JPH08165582A - 端子材料 - Google Patents

端子材料

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JPH08165582A
JPH08165582A JP30917494A JP30917494A JPH08165582A JP H08165582 A JPH08165582 A JP H08165582A JP 30917494 A JP30917494 A JP 30917494A JP 30917494 A JP30917494 A JP 30917494A JP H08165582 A JPH08165582 A JP H08165582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating layer
thickness
gold
terminal
base material
Prior art date
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Pending
Application number
JP30917494A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuhiko Fujii
淳彦 藤井
Satoru Takano
悟 高野
Kensaku Takada
憲作 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで高信頼性を長期間維持することの
できる金メッキ端子の端子材料を提供する。 【構成】 金メッキ層3と母材1間にクロムメッキ層2
を設けて、貴/卑金属の接触境界面が露出しないように
することにより、金メッキ層3の厚さを薄くし、封孔処
理を施さない場合でも酸化腐食による接触抵抗の増大が
抑えられるようにして、低コストで高信頼性を長期間維
持することのできる金メッキ端子の端子材料を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コネクタ用の接触式
端子や圧着式端子に用いる端子材料に関する。
【0002】
【従来の技術】銅または銅合金からなる接触式端子や圧
着式端子は、使用中に高温、高湿の雰囲気に曝される
と、接触抵抗が増大して電気的特性が悪くなる。その原
因は、接触界面に酸化膜ができることであり、従って、
酸化しやすい条件下で使用したり、高信頼性を要求され
る端子には、銅や亜鉛を含む銅合金(例えば黄銅)を母
材として、その表面に酸化防止用の金メッキを施したも
のが使用されている。
【0003】ところが、金メッキには、「ピンホール」
と呼ばれる微細な孔が存在し、この孔から酸化や腐食が
発生するという問題がある。
【0004】この問題を解決する方法として、従来、金
のメッキ厚を厚くするか、「封孔処理」と呼ばれる熱処
理工程を行なうことにより、孔を塞ぐ方法が行なわれて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、金の使用量が多くなったり、処理工程が増え
るなど、いずれも、コストアップにつながるという問題
があるため、金メッキ端子の普及を妨げる原因となって
いる。
【0006】そこで、この発明の課題は、金のメッキ厚
を厚くしたり、「封孔処理」と呼ばれる熱処理工程を行
なうことなく、低コストで高信頼性を長期間維持するこ
とのできる金メッキ端子の端子材料を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、第1の発明では、銅または銅合金からなる母材に、
クロムメッキ層と金メッキ層を順に形成した構成を採用
したのである。
【0008】第2の発明では、上記クロムメッキ層と母
材間にニッケルメッキ層を設けた構成を採用したのであ
る。
【0009】第3の発明では、上記クロムメッキ層の膜
厚を0.1〜5μmとした構成を採用したのである。
【0010】第4の発明では、上記ニッケルメッキ層の
膜厚を0.1〜5μmとした構成を採用したのである。
【0011】
【作用】金メッキは、「ピンホール」と呼ばれる微細な
孔から酸化腐食が進行し、端子の接触抵抗が増大する。
これは、金のように腐食電位が貴な金属と下地(母材)
の卑な金属の接触界面が大気に曝されることにより、局
部電位が形成されるためである。
【0012】発明者は、このことを解明し、接触抵抗増
大の防止策として金メッキ層の下にクロムメッキ層を設
けることを考えだした。すなわち、このクロムメッキ層
は、表面に不動態膜を形成するため、金メッキ層と母材
との間で貴/卑金属の接触界面が形成されない。したが
って、腐食が進行しないようにできる。
【0013】このため、本発明の材料で作られた端子
は、金メッキの厚さを薄くし、封孔処理を施さない場合
でも酸化腐食による接触抵抗の増大が抑えられる。
【0014】第2の発明では、銅合金母材にニッケルメ
ッキ層を設け、その上にクロムメッキ層を施したことに
