以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料噴射装置用ノズルプレートが取り付けられた燃料噴射装置1の使用状態を模式的に示す図である。この図1に示すように、ポート噴射方式の燃料噴射装置1は、エンジンの吸気管2の途中に設置され、燃料を吸気管2内に噴射して、吸気管2に導入された空気と燃料とを混合し、可燃混合気を形成するようになっている。
図2は、燃料噴射装置用ノズルプレート3(以下、ノズルプレートとする)が取り付けられた燃料噴射装置1の先端側を示す図である。なお、図2(a)は、燃料噴射装置1の先端側縦断面図(図2(b)のB1−B1線に沿って切断して示す断面図)である。また、図2(b)は、燃料噴射装置1の先端側下面図(図2(a)のA1方向から見た燃料噴射装置1の先端面を示す図)である。また、図3(a)は、図2(b)のC部拡大図(ノズルプレート3の一部平面図)である。また、図3(b)は、図3(a)のB2−B2線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図である。
この図2に示すように、燃料噴射装置1は、燃料噴射口4が形成されたバルブボディ5の先端側にノズルプレート3が取り付けられている。この燃料噴射装置1は、図外のソレノイドによってニードルバルブ6が開閉されるようになっており、ニードルバルブ6が開かれると、バルブボディ5内の燃料が燃料噴射口4から噴射され、燃料噴射口4から噴射された燃料がノズルプレート3のノズル孔7及びオリフィス8を通過して外部に噴射されるようになっている。
図2及び図3に示すように、ノズルプレート3は、ノズルプレート本体9と干渉体16,16とを有している。ノズルプレート本体9は、円筒状壁部10とこの円筒状壁部10の一端側に一体に形成された底壁部11とからなる合成樹脂材料(例えば、PPS、PEEK、POM、PA、PES、PEI、LCP)製の有底筒状体である。このノズルプレート本体9は、円筒状壁部10がバルブボディ5の先端側外周に隙間無く嵌合され、底壁部11の内面12がバルブボディ5の先端面13に当接させられた状態で、バルブボディ5に固定されている。また、ノズルプレート本体9の底壁部11には、バルブボディ5の燃料噴射口4と外部とを連通するノズル孔7が複数(一対)形成されている。ノズルプレート本体9のノズル孔7は、底壁部11の内面12に直交するストレートな丸孔であり、バルブボディ5の燃料噴射口4から噴射された燃料を燃料噴射口4に面する入口側開口部14から導入し、この入口側開口部14から導入した燃料を外部に面する出口側開口部15側(燃料が流出する開口部側)から噴射するようになっている。そして、このノズルプレート本体9は、ノズル孔7の出口側開口部15の形状が円形状になっている。なお、ノズル孔7は、底壁部11のうちの座繰りされたような薄肉部分11aに形成されている。
また、図2及び図3に示すように、ノズルプレート本体9は、ノズル孔7の出口側開口部15の一部が一対の干渉体16,16によって塞がれている。この一対の干渉体16,16は、同一形状で且つノズル孔7の中心CLを通るY軸方向に沿った直線19aに対して線対称となるように配置され、ノズル孔7の中心CLで突き当てられたようにノズルプレート本体9に一体形成されている。干渉体16は、円錐台形状であり、ノズル孔7の出口側開口部15から図3(b)の+Z軸方向へ向かうに従って外径寸法を漸減するようになっており、側面17がテーパ状になっている。干渉体16の側面(傾斜面)17は、ノズル孔7を通過する燃料の一部が衝突する燃料衝突面18に鋭角で交わるようになっている。干渉体16の燃料衝突面18は、底壁部11の外表面20(内面12に対して反対側に位置する面)と同一平面上に位置するように形成されている。そして、この一対の干渉体16は、ノズル孔7の出口側開口部15の一部を塞ぐことにより、ノズル孔7の出口側開口部15にオリフィス8を形成している。このオリフィス8は、ノズル孔7の中心CLを通るX軸方向に沿った直線19bに対して線対称となるように一対形成されており、ノズル孔7内を流れる燃料を急激に絞るようになっている。オリフィス8の開口縁は、ノズル孔7の円形状の出口側開口部15と一対の干渉体16の円形状外縁部21の一部(円弧状外縁部)とによって形作られている。そして、このオリフィス8の開口縁は、ノズル孔7の出口側開口部15と干渉体16,16の円形状外縁部21,21との交差部に形作られるコーナー部分22,22と、一対の干渉体16,16の円形状外縁部21,21の突き合わせ部Pに形作られるコーナー部分22’と、を有している。これらコーナー部分22,22,22’は、丸みの無い鋭利な尖った形状になっている。
ここで、ノズルプレート3は、図3において、ノズル孔7の孔径(出口側開口部15の直径)d1と干渉体16の円形状外縁部21の直径d2の寸法及びそれらの比率(d1:d2)、干渉体16の側面17の傾斜角θ(干渉体16の側面17と+Z軸に沿った方向とのなす角θ)、底壁部11の薄肉部分11aの板厚t1(ノズル孔7の長さ)、干渉体16の板厚t2は、要求される燃料噴射特性等に応じて最適の数値が決定される。なお、例えば、d1は0.03〜1.0mmの範囲で最適な数値が決定される。
図4は、ノズルプレート3を射出成形するために使用される射出成形金型24の構造図を示すものである。なお、図4(a)は射出成形金型24の縦断面図であり、図4(b)は第1金型25のキャビティ内面30を平面視した図である。
図4(a)に示すように、射出成形金型24は、第1金型25と第2金型26の間にキャビティ27が形成され、ノズル孔7,7を形成するためのノズル孔形成ピン28,28がキャビティ27内に突出している。このノズル孔形成ピン28,28は、先端が第1金型25のキャビティ内面30に突き当てられている。そして、第1金型25のノズル孔形成ピン28が突き当てられる箇所の近傍には、干渉体16,16を形成するための凹所31,31が形成されている。また、第1金型25において、凹所31,31の円形状外縁部31a,31aの交差部(突き当て部)に形作られるコーナー部分31b,31bは、一対の干渉体16,16の突き合わせ部Pにおけるコーナー部分22’,22’を形作る丸みの無い鋭利な尖った形状になっている。
このような射出成形金型24は、図示しないゲートから溶融樹脂(溶融材料)がキャビティ27内に射出され、キャビティ27内の溶融樹脂が冷却固化されると、干渉体16,16,16,16をノズルプレート本体9に一体成形したノズルプレート3が形成される(図2及び図3)。また、このような射出成形金型24を使用して射出成形されたノズルプレート3は、干渉体16の燃料衝突面18と底壁部11の外表面20とが同一平面上に位置するように形成され、丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分22,22,22’が一対のオリフィス8,8の開口縁に形成されている。そして、このように射出成形されたノズルプレート3は、エッチングや放電加工によって形成されたノズルプレートに比較し、生産効率が高いため、製品単価を低廉化することができる。
以上のような本実施形態に係るノズルプレート3によれば、燃料噴射装置1の燃料噴射口4から噴射された燃料の一部は、干渉体16の燃料衝突面18に衝突して微粒化されると共に、燃料衝突面18によって流れを急激に曲げられて、ノズル孔7及びオリフィス8を直進して通過しようとする燃料に衝突して、ノズル孔7及びオリフィス8を直進して通過しようとする燃料の流れを乱流にする。さらに、本実施形態に係るノズルプレート3は、オリフィス8の開口縁が丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分22,22,22’を有しており、オリフィス8の開口縁がコーナー部分22,22,22’へ向かうにしたがって狭められるようになっている。その結果、本実施形態に係るノズルプレート3によれば、オリフィス8から噴射される燃料のうちのオリフィス8のコーナー部分22,22,22’及びその近傍から噴射される燃料の液膜が薄く且つ鋭利に尖った状態になり、オリフィス8のコーナー部分22,22,22’及びその近傍から噴射される燃料がオリフィス8近傍の空気との摩擦で微粒化し易い。
したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
しかも、本実施形態に係るノズルプレート3によれば、干渉体16の側面17が干渉体16の燃料衝突面18に鋭角で交わるように形成され、オリフィス8を通過した燃料と干渉体16の側面17との間に空気層が生じるようになっているため、オリフィス8を通過した燃料が空気を巻き込みやすく、オリフィス8を通過する燃料の微粒化が促進され、吸気管2内に微粒化された燃料を均一に分散させやすくなる(図1参照)。
また、本実施形態に係るノズルプレート3によれば、オリフィス8が一対形成されており、各オリフィス8が丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分22,22,22’を有し、各オリフィス8の開口縁がコーナー部分22,22,22’に向かうにしたがって狭められているため、オリフィス8が一様の幅で形成された場合に比較し、オリフィス8から噴射された燃料の密度が特定方向で最も濃くなるように、オリフィス8から噴射される燃料に指向性を付与することができる。
また、本実施形態に係るノズルプレート3によれば、ノズル孔7の孔径(出口側開口部15の直径)d1と干渉体16の円形状外縁部21の直径d2の寸法及びそれらの比率(d1:d2)、干渉体16の側面17の傾斜角θ(干渉体16の側面17と+Z軸に沿った方向とのなす角θ)、底壁部11の薄肉部分11aの板厚t1(ノズル孔7の長さ)、干渉体16の板厚t2のいずれか又は複数を適宜変更することにより、燃料の噴射角度を容易に変えることができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、第1実施形態における一対の干渉体16,16をノズル孔7の中心CLに対して+X方向へε3だけずらしたものである。そして、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1実施形態におけるノズルプレート3と同様に、ノズル孔7の円形の出口側開口部15と一対の干渉体16,16の円形状外縁部21,21とで形作られるオリフィス8の開口縁の各コーナー部分(4箇所のコーナー部分)22に加え、一対の干渉体16,16の突き合わせ部Pに2箇所のコーナー部分22’が形作られている。
これらコーナー部分22,22’は、丸みの無い鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8のコーナー部分22,22’及びその近傍を通過する液膜を薄肉化することができ、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易くなっている。しかも、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の一方と他方とでノズル孔7を塞ぐ面積が異なり、一方(図15の−X方向側)の干渉体16がノズル孔7を塞ぐ面積の方が、他方(図15の+X方向側)の干渉体16がノズル孔7を塞ぐ面積よりも大きく、一方の干渉体16に衝突した後に他方の干渉体16側へ流動方向を変換させられる燃料の方が、他方の干渉体16に衝突した後に一方の干渉体16側へ流動方向を変換させられる燃料よりも多い。更に、オリフィス8がノズル孔7の中心CLに対して+X方向寄りにずれて位置している。その結果、本実施形態に係るノズルプレート3は、オリフィス8からの燃料の噴射方向をノズル孔7の中心CLに対して+X方向にずらすことができる。
なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16をノズル孔7の中心CLに対して+X方向へずらした例を示したが、これに限られず、燃料をオリフィス8の中心CLに対してどの方向へずらして噴射させたいのかによって、一対の干渉体16,16をノズル孔7の中心CLに対してどのようにずらすのかが決定される。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図であり、第2実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1及び第2実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1及び第2実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の一方(右側:+X側の干渉体16)が他方(左側:−X側の干渉体16)よりも小さく形成されている。その結果、本実施形態に係るノズルプレート3は、第2実施形態に係るノズルプレート3と比較し、オリフィス8がノズル孔7の中心CLに対して+X方向寄りにずれる量(ε3)が同じであっても、一対の干渉体16,16の一方と他方とがノズル孔7を塞ぐ面積の差が大きくなると共に、オリフィス8の開口面積が大きくなり、第2実施形態に係るノズルプレート3と異なる燃料噴射特性を得ることができる。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第2実施形態におけるノズルプレート3と同様に、ノズル孔7の円形の出口側開口部15と一対の干渉体16,16の円形状外縁部21,21とで形作られるオリフィス8の開口縁の各コーナー部分(4箇所のコーナー部分)22に加え、一対の干渉体16,16の突き合わせ部に2箇所のコーナー部分22’が形作られている。そして、これら各コーナー部分22,22’は、丸みの無い鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にする。
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図であり、第1実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、第1実施形態に係るノズルプレート3の一対の干渉体16,16の一方(右側:+X側の干渉体16)を干渉体16’に代え、他方の干渉体16(左側:−X側の干渉体16)と一方の干渉体16’とを突き合わせた形状になっている。干渉体16’は、平面視した形状(図7(b)のA2方向から見た形状)が長方形の長手方向両端部を半円形にした形状になっている。そして、干渉体16’は、その長手方向が一対のノズル孔7,7の中心CLを通る直線19b(X軸方向)に沿うように形成されており、その一端側の半円形状外縁部(円弧状外縁部)33及び直線状外縁部34がオリフィス8の一部を形作るようになっている。そして、オリフィス8は、干渉体16の円形状外縁部21、干渉体16’の半円形状外縁部33と直線状外縁部34、及びノズル孔7の円形の出口側開口部15によって形作られている。
また、オリフィス8は、干渉体16の円形状外縁部21とノズル孔7の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22と、干渉体16’の直線状外縁部34とノズル孔7の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22と、干渉体16と干渉体16’の突き合わせ部Pに形作られるコーナー部分22’を有している。そして、これらオリフィス8の開口縁のコーナー部分22,22’は、丸みの無い鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にする。なお、本実施形態のノズルプレート3において、干渉体16’は、上記第1実施形態における円錐台形状の干渉体16と同様に、側面17’が燃料衝突面18に鋭角で交わるように形成されている。
(第5実施形態)
図8は、本発明の第5実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図であり、第4実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1及び第4実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1及び第4実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、第4実施形態に係るノズルプレート3の一方の干渉体16’と他方の干渉体16とを押し潰すように(±Y方向に所定の幅で接触するように)突き合わせると共に、一方の干渉体16’と他方の干渉体16の突き合わせ部Pをノズル孔7の中心CLから+X方向にε3だけずらした形状になっている。
このような本実施形態に係るノズルプレート3は、第4実施形態に係るノズルプレート3と比較し、オリフィス8の開口面積が狭くなり、一方の干渉体16’と他方の干渉体16がノズル孔7を塞ぐ面積の差も異なることになる。その結果、本実施形態に係るノズルプレート3は、第13変形例に係るノズルプレート3と異なる燃料噴射特性を得ることができる。
また、本実施形態に係るノズルプレート3のオリフィス8は、ノズル孔7の円形の出口側開口部15と干渉体16の円形状外縁部21の一部とで形作られる丸みの無い鋭利な尖った形状のコーナー部分22、ノズル孔7の円形の出口側開口部15と干渉体16’の直線状外縁部34とで形作られる丸みの無い鋭利な尖ったコーナー部分22、及び一方の干渉体16’と他方の干渉体16の突き合わせ部Pに形作られる丸みの無い鋭利な尖ったコーナー部分22’を有している。これらコーナー部分22,22’は、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化しやすい鋭利な尖った形状にすることができる。
(第6実施形態)
図9は、本発明の第6実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図であり、第5実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1及び第5実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1及び第5実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、第5実施形態に係るノズルプレート本体9のノズル孔7を四角孔とし、ノズル孔7の出口側開口部15の形状を四角形状とした点が第5実施形態に係るノズルプレート3と相違する。
このような本実施形態に係るノズルプレート3は、一方の干渉体16’と他方の干渉体16の突き合わせ部Pがノズル孔7の中心CLに対して+X方向へε3だけずれて位置している。また、本実施形態に係るノズルプレート3において、ノズル孔7の出口側開口部15と干渉体16’の直線状外縁部34とで形作られる2箇所のコーナー部分22、ノズル孔7の出口側開口部15と干渉体16の円形状外縁部21とで形作られる2箇所のコーナー部分22、及び干渉体16’と干渉体16の突き合わせ部Pに形作られる2箇所のコーナー部分22’は、丸みの無い鋭利な形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化しやすい鋭利な尖った形状にすることができる。
(第7実施形態)
図10は、本発明の第7実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の突き合わせ部Pがノズル孔7の中心CLを通る直線(Y軸方向に沿った中心線)19aとノズル孔7の出口側開口部15との交点に位置しており、一対の干渉体16,16の突き合わせ部Pがノズル孔7の中心CLに位置する第1実施形態に係るノズルプレート3と異なる。
本実施形態に係るノズルプレート3は、ノズル孔7の円形の出口側開口部15と一対の干渉体16,16の円形状外縁部21,21とで形作られるオリフィス8の開口縁の2箇所のコーナー部分22,22に加え、一対の干渉体16,16の突き合わせ部Pに1箇所のコーナー部分22’が形作られるようになっている。そして、ノズル孔7の円形の出口側開口部15と一対の干渉体16.16の円形状外縁部21,21とで形作られるオリフィス8の開口縁の各コーナー部分22、及び一対の干渉体16,16の突き合わせ部に形作られるコーナー部分22’は、丸みの無い鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する液膜の端部を薄肉化することができ、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。
本実施形態に係るノズルプレート3は、オリフィス8が1箇所であり、オリフィス8の開口縁の図心位置がノズル孔7の中心CLに対して+Y方向にずれて位置することになる。この点において、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対のオリフィス8から燃料が2方向に分岐されて噴射される第1実施形態に係るノズルプレート3と相違する。
(第8実施形態)
図11は、本発明の第8実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図であり、第7実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1及び第7実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1及び第7実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16がノズル孔7よりも大きく、且つ、一対の干渉体16,16の突き合わせ部Pがノズル孔7の中心CLを通る直線(Y軸方向に沿った中心線)19a上に位置しており、一対の干渉体16,16の突き合わせ部Pの一端(コーナー部分22’)がノズル孔7の中心CLの近傍に位置し、一対の干渉体16,16の突き合わせ部Pの他端がノズル孔7の外方に位置している。そして、本実施形態に係るノズルプレート3は、ノズル孔7が一対の干渉体16,16で部分的に塞がれることにより、ノズル孔7の出口側開口部15と一対の干渉体16,16の円形状外縁部21,21とで略扇形のオリフィス8が形作られている。また、オリフィス8の開口縁には、ノズル孔7の出口側開口部15と一対の干渉体16,16の円形状外縁部21,21とで形作られるコーナー部分22,22と、一対の干渉体16,16の突き合わせ部Pに形作られるコーナー部分22’とが形成されている。これらオリフィス8のコーナー部分22,22’は、丸みの無い尖った形状になっており、オリフィス8を通過する液膜の端部を薄肉化することができ、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。
また、本実施形態に係るノズルプレート3は、第7実施形態に係るノズルプレート3と比較し、オリフィス8の開口面積が小さく、且つ、オリフィス8がノズル孔7の中心CLに対して+Y方向側に偏って位置している点において相違している。その結果、本実施形態に係るノズルプレート3は。第7実施形態に係るノズルプレート3と異なる燃料噴射特性を発揮することができる。
(第9実施形態)
図12は、本発明の第9実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図であり、第4実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1及び第4実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1及び第4実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、上記第4実施形態に係るノズルプレート3の干渉体16’と同様の干渉体16’をY軸方向に沿って3個密接させたように形成されており、中央に位置する干渉体16’の長手方向の中心線36がノズル孔7の中心CLを通る直線(X軸に沿って延びる中心線)19bに合致するように配置されている。
