<第1の実施の形態>
図1を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるカメラ装置1000の詳細な構成を説明する。図1は、カメラ装置1000の構成を示すブロック図である。
カメラ装置1000は、例えば、屋外又はオフィスビル、工場あるいは店舗等の建屋内に設置される。
図1に示されるように、カメラ装置1000は、撮像部100と、可動機構部200とを有している。
図1に示されるように、撮像部100は、可動機構部200に接続されている。また、撮像部100は、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、位置検出部150と、電力監視部130と、にそれぞれ接続されている。撮像部100は、例えば、カメラ等であり、被写体を撮像する。
図1に示されるように、可動機構部200は、撮像部100に接続されている。可動機構部200は、撮像部100に取り付けられる。図1に示されるように、可動機構部200は、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、電力監視部130と、CPU(Central Processing Unit)140と、位置検出部150と、入力部160と、AC(Alternate)/DC(Direct Current)変換部170とを備えて構成されている。
図1に示されるように、水平旋回部110は、撮像部100と、垂直旋回部120と、位置検出部150と、電力監視部130とにそれぞれ接続されている。水平旋回部110は、CPU140により制御され、撮像部100を第1の方向(例えば、鉛直方向の軸を中心軸に回転する方向)に旋回移動させる。水平旋回部110の詳細な動作については後述する。なお、水平旋回部110は、本発明の可動部及び第1の旋回部に相当する。
図1に示されるように、水平旋回部110は、水平旋回用モータドライバ111と、水平旋回用モータ112と、水平旋回用ギア113とを有している。
水平旋回用モータドライバ111は、後述するCPU140の速度制御部142にて制御され、水平旋回用モータ112を駆動させる。例えば、水平旋回用モータドライバ111は、CPU140の速度制御部142から送信されるパルス信号のパルス数や周波数に応じて、水平旋回用モータ112を駆動させる。
水平旋回用モータ112は、水平旋回用モータドライバ111により駆動され、水平旋回用ギア113を回転させる。
水平旋回用ギア113は、水平旋回用モータ112により回転される。この水平旋回用ギア113が回転することにより、撮像部100は第1の方向に旋回移動される。
図1に示されるように、垂直旋回部120は、撮像部100と、水平旋回部110と、位置検出部150と、電力監視部130とにそれぞれ接続されている。垂直旋回部20は、CPU140により制御され、撮像部110を第2の方向(例えば、水平方向の軸を中心軸に回転する方向)に旋回移動させる。垂直旋回部120の詳細な動作については後述する。なお、垂直旋回部120は、本発明の可動部及び第2の旋回部に相当する。
図1に示されるように、垂直旋回部120は、垂直旋回用モータドライバ121と、垂直旋回用モータ122と、垂直旋回用ギア123とを有している。
垂直旋回用モータドライバ121は、後述するCPU140の速度制御部142に制御され、垂直旋回用モータ122を駆動させる。例えば、垂直旋回用モータドライバ121は、CPU140の速度制御部142から送信されるパルス信号のパルス数や周波数に応じて、垂直旋回用モータ122を駆動させる。
垂直旋回用モータ122は、垂直旋回用モータドライバ121により駆動され、垂直旋回用ギア123を回転させる。
垂直旋回用ギア123は、垂直旋回用モータ122により回転される。この垂直旋回用ギア123が回転することにより、撮像部100は第2の方向に旋回移動される。
図1に示されるように、電力監視部130は、撮像部100と、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、CPU140と、位置検出部150と、AC/DC変換部170とにそれぞれ接続されている。
電力監視部130は、撮像部100が消費する電力値(ここでは、W1[W]とする)と、可動機構部200が消費する電力値(ここでは、W2[W]とする)を監視する。また、電力監視部130は、電力比較部132の比較結果をCPU140に出力する。
そして、電力監視部130は、任意の最大電力値(ここでは、Wmax[W]とする)をCPU140から受ける。また、電力監視部130は、CPU140により設定された所定の電力基準値(ここでは、Ws[W]とする)をCPU140から受ける。
ここでいう任意の最大電力値Wmaxとは、例えば、撮像部100と可動機構部200への外部(例えば、商用AC電源)からの電力供給を停止せしめる電力値のことである。より具体的には、最大電力値Wmaxは、例えば、商用AC電源の契約電力値である。但し、最大電力値Wmaxは、商用AC電源の契約電力値に限らない。
また、最大電力値Wmaxは、例えば、カメラ装置1000の外部環境(例えば、温度、風速等)に応じた電力消費量を目安としたパターンに基づくものであってもよい。
この最大電力値Wmaxは、例えば、カメラ装置1000設置時に、CPU140に設定される。
ここでいう所定の電力基準値Wsは、例えば、最大電力値Wmaxよりも小さく(例えば、最大電力値Wmaxよりも数[W]低い値に)なるようにCPU140により設定された電力値のことである。
