JP6298469B2 - 扱いやすいカルシウム−マグネシウム含有懸濁液 - Google Patents

扱いやすいカルシウム−マグネシウム含有懸濁液 Download PDF

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Description

本発明は、水相中200g/kg以上の濃度の一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、a、b及びcは、質量分率を表し、それらの合計は、90から100%の値を有する)に適合する固体粒子、及び粘度低下剤であり同時に粘度増加調節剤である添加剤を含む、カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液に関する。
長年にわたり、カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液中に使用される水量を分散剤によって減少させるための様々な試みがなされてきた。
本発明の意味において、「カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液」という用語によって、水相中200g/kg以上の濃度の一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、a、b及びcは、質量分率を表し、それらの合計は、90から100%の値を有する)に適合する固体粒子の懸濁液が意味される。該粒子は、当然に不純物、すなわち、全体として1キログラム当たり数十グラムに相当する、SiO、Al、Fe、MnO、P及び/又はSOに由来する相を含有し得る、質量分率として0から10%の物質をさらに含有する。これらの固体粒子はまた、任意選択でドロマイトの形態で組み合わされて、消和の間に水和されない物質として酸化カルシウム並びに炭酸カルシウムCaCO及び/又は炭酸マグネシウムMgCOを含有し得る。したがって、石灰乳は、これが消石灰の懸濁液であるときに利用の特定の問題、すなわち、Mg(OH)又はMgOの含有量が低く不純物と考えられる一般式の特定の問題を形成する。上記一般式はまた、aCa(OH).bMg(OH).cMgO.d(式中、dは、質量分率として0から10%の値を有する)として示されてもよい。
このタイプのカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液は、生石灰、ドロマイト生石灰、生ドロマイト、若しくは後者の混合物を、化学量論的量の水、すなわち、粉末状消和(カルシウム性又はドロマイトの)石灰を得るために必要な量よりもはるかに多い量の水で消和することによって、又は一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、a、b及びcは、質量分率を表し、それらの合計は、90から100%の値を有する)に適合する固体粒子を水相中で混合することによって得ることができる。
現在使用される様々なパラメータがカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液を特徴付ける可能性を与えるが、主たるものは、粘度、固体粒子含有量、これらの粒子の粒度、及び固体粒子の反応性(すなわち、溶解速度)である。
懸濁液の利用及び取扱い(ポンプ輸送、導管における搬送、・・・)に関して、粘度は決定的な性質である。このために、懸濁液の動的粘度は、2,000mPa.s未満であるべきこと(米国特許第5,616,283号)及び1,500mPa.sの動的粘度を超えないことが望ましいことを確立する可能性が、経験により与えられた(国際公開第2007110401号)。
一般に、粘度は、固体物質濃度が増加するとき、及び懸濁粒子のサイズが減少するときに増加する。
カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液の反応性は、粒子の溶解速度によって決定される。それは、大量の脱塩水に小量の懸濁液を注入することによって測定され得る。この測定は、得られる液相の導電率における時間依存性変化の記録に基づいて、飲料水の軟化を目的として石灰乳の反応性をモニターするために開発された(v.Van Eckerenら、飲料水の軟化のための改善された石灰乳:キャリオーバー問題への答え(Improved milk−of−lime for softening of drinking water:the answer to the carry−over problem)、in Aqua、1994年、43(1)、1〜10ページ)。この石灰乳の反応性を測定する手順のより詳細は、規格EN12485:2010の6.11節「導電率による溶解指数の決定(Determination of solubility index by conductivity)で入手できる。
カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液の反応性は、任意の中和又は沈殿操作にとっても決定的である。
カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液の固体粒子の溶解速度は、粒子のサイズが小さいのでそれだけより速いことが知られている。さらに、粒子の微細度が高いと、一般に懸濁液の固相の沈降を減少させる。
一般に、輸送コスト及び設備(保存タンク、ポンプ、・・・)の大きさを低減するために、石灰乳の濃度を増加することができることが経済的に有利である。
低粘度、高濃度、及び懸濁している粒子のサイズの低下を調整することの困難性は理解されている。
残念なことに、たとえある瞬間のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液が、1,500mPa.s未満の動的粘度を有するとしても、このような懸濁液の粘度は安定でなく、したがって時間にわたって増加することが知られており、このことは懸濁液の撹拌が問題になる時点から使用にとっての重大な欠点となること、及び懸濁液がポンピング可能なままでなく、したがって、閉塞、並びに保存及び輸送設備の損傷のリスクにさらすので、搬送が困難であることはそのままである。
これらの安定性の問題を解決するために、文献では、例えば、それに対して添加剤が添加される、又はそのために固体粒子が特に選択されている濃縮カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液についての情報が示されている。
小量のアルカリ金属水酸化物の存在下で、分散剤を添加することによって石灰乳の濃度を改善する仕方は公知である[米国特許第、5,616,283号]。この調製方法により、2,000又はさらには1,000mPa.s未満の動的粘度を有して、乾燥物質中40%を超える濃度を得る可能性が示されている。しかしながら、分散剤の使用は、高価であるとともに、ある種の用途に不適合である。
より粗い粒径を有する消石灰を取り込みことによって、又は例えば、消和中の温度の上昇を制限することにより、粒成長を促進する条件下で生石灰を消和することによって、硫酸などの添加剤の添加することなどによって、粘度の増加を制限しながら、懸濁液中の固相濃度を増加させることも公知である[ベルギー特許第1006655号、米国特許第4,464,353号]。このような石灰乳は、あまり反応性ではなく、これは、その使用を制限する。さらに、分散剤がまったく添加されない場合、これらの懸濁液はより急速に沈降する。
好ましくは低く、制御された粘度の石灰又は石灰化合物に基づく水性懸濁液も、文書欧州特許第1663869号から公知であり、固体物質濃度を増加させ、及び/又は懸濁している粒子のサイズを低下させることができ、これは、それらが懸濁される前に、10m/g以下である、BET法に従って測定された比表面積を有する固体物質粒子を有する。
分散剤の他のファミリー、例えば、可溶性多糖類、ポリアクリラート、ポリアミド、及びジアリルアンモニウムクロライドタイプのポリマーの、誘導体は記載されている[米国特許第4,849,128号、米国特許第4,610,801号)。
他の分散剤ポリマーも、文書欧州特許第594332号、欧州特許第592169号、又はさらには米国特許第4,375,526号から公知である。
より詳細には、文書国際公開第2007110401号に、それらの使用、用途、時間にわたる最適取扱いに適合するレベルで、流動特性(例えば、動的粘度、場応力、又は塑性粘度)を時間にわたって維持することによって石灰乳を安定化させる可能性が開示されている。この文書の教示によれば、この結果は、炭水化物、又はこれらの炭水化物の酸化若しくはこれらの炭水化物の水素化によって得られるもののような、ある種のそれらの誘導体から選択される1種又は数種の添加剤を添加することによって達せられる。
この文書に記載された添加剤は、より詳細には単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類である。
グルコース及びポリカルボキシラートに基づく分散剤の組合せによる、低粘度を有し、保存期間中安定な消石灰の水性懸濁液も、文書国際公開第2006050567号から公知である。
