JP6299852B2 - 発電出力測定装置 - Google Patents
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Description
このような、自然エネルギーを利用した発電装置の出力を測定する従来の発電出力測定装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。
発電装置からの電流を負荷部へ引き込んだとしても、制御部が、負荷部に流れる電流をパワーコンディショナーが動作することができる電圧範囲に含まれる間だけ増加させるので、パワーコンディショナーを停止することなく、発電装置の測定を測定部により行うことができる。
並列接続された発電装置を、負荷部と測定部とを複数設けて測定するときに、制御部が負荷部への電流の流し込みを同時に指示して、複数の測定部により電圧と電流を同時測定するので、同じ条件で並列接続された発電装置を測定することができる。
制御部が、複数の負荷部と、測定部との接続を切替部により切り替えながら、測定部により電圧と電流を順次測定することで、測定部を発電装置に対応させて設けなくてもよい。また、制御部が切替部を順次切り替えながら測定することで、制御部が高速に動作しなくてもよいので、低速なものが使用できる。
制御部が、切替部により並列接続された発電装置のそれぞれの出力を切り替えながら、負荷部と測定部とにより電圧と電流を順次測定することで、負荷部と測定部とを発電装置に対応させて設けなくてもよい。また、制御部が切替部を順次切り替えながら測定することで、制御部が高速に動作しなくてもよいので、低速なものが使用できる。
発電装置の出力を測定する際に、手動で発電装置の出力に接触させる場合、確実に負荷部を発電装置に接続する必要がある。制御部が、測定部により測定された電圧が所定電圧以上であることを契機に、負荷部に流れる電流を増加させて測定を開始することで、確実な接触状態で測定を開始することができる。また、制御部が測定部による測定が終了したことを報知部により報知するので、測定終了を認識することができる。
本発明の実施の形態1に係る発電出力測定装置を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、発電出力測定装置10は、パワーコンディショナーPに接続された自然エネルギーを利用した発電装置の一例である太陽光発電装置Sが発生する出力電力を測定するものである。
パワーコンディショナーPは、負荷Lへ太陽光発電装置Sからの出力を調整された電力として供給するものである。パワーコンディショナーPの機能としては、太陽光発電装置Sからの直流の出力を交流に変換することの他に、最大出力動作点制御(MPPT:Maximum Power Point Tracking)により、刻々と変化する環境変化のその時々における最大電力を負荷Lへ出力する。
負荷部20は、電圧ダミーロードおよび電流ダミーロードを備え、発電装置から電流を流して、太陽光発電装置Sの電流や電圧を測定するためのものである。負荷部20は、例えば、図3に示す回路構成とすることができる。
端子IN+と端子IN−間の電圧を抵抗26の両端の電圧を測定することで、太陽光発電装置Sの出力電圧としているため、抵抗26の抵抗値は抵抗25より十分大きなものとするのが望ましい。
制御部40に設定される設定値としては、パワーコンディショナーPの動作下限値(停止電圧)や太陽光発電装置Sのストリング数、太陽光発電装置Sの故障を検出するための閾値などがある。本実施の形態1では、設定値として、パワーコンディショナーPの停止電圧を100Vとし、ストリング数を1としている。
図4に示すように、まず、制御部40は連系ストリング電圧VSTを測定する(ステップS10)。発電出力測定装置10における連系ストリング電圧VSTは、パワーコンディショナーPが負荷Lに対して最大電力で電力を供給している状態で、かつ、図3に示すFET21に電流が流れていない状態での端子IN+および端子IN−の端子間電圧を示す。制御部40は、抵抗26の電圧を測定部30により読み込むことで、連系ストリング電圧VSTを得ることができる。
