JP6293352B1 - 地盤改良方法および地盤改良装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過不足の無い混合撹拌とともに、改良体の発現強度を均一とする地盤改良方法とそれに用いる地盤改良装置を提案する。【解決手段】混合撹拌ヘッドに取り付けた複数の導電率センサにより安定処理土の混合状態を所定のサンプリング周期で計測する(ステップS1)。計測結果を統計処理して安定処理土の混合撹拌状態の深度方向での統計的ばらつきとして変動係数を求める(ステップS2〜S4)。求めた変動係数と予め設定した目標値とを比較して、安定処理土の混合撹拌状態の適否判定を行う(ステップS5)。判定結果がNOである場合に、目標値を達成可能な混合撹拌ヘッドの適切な掘進速度とその掘進速度に適応する固化材吐出量を求めて、その条件のもとで施工を行う(ステップS7,S8)。【選択図】図7

Description

本発明は、安定処理土の造成を目的とした地盤改良方法および地盤改良装置に関する。
ベースマシンとなるバックホウの先端にトレンチャー式の混合撹拌ヘッドを装着した地盤改良機械を用いて、原位置土と固化材を混合撹拌して原位置土の強度増加を図る中層混合処理工法(地盤改良工法)の品質管理システムが非特許文献1,2にて紹介されている。
非特許文献1,2に開示された品質管理システムでは、改良中の地盤(安定処理土)の導電率を計測することで、改良体の均質性を定量的に評価して、その導電率のばらつきが所定の範囲に収まっていれば、原土(原位置土)と固化材が均質に撹拌されたと判断する。そして、オペレータは、ベースマシンに搭載されたモニターで導電率のばらつきを確認しながら混合撹拌ヘッドを移動(掘進)させることで、最適な作業量で施工することが可能となる。さらに、導電率のばらつきが所定の範囲に収まっていないにもかかわらず混合撹拌ヘッドを稼働(移動)させようとした場合には、アラームでその地点のかき混ぜ(混合撹拌)作業の継続を促し、地盤強度を均質に保つことができるとしている。
日刊建設工業新聞,平成29年4月5日付朝刊、第3面 平成29年度土木学会全国大会,第72回年次学術講演会DVD−ROM概要集,第1791〜1792頁,平成29年8月1日発行
しかしながら、前記品質管理システムは、混合撹拌ヘッドの先端部より吐出させた固化材と原土(原位置土)との混ざり具合(改良体の均質性)を計測しながら施工する管理システムに過ぎず、過不足の無い混合撹拌は可能となるものの、造成される改良体の強度を均一とするものとはなっていない。つまり、過不足の無い混合撹拌とは、混ぜやすい砂質土においては混合撹拌ヘッドの掘進速度を速く、混ぜにくい粘性土においては混合撹拌ヘッドの掘進速度を遅く制御することであって、造成される改良体の強度を均一とすることとは異なるからである。
例えば、固化材吐出量を均一にして混合撹拌ヘッドを掘進移動させたとすると、混ぜやすい砂質土では混合撹拌過多とならないように混合撹拌ヘッドの掘進速度を増速させることとなり、固化材添加量は添加不足を招き、施工後の改良体強度は強度不足となる。また、混ぜにくい粘性土にて混合撹拌不足とならないように混合撹拌ヘッドの掘進速度を減速させた場合には、固化材添加量の添加過多となり、施工後の改良体強度は必要以上の強度発現を招き、不経済な施工を強いることとなる。
本発明では、これらの課題を解決して、過不足の無い混合撹拌とともに、改良体の発現強度を均一とする地盤改良方法とその地盤改良方法に用いる地盤改良装置を提案するものである。
本発明は、上下方向に周回移動するトレンチャー式の混合撹拌翼を備えた混合撹拌ヘッドを地中に所定深度まで貫入したうえで、固化材の吐出のほか前記混合撹拌翼による原位置土の掘削及びその原位置土と固化材との混合撹拌を行って安定処理土を造成する地盤改良方法である。
その上で、前記安定処理土の混合撹拌状態の評価指標として、深度方向でのばらつきの傾向特性を含む統計的ばらつきの目標値を予め定めておき、前記安定処理土の混合撹拌状態が前記目標値を満たすように造成するにあたり、下記(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とするものである。
(1)前記混合撹拌ヘッドの深度方向の異なる複数個所に取り付けた混合撹拌状態計測手段にて、造成中の安定処理土の混合撹拌状態を所定の周期で個別に計測する工程。
(2)前記計測結果を統計処理して、前記安定処理土の深度方向でのばらつきの傾向特性を含む統計的ばらつきを求める工程。
(3)前記ばらつきの傾向特性を含む前記統計的ばらつきが前記目標値を満たしているか否かを判定する工程。
(4)前記判定の結果、前記統計的ばらつきが前記目標値を満たしていないと判定された場合に、前記目標値を達成可能な前記混合撹拌ヘッドの適切な掘進速度とその掘進速度に適応する固化材吐出量を求める工程。
(5)前記(4)で求めた適切な掘進速度とその掘進速度に適応する固化材吐出量にて前記安定処理土の造成を行う工程。
より具体的には、前記ばらつきの傾向特性を含む前記統計的ばらつきが前記目標値を満たしているか否かの判定は、混合撹拌不足であるか混合撹拌過多であるかの判定であり、前記混合撹拌不足と判定された場合に、前記目標値を達成可能な前記混合撹拌ヘッドの掘進速度とその掘進速度に適応する固化材吐出量を求めたうえで、その求めた掘進速度と固化材吐出量に減速・減量させるものとする。
同様に、前記混合撹拌過多と判定された場合に、前記目標値を達成可能な前記混合撹拌ヘッドの掘進速度とその掘進速度に適応する固化材吐出量を求めたうえで、その求めた掘進速度と固化材吐出量に増速・増量させるものとする。
本発明によれば、混合撹拌ヘッドの掘進速度に応じた固化材量を吐出させるとともに、その固化材と原土とを均質に混ぜ合わせることが可能となる。つまり、混ぜやすい砂質土においては混合撹拌ヘッドの掘進速度を速く、混ぜにくい粘性土においては混合撹拌ヘッドの掘進速度を遅く制御するとともに、その掘進速度に応じて固化材の吐出量を増減したうえで、当該原土と固化材とを均質に混ぜ合わせることが可能となる。そのため、過不足の無い混合撹拌とともに、改良体の強度を均一とすることが可能となり、改良体の品質が向上する。
本発明に係る地盤改良方法に用いられる地盤改良装置の概略構造の一例を示す側面説明図。 図1に示した混合撹拌ヘッド5の右側面図。 図2のa−a線に沿った拡大断面説明図。 図3に示した混合撹拌状態計測器を左側から見た拡大図。 2極式の導電率(比抵抗)センサの原理を示す説明図。 図1に示した品質管理装置の機能ブロック図。 図6に示した品質管理装置での処理手順の一例を示すフローチャート。 施工事例での対象となる互層地盤の原位置土の説明図。 図1,6に示したモニターでの表示例を示す説明図。 図1,6に示したモニターでの別の表示例を示す説明図。 図1,6に示したモニターでのさらに別の表示例を示す説明図。 図11の(A)に示したモニターでの表示例をグラフ化した説明図。 深度方向で異なる位置での一軸圧縮強度と導電率との関係を示す図。 図13の一軸圧縮強度と導電率をグラフ化した説明図。 図13の最下段の変動係数をグラフ化した説明図。 構造物の品質ランク別の一軸圧縮強さの変動係数と導電率の変動係数との関係を示す説明図。
図1〜5は本発明に係る地盤改良方法を実施するための地盤改良装置の具体的な構造を示し、特に図1は地盤改良装置全体の概略構造を示している。また、図2は図1に示した混合撹拌ヘッド5の右側面説明図を、図3は図2のa−a線に沿った拡大断面説明図をそれぞれ示している。さらに、図4は図3に示した混合撹拌状態計測器を左側から見た拡大図を、図5はその混合撹拌状態計測器を構成している2極式の導電率(比抵抗)センサの原理を示している。
図1に示す地盤改良装置は、汎用型の建設機械の一つである無限軌道(履帯)式またはクローラ式のショベル系掘削機械、例えば履帯1aを有する油圧ショベルもしくはバックホウ等をベースマシン(母機)1としている。ベースマシン1の旋回ベース2には揺動式(起伏式または起倒式)のブーム3が搭載されており、そのブーム3の先端には同じく揺動式のアーム4が連結されている。そして、アーム4の先端には、アタッチメントとして地盤改良の対象となる原位置土の掘削と固化材(地盤改良材または添加材)との混合撹拌のための混合撹拌ヘッド5が着脱可能に装着されている。
