電磁力がかかることにな
る。したがって、電機子コイル921全体にかかる電磁
力、すなわち、リニアモータの推力はそれだけ低下し、
また、固定子長手方向における各位置においての推力の
変動が大きくなる。すなわち、図42に示すリニアモー
タを図43に示すように駆動することは、発生する推力
の点からみると駆動効率が悪く、また、推力変動の観点
からすると、駆動精度が悪くなってしまう。
【0008】三つ目の問題は次のとおりである。界磁マ
グネットの磁極を検出するためのホール素子は、通電さ
れた電機子コイルから発生する磁界などの界磁マグネッ
ト以外からの磁界の影響を受けて、界磁マグネットの磁
極を正確に検出できないことがある。ホール素子により
検出される界磁マグネット情報がこのように誤ったもの
であるときには、かかる界磁マグネット情報に基づきリ
ニアモータを駆動すると精度よくモータを駆動できなく
なったり、推力の低下がおこったり、エネルギー変換効
率が悪くなったりしてしまう。例えば、本来推力変動が
10%以内になるはずが、50%以上の推力変動を起こ
してしまったり、場合によっては瞬間的に推力が0にな
ってしまうこともある。これらにより、リニアモータの
駆動精度が低下する。
【0009】そこで本発明は、N極とS極の磁極が交互
に並んでいる界磁マグネットを有する棒状の固定子と、
前記固定子に外嵌する電機子コイルを有し、該固定子に
沿って往復移動可能な可動子とを備えるシャフト型リニ
アモータであって、精度よく駆動できるシャフト型リニ
アモータを提供することを第1の課題とする。また、本
発明は、N極とS極の磁極が交互に並んでいる界磁マグ
ネットを有する棒状の固定子と、前記固定子に外嵌する
電機子コイルを有し、該固定子に沿って往復移動可能な
可動子とを備えるシャフト型リニアモータであって、電
機子コイルを構成する複数のコイルにおける各隣合うコ
イルの中心位置間距離を所定の距離に簡単、安価に、精
度良く設定できるシャフト型リニアモータを提供するこ
とを第2の課題とする。
【0010】また、本発明は、N極とS極の磁極が交互
に並んでいる界磁マグネットを有する棒状の固定子と、
前記固定子に外嵌する電機子コイルを有し、該固定子に
沿って往復移動可能な可動子とを備えるシャフト型リニ
アモータであって、推力変動を小さく、しかも効率良く
駆動できるシャフト型リニアモータを提供することを第
3の課題とする。
【0011】また、本発明は、N極とS極の磁極が交互
に並んでいる界磁マグネットを有する棒状の固定子と、
前記固定子に外嵌する電機子コイルを有し、該固定子に
沿って往復移動可能な可動子と、可動子上に界磁マグネ
ットの磁極を検出するための磁極検出素子とを備えるシ
ャフト型リニアモータであって、通電される電機子コイ
ルから発生する磁界などの界磁マグネット以外からの磁
界の影響を抑制して、磁極検出素子によって正確に界磁
マグネットの磁極を検出でき、それだけ精度よく駆動で
きるシャフト型リニアモータを提供することを第4の課
題とする。
【0012】また本発明は、推力変動小さく、効率良く
駆動できるシャフト型リニアモータの駆動方法を提供す
ることを第5の課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記第1及び第2の課題
を解決するために本発明は、N極の磁極とS極の磁極と
が所定方向に交互に並べられた界磁マグネットを有し、
該所定方向に延びる棒状の固定子と、前記固定子に外嵌
する複数のコイルからなる電機子コイルを有し、該固定
子に沿って往復移動可能な可動子とを備え、前記電機子
コイルにおける複数のコイルのうちの互いに隣合う二つ
のコイルの間には、それら隣合うコイルの中心位置間距
離を所定の距離に設定する所定幅(所定厚さ)のスペー
サが設けられていることを特徴とするシャフト型リニア
モータを提供する。このようなスペーサは従来のリニア
モータの分野では見られなかったものである。
【0014】このリニアモータでは、電機子コイルを構
成する複数のコイルにおける各コイルの中心位置間隔が
スペーサにより精度よく設定されるので、それだけモー
タの駆動精度は向上する。このリニアモータでは、電機
子コイルを構成する複数のコイルにおける各隣合うコイ
ルの中心位置間距離を、該隣合うコイル間に設けるスペ
ーサの幅(厚さ)を調整することで所定の距離に設定で
きるので、各コイルの導線径や導線の巻き方の自由度は
それだけ大きい。したがって、各コイルを簡単、安価に
形成できる。また、スペーサが採用されていることによ
って、コイルのみを順次つめて配列して隣合うコイル中
心位置間距離を所定のものに精度よく設定しよとする場
合に比べると、簡単、安価にコイル中心位置間距離を所
定のものに設定できる。これらにより、モータ全体をそ
れだけ簡単、安価に精度良く製作することができる。
【0015】また、本発明は前記第1、第2及び第3の
課題を解決するリニアモータとして、次のリニアモータ
を提供する。すなわち、幅Pm のN極の磁極と幅Pm
S極の磁極とが所定方向に交互に並べられた界磁マグネ
ットを有し、該所定方向に延びる棒状の固定子と、前記
固定子に外嵌する電機子コイルを有し、該固定子に沿っ
て往復移動可能な可動子とを備え、前記電機子コイル
は、下記の(A)及び(B)の条件を満たす第1、第2
及び第3の三つのコイルを一組とするコイル群を1組又
は複数組備えており、互いに隣合う二つのコイルの間に
は、下記(B)の条件を満たすように該隣合うコイル間
の間隔距離を設定する所定幅のスペーサが設けられてい
ることを特徴とするシャフト型リニアモータである。条
件(A): 前記第1コイル、第2コイル及び第3コイ
ルの前記固定子長手方向の幅は同じであり、その幅Pc
はPc <Pm /3である。条件(B): 前記第2コイ
ルの前記固定子長手方向における中心位置は、前記第1
コイルの該固定子長手方向における中心位置から、該固
定子長手方向におけるいずれか一方向に、Pm /3+j
・Pm (jは整数)ずれた位置にあり、前記第3コイル
の前記固定子長手方向における中心位置は、前記第1コ
イルの該固定子長手方向における中心位置から、該固定
子長手方向における前記一方向に、2Pm /3+k・P
m (kは整数)ずれた位置にある。
【0016】固定子の有する界磁マグネットは、N極の
磁極とS極の磁極とが固定子長手方向に交互に並べられ
たものである。各N極の磁極及び各S極の磁極の固定子
長手方向における幅はPm である。固定子の長手方向に
垂直な断面の形状は、代表的には円形のものを挙げるこ
とができるが、三角形、四角形、五角形等の多角形形状
や、楕円形状等であってもよい。
【0017】電機子コイルのいずれのコイルも、導線を
巻き回して形成したものである。同じ線径の導線を同じ
回数、同じように巻き回すことによって、各コイルの幅
cは同じにすることができる。各コイルの幅Pc は界
磁マグネットの一磁極幅Pmの1/3より小さい。互い
に隣合う2つのコイルの間には、前記スペーサが設けら
れている。かかるスペーサの形状としては、例えば固定
子に外嵌するリング形状を挙げることができる。
【0018】スペーサの材料としては、例えばPETな
どの樹脂を挙げることができる。互いに隣合う2つのコ
イルの間に設けられたスペーサの固定子長手方向におけ
る幅を調整することによって、上記条件(B)の位置関
係を満たすように各コイルを正確に配置することができ
る。例えば、隣合う2つのコイルのそれぞれの中心位置
を固定子長手方向にPm /3ずらすときには、スペーサ
幅をPm /3−Pc とすればよい。上記条件(B)を満
たす位置関係に配置されたコイルは、例えば互いに隣合
う2つのコイルの間に設けられたスペーサに接着剤にて
連結し、コイルとスペーサとを一体化してもよい。ま
た、隣合うコイル間にスペーサが配置されたコイル全体
を外周側から、接着剤、カバー、可動子ヨークを兼ねる
カバー、コイル全体の両端にまたがる例えば断面コの字
形の固定具、これらの組み合わせ等の適当な手段にて一
体化すること等も考えられる。
【0019】電機子コイルは、上記(A)及び(B)の
2つの条件を満たす第1、第2及び第3の三つのコイル
を一組とするコイル群を1組又は複数組備えている。か
かるコイル群を2組以上備える場合、各組の三つのコイ
ルは、他の組の三つのコイルと異なる状態で、上記
(A)及び(B)の二つの条件を満たしいてもよい。例
えば、電機子コイルがかかるコイル群を2組備える場
合、一方の組のコイル群は、上記条件(B)をj=0、
k=0にて満たしており、他方の組のコイル群は、上記
条件(B)をj=1、k=1にて満たすような場合であ
る。各組のコイル群の上記条件(B)におけるパラメー
タj及びkを、(j,k)=(0,0)又は(j,k)
=(−1,−1)とすると、そのコイル群を構成する3
つのコイルは、固定子長手方向にその中心位置がPm
3ずつずらして配置されることになり、各組のコイル群
それぞれの該方向における幅を小さくすることができ
る。
【0020】電機子コイルがかかるコイル群を2組以上
備える場合、異なる組のコイル群の固定子長手方向にお
ける位置関係は各組のコイル群が前記条件(A)及び
(B)を満たす限り任意である。電機子コイルにおける
各コイルの好ましい位置関係として、次のものを例示で
きる。すなわち、前記電機子コイルのいずれの組におい
ても、前記第2コイルの前記固定子長手方向における中
心位置は、その組の(該第2コイルが属する組の)前記
第1コイルの該固定子長手方向における中心位置から、
該固定子長手方向におけるいずれか一方向に、Pm /3
ずれた位置とし、前記第3コイルの前記固定子長手方向
における中心位置は、その組の前記第1コイルの該固定
子長手方向における中心位置から、該固定子長手方向に
おける前記一方向に、2Pm /3ずれた位置とする。前
記電機子コイルが、第1、第2及び第3の3つのコイル
を1組とするコイル群を複数組備えている場合には、各
隣合う組において互い隣合う位置に配置された二つのコ
イルの前記固定子長手方向における中心位置を、いずれ
もPm /3ずらす。このようにすると、電機子コイルを
構成する各コイルは、互いに隣合う2つコイルの固定子
長手方向における中心位置が、いずれもPm /3ずつず
れていることになり、電機子コイル全体の幅を小さくで
きる。このとき、前記スペーサ幅はPm /3−Pc とす
ればよい。
【0021】上記本発明のシャフト型リニアモータを推
力変動少なく、効率良く駆動することができる駆動方法
として、本発明は次の駆動方法を提供する。すなわち、
前記第1コイル、第2コイル及び第3コイルの各コイル
に、それぞれそのコイルの前記固定子長手方向における
中心位置が、前記界磁マグネットの磁極の該固定子長手
方向における可動子駆動方向において上流端よりP
S (Pc/2≦PS ≦Pm /6)駆動方向に進んだ位置
から、さらに2Pm /3駆動方向に進んだ位置までの
間、そのコイルが対向する磁極の極性に応じて、そのコ
イルが駆動方向に電磁力を発生する向きの一定電流を流
すことを特徴とするシャフト型リニアモータの駆動方法
である。
【0022】第1コイル、第2コイル及び第3コイルの
各コイルの中心位置が、前記界磁マグネットの磁極の該
固定子長手方向における可動子駆動方向における上流端
からPS 駆動方向に進んだ位置や、さらに2Pm /3駆
動方向に進んだ位置にあることは、例えば次のような位
置に磁極検出素子を配置すれば、その磁極検出素子によ
って検出することができる。
【0023】すなわち、少なくとも一つの組のコイル群
において、次の位置に第1から第6の磁極検出素子を配
置する。前記第1コイルの前記固定子長手方向における
中心位置から該方向におけるいずれか一方向にPS +p
1 ・Pm [p1 は整数(すなわち、p1 =0、±1、±
2、±3、・・・)。Pc /2≦PS ≦Pm /6。ただ
し、PS は上記駆動方法におけるPS と同じ値にす
る。]ずれた位置で前記可動子上に、前記界磁マグネッ
