JP6291171B2 - 車両用制御装置 - Google Patents

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本発明は、動力源から駆動輪に至る動力伝達経路にクラッチが設けられている、車両用制御装置に関する。
従来、動力源と駆動輪とを接続する動力伝達経路のトルク容量を制御するクラッチを設けた車両用制御装置が知られおり、その一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された車両用制御装置は、エンジンと駆動輪との間に変速機が設けられており、エンジンと変速機との間に、クラッチが設けられている。このクラッチは摩擦クラッチであり、クラッチは、クラッチ板とプレッシャープレートとが互いに対応するように設けられている。
そして、クラッチが締結されている状態で、変速機の入力回転数に関係する第1のパラメータと、変速機の出力回転数に関係する第2のパラメータとの比の時間あたりの変化量を算出する。さらに、算出された第1のパラメータと第2のパラメータとの時間当たりの変化量と、変化量の目標値との差が、所定値以上の場合に、クラッチが滑っている、すなわち、クラッチが異常と判断している。
特開2008−144821号公報
ところで、クラッチは経時変化により摩耗する可能性があるが、特許文献1に記載された車両用制御装置は、クラッチの摩耗状態に関わりなく、クラッチの異常を判断するため、クラッチの異常判断を適切に行うことができなかった。
本発明の目的は、クラッチの摩耗状態に応じて、トルク容量が低下しているとの判断を適切に行うことのできる、車両用制御装置を提供することにある。
本発明は、動力源と駆動輪との間に設けられた変速機と、前記変速機と前記駆動輪との間に設けられたクラッチと、を有する車両用制御装置であって、前記動力源のトルクが前記変速機を経由して前記クラッチに入力されている際に、前記クラッチの入力回転数と出力回転数との差を検出する検出部と、前記入力回転数と前記出力回転数との差が所定値以上となった時点から、前記入力回転数と前記出力回転数との差が所定値以上の状態が継続して所定時間が経過すると前記クラッチのトルク容量が低下する異常であると判断する判断部と、を有し、前記判断部は、前記入力回転数と前記出力回転数との差が大きいほど、前記所定時間を短く設定する。
本発明によれば、クラッチの摩耗状態に応じて、クラッチのトルク容量が低下しているとの判断を速やかに実行できる。
本発明を適用した車両の構成例を示す模式図である。 本発明の一実施の形態である車両用制御装置の構成を示す模式図である。 図2の制御ユニットによって実行される制御ロジックの一例を示すフローチャートである。 図3のフローチャートで用いるマップの一例である。 図3のフローチャートに対応するタイムチャートの一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明を適用した車両10の構成例を示す模式図、図2は本発明の一実施の形態である車両用制御装置の構成を示す模式図である。車両10のパワートレーンは、第1動力源としてのエンジン11と、第2動力源としての走行用モータ12とを有している。エンジン11は、燃料を燃焼させてその熱エネルギを運動エネルギに変換する動力源である。走行用モータ12は、電気エネルギを運動エネルギに変換する動力源である。走行用モータ12としては、例えば、3相交流型の電動モータを用いることができる。エンジン11は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、液化石油ガスエンジン等うちのいずれでもよい。
すなわち、車両10は、動力の発生原理が異なる2種類の動力源を備えたハイブリッド車である。また、パワートレーンは、バリエータとしての無段変速機13を有しており、無段変速機13は、プライマリ軸32に設けられたプライマリプーリ14およびプライマリ軸に平行なセカンダリ軸33に設けられたセカンダリプーリ15を備えている。プライマリ軸32の長手方向の端には、トルクコンバータ16を介してエンジン11が連結されている。
