以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、電子写真方式を用いた所謂タンデム型の画像形成装置に適用した場合について説明する。
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成図が示されており、図2には、本実施の形態に係る画像形成装置10に設けられたインラインセンサ(登録商標)の概略構成図が示されている。
本実施の形態に係る画像形成装置10は、フルカラー画像または白黒画像を形成するものであり、図1に示すように、水平方向の一方側(図1における左側)の部分を構成する第1処理部が収容された第1筐体10Aを備えている。また、画像形成装置10は、第1筐体10Aと分割可能に接続され、水平方向の他方側(図1における右側)の部分を構成する第2処理部が収容された第2筐体10Bを備えている。
第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部13が設けられている。
一方、第1筐体10Aの上部には、トナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。トナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kには、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーが収容される。
なお、第1特別色および第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から任意の色が適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、数字の後にV、W、Y、M、C、Kの何れかを付して説明する。さらに、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、数字の後のV、W、Y、M、C、Kを省略して説明する。
さらに、トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って設けられている。
各画像形成ユニット16に設けられた露光装置40(40V、40W、40Y、40M、40C、40K)は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取る。そして、各露光装置40は、受け取った画像データに応じて変調した光ビームLを後述する像保持体18(18V、18W、18Y、18M、18C、18K)へ照射する。
各画像形成ユニット16は、一方向に回転駆動される像保持体18を備えている。各露光装置40から各像保持体18へ光ビームLが照射されることにより、各像保持体18に静電潜像が形成される。
各像保持体18の周囲には、像保持体18を帯電するコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器と、露光装置40によって像保持体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置と、が設けられている。また、各像保持体18の周囲には、転写後の像保持体18に残留する現像剤を除去するブレードと、転写後の像保持体18に光を照射して除電を行う除電装置と、が設けられている。なお、スコロトロン帯電器、現像装置、ブレード、除電装置は、像保持体18の表面と対向して、像保持体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
また、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各像保持体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各像保持体18に形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写ロール36と、を含んで構成されている。
中間転写ベルト34は、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44と、に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト34は、駆動ロール38により、一方向(図1における反時計回り方向)に循環移動される。
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んで各画像形成ユニット16の像保持体18と対向配置されている。また、各一次転写ロール36は、図示しない給電ユニットによって、トナーの極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加される。この構成により、各像保持体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写される。
中間転写ベルト34を挟んで駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
一方、転写部32の下方には、記録媒体の一例としての用紙Pが収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2つ設けられている。
各記録媒体収容部48は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図1における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から用紙Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
各記録媒体収容部48内には、用紙Pが載せられる底板50が設けられている。底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、後述する制御装置20の指示によって下降する。底板50が下降することで、ユーザが用紙Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48が第1筐体10Aに装着されると、底板50が、制御装置20の指示によって上昇する。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の用紙Pと送出ロール52とが当たる。
送出ロール52の用紙Pの搬送方向の下流側(以下、単に「下流側」ともいう。)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された用紙Pを1枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、用紙Pを下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
記録媒体収容部48と転写部32との間には、搬送経路60が設けられている。搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された用紙Pを第1折返部60Aで図1における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図1における右側に折り返すように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
二次転写ロール62は、給電ユニットによって、トナーの極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加される。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた用紙Pに二次転写される。
