JPH09320350A - 絶縁電線 - Google Patents
絶縁電線Info
- Publication number
- JPH09320350A JPH09320350A JP14055196A JP14055196A JPH09320350A JP H09320350 A JPH09320350 A JP H09320350A JP 14055196 A JP14055196 A JP 14055196A JP 14055196 A JP14055196 A JP 14055196A JP H09320350 A JPH09320350 A JP H09320350A
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- JP
- Japan
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- gold
- conductor
- urethane
- wire
- varnish
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- Pending
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- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ウレタン金メッキ線などのウレタン線の絶縁
皮膜をレーザートリミングにより導体表面を損傷するこ
となく完全に剥離、除去する。 【解決手段】 ウレタンワニス中の硬化触媒となるオク
チル酸亜鉛などの金属化合物の含有量を樹脂固形分比で
0.1重量%以下とする。
皮膜をレーザートリミングにより導体表面を損傷するこ
となく完全に剥離、除去する。 【解決手段】 ウレタンワニス中の硬化触媒となるオク
チル酸亜鉛などの金属化合物の含有量を樹脂固形分比で
0.1重量%以下とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ウレタンワニス
を塗布、焼付して絶縁層とした絶縁電線に関する。
を塗布、焼付して絶縁層とした絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の絶縁電線、いわゆるウレタン線
は、導体上にウレタンワニスを塗布、焼付して製造され
ており、このウレタンワニスとしては、ポリエーテル、
ポリエステルなどのポリオール成分、ブロックポリイソ
シアネートなどのイソシアネート成分、有機スズ化合物
などの有機金属系触媒、アミン系触媒をクレゾール、キ
シレンなどの溶剤に溶解したものなどが使用されてい
る。また、導体としては銅線以外により高い電気特性を
得るために、金線あるいは金メッキ線などが用いられて
おり、例えば磁気記録装置の磁気ヘッドなどには金メッ
キ線に上記ウレタンワニスを塗布、焼付したウレタン金
メッキ線が使われている。
は、導体上にウレタンワニスを塗布、焼付して製造され
ており、このウレタンワニスとしては、ポリエーテル、
ポリエステルなどのポリオール成分、ブロックポリイソ
シアネートなどのイソシアネート成分、有機スズ化合物
などの有機金属系触媒、アミン系触媒をクレゾール、キ
シレンなどの溶剤に溶解したものなどが使用されてい
る。また、導体としては銅線以外により高い電気特性を
得るために、金線あるいは金メッキ線などが用いられて
おり、例えば磁気記録装置の磁気ヘッドなどには金メッ
キ線に上記ウレタンワニスを塗布、焼付したウレタン金
メッキ線が使われている。
【0003】ところで、このようなウレタン金メッキ線
の使用に際して、ウレタン樹脂からなる絶縁皮膜をレー
ザーを照射して剥離しようとする(レーザートリミング
と言う。)と、絶縁皮膜が導体の金メッキ層の表面から
完全に除去することができず、これを完全に除去するに
はレーザーの照射エネルギーを上げなければならなかっ
た。
の使用に際して、ウレタン樹脂からなる絶縁皮膜をレー
ザーを照射して剥離しようとする(レーザートリミング
と言う。)と、絶縁皮膜が導体の金メッキ層の表面から
完全に除去することができず、これを完全に除去するに
はレーザーの照射エネルギーを上げなければならなかっ
た。
【0004】しかし、レーザーの照射エネルギーを高め
ると、金メッキ層の表面が荒らされ、凹凸が形成され
る。金メッキ層表面が荒らされると金メッキ層の超音波
溶接性が低下し、溶接後の接触抵抗が増加する不具合が
生ずる。一方、絶縁皮膜が完全に除去できない場合に
は、当然超音波溶接性が低下することになる。
ると、金メッキ層の表面が荒らされ、凹凸が形成され
る。金メッキ層表面が荒らされると金メッキ層の超音波
溶接性が低下し、溶接後の接触抵抗が増加する不具合が
生ずる。一方、絶縁皮膜が完全に除去できない場合に
は、当然超音波溶接性が低下することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、金メッキ銅線などの導体上に形成したウレタ
ン樹脂絶縁皮膜をレーザートリミングにより導体表面を
損傷することなく、完全に除去できるようにすることに
ある。
る課題は、金メッキ銅線などの導体上に形成したウレタ
ン樹脂絶縁皮膜をレーザートリミングにより導体表面を
損傷することなく、完全に除去できるようにすることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、金属化合