この電力基準値Wsは、例えば、後述するように、CPU140が旋回開始信号を受信したときに、CPU140により設定される。但し、電力基準値Wsは、これに限定されない。例えば、カメラ装置1000の管理者が入力部160を介して任意の電力値を入力することにより、電力基準値Wsを予め任意に設定できるようにしてもよい。
また、図1に示されるように、電力監視部130は、AC/DC変換部170から入力されるDC電源及び外部から入力されるAC電源を受け、撮像部100、水平旋回部110、垂直旋回部120及び位置検出部150に供給する。
図1に示されるように、電力監視部130は、電力取得部131と、電力比較部132とを有している。
電力取得部131は、撮像部100及び可動機構部200が消費する電力値W1及びW2の合計値である合計電力値(ここでは、W3[W]とする)を取得する。
より具体的には、電力取得部131は、例えば、所定の周期で、合計電力値W3を取得する。ここでは、電力取得部131は、電力比較部132と同一の周期で動作するものとする。但し、電力取得部131は、電力比較部132と異なる周期で動作するようにしてもよい。
電力比較部132は、所定の電力基準値Wsと、電力取得部131により取得された合計電力値W3とを比較する比較処理を行う。
電力比較部132は、例えば、所定の周期で、所定の電力基準値Wsと、電力取得部131により取得された合計電力値W3とを比較する。なお、ここでは、電力比較部132は、電力取得部131と同一の周期で動作するものとする。但し、電力比較部132は、電力取得部131と異なる周期で動作するようにしてもよい。
図1に示されるように、CPU140は、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、電力監視部130と、位置検出部150と、入力部160と、AC/DC変換部170とにそれぞれ接続されている。CPU140は、可動機構部200の全体を制御する。
また、CPU140は、入力部160を介して外部(例えば、カメラ装置1000を制御する制御装置(不図示)や、入力部160を使ったカメラ装置1000の管理者による手入力)から入力される撮像部100の旋回開始を指示する旋回開始信号を、受信する。
そして、CPU140は、電力比較部132の比較結果を電力比較部132から受ける。さらに、CPU140は、AC/DC変換部170から入力されるDC電源を受ける。また、CPU140は、位置検出部150の位置検出結果を位置検出部150から受ける。
CPU140は、入力部160を介して外部(例えば、カメラ装置1000を制御する制御装置(不図示)や、入力部160を使ったカメラ装置1000の管理者による手入力)から入力される任意の最大電力値Wmaxを設定し、設定された任意の最大電力値Wmaxを電力監視部130に出力する。
この最大電力値Wmaxは、例えば、カメラ装置1000設置時に、入力部160を介して外部から入力される。なお、この最大電力値Wmaxの設定は、例えばカメラ装置1000の管理者によって入力部160を介して変更できるものとする。
また、CPU140は、設定された任意の最大電力値Wmaxに基づいて、所定の電力基準値Wsを設定し、設定された所定の電力基準値Wsを電力監視部130に出力する。前述したように、CPU140は、例えば、CPU140が旋回開始信号を受信したときに、この電力基準値Wsを設定する。
図1に示されるように、CPU140は、速度測定部141と、速度制御部142とを有している。
速度測定部141は、電力比較部132が比較処理を行ったときの撮像部100の移動速度を測定する。
速度制御部142は、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御することにより、撮像部100の移動速度を制御する。例えば、速度制御部142は、水平旋回部110及び垂直旋回部120に対してパルス信号を送信し、そのパルス信号のパルス数や周波数を変更することにより、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。これにより、速度制御部142は、撮像部100の移動速度を制御する。
速度制御部142は、例えば、旋回開始信号を受信したとき、撮像部100を移動させるように水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。
また、速度制御部142は、電力取得部131により取得された合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度以下になるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。
一方、速度制御部142は、電力取得部131により取得された合計電力値W3が電力基準値Wsを超えないと電力比較部132により判断されたとき、撮像部100の移動速度を増大させるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。
なお、速度制御部142は、電力取得部131により取得された合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度を維持するように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御してもよい。
速度制御部142は、CPU140に最大電力値Wmaxが設定されていない場合、例えば、仕様上の最大速度で撮像部100を移動させるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。ここでいう仕様上の最大速度は、例えば、水平旋回部110及び垂直旋回部120の仕様書で予め設定されている最大の速度である。
