以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。図1に示す本実施例の画像形成装置1は、所謂インクジェットプリンタであり、用紙搬送ユニット10と、画像形成ユニット50と、制御ユニット90と、ユーザインタフェース100とを備える。
用紙搬送ユニット10は、用紙搬送路の上流から供給された用紙Qを副走査方向に搬送し、これを図示しない排紙トレイに排出する。この用紙搬送ユニット10は、用紙搬送機構20と、PFモータ41と、モータドライバ43と、エンコーダ45と、信号処理回路47と、レジセンサ49とを備える。
用紙搬送機構20は、直流モータであるPFモータ41からの動力を受けて動作し、用紙Qを副走査方向に搬送する。PFモータ41は、モータドライバ43によって駆動される。モータドライバ43は、制御ユニット90からの制御信号に従って動作し、PFモータ41を駆動する。
用紙搬送機構20は、図2に示すように、一対の搬送ローラ21と、プラテン22と、複数のコルゲート構造形成体24と、複数のリブ25と、一対の排紙ローラ27と、拍車ローラ28,29とを備える。図2では、用紙搬送機構20の構成を見やすく図示するために、プラテン22の上方に配置されるキャリッジ60及びキャリッジ60に搭載される要素群を破線で示し、プラテン22に沿って搬送される用紙Qを一点鎖線で示す。
一対の搬送ローラ21は、記録ヘッド61によって用紙Qに画像が形成される画像形成位置の副走査方向上流で、主走査方向に沿って互いに対向するように設けられる。図2では、搬送ローラ21が一つのみ図示されるが、他方の搬送ローラ21は、図示された搬送ローラ21に重なるように配置されているものと理解されたい。これら一対の搬送ローラ21の一方は、PFモータ41によって駆動され、他方の搬送ローラ21は、当該駆動される搬送ローラ21に従動回転する。一対の搬送ローラ21は、回転により、用紙搬送路の上流から供給される用紙Qを互いの間に挟持して、用紙Qを主走査方向とは直交する副走査方向に搬送する。
プラテン22は、搬送ローラ21よりも副走査方向下流において、記録ヘッド61のインク吐出面と対向するように配置される。搬送ローラ21を通過した用紙Qは、このプラテン22の上面に沿って副走査方向に搬送される。
複数のコルゲート構造形成体24は、プラテン22における副走査方向上流の端部上面と対向するように配置されており、主走査方向に沿って略等間隔に配列される。搬送ローラ21から搬送される用紙Qは、プラテン22とコルゲート構造形成体24との間を通過し、副走査方向下流に移動する。コルゲート構造形成体24は、図3(A)に示すように、押さえ面24Aにより、ここを通過する用紙Qを上から押さえる。一方、この用紙Qは、プラテン22により下方から支持される。
複数のリブ25は、プラテン22の上面に設けられる。これらのリブ25は、主走査方向において隣接するコルゲート構造形成体24の間の領域に配置された状態で、主走査方向に略等間隔に配列される。リブ25の夫々は、プラテン22の上面からコルゲート構造形成体24の押さえ面24Aよりも上方まで突出した状態で、プラテン22の副走査方向上流の端部から下流側に向かって延びている。リブ25は、この位置を通過する用紙Qを、押さえ面24Aの上方まで押し上げる。本実施例の画像形成装置1では、主走査方向において交互に配置された、これらのコルゲート構造形成体24及びリブ25によって、用紙Qが、主走査方向において波状に変形される。
一対の排紙ローラ27は、プラテン22の副走査方向下流側で、主走査方向に沿って互いに対向するように設けられる。これら排紙ローラ27の夫々は、軸27A上に、軸27Aよりも大径のローラ構成要素27Bが略等間隔に並んで配置された構成にされる。これらローラ構成要素27Bは、主走査方向に関して、リブ25と略同じ位置に配置される。
従って、一対の排紙ローラ27は、PFモータ41からの動力を受けて回転し、副走査方向上流から搬送されてきた用紙Qを、主走査方向に関して複数のリブ25と同じ位置にある部分を挟むようにして、副走査方向下流に搬送する。排紙ローラ27の一方(上側の排紙ローラ27)は、用紙Qに着弾したインクが付着しにくいように拍車形状に構成され得る。
拍車ローラ28は、排紙ローラ27の副走査方向下流、且つ、用紙Qの通過領域上方に該当する位置に設けられる。この拍車ローラ28は、軸28A上に、軸28Aよりも大径の拍車28Bが略等間隔に並んで配置された構成にされる。拍車28Bは、主走査方向に関して、コルゲート構造形成体24と略同じ位置に配置される。更に言えば、拍車ローラ28は、図3(B)に示すように、拍車28Bの下面が、用紙Qの下方に位置する排紙ローラ27が備えるローラ構成要素27Bの上面よりも下方に位置するように配置される。
この他、拍車ローラ29は、拍車ローラ28よりも副走査方向下流において、用紙Qの通過領域上方に該当する位置に設けられる。この拍車ローラ29は、軸29A上に、軸29Aよりも大径の拍車29Bが略等間隔に並んで配置された構成にされる。拍車29Bは、拍車28Bと主走査方向において略同じ位置に配置される。
従って、用紙Qは、プラテン22より副走査方向下流の領域において、一対の排紙ローラ27の間に挟持された状態で、拍車28B,29Bにより押し下げられ、主走査方向に波状に変形される。この状態で、用紙Qは、更に副走査方向下流に搬送される。
