JP6299438B2 - 平角線の接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平角線の接合端部を接合する接合方法に関する。
回転電機のステータの巻線等を形成する際には、略四角形状を有する平角線を用いることがある。平角線は、導体層の表面に絶縁被膜層を有しており、平角線の接合端部同士を接合する際には、平角線の各接合端部の絶縁被膜層を剥離している。この絶縁被膜層の剥離は、例えば、特許文献1に示されるように切削刃によって行っている。
また、例えば、特許文献2の線材と撚り線の接続方法においては、撚り線を超音波加振して固めた後、この撚り線を線材に当てた状態で超音波を印加し、撚り線と線材とを接続することが開示されている。この接続方法においては、撚り線と線材との接合強度を高くしている。
特開2002−209319号公報 特開2012−124078号公報
平角線の端部の絶縁被膜層を切削刃によって剥離する場合には、絶縁被膜層が残らないようにするために、導体層の一部も剥離している。そのため、平角線の接合端部の厚みが薄くなり、絶縁被膜層がある部分とない部分との段差が大きくなる。これに伴い、一対の接合端部における導体層同士を接合する際に、接合端部を変形させる量を大きくする必要が生じる。また、切削刃によって絶縁被膜層を剥離した後に残る導体層の表面には、大きな凹凸が形成される。そして、この導体層同士の間に超音波接合を行うと、導体層間にまだらな接触が生じ、導体層間の接触面圧が不均一になる。そのため、接合端部の導体層同士を強固に接合することが困難になる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、接合端部の変形量を小さくして、接合端部の導体層同士を強固に接合することができる平角線の接合方法を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、平角線の接合端部にレーザー加工を行って、該接合端部における絶縁被膜層と導体層の一部とを除去し、該導体層の表面に凹凸を形成する除去工程と、
上記絶縁被膜層と上記導体層の一部とが除去された複数の上記接合端部における、上記凹凸が形成された導体層同士を重ね合わせ、該導体層同士の界面に超音波振動による摩擦を発生させて、該導体層同士を接合する接合工程とを含むことを特徴とする平角線の接合方法にある。
上記平角線の接合方法においては、レーザー加工による除去工程を行った後に、超音波振動による接合工程を行う。レーザー加工によって、平角線の接合端部における絶縁被膜層を除去することにより、導体層の一部を極力除去しないようにすることができる。これにより、絶縁被膜層がある部分とない部分との段差が小さくなる。そして、接合工程において導体層同士を接合する際には、接合端部を変形させる量を小さくすることができる。
また、除去工程のレーザー加工後において、絶縁被膜層が除去された後に残る導体層の表面には、表面うねりが小さい、微小な凹凸が形成される。そのため、接合工程において、導体層同士の界面に超音波振動による摩擦を発生させて超音波接合を行う際には、導体層間に微小な接触ができるだけ均一に生じて、導体層間の接触面圧が大きくなる。これにより、各導体層の材料の流動が促進され、接合端部の導体層同士の接合強度を高めることができる。
それ故、上記平角線の接合方法によれば、接合端部の変形量を小さくして、接合端部の導体層同士を強固に接合することができる。
実施例にかかる、除去工程における、(a)連続レーザー加工、(b)断続レーザー加工を行う状態を模式的に示す説明図。 実施例にかかる、絶縁被膜層が除去された状態の、平角線の接合端部を示す斜視図。 実施例にかかる、横軸に光の波長をとり、縦軸に光の透過率をとって、絶縁被膜層を構成する樹脂材料の光の透過性能を示すグラフ。 実施例にかかる、除去工程が行われた後の接合端部における導体層の表面を模式的に示す図で、一方向におけるレーザー光の照射間隔と、直交方向におけるレーザー光の照射間隔とを任意に設定した(a)、(b)、(c)の場合について示す説明図。 実施例にかかる、接合工程において、(a)絶縁被膜層が除去された一対の接合端部同士を互いに重ね合わせた状態、(b)互いに重ね合わせた一対の接合端部を、アンビルとホーンとの間に挟持した状態を示す説明図。 実施例にかかる、接合工程において、一対の接合端部における導体層同士が合わさる状態を示す説明図。 実施例にかかる、CO2レーザー加工によって除去工程が行われた後の接合端部における導体層の表面を模式的に示す説明図。
