JP6292970B2 - 圧力制御弁および作業機械 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば油圧ショベル等に搭載された油圧アクチュエータを駆動させるための圧力制御弁および、その圧力制御弁を備えた作業機械に関する。
油圧ショベル、ホイールローダ等の作業機械に用いられる油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータは、油圧ポンプから作動油を供給することによって駆動し、その作動油の供給を、方向制御弁等のバルブを閉じて遮断することによって停止する構成とされている。
ところが、例えば油圧ショベルの上部旋回体や、フロント作業機等の稼働部は、自重等により大きな慣性力を有するため、油圧アクチュエータを停止する際に、方向制御弁等のバルブを閉じて作動油の供給を遮断しても、その大きな慣性力によって、油圧アクチュエータの駆動が継続する等してしまい、油圧アクチュエータを即時に停止させることができない。
特に、その油圧アクチュエータが、上部旋回体を旋回させるための油圧モータの場合には、作動油の供給を遮断しても、完全に停止するまでに、旋回駆動時に生じる大きな慣性力によって、作動油が供給されない状態で回転を継続してしまう。このため、作動油を供給していた側の管路の作動油圧が負圧となってしまい、この管路の作動油中に気泡が発生する現象、すなわちキャビテーションが発生するおそれがあり、騒音やエロージョンの原因となる。
また、当該油圧アクチュエータが、フロント作業機を駆動させるための油圧シリンダの場合には、自重が大きなブームをブーム下げ動作させるといった、大きな慣性を伴う動作や、ブーム下げ動作からブーム上げ動作に急激に切り換えるといった、油圧シリンダへ掛かる負荷を急激に逆転させる動作を行った際においても、油圧シリンダ内の作動油圧が負圧となってしまい、キャビテーションが発生するおそれがある。これにより、油圧シリンダ内の作動油中に気泡が混在することとなり、この気泡の混在によって作動油の圧縮性が増加してしまうため、油圧アクチュエータの応答性の低下や、瞬間的に駆動力が低下する息つき、停止時の揺り戻しといった操作性に悪影響を生じさせる原因となる。
この種の操作性の低下を防止する従来技術が、特許文献1に開示されている。この特許文献1においては、メイクアップ弁を用いて作動油圧を補償してキャビテーションを防止している。メイクアップ弁は、リリーフ弁と一体型とされ小型化されている。リリーフ弁は、油圧アクチュエータに供給される作動油圧が、予め設定したリリーフ設定圧より高くなった場合にリリーフ弁が開動作し、油圧アクチュエータに接続されたアクチュエータ回路から、作動油タンクに接続されたタンク回路に作動油を流して、油圧アクチュエータに供給される作動油圧の急激な上昇を防止している。メイクアップ弁は、油圧アクチュエータに供給される作動油圧が低くなった場合に、タンク回路からアクチュエータ回路へ作動油を流す、いわゆるメイクアップ制御にて、キャビテーションの発生を防止している。
特開平2−93177号公報
上記特許文献1に係る従来技術は、リリーフ弁とメイクアップ弁とのそれぞれがアクチュエータ回路およびタンク回路のそれぞれに接続されている。このため、メイクアップ弁が作動する作動圧や、メイクアップ弁からアクチュエータ回路へ流す作動油流量は、タンク回路の作動油圧に依存している。すなわち、アクチュエータ回路の作動油圧低下に対し、効率良く作動油流量を確保して、キャビテーションの発生を防止するためには、タンク回路の作動油圧が高いことが好ましい。
しかしながら、油圧アクチュエータを駆動させるための油圧回路全体の圧力差を確保する観点や、作動油のエネルギロスを低減させる観点からすると、タンク回路の作動油圧は低いことが好ましく、油圧ショベル等の建設機械においては、一般に、タンク回路の作動油圧を、大気圧程度の圧力に設定している。この場合には、メイクアップ弁の作動圧が、大気圧に近い値となるため、アクチュエータ回路の急激な作動油圧低下に対応できず、アクチュエータ回路の作動油圧が大気圧程度あるいは負圧とならない限り、メイクアップ弁が作動しない可能性がある。
さらに、上述した理由により作動油タンク圧が大気圧程度であると、アクチュエータ回路の作動油圧が急激に低下し、メイクアップ弁が作動する状態になった場合に、アクチュエータ回路とタンク回路との圧力差が小さくなる。このため、メイクアップ弁の作動によって、十分な流量の作動油を素早くアクチュエータ回路へ供給することができず、アクチュエータ回路の負圧状態を素早く解消できない可能性もある。この結果、アクチュエータ回路の作動油圧が急激に低下した場合に、メイクアップ弁が適切に作動せず、アクチュエータ回路内にキャビテーションが発生し、さらに負圧状態の解消に遅れが生じるおそれがある。よって、アクチュエータ回路のエロージョン、騒音、油圧アクチュエータの応答性の低下、息つき、振動等が生じ、作業機械の操作性や信頼性を低下させてしまうおそれがある。
以上から、上記特許文献1に係る従来技術においては、メイクアップ弁とリリーフ弁とを一体型として小型化を実現しているものの、タンク回路の作動油圧を大気圧程度に設定している場合においては、メイクアップ弁の作動圧が大気圧に近い値となり、アクチュエータ回路とタンク回路との圧力差が小さいことから、アクチュエータ回路の作動油圧が急激に低下した場合に、メイクアップ弁が適切に作動せず、メイクアップ弁によるメイクアップ制御を適切に行うことができない。