この本実施形態に係るノズルプレート3は、3個の干渉体16’の一端側の半円形状外縁部33とノズル孔7の円形の出口側開口部15とでオリフィス8を形作るようになっている。このノズル孔7の出口側開口部15と干渉体16’の半円形状外縁部33とで形作られるオリフィス8の開口縁のコーナー部分22は、丸みの無い鋭利な形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。また、本変形例に係るノズルプレート3は、隣り合う干渉体16’,16’の半円形状外縁部33,33の突き当て部Pに形作られるコーナー部分22’が丸みの無い鋭利な形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。すなわち、本変形例に係るノズルプレート3は、丸みの無い鋭利な形状のコーナー部分22,22’が4箇所形成される。
(第10実施形態)
図13は、本発明の第10実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図であり、第9実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1及び第9実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1及び第9実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、第9実施形態に係るノズルプレート3において、中央部に位置する干渉体16’を−X方向へずらし、且つ、+Y軸方向に隣り合って位置する干渉体16’と−Y軸方向に隣り合って位置する干渉体16’を円錐台形状の干渉体16,16にそれぞれ変更した形状になっている。その結果、本実施形態に係るノズルプレート3は、第9実施形態に係るノズルプレート3と比較し、オリフィス8をX軸寄りに狭めることになり、燃料を+X軸寄りに多く出射できるようになっている。
なお、一対の干渉体16,16は、X軸を中心とした線対称の形状であり、中心位置がY軸から−X軸方向へ所定寸法ε4だけずれて位置している。
また、本実施形態に係るノズルプレート3において、一対の干渉体16,16の円形状外縁部21,21とノズル孔7の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22,22と、一対の干渉体16,16と干渉体16’との突き合わせ部P,Pに形作られるコーナー部分22’、22’は、丸みの無い鋭利な形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。
(第11実施形態)
図14は、本発明の第11実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、円錐台形状の干渉体16がノズル孔7の円形の出口側開口部15と同心の円38上に等間隔で4箇所形成されている。そして、隣り合う干渉体16,16の突き当て部Pがノズル孔7の出口側開口部15上に位置し、4箇所の干渉体16の円形状外縁部21によってオリフィス8が形作られている。また、隣り合う干渉体16,16の突き当て部Pには、隣り合う干渉体16,16の円形状外縁部21,21の交差部であるコーナー部分22’が形作られている。このコーナー部分22’は、オリフィス8の開口縁に等間隔で4箇所形成されている。
このオリフィス8のコーナー部分22’は、丸みの無い鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。
なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、隣り合う干渉体16,16の円形状外縁部21,21の突き当て部Pを、ノズル孔7の出口側開口部15の径方向内側(ノズル孔7の中心CL寄り)に配置してもよい。
また、本実施形態に係るノズルプレート3は、4箇所の干渉体16が同じ大きさに形成されているが、少なくとも一つの干渉体16を他の干渉体16と異なる大きさに形成してもよい。
(第12実施形態)
図15は、本発明の第12実施形態に係るノズルプレート3の要部を示す図であり、第11実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1及び第11実施形態のノズルプレート3と共通する構成部分には同一符号を付し、第1及び第11実施形態のノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るノズルプレート3は、第11実施形態に係るノズルプレート3の4箇所の干渉体16をノズル孔7の中心CLに対して−Y軸方向にずらして配置した形状になっている。すなわち、本実施形態に係るノズルプレート3は、4箇所の干渉体16が等間隔で配置された円38の中心がノズル孔7の中心CLに対して−Y軸方向へずれて位置しており、円38の中心を通りX軸方向へ延びる中心線(X軸方向で対向する一対の干渉体16,16の中心を結ぶ直線)37がノズル孔7の中心CLを通りX軸方向に延びる直線19bに対して−Y軸方向へずれて位置している。なお、第11実施形態に係るノズルプレート3は、4箇所の干渉体16が等間隔で配置された円38の中心とノズル孔7の中心CLとが合致している。
本実施形態に係るノズルプレート3は、4箇所の干渉体16の円形状外縁部21とノズル孔7の出口側開口部15とでオリフィス8が形作られている。そして、隣り合う一対の干渉体16,16の突き当て部Pは、2箇所がノズル孔7の出口側開口部15の径方向内方側に位置し、他の2箇所がノズル孔7の出口側開口部15の径方向外方側に位置している。その結果、本実施形態に係るノズルプレート3は、隣り合う干渉体16,16の円形状外縁部21,21の突き当て部Pに形作られる2箇所のコーナー部分22’と、隣り合う干渉体16,16の円形状外縁部21,21とノズル孔7の円形の出口側開口部15とで形作られる4箇所のコーナー部分22が、オリフィス8の開口縁に形成されている。そして、これらオリフィス8の開口縁に形成されたコーナー部分22,22’は、丸みの無い鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。
(第13実施形態)
図16乃至図17は、本発明の第13実施形態に係るノズルプレート3を示す図である。なお、図16(a)がノズルプレート3の正面図であり、図16(b)が図16(a)のB13−B13線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図であり、図16(c)がノズルプレート3の背面図である。また、図17(a)が図16(a)で示したノズル孔7の周辺部を拡大して示す図であり、図17(b)が図17(a)のB14−B14線に沿って切断して示すノズルプレート3の部分的断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3において、ノズルプレート本体9は、バルブボディ5の先端側に嵌合される円筒状壁部10と、円筒状壁部10の一端側を塞ぐように形成された底壁部11と、を有している(図2参照)。また、底壁部11は、ノズル孔7が開口するノズル孔プレート部分40と、干渉体41が形成された干渉体プレート部分42と、を有している。干渉体プレート部分42は、底壁部11の中心軸43の周りを略小判状(図16(a)のY軸方向に沿って細長く形成され、且つ、両端が半円形に丸められた長溝状)に座繰るようにして形成されている。また、ノズル孔プレート部分40は、干渉体プレート部分42のうちのノズル孔7の周辺を部分的に座繰ることによって形成されたような形状になっており、干渉体プレート部分42よりも薄肉に形成されている。また、底壁部11は、ノズル孔7が中心軸43の周りに等間隔で2箇所形成されており、ノズル孔7の一部がノズル孔プレート部分40の表裏を貫通するように(表裏に開口するように)形成されている。また、底壁部11は、ノズル孔7の一部を塞ぐ干渉体41が干渉体プレート部分42に3箇所形成されている。
干渉体プレート部分42に形成された3箇所の干渉体41は、第1実施形態で示した干渉体16の一部の形状と同様であり、ノズル孔7を部分的に塞いでオリフィス8を形成している。そして、干渉体41の円弧状外縁部44とノズル孔7の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22と、干渉体41と干渉体41との突き合わせ部に形作られるコーナー部分22’は、丸みのない鋭利な形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。なお、本実施形態に係るノズルプレート3のオリフィス8は、図13(a)で示したオリフィス8と類似の形状になっている。
また、干渉体プレート部分42に形成された3箇所の干渉体41は、第1実施形態で示した干渉体16の燃料衝突面18及び側面(傾斜面)17と同様の燃料衝突面45及び側面(傾斜面)46を有しており、第1実施形態で示した干渉体16の燃料衝突面18及び側面17によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
また、底壁部11は、ノズルガード突起47がノズル孔プレート部分40を取り囲む位置で且つ外表面48の径方向外方端側に対向するように一対形成されている。このノズルガード突起47は、ノズルプレート3がバルブボディ5の先端側に取り付けられた状態において(図2参照)、バルブボディ5の中心軸(ノズルプレート3の中心軸43)が延びる方向に沿って出っ張るように形成されブロック体である。また、ノズルガード突起47は、先端が仮想平面に接触した際に、仮想平面と底壁部11との間に隙間が生じるように形成されている。このように、底壁部11に形成されたノズルガード突起47は、ノズルプレート3をバルブボディ5に組み付ける際に、工具等がノズル孔7及びその周辺に衝突するのを防止し、底壁部11のノズル孔7及びその周辺箇所が損傷するのを防止するとともに、ノズルプレート3がバルブボディ5に組み付けられた燃料噴射装置1をエンジンの吸気管2に組み付ける際に、エンジン部品等がノズル孔7及びその周辺に衝突するのを防止し、底壁部11のノズル孔7及びその周辺箇所が損傷するのを防止する。
また、底壁部11において、ノズル孔プレート部分40の外表面と干渉体プレート部分42の外表面とを接続する側面(傾斜面)50は、ノズル孔プレート部分40に開口するノズル孔7の出口側開口部15からほぼ等距離に位置するように、ノズル孔7の出口側開口部15から離して形成され、ノズル孔7から噴射される噴霧を邪魔しないようになっている。また、干渉体プレート部分42の外表面と底壁部11の外表面とを接続する側面(傾斜面)51、及びノズルガード突起47は、ノズル孔7から噴射される噴霧を邪魔しない位置に形成されている。
以上のような本実施形態に係るノズルプレート3は、各ノズル孔7毎に干渉体16を別々に形成する場合に比較し(図2参照)、ノズル孔7及びノズル孔プレート部分40の周りの肉厚を広範囲に厚くすることができ、底壁部11の強度向上を図ることができる。
なお、本実施形態において、ノズル孔7は、底壁部11の中心軸43の周りに等間隔で一対設ける態様を例示したが、これに限られず、少なくとも1箇所形成されていればよい。また、底壁部11のノズル孔プレート部分40と干渉体プレート部分42の肉厚は、求められる燃料噴射特性等に応じて適宜変更される。また、ノズルガード突起47は、ノズル孔7から噴射される噴霧を邪魔しない限り、底壁部11の外周端側の周方向に沿って環状に形成され且つノズル孔プレート部分40を取り囲むように環状に形成された環状体でもよい。
(第14実施形態)