上述した平角線の接合方法における好ましい実施の形態について説明する。
上記平角線の接合方法において、上記除去工程においては、上記絶縁被膜層を加熱することによって上記絶縁被膜層の一部を除去する第1レーザー加工を行い、該第1レーザー加工を行った後に、上記導体層を加熱することによって上記絶縁被膜層の残部と上記導体層の一部とを除去する第2レーザー加工を行ってもよい。
第1レーザー加工と第2レーザー加工との2段階でレーザー加工を行うことによって、絶縁被膜層を効率的に除去することができる。
また、上記第1レーザー加工は、連続的に照射するレーザー光によって上記絶縁被膜層の一部を除去する連続レーザー加工であり、上記第2レーザー加工は、断続的に照射するレーザー光によって上記絶縁被膜層の残部と上記導体層の一部とを除去する断続レーザー加工であってもよい。
連続レーザー加工を行うことによって絶縁被膜層の多くを除去し、断続レーザー加工を行うことによって残りの絶縁被膜層を除去することができる。また、断続レーザー加工は、瞬間的にレーザー光を照射するため、高いエネルギーによってレーザー光を照射することができる。そのため、導体層の近くに存在して除去しにくい絶縁被膜層は、エネルギーの高い断続レーザー加工によって効果的に除去することができる。
また、上記除去工程においては、断続的に照射するレーザー光によって上記絶縁被膜層と上記導体層の一部とを除去する断続レーザー加工少なくとも行うことができる
連続レーザー加工としては、気体をレーザー媒体とする気体レーザーによる加工とすることができ、気体レーザーとしては、例えば、CO2レーザー等がある。
断続レーザー加工としては、固体をレーザー媒体とする固体レーザーによる加工とすることができ、固体レーザーとしては、例えば、YAGレーザー、ファイバーレーザー等がある。
また、光の波長に対する絶縁被膜層の光の透過率を考慮して、連続レーザー加工と断続レーザー加工とを使い分けることができる。
CO2レーザーの波長は10.6μmであり、絶縁被膜層を構成する樹脂材料は、2.3μm以上の波長の光をほとんど透過させない性質を有している。そのため、CO2レーザーを絶縁被膜層に照射すると、CO2レーザーは絶縁被膜層に吸収され、絶縁被膜層を直接除去することができる。
YAGレーザー、ファイバーレーザーの波長は1.06μmであり、絶縁被膜層を構成する樹脂材料は、1.06μm付近の波長の光の多くを透過させる性質を有している。そのため、YAGレーザー、ファイバーレーザーを絶縁被膜層に照射すると、これらのレーザーは絶縁被膜層を透過して導体層の表面に吸収され、導体層の一部を除去すると共に絶縁被膜層を間接的に除去することができる。
また、CO2レーザーによる連続レーザー加工を行った後に、YAGレーザー又はファイバーレーザーによる断続レーザー加工を行うことができる。この場合には、連続レーザー加工によって、接合端部における絶縁被膜層の多くを除去し、その後、断続レーザー加工によって、接合端部における導体層の一部とともに残りの絶縁被膜層を除去することができる。これにより、連続レーザー加工を行った後に接合端部に生じる炭化スケール(炭化膜)を、断続レーザー加工を行って効果的に除去することができる。
また、CO2レーザー等による連続レーザー加工を行う場合、レーザー光が照射された部位の外周部近傍においては、レーザー光のエネルギーによる熱の一部が周囲に逃げて、絶縁被膜層が十分に加熱されないことが想定される。そして、この外周部近傍においては、絶縁被膜層等の一部が炭化して接合端部に残ってしまうおそれがある。そこで、断続レーザー加工によって、接合端部における導体層の一部とともに残りの絶縁被膜層を除去することにより、絶縁被膜層を効果的に除去することができる。
また、上記除去工程において、上記連続レーザー加工を行う際には、上記接合端部における絶縁被膜層に、連続的に照射する上記レーザー光を、一方向に直線状に照射するとともに該直線状の照射が互いに平行になるよう上記一方向に直交する方向に移動しつつ繰り返し照射して、上記接合端部における絶縁被膜層を除去し、上記接合工程においては、上記接合端部における導体層の表面に上記除去工程によって形成された上記凹凸による縞模様が伸びる方向に直交する方向に沿って、上記超音波振動を加えてもよい。
