JP6294190B2 - 圧電アクチュエータおよびこれを備えたスピーカー - Google Patents

圧電アクチュエータおよびこれを備えたスピーカー Download PDF

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Description

本発明は、自動車エンジンの燃料噴射装置、インクジェット等の液体噴射装置、XYテーブルの精密位置決め装置、マスフローコントローラ、スピーカー等に用いられる圧電アクチュエータおよびこれを備えたスピーカーに関するものである。
圧電アクチュエータとして、例えば、圧電体層および内部電極層が複数積層された柱状の積層体と、この積層体の対向する一対の側面にそれぞれ設けられた外部電極とを含む積層型圧電素子を、金属ケースの内部に収容して封止したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。なお、積層型圧電素子においては、外部電極を積層体に接合する際に樹脂を含む導電性接着剤が用いられたり、積層体を被覆するように樹脂を用いた被覆層が設けられたりする場合がある。
特開2001−111125号公報
近年、更に高温で使用できる圧電アクチュエータが求められている。ここで、積層型圧電素子を金属ケースで封止した圧電アクチュエータは、高温環境下におかれた状態あるいは駆動時の自己発熱により温度上昇して高温の状態になると、上述の積層型圧電素子に含まれる樹脂が分解して揮発し、その後冷却されたときに水分、酸成分となって金属ケース内に留まるおそれがある。そして、この水分により湿度が上昇したり、酸成分による電解性物質が存在したりすることで、内部電極層に用いられる導体成分(Ag)がイオン化されやすくなり、導体成分(Ag)のマイグレーションが加速され、積層型圧電素子が短絡するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は高温下においても、積層型圧電素子の短絡が抑制された長期間安定して駆動する圧電アクチュエータおよびこれを備えたスピーカーを得ることである。
本発明の圧電アクチュエータは、積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の上端および下端が内壁に当接するように前記積層型圧電素子を収容した金属ケースとを含み、前記金属ケースは、前記積層型圧電素子の下面に上面が当接された基体と、前記積層型圧電素子の上面に下面が当接された蓋体と、下端部が前記基体に接合されるとともに上端部が前記蓋
体に嵌合されてなる筒体とを備え、前記蓋体と前記筒体との嵌合領域において屈曲した通気孔を有しているとともに、前記蓋体が前記筒体の内側に嵌め込まれており、前記通気孔が前記筒体に設けられた貫通孔と前記蓋体の外壁に設けられた溝とからなることを特徴とするものである。
また本発明は、前記圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータの端面が固着された振動板とを有していることを特徴とするスピーカーである。
本発明によれば、高温下においても導体成分(Ag)のマイグレーションを抑止することができ、積層型圧電素子の短絡が抑制された長期間安定して駆動する圧電アクチュエータおよびこれを備えたスピーカーを実現できる。
(a)は本発明の圧電アクチュエータについて実施の形態の一例を示す概略断面図、(b)は(a)に示す領域Aの拡大図である。 図1に示す積層型圧電素子の概略斜視図である。 図1に示す圧電アクチュエータの要部拡大正面図である。 図1に示す圧電アクチュエータの蓋体を省略した平面透視図である。 本発明のスピーカーについて実施の形態の一例を示す断面図である。
以下、本発明の圧電アクチュエータの実施の形態の例について図面を参照して説明する。
図1(a)は本発明の圧電アクチュエータについて実施の形態の一例を示す概略断面図、図1(b)は図1(a)に示す領域Aの拡大図であり、図2は図1に示す積層型圧電素子の概略斜視図である。
図1に示す圧電アクチュエータ1は、積層型圧電素子2と、当該積層型圧電素子2の上端および下端が内壁に当接するように積層型圧電素子2を収容した金属ケース3とを含み、金属ケース3が屈曲した通気孔30を有している。
積層型圧電素子2は、図2に示すように、例えば圧電体層21と内部電極層22とが交互に複数積層された活性部23と、活性部23の積層方向の両端に配置された圧電体層21から成る不活性部24とを有する積層体20を備えた圧電素子である。ここで、活性部23は駆動時に圧電体層21が積層方向に伸長または収縮する部位であり、不活性部24は駆動時に圧電体層21が積層方向に伸長または収縮しない部位である。
