JP6290114B2 - ガス製造装置およびガス製造処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸着処理によって特定の成分を分離させ、目的とする成分のガスを取り出すガス処理技術に関する。
原料ガスから特定成分のガスを分離する技術として、特定の圧力状態で吸着剤に原料ガスを流して、分離したいガスを吸着させるPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)方式を利用したものが知られている。PSA方式のガス分離処理では、圧縮空気を吸着剤に通して分離させる吸着工程、吸着剤によって分離したガス成分を放出して次の吸着工程に備える再生工程を繰り返し行う。またガス分離処理では、たとえば対となる複数の吸着槽を備え、この吸着槽間で交互に吸着工程、再生工程を行うことで、ガス製造効率を高めている。このように複数の吸着槽を用いる場合、吸着工程と再生工程との間に、吸着槽同士を連通させて槽内の均圧化を図る均圧工程を行うことが知られている。
均圧工程では、高純度のガスを取り出すための吸着処理を終えて内部が高圧状態の吸着槽から、再生処理が完了した低圧状態の吸着槽に対してガスを流すことで、高純度のガスを製造するための工夫がされてきた。
このような均圧処理を実現するため、たとえば一方の吸着タンクの略中央部分に対して連結管路が接続され、一方の吸着タンク内にある吸着経路の途中部分から圧力の高い製品ガスを取出し、この製品ガスを他方の吸着タンクに取り込ませるものがある(たとえば、特許文献1)。また、1対の吸着槽において、再生工程を終えた吸着槽の出口側と吸着工程を終えた吸着槽の出口側を接続して均圧させた後、再生工程を終えた吸着槽の入側に切り換えて直列均圧を行うものが記載されている(たとえば、特許文献2)。
特開平10−192636号公報 特開平5−192527号公報
ところで、ガス製造装置では、原料ガスに対し製品ガスの回収効率を上げるために、均圧処理を迅速化するほか、吸着処理が終了した吸着槽に残留するガスから効率的に目的とする製品ガスを回収することが重要である。すなわち残留したガス内には、回収目的のガス成分が含まれており、この残留ガス内のガス成分を回収することがガス製造装置によるガスの供給量に関わってくる。吸着工程が完了した吸着槽に残留するガスから効率良く製品ガスを回収するためには、再生工程が完了した吸着槽に対する均圧工程が重要となる。
さらに吸着工程では、原料空気を流入させる吸着槽の入側に対し、吸着剤を通過することで特定の成分のガスから分離されることで製品ガスの純度が高くなり、この純度が吸着槽の出側にいくに従って製品ガスの純度が高くなる。すなわち吸着槽内部には純度の異なる製品ガスが存在する。従来の均圧工程では、たとえば吸着槽の出側同士と入側同士を連通させることで、残留ガスを再生工程が終了した吸着槽側に流し込むものがある。しかし、入側同士を連通させた場合、純度の低いガスから相手側の吸着槽に流入させることになる。このとき製品ガスとして回収したい高レベルまたは中レベルまでの純度の製品ガスが、たとえば吸着槽内部で原料ガスに近い状態の低レベルの製品ガスに拡散してしまい、ガスの回収率を低下させるおそれがある。さらに、残留ガス内の高純度の製品ガスを吸着槽の入側に入れると、次の吸着工程において、再び吸着処理を行わせることになり、時間的な無駄が生じることになる。
また、吸着槽内部では、吸着工程が完了した場合でも内部のガスの流れが安定せず、偏流状態となっている場合がある。これにより吸着槽の途中部分では、圧力状態や残留ガス内に含まれる製品ガス成分の純度が一定にならない場合がある。従って吸着槽の中間部分から残留ガスを回収して他の吸着槽に流入させても、想定した状態での均圧処理や純度の高い製品ガスを優先的に回収することはできず、製品ガスの製造処理の安定化が図れない。
斯かる課題について特許文献1、2には開示も示唆も無く、特許文献1、2に開示された構成では解決することができない。
そこで、本発明の目的は、原料ガスに対する製品ガスの回収効率の向上を図ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の一側面は、第1の吸着部と、第2の吸着部と、第1の連通部と、第2の連通部とを備える。第1の吸着部は、吸着剤が充填された少なくとも二つの吸着槽を該吸着槽の管径よりも狭小に形成された第1の連結管路によって直列に連結し、これらの吸着槽に原料ガスを流して吸着処理を行う。第2の吸着部は、吸着剤が充填された少なくとも二つの吸着槽を該吸着槽の管径よりも狭小に形成された第2の連結管路によって直列に連結し、これらの吸着槽に原料ガスを流し、前記第1の吸着部の吸着処理と異なるタイミングで吸着処理を行う。第1の連通部は、前記第1の連結管路に接続され、前記第1の吸着部の上流側に連結された前記吸着槽の出側を前記第2の吸着部の上流側に連結された前記吸着槽の入側に連通させる。第2の連通部は、前記第2の連結管路に接続され、前記第2の吸着部の上流側に連結された前記吸着槽の出側を前記第1の吸着部の上流側に連結された前記吸着槽の入側に連通させる。そして、前記第1の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第1の連通部を開通させて、前記第1の吸着部の下流側の前記吸着槽内のガスよりも純度の低いガスが溜められた上流側の前記吸着槽から前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽に前記第1の吸着部内のガスを前記第1の吸着部のガスの流動方向に沿って流し、前記第2の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第2の連通部を開通させて、前記第2の吸着部の下流側の前記吸着槽内のガスよりも純度の低いガスが溜められた上流側の前記吸着槽から前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽に前記第2の吸着部内のガスを前記第2の吸着部のガスの流動方向に沿って流す。
上記ガス製造装置において、好ましくは、第1の開閉弁と、第2の開閉弁と、制御部とを備える。第1の開閉弁は、前記第1の連通部に設置され、開閉により前記第1の連通部内の前記ガスの流れを開放し、または遮断する。第2の開閉弁は、前記第2の連通部に設置され、開閉により前記第2の連通部内の前記ガスの流れを開放し、または遮断する。制御部は、前記第1の吸着部と前記第2の吸着部とに対し、ガスの吸着工程または前記吸着剤の再生工程を異なるタイミングで実行させ、その吸着工程と再生工程との移行時に、前記第1の開閉弁と前記第2の開閉弁とを開閉させて前記均圧工程を実行さる。
上記ガス製造装置において、好ましくは、前記第1の吸着部の下流側に連結された前記吸着槽の出側と前記第2の吸着部の下流側に連結された前記吸着槽の出側とを連通する第3の連通部を備え、前記第1の吸着部または前記第2の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第3の連通部を開通させ、前記第3の連通部を通じて前記ガスを流入させる。
上記ガス製造装置において、好ましくは、さらに、前記吸着工程、前記再生工程および前記均圧工程の処理時間を計時するタイマを備え、前記制御部は、前記タイマによる計時結果に基づき、設定された処理時間に応じて、前記吸着処理または再生処理を実行させ、前記再生工程から前記均圧工程に移行する際、前記処理時間の経過前に、前記再生処理中の前記吸着槽の排気を停止させる。
上記ガス製造装置において、好ましくは、複数の前記吸着槽を所定の間隔で配置させて支持する支持筐体を備え、該支持筐体は、前記吸着槽の一端を載置させ、少なくとも上流側の前記吸着槽が配置される位置に、前記吸着槽内に前記原料ガスを導くガス導入部を収納した載置部を備える。