この他、エンコーダ45は、用紙搬送機構20による副走査方向への用紙搬送量Zを間接的に検出するために設けられる。エンコーダ45は、例えば、PFモータ41の回転軸に設けられたロータリエンコーダによって構成され、PFモータ41が所定量回転する度に発生するパルス信号(A相及びB相信号)を、エンコーダ信号として信号処理回路47に入力する。PFモータ41の回転量Yは、用紙搬送量Zに対応する。信号処理回路47は、このエンコーダ信号に基づき、PFモータ41の回転量Y及び回転速度Vyを検出し、この回転量Y及び回転速度Vyの検出値を、制御ユニット90に入力する。
また、レジセンサ49は、搬送ローラ21よりも僅かに副走査方向上流に離れた位置に設けられる。図2において、レジセンサ49は、例えば、主走査方向に沿うラインPR上に設けられて、このラインPRを通過する用紙Qの先端及び後端を検出するために用いられる。レジセンサ49は、用紙Qの検出信号を制御ユニット90に入力する。制御ユニット90は、ラインPRから用紙先端までの距離Z1及びラインPRから用紙後端までの距離Z2を、信号処理回路47から入力されるPFモータ41の回転量Yの検出値と、レジセンサ49から入力される検出信号とに基づいて検出する。
画像形成ユニット50は、制御ユニット90からの指示に従って、キャリッジ60を主走査方向に搬送する一方、記録ヘッド61にインク液滴を吐出させ、プラテン22上の用紙Qに画像を形成(印刷)する。この画像形成ユニット50は、図1に示すように、記録ヘッド61及び光学センサ65を搭載するキャリッジ60と、ヘッド駆動回路70と、キャリッジ搬送機構80と、CRモータ81と、モータドライバ83と、エンコーダ85と、信号処理回路87とを備える。
キャリッジ60は、副走査方向上流に光学センサ65を搭載し、その下流に記録ヘッド61を搭載する。記録ヘッド61は、所謂インクジェットヘッドであり、ヘッド駆動回路70からの駆動信号に従って、プラテン22に向くインク吐出面に形成された複数のノズルからインク液滴を吐出する。ヘッド駆動回路70は、制御ユニット90からの制御信号に従って、記録ヘッド61を駆動し、記録ヘッド61にインク液滴を吐出させる。
光学センサ65は、メディアセンサとも呼ばれるものであり、用紙Qの副走査方向に沿う両側縁(左右側縁)の位置X1,X2を特定するために用いられる。この光学センサ65は、制御ユニット90によって制御され、図示しない発光ユニットからプラテン22に向けて光を照射し、図示しない受光ユニットで反射光を主成分とする入射光の受光量を検出する。受光量の検出値は、制御ユニット90に入力される。プラテン22の表面は暗色であるため、受光量は、光学センサ65の下方に用紙Qがあるとき、大きな値を示し、光学センサ65の下方に用紙Qがないとき、小さな値を示す。
キャリッジ搬送機構80は、直流モータであるCRモータ81からの動力を受けて動作し、キャリッジ60を主走査方向に搬送する。CRモータ81は、モータドライバ83によって駆動される。モータドライバ83は、制御ユニット90からの制御信号に従って動作し、CRモータ81を駆動する。
キャリッジ搬送機構80は、CRモータ81が第1の回転方向に回転するとき、図4(A)に示すように、キャリッジ60を主走査方向に沿って第1の方向(以下「FWD方向」と表現する。)に搬送する。一方、キャリッジ搬送機構80は、CRモータ81が第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に回転するとき、図4(B)に示すように、キャリッジ60を主走査方向に沿ってFWD方向とは逆方向である第2の方向(以下「RVS方向」と表現する。)に搬送する。CRモータ81の回転方向に応じてキャリッジ60の搬送方向を切り替えるキャリッジ搬送機構80の動作によって、キャリッジ60は主走査方向に沿って往復動する。
エンコーダ85は、エンコーダスケール85Aと、センサ85Bとを備えるリニアエンコーダである。エンコーダスケール85Aは、主走査方向においてキャリッジ60の搬送経路に設けられ、画像形成装置1の筐体に対し固定配置される。一方、センサ85Bは、キャリッジ60に固定配置される。即ち、エンコーダ85は、キャリッジ60と共に移動するセンサ85Bにより、筐体に固定されたエンコーダスケール85Aを読み取ることにより、キャリッジ60が所定量搬送される度にセンサ85Bから発生するパルス信号(A相及びB相信号)を、エンコーダ信号として信号処理回路87に入力する。
信号処理回路87は、エンコーダ85から入力されるエンコーダ信号に基づいて、主走査方向におけるキャリッジ60の位置X及び速度Vxを検出し、位置X及び速度Vxの検出値を、制御ユニット90に入力する。
この他、制御ユニット90は、画像形成装置1の全体を統括制御する。制御ユニット90は、CPU91、ROM93、RAM95、EEPROM97、及び、外部インタフェース99を備える。外部インタフェース99は、外部装置3との通信を実現する。
CPU91は、ROM93に記録されたプログラムに従う処理を実行し、RAM95は、処理実行時に作業領域として使用される。EEPROM97は、電気的にデータ書換え可能な不揮発性メモリであり、EEPROM97には、各種制御パラメータや設定パラメータが記憶される。
制御ユニット90は、CPU91による各種処理の実行により、PFモータ41、CRモータ81及び記録ヘッド61の制御機能を含む、画像形成装置1に必要な各種機能を実現する。制御ユニット90は、各種処理を実現するための専用回路を備えた構成にされ得る。即ち、制御ユニット90は、ソフトウェアによる処理とハードウェアによる処理との組み合わせにより、各種機能を実現する構成にされ得る。