トルクコンバータ16は、クランク軸22に連結されたポンプインペラ88と、トルク伝達軸89に連結されたタービンランナ90と、ステータとを有している。トルクコンバータ16は、作動油の運動エネルギにより動力伝達を行う流体伝動装置であり、ステータの作用によりトルクを増幅することが可能である。また、エンジン11のクランク軸22には、駆動ベルト23を介して発電機とエンジン始動用電動機の機能を兼ね備えたISG(Integrated Starter Generator)24が連結されている。エンジン11が停止している場合、ISG24を電動機として起動させてエンジン11をクランキングし、エンジン11で燃料供給及び点火制御を行い、エンジン11を自律回転させることができる。
一方、プライマリ軸32の長手方向の他端には、走行用モータ12が連結されている。走行用モータ12のステータ78には、インバータ79を介して蓄電装置が接続されている。走行用モータ12は、発電機および電動機として機能する所謂モータジェネレータである。このため、蓄電装置の電力を走行用モータ12に供給して電動機として起動させる制御と、プライマリ軸32の動力で走行用モータ12を発電機として起動させ、発生した電力を蓄電装置に蓄電する制御とを実行可能である。
また、セカンダリ軸33には、ヒューズクラッチ17を介して駆動輪出力軸18が連結されている。この駆動輪出力軸18には、ディファレンシャル機構19およびアクスル軸20を介して駆動輪21が連結されている。
トルク伝達軸89と、無段変速機13のプライマリ軸32との間の動力伝達経路には、解放状態と係合状態とに切り換えられる入力クラッチ30が設けられている。入力クラッチ30は、多板クラッチまたは単板クラッチのいずれでもよい。また、入力クラッチ30は、湿式クラッチまたは乾式クラッチのいずれでもよい。また、入力クラッチ30のトルク容量を制御する油圧室95が設けられている。
エンジン11及び走行用モータ12から、駆動輪21に至る動力伝達経路に設けられた無段変速機13のプライマリプーリ14の背面側にはプライマリ室34が区画されている。プライマリプーリ14は、プライマリ軸32の長手方向に移動可能な可動シーブと、プライマリ軸32の長手方向には移動不可能な固定シーブとを有する。プライマリ室34の油圧は、プライマリプーリ14の可動シーブの背面に作用する。
また、セカンダリ軸33にはセカンダリプーリ15が設けられており、セカンダリプーリ15は、セカンダリ軸33の長手方向に移動可能な可動シーブと、セカンダリ軸33の長手方向には移動不可能な固定シーブとを有する。セカンダリプーリ15の背面側にはセカンダリ室35が区画されている。セカンダリ室35の油圧は、セカンダリプーリ15の可動シーブの背面に作用する。さらに、セカンダリ室35内にはリターンスプリングが設けられており、リターンスプリングは、セカンダリプーリ15の可動シーブを固定シーブに近づける向きの力を生じる。
さらに、プライマリプーリ14およびセカンダリプーリ15には駆動チェーン36が巻き掛けられている。このため、リターンスプリングの力によってセカンダリプーリ15は駆動チェーン36に挟圧力を加えている。
そして、プライマリ室34における作動油量を制御すると、駆動チェーン36の張力と、プライマリプーリ14の可動シーブに加わる推力との関係に基づきプライマリプーリ14の可動シーブが長手方向に移動し、プライマリプーリ14における駆動チェーン36の巻き掛け径が変化する。例えば、プライマリ室34の作動油量が増加すると、プライマリプーリ14における駆動チェーン36の巻き掛け径が大きくなり、無段変速機13でアップシフトが行われる。
これに対して、プライマリ室34の作動油量が減少すると、プライマリプーリ14における駆動チェーン36の巻き掛け径が小さくなり、無段変速機13でダウンシフトが行われる。このようにして、プライマリ軸32の回転速度と、セカンダリ軸33の回転速度との比、つまり、変速比を無段階に変更することができる。