電流が抵抗24に流れることで発生する抵抗24の両端の電圧が発生する。測定部30は、抵抗24の両端の電圧を抵抗24の抵抗値で除算した電流を算出する。制御部40は、測定部30により算出された測定電流を読み込む。また、制御部40は、測定部30は抵抗26の両端の測定電圧を読み込む。制御部40では、測定部30にて測定された電圧および電流を制御部40内の記憶部に格納する(ステップS30)。
負荷部20が電流を引き込むことで、太陽光発電装置Sの出力電圧が低下する。パワーコンディショナーPが停止してしまえば負荷Lや売電に影響を与えるため、パワーコンディショナーPが動作することができる電圧範囲としては、パワーコンディショナーPの停止電圧より大きい電圧とすることが考えられ、測定をパワーコンディショナーPの停止電圧より大きい電圧範囲だけで行うことが考えられる。
しかし、例えば、パワーコンディショナーPの動作電圧の下限である停止電圧が100Vを下回り、停止電圧以下となってしまっても、測定時間が短ければ通常動作する。
本実施の形態1に係る発電出力測定装置10では、制御部40が1回の電流増加のステップを約20〜30μSで実行している。そのため、パワーコンディショナーPは停止電圧以下であっても、負荷部20に流す電流の時間を、測定部30により測定された電圧が、パワーコンディショナーPが動作することができる電圧範囲に含まれるときから、パワーコンディショナーPが停止電圧以下となった後に、パワーコンディショナーPが停止するまでの時間未満とした短時間な測定とすることで停止しない。従って、測定部30にて測定された電圧が、既に、パワーコンディショナーPの停止電圧以下であっても、パワーコンディショナーPには影響を与えない。従って、測定を短時間とすることで、パワーコンディショナーPが動作することができる電圧範囲としては、停止電圧以下とすることができる。
このように、測定時間を短時間とすることで、負荷部20への引き込み電流の増加範囲を広くすることができる。
なお、図5(A)では、1回の測定で、電流を負荷部20へ1回流し込んでいるが、図5(B)に示すように、まず、電流を1回負荷部20へ流し込み、太陽光発電装置Sの太陽光発電パネルに内在する容量に蓄積された電荷を放電させてから、測定のための負荷部20へ電流の流し込みを行うようにしてもよい。そうすることで測定を精度よく行うことができる。
図6(A)に示すように、表示部50では、連系ストリング電圧VSTから負荷部20への引き込み電流を増加させ、太陽光発電装置Sの出力電圧を低下させたときの電流をグラフにして表示しているので、測定者が一目で特性を把握することができる。
制御部40は、測定された短絡電流ISCと、制御部40内に設定された太陽光発電装置Sの特性劣化の閾値とを比較して、測定された短絡電流ISCが閾値より小さい場合に、表示部50に「太陽光発電装置の特性が劣化しています」等のメッセージを表示させることができる。このとき、電流値が段々に小さくなるように、閾値を段階的に数種類設け、太陽光発電装置Sの劣化の度合いをレベルで表示するようにしてもよい。
本発明の実施の形態2に係る発電出力測定装置を図面に基づいて説明する。なお、図7においては図1と、図8においては図2と、同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図7に示す本実施の形態2に係る発電出力測定装置11は、1台の太陽光発電パネルを直列接続したものを1ストリングとして、複数のストリングを並列接続した太陽光発電装置S0の出力を、それぞれ測定する機能を備えている。
それぞれのストリングS1〜S4は、ダイオードDを介在させて接続され、パワーコンディショナーPに接続されている。
制御部41は、図9の波形にて示すように、負荷部20への電流の流し込みを、負荷部20の全部に、かつ同時に負荷部20の直流電源部22に指示する。制御部41による測定は、図4に示すフローチャートと同様に行うことができる。電流が増加するごとに、すべての測定部30により電圧および電流を測定して、制御部41が制御部41内の記憶部に格納する。
このように、一度に全部の負荷部20に対して制御部41が指示を出力し、ストリングS1〜S4の電圧および電流を測定することで、同じ発電環境の元で測定することができる。