トの磁極の極性を検出することができる第1の磁極検出
素子を設ける。前記第1コイルの前記固定子長手方向に
おける中心位置から該方向における前記一方向とは逆方
向にPS +p2 ・Pm (p2 は整数)ずれた位置で前記
可動子上に、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出す
ることができる第2の磁極検出素子を設ける。前記第2
コイルの前記固定子長手方向における中心位置から該方
向における前記一方向にPS +q1 ・Pm (q1 は整
数)ずれた位置で前記可動子上に、前記界磁マグネット
の磁極の極性を検出することができる第3の磁極検出素
子を設ける。前記第2コイルの前記固定子長手方向にお
ける中心位置から該方向における前記一方向とは逆方向
にPS +q2 ・Pm (q2は整数)ずれた位置で前記可
動子上に、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出する
ことができる第4の磁極検出素子を設ける。前記第3コ
イルの前記固定子長手方向における中心位置から該方向
における前記一方向にPS +r1 ・Pm (r 1 は整数)
ずれた位置の前記可動子上に、前記界磁マグネットの磁
極の極性を検出することができる第5の磁極検出素子を
設ける。前記第3コイルの前記固定子長手方向における
中心位置から該方向における前記一方向とは逆方向にP
S +r 2 ・Pm (r2 は整数)ずれた位置で前記可動子
上に、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出すること
ができる第6の磁極検出素子を設ける。これら磁極検出
素子としては、例えばホール素子を挙げることができ
る。
【0024】各コイルの固定子長手方向における中心位
置が前記界磁マグネットの磁極の該固定子長手方向にお
ける可動子駆動方向における上流端からPS 駆動方向に
進んだ通電が開始される位置、及びその位置からさらに
2Pm /3駆動方向に進んだ通電が停止される位置が、
いずれの磁極検出素子により検出されるかは、その例を
後述する実施形態中に示す。
【0025】すなわち、このような磁極検出素子を設け
るときには、前記駆動方法は、前記磁極検出素子の検出
する磁極の極性に基づいて、各コイルに通電を行うもの
である。上記のように通電すると、コイルの中心位置が
磁極の可動子駆動方向における上流端からPS (Pc
2≦PS ≦Pm /6)駆動方向に進んだ通電が開始され
る位置においては、そのコイルの幅Pc がPm /3より
小さいため、そのコイルの全ての部分がその磁極に対向
する位置にあり、N極及びS極の両極に跨がっていな
い。また、通電が停止されるさらに2Pm /3駆動方向
に進んだ位置、すなわち、そのコイルの中心位置がその
磁極の可動子駆動方向における上流端からP S +2Pm
/3(≦Pm /6+2Pm /3=5Pm /6)駆動方向
に進んだ位置においても、そのコイルの全ての部分がそ
の磁極に対向する位置にある。すなわち、コイルに通電
されているときには、コイルの全ての部分が一つの磁極
に対向する位置にあり、そのコイルがN極及びS極の両
極に跨がっているときには、そのコイルには通電されな
い。したがって、通電されるコイルは、その全ての部分
が駆動方向に電磁力を発生し、駆動方向とは逆方向には
電磁力を発生しない。これにより、従来のリニアモータ
において、両極に跨がっている間にもコイルに通電され
ていて、コイルの一部の部分においては駆動方向とは逆
方向の電磁力が発生していたのに比べると、本発明のリ
ニアモータを上記のように駆動すると、電気エネルギー
は効率よく駆動方向に可動子を移動させるのに変換する
ことができ、また、駆動方向とは逆方向の駆動力が発生
することもないので、それだけ推力変動を抑制すること
ができる。
【0026】前記のように各コイルの通電開始位置や通
電停止位置を検出するために、磁極検出素子を設ける場
合において、前記駆動方法におけるPS をPS =Pm
6とすると、配置する磁極検出素子の数を減らすことが
できる。すなわち、前記シャフト型リニアモータを、前
記第1コイル、第2コイル及び第3コイルの各コイル
に、それぞれそのコイルの前記固定子長手方向における
中心位置が、前記界磁マグネットの磁極の該固定子長手
方向における可動子駆動方向における上流端よりPm
6駆動方向に進んだ位置から、さらに2Pm /3駆動方
向に進んだ位置までの間、そのコイルが対向する磁極の
極性に応じて、そのコイルが駆動方向に電磁力を発生す
る向きの一定電流を流して通電駆動する場合には、次の
位置に磁極検出素子を配置すればよい。
【0027】すなわち、少なくとも一つの組のコイル群
について、次の位置に第1、第2及び第3の三つの磁極
検出素子を設ければよい。前記第1コイルの前記固定子
長手方向における中心位置から該方向におけるいずれか
一方向にPm /6+p・Pm(pは整数。すなわちp=
0、±1、±2、±3・・・)ずれた位置で前記可動子
上に、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出すること
ができる第1の磁極検出素子を設ける。また、前記第2
コイルの前記固定子長手方向における中心位置から該方
向における前記一方向にPm /6+q・Pm (qは整
数。すなわちq=0、±1、±2、±3・・・)ずれた
位置の前記可動子上に、前記界磁マグネットの磁極の極
性を検出することができる第2の磁極検出素子を設け
る。さらに、前記第3コイルの前記固定子長手方向にお
ける中心位置から該方向における前記一方向にPm /6
+r・Pm (rは整数。すなわちr=0、±1、±2、
±3・・・)ずれた位置の前記可動子上に、前記界磁マ
グネットの磁極の極性を検出することができる第3の磁
極検出素子を設ける。なお、これら磁極検出素子が配置
される「固定子長手方向におけるいずれか一方向」の
「一方向」は、上記条件(B)中の「固定子長手方向に
おけるいずれか一方向」の「一方向」と異なる(反対
の)方向であってもよい。
【0028】電機子コイルが第1、第2及び第3のコイ
ルを1組とするコイル群を複数組有する場合、各組の各
コイルを次の位置関係に配置すると、いずれか一つの組
の第1、第2及び第3のコイルに対して前記位置に磁極
検出素子を配置してやれば、全ての組の各コイルの前記
通電が開始される位置及び通電が停止される位置、並び
にそのコイルが対向する磁極の極性を検出することがで
きる。すなわち、一つの組の第1コイルの固定子長手方
向における中心位置に対して、残りの組の各第1コイル
の中心位置が、一磁極幅Pm の整数倍ずれるように配置
する。また、同様に一つの組の第2コイルの固定子長手
方向における中心位置に対して、残りの組の各第2コイ
ルの中心位置が、一磁極幅Pm の整数倍ずれるように配
置する。さらに、一つの組の第3コイルの固定子長手方
向における中心位置に対して、残りの組の各第3コイル
の中心位置が、一磁極幅Pm の整数倍ずれるように配置
する。例えば、いずれの組の第1、第2及び第3コイル
の中心位置もこの順にPm/3ずつずらすとともに、隣
合う組の第3コイルと第1コイルの中心位置をPm/3
ずらすと、隣合う組の各第1コイルの中心位置はPm
れており、同様に隣合う組の各第2コイルの中心位置は
m ずれており、隣合う組の各第3コイルの中心位置は
m ずれている。なお、各コイルに、それぞれそのコイ
ルの固定子長手方向における中心位置が、界磁マグネッ
トの磁極の該固定子長手方向における可動子駆動方向に
おいて上流端よりPS (Pc /2≦PS ≦Pm /6)駆
動方向に進んだ位置から、さらに2Pm /3駆動方向に
進んだ位置までの間、通電する場合には、いずれか一つ
の組の第1、第2及び第3コイルに対して第1から第6
の磁極検出素子を前記位置に配置すればよい。また、各
コイルに、それぞれそのコイルの固定子長手方向におけ
る中心位置が、界磁マグネットの磁極の該固定子長手方
向における可動子駆動方向において上流端よりPm /6
駆動方向に進んだ位置から、さらに2Pm /3駆動方向
に進んだ位置までの間、通電する場合には、いずれか一
つの組の第1、第2及び第3コイルに対して第1から第
3の磁極検出素子を前記位置に配置すればよい。
【0029】磁極検出素子を固定子長手方向において前
述の位置に配置する場合、固定子長手方向に垂直な方向
(固定子の断面形状が円形であるときには、固定子半径
方向)における位置は特に限定はない。界磁マグネット
の近くに配置すれば、それだけ正確に磁極を検出でき
る。推力発生効率を高めるために電機子コイルと界磁マ
グネットの間のギャップを小さくするときには、電機子
コイルの外表面より外側に配置してもよい。
【0030】本発明は、前記第1及び第4の課題を解決
するために、N極の磁極とS極の磁極とが所定方向に交
互に並べられた界磁マグネットを有し、該所定方向に延
びる棒状の固定子と、前記固定子に外嵌する複数のコイ
ルからなる電機子コイルを有し、該固定子に沿って往復
移動可能の可動子と、前記界磁マグネットの磁極の極性
を検出するための前記可動子上に搭載された磁極検出素
子とを備えており、前記電機子コイルを構成している各
コイルの表面のうち、少なくとも前記磁極検出素子に臨
む位置にある表面部分は磁気シールド部材により覆われ
ており、該磁気シールド部材は該各コイルに通電された
ときに形成される磁界の磁路の一部となるシャフト型リ
ニアモータを提供する。
【0031】このリニアモータの構成は、前述した電機
子コイルを構成する各隣合うコイル間にスペーサを設け
たリニアモータや、かかるスペーサを設けるとともに、
前記(A)及び(B)の条件を満たすモータ等にも適用
できる。例えばスペーサを備え、前記(A)及び(B)
の条件を満たすリニアモータにおいて、前記第1、第2
及び第3の各コイルの表面のうち、少なくとも前記磁極
検出素子に臨む位置にある表面部分は磁気シールド部材
により覆ってもよい。これにより、磁極検出素子は、磁
気シールド部材を介してコイルに臨むことになる。この
ようにすると、該磁気シールド部材は該各コイルに通電
されたときに形成される磁界の磁路の一部となるため、
各コイルに通電されたときに形成される磁界が各磁極検
出素子に作用することを抑制でき、それだけ磁極検出素
子は界磁マグネットの磁極を正確に検出できる。したが
って、磁極検出素子によって各コイルへの前記通電開始
位置及び通電停止位置をそれだけ正確に検出することが
できる。磁気シールド部材材料としては、例えば炭素鋼
等の強磁性体材料を挙げることができる。
【0032】磁気シールド部材は、例えば電機子コイル
を構成している各コイルの表面部分のうち磁極検出素子
に臨む肩部に配置する断面L字形状の部材とすることが
できる。磁気シールド部材は、各コイルの表面部分の固
定子長手方向の両端にまたがる断面コの字状のものとし
てもよい。磁極検出素子を電機子コイル全体の外表面よ
り外側に配置する場合には、磁気シールド部材を固定子
長手方向に延びる板状部材として、該板状部材によって
電機子コイルの外表面のうち磁極検出素子に臨む外表面
部分を覆ってもよい。この場合、該板状部材には孔を設
けておき、磁極検出素子をその孔を通して界磁マグネッ
トに臨ませればよい。該板状部材は、平板状としてもよ
いが、電機子コイルの外表面形状に合わせた形状として
もよい。また、磁極検出素子を電機子コイルの外表面よ
り外側に配置する場合には、磁気シールド部材は電機子
コイルの外表面の全体を覆う形状としてもよい。この場
合も、該シールド部材には孔を設けておき、磁極検出素
子をその孔を通して界磁マグネットに臨まればよい。な
お、電機子コイルの固定子長手方向における両端外表面
部分は覆わなくてもよい。例えば、電機子コイルがリン
グ状のときには、磁気シールド部材は円筒状としてもよ
い。磁気シールド部材により電機子コイルの外表面を覆
うと、該磁気シールド部材はヨークとして利用すること