上記目的を達成するため、本発明の一側面は、少なくとも二つの吸着槽を該吸着槽の管径よりも狭小に形成された第1の連結管路によって直列に連結した第1の吸着部と、少なくとも二つの吸着槽を該吸着槽の管径よりも狭小に形成された第2の連結管路によって直列に連結した第2の吸着部にそれぞれ原料ガスを流し、異なるタイミングで吸着処理を行い、前記第1の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第1の連結管路に接続されて前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽の出側から前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽の入側に連通した第1の連通部を開通させて、前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽内の下流側の前記吸着槽内のガスよりも純度の低いガスを、前記第1の吸着部のガスの流動方向に沿って前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽に流入させ、前記第2の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第2の連結管路に接続されて前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽の出側から前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽の入側に連通した第2の連通部を開通させて、前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽内の下流側の前記吸着槽内のガスよりも純度の低いガスを、前記第2の吸着部のガスの流動方向に沿って前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽に流入させる工程を含む。
上記ガス製造処理方法において、好ましくは、前記吸着工程から前記均圧工程に移行させる際に、前記第1の吸着部の下流側の前記吸着槽の出側と前記第2の吸着部の下流側の前記吸着槽の出側とを連通した第3の連通部を開通させ、前記第3の連通部を通じて前記ガスを流動させる工程を含む。
上記ガス製造処理方法において、好ましくは、設定された処理時間に応じて、前記吸着処理または再生処理を行い、前記再生工程から前記均圧工程に移行する際、前記処理時間の経過前に、前記再生処理中の前記吸着槽の排気を停止させる工程を含む。
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 直列に連結した複数の吸着槽の内部にそれぞれ純度の異なる製品ガスが貯まり、吸着工程から均圧工程への移行時に、残留した純度の低い製品ガスについて、次に吸着工程を行う吸着部の入側に流して吸着処理行わせることで、製品ガスの回収能力が高められる。
(2) 吸着工程完了から均圧工程を行う際に、回収条件に達した純度の高い製品ガスを流入先の吸着槽内で拡散させず、製品ガスの回収効率の低下を防止できる。
(3) 各吸着槽からそれぞれ残留ガスを回収するので、均圧工程によって、吸着工程を終えた吸着部内の圧力が低下して、不要なガス成分が吸着剤から分離するまでにより多くの残留ガスが回収でき、回収効率の向上、均圧処理の迅速化が図れる。
(4) 下流側に配置された吸着槽内にある純度の高い製品ガスを、他の吸着部の上流側に配置された吸着槽に流入させず、高い純度の製品ガスの回収量を増やせる。
一実施の形態に係るガス製造装置の一例を示す図である。 均圧工程1におけるガス流路の状態例を示す図である。 吸着タンク内部のガス濃度の状態例を示す図である。 ガス製造装置の吸着・再生工程1におけるガス流路の状態例を示す図である。 制御部の一例を示す図である。 ガス製造処理のタイミングの一例を示す図である。 ガス製造処理の一例を示すフローチャートである ガス製造装置の一例を示す図である 吸着タンクの配置実施例を示す図である ガス製造装置の実施例を示す図である。 ガス製造装置の配管構造の一例を示す図である ガス製造装置の実施例を示す図である。 ガス製造装置の配管構造の一例を示す図である。 比較例を示す図である。
〔一実施の形態〕
図1は、一実施の形態に係るガス製造装置の一例を示している。図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
ガス製造装置2Aは本開示のガス製造装置の一例であり、吸着部4、6内に充填した吸着剤を利用し、原料ガスから目的とする成分の製品ガスと他の成分のガスとを分離させる、PSA式のガス分離機能を備える。そしてガス製造装置2Aは、分離した一部のガスを製品ガスとして取出す。ガス製造装置2Aは、吸着工程が完了した時に行う吸着部4、6間の均圧工程において、吸着部4または吸着部6内に残留したガスを回収してガス純度(濃度)の低下を抑える。原料ガスにはたとえば空気が用いられ、酸素や窒素などが製品ガスとして分離される。
ガス製造装置2Aは、たとえば図1に示すように、原料ガス供給部8からガス取り込み流路10に流された原料ガスが、流路12、14を通じて吸着部4、6に供給される。流路12、14には、開閉によりそれぞれ吸着部4、6に対する原料ガスの流入または遮断を切り換える開閉弁V1、V2が設置されている。
吸着部4、6は、供給された原料ガスを所定の圧力状態にさせ、原料空気から特定のガス成分を吸着する。吸着部4は、本開示の第1の吸着部の一例であり、複数の吸着タンク4A、4Bが連結管路16を通じて直列に連結される。また吸着部6は、本開示の第2の吸着部の一例であり、複数の吸着タンク6A、6Bが連結管路18を通じて直列に連結される。吸着タンク4A、6Aは、原料ガスを流す方向に対し、吸着タンク4B、6Bよりも上流側となる。
吸着タンク4A、4B、6A、6Bには、内部に吸着剤が充填されておりタンク内部に流入される原料ガスに接触させる。吸着剤は、たとえば分子ふるい性能を有するカーボン(Carbon)材料、ゼオライト(Zeolite)などであって、粒状のほか膜状に形成されており、原料ガスを接触または通過させることで特定のガス成分を吸着する。PSA式ガス分離処理では、原料ガスに含まれる成分に対する吸着させたいガス成分、または分離して取り出したいガス成分に応じて、吸着剤の種類や吸着部4、6の圧力状態が設定される。
原料ガス供給部8は、吸着部4、6内に圧縮した原料ガスを供給する手段の一例であり、たとえば原料ガスを貯めるタンクや原料空気を圧縮する手段としてコンプレッサ(Compressor)などを備える。その他原料ガス供給部8には、図示しない原料ガスの供給量を調整する手段や、ガス成分を検出するガスセンサや圧力センサなどを備えてもよい。
連結管路16は、吸着タンク4Aと4Bの各端部を直列に連通させる連結手段であって、原料ガスの流動方向に沿い、吸着タンク4Aの出側と吸着タンク4Bの入側とを連結する。また連結管路18は、吸着タンク6Aと6Bの各端部を直列に連通させる連結手段であって、原料ガスの流動方向に沿い、吸着タンク6Aの出側と吸着タンク6Bの入側とを連結する。連結管路16、18は、それぞれ吸着タンク4A、4Bまたは吸着タンク6A、4Bの管径よりも狭小に形成されている。連結管路16、18は、吸着部4、6の中間部分において流路を絞ることで、原料ガスの流れを一定方向に整流させることができる。これにより原料ガスは、たとえば単一幅の長い吸着タンク内を流れる場合に対し、流動途中で流路幅が狭まることで、タンクの壁面側と中央側の間の速度勾配が減少するほか、タンク内部でのカルマン渦の発生による偏流、すなわち乱流状態が抑制される。
吸着部4は、吸着タンク4Aの出側と吸着タンク6Aの入側とを連通させる均圧流路20を備えている。この均圧流路20は、本開示の第1の連通路の一例であり、吸着部4が吸着工程から均圧工程に移行する際に、吸着タンク4A内に残留したガスを吸着タンク6Aに流入させる。また吸着部6は、吸着タンク6Aの出側と吸着タンク4Aの入側とを連通させる均圧流路22を備えている。この均圧流路22は、本開示の第2の連通路の一例であり、吸着部6が吸着工程から均圧工程に移行する際に、吸着タンク6A内に残留したガスを吸着タンク4Aに流入させる。
均圧流路20は、たとえば吸着タンク4Aの出側として、一端が連結管路16に接続され、他端側が吸着タンク6Aの入側として流路14に接続されている。均圧流路20は、本開示の第1の開閉弁の一例である開閉弁V8を備えている。均圧流路22は、たとえば一端が吸着タンク6Aの出側にある連結管路18に接続され、他端側が吸着タンク4Aの入側にある流路12に接続されている。均圧流路22は、本開示の第2の開閉弁の一例である開閉弁V9を備えている。ガス製造処理では、吸着部4、6の均圧工程を行うにときに開閉弁V8、V9を開閉させて、均圧流路20または均圧流路22を開状態にして残留したガスを流す。
なお、均圧流路20、22は、吸着タンク4A、6Aに残留するガスのみが流れるものではなく、吸着タンク4B、6Bや連結管路16、18に残留するガスが流れる場合もある。