この制御ユニット90は、外部インタフェース99を介して、外部装置3から印刷対象の画像データを受信すると、この画像データに基づく画像が用紙Qに適切に形成されるように、用紙搬送ユニット10及び画像形成ユニット50を制御する。
即ち、制御ユニット90は、信号処理回路47から入力される回転量Y及び回転速度Vyの検出値、並びに、レジセンサ49から入力される検出信号に基づき、PFモータ41を制御することにより、用紙Qの副走査方向への搬送を制御する。一方、制御ユニット90は、信号処理回路87から入力されるキャリッジ60の位置X及び速度Vxの検出値、並びに、印刷対象の画像データに基づき、CRモータ81及び記録ヘッド61を制御することにより、キャリッジ60の搬送を制御する一方、記録ヘッド61によるインク液滴の吐出動作を制御する。
ところで、キャリッジ60が搬送された状態で記録ヘッド61から吐出されるインク液滴は、図4(A)及び図4(B)に示すように、記録ヘッド61の真下に着弾するのではない。例えば、インク液滴は、キャリッジ60の主走査方向への移動によって、主走査方向への慣性を有しながら落下し、インク液滴の吐出地点とは主走査方向に離れた地点に着弾する。
この吐出地点と着弾地点との位置ずれは、キャリッジ60の速度や、インク液滴の吐出地点から用紙Qまでの上下方向の距離Dに依存する。このため、本実施例の画像形成装置1では、キャリッジ60の搬送速度を制御しつつ、コルゲート構造により主走査方向に波打つ用紙Qの山及び谷の変化に合わせて、インク液滴の吐出タイミングを調整することにより、インク液滴の着弾地点を制御し、用紙Qに適切な画像を形成する。
但し、本実施例ではキャリッジ60を往復動させながら、インク液滴を吐出して用紙Qに画像を形成する。このため、キャリッジ60の往路及び復路でのインク液滴の吐出タイミングを精度よく適切に調整しなければ、キャリッジ60の往路で形成される画像と、それに隣接するキャリッジ60の復路で形成される画像との間で主走査方向の位置ずれが生じてしまい、用紙Qに形成される画像の品質が悪化する。
このような品質の悪化を避ける目的で、本実施例の画像形成装置1は、テストパターン画像を用紙Qに形成し、その形成状態を表す情報を、ユーザインタフェース100を通じてユーザから取得する機能(テストパターン出力機能)を有している。画像形成装置1は、このテストパターン出力機能により得た上記形成状態を表す情報に基づき、インク液滴の吐出タイミングを制御するための制御パラメータを補正する。
このテストパターン出力機能によっては、用紙Qに、図5(A)に示すようなパターン構成要素の一群、及び、各パターン構成要素に隣接して印刷されるシンボルの一群からなるテストパターン画像が形成される。図5(A)によれば、上記シンボルは、パターン構成要素の識別番号である。
図5(A)では、各パターン構成要素を簡素な矩形画像により示すが、この矩形画像は単にパターン構成要素の用紙Qにおける形成位置を概略的に示すものに過ぎない。各パターン構成要素は、詳細には、図5(B)の破線領域内に示すように、複数のブロック画像と、各ブロック画像に隣接して印刷されるブロック番号とを備える画像として構成される。即ち、図5(A)に示す各パターン構成要素を示す矩形画像は、図5(B)の破線領域内に示す画像に対応する。
更に詳述すれば、各ブロック画像は、図5(C)に示すように、第1の縦縞画像と、第2の縦縞画像との重ね合わせから構成される。図5(C)には、図5(B)に示したブロック番号4,5,6のブロック画像の構成を概念的に詳細に示す。
第1の縦縞画像は、画像形成装置1がキャリッジ60をFWD方向に搬送しながら、記録ヘッド61にインク液滴を吐出させることにより形成される縦縞画像であり、図5(C)では、白筋で示される縦筋の複数本で示される。第2の縦縞画像は、画像形成装置1がキャリッジ60をRVS方向に搬送しながら、記録ヘッド61にインク液滴を吐出させることにより形成される縦縞画像であり、図5(C)では、ハッチングの施された縦筋の複数本で示される。第1及び第2の縦縞画像は、実際には各縦筋の領域内がインク液滴で塗り潰された画像である。
図5(C)からも理解できるように、第1の縦縞画像に対する第2の縦縞画像の形成位置は、ブロック画像間で異なる。本実施例では、画像形成装置1が、パターン構成要素毎に、ブロック画像間で、第2の縦縞画像を形成する際の第1の縦縞画像に対するインク液滴の吐出タイミングを変えて、これらのブロック画像を形成する。具体的には、中間のブロック番号「5」のブロック画像を、標準の吐出タイミングで形成し、それより小さいブロック番号「1」〜「4」のブロック画像を、番号が小さくなるに連れて、標準より早い吐出タイミングで形成する。また、中間のブロック番号「5」より大きいブロック番号「6」〜「9」のブロック画像を、番号が大きくなるに連れて、標準より遅い吐出タイミングで形成する。
そして、パターン構成要素毎に、このパターン構成要素を構成するブロック画像群の内、ユーザが目視で判別した最も筋の目立たないブロック画像のブロック番号を、このパターン構成要素の形成状態を表す情報として、ユーザからユーザインタフェース100を介して取得する。これにより、画像形成装置1は、インク液滴の吐出タイミングが適切であるブロック画像を判別し、この判別結果に基づき、上記制御パラメータを補正する。