また、セカンダリ室35の油圧を制御すると、セカンダリプーリ15から駆動チェーン36に加えられる挟圧力が変化し、無段変速機13のトルク容量を制御することができる。
前述したように、無段変速機13と駆動輪21との間には、ヒューズクラッチ17が設けられている。ヒューズクラッチ17は、セカンダリ軸33と駆動輪出力軸18との間におけるトルク容量を制御する機構である。ヒューズクラッチ17は、多板クラッチまたは単板クラッチのいずれでもよい。また、ヒューズクラッチ17は、湿式クラッチまたは乾式クラッチのいずれでもよい。そして、ヒューズクラッチ17は、油圧室92の油圧が制御されてトルク容量が調整される。ヒューズクラッチ17は、摩擦板の表面に摩擦材を貼り付けてある。
前述した無段変速機13やトルクコンバータ16、油圧室92,95等のオイル必要部に対して、作動油を供給するため、トロコイドポンプ等のメカポンプ41が設けられている。また、オイル必要部に供給する作動油の流量または圧力を制御するため、バルブユニット42が設けられている。バルブユニット42は、プライマリ室34の作動油量を制御する流量制御弁、セカンダリ室35、油圧室92,95の油圧を別々に制御する圧力制御弁、これらのバルブ同士及びオイルパンを接続する油圧回路等を有する。
圧力制御弁は、通電と非通電との比率であるデューティ比を制御することにより、出力油圧を制御することのできるデューティソレノイドバルブである。バルブユニット42は、油圧室92の油圧を制御するデューティソレノイドバルブ97を有する。デューティソレノイドバルブ97は、通電と非通電との比率であるデューティ比を調整すると、油圧室92に伝達する油圧力が変化する。また、流量制御弁は、開閉を切り換えることにより、作動油量を制御するオン・オフソレノイドバルブである。
そして、メカポンプ41が駆動して、メカポンプ41から吐出された作動油は、バルブユニット42を経て、無段変速機13、トルクコンバータ16、ヒューズクラッチ17、入力クラッチ30等に供給される。具体的には、プライマリ室34の作動油の流量、セカンダリ室35の作動油の油圧、油圧室92,95の油圧が、それぞれ別々に制御される。
一方、メカポンプ41は、アウタロータ43と、アウタロータ43に組み込まれるインナロータ44とを備えている。インナロータ44の一端には、ロータ軸45および従動スプロケット46が取り付けられている。ロータ軸45に平行となるプライマリ軸32には、一方向クラッチ47を介して駆動スプロケット48が取り付けられている。
駆動スプロケット48および従動スプロケット46にはチェーン49が巻き掛けられており、プライマリ軸32とインナロータ44とはチェーン機構50を介して連結されている。このように、メカポンプ41は、チェーン機構50によって構成される第1駆動系51を介して、動力伝達経路52の一部を構成するプライマリ軸32に連結されている。なお、動力伝達経路52は、無段変速機13、ヒューズクラッチ17、駆動輪出力軸18、ディファレンシャル機構19およびアクスル軸20等を含む。
メカポンプ41のインナロータ44の他端には、ロータ軸61および従動スプロケット62が取り付けられている。トルクコンバータ16のポンプシェルに固定されるとともにロータ軸61に平行となる中空軸64には、一方向クラッチ65を介して駆動スプロケット66が取り付けられている。駆動スプロケット66および従動スプロケット62にはチェーン67が巻き掛けられており、中空軸64とインナロータ44とはチェーン機構68を介して連結されている。このように、メカポンプ41は、チェーン機構68およびトルクコンバータ16によって構成される第2駆動系69を介して、エンジン11のクランク軸22に連結されている。
第1駆動系51を構成する一方向クラッチ47は、正転方向に回転するプライマリ軸32からインナロータ44に動力を伝達する一方、これとは逆向きの動力伝達を遮断している。同様に、第2駆動系69を構成する一方向クラッチ65は、正転方向に回転する中空軸64からインナロータ44に動力を伝達する一方、これとは逆向きの動力伝達を遮断する。