積層型圧電素子2を構成する積層体20は、例えば縦4〜7mm、横4〜7mm、高さ20〜50mm程度の直方体状に形成されている。なお、図2に示す積層体20は、四角柱形状であるが、例えば六角柱形状や八角柱形状などであってもよい。
積層体20を構成する複数の圧電体層21は、圧電特性を有する圧電磁器(圧電セラミックス)からなり、当該圧電磁器は平均粒径が例えば1.6〜2.8μmに形成されたものである。圧電磁器としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)等からなるペロブスカイト型酸化物、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)などを用いることができる。
また、内部電極層22は、例えば銀、銀−パラジウム、銀−白金、銅などで形成されたものであり、例えば正極と負極とがそれぞれ積層体20の対向する一対の側面に互い違いに導出されている。この構成により、活性部23において、積層方向に隣り合う内部電極層22同士の間に挟まれた圧電体層21に駆動電圧を印加するものである。
なお、積層体20には、応力を緩和するための層であって内部電極層22として機能しない多孔質の金属層等が含まれていてもよい。
そして、内部電極層22の正極と負極とが互い違いに導出された積層体20の対向する一対の側面には、それぞれ外部電極25が被着され、導出された内部電極層22と接合されている。外部電極25は、例えば銀およびガラスの焼結体からなるメタライズ層であり、内部電極層22と電気的に導通されている。なお、後述するように、外部電極25にはリード線11がはんだ12によって取り付けられていて、リード線11を介して駆動電圧が印加されるようになっている。
一方、積層体20の対向する他の一対の側面には、内部電極層22の正極および負極の
両極が露出しており、この側面には例えば酸化物からなる被覆層26が形成されている。被覆層26の形成により、駆動時に高電圧をかけた際に発生する両極間での沿面放電を防止することができる。この被覆層26を形成する酸化物としては、セラミック材料が挙げられ、特に、圧電アクチュエータを駆動した際の積層体20の駆動変形(伸縮)に追随でき、被覆層26が剥がれて沿面放電が生じるおそれのないように、応力によって変形可能な材料であることが好ましい。具体的には、応力が生じると局所的に相変態して体積変化して変形可能な部分安定化ジルコニア、Ln1−XSiAlO3+0.5X(Lnは、Sn,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,TmおよびYbのうちから選ばれるいずれか少なくとも一種を示す。x=0.01〜0.3)などのセラミック材料、あるいは、生じた応力を緩和するように結晶格子内のイオン間距離が変化するチタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの圧電材料が挙げられる。この被覆層26は、例えばインク状にした後、ディッピングやスクリーン印刷によって積層体20の側面に塗布され、焼結することによって形成される。
そして、圧電アクチュエータ1は、積層型圧電素子2の上端および下端が内壁に当接するように積層型圧電素子2を収容した金属ケース3を含み、金属ケース3が屈曲した通気孔30を有している。
ここで、圧電アクチュエータ1を構成する金属ケース3は、例えば図1に示すように、積層型圧電素子2の下面に上面が当接された基体31と、積層型圧電素子2の上面に下面が当接された蓋体32と、下端部が基体31に接合されるとともに上端部が蓋体32に嵌合されてなる筒体33とを備えている。
金属ケース3を構成する筒体33は、例えばSUS304やSUS316Lなどの金属材料からなり、所定の形状でシームレス管を作製した後、圧延加工や静水圧プレスなどによりベロー(蛇腹)形状に形成したものである。この筒体33は、積層型圧電素子2に電圧を印加した際に積層型圧電素子2(積層体20)の伸縮に追従できるように、所定のバネ定数を有しており、厚み、溝形状および溝数によってそのバネ定数が調整されている。そして、筒体33の上端部(蓋体32側の端部)は円筒状に形成されたものであるが、筒体33の下端部(基体31側の端部)は径方向外側に向かって広がるいわゆるラッパ状に形成されたものである。このように、筒体33の下端部がラッパ状になっていることで、筒体33が鍔部を有するような構造になっている。そして、後述するように、下端部が基体31に接合されるとともに上端部が蓋体32に嵌合されている。