図1に示されるように、位置検出部150は、撮像部100と、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、電力監視部130と、CPU140とにそれぞれ接続されている。位置検出部150は、撮像部100の位置を検出する。また、位置検出部150は、位置検出結果をCPU140に出力する。
図1に示されるように、位置検出部150は、水平旋回用エンコーダ151と、垂直旋回用エンコーダ152とを有している。
水平旋回用エンコーダ151は、水平旋回部110により旋回移動された撮像部100の第1の方向における位置を検出する。
垂直旋回用エンコーダ152は、垂直旋回部120により旋回移動された撮像部100の第2の方向における位置を検出する。
図1に示されるように、入力部160は、CPU140に接続されている。入力部160は、外部(例えば、カメラ装置1000を制御する制御装置(不図示)や、入力部160を使ったカメラ装置1000の管理者による手入力)からの入力を受け付ける。入力部160は、例えば、旋回開始信号を外部から受信する。また、入力部160は、例えば、最大電力値Wmaxの入力を外部から受け付ける。
図1に示されるように、AC/DC変換部170は、電力監視部130及びCPU140にそれぞれ接続されている。また、AC/DC変換部170は、例えば、ACアダプタ等の商用AC電源(不図示)に接続されている。AC/DC変換部170は、例えば、外部から入力されるAC電源をDC電源に変換し、変換されたDC電源を電力監視部130及びCPU140に供給する。
次に、図2〜4を用いて、カメラ装置1000における撮像部100の移動例について説明する。図2は、カメラ装置1000の正面図である。図3は、カメラ装置1000の上面図であって、図2の矢視Aを示す図である。図4は、カメラ装置1000の側面図であって、図2の矢視Bを示す図である。
まず、図2及び図3を用いて、水平旋回部110が撮像部100を旋回移動させる移動例について説明する。
図2及び図3に示されるように、水平旋回部110は、撮像部100を鉛直方向の軸(図中CL1)を中心軸にして旋回移動させる。ここでは、図2に示されるように、水平旋回部110は、撮像部100を時計回り(第1の方向)にθ度旋回移動させる例を示している。なお、水平旋回部110は、撮像部100を反時計回りに旋回移動させてもよい。
次に、図2及び図4を用いて、垂直旋回部120が撮像部100を旋回移動させる移動例について説明する。
図2及び図4に示されるように、垂直旋回部120は、撮像部100を水平方向の軸(図中CL2)を中心軸にして旋回移動させる。ここでは、図4に示されるように、垂直旋回部120は、撮像部100を時計回り(第2の方向)にθ度旋回移動させる例を示している。なお、垂直旋回部120は、撮像部100を反時計回りに旋回移動させてもよい。
次に、図5及び図6を用いて、カメラ装置1000の詳細な動作について説明する。図5は、カメラ装置1000の動作フローを示す図である。図6は、電力値W1電力値W2の合計値である合計電力値W3と時間との関係を例示した図である。
まず、図5に示されるように、可動機構部200のCPU140は、旋回開始信号を受信する(ステップ(以下、Sとする)110)。図6の(1)は、このS110の処理が行われる時間を例示している。図6に示されるように、このとき、水平旋回部110及び垂直旋回部120が動作していないので、合計電力値W3は、低い値である。
次に、図5に示されるように、CPU140は、CPU140に最大電力値Wmaxが設定されているか否かを判断する。CPU140に最大電力値Wmaxが設定されていない場合(S120、NO)、CPU140の速度制御部142は、仕様上の最大速度で撮像部100を移動させるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する(S125)。これにより、撮像部100が、仕様上の最大速度で移動する。
一方、CPU140に最大電力値Wmaxが設定されている場合(S120、YES)、CPU140は、設定された最大電力値Wmaxに基づいて、所定の電力基準値Wsを設定する(S130)。具体的には、前述の通り、CPU140は、例えば、最大電力値Wmaxよりも小さく(例えば、最大電力値Wmaxよりも数[W]低い値に)なるように、電力基準値Wsを設定する。図6では、CPU140に最大電力値Wmax及び電力基準値Wsが設定されている例を示している。
そして、CPU140の速度制御部142は、撮像部100の移動速度を増大させるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する(S140)。図6の(2)は、S140の処理が行われる時間を例示している。
このとき、撮像部100の移動速度を増大させるため、可動機構部200が消費する電力値W2も時間経過に伴い増大する。従って、図6の(2)に示されるように、合計電力値W3は、時間が経過するにつれて増大する。
ここでいう撮像部100の移動速度とは、撮像部100が水平旋回部110により第1の方向に旋回移動される移動速度及び撮像部100が垂直旋回部120により第2の方向に旋回移動される移動速度の各々のことである。
電力監視部130の電力取得部131は、合計電力値W3を取得する(S150)。
また、電力監視部130の電力比較部132は、所定の電力基準値Wsと、電力取得部131により取得された合計電力値W3とを比較する(S160)。