残念なことに、これらの教示は、添加剤若しくは特定の石灰の組合せを必要とするか、又は大量の、及び/若しくは石灰乳のある種の用途に不適合である添加剤を用い、或いは、後者は、十分に長期間(1日間から数日間)の間の粘度の期待される安定性を有しない。
この問題を解決するために、本発明によれば、述べたとおりのカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液が本発明によって提供され、したがって、これは、粘度の低下剤であり同時に粘度の増加を調節するための作用剤、すなわち、1,500mPa.s未満、好ましくは1,200mPa.s未満の許容できる粘度を製造中に得る可能性を与え、且つカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液の保存のための期間中にその増加を減速させる可能性を与え、一方で添加剤の含有量低下を伴い、これは、粘度低下剤であり同時に粘度増加調節剤である添加剤を初期に含む。
このために、本発明によるカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液は、前記添加剤が、窒素を有するか若しくは有しない有機ホスホン酸、又はその塩、より詳細には、アルキレン基が1から20個の炭素原子を有するアミノアルキレンポリホスホン酸、アルキリデン基が2から50個の炭素原子を有するヒドロキシアルキリデンポリホスホン酸、アルカン基が3から12個の炭素原子を有し且つアルキルホスホン酸基とカルボン酸基とのモル比が1:2から1:4の範囲であるホスホノ−アルカンポリカルボン酸、それらの誘導体、例えば、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択されるホスホン酸塩又はホスホン酸であることを特徴とする。
したがって、本発明によるカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液は、許容できる値で粘度を維持しながら、従来の方法によって得られ得るものよりもより高い濃度の個体粒子を得る可能性を与え、それにより、取り扱うこと及び保存することがより容易である石灰乳が得られる。したがって、本発明によるカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液は、固体粒子の高い濃度で流動性であり、現在の溶液で得られるものよりもより少ない有機物質が得られる。流動性は、粘度の測定により決定される。流動性という用語は、粘度が適度であり、1,500mPa.s未満、特には1,200mPa.s以下、好ましくは1,000mPa.s以下、さらにより優先的には800mPa.s以下、有利には500mPa.s以下であることを意味する。
本発明によるカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液中に存在するホスホン酸塩又はホスホン酸は、新しく製造されたカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液の粘度の調節を可能にするのみならず、保存期間中の粘度の増加に対して歯止めとして作用する可能性を与える。
したがって、本発明によれば、固体粒子が高度に濃縮されたカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液は、以下の2つの効果、すなわち、時間にわたる粘度低下剤として及び粘度増加調節剤としての作用から利益を得ながら、ホスホン酸塩又はホスホン酸の添加後に処方されてよい。
本発明の意味において、「粘度増加調節剤」という用語によって、撹拌の有無にかかわらず、保存少なくとも2週、好ましくは1ヶ月又はそれを超えた後に、粘度が、1,500mPa.s以下、好ましくは1,200mPa.s以下、より優先的には1,000mPa.s以下、有利には800mPa.s以下、さらにより有利には500mPa.s未満のままであることが意味される。
ホスホン酸塩又はホスホン酸は、典型的には、金属イオンに対して活性である錯化剤、キレート剤、多官能性剤である。
定義によって、それらは、炭素原子に結合した、酸又はその対応する塩の形態で少なくとも1個の官能基PO 2−を含む。ホスホン酸塩の特性は、とりわけリン−炭素結合に由来する。これらの特性は、強アニオン性(陰性)電荷、水中での大きな溶解度、極限温度及びpH条件下で水系中の安定性、及び非常に多数の結合部位である。したがって、ホスホン酸塩は、水系の性能を改善するいくつかの機能性を有する:
− 閾値効果によるスケールの形成の阻止、
− 金属イオン封鎖(金属イオンの錯化/キレート化)
− 懸濁液の固体粒子の分散、とりわけ、スケール堆積の減少、
− 電気化学的腐食の阻止。
それらの機能性は、多くの分野でこれらの剤の使用を可能にする。
本発明の意味において、「ホスホン酸」又は「ホスホン酸塩」という用語は、酸それ自体、又はその共役塩若しくは混合物を包含し、酸は、とりわけNaOH又はKOHなどのアルカリ性化合物によって部分的又は完全に中和されている形態で存在してもよい。添加剤が部分的又は完全に中和された酸形態であるかどうかにかかわらず、ホスホン酸塩又ホスホン酸の濃度は、「活性酸」濃度として表される。
本発明によって示されているところによれば、カルシウム−マグネシウム含有懸濁液中のホスホン酸塩又はホスホン酸の使用が、典型的には現況技術で使用される添加剤と比較して、添加剤含有量の減少を可能にし、これは、一方でカルシウム−マグネシウム含有懸濁液の特性及びその効率性を維持する可能性を与え、他方でCOD(化学的酸素要求量)及びTOC(全有機炭素)、したがってある種の用途に使用されるカルシウム−マグネシウム含有懸濁液の環境影響を低減する可能性を与え、ここで規制上の制限は、主として有機の、したがって炭素が豊富な添加剤、例えば、糖類及び/又はポリマーで安定化された懸濁液の使用を制限しており、これは、ある種の液体排液の処理の場合である。さらに、支持体上に吸着される添加剤の性向は、液/固分離工程が固相中の添加剤の主要部分を保持することによって行われる用途でCODをさらに低減させる。
さらに、本発明によって、カルシウム−マグネシウム含有懸濁液中のホスホン酸塩又はホスホン酸の存在は、カルシウム−マグネシウム含有懸濁液がそのスケーリングの阻害剤の役割を果たし(閾値効果)、炭酸カルシウム又は硫酸カルシウムの沈殿の減少をもたらすことを可能にする。この効果は、設備のスケーリングが液体排液の処理へのカルシウム−マグネシウム含有懸濁液の適用後に現れる、最大カルシウム濃度を増加させる可能性を与える。
本発明によれば、意外なことに、ホスホン酸塩又はホスホン酸添加剤によって、限定された粘度を有するカルシウム−マグネシウム含有懸濁液を製造することが可能であり、これは、とりわけ時間にわたってこの粘度の増加を抑制し、又はカルシウム−マグネシウム含有懸濁液の熟成現象の間、さらにはある一定の期間の間に粘度を低下させることが認められた。本発明による説明は、ホスホン酸塩が、カルシウム−マグネシウム含有懸濁液の熟成を減少させるCa(OH)及び/又はMg(OH)の粒子上に完全に吸着されているということにある。水和物粒子は、正に荷電している。ホスホン酸塩は、強アニオン性(負の)電荷を有する。Ca(OH)粒子の中和後、ホスホン酸塩の追加量は、電荷を逆にさせる。ホスホン酸基の負電荷は、互いに反発し;これは、粒子が互いに反発することにもつながり、結果として、デカンテーション、及びそれらの間の相互作用を確立する可能性を低減させる。したがって、本発明による懸濁液の別の利点は、デカンテーションに対するより小さい性向を有することである。最後に、カルシウム−マグネシウム含有懸濁液の流動性が改善される場合、水の量は、減少し、それにより、その濃度及び/又はその微細度は、増加し得る。
当然、本発明によれば、時間にわって可能な限り減少したデカンテーションを有し、その結果、カルシウム−マグネシウム含有懸濁液が攪拌機を備えた槽中に保存されるのをしばしば強制するその後の撹拌を必要とすることなく、懸濁液を可能な限り均質に保つことが好ましい。
最後に、水又はアルカリ溶液で消和することによって生石灰から石灰乳を調製することは、文書特開昭57−196748号から公知である。この文書によれば、カルボン酸に基づく添加剤が、添加され、これは、言及された添加剤のうちでも特に、1〜30g/生石灰1メートルトンの量の2−ホスホノブタン−1,2,4トリカルボン酸であってもよい。しかしながら、粘度の増加の調節可能性に関してこの文書から実際的な情報は何も推測することができない。適用された非常に小さい量の添加剤は、実際には本発明による適度な粘度のカルシウム−マグネシウム含有懸濁液を得るには先験的に不十分である。
本発明の好ましい実施形態において、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、酸形態で、2から8個、好ましくは2から6個の特徴的な「ホスホン酸」基を含む。