また、金属ケース3を構成する基体31は、例えばSUS304やSUS316Lなどの金属材料で円板状に形成されたもので、図では周縁部が薄肉になっている。また、基体31にはリードピン13を挿通可能な貫通孔が2つ形成されており、リード線11と電気的に接続されたリードピン13を貫通孔に挿通させて外部電極25と外部回路とを電気的に接続できるようになっている。そして、貫通孔の隙間には軟質ガラス14が充填されていて、リードピン13が固定されている。基体31の上面の中央部には積層型圧電素子2の下面が当接していて、基体31の上面の周縁部には筒体33の下端部(鍔部)が溶接されている。
また、金属ケース3を構成する蓋体32は、筒体33および基体31と同様に例えばSUS304やSUS316Lなどの金属材料からなり、外径が筒体33の内径と同じ程度に形成されたもので、筒体33の上端部の開口に嵌め込まれて、筒体33の上端部の近傍の内壁にその外周面を溶接されている。蓋体32の下面には凹部が形成されていて、この凹部に積層型圧電素子2の上面が当接している。なお、凹部の内周壁面を覆うように絶縁材5が設けられており、外部電極25同士の導通が防止されている。
なお、積層型圧電素子2に圧縮荷重をかけた状態で、基体31と筒体33とが溶接されるとともに、蓋体32と筒体33とが溶接されて、金属ケース3が積層型圧電素子2を収容している。
そして、金属ケース3が屈曲した通気孔30を有している。
金属ケース3に通気孔30が形成されない場合において、高温環境下におかれた状態あるいは駆動時の自己発熱により温度上昇して高温の状態になると、積層型圧電素子2に含まれる樹脂が分解して揮発し、その後冷却されたときに水分、酸成分となって金属ケース3内に留まるおそれがある。これにより、導体成分(例えばAg)のマイグレーションが加速され、積層型圧電素子2が短絡するおそれがある。
これに対し、本例の圧電アクチュエータ1によれば、高温下で金属ケース3内の気圧が上昇するので、積層型圧電素子2に含まれる樹脂が分解されて発生した水分や酸成分が、通気孔30から金属ケース3の外へ放出される。すなわち、通気孔30は、金属ケース3内と外部とをつなぐ流路ということもできる。一方、駆動停止による積層型圧電素子2の温度低下に伴って、金属ケース3内の気圧が下がり、外気が金属ケース3内に導入されるような場合でも、積層型圧電素子2よりも金属ケース3のほうが低温になり、通気孔30の屈曲部に外気の水分が付着する(結露する)などして、水分の侵入を抑制できる。したがって、高温下においても導体成分(例えばAg)のマイグレーションを抑止することができ、積層型圧電素子2の短絡が抑制された長期間安定して駆動する圧電アクチュエータ1を実現できる。
ここで、図に示すように、上記構成の金属ケース3の場合において、蓋体32と筒体33との嵌合領域において屈曲した通気孔30を有しているのが好ましい。蓋体32と筒体33との嵌合領域は、積層型圧電素子2が伸縮するとき、金属ケース3内の空間で最も動く場所となっている。この嵌合領域がポンプのように作用することで、内部の水分や酸成分が屈曲した通気孔30から放出されやすくなる。さらに、嵌合領域は強度が大きいので、長期間駆動しても通気孔30がつぶれることなく変形しない。したがって、長期間にわたって導体成分(例えばAg)のマイグレーションを抑止することができる。
具体的には、蓋体32が筒体33の内側に嵌め込まれており、通気孔30が筒体33に設けられた貫通孔301と蓋体32の外壁に設けられた溝302とからなる構成が挙げられる。
例えば、蓋体32に屈曲した貫通孔を設けて通気孔30を形成してもよく、筒体33の内壁に溝を設けるとともに蓋体32を貫通する貫通孔を設けるか、または筒体33の内壁に溝を設けるとともに蓋体32の外壁に溝を設けることによって通気孔30を形成してもよいが、本例のように筒体33に設けられた貫通孔301と蓋体32の外壁に設けられた溝302とで通気孔30を形成することで、容易に屈曲した通気孔30を作製することができる。また、積層型圧電素子2は蓋体32の外壁よりも内側に配置され、溝302の延長上には位置していないので、外気が金属ケース3の内部に入り込んだとしても、積層型圧電素子2に外気が直接触れることは抑制され、積層型圧電素子2に外気に含まれる水分が付着することは抑制される。したがって、導体成分(例えばAg)のマイグレーションを抑止することができる。
なお、図では貫通孔301は径方向(図の左右方向)に真っ直ぐに貫通して設けられているが、傾斜して設けられてもよい。例えば、貫通孔301が圧電アクチュエータ1の使用時に斜め下方向を向くように傾斜して設けられてもよく、この場合、外気の水分が貫通孔301の内壁に付着しても、付着した水分が傾斜面にそって外部に流れ出るなどして、
水分の内部への侵入を抑制できる。