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、小型化を実現しつつ、より適切なメイクアップ制御を可能とする圧力制御弁および作業機械を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明に係る圧力制御弁は、背圧室と、前記背圧室に連通した第1ないし第3ポートと、前記背圧室に設置され、前記第1ポートの圧力が前記背圧室の圧力より高い場合に動作して、前記第1ポートを前記第2ポートに連通させるメインバルブと、前記背圧室の圧力が前記第2ポートの圧力より高い場合に動作して、前記背圧室を前記第2ポートに連通させるパイロットバルブと、前記第3ポートの圧力が前記背圧室の圧力より高い場合に動作して、前記第3ポートを前記背圧室に連通させる流量補償部と、を備え、前記メインバルブは、前記背圧室を前記第1ポートに連通させる流路を有していることを特徴としている。
このように構成した本発明は、例えば、油圧ポンプから供給される作動油を油圧アクチュエータへ導くアクチュエータ回路に第1ポートを接続し、油圧アクチュエータから排出される作動油を作動油タンクへ導くタンク回路に第2ポートを接続し、タンク回路の圧力より高い作動油圧とされ作動油タンクに接続されたメイクアップ回路に第3ポートを接続する。この結果、背圧室の圧力が第2ポートの圧力より高い場合にパイロットバルブが動作して、背圧室が第2ポートに連通し、背圧室の作動油圧がタンク回路の作動油圧とされるため、メイクアップ回路の作動油圧をタンク回路の作動油圧より高い状態に維持することができる。
この状態で、油圧アクチュエータ内の作動油圧が急激に低下した場合には、メインバルブの流路から背圧室の作動油がアクチュエータ回路へ供給されていき、第3ポートの圧力が背圧室の圧力より高くなる。すると、流量補償部が動作して、第3ポートが背圧室に連通し、メイクアップ回路から作動油が背圧室、および流路を介してアクチュエータ回路へ供給される。よって、油圧アクチュエータ内の作動油圧が急激に低下した場合に、メイクアップ回路からアクチュエータ回路へ迅速に作動油を補填することができ、油圧アクチュエータにおける負圧の発生を防止することができる。また同時に、油圧アクチュエータ内で過剰な圧力が発生した場合に、第1ポートの圧力が背圧室の圧力より高い場合にメインバルブが動作して、第1ポートが第2ポートに連通し、アクチュエータ回路の作動油を作動油タンクに導くことができる。
以上により、メインバルブ、パイロットバルブおよび流量補償部を備えた1つの圧力制御弁にて、油圧アクチュエータ内の作動油圧の急激な変動に対応することができる。よって、小型化を実現しつつ、油圧アクチュエータに供給される作動油圧がタンク回路の作動油圧よりも低くなった場合に、アクチュエータ回路へ作動油を供給するメイクアップ制御をより適切に行うことができる。
また本発明は、上記発明において、前記メインバルブは、前記流路に開閉可能に取り付けられ前記背圧室の圧力が前記第1ポートの圧力より高い場合に開動作するチェック弁を有し、前記チェック弁には、前記背圧室を前記第1ポートに連通させる絞り流路が設けられ、前記絞り流路は、前記流路の断面積より小さな断面積であることを特徴としている。
このように構成した本発明は、油圧アクチュエータ内の作動油圧が急激に低下した場合に、メインバルブの流路に取り付けられたチェック弁の絞り流路から背圧室の作動油がアクチュエータ回路へ供給される。そして、第3ポートの圧力が背圧室の圧力より高くなると、チェック弁が開動作してメインバルブの流量が開口され、背圧室と第1ポートとの間の流路面積が広げられ、背圧室から第1ポートへ作動油がより流れやすくなり、第3ポートから第1ポートへより迅速に作動油の流量補填を行うことができ、油圧アクチュエータにおける負圧の発生をより迅速かつ確実に防止することができる。
また本発明は、上記発明において、前記第1ポートの圧力が前記第2ポートの圧力より低い場合であって、前記流量補償部が開動作する圧力よりも低い圧力で動作して、前記第1ポートを前記第2ポートに連通させる補助流量補償部を備えていることを特徴としている。
このように構成した本発明は、例えば、油圧アクチュエータが大きな慣性力を有する状態で急停止した場合には、油圧アクチュエータ内の負圧の発生を防止する観点から、メイクアップ回路から供給可能な流量を越える作動油流量を第1ポートに供給する必要が生じる。そこで、第1ポートの圧力が第2ポートの圧力より低い場合であって、流量補償部が開動作する圧力よりも低い圧力で補助流量補償部が動作して第1ポートを第2ポートに連通し、タンク回路からアクチュエータ回路へ作動油を供給させる。この結果、流量補償部による第1ポートへの作動油供給を補助流量補償部にてアシストできるため、アクチュエータ回路の作動油圧の低下を低減でき、作動油圧の変動に基づく油圧アクチュエータに与える影響を低減させることができる。
また本発明は、上記発明において、作動油タンクと、前記作動油タンクから作動油を導く油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される作動油にて駆動される油圧アクチュエータと、前記圧力制御弁と、前記圧力制御弁の第1ポートに接続され、前記油圧ポンプから供給される作動油を前記油圧アクチュエータへ導くアクチュエータ回路と、前記圧力制御弁の第2ポートに接続され、前記油圧アクチュエータから排出される作動油を前記作動油タンクへ導くタンク回路と、前記油圧ポンプとは異なる補助油圧源と、前記補助油圧源から供給される作動油を前記タンク回路の圧力より高い圧力とする圧力付与部と、前記圧力制御弁の第3ポートに接続され、前記圧力付与部を介して前記作動油タンクに接続されたメイクアップ回路と、を具備したことを特徴としている。
このように構成した本発明は、1つの圧力制御弁にて、油圧アクチュエータ内の作動油圧の急激な変動に対応することができる。よって、小型化を実現しつつ、より適切なメイクアップ制御が可能な圧力制御弁となり、油圧アクチュエータの応答性の低下、息つき、振動等を低減できるから、作業機械の操作性および信頼性を向上できる。