図11に示す表示部50では、連系ストリング電圧VSTから負荷部20への引き込み電流を増加させ、太陽光発電装置Sの出力電圧を低下させたときの電流をグラフにして表示しているので、測定者が一目で特性を把握することができる。
例えば、制御部41は、測定開始から測定終了までの間の所定電圧における電流、または所定電流における電圧を、所定間隔ごとに、ストリングS1〜S4で比較する。この比較は、最大値と最小値との差が閾値以上であるか否かを判定したり、平均値と最小値の差が閾値以上であるか否かを判定したり、測定開始から測定終了までの積算電力の差が閾値以上であるか否かを判定したりすることができる。
制御部41は、これらの差が閾値以上と判定した場合に、異常として表示部50に表示して、比較したそれぞれの数値をストリングに対応させて表示する。そうすることで、負荷部20に電流に引き込まないときの電圧(連系ストリング電圧VSTまたは後述する開放電圧VOC)と、負荷部20を短絡状態とした短絡電流ISCのポイント的な判定ではなく、幅広い電圧範囲および/または電流範囲で、相対的な良否判定を、自動的に行うことができる。
本発明の実施の形態3に係る発電出力測定装置を図面に基づいて説明する。なお、図12においては図7と、図13においては図8と、同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
ストリングS1〜S4の選択を、切替部80による負荷部20と測定部30との接続の切り替えで行うことで、測定部30をストリングの数に対応させて設ける必要がなく、測定部30を兼用させることができる。また、測定に時間間隔が空くため、制御部42のCPUが高速に動作するものでなくても、電圧および電流を測定することができる。
このようにして測定された電圧および電流は、実施の形態2と同様に、図11に示す表示内容を表示部50に、ストリングS1〜S4の電流電圧特性グラフとして表示することができる。
本発明の実施の形態4に係る発電出力測定装置を図面に基づいて説明する。なお、図15においては図7と、図16においては図8と、同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
ストリングS1〜S4の選択を、切替部81によるストリングS1〜S4と負荷部20との接続の切り替えで行うことで、負荷部20および測定部30を、ストリングの数に対応させて設ける必要がなく、兼用させることができる。また、測定に時間間隔が空くため、制御部42のCPUが高速に動作するものでなくても、電圧および電流を測定することができる。
このようにして測定された電圧および電流は、実施の形態2と同様に、図11に示す表示内容を表示部50に、ストリングS1〜S4の電流電圧特性グラフとして表示することができる。
本発明の実施の形態5に係る発電出力測定装置を図面に基づいて説明する。なお、図18においては図7と、図19においては図2と、同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
本発明の実施の形態6に係る発電出力測定装置を図面に基づいて説明する。なお、図21においては、図7と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図21に示すように、発電出力測定装置15は、実施の形態2〜5に係る発電出力測定装置11〜14を装置本体16として、この装置本体16に、接続装置17を加えたものである。
制御部41は、まず、負荷部20に電流を流し込まないときの端子間(ストリングS1〜S4のそれぞれの端子IN+,IN−の間)の電圧を開放電圧VOCとして、負荷部20の抵抗26(図3参照)の電圧を測定部30により測定する。
制御部41は、制御部41内の記憶部に格納された電圧および電流のそれぞれのデータに基づいて、電流電圧特性グラフを表示部50に表示することができる(図22参照)。
短絡電流ISC時の特性の変化では、前述したように、太陽光発電パネルの特性劣化に起因する異常を検出することができる。
また、実施の形態2〜5において、実施の形態1と同様に、パワーコンディショナーPが動作することができる電圧範囲をパワーコンディショナーPの停止電圧とするのではなく、測定部30により測定された電圧が0Vとなるまで測定を続けることで、太陽光発電装置の出力を短絡させたときの短絡電流ISCを測定することができる。短絡電流ISCを測定することにより、それぞれのストリングS1〜S4の短絡電流ISC時における特性の変化を容易に確認することができる。