図18乃至図19は、本発明の第14実施形態に係るノズルプレート3を示す図である。なお、図18(a)がノズルプレート3の正面図であり、図18(b)が図18(a)のB15−B15線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図であり、図18(c)がノズルプレート3の背面図である。また、図19(a)が図18(a)で示したノズル孔7の周辺部を拡大して示す図であり、図19(b)が図19(a)のB16−B16線に沿って切断して示す断面図であり、図19(c)が図18(a)の中心部を拡大して示す図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、底壁部11の中心軸43の周りを中空円板状に座繰るようにして干渉体プレート部分52が形成されると共に、底壁部11の中央に円錐台形状の補強用支柱部53が形成されている。そして、底壁部11の中心軸43の周りに等間隔で4箇所ノズル孔7が形成されている。ノズル孔7は、一部が干渉体プレート部分52に形成された干渉体54によって塞がれ、他部が干渉体プレート部分52を部分的に座繰るようにして形成されたノズル孔プレート部分55に開口するようになっている。なお、ノズル孔7は、図18(a)において、X軸と平行な中心線56上に一対位置し、Y軸と平行な中心線57上に一対位置している。
干渉体プレート部分52には、1箇所のノズル孔7に対応して2箇所の干渉体54が形成され、合計4箇所のノズル孔7に対して合計8箇所の干渉体54が形成されている。干渉体プレート部分52に形成された2箇所の干渉体54は、図11で示した一対の干渉体16,16と同様に、ノズル孔7の出口側開口部15を部分的に塞ぐことによりオリフィス8を形成している。このオリフィス8は、ノズル孔7の出口側開口部15と干渉体54の円弧状外縁部58とによって略扇形形状に形成されている。オリフィス8の開口縁には、ノズル孔7の出口側開口部15と干渉体54の円弧状外縁部58とで形作られるコーナー部分22と、干渉体54,54の突き合わせ部に形作られるコーナー部分22’とが形成されている。これらオリフィス8のコーナー部分22,22’は、丸みの無い尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を薄膜化することができ、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。
また、干渉体プレート部分52に形成された2箇所の干渉体54は、第1実施形態で示した干渉体16の燃料衝突面18及び側面(傾斜面)17と同様の燃料衝突面60及び側面(傾斜面)61を有しており、第1実施形態で示した干渉体16の燃料衝突面18及び側面17によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
また、底壁部11において、ノズル孔プレート部分55の外表面と干渉体プレート部分52の外表面とを接続する側面(傾斜面)62は、ノズル孔プレート部分55に開口するノズル孔7の出口側開口部15からほぼ等距離に位置するように、ノズル孔7の出口側開口部15から離して形成され、ノズル孔7から噴射される噴霧を邪魔しないようになっている。また、干渉体プレート部分52の外表面と底壁部11の外表面とを接続する側面(傾斜面)63は、ノズル孔7から噴射される噴霧を邪魔しない位置に形成されている。
また、底壁部11は、隣り合うノズル孔プレート部分55,55の間の干渉体プレート部分52が補強用リブ64によって補強用支柱部53に接続され、ノズル孔7及びノズル孔プレート部分55の近傍の干渉体プレート部分52が補強される。
また、底壁部11は、ノズルガード突起65が4箇所のノズル孔プレート部分55を取り囲む位置で且つ外表面66の径方向外方端側に等間隔で4箇所形成されている。このノズルガード突起65は、ノズルプレート3がバルブボディ5の先端側に取り付けられた状態において(図2参照)、バルブボディ5の中心軸(ノズルプレート3の中心軸43)が延びる方向に沿って出っ張るように形成されブロック体である。また、ノズルガード突起65は、先端が仮想平面に接触した際に、仮想平面と底壁部11との間に隙間が生じるように形成されている。このように、底壁部11に形成されたノズルガード突起65は、ノズルプレート3をバルブボディ5に組み付ける際に、工具等がノズル孔7及びその周辺に衝突するのを防止し、底壁部11のノズル孔7及びその周辺箇所が損傷するのを防止するとともに、ノズルプレート3がバルブボディ5に組み付けられた燃料噴射装置1をエンジンの吸気管2に組み付ける際に、エンジン部品等がノズル孔7及びその周辺に衝突するのを防止し、底壁部11のノズル孔7及びその周辺箇所が損傷するのを防止する。なお、4箇所のノズルガード突起65は、図18(a)に示すように、X軸と平行な中心線56に対して45°ずれて位置しており、ノズル孔7から噴射される噴霧を邪魔しない位置に形成されている。
以上のような本実施形態に係るノズルプレート3は、各ノズル孔7毎に干渉体16を別々に形成する場合に比較し(図2参照)、ノズル孔7及びノズル孔プレート部分55の周りの肉厚を広範囲に厚くすることができ、底壁部11の強度向上を図ることができる。
なお、本実施形態において、底壁部11のノズル孔プレート部分55と干渉体プレート部分52の肉厚は、求められる燃料噴射特性等に応じて適宜変更される。また、ノズルガード突起65は、ノズル孔7から噴射される噴霧を邪魔しない限り、底壁部11の外周端側の周方向に沿って環状に形成され且つ4箇所のノズル孔プレート部分55を取り囲むように環状に形成された環状体でもよい。
(第15実施形態)
図20は、本発明の第15実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第13実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図20(a)がノズルプレート3の正面図であり、図20(b)が図20(a)で示したノズル孔7の周辺部を拡大して示す図であり、図20(c)が図20(b)のB17−B17線に沿って切断して示す図である。
図20に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、干渉体プレート部分67の形状が第13実施形態に係るノズルプレート3の干渉体プレート部分42と相違するが、他の構成が第13実施形態に係るノズルプレート3と同様である。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3の説明は、第13実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。なお、図20に示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第13実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に同一符号を付してある。
すなわち、本実施形態に係るノズルプレート3は、干渉体プレート部分67が底壁部11の中心軸43の周りに円形形状に形成されており(図20(a)参照)、干渉体プレート部分42の形状が略小判状の第13実施形態に係るノズルプレート3と相違する。本実施形態に係るノズルプレート3のように、干渉体プレート部分67は、ノズル孔7から噴射される噴霧を妨げない限り、適宜変更してもよい。
(第16実施形態)
図21は、本発明の第16実施形態に係るノズルプレート3を示す図である。なお、図21(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図21(b)が図21(a)のB18−B18線に沿って切断して示すノズルプレート3の部分的断面図である。また、図21で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、上述の各実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に、上述の各実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、上述の各実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図21に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1干渉体16’と第2干渉体16’の直線状外縁部34,34がオリフィス8の一部を構成する点に特徴を有している。すなわち、本実施形態に係るノズルプレート3は、第1干渉体16’と第2干渉体16’がノズル孔7の出口側開口部15を部分的に塞いでおり、第1干渉体16’と第2干渉体16’の直線状外縁部34,34、第1干渉体16’の半円形状外縁部(円弧状外縁部)33、及びノズル孔7の円形状の出口側開口部15によってオリフィス8が形作られている。第1及び第2干渉体16’は、平面視した形状が長方形の長手方向両端部を半円形にした形状になっている。そして、第1干渉体16’は、長手方向がX軸と平行に延びる直線(中心線)19bに沿って配置され、一端側の半円形状外縁部33の先端が第2干渉体16’の直線状外縁部34に突き当てられている。第2干渉体16’は、長手方向がY軸と平行になるように配置されており、第1干渉体16’よりも大きく形成されている。
また、図21に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3において、第1干渉体16’の直線状外縁部34とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られたコーナー部分22は、平面視した形状が略三日月状の丸みのない鋭利な尖った形状であり、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。また、第2干渉体16’の直線状外縁部34とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られたコーナー部分22は、丸みのない鋭利な尖った形状であり、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。また、第1干渉体16’の半円形状外縁部33と第2干渉体16’の直線状外縁部34との突き当て部分に形作られるコーナー部分22’,22’は、平面視した形状が略三日月状の丸みのない鋭利な尖った形状であり、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。
このような本実施形態に係るノズルプレート3は、第1干渉体16’と第2干渉体16’がノズル孔7の出口側開口部15を部分的に塞ぐことにより、ノズル孔7を通過する燃料の一部が第1干渉体16’及び第2干渉体16’の燃料衝突面18,18に衝突して流動方向が急激に変えられ、この流動方向が急激に変えられた燃料の流れとノズル孔7内を直進する燃料の流れとが衝突し、ノズル孔7及びオリフィス8を通過する燃料の流れが乱流になる。また、本実施形態に係るノズルプレート3において、上述のように、第1干渉体16’の直線状外縁部34とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られたコーナー部分22と、第2干渉体16’の直線状外縁部34とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られたコーナー部分22と、第1干渉体16’の半円形状外縁部33と第2干渉体16’の直線状外縁部34との接触部分に形作られるコーナー部分22’,22’は、丸みのない鋭利な尖った形状であり、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
(第17実施形態)