もでき、それだけ推力発生効率を高めることができる。
このように磁気シールド部材をヨークとしても利用する
ときには、該磁気シールド部材材料は、前述の炭素鋼等
の一般鋼よりもケイ素鋼等などを使用する方が好まし
い。
【0033】前記界磁マグネットが形成する前記固定子
長手方向における好ましい磁束分布の例として、矩形波
状を挙げることができる。かかる磁束分布は、より好ま
しくは完全な矩形である。しかし、磁束分布を完全な矩
形とすることは困難であり、矩形にしようとしても実際
には矩形波状になってしまう。したがって、かかる磁束
分布は、完全な矩形になるべく近い矩形波状、換言すれ
ば、矩形に近い台形波状であることが好ましい。このよ
うに磁束分布が矩形波状であると、リニアモータの推力
変動を抑制することができる。
【0034】また、前記界磁マグネットの各磁極の前記
固定子長手方向における中央Pm /3の幅の中での各位
置における磁束密度の合計BC と、その磁極の固定子長
手方向における各位置での磁束密度の合計BA との比B
C /BA が、0.5より大きくなるような磁束分布も好
ましい。かかる磁束密度比BC /BA は、0.55より
大きいことがさらに好ましい。さらに言えば、かかる磁
束密度比BC /BA は、1に近いほど好ましい。かかる
磁束密度比BC /BA が、0.7より大きくなる磁束分
布として、突極状の磁束分布を挙げることができる。磁
束分布が突極状になるように界磁マグネットを形成する
ことは、磁束分布が矩形波状になるように界磁マグネッ
トを形成するよりも、容易である。かかる磁束密度比B
C /BAを0.7程度より大きくすると、リニアモータ
の推力変動を抑制できるとともに、高推力を発生させる
ことができる。
【0035】界磁マグネットが形成する固定子長手方向
における磁束分布は、上述の矩形波状や突極状の他、M
形状、正弦波状、三角状等としてもよい。後述する実験
にて示されるように、かかる磁束分布がいずれであって
も、電機子コイルの各コイルの幅Pc は大きいほど、す
なわち、コイル幅Pc がPm /3に近いほど、リニアモ
ータの発生する最大推力は大きくなる。一方、推力変動
については、かかる磁束分布によって、推力変動が最小
となるコイル幅Pc は異なる。したがって、電機子コイ
ルを構成する各コイルの幅Pc は、界磁マグネットが形
成する前記固定子長手方向における磁束分布に基づき、
発生可能な最大推力と推力変動のバランスを考慮して定
めればよい。推力変動少なく、精度よくリニアモータを
駆動したい場合には、最大推力は小さくなるが、その界
磁マグネットの形成する磁束分布において推力変動が小
さくなるコイル幅Pc を実験等にて見つけ出せばよい。
或いは、推力変動を小さくすることよりも、最大推力を
重視する場合には、コイル幅Pc を大きくすればよい。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明に係るシャフト型
リニアモータの一例の概略側面図であり、一部を断面で
示すものである。図1に示すリニアモータLM1は、所
定方向に直線的に延びる棒状の固定子1と、これに外嵌
する可動子2とを有している。
【0037】固定子1は、機械加工可能且つ着磁可能の
材料(例えば、Fe−Cr−Co系金属、マンガンアル
ミニウム(MnAl))からなる断面円形の直線棒状の
シャフト部材10の表面を平滑に加工形成して、次のよ
うに着磁したものである。すなわち、シャフト部材10
の長手方向(固定子1の長手方向)に沿って、図2に示
すような等ピッチの矩形の磁束分布となるように、シャ
フト部材10を着磁したものである。これにより、シャ
フト部材10の長手方向に沿ってN極とS極の磁極が同
じ磁極幅(固定子長手方向の長さ)で交互に並んだ界磁
マグネット11が形成されている。界磁マグネット11
の各磁極の固定子長手方向の幅Pm 、換言すれば、磁極
ピッチPm は、本例では30mmである。
【0038】可動子2は、固定子1に外嵌する電機子コ
イル21を有している。電機子コイル21は、本例で
は、リング状のU相コイルLU 、V相コイルLV及びW
相コイルLW の3つのコイルからなる。これら各コイル
の中空部分に固定子1が貫通している。これら各コイル
は、コイルLU 、LV 、LW の順に固定子長手方向に配
置されている。これら各コイルは、所定の線径の導線を
所定回数巻き回して形成したものであり、その幅が一磁
極幅(磁極ピッチ)Pm の1/3より小さくなるように
形成されている。同じ線径の導線を同じ回数、同じよう
に巻き回すことにより、これら3つのコイルの幅は同じ
にすることができる。これら各コイルの幅Pc は同じで
あり、Pc <Pm /3である。
【0039】コイルLU とコイルLV との間にはリング
状のスペーサ71が配置されており、これらコイルはス
ペーサ71に本例では接着されている。同様にコイルL
V とコイルLW との間にはリング状のスペーサ72が配
置されており、これらコイルはスペーサ72に本例では
接着されている。また、コイルLU とLW の端部には、
固定子1に摺動可能に外嵌する軸受け22が配置されて
おり、軸受け22も本例ではこれらコイルに接着されて
いる。これらにより、3つのコイルLU 、LV、LW
これらコイル間のスペーサ71、72、及びコイル両端
部の軸受け22は一体化されており、可動子2として固
定子1に沿って往復移動できる。スペーサ71、72
は、本例では非磁性体である樹脂(それには限定されな
いがここではPET)からなる。
【0040】スペーサ71、72は、いずれもその固定
子長手方向の幅PSPを、コイル幅P c に対応させてPSP
=Pm /3−Pc に形成してある。これにより、隣合う
コイルの固定子長手方向における中心位置は互いにPc
/2+PSP+Pc /2=Pm/3ずれている。このよう
に、各コイルの中心位置間隔は、スペーサ71、72の
幅を調整することによって、所定の間隔に正確に合わせ
ることができる。したがって、各コイルの中心位置間隔
は、コイルを構成する導線の径に左右されずに設定する
ことができる。また、各コイルを構成する導線径は、界
磁マグネットの磁極幅Pm に依存せず自由に設定するこ
とができる。逆もまた同様であり、界磁マグネットの磁
極幅Pm は、各コイルを構成する導線の径に左右されず
に自由に設定することができる。
【0041】リニアモータLM1におけるU、V及びW
相の3つのコイルからなる電機子コイル21の固定子1
長手方向の幅は、界磁マグネット11の一磁極幅Pm
り小さく、図42に示す従来のシャフト型リニアモータ
の電機子コイル幅2Pn (P n は磁極幅)に対して、P
m =Pn とすると1/2以下であり、従来より可動子を
コンパクトにできる。軸受けの幅を足しても、リニアモ
ータLM1の可動子幅は、従来のリニアモータの可動子
幅のほぼ半分にできる。
【0042】これらのコイルに対しては、これら各コイ
ルと界磁マグネット11の磁極との固定子長手方向にお
ける位置関係を検出し、その位置と各コイルが対向する
界磁マグネット11の磁極の極性とに応じてコイル通電
を行うために、固定子1の長手方向において、コイルL
U の中心位置から図1中右側にPm /6ずらした位置に
ホール素子h1 が配置されている。同様に、コイルLV
の中心位置から図1中右側にPm /6ずらした位置にホ
ール素子h2 が配置されており、コイルLW の中心位置
から図1中右側にPm /6ずらした位置にホール素子h
3 が配置されている。
【0043】以上説明したリニアモータLM1の可動子
2を、固定子1に沿って駆動するときには、電機子コイ
ル21の各コイルに、例えば次のように通電することに
よって、推力変動少なく、効率良く駆動することができ
る。すなわち、ホール素子h 1 、h2 及びh3 が検出す
る界磁マグネット11の各磁極の極性等に基づき、U、
V及びW相の各相コイルに、それぞれそのコイルの固定
子1長手方向における中心位置が、界磁マグネット11
の磁極の該方向における駆動方向上流端よりP m /6駆
動方向に進んだ位置から、さらに2Pm /3駆動方向に
進んだ位置までの間、そのコイルが対向する磁極の極性
に応じて、そのコイルが駆動方向に電磁力を発生する向
きの一定電流を流す。
【0044】まず、可動子2を図1中左方向に駆動する
場合について説明する。例えば、U相コイルLU がN極
の磁極の上にある場合には、該U相コイルの中心位置が
該N極の駆動方向(左方向)において上流端(図中右
端)よりPm /6駆動方向に進んだ位置(図3(A)参
照)から、さらに2Pm /3駆動方向に進んだ位置(図
3(C)参照)までの間、U相コイルLU が対向するN
極の磁極に対して、駆動方向(左方向)に電磁力を発生
する向き、すなわち、図3(B)や(D)に示すように
図3(A)や(C)中、固定子1を右側から見たとき、
固定子1に対して反時計回りに一定電流を流す。なお、
以下この通電方向を「+」方向とする。
【0045】このとき、U相コイルLU の中心位置が該
N極の駆動方向(左方向)上流端からPm /6駆動方向
に進んだ位置にあることは、U相コイルLU の中心位置
からPm /6駆動方向上流(後ろ)側にずれた位置に配
置されているホール素子h1によって検出される。かか
る位置は、ホール素子h1 がS極からN極への磁極の切
り換わりを検出したときの位置である。U相コイルLU
が、さらに2Pm /3駆動方向に進んだ位置にあること
は、ホール素子h1 から2Pm /3駆動方向において上
流側に配置されたホール素子h3 によって検出される。
かかる位置は、ホール素子h3 がS極からN極への磁極
の切り換わりを検出したときの位置である。また、U相
コイルLU が対向する位置にある磁極の極性は、ホール
素子h1により検出される。
【0046】V相コイルLV がN極の磁極の上にある場
合であって、図1中左方向に駆動するときも同様に該コ
イルに通電する。V相コイルLV の中心位置が該N極の
駆動方向(左方向)において上流端よりPm /6駆動方
向に進んだ位置及びその位置からさらに2Pm /3駆動
方向に進んだ位置にあることは、ホール素子h2 及びホ
ール素子h2 から2Pm /3駆動方向において上流側の
位置に対してPm ずれた位置に配置されているホール素
子h1 によって検出される。W相コイルLW がN極の磁
極の上にある場合であって、図1中左方向に駆動すると
きも同様に該コイルに通電する。W相コイルLW の中心
位置が該N極の駆動方向(左方向)において上流端から
m /6駆動方向に進んだ位置及びその位置からさらに
2Pm /3駆動方向に進んだ位置にあることは、ホール
素子h3 及びホール素子h3 から2Pm /3駆動方向に
おいて上流側の位置に対してPm ずれた位置に配置され
ているホール素子h2 によって検出される。
【0047】また、U相コイルLU がS極の磁極の上に
ある場合であって、図1中左方向に駆動するときも同様
である。U相コイルLU の中心位置が該S極の駆動方向
(左方向)において上流端よりPm /6駆動方向に進ん
だ位置(図4(A)参照)から、さらに2Pm /3駆動
方向に進んだ位置(図4(C)参照)までの間、U相コ
イルLU が対向するS極の磁極に対して、駆動方向(左
方向)に電磁力を発生する向き、すなわち、図4(B)
や(D)に示すように図4(A)や(C)中、固定子1
を右側から見たとき、固定子1に対して時計回りに一定
電流を流す。なお、以下この通電方向を「−」方向とす
る。V相コイルLV やW相コイルLW がS極の磁極の上
にある場合であって、図1中左方向に駆動するときも同
様である。
【0048】以上説明したように各相のコイルに通電す
るならば、各ホール素子の検出する磁極の極性と、各相
コイルへの通電方向(「+」又は「−」)及び通電タイ
ミングは、可動子2を図1中左方向に駆動する場合に
は、図5に示すようになる。ここで、例えば、U相コイ
ルLU が「+」方向に通電される区間及びについて
