JP2008031914A - 内燃機関の燃料噴射弁 - Google Patents

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Koji Kawazoe
浩司 川添
Tsuneaki Aoki
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Abstract

【課題】比較的低圧で燃料を噴射する燃料噴射弁において、噴射された燃料を適切に薄膜状とすることが可能であり、噴射された燃料の霧化をより促進することが可能な内燃機関の燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】燃料が噴射される燃料噴射孔51と、当該燃料噴射孔51と対向するように配置された燃料衝突部材62とを備え、前記燃料衝突部材62が前記燃料噴射孔51の出口部に近接して配置されている内燃機関の燃料噴射弁であって、前記燃料衝突部材62は、前記燃料噴射孔51の外周側に支持された一方の端部から前記燃料噴射孔51を横切る方向に他方の端部が突出しており、前記燃料噴射孔51の軸線J1の方向から見た衝突面の幅Wが前記燃料噴射孔51の径φdよりも小さい。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射弁に関し、特に燃料を噴射する燃料噴射孔部の構造に関する。
内燃機関の燃料噴射弁(いわゆるインジェクタ)は、燃料噴射孔から噴射された燃料の霧化を促進するため、燃料噴射孔近傍に種々の特徴を備えたものが提案されている。
例えば、特許文献1に記載された従来技術では、先端ほど径が細くなるように形成されたテーパ状の燃料噴射孔を備え、燃料噴射孔と対向する位置に、燃料噴射孔の軸線に対して傾斜するとともに燃料噴射孔よりも充分大きな平坦面を有する衝突部材を設けた燃料噴射弁が提案されている。当該従来技術では、燃料噴射孔から噴射された燃料の全てを衝突部材の平坦面に衝突させて、衝突部材の傾斜に沿って膜状に広げることで、膜厚をより薄くして霧化を促進させている。
特開2003−184707号公報
特許文献1に記載された従来技術は、内燃機関のシリンダ内に直接燃料を噴射する直噴型のガソリン機関において好適に用いることができるものであり、圧縮工程中のシリンダ内に燃料を噴射できるように非常に高い圧力で燃料を噴射する場合に微粒化効果が高くなるものである。従って、内燃機関の吸気ポートに燃料を噴射する比較的低圧で燃料を噴射する燃料噴射弁では、微粒化効果が小さくなってしまう。また、衝突部材の衝突面が大きいため、膜状に広がるサイズが大きくなり過ぎて、狙った吸気ポートの方向に噴射することが困難であることに加えて、衝突面への付着燃料が多くなり、所望する燃料量を吸気ポートに供給できない可能性がある。
また、噴射された燃料の霧化を促進するには燃料を薄膜状にするべきであるが、燃料噴射孔の径(あるいは幅)を小さくしていくと、噴射時の抵抗が増加し、所望する燃料量を噴射できなくなる可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、比較的低圧で燃料を噴射する燃料噴射弁において、噴射された燃料を適切に薄膜状とすることが可能であり、噴射された燃料の霧化をより促進することが可能な内燃機関の燃料噴射弁を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの内燃機関の燃料噴射弁である。
請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射弁は、燃料が噴射される燃料噴射孔と、当該燃料噴射孔と対向するように配置された燃料衝突部材とを備え、前記燃料衝突部材が前記燃料噴射孔の出口部に近接して配置されている内燃機関の燃料噴射弁である。
そして、前記燃料衝突部材は、前記燃料噴射孔の外周側に支持された一方の端部から前記燃料噴射孔を横切る方向に他方の端部が突出しており、前記燃料噴射孔の軸線の方向から見た衝突面の幅が前記燃料噴射孔の径よりも小さい。
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの内燃機関の燃料噴射弁である。
請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射弁は、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、前記燃料衝突部材は、略板状の形状を有しており、前記他方の端部は、前記軸線の方向から見て前記燃料噴射孔内に位置しており、前記燃料衝突部材の衝突面が前記軸線に対して所定角度に傾斜して設けられている。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの内燃機関の燃料噴射弁である。
請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射弁は、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、前記燃料噴射孔は複数設けられており、それぞれの燃料噴射孔に対して前記燃料衝突部材が配置されている。
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの内燃機関の燃料噴射弁である。