すなわち、プライマリ軸32が中空軸64よりも速く回転する場合には、走行用モータ12側のプライマリ軸32によってメカポンプ41が駆動される一方、中空軸64がプライマリ軸32よりも速く回転する場合には、エンジン11側の中空軸64によってメカポンプ41が駆動される。
なお、プライマリ軸32の正転方向とは、前進走行時におけるプライマリ軸32の回転方向である。また、中空軸64の正転方向とは、エンジン作動時におけるクランク軸22の回転方向である。
前述したように、メカポンプ41のインナロータ44には、プライマリ軸32と中空軸64とが連結されている。これにより、エンジン11が駆動されるパラレル走行モードにおいては、エンジン11によって常にメカポンプ41を駆動することができ、メカポンプ41から吐出された作動油を、無段変速機13及びトルクコンバータ16、入力クラッチ30のトルク容量を制御する油圧室、ヒューズクラッチ17のトルク容量を制御する油圧室92等に供給することが可能である。
車両制御装置70は、車両10の走行モードとしてモータ走行モードまたはパラレル走行モードを選択できる。モータ走行モードが選択されると、入力クラッチ30が解放され、エンジン11とプライマリ軸32との間の動力伝達経路が遮断される。また、モータ走行モードが選択されると、エンジン11が停止されるとともに、アクセルペダルが踏み込まれていると、走行用モータ12を電動機として起動させ、走行用モータ12のトルクを駆動輪21に伝達する。
なお、モータ走行モードが選択され、かつ、車両10の走行中にアクセルペダルが戻されると、車両10の惰力走行による運動エネルギが、駆動輪出力軸18、無段変速機13を経由してプライマリ軸32に伝達されるため、走行用モータ12を発電機として起動させ、駆動輪21に回生制動力を与えることもできる。
一方、車両10の走行モードとしてパラレル走行モードが選択されると、入力クラッチ30が係合され、かつ、エンジン11のトルクを、無段変速機13を経由して駆動輪21に伝達することができる。なお、パラレル走行モードが選択されると、エンジン11のトルク及び走行用モータ12のトルクの両方を、駆動輪21に伝達することもできる。
エンジン11のトルクだけを駆動輪21に伝達するか、エンジン11のトルク及び走行用モータ12のトルクの両方を駆動輪21に伝達するかは、車速、アクセル開度等から求められる目標駆動力、エンジン11の燃費、走行用モータ12に接続された蓄電装置の充電量等の条件に基づいて、ハイブリッド用制御ユニット81が判断する。
ハイブリッド用制御ユニット81は、インバータ79を介して走行用モータ12の回転速度、回生トルク、力行トルク等を制御する。回生トルクは、走行用モータ12を発電機として起動させる場合のトルクであり、力行トルクは、走行用モータ12を電動機として起動させる場合のトルクである。また、ハイブリッド用制御ユニット81は、エンジン11における吸入空気量、燃料噴射量等を制御して、エンジン11の出力、すなわち、エンジントルク及びエンジン回転数を制御する。
ハイブリッド用制御ユニット81は、運転者がモード切替スイッチを操作することにより、モータ走行モードとパラレルモードとを切り換える構成、または、運転者がモード切替スイッチを操作することなく、車両10の状況に応じて自動的に切り替えられる構成のいずれでもよい。このため、ハイブリッド用制御ユニット81は、走行用モータ12に接続された蓄電装置の充電量、目標駆動力から求められる目標出力、エンジン11の燃費等に基づいて、車両10で理想的なエネルギ消費が行われるように、エンジン11の出力及び走行用モータ12の出力、無段変速機13の変速比等を制御するマップ、データ等を記憶している。
そして、モータ走行モードが選択されてエンジン11が停止され、かつ、走行用モータ12が駆動されると、プライマリ軸32の動力によってメカポンプ41を駆動することが可能となる。このように、メカポンプ41は、無段変速機13の入力側に設けられたプライマリ軸32の動力によって駆動される。