みてみると、「+」方向に通電が開始されるU相コイル
U の中心位置がN極の駆動方向(左方向)において上
流端からPm /6駆動方向に進んだ位置においては、該
コイルの幅Pc がPm /3より小さいため、該コイルの
全ての部分がN極の磁極に対向する位置にあり、N極及
びS極の両極に跨がっていない。また、「+」方向への
通電が停止される位置、すなわちU相コイルLU がさら
に2P m /3駆動方向に進んだ位置、さらに言えば、該
コイルLU の中心位置がN極の駆動方向上流端からPm
/6+2Pm /3=5Pm /6駆動方向に進んだ位置に
おいても、該コイルLU の全ての部分がN極の磁極に対
向する位置にある。したがって、区間及びにおいて
は、コイルLU が発生する推力は全て図1中左向きであ
り、図中右向きの推力は発生しない。U相コイルLU
「−」方向に通電される区間及びについても同様で
ある。V相コイルLV 及びW相コイルLWについても同
様である。したがって、各相のコイルに通電される電流
は、可動子2を駆動したい左方向とは逆の右方向に駆動
する推力には変換されず、全てが可動子2を左方向に駆
動する推力に変換されるので、効率がよい。また、同様
の理由により、可動子2が固定子1に沿って移動すると
き、その推力の変動もほとんどない。
【0049】したがって、図5に示す通電パターンは、
各相のコイルのいずれについても、その相のコイルが一
つの磁極に対向する位置にあるときだけ、その相のコイ
ルに図中左方向に推力が発生する向きに通電し、その相
のコイルが異なる極性の磁極間を移動している間には通
電しないようにしたものである。コイルが異なる極性の
磁極間を移動している間に通電すると、そのコイルの一
方の極性の磁極に対向する部分にあるコイル部分と、他
方の極性の磁極に対向する部分にあるコイル部分とで
は、逆方向に推力が発生するため、推力変動が大きくな
る。
【0050】また、前述のように各相のコイルは、その
中心位置が正確にPm /3ずつずらして配置されている
ため、各ホール素子は、各相コイルへの通電開始位置及
び通電停止位置を正確に検出することができる。これに
よっても、各コイルの中心位置がPm /3ずつずれた位
置関係から若干ずれている場合に比べて、推力変動の発
生を抑制することができる。
【0051】さて、ここまでは、可動子2を図1中左方
向に駆動する通電方法を説明したが、可動子2を図1中
右方向に駆動するときも、左方向に駆動するときと同様
に、ホール素子の検出する磁極の極性に応じて、各相の
コイルには通電する。このとき、左方向に駆動するとき
と同様に、各相コイルのその中心位置から駆動方向にお
いて上流側にPm /6ずらした位置にホール素子が配置
されるように、図6に示すように、U相コイルLU の中
心位置から駆動方向(右方向)においてPm /6上流側
にずらした位置にホール素子h4 を配置して、左方向に
駆動するときと同様に各相コイルに通電してもよい。し
かし、ホール素子h1 、h2 及びh3 とは別に、さらに
ホール素子h4 が必要となり、その分コスト高になる。
【0052】そこで、本例では、ホール素子h4 の位置
から一磁極幅Pm ずれた位置にあるホール素子h3 を利
用して左方向と同様にして通電を行う。ホール素子h3
の検出する磁極の極性を反転すれば、ホール素子h4
検出する磁極の極性と同じになり、左方向駆動時と同様
の通電を行うことができる。ただし、右方向に駆動する
場合、各相のコイルがN極上にあるときは、左方向に駆
動するときとは逆の「−」方向にそのコイルには通電
し、S極上にあるときは「+」方向に通電する。可動子
2を図1中、右方向に駆動するときの各相コイルへの通
電パターンを図7に示す。右方向に駆動するときも、左
方向に駆動するときと同様に、効率よく駆動することが
できるとともに、推力変動を抑制することができる。
【0053】図5及び図7に示す通電パターンにて通電
を行うことができる各相コイルへの通電回路の一例を図
8に示す。この回路は、いわゆる3相全波駆動回路であ
る。本例では、各相コイルLU 、LV 及びLW を、図8
に示す巻き線向きにてスター結線をして、6つのトラン
ジスタQ1 〜Q6 を有するトランジスタ回路41と、3
つのホール素子の検出する磁極の極性及び駆動方向に応
じて各トランジスタのゲートを開閉するロジック回路4
2により各相コイルに通電する。なお、図8中各相コイ
ル横の黒丸は、固定子1に対する巻き線方向を示してい
る。ここでは、図9(A)に示すように、電流の流れる
向きのコイル入口側に黒丸が描かれているときには、前
記「+」方向にそのコイルには電流が流れることを示
し、図9(B)に示すように、電流の流れる向きのコイ
ル出口側に黒丸が描かれているときには、前記「−」方
向にそのコイルには電流が流れることを示している。例
えば図5に示す各区間においては、図10に示す向きに
各コイルには電流が流される。例えば、区間において
は、トランジスタQ1 とQ6 がオンされて、コイルL U
とLW に電流が流される。
【0054】界磁マグネット11の磁極の極性を検出す
るためのホール素子を、図11に示すような位置に配置
して、各コイルには次のように通電してもよい。図11
に示すリニアモータLM2は、ホール素子の配置位置が
異なる以外は実質的に図1のリニアモータLM1と同様
である。図11に示すリニアモータLM2においては、
固定子1の長手方向において、コイルLU の中心位置か
ら図11中右側にPS (ただし、Pc /2≦PS <Pm
/6)ずらした位置にホール素子h1 が配置されてお
り、コイルLU の中心位置から図11中左側にPS ずら
した位置にホール素子h1 ′が配置されている。同様
に、コイルLV の中心位置から図11中右側にPS ずら
した位置にホール素子h2 が配置されており、コイルL
V の中心位置から図11中左側にPS ずらした位置にホ
ール素子h2 ′が配置されている。コイルLW の中心位
置から図11中右側にPS ずらした位置にホール素子h
3 が配置されており、コイルLW の中心位置から図11
中左側にPS ずらした位置にホール素子h3 ′が配置さ
れている。
【0055】リニアモータLM2の可動子2を、固定子
1に沿って駆動するときには、ホール素子h1 、h2
3 、h1 ′、h2 ′及びh3 ′が検出する界磁マグネ
ット11の各磁極の極性に基づき、U、V及びW相の各
相コイルに、それぞれそのコイルの固定子1長手方向に
おける中心位置が、界磁マグネット11の磁極の駆動方
向における上流端よりPS 駆動方向に進んだ位置から、
さらに2Pm /3駆動方向に進んだ位置までの間、その
コイルが対向する磁極の極性に応じて、そのコイルが駆
動方向に電磁力を発生する向きの一定電流を流す。
【0056】このように通電すると、リニアモータLM
1を駆動するときと同様に、各コイルには、N極及びS
極の両極に跨がっていないときだけしか、通電されない
ため、駆動方向にしか推力を発生せず、それだけ効率が
よく、また、推力変動も少ない。なお、可動子2を図1
1中左方向に駆動する場合、U相コイルLU の中心が磁
極の駆動方向において上流端からPS 進んだ位置は、該
コイルの中心位置から駆動方向においてPS 上流側(後
ろ側)に配置されたホール素子h1 により検出でき、さ
らに2Pm /3駆動方向に進んだ位置は、ホール素子h
1 から駆動方向において2Pm /3後ろ側に配置された
ホール素子h3 により検出することができる。V相コイ
ルLV の中心が磁極の駆動方向において上流端からPS
進んだ位置は、該コイルの中心位置から駆動方向におい
てPS 後ろ側に配置されたホール素子h2 により検出で
き、さらに2Pm /3駆動方向に進んだ位置は、ホール
素子h2 から駆動方向において2Pm /3後ろ側の位置
とPm ずれた位置に配置されたホール素子h1 により検
出することができる。W相コイルLW の中心が磁極の駆
動方向において上流端からPS 進んだ位置は、該コイル
の中心位置から駆動方向(左方向)のPS 後ろ側に配置
されたホール素子h3 により検出でき、さらに2Pm
3駆動方向に進んだ位置は、ホール素子h3 から駆動方
向において2P m /3後ろ側の位置とPm ずれた位置に
配置されたh2 により検出することができる。
【0057】図11中右方向に駆動する場合、各相コイ
ルの上記通電が開始される位置及び通電が停止される位
置の2つの位置は、前記ホール素子h1 、h2 及びh3
の各ホール素子と、各相コイルの中心位置に対してそれ
ぞれ対称な位置に配置されたホール素子h1 ′、h2
及びh3 ′によって、左方向に駆動する場合と同様に検
出することができる。なお、図11中右方向に駆動する
場合において、各相コイルの上記2つの各位置は、ホー
ル素子h1 、h2 及びh3 によっては検出できない。
【0058】図1に示すリニアモータLM1や図11に
示すリニアモータLM2において、各ホール素子はそれ
ぞれ上記説明した位置から±n・Pm (n=1、2、
3、・・・)固定子長手方向にずれた位置に配置しても
よい。図1に示すリニアモータLM1を例にとって説明
すると、各ホール素子は次のような位置に配置してもよ
い。図12に示すように、固定子1の長手方向をX軸方
向、図中右方向をX軸正方向、U相コイルLU の固定子
長手方向(X軸方向)における中心位置をX=0の位置
とすると、図1に示した例では、ホール素子h 1 はX=
m /6の位置に配置した。ホール素子h1 の位置は、
前述の説明から明らかなように、X=−Pm /6の位置
でもよい。また、X=Pm /6の位置から±p・P
m (ただし、p=1、2、3、・・・)ずれた位置であ
ってもよい。パラメータpが、偶数のときは、X=Pm
/6位置のホール素子と、X=Pm /6±pPm 位置の
ホール素子とは、同極性の磁極を検出する。パラメータ
pが、奇数のときは、X=Pm /6位置のホール素子
と、X=Pm /6±pPm 位置のホール素子とは、逆極
性の磁極を検出するため、X=Pm /6+pPm 位置の
ホール素子の検出する磁極の極性を反転してやれば、X
=Pm /6位置のホール素子の検出する磁極の極性と同
じ極性になる。同様に、X=−Pm /6の位置から±p
・Pm (ただし、p=1、2、3、・・・)ずれた位置
であってもよい。したがって、ホール素子h1 はU相コ
イルLU の中心位置から±Pm /6±pPm(ただし、
p=0、1、2、3、・・・)の位置に配置すればよ
い。ホール素子h2 及びh3 についても同様である。ホ
ール素子h2 は、V相コイルLV の中心位置から±Pm
/6±qPm (ただし、q=0、1、2、3、・・・)
の位置に配置すればよい。ホール素子h3 は、W相コイ
ルLW の中心位置から±Pm /6±rPm (ただし、r
=0、1、2、3、・・・)の位置に配置すればよい。
なお、パラメータp、q、rが大きくなると、ホール素
子は可動子2上に配置する必要があるため、その分可動
子幅を余分に必要とすることがある。
【0059】図1に示すリニアモータLM1や図11に
示すリニアモータLM2においては、電機子コイルを構
成する3つの各相コイルは、固定子長手方向にその中心
位置をPm /3ずつずらして配置したものとしたが、い
ずれのコイルも上記説明した位置から固定子長手方向に
±n・Pm (n=1、2、3・・・)ずらしてもよい。
なお、電機子コイルの3つのコイルのうち、一つのコイ
ルを基準にして他の2つのコイルを上記説明した位置か
らずらすときには、それらのコイルのずらす幅は、異な
っていてもよい。
【0060】例えば、図1に示すリニアモータLM1に
おける電機子コイルの各相コイルは、次のような位置関
係に配置してもよい。例えば、図13に示すように、図
1に示すリニアモータLM1のV相コイルを一磁極幅P
m ずらしてもよい。図13に示すリニアモータLM3
は、各相コイルの固定子長手方向における位置関係が異
なる以外は、図1のリニアモータLM1と実質的に同じ
ものである。なお、このリニアモータLM3はリニアモ
