従来から、自動車の電装系の適所には、各種の車載電気機器への電力の分配や制御を行う電気接続箱や制御ユニット等の回路ユニットが設けられている。これらの回路ユニットの中でも特に小型のものとして、例えば、特開2011−147265号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。この回路ユニットは、側面に側方開口部を有する偏平箱体形状のケースと、かかるケース内に収容保持される回路基板を含んで構成されており、回路基板の一方の側縁部には、回路基板の側方からコネクタ等の外部部品が接続される側方に開口する部品装着部を有するハウジング部材が設けられている。
そして、ケースの側方開口部から回路基板の他方の側縁部を挿し入れて、ケース内に回路基板を収容すると共に、ケースの開口部を回路基板の一方の端縁部に設けたハウジング部材で覆蓋することにより、ケースの内部に回路基板が覆蓋状態で収容されるようになっている。要するに、回路基板の側縁部に設けられたハウジング部材がケースの側方開口部を覆蓋するカバー部材としての機能を担うことにより、部品点数の削減や構造の簡素化が図られているのである。また、回路基板には、要求される性能に応じてリレー等の電気部品が実装される場合もある。
ところで、このような構造の回路ユニットでは、ケース側面の側方開口部にのみ、外部の電気部品を着脱可能に装着し得る部品装着部を設けることで、コンパクト化を図っている。それ故、回路基板の側縁部から離隔する部位に設けられるリレー等の電気部品は、回路基板に実装されてケース内に収容配置されるようになっている。
ところが、電気部品の種類によっては、故障等の原因により取り換えが必要になる場合もある。その際に、従来構造の回路ユニットでは、回路基板をケースから取り外し、回路基板ごと取り換える必要が生じ非効率的であった。
そこで、周知の電気接続箱等のように、ケースの表面にリレー等の電気部品を装着する部品装着部を突設し、かかる部品装着部に回路基板に設けられた接続端子を収容配置することで、電気部品を着脱自在に装着することも考えられる。
しかしながら、ケースの側方開口部のみに部品装着部を設けてコンパクト化された回路ユニットは、配設領域が狭小スペースである場合が多く、ケース自体を大型化させるケース表面への部品装着部の形成を、そもそも採用できないという問題を内在していた。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、ケースの大型化を避けつつ、リレー等の電気部品の交換を容易に行うことができる、新規な構造の回路ユニットを提供することにある。
本発明の第一の態様は、側面に側方開口部を有する中空箱体形状のケースと、前記ケースの前記側方開口部に露出する第1の部品装着部を有する第1のハウジング部材が一側縁部に設けられた回路基板とを備え、前記回路基板の導電路に導通する第1の接続端子が前記第1の部品装着部に配設されていると共に、前記ケースの前記側方開口部から前記ケース内に収容された前記回路基板の前記第1のハウジング部材により、前記側方開口部が覆蓋されている回路ユニットにおいて、前記ケースの表面に部品装着窓が設けられ、前記回路基板において前記部品装着窓に対応する位置に第2の接続端子が配設された第2の部品装着部を有する第2のハウジング部材が配置されており、該第2のハウジング部材により前記部品装着窓が覆蓋されていることを特徴とする。
本態様によれば、ケース内に収容される回路基板の表面に第2のハウジング部材が設けられており、ケースの表面に設けた部品装着窓が第2のハウジング部材により覆蓋されるようになっている。これにより、ケース表面の部品装着窓を通じて回路基板上に設けた第2のハウジング部材が露呈されており、第2のハウジング部材の第2の部品装着部に外部の電気部品を着脱自在に装着して、接続端子を介して回路基板に接続することができる。それ故、電気部品の故障の際には、ケースから回路基板を取り出すことなく容易に電気部品を交換することが可能となる。
しかも、第2のハウジング部材は、ケース表面の部品装着窓から露呈される回路基板の表面に設けられており、従来構造のようにケース外面に突設されるものではない。それ故、ケース自体の大型化を伴うことなく、第2のハウジング部材を設けることができ、回路基板の側縁部に設けた第1のハウジング部材の近傍に配設されない電気部品であっても、ケース外部からの交換が可能となるのである。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記部品装着窓が前記側方開口部から前記ケースの前記表面を切り欠くことにより設けられているものである。