図1のほか図2,3に示すように、混合撹拌ヘッド5は、剛性の高いフレーム6を母体としていて、このフレーム6は、幅広で且つ略二股状のヨーク部6aと、ヨーク部6aの下部に連結された真直で略角柱状のポスト6bとから構成されている。ヨーク部6aの上端のブラケット部6cはアーム4の先端に着脱可能に連結される。
そして、フレーム6の上部に設けた例えば油圧モータ7駆動のチェーンスプロケットタイプの駆動輪8と、同じくフレーム6の下部に設けた従動輪9との間に、エンドレス(無端状)のドライブチェーン10(図3参照。)を巻き掛けてある。また、ドライブチェーン10には当該ドライブチェーン10の長手方向とほぼ直交するように図3に示す複数の比較的幅広の混合撹拌翼11を略等ピッチで装着してあり、これらの複数の混合撹拌翼11がいわゆるトレンチャータイプのものとしてドライブチェーン10と共に上下方向に周回駆動されることになる。なお、混合撹拌翼11にはその長手方向に沿って複数の掘削刃であるカッタービット11aを設けてある。
さらに、フレーム6の先端部(下端部)には吐出ノズル12を設けてあり、この吐出ノズル12には例えば水と固化材としての粉体状のセメントとを予め混ぜ合わせたスラリ状の固化材(以下、単に固化材という)が圧送されるようになっている。これにより、吐出ノズル12から地中に向けて固化材を吐出・噴射することが可能となっている。
なお、ドライブチェーン10は、フレーム6に設けた複数のガイドローラ13により所定の張力が付与された状態で案内・支持されている。なお、かかる構造の混合撹拌ヘッド5は、例えば特開2005−307675号公報等において公知の構造のものである。
このような構造の混合撹拌ヘッド5を用いて地盤改良のための安定処理土の造成を行う場合、一般的には、ドライブチェーン10とともに複数の混合撹拌翼11を上下方向に周回駆動させる一方で、図1に示すように混合撹拌ヘッド5全体を例えばブーム3やアーム4の揺動力(揺動動作方向の力)を利用して直立姿勢にて地中に貫入する。そして、吐出ノズル12から固化材を吐出しながら、いわゆる横行移動させるべく改良壁体の構築方向、すなわち図3に符号bで示す掘進方向に徐々に掘進させることになる。これにより、複数の混合撹拌翼11により掘削された原位置土が同じく複数の混合撹拌翼11により固化材と混合撹拌されて、混合撹拌ヘッド5の掘進方向後方側に連続した安定処理土による改良壁体が構築されることになる。
この場合において、図3に示した混合撹拌ヘッド5におけるドライブチェーン10の張り側と緩み側に相当する部位であって複数の混合撹拌翼11による掘削と混合撹拌にあずかる部位、すなわち混合撹拌翼11の上下方向での周回移動面(改良壁体の構築方向前方側に面する周回移動面と構築方向後方側に面する周回移動面)は改良壁体の構築方向と直交したものとなる。そして、改良壁体の構築方向前方側に面する周回移動面を上向きとするか下向きとするかは、地盤の硬さや土質性状に応じて決定する。
ここで、地盤改良のための造成中の安定処理土の混合撹拌状態(原土と添加された固化材との混ざり具合)、特に深度方向での混合撹拌状態が可及的に均質なものとなるように管理することが重要である。そのために、混合撹拌ヘッド5におけるフレーム6のポスト6bには、地中貫入状態において深度が異なる複数箇所、図1,2の例ではポスト6bの上部、中間部および下部の三箇所に、それぞれ混合撹拌状態計測手段としての混合撹拌状態計測器14A,14B,14Cが設けられている。なお、これらの混合撹拌状態計測器14A〜14Cは、深度が異なる少なくとも二箇所に設置されていれば良いが、深度方向での混合撹拌状態が可及的に均質なものとなるように管理する上では、上記のように深度方向の三箇所以上に設置されていることが望ましい。
さらに、図1に示したベースマシン1の旋回ベース2には施工管理装置を兼ねた品質管理装置15が搭載されていると共に、オペレータの操作による品質管理のために必要な情報を可視表示するための表示装置(表示手段)としてモニター16がキャビン(運転室)に設置されている。そして、混合撹拌ヘッド5による安定処理土の造成中において、混合撹拌ヘッド5側の各混合撹拌状態計測器14A〜14Cの計測出力がリアルタイムで品質管理装置15に取り込まれるようになっている。
図6は品質管理装置15の機能ブロック図を示している。この品質管理装置15は汎用のパーソナルコンピュータをもって構成されているものであり、例えば図6に示すように、制御機能部17と出力制御部18を備えている。制御機能部17は、データ蓄積部19、統計処理部20、目標値設定部21、比較判定部22等を備えている。そして、制御機能部17には、後述する統計処理部20での各種統計処理等に必要なソフトウエアが予めインストールされていると共に、出力制御部18がモニター16での表示制御を司っている。なお、品質管理装置15はモニター16と一体化されたタイプのものであっても良く、その場合にはモニター16と一体化された品質管理装置15がキャビンに設置される。
各混合撹拌状態計測器14A〜14Cはいずれも同じ構造のものであり、図4は図3に示した混合撹拌状態計測器14Bを上から見た拡大図を示している。各混合撹拌状態計測器14A〜14Cは、図4に示すように、略偏平角錐台形状の台座24の二面に導電率センサ25,26を装着したものであり、各導電率センサ25,26は絶縁性を有するホルダー27を介して二つで一組(一対)の電極28a,28bが露出するように埋設されているものである。そして、各混合撹拌状態計測器14A〜14Cは、各導電率センサ25,26の電極28a,28bの露出面が図3に示す掘進方向bを指向するように混合撹拌ヘッド5におけるフレーム6のポスト6bの側面に固定される。故に、各混合撹拌状態計測器14A〜14Cは、いわゆる二極式の導電率センサを二組備えたものと理解することができ、二つの導電率センサ25,26は図3に示した混合撹拌ヘッド5の掘進方向に応じて選択的に使い分けられる。
地盤改良のための造成中の安定処理土は、所定の抵抗値を有する電気抵抗体とみなすことができ、各導電率センサ25,26では、実際には一対の電極28a,28b間の比抵抗を検出している。より具体的には、図4に示した導電率センサ25,26では、図5にその原理を示すように、安定処理土の中に臨ませた一対の電極28a,28b間に電流を流した時のその経路の電圧(電位差)を計測して抵抗値を求め、電流が流れた経路の長さや断面積を考慮した比抵抗ρ(Ω m)を電気的パラメータとして検出している。
そして、本実施の形態では、比抵抗実測値をそのまま使用することなく、比抵抗の逆数が導電率であることから、各導電率センサ25,26によって検出された実測値は、図示を省略した変換器を経由することで、比抵抗実測値の逆数である導電率に変換された上で品質管理装置15に取り込まれる。なお、比抵抗実測値の逆数である導電率への変換は品質管理装置15側で行うことも可能である。
また、図3に示すように、混合撹拌ヘッド5におけるフレーム6のポスト6bの両側面に、そのポスト6bを挟んで対向するように二つの混合撹拌状態計測器14Bを取り付けておき、これらを選択的に使用するようにしても良い。さらに、必要に応じて、各混合撹拌状態計測器14A〜14Cを構成している二極式の導電率センサ25,26に代えて、三極式または四極式の導電率センサのほか、導電率計あるいは導電率センサ(例えば、電磁誘導式の導電率センサ)として一般に市販されており、導電率実測値をそのまま出力できるタイプのものを使用することも可能である。この導電率実測値をそのまま出力できるタイプの市販品の導電率計あるいは導電率センサを使用する場合には、上記の変換器は不要である。
各混合撹拌状態計測器14A〜14Bの取付態様としては、造成中の安定処理土の混合撹拌状態の計測に際して、混合撹拌中の流動化状態となっている安定処理土と各導電率センサ25,26の電極28a,28bとの間に空隙が生じることなく、完全に密着させることが求められる。よって、各混合撹拌状態計測器14A〜14Cの取り付け位置は、図3に示すように、混合撹拌ヘッド5の平面視において、張り側となるトレンチャー式の混合撹拌翼11と緩み側となるトレンチャー式の混合撹拌翼11とで挟まれた領域であって、且つ混合撹拌ヘッド5の掘進方向と平行となるポスト6bの側面に取り付けることが望ましい。