本発明は、背圧室と、背圧室に連通した第1ないし第3ポートと、背圧室に設置され、第1ポートの圧力が背圧室の圧力より高い場合に動作して、第1ポートを第2ポートに連通させるメインバルブと、背圧室の圧力が第2ポートの圧力より高い場合に動作して、背圧室を前記第2ポートに連通させるパイロットバルブと、第3ポートの圧力が背圧室の圧力より高い場合に動作して、第3ポートを背圧室に連通させる流量補償部と、を備え、メインバルブは、背圧室を第1ポートに連通させる流路を有する構成としている。この構成により本発明は、メインバルブ、パイロットバルブおよび流量補償部を備えた1つの圧力制御弁にて、第1ポート側の急激な圧力変動に対応することができる。よって、小型化を実現しつつ、第1ポート側の圧力が第2ポート側の圧力よりも低くなった場合に、第1ポートへ作動油を供給するメイクアップ制御をより適切に行うことができる。そして、前述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明より明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係る圧力制御弁が搭載された作業機械の一例である油圧ショベルを示す概略図である。 上記油圧ショベルに搭載される油圧駆動システムを示す油圧回路図である。 上記油圧駆動システムに用いられた圧力制御弁の概略を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る圧力制御弁の概略を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る圧力制御弁を備えた油圧駆動システムを示す油圧回路図である。 上記圧力制御弁の概略を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る圧力制御弁の概略を示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係る圧力制御弁の概略を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力制御弁が搭載された作業機械の一例である油圧ショベルを示す概略図である。図2は、油圧ショベルに搭載される油圧駆動システムを示す油圧回路図である。図3は、油圧駆動システムに用いられた圧力制御弁の概略を示す断面図である。本第1実施形態は、リリーフ制御およびメイクアップ制御のそれぞれが可能な一体型のメイクアップ機能付リリーフバルブである。
<全体構成>
本発明の第1実施形態に係る圧力制御弁であるメイクアップ付リリーフ弁40が搭載される作業機械として、油圧ショベル1を例として説明する。油圧ショベル1は、図1に示すように、左右方向の両側にクローラ式の走行装置2aを備えた下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に取り付けられ本体を構成する上部旋回体3とを備えている。上部旋回体3上には、オペレータが搭乗するキャブ4が設けられている。下部走行体2と上部旋回体3とは、旋回装置5を介して旋回可能とされている。
上部旋回体3の前側には、例えば土砂の掘削作業等を行うための作業装置であるフロント作業機10の基端部が回動可能に取り付けられている。ここで、前側とは、キャブ4に搭乗する操作者が向く方向(図1中の左方向)をいう。フロント作業機10は、上部旋回体3の前側に基端部が俯仰動可能に連結されたブーム11を備えている。ブーム11は、供給される流体としての作動油(圧油)にて駆動する油圧シリンダであるブームシリンダ12を介して動作する。ブームシリンダ12は、ロッド12aの先端部がブーム11に連結され、シリンダチューブ12bの基端部が上部旋回体3に連結されている。
ブームシリンダ12は、図2に示すように、シリンダチューブ12bの基端側に位置し作動油が供給されることによりロッド12aの基端部に取り付けられたピストン12cを押圧して作動油圧による荷重を与えて、ロッド12aを伸長移動させる第1作動油室としてのヘッド室12dを備えている。また、ブームシリンダ12は、シリンダチューブ12bの先端側に位置し作動油が供給されることによりピストン12cを押圧して作動油圧による荷重を与えて、ロッド12aを縮退移動させる第2作動油室としてのロッド室12eを備えている。
ブーム11の先端部には、アーム13の基端部が俯仰動可能に連結されている。アーム13は、油圧シリンダであるアームシリンダ14を介して動作する。アームシリンダ14は、ロッド14aの先端部がアーム13に連結され、シリンダチューブ14bの基端部がブーム11に連結されている。アームシリンダ14は、ブームシリンダ12と同様に、ピストンを押圧してロッド14aを伸長移動させるヘッド室と、ピストンを押圧してロッド14aを縮退移動させるロッド室とを備えた構成とされている。
アーム13の先端部には、バケット15の基端部が俯仰動可能に連結されている。バケット15は、油圧シリンダであるバケットシリンダ16を介して動作する。バケットシリンダ16は、ロッド16aの先端部がバケット15に連結され、シリンダチューブ16bの基端がアーム13に連結されている。バケットシリンダ16もまた、ブームシリンダ12と同様に、ピストンを押圧してロッド16aを伸長移動させるヘッド室と、ピストンを押圧してロッド16aを縮退移動させるロッド室とを備えた構成とされている。
なお、ブームシリンダ12、アームシリンダ14およびバケットシリンダ16のそれぞれは、供給される作動油によって伸縮動作し、この供給される作動油の供給方向に依存して伸縮駆動される。図2に示す油圧駆動システム21は、図1に示す油圧ショベル1の上部旋回体3の後方に取り付けられたカウンタウエイト6より前側の機械室7に収容されており、油圧ショベル1を駆動させる駆動装置である。カウンタウエイト6は、重量バランスを確保する。