各吸着部4、6は、原料ガスの供給側に対して下流方向に、製品ガスを流す製品ガス流路24、26が接続され、管路28を通じて製品タンク30に製品ガスを供給する。製品ガス流路24、26には、それぞれ製品ガスの流動を調整する開閉弁V5、V6を備える。またガス製造装置2Aには、吸着タンク4B、6Bの出側同士を連通させる均圧流路32を備える。均圧流路32は、本開示の第3の連通部の一例であり、吸着部4または吸着部6が吸着工程から均圧工程に移行する際に開通させて吸着タンク4B、6B間で残留したガスを流す。均圧流路32は、開閉弁V7を備える。
<均圧工程について>
図2は、均圧工程1におけるガス流路の状態例を示し、図3は、吸着タンク内部のガス濃度の状態例を示している。図2および図3に示す構成や状態例は一例である。
ガス製造装置2Aでは、吸着工程および再生工程が完了したときに吸着部4、6内の内部圧力を調整する均圧工程を行う。均圧工程1では、たとえば吸着部4側で吸着処理が行われ、かつ吸着部6側で吸着剤の再生工程が行われた時に、内部が高圧状態で残留ガスが残る吸着部4から、次に吸着処理を行う吸着部6側に対して残留ガスを流し込む。これによりガス製造装置2Aは、吸着部6の内部を一定の圧力状態で吸着工程を開始でき、ガス製造処理の迅速化を図る。また、吸着部4内の残留ガスについて、ガスの回収効率の向上を図る。
ガス製造装置2Aでは、たとえば図2に示すように、均圧工程1において、均圧流路20にある開閉弁V8を開状態にさせる。また下流側の吸着タンク4Bは、均圧流路32にある開閉弁V7を開状態にすることで均圧準備が完了する。
このガス製造装置2Aは、直列に連結された吸着タンク4Aと4Bまたは吸着タンク6Aと6B内に、ガスの流れ方向に沿って、純度レベルが異なる製品ガスを溜めるように形成されている。吸着部4には、たとえば図3に示すように、下流側に高純度の製品ガスHG、中流側に中純度の製品ガスMG、また上流側に低純度の製品ガスLGがある。ガスの吸着処理では、原料ガスが吸着剤を通過した距離または時間などが製品ガスの純度に大きく影響するため、吸着部4の下流側にいくに従って製品ガスの純度が高くなる。吸着タンク4Aには低純度の製品ガスを溜め、吸着タンク4Bには高純度の製品ガスを溜める。吸着処理された製品ガスの純度は、高純度ではたとえば約99.99〔%〕であり、中純度ではたとえば約99〔%〕であり、低純度ではたとえば約79〜99〔%〕を想定している。吸着タンク4A、4B内に溜まる製品ガスの純度は、たとえば吸着剤の能力やタンク長さL1、L2またはタンク内で吸着剤によって形成される流路の長さなどにより異なる。
吸着タンク4A、4Bには、たとえば流動方向の長さや幅、もしくは吸着剤を含む収容容積が設定される。吸着タンク4A、4Bは、たとえばタンクの幅Dと長さLを利用したL/Dの値を基準に採用すればよい。このL/D値が大きい程、タンク内に充填された吸着剤に対する原料ガスからの吸着効率が良くなり、製品ガスの純度が高くなる。L/D値が大きい程、タンク内でのガスの流路が狭小となり、管路内を流れるガスの速度勾配の影響が抑えられ、吸着剤の一部がガスに接触しない状態となるのを防止できる。しかしL/D値が大きすぎる場合には、吸着タンク4A、4Bが長くなり、ガス製造装置2Aが大型化するほか、流路抵抗の影響が大きくなる可能性もある。従って、吸着タンク4A、4Bは、たとえばL/D=2〜10となる範囲が望ましい。また吸着タンク4A、4Bは、L/D=3〜8がさらによく、L/D=4〜6となるものがより好ましい。
吸着タンク4A、4Bは、同じ容積、長さ、幅のものを用いる場合に限られず、タンク毎に異なるものを用いてもよい。吸着タンク4A、4Bは、たとえば原料ガスの取り込み容量や流速などの値に基づいて、タンクの容積、長さ、幅を設定してもよい。
ガス製造装置2Aの均圧工程1では、均圧流路20が開放されることで、吸着タンク4Aに残留する中純度の製品ガスから順に、低純度の残留ガスを吸着タンク6Aの入側に流入させていく。このように高い純度の残留ガスから取出し、吸着部6のガスの流動方向に沿って流すことで、流入先の吸着タンク6A内でも製品ガスの純度の階層状態を維持させる。そして吸着タンク6A内の上流側に溜まる低純度の製品ガスは、吸着工程2において、吸着タンク6A、6B内で吸着工程を経ることで、純度が高められる。
均圧流路32は、純度の高い製品ガスが多く含まれている吸着タンク4B内の残留ガスを吸着タンク4A内の残留ガスと混合させないように、吸着タンク6Bの出側に流入させる。
均圧工程1では、複数の吸着タンクを利用し、これらの吸着タンク毎に溜まる製品ガスの純度に応じて残留ガスを回収し、吸着工程を終えた吸着部4内の残留ガスから純度の高い製品ガスを回収する。
なお、吸着部6側の吸着タンク6A、6Bは、吸着部4側と同様の条件のものを用いればよい。吸着部4内に残留したガスの純度のレベルは一例であり、たとえばガスのレベルを高純度ガスHGと低純度ガスLGの2つ基準を想定してもよく、または4つ以上の基準を想定してもよい。
また、均圧工程2は、たとえば吸着部6側の吸着工程2が完了した後に行う。この均圧工程2では、開閉弁V9を開状態にし、均圧流路22を導通させる。これにより、吸着タンク6A内に溜まった中純度以下の製品ガスを含む残留ガスを吸着タンク4Aの入側に流入させて、均圧状態にする。さらに吸着タンク6Bは、開閉弁V7が開状態になることで、均圧流路32を通じて、高純度の製品ガスを含む残留ガスを吸着タンク4Bの出側に流して均圧状態にする。
<吸着・再生工程について>
図4は、ガス製造装置の吸着・再生工程1におけるガス流路の状態例を示している。
ガス製造処理では、たとえば吸着・再生工程1として、吸着部4側に原料ガスを流入させ、吸着処理により製品ガスを発生させるとともに、吸着部6側で吸着剤の再生処理を行う。再生処理は、吸着剤に吸着したガス成分を分離させ、排気ガスとして吸着部6から排出して、吸着剤を再生させる。また、ガス製造処理では、吸着・再生工程2として、吸着部6側に原料ガスを流して製品ガスを発生させるとともに、吸着部4側で再生処理を行う。
吸着・再生工程1では、たとえば図4に示すように、開閉弁V1、V5を開状態にし、吸着部4側に原料ガスを流すガス流路を形成するとともに、開閉弁V4を開状態にして吸着部6から流路14を通じて排気管路40側にガス流路を形成する。また、吸着・再生工程2では、たとえば開閉弁V2、V6を開状態にし、吸着部6側に原料ガスを流すガス流路を形成するとともに、開閉弁V3を開状態にして吸着部4から流路12を通じて排気管路38側にガス流路を形成する。
排気管路38、40は、吸着部4、6内のガスを外部に排気する手段の一例であり、開閉弁V3、V4によってそれぞれの排気流路の開閉が切り換えられる。この排気管路38、40は、たとえば吸着部4、6よりも上流側に形成されており、流路12、14に連結させるほか、吸着タンク4A、6Aの一部に直接連結させてもよい。その他、排気管路38、40は、吸着部4、6よりも下流側に接続してもよい。
吸着部4、6には、それぞれの出側同士を連通させる管路34を備えている。この管路34は、本開示の第4の連通部の一例であり、一部にオリフィス36を備え、吸着タンク4B、6B間で製品ガスを流動させている。
吸着部6では、再生工程1の実行時に、開閉弁V4を開いてタンク内の圧力を大気圧に開放するとともに、吸着部4側から管路34を通じて高純度の製品ガスを流すことで、原料ガスから分離した特定のガス成分が吸着剤から離されて吸着部外に排出される。PSA方式のガス製造処理では、吸着タンク4A、4B、6A、6B内の圧力を所定値に上げることで、吸着させたい特定のガス成分に対する吸着剤の吸着能力を高めている。逆に再生処理では、吸着部6内を減圧して吸着能力を低下させることで、特定のガス成分を離脱させていく。その後、吸着部6内の圧力が大気圧になると、吸着剤は特定のガス成分が豊富な状態となり、同時に吸着剤の周りも、特定のガス成分が豊富な状態となる。そのため、吸着剤は、それ以上特定のガス成分を脱着しなくなる。そこで、ガス製造装置2Aでは、オリフィス36を通じて吸着部6内に製品ガスを適量流入させると、吸着剤の周りに製品ガスが送り込まれて酸素ガスが追い出される。吸着剤は、特定のガス成分が吸着している細孔内とその周囲の特定のガス成分濃度に差ができ、この特定のガス成分の拡散力で、製品ガスとの置換が進んで脱着させることができる。これにより再生処理が完了する。
再生工程2では、たとえば開閉弁V3を開くとともに、吸着部4が吸着部6から製品ガスを取り込み、特定ガスの排出を行う。
ガス製造装置2Aの制御は、制御部42(図1)が行う。この制御部42は、たとえばガス製造処理として、吸着・再生工程および均圧工程に関する制御やそれらの工程切換え制御、開閉弁V1〜V9の開閉制御、原料ガス供給部8に対するガス供給制御、その他、各工程の実行時間の管理やガス成分の監視制御などを行う。