図22は、本発明の第17実施形態に係るノズルプレート3を示す図である。なお、図22(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図22(b)が図22(a)のB19−B19線に沿って切断して示すノズルプレート3の部分的断面図である。また、図22(c)が金型87のキャビティ89の形状と回転加工工具88との関係を示す平面図であり、図22(d)が図22(c)のB19’−B19’線に沿って切断して示す断面図である。また、図22で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、上述の各実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に上述の各実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、上述の各実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図22に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、V字状干渉体16aの直線状外縁部86,86がオリフィス8の一部を構成する点に特徴を有している。すなわち、本実施形態に係るノズルプレート3は、干渉体16とV字状干渉体16aがノズル孔7の出口側開口部15を部分的に塞いでおり、干渉体16の円弧状外縁部21、V字状干渉体16aの直線状外縁部(外縁部)86,86、及びノズル孔7の円形状の出口側開口部15とによってオリフィス8が形作られている。干渉体16は、平面視した形状が円形状になっている。また、V字状干渉体16aは、平面視した形状が一対の干渉体16’,16’をV字状に突き合わせたような形状になっている。このV字状干渉体16aは、図22(c)〜(d)に示すように、金型87を回転加工工具(エンドミル等)88によって切削又は研削することにより、射出成形用のV字状のキャビティ89を形成し、この金型87のキャビティ89内に溶融樹脂を射出することにより形作られたものである。なお、キャビティ89のV字形状の内側側壁90,90は、ノズル孔7を塞ぐように位置する直線状外縁部86,86を形作るための側壁である。このV字形状の内側側壁90,90は、回転加工工具88の移動軌跡がV字の谷底で交差し、回転加工工具88の交差部分に丸みのない鋭利な稜線91が形成される。したがって、この射出成形用のV字状のキャビティ89で成形された干渉体16aは、V字状に交差する一対の直線状外縁部86,86のコーナー部分(一対の直線状外縁部86,86の交差部分)92が丸みのない鋭利な尖った形状になる。また、V字状干渉体16aの側面17aは、円錐台形状の干渉体16の側面17と同様に、燃料衝突面18に鋭角で交わるように形成されている。
また、図22に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、干渉体16の中心がノズル孔7の中心を通る直線(X軸に沿った方向に延びる中心線)19b上に位置するように形成されている。また、本実施形態に係るノズルプレート3は、V字状に交差する一対の直線状外縁部86,86のコーナー部分92の先端が直線19b上に位置し、且つ、V字状に交差する一対の直線状外縁部86,86のコーナー部分92の先端が出口側開口部15の開口縁上に位置するように形成されている。そして、V字状干渉体16aは、直線19bを対称軸とする線対称の形状となるように形成されている。
また、図22に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、干渉体16とV字状干渉体16aとがノズル孔7の円形状の出口側開口部15を部分的に塞いで、干渉体16の円弧状外縁部21、V字状干渉体16aの一対の直線状外縁部86,86、及びノズル孔7の円形状の出口側開口部15によってオリフィス8が形作られている。干渉体16の円弧状外縁部21とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られたコーナー部分22は、平面視した形状が三日月状の丸みのない鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状になっている。また、V字状干渉体16aの直線状外縁部86,86とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られたコーナー部分22は、丸みのない鋭利な尖った形状であり、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。また、V字状干渉体16aのV字状のコーナー部分92は、丸みのない鋭利な尖った形状であり、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。
このような本実施形態に係るノズルプレート3は、干渉体16とV字状干渉体16aがノズル孔7の出口側開口部15を部分的に塞ぐことにより、ノズル孔7を通過する燃料の一部が干渉体16及びV字状干渉体16aの燃料衝突面18,18に衝突して流動方向が急激に変えられ、この流動方向が急激に変えられた燃料の流れとノズル孔7内を直進する燃料の流れとが衝突し、ノズル孔7及びオリフィス8を通過する燃料の流れが乱流になる。また、本実施形態に係るノズルプレート3において、上述のように、干渉体16の円弧状外縁部21とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られたコーナー部分22と、V字状干渉体16aの直線状外縁部86,86とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られたコーナー部分22と、V字状干渉体16aのV字状のコーナー部分92は、丸みのない鋭利な尖った形状であり、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
(第18実施形態)
図23は、本発明の第18実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第17実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図23(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図23(b)が図23(a)のB20−B20線に沿って切断して示すノズルプレート3の部分的断面図である。また、図23で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第17実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に第17実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、第17実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図23に示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第17実施形態に係るノズルプレート3と比較して、V字状干渉体16aを干渉体16に近づけ、オリフィス8の開口面積を狭めた点に特徴を有している。なお、本実施形態に係るノズルプレート3は、V字状のコーナー部分92の先端がノズル孔7の出口側開口部15の径方向内方側に位置している。
このような本実施形態に係るノズルプレート3は、第17実施形態に係るノズルプレート3と同様の効果を得ることができることはもちろんのこと、オリフィス8を通過する燃料の液膜を全体として薄膜化することができ、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層効果的に向上させることができる。
(第19実施形態)
図24は、本発明の第19実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第17実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図24(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図24(b)が図24(a)のB21−B21線に沿って切断して示すノズルプレート3の部分的断面図である。また、図24で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第17実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に第17実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、第17実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図24に示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第17実施形態に係るノズルプレート3と比較して、V字状干渉体16aのV字状に交差する一対の直線状外縁部86,86の開き角(一対の直線状外縁部86,86の交差角)を鋭角にし、V字状干渉体16aのV字状に交差する一対の直線状外縁部86,86を干渉体16の円弧状外縁部21に接触させた点に特徴を有している。そして、V字状干渉体16aの直線状外縁部86と干渉体16の円弧状外縁部21との接触部分に形作られるコーナー部分22’は、平面視した形状が略三日月状の丸みのない鋭利な尖った形状になっている。そのため、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部は、空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。また、V字状干渉体16aのV字状のコーナー部分92は、丸みのない鋭利な尖った形状であり、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
(第20実施形態)
図25は、本発明の第20実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第17実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図25(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図25(b)がノズルプレート3の一部を部分的に破断して示す側面図である。また、図25で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第17実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に第17実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、第17実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図25に示す本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16とV字状干渉体16aによってノズル孔7の出口側開口部15を部分的に塞いでいる。そして、ノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21、V字状干渉体16aの一対の直線状外縁部86,86、及びノズル孔7の出口側開口部15でオリフィス8を形作っている。
本実施形態において、一対の干渉体16,16は、ノズル孔7のY軸に沿って延びる中心線19a上で且つ出口側開口部15の開口縁上で接触している。また、V字状干渉体16aは、一対の直線状外縁部86,86が干渉体16の円弧状外縁部21にノズル孔7の径方向外方側で接触し、ノズル孔7のY軸に沿って延びる直線(中心線)19aを対称軸とする線対称の形状となるように形成されている。また、V字状干渉体16aのV字状のコーナー部分92は、出口側開口部15の開口縁よりも径方向内方側に位置している。
また、図25に示す本実施形態に係るノズルプレート3は、干渉体16の円弧状外縁部21とノズル孔7の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22が丸みのない鋭利な尖った形状であり、V字状干渉体16aの直線状外縁部86とノズル孔7の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22が丸みのない鋭利な尖った形状である。また、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21が接触することにより形作られるコーナー部分22’は、丸みのない鋭利な尖った形状である。また、V字状干渉体16aのV字状のコーナー部分92は、丸みのない鋭利な尖った形状である。