油圧駆動システム21は、フロント作業機10を構成するブームシリンダ12、アームシリンダ14およびバケットシリンダ16に加え、旋回装置5および走行装置2aの駆動に用いられる。旋回装置5および走行装置2aは、作動油の供給を受け回転駆動する液圧モータを含んでいる。油圧駆動システム21は、キャブ4内に設置された操作部である操作レバー装置(図示せず)の操作に応じて、油圧アクチュエータであるブームシリンダ12、アームシリンダ14、バケットシリンダ16、旋回装置5および走行装置2aを駆動させる。
<油圧駆動システム>
図2においては、油圧駆動システム21のうちの、ブームシリンダ12以外の油圧アクチュエータを駆動するための油圧配管を省略している。油圧駆動システム21は、例えばエンジンまたは電動モータ等の動力源となる原動機32を備えている。原動機32には、主油圧源となる油圧ポンプとしてのメインポンプ31が機械的に接続されている。メインポンプ31は、原動機32にて駆動され、作動油タンク37から作動油を吸い込んで導いて吐出させる。メインポンプ31の吐出側には、このメインポンプ31から吐出された作動油が供給されるメイン回路42が接続されている。メイン回路42の下流側は、分岐された油路とされ、一方の油路が方向制御弁33のセンタバイパス回路に接続され、他方の油路がチェック弁35を介して方向制御弁33の供給ポートに接続されている。
方向制御弁33の排出側には、ブームシリンダ12を伸縮駆動させるためのアクチュエータ回路43と、ブームシリンダ12から排出された作動油を作動油タンク37へ導くためのタンク回路44とが接続されている。アクチュエータ回路43は、メインポンプ31から供給される作動油をブームシリンダ12のヘッド室12dへ導く油路と、メインポンプ31から供給される作動油をブームシリンダ12のロッド室12eへ導く油路とされている。タンク回路44は、メインポンプ31から供給される作動油を作動油タンク37へ導く油路を有している。タンク回路44の下流側は、オイルフィルタ36を介して作動油タンク37に接続されている。アクチュエータ回路43の各油路には、リリーフ弁38の供給側がそれぞれ接続されている。これらリリーフ弁38は、フロント作業機10が駆動中に外部に接触したり、駆動中に落石等がフロント作業機10に当たるなどした際に、アクチュエータ回路43内の作動油圧が急激に上昇することを防止するためのオーバーロードリリーフ弁である。各リリーフ弁38の排出側は、タンク回路44に接続されている。
メインポンプ31とは別個に、補助油圧源である補助ポンプ45が設けられている。補助ポンプ45は、原動機32にて駆動され、作動油タンク37から作動油を吸い込んで吐出される。補助ポンプ45の吐出側は、各メイクアップ弁39に作動油を供給するためのメイクアップ回路47に接続されている。メイクアップ回路47は、アクチュエータ回路43に作動油の流量補填を行うためのメイクアップ弁39の供給側と、メイクアップ回路47の作動油圧を所定の値に確保するための圧力設定部46の供給側とのそれぞれに接続されている。圧力設定部46は、排出側が作動油タンク37に接続されており、メイクアップ回路47の作動油圧を、タンク回路44の作動油圧より高い圧力とする圧力付加部である。
さらに、図2に示すように、アクチュエータ回路43の各油路に接続されたリリーフ弁38およびメイクアップ弁39によって、メイクアップ付リリーフ弁40がそれぞれ構成されている。油圧駆動システム21は、方向制御弁33、チェック弁35および一対のメイクアップ付リリーフ弁40によって、ブームシリンダ12の伸縮駆動を制御するためのコントロールバルブ8が構成されている。
<メイクアップ付リリーフ弁>
メイクアップ付リリーフ弁40は、図2に示すリリーフ弁38によるリリーフ制御と、メイクアップ弁39によるメイクアップ制御とを有する一体型の圧力制御弁であり、図3に示すように、略円筒状のケーシング53を備えている。ケーシング53の上側には、上方に向けて開口した圧力室61が設けられている。ケーシング53の下側には、下方に向けて開口した背圧室60が設けられている。背圧室60には、軸方向に移動可能にメインバルブとなるメインポペット51が収容されて取り付けられている。
メインポペット51には、軸方向に沿って貫通した絞り流路64が設けられている。背圧室60には、メインポペット51を下方に押圧するバネ56が収容されている。背圧室60と圧力室61とを連通する流路65の圧力室61側には、パイロットバルブであるパイロットポペット55が取り付けられている。圧力室61は、プラグ54にて上側が閉塞されている。プラグ54とパイロットポペット55の間には、パイロットポペット55を下方に押圧して流路65のシート部71に接触させて流路65を閉塞するためのバネ57が取り付けられている。ここで、絞り流路64は、背圧室60と圧力室61とを連通する流路65よりも小さい断面積とされている。
また、ケーシング53には、流路67を介して背圧室60の上側に連通した圧力室62が設けられている。圧力室62には、第3ポートであるメイクアップポート50が開口されており、圧力室62側から流量補償部としてのチェック弁59が取り付けらえている。圧力室62内には、チェック弁59をメイクアップポート50側へ押圧してメイクアップポートのシート部70に接触させてメイクアップポートを閉塞するためのバネ58が取り付けられている。メイクアップポート50は、ホース72を介してメイクアップ回路47に接続されている。
そして、ケーシング53は、背圧室60にメインポペット51を収容させた状態で、ハウジング68に収容させて取り付けられている。また、ケーシング53は、メイクアップポート50をハウジング68の外側に露出させた状態とされて取り付けられている。ハウジング68には、背圧室60の下側に連通する第2ポートであるタンクポート49と、タンクポート49に連通する第1ポートであるアクチュエータポート48とが設けられている。タンクポート49は、タンク回路44に接続され、流路66を介して圧力室61に連通している。アクチュエータポート48は、アクチュエータ回路43に接続され、メインポペット51がバネ56にて押圧されアクチュエータポート48のシート部69に接触されてメインポペット51にてタンクポート49とアクチュエータポート48との連通を閉塞した状態で、メインポペット51の絞り流路64に連通する。