<制御部の構成について>
図5は制御部の一例を示す図である。
制御部42は、たとえばガス製造装置2Aの筐体内部に収納される制御基板やシーケンサなどのPLC(Programmable Logic Controller)であって、コンピュータで形成される。また制御部42は、筐体外部に配置されたPC(Personal Computer)などを利用してもよい。制御部42は、たとえばプロセッサ(Processor)50、メモリ52、タイマ54、I/O(Input/Output)56等が含まれる。
プロセッサ50は、ガス製造装置2Aの基本動作を制御するOS(Operating System)や吸着・再生工程や均圧工程における原料ガス供給部8や開閉弁V1〜V9等の動作を制御するプログラムの演算手段の一例である。メモリ52は、記憶手段の一例であり、OSや各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)などの記憶領域や、プロセッサ50によるプログラムの演算処理を実行させるためのRAM(Random Access Memory)などの処理領域が含まれる。タイマ54は、吸着・再生工程、均圧工程などの処理時間を計時する手段の一例であり、ハードウェアとしてのタイマのほか、プログラムの実行により計時するソフトウェアタイマであってもよい。I/O56は、制御部42の外部インターフェースの一例であり、信号ケーブル用のコネクタや無線通信を利用する場合の送受信コネクタを備えてもよく、制御対象である開閉弁V1〜V9やその他の装置と接続される。
<ガス製造処理の流れについて>
図6は、ガス製造処理のタイミングの一例を示す図である。図6に示すタイミングや監視データは一例である。
原料ガスの吸着工程1、2は、図6に示すように、異なるタイミングで行われる。ガス製造処理では、吸着部4側の吸着工程1と吸着部6側の再生工程1とが同じ期間で行われ、別タイミングで、吸着部4側の再生工程2と吸着部6側の吸着工程2が同じ期間で行われる。また吸着・再生工程1と吸着・再生工程2との間には、それぞれ均圧工程1、2を実行する。各開閉弁V1〜V9は、吸着工程を実行する吸着部4、6側に原料ガスを流入し、製造された製品ガスを製品タンク30側に流す回路を形成するとともに、再生工程を実行する吸着部4、6側を他の吸着部4、6から遮断し、排気通路を形成する。均圧工程では、吸着工程の実行に応じて、均圧流路20、22のいずれかを形成する。
ここで、制御部42は、排気流路を開閉する開閉弁V3、V4に対し、再生工程の完了よりも所定時間T3だけ前に閉止させている。吸着・再生工程1の開始をガス製造処理のスタート(0)とすれば、均圧工程1が完了して時間T2が経過すると、吸着工程の実施時間T1よりも時間T3だけ前の時刻TAになると制御部42が開閉弁V4をOFFさせえる。また開始時刻TBになると、吸着部6側の吸着工程2が開始され、所定時間T1が経過して時刻TDになるまで行われる。この時刻TDよりも所定時間T3前の時刻TCになると、開閉弁V3を閉止する。このように開閉弁V3、V4の開閉スピードに応じて閉止させることで、均圧されたガスが排気弁から漏れることを防ぎ、回収ガスを確実に再生側のタンクに移すことができる。なお、開閉弁V3、V4の開閉タイミングは、その開閉スピードに合せて設定すればよく、時間T3は、たとえば0〜5〔S〕に設定すればよい。
吸着・再生工程1を行った吸着部4では、内部の圧力が初期値P1から時間経過に応じて徐々に増加し、吸着工程完了時に所定値P2になる。吸着部4は、供給される原料ガスを継続的に吸着し、タンク内部に分離した不要なガスが溜まっていくことで、圧力値が上昇していく。初期値P1は、たとえば吸着部によって原料ガスから製品ガス以外のガス成分の吸着に適した圧力値が設定される。再生工程1では、吸着部6内を大気圧に開放するので、内部圧力が略0となる。また製品タンク30内は、製品ガスが溜まっていくことで圧力値が上昇していく。
均圧工程1では、吸着部4側から吸着部6側に製品ガスを供給することで、吸着部4の圧力は、たとえば初期値P1となる。このとき吸着部6側では、均圧工程1によって、圧力値0から初期圧力値P1に回復させる。
なお、吸着・再生工程、均圧工程の実行時間は、一定の値に限られず、変動させてもよい。この場合、制御部42は、たとえば予め実験により吸着時間と圧力との関連条件に基づいて工程時間を設定してもよい。
<ガス製造処理について>
図7はガス製造処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す処理手順、処理内容は一例であり、処理手順や処理内容に限定されるものではない。
<吸着・再生工程1>
このガス製造処理は、本開示のガス製造処理方法や製造処理プログラムの一例であり、工程処理と開閉弁の開閉制御が含まれる。ガス製造処理では、吸着・再生工程1の開始処理が行われる(S1)。この開始処理では、たとえば要求に応じてガスの製造流量などに基づいて原料ガス供給部8に対して原料ガスの供給量の設定などの指示が行われる。また、制御部42は、タイマ54による計時情報を利用して吸着・再生工程の実行時間の管理処理を行う。
制御部42は、開閉弁V1、V4、V5を開状態にするとともに、他の開閉弁V2、V3、V6〜V9を閉状態にする(S2)。開閉弁V1を開状態にさせて原料空気を吸着タンク4A、4Bに導入させる。これにより吸着タンク4A、4B内の圧力が上昇し、吸着剤によって特定のガス成分が優先的に吸着されていき、製品ガスの濃度(純度)が高まる。製品ガスは、開状態の開閉弁V5を通じて製品タンク30に溜められ、高濃度ガスとして供給される。吸着部6では、排気流路の開放により内部圧力が低下していき、吸着剤に付着したガス成分が分離する。吸着部4側から吸着部6に製品ガスの一部がオリフィス36を通過して流入すると、残留したガス成分が排気流路側に流され、吸着剤が再生する。
制御部42は、タイマ54から計時情報を受け、所定時間T1としてたとえば、20〜180〔秒〕が経過したか否かを判断する(S3)。吸着・再生工程1は、所定時間T1が経過するまで(S2のNO)継続する。この所定時間T1の値は一例であり、より好ましくは、30〜60〔秒〕の範囲である。
その他、制御部42では、所定時間T1の計時とともに、この所定時間T1が経過する前の所定時間T3が経過したか否かを監視してもよい。これにより、再生工程の実行時間が所定時間T3未満になった時に開閉弁V4を先に閉止させる。
<均圧工程1>
吸着・再生工程1が完了すると(S3のYES)、ガス製造装置2Aでは、均圧工程1を開始させる(S4)。この処理では、たとえば原料ガス供給部8の停止や、製品タンク30内の残量ガス監視等を行う。制御部42は、タイマ54による計時情報を利用して均圧工程の実行時間の管理処理を行う。
制御部42は、開閉弁V7、V8を開状態にし、他の開閉弁を閉状態にして(S5)、加圧状態の吸着タンク4A、4B内の残留した製品ガスを吸着タンク6A、6B側に流して均圧する。
制御部42は、タイマ54から計時情報を受け、所定時間T2としてたとえば、1〜10〔秒〕が経過したか否かを判断する(S6)。均圧工程1は、所定時間T2が経過するまで(S6のNO)継続する。この所定時間T1の値は一例である。均圧工程1では、吸着タンク4A、4Bおよび吸着タンク6A、6B内のそれぞれの圧力が、たとえば均圧工程開始時の初期圧力の1/5〜1/2の範囲に減圧または昇圧させる。
均圧工程では、吸着タンク4A、4B、6A、6B内の圧力値について、たとえば予め実験などにより設定した条件に基づいて所定時間T2を設定すればよく、その他、圧力センサなどを用いて圧力状態を監視してもよい。
<吸着・再生工程2>
均圧工程1が完了すると(S6のYES)、吸着部6側で原料ガスの吸着工程を行い、吸着部4側で分離したガスを排気する再生行程を行う吸着・再生工程2の開始処理が行われる(S7)。制御部42は、吸着・再生処理1と同様に、原料ガスの供給指示や、処理時間の監視を開始する。制御部42は、開閉弁V2、V3、V6を開状態にするとともに、他の開閉弁を閉状態にして(S8)、吸着部6側に原料ガスの流入路および製品タンク30側への供給流路を形成し、吸着部4側に排気流路を形成する。
制御部42は、タイマ54から計時情報を受け、所定時間T1としてたとえば、20〜180〔秒〕が経過したか否かを判断する(S9)。吸着・再生工程2は、所定時間T1が経過するまで(S9のNO)継続する。
<均圧工程2>
吸着・再生工程2が完了すると(S9のYES)、ガス製造装置2Aでは、均圧工程2を開始させる(S10)。均圧工程2の開始処理については、均圧工程1の場合と同様であり、説明を割愛する。