このような本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16とV字状干渉体16aがノズル孔7の出口側開口部15を部分的に塞ぐことにより、ノズル孔7を通過する燃料の一部が一対の干渉体16,16及びV字状干渉体16aの燃料衝突面18に衝突して流動方向が急激に変えられ、この流動方向が急激に変えられた一部の燃料の流れとノズル孔7内を直進する燃料の流れとが衝突し、ノズル孔7及びオリフィス8を通過する燃料の流れが乱流になる。また、本実施形態に係るノズルプレート3は、オリフィス8の6箇所のコーナー部分(22,22’,92)が丸みのない鋭利な尖った形状であるため、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易くなっている。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
(第21実施形態)
図26は、本発明の第21実施形態に係るノズルプレート3を示す図である。なお、図26(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図26(b)が図26(a)のB22−B22線に沿って切断して示すノズルプレート3の部分的断面図である。また、図26で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、上述した各実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に上述した各実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、上述した各実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図26に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21に干渉体16’の直線状外縁部34を突き合わせ、これら一対の干渉体16,16と干渉体16’によってノズル孔7の円形状の出口側開口部15を部分的に塞いでいる。そして、このノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21、干渉体16’の直線状外縁部34、及びノズル孔7の出口側開口部15とでオリフィス8を形作っている。
また、図26に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21と干渉体16’の直線状外縁部34とで形作られるコーナー部分22’は、丸みのない鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。また、干渉体16,16の円弧状外縁部21,21とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22は、丸みのない鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。
また、図26に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16と干渉体16’によってノズル孔7の円形状の出口側開口部15を部分的に塞いでおり、ノズル孔7を通過する燃料の一部が一対の干渉体16,16及び干渉体16’の燃料衝突面18に衝突して流動方向が急激に変えられ、この流動方向が急激に変えられた燃料の流れとノズル孔7内を直進する燃料の流れとが衝突し、ノズル孔7及びオリフィス8を通過する燃料の流れが乱流になる。また、本実施形態に係るノズルプレート3は、オリフィス8の各コーナー部分22,22’が丸みのない鋭利な尖った形状であるため、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易くなっている。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
(第22実施形態)
図27は、本発明の第22実施形態に係るノズルプレート3を示す図である。なお、図27(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図27(b)がノズルプレート3の部分的側面図である。また、図27で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、上述の各実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に上述の各実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、上述の各実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図27に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21を突き合わせ、これら一対の干渉体16,16と干渉体16’によってノズル孔7の円形状の出口側開口部15を部分的に塞いでいる。そして、このノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21、干渉体16’の直線状外縁部34、及びノズル孔7の円形状の出口側開口部15とでオリフィス8を形作っている。また、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16と干渉体16’がY軸方向(直線19aの延びる方向)に離れて配置されている。
また、図27に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3において、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21の突き合わせ部分に形作られるコーナー部分22’は、丸みのない鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。また、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22は、丸みのない鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。また、干渉体16’の直線状外縁部34とノズル孔7の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22は、丸みのない鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。
また、図27に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16と干渉体16’によってノズル孔7の円形状の出口側開口部15を部分的に塞いでおり、ノズル孔7を通過する燃料の一部が一対の干渉体16,16及び干渉体16’の燃料衝突面18に衝突して流動方向が急激に変えられ、この流動方向が急激に変えられた燃料の流れとノズル孔7内を直進する燃料の流れとが衝突し、ノズル孔7及びオリフィス8を通過する燃料の流れが乱流になる。また、本実施形態に係るノズルプレート3は、オリフィス8の各コーナー部分22,22’が丸みのない鋭利な尖った形状であるため、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易くなっている。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
(第23実施形態)
図28は、本発明の第23実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第19実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図28(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図28(b)が図28(a)のB23−B23線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図である。また、図28で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第19実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に第19実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、第19実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図28に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、第19実施形態に係るノズルプレート3の干渉体16を省略した構造になっており、ノズル孔7の出口側開口部15がV字状干渉体16aによって部分的に塞がれている。そして、本実施形態に係るノズルプレート3において、一対の直線状外縁部86,86とノズル孔7の円形状の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22、及び一対の直線状外縁部86,86の交差部分に形作られるV字状のコーナー部分92は、丸みのない鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。また、本実施形態に係るノズルプレート3は、ノズル孔7を通過する燃料の一部がV字状干渉体16aの燃料衝突面18に衝突し、この燃料衝突面18に衝突した燃料の流動方向が急激に変えられ、この流動方向が急激に変えられた燃料の流れとノズル孔7内を直進する燃料の流れとが衝突し、ノズル孔7及びオリフィス8を通過する燃料の流れが乱流になる。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
(第24実施形態)
図29は、本発明の第24実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第22実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図29(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図29(b)が一部を破断して示すノズルプレート3の部分的側面図である。また、図29で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第22実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に第22実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、第22実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図29に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21を突き合わせると共に、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21と干渉体16’の直線状外縁部34とを突き合わせ、これら一対の干渉体16,16及び干渉体16’によってノズル孔7の円形状の出口側開口部15を部分的に塞いでいる。そして、このノズルプレート3は、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21及び干渉体16’の直線状外縁部34によってオリフィス8を形作っている。