ここで、バネ57は、アクチュエータポート48側の圧力Paが、所定の圧力より高くなった場合に、アクチュエータポート48内の作動油圧Pa(=背圧室60の作動油圧P1)と、圧力室61の作動油圧Ptとの差圧に基づいて、パイロットポペット55が押されて開動作して流路65を開口させる。すなわち、パイロットポペット55は、背圧室60とタンクポート49との間を開閉制御する。また、バネ56,58は、バネ57よりも小さい差圧で押されて開口するように設定されている。
すなわち、メインポペット51は、アクチュエータポート48とタンクポート49との間を開閉制御し、アクチュエータポート48側の作動油圧Paが、背圧室60の作動油圧P1より高い場合に開動作して、アクチュエータポート48をタンクポート49に連通させる。また、チェック弁59は、メイクアップポート50側の作動油圧Pmが背圧室60の作動油圧より高い場合に動作して、メイクアップポート50を背圧室60に連通させる。
<動作>
次に、上記第1実施形態に係るメイクアップ付リリーフ弁40の動作について、より詳細に説明する。
(非動作時)
メイクアップ付リリーフ弁40が動作していない状態は、アクチュエータポート48側の作動油圧Paと、背圧室60および圧力室62の作動油圧P1とが等しい圧力であり、かつタンクポート49側および圧力室61の作動油圧Ptが等しい圧力となっている。
(リリーフ制御)
アクチュエータポート48側の作動油圧Paが、予め定めた所定の圧力よりも上昇した場合は、アクチュエータポート48側に供給される作動油が絞り流路64を介して背圧室60内に供給される。このため、アクチュエータポート48側の作動油圧Paと圧力室61の作動油圧Ptとの差圧、すなわち流路65側からパイロットポペット55に作用する力が、バネ57の弾性力よりも大きくなる。
すると、背圧室60の作動油によって、バネ57の弾性力に抗してパイロットポペット55が流路65の上方に押圧され、流路65が開口される。この結果、背圧室60の作動油圧P1と圧力室61の作動油圧Ptとの差圧によって、背圧室60内の作動油が流路65を介して圧力室61内に供給されていき、この圧力室61から流路66を介してタンクポート49へ作動油が排出されていく。
このとき、背圧室60と圧力室61とを連通する流路65よりも、アクチュエータポート48と背圧室60とを連通する絞り流路64の断面積が小さく設定されているため、背圧室60から圧力室61へ供給される作動油流量よりも、アクチュエータポート48から背圧室60へ供給される作動油流量が少ない。この結果、背圧室60内の作動油流量が徐々に減少していき、背圧室60内の作動油流量の減少に伴って背圧室60の作動油圧P1が低下していく。
すなわち、背圧室60の作動油圧P1が低下することにより、バネ57の弾性力に抗して、メインポペット51をケーシング68のシール部69に押え付ける方向に作用する圧力が減少していく。この結果、アクチュエータポート48側の作動油圧Paに対する背圧室60の作動油圧P1の差圧が徐々に大きくなっていき、この差圧がバネ57の弾性力よりも大きくなり、メインポペット51のアクチュエータポート48側に作用する力が大きくなる。すると、バネ57の弾性力に抗してメインポペット51が上方に押圧され、アクチュエータポート48がタンクポート49に連通し、アクチュエータポート48側からタンクポート49側へ作動油が排出される。
(メイクアップ制御)
アクチュエータポート48側の作動油圧Paがメイクアップポート50側の作動油圧Pmよりも低くなった場合は、アクチュエータポート48と背圧室60とが絞り流路64にて連通しているため、背圧室60の作動油圧P1がアクチュエータポート48側の作動油圧Paに等しくなるまで低下していく。この結果、圧力室62の作動油圧P1も低下していき、メイクアップポート50側の作動油圧Pmと圧力室62の作動油圧P1との差圧、すなわちメイクアップポート50側からチェック弁59に作用する圧力が、バネ58の弾性力よりも大きくなる。
すると、メイクアップポート50側の作動油によって、バネ58の弾性力に抗してチェック弁59が圧力室62側に押圧され、メイクアップポート50が開口される。この結果、メイクアップポート50から圧力室62および背圧室60へと作動油が供給されていく。さらに、背圧室60へ供給された作動油が、絞り流路64を介してアクチュエータポート48側へ供給されていく。
<作用効果>
以上により、上記第1実施形態においては、ブーム上げ動作またはブーム下げ動作時にフロント作業機10のいずれかの部分が何等かの障害物に接触する等し、アクチュエータ回路43の作動油圧が、予め定める所定値を超える圧力に上昇した場合に、メイクアップ付リリーフ弁40の上記リリーフ制御が作動する。この結果、アクチュエータ回路43からタンク回路44に作動油が排出されるため、アクチュエータ回路43における作動油圧の過大な上昇を防止することができる。したがって、アクチュエータ回路43の作動油圧の急激な上昇に伴う、ブームシリンダ12その他の油圧回路構成部品の損傷を防止することができる。
また、ブームシリンダ12の駆動を停止させる場合や、大きな慣性力を伴うブーム上げ動作や、ブーム下げ動作からブーム上げ動作に急激に切り換える等の負荷を急激に逆転させる動作を行った際に、アクチュエータ回路43の作動油圧が低下し、アクチュエータ回路43の作動油圧がメイクアップ回路47の作動油圧よりも低くなった場合に、メイクアップ付リリーフ弁40の上記メイクアップ制御が作動する。この結果、メイクアップ回路47からアクチュエータ回路43に作動油が供給されるため、アクチュエータ回路43の作動油圧の低下を防止することができる。