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される図示しない別の記録媒体収容部から送り出された用紙Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込む。
転写位置Tの下流側には、トナー画像が転写された用紙Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70によって搬送された用紙Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
複数の搬送ベルト70および搬送ベルト80のそれぞれは、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、用紙Pの搬送方向の上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
搬送ベルト80の下流側には、用紙Pの表面に転写されたトナー画像を用紙Pに熱と圧力で定着させる定着ユニット82が設けられている。
定着ユニット82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、用紙Pを加圧および加熱してトナー画像を定着させる定着部Nが形成されている。
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89および従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
駆動ロール89および従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。この加熱部により、定着ベルト84が加熱される。
定着ユニット82の下流側には、定着ユニット82から送り出された用紙Pを下流側へ搬送する搬送ベルト108が設けられている。搬送ベルト108は、搬送ベルト70と同様に形成されている。
搬送ベルト108の下流側には、定着ユニット82によって加熱された用紙Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。
冷却ユニット110は、用紙Pの熱を吸収する吸収装置112と、用紙Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114と、を備えている。吸収装置112は、搬送経路60に対する一方側(図1における上側)に配置され、押付装置114は、他方側(図1における下側)に配置されている。
吸収装置112は、用紙Pと接触し、用紙Pの熱を吸収する環状の吸収ベルト116を備えている。吸収ベルト116は、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120と、複数の巻掛ロール118と、に巻き掛けられている。
吸収ベルト116の内周側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させるアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
さらに、ヒートシンク122から熱を奪い熱気を外部へ排出させるためのファン128が、第2筐体10Bの裏側(図1に示す紙面奥側)に配置されている。
押付装置114は、用紙Pを吸収ベルト116へ押し付けながら用紙Pを搬送する環状の押付ベルト130を備えている。押付ベルト130は、複数の巻掛ロール132に巻き掛けられている。
冷却ユニット110の下流側には、用紙Pを挟んで搬送し、用紙Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置140が設けられている。
矯正装置140の下流側には、用紙Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するインラインセンサ200が設けられている。なお、インラインセンサ200の構成については、詳細を後述する。
インラインセンサ200の下流側には、片面に画像が形成された用紙Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
一方、用紙Pの両面に画像を形成させる場合は、インラインセンサ200から送出された用紙Pは、インラインセンサ200の下流側に設けられた反転経路194に搬送される。
反転経路194には、搬送経路60から分岐する分岐パス194Aと、分岐パス194Aに沿って搬送される用紙Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス194Bと、が設けられている。さらに、反転経路194には、用紙搬送パス194Bに沿って搬送される用紙Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス194Cが設けられている。
この構成により、反転パス194Cでスイッチバック搬送された用紙Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれる。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光装置40に送られる。各露光装置40では、画像データに応じて各光ビームLを出射して、スコロトロン帯電器によって帯電した各像保持体18に露光し、各像保持体18に静電潜像が形成される。
像保持体18に形成された静電潜像は、現像装置によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの像保持体18に形成された各色のトナー画像は、6つの一次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた用紙P上に二次転写される。トナー画像が転写された用紙Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
用紙P上の各色のトナー画像が定着ユニット82により加熱および加圧されることで用紙Pに定着される。さらに、トナー画像が定着された用紙Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、矯正装置140に送り込まれ、用紙Pに生じた湾曲が矯正される。
湾曲が矯正された用紙Pは、インラインセンサ200によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
一方、用紙Pの画像が形成されていない非画像面(裏面)に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、インラインセンサ200を通過した後に、用紙Pが反転経路194で反転される。そして、反転された用紙Pは、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、第1特別色および第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16V・16W、露光装置40V・40W、トナーカートリッジ14V・14W、一次転写ロール36V・36W)は、ユーザの選択により、追加部品として第1筐体10Aに装着可能に構成されている。従って、画像形成装置10としては、第1特別色および第2特別色の画像を形成するための部品を有さない構成、第1特別色および第2特別色のうち何れか1色の画像を形成するための部品のみを有する構成としてもよい。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るインラインセンサ200の構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、画像形成装置10の装置の奥行き方向(主走査方向)をX方向、装置の長さ方向(用紙Pの搬送方向である副走査方向)をY方向、装置の高さ方向をZ方向という。