ータLM1におけるU相コイル及びW相コイルをそれぞ
れPm ずらしたものとみることもできる。なお、図1に
示すリニアモータにおける部品と実質上同機能の部品に
は図1と同じ参照符号を付してある。
【0061】リニアモータLM3の電機子コイル21
は、固定子1に外嵌するリング状のU相コイルLU 、V
相コイルLV 及びW相コイルLW の3つのコイルからな
る。これらコイルは、導線を同じように巻き回すことに
よってそれぞれ同じ幅に形成してあり、それぞれ磁極ピ
ッチPm の1/3の幅より小さい幅Pc (<Pm /3)
に形成されている。コイルLU とLW との間にはリング
状のスペーサ73が配置されており、コイルLW とLV
との間にはリング状のスペーサ74が配置されている。
これらスペーサ73、74は、コイル幅Pc に対応させ
てその幅PSPを2Pm /3−Pc に形成してある。これ
により、コイルLU 、LW 及びLV は、この順に、その
中心位置を固定子1長手方向に正確に2Pm /3ずつず
らして配置されている。これらのコイルに対しては、図
1のリニアモータLM1と同様に、固定子1の長手方向
において、コイルLU の中心位置から図13中右側にP
m /6ずらした位置にホール素子h1 が配置されてい
る。同様に、コイルLV の中心位置から図13中右側に
m /6ずらした位置にホール素子h2 が配置されてお
り、コイルLW の中心位置から図13中右側にPm /6
ずらした位置にホール素子h3 が配置されている。
【0062】このリニアモータLM3も、リニアモータ
LM1と同様にして、可動子2を固定子1に沿って駆動
することができる。すなわち、ホール素子h1 、h2
びh 3 が検出する界磁マグネット11の各磁極の極性に
基づき、U、V及びW相の各相コイルに、それぞれその
コイルの固定子1長手方向における中心位置が、界磁マ
グネット11の磁極の可動子駆動方向における上流端よ
りPm /6駆動方向に進んだ位置から、さらに2Pm
3駆動方向に進んだ位置までの間、そのコイルが対向す
る磁極の極性に応じて、そのコイルが駆動方向に電磁力
を発生する向きの一定電流を流す。このように通電する
ことで、リニアモータLM1と同様に、リニアモータL
M4は、効率よく、且つ、推力変動を抑制して駆動する
ことができる。
【0063】リニアモータLM3をの可動子2を図13
中左方向に駆動するときの、各ホール素子の検出磁極
と、各相コイルへの通電方向及び通電タイミングとの関
係を図14に示す。図14に示すリニアモータLM3の
左方向への通電パターンは、図5に示すリニアモータL
M1の左方向駆動のための通電パターンに対して、V相
コイルをPm ずらしたことにより対向する磁極の極性が
逆になった該V相コイルへの通電方向を逆向きにしたも
のとみることもできる。
【0064】以上説明した図1のリニアモータLM1な
どは、電機子コイルとしてU相、V相及びW相コイルの
三つのコイルからなるコイル群を1組しか有していなか
ったが、かかるコイル群は複数組設けてもよい。図15
に、3組のコイル群からなる電機子コイルを有する、本
発明に係るシャフト型リニアモータLM4を示す。
【0065】固定子1は、図1と同様の界磁マグネット
11を有し、界磁マグネット11が形成されているシャ
フト部材10には、さらに可動子20の位置検出、速度
検出、位置制御、速度制御などのためのエンコーダの一
部を構成するエンコーダチャート31が形成されてい
る。エンコーダチャート31は、本例では磁気方式のも
のであり、シャフト部材10の長手方向にN極とS極の
磁極が交互に等ピッチに並ぶように界磁マグネット11
上に重畳して着磁形成したものである。エンコーダチャ
ート31のN極とS極の磁極は、本例では100μmの
ピッチで並んでいる。
【0066】可動子20は、固定子1に外嵌する電機子
コイル210や、電機子コイル210の両端部に設けら
れたリング状の軸受け22を有している。可動子2上に
は、さらに、エンコーダチャート31に対向する位置に
磁気センサ32(ここではMR素子と呼ばれる磁気抵抗
素子からなるセンサ)が、電機子コイル210の内周面
に支持されて配置されており、チャート31とセンサ3
2とでエンコーダ3が提供されている。なお、本例で
は、磁気式エンコーダチャート31は界磁マグネット1
1上に重畳して形成されているが、これに代えて、固定
子1に平行に配置する着磁可能な部材上に形成してもよ
い。このようにする場合も、磁気センサはチャートに対
向させて可動子上に配置する。また、エンコーダは、こ
のような磁気式のものに代えて、光学式のものとしても
よい。光学式のエンコーダチャートは例えば、固定子1
又は固定子1に平行に配置する部材上に形成すればよ
い。エンコーダチャートを光学式のものにするときも、
そのセンサ(例えば、発光素子と受光素子とからなるセ
ンサ)は、可動子上にエンコーダチャートに対向させて
配置する。
【0067】電機子コイル210は、本例では、U、V
及びW相の3つのコイルを1組とする第1組、第2組及
び第3組の3組のコイル群を有している。第1組のコイ
ル群、第2組のコイル群、第3組のコイル群の順に、固
定子長手方向に配置されている。第1組のコイル群は、
コイルLU1、LV1、LW1からなり、この順に固定子長手
方向に配置されている。第2組のコイル群は、コイルL
U2、LV2、LW2からなり、この順に固定子長手方向に配
置されている。第3組のコイル群は、コイルL U3
V3、LW3からなり、この順に固定子長手方向に配置さ
れている。各組のいずれのコイルも、その幅Pc は同じ
導線を同じように巻き回すことによって、同じ幅に形成
されており、その幅Pc は界磁マグネット11の一磁極
幅Pm の1/3より小さく形成されている。いずれの組
においても、隣合うコイル間には、固定子1に外嵌する
リング状のスペーサ75が配置されている。また、隣合
う組のコイル間にも、固定子1に外嵌するリング状のス
ペーサ76が配置されている。スペーサ75、76はい
ずれも幅PSPをコイル幅Pc に対応させてPm /3−P
c に形成してある。これにより、電機子コイルの9つの
コイルは、隣合うコイルの固定子長手方向における中心
位置が、いずれも正確にPm /3になるように配置され
ている。
【0068】前記と同様にリニアモータLM4を駆動す
るために、固定子1の長手方向において、コイルLU1
中心位置から図15中右側にPm /6ずらした位置にホ
ール素子h1 が配置されている。同様に、コイルLV1
中心位置から図15中右側にPm /6ずらした位置にホ
ール素子h2 が配置されており、コイルLW1の中心位置
から図15中右側にPm /6ずらした位置にホール素子
3 が配置されている。
【0069】リニアモータLM4の可動子20を、固定
子1に沿って駆動するときには、ホール素子h1 、h2
及びh3 が検出する界磁マグネット11の各磁極の極性
に基づき、各組、各相コイルに、それぞれそのコイルの
固定子1長手方向における中心位置が、界磁マグネット
11の磁極の可動子駆動方向における上流端よりPm
6駆動方向に進んだ位置から、さらに2Pm /3駆動方
向に進んだ位置までの間、そのコイルが対向する磁極の
極性に応じて、そのコイルが駆動方向に電磁力を発生す
る向きの一定電流を流す。
【0070】ここで、第1組の各相コイルへの通電開始
位置及び通電停止位置の検出、並びに通電は、リニアモ
ータLM4における第1組の各相コイルと各ホール素子
との位置関係が、前記のリニアモータLM1における各
相コイルと各ホール素子との位置関係と同じであるの
で、モータLM1と同様にして行える。また、リニアモ
ータLM4における第2組の各相コイルと各ホール素子
との位置関係は、リニアモータLM1における各相コイ
ルと各ホール素子との位置関係を、図12を用いて説明
したように、各ホール素子をPm ずらして配置したもの
とみることができるので、第2組の各相コイルへの通電
開始位置及び通電停止位置の検出は、これらホール素子
によって行える。同様に、リニアモータLM4における
第3組の各相コイルへの通電開始位置及び通電停止位置
の検出もこれらホール素子によって行える。リニアモー
タLM4を図15中、例えば左方向に駆動するときの各
コイルへの通電パターンを図16に示す。このように通
電すれば、リニアモータLM1と同様に、リニアモータ
LM4を効率よく、且つ、推力変動少なく駆動すること
ができる。リニアモータLM4は、3つのコイルからな
るコイル群を3組有するため、リニアモータLM1に比
べて、発生する推力を大きくすることができる。
【0071】図16に示す通電パターンにて行う各コイ
ルへの通電は、各組のコイル群それぞれに対して、図8
に示す通電回路を設けても通電することができる。この
場合、通電回路(駆動回路)が3組必要となるが、次の
ようにすれば、通電回路を1組とすることができる。リ
ニアモータLM4においては、9つのコイルを前述のよ
うな位置関係に配置したため、各組のU相コイル、すな
わち、コイルLU1、LU2、LU3は固定子長手方向におけ
る中心位置が、それぞれPm ずつずれている。各組のV
相コイル、W相コイルについても同様である。これによ
り、図16に示されるように、コイルLU1とLU3とにつ
いては、通電開始位置及び通電停止位置、並びに通電方
向は同じであり、コイルLU2については、これらコイル
と通電開始位置及び通電停止位置は同じで、通電方向だ
けが逆である。各組のV相コイル、W相コイルについて
も同様である。したがって、各組のU相コイル、V相コ
イル及びW相コイルを図17に示す巻き線向きにて並列
に接続して、スター結線してやれば、図8に示す通電回
路1つだけで、図16に示す通電パターンにて通電でき
る。図17に示す各コイルの巻き線方向は、例えば、各
組のU相(V相、W相)コイルについては、通電方向を
逆にするコイルLU2(LV2、LW2)の巻き線方向を、他
のコイルL U1及びLU3(LV1及びLV3、LW1及びLW3
と逆向きにしたものである。
【0072】ここで、リニアモータLM4に設けたエン
コーダを利用して、該モータをPLL制御(位相同期制
御)して駆動する例について説明する。図18に、この
ようなリニアモータの運転制御回路の一例の概略ブロッ
ク図を各相コイルとともに示す。なお、図18中、U相
コイルとあるとは、図17に示すように並列接続された
3つのコイルLU1、LU2、LU3を指す。同様に、V相コ
イルは並列接続された3つのコイルLV1、LV2、LV3
指し、W相コイルは並列接続された3つのコイルLW1
W2、LW3を指す。
【0073】図18の運転制御回路は、リニアモータ可
動子20の目的とする速度に応じた周波数の基準クロッ
ク信号を出力するコンピュータ61を有し、該基準クロ
ック信号はPLL制御回路部(位相同期制御回路部)6
2に入力される。PLL制御回路部62には、さらに、
エンコーダ3から可動子2の実際の移動速度を示す信号
がフィードバック入力される。なお、エンコーダ3には
前述のエンコーダチャート31及び磁気センサ32が含
まれている。PLL制御回路部62においては、コンピ
ュータ61からの基準クロック信号とエンコーダ3から
の移動速度信号との位相差に応じた信号が補償回路部6
3に出力される。補償回路部63においては、伝達系の
進み遅れ補償が行われ、補償された基準クロック信号と
移動速度信号との位相差に応じた信号は、通電制御回路
部64に入力される。
【0074】通電制御回路部64は、かかる基準クロッ
ク信号と移動速度信号との位相差に応じた信号に応じた
電流であって、ホール素子が検出する各コイルの対向す
る磁極の極性に基づき、前述のような通電パターンにて
通電する。これにより、各相のコイルには、目的とする
速度に応じた基準クロック信号と可動子20の実際の移
動速度に応じた信号との、位相を合わせるような電流が
流されるため、可動子20を目的とする速度にて駆動す
ることができる。
