JP6294764B2 - スプロケット及び伝動機構 - Google Patents
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Description
スプロケットの歯がチェーンと噛み合うことによって、複数のスプロケットの間で、タイミングと回転力が確実に伝えられるが、噛み合いに伴って騒音や振動が発生することは避けられない。
この騒音や振動を低減するためのチェーンとして、幅方向に多数のリンクプレートを屈曲可能に連結し、リンクプレートに設けられた歯部がスプロケットの歯と噛み合うサイレントチェーンが知られている。
従来、サイレントチェーンが掛け回されるスプロケット500の歯510の噛合部511は、幅方向の全てのリンクプレートに対して均等に噛み合うように、図7、図8に示すように、全ての高さ位置(図8では、歯先に近い側からt1、t2、t3の3位置を示した。)において、それぞれ幅方向で円周方向厚さが同じとなる形状に形成、すなわち、図8に示すt1断面、t2断面及びt3断面において、円周方向両側の噛合部511が平行となる形状に形成されており、サイレントチェーンに対して均一に噛み合って力が伝達されるように構成されている。
また、スプロケットが片持ち支持の場合、スプロケットの回転軸の撓みも発生しやすく、サイレントチェーンとスプロケットのアライメントがずれてサイレントチェーンを幅方向の片方に偏奇させる力が発生し、サイレントチェーンに偏荷重がかかるのみならず、サイレントチェーンのガイドリンクがスプロケットの歯の側面と強く接触して振動や騒音がさらに増加したり、最悪の場合、噛合が外れるおそれもあった。
しかしながら、サイレントチェーンの連結ピンが撓んだりスプロケットの回転軸が撓んだりするような場合には、スプロケットの歯の噛合部とサイレントチェーンとが幅方向で均一に接触して力を伝達することに関しては格別に寄与するものではなく、また、アライメントのずれによる幅方向の片方に偏奇させる力の発生を直接防止するものではなかった。
また、チェーンに張力がかかった際のチェーンの連結ピンやスプロケットの回転軸が撓む分を、歯の形状で補完するように形状を設定することができるため、スプロケットの歯の噛合部とチェーンとが幅方向で均一に接触して力を伝達し、チェーンの幅方向の偏荷重を抑制するとともに、アライメントのずれによる幅方向の片方に偏奇させる力の発生を抑制し、振動や騒音の発生を抑制し、噛合が外れることを防止することができる。
さらに、チェーンの張力に応じて連結ピンやスプロケットの回転軸の撓みが変化するが、それに応じた最適な形状を設定することで、フリクションや騒音の低減、チェーンの幅方向の偏荷重の抑制、歯飛びや噛合が外れることの防止等の各種作用を、使用条件に応じて最適化することが可能となる。
このことで、噛み合い始めはチェーンの幅方向の一部のみ接触し、着座時に幅方向で均一に接触するように形状を設定することで、チェーンの噛合時の騒音や振動を低減しつつ、着座時のチェーンの幅方向の偏荷重を抑制することが可能となる。
本請求項2に記載の構成によれば、歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の端部から中央部に向かって円周方向厚さが大きくなる形状に形成されていることにより、チェーンの連結ピンの撓みが小さい時には、幅方向中央部においてチェーンと歯が接触し、撓みが大きくなるにつれて幅方向全体で接触することとなるため、低負荷時には幅方向の一部で接触してフリクションや騒音を低減し、高負荷の際には幅方向で均一に接触してチェーンの幅方向の偏荷重を抑制し、チェーンの強度を充分に保つことができる。
本請求項4に記載の構成によれば、歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置から、一方の端部に向けての円周方向厚さの変化量と他方の端部に向けての円周方向厚さの変化量とを異なるものとした形状に形成されていることにより、連結ピンの撓みとスプロケットの回転軸の撓みが重畳した際にも最適な形状とすることが可能となる。
本請求項6に記載の構成によれば、少なくとも2つのスプロケットの歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置がそれぞれ異なる、又は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置から少なくともいずれかの端部に向けての円周方向厚さの変化量がそれぞれ異なる、あるいは前記幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置と前記円周方向厚さの変化量の両方がそれぞれ異なることにより、複数のスプロケットでチェーンとの接触状態を異なるものとすることができ、接触音の次数を異ならしめてトータルでの騒音を低減することができる。
スプロケットに掛け回されるチェーンは、サイレントチェーン、ローラチェーン、ブシュチェーン等いかなるものであってもよく、また、スプロケットの歯と噛み合う構造のものであれば、タイミングベルト等の可撓性伝動部材であってもよい。
なお、以下の説明で参照する図面は、寸法の関係性をわかりやすくするため、幅方向の寸法より円周方向の寸法を誇張して表示している。
歯110の噛合部111は、所定の高さ位置、本実施形態においては少なくとも歯高さt1〜t3の位置を含む領域において、円周方向厚さが幅方向の中央で最も厚くなり、中央から両端部にかけて同じように対称的に薄くなるクラウニング形状に形成されている。
また、本実施形態のクラウニング形状は、図2に示すように、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量を大きくした以下の寸法関係を有する形状に形成されている。
wb1:歯先112に近い高さt1での幅方向の中央の円周方向厚さ
wa2:中間付近の高さt2での幅方向の端部の円周方向厚さ
wb2:中間付近の高さt2での幅方向の中央の円周方向厚さ