より、ニッケルメッキ層がいわゆるクロムメッキ層の下
地として作用し、クロムメッキ層の母材への密着性の向
上を図り、接触抵抗の増大を抑制することができる。
【0015】第3の発明では、上記クロムメッキ層の膜
厚を0.1〜5μmとすることにより、特に、酸化腐食
による接触抵抗の増大が抑えられる。
【0016】第4の発明では、上記ニッケルメッキ層の
膜厚を0.1〜5μmとすることにより、特に、クロム
メッキ層の接触抵抗の増大を抑制し、かつ、密着性の向
上を図ることができる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明することとする。
【0018】図1に、第1実施例として第1の発明に係
る端子材料の断面の模式図を示す。
【0019】この端子材料は、黄銅の母材1にクロムメ
ッキ層2と金メッキ層3を順に形成したものである。
【0020】そのため、例えば金メッキ層3にピンホー
ルが生じた場合でも、そのピンホールによって外気に曝
され、不動態化したクロムメッキ層2によって母材1の
表面が被われることになり、金メッキ層3との接触界面
が形成されることはない。したがって、不動態化したク
ロムメッキ層2により金メッキ層3と母材1とは絶縁さ
れるため、酸化による腐食の進行を阻止して、接触抵抗
の増加を長期に亘って抑制することができる。
【0021】図2に第2実施例として第2の発明に係る
端子材料の断面図を示す。
【0022】この実施例の端子材料は、第1実施例の端
子材料のクロムメッキ層2と母材1間にニッケルメッキ
層5を設けたものである。
【0023】すなわち、クロムメッキ層2は、母材1に
ニッケルメッキ層5を設けたうえに形成されるため、ニ
ッケルメッキ層5がクロムメッキ層2の下地として作用
し、クロムメッキの母材1への着きを良くして密着性を
改善し、接触抵抗の増大を抑えてメッキ性能を向上させ
ることができる。
【0024】このとき、ニッケルメッキ層5は、母材1
である黄銅との付着性が良く、母材1の腐食止めとして
の効果もある。
【0025】次に、本願発明のクロムメッキ層2の効果
を確認するため、第3実施例として黄銅の母材1にニッ
ケルメッキ層5とクロムメッキ層2とを形成し、その
際、ニッケルメッキ層の膜厚を1.5μmと0μmと
し、クロムメッキ層2の膜厚を0.1μm〜5μm(実
施例では0.5μm,1.5μm,3.0μm,4.5
μm)に形成した第3の発明に係る端子材料を準備し、
その準備した端子材料を接触式端子に成形して、これを
温度80℃、湿度95%の恒温恒湿槽内に500時間放
置し、放置前後の接触抵抗の変化を測定した。その結果
を図3に示す。
【0026】同様に、第4実施例として、本発明のニッ
ケルメッキ層5の効果を確認するため、第2実施例のク
ロムメッキ層2の膜厚が1.5μmと一定でニッケルメ
ッキ層5の膜厚を0μm,1.5μm,1.5μmに形
成した第4の発明に係る端子材料を接触式端子に成形
し、恒温恒湿槽内に放置前後の接触抵抗の変化を測定し
た。その結果を図4に示す。
【0027】また、クロムメッキ層2とニッケルメッキ
層5の両層2、5の効果を確認するため、第2実施例の
クロムメッキ層2の膜厚を0.5μm、ニッケルメッキ
層5の膜厚を1.5μmと一定にして金メッキ層3の膜
厚を0.1μm,0.05μmに形成した端子材料を接
触式端子に成形し、恒温恒湿槽内に放置前後の接触抵抗
の変化を測定した。その結果を図5に示す。
【0028】併せて、その際、その効果を定量的に検証
するため、黄銅母材1にニッケルメッキ層5を1.5μ
m形成し、その上に金メッキ層3を0.5μmと1.2
μm形成した上記実施例と同形状の接触式の金メッキ端
子を比較例として準備し、その比較例を上記実施例と同
条件で恒温恒湿槽内に放置して、放置前後の接触抵抗の
変化を測定し比較することにした。その測定結果を図6
及び図7に示す。
【0029】なお、その際、図6のものは、封孔処理を
施したものとし、一方、図7のものは封孔処理を施さな
いものとして封孔処理に対する有効性も確認できるよう
にした。
【0030】以上の結果から、クロムメッキ層2を0.
5〜4.5μmとした図3に示すものでは、接触抵抗の
増大率が0.2〜8%であるのに対し、クロムメッキ層
2の無い図7に示す比較例の端子は、同じニッケルメッ
キ厚で、しかも、金メッキ層3の厚さが0.5μmと図
3のものの5倍もの厚みがあるのにもかかわらず、接触
抵抗の増大率が50%と図3のものの5〜250倍もの
大きな増加率を呈した。このため、クロムメッキ層2の
効果が大きいことがわかった。
【0031】一方、このとき、図6に示す封孔処理を施
したものでは、金メッキ層3の厚みが異なるが、このも
のも、図3のものに比して接触抵抗が2.5〜100倍
程度の大きな増加率を呈することから、封孔処理よりも
クロムメッキ層2の効果が大きいことがわかった。
【0032】また、その際、クロムメッキ層2の厚さが
厚い程効果が大きいことがわかる。
【0033】次に、クロムメッキ層2と母材1の間に、