また、図3に示すように貫通孔301の径が溝302の幅以上の大きさであるのが好ましく、これにより、高温下の金属ケース3内で樹脂が分解することにより発生した水分や酸成分が、通気孔30から金属ケース3の外へ放出されやすくなる。特に、貫通孔301の径が溝302の幅よりも大きいことで、貫通孔301と溝302との境界部分に外気の水分が付着する(結露する)などして、水分の侵入をより抑制できる。したがって、導体成分(例えばAg)のマイグレーションをより抑止することができる。
また、溝302が積層型圧電素子2の積層方向に延びて設けられていることにより、溝302の長さが最短となるため、高温下の金属ケース3内で樹脂が分解することにより発生した水分や酸成分が、さらに金属ケース3の外へ放出されやすくなる。したがって、Agのマイグレーションをさらに抑止することができる。
さらに、図4に示すように、通気孔30は積層型圧電素子2の外部電極25の延長上と対向するように設けられているのが好ましい。なお、通気孔30が積層型圧電素子2の外部電極25の延長上と対向するように設けられているとは、図4のように平面透視したときに、積層型圧電素子2(積層体20)の側面のうち外部電極25が形成されていない面とは対向せず、積層型圧電素子2(積層体20)の側面のうち外部電極25が形成された面と対向するような位置に設けられていることを意味する。積層型圧電素子2(積層体20)の外部電極25が形成されていない側面には、内部電極層22の+極及び−極の両極の端部が達するようになっている場合があるが、少なくとも外部電極25が設けられた面には内部電極層22の+極及び−極のうちの一方のみ達するようになっている。したがって、上記構成によれば積層型圧電素子2の内部電極の+極及び−極の両極が形成された面に外気がより触れにくくなっているため、これによる導体成分(例えばAg)のマイグレーションを抑止することができる。
次に、本実施の形態にかかる圧電アクチュエータ1の製造方法について説明する。
まず、圧電体層21となるセラミックグリーンシートを作製する。具体的には、圧電セラミックスの仮焼粉末と、アクリル系,ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合してセラミックスラリーを作製する。そして、周知のドクターブレード法、カレンダーロール法等のテープ成型法を用いることにより、このセラミックスラリーからセラミックグリーンシートを作製する。圧電セラミックスとしては、圧電特性を有するものであればよく、例えば、PbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物などを用いることができる。また、可塑剤としては、フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ジオクチル(DOP)などを用いることができる。
次に、内部電極層22となる導電性ペーストを作製する。具体的には、銀−パラジウム合金の金属粉末にバインダーおよび可塑剤を添加混合することによって、導電性ペーストを作製する。この導電性ペーストを上記のセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法を用いて印刷し、次に、導電性ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層するとともに積層方向の両端部に導電性ペーストが印刷されていないセラミックグリーンシートを複数枚積層して積層成形体を得る。この積層成形体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜1200℃で焼成することによって積層体20が得られる。
次に、積層体20の側面のうち両方の内部電極層22(正極および負極)の端部が達する一対の側面に、酸化物のインクをスクリーン印刷によって印刷した後、900〜1200℃で焼成し、被覆層26を形成する。
酸化物のインクは、酸化物の粉体を溶剤、分散剤、可塑剤、及びバインダーの溶液に分散させた後、3本ロールを数回通すことにより、粉体の凝集を解砕するとともに、粉体を分散させて作製される。
次に、メタライズ層から成る外部電極25を形成する。まず、銀粒子およびガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス含有導電性ペーストを作製し、内部電極層22の正極または負極が導出された積層体20の対向する一対の側面にスクリーン印刷法によって印刷し、500〜800℃程度の温度で焼き付け処理を行なう。これにより、メタライズ層から成る外部電極25を形成して積層型圧電素子2が完成する。