より詳細には、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、アミノトリス(メチレンホスホン)酸(ATMP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(HDTMP)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン)酸(DTPMP)、(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−N,N−ビス(メチレンホスホン)酸(HEMPA)、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(PBTC)、6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシレン−N,N−ジホスホン酸(ネリドロン酸)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサキス(メチレンホスホン)酸、ビス(ヘキサメチレントリアミン)ペンタキス(メチレンホスホン)酸、アミノトリス(メチレンホスホン)酸オキシド、それらの誘導体、例えば、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明によれば、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、前記固体粒子の全重量に基づいて、0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より優先的には0.5重量%以上、特には0.8重量%以上の活性酸含有量で存在する。
また、本発明によれば、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、前記固体粒子の全重量に基づいて、5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より優先的には2重量%以下、特には1.5重量%以下の活性酸含有量で存在する。
これらの添加剤の濃度は、実際的に最適であることが証明された。実際に、一方で、これらの濃度未満では、粘度の増加に対する調節効果は十分でない。他方で、これらの濃度を超えると、粘度の低下は常に認められるが、その影響は、より高い添加剤含有量の添加の追加コストに対して減少している。本発明によるカルシウム−マグネシウム含有懸濁液は、経済的に競争力があるままでなければならないこと、及びそれらは、非常に高い付加価値を有する化学試薬に通常は属しないことを想起したい。
有利には、水相中の前記固体粒子の濃度は、300g/kg以上、好ましくは350g/kg以上、より優先的には400g/kg以上、特には450g/kg以上である。
本発明の優先的な実施形態において、前記固体粒子は、式aCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、aは、90重量%以上、好ましくは92重量%以上、さらにより優先的には94重量%以上である)に適合する消石灰粒子である。
本発明による有利な実施形態において、前記固体粒子は、4から25m/gに含まれるBET法に従って計算された比表面積を有する。
別の同じように有利な実施形態において、前記固体粒子は、1から20μmに含まれるレーザ粒度分析により測定されたd50を有する。
本発明において、寸法d(d50超)は、分布の粒子のx%(50%超)が、より小さいサイズのものであるような粒子の直径を表す。
可能な限り懸濁液の維持を促進するための、及び同時により良好な化学反応性を得るための微細粒度分布を特徴とするカルシウム−マグネシウム含有懸濁液、特に石灰乳を有することが好ましい。記載された粒度を確実にするために、ある種の実施形態において、本発明によるカルシウム−マグネシウム水性懸濁液は、摩砕工程及び任意選択で篩分け工程にかけられる。
カルシウム−マグネシウム水性懸濁液の他の実施形態は、添付の特許請求の範囲で言及される。
本発明はまた、第1の水相中、懸濁液の重量に基づいて200g/kg以上の固体粒子の濃度のaCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、a、b及びcは、質量分率であり、それらの合計は、90から100%の値を有する)に適合する固体粒子の懸濁液を形成する工程と、粘度低下剤であり同時に粘度増加調節剤である添加剤を添加する工程とを含む、カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液を製造する方法に関する。
本発明による方法は、前記添加剤が、窒素を有するか若しくは有しない有機ホスホン酸、又はその塩、より詳細には、アルキレン基が1から20個の炭素原子を有するアミノアルキレンポリホスホン酸、アルキリデン基が2から50個の炭素原子を有するヒドロキシアルキリデンポリホスホン酸、アルカン基が3から12個の炭素原子を有し且つアルキルホスホン酸基とカルボン酸基とのモル比が1:2から1:4の範囲であるホスホノ−アルカンポリカルボン酸、それらの誘導体、例えば、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択されるホスホン酸塩又はホスホン酸であることを特徴とする。
本発明による特定の実施形態において、固体粒子の懸濁液を形成する前記工程は、一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、a、b及びcは、質量分率であり、それらの合計は、90から100%の値を有する)に適合する固体粒子を、前記第1の水相と混合する工程を含み、したがって、例えば、粉末消石灰固体粒子と水相との懸濁、又は消石灰粒子を含む粉末固体粒子と水相との混合に相当する。
本発明による方法の代替において、固体粒子の懸濁液を形成する前記工程は、前記固体粒子の濃縮懸濁液又は前記固体粒子の濃縮スラリーを前記第1の水相で希釈する工程を含み、したがって、例えば、カルシウム性又はドロマイトの石灰乳が、本発明によるカルシウム−マグネシウム含有懸濁液を形成するために使用されるシナリオに相当する。
本発明によるさらなる代替において、固体粒子の懸濁液を形成する前記工程は、生石灰、任意選択でドロマイト生石灰又は生ドロマイトを、前記第1の水相で消和して、一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、a、b及びcは、質量分率であり、それらの合計は、90から100%の値を有する)に適合する固体粒子のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液を得る工程を含む。この具体的な場合において、本発明によるカルシウム−マグネシウム含有懸濁液は、生化合物(quick compound)、例えば、生石灰を水相で消和する直接の結果である。
有利には、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸の前記添加は、前記固体粒子の懸濁液を形成する前、間、又は後に前記第1の水相において行われる。
したがって、ホスホン酸塩又はホスホン酸の形態で粘度低下剤であり同時に粘度増加調節剤である前記添加剤は、優先的な実施形態において、消石灰の粒子が添加される第1の水相に、第1の水性消和相に、第1の水性希釈相に、又はさらには本発明により形成されるカルシウム−マグネシウム含有懸濁液に添加される。
本発明による代替において、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、生石灰若しくはドロマイトに、一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、a、b及びcは、質量分率であり、それらの合計は、90から100%の値を有する)に適合する固体粒子に、又はさらには前記固体粒子の前記濃縮懸濁液若しくは濃縮スラリーに添加される。
本発明による方法の特定の実施形態において、第1の水相のpHは、ホスホン酸塩又はホスホン酸の添加前に、ホスホン酸塩又はホスホン酸の全溶解を保証するために調整される。
本発明による方法の別の特定の実施形態において、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、第2の水相中に溶液又は懸濁液として添加される。
有利には、第2の水相のpHは、ホスホン酸塩又はホスホン酸の全溶解を保証するために、特に塩基性添加剤、特にNaOH、KOH、NHOHなどを用いて、ホスホン酸塩又はホスホン酸の添加前に調整される。
本発明による別の代替において、前記ホスホン酸塩は、固体形態、特に酸形態又は塩形態で添加される。
有利には、本発明によれば、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、酸の形態で2から8個、好ましくは2から6個の「ホスホン酸」特性基を含む。
