JP6296492B2 - 原皮の保存方法 - Google Patents

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本発明は、なめし前の動物の原皮の保存方法に関する。
なめし前の動物の原皮の場合、腐敗を防止する等の目的で、塩化ナトリウムを添加するいわゆる塩漬けと呼ばれる保存方法が広く行われている。このような塩漬けは、その作業が重労働を伴うというだけではなく、環境汚染を招く等、様々な問題を引き起こす要因となっている。そこで、そのような塩漬けを行わずに原皮を保存する方法が種々提案されている(特許文献1乃至3を参照。)。
特表2001−500900号公報 特表2011−513518号公報 特表2012−505932号公報
しかしながら、従来提案されている保存方法は何れも、煩雑な工程が加わったり、特別な組成物が必要となったり等、簡便に実現することができないという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、上記の課題を解決する原皮の保存方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の原皮の保存方法は、なめし前の動物の原皮を塩漬けすることなく保存する方法において、冷凍冷蔵設備により、前記原皮の表面温度が−5℃乃至−20℃となる半冷凍状態になるまで、毎分1℃以上の冷却速度で前記原皮を急冷する急冷工程と、冷凍冷蔵設備により、前記原皮の表面温度が−2℃乃至5℃となる冷蔵状態になるまで、毎時0.1℃乃至10℃の昇温速度で温度を漸増させる温度漸増工程と、前記温度漸増工程にて達した温度を維持する温度維持工程とを有する。
さらに、前記態様において、前記原皮がその頭側を上にして懸吊された状態で、前記急冷工程を実行することが好ましい。
本発明によれば、従来に比して簡便な方法で塩漬けを行うことなく動物の原皮を保存することができる。
本発明の実施の形態に係る原皮の保存方法の手順を示すフローチャート。 原皮の保存状態を模式的に示す側面図。 原皮の表面温度の変化を模式的に示すグラフ。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態では、例えば牛・豚・馬・羊・ヤギ・ヘビ・トカゲ・ワニ・ダチョウ等の動物の原皮を、塩漬けを行うことなく保存する。以下、その詳細について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の原皮の保存方法の手順を示すフローチャートである。
(1)搬入工程
まずは保存対象となる動物の原皮の採取が行われる。具体的には、例えば牛等の動物から食肉を生産する際に副産物として生じた原皮が採取される。このとき、原皮の内側に付着されている肉・脂肪等は漉き取られる。このようにして採取された動物の原皮は、冷凍冷蔵設備が備えられた原皮保存施設に搬入される(S1)。なお、このように原皮が採取されてから次に実施される急冷工程までの時間が長くなると、バクテリアの繁殖が進んで腐敗を招く等の問題が生じ易くなるため、可及的速やかに搬入工程を実施することが好ましい。この搬入工程に相当程度の時間を要する場合は、氷等を用いて原皮を一時的に冷やしておくことが好ましい。
(2)急冷工程
上述したように原皮保存施設内に運ばれた原皮は、当該施設内に設置されている原皮保存装置に取り付けられる。図2は、本実施の形態の原皮の保存方法で使用される原皮保存装置の構成を示す斜視図である。図2に示すように、原皮保存装置10は、所定の方向に並行して延びるように設けられた2本の棒状の支持部材11,11と、各支持部材11の長さ方向にわたり所定の距離を隔てて設けられた複数の原皮係止部材12,12,…とを備えている。原皮係止部材12は、原皮1の端部を引っ掛けるためのフックで構成されている。なお、この原皮係止部材12はこれに限定されるわけではなく、原皮1の両面を狭持して係止するような部材等、他の部材で構成されていてもよい。
本実施の形態の各工程において原皮1の温度をより精確に制御するために、複数の原皮1,1,…のそれぞれは、各原皮係止部材12に係止された際に互いに重ならないことが好ましい。そのため、各支持部材11における各原皮係止部材12間の距離は、原皮1のサイズ・形状等により適宜設定される。例えば、牛の原皮の場合であれば、40cm程度離間して各原皮係止部材12が設けられる。
図2に示すように、1つの支持部材11に設けられた原皮係止部材12と、もう1つの支持部材11の対応する位置に設けられた原皮係止部材12との2つの原皮係止部材12,12によって、原皮1の頭側の端部の2箇所がそれぞれ係止される。これにより、各原皮1は、その頭側を上にして、2つの原皮係止部材12,12によって懸吊された状態で原皮保存装置10に固定されることになる。このようにして原皮1,1,…を固定した状態で、冷凍冷蔵設備を制御することにより、表面温度が−10℃になるまで原皮1,1,…を急冷する(S2)。このように原皮1を急速に冷却することによって、バクテリアの繁殖を抑制することができる。
一般に、動物の体表の毛の流れ(毛流)は、頭側から尾側に向かっている。そのため、上述したように各原皮1がその頭側を上にして懸吊された場合、原皮1の表面に付着している水滴は毛流方向に沿って流れ、下方に落ちる。これにより、原皮1の表面上の水滴を効率的に除去することができる。原皮1の表面上に水滴が付着した状態で急冷工程(S2)を実施すると、その水滴が凍結し、その箇所と他の箇所とで表面温度に相当程度の差異が生じることになる。その場合、原皮の品質にばらつきが生じることがあり、好ましくない。本実施の形態の場合、そのような凍結した水滴の発生を抑制することができるため、一定の品質を保つことができる。