図2に示すように、本実施の形態に係るインラインセンサ200は、画像が形成された用紙Pに向けて光を照射する照射部202を備えている。また、インラインセンサ200は、照射部202から照射されて用紙Pで反射された光をCCDセンサ204に結像する結像光学系206を備えた結像部208を備えている。さらに、インラインセンサ200は、インラインセンサ200の使用時やキャリブレーション時の各種基準等が設けられた設定部210を備えている。なお、本実施の形態に係るインラインセンサ200では、CCDセンサ204としてラインセンサを適用しているが、これに限らず、CCDセンサ204としてエリアセンサを適用してもよい。
照射部202は、用紙Pの搬送経路60の上側に配置されており、一対のランプ212を有する。各ランプ212は、X方向に長手とされたキセノンランプであり、その照射範囲の長さは搬送される最大の用紙Pの幅よりも大とされている。各ランプ212は、用紙Pにて反射されて結像部208に向かう光の光軸OA(設計上の光軸)に対し対称に配置されている。より具体的には、各ランプ212は、用紙Pへの光の照射角度がそれぞれ45°〜50°となるように光軸OAに対し対称に配置されている。
具体的には、各ランプ212は、用紙Pの搬送経路60に沿って並べられ、用紙Pの搬送方向の上流側に配置された光源の第一ランプ212Aと、第一ランプ212Aに対して用紙Pの搬送方向の下流側に配置された光源の第二ランプ212Bと、を備えている。そして、各ランプ212は、第一ランプ212Aおよび第二ランプ212Bから照射される光が、第一ランプ212Aと第二ランプ212Bとの間の搬送経路60上の照射位置Dに照射されるように構成されている。
また、結像光学系206は、光軸OAに沿って導かれた光をY方向(本実施の形態では、用紙Pの搬送方向の下流側)に反射する第1ミラー214と、第1ミラー214が反射した光を上向きに反射する第2ミラー216と、を主要部として構成されている。さらに、結像光学系206は、第2ミラー216が反射した光を用紙Pの搬送方向の上流側に反射する第3ミラー218と、第3ミラー218が反射した光をCCDセンサ204に集光(結像)するレンズ220と、も主要部として構成されている。CCDセンサ204は、光軸OAに対し用紙Pの搬送方向の上流側に配置されている。
第1ミラー214のX方向の長さは、最大の用紙Pの幅よりも大とされている。そして、第1ミラー214〜第3ミラー218は、結像光学系206に入射された用紙Pからの反射光をそれぞれX方向(主走査方向)に絞りながら(集光しつつ)反射する。これにより、結像光学系206は、略円柱状のレンズ220に対し用紙Pの幅方向各部からの反射光を入射させる構成となっている。
以上の構成により、本実施の形態に係るインラインセンサ200では、CCDセンサ204が、結像された光、すなわち画像の濃度に応じた信号を、画像形成装置10の制御装置20(図1参照。)に出力(フィードバック)する。制御装置20は、インラインセンサ200からの信号に基づいて、画像形成ユニット16において形成される画像を補正する。本実施の形態に係る画像形成装置10では、一例として、露光装置40による照射光の強度等がインラインセンサ200からの信号に基づいて補正される。
また、結像光学系206における第3ミラー218とレンズ220との間には、光量絞り部224(224L、224S、224U)が設けられている。光量絞り部224は、光路をX方向に横切ってCCDセンサ204に結像する光の光量をZ方向(主走査方向との交差方向)に絞ると共に、外部から操作することで光量絞り量を調整可能に構成されている。光量絞り部224による光量絞り量は、経時により各ランプ212の発光量が変化してもCCDセンサ204に結像される光量が予め定められた量以上となるように調整される。
一方、設定部210は、X方向に長手の基準ロール226を備えている。基準ロール226は、用紙Pの画像の検出を行う際に搬送経路60側に向けられる検出基準面228と、用紙Pの画像の検出を行わない場合に搬送経路60側に向けられる退避面230と、を有する。さらに、基準ロール226は、白色基準面232と、多色のパターンが長手方向に沿って形成されたカラー基準面234と、複数の検査パターンが形成された複合検査面236と、を有する。本実施の形態では、基準ロール226は、周方向に8面以上の面が形成された多角形筒状に形成されている。さらに、本実施の形態では、検出基準面228、退避面230、カラー基準面234、および複合検査面236は各一面だけ設けられ、白色基準面232は2面設けられている。
基準ロール226は、回転軸226A周りに回転することで、搬送経路60側に向けられる面を切り替える構成とされている。この基準ロール226の面の切り替えは、回路基板262に設けられた制御回路100によって行われる。また、基準ロール226は、八角形以上の多角形筒状に形成されることで、各面の周方向中央と面間の角部との回転中心に対する距離差が小さく抑えられている。これにより、基準ロール226の各面と各ランプ212による光の照射位置(後述するウインドウガラス286)との距離を小さく抑えながら、基準ロール226の面間の角部が照射部202と干渉しない構成とされている。
検出基準面228は、周方向の幅が他の面よりも小とされており、その周方向両側の面は前述した各基準としての機能を有しない案内面238とされている。検出基準面228は、搬送される用紙Pの被検出(被読み取り)面を各ランプ212による照射位置に位置決めする位置基準面とされている。
退避面230は、周方向の幅が他の面よりも大とされている。この退避面230は、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行わない場合に、用紙Pを案内する案内面であり、検出基準面228よりも回転軸226Aの軸心からの距離が小とされている。これにより、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行わない場合には、インラインセンサ200による用紙Pの画像検出を行う場合よりも、照射部202(ウインドウガラス286)との間隔が広い搬送経路が形成されるようになっている。
白色基準面232は、照射部202と結像光学系206のキャリブレーション用であり、予め定められた信号がCCDセンサ204から出力される基準の白色フィルムが貼着されて構成されている。カラー基準面234も、照射部202と結像光学系206のキャリブレーション用であり、各色に応じて予め定められた信号がCCDセンサ204から出力される基準色のパターンが施されたフィルムが貼着されて構成されている。
複合検査面236は、基準ロール226の回転方向(用紙Pの搬送方向)におけるCCDセンサ204による検出位置をキャリブレーションするための位置調整パターンと、フォーカス検出パターンと、深度検出パターンと、が同一面に配置されて形成されている。
次に、本実施の形態に係るインラインセンサ200のキャリブレーションについて説明する。
本実施の形態では、インラインセンサ200のキャリブレーションとして、CCDセンサ204からの出力信号の上限値と下限値の調整を行うオフセット&ゲイン調整、および白色基準面232に対する読み取り画像のプロファイルを元に読み取り画像の照明分布を補正するシェーディング補正が行われる。また、本実施の形態では、インラインセンサ200のキャリブレーションとして、用紙Pの搬送方向におけるCCDセンサ204による検出位置の調整、CCDセンサ204の焦点および照明深度の確認も行われる。さらに、本実施の形態では、インラインセンサ200のキャリブレーションとして、カラー基準面234の基準色のパターンを読み取り、CCDセンサ204の読み取り値を補正するCCDキャリブレーション等も行われる。