本態様によれば、部品装着窓が側方開口部からケースの表面を切り欠くことにより設けられている。それ故、部品装着窓が側方開口部に開口して連接されていることから、側方開口部から回路基板をケースに挿入する操作の中で側方開口部を介して第2のハウジング部材を部品装着窓に装着することが可能となる。これにより、回路ユニットの組み付け作業を簡便に行い得る。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記部品装着窓の周縁部には、前記側方開口部から前記回路基板の前記ケースへの挿入方向に延びる嵌合凸部および嵌合凹部の一方が設けられていると共に、前記第2のハウジング部材の周縁部には、前記嵌合凸部および前記嵌合凹部の他方が設けられており、前記回路基板が前記ケースへ挿入される際に、前記嵌合凸部と前記嵌合凹部がスライド嵌合して、前記ケースの前記部品装着窓が前記第2のハウジング部材によって覆蓋されるようになっているものである。
本態様によれば、部品装着窓の周縁部と第2のハウジング部材の周縁部に、回路基板のケースへの挿入方向に延びる嵌合凸部と嵌合凹部が設けられている。従って、回路基板をケースに挿入する動作に伴って、嵌合凸部と嵌合凹部をスライド嵌合させて、ケースの部品装着窓に第2のハウジング部材を嵌合させて覆蓋することができる。それ故、追加の作業を伴うことなく優れた組み付け作業性をもって、部品装着窓を第2のハウジング部材で覆蓋することができる。
しかも、嵌合凸部と嵌合凹部の嵌合構造を採用したことから、仮にケース外面が被水した場合でも、部品装着窓からケース内に至るルートを長く複雑化することができ、部品装着窓の防水性も同時に向上させることができる。加えて、嵌合凸部と嵌合凹部の嵌合構造により、部品装着窓の変形、ひいては側方開口部の変形を阻止して、側方開口部へ第1のハウジング部材がスムーズに組み付けられて安定した覆蓋を実現できる。
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に記載のものにおいて、前記ケースの下面には、前記側方開口部から前記回路基板の前記ケースへの挿入方向に延びて前記ケースの内方に突出する嵌合突起が突設されており、該嵌合突起が、前記挿入方向に延びる前記第1のハウジング部材の嵌合溝に嵌合されているものである。
本態様によれば、ケースの下面からケースの内方に突出する嵌合突起が第1のハウジング部材の嵌合溝に嵌合するようになっていることから、ケースの側方開口部が変形して第1のハウジングとの間に開口隙間が形成されることを未然に防止でき、側方開口部の防水性を有利に確保することができる。
しかも、嵌合突起と嵌合溝は回路基板のケースへの挿入方向に延びていることから、回路基板をケースに挿入する動作に伴って、追加の動作を伴うことなく嵌合突起と嵌合溝の嵌合を行うことができる。それ故、優れた組み付け作業性をもって、嵌合突起と嵌合溝の嵌合を行うことが可能である。
なお、本態様と第三の態様を組み合わせて採用することにより、側方開口部の上壁と底壁が、第1および第2のハウジング部材を介して回路基板に位置決め支持されていることから、側方開口部が上下方向に開くことを有利に防止することができる。
本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に記載のものにおいて、前記回路基板に一体形成された第1のロック部が、前記第1のハウジング部材に設けられた第1の被ロック部に嵌合されることで、前記第1のハウジング部材が前記回路基板に着脱自在に位置決め固定されるようになっているものである。
本態様によれば、回路基板に対して第1のハウジング部材を強固に組み付けることができることから、第1のハウジング部材の位置を安定して保持することができ、側方開口部の覆蓋を確実に行うことができる。
しかも、回路基板に対して着脱自在であることから、回路基板が高温に晒される半田付け工程等に際して、回路基板から離脱させることができる。それ故、第1のハウジング部材の材料に耐熱性部品を選択する必要が無く、第1のハウジング部材の材料の選択自由度の向上やコスト低減を図ることができる。