また、図29に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3において、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21の突き合わせ部分に形作られるコーナー部分22’は、丸みのない鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。また、一対の干渉体16,16の円弧状外縁部21,21と干渉体16’の直線状外縁部34との突き合わせ部分に形作られるコーナー部分22’,22’は、丸みのない鋭利な尖った形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易い形状になっている。
また、図29に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、ノズル孔7の円形状の出口側開口部15を一対の干渉体16,16と干渉体16’によって部分的に塞いでおり、ノズル孔7を通過する燃料の一部が一対の干渉体16,16及び干渉体16’の燃料衝突面18に衝突して流動方向が急激に変えられ、この流動方向が急激に変えられた燃料の流れとノズル孔7内を直進する燃料の流れとが衝突し、ノズル孔7及びオリフィス8を通過する燃料の流れが乱流になる。また、本実施形態に係るノズルプレート3は、オリフィス8の各コーナー部分22’が丸みのない鋭利な尖った形状であるため、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易くなっている。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
(第25実施形態)
図30は、本発明の第25実施形態に係るノズルプレート3を示す図である。なお、図30(a)がノズルプレート3の一部平面図であり、図30(b)が図30(a)のB24−B24線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図である。また、図30で示す本実施形態に係るノズルプレート3は、上述の各実施形態に係るノズルプレート3と共通する構成部分に上述の各実施形態に係るノズルプレート3の構成部分と同一の符号を付し、上述の各実施形態に係るノズルプレート3の説明と重複する説明を省略する。
図30に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、ノズル孔7の円形状の出口側開口部15が三角形状のオリフィス8を備えた略三角形状の干渉体16bによって部分的に塞がれている。干渉体16bは、干渉体16’を三角形状に組み合わせて一体化したような形状であり、三角形状のオリフィス8の外縁が干渉体16’の直線状外縁部34によって縁取られたような形状になっている。そして、直線状外縁部34,34が交差するオリフィス8の3箇所のコーナー部分は、丸みのない尖ったV字形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易くなっている。なお、干渉体16bにおいて、オリフィス8を縁取る側面17bは、燃料衝突面18に鋭角に交差するように形成されている。
また、図30に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3は、ノズル孔7の円形状の出口側開口部15を干渉体16bによって部分的に塞いでおり、ノズル孔7を通過する燃料の一部が干渉体16bの燃料衝突面18に衝突して流動方向が急激に変えられ、この流動方向が急激に変えられた燃料の流れとノズル孔7内を直進する燃料の流れとが衝突し、ノズル孔7及びオリフィス8を通過する燃料の流れが乱流になる。しかも、上述のように、三角形状のオリフィス8のコーナー部分は、丸みのない尖ったV字形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部が空気との摩擦で微粒化し易くなっている。したがって、本実施形態に係るノズルプレート3は、従来のノズルプレートと比較して、オリフィス8から噴射される燃料の微粒化の程度をより一層向上させることができる。
(第26実施形態)
図31乃至図32は、本発明の第26実施形態に係るノズルプレート3を示す図である。なお、図31(a)が本実施形態に係るノズルプレート3の正面図であり、図31(b)が図31(a)のB25−B25線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図であり、図31(c)が図31(a)のB26−B26線に沿って切断して示すノズルプレート3の断面図であり、図31(d)が本実施形態に係るノズルプレート3の背面図である。また、図32(a)が図31(a)のノズルプレート3の一部(中心部)拡大図であり、図32(b)がノズル孔7及びその近傍を拡大して示すノズルプレート3の部分的拡大図であり、図32(c)が図32(b)のB27−B27線に沿って切断して示す拡大断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係るノズルプレート3において、ノズルプレート本体9は、バルブボディ5の先端側に嵌合される円筒状壁部10と、円筒状壁部10の一端側を塞ぐように形成された底壁部11と、を有している(図2参照)。また、底壁部11は、ノズル孔7が開口するノズル孔プレート部分40と、干渉体41が形成された干渉体プレート部分42と、を有している。干渉体プレート部分42は、底壁部11の中心(中心軸43と合致する位置)に先端が丸められた円錐状突起94が形成され、この円錐状突起94の周囲の底壁部11を円板状に座繰るようにして形成されている。また、ノズル孔プレート部分40は、干渉体プレート部分42のうちのノズル孔7の周辺を部分的に座繰ることによって形成されたような形状になっており、干渉体プレート部分42よりも薄肉に形成されている。また、底壁部11は、ノズル孔7が中心軸43の周りに等間隔で4箇所形成されており、ノズル孔7の一部がノズル孔プレート部分40の表裏を貫通するように(表裏に開口するように)形成されている。そして、各ノズル孔7は、図32(a)に示すように、ノズル孔の中心7aが底壁部11の中心線56,57(中心軸43を通り且つX軸と平行な直線56、及び中心軸43を通り且つY軸と平行な直線57)上に位置するように形成されている。
また、図32(a)及び(b)に示すように、底壁部11の干渉体プレート部分42には、ノズル孔7の一部を塞ぐ干渉体41が1個のノズル孔7に対して3箇所形成されている。そして、これら3箇所の干渉体41は、ノズル孔の中心7aを通る中心線56(57)と直交する直線95に対して線対称の形状のオリフィス8を形作るようになっており、オリフィス8から噴射される噴霧の中心方向96がノズル孔7の中心軸7cに対して+Y方向側に斜めに傾き、且つ、オリフィス8から噴射される噴霧の中心方向96が直線95に沿うように形成されている。そして、4箇所のオリフィス8から噴射される噴霧の中心方向96は、底壁部11の中心軸43を中心とする反時計回り方向に揃っている。その結果、4箇所のオリフィス8から噴射される噴霧は、底壁部11の中心軸43を中心とする反時計回り方向の旋回流を生じさせる。
また、図32(b)で詳細に示すように、干渉体プレート部分42に形成された3箇所の干渉体41は、第1実施形態で示した干渉体16の一部の形状と同様であり、ノズル孔7を部分的に塞いでオリフィス8を形成している。そして、干渉体41の円弧状外縁部44とノズル孔7の出口側開口部15とで形作られるコーナー部分22と、干渉体41と干渉体41との突き合わせ部に形作られるコーナー部分22’は、丸みのない鋭利な形状になっており、オリフィス8を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。なお、本実施形態に係るノズルプレート3のオリフィス8は、図17(a)で示したオリフィス8と同様の形状になっている。また、図32を使用した本実施形態に係るノズルプレート3の説明は、図17(a)で示したノズルプレート3と同一の箇所に同一の符号を付し、図17(a)のノズルプレート3の説明と重複する説明を適宜省略する。
また、干渉体プレート部分42に形成された3箇所の干渉体41は、第13実施形態に係る図17で示した干渉体41と同様の燃料衝突面45及び側面(傾斜面)46を有しており、第13実施形態で示した干渉体41の燃料衝突面45及び側面46によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
また、底壁部11は、同一形状の8枚の羽根97が中心軸43の周りに等間隔で且つ干渉体プレート部分42の径方向外方側に位置するように一体に形成されている。この羽根97は、平面視した形状が円弧形状であり、半径方向内方端から半径方向外方端まで一定の肉厚で形成されている。また、羽根97は、オリフィス8から噴射された噴霧を邪魔しないように、径方向内方端から斜めに切り上げられて、オリフィス8から噴射された燃料の噴霧状態に影響を及ぼさないようなスペースが十分に確保されるように、燃料衝突回避部98が形成されている。また、羽根97は、径方向内方端側の燃料衝突回避部98を除いた部分が同一の羽根高さに形成されている。そして、隣り合う一対の羽根97,97は、径方向外方から径方向内方へ向かうに従って間隔を狭め、羽根97間の羽根溝100が径方向外方から径方向内方に向かうに従って狭められている。
図31(a)において、底壁部11の中心軸43を基点として、+X軸方向へ延びる中心線56上に中心が位置するノズル孔7を第1ノズル孔7とし、この第1ノズル孔7に対して反時計回り方向に90°毎にずれて位置する各ノズル孔7を第2乃至第4ノズル孔7とする。また、図31(a)において、底壁部11の中心軸43が直交座標系のX−Y座標面の中心とすると、第1象限の+X軸寄りの位置に径方向内方端が位置する羽根溝100を第1羽根溝100とし、この第1羽根溝100に対して反時計回り方向に45°毎にずれて位置する各羽根溝100を第2乃至第8羽根溝100とする。このような図31(a)において、第1羽根溝100の中心線101は、第2ノズル孔7の中心を通るようになっている。また、第3羽根溝100の中心線101は、第3ノズル孔7の中心を通るようになっている。また、第5羽根溝100の中心線101は、第4ノズル孔7の中心を通るようになっている。また、第7羽根溝100の中心線101は、第1ノズル孔7の中心を通るようになっている。また、第2羽根溝100の中心線101は、第2ノズル孔7の近傍を通るようになっている。また、第4羽根溝100の中心線101は、第3ノズル孔7の近傍を通るようになっている。また、第6羽根溝100の中心線101は、第4ノズル孔7の近傍を通るようになっている。また、第8羽根溝100の中心線101は、第1ノズル孔7の近傍を通るようになっている。そして、これら第1乃至第8羽根溝100の中心線101は、底壁部11の中心軸43の周囲(円錐状突起94の周囲)を通るように位置している。
以上のように構成されたノズルプレート3は、各オリフィス8から燃料が噴射されると、オリフィス8の出口側周辺部分の圧力が降下するため(大気圧よりも低下するため)、ノズルプレート3の周囲の空気が第1乃至第8羽根溝100の径方向外方端側から径方向内方端側へ向けて流動させられ(引き寄せられ)、第1乃至第8羽根溝100の径方向内方端からノズル孔7の中心又はノズル孔7の近傍に向けて空気が流出する。すなわち、第1乃至第8羽根溝100の径方向内方端から流出した空気の流れは、底壁部11の中心軸43の周りを所定距離(少なくとも、円錐状突起94の形状分)だけ離れて流動することになり、底壁部11の中心軸43を中心とする反時計回り方向の旋回流を生じさせる。また、噴霧中の微粒化された液滴(燃料の微粒子)は、運動量(反時計回り方向の速度成分)をもっており、周囲の空気及び周囲を旋回する空気を巻き込み、その巻き込んだ空気に運動量を与える。この運動量を得た空気は、螺旋状の流れとなって液滴(燃料の微粒子)を運搬する。そして、噴霧中の液滴(燃料の微粒子)は、この螺旋状の空気流によって運搬されることにより、周囲に散乱することが防止される。そのため、本実施形態に係るノズルプレート3は、吸気管2の壁面等に付着する燃料を少なくすることができ、燃料の利用効率を向上させることができる(図1参照)。