図5(C)に示す例によれば、ユーザの目には、ブロック番号5のブロック画像が最も筋の目立たないブロック画像に見える。なぜなら、第2の縦縞画像を構成する縦筋の夫々が、第1の縦縞画像を構成する縦筋の間に配置されて、ブロック画像に対応する領域が略隙間なく塗り潰されるためである。換言すれば、第1の縦縞画像と第2の縦縞画像との間の隙間が大きいブロック画像ほど、ユーザの目には、このブロック画像が筋の目立つブロック画像に見える。
最も筋の目立たないブロック画像が中間のブロック番号「5」のブロック画像である場合には、制御パラメータに標準値を設定して、RVS方向にキャリッジ60を搬送する際には、記録ヘッド61に標準の吐出タイミングでインク液滴を吐出させる。一方、最も筋の目立たないブロック画像のブロック番号が中間のブロック番号「5」より小さい場合(具体的には、「1」〜「4」のブロック番号)には、RVS方向にキャリッジ60を搬送する際のインク液滴の吐出タイミングを早めるように制御パラメータを調整し、最も筋の目立たないブロック画像のブロック番号が中間のブロック番号「5」より大きい場合(具体的には、「6」〜「9」のブロック番号)には、RVS方向にキャリッジ60を搬送する際のインク液滴の吐出タイミングを遅らせるように制御パラメータを調整する。
図6(A)に示すように、本実施例によれば、このように調整されるパターン構成要素毎の制御パラメータの一群を、用紙サイズ毎に、EEPROM97に記憶している。制御ユニット90は、外部装置3から提供された画像データに基づく画像を用紙Qに形成する際、給紙される用紙サイズに対応した制御パラメータの一群を読み出し、この制御パラメータの一群を用いて、記録ヘッド61の液滴吐出タイミングを制御することにより、用紙Qに位置ずれの少ない高品質な画像を形成する。用紙サイズに応じて使用する制御パラメータの一群を切り替えるのは、用紙サイズに応じて用紙Qの撓みや変形具合が変わり、適切な制御パラメータが変わるためである。
また、本実施例によれば、上記テストパターン画像を表す画像データ(以下「テストパターン画像データ」と表現する。)として、画像形成装置1にて取扱い可能な全ての用紙サイズに共通する単一のテストパターン画像データを、ROM93内に記憶する。画像形成装置1は、用紙Qに対してテストパターン画像を形成する際には、このテストパターン画像データを、画像形成対象の用紙サイズに応じた印刷用データに変換することにより、用紙サイズに応じた適切なテストパターン画像を用紙Qに形成する。
ここで、テストパターン画像データの構成を説明する。図6(B)から理解できるように、本実施例のテストパターン画像データは、共通パターン画像データと、複数のシンボル画像データとを備える。図5(A)に示すように、本実施例では、一枚の用紙Qに対して、五列分のパターン構成要素を形成し、各列のパタ−ン構成要素に隣接して、シンボル(パターン構成要素の識別番号)を形成する。ここで言うパターン構成要素の列は、主走査方向に沿う列のことである。
共通パターン画像データは、パターン構成要素の一列分を表す画像データであり、各列のパターン構成要素を形成する際に共通して用いられる。一方、複数のシンボル画像データの内、第iシンボル画像データ(iは1〜5のいずれかである。)は、第i列のパターン構成要素に隣接して形成されるシンボルの一列分を表す画像データである。図5(A)によれば、第1シンボル画像データは、1から17までの数字を表す画像が、隣接するパターン構成要素の幾何学的配置に併せて配置された画像データである。
即ち、本実施例では、列毎に、パターン構成要素の一列及びそれに隣接するシンボルの一列からなる画像セットを、共通パターン画像データ及びその列に対応した一つのシンボル画像データを用いて形成する。
また、上記テストパターン画像データは、様々なサイズの用紙Qに対してテストパターン画像を形成可能なように、画像形成装置1において画像形成可能な最大サイズの用紙Qに適合した画像データとして構成される。即ち、テストパターン画像データは、画像形成装置1において画像形成可能な最大サイズの用紙Qに対し、その主走査方向の全範囲に亘って、用紙Qの山及び谷の夫々に対応する位置にパターン構成要素を配列可能な横幅を有する画像データとして構成される。
詳述すれば、テストパターン画像データは、画像形成装置1においてインク液滴を吐出可能な主走査方向における全範囲の各地点に対してインク液滴の吐出有無を表すデータを備えた構成にされる。最大サイズの用紙Qより小さいサイズの用紙Qにテストパターン画像を形成する際、制御ユニット90は、テストパターン画像データが有する各地点におけるインク液滴の吐出有無を表すデータを加工して、用紙サイズに適合した印刷用データを生成する。
続いて、操作部101を介してユーザからテストパターン画像の出力指示が入力されると、制御ユニット90が実行する処理について説明する。ユーザインタフェース100は、ユーザからの入力操作を受付可能な操作キー又はタッチパネル等からなる操作部101と、ユーザに対して各種情報を表示可能な液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等からなる表示部105とを備える。
制御ユニット90は、上記出力指示が入力されると、図7に示すテストパターン出力処理を開始する。開始後、制御ユニット90は、PFモータ41を制御することにより、用紙搬送機構20に用紙Qを副走査方向下流に搬送させる(S110)。具体的には、用紙Qの副走査方向に沿う両側縁(左右側縁)の位置X1,X2を、光学センサ65を用いて特定可能な位置まで、用紙Qを搬送させる。