制御部42は、開閉弁V7、V9を開状態にし、他の開閉弁を閉状態にして(S11)、加圧状態の吸着タンク6A、6B内の残留した製品ガスを吸着タンク4A、4B側に流して均圧する。制御部42は、タイマ54から計時情報を受け、所定時間T2が経過したか否かを判断する(S12)。均圧工程2は、所定時間T2が経過するまで(S12のNO)継続する。
ガス製造処理では、斯かる吸着・再生工程1、均圧工程1、吸着・再生工程2、均圧工程2を1セットとして、2つの吸着部4、6で交互に製品ガスの製造が行える。均圧工程2が完了した後も製品ガスの製造を継続する場合、再び吸着・再生工程1から行えばよい。
<ガス製造装置の変形例について>
図8はガス製造装置の一例を示す図である。
このガス製造装置2Bは、たとえば吸着部4、6を含む複数のガス製造ユニット2−1、2−2、・・・2−N(Nは自然数)を並列に連結している。各ガス製造ユニット2−1、2−2、・・・2−Nは、それぞれ吸着部4、6間で交互に吸着・再生工程、均圧工程を含むガス製造機能を備えており、1ユニットずつ動作させることができる。このガス製造装置2Bは、たとえば図示しない制御部42からの指示に基づいて、ユニット毎の稼動数を増減させることができる。すなわち、製品ガスの要求量が多い場合には、稼動するユニット数を増やして製品ガスの供給能力を増やし、要求量が少ない場合には、稼動するユニット数を減らし、または予め限定したユニットのみを稼動させることができる。
また、このようなガス製造ユニット2−1、2−2、・・・2−Nを組み合わせ、一部のユニットが故障した場合でも、停止中のユニットを稼動させることで、要求された流量の製品ガスを供給することが可能となる。
<一実施の形態の効果>
次に、この実施の形態に示す構成により実現できる効果について列挙する。
(1) 各吸着部4、6に対し、吸着タンク4A、4Bまたは吸着タンク6A、6B内に、ガスの流動方向に沿って段階的に純度が異なる製品ガスを溜めることができる。そして、これらの吸着部4、6を連通させてタンク内に残留した製品ガスを回収することで、原料ガスに対する製品ガスの回収効率を高めることができる。
(2) 上流側の吸着タンク4A、6A同士を連通させ、かつ下流側の吸着タンク4B、6B同士を連通させることで、均圧工程において、残留した高純度の製品ガスと、低純度のガスとが混合するのを防止でき、製品ガスの回収効率を低下させない。
(3) 下流側に配置された吸着タンク4B、または吸着タンク6B内にある純度の高い製品ガスを、他の吸着部の上流側に配置された吸着タンクに流入させず、高い純度の製品ガスの回収量を増やせる。
(4) 上流側の吸着タンク4A、6Aについて、それぞれの出側と入側が交互に連通され、均圧工程では、吸着タンク4A(6A)の出側から吸着タンク6A(4A)の入側に向けて残留ガスを流入させるので、流入先のタンク内で純度の高い製品ガスが拡散し、純度が低下するのを防止できる。すなわち、均圧流路20、22では、吸着タンク4A、6A内の残留ガスについて、純度の高いほうから順に流すことで、均圧工程前後で、吸着タンク4A、6A内での製品ガスの純度の状態が維持でき、製品ガスの回収効率が高められる。
(5) 上流側の残留ガスは、均圧工程において、純度に応じて、吸着タンク4A、6Aの流入先が決まり、次の吸着工程において、再度製品ガスの吸着工程が行われるので、製品ガスの純度が上がり、回収率を上げることができる。
(6) 吸着タンク4A、4B、6A、6B間を狭小な連結管路16、18によって絞ることで、タンク壁面と中央部分との速度勾配による影響を抑えられ、吸着部4、6内のガスの流れが安定化し、吸着効率を上げることができる。また、均圧工程では、この狭小な連結管路16、18を通じて吸着タンク4Aまたは吸着タンク6A内の残留ガスを他の吸着部側に流すことで、純度の異なる製品ガスが混合するのを抑えられ、製品ガスの回収効率が高められる。
(7) 各吸着タンクのL/Dを大きい値に設定して細長い管路にすることで、内部でガスが渦を巻きにくくする。これにより吸着剤内を層流状態またはそれに近い流れで通すことができ、吸着機能の向上を図れる。また吸着タンク4A、4B、6A、6Bを絞ることで、圧縮された原料ガスが吸着タンク内に充填された吸着剤の層密度が薄い部分や、圧力が小さい部分に集中して流れることで、部分的に吸着効率が悪くなる、所謂ショートパスの発生を防止できる。
(8) 各吸着タンク4A、4B、6A、6Bからそれぞれ残留ガスを回収するので、均圧工程によって吸着工程を終えた吸着部内の圧力が低下し、不要なガス成分が吸着剤から分離するまでにより多くの残留ガスが回収でき、回収効率の向上、均圧処理の迅速化が図れる。
(9) ガス製造装置2Aは、従来、吸着部毎に設置した単一の吸着タンクを用いた場合に対し、複数の小型の吸着タンク4A、4B、6A、6Bを用いて同じ容積とすることで、加工性や可搬性の向上、配置の自由度の向上、部品交換の容易化などのメンテナンス性の向上が図れる。
(10) 従来の大型タンクと同等のガス製造能力に対し、小型のタンクに関する規格や安全基準、認可などが適用できるなどの有利な点がある。
(11) 小型の吸着タンク4A、4B、6A、6Bを用いることで、吸着剤の使用量を減らすことができる。
(12) 小型の吸着タンク4A、4B、6A、6Bを連結して配置することで、ガス製造装置の低背化、省スペース化が図れ、従来のガス製造装置と同じ設置スペースであれば、より多くのタンクを配置でき、ガスの製造量が高められる。
(13) 吸着タンクを小型化するとともに、原料ガスから製品ガスの回収効率が上げられるので、供給する原料ガスの流量を抑えられるなど、省電力化が図れる。
〔実施例〕
図9は、吸着タンクの配置実施例を示す図である。図9に示す構成は一例である。
吸着タンク4A、4B、6A、6Bは、たとえば中空な円筒部材で形成されており、同等な高さで並列に配置される。吸着タンク4A、4Bはたとえば開口した両端面側にそれぞれ蓋部材70、72を密着させており、内部に充填した吸着剤および流入したガスが漏れ出るのを阻止している。吸着タンク4A、4B、6A、6Bは、たとえば蓋部材72側の端面を支持筐体60A、60Bの載置面62に載置され、図示しない固定手段によって固定支持される。この蓋部材70、72には、それぞれ、コネクタ部74、76が設置されており、原料ガスを流す管路やタンク同士を連通させる管路などが接続される。蓋部材70、72は、たとえば支持筐体60A、60Bや図示しない他の筐体に対して固定手段で固定されるほか、蓋部材70、72同士を図示しない固定手段で一体化させる。
この支持筐体60A、60Bは、本開示の支持筐体の一例であって、吸着タンク4A、4B、6A、6Bを設定した高さに配置させて固定支持する。支持筐体60Aは、たとえば吸着部4である吸着タンク4A、4Bを支持し、支持筐体60Bはたとえば吸着部6である吸着タンク6A、6Bを支持させることで、吸着部4、6毎に吸着タンク4A、4B、6A、6Bをユニット化することができる。この支持筐体60A、60Bは、たとえば金属材料で形成されており、側面部分に立壁部64が形成されることで、床面に対して載置面62を所定の高さすることができる。また載置面62の背面側には、たとえば管路や弁、その他の部品を配置させ、収納するための収納空間66が形成される。また載置面62には、蓋部材72のコネクタ部76やこのコネクタ部76に接続された管路を収納空間66側に配置させる貫通孔が形成されている。この貫通孔は、本開示のガス導入部の一例である。
その他支持筐体60A、60Bには、たとえば載置面62にガスの流路を設置するための配管コネクタ78、80を備えるほか、立壁部64の一面側に複数の配管コネクタ90、92、94、96が設置される。
なお、支持筐体60A、60Bは、たとえば連結可能にしてもよく、または一体に形成してもよい。
次に、支持筐体60A、60Bを利用したガス製造装置の配管構成例について説明する。
<U字設置の場合の配管の一例>
図10は、ガス製造装置の実施例を示す図である。
ガス製造装置2Cは、並列に配置した複数の吸着タンク4A、4B間、および吸着タンク6A、6B間を直列に連結させるために、それぞれの上面部同士を連結させた、所謂「U字設置」を採用している。このガス製造装置2Cでは、たとえば図10に示すように、ガス取り込み流路100から原料ガスを取り込み、開閉弁V1、V2が設置された流路102、104を通じて、吸着タンク4A、6Aの入側である底面部分に原料ガスが供給される。吸着タンク4A、4Bの出側である上面部分に連結管路106、108が接続されており、吸着タンク4B、6Bの入側である上面部分に原料ガスが導かれる。