このとき、圧力設定部46により、メイクアップ回路47の作動油圧をタンク回路44の作動油圧よりも高く設定しているため、タンク回路44からアクチュエータ回路43に作動油流量を補填する場合に比べ、より高い作動油圧のメイクアップ回路47からアクチュエータ回路43へ作動油流量を補填する構成としている。したがって、アクチュエータ回路43の作動油圧がタンク回路44の作動油圧まで低下するよりも早い段階、すなわちアクチュエータ回路43の作動油圧がメイクアップ回路47の作動油圧まで低下した段階で、メイクアップ付リリーフ弁40の上記メイクアップ機能を作動させることができる。
よって、アクチュエータ回路43の作動油圧変動に対し、より高い応答性でアクチュエータ回路43の作動油流量を補填でき、アクチュエータ回路43の急激な作動油圧低下に対応することができる。したがって、タンク回路44からアクチュエータ回路43へ作動油流量を補填する場合に比べ、より確実にアクチュエータ回路43およびブームシリンダ12内での負圧の発生を防止できるため、アクチュエータ回路43のエロージョン、騒音、またはブームシリンダ12の息つき、振動等の油圧ショベル1の操作性や信頼性の低下を防止することができる。
以上により、リリーフ弁38およびメイクアップ弁39を備えた一体型のメイクアップ付リリーフ弁40にて、ブームシリンダ12内の作動油圧の急激な変動に対応することができる。よって、小型化を実現しつつ、アクチュエータ回路43の作動油圧が低くなった場合に、アクチュエータ回路43へ作動油を供給するメイクアップ制御をより適切に行うことができるメイクアップ付リリーフ弁40を実現することができる。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係る圧力制御弁の概略を示す断面図である。本第2実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、背圧室60と圧力室61とを連通する流路65よりも小さい断面積の絞り流路64をメインポペット51に設けたメイクアップ付リリーフ弁40に対し、第2実施形態は、メインポペット51の絞り流路64の断面積を流路65より大きくして流路85とし、この流路85に、絞り流路84を有するチェック弁82を開閉可能に取り付けたメイクアップ付リリーフ弁40Aである。なお、本第2実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
本第2実施形態は、図4に示すように、アクチュエータポート48と背圧室60とを連通する流路85がメインポペット51に設けられている。流路85の中間部には、圧力室86が設けられている。背圧室60側の流路85には、圧力室86側からチェック弁82が開閉可能に取り付けられている。チェック弁82は、背圧室60の作動油圧P1がアクチュエータポート48側の作動油圧より高い場合に開動作するチェック弁である。圧力室86内には、チェック弁82を上方に押圧して背圧室60側の流路85を閉塞するためのバネ83が取り付けられている。チェック弁82には、圧力室86を背圧室60に連通する絞り流路84が設けられている。絞り流路84は、流路85の断面積より小さな断面積とされている。
<動作>
次に、上記第2実施形態に係るメイクアップ付リリーフ弁40Aの動作について、より詳細に説明する。
(リリーフ制御)
アクチュエータポート48側の作動油圧Paが、予め定めた所定の圧力よりも上昇した場合は、パイロットポペット55が上方に押されて流路65が開口され、背圧室60内の作動油が流路65を介して圧力室61内に供給され、この圧力室61から流路66を介してタンクポート49へ作動油が排出されていく。このとき、アクチュエータポート48と背圧室60との間の絞り流路64によって、背圧室60の作動油圧P1が低下していき、バネ57の弾性力に抗してメインポペット51が上方に押圧され、アクチュエータポート48がタンクポート49に連通し、アクチュエータポート48側からタンクポート49側へ作動油が排出される。
(メイクアップ制御)
ブームシリンダ12内の作動油圧が急激に低下する等し、アクチュエータポート48側の作動油圧Paがメイクアップポート50側の作動油圧Pmよりも低くなった場合は、アクチュエータポート48と背圧室60とがチェック弁82の絞り流路84にて連通しているため、絞り流路84から背圧室60および圧力室62内の作動油が流出していき、これら背圧室60および圧力室62の作動油圧P1が低下していく。すると、バネ58の弾性力に抗してチェック弁59が圧力室62側に押圧され、メイクアップポート50が開口され、メイクアップポート50から圧力室62および背圧室60へと作動油が供給されていく。
このとき、メイクアップポート50から供給される作動油流量が、チェック弁82の絞り流路84からアクチュエータポート48へ排出される作動油流量より大きく設計されているため、背圧室60の作動油圧P1が、アクチュエータポート48側の作動油圧Paより大きくなっていき、これら背圧室60の作動油圧P1と、アクチュエータポート48側の作動油圧Paとの間に差圧が生じ、この差圧が、バネ83の弾性力より大きくなる。すると、背圧室60内の作動油によって、バネ83の弾性力に抗してチェック弁82が圧力室86側に押圧され、メインポペット51の流路85が開口されて、背圧室60からアクチュエータポート48へ供給される作動油流量が多くなる。この状態で、背圧室60から流路85を介してアクチュエータポート48側へ作動油が供給されていく。
<作用効果>
以上により、上記第2実施形態においては、リリーフ弁38としての機能を維持しつつ、メイクアップ回路47からの作動油流量の補填が必要な場合のみ、チェック弁82が開口し、絞り流路84による絞りを解除できるメイクアップ付リリーフ弁40Aとしている。そして、チェック弁82の開口によって流路面積が大きくなり、背圧室60とアクチュエータポート48との間の開口面積が広げられ、背圧室60からアクチュエータポート48へ作動油がより流れやすくなる。