その後、制御ユニット90は、CRモータ81を制御して、キャリッジ60を主走査方向の端から端まで搬送しつつ、その際の受光量の検出値を光学センサ65から取得し、この検出値を、検出時のキャリッジ60の位置Xと関連付けてRAM95に一時記憶する。そして、この受光量の変化に基づいて用紙Qの両側縁(左右側縁)の主走査方向における位置X1,X2を特定する(S120)。
特定後、制御ユニット90は、PFモータ41を制御し、上記距離Z1によって特定される用紙Qの先端位置が予め定められた第1形成位置に到達するまで、用紙Qを副走査方向下流に搬送し、第1形成位置で用紙Qを停止させる(S130)。
本実施例における第i形成位置(iは1〜5のいずれかである。)は、第i列の画像セットを形成する位置に対応する。第1形成位置は、用紙先端が図2に示すラインP1より副走査方向上流に位置し、且つ、用紙Qが記録ヘッド61下方に配置される領域内に定められる。ラインP1は、用紙Qが一対の排紙ローラ27の間に進入する地点に対応する。
その後、制御ユニット90は、第1列の画像セットの印刷に必要な第1シンボル画像データ及び共通パターン画像データを処理対象データとしてROM93から読み出す。制御ユニット90は、処理対象データに対して、用紙Qの両側縁の位置X1,X2に基づいた加工を加えた印刷用データを生成する。そして、この印刷用データに基づいた記録ヘッド61の駆動制御(即ちインク液滴の吐出制御)、及び、CRモータ81を介したキャリッジ60の搬送制御を行うことにより、第1形成位置に対応する用紙Qの領域に、テストパターン画像データが表す第1列の画像セットの内、用紙内に配置されるパターン構成要素及びシンボルの画像セットを印刷する(S140)。
S140では、処理対象データを仮に加工せずに、この処理対象データに基づく画像を用紙Qに印刷した場合に、用紙内に収まらないパターン構成画素及びシンボルに対応する処理対象データ内の領域を、インク液滴の吐出を禁止するデータ(換言すればインク液滴の吐出がないことを示すデータ)に置き換えることにより上記印刷用データを生成する。
図8(A)に示す例によれば、第1列の画像セットに関して、識別番号「1」「2」「16」「17」のパターン構成要素が用紙内に収まっていない。このため、識別番号「1」「2」「16」「17」のパターン構成要素及びそのシンボルに対応する上記領域を、インク液滴の吐出を禁止するデータに置き換え、上記印刷用データを生成する。
即ち、ここで言う用紙内に収まらないパターン構成画素及びシンボルとは、その一部でも用紙から外れるパターン構成画素及びシンボルのことを言う。パターン構成要素と用紙Qとが図8(A)に示す位置関係にある場合、第1列の画像セットに関しては、図8(B)に示すように、識別番号「3」から「15」までのパターン構成要素及びシンボルが用紙Qに印刷される。
更に、S140では、用紙内に収まらないパターン構成画素及びシンボルと判定したパターン構成画素及びシンボルに関し、このパターン構成要素の識別番号を、非印刷要素の識別番号としてRAM95に一時記憶する。
S140での処理を終えると、制御ユニット90は、PFモータ41を制御し、用紙Qの先端位置が予め定められた第2形成位置に到達するまで用紙Qを副走査方向に搬送し、第2形成位置で用紙Qを停止させる(S150)。第2形成位置は、用紙先端が拍車ローラ29より副走査方向下流に位置し、且つ、拍車ローラ29より副走査方向下流に設けられたフラップ機構より上流にあるような位置に定められる。フラップ機構は、両面印刷時に、用紙QをUターン路に導くための機構であり、例えば図2に示すラインP2上に配置される。
その後、制御ユニット90は、第2列の画像セットの印刷に必要な第2シンボル画像データ及び共通パターン画像データを処理対象データとしてROM93から読み出し、処理対象データに対して、S140と同様の加工を加えることにより、用紙Qの配置に適合した、第2列の画像セットを表す印刷用データを生成する。即ち、用紙内に収まらないパターン構成画素及びシンボルに対応する処理対象データ内の領域を、インク液滴の吐出を禁止するデータに置き換えて、上記印刷用データを生成する。
そして、この印刷用データに基づいたインク液滴の吐出制御及びキャリッジ60の搬送制御により、第2形成位置に対応する用紙Qの領域に、テストパターン画像データが表す第2列の画像セットの内、用紙内に配置されるパターン構成要素及びシンボルの画像セットを印刷する(S160)。S160においてもS140と同様に、用紙内に収まらないパターン構成要素の識別番号を、非印刷要素の識別番号としてRAM95に一時記憶する。
S160での処理を終えると、制御ユニット90は、S170に移行し、PFモータ41を制御して、用紙Qの先端位置が予め定められた第3形成位置に到達するまで、用紙Qを副走査方向に搬送し、第3形成位置で用紙Qを停止させる。第3形成位置は、用紙先端がフラップ機構を副走査方向下流に通過した位置にあるが、用紙後端が搬送ローラ21より副走査方向上流にあるような位置に定められる。
その後、制御ユニット90は、第3列の画像セットの印刷に必要な第3シンボル画像データ及び共通パターン画像データを処理対象データとしてROM93から読み出し、処理対象データに対して、S140,S160と同様の加工を加えることにより、用紙Qの配置に適合した、第3列の画像セットを表す印刷用データを生成する。そして、この印刷用データに基づいたインク液滴の吐出制御及びキャリッジ60の搬送制御により、第3形成位置に対応する用紙Qの領域に、第3列の画像セットを印刷する(S180)。また、S140,160と同様に、用紙内に収まらないパターン構成要素の識別番号を、非印刷要素の識別番号としてRAM95に一時記憶する。