さらに、上記のように、混合撹拌中の流動化状態となっている安定処理土と各導電率センサ25,26の電極28a,28bとの間に空隙が生じることなく、完全に密着させることが必要であることから、図4に示すように、各混合撹拌状態計測器14A〜14Cの母体となる台座24は略偏平角錐台形状のものとし、その傾斜面に導電率センサ25,26の電極28a,28bが露出するように配置している。そして、例えば混合撹拌ヘッド5が図3の下方向に掘進移動する場合には、一方の導電率センサ26が使用され、他方、混合撹拌ヘッド5が図3の上方向に掘進移動する場合には、他方の導電率センサ25が使用される。この場合に、必要に応じて双方の導電率センサ25,26を同時使用することも可能である。
一方、導電率センサ25,26と安定処理土の密着には、安定処理土を流動化させることが望ましく、その基準としては安定処理土の混合撹拌直後の流動値をテーブルフロー値にて115mm以上とすることが望ましい。導電率センサ25,26と安定処理土の密着性のみを考慮するならば、テーブルフロー値は高い方が望ましいが、セメントミルク等の固化材にて原位置土の強度増加を図るような地盤改良工事においては、同一添加量における安定処理土の発現強度と混合撹拌時のテーブルフロー値(流動値)とは反比例することが知られている。そこで、上記テーブルフロー値の115mmは、安定処理土の液性限界値をテーブルフロー値の下限値の目安としたものである。
先に述べた各混合撹拌状態計測器14A〜14Cの取り付け位置の具体例として、例えば深度10m、厚さ1mの土留め壁を造成する地盤改良に際して、長さ11m、幅1mの混合撹拌ヘッド5を使用するケースを想定してみる。この場合、上端部の混合撹拌状態計測器14Aは、混合撹拌ヘッド5の下端部より9.0m付近(GL−1.0m付近)の上層部相当位置に取り付ける。また、中間部の混合撹拌状態計測器14Bは、混合撹拌ヘッド5の下端部より5.0m付近(GL−5.0m付近)の中層部相当位置に取り付ける。同様に、下端部の混合撹拌状態計測器14Cは、混合撹拌ヘッド5の下端部より1.0m付近(GL−9.0m付近)の下層部相当位置に取り付ける。
[基本となる地盤改良方法]
ここで、図1〜5に示した地盤改良装置を用いた場合の基本となる地盤改良方法について説明する。
図6に示したように、混合撹拌ヘッド5による安定処理土の造成中において、各混合撹拌状態計測器14A〜14C導電率センサ25,26での計測出力である実測値が導電率に変換された上で品質管理装置15にリアルタイムで取り込まれて蓄積されることになる。
この品質管理装置15では、当該品質管理装置15にリアルタイムで入力される導電率データを所定の周期でサンプリングして蓄積した上で必要な統計処理を行って、安定処理土の混合撹拌状態の品質評価の指標である統計的ばらつきとして、後述するように導電率の変動係数を算出する。そして、算出した統計的ばらつきとしての変動係数とその目標値(変動係数の目標値)とを比較することで、その時点での安定処理土の品質評価として、混合撹拌状態の適否判定(算出した統計的ばらつきである変動係数が予め設定した目標値を満たしているか否かの判定)とその混合撹拌状態のばらつきの傾向であるばらつきの相関特性の特定を行うものとする。なお、予め設定した変動係数の目標値とは、現在造成中の安定処理土の混合撹拌状態が要求品質を満たし得る品質管理目標状態となったと仮定した場合の変動係数の値である。また、混合撹拌状態のばらつきの傾向であるばらつきの傾向特性については後述する。
造成中の安定処理土の混合撹拌状態の評価判定頻度は小さければ小さいほど好ましい。その一方、改良壁体の造成をしつつその安定処理土の混合撹拌状態の計測をリアルタイムで行い、その結果をもって当該安定処理土の混合撹拌状態を評価判定しつつ、その評価判定に従いながら混合撹拌ヘッド5の掘進操作を行うことを考慮すると、その評価判定頻度は1分〜5分に1回程度の頻度にて行われれば良い。混合撹拌ヘッド5を例えば0.066m/分にて掘進移動させると仮定した場合、5分に一回の割合(頻度)で評価判定を行えば、概ね33cm掘進移動する度に一回の割合で混合撹拌中の安定処理土の混合撹拌状態を確認しながら改良壁体の造成を行うこととなり、改良壁体の品質は十分に確保されるものと推測される。
ここでの地盤改良方法では、先に述べた三箇所の混合撹拌状態計測器14A〜14Cにおける導電率センサ25,26の実測値に基づく導電率データのサンプリングを1秒ごとに行うものとし、図4に示した品質管理装置15ではサンプリングした1分間ごとの導電率データを蓄積した上で、その都度、図7に示すような手順で統計処理を行って統計的ばらつきである導電率の変動係数を求めた上で、先に述べた変動係数の目標値と比較することで、混合撹拌状態の適否判定とその混合撹拌状態のばらつきの傾向であるばらつきの傾向特性の判定(特定)までも行うものとする。なお、導電率データのサンプリング周期は任意に設定可能である。
図7のステップS1では、各混合撹拌状態計測器14A〜14Cごとに、導電率センサ25,26の計測出力を1秒ごとにサンプリングして、1分間分の60個のサンプリングデータである導電率データを蓄積・記憶する。
次のステップS2では、各混合撹拌状態計測器14A〜14Cごとに、1分間分の60個のサンプリングデータである導電率データを母集団として、その1分間の平均値を各混合撹拌状態計測器14A〜14Cごとに求める。
ステップS3では、三つの混合撹拌状態計測器14A〜14C全体としての1分間分の180個(60個×3)のサンプリングデータである導電率データを母集団として、その1分間の平均値と標準偏差を求める。
ステップS4では、先のステップS3で求めた平均値と標準偏差とに基づいて、三つの混合撹拌状態計測器14A〜14C全体としての総合的な統計的ばらつきである変動係数(%)を求める。なお、変動係数は、標準偏差を平均値で除した値である。
ここで、上記統計的ばらつきである変動係数に関して、その目標値を例えば実験的または経験的に予め求めて、品質管理装置15の目標値設定部21に記憶・設定しておくものとする。なお、上記変動係数の目標値は実験的または経験的手法以外の他の方法で求めても良い。また、図16に基づいて後述するように、要求される品質ランク別に複数の目標値を予め設定しておき、これらのうちから択一的に選択使用するようにしても良い。さらに、上記目標値は、先にも述べたように、現在造成中の安定処理土の混合撹拌状態が要求品質を満たし得る品質管理目標状態となったと仮定した場合の導電率の変動係数(%)の値である。
その上で、図7のステップS5では、先に求めた変動係数と上記目標値とを比較して、求めた変動係数が目標値を満たしているか否か、すなわち造成中の安定処理土における混合撹拌状態の適否判定と、混合撹拌状態のばらつきの傾向を特定するべく、混合撹拌状態のばらつきの傾向特性の判定を行う。混合撹拌状態の適否判定は、適(OK)または不適(NO)の表示をもって行う。また、混合撹拌状態のばらつきの相関特性の判定は、正(+)または負(−)の表示をもって行う。なお、これらについては後述する。
そして、次のステップS6では、先に求めた各混合撹拌状態計測器14A〜14Cごとの導電率データの平均値と、先に統計的ばらつきとして求めた変動係数、および上記変動係数の目標値と共に、上記の適否判定結果と混合撹拌状態のばらつきの傾向特性を図1,4に示したモニター16に可視表示して、オペレータの操作による混合撹拌ヘッド5の掘進操作に供するものとする。
ここでは、後から説明する実施例での図9を借りて、上記モニター16での画面表示の一例について説明する。図9の(A)は、安定処理土の混合撹拌状態の評価指標である変動係数の目標値(統計的ばらつきの目標値)が例えば「15%以下(以内)」である場合に、各混合撹拌状態計測器14A〜14Cにおける導電率センサ25,26の導電率データに基づいて実際に求めた変動係数が「−25%」である場合である。図9の(A)の例では、目標値の「15%以下(以内)」を絶対値である「15」の数値のみで表示している。ここでの混合撹拌状態の適否判定は、実際に求めた変動係数「−25%」の絶対値と目標値「15%」との比較に基づいて行われ、実際に求めた変動係数の絶対値「25」が目標値「15」を大きく上回っているので、その時点での混合撹拌状態の適否判定結果は不適(NO)と表示される。
同図から明らかなように、深度位置が異なる三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cにおける導電率センサ25,26の導電率データの平均値が大きくばらついているために、それらの導電率データから総合的に求めた変動係数が目標値である「15%」を大きく上回っているものと理解される。