これらのキャリブレーションの手順の一例としては、例えば、まず、白色基準面232が用紙Pの搬送経路60に向けられ、CCDセンサ204による白色基準面232の読み取り結果に基づいて、オフセット&ゲイン調整が行われる。その後に、上記白色基準面232の読み取り結果に基づいて、X方向(主走査方向)の光量分布を補正するシェーディング補正が行われる。
続いて、複合検査面236が用紙Pの搬送経路60に向けられ、上記位置調整パターンにより、用紙Pの搬送方向におけるCCDセンサ204による検出位置が調整される。
そして、上記フォーカス検出パターンによりCCDセンサ204の焦点が確認されると共に、上記深度検出パターンによりCCDセンサ204の照明深度が確認される。
さらに、カラー基準面234が用紙Pの搬送経路60に向けられ、CCDセンサ204によるカラー基準面234の読み取り結果に基づいて、各色において、予め定められた信号が出力されるようにCCDセンサ204の読み取り値が補正される。
なお、本実施の形態では、インラインセンサ200のキャリブレーションが実行されるタイミングとして、画像形成装置10の電源スイッチがオン状態とされたタイミングを適用しているが、これに限らない。例えば、当該キャリブレーションが実行されるタイミングとして、予め定められた枚数(例えば、1000枚)以上の用紙Pに画像が形成されたジョブ(1単位の画像形成処理)の終了毎、当該キャリブレーションを開始する旨の指示が受け付けられたタイミング等を適用してもよい。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10における制御装置20の電気系の要部構成について説明する。
図3に示すように、本実施の形態に係る制御装置20は、画像形成装置10の全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)20A、および各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)20Bを備えている。また、制御装置20は、CPU20Aよる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)20Cも備えている。さらに、制御装置20は、不揮発性の記憶部(本実施の形態では、一例としてフラッシュメモリ)20D、および入出力ポート20Eも備えている。
そして、これらの各部がアドレスバス、データバス、および制御バス等のバス20Fを介して互いに接続されている。また、入出力ポート20Eには、形成部404およびユーザ・インタフェース(UI)パネル30が接続されると共に、前述したランプ212および制御回路100が接続されている。さらに、制御回路100には、基準ロール226を回転駆動させる基準ロール回転モータ22、およびCCDセンサ204が接続されている。
本実施の形態に係る形成部404は、前述した画像形成工程の画像形成に関する各種処理を行う各構成部品を含んで構成されている。一方、本実施の形態に係るUIパネル30は、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等を含んで構成され、各種情報が上記ディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザが上記タッチパネルに触れることにより情報や指示が受け付けられる。なお、本実施の形態では、表示部および操作部としてUIパネル30を適用しているが、これに限らず、例えば、表示部として液晶ディスプレイ等を適用し、操作部としてテンキーや操作ボタン等を適用してもよい。
以上の構成により、形成部404は、CPU20Aからの指示に基づいて、画像形成処理を行う。また、CPU20Aは、UIパネル30により受け付けられた情報や指示を、入出力ポート20Eおよびバス20Fを介して取得することにより把握する。
ランプ212は、CPU20Aからの指示に基づいて、そのオンオフ(光の照射または非照射)が制御される。一方、制御回路100は、CPU20Aからの指示に基づいて、基準ロール回転モータ22の駆動を制御することにより、基準ロール226の面の切り替えを制御する。また、制御回路100は、CPU20Aからの指示に基づいて、前述したインラインセンサ200の各種キャリブレーションを行う。
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、温度、湿度等の環境条件の変化や、経年による装置内部における構成部品の状態の変化等に起因して、用紙Pに対する画像の形成位置が、想定している位置からずれてしまう場合がある。また、同様に、上記環境条件の変化や、保管状況等に起因して、用紙Pのサイズが、本来のA4、B4といった定型のサイズからずれてしまう場合がある。なお、以下では、用紙Pに対する画像の形成位置の想定している位置からのずれを単に「位置ずれ」といい、用紙Pの定型のサイズとのずれを単に「サイズずれ」という。
そこで、本実施の形態に係る画像形成装置10には、上記位置ずれを検出する位置ずれ検出機能、および上記サイズずれを検出するサイズずれ検出機能が搭載されている。
本実施の形態に係る画像形成装置10では、これらの機能を実行する動作モードとして、位置ずれ検出機能のみを実行する第1動作モード、および位置ずれ検出機能とサイズずれ検出機能の双方を実行する第2動作モードの何れか一方を選択的に適用するものとされている。但し、これに限らず、動作モードとして、サイズずれ検出機能のみを実行する動作モードも適用する形態としてもよい。
また、本実施の形態に係る画像形成装置10では、第1動作モードを実行するために第1確認用画像L1が予め用意されており、第2動作モードを実行するために第2確認用画像L2が予め用意されている。次に、図4〜図7を参照して、本実施の形態に係る第1確認用画像L1および第2確認用画像L2について詳細に説明する。なお、以下では、第1確認用画像L1および第2確認用画像L2を総称する場合は、単に「確認用画像」という。
図4には、本実施の形態に係る第1確認用画像L1の一例が示されている。なお、図4は、張力付与ロール41と対向ロール42との間の位置における中間転写ベルト34を図1における下側から見た図である。また、図4では、実際に形成対象とする画像が形成される領域に対応する領域が実線の矩形で示され、位置ずれが発生しなかった場合に用紙Pに転写される領域に対応する領域PAが一点鎖線の矩形で示されている。さらに、図4では、中間転写ベルト34の回転方向が矢印で示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る第1確認用画像L1は、領域PAの周縁部の各辺の各々毎に、対応する辺の延設方向とは交差(本実施の形態では、直交)する方向に延設された複数の直線が、予め定められた間隔(例えば、10mm間隔)で上記延設方向に沿って形成される画像である。すなわち、本実施の形態では、第1確認用画像L1として、4つのラダーパターンを採用している。ここで、第1確認用画像L1は、中間転写ベルト34の領域PAの各辺にラダーパターンの各直線の一端が外側から接するように、4つのラダーパターンが形成される画像である。なお、本実施の形態では、各ラダーパターンの各直線の長さは、画像形成装置10において生じ得る最大量の位置ずれが発生した場合でも用紙Pの周縁部に少なくとも一部が形成(転写)される長さとされている。