ニッケルメッキ層5を0〜4.5μm設けた図4に示す
ものでは、接触抵抗の増大率が1〜5%であるのに対
し、クロムメッキ層2の無い図7に示す比較例の端子で
は、ニッケルメッキ厚が1.5μmと同じで、しかも、
金メッキ層3の厚さが5倍の厚みがあるのにもかかわら
ず、接触抵抗が50%と25倍もの増加率を呈したこと
からニッケルメッキ層5の有効性が実証された。
【0034】因みに、このニッケルメッキ層5も図4か
ら、層の厚さを厚くすることにより、接触抵抗の増加率
を低くできることがわかる。
【0035】さらに、図5から、クロムメッキ層2とニ
ッケルメッキ層5とを用いることにより、金メッキ層3
の厚さを1/2とした場合でも接触抵抗の増加率を2%
程度に抑えることができるため、両メッキ層2、5 の効
果が非常に大きいことがわかる。このため、金メッキ層
3のメッキ層を薄くして低コストの金メッキ端子を作る
のに有効であるといえる。
【0036】したがって、本発明によるクロムメッキ層
2を設けた金メッキ端子は、腐食雰囲気中で従来の金メ
ッキ端子よりも接触抵抗の増大を小さく抑えられる。
【0037】
【効果】以上のように構成される第1の発明では、金メ
ッキ層と母材間にクロムメッキ層を設けて、貴/卑金属
の接触境界面を露出させないようにしたことにより、腐
食雰囲気で使用しても、酸化腐食が進行せず、接触抵抗
の増大が抑えられるため、高信頼性を要求される電気回
路に使用するのに非常に有益である。
【0038】このため、金メッキの厚さを薄くし、封孔
処理を施さない場合でも酸化腐食による接触抵抗の増大
が抑えることができるため、低コストで高信頼性を長期
間維持することのできる金メッキ端子の端子材料を提供
することができる。
【0039】第2の発明では、上記効果に加え、上記ク
ロムメッキ層と母材間にニッケルメッキ層を設けたこと
により、クロムメッキ層の母材への着きを良くし、密着
性を改善して接触抵抗の増大を抑ることができる。この
とき、ニッケルメッキ層は、母材である黄銅との付着性
が良く、母材の腐食止めとしての効果もある。
【0040】第3の発明では、上記クロムメッキ層の膜
厚を0.1〜5μmとすることにより、接触抵抗の増大
が抑えられる。
【0041】第4の発明では、上記ニッケルメッキ層の
膜厚を0.1〜5μmとすることにより、クロムメッキ
層の接触抵抗の増大を抑制し、かつ、密着性の向上をは
かることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の断面を示す模式図
【図2】第2実施例の断面を示す模式図
【図3】第3実施例の測定結果を示す図
【図4】第4実施例の測定結果を示す図
【図5】第4実施例の測定結果を示す図
【図6】比較例の測定結果を示す図
【図7】比較例の測定結果を示す図
【符号の説明】
1 母材 2 クロムメッキ層 3 金メッキ層 5 ニッケルメッキ層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金からなる母材に、クロム
    メッキ層と金メッキ層を順に形成した端子材料。
  2. 【請求項2】 上記クロムメッキ層と母材間にニッケル
    メッキ層を設けたことを特徴とする請求項1の端子材
    料。
  3. 【請求項3】 上記クロムメッキ層の膜厚を0.1〜5
    μmとしたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    端子材料。
  4. 【請求項4】 上記ニッケルメッキ層の膜厚を0.1〜
    5μmとしたことを特徴とする請求項2または3に記載
    の端子材料。
JP30917494A 1994-12-13 1994-12-13 端子材料 Pending JPH08165582A (ja)

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JP30917494A JPH08165582A (ja) 1994-12-13 1994-12-13 端子材料

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JP30917494A JPH08165582A (ja) 1994-12-13 1994-12-13 端子材料

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6451449B2 (en) 1996-10-30 2002-09-17 Yazaki Corporation Terminal material and terminal
WO2004074545A1 (ja) * 2003-02-19 2004-09-02 Ulvac, Inc. 成膜装置用構成部品およびその洗浄方法
JP2018081971A (ja) * 2016-11-14 2018-05-24 株式会社デンソー 圧入端子および電子装置

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