上記のように、実際に求めた統計的ばらつきとしての変動係数「−25%」のうち負の記号(−)は、深度方向での混合撹拌状態のばらつきの傾向を表している。図12は図9の(A)に示した導電率の数値を深度との関係においてグラフ化したものであって、同図にプロットした導電率の最小の数値と最大の数値の幅が変動係数を表している。そして、図12に示すように、導電率の数値三点を近似的に結んだ線が右下がり傾向(左上がり傾向)となる場合に、変動係数の数値(絶対値)である「25%」に負の記号(−)が付加されて表示されるようになっている。
言い換えるならば、深度方向での混合撹拌状態のばらつきの傾向または度合いによっては、図12において三点を結んだ線が右上がり傾向(左下がり傾向)となることもあり得る。この三点を結んだ線が右上がり傾向(左下がり傾向)となる場合には、上記とは逆に変動係数の数値(絶対値)である「25%」に正の記号(+)が付加されて表示されることになる。
ここでは、上記のように、統計的ばらつきとしての変動係数の数値(絶対値)そのものに付帯して、負(−)または正(+)の記号で表される深度方向での混合撹拌状態のばらつきの傾向を「ばらつきの傾向特性」と言う。後述する実施例でも詳細に説明するが、「ばらつきの傾向特性」が負(−)となる場合には、深度方向での混合撹拌不足を意味するものであり、逆に「ばらつきの傾向特性」が正(+)となる場合には、深度方向での混合撹拌過多を意味することになる。そして、上記のように、統計的ばらつきの目標値である変動係数の目標値(絶対値)を例えば「15%以下(以内)」とした場合には、上記の「ばらつきの傾向特性」を考慮した変動係数としての許容範囲は「−15%〜+15%」の範囲となる。
なお、電気パラメータである導電率に代えて比抵抗を用いる場合には、比抵抗は導電率の逆数であることから、上記の「ばらつきの傾向特性」の正負の関係は導電率の場合とは逆となる。
先に述べた導電率は、電気の通りやすさを示す物性値(電気的パラメータ)であって、安定処理土における導電率は、原土の粘土鉱物や水の量によっても異なるが、固化材のカルシウムイオン(Ca2+)の影響を最も受けて、固化材添加量が多いほど、高い導電率を示す特徴があることは既に知られている。したがって、図12のグラフでの線が右下がり傾向となって、図9の(A)に示したモニター16での変動係数の表示に負の記号(−)が付加されている場合には、安定処理土の下層部ほど導電率が高く、上層部との間での混合撹拌不足が生じているとみなすことができることになる。
そこで、オペレータは、図7のステップS6に示すモニター16での画面表示を確認したならば、混合撹拌ヘッド5の操作による安定処理土の造成を一時中止する。
次のステップS7では、変動係数の目標値を達成可能な新たな施工条件として、混合撹拌ヘッド5の適切な掘進速度とその掘進速度に適応した固化材吐出量を算出する。そして、ステップS8では、新たな施工条件として算出し直した混合撹拌ヘッド5の適切な掘進速度とその掘進速度に適応した固化材吐出量のもとで、混合撹拌ヘッド5の操作による安定処理土の造成を再開する。なお、変動係数の目標値を達成可能な新たな施工条件としての混合撹拌ヘッド5の適切な掘進速度とその掘進速度に適応した固化材吐出量の算出については後述する。
他方、図9の(B)は、安定処理土の造成を再開した後に、変動係数が目標値を満足するようになった時のモニター16での画面表示であって、変動係数の目標値が上記と同様に「15%」であるのに対して、変動係数は「−14%」と表示される。変動係数「−14%」には上記と同様に負の記号(−)が付加されているものの、その絶対値は目標値である「15%」に近似していて且つそれよりも下回っているので、判定結果は適「OK」と表示される。
ここでは、深度位置が異なる三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cにおける導電率センサ25,26の導電率データの平均値のばらつきが図9の(A)に比べて小さくなっているために、それらの導電率データから総合的に求めた変動係数が目標値に近似しつつそれよりも下回っているものと理解される。
こうして、造成中の安定処理土の混合撹拌状態の評価指標である変動係数の適否判定結果が適(OK)であれば、オペレータは混合撹拌ヘッド5を所定速度で横行させるように掘進移動させて、同様の作業を継続することになる。
以下にて、上記の基本となる地盤改良方法を前提に、混合撹拌ヘッド5の掘進速度と固化材吐出量とを積極的に制御する場合の地盤改良方法の実施例について述べる。
先にも述べたように、導電率は電気の通りやすさを示す物性値(電気的パラメータ)であって、安定処理土における導電率は、原土の粘土鉱物や水の量によっても異なるが、固化材のカルシウムイオン(Ca2+)の影響を最も受けて、固化材添加量が多いほど、高い導電率を示す特徴がある。
ここでの実施例は、図1〜6に示したものと同様の地盤改良装置を用いて、図8に示すような互層地盤と固化材とを混合撹拌して、均質(過不足の無い混ざり具合)で且つ均一(強度のばらつきが無い)な安定処理土を造成する場合の事例とする。言い替えると、地盤改良工事の対象となる原土特性(原土性状)が変化しても過不足の無い混合撹拌(均質な混ざり具合)と、その混合撹拌に応じた固化材の吐出にて均一な強度となる安定処理土の造成を目的とした事例である。
1.地盤状況
原位置土(原土)は、例えば図8に示すように、粘性土、砂混じり粘性土および砂質土にて互層をなす地盤であって、Aゾーン、Bゾーン及びCゾーンの各代表地点a〜cでの互層比率は以下の通りである。
・Aゾーンにおける代表地点aの土層比率
粘性土:砂混じり粘性土:砂質土=3:2:5の比率にて、異なる三つの原土で構成される互層地盤。
・Bゾーンにおける代表地点bの土層比率
砂混じり粘性土:砂質土=5:5の比率にて、異なる二つの原土で構成される互層地盤。
・Cゾーンにおける代表地点cの土層比率 砂混じり粘性土:砂質土=2:8の比率にて、異なる二つの原土で構成される互層地盤。
2.施工条件(混合撹拌条件)
上記のような異なる原土にて構成される互層地盤(原位置土)を対象として、改良壁体を造成するものとする。
ここでの固化材添加量と水セメント比は、A〜Cの各ゾーン毎に改良壁体としての目標強度(設計基準強度)を得るに必要な固化材添加量であって、その水セメント比は原土と固化材との混合撹拌直後の流動値を当該地盤改良工事にて望ましい流動値とするに必要な水セメント比となっている。なお、水セメント比の決定においては、導電率の計測に障害とならない最も小さい流動値(テーブルフロー値にて概ね115mm)、及び改良壁体の造成においてその混合撹拌に最も望ましい流動値(テーブルフロー値にて概ね130mm)のうち何れか大きい方の流動値となる水セメント比となっている。
以下に示す固化材添加量と水セメント比は、地点a〜cに代表される各ゾーンA〜Cの何れの領域においても改良壁体としての目標強度(設計基準強度)が得られる固化材添加量であって、混合撹拌直後の安定処理土の流動値は概ね130mmとなる水セメント比となっている。
各代表地点a〜cにおける固化材添加量(以下では所定固化材添加量という)と水セメント比は次の通りである。
・a地点(Aゾーン)
所定固化材添加量:150kg/m3
固化材の水セメント比:180%
・b地点(Bゾーン)
所定固化材添加量:130kg/m3
固化材の水セメント比:150%
・c地点(Cゾーン)
所定固化材添加量:100kg/m3
固化材の水セメント比:140%
なお、ここでは、配合試験の結果のみを示している。
3.混合撹拌ヘッド5の所定掘進速度と所定固化材吐出量の算出
混合撹拌ヘッド5の所定掘進速度(所定施工量にて掘進させる場合における掘進速度)とA〜Cの各ゾーンにおける所定固化材吐出量(所定掘進速度にて掘進させる場合における固化材吐出量)を求める。なお、ここでは、改良深度h=10m、幅W=1.0mの改良壁体を時間当たり施工量40m3(所定施工量)として混合撹拌ヘッド5を掘進させる場合にて述べる。
1)混合撹拌ヘッド5の所定掘進速度
・混合撹拌ヘッド5の所定掘進速度(V1)を以下にて求める。
V1={所定施工量÷(改良深度×幅)}÷(1時間)={40÷(10×1)}÷60≒0.066m/分
・所定掘進速度にて掘進距離1mを掘進するに要する時間(T1)