また、車両制御装置70は、モータ走行モードが選択され、かつ、車両10が停止している時、または、車両10の減速中等のように、エンジン11に連結されたメカポンプ41の作動油の吐出量が少ない場合は、バルブユニット42の油圧回路の基本油圧、つまり、ライン圧を確保するため、電動モータ71によって駆動される電動ポンプ72を備えている。
図2に示すように、車両制御装置70は、前記ハイブリッド用制御ユニット81の他に、電動ポンプ72、無段変速機13の変速比及びトルク容量、入力クラッチ30の油圧室95の油圧、ヒューズクラッチ17の油圧室92の油圧等を制御する制御ユニット73を有する。制御ユニット73は、制御信号等を演算するCPU、制御プログラム、演算式およびマップデータ等を格納するROM、一時的にデータを格納するRAM等によって構成されている。
制御ユニット73には、駆動輪21の回転速度を検出する車輪速センサ74の信号、走行用モータ12が備えるロータ75の回転速度を検出するモータ回転センサ76の信号、運転者によるブレーキペダルの踏み込み状況を検出するブレーキスイッチ77の信号、プライマリ軸32の回転数を検出するプライマリ軸センサ93の信号、セカンダリ軸33の回転数を検出するセカンダリ軸センサ94の信号、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサの信号、トルク伝達軸89の回転数を検知するタービン回転数センサの信号、駆動輪出力軸18の回転数を検出する回転数センサ96の信号等が入力される。
車輪速センサ74の信号から、車速が求められる。制御ユニット73には、故障診断タイマーが内蔵されている。故障診断タイマーは、ヒューズクラッチ17が異常であるか正常であるかを判断する際に、経過時間を計測する。
制御ユニット73とハイブリッド用制御ユニット81とはCAN(コントローラ・エリア・ネットワーク)82により接続されており、制御ユニット73とハイブリッド用制御ユニット81との間で、CAN82を介して信号の授受が行われる。
上記したヒューズクラッチ17の機能及びトルク容量の制御について説明する。車両10において、エンジン11または走行用モータ12のうち、少なくとも一方から出力されたトルクを、無段変速機13を経由させて駆動輪21に伝達するにあたり、ヒューズクラッチ17の目標トルク容量は、無段変速機13から伝達されるトルクにより、ヒューズクラッチ17が滑ることを防止できる値に設定される。
さらに、ヒューズクラッチ17の目標トルク容量は、上記条件に加えて、駆動輪21のスリップ等が生じて駆動輪出力軸18に過大なトルクが入力された場合に、無段変速機13で駆動チェーン36の滑りが生じる前に、ヒューズクラッチ17を滑らせることができる値に設定される。
さらに、無段変速機13を経由してヒューズクラッチ17に入力されるトルクは一定ではなく、車両10の走行条件、例えば、エンジン11のトルク、走行用モータ12のトルク、無段変速機13の変速比等により変動する。このため、ヒューズクラッチ17の目標トルク容量も、車両10の走行条件に応じて変化する。ここで、ヒューズクラッチ17に用いられている摩擦材が摩耗していなければ、油圧室92の油圧を基準油圧に制御すると、ヒューズクラッチ17の実トルク容量は、目標トルク容量となる。基準油圧は、無段変速機13を経由してヒューズクラッチ17に入力されるトルクにより、ヒューズクラッチ17で滑りが生じないように、実験、シミュレーション等を行って求めた値である。
本実施形態において、ヒューズクラッチ17のトルク容量は、バルブユニット42が油圧室92の油圧に応じて調整される。具体的には、ヒューズクラッチ17は、油圧室92の油圧が上昇するとトルク容量が上昇し、ヒューズクラッチ17が係合される。これに対して、油圧室92の油圧が低下するとトルク容量が低下し、ヒューズクラッチ17が解放される。