次に、外部電極25とリード線11をはんだ付けする。また、切削加工にて環状部を形成する(周縁部を薄肉にする)とともにおよび穴加工にて2つの貫通孔を形成してなる図1に示すような形状の基体31を用意し、この基体31に形成された2つの貫通孔にそれぞれリードピン13を挿通するとともに隙間に軟質ガラス14を充填して固定し、さらに基体31の上面に積層型圧電素子2の下端部を接着剤で接着する。そして、積層型圧電素子2の外部電極25にはんだ12にてはんだ付けしたリード線11と基体31に取り付けられたリードピン13とをはんだで接続する。
次に、SUS304製のシームレスの円筒状の筒体33に圧延加工によりベロー形状を形成する。なお、圧延加工時に金型形状を変更することにより、筒体33の溝部の厚み、曲率半径などを変更することができる。また、筒体33の下端部はラッパ状にひろがるように形成された鍔部を形成する。
そして、金属ケース3に通気孔30を形成するために、筒体33にパンチで貫通孔301を開ける。
この筒体33の上端部の開口を塞ぐように、SUS304製の蓋体32を筒体33の上端部に嵌め込んで、レーザー溶接で溶接する。ここで、金属ケース3に通気孔30を形成するために、蓋体32として外壁に溝302を切削で形成したものを用いる。
次に、筒体33を基体31に接着された積層型圧電素子2に被せ、所定の荷重で筒体33を引張り、積層型圧電素子2に荷重を加える。この状態で、筒体33の鍔部と基体31とを抵抗溶接によって溶接する。
最後に、基体31に取り付けられたリードピン13に0.1〜3kV/mmの直流電界を印加し、圧電体層21を分極することによって、本実施の形態の圧電アクチュエータ1が完成する。そして、リードピン13と外部電源とを接続して、圧電体層21に電圧を印加することにより、各圧電体層21を逆圧電効果によって大きく変位させることができる。
また、上述の圧電アクチュエータ1と、圧電アクチュエータ1の端面(蓋体側の端面)を振動板に固着することで、スピーカーとして使用することが可能となる。すなわち、本発明のスピーカーは、図5に示すように、圧電アクチュエータ1と、該圧電アクチュエータ1の端面が固着された振動板4とを有していることを特徴とするものである。
振動板4としては、振動可能な板状体であれば、身の回りにある板状のもののいずれも使用可能である。例えば、テーブルや壁、天井などを振動板とすることもできる。
電磁式スピーカーは、コイル巻きのため、高湿、高温下での信頼性が低いのに対し、上述の圧電アクチュエータ1を用いたスピーカーでは、高温下でも信頼性の高いスピーカー
を得ることができる。
本発明の実施例の一例としての圧電アクチュエータを以下のようにして作製した。
まず、平均粒径が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiO)を主成分とする圧電セラミックスの仮焼粉末、バインダー及び可塑剤を混合したセラミックスラリーを作製し、ドクターブレード法で厚み120μmの圧電体層となるセラミックグリーンシートを作製した。
このセラミックグリーンシートの片面に、銀−パラジウム(銀95質量%−パラジウム5質量%)にバインダーを加えて作製した内部電極となる導電性ペーストを、スクリーン印刷法により印刷したセラミックグリーンシートを260枚積層し、その上下に導電性ペーストなしのセラミックグリーンシートを各20枚積層した積層成形体を作製した。
次に、所定の大きさとなるようにダイシングソーマシンで積層成形体を切断した後、積層成形体を乾燥させ、焼成して積層体を作製した。焼成は、800℃の温度を90分保持した後、1000℃で200分間焼成した。積層体は直方体状であり、その大きさは、端面が縦5mm、横5mmであり、高さが35mmであった。
次に、圧電体層と同じ材料からなるインクを作製し、それぞれ、被覆層の厚みが20μmとなるように、スクリーン印刷にて、内部電極層の両極が露出している積層体の側面に印刷し、その後、1000℃で焼成し、積層体の側面に被覆層を形成した。
次に、銀粒子およびガラス粉末にバインダーを加えて銀ガラス含有導電性ペーストを作製し、これを積層体の側面にスクリーン印刷法によって印刷し、500〜800℃程度の温度で焼き付け処理して外部電極を形成した後、はんだ付けにて外部電極にリード線を接続した。
また、SUS304で円板状の基体を作製した。具体的には、切削にて溶接部となる環状突起(図示せず)を設け、2箇所に貫通孔を形成した図1に示す形状の基体を作製した。そして、基体に形成された貫通孔に軟質ガラスでリードピンを取り付けた。なお、環状突起は、高さ0.2mm、幅0.5の断面三角形状とした。
次に、基体の上面に積層体を接着剤で固定し、外部電極にはんだ付けしたリード線と基体に取り付けられたリードピンとをはんだ付けで接続した。
次に、SUS304で円板状の蓋体を作製し、幅0.3mm、深さ0.3mmの溝を切削で形成した。