請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射弁は、請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、前記燃料衝突部材は、薄板状のプレート部材に、前記衝突面を残すように前記燃料噴射孔の径以上の径の孔部を設け、前記衝突面が前記孔部の外周部から前記孔部を横切る方向に突出するように形成されている。
そして、前記プレート部材に設けられた孔部と前記燃料噴射孔とが一致するように、前記プレート部材が設けられている。
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの内燃機関の燃料噴射弁である。
請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射弁は、請求項3または4に記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、前記燃料噴射孔が複数設けられている場合、複数設けられた燃料噴射孔は、各燃料噴射孔から噴射された各々の燃料が互いに衝突しない間隔で設けられており、各燃料噴射孔に配置された各燃料衝突部材の長手方向が、前記軸線の方向から見て、燃料噴射弁の中心から外側を向くように配置されている。
また、本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの内燃機関の燃料噴射弁である。
請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射弁は、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、前記燃料噴射孔は、前記燃料噴射孔の軸線の方向と燃料噴射弁の軸方向とが同一方向となるように略円柱形状に形成されており、内径が一定である。
請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射弁を用いれば、燃料噴射孔から離れた位置に対して燃料噴射孔の直下では、噴射された燃料は液柱状であり、且つ運動エネルギも比較的大きいため、衝突面に衝突後、比較的強く引き伸ばされ、適切に薄膜状に形成され、効果的に霧化を促進することができる。
また、燃料噴射孔から液柱状に噴射された燃料について、微粒化しにくい液柱の中央部が衝突部材により周囲方向に引き伸ばされ、低燃圧に伴う低速による少ない運動エネルギであっても、適切に液柱状の燃料を薄膜状に形成することが可能になり、燃料の霧化をより促進することができる。
また、衝突面の幅を燃料噴射孔の径よりも小さくすることで、引き伸ばす必要がない液柱状燃料の外周部は衝突面に衝突させないため、少ない運動エネルギを有効に利用することができるとともに、衝突面に衝突した後の燃料が必要以上に広がらず、狙った方向に噴射することができる。
また、請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射弁によれば、衝突部材の先端を燃料噴射孔内に位置させることにより、薄膜を半円弧状に広がるように形成することが可能であり、噴霧が均一に分散するとともに、衝突面からの燃料の跳ね返りによる燃料噴射孔の出口周辺への付着燃料を低減することができる。
更に、衝突面の幅を燃料噴射孔の径よりも小さく、且つ傾斜させて設けることで、衝突部材への付着燃料をより低減することができる。
また、衝突部材の形状を略板状とすることで、衝突部材の構造をシンプルにすることができる。
また、請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射弁によれば、燃料圧力が一定の場合、薄膜状に形成された燃料の厚さは、ほぼ燃料噴射孔の径(燃料流量)に比例する。燃料噴射孔を多孔にすることで、所望する燃料量を確保するとともに、薄膜の厚さをより薄くすることが可能であり、霧化をより促進することができる。
また、多孔にすることで、空間に均一に噴霧を分散することができる。
また、請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射弁によれば、燃料衝突部材をプレート部材で構成することで、燃料噴射孔と衝突部材との位置合わせを容易にすることができる。
また、プレス工程による孔開け(孔部と燃料衝突部材の形成)と折り曲げ(燃料衝突部材の傾斜)にて燃料衝突部材を容易に実現することが可能である。
また、請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射弁によれば、燃料衝突部材によって形成された複数の薄膜状の噴霧が互いに干渉(接触)して、噴霧中の液滴が合体して噴霧粒径が大きくなる(噴霧微粒化が低下)ことを抑制することができる。
これにより、噴射された燃料の霧化をより促進することができる。
また、請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射弁によれば、燃料噴射孔を燃料噴射弁の軸方向に沿ったストレートポートとすることで、噴射される燃料の運動エネルギの損失を少なくして、燃料衝突部材への衝突による液膜形成及び噴霧微粒化を効果的に図ることができる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の内燃機関の燃料噴射弁10の一実施の形態における全体縦断面図を示している。