次に、ヒューズクラッチ17に関連して、車両制御装置70で行われる制御ロジックの一例を、図3のフローチャートに基づいて説明する。図3のフローチャートで示される制御ロジックは、モータ走行モードまたはパラレル走行モードのいずれが選択されている場合にも実行可能である。すなわち、アクセルペダルが踏み込まれており、エンジン11または走行用モータ12のうち、少なくとも一方から出力されたトルクが、無段変速機13を経由してヒューズクラッチ17に入力されている際に実行される。
まず、制御ユニット73は、ステップS10において、セカンダリ軸33と駆動輪出力軸18との回転数差NDが、所定値以上であるか否かを判断する。ステップS10の判断で用いる所定値は、ヒューズクラッチ17の摩擦材が摩耗する異常が発生しているか否かを判断するためのしきい値であり、予め制御ユニット73に記憶されている。所定値は、回転数差0よりも大きい値である。制御ユニット73は、ステップS10でNoと判断すると、ステップS11に進み、故障診断タイマーNGTMINC を0にリセットする。
これに対して、制御ユニット73は、ステップS10でYesと判断すると、ステップS12に進み、故障診断タイマーNGTMINC をインクリメントする。すなわち、故障診断タイマーが、ステップS10でYesと判断されてからの経過時間のカウントを開始する。
そして、制御ユニット73は、ステップS11またはステップS12のいずれを実行した場合も、ステップS13に進む。制御ユニット73は、ステップS13において、回転数差NDに応じて、故障確定時間NGTMを求める。制御ユニット73は、回転数差NDに基づいて、ヒューズクラッチ17が異常であるとの判断を行う。この故障確定時間NGTMは、回転数差NDが所定値以上となった時点から、ヒューズクラッチ17が異常であると判断するために用いる基準である。
ステップS13の処理を行うために、制御ユニット73に記憶されているマップの一例を、図4を参照して説明する。図4に示すマップ(グラフ図)は、横軸に回転数差NDが表され、縦軸に故障確定時間が表されている。そして、図4のマップには、回転数差NDが大きくなるほど、故障確定時間が短くなる傾向の特性線が示されている。
制御ユニット73は、ステップS13に次いでステップS14の判断を行う。ステップS14では、インクリメントされている故障診断タイマーNGTMINC で計測される経過時間が、故障確定時間NGTM以上となったか否かを判断する。
制御ユニット73は、ステップS14でNoと判断すると、ステップS15に進み、故障フラグNGCLを前置保持する。つまり、
NGCL=NGCLn−1
とする。ここで、
NGCLn−1
は前回の制御ルーチン実行時における故障フラグを表す。このステップS15では、前回の制御ルーチン実行時における故障フラグが、そのまま保持される。つまり、制御ユニット73は、ヒューズクラッチ17が正常であると判断する。
一方、制御ユニット73は、ステップS14でYesと判断すると、ステップS16に進み、故障フラグNGCLを
NGCL=1
とする。つまり、制御ユニット73は、ヒューズクラッチ17が異常であると判断する。
さらに、制御ユニット73は、ステップS17において、
故障フラグNGCL=1
がセットされているか否かを判断する。
制御ユニット73は、ステップS17でNoと判断すると、ステップS18に進み通常制御を実行し、図3の制御ルーチンを終了する。ステップS18で実行される通常制御とは、油圧室92の油圧を、制御ユニット73に予め記憶されている基準油圧とすることである。
これに対して、制御ユニット73は、ステップS17でYesと判断すると、ステップS19に進みフェールセーフ制御を実行し、図3の制御ルーチンを終了する。ステップS19で実行されるフェールセーフ制御とは、油圧室92の油圧を、基準油圧よりも高い値とすることである。フェールセーフ制御は、無段変速機13を経由してヒューズクラッチ17に入力されるトルクにより、ヒューズクラッチ17で滑りが生じている場合に、油圧室92の油圧を上昇させることで、ヒューズクラッチ17の滑りを防止するために行われる。
なお、フェールセーフ制御が実行されてヒューズクラッチ17のトルク容量が高められた後に、駆動輪21がスリップした場合は、無段変速機13で滑りが生じる前に、ヒューズクラッチ17が先に滑るという本来の機能を確保できるように、油圧室92の油圧上昇分が設定される。