また、SUS316L製の厚み0.15mmのシームレスの円筒に圧延加工によりベロー形状とラッパ状の下端部(鍔部)を形成した筒体を作製した。圧延加工後、パンチを用い、筒体に0.3mm、及び0.5mmの穴を形成した。
筒体の穴と蓋体の溝との位置を合わせ、レーザー溶接で溶接してなる筒体および蓋体を、基体に接着した積層型圧電素子に被せ、所定の荷重で筒体および蓋体を引張り、積層型圧電素子に荷重を印加した後、筒体の下端部(鍔部)と基体の環状部との当接部(環状突起)を抵抗溶接で溶接し、積層型圧電素子の封止を行なった。すなわち、筒体の穴と蓋体の溝とで形成された通気孔を有する金属ケースを作製するとともに、該金属ケースの内部に積層型圧電素子を収納した。
次に、真空チャンバーにて真空引きして金属ケース内(収納空間)の酸素を抜いた後、真空チャンバーへ窒素ガスを注入し、金属ケース内(収納空間)の窒素パージを行なった後、窒素パージ用の穴をレーザー溶接で溶接して穴を塞ぎ、窒素パージを完了させた。
最後に、これらの試料の2本のリードピンに3kV/mmの直流電界を15分間印加して分極処理を行ない、本発明の実施例となる圧電アクチュエータ(試料番号1,2)を作製した。
一方、比較例として、筒体の穴と蓋体の溝は形成せずに、通気孔を有していない金属ケースの圧電アクチュエータ(試料番号3)を作製した。
得られた圧電アクチュエータの積層型圧電素子に170Vの直流電圧を印加したところ、すべての圧電アクチュエータにおいて、積層方向に変位量が得られた。
さらに、これらの圧電アクチュエータについて、140℃の環境下で電圧200Vにて駆動し続ける高温連続駆動試験を行なった。その結果を表1に示す。
Figure 0006294190
表1から、本発明の実施例の圧電アクチュエータ(試料番号1、2)は、1000時間の連続駆動試験後において、変位量の変化がほとんどなく、必要な有効変位量を維持しており、また、絶縁抵抗の低下もなく、長期使用しても安定した変位量が得られることが分かった。
これに対し、比較例の圧電アクチュエータ(試料番号3)は、45時間後に停止していた。この試料を確認したところ、絶縁抵抗が1×10^6Ω以下まで低下していた。金属ケースを分解し、積層型圧電素子を確認したところ、積層型圧電素子の側面でAgのマイグレーションが発生し、その一部が短絡しているのが観察された。
1・・・圧電アクチュエータ
2・・・積層型圧電素子
20・・・積層体
21・・・圧電体層
22・・・内部電極層
23・・・活性部
24・・・不活性部
25・・・外部電極
26・・・被覆層
3・・・金属ケース
31・・・基体
32・・・蓋体
33・・・筒体
30・・・通気孔
301・・・貫通孔
302・・・溝
4・・・振動板
5・・・絶縁材
9・・・軟質ガラス
11・・・リード線
12・・・はんだ
13・・・リードピン
14・・・軟質ガラス

Claims (5)

  1. 積層型圧電素子と、該積層型圧電素子の上端および下端が内壁に当接するように前記積層型圧電素子を収容した金属ケースとを含み、
    前記金属ケースは、前記積層型圧電素子の下面に上面が当接された基体と、前記積層型圧電素子の上面に下面が当接された蓋体と、下端部が前記基体に接合されるとともに上端部が前記蓋体に嵌合されてなる筒体とを備え、前記蓋体と前記筒体との嵌合領域において屈曲した通気孔を有しているとともに、
    前記蓋体が前記筒体の内側に嵌め込まれており、前記通気孔が前記筒体に設けられた貫通孔と前記蓋体の外壁に設けられた溝とからなることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記貫通孔の径が前記溝の幅以上の大きさであることを特徴とする請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記溝が前記積層型圧電素子の積層方向に延びて設けられていることを特徴とする請求項または請求項に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記積層型圧電素子は、圧電体層と内部電極層とが積層された積層体と、該積層体の側面に設けられた外部電極とを含む柱状体であって、前記通気孔は前記積層型圧電素子の前記外部電極の延長上と対向するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  5. 請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載の圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータの端面が固着された振動板とを有していることを特徴とするスピーカー。
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