より詳細には、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、アミノトリス(メチレンホスホン)酸(ATMP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(HDTMP)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン)酸(DTPMP)、(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−N,N−ビス(メチレンホスホン)酸(HEMPA)、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(PBTC)、6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシレン−N,N−ジホスホン酸(ネリドロン酸)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサキス(メチレンホスホン)酸、ビス(ヘキサメチレントリアミン)ペンタキス(メチレンホスホン)酸、アミノトリス(メチレンホスホン)酸オキシド、それらの誘導体、例えば、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
より詳細には、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、アルキレン基が1から12個の炭素原子を有するアミノアルキレンポリホスホン酸、アルキレン基が2から12個の炭素原子を有するヒドロキシアルキレンホスホン酸、及びホスホン酸の2つの基又はさらに、アルカン基が4から8個の炭素原子を有し且つメチルホスホン酸基とカルボン酸基とのモル比が1:2から1:4の範囲である1つ若しくはいくつかのホスホノ−アルカンポリカルボン酸である。
優先的な実施形態において、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、固体粒子の全重量に基づいて、0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より優先的には0.5重量%以上、特には0.8重量%以上の活性酸含有量で添加される。
また、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、固体粒子の全重量に基づいて、5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より優先的には2重量%以下、特には1.5重量%以下の活性酸含有量で存在する。
有利には、水相中の固体粒子の濃度は、300g/kg以上、好ましくは350g/kg以上、より優先的には400g/kg以上、特には450g/kg以上である。
本発明の特定の態様において、得られたカルシウム−マグネシウム含有懸濁液は、所望の粒度に達するために、湿式摩砕機で解凝集される。意外なことに、本発明によれば、添加剤は、時間にわたって粘度を減少させる、及び粘度の増加を減速させる目的を有するのみならず、それは、水相との混合によるカルシウム−マグネシウム含有懸濁液の調製の間に水和物の取り込み(水和物の湿潤)をさらに改善し、湿式摩砕の間に摩砕剤として作用するというさらなる利点も有することも認められた。
本発明による方法の他の実施形態は、添付の特許請求の範囲で言及される。
本発明はまた、固体粒子200g/懸濁液1kg以上の濃度で水相に懸濁された、一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、a、b及びcは、質量分率であり、それらの合計は、90から100%の値を有する)に適合する固体粒子を含むカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液の粘度低下剤であり同時に粘度増加調節剤である作用剤としての、ホスホン酸塩又はホスホン酸の使用であって、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、窒素を有するか若しくは有しない有機ホスホン酸、又はその塩、より詳細には、アルキレン基が1から20個の炭素原子を有するアミノアルキレンポリホスホン酸、アルキリデン基が2から50個の炭素原子を有するヒドロキシアルキリデンポリホスホン酸、アルカン基が3から12個の炭素原子を有し且つアルキルホスホン酸基とカルボン酸基とのモル比が1:2から1:4の範囲であるホスホノ−アルカンポリカルボン酸、それらの誘導体、例えば、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される使用に関する。
好ましくは、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、酸の形態で2から8個、好ましくは2から6個の「ホスホン酸」特性基を含む。
より詳細には、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、アミノトリス(メチレンホスホン)酸(ATMP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(HDTMP)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン)酸(DTPMP)、(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−N,N−ビス(メチレンホスホン)酸(HEMPA)、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(PBTC)、6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシレン−N,N−ジホスホン酸(ネリドロン酸)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサキス(メチレンホスホン)酸、ビス(ヘキサメチレントリアミン)ペンタキス(メチレンホスホン)酸、アミノトリス(メチレンホスホン)酸オキシド、それらの誘導体、例えば、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の優先的な使用において、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、固体粒子の全重量に基づいて、0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より優先的には0.5重量%以上、特には0.8重量%以上の活性酸含有量で存在する。
また、前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、固体粒子の全重量に基づいて、5重量%以下、好ましくは3重量%以下、より優先的には2重量%以下、特には1.5重量%以下の活性酸含有量で存在する。
有利には、水相の固体粒子の濃度は、300g/kg以上、好ましくは350g/kg以上、より優先的には400g/kg以上、特には450g/kg以上である。
本発明はまた、200g/kg以上の濃度で水相中懸濁している一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO(式中、a、b及びcは、質量分率であり、それらの合計は、90から100%の値を有する)に適合する固体粒子を含むカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液のデカンテーションの減少添加剤としての、ホスホン酸塩又はホスホン酸の使用に関する。
本発明は、非限定的な仕方で、以後に示される実施例を考慮すればより良く説明及び理解される。例1から例3まで及び例6から例9までにおいて、石灰乳は、実験室で調製される。例4、例5及び例11において、石化乳は、工業的に製造される。
(例1)−石灰乳の懸濁液の安定性を改善するためのホスホン酸塩の使用
石灰乳(MoL)懸濁液を、実験室規模で試験中に以下のプロセスに従って調製する。
ホスホン酸塩を最初に、配水で充填されており、4翼を有する移動体が設けられた攪拌機を備えている1dmの容器に希釈する。このようにして、石灰乳を製造するために必要な水の全てを、添加ホスホン酸塩で処理する。
次いで、この混合物に、工業製造地に由来する、95.9%の水酸化カルシウムを含有する乾燥水和物(消石灰)を、300rpmで撹拌しながら、徐々に添加する。撹拌10分後、この石灰乳を容器中に移し、20℃で最大で1ヶ月までの範囲の所定期間保存する。
懸濁液中水和物の(固体物質の)濃度は、45重量%であり、脱気後190℃でMicromeritics Tristarブランドの装置を用いることによりBET法に従って測定した比表面積は、8m/gである。
Beckman Coulter LS 13320装置を用いてレーザによる粒度分析で測定した粒度曲線は、以下のデータ
100=92μm
98=54μm
95=42μm
90=27μm
50=2.1μm
25=1.3μm
をもたらす。
種々の試験ホスホン酸塩は、以下である:
1.ATMPの頭字語で知られており、AP5と指定されて、50%の活性酸溶液の形態でZchimmer and Schwarzにより市販されているメチレンアミノ−トリス−ホスホン酸。