この連結管路106、108は、均圧流路110、112が分岐しており、それぞれ吸着タンク6A、4Aの入側に接続する流路104、102に合流する。これにより均圧工程において吸着タンク4A、6Aの出側から他の吸着タンク6A、4Aの入側に連通させて、残留ガスを流すことができる。
吸着部4、6で製造された製品ガスは、吸着タンク4B、6Bの出側である底面部分から、それぞれ開閉弁V5、V6が設置された製品ガス流路114、116を通じて管路118に流され、製品タンク30内に導かれる。
製品ガス流路114、116は、一部が分岐されており、開閉弁V7を備えた均圧流路120によって連結される。これにより、均圧工程において、下流側の吸着タンク4B、6Bの出側同士が連結されて、純度の高い残留ガスを流すことができる。
また、流路102、104には、たとえばそれぞれ開閉弁V1、V2の後に分岐され、排気管路122、124が接続されている。再生工程では、吸着タンク4A、6Aの入側から排出された排気ガスが流路102、104の一部を逆流し、排気管路122、124を通じて装置外部に排出される。
図11は、ガス製造装置の配管構造の一例を示している。
図11に示すガス製造装置2Dは、たとえば「U字設置」を採用したガス流路について、開閉弁V1〜V9の配置や連結状態の実施例を示している。このガス製造装置2Dでは、一部の開閉弁が支持筐体60A、60Bを介して設置されるほか、収納空間66を通じて流路が配管される。ここでは、原料ガスの流れ方向に沿って、配管状態を説明する。
このガス製造装置2Dでは、たとえば装置の左右側に設置されたガス取り込み流路130、140を通じて原料ガスを取り込み、開閉弁V1、V2および分岐管路132、142に接続された流路134、144を通過させ、配管コネクタ90、94を通って吸着タンク4A、6Aの底面部分に原料ガスが供給される。吸着タンク4A、6A内を上昇して、その出側に達した原料ガスは、蓋部材70のコネクタ部74側に流される。このコネクタ部74には、図示しない連結管路が接続される。
連結管路は、図示しない吸着タンク4B、6Bに原料ガスを流す管路であり、その一部に均圧流路150、152が連結される。均圧流路150、152は、設置された開閉弁V8、V9の開閉に応じて、吸着タンク4A、6Aを通過した原料ガスをガス取り込み流路140、130側に流す流路である。すなわち、この均圧流路150、152は、均圧工程において、吸着タンク4A、6A同士の出側と入側とを互いに連結している。ガス取り込み流路140、130に流された原料ガスは、分岐管路132、142を通じて吸着タンク4A、6Aに流入する。
ガス取り込み流路130、140に連結された分岐管路132、142は、それぞれ排気管路136、146が接続されている。排気管路136、146は、たとえば再生工程において、吸着タンク4A、6Aの入側から排出されたガスが配管コネクタ90、94を通じて流路134、144に逆流したガスが流れ込み、配管コネクタ78、80を通じて装置外部に排出させる。
また、ガス製造装置2Dには、たとえば吸着部4、6の前面中央側に、開閉弁V5、V6、V7が連結された管路が形成されており、その下部側の一部に配管コネクタ92、96に対して製品ガス流路160、162が接続される。配管コネクタ92、96は、収納空間内を通じて図示しない吸着タンク4B、6Bの出側に接続された流路に接続されており、製品ガスが流される。製品ガスは、製品ガス流路160、162から開閉弁V5、V6を通過し、管路168から図示しない製品タンクに流される。
その他、製品ガス流路160、162と開閉弁V5、V6の間には、開閉弁V7に接続される均圧流路164A、164Bが分岐されるほか、オリフィス166を備えた管路が形成される。均圧流路164A、164Bは、均圧工程において、吸着タンク4B、6B同士を連通させる。
開閉弁V5、V6、V7を備えた管路は、たとえば吸着タンク4A、4B、6A、6Bに対して下部側の高さに配置されるものに限られず、その上部側の高さに合せて配置してもよい。これらの管路は、たとえば図示しないガス製造装置2Dの外部筐体によって固定支持すればよい。
<S字設置の場合の配管の一例>
図12は、ガス製造装置の実施例を示す図である。
ガス製造装置2Eは、たとえば並列に配置された吸着タンク4A、4B間、および吸着タンク6A、6B間を直列に連結させるために、上面側の端面と底面側の端面とを連結させる、所謂「S字設置」が採用されている。
このガス製造装置2Eは、たとえば図12に示すように、ガス取り込み流路200から原料ガスを取り込み、開閉弁V1、V2が設置された流路202、204を通じて、吸着タンク4A、6Aの入側である底面部分に原料ガスが供給される。吸着タンク4A、4Bの出側である上面部分には、連結管路206、208が接続されている。吸着タンク4A、6Aを通過した原料ガスは、連結管路206、208を通じて吸着タンク4B、6Bの底面側に導かれる。すなわち、「S字設置」のガス製造装置2Eでは、各吸着タンク4A、4B、6A、6Bの底面部分を入側、上面部分を出側とし、全てのタンク内でガスを上昇方向に流すように流路を接続している。
連結管路206、208は、流路上で均圧流路210、212が分岐しており、それぞれ吸着タンク6A、4Aの入側への流路204、202に合流する。これにより均圧工程において吸着タンク4A、6Aの出側から他の吸着タンク6A、4Aの入側を連通させて、残留ガスを流すことができる。
吸着部4、6で製造された製品ガスは、吸着タンク4B、6Bの上面部分から、それぞれ開閉弁V5、V6が設置された製品ガス流路214、216を通じて管路218に流され、製品タンク30内に導かれる。
製品ガス流路214、216は、一部が分岐されており、開閉弁V7を備えた均圧流路220によって連結される。これにより、均圧工程において、下流側の吸着タンク4B、6Bの出側同士が連結されて、純度の高い残留ガスを流すことができる。
また、流路202、204には、たとえばそれぞれ開閉弁V1、V2の後の分岐点201、203に、排気管路222、224が接続されている。再生工程では、吸着タンク4A、6Aの入側から排出された排気ガスが流路202、204の一部を逆流し、排気管路222、224を通じて装置外部に排出される。
図13は、ガス製造装置の配管構造の一例を示している。
図13に示すガス製造装置2Fは、「S字設置」を採用したガス流路について、開閉弁V1〜V9の配置や連結状態の実施例を示している。このガス製造装置2Fでは、一部の開閉弁が支持筐体60A、60Bを介して設置されるほか、収納空間66を通じて流路が配管される。
ガス製造装置2Fでは、たとえば装置の左右側に設置されたガス取り込み流路230、240を通じて原料ガスを取り込み、開閉弁V1、V2および分岐管路232、242に接続された流路234、244を通過させ、配管コネクタ90、94を通って吸着タンク4A、6Aの底面部分に原料ガスを供給する。吸着タンク4A、6A内を上昇して、その出側に達した原料ガスは、蓋部材70のコネクタ部74側に流される。このコネクタ部74には、連結管路250、252が接続されている。原料ガスは、連結管路250、252によって、支持筐体60A、60Bの収納空間66を介して吸着タンク4B、6Bの底面側に流される。
連結管路250、252には、一部に均圧流路260、262が連結されている。均圧流路260、262は、開閉弁V8、V9が設置された流路254、256に接続されており、開閉弁V8、V9の開閉に応じて、吸着タンク4A、6Aを通過した原料ガスをガス取り込み流路240、230側に流す。すなわち、この均圧流路260、262および流路254、256は、均圧工程において、吸着タンク4A、6Aの出側と他の吸着タンク6A、4Aの入側とを連通し、原料ガスを吸着タンク4A、6A内に流入させる。
ガス取り込み流路230、240に連結された分岐管路232、242には、それぞれ排気管路236、246が接続されている。排気管路236、246は、たとえば再生工程において、吸着タンク4A、6Aの入側から排出されたガスが配管コネクタ90、94を通じて流路234、244に逆流させたガスが流れこみ、配管コネクタ78、80を通じて装置外部に排出させる。
また、吸着部4、6の前面中央側には、開閉弁V5、V6、V7が連結された管路が配置されており、上部側に吸着タンク4B、6Bの出側と接続する製品ガス流路270、272が接続される。製品ガス流路270、272から取り込んだ製品ガスは、開閉弁V5、V6を通過し、管路258を通じて製品タンク側に供給される。また製品ガス流路270、272は、一部が分岐されており、開閉弁V7を備えた均圧流路266で合流するほか、オリフィス274を備えた管路が形成される。均圧流路266は、既述のように、均圧工程において、吸着タンク4B、6B間で製品ガスを流すのに用いられる。