本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れか一つの態様に記載のものにおいて、前記回路基板に一体形成された第2のロック部が、前記第2のハウジング部材に設けられた第2の被ロック部に嵌合されることで、前記第2のハウジング部材が前記回路基板に着脱自在に位置決め固定されるようになっているものである。
本態様によれば、回路基板に対して第2のハウジング部材を強固に組み付けることができることから、第2のハウジング部材の位置を安定して保持することができ、部品装着窓の覆蓋を確実に行うことができる。
しかも、回路基板に対して着脱自在であることから、回路基板が高温に晒される半田付け工程等に際して、回路基板から離脱させることができる。それ故、第2のハウジング部材の材料に耐熱性部品を選択する必要が無く、第2のハウジング部材の材料の選択自由度の向上やコスト低減を図ることができる。
本発明においては、ケースの表面に設けた部品装着窓が第2のハウジング部材により覆蓋されるようになっている。これにより、ケース表面の部品装着窓を通じて第2のハウジング部材が露呈されており、第2のハウジング部材の第2の部品装着部に外部の電気部品を着脱自在に装着して、接続端子を介して回路基板に接続できる。それ故、電気部品の故障の際には、容易に電気部品を交換できる。しかも、第2のハウジング部材は、回路基板の表面に設けられ、従来の如きケース外面に突設されるものではない。それ故、ケース自体の大型化を伴わずに第2のハウジング部材を設けることができ、回路基板の側縁部に設けた第1のハウジング部材の近傍に配設されない電気部品でも、ケース外部からの交換が可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜8に、本発明の一実施形態としての回路ユニット10を示す。回路ユニット10は、例えば、サブボックスとして機能するものであり、リレーボックス等のメインボックスとしての他の電気接続箱内に収容されて、自動車等の車輌に搭載されて用いられる。回路ユニット10は、ケース12と、ケース12内に収容される回路基板14と、を備えて構成されている。なお、以下の説明において、上方とは、図1中の左方、下方とは、図1中の右方、前方とは、図1中の下方、後方とは、図1中の上方を言うものとする。
ケース12は、図1及び図4に示されているように、側面(図1中、下方)に側方開口部16を有する中空箱体形状とされており、側方開口部16が後述する第1のハウジング部材78によって覆蓋されるようになっている。また、ケース12の表面18には、側方開口部16に向かって開口する略矩形状の部品装着窓20が形成されており、部品装着窓20が後述する第2のハウジング部材64によって覆蓋されるようになっている。なお、部品装着窓20は、側方開口部16からケース12の表面18を切り欠くことにより設けられている。これにより、ケース12内に覆蓋状態で回路基板14を収容できるようになっている。なお、ケース12は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等の合成樹脂により射出成形等によって一体形成されている。
図4に示されているように、ケース12の下面22における幅方向(図4中、左右方向)の略中央部の側方開口部16近傍には、ケース12の幅方向に直交する長さ方向、すなわち側方開口部16からの回路基板14のケース12への挿入方向、に延びてケース12の内方に突出する略T字断面形状の嵌合突起24が突設されている。また、ケース12の下面22には、ケース12の長さ方向に延びてケース12の内方に突出する略矩形断面形状の3つの支持突条26が突設されている(図3参照)。さらに、ケース12の幅方向に対向する一対の側面28,28の下面22側には、ケース12の長さ方向の略全長に亘って延びてケース12の内方に突出する略矩形断面形状の一対のガイド壁30,30が突設されている。
一方、ケース12の表面18において、図3〜4に示されているように、ケース12の幅方向に対向する、部品装着窓20の一対の周縁部32,32には、ケース12の幅方向に直交する長さ方向、すなわち側方開口部16からの回路基板14のケース12への挿入方向に延びる一対の嵌合凹部34,34が設けられている。一対の嵌合凹部34,34は、対向する一対の周縁部32,32に向かって開口する略コの字断面形状で挿入方向に延びている(図4参照)。また、ケース12には、側方開口部16に隣接する表面18の両端部の2箇所と、側方開口部16に隣接する下面22の3箇所において、略矩形状の係合孔36が貫設されている。