【0075】図19に、このような運転制御回路の一例
を示す。図19の運転制御回路は、前述のPLL制御回
路部62や補償回路部63を含んだモータドライブIC
(LB1823)(三洋電機(株)製)を中心に構成さ
れている。モータドライブICは、図8に示したロジッ
ク回路42の機能も果たす。なお、図1のリニアモータ
LM1等に、エンコーダを設ければ、上記と同様にPL
L制御方式にて運転制御することができる。
【0076】以上の例では、理解を容易にするために、
界磁マグネット11が形成する磁界は、固定子長手方向
に沿って図2に示す完全な矩形とした。このような磁束
分布であれば、上記説明したような通電方法によると、
前述のように推力変動はほとんど生じない。ところが、
実際には、図2に示す矩形波のように磁極の極性を急峻
に変化させることはできず、実際には磁極の極性は徐々
に変化し、固定子長手方向に沿う磁束分布は、矩形波
状、換言すれば台形波状になってしまう。したがって、
磁束密度の変化に起因して、リニアモータの発生する推
力は変動する。図42に示す従来のリニアモータにおい
ても磁束分布を台形波状にする場合には、同様に磁束密
度の変化に起因して、推力変動が生じる。
【0077】本発明に係るリニアモータの界磁マグネッ
トの形成する固定子長手方向における磁束分布は、矩形
波状であってもよい。本発明に係るリニアモータを上記
説明した駆動方法により駆動する場合には、従来のリニ
アモータのように駆動したい方向と逆方向に推力を発生
するコイル部分がないため、それだけ推力変動は従来よ
り抑制できる。界磁マグネットの形成する固定子長手方
向における磁束分布は、例えば図20に示すような矩形
に近い矩形波状であるほど推力変動は小さくなる。
【0078】リニアモータの発生する推力を大きくする
ためには、界磁マグネットの形成する磁界の磁束密度を
大きくすればよい。例えば、界磁マグネットの形成する
磁界の固定子長手方向における磁束分布が、図20に示
すような矩形波状である場合、その上底部分の磁束密度
max を大きくすればよい。界磁マグネットが固定子長
手方向に沿って上記のような磁束分布になるように、シ
ャフト部材を着磁するときには、例えば、次のように行
われる。すなわち、図21に示すように、着磁可能なシ
ャフト部材10の長手方向に、等間隔に逆方向に巻いた
コイルL1 、L2 、L3 、L4 、・・・を配置して、こ
れらコイルそれぞれに隣合うコイルとは互いに逆向きの
電流が流れるように通電して着磁する。このようにして
着磁する場合、各コイルに通電する電流の大きさを大き
くすれば、着磁される最大磁束密度は大きくなる。ただ
し、着磁磁束密度の最大値は、シャフト部材の径と着磁
ピッチとの比や、着磁磁束分布形状に依存する。
【0079】ところが、図21に示すように通電して着
磁する場合において、通電電流を大きくして着磁される
最大磁束密度を大きくするときには、図22に示すよう
に、シャフト部材の長手方向における磁束分布は、最大
磁束密度が小さい順に、M状→台形波状→正弦波状→三
角波状→突極状という具合に、矩形から離れた形状にな
ってしまう。固定子長手方向における磁束分布が例えば
正弦波状であった場合、ある区間においては、発生する
推力は大きくなるが、全体的にみると推力変動も大きく
なる。
【0080】ところで、前記説明した図1のリニアモー
タLM1を、前記説明した通電方法にて駆動する場合、
界磁マグネットの磁極の固定子長手方向における中央P
m /3の幅部分の磁界は、常に通電されるコイルに作用
して、常に推力発生に寄与する。したがって、図23に
示す磁束分布のように、中央Pm /3幅部分だけに磁界
があり、他の部分の磁界は0であるような磁束分布であ
っても、リニアモータLM1を上記説明した通電方法に
て駆動するときは、推力の変動はない。
【0081】この場合も図23のように磁束分布が完全
な矩形になるように着磁することはできない。しかし、
図23に示す磁束分布に近い形状であれば、それだけ推
力変動を小さくできる。換言すれば、各磁極の固定子長
手方向における中央Pm /3の幅の中での各位置におけ
る磁束密度の合計BC と、その一つの磁極の固定子長手
方向における各位置での磁束密度の合計BA との比BC
/BA が大きいほど、且つ、その磁極の固定子長手方向
における2Pm /3の幅の中での磁束密度の変動ΔBb
が小さいほど、推力変動を小さくできる。図24に示す
ように、固定子長手方向をx方向とし、固定子長手方向
における各位置での磁束密度をB(x)とし、その磁極
の端のx方向位置をx=0とすると、前記磁極の中央P
m /3の幅の中での各位置における磁束密度の合計
C 、及び一つの磁極の各位置での磁束密度の合計BA
は、次のように表せる。また、磁束密度の変動ΔBbは
次のように表せる。
【0082】
【数1】
【0083】
【数2】
【0084】
【数3】
【0085】ただし、
【0086】
【数4】
【0087】なお、磁束分布が完全な正弦波の場合、上
記磁束密度比BC /BA は0.5となり、図23に示す
磁束分布の場合、上記磁束密度比BC /BA は1とな
る。図23の磁束分布に近い磁束分布として、図25に
示す突極状の磁束分布を挙げることができる。例えば、
着磁するシャフト部材の直径を16mm、着磁ピッチを
30mmとする場合、磁束分布を突極状にするときに
は、上記磁束密度比B C /BA が0.7を超えるように
着磁することができる。このとき、推力変動は1桁%程
度に抑制される。同じシャフト部材に磁束分布が台形状
になるように着磁するときには、上記磁束密度比BC
A は0.45程度以下となり、このときの推力変動は
15%程度となる。固定子長手方向における磁束分布が
図25に示すような突極状になるように着磁すること
は、前述の図21に示したようにして、簡単に行うこと
ができる。しかも、磁束分布を突極状にすると、磁束分
布を矩形に近い矩形波状などにする場合に比べて、最大
磁束密度を大きくすることができ、発生推力も大きくで
きる。
【0088】したがって、磁束分布を図25に示すよう
な突極状にすると、推力変動を小さくできるとともに、
発生推力も大きくできる。しかも、磁束分布が突極状に
なるように着磁することは、磁束分布が矩形に近い矩形
波状となるように着磁する場合に比べて容易である。磁
束分布を矩形に近い矩形波状に着磁する場合には、着磁
ヨークを設けて、多くのパラメータを管理して、着磁し
なければならない。
【0089】本発明に係るリニアモータにおいては、電
機子コイルを構成する各コイルの幅Pc を界磁マグネッ
トに各磁極幅Pm の1/3より小さくし、各コイル間に
スペーサを配置して、そのスペーサの幅を調整すること
によって、各コイルの中心位置間隔を所定の間隔に正確
に合わせるようにした。通常、コイル幅Pc は導線の巻
き数にほぼ比例するため、固定子長手方向における磁束
分布が、図26に示す突極状、図27に示す三角状、図
28に示す台形状(以下、台形1状)、図29に示す台
形状(以下、台形2状)、図30に示すM状(以下、M
1状)、図31に示すM状(以下、M2状)のいずれで
あっても、リニアモータの発生する平均推力は図32に
示すようにスペーサ幅PSPが大きくなるほど、換言すれ
ばコイル幅Pc が小さくなるほど、減少する。なお、図
32に示すスペーサ幅と平均推力との関係は、図26〜
図31に示す固定子長手方向における磁束分布の磁極幅
を30mmとし、図1に示すリニアモータLM1を用い
て、上述のようにしてリニアモータを駆動するときに各
コイルに流す電流を5Aとして測定したものである。図
32から、磁束分布がいずれであっても、スペーサ幅P
SPを0に近づけるほど、換言すれば、コイル幅Pc をP
m /3に近づけるほど、リニアモータの発生する平均推
力を大きくできることがわかる。
【0090】ところが、同様にしてスペーサ幅と推力リ
ップル(推力変動)との関係を調べてみると、図33に
示すように、固定子長手方向における磁束分布によっ
て、推力リップルの最小となるスペーサ幅、換言すれば
コイル幅が異なっている。なお、推力リップルは、リニ
アモータ可動子が固定子に沿ってPm 移動したとき、各
位置での推力の平均、すなわち平均推力FAVと、推力差
ΔF(=推力最大値−推力最小値)との比ΔF/FAV
ある。図33から、例えば、磁束分布が突極状の場合に
は、スペーサ幅が大きくなると、推力リップルは小さく
なることがわかる。ところが、磁束分布が台形状やM状
の場合には、スペーサ幅が大きくなるほど、推力リップ
ルは減少するのではなく、推力リップルが最小となるス
ペーサ幅、換言すればコイル幅が存在する。
【0091】したがって、本発明のリニアモータにおい
て、電機子コイルの各コイルの幅P c は、発生可能な最
大推力と推力変動とのバランスを考慮して設定すればよ
い。推力変動少なく、精度よくリニアモータを駆動した
場合には、最大推力は小さくなるが、推力変動が小さく
なるコイル幅を実験等して見つければよい。推力変動よ
りも、最大推力を重視する場合には、コイル幅を大きく
すればよい。
【0092】なお、図30に示すM1状の磁束分布と図
31に示すM2状の磁束分布はほとんど変わりないが、
これらの磁束分布のわずかな違いによって、図33に示
すように推力リップルに関しては大きな違いが現れる。
以上説明したリニアモータLM1〜LM4においては、
界磁マグネットの磁極の極性を検出するためのホール素
子は、いずれも可動子上の電機子コイルの外周面側に設
けた。これは、ホール素子を電機子コイルの内周面側に
設けるよりも、界磁マグネットと電機子コイルの間の距
離を短くして、可動子をコンパクトにするためであると
ともに、推力発生効率を高めるためである。
【0093】このように電機子コイルの外周面側に設け
たホール素子は、以上の説明では理解容易のために正確
に界磁マグネットの磁極を検出できるものとした。しか
し、実際には図34に示すように、ホール素子h1 、h
2 、h3 にはそれぞれ界磁マグネット11からの磁界以
外にも、通電されたコイルLU 、LV 、LW が形成する
磁界も作用する。なお、図34に示すリニアモータは図
1に示すリニアモータLM1であり、スペーサ等は図示
が省略されている。図34において点線矢印線は、磁力
線を表す。したがって、可動子2の移動に伴い各ホール
素子は界磁マグネットの磁極情報として図35に実線で
示すホール電圧を出力するはずが、実際には通電された
コイルが形成する磁界などの界磁マグネット以外からの
磁界の影響によって図35中点線で示すような電圧がホ
ール素子から出力されてしまう。これらの誤差によっ
て、前述の各コイルへの通電タイミングがずれてしま
い、結果として推力変動が起こってしまう。
【0094】そこで、次にこのように通電される電機子
コイルにより形成される磁界などの界磁マグネット以外
の磁界の影響を抑制して、それだけホール素子によって
正確に界磁マグネットの磁極情報を検出でき、推力変動
を抑制できるリニアモータの一例を図36(A)及び
(B)を参照して説明する。図36(A)及び(B)に
示すリニアモータLM5は、図1に示すリニアモータL
M1と後述する磁気シールド部材を設けた以外は実質的
に同じものである。実質的に同じ機能、作用の部品、部
分には同じ参照符号を付してある。なお、図36(B)
においては、スペーサー71、72、軸受け22は図示
が省略されている。
【0095】リニアモータLM5においては、各ホール
素子に隣合うコイルの肩部には断面L字状のシールド部
材が配置されている。具体的に言うと、ホール素子h1
に隣合うコイルLU の右肩部にはシールド部材51aが
配置されており、コイルLVの左肩部にはシールド部材
51bが配置されている。同様に、ホール素子h2 に隣
合うコイルLV の右肩部にはシールド部材51cが配置
されており、コイルL W の左肩部にはシールド部材51
dが配置されている。また、ホール素子h3 に隣合うコ
イルLW の右肩部にはシールド部材51eが配置されて