T1=掘進距離÷掘進速度=1÷0.066≒15.2分/m
つまり、1mの掘進距離を約15分12秒掛けて掘進させることとなる。
2)各ゾーンA〜Cにおける所定固化材量
所定固化材量(リットル/m3)=(所定固化材添加量÷固化材比重)+{所定固化材添加量÷(固化材の水セメント比÷100)}
・a地点(Aゾーン) 所定固化材量=(150÷3.1)+{150×(180÷100)}≒48.4+270≒318.4リットル/m3
・b地点(Bゾーン) 所定固化材量=(130÷3.1)+{130×(150÷100)}≒41.9+195≒236.9リットル/m3
・c地点(Cゾーン) 所定固化材量=(100÷3.1)+{100×(140÷100)}≒32.3+140≒172.3リットル/m3
なお、ここでの値は、原土1m3当たりに添加する固化材量(所定固化材量)である。
3)各ゾーンA〜Cでの所定固化材吐出量
所定固化材吐出量(リットル/分)を以下にて求める。
所定固化材吐出量=(所定固化材量×所定施工量)÷(1時間)
・a地点(Aゾーン) 所定固化材吐出量=(318.4×40)÷60≒213リットル/分
・b地点(Bゾーン) 所定固化材吐出量=(236.9×40)÷60≒158リットル/分
・c地点(Cゾーン) 所定固化材吐出量=(172.3×40)÷60≒115リットル/分
なお、ここでの固化材吐出量とは、施工時に固化材の吐出量管理に用いるものであって、混合撹拌ヘッド5の先端より1分間あたりに吐出させる固化材の吐出量をいい、混合撹拌ヘッド5を所定掘進速度で掘進させたとき(所定施工量)における固化材吐出量を所定固化材吐出量という。
4)所定掘進速度と所定固化材吐出量
混合撹拌ヘッド5の先端より、各ゾーン毎に前記3)で求めた所定固化材吐出量を吐出させつつ、前記1)で求めた所定掘進速度(V1)にて混合撹拌ヘッド5を掘進させることが初期の計画通りの施工をしたこととなる。しかし、原土の土質性状が変化する互層地盤を所定固化材吐出量と所定掘進速度による施工をした場合には、造成される改良壁体の品質(安定処理土の混ざり具合)が不均質かつ不均一なものとなる。以下にて、原土の土質性状が変化する現場にて、均質かつ均一な改良壁体を造成する方法について述べる。
4.均質かつ均一な改良壁体の造成方法
原土の土質性状が変化する原地盤(原位置土)にて均質かつ均一な改良壁体を造成すると言うことは、変化する土質性状に応じて混合撹拌ヘッド5の掘進速度と固化材吐出量を変化(増減、制御)させることが求められる。つまり、混合撹拌中の安定処理土の混ざり具合を計測・評価して、その評価をもとに混合撹拌ヘッド5の掘進速度と固化材吐出量の増減を図ることで、均質かつ均一な改良壁体(安定処理土)の造成が可能となる。
より具体的には、a地点(Aゾーン)からb地点(Bゾーン)、b地点(Bゾーン)からc地点(Cゾーン)に向けて連続した改良壁体を造成するにあたり、前記品質管理装置15にて混合撹拌中の安定処理土の導電率を計測して、その導電率の統計的ばらつきである変動係数とばらつきの傾向特性より当該安定処理土の均質性(混ざり具合)を評価するとともに、その評価に応じた混合撹拌ヘッド5の掘進速度と固化材吐出量に増減を図るものである。以下にて、その方法について述べる。
なお、以下の説明では、安定処理土(改良壁体)の品質管理目標状態での目標値は、先に述べた基本となる地盤改良方法と同様に、深度方向に変化する導電率のばらつきを示す統計的ばらつきとしての変動係数にて「15%以下(以内)」とする。
混合撹拌ヘッド5のトレンチャー部の厚み(図3の平面視において、張り側となる撹拌翼と緩み側となる撹拌翼との離間距離)は、概ね1mである。このトレンチャーが移動する一定時間内の導電率(電気的パラメータ)の変化を計測し、深度方向に異なるその導電率のばらつきを統計的処理して変動係数を求める。その変動係数と「ばらつきの傾向特性」より、当該地盤(原位置土)における品質管理目標状態を満たし得る混合撹拌ヘッド5の掘進速度とその掘進速度に適応した固化材吐出量を求めて、その掘進速度と固化材吐出量に増減する方法とする。
[Aゾーン(a地点〜b地点)での施工事例](混合撹拌不足となる場合での制御)
1)混合撹拌ヘッド5の掘進と導電率の推移
a地点にて、混合撹拌ヘッド5の先端より所定固化材吐出量(213リットル/分)にて固化材を吐出させると共に、混合撹拌翼11を周回させながら混合撹拌ヘッド5を所定深度(h=10m)まで貫入したうえで、前記所定掘進速度(0.066m/分)にてa地点からb地点に向けて混合撹拌ヘッド5を掘進移動させる。混合撹拌ヘッド5を概ね50cmほど掘進移動させたところでベースマシン1のキャビン(運転室)に搭載されているモニター16を確認した。その時、上・中・下と深度方向に異なる位置に取り付けられた各混合撹拌状態計測器14A〜14Cにおける導電率センサ25,26で計測された導電率の変動係数(%)は、図9の(A)のように「−25%」と負(−)の記号を付されたものとなり、その絶対値は当該改良壁体の品質管理目標状態での目標値である「15%」を越えていた。
変動係数の負の記号(−)は図12に示したグラフでの変動係数の傾きを示すものであって、先にも説明したように、このように負の傾き(ばらつきの負の相関特性)を示す場合は下部よりも上部の導電率が小さく、混合撹拌不足となっていることを示している。安定処理土の導電率は固化材添加量が多いほど高い導電率を示す特徴があることは先に述べた通りである。図9の(A)および同図の数値をグラフ化した図12に示されている導電率は、混合撹拌ヘッド5の先端より吐出させた固化材が上層部にまで十分に行き渡っていないことを示すものである。ここでの導電率の計測値は、上部345ms/m、中間部500ms/m、下部655ms/mとなっていて、図9(A)をグラフ化したものを図12に示す。
そこで、混合撹拌ヘッド5の掘進移動を停止して同一地点にて混合撹拌を継続させたところ、図9の(B)に示すように、その1分後には変動係数は「−14%」まで改善され、その絶対値は目標値である15%以下(以内)となっていることを確認した。つまり、トレンチャー部の厚み相当距離1mの掘進距離を所定掘進時間+1分とすることで品質管理目標状態を満たしたこととなる。
2)掘進速度の制御
前述の計測結果より、当該原位置土における適切な掘進速度(V2)を以下にて求める。
V2=掘進距離÷混合撹拌時間=掘進距離÷{(掘進距離÷所定掘進速度)+追加掘進時間}=1.0÷{(1.0÷0.066)+1}≒0.056m/分
粘性土比率の多いAゾーンでの互層地盤(原位置土)では、混合撹拌ヘッド5の掘進速度を前記所定掘進速度(V1)から前記適切な掘進速度(V2)に減速制御することにより均質な安定処理土の施工を可能とした。
3)固化材吐出量の制御
しかし、減速後の掘進速度(V2)と所定固化材吐出量にて施工したとすると、当初計画の所定固化添加量よりも多くの固化材を添加することとなる。因みに、減速後の掘進速度(V2)と所定固化材添加量にて施工した場合における固化材添加量を求める。
掘進速度V2での施工量=(改良深度×幅×掘進速度)×(1時間)
=(10×1×0.056)×60=33.6m3/h
減速後の固化材添加量=所定固化材添加量×(所定施工量÷減速後の施工量)
=150×(40÷33.6)≒179kg/m3
減速後の掘進速度(V2)と所定固化材添加量(所定固化材吐出量)にて施工を継続させた場合の固化材添加量は179kg/m3となり、所定固化材添加量(150kg/m3)よりも29kg/m3多く添加することとなる。固化材添加量を必要以上に添加させることは、改良壁体の強度を必要以上に増大させることとなり、不均一な改良壁体を造成するのみならず経済的なロスともなる。
均質で均一な改良壁体の造成には、減速後の掘進速度に適応した固化材吐出量とすることが必要となる。以下にて、減速後の掘進速度に適応した固化材吐出量を求める。
減速後の固化材吐出量=所定固化材吐出量×(減速後の施工量÷所定施工量)
=213×(33.6÷40)≒179リットル/分
掘進速度の減速とともに固化材吐出量を213リットル/分より179リットル/分に減量することにより、混合撹拌ヘッド5の掘進速度に適応した固化材吐出量に減量(制御)したこととなり、均一な改良壁体の造成が可能となる。
4)掘進速度と固化材吐出量の制御(増減)