開閉弁V5、V6、V7を備えた管路は、たとえば吸着タンク4A、4B、6A、6Bに対して下部側の高さに配置されるものに限られず、その上部側の高さに合せて配置してもよい。これらの管路は、たとえば図示しないガス製造装置2Dの外部筐体によって固定支持すればよい。
なお、ガス製造装置2C〜2Fに形成される流路は、たとえば屈曲させた金属製の管路を利用するほか、樹脂等のフレキシブルな材質の管路を利用してもよい。
<実施例の効果>
この実施例の構成によれば、次のような効果も期待できる。
(1) 小型の吸着タンク4A、4B、6A、6Bを並列に配置させ、それぞれ変形可能な管路で連結させることで、ガス製造装置の小型化、省スペース化や低背化が図れる。
(2) 支持筐体60A、60B、および蓋部材70、72を介して固定支持させることで、吸着タンク4A、4B、6A、6Bを安定支持でき、ガス製造装置の安全性が高められる。
(3) 支持筐体60A、60Bによりユニット化することで、吸着タンク4A、4B、6A、6Bの可搬性や部品交換性、配置の自由度が高められる。
(4) タンクの容積を小さくできるので、吸着工程時の内部圧力も小さくなり、ガス洩れや装置の一部が破損した場合でも、外部への影響を小さくできるので、安全性が高められる。
(5) 各吸着タンク4A、4B、6A、6Bに対し、開閉弁V1〜V9またはその一部を装置の下方側や前面側に集約して配置し、ガス製造装置を低重心化させることで、設置状態の安定化を図ることができる。
(6) 複数の吸着タンク4A、4B、6A、6Bや管路および開閉弁V1〜V9の全部または一部を共通の支持筐体60A、60Bで支持させることで、ガス製造装置の使用環境に関わらず、支持状態の安定化を図ることができる。すなわち、ガス製造装置2C〜2Fは、設置環境を選ばない。
(7) 小型のタンクを複数利用することで、部品毎の分解や組立て処理の容易化が図れる。また部品毎のメンテナンス性の向上、および吸着剤や開閉弁などの交換作業の容易化が図れる。
〔比較例〕
次に、吸着部4、6を複数の吸着タンク4A、4Bまたは吸着タンク6A、6Bを直列に連結した場合について比較例を示す。図14は、吸着タンクの比較例を示している。
この比較例では、吸着部4、6が容積Vとしてたとえば200〔L〕で形成される場合の例を示す。本発明の吸着部4、6は、たとえば図14のAに示すように、幅D1=D2=291〔mm〕、長さL1=L2=1500〔mm〕である。この時の長さと幅の比率L/Dは、5.15となる。
比較対象1のタンクは、たとえば図14のBに示すように、吸着タンク4A、4Bよりも幅Dが広く設定されている。この比較対象1ではたとえば幅D3=500〔mm〕となり、容積を同じにすることで、長さL3=1000〔mm〕となる。この長さと幅の長さ比は、たとえばL/D=2となる。
比較対象2のタンクは、たとえば図14のCに示すように、単一の管路であって、幅D4=291〔mm〕とし、本発明の吸着タンク4A、4Bと同様に管路幅を設定している。また比較対象2のタンクは、容積および幅Dの値に基づいて、長さL4=3000〔mm〕で形成されており、その長さと幅の比率が、L/D=10.3となる。
管路内に流れるガスは、流速が管の中央側で速く、管壁面に近づくにつれて遅くなる、速度勾配が生じる。この速度勾配は、たとえば流れるガスの粘性やタンクの内壁やまたは内部に充填された吸着剤との間の流動抵抗などが影響する。流れによって生じるガスの速度勾配は、たとえば、ガスの流速などの影響も受けるが、タンク内の流れが進むに従って、勾配が多くなり、吸着タンク内の下流側において、流れの差が生れてしまう。このような流れの差が生まれると、ガスの先端側に、ガスが流れにくくなるデッドスペースXが生じてしまう場合がある。このようなデッドスペースXが大きくなると、吸着剤の一部側に集中してガスが流れることになり、吸着能力が落ち、ガスの純度が低下するおそれがある。
デッドスペースXは、たとえば比較例1が一番大きく、次に比較例2となり、本発明の吸着タンク4A、4B、6A、6Bが最も少なく、吸着剤に対するガスの接触面積が大きいため、ガスの回収率を低下させず、多くの製品ガスの製造が行える。
このように通常の単一のタンクを利用する場合に対し、本発明の吸着タンク4A、4Bを用いれば、狭小な連結管路16、(18)を介在させることで、各吸着タンク4A、4B毎のデッドスペースXの発生が抑えられ、ガスの回収率を維持できる。これは連結管路16が狭小な部分でガスの流れを部分的に堰き止めることで、速度勾配がリセットされることによる。また複数の吸着タンク4A、4Bを利用することで、設定された吸着部4、6の必要容積に対して流路の長さが分割されるので、タンクの流路でガスの流れが十分に発達せず、速度勾配を抑えることができる。
〔他の実施の形態〕
以上説明した実施の形態について、変形例を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態では、各吸着部4、6に対してそれぞれ2つずつの吸着タンク4A、4B、6A、6Bを備える場合を示したがこれに限られない。各吸着部4、6には、3つ以上の吸着タンクを直列に連結してもよい。3つ以上の吸着タンクを利用する場合、タンク同士を連通させる均圧流路は、たとえば上流側から対応する吸着タンク同士の入側と出側同士に均圧流路を設置すればよい。そのほか、均圧流路は、再下流側の吸着タンク以外の複数の吸着タンクについて、まとめて出側と入側とを互いに連通させてもよい。
(2) 上記実施の形態では、吸着部4、6は、それぞれ複数の吸着タンク4Aと4B、および吸着タンク6Aと6Bが別部材の連結管路16、18で連結されることを示したがこれに限られない。連結管路16、18は、たとえば吸着タンク4Aと4B、または吸着タンク6A、6Bとが一体に形成され、その間に狭小な連結部(16、18)が形成されてもよい。この場合、連結部(16、18)の内部には、吸着剤を充填させない構造とすればよい。
(3) 上記実施の形態では、連結管路16、18に対して均圧流路20、22が接続される場合を示したがこれに限られない。均圧工程では、吸着タンク4Aの出側と吸着タンク6Aの入側とを連通させ、または吸着タンク6Aの出側と吸着タンク4Aの入側とを連通させればよく、吸着タンク4A、4B、6A、6Bの端部から直接均圧流路20、22を接続してもよい。
(4) 上記実施の形態では、並列に配置した複数の吸着タンク4A、4B、6A、6Bについて、隣り合うタンク同士が吸着部4、6になるように連結管路16、18を接続する場合を示したがこれに限られない。連結管路16、18は、たとえば四角形状に対向して配置した4つの吸着タンク4A、4B、6A、6Bに対して、対角線上に連結させてもよい。
(5) 上記実施の形態では、オリフィス36は、吸着タンク4B、6B間を連結した管路34に狭小領域を形成した場合を示したがこれに限られない。オリフィス36は、たとえば同径の管路に設けた開閉弁を利用してもよい。すなわち、管路34は、この開閉弁の開度を調整して流路を狭めることで、オリフィスを形成すればよい。さらに、このような構成に対し、オリフィスを設けた管路34と開閉弁V7が別に設けられた均圧流路32を備える場合を示したが、これに限られない。均圧・再生工程時には、狭小なオリフィスを形成するように開度を設定し、均圧工程では完全な開状態に設定してもよい。
(6) 上記実施の形態では、吸着部4、6の再生工程に際し、吸着剤から不要なガス成分を分離させ、排気させるために、他の吸着部側からオリフィスを通じて、高圧の製品ガスを流す場合を示したがこれに限られない。再生工程における不要ガスの分離や排気には、たとえば排気管路側から真空吸引を行ってもよい。
(7) 吸着部4、6は、それぞれ異なる数の吸着タンクを備えてもよい。この場合、均圧工程における接続先は、たとえば最下流側のタンク同士は、出側同士を接続し、他のタンクは、出側から入側に接続させればよく、さらに、1のタンクから複数のタンクの入側に連通部を分岐配管させてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態等について説明した。しかし、本発明の技術は上記実施の形態の記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された技術の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論である。そして斯かる変形や変更が本開示の技術に含まれることは言うまでもない。