また、上記除去工程において、上記断続レーザー加工を行う際には、上記接合端部における絶縁被膜層に、断続的に照射する上記レーザー光を、一方向に直線状に並ぶよう照射するとともに該直線状の照射が互いに平行に並ぶよう上記一方向に直交する方向に繰り返し照射し、かつ上記一方向における上記レーザー光の照射間隔と、上記直交する方向の上記レーザー光の照射間隔とのいずれか一方を他方よりも広くして、上記接合端部における絶縁被膜層を除去し、上記接合工程においては、上記接合端部における導体層の表面に上記除去工程によって形成された上記凹凸による縞模様が伸びる方向に直交する方向に沿って、上記超音波振動を加えてもよい。
除去工程において、連続レーザー加工又は断続レーザー加工を行った後に接合端部に残された導体層の表面には、レーザー光が直線状に繰り返し照射された跡として、表面の凹凸による複数の縞模様が形成される。そして、接合工程において、凹凸による縞模様が伸びる方向と直交する方向に沿って超音波振動を加えることにより、接合端部における導体層間の接触面圧を、導体層の少ない潰し量によって効果的に増大させることができる。そのため、接合端部の接合強度を効果的に高めることができる。
また、上記除去工程及び上記接合工程は、回転電機のステータコアに組み付けられた巻線を構成する上記平角線の接合端部に対して行ってもよい。
これにより、接合工程を行う直前に除去工程を行うことができ、除去工程を行った後に接合端部における導体層の表面に生じる酸化被膜の発生量を低減することができる。
また、レーザー加工を行う装置及び超音波溶接を行う装置は、スペースをあまり占有することなく、平角線の接合端部に配置することができる。そのため、除去工程を平角線の単体に対して行う制約がなく、ステータコアに配置された平角線の接合端部に対して、除去工程及び接合工程を行うことができる。
以下に、平角線の接合方法にかかる実施例について、図面を参照して説明する。
本例の平角線1の接合方法においては、図1、図2に示すように、平角線1の接合端部4にレーザー加工を行って、接合端部4における絶縁被膜層3を除去する除去工程と、図5に示すように、絶縁被膜層3が除去された複数の接合端部4における導体層2同士を重ね合わせ、導体層2同士の界面201に超音波振動による摩擦を発生させて、導体層2同士を接合する接合工程とを行う。
以下に、本例の平角線1の接合方法について、図1〜図7を参照して詳説する。
図2に示すように、本例の平角線1は、回転電機のステータにおける巻線を構成するものであり、平角線1の接合端部4は、巻線の端部として形成される。平角線1は、銅材料等からなる導体層2と、導体層2の外周に設けられ、絶縁樹脂材料(ポリアミドイミド等)からなる絶縁被膜層3とによって構成されている。平角線1は、長さ方向Lに直交する断面が長方形状を有している。そして、除去工程においては、接合端部4における面積が広い方の一対の側面41の絶縁被膜層3を除去し、接合工程においては、この絶縁被膜層3を除去した一対の側面41の導体層2同士を接合する。
本例の除去工程においては、絶縁被膜層3を加熱することによって絶縁被膜層3の一部を除去する第1レーザー加工としての連続レーザー加工と、導体層2を加熱することによって絶縁被膜層3の残部を除去する第2レーザー加工としての断続レーザー加工とを順次行って、接合端部4における絶縁被膜層3を除去する。
本例の連続レーザー加工はCO2レーザー加工である。そして、除去工程においては、図1(a)に示すように、CO2レーザー加工として、連続的に照射するレーザー光Xによって絶縁被膜層3を除去する。本例の断続レーザー加工はファイバーレーザー加工である。そして、除去工程においては、図1(b)に示すように、断続的に照射するレーザー光Yによって絶縁被膜層3及び導体層2の一部を除去する。
また、本例の除去工程及び接合工程は、回転電機のステータコアに組み付けられた巻線を構成する平角線1の接合端部4に対して行う。
CO2レーザー加工は、出力が小さいレーザー光Xを連続的に照射するCO2レーザー装置を用いて行う。CO2レーザー装置から照射されるレーザー光Xは、波長が長く、絶縁被膜層3を構成する絶縁樹脂材料を透過しにくい性質を有している。そして、CO2レーザー装置においては、照射されるレーザー光Xのほとんどが絶縁被膜層3に吸収され、この絶縁被膜層3が蒸発して除去される。本例においては、接合端部4の絶縁被膜層3の厚みを薄くするようにCO2レーザー加工を行う。また、CO2レーザー装置は、最大出力を小さく抑えた、安価なものを使用できる。