次に、図3のフローチャートに対応するタイムチャートの一例を、図5に基づいて説明する。図5においては、便宜上、大小2つの回転数差NDが示され、2つの回転数差NDの大きさに応じて、故障確定時間の特性線が2つ示されている。大きい回転数差NDが実線で示され、小さい回転数差NDが破線で示されている。
また、回転数差NDが大きい場合に用いられる故障確定時間が実線で示され、回転数差NDが小さい場合に用いられる故障確定時間が破線で示されている。なお、回転数差NDが大きい、小さいとは、便宜上示した2つの回転数差同士の相対関係であり、回転数差が大きい、小さいを決めるしきい値がある訳ではない。
図5のタイムチャートにおいて、時刻t1以前では、油圧室92の油圧が一定に制御され、かつ、回転数差NDが0で一定である。このため、
故障フラグNGCL=0
であり、故障診断タイマーNGTMINC は0にリセットされている。
そして、時刻t1から回転数差NDが0を超えて増加するが、回転数差NDが所定値未満では、故障診断タイマーが0にリセットされている。所定値は、ステップS10の判断に用いる値である。時刻t2で回転数差NDが所定値以上になると、故障診断タイマーがインクリメントを開始する。
回転数差NDが大きい場合は、時刻t3で故障診断タイマーによりカウントされる経過時間が、実線の故障確定時間に到達し、
故障フラグNGCL=1
がセットされる。つまり、制御ユニット73は、ヒューズクラッチ17が異常と判断する。また、時刻t3から油圧室92の油圧が上昇し、時刻t4以降は、油圧室92の油圧が一定に制御されている。
一方、回転数差NDが小さい場合は、時刻t2、時刻t3を過ぎても、故障診断タイマーにより計測される経過時間は、破線の故障確定時間に到達していない。そして、回転数差NDが小さい場合は、時刻t5で、故障診断タイマーにより計測される経過時間が、破線の故障確定時間に到達すると、
故障フラグNGCL=1
がセットされる。つまり、制御ユニット73は、ヒューズクラッチ17が異常であると判断する。また、時刻t5から油圧室92の油圧が上昇し、時刻t6以降は、油圧室92の油圧が一定に制御されている。
ここで、比較例の制御を図5のタイムチャートにより説明する。比較例の制御は、回転数差に関わりなく、同じ故障確定時間が用いられている。図5では、故障診断タイマーによりカウントされる経過時間が、時刻t7で故障確定時間に到達した例が示されている。また、時刻t7で故障フラグがセットされ、かつ、ヒューズクラッチに作用する油圧室の油圧が上昇される。このため、時刻t7以前においては、回転数差が一点鎖線のように増加し、時刻t7以降は回転数差が減少している。
上記のように、車両制御装置70は、ヒューズクラッチ17の摩擦材が摩耗して、無段変速機13から伝達されるトルクで滑りが生じる異常の有無を検知しており、車両制御装置70は、ヒューズクラッチ17が異常であると判断すると、回転数差NDが大きいほど、故障確定時間を短く設定する。このため、ヒューズクラッチ17の摩擦材の状態に応じて、ヒューズクラッチ17のトルク容量を上昇させ、ヒューズクラッチ17の滑りを抑制できる。具体的には、回転数差NDが大きいほど、なるべく早期にヒューズクラッチ17のトルク容量を上昇できる。したがって、ヒューズクラッチ17の摩擦材の摩耗が促進されることを防止できる。
また、車両制御装置70は、比較例の制御に比べて、回転数差NDが一層大きくなる前に、ヒューズクラッチ17の油圧室92の油圧を上昇させる。したがって、ヒューズクラッチ17のトルク容量を増加する制御の実行前後におけるトルク容量の差を小さくすることができ、ヒューズクラッチ17のトルク容量増加によるショックを回避でき、かつ、摩擦材の損傷を抑制できる。
本実施形態において、ヒューズクラッチ17が異常と、ヒューズクラッチ17が故障とは、技術的に同義である。また、ヒューズクラッチ17が異常であると判断しても、ヒューズクラッチ17のトルク容量を制御するアクチュエータとしてのデューティソレノイドバルブ97、バルブユニット42等の機構は正常であるため、油圧室92の油圧を制御できる。