互層地盤内に粘性土が多く存在するAゾーンでは、混合撹拌ヘッド5の掘進速度を所定掘進速度(0.06m/分)からこのゾーンでの適切な(望ましい)掘進速度(減速後の掘進速度、0.056m/分)に減速制御するとともに、固化材吐出量を所定固化材吐出量(213リットル/分)からその減速後の掘進速度に適応した固化材吐出量(179リットル/分)に減量制御を行う。
この減速と減量の制御により、安定処理土(改良壁体)の混ざり具合を示す導電率の変動係数(「ばらつきの傾向特性」を含む)は、図9の(A)に示す「−25%」から同図(B)に示す−14%に改善されて、変動係数の絶対値14%は、予め定めた品質管理目標状態での目標値である「15%以下(以内)」を達成すると共に、固化材吐出量をその減速制御に適応した固化材吐出量に減量制御することで、均質かつ均一な改良壁体の造成を可能としている。このような混合撹拌ヘッド5の減速制御と固化材吐出量の減量制御の処理は、図7のステップS7,S8での処理に相当している。
[Bゾーン(b地点〜c地点)での施工事例](当初計画通りの施工例)
図8のAゾーンからBゾーンに向けて、Aゾーンでの減速制御後の掘進速度(0.056m/分)とその減速後の掘進速度に適応した固化材吐出量(179リットル/分)にて混合撹拌ヘッド5を掘進移動させる。混合撹拌ヘッド5がb地点に近づくにつれて安定処理土の混合撹拌直後の流動値が上昇するなどの変化がみられるなかで、混合撹拌翼11の端部がb地点に到達したところで、混合撹拌ヘッド5の掘進速度と固化材吐出量をb地点(Bゾーン)での所定掘進速度(0.066m/分)と所定固化材吐出量(158リットル/分)に変更したうえで、混合撹拌ヘッド5をc地点に向けて掘進移動させる。
なお、AゾーンとBゾーンとでは用いる固化材の水セメント比は異なるが(Aゾーンでは180%、Bゾーンでは150%)、前述のBゾーンでの固化材吐出量に変更する前にBゾーンでの水セメント比に練り直されているものとする。
混合撹拌ヘッド5の中心部がb地点に到達したところで、導電率の変動係数(ばらつきの傾向特性を含む)を確認したところ、図10に示すように「−12%」であった。この変動係数の絶対値は前記品質管理目標状態でのばらつき目標値「15%」よりも小さく、品質管理目標状態に即したものとなっており、Bゾーンでの施工は所定掘進速度と所定固化材吐出量にて均質かつ均一な改良壁体の造成が可能となることを確認した。
[Cゾーン(c地点〜終点)での施工事例](混合撹拌過多となる場合での制御)
図8のBゾーンでの所定掘進速度(0.066m/分)と所定固化材吐出量(158リットル/分)にて、BゾーンからCゾーンに向けて混合撹拌ヘッド5を掘進移動させる。混合撹拌ヘッド5がC地点に近づくにつれて安定処理土の混合撹拌直後の流動値が更に上昇する変化がみられなかで、混合撹拌翼11の端部がc地点に到達したところで、固化材吐出量をCゾーンでの所定固化材吐出量(115リットル/分)に減量変更(158リットル/分→115リットル/分)したうえで、混合撹拌ヘッド5を終点に向けて掘進移動させる。前述と同様に、BゾーンとCゾーンとでは用いる固化材の水セメント比が異なっているので(Bゾーンでは150%、Cゾーンでは140%)、ここでの吐出量の変更前には水セメント比が変更されているものとする。また、ここでの掘進速度は所定掘進速度となっているので、掘進速度の変更はない。
1)混合撹拌ヘッド5の掘進と導電率の推移
混合撹拌ヘッドの中心部がc地点に到達したところで、モニター16の表示を確認したところ、深度方向での導電率の変動係数は図11の(A)に示すように「+7%」と正(+)で表されるばらつきの傾向特性を持つ数値を示していた。変動係数の絶対値「7%」は品質管理目標状態での目標値「15%以下(以内)」となっているが、正(+)で表されるばらつきの傾向特性は下層部の導電率よりも上層部の導電率の方が大きい結果であって、混合撹拌過多を示すものとなっていた。先にも述べたように、安定処理土の導電率は固化材添加量が多いほど高い導電率を示す特徴からして、混合撹拌ヘッド5の下端部にて吐出させた固化材が上層部まで行き渡り、さらに固化材が上層部へと掻き上げられて、混合撹拌過多状態となっていることを示すものである。
混合撹拌過多による施工は、固化材の添加量が下部域よりも上部域の方が多い状態であり、改良壁体の強度は下部よりも上部の方が大きく不均一な改良壁体の造成となる。以下にて、混合撹拌過多となるケースにおける混合撹拌ヘッド5の掘進速度と固化材吐出量の増減(制御)方法について述べる。
2)掘進速度の制御
前述の混合撹拌過多の解消は、先ずは混合撹拌ヘッド5の掘進速度を増速させることにより安定処理土の混ざり具合を低下させ、変動係数に付帯するばらつきの傾向特性を正(+)から負(−)へと変化させることとなる。これは取りも直さず、品質管理目標状態での目標値を達成しつつ生産性の向上を図ることとなる。以下にて、Cゾーンでの適切な(望ましい)増速後の掘進速度を求める。
Cゾーンでの適切な掘進速度を求めるにあたり、以下の値を考慮して求める。
・図8のAゾーンでは、「−25%」の変動係数(ばらつきの傾向特性を含む)を「−14%」とするに、混合撹拌ヘッド5の掘進速度を0.066m/分から0.056m/分に減速(制御)させた。これは所定施工量(40m3/h)から減速後の施工量(33.6m3/h)に制御したこととなる。
・図8のCゾーンでは、混合撹拌過多状態の「+7%」の変動係数(ばらつきの傾向特性を含む)を混合撹拌限界となる「−15%」までの増速制御は可能であるが、前述の減速幅を参考にCゾーンにおける適切な施工量を推定する。
推定施工量=所定施工量÷(減速後の施工量÷所定施工量)
=40÷(33,6÷40)≒48m3/h(推定値)
・増速後の掘進速度(V3)={施工量÷(改良壁体の深度×幅)}÷(1時間)
={48÷(10×1)}÷60≒0.08m/分
増速後の掘進速度に適応する固化材吐出量は以下にて求めるが、その増速後の固化材吐出量を吐出させたうえで前記推定施工量までの増速制御をおこない、再度その結果の品質確認を行うものとする。
3)固化材吐出量の制御
前記増速後の掘進速度(V3)に適応した固化材吐出量を以下にて求める。
増速後の固化材吐出量=所定固化材吐出量×(増速後の施工量÷所定施工量)
=115×(48÷40)≒138リットル/分
混合撹拌ヘッド5を増速させる場合には、先ずは固化材吐出量を増量制御したうえで混合撹拌ヘッド5の掘進速度を増速させることが望ましい。
4)掘進速度と固化材吐出量の制御
図8のAゾーン及びBゾーンよりも粘性土が少ないCゾーンにて、混合撹拌ヘッド5の掘進速度を所定掘進速度にて掘進移動させたら安定処理土の混ざり具合(品質状況)は混合撹拌過多となった。そこで、Aゾーン、Bゾーンと施工を進めた施工実績より、Cゾーンでの適切な掘進速度を推定し、その掘進速度(0.08m/分)に適応した固化材吐出量(138リットル/分)を求めた。
固化材吐出量の増量制御と共に混合撹拌ヘッド5の掘進速度を増速制御させて、10分ほど経過した後に変動係数を確認したところ、図11の(B)に示すように負(−)で表されるばらつきの傾向特性が付帯する「−10%」に変化していた。品質管理目標状態での目標値「15%」(ばらつきの傾向特性を含めると「−15%」)以下(以内)とするまでにはまだ余裕はあるが、原位置土の変化を考慮して、この掘進速度と固化材吐出量にて施工を継続させることとした。この混合撹拌過多状態の増量・増速制御により、品質管理目標値を満たすとともに所定施工量に対して増速後の施工量は120%となり生産性向上を可能とした。これまでに説明した処理が図7のステップS7,S8での処理に相当している。
ここで、図9〜図11での画面表示における三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cの導電率データの平均値の数値そのものはそれほど大きな意味を有していない。その理由は、造成中の安定処理土の品質(混合状態)としては、特に深度方向での差が少なく均質化さていることと例えば図12に示したような傾き(ばらつきの傾向)が重要であり、図9〜図11での画面表示における三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cの導電率データの平均値が互いに一致しないまでも、それらの平均値が互いに近似したものとなるならば所期の目的を達成できるからである。そのために、上記実施例では、造成中の安定処理土の混合撹拌状態の評価指標である統計的ばらつきとして、三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cでの導電率データの平均値同士の相対比較が考慮された変動係数を用いている。また、先にも述べたように図12は、図9の(A)の導電率をグラフ化したものであって、混合撹拌状態のばらつきの傾向としての「ばらつきの傾向特性」は負の傾きを示している。