そして、CPU140の速度測定部141は、電力比較部132が比較処理を行ったときの撮像部100の移動速度を測定する(S170)。
CPU140の速度制御部142は、電力取得部131により取得された合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき(S180、YES)、S170で速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度以下になるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する(S190)。
前述したように、ここでは、速度制御部142は、速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度を維持するように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。
図6では、図6の(3)の時、合計電力値W3は、電力基準値Wsと最大電力値Wmaxの間となっている例を示している。図6の(3)は、S150〜S190に対応し、ここでは、S150〜S190の処理が行われる時間を示している。
一方、速度制御部142は、電力取得部131により取得された合計電力値W3が電力基準値Wsを超えないと電力比較部132により判断されたとき(S180、NO)、撮像部100の移動速度を増大させるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する(S140へ)。
このS190の処理の後、撮像部100が目標の位置まで到達したとき、CPU140の速度制御部142は、撮像部100を停止させるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。速度制御部142は、位置検出部150の検出結果に基づいて、撮像部100が目標の位置まで到達したかを判断し、撮像部100を停止させるようにしてもいい。あるいは、速度制御部142は、カメラ装置1000の管理者が入力部160を介して、速度制御部142に対して、撮像部100を停止させるように制御してもよい。
以上に説明したように、本発明の第1の実施の形態におけるカメラ装置1000は、被写体を撮像する撮像部100と、撮像部100に取り付けられた可動機構部200と、を有する。可動機構部200は、可動部(水平旋回部110及び垂直旋回部120)と、電力取得部131と、電力比較部132と、速度測定部141と、速度制御部142とを備える。
可動部は、撮像部100を移動させる。また、可動部は、速度制御部142の制御に従って撮像部100を移動させる。電力取得部131は、撮像部100及び可動機構部200が消費する電力値W1及びW2の合計値である合計電力値W3を取得する。電力比較部132は、任意の最大電力値Wmaxよりも小さくなるように設定された所定の電力基準値Wsと、合計電力値W3とを比較する比較処理を行う。速度測定部141は、電力比較部132が比較処理を行ったときの撮像部100の移動速度を測定する。速度制御部142は、合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度以下になるように、可動部を制御する。
このように、速度制御部142は、合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度以下になるように、可動部(水平旋回部110及び垂直旋回部120)を制御する。速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度以下になるように、可動部(水平旋回部110及び垂直旋回部120)を制御するため、可動機構部200が消費する電力値W2が低下し、合計電力値W3が低下する。これにより、カメラ装置1000の消費電力である合計電力値W3を抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態におけるカメラ装置1000において、速度制御部142は、合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度を維持する。
これにより、カメラ装置1000の消費電力である合計電力値W3を抑制すると共に、撮像部100の移動速度を必要以上に低下させることがない。このため、例えば、比較的速く移動する被写体を撮像する際、被写体への追従性を低下させることなく、被写体を撮像することができる。
また、本発明の第1の実施の形態におけるカメラ装置1000において、可動部は、撮像部100を旋回移動させる。可動部は、回転軸を中心にその場で旋回するので、撮像部100が移動するスペースを狭くすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態におけるカメラ装置1000において、可動部は、撮像部100を第1の方向に旋回移動させる水平旋回部110と、撮像部100を第2の方向に旋回移動させる垂直旋回部120とから構成される。これにより、2つの方向(第1及び第2の方向)に旋回する可動部に対しても対応できる。
また、本発明の第1の実施の形態におけるカメラ装置1000において、最大電力値Wmaxは、撮像部100と可動機構部200への電力供給を停止せしめる電力値である。カメラ装置1000の消費電力を抑制することができるので、撮像部100と可動機構部200への電力供給が停止される状況になることを防止することができる。