(3)温度漸増工程
上記の急冷工程(S2)によって冷却された状態を維持し続けると、原皮1の組織が破壊されてしまい、良質な原皮を得られないおそれがある。そのため、急冷工程(S2)により原皮1,1,…が−10℃まで急冷された後、冷凍冷蔵設備を制御することによって、その表面温度を緩やかに上昇させる温度漸増工程を実施する(S3)。本実施の形態の場合、この温度漸増工程において原皮1,1,…の表面温度が2℃になるまで昇温する。これにより、バクテリアの繁殖を抑制するとともに、原皮1の組織が破壊されることを防止することができる。
(4)温度維持工程
上記の温度漸増工程(S3)により各原皮1の表面温度が2℃となった後、出荷されるまでの間、その温度が維持される(S4)。これにより、腐敗を回避しながら原皮1を保存することができる。なお、この温度維持工程では、温度漸増工程により上昇された温度の上下2℃程度の範囲内で温度を維持すればよい。
図3は、上述した急冷工程(S2)、温度漸増工程(S3)、及び温度維持工程(S4)における原皮の表面温度の変化を模式的に示すグラフである。ここで、縦軸は原皮の表面温度を、横軸は経過時間をそれぞれ示している。なお、この図3のグラフは、原皮保存施設に搬入された際の動物の皮の表面温度が20℃の場合の温度変化の例を示している。図3に示すように、上述した急冷工程(S2)によって、搬入されてから30分後には原皮1の表面温度が−10℃まで下がる。すなわち、この急冷工程(S2)においては毎分1℃の冷却速度で冷却が行われる。次に、温度漸増工程(S3)では、24時間かけて原皮1の表面温度を2℃まで上昇させる。つまり、毎時0.5℃の昇温速度で温度を上昇させる。このようにして原皮1の表面温度が2℃となった後は、温度維持工程(S4)によりその温度が維持される。
なお、上述した表面温度並びに冷却速度及び昇温速度は例示であって、本発明はこれらの値に限定されるわけではない。急冷工程(S2)においては、原皮1が半冷凍状態になればよく、上記の−10℃でなくてもよい。ここで半冷凍状態とは、原皮1の表面は凍結しているものの、その内部の組織までは完全に凍結していない状態をいう。原皮1の組織内に多くの氷の結晶が生じると、それにより組織の破壊が進行してしまうため、冷凍状態ではなく半冷凍状態とする。この半冷凍状態を実現するためには、原皮1の表面温度は−20℃以上であることが好ましく、−15℃以上であることがより好ましい。また、バクテリアの繁殖を効果的に抑えるという観点から、原皮1の表面温度は−5℃以下であることが好ましく、−8℃以下であることがより好ましい。
急冷工程(S2)において、原皮1の組織内に氷の結晶が発生する温度範囲にある状態が比較的長く続いた後に半冷凍状態に到達する場合、すなわち緩やかに冷却がなされる場合、サイズが比較的大きい結晶が不均一な分布で生じることになる。この場合、その結晶の圧迫により原皮1の組織の破壊が進むという問題が生じ得る。これに対し、その温度範囲にある状態が比較的短い場合、すなわち急速に冷却がなされる場合、サイズが比較的小さい結晶が均一な分布で生じることとなり、組織の破壊を抑制することができる。そのため、急冷工程(S2)における冷却速度は速いほど良く、毎分1℃以上であることが好ましい。
また、本実施の形態では、温度漸増工程(S3)において2℃になるまで原皮1の表面温度を上昇させているが、原皮1の組織内に氷の結晶が生じない冷蔵状態となる温度であればよい。ここで、バクテリアの繁殖を抑制するためには5℃以下が好ましい。また、原皮1の表面は凍結していても大きな問題は生じない点等を考慮すると、−2℃以上であれば良い。
なお、温度漸増工程(S3)において比較的短い時間で冷蔵状態に到達した場合、バクテリアの繁殖を促進するおそれがある。他方、その時間が比較的長くなると、半冷凍状態が長く続き、原皮1の組織の破壊が進行するおそれがある。以上より、温度漸増工程(S3)における昇温速度は、毎時0.1℃乃至10℃の範囲内とすることが好ましい。
本実施の形態の場合、冷凍冷蔵設備の温度制御によって実行できるため、煩雑な工程及び特別な組成物が必要となる従来の塩漬けを行わない保存方法と比べて容易に実現することができる。
本発明の原皮の保存方法は、例えば衣料品、鞄及び靴などに用いられる皮革の原皮の保存方法などとして有用である。
1 原皮
10 原皮保存装置
11 支持部材
12 原皮係止部材

Claims (2)

  1. なめし前の動物の原皮を塩漬けすることなく保存する方法において、
    冷凍冷蔵設備により、前記原皮の表面温度が−5℃乃至−20℃となる半冷凍状態になるまで、毎分1℃以上の冷却速度で前記原皮を急冷する急冷工程と、
    冷凍冷蔵設備により、前記原皮の表面温度が−2℃乃至5℃となる冷蔵状態になるまで、毎時0.1℃乃至10℃の昇温速度で温度を漸増させる温度漸増工程と、
    前記温度漸増工程にて達した温度を維持する温度維持工程と
    を有する、原皮の保存方法。
  2. 前記原皮がその頭側を上にして懸吊された状態で、前記急冷工程を実行する、
    請求項1に記載の原皮の保存方法。
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