2.DTPMPの名称で知られており、D5012と指定されて、52%活性酸ナトリウム塩の形態で部分中和溶液の形態でZchimmer and Schwarzにより市販されているメチレンジエチレントリアミンペンタホスホン酸。
3.PBTCの頭字語で知られており、P50と指定されて、50%活性酸溶液の形態でZchimmer and Schwarzにより市販されているホスホノブタン−トリカルボン酸。
4.粉末としてRhodiaにより市販されているネリドロン酸の名称で知られている6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシリデンジホスホン酸。
5.D2086と指定されて30%活性溶液の形態でThermphosにより市販されているN,N’−ビス−(3−アミノプロピル)−エチレンジアミンヘキサメチルホスホン酸
この例において、ホスホン酸塩の割合は、水和物(消石灰)の重量に基づいて活性酸で表されて0.15から1%まで変わる。mPa.sで表される粘度は、100rpmで回転するLV移動体を用いてBrookfield DV III Ultraレオメータによって20℃で測定する。移動体番号61を最大で60mPa.sまでの範囲の粘度に;移動体番号62を60から300mPa.sの粘度に;移動体番号63は、最大で1,200mPa.sに使用する。移動体番号64は、最大で6,000mPa.sまでの測定を可能にする。しかしながら、ある一定の値を超えると、測定はしばしば不安定である。このために、測定は、1,200mPa.sを超える粘度については系統的には行っていない。製造1時間後(新鮮製品)並びに1週、2〜3週及び4週後の石灰乳懸濁液で粘度を測定する。それぞれの測定前に、石灰乳を機械的撹拌により均一化する。添加剤の不在下で、45%の固体物質を有するような石灰乳の粘度は、3,000mPa.sよりも大きく、これは、正確に測定されるためには高過ぎる粘度値である。本発明による添加剤を用いた結果を表1に示す。
Figure 0006298469
これは上記表からわかるように、本発明による石灰乳の初期粘度(新鮮MoL)は、0.5%の活性酸の添加が行われるとすぐにあらゆる場合に1,500mPa.s以下である。ほとんどのホスホン酸塩について、より少ない添加が十分でさえある。ATMPを除いて、1%、又はさらにはそれより小さい活性酸の投入量から、粘度は時間にわたってあまり増加しない。1%の添加剤によって、少なくともある種の場合に、1,500mPa.s以下、時には非常により低い、2週後の粘度を得ることが可能である。1%で添加されたある種の添加剤は、4週後に200mPa.sを超えない可能性を与える。
次いで、ホスホン酸塩の効率性を、従来技術によるショ糖及びポリマー(Chrysoから入手可能なTech 646)並びにそれらの組合せと比較する。これらの添加剤は、典型的には石灰乳を流動化するために当業者に公知である。ショ糖は、ホスホン酸塩と同様に添加するが、ポリマーは、摩砕懸濁液上に添加する。ショ糖をポリマーと組み合わせる場合、添加される添加剤の量は減少する。
意外なことに、DTPMPの場合におけるようにホスホン酸塩単独によって、従来技術の添加剤よりも低い用量でより流動性で、しかしまた時間にわたって粘度の増加がより小さい石灰乳を得ることが可能である。このようにして、1%のDTPMPの添加によって得られた石灰乳の流動特性を、とりわけ1.5%のショ糖によって得られた石灰乳のものと比較する。結果を表2に示す。
Figure 0006298469
(例2)−石灰乳懸濁液の安定性を改善するためのDTPMP及び/又はネリドロン酸の使用−湿式摩砕の場合
石灰乳懸濁液を、パイロット試験中に以下のプロセスに従って調製した。ホスホン酸塩を最初に、配水で充填されており、錨型の攪拌機を備えている10dmの容器に、希釈する。このようにして、石灰乳を製造するために必要な水の全てに、ホスホン酸塩が加えられる。
次いで、この混合物に、約95%の水酸化カルシウムを含有する工業起源の乾燥水和物(消石灰)を150rpmで撹拌することによって徐々に添加する。撹拌30分後、石灰乳を、ガラスビーズを備えた湿式摩砕機中に移す。
解凝集後、石灰乳を150rpmで10分間混合し、次いで、容器に注ぎ入れ、20℃で最大で1ヶ月までの範囲であり得る所定期間保存する。石灰乳中水和物(乾燥物質)含有量は、45重量%である。
Beckman Coulter LS 13320装置を用いてレーザ粒度分析により測定した元来の消石灰の粒度曲線は、以下のデータ
100=257μm
98=121μm
95=81μm
90=58μm
50=9.3μm
25=2.8μm
をもたらす。
Micromeritics TRISTARを用いることによりBET法に従って窒素吸着により分析した、水和物の比表面積は、6m/gである。2.5μmから2.7μmのd50を得るように、摩砕機の処理能力を調整する。湿式摩砕後の典型的な粒度は、以下:
100=31μm
98=11μm
95=8.7μm
90=7.3μm
50=2.5μm
25=1.4μm
である。
添加剤まったくなしで2.5μmの平均直径の45%の固体物質を有する石灰乳を製造することは可能でない。石灰乳は、湿式摩砕機を閉塞させる。
デカンテーション速度論は、20℃で静置1、2、3及び4週後に、全容量と比較して上清液(石灰水)の%で測定する。
粘度及びデカンテーションの結果は、それぞれ、表3及び表3−2にある。
Figure 0006298469

Figure 0006298469
添加剤の用量が、0.5%以上の活性酸であるとすぐに、粘度は、4週後でさえも1,200mPa.s以下で、初期の粘度と比較して時間にわたって大きくは増加しないか又は低下しさえする。0.75%の活性酸から、4週の粘度は、400mPa.s以下、又はさらには相当により低い。0.75%のネリドロン酸を用いて、新鮮製品で78mPa.sの値を、保存1ヶ月後に有意に変化することなく、得ることがさらに可能である。
ホスホン酸塩の効率性を、例1におけるように、ショ糖及びポリマー(ChrysoからのTech 646)並びにそれらの組合せと比較し、結果を、それぞれ、表4及び表4−2に示す。
Figure 0006298469

Figure 0006298469
意外なことに、ホスホン酸塩は、今日までに知られている組合せよりも時間にわたって粘度の増加のはるかにより良好な調節剤である。0.75%含有量でのネリドロン酸は、1%のショ糖+0.66%のTech 646の組合せよりもかなり良好であることがわかる。同じことが、保存1週又はそれを超えた後のDTPMPに当てはまる。
デカンテーションに関して、一方で表3、表3−2、他方で表4、表4−2を比較すると、
−ショ糖+Tech 646ポリマー(従来技術)によって、いずれの添加剤投入量増加も、粘度の低下を伴うが、対照的に、デカンテーションの望ましくない増加をもたらすこと、
−DTPMP(本発明による)によって、いずれの添加剤投入量の増加も、粘度の低下及びデカンテーションの好都合な減少を伴うこと
を示す。
(例3)−石灰乳懸濁液の流動性を改善するためのDTPMP(Zschimmer and SchwarzのD5012形態の)の使用−異なる粒径分布を有する消石灰の場合
やはり工業起源の3種類の試験水和物(消石灰)が以下の特性を有する以外は、例1を再現する。
Micromeritics Tristarを用いてBET法に従って窒素吸着により分析した比表面積は、18m/gである。
Beckman Coulter LS 13320装置を用いてレーザ粒度分析により測定した粒度曲線は、表5に示すデータをもたらす。
Figure 0006298469
乾燥水和物は、約95%の水酸化カルシウムを含有する。D5012の量は、それぞれ市販製品において表された0.25;0.5;1及び4.5%であり、これは、活性酸で表された活性成分の量が、水和物の重量に対して表されて0.13、0.26;0.52及び2.34%であることを意味する。水和物含有量は、40重量%である。流動特性の結果を、可変DTPMP含有量について表6に示す。
Figure 0006298469
3種の消石灰について、懸濁液は、0.13%の活性酸投入から4週後でさえも許容できる粘度を有する。時として相当に下回って、400mPa.s未満の粘度が、後の2種の消石灰の場合に得られ、外見上時間にわたる変化はまったくない。
次いで、D5012の効率性をショ糖と比較する。得られた流動データを表7に示す。
Figure 0006298469
DTMPによって、ショ糖によってよりもより少ない用量でより流動性の石灰乳を得ることが可能であることがわかる。
次いで、DTPMPの効率性を、水和物番号2からのより濃縮した懸濁液(MoL)(450g/kg及び500g/kg)の場合に試験する。得られた流動データを表8に示す。
Figure 0006298469
水和物含有量は、45から50重量%に変わる。これを認めることができるように、0.26%の活性物質を有するD5012は、石灰乳流動体を45重量%で維持する可能性を与える。
4週後に1,500mPa.s未満の粘度を保持しながら、50%における石灰乳が企図することさえできる。