図5には、インラインセンサ200により読み取られた用紙Pの画像の一例が示されている。ここで、図5(A)は、位置ずれが発生しなかった場合の図であり、図5(B)は、位置ずれが図4における斜め左上方向に発生した場合の図である。
図5(A)に示すように、位置ずれが発生しなかった場合、用紙Pの周縁部に第1確認用画像L1が存在しない。一方、図5(B)に示すように、位置ずれが図4における斜め左上方向に発生した場合、図5(B)における用紙Pの右辺および下辺に対応する周縁部に、位置ずれの量IAに応じて、第1確認用画像L1の一部が形成される。従って、この場合、第1確認用画像L1の長さおよび形成位置から、位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向が検出される。
一方、図6には、本実施の形態に係る第2確認用画像L2の一例が示されている。なお、図6も、張力付与ロール41と対向ロール42との間の位置における中間転写ベルト34を図1における下側から見た図である。
同図に示すように、本実施の形態に係る第2確認用画像L2も第1確認用画像L1と同様に、領域PAの周縁部の各辺の各々毎に、対応する辺の延設方向とは交差(本実施の形態では、直交)する方向に延設された複数の直線が、予め定められた間隔(例えば、10mm間隔)で上記延設方向に沿って形成される画像である。ここで、第2確認用画像L2は、第1確認用画像L1と異なり、領域PAの周縁部に4つのラダーパターンの各直線の一端側の一部が形成される。なお、図6における領域PAの上辺のラダーパターンの各直線と下辺のラダーパターンの各直線とは、図6における左右方向の位置が同一の位置とされている。また、図6における領域PAの左辺のラダーパターンの各直線と右辺のラダーパターンの各直線とは、図6における上下方向の位置が同一の位置とされている。さらに、以下では、後述する図7に示すように、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の用紙Pの各辺に対応する周縁部に形成されるラダーパターンの各直線の長さを長さr1とする。
なお、本実施の形態では、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合に用紙Pに形成される各直線の長さは、画像形成装置10において生じ得る最大量の位置ずれが発生した場合で、かつ画像形成装置10において生じ得る最大量の伸縮が発生した場合でも、用紙Pの周縁部に少なくとも一部が形成(転写)される長さとされている。
図7には、インラインセンサ200により読み取られた用紙Pの画像の一例が示されている。なお、図7では、図7における用紙Pの画像の上部が拡大され、上辺の周縁部に形成されたラダーパターンが省略された状態で示されている。
ここで、図7(A)は、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の図であり、図7(B)は、位置ずれが図6における左方向に発生し、サイズずれが発生しなかった場合の図である。また、図7(C)は、位置ずれが発生せず、サイズずれが図6における左右方向に発生した場合の図であり、図7(D)は、位置ずれが図6における左方向に発生し、サイズずれが図6における左右方向に発生した場合の図である。
図7(A)に示すように、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合、用紙Pの図7(A)における左辺に対応する周縁部に形成された第2確認用画像L2の各直線(以下、「左直線」という。)は長さr1で形成される。さらに、この場合、用紙Pの図7(A)における右辺に対応する周縁部に形成された、図7(A)における上下方向が各左直線と同一の位置の第2確認用画像L2の各直線(以下、「右直線」という。)も長さr1で形成される。
一方、図7(B)に示すように、位置ずれが図6における左方向に長さR1に相当する長さだけ発生し、サイズずれが発生しなかった場合、用紙Pに、左直線は長さr1−R1で形成され、右直線は長さr1+R1で形成される。従って、この場合、左直線の長さと右直線の長さとの大小関係により、位置ずれの方向が検出される。また、この場合、左直線の長さと右直線の長さとの比率は、r1−R1:r1+R1となり、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の比率(r1:r1)とは異なる値となる。また、この場合、左直線の長さと右直線の長さとの和はr1+r1となり、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の和(r1+r1)と同じ値となる。さらに、この場合、次の式(1)に示すように、右直線(左直線)の長さから、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の右直線(左直線)の長さを減算することにより、位置ずれの量IAが導出される。
また、図7(C)に示すように、位置ずれが発生せず、サイズずれが図6における左右方向に長さR2に相当する長さだけ縮小することにより発生した場合、用紙Pに、左直線は長さr1−R2/2で形成され、右直線は長さr1−R2/2で形成される。この場合、左直線の長さと右直線の長さとの比率は、r1−R2/2:r1−R2/2となり、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の比率(r1:r1)と同じ値となる。また、この場合、左直線の長さと右直線の長さとの和はr1+r1−R2となり、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の和(r1+r1)と異なる値となる。さらに、次の式(2)に示すように、左直線の長さと右直線の長さとの和から位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の和を減算することにより、サイズずれの量SAが導出される。
そして、次の式(3)に示すように、図7における左右方向の用紙PのサイズPSとサイズずれの量SAとの和を用紙PのサイズPSで除算することによりサイズずれの倍率SBが導出される。
さらに、図7(D)に示すように、位置ずれが図6における左方向に長さR1に相当する長さだけ発生し、サイズずれが図6における左右方向に長さR2に相当する長さだけ縮小することにより発生した場合、用紙Pに、左直線は長さr1−R1−R2/2で形成され、右直線は長さr1+R1−R2/2で形成される。この場合、左直線の長さと右直線の長さとの比率は、r1−R1−R2/2:r1+R1−R2/2となり、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の比率(r1:r1)とは異なる値となる。また、この場合、左直線の長さと右直線の長さとの和はr1+r1−R2となり、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の和(r1+r1)と異なる値となる。また、上記式(2)の演算式を用いて、サイズずれの量SAが導出される。また、上記式(3)の演算式を用いて、サイズずれの倍率SBが導出される。さらに、次の式(4)に示すように、右直線(左直線)の長さから、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合の右直線(左直線)の長さと上記サイズずれの量SAの1/2の値を減算することにより、位置ずれの量IAが導出される。
なお、本実施の形態では、以上説明した確認用画像として、予め定められた濃度以下の濃度(例えば、黄色)の画像を適用しているが、これに限らず、他の濃度の画像を適用する形態としてもよい。また、確認用画像の濃度に応じて、インラインセンサ200のランプ212の光量を変える等、当該濃度が低くなるほどインラインセンサ200の読み取り感度を高くする形態としてもよい。