また、本発明の第1の実施の形態におけるカメラ装置1000において、電力取得部131と、電力比較部132は、同一の周期で動作する。これにより、合計電力値W3が電力基準値Wsを超えた後、カメラ装置1000の消費電力を抑制するまでの時間を短縮することができる。この結果、カメラ装置1000の消費電力をより効果的に抑制することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における制御方法は、被写体を撮像する撮像部100に取り付けられた可動機構部200を有するカメラ装置1000に用いられる制御方法であって、可動ステップと、電力取得ステップと、電力比較ステップと、速度測定ステップと、速度制御ステップを含む。
可動ステップは、撮像部100を移動させる。電力取得ステップは、撮像部100及び可動機構部200が消費する電力値W1及びW2の合計値である合計電力値W3を取得する。電力比較ステップは、任意の最大電力値Wmaxよりも小さくなるように設定された所定の電力基準値Wsと、合計電力値W3とを比較する比較処理を行う。速度測定ステップは、電力比較ステップにより比較処理が行われたときの撮像部100の移動速度を測定する。速度制御ステップは、合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較ステップにより判断されたとき、速度測定ステップにより測定された撮像部100の移動速度以下になるように、可動ステップの処理を制御する。また、可動ステップは、速度制御ステップの制御に従って撮像部100を移動させる。
この制御方法は、上述したカメラ装置1000の装置の発明を方法の発明としたものであるから、上述したカメラ装置1000と同様の作用効果を奏する。
また、本発明の第1の実施の形態におけるカメラ装置1000において、可動機構部200は、撮像部100の位置を検出する位置検出部150を有する。位置検出部150は、水平旋回用エンコーダ151と、垂直旋回用エンコーダ152とを有している。水平旋回用エンコーダ151は、水平旋回部110により旋回移動された撮像部100の第1の方向における位置を検出する。垂直旋回用エンコーダ152は、垂直旋回部120により旋回移動された撮像部100の第2の方向における位置を検出する。
関連するカメラ装置では、例えば、過負荷が掛かった環境条件化では、位置検出部150と、制御しようとする位置でずれが生じる脱調を起こしやすかった。しかしながら、カメラ装置1000では、合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度以下になるように、可動部(水平旋回部110及び垂直旋回部120)を制御する。これにより、位置検出部150の検出位置ずれ量を少なくできる。
<第2の実施の形態>
図7を用いて、本発明の第2の実施の形態におけるカメラ装置1000Aの詳細な構成を説明する。図7は、カメラ装置1000Aの構成を示すブロック図である。なお、図7では、図1〜6で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜6で示した符号と同等の符号を付している。
図7に示されるように、カメラ装置1000Aは、撮像部100Aと、可動機構部200Aとを有して構成されている。
図7に示されるように、撮像部100Aは、付随電気回路10を備えている。
図7に示されるように、可動機構部200Aは、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、電力監視部130Aと、CPU140と、位置検出部150と、入力部160と、AC/DC変換部170と、付随電気回路180とを備えている。電力監視部130Aは、電力取得部131と、電力比較部132と、回路制御部133とを備えている。
ここで、図1と図7とを対比する。図7では、撮像部100Aは、付随電気回路10を更に備えた点で、図1に示される撮像部100と互いに相違する。また、図7では、可動機構部200Aの電力監視部130Aは、回路制御部133を更に備えた点で、図1に示される可動機構部200の電力監視部130と互いに相違する。以下の説明では、図1で示した構成と同等の構成については説明を省略する。
図7に示されるように、撮像部100Aの付随電気回路10は、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、電力監視部130Aと、位置検出部150と、可動機構部200Aの付随電気回路180とにそれぞれ接続されている。付随電気回路10は、撮像部100Aに付随して取り付けられる。付随電気回路10は、例えば、撮像部100Aの温度を管理するヒータ、撮像部100Aに外装に設けられるワイパー及びデフロストガラス等の各種電気回路である。
図7に示されるように、可動機構部200Aの付随電気回路180は、撮像部100Aの付随電気回路10と、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、電力監視部130Aと、位置検出部150とにそれぞれ接続されている。付随電気回路180は、可動機構部200Aに付随して取り付けられる。付随電気回路180は、例えば、可動機構部200Aの温度を管理するヒータ等の各種電気回路である。
電力監視部130Aは、撮像部100Aの付随電気回路10と、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、CPU140と、位置検出部150と、AC/DC変換部170と、付随電気回路180とにそれぞれ接続されている。、図7に示されるように、電力監視部130Aは、AC/DC変換部170から入力されるDC電源及び外部から入力されるAC電源を受け、撮像部100Aの付随電気回路10、水平旋回部110、垂直旋回部120、位置検出部150及び付随電気回路180に供給する。