(例4)−工業規模で製造した石灰乳の摩砕懸濁液の安定性を改善するためのDTPMPの使用
本発明による石灰乳懸濁液を、以下のプロセスに従って工業的に調製する。
13,5mの水を含有する撹拌槽に、225kgのD5012(Zschimmer and Schwarzにより市販されているDTPMP)を溶解する。
均一化後、6.7μmの平均直径d50を有する低比表面積(8m/g)の11.3トンの水和物を、1/2時間で徐々に添加する。
次いで、それにより得られた45%の固体物質(水和物)を有する懸濁液を、3.2μmのd50及び10μm未満のd98に達するまで湿式摩砕機で解凝集する。粘度測定の結果を表9に示す。
Figure 0006298469
粘度が時間にわたって降下することが、ちょうど実験室規模での試験(例2、表3)におけるようにわかる。この粘度値は、粘度レベルが同じ処理の場合の例2におけるよりもわずかに高いとしても、実験室規模と一致している。
DTPMPの効率性を、同様にしかしショ糖及びポリマー(ChrysoからのTech 646)を用いて調製した従来技術の懸濁液と比較する。粘度測定の結果を表10に示す。
Figure 0006298469
0.75%のショ糖及び0.4%のポリマーで処方した懸濁液の粘度は、11日後に270から605mPa.sに増加することが認められる。
同じ期間中1.04%のDTPMPで製造した同じ懸濁液は、520から330mPa.sへのその粘度低下を有する。
粘度の増加を減速させることによって、又はさらには粘度を低下させることによって、DTPMPは、より高い初期粘度を許容することができるさらなる利点を有する。これは、デカンテーションへの傾向を減少させる効果を有する。
事実、現在の現況技術において、デカンテーションへの傾向は、一般に製造後1日目以内、すなわち、粘度が最低であるときに生じる。
したがって、DTPMPで製造した石灰乳の時間にわたる粘度の低下は、デカンテーションへの傾向を減少させるさらなる利点を有する。新鮮製品で、DTPMPで調製した懸濁液は、従来技術のものよりも高い初期粘度を有し、これは、デカンテーション速度論を減速させる。
(例5)工業規模で製造した平均粒度の石灰乳を有する懸濁液の安定性を改善するためのDTPMPの使用
0.25%(水和物に対して表した)のZschimmer and Schwarzにより市販されているD5012と一緒に40%の固体物質を有する40トンの石灰乳(MoL)を、水と例3、表5の中程度の粒度の水和物2との混合物から製造した。
対応する実験室試験と違って、この工業用石灰乳は、その調製槽中の永続的な撹拌によって維持する。粘度の結果を表11に示す。
Figure 0006298469
乾燥水和物を基準にして表された単に0.13%のDTPMPが、永久的に撹拌しながら1ヶ月を超えた後に粘度を450mPa.sで維持する可能性を与えることがわかる。
同じ期間中に静置にそのままにした試料は、310mPa.s;実験室規模で試験中に例3、表6で得られたものと同様の値の粘度を有する。
(例6)石灰乳の粗い懸濁液のデカンテーション速度論を減少させるためのDTPMPの使用
450g/kgの固体物質を有する湿式摩砕後の石灰乳の場合のデカンテーション速度論を測定する目的で、例2の試験を再現する。
Beckman Coulter LS 13320装置を用いてレーザ粒度分析により測定した粒度曲線は、以下のデータ:
100=41μm
98=13μm
95=10μm
90=8μm
50=2.6μm
25=1.3μm
をもたらす。
デカンテーション速度論を、20℃で静置1日、1、2、3及び4週後に全容積に基づく上清液のa%として測定する。DTPMPで調製した、本発明による石灰乳の粘度及びデカンテーション結果を、表12A及び表12Bに示す。表12Aは、表3のものと一致する粘度結果を示す。
Figure 0006298469

Figure 0006298469
ちょうど例2、表3におけるように、DTPMP投入量の増加が粘度をかなり低下させるが、意外なことにデカンテーション速度論も減少させることがわかる。
この現象は、低い粘度がデカンテーションを増加させる要因として当業者に知られているという意味で予想外である。
デカンテーションのいずれの減少も、それが撹拌の必要性を低減させ、さらには小さい梱包容器での保存を可能にし、再懸濁を容易にし、配管の目詰まりをあまり引き起こさないという意味で最終ユーザによって評価される。
DTPMPの効率性を、ショ糖及びポリマー(ChrysoからのTech 646)で調製した従来技術による石灰乳と比較する。結果を、表13A及び表13Bに示す。
Figure 0006298469

Figure 0006298469
初期にDTPMPで製造された石灰乳は、従来技術のものよりもあまりデカンテーションを生じさせないことがわかる。
(例7)45℃で維持した中粒度の石灰乳の懸濁液の安定性を改善するためのDTPMPの使用。
40%石灰乳懸濁液を、表6中例3に記載したとおりに、表5の水和物2から製造する。温度により促進されることが当業者に知られている熟成を測定する目的で、これらの懸濁液を撹拌しながら4℃、20℃及び45℃で保存する。
結果を、表14に示す。
Figure 0006298469
0.26%のDTPMPによって、45℃で熟成した懸濁液の粘度を4週後に500mPa.sよりもはるかに下回って維持することが可能であるが、一方で何らの添加剤も有しない同じ懸濁液は、もはや許容できる粘度を有しないことがわかる。
(例8)45℃で維持した石灰乳の摩砕懸濁液の安定性を改善するためのDTPMPの使用。
例6の試料を例7に記載したものと同じ試験にかける。DTPMPの効率性を、ショ糖及びポリマー(ChrysoからのTech 646)で調製した従来技術による石灰乳と比較する。
Figure 0006298469
初期に1.04%又は1.56%のDTPMPで処方した石灰乳は、45℃で老化せず;これは、1%のショ糖及び0.6%のTech 646の場合と異なることがわかる(表16)。
Figure 0006298469
(例9)45%石灰乳摩砕懸濁液のデカンテーションを抑制するためのATMP及びPBTCの使用
石灰乳懸濁液を、DTPMP、ATMP及びPBTCを用いることによって例2のプロセスに従って調製した。
粘度結果を、表17に示す。
例1、表1で既に例証されたように、ATMP及びPBTCは、粘度を低下させる効率性の点で最も働くホスホン酸塩ではない。
他方で、適切な投入量において、それらは、ちょうどDTPMPと同様に粘度の増加を減速させるか又はさらにはそれを時間にわたって低下させるように処理する。
Figure 0006298469
懸濁液の取扱いに完全に許容できる、ほぼ700から800mPa.sの粘度を目標とすることによって、表18で示されるように、それをこのレベルに時間にわたって保ち、ATMP又はPBTCで処理した石灰乳についてデカンテーションを防止することが可能である。
Figure 0006298469
ここで再び、初期にホスホン酸塩で処方した石灰乳は、老化せず;これは、1%のショ糖及び0.6%のTech 646の場合と異なることがわかる(表19及び表20)。
Figure 0006298469
初期にショ糖+ポリマーで処方した懸濁液は、とりわけ第1日の間により急速にデカントすることが認められる。
Figure 0006298469
意外なことに、当業者は、石灰乳のデカンテーションを防止することが不可能であるという考えに同意する一方で、ATMP及びPBTC、石灰乳は、微細に摩砕された45%石灰乳のいかなるデカンテーションもほぼ抑制する。
懸濁液を、高さ35cm、直径6.5cmの目盛付きシリンダ中に導入した。規則的な間隔で、石灰乳カラムを3つ(高い画分、中間の画分及び低い画分)に分離した。それぞれの画分を、粒度、粘度及び乾燥抽出物によって特徴付けした。それぞれ0.5%の活性酸を有するATMP+PBTCで処理した、表17及び表18の石灰乳の特徴付けの結果を、表21に示す。
懸濁液は、静置における保存3週後に高さ35cmの全体カラムにわたって濃度、粒度及び粘度の点で均一のままであることがわかる。
Figure 0006298469
比較として、1%のショ糖及び0.26%のTech 646ポリマーの添加による懸濁液は、既に1週後にもはや均一でないことがわかる。
Figure 0006298469
(例10)粘度及びデカンテーションに対する懸濁液の微細度及び添加剤の投入量の影響
摩砕機の処理能力を2.4μm又は2.7μmのd50を得るために調整することを除いて、例2の試験を従来技術による懸濁液を用いて再現する。
デカンテーション速度論を、例6に従って測定する。
Figure 0006298469

Figure 0006298469
従来技術の組成物、ショ糖+Tech 646ポリマーによって、2.7μmから2.4μmへのd50変化は、粘度の強い変化をもたらすことがわかる。
ポリマー含有量の0.4%から0.5%への増加も、粘度の強い変化をもたらす。
Figure 0006298469
工業規模で普通に遭遇される、ポリマーの投入量及び粒度の変化は、結果として、従来技術による懸濁液の場合に、デカンテーションについて強い摂動を生じさせる。