また、図2は燃料噴射弁10の弁体32、弁座34及び燃料噴射孔の周囲を主に表す拡大縦断面図(図1のT部の拡大図)である。
●[燃料噴射弁10の全体構造(図1、図2)]
図1に示すように、燃料噴射弁10(いわゆるインジェクタ)は、内部に燃料通路Pが形成されたパイプ状の筒体20と、筒体20内に組み付けられた弁機構30と、弁機構30を駆動するために筒体20の外周に装着された駆動機構40と、駆動機構40及び筒体20の両端以外の部分を覆うハウジング12とから構成されている。
筒体20は、先端側に外径寸法が大きく形成されたバルブボディ部22を備えており、そのバルブボディ部22に弁機構30の弁座34及び弁体32等が収納されている。バルブボディ部22の後方にはリング状の外部段差22dを介して比較的小径の筒本体部24が同軸に形成されており、その筒本体部24の後端に燃料配管(図示省略)と接続される燃料コネクタ部26が設けられている。
筒体20内に組み付けられている弁機構30は、弁座34と弁体32とを備えている。
弁座34は外形が略円柱形をしており、内部に弁体32が収納される略円柱形の凹部34eが同軸に形成されている。
図2に示すように、弁座34の凹部34eの先端側には、弁体32を軸J方向に案内する突起34kが円周方向に等間隔で複数個所に設けられており、各々の突起34kの間が燃料通路34xとなっている。
凹部34eの各突起34kよりもさらに先端側には、円錐台形をした弁座面34vが同軸に形成されている。そして、弁座面34vの中央に略平面円形の開孔34tが形成されている。弁座34は、筒体20のバルブボディ部22に対して先端側から圧入されて、そのバルブボディ部22に対して同軸に固定されている。
弁体32は略球形に形成されており、弁体32は弁座面34vに当接することで弁座34の開孔34tを閉鎖し、軸J方向に移動して弁座面34vから離れることでその開孔34tを開放する。即ち、弁体32が弁座面34vから離れて開孔34tが開放されることで燃料通路Pが開かれる。
また、図1に示すように、弁体32の基端部(開孔34tの反対側)は、可動鉄心38と一体化された円筒形の連結管39の先端に固定されている。
可動鉄心38は、磁性を有する金属材料によって略円筒形に形成されている。可動鉄心38は、筒体20の内側を内部段差24dに当接するまで同軸状態で摺動可能なように、その外径寸法が筒本体部24の先端部分24fの内径寸法に合わせて設定されている。
連結管39は、可動鉄心38と弁体32とを同軸状態で連結する管であり、同じく磁性を有する金属材料によって形成されている。連結管39の内部には燃料通路39tが形成されており、その燃料通路39tの先端側壁に長孔39hが形成されている。
この長孔39hによって連結管39の燃料通路39tと弁座34の凹部34e内の空間とが連通するようになる。
筒体22の筒本体部24の内側には、スプリング受け短管36が圧入により固定されている。そして、このスプリング受け短管36と可動鉄心38との間に圧縮スプリング37が圧縮状態で収納されている。このため、可動鉄心38は圧縮スプリング37の弾性力で先端側(図1では下側)に押圧されている。これによって、その可動鉄心38と連結管39によって連結された弁体32が圧縮スプリング37の弾性力で弁座34の弁座面34vに押し付けられ、開孔34tが閉じられる。
駆動機構40は、圧縮スプリング37の弾性力に抗して可動鉄心38、連結管39及び弁体32を弁座34から離す方向に駆動させる機構であり、筒体20の外周に組み付けられた円筒状のボビン42と、このボビン42の周りに巻き付けられた銅線からなるソレノイドコイル44とによって構成されている。
ボビン42の後端側には、ソレノイドコイル44に電力を供給する端子46が設けられており、この端子46に対して電力供給用のハーネス(図示省略)が接続される。
弁機構30の弁座34の下流側には、弁座34の開孔34tを外側から塞ぐように薄板状の第1プレート部材50と第2プレート部材60が固定されている。
第1プレート部材50には燃料噴射孔51が設けられており、第2プレート部材60には孔部61と燃料衝突部材62とが設けられている。
●[燃料噴射孔51と燃料衝突部材62の構造(図3、図4)]
次に、図3(A)及び(B)を用いて燃料噴射孔51と燃料衝突部材62の構造について説明する。図2における拡大断面図のS部をB方向から見てさらに拡大したものが図3(A)である。また、図3(A)のAA断面図が図3(B)である。
第1プレート部材50は、金属等で形成された厚さT1(本実施の形態では、0.2[mm]に設定した)の略円形の薄板状の部材であり、開孔34tを覆う領域に燃料噴射孔51を備え、弁座34に固定(例えば溶接)されている。
第2プレート部材60は、金属等で形成された厚さT2(本実施の形態では、0.05[mm]〜0.15[mm]に設定した)の略円形の薄板状の部材であり、第1プレート部材50に設けられた燃料噴射孔51に対応する位置に孔部61が形成されており、孔部61内には孔部61を横切るように燃料衝突部材62が設けられている。そして、第2プレート部材60は、孔部61が対応する燃料噴射孔51と一致するように第1プレート部材50に対して位置決めされて第1プレート部材50に対して燃料の出口側に固定(例えば溶接)されている。