いる。これら各シールド部材は、いずれも強磁性体材料
からなる。本例ではこれら各シールド部材は炭素鋼から
なる。シールド部材51aは、ホール素子h1 に臨むコ
イルLUの外周面部分及びホール素子h1 に臨むコイル
U の側面部分の一部を覆っている。他のシールド部材
についても同様である。
【0096】隣合うシールド部材は互いに離されてい
る。ホール素子h1 は、シールド部材51aと51bの
隙間から界磁マグネット11に臨んでいる。他のホール
素子についても同様である。なお、各ホール素子は、隣
合うシールド部材に渡し配置され、接着剤等でこれらに
固定されている。リニアモータLM5においては、コイ
ルに通電されたときには図36(A)に示すようにコイ
ルが形成する磁束は空気より比透磁率の高いシールド部
材内を通過するため、コイルの形成する磁界がホール素
子に作用することを抑制できる。界磁マグネット11の
磁束は、例えばホール素子h1 にはシールド部材51a
と51bの間を通過して到達できるため、これらシール
ド部材はホール素子h1 による界磁マグネットの磁極検
出の障害とはならない。これにより、各ホール素子は界
磁マグネット11の形成する磁界をそれだけ正確に検出
できる。したがって、各ホール素子によって前述の各コ
イルへの通電タイミングをそれだけ正確に検出でき、リ
ニアモータLM5を推力変動少なく、精度良く駆動する
ことができる。
【0097】シールド部材は、図37に示すリニアモー
タLM6に設けたシールド部材のように断面L字状に代
えて、断面コの字状としてもよい。リニアモータLM6
においては、コイルLU のホール素子h1 に臨む外周面
部分及び側面部分の一部は断面コの字状の磁気シールド
部材52aにより覆われている。コイルLV 、コイルL
W についても同様にそれぞれ断面コの字状のシールド部
材52b、52cにより覆われている。これらシールド
部材52a、52b、52cも強磁性体材料からなる。
これらシールド部材52a、52b、52cによって
も、リニアモータLM5におけるシールド部材と同様に
して、コイルの形成する磁界がホール素子に与える影響
を抑制できる。
【0098】図38にさらに他の形状のシールド部材を
設けたリニアモータLM7を示す。リニアモータLM7
においては、電機子コイル21の各コイルLU 、LV
びLW の外周面であってホール素子h1 、h2 、h3
臨む部分には、平板状のシールド部材53が設けられて
いる。シールド部材53は、本例では電機子コイル21
に接着固定されている。シールド部材53は強磁性体材
料からなる。
【0099】シールド部材53のホール素子h1
2 、h3 に臨む部分には、それぞれ孔531、53
2、533が設けられている。これらの孔を通して各ホ
ール素子は界磁マグネット11に臨んでいる。各ホール
素子は、例えばシールド部材53に接着剤等で固定する
ことができる。図39及び図40に示すように各コイル
の発生する磁束はシールド部材53内を通り、コイルの
形成する磁界が各ホール素子に作用することを抑制でき
る。さらに言えば、図40に示すように各コイル、例え
ばコイルLU が発生する磁束は放射線状に生じるが、シ
ールド部材53の孔531付近においては孔531を避
けるように該磁束はシールド部材53に入りこみ、該磁
束が孔531の向こう側にあるホール素子h1 に到達す
るのを抑制できる。
【0100】一方、界磁マグネット11からの磁束はシ
ールド部材53の孔を通して、その外側にある各ホール
素子h1 、h2 、h3 に到達するため、各ホール素子に
よって界磁マグネット11の磁極検出を良好に行うこと
ができる。リニアモータLM7に設けたシールド部材5
3は単部品であるため、該シールド部材の配置調整が容
易である。また、リニアモータLM5やLM6に設けた
シールド部材のようにコイル間にシールド部材を配置す
るためのスペースを必要としないため、それだけ各コイ
ル幅を大きくでき、推力を大きくできる。
【0101】なお、シールド部材53は平板状とした
が、これに代えて電機子コイルの外周面の曲面に沿った
曲面板としてもよい。このようにすると、それだけ可動
子をコンパクトにすることができる。図41にさらに他
の形状のシールド部材を設けたリニアモータLM8を示
す。リニアモータLM8においては、電機子コイル21
の外周面には円筒状のシールド部材54が設けられてい
る。シールド部材54は強磁性体材料からなる。シール
ド部材54のホール素子h1 、h2 、h3 に臨む部分に
は、それぞれ孔541、542、543が設けられてい
る。これらの孔を通して各ホール素子は界磁マグネット
11に臨んでいる。なお、各ホール素子は接着剤等でシ
ールド部材54に固定してもよい。
【0102】シールド部材54によっても、リニアモー
タLM7に設けたシールド部材53と同様にして、コイ
ルの形成する磁界が各ホール素子に作用することを抑制
できる。リニアモータLM8においては、シールド部材
54は可動子2のケース、カバーとしても利用されてい
る。電機子コイル21はシールド部材54の内周面に接
着剤などによって固定されており、シールド部材54の
両端開口部には図示を省略した軸受けが設けられてい
る。シールド部材54はその中へコイル素線を巻き付け
てコイルを形成するアウターボビンの機能も兼ねてい
る。これらにより、可動子2はコンパクトに形成されて
いる。
【0103】リニアモータLM8においては、シールド
部材54はさらにヨークとしても利用されている。シー
ルド部材54をヨークとしても利用するときには、前述
の炭素鋼等の一般の鋼材よりもケイ素鋼などを用いるの
が好ましい。ヨークとしてのシールド部材54によって
界磁マグネット11からの磁束はシールド部材54を通
る閉ループを形成するため、電機子コイル21に錯交す
る磁束数が増え、推力を大きくできる。
【0104】
【発明の効果】本発明によると、N極とS極の磁極が交
互に並んでいる界磁マグネットを有する棒状の固定子
と、前記固定子に外嵌する電機子コイルを有し、該固定
子に沿って往復移動可能な可動子とを備えるシャフト型
リニアモータであって、精度よく駆動できるシャフト型
リニアモータを提供することができる。
【0105】また、本発明によると、N極とS極の磁極
が交互に並んでいる界磁マグネットを有する棒状の固定
子と、前記固定子に外嵌する電機子コイルを有し、該固
定子に沿って往復移動可能な可動子とを備えるシャフト
型リニアモータであって、電機子コイルを構成する複数
のコイルにおける各隣合うコイルの中心位置間距離を所
定の距離に簡単、安価に、精度良く設定できるシャフト
型リニアモータを提供することができる。
【0106】また、本発明によると、N極とS極の磁極
が交互に並んでいる界磁マグネットを有する棒状の固定
子と、前記固定子に外嵌する電機子コイルを有し、該固
定子に沿って往復移動可能な可動子とを備えるシャフト
型リニアモータであって、推力変動を小さく、しかも効
率良く駆動できるシャフト型リニアモータを提供するこ
とができる。
【0107】また、本発明によると、N極とS極の磁極
が交互に並んでいる界磁マグネットを有する棒状の固定
子と、前記固定子に外嵌する電機子コイルを有し、該固
定子に沿って往復移動可能な可動子と、可動子上に界磁
マグネットの磁極を検出するための磁極検出素子とを備
えるシャフト型リニアモータであって、通電される電機
子コイルから発生する磁界などの界磁マグネット以外か
らの磁界の影響を抑制して、磁極検出素子によって正確
に界磁マグネットの磁極を検出でき、それだけ精度よく
駆動できるシャフト型リニアモータを提供することがで
きる。
【0108】また本発明によると、推力変動小さく、効
率良く駆動できるシャフト型リニアモータの駆動方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシャフト型リニアモータの一例の
一部を断面で示す概略側面図である。
【図2】図1に示すリニアモータの界磁マグネットが形
成する磁束分布の一例を示す図である。
【図3】図(A)及び図(C)は、図1に示すリニアモ
ータのU相コイルがN極上を図中左方向に移動している
様子を示しており、図(B)及び図(D)はこのときの
U相コイルへの通電方向を示している。
【図4】図(A)及び図(C)は、図1に示すリニアモ
ータのU相コイルがS極上を図中左方向に移動している
様子を示しており、図(B)及び図(D)はこのときの
U相コイルへの通電方向を示している。
【図5】図1のリニアモータの可動子を、図1中左方向
に駆動するときの、各ホール素子の検出磁極極性と、各
相コイルへの通電タイミング及び通電方向との関係を示
す図である。
【図6】図1に示すリニアモータにおいて、ホール素子
の配置位置の他の例を示す図である。
【図7】図1のリニアモータの可動子を、図1中右方向
に駆動するときの、各ホール素子の検出磁極極性と、各
相コイルへの通電タイミング及び通電方向との関係を示
す図である。
【図8】図5及び図7に示す通電パターンにて各相コイ
ルへ通電することができる通電回路の一例を示す図であ
る。
【図9】図(A)及び図(B)は、コイル巻き方向の違
いを説明するための図である。
【図10】図5に示す各区間においての、各コイルへの
通電方向を示す図である。
【図11】本発明に係るシャフト型リニアモータの他の
例を示す一部省略断面図である。
【図12】図1に示すリニアモータにおいて、ホール素
子の配置位置のさらに他の例を示す図である。
【図13】本発明に係るシャフト型リニアモータのさら
に他の例を示す一部断面概略側面図である。
【図14】図13のリニアモータの可動子を、図13中
左方向に駆動するときの、各ホール素子の検出磁極極性
と、各相コイルへの通電タイミング及び通電方向との関
係を示す図である。
【図15】本発明に係るシャフト型リニアモータのさら
に他の例を示す一部断面概略側面図である。
【図16】図15のリニアモータの可動子を、図15中
左方向に駆動するときの、各ホール素子の検出磁極極性
と、各相コイルへの通電タイミング及び通電方向との関
係を示す図である。
【図17】図15のリニアモータの各コイルの結線状態
の一例を示す図である。
【図18】図15のリニアモータの運転制御回路の一例
の概略ブロック図である。
【図19】図15のリニアモータの運転制御回路の一例
である。
【図20】界磁マグネットが形成する磁束分布の他の例
を示す図である。
【図21】シャフト部材に着磁するときの様子を示す図
である。
【図22】界磁マグネットが形成する磁束分布のさらに
他の例を示す図である。
【図23】界磁マグネットが形成する理想的な磁束分布
の一例を示す図である。
【図24】界磁マグネットが形成する磁束分布のさらに
他の例を示す図である。
【図25】界磁マグネットが形成する磁束分布のさらに
他の例を示す図である。
【図26】界磁マグネットが形成する突極状の磁束分布
の一例を示す図である。
【図27】界磁マグネットが形成する三角状の磁束分布
の一例を示す図である。
【図28】界磁マグネットが形成する台形状の磁束分布
の一例を示す図である。
【図29】界磁マグネットが形成する台形状の磁束分布
の他の例を示す図である。
【図30】界磁マグネットが形成するM状の磁束分布の
一例を示す図である。
【図31】界磁マグネットが形成するM状の磁束分布の
他の例を示す図である。
【図32】界磁マグネットが形成する固定子長手方向に
おける磁束分布が、図26から図31に示す形状である
とき、スペーサ幅と推量との関係を示す図である。
【図33】界磁マグネットが形成する固定子長手方向に
おける磁束分布が、図26から図31に示す形状である
とき、スペーサ幅と推量リップルとの関係を示す図であ
る。
【図34】図1に示すリニアモータにおいて、ホール素
子が電機子コイルにより形成される磁界の影響を受けて
いる様子を示す図である。
【図35】図1に示すリニアモータにおいて、電機子コ
イルに通電しているときと、通電していないときのそれ