S180での処理を終えると、制御ユニット90は、PFモータ41を制御し、上記距離Z2によって特定される用紙Qの後端位置が予め定められた第4形成位置に到達するまで用紙Qを副走査方向に搬送し、第4形成位置で用紙Qを停止させる(S190)。第4形成位置は、用紙後端が搬送ローラ21を抜けて搬送ローラ21より副走査方向下流に位置し、且つ、ラインP3より上流にあるような位置に定められる。ラインP3は、コルゲート構造形成体24によって用紙Qがプラテン22に押し付けられるように挟持される領域の副走査方向上流端縁に対応する。その後、制御ユニット90は、S140,S160,S180と同様の手順で、第4形成位置に対応する用紙Qの領域に、第4列の画像セットを印刷する(S200)。また、S140,160,180と同様に、用紙内に収まらないパターン構成要素の識別番号を、非印刷要素の識別番号としてRAM95に一時記憶する。
S200での処理を終えると、制御ユニット90は、PFモータ41を制御し、用紙Qの後端位置が予め定められた第5形成位置に到達するまで用紙Qを副走査方向に搬送し、第5形成位置で用紙Qを停止させる(S210)。第5形成位置は、用紙後端がラインP4よりも副走査方向下流に位置し、且つ、用紙後端がラインP1よりも副走査方向上流にあって用紙Qが記録ヘッド61下方に位置する領域内に定められる。その後、制御ユニット90は、S140,S160,S180,S200と同様の手順で、第5形成位置に対応する用紙Qの領域に、第5列の画像セットを印刷する(S220)。また、S140,160,180,200と同様に、用紙内に収まらないパターン構成要素の識別番号を、非印刷要素の識別番号としてRAM95に一時記憶する。
S220での処理を終えると、制御ユニット90は、用紙搬送機構20に用紙Qを排紙トレイまで搬送させる(S230)。これにより、テストパターン画像の形成された用紙Qを、ユーザが手にとって目視できるようにする。その後、制御ユニット90は、受付画面を表示部105に表示する(S240)。ここで表示される受付画面は、用紙Qに形成された各パターン構成要素の形成状態を表す情報(最も筋の目立たないブロック画像のブロック番号)の入力操作を受け付けるための画面である。
受付画面は、例えば図9(A)に示す構成にされる。この例によれば、受付画面は、テストパターン画像データが示すパターン構成要素の内、用紙Qに印刷されたパターン構成要素のシンボルを、上記形成状態を表す情報の入力操作を受付可能なパターン構成要素のシンボルとして表示する。一方、受付画面は、用紙Qに印刷されなかったパターン構成要素のシンボルを、グレーアウト表示する。図9(A)に示す例は、図8(A)に示す位置関係に従って、図8(B)に示すパターン構成要素が用紙Qに印刷された場合の受付画面の例である。
図9(A)では、グレーアウト表示領域を、ハッチング領域により概念的に表す。この受付画面によれば、グレーアウト表示の手法を用いて、全てパターン構成要素の内、用紙に印刷されたパターン構成要素の夫々を、上記形成状態を表す情報の入力対象として明示する。
上記受付画面の表示に際して、制御ユニット90は、S140,S160,S180,S200,S220でRAM95に記憶された非印刷要素の識別番号に基づき、グレーアウト表示領域を決定することができる。そして、全パターン構成要素のシンボルを配列した標準の受付画面に対して画像処理を施し、これによりグレーアウト表示領域を生成することができる。
但し、グレーアウト表示の手法は、用紙Qに印刷されたパターン構成要素の夫々を、上記形成状態を表す情報の入力対象として明示するための一手法に過ぎない。従って、受付画面は、用紙Qに印刷されなかったパターン構成要素のシンボルを表示せずに、用紙Qに印刷されたパターン構成要素のシンボルを選択的に表示する構成にされ得る。
即ち、受付画面の構成例としては、図9(A)に示すハッチング領域を表示しない構成が考えられる。また、受付画面は、グレーアウト表示とは別の方法を用いて、全パターン構成要素のシンボルを表示しつつ、用紙Qに印刷されたパターン構成要素のシンボルを強調表示する構成にされ得る。
受付画面の表示を開始すると、制御ユニット90は、操作部101を介して受付画面に対する操作がなされるまで待機する(S250でNo)。そして操作がなされると(S250でYes)、以下に示す処理を実行する(S260〜S350)。
具体的に、パターン構成要素の選択操作がなされた場合には(S260でYes)、S270に移行し、選択されたパターン構成要素がグレーアウト表示領域にシンボルが表示された非印刷要素であるかを判断する。そして、S270で肯定判断すると(つまり、S270でYesであって、これは選択されたパターン構成要素が非印刷要素であることを示す)、表示部105を介してユーザに対するメッセージ表示又はビープ音出力により、選択操作が無効である旨をユーザに通知する(S280)。その後、S240に移行し、受付画面に対する新たな操作がなされるまで待機する。