対照的に、本発明によれば、許容できる粘度を有する懸濁液を得るための推奨用量(1%)の3倍のオーダの、DTPM投入量の有意な変化は、何らの粘度の実質的な変更を生じさせない(表26参照)。
デカンテーションは低く、DTMP投入量が高いだけに予想外にいっそう低い(表27参照)。
したがって、DTMPは、製造変化なしに行うことを可能にし、過量投入はデカンテーションの増加を生じさせない。
Figure 0006298469

Figure 0006298469
(例11)より一定の特性を有する最終製品を得るための本発明によるDTMPの使用−工業的に製造された摩砕石灰乳の場合
3%(水和物に対して表した)のZschimmer and Schwartzにより市販されているD5012と一緒に45%の固体物質を有する20トンの本発明による石灰乳を、例2におけるのと同じ調製原理に従って製造する。
石灰乳の粒度を、摩砕機の処理速度(4.6から5.2m/時間に)、及び摩砕機の回転速度(450から650rpmに)を変更することによって調整する。
Figure 0006298469
2.8μmから3.2μmへのd50の変更は、4週後の粘度を425mPa.sから310mPa.sに変更するだけであることがわかる。12週後でさえも、粘度は、第2の場合におけるよりも第1の場合において有意により高くない。
デカンテーションは、それに関して、表29を表25の結果と比較すると低い。さらに、このデカンテーションは、時間にわたって非常に少ししか増加せず、より粗い懸濁液(3.2μmのd50)によってでさえも、限定されたままである。
Figure 0006298469
本発明は上に記載された実施形態に決して限定されないこと、及び添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなしに、それらに対して変更がなされてもよいことが完全に理解される。

Claims (32)

  1. 水相中200g/kg以上の濃度の一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO.dI(式中、a、b及びcは、質量分率を表し、それらの合計は、90から100%の値を有し、dは0から10%の値を有する質量分率を表し、Iは不純物を表す)に適合する固体粒子、及び粘度低下剤であり同時に粘度増加調節剤である添加剤を含む、カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液であって、
    前記添加剤は、アルキレン基が1から20個の炭素原子を有するアミノアルキレンポリホスホン酸、アルキリデン基が2から50個の炭素原子を有するヒドロキシアルキリデンポリホスホン酸、アルカン基が3から12個の炭素原子を有し且つアルキルホスホン酸基とカルボン酸基とのモル比が1:2から1:4の範囲であるホスホノ−アルカンポリカルボン酸、それらの誘導体、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択されるホスホン酸塩又はホスホン酸であることを特徴とする上記カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  2. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、酸の形態で、2から8個の「ホスホン酸」特性基を含む、請求項1に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  3. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、アミノトリス(メチレンホスホン)酸(ATMP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(HDTMP)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン)酸(DTPMP)、(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−N,N−ビス(メチレンホスホン)酸(HEMPA)、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(PBTC)、6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシレン−N,N−ジホスホン酸(ネリドロン酸)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサキス(メチレンホスホン)酸、ビス(ヘキサメチレントリアミン)ペンタキス(メチレンホスホン)酸、アミノトリス(メチレンホスホン)酸オキシド、それらの誘導体、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は請求項2に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  4. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、前記固体粒子の全重量に基づいて、0.05重量%以上の活性酸含有量で存在する、請求項1から3までのいずれか一項に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  5. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、前記固体粒子の全重量に基づいて、5重量%以下の活性酸含有量で存在する、請求項1から4までのいずれか一項に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  6. 水相中の前記固体粒子の濃度が、300g/kg以上である、請求項1から5までのいずれか一項に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  7. 前記固体粒子が、式aCa(OH).bMg(OH).cMgO.dI(式中、aは、90重量%以上である)に適合する消石灰粒子である、請求項1から6までのいずれか一項に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  8. 前記固体粒子が、4から25m/gに含まれるBET法に従って計算された比表面積を有する、請求項1から7までのいずれか一項に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  9. 前記固体粒子が、1から20μmに含まれるレーザ粒度分析により測定されたd50を有する、請求項1から8までのいずれか一項に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  10. 保存少なくとも2週後に、1,500mPa.s以下の粘度を有する、請求項1から9までのいずれか一項に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液。
  11. 第1の水相中、懸濁液の重量に基づいて固体粒子200g/kg以上の濃度の一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO.dI(式中、a、b及びcは、質量分率であり、それらの合計は、90から100%の値を有し、dは0から10%の値を有する質量分率を表し、Iは不純物を表す)に適合する固体粒子の懸濁液を形成する工程と、粘度低下剤であり同時に粘度増加調節剤である添加剤を添加する工程とを含む、カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液を製造する方法であって、
    前記添加剤は、アルキレン基が1から20個の炭素原子を有するアミノアルキレンポリホスホン酸、アルキリデン基が2から50個の炭素原子を有するヒドロキシアルキリデンポリホスホン酸、アルカン基が3から12個の炭素原子を有し且つアルキルホスホン酸基とカルボン酸基とのモル比が1:2から1:4の範囲であるホスホノ−アルカンポリカルボン酸、それらの誘導体、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択されるホスホン酸塩又はホスホン酸であることを特徴とする、上記カルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液を製造する方法。
  12. 前記固体粒子の懸濁液を形成する工程が、前記一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO.dIに適合する固体粒子を、前記第1の水相と混合する工程を含む、請求項11に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液を製造する方法。