図1及び図6〜8に示されているように、回路基板14は略矩形の板形状とされており、導電路38と接続端子40を一体的に備える複数のバスバー42と、複数のバスバー42の導電路38を埋設状態で覆う樹脂基板44を有するバスバーモールド基板46とを含んで構成されている。加えて、回路基板14は、バスバーモールド基板46の表面に載置され、導電路48と接続端子50を一体的に備える複数の表層バスバー52を備えて構成されている。また、回路基板14の表面には、図示のようなリレー54のほか、集積回路等の半導体素子やその他の電気回路素子等が適宜実装されている。そして、回路基板14の導電路を構成する導電路38,48に導通する接続端子40,50がクランク状やL字状に屈曲されて、後述する第1のハウジング部材78の第1の部品装着部80や第2のハウジング部材64の第2の部品装着部66に配設されるようになっている。
なお、バスバー42と表層バスバー52はそれぞれ、導電性金属板がプレス打ち抜き及び屈曲加工されて形成されている。また、バスバーモールド基板46を構成する樹脂基板44は、例えばポリイミド樹脂(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドイミド(PAI)、アリル樹脂(PDAP)等の耐熱性樹脂により射出成形等によって一体形成されている。かかる樹脂基板44の耐熱温度は、260℃以上とされていることから、樹脂基板44からなるバスバーモールド基板46は、鉛フリー半田用等の高温のフロー工程(240℃)もしくはリフロー工程(260℃)等に通して半田付けを行うことが可能とされている。従って、表層バスバー52や電気回路素子等をバスバー42に直接半田付けすることができることから、従来の如き中継端子等の別部品が不要とされ、部品点数や作業工程の削減が可能となっている。
また、図6〜7に示されているように、回路基板14の中央部分には、上方に向かって突出する枠体状の第2のロック部を構成する係合枠56が回路基板14に一体形成されている。さらに、回路基板14の一側縁部58の両側面には、外方及び下方に向かって開口する凹み部60が形成され、かかる凹み部60には外方に向かって突出して第1のロック部を構成する係合突起62が回路基板14に一体形成されている。加えて、回路基板14の裏面には、回路基板14の長さ方向に延びて回路基板14の下方に突出する略矩形断面形状の6つの支持突条63が突設されている(図7参照)。
そして、図1〜2に示されているように、このような構成とされた回路基板14が、ケース12内に収容される。まず、回路基板14の上方から合成樹脂製の第2のハウジング部材64が、回路基板14の上面における一側縁部58の中央部分の所定位置に装着される。これにより、第2のハウジング部材64の後面に設けられて第2の被ロック部を構成する後述する係合突起72が、回路基板14に設けられた係合枠56に嵌合されることで、第2のハウジング部材64の後端側が回路基板14に対して着脱自在に固定されるようになっている。すなわち、係合突起72を係合枠56に嵌合後に、係合枠56を第2のハウジング部材64から離隔するように弾性変形させることにより、係合突起72と係合枠56の嵌合が解除可能となっている。
第2のハウジング部材64は、図1〜2及び図6に示されているように、全体として略凹状の矩形カップ形状を呈している。第2のハウジング部材64の中央部分には、上方に向かって開口形成された第2の部品装着部を構成する2つのリレー装着部66が設けられている。そして、一方のリレー装着部66の底壁には、4つのタブ端子挿通孔68が上下方向に貫設されている(図2参照)。これにより、表層バスバー52の接続端子50が、かかる4つのタブ端子挿通孔68に挿通配置されている。なお、他方のリレー装着部66の底壁には、異なる車種や車のグレードに応じてタブ端子挿通孔68が設けられ得るようになっている。また、第2のハウジング部材64の周縁部を構成する前方側(図1中、下方側)の周壁71の両端部には、上方に向かって突出する係合突起70が設けられている。さらに、第2のハウジング部材64の周縁部を構成する2つのリレー装着部66を囲むように逆U字状の周壁74が設けられている。第2のハウジング部材64の後端側(図1中、上方側)において周壁74aの外面には係合突起72が突設されている。また、第2のハウジング部材64の図1中左右方向で対向する周壁74b、74cの外面には、前後方向すなわち側方開口部16からの回路基板14のケース12への挿入方向に延びて外方に向かって突出する嵌合凸部76が設けられている。