この結果、背圧室60からアクチュエータポート48側へより大流量の作動油を補填することが可能となるため、背圧室60からアクチュエータポート48へ作動油をより効率良く短時間に供給することができる。したがって、メイクアップ回路47からアクチュエータ回路48へ大流量の作動油の補填を必要とするアクチュエータ回路42の過剰な作動油圧低下に対しても、迅速に作動油流量補填を行うことができ、ブームシリンダ12およびアクチュエータ回路43での負圧の発生をより確実に防止することができる。
[第3実施形態]
図5は、本発明の第3実施形態に係る圧力制御弁を備えた油圧駆動システムを示す油圧回路図である。図6は、圧力制御弁の概略を示す断面図である。本第3実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、リリーフ弁38とメイクアップ弁39とを備えたメイクアップ付リリーフ弁40に対し、第3実施形態は、リリーフ弁38およびメイクアップ弁39に加え、チェック弁91を備えたメイクアップ付リリーフ弁40Bである。なお、本第3実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
本第3実施形態は、図5に示すように、油圧駆動システム21Bのアクチュエータ回路48の各油路が、メイクアップ弁39を介してメイクアップ回路47に接続されていると同時に、リリーフ弁38およびチェック弁91のそれぞれを介してタンク回路44に接続されている。チェック弁91は、リリーフ弁38に対して並列であって、アクチュエータ回路48の各油路とタンク回路44との間に接続されている。
さらに、図6に示すように、メイクアップ付リリーフ弁40Bのメインポペット51は、アクチュエータポート48側の作動油圧Ptがタンクポート49側の作動油圧Ptより低い場合であって、チェック弁59が開動作する圧力よりも低い圧力で開動作して、アクチュエータポート48をタンクポート49に連通させる。具体的に、メインポペット51は、上側に比べ下側が縮径された形状とされ、その中間部に、上方から下方に向けて内側に直線状に傾斜した補助流量補償部としての受圧面92が周方向に亘って設けられている。
メインポペット51の受圧面92より上側の経大部93は、ケーシング53の内径寸法に等しい外径寸法に形成されている。一方、メインポペット51の受圧面92より下側の縮径部94は、ケーシング53の内径寸法より小さな外径寸法に形成され、ハウジング68のタンクポート49に連通し、このタンクポート49側の作動油圧Ptが受圧面92に作用する構成とされている。
<動作>
次に、上記第3実施形態に係るメイクアップ付リリーフ弁40Bの動作について、より詳細に説明する。
(メイクアップ制御)
アクチュエータポート48側の作動油圧Paがメイクアップポート50側の作動油圧Pmよりも低くなった場合は、絞り流路64から背圧室60および圧力室62内の作動油が流出していき、チェック弁59が圧力室62側に押圧され、メイクアップポート50が開口される。すると、メイクアップポート50側の作動油が、圧力室62、背圧室60および絞り流路64を介してアクチュエータポート48側へ供給されていく。
ところが、メイクアップポート50からの作動油の供給にて、アクチュエータポート48側の作動油流量の補填を行っても、アクチュエータポート48側の作動油圧が低下し続け、メイクアップポート50からの作動油流量の補填では足りない場合には、アクチュエータポート48側の作動油圧Paおよび背圧室60の作動油圧P1が、メイクアップポート50側の作動油圧Pmより低くなってしまう。
この場合には、背圧室60の作動油圧P1とタンクポート49側の作動油圧との差圧が、メインポペット51の受圧面92等に作用し、バネ56の弾性力にてメインポペット51をシート部69に押し付けている力よりも、メインポペット51をバネ56の弾性力に抗して上方に移動させようとする力(作動油圧P1と作動油圧Ptとの差圧)が大きくなり、メインポペット51が上方に押されて開動作してタンクポート49とアクチュエータポート48とが連通し、タンクポート49側の作動油がアクチュエータポート48側へ供給される。
<作用効果>
以上により、上記第3実施形態においては、ブームシリンダ12が大きな慣性力を有する状態で急激に停止する等してメイクアップ回路47からの作動油流量の補填を越える大流量の作動油をアクチュエータ回路43に供給する必要が生じた場合においても、タンクポート49側の作動油圧Ptにてメインポペット51が受圧面92にて上方に押され、タンクポート49がアクチュエータポート48に連通する。このため、タンク回路44からアクチュエータ回路43に作動油を供給でき、チェック弁59によるアクチュエータポート48への作動油流量補填をアシストできるため、アクチュエータ回路43の作動油圧の低下を低減でき、アクチュエータ回路43の作動油圧の変動、ひいては負圧の発生によるブームシリンダ12に与える影響を低減させることができる。
[第4実施形態]
図7は、本発明の第4実施形態に係る圧力制御弁の概略を示す断面図である。本第4実施形態が前述した第1実施形態と異なるのは、第1実施形態は、メイクアップポート50をハウジング68の外側に露出させたメイクアップ付リリーフ弁40に対し、第4実施形態は、メイクアップポート50をハウジング68内に埋設させたメイクアップ付リリーフ弁40Cである。なお、本第4実施形態において、第1実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
本第4実施形態は、図7に示すように、ハウジング68の内部にメイクアップ回路47の端部が設けられている。ケーシング53は、メイクアップ回路47の端部にメイクアップポート50が連通して接続されるようにハウジング68に取り付けられている。
<作用効果>