ぞれのホール素子の出力電圧を示す図である。
【図36】図36(A)は本発明に係るシャフト型リニ
アモータのさらに他の例を示す一部断面概略側面図であ
り、図36(B)は該リニアモータの概略斜視図であ
る。
【図37】本発明に係るシャフト型リニアモータのさら
に他の例を示す概略斜視図である。
【図38】本発明に係るシャフト型リニアモータのさら
に他の例を示す概略斜視図である。
【図39】図38に示すリニアモータの固定子長手方向
の断面図である。
【図40】図38に示すリニアモータの固定子半径方向
の断面図である。
【図41】本発明に係るシャフト型リニアモータのさら
に他の例を示す概略斜視図である。
【図42】図(A)及び(B)は、いずれも従来のシャ
フト型リニアモータの一例の概略側面図である。
【図43】図42のリニアモータの可動子を、図42中
左方向に駆動するときの、各ホール素子の検出磁極極性
と、各相コイルへの通電タイミング及び通電方向との関
係を示す図である。
【符号の説明】
LM1〜LM8 リニアモータ 1 固定子 11 界磁マグネット 2 可動子 21 電機子コイル 22 軸受け 3 エンコーダ 31 エンコーダチャート 32 エンコーダ用センサ h1 、h2 、h3 、h1 ′、h2 ′、h3 ′ ホール素
子(磁極検出素子) 51a、51b、51c、51d、51e、52a、5
2b、52c、53、54 シールド部材 71、72、73、74、75、76 スペーサ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】幅Pm のN極の磁極と幅Pm のS極の磁極
    とが所定方向に交互に並べられた界磁マグネットを有
    し、該所定方向に延びる棒状の固定子と、 前記固定子に外嵌する電機子コイルを有し、該固定子に
    沿って往復移動可能な可動子とを備え、 前記電機子コイルは、下記の(A)及び(B)の条件を
    満たす第1、第2及び第3の三つのコイルを一組とする
    コイル群を1組又は複数組備えており、互いに隣合う二
    つのコイルの間には、下記(B)の条件を満たすように
    該隣合うコイル間の間隔距離を設定する所定幅のスペー
    サが設けられていることを特徴とするシャフト型リニア
    モータ。 (A) 前記第1コイル、第2コイル及び第3コイルの
    前記固定子長手方向の幅は同じであり、その幅Pc はP
    c <Pm /3である。 (B) 前記第2コイルの前記固定子長手方向における
    中心位置は、前記第1コイルの該固定子長手方向におけ
    る中心位置から、該固定子長手方向におけるいずれか一
    方向に、Pm /3+j・Pm (jは整数)ずれた位置に
    あり、前記第3コイルの前記固定子長手方向における中
    心位置は、前記第1コイルの該固定子長手方向における
    中心位置から、該固定子長手方向における前記一方向
    に、2Pm /3+k・Pm (kは整数)ずれた位置にあ
    る。
  2. 【請求項2】前記電機子コイルのいずれの組のコイル群
    においても、前記第2コイルの前記固定子長手方向にお
    ける中心位置は、その組の前記第1コイルの該固定子長
    手方向における中心位置から、該固定子長手方向におけ
    るいずれか一方向に、Pm /3ずれた位置にあり、前記
    第3コイルの前記固定子長手方向における中心位置は、
    その組の前記第1コイルの該固定子長手方向における中
    心位置から、該固定子長手方向における前記一方向に、
    2Pm /3ずれた位置にある請求項1記載のシャフト型
    リニアモータ。
  3. 【請求項3】前記電機子コイルは、第1、第2及び第3
    の3つのコイルを1組とするコイル群を複数組備えてお
    り、各隣合う組において互い隣合う位置に配置された二
    つのコイルの前記固定子長手方向における中心位置は、
    いずれもPm /3ずれている請求項2記載のシャフト型
    リニアモータ。
  4. 【請求項4】少なくとも一つの組のコイル群について、
    前記第1コイルの前記固定子長手方向における中心位置
    から該方向におけるいずれか一方向にPm /6+p・P
    m (pは整数)ずれた位置で前記可動子上に配置され
    た、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出することが
    できる第1の磁極検出素子と、 前記第2コイルの前記固定子長手方向における中心位置
    から該方向における前記一方向にPm /6+q・P
    m (qは整数)ずれた位置で前記可動子上に配置され
    た、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出することが
    できる第2の磁極検出素子と、 前記第3コイルの前記固定子長手方向における中心位置
    から該方向における前記一方向にPm /6+r・P
    m (rは整数)ずれた位置の前記可動子上に配置され
    た、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出することが
    できる第3の磁極検出素子とを備える請求項1、2又は
    3記載のシャフト型リニアモータ。
  5. 【請求項5】少なくとも一つの組のコイル群において、
    前記第1コイルの前記固定子長手方向における中心位置
    から該方向におけるいずれか一方向にPS +p1 ・Pm
    (p 1 は整数。Pc /2≦PS ≦Pm /6)ずれた位置
    で前記可動子上に配置された、前記界磁マグネットの磁
    極の極性を検出することができる第1の磁極検出素子
    と、 前記第1コイルの前記固定子長手方向における中心位置
    から該方向における前記一方向とは逆方向にPS +p2
    ・Pm (p2 は整数)ずれた位置で前記可動子上に配置
    された、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出するこ
    とができる第2の磁極検出素子と、 前記第2コイルの前記固定子長手方向における中心位置
    から該方向における前記一方向にPS +q1 ・Pm (q
    1 は整数)ずれた位置で前記可動子上に配置された、前
    記界磁マグネットの磁極の極性を検出することができる
    第3の磁極検出素子と、 前記第2コイルの前記固定子長手方向における中心位置
    から該方向における前記一方向とは逆方向にPS +q2
    ・Pm (q2 は整数)ずれた位置で前記可動子上に配置
    された、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出するこ
    とができる第4の磁極検出素子と、 前記第3コイルの前記固定子長手方向における中心位置
    から該方向における前記一方向にPS +r1 ・Pm (r
    1 は整数)ずれた位置の前記可動子上に配置された、前
    記界磁マグネットの磁極の極性を検出することができる
    第5の磁極検出素子と、 前記第3コイルの前記固定子長手方向における中心位置
    から該方向における前記一方向とは逆方向にPS +r2
    ・Pm (r2 は整数)ずれた位置で前記可動子上に配置
    された、前記界磁マグネットの磁極の極性を検出するこ
    とができる第6の磁極検出素子とを備える請求項1、2
    又は3記載のシャフト型リニアモータ。
  6. 【請求項6】前記磁極検出素子はホール素子である請求
    項4又は5記載のシャフト型リニアモータ。
  7. 【請求項7】前記第1、第2及び第3の各コイルの表面
    のうち、少なくとも前記磁極検出素子に臨む位置にある
    表面部分は磁気シールド部材により覆われており、該磁
    気シールド部材は該各コイルに通電されたときに形成さ
    れる磁界の磁路の一部となる請求項4から6のいずれか
    に記載のシャフト型リニアモータ。
  8. 【請求項8】前記界磁マグネットが形成する前記固定子
    長手方向における磁束分布は、矩形波状である請求項1
    から7のいずれかに記載のシャフト型リニアモータ。
  9. 【請求項9】前記界磁マグネットの各磁極の前記固定子
    長手方向における中央Pm /3の幅の中での各位置にお
    ける磁束密度の合計BC と、その磁極の固定子長手方向
    における各位置での磁束密度の合計BA との比BC /B
    A が、0.5より大きい請求項1から7のいずれかに記
    載のシャフト型リニアモータ。
  10. 【請求項10】前記第1、第2及び第3のコイルの幅P
    c は、前記界磁マグネットが形成する前記固定子長手方
    向における磁束分布に基づき定められている請求項1か
    ら9のいずれかに記載のシャフト型リニアモータ。
  11. 【請求項11】請求項1から10のいずれかに記載のシ
    ャフト型リニアモータの駆動方法であって、 前記第1コイル、第2コイル及び第3コイルの各コイル
    に、それぞれそのコイルの前記固定子長手方向における
    中心位置が、前記界磁マグネットの磁極の該固定子長手
    方向における可動子駆動方向において上流端よりPm
    6駆動方向に進んだ位置から、さらに2Pm /3駆動方
    向に進んだ位置までの間、そのコイルが対向する磁極の
    極性に応じて、そのコイルが駆動方向に電磁力を発生す
    る向きの一定電流を流すことを特徴とするシャフト型リ
    ニアモータの駆動方法。
  12. 【請求項12】請求項1から10のいずれかに記載のシ
    ャフト型リニアモータの駆動方法であって、 前記第1コイル、第2コイル及び第3コイルの各コイル
    に、それぞれそのコイルの前記固定子長手方向における
    中心位置が、前記界磁マグネットの磁極の該固定子長手
    方向における可動子駆動方向において上流端よりP
    S (Pc /2≦PS≦Pm /6)駆動方向に進んだ位置
    から、さらに2Pm /3駆動方向に進んだ位置までの
    間、そのコイルが対向する磁極の極性に応じて、そのコ
    イルが駆動方向に電磁力を発生する向きの一定電流を流
    すことを特徴とするシャフト型リニアモータの駆動方
    法。
  13. 【請求項13】N極の磁極とS極の磁極とが所定方向に
    交互に並べられた界磁マグネットを有し、該所定方向に
    延びる棒状の固定子と、 前記固定子に外嵌する複数のコイルからなる電機子コイ
    ルを有し、該固定子に沿って往復移動可能な可動子とを
    備え、 前記電機子コイルにおける複数のコイルのうちの互いに
    隣合う二つのコイルの間には、それら隣合うコイルの中
    心位置間距離を所定の距離に設定する所定幅のスペーサ
    が設けられていることを特徴とするシャフト型リニアモ
    ータ。
  14. 【請求項14】N極の磁極とS極の磁極とが所定方向に
    交互に並べられた界磁マグネットを有し、該所定方向に
    延びる棒状の固定子と、 前記固定子に外嵌する複数のコイルからなる電機子コイ
    ルを有し、該固定子に沿って往復移動可能の可動子と、 前記界磁マグネットの磁極の極性を検出するための前記
    可動子上に搭載された磁極検出素子とを備えており、 前記電機子コイルを構成している各コイルの表面のう
    ち、少なくとも前記磁極検出素子に臨む位置にある表面
    部分は磁気シールド部材により覆われており、該磁気シ
    ールド部材は該各コイルに通電されたときに形成される
    磁界の磁路の一部となるシャフト型リニアモータ。
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