次に、第2のハウジング部材64が装着された回路基板14の前方から、合成樹脂製の第1のハウジング部材78が装着されることにより、第1のハウジング部材78が一側縁部58に設けられた回路基板14が形成される。これにより、第1のハウジング部材78に設けられて第1の被ロック部を構成する後述する係合孔90が、回路基板14に設けられた係合突起62に嵌合されることで、第1のハウジング部材78が回路基板14に対して着脱自在に固定されるようになっている。すなわち、係合孔90を係合突起62に嵌合後に、係合孔90を構成する係合部88を回路基板14から離隔するように弾性変形させることにより、係合孔90と係合突起62の嵌合が解除可能となっている。
第1のハウジング部材78は、図1及び図5に示されているように、全体として長手矩形ブロック形状を呈している。第1のハウジング部材78の前面には、側方である前方に向かって開口形成された第1の部品装着部を構成する3つのコネクタ装着部80が設けられている(図5参照)。そして、コネクタ装着部80の後壁には、複数の接続端子挿通孔82が前後方向に貫設されている。また、第1のハウジング部材78の上面の両端には、上方に向かって突出する係合突起84が設けられている。さらに、第1のハウジング部材78の後面の上方寄りの両端には、後方に向かって延出する略矩形状の係合枠86が設けられている。第1のハウジング部材78の後面の下端の両端部には、後方に向かって突出し且つ後方並びに内方に向かって開口する略コの字状断面形状の係合部88が設けられている。係合部88の外面には、後部から前方に向かって延びると共に前方に向かって開口する略短冊状の係合孔90が設けられている。加えて、第1のハウジング部材78の下面には、下方に向かって突出する3つの係合突起92が設けられている(図6参照)一方、第1のハウジング部材78の下面の後端部には、後方に向かって延び出す略矩形状の2つの基板支持片94が設けられている。さらに、図7に示されているように、第1のハウジング部材78の下面の後端中央部には、第1のハウジング部材78の幅方向に直交する長さ方向、すなわち側方開口部16から回路基板14のケース12への挿入方向、に延びて第1のハウジング部材78の下方及び後方に開口する、略矩形状の嵌合溝96が設けられている。
これにより、バスバー42,52の接続端子40,50が、第1のハウジング部材78のコネクタ装着部80の接続端子挿通孔82に挿通配置される。しかも、第1のハウジング部材78の基板支持片94が回路基板14の裏面に載置されることから、回路基板14の表裏両面に対して第1のハウジング部材78が安定して保持されるようになっている。加えて、第1のハウジング部材78の表面の両側に設けられた係合枠86が、第2のハウジング部材64の係合突起70と係合することにより、第2のハウジング部材64が上側のみならず下側も回路基板14に対して固定されるようになっている。
最後に、第1のハウジング部材78と第2のハウジング部材64が装着された回路基板14の後方から、ケース12が装着される。より詳細には、回路基板14がケース12へ挿入される際に、ケース12の側方開口部16からケース12内に収容される。この際、第2のハウジング部材64の嵌合凸部76がケース12の嵌合凹部34にスライド嵌合されると共に、ケース12の一対のガイド壁30,30間に回路基板14の幅方向の側縁部がガイドされて挿入される。この結果、ケース12の部品装着窓20が第2のハウジング部材64によって覆蓋されると共に、ケース12の側方開口部16が第1のハウジング部材78の第1の部品装着部であるコネクタ装着部80によって覆蓋されるようになっている。すなわち、回路基板14がケース12内に収容された状態において、ケース12の部品装着窓20に対応する位置に、第2のハウジング部材64が設けられているのである。また、ケース12の側方開口部16にコネクタ装着部80が露出されているのである。