また、本実施形態に係るノズルプレート3は、8枚の羽根97が中心軸43の周りに等間隔で且つ干渉体プレート部分42の径方向外方側に位置するように底壁部11と一体に形成されているため、ノズルプレート3をバルブボディ5に組み付ける際に、工具等がノズル孔7及びその周辺に衝突するのを羽根97によって防止できると共に、底壁部11のノズル孔7及びその周辺箇所が損傷するのを羽根97によって防止できる。また、本実施形態に係るノズルプレート3は、ノズルプレート3がバルブボディ5に組み付けられた燃料噴射装置1をエンジンの吸気管2に組み付ける際に、エンジン部品等がノズル孔7及びその周辺に衝突するのを羽根97によって防止でき、底壁部11のノズル孔7及びその周辺箇所が損傷するのを羽根97によって防止することができる。
(第27実施形態)
図33は、本発明の第27実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第26実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図33(a)は、ノズルプレート3の正面図であり、図31(a)に対応する図である。また、図33(b)は、ノズルプレート3の中央部を拡大して示す図であり、図32(a)に対応する図である。
本実施形態に係るノズルプレート3は、各オリフィス8から噴射された噴霧の中心方向96が隣合う(燃料噴射方向に沿った前側に位置する)他のノズル孔7の中心7aに向かうように、各ノズル孔7毎に3箇所の干渉体41が形成されている。すなわち、本実施形態に係るノズルプレート3は、第26実施形態に係るノズルプレート3のオリフィス8を(図31(a)参照)、ノズル孔7の中心7aを回転中心として反時計回り方向に45°回転させると共に、第26実施形態に係るノズルプレート3の4箇所のノズル孔7及びオリフィス8を(図31(a)参照)、底壁部11の中心軸43に対して径方向外方寄りにずらすことにより形成されている。
このように形成された本実施形態に係るノズルプレート3は、第26実施形態に係るノズルプレート3と比較し、隣り合うオリフィス8からの噴霧が大きく影響し合い、複数の羽根13によって旋回させられる空気が噴霧中の燃料の微粒子から旋回方向の運動量をより多く与えられ、より一層強い螺旋状の空気流が形成される。
(第28実施形態)
図34は、本発明の第28実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第26実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図34(a)は、ノズルプレート3の正面図であり、図31(a)に対応する図である。また、図34(b)は、図34(a)のB28−B28線に沿って切断して示す図である。また、図34(c)は、ノズルプレートの背面図であり、図31(d)に対応する図である。
本実施形態に係るノズルプレート3は、干渉体プレート部分42の表面が底壁部11の表面と同一面になるように形成されており、底壁部11を円板状に座繰るようにして干渉体プレート部分42が形成された第26実施形態に係るノズルプレート3と相違する。そして、本実施形態に係るノズルプレート3は、ノズル孔プレート部分40の肉厚及び干渉体プレート部分42の肉厚を第26実施形態に係るノズルプレート3と同一寸法にするため、底壁部11の背面側に有底の丸穴102が座繰るように形成されている。この丸穴102の底面には、4個のノズル孔7が開口している。そして、丸穴102の側面102aが4個のノズル孔7を取り囲むように位置している。
また、本実施形態に係るノズルプレート3において、底壁部11は、羽根97の径方向内方端よりも僅かに径方向外方側の位置から径方向外方端へ向けて斜めに削り落とされるように形成されることにより、中空円板状の傾斜面103が形作られている。そして、この中空円板状の傾斜面103の径方向外方端は、滑らかな曲面104で丸められている。その結果、本実施形態に係るノズルプレート3は、第26実施形態に係るノズルプレート3と比較し、羽根溝100の周囲の空気を広範囲に且つ羽根溝100に導入できる。しかも、本実施形態に係るノズルプレート3は、上述のように、干渉体プレート部分42の表面が底壁部11の表面と同一面になるように形成されているため、底壁部11を円板状に座繰るようにして干渉体プレート部分42が形成された第26実施形態に係るノズルプレート3と比較し、羽根溝100の径方向内方端から干渉体プレート部分側に流入する空気が凹部の影響を受けにくく、羽根溝100の径方向内方端からオリフィス8側に向かう空気の速度が大きくなる。
以上のような構成の本実施形態に係るノズルプレート3は、第26実施形態に係るノズルプレート3と比較して、羽根溝100の径方向内方端からオリフィス8側へ向かう空気の速度が大きいため、羽根溝100の径方向内方端からオリフィス8側へ向かう空気が噴霧中の燃料の微粒子から運動量を与えられると、より一層強い螺旋状の空気流が形成される。
(第29実施形態)
図35は、本発明の第29実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第28実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図35(a)が図34(b)に対応するノズルプレート3の断面図であり、図35(b)が図34(c)に対応するノズルプレート3の背面図である。
この図35に示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第28実施形態に係るノズルプレート3の底壁部11の裏面側に形成された丸穴102をリング状の穴105に変更し、穴105内に溜まる燃料の量を丸穴102内に溜まる燃料の量よりも少なくしてある。
(第30実施形態)
図36は、本発明の第30実施形態に係るノズルプレート3を示す図であり、第28実施形態に係るノズルプレート3の変形例を示す図である。なお、図36(a)が図34(b)に対応するノズルプレート3の断面図であり、図36(b)が図34(c)に対応するノズルプレート3の背面図である。
この図36に示す本実施形態に係るノズルプレート3は、第28実施形態に係るノズルプレート3の底壁部11の裏面側に形成された丸穴102を十字形状の穴106に変更し、穴106内に溜まる燃料の量を丸穴102内に溜まる燃料の量よりも少なくしてある。
(第31実施形態)
図37乃至図38は、本発明の第31実施形態に係るノズルプレート3を示す図である。なお、図37は、第27実施形態に係るノズルプレート3を変形した構造を示す図である。また、図38は、図37で示したノズルプレート3の中央部分を拡大して示す図である。
これらの図に示すように、ノズルプレート3は、底壁部11の中央(中心軸43に合致する位置)に、底壁部11を中心軸43に沿って貫通する中央ノズル孔107が形成されている。そして、この中央ノズル孔107は、外面側の出口側開口部108が干渉体110によって4箇所部分的に塞がれている。4箇所の干渉体110は、円弧状外縁部111が中央ノズル孔107の径方向内方側に張り出し、中央ノズル孔107の出口側開口部108を部分的に塞ぐことによって、中央オリフィス112を形作っている。また、隣り合う干渉体110,110の円弧状外縁部111,111は、中央ノズル孔107の出口側開口部108の開口縁上で接している。そして、一対の円弧状外縁部111,111の交差部には、コーナー部分113が形作られている。このコーナー部分113は、中央オリフィス112の開口縁に等間隔で4箇所形成されており、丸みの無い鋭利な尖った形状になっている。その結果、このコーナー部分113は、中央オリフィス112を通過する燃料の液膜の端部を空気との摩擦で微粒化し易い鋭利な尖った形状にすることができる。また、各干渉体110は、中央ノズル孔107の中心軸43に直交する平面である燃料衝突面114と、円弧状外縁部111から斜めに切り上げられる側面(傾斜面)115とを有している。そして、隣合う干渉体110,110の側面115は、コーナー部分113で円弧状に滑らかに接続されている。
このような本実施形態に係るノズルプレート3は、燃料が底壁部11の4箇所のオリフィス8から噴射されて生じる噴霧に、燃料が底壁部11の中央の中央オリフィス112から噴射されて生じる噴霧が加わり、中央の噴霧に周囲の噴霧が引き寄せられる共に、複数の羽根97によって旋回させられる空気が噴霧中の燃料の微粒子から旋回方向の運動量をより多く与えられ、より一層強い螺旋状の空気流が形成される。
また、本実施形態に係るノズルプレート3は、第26実施形態に係るノズルプレート3にも適用でき、第26実施形態に係るノズルプレート5と同様の効果を得ることができる。また、中央オリフィス112は、本実施形態の形状に限定されず、上記他の実施形態のオリフィス形状を適用してもよい。
(他の変形例)
上記第1乃至第31実施形態は、合成樹脂材料製のノズルプレート3を例示したが、これに限られず、メタルインジェクションモールド法を使用して形成される焼結金属製のノズルプレートに適用できる。
また、上記第1乃至第12実施形態は、一対のノズル孔7,7及び一対のオリフィス8をノズルプレート本体9に形成する態様を例示したが、これに限られず、単一のノズル孔7及び単一のオリフィス8をノズルプレート本体9に形成したり、3個以上の複数のノズル孔7及びこのノズル孔7と同数のオリフィス8、又はノズル孔7よりも多くのオリフィス8をノズルプレート本体9に形成するようにしてもよい。
また、上記第1乃至第12実施形態において、コーナー部分22’は、干渉体16,16’の円弧状外縁部(21,33)の突き合わせ部Pに形作られる態様を例示したが、干渉体16,16’の直線状外縁部(円弧状外縁部に代えた円弧の弦のような直線状の外縁部)を突き合わせることによって略三角形状に形作られたものでもよい。
また、上記第11及び第12実施形態のノズルプレート3は、干渉体16の数が4個の場合を説明したが、本発明はこれに限られず、3個の干渉体で構成することもできる。さらに、上記第11及び第12実施形態のノズルプレート3は、例えば5個又は6個の干渉体など、4個以上の干渉体で構成することも可能である。
また、上記第16乃至第25実施形態に係るノズルプレート3は、第13乃至第15実施形態で示した技術を適用することができる。
また、上記第26乃至第31実施形態に係るノズルプレート3は、ノズル孔7を4箇所形成すると共に、羽根97をノズル孔7の個数の2倍(8枚)だけ設ける態様を例示したが、これに限られず、ノズル孔7を複数(2個以上)形成し、羽根97をノズル孔7の個数の2倍だけ設けるようにしてもよい。また、上記第26乃至第30実施形態係るノズルプレート3は、ノズル孔7の個数の2倍だけ羽根溝100を形成するようになっているが、これに限られず、ノズル孔7と同数だけ羽根溝100を設けるようにしてもよい。また、上記第26乃至第31実施形態係るノズルプレート3は、ノズル孔7の個数の2倍だけ羽根溝100を形成するようになっているが、これに限られず、ノズル孔7の個数の任意の倍数だけ羽根溝100を設けるようにしてもよい。
また、上記第26乃至第31実施形態に係るノズルプレート3は、底壁部11の中心軸43の周りに反時計回り方向の旋回流が生じるように、オリフィス8及び羽根97の形状(右ねじれの形状)が決定されている。しかしながら、本発明は、これら第26乃至第31実施形態に係るノズルプレート3に限定されず、底壁部11の中心軸43の周りに時計回り方向の旋回流が生じるように、オリフィス8及び羽根97の形状(左ねじれの形状)を形成してもよい。
また、上記第26乃至第31実施形態に係るノズルプレート3は、羽根97の平面視した形状が円弧形状であるが、これに限られず、羽根97の平面視した形状が直線状でもよい。