回路制御部133は、合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、付随電気回路10及び180に供給する電力を減らす制御を、付随電気回路10及び180に対して行う。
回路制御部133が付随電気回路10及び180に供給する電力を減らす電力量は、例えば、予め設定されているものとする。但し、これに限定されない。カメラ装置1000Aの管理者が入力部160を介して任意の電力量を外部から入力することにより、回路制御部133が付随電気回路10及び180に供給する電力を減らす電力量を設定できるようにしてもよい。
また、回路制御部133は、合計電力値W3が、電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、付随電気回路10又は180に供給する電力のいずれか一方を減らす制御を、付随電気回路10又は180に対して行うようにしてもよい。
次に、図8を用いて、カメラ装置1000Aの詳細な動作について説明する。図8は、カメラ装置1000Aの動作フローを示す図である。
可動機構部200Aは、図5のS110〜S170の処理を行う。
前述したように、CPU140の速度制御部142は、電力取得部131により取得された合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき(S180、YES)、速度測定部141により測定された撮像部100の移動速度以下になるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する(S190)。
そして、電力監視部130Aの回路制御部133は、合計電力値W3が電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、付随電気回路10及び180に供給する電力を減らす制御を、付随電気回路10及び180に対して行う(S200)。
以上に説明したように、本発明の第2の実施の形態におけるカメラ装置1000Aは、撮像部100A又は可動機構部200Aに付随して取り付けられた付随電気回路10及び180を備える。可動機構部200Aは、撮像部100及び可動機構部200とが消費する電力値W1及びW2の合計値である合計電力値W3が、任意の最大電力値Wmaxよりも小さくなるように設定された所定の電力基準値Wsを超えたと電力比較部132により判断されたとき、付随電気回路10及び180に供給する電力を減らす制御を、付随電気回路10及び180に対して行う。これにより、カメラ装置1000の消費電力をより効果的に抑制することができる。
<第3の実施の形態>
図9を用いて、本発明の第3の実施の形態におけるカメラ装置1000Bの詳細な構成を説明する。図9は、カメラ装置1000Bの構成を示すブロック図である。なお、図9では、図1〜8で示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜8で示した符号と同等の符号を付している。
図9に示されるように、カメラ装置1000Bは、撮像部100と、可動機構部200Bとを有して構成されている。
図9に示されるように、可動機構部200Bは、水平旋回部110と、垂直旋回部120と、電力監視部130Aと、CPU140Aと、位置検出部150と、入力部160と、AC/DC変換部170とを備えている。CPU140Aは、速度測定部141と、速度制御部142Aと、位置指定部143とを備えている。
ここで、図1と図9とを対比する。図9では、可動機構部200AのCPU140Aは、位置指定部143を更に備えた点で、図1に示される可動機構部200のCPU140と互いに相違する。以下の説明では、図1で示した構成と同等の構成については説明を省略する。
位置指定部143は、撮像部100の移動後の位置を指定する。位置指定部143が指定する撮像部100の移動後の位置は、例えば、カメラ装置1000Bの管理者により入力部160を介して入力されてもよい。あるいは、位置指定部143が指定する撮像部100の移動後の位置は、予め設定されているものであってもよい。
CPU140Aは、位置検出部150により検出された撮像部100の位置と、位置指定部143により指定された撮像部100の移動後の位置とを比較する。また、CPU140Aは、撮像部100が移動し始めた時間から経過した時間を検出している。
速度制御部142Aは、位置指定部143により指定された撮像部100の移動後の位置まで撮像部100を移動させるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。
そして、速度制御部142Aは、所定の時間経過後までに撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動されない場合、撮像部100の移動速度を変える(例えば、減速する)ように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。ここでは、所定の時間経過後までに撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動されない場合について、例えば、カメラ装置1000Bに何らかの障害(例えば、凍結など)が生じたという状況を想定している。