本実施の形態に係る画像形成装置10では、前述した第1確認用画像L1および第2確認用画像L2が、一例として図8に模式的に示すように、確認用画像情報として記憶部20Dに予め記憶されている。
同図に示すように、本実施の形態に係る確認用画像情報では、第1確認用画像L1および第2確認用画像L2が、画像形成に用いる用紙のサイズ毎で、かつ用紙の縦置き/横置き(同図では、「縦/横」と表記。)の別毎に、記憶部20Dに個別に記憶されている。なお、同図における「用紙内の長さ」は、前述した、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合でも用紙Pに形成される第2確認用画像L2の各直線の長さを示す情報である。
以上のように、本実施の形態に係る画像形成装置10では、各確認用画像の画像情報そのものを確認用画像情報として記憶しているが、これに限らず、対応する画像情報の記憶位置を示す情報を、上記画像情報そのものに代えて適用する形態等としてもよい。
次に、図9を参照して、本実施の形態に係る位置ずれ検出機能およびサイズずれ検出機能を実行する場合の画像形成装置10の構成を説明する。なお、図9は、この場合の画像形成装置10の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置10は、取得部400、検出部402、および形成部404を備えている。
本実施の形態に係る取得部400は、用紙Pに対する画像の形成位置が想定している位置の場合と画像の形成位置が想定している位置からずれた場合とで、用紙Pの周縁部における形成状態が異なる確認用画像を形成するための画像情報を取得する。具体的には、本実施の形態に係る取得部400は、記憶部20Dから用紙Pのサイズおよび縦置き/横置きの別に応じた第1確認用画像L1または第2確認用画像L2を形成するための画像情報を取得する。なお、本実施の形態では、上記用紙Pのサイズおよび縦置き/横置きの別は、画像形成を開始する旨の指示を示す情報に付加された情報から取得される。そして、本実施の形態に係る形成部404は、取得部400によって取得された画像情報を使用して画像形成処理を行う。
一方、インラインセンサ200は、前述したように、用紙Pを読み取ることによって得られた画像に応じた信号を出力する。そして、本実施の形態に係る検出部402は、インラインセンサ200から出力された信号を受信し、当該信号に基づいて、位置ずれの状態を検出すると共に、サイズずれの状態を検出する。
前述したように、本実施の形態に係る検出部402は、第1動作モードで動作する場合、用紙Pの周縁部に形成された第1確認用画像L1の各直線の長さおよび形成位置に基づいて、位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向を検出する。
一方、前述したように、本実施の形態に係る検出部402は、第2動作モードで動作する場合、位置ずれおよびサイズずれが何れも発生しなかった場合と位置ずれおよびサイズずれの少なくとも一方が発生した場合とにおける第2確認用画像L2の、用紙Pの左辺および右辺に形成された上下方向の位置が同一の各直線、および用紙Pの上辺および下辺に形成された左右方向の位置が同一の各直線の長さに基づいて、各直線の位置における位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向とサイズずれの倍率SBおよびサイズずれの方向とを検出する。
ところで、以上のように構成された画像形成装置10の取得部400および検出部402の各構成要素による処理は、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現してもよい。但し、ソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現してもよいことは言うまでもない。なお、上記各構成要素をハードウェア構成により実現する場合の形態例としては、当該各構成要素と同様の処理を実行する機能素子を作成して適用する形態が例示される。
以下では、上記各構成要素が、上記プログラムを実行することにより、当該各構成要素による処理を実現するものとされている場合について説明する。この場合、対応するプログラムを画像形成装置10に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等を適用してもよい。
次に、図10〜図12を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。
まず、図10を参照して、前述した第1動作モードおよび第2動作モードの何れかを選択的に実行する場合の画像形成装置10の作用を説明する。なお、図10は、画像形成装置10の電源スイッチがオン状態とされた際に、CPU20Aにより実行されるずれ状態検出処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、本実施の形態では、当該プログラムがROM20Bに予め記憶されている。なお、本実施の形態では、当該プログラムが実行されるタイミングとして、上記電源スイッチがオン状態とされたタイミングを適用しているが、これに限らない。例えば、上記タイミングとして、UIパネル30等を介して位置ずれおよびサイズずれの検出を開始する旨の指示が受け付けられたタイミングを適用してもよい。また、上記タイミングとして、予め定められた枚数(例えば、1000枚)以上の用紙Pに画像が形成されたジョブ(1単位の画像形成処理)の終了毎のタイミングを適用してもよい。
同図のステップS100では、CPU20Aは、予め定められたフォーマットとされた動作モード選択画面を表示するようにUIパネル30を制御し、次のステップS102にて、CPU20Aは、所定情報の入力待ちを行う。
図11には、上記動作モード選択画面の表示状態の一例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る動作モード選択画面には、所望の動作モードを示す情報(本実施の形態では、第1動作モードおよび第2動作モード)を指定するための領域A1、A2が、対応する動作モードと共に表示される。
図11に示される動作モード選択画面がUIパネル30に表示されると、ユーザは、第1動作モードを実行させる場合は領域A1を、指先等を用いてポインティング指定する。このポインティング指定の後、ユーザは、当該動作モード選択画面の下端部近傍に表示されている終了ボタンをポインティング指定する。これに対し、ユーザは、第2動作モードを実行させる場合は領域A2をポインティング指定した後、終了ボタンをポインティング指定する。上記終了ボタンがポインティング指定されると、上記ステップS102が肯定判定となって、CPU20Aは、ステップS104の処理に移行する。
ステップS104では、CPU20Aは、上記動作モード選択画面での指定結果に基づいて、上記動作モード選択画面で第1動作モードが指定されたか否かを判定することにより、検出対象が位置ずれのみであるか否かを判定する。CPU20Aは、この判定が肯定判定となった場合はステップS106の処理に移行する。
ステップS106では、CPU20Aは、記憶部20Dから用紙Pのサイズおよび縦置き/横置きの別に応じた第1確認用画像を形成するための画像情報(以下、「第1確認用画像情報」という。)を読み出すことにより取得する。次のステップS108では、CPU20Aは、上記ステップS106の処理によって取得した第1確認用画像情報を使用して、形成部404に対して第1確認用画像を形成させる制御を行う。