一方、S270で否定判断すると(つまり、S270でNoであって、これは選択されたパターン構成要素が非印刷要素ではないことを示す)、選択されたパターン構成要素において、最も筋の目立たないブロック画像のブロック番号の入力操作を受け付けるためのサブ画面を表示部105に表示させる(S290)。図9(B)に示す例によれば、サブ画面は、全ブロック番号の中から、最も筋の目立たないブロック画像のブロック番号を、ユーザが操作部101を通じて選択可能な画面として構成される。サブ画面は、更に、筋の目立たないブロック画像のブロック番号を入力するように促すメッセージと共に、対応するパターン構成要素の識別番号(シンボル)を示す。
その後、制御ユニット90は、操作部101を通じてブロック番号の一つが入力(選択)されるまで待機し(S300)、入力されると、当該入力されたブロック番号をパターン構成要素の識別番号と共にRAM95に一時記憶する(S310)。その後、受付画面に対する新たな操作がなされるまで待機する。
この他、受付画面に対する操作がパターン構成要素の選択操作ではなく(S260でNo)、終了操作である場合(S320でYes)、制御ユニット90は、S340に移行する。S340では、光学センサ65を用いて特定された用紙Qの両側縁の位置X1,X2から、用紙Qの幅Wを算出する。更に、レジセンサ49によって用紙Qの先端及び後端が検出されたときのPFモータ41の回転量Yの差分から用紙Qの長さLを算出する。
そして、算出した長さL及び幅Wを有する用紙サイズに関して、EEPROM97が記憶する当該サイズの制御パラメータの一群を、S310で記憶したパターン構成要素の識別番号及び最も筋の目立たないブロック画像のブロック番号に基づき、適値に更新し(S350)、テストパターン出力処理を終了する。終了操作がなされた時点で、それまでにS310の処理を実行していない場合には、更新すべき制御パラメータがないため、S340,S350の処理を実質的に実行せずに、テストパターン出力処理を終了することができる。この他、制御ユニット90は、選択操作及び終了操作以外の操作が受付画面に対してなされた場合、当該操作に対応した処理を実行し(S330)、S240に移行する。
操作部101が表示部105の画面上にタッチパネルを備える場合、受付画面は、例えば各パターン構成要素のシンボルに対するタッチ操作を受付可能な画面として構成され得る。この場合、グレーアウト表示領域のシンボルに対するタッチ操作がなされると、制御ユニット90は、S280に移行する。一方、グレーアウト表示されていないシンボルのタッチ操作がなされると、S290に移行する。そして、サブ画面におけるブロック番号の一つに対するタッチ操作を受け付ける(S300)。受付画面には、終了操作用の画像オブジェクトを設けることができ、制御ユニット90は、このオブジェクトに対するタッチ操作がなされると、S340に移行することができる。
操作部101がカーソルキー及び決定キー等を備える場合、受付画面は、カーソル操作可能な構成にされ得る。この場合、制御ユニット90は、操作部101を通じたカーソル操作に合わせて、各パターン構成要素のシンボルにカーソルを移動させる。また一方で制御ユニット90は、決定キーが押下操作されると、その時点においてカーソルが合わせられていたシンボルに対応するパターン構成要素が選択されたとして、S290に移行することができる。その後、カーソル操作及び決定キーの操作を受け付けて、サブ画面に対するブロック番号の一つに対する選択操作を受け付ける。この他、制御ユニット90は、操作部101に対するキー操作により、受付画面を閉じる操作がなされると、S340に移行することができる。制御ユニット90は、グレーアウト表示されたパターン構成要素のシンボルにカーソルを移動させないように、カーソル移動を制御する構成にされ得る。
更なる別例として、操作部101がテンキー及び決定キーを備える場合、制御ユニット90は、操作部101を通じた数字の入力操作及び決定キーの入力操作の組み合わせにより、パターン構成要素の選択操作を受け付けることができ、同様に、数字の入力操作及び決定キーの入力操作の組み合わせにより、サブ画面に対するブロック番号の選択操作を受け付けることができる。
以上、本実施例の画像形成装置1について説明したが、本実施例では、用紙Qがコルゲート構造等の用紙搬送路の構造に応じて撓みや変形具合を変化させながら副走査方向に移動する。このため、副走査方向に関して第1〜第5形成位置の夫々でパターン構成要素の列を形成する。そして、これらパターン構成要素の形成状態を表す情報に基づき制御パラメータを補正することにより、用紙Qがプラテン22上を通過する過程において、用紙Qの山及び谷の形状に併せて適切な吐出タイミングでインク液滴を吐出できるようにする。従って、用紙Qに高品質な画像を形成可能な画像形成装置1を構成することができる。
特に本実施例では、画像形成装置1において画像形成可能な最大サイズの用紙Qに対応した主走査方向の幅を有するテストパターン画像データ(シンボル画像データ及び共通パターン画像データ)をROM93に記憶させる。そして、この画像データを、テストパターン画像を形成する用紙Qの幅(両側縁の位置X1,X2)に応じた印刷用データに変換し、この印刷用データに基づいたインク液滴の吐出動作を記録ヘッド61に実行させる。
本実施例によれば、この処理によって、単一のテストパターン画像データに基づき異なるサイズの用紙Qに良好にテストパターン画像を形成する。従って、用紙サイズ毎にテストパターン画像データをROM93に記憶させなくて済み、高性能な画像形成装置1を、ROM93の記憶容量を抑えて安価に構成することができる。