かかる収容状態において、ケース12の係合孔36に対して第1のハウジング部材78の係合突起84,92が係合されると共に、ケース12の嵌合突起24が第1のハウジング部材78の嵌合溝96に嵌合されるようになっている。これにより、ケース12の側方開口部16が強固且つ確実に第1のハウジング部材78によって覆蓋されるようになっている。また、ケース12の下面22に設けられた支持突条26と回路基板14の裏面に設けられた支持突条63がそれぞれ回路基板14の裏面やケース12の下面22に当接することにより、回路基板14がケース12内に安定して収容されるようになっている。以上の結果、ケース12内に回路基板14が強固に安定して収容された状態で、回路基板14の導電路38,48に導通する接続端子40,50が、ケース12に開口形成された部品装着部66,80に配設されて、回路ユニット10が完成されるのである。
このような構造とされた本実施形態の回路ユニット10によれば、ケース12の表面18に設けられた部品装着窓20が、ケース12内に収容される回路基板14に設けられた第2のハウジング部材64により覆蓋されるようになっている。これにより、部品装着窓20を通じて第2のハウジング部材64の第2の部品装着部66がケース12の外部に露呈されていることから、外部の電気部品を着脱自在に装着することで接続端子50を介して回路基板14に接続することができる。それ故、電気部品の故障の際には、ケース12から回路基板14を取り出すことなく容易に電気部品を交換することが可能となる。
しかも、部品装着窓20と第2のハウジング部材64の周縁部にはそれぞれ、回路基板14のケース12への挿入方向に延びる嵌合凹部34と嵌合凸部76が設けられている。それ故、回路基板14をケース12に挿入する際に、嵌合凹部34と嵌合凸部76をスライド嵌合させることにより、追加の作業を伴うことなく優れた組み付け作業性をもって、ケース12の部品装着窓20を第2のハウジング部材64によって覆蓋することができる。また、嵌合凹部34と嵌合凸部76の嵌合構造を採用したことにより、仮にケース12の外面が被水した場合でも、部品装着窓20からケース12内に至るルートを長く複雑化できることから、部品装着窓20の防水性も同時に向上できる。加えて、側方開口部16の変形を阻止して、側方開口部16への第1のハウジング部材78のスムーズな組み付けを実現できる。
また、第2のハウジング部材64が、ケース12の外面でなく、回路基板14の表面に設けられていることから、ケース12自体の大型化を防止できる。しかも、回路基板14の一側縁部58に設けた第1のハウジング部材78の近傍に配設されない電気部品であっても、ケース12の外部からの交換が可能となる。
加えて、ケース12の内方に突出する嵌合突起24が第1のハウジング部材78の嵌合溝96に嵌合されることから、ケース12の側方開口部16が変形されて第1のハウジング部材78との間における開口隙間形成を未然に防止でき、側方開口部16の防水性を有利に確保できる。しかも、嵌合突起24と嵌合溝96は回路基板14のケース12への挿入方向に延びていることから、回路基板14をケース12に挿入する際に、追加の動作を伴うことなく優れた組み付け作業性をもって、嵌合突起24と嵌合溝96を嵌合することができる。なお、本実施形態においては、側方開口部16においてケース12の表面18と下面22が、嵌合凹部34と嵌合凸部76の嵌合及び嵌合突起24と嵌合溝96の嵌合によって、第1および第2のハウジング部材64,78を介して回路基板14に位置決め支持されていることから、側方開口部16が上下方向に開くことを有利に防止できるようになっている。
また、回路基板14に対して第1および第2のハウジング部材64,78を強固に組み付けることができることから、第1および第2のハウジング部材64,78の位置を安定して保持することができ、側方開口部16や部品装着窓20の覆蓋を確実に行うことができる。しかも、回路基板14に対して第1および第2のハウジング部材64,78が着脱自在であることから、回路基板14が高温に晒される半田付け工程等に際して、回路基板14から第1および第2のハウジング部材64,78を離脱させることができる。それ故、第1および第2のハウジング部材64,78の材料に耐熱性材料を選択する必要が無く、第1および第2のハウジング部材64,78の材料の選択自由度の向上やコスト低減を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前述の実施形態では、回路基板14は、バスバーモールド基板46から構成されていたが、プリント基板から構成されていてもよい。また、前述の実施形態では、嵌合凹部34がケース12に設けられる一方、嵌合凸部76が第2のハウジング部材64に設けられていたが、嵌合凸部76がケース12にまた嵌合凹部34が第2のハウジング部材64に設けられていてもよい。