ファイバーレーザー加工は、ピーク出力が大きいレーザー光Yを断続的に照射するファイバーレーザー装置を用いて行う。ファイバーレーザー装置から照射されるレーザー光Yは、波長が短く、絶縁被膜層3を構成する絶縁樹脂材料を透過しやすい性質を有している。そして、ファイバーレーザー装置においては、照射されるレーザー光Yのほとんどが、絶縁被膜層3を透過して導体層2の表面に吸収され、導体層2の一部とともに絶縁被膜層3が蒸発して除去される。本例においては、導体層2の外周に残る絶縁被膜層3と、導体層2の一部とを、ファイバーレーザー加工によって除去する。
ファイバーレーザーは、接合端部4にパルス状に照射され、そのパルス幅はエネルギー量を大きくするために100nsec以上とすることが好ましい。
CO2レーザー加工によって絶縁被膜層3の荒取り加工を行い、ファイバーレーザー加工によって仕上げ加工を行うことにより、導体層2の一部を除去する厚みの調整が容易になり、導体層2を余分に除去してしまうことを防止することができる。また、CO2レーザー加工を行った後に接合端部4に生じる炭化スケール(炭化膜)を、ファイバーレーザー加工を行って効果的に除去することができる。
図3には、横軸に光の波長(μm)をとり、縦軸に光の透過率(%)をとって、絶縁被膜層3を構成する樹脂材料(ポリアミドイミド)の光の透過性能を示す。
絶縁被膜層3を構成する樹脂材料は、波長が0.3μm付近から2.3μm付近までの光の多くを透過させる性質を有している。そして、CO2レーザーの波長P1は10.6μmであり、ファイバーレーザーの波長P2は1.06μmである。そのため、絶縁被膜層3は、CO2レーザーの多くを吸収する一方、ファイバーレーザーの多くを透過させることがわかる。
また、図4(a)に示すように、ファイバーレーザー加工を行う際には、接合端部4における絶縁被膜層3に、断続的に照射するレーザー光Yを、一方向Dに直線状に並ぶよう照射するとともに直線状の照射が互いに平行に並ぶよう一方向Dに直交する方向(直交方向Wという。)に繰り返し照射する。また、このレーザー光Yを照射する際には、一方向Dにおけるレーザー光Yの照射間隔D1と、直交方向Wにおけるレーザー光Yの照射間隔W1とのいずれか一方を他方よりも広くする。ここで、一方向Dは、接合端部4の長さ方向L及び長さ方向Lに直交する幅方向Bのいずれか一方とすることができ、直交方向Wは、長さ方向L及び幅方向Bの他方とすることができる。
本例の除去工程においては、図4(a)に示すように、互いに隣接するレーザー光Yの照射位置同士の間隔は、一方向Dにおける間隔が直交方向Wにおける間隔よりも狭くなっている。同図においては、レーザー光Yの照射位置を円によって示す。この場合、互いに隣接する、レーザー光Yの照射位置同士の重なりは、一方向Dにおける重なりが、直交方向Wにおける重なりよりも大きくなっている。そして、接合端部4における絶縁被膜層3は、直交方向Wに向けて深く除去される部分と、浅く除去される部分とが繰り返される。そして、接合端部4における導体層2の表面には、直線状の谷部分21と直線状の山部分22とが直交方向Wに繰り返し並ぶ凹凸による縞模様20が形成される。
また、図4(a)〜(c)に示すように、一方向Dにおけるレーザー光Yの照射間隔D1と、直交方向Wにおけるレーザー光Yの照射間隔W1とは、任意に設定することができる。例えば、図4(b)に示すように、一方向Dにおけるレーザー光Yの照射位置同士が若干重なり、直交方向Wにおけるレーザー光Yの照射位置同士が重ならないようにすることもできる。この場合、接合端部4における導体層2の表面には、直線状の谷部分21が、一方向Dに並ぶレーザー光Yの照射位置の中心部を通過するように形成され、直線状の山部分22が残りの部分に形成される。
また、図4(c)に示すように、レーザー光Yは、一方向Dに直線状に並ぶレーザー光Yの照射位置を、照射間隔D1の半ピッチ分一方向Dにずらしながら、直線状の照射が互いに平行に並ぶよう直交方向Wに繰り返し照射することもできる。
図5(a)に示すように、接合工程においては、絶縁被膜層3が除去された一対の接合端部4同士を互いに重ね合わせる。このとき、平角線1における、接合端部4に隣接する部位の絶縁被膜層3同士が合わさり、接合端部4における導体層2同士の間には隙間Sが形成される。この隙間Sは、絶縁被膜層3が除去された接合端部4と、導体層2の外周に絶縁被膜層3が設けられた、接合端部4に隣接する部位との段差によって形成される。また、除去工程におけるレーザー加工によって接合端部4における絶縁被膜層3を除去したことにより、導体層2の一部を余分に除去していない。これにより、上記隙間Sを極力小さくすることができる。
