JP6297287B2 - ロータリエンコーダおよびこれを備えるマイクロメータ - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載されたロータリエンコーダは、中心軸回りに回転する円盤状の第1のロータと、この第1のロータの外側に同心状に設けられるとともに、中心軸回りに回転する円盤状の第2のロータと、入力される回転に応じて第1のロータおよび第2のロータを互いに異なる速度で回転させる回転伝達手段としての中継歯車とを備えている。そして、このロータリエンコーダは、第1のロータおよび第2のロータの回転速度の差に基づいて、入力される回転角度の絶対位置を検出している。
これは、第2のステータにおける送信機および受信機の組のそれぞれを第1の周期で周方向に沿って繰り返すようにして設ける場合も同様であり、ロータの回転角度に応じて信号の強さが異なってしまうという問題がある。
なお、第1の周期は、ロータの径と、パターンの数Bとに基づいて設計すればよい。
図1は、本発明の一実施形態に係るマイクロメータの内部を示す斜視図である。
マイクロメータ1は、図1に示すように、入力される回転に応じて中心軸回りに回転するとともに、この回転に伴って軸方向に沿って進退するスピンドル2と、スピンドル2を内部に収容するフレーム3とを備えている。このマイクロメータ1は、スピンドル2の回転角度を検出することによって、スピンドル2の軸方向の変位を測定し、スピンドル2と、アンビル(図示略)との間に挟んだ被測定物の寸法を測定する測定器である。
なお、図1は、スピンドル2の近傍のみを図示し、フレーム3の一部を透過させることによって、スピンドル2を露出させた図である。
ロータリエンコーダ4は、スピンドル2に一体的に設けられることによって、入力される回転に応じて中心軸回りに回転するとともに、その回転に伴って軸方向に沿って進退する円筒状のロータ5と、ロータ5の周面を覆うように所定の間隔を隔てて配設されるフレキシブル基板からなるステータ6とを備えている。
ロータ5は、図2に示すように、自己の周面に設けられたパターン51を有している。換言すれば、パターン51は、スピンドル2の周面を覆うように巻き付けられたフレキシブル基板からなるロータ5上に形成されている。具体的には、このパターン51は、ロータ5の周方向および軸方向に沿って格子状に設けられた複数の矩形状のスケールコイルである。
ロータ5は、図3に示すように、第1の周期λ1で周方向に沿って繰り返すとともに、第1の周期λ1とは異なる第2の周期λ2で軸方向に沿って繰り返すようにして設けられるパターン51を有している。
なお、パターン51における周方向の長さは、λ1/2であり、軸方向の長さは、λ2/2である。
第2のステータ62は、自己の軸方向(紙面左右方向)に沿って設けられるとともに、ロータ5に向かって信号を送信する4つの送信機62A(62A1〜62A4)と、送信機62Aにて送信された信号をロータ5に設けられたパターン51を介して受信する4つの受信機62B(62B1〜62B4)とを備えている。
なお、送信機61A,62Aは、それぞれ1本の巻線を巻き回すことによって形成される励磁コイル(ワンループコイル)であり、受信機61B,62Bは、それぞれ1本の巻線を巻き回すことによって形成される検出コイル(ツイストペアコイル)である。
第2のステータ62における送信機62Aおよび受信機62Bの組のそれぞれを第1の周期λ1で周方向に沿って繰り返すようにして設けると、図4に示すように、ロータ5に形成されたパターン51と対応する位置に送信機62Aおよび受信機62Bの組がある場合には、受信機62Bにて検出される信号を加算することによって大きな信号を得ることができる。
これに対して、図5に示すように、ロータ5が周方向に第1の周期λ1の半周期分だけ回転することによって、ロータ5に形成されたパターン51と対応する位置に送信機62Aおよび受信機62Bの組がない場合には、受信機62Bにて検出される信号を加算したとしても大きな信号を得ることができないので、ロータ5の周方向の位置に応じて信号の強さが異なってしまうという問題がある。
本実施形態では、図6に示すように、第2のステータ62における送信機62Aおよび受信機62Bの組のそれぞれは、第1の周期λ1の3/2倍の周期で周方向に沿って繰り返すようにして設けられているので、図7に示すように、ロータ5が周方向に第1の周期λ1の半周期分だけ回転した場合であっても、ロータ5に形成されたパターン51と対応する位置に送信機62Aおよび受信機62Bの組があるようにすることができる。具体的には、図6では、図中下段の送信機62Aおよび受信機62Bの組がパターン51と対応する位置にあり、図7では、図中上段の送信機62Aおよび受信機62Bの組がパターン51と対応する位置にある。