物の含有量を固形分に対して0.1重量%以下としたウ
レタンワニスを用いることによって解決できる。
物の含有量を固形分に対して0.1重量%以下としたウ
レタンワニスを用いることによって解決できる。
【0007】
【発明の実施の形態】通常、ウレタン線用のウレタンワ
ニスには、硬化触媒として、ジブチルチンラウレート、
オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛など
の有機金属化合物や、N,N′−ジメチルシクロヘキシ
ルアミン、N,N′,N″−トリスヘキサヒドロ−S−
トリアジンなどのアミン化合物が樹脂固形分に対して
0.5〜2重量%程度添加されている。本発明者は、こ
の硬化触媒となる有機金属化合物の存在が上述のレーザ
ートリミングにおけるウレタン絶縁皮膜の剥離性を阻害
していることを解明し、上述の課題を解決した。
ニスには、硬化触媒として、ジブチルチンラウレート、
オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛など
の有機金属化合物や、N,N′−ジメチルシクロヘキシ
ルアミン、N,N′,N″−トリスヘキサヒドロ−S−
トリアジンなどのアミン化合物が樹脂固形分に対して
0.5〜2重量%程度添加されている。本発明者は、こ
の硬化触媒となる有機金属化合物の存在が上述のレーザ
ートリミングにおけるウレタン絶縁皮膜の剥離性を阻害
していることを解明し、上述の課題を解決した。
【0008】本発明で用いられるウレタンワニスは、硬
化触媒となる有機金属化合物の含有量がワニス中の樹脂
固形分に対して0.1重量%以下のものである。このよ
うな硬化触媒となる有機金属化合物がほとんど含有され
ていないウレタンワニスでは焼付時の硬化速度が低下す
るため、アミン系触媒を添加したり、あるいはこれの添
加量を増量したり、焼付温度を高くしたり、焼付時間を
長くすることで硬化速度の低下を補うことが必要とな
る。
化触媒となる有機金属化合物の含有量がワニス中の樹脂
固形分に対して0.1重量%以下のものである。このよ
うな硬化触媒となる有機金属化合物がほとんど含有され
ていないウレタンワニスでは焼付時の硬化速度が低下す
るため、アミン系触媒を添加したり、あるいはこれの添
加量を増量したり、焼付温度を高くしたり、焼付時間を
長くすることで硬化速度の低下を補うことが必要とな
る。
【0009】また、ウレタンワニスのポリオール成分お
よびブロックポリイソシアネート成分については、従来
のウレタンワニスに用いられているものがそのまま使用
できる。本発明の絶縁電線は、上述の金属化合物の含有
量が樹脂固形分に対して0.1%以下としたウレタンワ
ニスを銅線、金線、金メッキ銅線などの導体上に常法に
より塗布し、焼付して絶縁皮膜を形成したものである。
上記導体の外径は特に限定されず、20μmの極細線か
ら2mm程度までのものが、また絶縁皮膜の厚みは3μ
mから200μm程度とされるが、この範囲外であって
もよい。
よびブロックポリイソシアネート成分については、従来
のウレタンワニスに用いられているものがそのまま使用
できる。本発明の絶縁電線は、上述の金属化合物の含有
量が樹脂固形分に対して0.1%以下としたウレタンワ
ニスを銅線、金線、金メッキ銅線などの導体上に常法に
より塗布し、焼付して絶縁皮膜を形成したものである。
上記導体の外径は特に限定されず、20μmの極細線か
ら2mm程度までのものが、また絶縁皮膜の厚みは3μ
mから200μm程度とされるが、この範囲外であって
もよい。
【0010】本発明の絶縁電線にあっては、そのウレタ
ン樹脂からなる絶縁皮膜の除去をレーザートリミングで
行う際に、導体表面に何ら損傷を与えることなく、低い
レーザー照射エネルギーにより完全に除去することがで
きる。したがって、導体が極細径の金メッキ銅線のもの
では、絶縁皮膜をレーザートリミングして除去したの
ち、これを超音波溶接する際に溶接性が低下したり、溶
接部位の接触抵抗が増加したりすることもない。
ン樹脂からなる絶縁皮膜の除去をレーザートリミングで
行う際に、導体表面に何ら損傷を与えることなく、低い
レーザー照射エネルギーにより完全に除去することがで
きる。したがって、導体が極細径の金メッキ銅線のもの
では、絶縁皮膜をレーザートリミングして除去したの
ち、これを超音波溶接する際に溶接性が低下したり、溶
接部位の接触抵抗が増加したりすることもない。
【0011】以下、具体例を示して、本発明の作用、効
果を明確にする。ブロックポリイソシアネート成分とし
て「MS−50」(商品名;日本ポリウレタン社製)2
35.4g、ポリオール成分として「ニッポラン200
6」(商品名;日本ポリウレタン社製)134.6g、
硬化触媒として表1および表2に示す化合物をそれぞれ
の添加量で用い、これらを溶剤としてのクレゾール−キ
シレン混合溶剤(クレゾール/キシレン=70/30,
容量比)1110gに溶解して樹脂固形分25重量%の
ウレタンワニスを製造した。このウレタンワニスを径5
0μmの金メッキ銅線(メッキ層厚み5μm)に塗布、
焼付して厚み8μmのウレタン樹脂からなる絶縁皮膜を
形成してウレタン金メッキ線を得た。
果を明確にする。ブロックポリイソシアネート成分とし
て「MS−50」(商品名;日本ポリウレタン社製)2
35.4g、ポリオール成分として「ニッポラン200