wa3:歯底113に近い高さt3での幅方向の端部の円周方向厚さ
wb3:歯底113に近い高さt3での幅方向の中央の円周方向厚さ
とした時、
wb1<wb2<wb3
wb1−wa1>wb2−wa2>wb3−wa3
の関係となっている。
また、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量が大きいため、歯110の噛合部111とサイレントチェーンの最初の接触時には幅方向の中央のみとなり、着座までに徐々に幅方向の全体が接触することとなるため、単位時間あたりの接触衝撃が減少し、トータルでの騒音や振動が低減される。
また、クラウニング形状を構成する歯110の断面の噛合部111側の曲線は、円弧、サインカーブ、自由曲線等いかなるものであってもよく、直線部分が含まれていてもよい。
また、円周方向の両側で異なる形状としてもよい。
歯210の噛合部211は、所定の高さ位置、本実施形態においては少なくとも歯高さt1〜t3の位置を含む領域において、円周方向厚さが幅方向の一方の端部(図示では右側端部)で最も厚くなり、他方の端部(図示では左側端部)にかけて薄くなるクラウニング形状に形成されている。
また、本実施形態のクラウニング形状は、図4に示すように、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量を大きくした以下の寸法関係を有する形状に形成されている。
wb1:歯先212に近い高さt1での幅方向の一方の端部の円周方向厚さ
wa2:中間付近の高さt2での幅方向の他方の端部の円周方向厚さ
wb2:中間付近の高さt2での幅方向の一方の端部の円周方向厚さ
wa3:歯底213に近い高さt3での幅方向の他方の端部の円周方向厚さ
wb3:歯底213に近い高さt3での幅方向の一方の端部の円周方向厚さ
とした時、
wb1<wb2<wb3
wb1−wa1>wb2−wa2>wb3−wa3
の関係となっている。
伝動機構では、ハウジング220に設けられた2つのスプロケット200、500にサイレントチェーンCH(説明のためスプロケット200、500向こう側のみを図示)が掛け回されている。
一方のスプロケット500(図面左側)は、両持回転軸221によってハウジング220に両持ちで支持され、他方のスプロケット200(図面右側)は、片持回転軸222によってハウジング220に片持ちで支持されている。
なお、図示左のスプロケット500は、前述の第1実施形態の形状としてもよい。
さらに、図6に示すように、幅方向の中央よりも一方の端部寄りで最も円周方向厚さが大きく、そこから、両端部にかけて薄くなり、両端部で厚さが異なるクラウニング形状に形成してもよい。
このように構成することで、負荷時の片持回転軸222撓みが僅かな場合でも、幅方向で均一に接触することができ、かつ、歯の噛合部とサイレントチェーンの最初の接触時には幅方向の中央となり、着座までに徐々に幅方向の全体が接触することとなるため、単位時間あたりの接触衝撃が減少し、トータルでの騒音や振動が低減される。
110、210、510 ・・・ 歯
111、211、511 ・・・ 噛合部
112、212、512 ・・・ 歯先
113、213、513 ・・・ 歯底
114、214、514 ・・・ 中心軸孔
220 ・・・ ハウジング
221 ・・・ 両持回転軸
222 ・・・ 片持回転軸
CH ・・・ サイレントチェーン
Claims (6)
- 本体の周面に複数の歯が形成され、チェーンが掛け回されるスプロケットであって、
前記歯の噛合部は、所定の高さ位置において、円周方向厚さが幅方向で連続的に変化する形状に形成され、
前記歯の噛合部は、歯先に近いほど幅方向での円周方向厚さの変化量を大きくした形状に形成されていることを特徴とするスプロケット。 - 前記歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の端部から中央部に向かって円周方向厚さが大きくなる形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
- 前記歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の中央以外で最も円周方向厚さが大きくなる形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスプロケット。
- 前記歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置から、一方の端部に向けての円周方向厚さの変化量と他方の端部に向けての円周方向厚さの変化量とを異なるものとした形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスプロケット。
- 複数のスプロケットと、前記複数のスプロケットに掛け回されるチェーンとを有する伝動機構であって、
少なくとも1つのスプロケットが、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたスプロケットであることを特徴とする伝動機構。 - 少なくとも2つのスプロケットが、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたスプロケットであり、
前記少なくとも2つのスプロケットの歯の噛合部は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置がそれぞれ異なる、又は、所定の高さ位置において、幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置から少なくともいずれかの端部に向けての円周方向厚さの変化量がそれぞれ異なる、あるいは、前記幅方向の最も円周方向厚さが大きくなる位置と前記円周方向厚さの変化量の両方がそれぞれ異なることを特徴とする請求項5に記載の伝動機構。
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