(1)円柱状のロータ5は、第1の周期λ1で周方向に沿って繰り返すとともに、第1の周期λ1とは異なる第2の周期λ2で軸方向に沿って繰り返すようにして自己の周面に設けられるパターン51を有し、自己の回転に伴って軸方向に沿って進退するように構成されている。そして、ステータ6は、ロータ5の周方向の回転に伴って第1の周期λ1で受信される第1の信号と、ロータ5の軸方向の進退に伴って第2の周期λ2で受信される第2の信号とをそれぞれ検出することができる。したがって、ロータリエンコーダ4は、第1の信号と、第2の信号とを合成することによって、ロータ5の回転角度の絶対位置を検出するので、歯車等の新たな部品を必要とすることはなく、構造を簡素にすることができるとともに、大きさを小型化することができる。
(3)第1のステータ61における送信機61Aおよび受信機61Bの組のそれぞれは、第2の周期λ2とは異なる周期で軸方向に沿って繰り返すようにして設けられ、第2のステータ62における送信機62Aおよび受信機62Bの組のそれぞれは、第1の周期λ1とは異なる周期で周方向に沿って繰り返すようにして設けられるので、ロータ5の軸方向の位置やロータ5の回転角度に応じた信号の強さの変動を抑制することができる。したがって、ロータリエンコーダ4によれば、ロータ5の軸方向の位置やロータ5の回転角度に応じた信号の強さの変動を抑制しつつ、ロータリエンコーダ4の検出精度を向上させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、ロータリエンコーダ4は、電磁誘導式のロータリエンコーダとして構成されていたが、静電容量式のロータリエンコーダとして構成されていてもよい。
2 スピンドル
3 フレーム
4 ロータリエンコーダ
5 ロータ
6 ステータ
51 パターン
61 第1のステータ
62 第2のステータ
61A,62A 送信機
61B,62B 受信機
λ1 第1の周期
λ2 第2の周期
Claims (3)
- 入力される回転に応じて中心軸回りに回転するロータを備え、前記ロータの回転角度を検出するアブソリュート式のロータリエンコーダであって、
円柱状に形成された前記ロータの周面を覆うように所定の間隔を隔てて配設されるステータを備え、
前記ロータは、第1の周期で周方向に沿って繰り返すとともに、第1の周期とは異なる第2の周期で軸方向に沿って繰り返すようにして自己の周面に設けられるパターンを有し、自己の回転に伴って軸方向に沿って進退するように構成され、
前記ステータは、
前記ロータに向かって信号を送信する送信機と、
前記送信機にて送信された信号を前記ロータに設けられたパターンを介して受信する受信機とを有し、
前記ロータリエンコーダは、前記ロータの周方向の回転に伴って前記第1の周期で受信される第1の信号と、前記ロータの軸方向の進退に伴って前記第2の周期で受信される第2の信号とを合成することによって、前記ロータの回転角度の絶対位置を検出し、
前記ステータは、
前記第1の信号を検出する第1のステータと、
前記第2の信号を検出する第2のステータとを有し、
前記第1のステータおよび前記第2のステータは、前記ロータの軸方向の異なる位置にそれぞれ設けられるとともに複数の前記送信機および前記受信機の組をそれぞれ有し、
前記第1のステータにおける前記送信機および前記受信機の組のそれぞれは、前記第2の周期とは異なる周期で軸方向に沿って繰り返すようにして設けられ、前記第2のステータにおける前記送信機および前記受信機の組のそれぞれは、前記第1の周期とは異なる周期で周方向に沿って繰り返すようにして設けられることを特徴とするロータリエンコーダ。 - 入力される回転に応じて中心軸回りに回転するとともに、この回転に伴って軸方向に沿って進退するスピンドルを備え、前記スピンドルの回転角度を検出することによって、前記スピンドルの軸方向の変位を測定するマイクロメータであって、
請求項1に記載されたロータリエンコーダを備え、
前記ロータは、前記スピンドルに一体的に設けられていることを特徴とするマイクロメータ。 - 請求項2に記載されたマイクロメータにおいて、
前記スピンドルのねじピッチをpとし、周方向に沿って繰り返すようにして前記ロータの周面に設けられるパターンの数をBとし、前記マイクロメータの測定範囲を基本波長p/Bの整数n倍としたとき、
前記第2の周期λを前記基本波長p/Bよりも大きくする場合には、
λ=n/(n−1)・p/B
の関係を満たすように前記第1の周期λを設計し、
前記第2の周期λを前記基本波長p/Bよりも小さくする場合には、
λ=n/(n+1)・p/B
の関係を満たすように前記第2の周期λを設計することを特徴とするマイクロメータ。
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