  13. 前記固体粒子の懸濁液を形成する工程が、生石灰又はドロマイトを前記第1の水相で消和して、前記一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO.dIに適合する固体粒子のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液を得る工程を含む、請求項11に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液を製造する方法。
  14. 前記固体粒子の懸濁液を形成する工程が、前記固体粒子の濃縮懸濁液又は前記固体粒子の濃縮スラリーを前記第1の水相で希釈する工程を含む、請求項11に記載のカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液を製造する方法。
  15. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸の前記添加が、前記固体粒子の懸濁液の形成前、その間、又はその後に前記第1の水相中で行われる、請求項11から14までのいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、生石灰又はドロマイトに、前記一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO.dIに適合する固体粒子に、又はさらには前記固体粒子の濃縮懸濁液若しくは濃縮スラリーに添加される、請求項11から15までのいずれか一項に記載の製造方法。
  17. 第1の水相のpHが、ホスホン酸塩又はホスホン酸の全溶解を保証するために、ホスホン酸塩又はホスホン酸の添加前に調整される、請求項11から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、第2の水相中に溶液又は懸濁液として添加される、請求項11から16までのいずれか一項に記載の製造方法。
  19. 第2の水相のpHが、ホスホン酸塩又はホスホン酸の全溶解を保証するために、特に塩基性添加剤、NaOH、KOH、NHOHを用いて、ホスホン酸塩又はホスホン酸の添加前に調整される、請求項18に記載の製造方法。
  20. 前記ホスホン酸塩が、固体として、特に酸の形態又は塩の形態で添加される、請求項11から17までのいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、酸の形態で、2から8個の「ホスホン酸」特性基を含む、請求項11から20までのいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、アミノトリス(メチレンホスホン)酸(ATMP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(HDTMP)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン)酸(DTPMP)、(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−N,N−ビス(メチレンホスホン)酸(HEMPA)、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(PBTC)、6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシレン−N,N−ジホスホン酸(ネリドロン酸)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサキス(メチレンホスホン)酸、ビス(ヘキサメチレントリアミン)ペンタキス(メチレンホスホン)酸、アミノトリス(メチレンホスホン)酸オキシド、それらの誘導体、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項11から21までのいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、前記固体粒子の全重量に基づいて、0.05重量%以上の活性酸含有量で添加される、請求項11から22までのいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、前記固体粒子の全重量に基づいて、5重量%以下の活性酸含有量で存在する、請求項11から23までのいずれか一項に記載の方法。
  25. 水相中の固体粒子の濃度が、300g/kg以上である、請求項11から24までのいずれか一項に記載の方法。
  26. 200g/kg以上の濃度で水相中懸濁している一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO.dI(式中、a、b及びcは、質量分率であり、それらの合計は、90から100%の値を有し、dは0から10%の値を有する質量分率を表し、Iは不純物を表す)に適合する固体粒子を含むカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液の粘度低下剤であり同時に粘度増加調節剤である作用剤としての、ホスホン酸塩又はホスホン酸の使用であって、
    前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、アルキレン基が1から20個の炭素原子を有するアミノアルキレンポリホスホン酸、アルキリデン基が2から50個の炭素原子を有するヒドロキシアルキリデンポリホスホン酸、アルカン基が3から12個の炭素原子を有し且つアルキルホスホン酸基とカルボン酸基とのモル比が1:2から1:4の範囲であるホスホノ−アルカンポリカルボン酸、それらの誘導体、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される上記使用。
  27. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、酸の形態で、2から8個の「ホスホン酸」特性基を含む、請求項26に記載の使用。
  28. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、アミノトリス(メチレンホスホン)酸(ATMP)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(EDTMP)、ヘキサメチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン)酸(HDTMP)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン)酸(DTPMP)、(2−ヒドロキシ)エチルアミノ−N,N−ビス(メチレンホスホン)酸(HEMPA)、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(PBTC)、6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシレン−N,N−ジホスホン酸(ネリドロン酸)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンヘキサキス(メチレンホスホン)酸、ビス(ヘキサメチレントリアミン)ペンタキス(メチレンホスホン)酸、アミノトリス(メチレンホスホン)酸オキシド、それらの誘導体、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項26又は27に記載の使用。
  29. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、前記固体粒子の全重量に基づいて、0.05重量%以上の活性酸含有量で存在する、請求項26から28までのいずれか一項に記載の使用。
  30. 前記ホスホン酸塩又はホスホン酸が、前記固体粒子の全重量に基づいて、5重量%以下の活性酸含有量で存在する、請求項26から29までのいずれか一項に記載の使用。
  31. 水相中の固体粒子の濃度が、300g/kg以上である、請求項26から30までのいずれか一項に記載の使用。
  32. 200g/kg以上の濃度で水相中懸濁している一般式aCa(OH).bMg(OH).cMgO.dI(式中、a、b及びcは、質量分率であり、それらの合計は、90から100%の値を有し、dは0から10%の値を有する質量分率を表し、Iは不純物を表す)に適合する固体粒子を含むカルシウム−マグネシウム含有水性懸濁液のデカンテーション能を低下させる添加剤としての、有機ホスホン酸塩又は有機ホスホン酸の使用であって、
    前記ホスホン酸塩又はホスホン酸は、アルキレン基が1から20個の炭素原子を有するアミノアルキレンポリホスホン酸、アルキリデン基が2から50個の炭素原子を有するヒドロキシアルキリデンポリホスホン酸、アルカン基が3から12個の炭素原子を有し且つアルキルホスホン酸基とカルボン酸基とのモル比が1:2から1:4の範囲であるホスホノ−アルカンポリカルボン酸、それらの誘導体、それらの塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される、上記使用
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