そして、図5(b)に示すように、互いに重ね合わせた一対の接合端部4を、固定台としてのアンビル51と振動子としてのホーン52との間に挟持する。このとき、一方の接合端部4がアンビル51の側に配置され、他方の接合端部4がホーン52の側に配置される。また、アンビル51とホーン52とによって一対の接合端部4が加圧され、一対の接合端部4の導体層2同士が接触するまで、少なくとも一方の接合端部4が変形する。そして、この変形量は、上記隙間Sが極力小さくなっていることにより、極力小さくすることができる。一対の接合端部4の変形量を小さくできることにより、一対の接合端部4における導体層2同士の接触面積をできるだけ広く確保することができる。
ここで、接合端部4における導体層2同士の間の隙間Sが大きく、一対の接合端部4の変形量が大きくなる場合には、次の問題点が生じる。
隙間Sが大きい場合には、一対の接合端部4の導体層2同士を接触させるために、一対の接合端部4を大きく変形させる必要がある。そして、アンビル51とホーン52とによる加圧によって、接合端部4の導体層2が潰されると、接合端部4の導体層2は、加圧される方向に薄くなるよう変形すると共に、加圧される方向に直交する平面方向に広がるように変形する。
このとき、隙間Sが大きいと、ホーン52によって加圧された接合端部4の根元部分における導体層2の断面積が小さくなり、接合端部4の導体層2に電流を流すために必要な断面積を確保できなくなるおそれがある。そのため、上記隙間Sを小さくすることによって、当該問題点を克服することができる。
また、図5(b)、図6に示すように、アンビル51とホーン52との間に一対の接合端部4を挟持するときには、一方の接合端部4の導体層2の表面に形成された凹凸による縞模様20と、他方の接合端部4の導体層2の表面に形成された凹凸による縞模様20とが互いに平行になるようにする。また、一対の接合端部4は、各縞模様20の凹凸がホーン52の振動方向Zに並ぶようにして、アンビル51とホーン52との間に挟持する。
そして、図6に示すように、アンビル51とホーン52との間に一対の接合端部4を挟持した状態でホーン52を振動させると、一対の接合端部4における導体層2の山部分(凸部)22同士が接触して擦り合わされる。このとき、一対の接合端部4における導体層2同士の界面201に対して、谷部分21と山部分22とが交互に形成される方向に、ホーン52による超音波振動が加わる。
また、除去工程のファイバーレーザー加工後において、絶縁被膜層3が除去された後に接合端部4に残る導体層2の表面には、表面うねりが小さい、縞模様20を構成する微小な凹凸が形成される。また、ファイバーレーザー加工が行われた、接合端部4における導体層2の表面は、切削刃等によってせん断加工が行われた表面に比べると、平滑に近い状態にある。そのため、接合工程において、導体層2同士の界面201に超音波振動による摩擦を発生させて超音波接合を行う際には、導体層2間に微小な接触ができるだけ均一に生じて、導体層2間の接触面圧が大きくなる。
これにより、各導体層2の材料の流動が促進され、接合端部4における導体層2間の接触面圧を効果的に増大させることができる。そして、接合端部4の接合強度を効果的に高めることができる。また、アンビル51とホーン52とによって、一対の接合端部4に加える加圧力を小さくすることもできる。
また、超音波溶接を行って一対の接合端部4を接合する際には、接合端部4には、アンビル51とホーン52とが対面できるだけの面積が確保されればよい。そのため、一対の接合端部4の長さを極力短くすることができる。これにより、ステータコアに配置された巻線を構成する平角線1の接合端部4が、ステータコアの軸方向外方へ突出する量を極力小さくすることができる。
また、接合端部4における導体層2の表面には、絶縁被膜層3もしくは導体層2の一部又はそれらの酸化被膜が残存することも考えられる。この場合、この酸化被膜等は、超音波接合によって導体層2同士が擦り合わされるときに除去することができる。
以上のように、本例の平角線1の接合方法によれば、接合端部4の変形量を小さくして、接合端部4の導体層2同士を強固に接合することができる。
また、除去工程においては、CO2レーザー加工のみ、又はファイバーレーザー加工のみを行うことによって、接合端部4における絶縁被膜層3を除去することもできる。