また、小さいサイズの用紙Qへのテストパターン画像の印刷に際しては、テストパターン画像データが表すパターン構成要素の一部しか用紙Qに印刷されないが、受付画面としては、用紙Qに対するパターン構成要素の配置に適合した画面を表示するようにした。
即ち、本実施例によれば、光学センサ65を用いて得られた用紙Qのサイズ情報としての用紙Qの側縁位置X1,X2の情報に基づき、非印刷要素に該当するパターン構成要素の識別番号を記憶しておき、この情報に基づいて、非印刷要素のシンボルをグレーアウト表示した受付画面を表示するようにした。
従って、本実施例によれば、複数のパターン構成要素の夫々についての上記形成状態を表す情報を、ユーザが受付画面を通じて容易に且つ正確に入力可能に、受付画面を表示することができる。即ち、本実施例によれば、ユーザが上記形成状態を表す情報を入力すべきパターン構成要素を容易に把握可能に、受付画面を表示することができ、ユーザが、用紙Qに印刷されていないパターン構成要素に対して、用紙Qに印刷されたパターン構成要素の上記形成状態を表す情報を誤って入力してしまうのを抑えることができる。
特に本実施例によれば、パターン構成要素の夫々に個別のシンボル(識別番号)が割り当てられており、用紙Qには、パターン構成要素毎に対応するシンボルを併せて印刷する。一方、受付画面には、用紙Qに印刷されたシンボルを、用紙Qに印刷されたシンボル及びパターン構成要素の幾何学配置に合わせて配列して表示する。従って、ユーザは、当該表示に基づいて、用紙Qに形成される各パターン構成要素と、受付画面にシンボルとして表示される各パターン構成要素との対応関係を簡単且つ正確に把握することができる。
この他、本実施例では、EEPROM97において用紙サイズ毎に制御パラメータ群を記憶する一方、上記形成状態を表す情報に基づく制御パラメータ群の更新を、光学センサ65を用いて得られたサイズ情報(用紙側縁の位置X1,X2)に基づき、テストパターン画像が印刷された用紙に対応する用紙サイズの制御パラメータ群に対して行う。従って、本実施例によれば、用紙サイズ毎に適切に制御パラメータ群を更新することができ、各サイズの用紙Qに対して高品質な画像を形成することができる。
[変形例]
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。上記実施例のテストパターン出力処理では、一つの受付画面に、全てのパターン構成要素のシンボルを表示して(S240)、これらに対する形成状態を表す情報の入力操作を受け付けるが、受付画面は、形成状態を受け付けるための入力画面をパターン構成要素毎に備える構成にされてもよい。
即ち、制御ユニット90は、受付画面として、パターン構成要素毎の入力画面を切り替え表示する構成にされてもよい。図10に示す変形例は、受付画面として、上記実施例のサブ画面に対応するパターン構成要素毎の入力画面を切り替え表示する例である。この例の場合、制御ユニット90は、パターン構成要素毎の入力画面を、操作部101を介したユーザからの頁めくり操作に従ってパターン構成要素の識別番号順に切り替えるように、表示部105に表示させる。但し、非印刷要素に対応するパターン構成要素の入力画面に関しては、これを表示部105に表示させずに、その入力画面の表示をスキップする。
図10に示す例によれば、図8(B)に従う形態でパターン構成要素が用紙Qに印刷されていることを前提として、用紙Qに印刷されていない識別番号「16」から「19」までのパターン構成要素の入力画面をスキップするようにして、識別番号「14」から「21」までのパターン構成要素の入力画面を切り替え表示する。
この他、操作部101が表示部105の画面上にタッチパネルを備える場合、受付画面は、例えば各パターン構成要素のシンボルのうち、印刷要素のタッチ操作のみを受付可能な画面として構成され得る。付言すれば、グレーアウト表示領域のシンボルに対するタッチ操作がなされても、制御ユニット90は、このタッチ操作を全く受け付けないように動作し得る。この場合には、図7に示されるテストパターン出力処理のうち、S270及びS280を省略することができ、制御ユニット90は、操作がなされると(S250でYes)、S290に移行することができる。
この他、テストパターン画像データは、最大サイズの用紙一枚分の画像データ、即ち、この用紙Qに対応する画像サイズ(縦横サイズ)の画像データであってもよい。パターン構成要素に付されるシンボルは、番号でなくてもよく、アルファベット等の文字や図形を識別番号の代わりに用いることも可能である。この他、本発明は、コルゲート構造を備えない画像形成装置に対しても適用され得る。
また、上記実施例では、パターン構成要素の形成状態を表す情報を、画像形成装置1のユーザインタフェース100を通じて取得したが、この情報は、画像形成装置1に接続された外部装置3(パーソナルコンピュータ等)から取得することも可能である。即ち、外部装置3の制御ユニットは、外部装置3のユーザインタフェースを通じて受付画面を表示し、この受付画面に対するユーザからの入力操作を受け付けて、ユーザから得られた情報に基づき、画像形成装置1が記憶する制御パラメータ群を更新する構成にされ得る。
[対応関係]
最後に用語間の対応関係について説明する。画像形成装置1が備える制御ユニット90及びユーザインタフェース100の組み合わせは、電子機器の一例に対応し、制御ユニット90が実行するS120は、取得処理の一例に対応し、S240は、表示制御処理の一例に対応する。EEPROM97は、記憶ユニットの一例に対応する。