本発明は、原料ガスから吸着剤により特定の製品ガスを分離して供給するガス製造装置に関し、複数の吸着タンクを直列に連結するとともに、上流側の吸着タンク同士の出側と入側とを連通させることで、内部に残留した製品ガスの純度を低下させず、かつ残留ガスをより多く回収することで、製品ガスの回収効率を上げる、製品ガスの供給量を増やせるので、有用である。
2A〜2F ガス製造装置
2−1、2−2、・・・2−N ガス製造ユニット
4、6 吸着部
4A、4B、6A、6B 吸着タンク
8 原料ガス供給部
10、100、130、140、200、230、240 ガス取り込み流路
12、14、102、104、134、144、202、204、234、244、254、256 流路
16、18、106、108、206、208、250、252 連結管路
20、22、32、110、112、120、150、152、164A、164B、210、212、220、260、262、266 均圧流路
24、26、114、116、160、162、214、216、270、272 製品ガス流路
28、34、118、168、218、258 管路
30 製品タンク
36 オリフィス
38、40、122、124、136、146、222、224、236、246 排気管路
42 制御部
50 プロセッサ
52 メモリ
54 タイマ
56 I/O
60A、60B 支持筐体
62 載置面
64 立壁部
66 収納空間
70、72 蓋部材
74、76 コネクタ部
78、80 配管コネクタ
90、92、94、96 配管コネクタ
132、142、232、242 分岐管路
166 オリフィス
201、203 分岐点

Claims (8)

  1. 吸着剤が充填された少なくとも二つの吸着槽を該吸着槽の管径よりも狭小に形成された第1の連結管路によって直列に連結し、これらの吸着槽に原料ガスを流して吸着処理を行う第1の吸着部と、
    吸着剤が充填された少なくとも二つの吸着槽を該吸着槽の管径よりも狭小に形成された第2の連結管路によって直列に連結し、これらの吸着槽に原料ガスを流し、前記第1の吸着部の吸着処理と異なるタイミングで吸着処理を行う第2の吸着部と、
    前記第1の吸着部の上流側に連結された前記吸着槽の出側を前記第2の吸着部の上流側に連結された前記吸着槽の入側に連通させる、前記第1の連結管路に接続された第1の連通部と、
    前記第2の吸着部の上流側に連結された前記吸着槽の出側を前記第1の吸着部の上流側に連結された前記吸着槽の入側に連通させる、前記第2の連結管路に接続された第2の連通部と、
    を備え、
    前記第1の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第1の連通部を開通させて、前記第1の吸着部の下流側の前記吸着槽内のガスよりも純度の低いガスが溜められた上流側の前記吸着槽から前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽に前記第1の吸着部内のガスを前記第1の吸着部のガスの流動方向に沿って流し、
    前記第2の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第2の連通部を開通させて、前記第2の吸着部の下流側の前記吸着槽内のガスよりも純度の低いガスが溜められた上流側の前記吸着槽から前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽に前記第2の吸着部内のガスを前記第2の吸着部のガスの流動方向に沿って流すことを特徴とするガス製造装置。
  2. 前記第1の連通部に設置され、開閉により前記第1の連通部内の前記ガスの流れを開放し、または遮断する第1の開閉弁と、
    前記第2の連通部に設置され、開閉により前記第2の連通部内の前記ガスの流れを開放し、または遮断する第2の開閉弁と、
    前記第1の吸着部と前記第2の吸着部とに対し、ガスの吸着工程または前記吸着剤の再生工程を異なるタイミングで実行させ、その吸着工程と再生工程との移行時に、前記第1の開閉弁と前記第2の開閉弁とを開閉させて前記均圧工程を実行さる制御部と、
    を備えることを特徴とする、請求項1に記載のガス製造装置。
  3. 前記第1の吸着部の下流側に連結された前記吸着槽の出側と前記第2の吸着部の下流側に連結された前記吸着槽の出側とを連通する第3の連通部を備え、
    前記第1の吸着部または前記第2の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第3の連通部を開通させ、前記第3の連通部を通じて前記ガスを流入させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス製造装置。
  4. さらに、前記吸着工程、前記再生工程および前記均圧工程の処理時間を計時するタイマを備え、
    前記制御部は、前記タイマによる計時結果に基づき、設定された処理時間に応じて、前記吸着処理または再生処理を実行させ、
    前記再生工程から前記均圧工程に移行する際、前記処理時間の経過前に、前記再生処理中の前記吸着槽の排気を停止させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のガス製造装置。
  5. 複数の前記吸着槽を所定の間隔で配置させて支持する支持筐体を備え、
    該支持筐体は、前記吸着槽の一端を載置させ、少なくとも上流側の前記吸着槽が配置される位置に、前記吸着槽内に前記原料ガスを導くガス導入部を収納した載置部を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のガス製造装置。
  6. 少なくとも二つの吸着槽を該吸着槽の管径よりも狭小に形成された第1の連結管路によって直列に連結した第1の吸着部と、少なくとも二つの吸着槽を該吸着槽の管径よりも狭小に形成された第2の連結管路によって直列に連結した第2の吸着部にそれぞれ原料ガスを流し、異なるタイミングで吸着処理を行い、
    前記第1の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第1の連結管路に接続されて前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽の出側から前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽の入側に連通した第1の連通部を開通させて、前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽内の下流側の前記吸着槽内のガスよりも純度の低いガスを、前記第1の吸着部のガスの流動方向に沿って前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽に流入させ、
    前記第2の吸着部を吸着工程から均圧工程に移行させる際に、前記第2の連結管路に接続されて前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽の出側から前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽の入側に連通した第2の連通部を開通させて、前記第2の吸着部の上流側の前記吸着槽内の下流側の前記吸着槽内のガスよりも純度の低いガスを、前記第2の吸着部のガスの流動方向に沿って前記第1の吸着部の上流側の前記吸着槽に流入させる、
    工程を含むことを特徴とするガス製造処理方法。
  7. 前記吸着工程から前記均圧工程に移行させる際に、前記第1の吸着部の下流側の前記吸着槽の出側と前記第2の吸着部の下流側の前記吸着槽の出側とを連通した第3の連通部を開通させ、前記第3の連通部を通じて前記ガスを流動させる工程を含むことを特徴とする請求項6に記載のガス製造処理方法。
  8. 設定された処理時間に応じて、前記吸着処理または再生処理を行い、
    前記再生工程から前記均圧工程に移行する際、前記処理時間の経過前に、前記再生処理中の前記吸着槽の排気を停止させる、
    工程を含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のガス製造処理方法。
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