なお、図9の(A),(B)、図10、図11の(B)にて、深度方向の最下層での混合撹拌状態計測器14Cの導電率データの平均値が最も大きく表示されるのは、混合撹拌ヘッド5の下部の吐出ノズル12(図1,2参照)から固化材を連続的に吐出しているためで、下層ほど固化材の浸透が促進されていることを示すものである。また、図11の(A)は、上層の方が大きい値を示しており、下部の吐出ノズル12から吐出された固化材が上部に十分行き渡っていることを示すものである。言い換えると、前者はやや混合撹拌不足を意味し、後者は混合撹拌過多を意味するものである。
混合撹拌中の安定処理土の混合撹拌状態(混ざり具合)の良し悪しは、一般的には、安定処理地盤の全層(下層部、中層部、上層部)における一軸圧縮強さのばらつき(深度方向での強度差)にて評価判定する。その評価判定を、一軸圧縮強さのばらつきに代えて、上記導電率の統計的ばらつきである変動係数にて行うにあたり、三つの施工箇所(D1、E1、F1)にて、原位置土(原土)とスラリ状の固化材とを混合撹拌して、その混合撹拌中の安定処理土の電気的パラメータである導電率と所定の養生後のコアーボーリングによる供試体での一軸圧縮強さとの比較調査を行ってみた。
それぞれの施工箇所(D1、E1、F1)における固化材添加量(kg/m3)と時間あたり施工量(m3/h)を以下に示す。
・D1:添加量100kg/m3、単位時間あたり施工量60m3/h
・E1:添加量150kg/m3、単位時間あたり施工量50m3/h
・F1:添加量200kg/m3、単位時間あたり施工量40m3/h
この場合において、上記条件下における混合撹拌中の安定処理土の導電率の計測結果とその深度に相当する位置(深度)での安定処理土の一軸圧縮強さの結果を図13の表に示す。なお、導電率の計測結果は、先に述べた三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cにおける各導電率センサ25,26にて計測したものである。
それぞれの施工箇所における導電率と一軸圧縮強さの平均値は、施工箇所A1の導電率は392.4mS/m、一軸圧縮強さは355.0kg/m2、施工箇所B1の導電率は434.7mS/m、一軸圧縮強さは538.7kg/m2、施工箇所C1の導電率は521.9mS/m、一軸圧縮強さは761.9kg/m2、との結果となった。
これらの計測結果をグラフ化したものを図14に示す。また、計測結果の比較から把握できる相関の傾向を以下に示す。
・固化材添加量の変化:D1<E1<F1
・単位時間あたり施工量の変化:D1>E1>F1
・平均導電率の変化:D1<E1<F1
・平均一軸圧縮強さの変化:D1<E1<F1
・導電率の深度方向のばらつき(変動係数):D1>E1>F1
・一軸圧縮強さの深度方向のばらつき(変動係数):D1>E1>F1
すなわち、上記計測結果の比較より得られた特徴は以下の通りとなる。
・固化材の添加量と平均導電率および一軸圧縮強さは正比例する。
・単位時間あたり施工量と平均導電率および一軸圧縮強さは反比例する。
・単位時間あたり施工量と導電率の深度方向のばらつきは正比例する。
・単位時間あたり施工量と一軸圧縮強さの深度方向のばらつきは正比例する。
・導電率の深度方向のばらつきと一軸圧縮強さの深度方向のばらつきは正比例する。
図13の表の最下段には、三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cの各導電率センサ25,26における計測結果より求めた変動係数(深度方向でのばらつき)が記されている。その変動係数を、グラフ化したものが図15である。このグラフからも、深度方向のばらつきを示す導電率(ec)と一軸圧縮強さ(qu)の変動係数は概ね正比例を示している。
つまり、先の実施の形態のように、安定処理土の電気的パラメータである導電率を計測して、その統計的ばらつきである変動係数により、混合撹拌中の安定処理土の品質である混ざり具合(混合撹拌状態)を評価判定することはきわめて有効であることが理解できる。
次に、先の実施例における統計的ばらつきである変動係数の目標値について検討してみる。
上記のような導電率の統計的ばらつきである変動係数に関して、その目標値を予め定めた上で、統計処理により実際に求めた変動係数を予め定めた目標値と比較してその適否判定を行うならば、上記のように混合撹拌中の安定処理土の混合撹拌状態の評価、ひいてはその適否判定を定量的に且つスムーズに行うことが可能となる。
この目標値の設定には、先にも述べたように、経験的な数値を目標値として決定する方法と、地盤改良工事の着手前に試験施工を行って目標値を決定する方法がある。前者の方法は、通常の地盤改良工事における品質のばらつき(先に例示した一軸圧縮強さのばらつき)は、変動係数にて20%〜40%程度の範囲内に収まれば、良好であると言われている。混合撹拌中の安定処理土の導電率の統計的ばらつきである変動係数と、安定処理土の発現強度のばらつきの変動係数(一軸圧縮強さの変動係数)との間には概ね相関(正比例している)があることは先に述べた通りである。これらの経験的なバロメータより、当該安定処理土の変動係数の目標値として、一軸圧縮強さの変動係数を下回る20%以下とするならば、十分に良好な品質が得られることとなる。
後者による方法は、次の(1)〜(3)の通りとする。
(1)当該現場での代表的な地層と思われる地盤(原位置)にて、前記混合撹拌ヘッドを所定速度にて掘進移動させたうえで、当該地盤における混合撹拌中の流動化状態となっている安定処理土の電気的パラメータとして導電率を計測する。
(2)試験施工では、事前試験にて水/固化材比、添加量等を決定した固化材と原位置土との混合撹拌を行う。
(3)試験施工にて得られた導電率を、実際の混合撹拌時における導電率の目標値とする。なお、試験施工にて得られた深度方向に異なる導電率のばらつき(例えば変動係数)を目標値としても良い。
さらに、上記以外の方法として、当該地盤改良工事(安定処理土)の目的に応じた品質ランクを定め、その品質ランク毎に品質管理目標値を予め定めておく方法もある。例えば、図16に示すように、構造物の重要度に応じて品質ランクをA(インフラもしくは構造物として極めて重要なもの)、B(災害等により損傷を受けた場合にも、短期間に修復可能なもの)、C(必要最小限な性能を確保するもの)と分類し、その分類に応じた安定処理土の発現強度(一軸圧縮強さ)の変動係数として、品質ランクAの変動係数は20%以下、品質ランクBの変動係数は30%以下、品質ランクCの変動係数は40%以下、と定めることがある。
この場合において、先にも述べたように、上記安定処理土の発現強度(一軸圧縮強さ)の変動係数と導電率の変動係数との間には相関があることから、上記品質ランクに対して、安定処理土の発現強度(一軸圧縮強さ)の変動係数に応じて導電率の変動係数の目標値を定めるものとする。ただし、導電率の変動係数は当該原土の土質性状によっても敏感に変動するものであることを考慮して、導電率の変動係数の目標値としては、上記発現強度(一軸圧縮強さ)の変動係数を下回る値とすることが望ましい。例えば、品質ランクAの場合の導電率の変動係数の目標値は15%以下、品質ランクBの場合の導電率の変動係数の目標値は25%以下、品質ランクCの場合の導電率の変動係数の目標値は35%以下、の如くである。
このように本実施例によれば、造成中の安定処理土の品質である混合撹拌状態の評価指標として、深度方向で異なる位置に設けた三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cの導電率センサ25,26で収集した導電率データの変動係数を求めて、この求めた変動係数と目標値とを比較することで、混合撹拌状態の適否判定とその混合撹拌状態のばらつきの傾向判定を行うようにしている。その判定結果に基づき混合撹拌ヘッドの掘進速度と固化材吐出量の増減を図ることにより、混合撹拌状態の過不足の発生の抑制とともに発現強度の均一性を確保することができる。その結果として、コスト的にも有利な施工を行えることになる。