以上により、上記第4実施形態においては、ケーシング53にメイクアップ回路47を設ける必要があるものの、ホース72などの外部配管を用いることなく、メイクアップ付リリーフ弁40Cをハウジング68に取り付けるだけで、リリーフ弁38およびメイクアップ弁39それぞれの効果を得ることができるため、油圧駆動システム21を設計する際のレイアウト性を向上することができる。
[第5実施形態]
図8は、本発明の第5実施形態に係る圧力制御弁の概略を示す断面図である。本第5実施形態は、第2実施形態に係るメイクアップ付リリーフ弁40Aのメインポペット51に、第3実施形態に係るメイクアップ付リリーフ弁Bの受圧面92を設けたメイクアップ付リリーフ弁40Dである。なお、本第5実施形態において、第1ないし第3実施形態と同一又は対応する部分には同一符号を付している。
本第5実施形態においては、メインポペット51の流路85に取り付けられたチェック弁82により、背圧室60からアクチュエータポート48側へより大流量の作動油を補填することが可能となり、ブームシリンダ12およびアクチュエータ回路43での負圧の発生をより確実に防止することができる。同時に、メイクアップ回路47からの作動油流量の補填を越える大流量の作動油をアクチュエータ回路43に供給する必要が生じた場合に、タンクポート49側の作動油圧にてメインポペット51が受圧面92にて押されタンクポート49をアクチュエータポート48に連通させ、メイクアップポート50からアクチュエータポート48への作動油流量補填をアシストでき、アクチュエータ回路43内の負圧の発生によるブームシリンダ12に与える影響を低減できる。
[その他]
なお、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形態様が含まれる。例えば、前述した実施形態は、本発明を分りやすく説明するために説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。すなわち、上記各実施形態に係るメイクアップ付リリーフ弁40〜40Cは、本発明の所望する効果を得ることができる形状であれば、如何なる形状であってもよい。
また、上記各実施形態では、油圧ショベル1のブームシリンダ12を例に挙げて、その動作を説明したが、本発明はブームシリンダ12以外の、アームシリンダ14、バケットシリンダ16等の油圧シリンダの他、走行装置2aまたは旋回装置5等の油圧モータなど、様々な油圧アクチュエータについても適用可能である。すなわち、例えば、油圧式クレーン、ホイールローダ、ダンプトラック等で駆動し得る少なくとも1つ以上の油圧アクチュエータを備えた作業機械であれば本発明は適用可能である。
1 油圧ショベル(作業機械)
12 ブームシリンダ
14 アームシリンダ
16 バケットシリンダ
31 メインポンプ(油圧ポンプ)
37 作動油タンク
38 リリーフ弁
39 メイクアップ弁
40〜40D メイクアップ付リリーフ弁(圧力制御弁)
45 補助ポンプ(補助油圧源)
48 アクチュエータポート
49 タンクポート
50 メイクアップポート
51 メインポペット(メインバルブ)
55 パイロットポペット(パイロットバルブ)
59 チェック弁(流量補償部)
60 背圧室
64 絞り流路(流路)
82 チェック弁
84 絞り流路
92 受圧面(補助流量補償部)

Claims (4)

  1. 背圧室と、
    前記背圧室に連通した第1ないし第3ポートと、
    前記背圧室に設置され、前記第1ポートの圧力が前記背圧室の圧力より高い場合に動作して、前記第1ポートを前記第2ポートに連通させるメインバルブと、
    前記背圧室の圧力が前記第2ポートの圧力より高い場合に動作して、前記背圧室を前記第2ポートに連通させるパイロットバルブと、
    前記第3ポートの圧力が前記背圧室の圧力より高い場合に動作して、前記第3ポートを前記背圧室に連通させる流量補償部と、を備え、
    前記メインバルブは、前記背圧室を前記第1ポートに連通させる流路を有している
    ことを特徴とする圧力制御弁。
  2. 請求項1記載の圧力制御弁において、
    前記メインバルブは、前記流路に開閉可能に取り付けられ前記背圧室の圧力が前記第1ポートの圧力より高い場合に開動作するチェック弁を有し、
    前記チェック弁には、前記背圧室を前記第1ポートに連通させる絞り流路が設けられ、
    前記絞り流路は、前記流路の断面積より小さな断面積である
    ことを特徴とする圧力制御弁。
  3. 請求項1または2記載の圧力制御弁において、
    前記第1ポートの圧力が前記第2ポートの圧力より低い場合であって、前記流量補償部が開動作する圧力よりも低い圧力で動作して、前記第1ポートを前記第2ポートに連通させる補助流量補償部を備えている
    ことを特徴とする圧力制御弁。
  4. 作動油タンクと、
    前記作動油タンクから作動油を導く油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから供給される作動油にて駆動される油圧アクチュエータと、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧力制御弁と、
    前記圧力制御弁の第1ポートに接続され、前記油圧ポンプから供給される作動油を前記油圧アクチュエータへ導くアクチュエータ回路と、
    前記圧力制御弁の第2ポートに接続され、前記油圧アクチュエータから排出される作動油を前記作動油タンクへ導くタンク回路と、
    前記油圧ポンプとは異なる補助油圧源と、
    前記補助油圧源から供給される作動油を前記タンク回路の圧力より高い圧力とする圧力付与部と、
    前記圧力制御弁の第3ポートに接続され、前記圧力付与部を介して前記作動油タンクに接続されたメイクアップ回路と、
    を具備したことを特徴とする作業機械。
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