6」(商品名;日本ポリウレタン社製)134.6g、
硬化触媒として表1および表2に示す化合物をそれぞれ
の添加量で用い、これらを溶剤としてのクレゾール−キ
シレン混合溶剤(クレゾール/キシレン=70/30,
容量比)1110gに溶解して樹脂固形分25重量%の
ウレタンワニスを製造した。このウレタンワニスを径5
0μmの金メッキ銅線(メッキ層厚み5μm)に塗布、
焼付して厚み8μmのウレタン樹脂からなる絶縁皮膜を
形成してウレタン金メッキ線を得た。
【0012】このようにして得られたウレタン金メッキ
銅線の絶縁皮膜をレーザートリミングしてその剥離性を
検討した。レーザートリミングは、エキシマレーザーを
用い、照射エネルギー370mJ/cm2 、照射ショッ
ト数150ショットの条件で行った。また、レーザート
リミング後の金メッキ線の端部を磁気ディスク記憶装置
の薄膜ヘッドの端子に超音波溶接して、溶接部の接触抵
抗を測定した。結果を表1および表2に示す。レーザー
トリミング性の評価は、絶縁皮膜の残りの有無を顕微鏡
観察により行うとともに金メッキ層表面の凹凸の有無を
観察した。
銅線の絶縁皮膜をレーザートリミングしてその剥離性を
検討した。レーザートリミングは、エキシマレーザーを
用い、照射エネルギー370mJ/cm2 、照射ショッ
ト数150ショットの条件で行った。また、レーザート
リミング後の金メッキ線の端部を磁気ディスク記憶装置
の薄膜ヘッドの端子に超音波溶接して、溶接部の接触抵
抗を測定した。結果を表1および表2に示す。レーザー
トリミング性の評価は、絶縁皮膜の残りの有無を顕微鏡
観察により行うとともに金メッキ層表面の凹凸の有無を
観察した。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の絶縁電線
にあっては、そのウレタン樹脂からなる絶縁皮膜をレー
ザートリミングによって剥離する際に、絶縁皮膜を完全
に、かつ導体表面を損傷することなく、しかも低いレー
ザー照射エネルギーで剥離、除去することができる。し
たがって、極細線のウレタン金メッキ銅線などに好適な
ものとなる。
にあっては、そのウレタン樹脂からなる絶縁皮膜をレー
ザートリミングによって剥離する際に、絶縁皮膜を完全
に、かつ導体表面を損傷することなく、しかも低いレー
ザー照射エネルギーで剥離、除去することができる。し
たがって、極細線のウレタン金メッキ銅線などに好適な
ものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 茂 静岡県沼津市双葉町9番1号 株式会社フ ジクラ沼津工場内 (72)発明者 茶畑 末治 静岡県沼津市双葉町9番1号 株式会社フ ジクラ沼津工場内
Claims (2)
- 【請求項1】 金属化合物の含有量が樹脂固形分に対し
て0.1重量%以下のウレタンワニスを導体上に塗布、
焼付してなる絶縁電線。 - 【請求項2】 導体が金線または金メッキ銅線である請
求項1記載の絶縁電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14055196A JPH09320350A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14055196A JPH09320350A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 絶縁電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09320350A true JPH09320350A (ja) | 1997-12-12 |
Family
ID=15271312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14055196A Pending JPH09320350A (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 絶縁電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09320350A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005166560A (ja) * | 2003-12-04 | 2005-06-23 | Fujikura Ltd | ケーブルコア及び伝送ケーブル |
JP2015228298A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 平角線の接合方法 |
-
1996
- 1996-06-03 JP JP14055196A patent/JPH09320350A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005166560A (ja) * | 2003-12-04 | 2005-06-23 | Fujikura Ltd | ケーブルコア及び伝送ケーブル |
JP2015228298A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 | 平角線の接合方法 |
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