また、本実施例では、各混合撹拌状態計測器14A〜14Cにおける2極式の各導電率センサ25,26は、実際には図5に示した一対の電極28a,28b間の比抵抗を検出していて、その比抵抗実測値を比抵抗の逆数である導電率に変換した上で品質管理装置15に取り込んでいることは先に述べた。
本実施例で計測対象としている造成中の安定処理土は、図5にも示すように、電気抵抗Rの電気抵抗体とみなすことができ、この電気抵抗の計測は、安定処理土の中に臨ませた一対の電極28a,28b間に電流を流し、その電流が流れた経路の電圧(電位差)を計測して抵抗Rを求めることになる。この抵抗Rは、電流が流れた経路の長さや断面積によって変わるので、断面積1m2、長さ1mの単位寸法にそろえたとき、その物体の抵抗を比抵抗ρ(Ω m)として検出している。そして、この比抵抗ρをその逆数である導電率(mS/m)に変換した上で先の統計的ばらつきの算出に必要な電気的パラメータとして使用している。
その一方で、図9〜図11での画面表示における三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cにおいて、それらの個々の導電率センサ25,26の導電率データの平均値の数値そのものはそれほど大きな意味を有しておらず、造成中の安定処理土の品質(混合撹拌状態)としては、特に深度方向での差が少なく均質化さていることが重要であり、図9〜図11での画面表示における三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cの導電率データの平均値が互いに一致しないまでも、それらの平均値が互いに近似したものとなれば良いこともまた先に述べた。
要するに、図9〜図11での画面表示における三つの混合撹拌状態計測器14A〜14Cの電気的パラメータの平均値同士を相対的に比較して、それらの差が可及的に小さいものとなれば所期の目的は達成できることになる。
言い換えるならば、先に述べた導電率や比抵抗といった電気的パラメータに代えて、例えば先に述べた比抵抗を求める前の一対の電極28a,28b間の抵抗値や、定電流下での一対の電極28a,28b間の電圧、あるいは定電圧印加時の一対の電極28a,28b間の電流の大きさを電気的パラメータとしても所期の目的を達成することが可能である。つまり、先の実施例における混合撹拌状態計測器14A〜14Cとして、導電率センサ25,26に代えて、抵抗、電流、電圧等の他の電気的パラメータを計測する手段を用いることも可能である。
また、本実施例では、導電率に代表される電気的パラメータの統計的ばらつきとして変動係数を用いているが、他の統計的ばらつきとして、標準偏差や、範囲、平均差、平均絶対偏差等を用いることももちろん可能である。
さらに、本実施例では、地盤改良工法における安定処理土の造成を例にとって説明したが、必要に応じて、本発明は、例えば重金属や油等による汚染土壌と還元剤や浄化剤を混合撹拌して、汚染土壌の浄化を図る工法にも適用することができる。
1…ベースマシン
5…混合撹拌ヘッド
6…フレーム
6b…ポスト
10…ドライブチェーン
11…混合撹拌翼
14A〜14C…混合撹拌状態計測器(混合撹拌状態計測手段)
15…品質管理装置
16…モニター(表示手段)
25,26…導電率センサ
28a,28b…電極

Claims (11)

  1. 上下方向に周回移動するトレンチャー式の混合撹拌翼を備えた混合撹拌ヘッドを地中に所定深度まで貫入したうえで、固化材の吐出のほか前記混合撹拌翼による原位置土の掘削及びその原位置土と固化材との混合撹拌を行って安定処理土を造成する地盤改良方法であって、
    前記安定処理土の混合撹拌状態の評価指標として、深度方向でのばらつきの傾向特性を含む統計的ばらつきの目標値を予め定めておき、
    前記安定処理土の混合撹拌状態が前記目標値を満たすように造成するにあたり、下記(1)〜(5)の工程を含むことを特徴とする地盤改良方法。
    (1)前記混合撹拌ヘッドの深度方向の異なる複数個所に取り付けた混合撹拌状態計測手段にて、造成中の安定処理土の混合撹拌状態を所定の周期で個別に計測する工程。
    (2)前記計測結果を統計処理して、前記安定処理土の深度方向でのばらつきの傾向特性を含む統計的ばらつきを求める工程。
    (3)前記ばらつきの傾向特性を含む前記統計的ばらつきが前記目標値を満たしているか否かを判定する工程。
    (4)前記判定の結果、前記統計的ばらつきが前記目標値を満たしていないと判定された場合に、前記目標値を達成可能な前記混合撹拌ヘッドの適切な掘進速度とその掘進速度に適応する固化材吐出量を求める工程。
    (5)前記(4)で求めた適切な掘進速度とその掘進速度に適応する固化材吐出量にて前記安定処理土の造成を行う工程。
  2. 前記ばらつきの傾向特性を含む前記統計的ばらつきが前記目標値を満たしているか否かの判定は、混合撹拌不足であるか混合撹拌過多であるかの判定であり、
    前記混合撹拌不足と判定された場合に、前記目標値を達成可能な前記混合撹拌ヘッドの掘進速度とその掘進速度に適応する固化材吐出量を求めたうえで、
    その求めた掘進速度と固化材吐出量に減速・減量させることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良方法。
  3. 前記ばらつきの傾向特性を含む前記統計的ばらつきが前記目標値を満たしているか否かの判定は、混合撹拌不足であるか混合撹拌過多であるかの判定であり、
    前記混合撹拌過多と判定された場合に、前記目標値を達成可能な前記混合撹拌ヘッドの掘進速度とその掘進速度に適応する固化材吐出量を求めたうえで、
    その求めた掘進速度と固化材吐出量に増速・増量させることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良方法。
  4. 通常の安定処理土として許容できる品質のばらつきをもって、前記目標値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の地盤改良方法。
  5. 前記原位置土における代表的な地層と思われる位置にて、前記混合撹拌ヘッドを所定掘進速度にて掘進移動させたときの品質のばらつきをもって、前記目標値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の地盤改良方法。
  6. 前記安定処理土の目的に応じた品質ランクごとに許容できる品質のばらつきを予め定めておき、その品質ランクごとの品質のばらつきをもって、前記目標値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の地盤改良方法。
  7. 前記各混合撹拌状態計測手段は、造成中の前記安定処理土の中に臨む複数の電極を有していて、それらの複数の電極により安定処理土の電気的パラメータを計測するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の地盤改良方法。
  8. 前記統計的ばらつきは、前記各混合撹拌状態計測手段の複数の電極により計測される電気的パラメータを統計処理して得られる変動係数とすることを特徴とする請求項7に記載の地盤改良方法。
  9. 造成中の前記安定処理土の混合撹拌状態を計測するにあたり、前記安定処理土の流動値をテーブルフロー値にて115mm以上とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の地盤改良方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つに記載の地盤改良方法に用いる地盤改良装置であって、
    前記各混合状態計測手段は、前記混合撹拌ヘッドの平面視において、張り側となる前記混合撹拌翼と緩み側となる前記混合撹拌翼とで挟まれた領域であって且つ前記混合撹拌ヘッドの母体となるポストの側面に取り付けられていることを特徴とする地盤改良装置。
  11. 前記混合撹拌ヘッドはベースマシンに支持されていて、
    前記統計処理により求めた統計的ばらつきと共に、前記目標値を表示する表示手段が、前記ベースマシンのキャビンに設置されていることを特徴とする請求項10に記載の地盤改良装置。
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