次のステップS110では、CPU20Aは、インラインセンサ200に対して検出基準面228を搬送経路60に向けた状態で用紙Pを読み取らせる制御を行い、インラインセンサ200により読み取られた画像を取得する。次のステップS112では、CPU20Aは、前述したように、上記ステップS110の処理によって取得した画像の周縁部における第1確認用画像の各直線の長さおよび形成位置に基づいて位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向を検出する。次のステップS114では、CPU20Aは、上記ステップS112の処理によって検出した位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向を記憶部20Dに記憶し、その後に本ずれ状態検出処理プログラムを終了する。
一方、上記ステップS104において、CPU20Aは、否定判定となった場合は、ステップS116の処理に移行する。ステップS116では、CPU20Aは、記憶部20Dから用紙Pのサイズおよび縦置き/横置きの別に応じた第2確認用画像を形成するための画像情報(以下、「第2確認用画像情報」という。)を読み出すことにより取得する。次のステップS118では、CPU20Aは、上記ステップS116の処理によって取得した第2確認用画像情報を使用して、形成部404に対して第2確認用画像を形成させる制御を行う。
次のステップS120では、CPU20Aは、上記ステップS110の処理と同様に、インラインセンサ200により読み取られた用紙Pの画像を取得する。次のステップS122では、CPU20Aは、記憶部20Dから上記ステップS116の処理で取得した第2確認用画像情報に関連付けられて記憶されている、前述した第2確認用画像の用紙P内の長さを示す情報を読み出すことにより取得する。次のステップS124では、CPU20Aは、前述したように、上記ステップS120の処理によって取得した画像の周縁部における第2確認用画像の各直線の長さ、および上記ステップS122の処理によって取得した情報に基づいて、位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向とサイズずれの倍率SBおよびサイズずれの方向とを検出する。次のステップS126では、CPU20Aは、上記ステップS124の処理によって検出した位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向とサイズずれの倍率SBおよびサイズずれの方向とを記憶部20Dに記憶し、その後に本ずれ状態検出処理プログラムを終了する。
次に、図12を参照して、通常の画像形成を行う際の画像形成装置10の作用を説明する。なお、図12は、外部装置から形成対象とする画像を示す画像情報(以下、「処理対象画像情報」という。)が受け付けられた際に、CPU20Aにより実行される画像形成処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。また、本実施の形態では、当該プログラムはROM20Bに予め記憶されている。
同図のステップS200では、CPU20Aは、記憶部20Dから位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向を読み出す。次のステップS202では、CPU20Aは、処理対象画像情報に対し、上記ステップS202の処理によって読み出した位置ずれの方向に対する位置ずれの量IAの位置ずれを補正する画像処理を行うことにより位置ずれが補正された画像情報を生成する。なお、本実施の形態では、この位置ずれを補正する画像処理として、画像を上記位置ずれの方向と逆方向に、位置ずれの量IAに相当する量だけ平行移動させる画像処理を適用している。
次のステップS204では、CPU20Aは、記憶部20Dからサイズずれの倍率SBおよびサイズずれの方向を読み出す。次のステップS206では、CPU20Aは、上記ステップS204の処理によってサイズずれの倍率SBおよびサイズずれの方向が読み出されたか否かを判定する。CPU20Aは、この判定が肯定判定となった場合はステップS208の処理に移行する一方、否定判定となった場合にはステップS210の処理に移行する。
ステップS208では、CPU20Aは、上記ステップS202の処理によって生成した画像情報に対し、上記ステップS204の処理によって取得したサイズずれの方向に対するサイズずれの倍率SBのサイズずれを補正する画像処理を行うことによりサイズずれが補正された画像情報を生成する。なお、本実施の形態では、このサイズずれを補正する画像処理として、画像をサイズずれの方向に対してサイズずれの倍率SBに相当する倍率だけ縮小または拡大する画像処理を適用している。
ステップS210では、CPU20Aは、以上の処理によって生成した画像情報を使用して、形成部404に対して画像を形成させる制御を行い、本画像形成処理プログラムを終了する。
以上、実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記実施の形態では、画像形成装置10により位置ずれおよびサイズずれを検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施の形態と同様の確認用画像を形成する処理を経た用紙Pをユーザが参照することにより位置ずれおよびサイズずれの少なくとも一方を把握する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、用紙Pの形状として、矩形を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、用紙Pの形状として、矩形以外の多角形、円形等の他の形状を適用する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、位置ずれが発生した場合に第1確認用画像L1が形成される用紙Pの領域として、用紙Pの各辺に対応する4つの周縁部を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図13に示すように、当該領域として、上記4つの周縁部の少なくとも1つを適用する形態としてもよい。なお、当該領域として、図13(A)は1つの周縁部を適用した例を示す図であり、図13(B)は2つの周縁部を適用した例を示す図であり、図13(C)は3つの周縁部を適用した例を示す図である。
また、上記実施の形態では、確認用画像のみを形成する処理を行い、位置ずれおよびサイズずれを検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、通常の画像形成と同時に、上記実施の形態と同様の確認用画像を形成する処理を行う形態としてもよい。なお、この場合、上記通常の画像に加えて確認用画像も用紙Pに形成される場合もあるが、確認用画像は用紙Pの周縁部に形成されるため、その影響は少ない。
従って、位置ずれおよびサイズずれを検出するために、ユーザによる画像形成装置10の通常の利用を妨げる可能性が低く、生産性の低下が抑制される。さらに、この場合、画像形成装置10のインラインセンサ200と排出ロール198との間に、用紙Pを裁断する裁断部を設け、当該裁断部により用紙Pの確認用画像が形成される可能性がある領域を裁断する形態としてもよい。これにより、最終的な用紙Pへの確認用画像の残存が防止される。
また、上記実施の形態では、確認用画像として、ラダーパターンを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、確認用画像として、ハーフトーン画像等の濃淡が表現される画像を適用する形態としてもよい。この場合の形態例としては、確認用画像として、長尺状で、かつ短手方向の幅が上記実施の形態におけるラダーパターンの長さと同様のハーフトーン画像が例示される。なお、この場合、上記実施の形態の確認用画像の各直線の長さに代えて、当該ハーフトーン画像の短手方向の幅を用いることにより、位置ずれおよびサイズずれの少なくとも一方が検出される。