更に、実施の形態2〜5において、実施の形態1と同様に、負荷部20への電流の引き込みを2回にして、太陽光発電装置Sの太陽光発電パネルに内在する容量に蓄積された電荷を放電させてから、測定のための負荷部20へ電流の流し込みを行うようにしてもよい。
また、実施の形態2と同様に、実施の形態3〜6においても、制御部は、測定開始から測定終了までの間の、所定電圧における電流、所定電流における電圧または電力を、ストリングS1〜S4で比較することで、それぞれのストリングS1〜S4の相対的な評価を自動的に行うこともできる。
更に、実施の形態5では、制御部44は、測定終了を報知部90により操作者に通知しているが、実施の形態1〜4,6においても、報知部90を設け、制御部40〜43が報知部90によりストリングごとの測定終了を通知するようにしてもよい。
16 装置本体
17 接続装置
171〜174 ブレーカ
175 端子盤
20 負荷部
20a,20b プローブ
21 FET
22 直流電源部
23 OPアンプ
24 抵抗
25、26 抵抗
30 測定部
40〜44 制御部
50 表示部
60 入力部
70 メモリ媒体装着部
80,81 切替部
90 報知部
S,S0 太陽光発電装置
S1〜S4 ストリング
P パワーコンディショナー
L 負荷
B1 「データ保存」ボタン
Claims (4)
- 負荷へ電力を供給するパワーコンディショナーに接続された自然エネルギーを利用した複数の発電装置の出力を測定する発電出力測定装置であって、
前記発電装置から電流が流れる負荷部と、
前記負荷部における電圧と電流を測定する測定部と、
前記測定の終了を報知させるための報知部と、
前記測定部により測定された電圧と電流との関係を示すグラフを表示するための表示部と、
前記測定部により測定された電圧が、所定電圧以上であることを契機に、前記負荷部に流れる電流を増加させて、前記測定部により電圧と電流を測定し、前記測定部による測定が終了したときに前記報知部により報知させ、前記測定部により測定された電圧および電流の関係を示すグラフを、前記複数の発電装置に対応させて、前記表示部に重ね合わせて表示する制御部とを備え、
前記発電装置の出力端子に接触して、前記発電装置の電流を前記負荷部に流し込むためのプローブを備えたことを特徴とする発電出力測定装置。 - 前記制御部は、前記パワーコンディショナーが動作することができる電圧範囲に含まれる間、前記負荷部に流れる電流を増加させて、前記測定部により電圧と電流を測定する請求項1記載の発電出力測定装置。
- 負荷へ電力を供給するパワーコンディショナーに接続された自然エネルギーを利用した複数の発電装置の出力を測定する発電出力測定装置であって、
前記発電装置から電流が流れる負荷部と、
前記負荷部における電圧と電流を測定する測定部と、
前記測定の終了を報知させるための報知部と、
前記測定部により測定された電圧と電流との関係を示すグラフを表示するための表示部と、
前記測定部により測定された電圧が、所定電圧以上であることを契機に、前記負荷部に流れる電流を増加させて、前記測定部により電圧と電流を測定し、前記測定部による測定が終了したときに前記報知部により報知させ、前記測定部により測定された電圧および電流の関係を示すグラフを、前記複数の発電装置に対応させて、前記表示部に重ね合わせて表示する制御部とを備え、
前記制御部は、前記負荷部に流す電流の時間を、前記測定部により測定された電圧が、前記パワーコンディショナーが動作することができる電圧範囲に含まれるときから、前記パワーコンディショナーが停止電圧以下となった後に、前記パワーコンディショナーが停止するまでの時間未満とすることを特徴とする発電出力測定装置。 - 前記制御部は、測定開始から測定終了までの間の、所定電圧における電流、所定電流における電圧、または電力を、前記複数の発電装置の間で比較して、相対的な良否判定を行う請求項1から3のいずれかの項に記載の発電出力測定装置。
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