この所定の時間は、例えば、予め設定されているものとする。なお、この所定の時間は、カメラ装置1000Bの管理者により入力部160を介して入力されることで設定されてもよい。
また、速度制御部142Aは、所定の時間経過後までに撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動されない場合、撮像部100を停止するように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御するようにしてもよい。
なお、この際、速度制御部142Aは、位置指定部143により指定された撮像部100の移動後の位置まで撮像部100を移動させる制御を、旋回移動できなかった方向に対して、所定の回数繰り返すようにしてもよい。
例えば、撮像部100を第1の方向(例えば、鉛直方向の軸を中心軸に回転する方向)には旋回移動させることができたものの第2の方向(例えば、水平方向の軸を中心軸に回転する方向)には旋回移動させることができなかった場合、速度制御部142Aは、撮像部100を第2の方向に移動させるように垂直旋回部120を制御する動作を、複数回(例えば、3回)行ってもよい。このような動作は、例えば、所定の時間経過後であって撮像部100の移動速度を変える制御を行う前に行ってもよく、撮像部100の移動速度を変える制御を行った後から所定の周期で行ってもよい。
このようにすることで、例えば撮像部100の周辺部に凍結が生じていた場合、撮像部100が旋回移動する(あるいは旋回移動しようとする)動作によって生じる振動により、撮像部100の周辺部における凍結部が解氷される場合が想定される。こうして凍結部が解氷された場合には、カメラ装置1000Bは、位置指定部143により指定された撮像部100の移動後の位置まで撮像部100を移動させることができる。
また、例えば、カメラ装置1000Bにかかる風圧が低下する等によって、カメラ装置1000Bに生じた障害が所定の時間経過後に解消された場合であっても、カメラ装置1000Bは、位置指定部143により指定された撮像部100の移動後の位置まで撮像部100を移動させることができる。
次に、図10を用いて、カメラ装置1000Bの詳細な動作について説明する。図10は、カメラ装置1000Bの動作フローを示す図である。
図6に示されるように、カメラ装置1000Bは、図5と同様にS110〜S190の処理を行う。
S125又はS140の処理の後、CPU140Aは、位置検出部150により検出された撮像部100の位置と、位置指定部143により指定された撮像部100の移動後の位置とを比較する。これにより、CPU140Aは、撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動したか否かを判断する(S300)。
撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動した場合(S300、YES)、カメラ装置1000Bは、何も処理を行わずに動作を終了する。
一方、撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動していない場合(S300、NO)、CPU140Aは、撮像部100が移動し始めた時間から、予め設定された所定の時間が経過したか否かを判断する(S310)。
撮像部100が移動し始めた時間から、予め設定された所定の時間が経過していない場合(S310、NO)、S300の処理を再び行う。
一方、撮像部100が移動し始めた時間から、予め設定された所定の時間が経過した場合(S310、YES)、撮像部100の移動速度を変えるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する(S320)。
以上に説明したように、本発明の第3の実施の形態におけるカメラ装置1000Bにおいて、可動機構部200Bは、撮像部100の移動後の位置を指定する位置指定部143を更に備える。速度制御部142Aは、所定の時間経過後までに撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動されない場合、撮像部100の移動速度を変えるように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。
ここで、所定の時間経過後までに撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動されない場合、カメラ装置1000Bが凍結や障害物に当たる等の障害を受けている可能性がある。このような状況を想定して、本発明のカメラ装置1000Bでは、所定の時間経過後までに撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動されない場合、カメラ装置1000Bに何らかの障害が生じたものと想定して、撮像部100の移動速度を制御している。
これにより、カメラ装置1000Bに生じ得る障害を未然に防止することができる。
また、本発明の第3の実施の形態におけるカメラ装置1000Bにおいて、速度制御部142Aは、、所定の時間経過後までに撮像部100が位置指定部143により指定された位置まで移動されない場合、撮像部100を停止するように、水平旋回部110及び垂直旋回部120を制御する。これにより、カメラ装置1000Bに生じ得る障害をより効果的に未然に防止することができる。
以上、実施の形態を基に本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述の実施の形態に対して、様々な変更、増減、組合せを加えてもよい。