また、上記実施の形態では、確認用画像として、第1動作モードと第2動作モードとで異なる確認用画像を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、確認用画像として、第1動作モードと第2動作モードとで共通の確認用画像を適用する形態としてもよい。この場合、確認用画像として、図14に示すように、第1確認用画像L1と同様の直線と第2確認用画像L2と同様の直線とが配列方向に対して、所定の割合で周期的に用いられた確認用画像L3が例示される。また、この場合、第1動作モードでは、用紙Pに形成された場合の上記第1確認用画像L1と同様の直線の長さと形成位置に基づいて、上記実施の形態と同様の処理により位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向が検出される。さらに、この場合、第2動作モードでは、用紙Pに形成された上記第2確認用画像L2と同様の直線の長さに基づいて、上記実施の形態と同様の処理により、位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向とサイズずれの倍率SBおよびサイズずれの方向とが検出される。
また、上記実施の形態では、位置ずれおよびサイズずれを検出する処理に先立ち、画像形成装置10の筐体の内部に設けられたインラインセンサ200により用紙Pの画像を読み取る場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置10の筐体の外部に設けられたスキャナ等の画像読み取り装置により用紙Pの画像を読み取る形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、検出対象として、位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向とサイズずれの倍率SBおよびサイズずれの方向を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、検出対象として、位置ずれの有無およびサイズずれの有無を適用する形態としてもよい。この場合、例えば、位置ずれの量IAおよびサイズずれの量SAが予め定められた範囲外であるか否か等により位置ずれの有無およびサイズずれの有無を検出する形態が例示される。さらに、この場合、検出した位置ずれの有無およびサイズずれの有無をUIパネル30等の表示部に表示する形態が例示される。
また、上記実施の形態では、第1動作モードで用いる確認用画像として、中間転写ベルト34の領域PAの周縁部に形成されず、領域PAの外側に形成される第1確認用画像L1(図4参照。)を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図15に示すように、当該確認用画像として、中間転写ベルト34の領域PAの外側に形成されず、領域PAの周縁部に形成される第1確認用画像L4を適用する形態としてもよい。これにより、用紙Pに二次転写された後の中間転写ベルト34上に残るトナー画像の量が低減される。また、この場合、位置ずれが発生した場合に用紙Pの周縁部に形成された各直線の長さから位置ずれが発生しなかった場合の各直線の長さを減算することにより、位置ずれの量IAが導出される。そして、位置ずれにより長さが変わった各直線の形成位置に基づいて、位置ずれの方向が検出される。
さらに、この場合、位置ずれが発生した場合、ずれ量に応じた長さの第1確認用画像L4の各直線の一部が、転写位置Tで用紙Pに二次転写されず中間転写ベルト34上にトナー画像として残る。そこで、例えば、図1の除去装置46と二次転写ロール62との間における中間転写ベルト34を挟んで巻掛ロール44に対向する位置に、中間転写ベルト34上のトナー画像を読み取るセンサを設ける。そして、当該センサによる読み取り結果に基づいて、位置ずれが発生した場合に中間転写ベルト34上に残るトナー画像の各直線の長さおよび残存位置を検出することにより位置ずれの量IAおよび位置ずれの方向を検出する形態が例示される。
また、上記実施の形態では、特に言及しなかったが、確認用画像の形成に必要なトナーの残量の割合が予め定められた閾値(例えば、20%)以下となった場合に、ラダーパターンの直線の数を減らしたり、当該直線の長さを短くしたりすること等により、確認用画像の形成量を減らす形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、位置ずれの補正を画像処理により行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、位置ずれの補正を、用紙Pの主走査方向の搬送位置、搬送速度、用紙Pを記録媒体収容部48から送り出すタイミング等を変えることにより行う形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、記憶部20Dから取得した画像情報を使用して確認用画像を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、サーバ・コンピュータ等の外部装置から通信回線を介して取得した画像情報を使用して確認用画像を形成する形態としてもよい。また、例えば、ユーザによりUIパネル30等を介して確認用画像の形状、長さ、形成位置、濃度等の情報が指定され、指定された情報を使用して確認用画像を形成する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、位置ずれが図4における縦方向、横方向に発生した場合における位置ずれを検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像が図4における平面方向に回転した状態で形成された場合(すなわち、画像が用紙Pに対して斜めにずれて形成された場合)においても、上記実施の形態における位置ずれの検出処理と同様の処理により、位置ずれの検出を行う形態としてもよい。この場合、例えば、用紙Pの各辺の周縁部における第1確認用画像L1の各直線の長さに基づいて、位置ずれの量IAおよび画像の回転方向が検出される。
さらに、上記実施の形態では、画像形成装置10として、電子写真方式を用いた画像形成装置を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置10として、インクジェット方式を用いた画像形成装置を適用する形態としてもよい。
その他、上記実施の形態で説明した画像形成装置の構成(図1〜図3参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
また、上記実施の形態で説明した各種プログラムの処理の流れ(図10、図12参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
また、上記実施の形態で示した動作モード選択画面の構成(図11参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、一部の情報を削除したり、新たな情報を追加したり、表示位置を変えたりすることができることは言うまでもない。
さらに、上記実施の形態で示した確認用画像情報の構成(図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、一部の情報を削除したり、新たな情報を追加したり、記憶位置を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。