図7に示すように、CO2レーザー加工によって接合端部4における絶縁被膜層3を除去する場合には、除去工程においては、連続的に照射するレーザー光Xを、一方向Dに直線状に照射するとともに直線状の照射が互いに平行になるよう直交方向Wに移動しつつ繰り返し照射して、絶縁被膜層3及び導体層2の一部を除去することができる。このとき、レーザー光Xが照射された位置に、導体層2の一部が深く除去された直線状の谷部分21が形成され、この谷部分21に隣接して、導体層2がほとんど除去されていない直線状の山部分22が形成される。そして、接合端部4における導体層2の表面には、直線状の谷部分21と直線状の山部分22とが直交方向Wに繰り返し並ぶ凹凸による縞模様20が形成される。
そして、接合工程においては、一対の接合端部4の導体層2同士の界面201に対して、縞模様20における凹凸が繰り返し並ぶ直交方向Wに沿って、ホーン52による超音波振動を加える。これにより、上記ファイバーレーザー加工を行った場合と同様の作用効果を得ることができる。
なお、ファイバーレーザー加工のみを行う場合においても上記と同様の作用効果を得ることができる。
1 平角線
2 導体層
20 縞模様
201 界面
21 谷部分
22 山部分
3 絶縁被膜層
4 接合端部
X,Y レーザー光

Claims (7)

  1. 平角線の接合端部にレーザー加工を行って、該接合端部における絶縁被膜層と導体層の一部とを除去し、該導体層の表面に凹凸を形成する除去工程と、
    上記絶縁被膜層と上記導体層の一部とが除去された複数の上記接合端部における、上記凹凸が形成された導体層同士を重ね合わせ、該導体層同士の界面に超音波振動による摩擦を発生させて、該導体層同士を接合する接合工程とを含むことを特徴とする平角線の接合方法。
  2. 上記除去工程においては、上記絶縁被膜層を加熱することによって上記絶縁被膜層の一部を除去する第1レーザー加工を行い、該第1レーザー加工を行った後に、上記導体層を加熱することによって上記絶縁被膜層の残部と上記導体層の一部とを除去する第2レーザー加工を行うことを特徴とする請求項1に記載の平角線の接合方法。
  3. 上記第1レーザー加工は、連続的に照射するレーザー光によって上記絶縁被膜層の一部を除去する連続レーザー加工であり、上記第2レーザー加工は、断続的に照射するレーザー光によって上記絶縁被膜層の残部と上記導体層の一部とを除去する断続レーザー加工であることを特徴とする請求項2に記載の平角線の接合方法。
  4. 上記除去工程においては、断続的に照射するレーザー光によって上記絶縁被膜層と上記導体層の一部とを除去する断続レーザー加工少なくとも行うことを特徴とする請求項1に記載の平角線の接合方法。
  5. 上記除去工程において、上記連続レーザー加工を行う際には、上記接合端部における絶縁被膜層に、連続的に照射する上記レーザー光を、一方向に直線状に照射するとともに該直線状の照射が互いに平行になるよう上記一方向に直交する方向に移動しつつ繰り返し照射して、上記接合端部における絶縁被膜層を除去し、
    上記接合工程においては、上記接合端部における導体層の表面に上記除去工程によって形成された上記凹凸による縞模様が伸びる方向に直交する方向に沿って、上記超音波振動を加えることを特徴とする請求項3に記載の平角線の接合方法。
  6. 上記除去工程において、上記断続レーザー加工を行う際には、上記接合端部における絶縁被膜層に、断続的に照射する上記レーザー光を、一方向に直線状に並ぶよう照射するとともに該直線状の照射が互いに平行に並ぶよう上記一方向に直交する方向に繰り返し照射し、かつ上記一方向における上記レーザー光の照射間隔と、上記直交する方向の上記レーザー光の照射間隔とのいずれか一方を他方よりも広くして、上記接合端部における絶縁被膜層を除去し、
    上記接合工程においては、上記接合端部における導体層の表面に上記除去工程によって形成された上記凹凸による縞模様が伸びる方向に直交する方向に沿って、上記超音波振動を加えることを特徴とする請求項3又は4に記載の平角線の接合方法。
  7. 上記除去工程及び上記接合工程は、回転電機のステータコアに組み付けられた巻線を構成する上記平角線の接合端部に対して行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の平角線の接合方法。
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