本実施形態で説明した構成と、本発明の構成との対応関係を説明すると、エンジン11及び走行用モータ12が、本発明の動力源に相当し、ヒューズクラッチ17が、本発明のクラッチに相当し、制御ユニット73が、本発明の検出部及び判断部に相当する。また、セカンダリ軸33の回転数が、本発明におけるクラッチの入力回転数に相当し、駆動輪出力軸18の回転数が、本発明におけるクラッチの出力回転数に相当する。故障確定時間NGTMが、本発明の所定時間に相当する。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、図3のステップS13の処理を実行するにあたり、基準となる回転数差に対応して、基準となる故障確定時間を記憶しておき、実際の回転数差が、基準となる回転数差と異なる場合は、基準となる故障確定時間を補正して、実際の回転数差に応じた故障確定時間を求めることも可能である。また、本発明において、クラッチの入力回転数及び出力回転数に代えて、入力回転速度及び出力回転速度を用い、回転速度の差を用いても、技術的には同様の効果を得られる。
また、本発明のクラッチは、デューティソレノイドバルブから出力される油圧力でトルク容量が制御される油圧制御式クラッチの他、ソレノイドへの通電により形成される磁気吸引力で摩擦板が動作し、トルク容量が制御される電磁クラッチを含む。電磁クラッチの場合、ソレノイドがトルク容量制御部に相当する。このような電磁クラッチは、特開2012−245833号公報、特開2012−250602号公報等に記載されているように周知技術であるため、図示および説明を省略する。
さらに、無段変速機としてチェーンドライブ式の無段変速機を示しているが、本発明における無段変速機は、ベルトドライブ式やトラクションドライブ式の無段変速機を含む。ベルトドライブ式の無段変速機は、プライマリプーリ及びセカンダリプーリにベルトが巻き掛けられている。トラクションドライブ式の無段変速機は、入力ディスク及び出力ディスクと、入力ディスクと出力ディスクとの間に介在されるパワーローラとを有する。駆動チェーン及びベルトが、本発明の巻き掛け伝動部材に相当する。
さらに、本発明の駆動輪は、前輪または後輪の少なくとも一方であればよい。さらに、本発明で対象とする車両は、走行用モータに代えてフライホイールシステムを動力源とする車両を含む。さらに、本発明で対象とする車両は、走行用モータに代えて油圧モータを動力源とする車両を含む。
11 エンジン
12 走行用モータ
13 無段変速機
17 ヒューズクラッチ
21 駆動輪
73 制御ユニット
97 デューティソレノイドバルブ

Claims (2)

  1. 動力源と駆動輪との間に設けられた変速機と、前記変速機と前記駆動輪との間に設けられたクラッチと、を有する車両用制御装置であって、
    前記動力源のトルクが前記変速機を経由して前記クラッチに入力されている際に、前記クラッチの入力回転数と出力回転数との差を検出する検出部と、
    前記入力回転数と前記出力回転数との差が所定値以上となった時点から、前記入力回転数と前記出力回転数との差が所定値以上の状態が継続して所定時間が経過すると前記クラッチのトルク容量が低下する異常であると判断する判断部と、
    を有し、
    前記判断部は、前記入力回転数と前記出力回転数との差が大きいほど、前記所定時間を短く設定する、車両用制御装置。
  2. 請求項1に記載された車両用制御装置において、
    前記変速機は、プライマリプーリ及びセカンダリプーリに巻き掛け伝動部材を巻き掛けた無段変速機であり、
    前記判断部は、前記動力源のトルクが前記無段変速機を経由して前記クラッチに伝達されている際に、前記クラッチのトルク容量が低下する異常であると判断する、車両用制御装置。
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