図4(A)に示すように、第1プレート部材50には、径φdが一定の燃料噴射孔51が複数設けられている。なお、本実施の形態では燃料噴射孔51を複数設けた例を説明するが、燃料噴射孔51は1個以上設けられていればよい。
第2プレート部材60には、燃料噴射孔51と対向するように燃料衝突部材62が配置されている。なお、図3(B)に示すように、燃料衝突部材62における衝突面(燃料噴射孔51の側の面)は、燃料噴射孔51の軸線J1に対して所定角度(角度θ(本実施の形態では30度〜60度に設定し、特に45度で良好な結果が得られた))に傾斜するように設けられている。燃料衝突部材62は略板状の形状で、軸線J1の方向から見た衝突面の幅Wが、燃料噴射孔51の径φdよりも小さく形成されている。
以上の構成により、燃料噴射孔51から液柱状に噴射された燃料について、微粒化しにくい液柱の中央部が、燃料衝突部材62によって周囲方向に引き伸ばされ、適切に液柱状の燃料を薄膜に形成することができる。
また、燃料衝突部材62は、燃料噴射孔51の燃料出口側(下流側)に近接して配置されている。図2の例では燃料噴射孔51が設けられた第1プレート部材50と、燃料衝突部材62が設けられた第2プレート部材60とを重ね合わせている(燃料噴射孔51に対して燃料衝突部材62が干渉するように位置決めして重ね合わせている)。
また、燃料衝突部材62は、図3、及び図4(B)に示すように、第2プレート部材60に形成した孔部61の外周部から当該孔部61を横切る方向に突出するように形成されている。また、突出方向と反対側の端部(一方の端部に相当)を第2プレート部材60に一体的に残しており、片持ち式に支持している(図3参照)。
そして燃料衝突部材62において孔部61内に突出させた先端部62t(他方の端部に相当)が、燃料噴射孔51の軸線J1方向から見て、その燃料噴射孔51内に位置している。すなわち、図3(B)に示すように、燃料衝突部材62における燃料噴射孔51内の径方向の突出長さSは、燃料噴射孔51の径φdよりも小さい。
燃料衝突部材62の先端部62tを燃料噴射孔51内に位置させることにより、図5に示すように燃料の薄膜を半円弧状に広がるように形成することができる。
●[燃料衝突部材62の幅Wの効果と突出長さSの効果(図6〜図8)]
次に、燃料噴射孔51の径φdを0.2[mm]に設定した場合において、燃料衝突部材62の幅W(図3を参照)の効果、及び突出長さS(図3を参照)の効果について説明する。
図6(A)及び(B)は、燃料衝突部材62の突出長さSがどちらも0.15[mm]であり、図6(A)は幅W=0.20[mm]に設定した場合、図6(B)は幅W=0.15[mm]に設定した場合における、噴射された燃料の状態を示している。
図6(A)に示すように、燃料衝突部材62の幅Wが燃料噴射孔51の径φd(この場合、0.2[mm])と等しい場合、燃料衝突部材62に衝突して跳ね返って第1プレート部材50及び第2プレート部材60に付着する燃料が比較的多く、好ましくない。
これに対して、幅W=0.15[mm]に設定(燃料噴射孔51の径φdよりも小さく設定)した図6(B)では、燃料衝突部材62に衝突して跳ね返って第1プレート部材50及び第2プレート部材60に付着する燃料が非常に少なく、良好な結果を得ることができた。
また、図7(A)及び(B)は、燃料衝突部材62の幅Wがどちらも0.15[mm]であり、図7(A)は突出長さS=0.20[mm]に設定した場合、図7(B)は突出長さS=0.15[mm]に設定した場合における、噴射された燃料の状態(気化した燃料を除く液体状態の燃料の概略形状)を示している。
図7(A)に示すように、燃料衝突部材62の突出長さSが燃料噴射孔51の径φd(この場合、0.2[mm])と等しい場合、燃料衝突部材62に衝突して跳ね返って第1プレート部材50及び第2プレート部材60に付着する燃料が比較的多くなり、好ましくない。
これに対して、突出長さS=0.15[mm]に設定(燃料噴射孔51の径φdよりも小さく設定)した図7(B)では、燃料衝突部材62に衝突して跳ね返って第1プレート部材50及び第2プレート部材60に付着する燃料が非常に少なく、良好な結果を得ることができた。
次に、図8(A)〜(C)を用いて、燃料噴射孔51から噴射された燃料の液膜の厚さ及び断面形状(燃料噴射孔51の軸線J1に垂直な断面)について説明する。図8(A)〜(C)は、いずれも燃料噴射孔51(0.2[mm]に設定)から0.5[mm]離れた位置における断面形状を示している。なお、断面形状の輪郭部では気体と液体が交じり合っており、図8では液体がその空間に50体積%存在している界面を断面形状の輪郭として表している。
図8(A)は、燃料衝突部材62を設けない場合の結果であり、1枚プレートでの噴霧の方向性確保および微粒化向上のために燃料噴射孔51を斜め孔とし、かつ燃料噴射孔51の形状を出口になるに従い末広がりの形状とした。寸法Aで示される部位では噴射された燃料は0.162[mm](100%の液相状態として算出した)の液膜を有している。液膜の厚さと液膜から分裂する噴霧粒径の大きさはほぼ比例する関係となり、図8(A)の燃料の液膜厚さは図8(B)及び(C)に示す結果の薄膜の厚さよりも大きいため噴霧粒径も大きく、燃料は霧化しにくいことが推定される。
これに対して図8(B)は、突出長さS=0.15[mm]、幅W=0.05[mm]の燃料衝突部材62を設定した場合の断面形状を示している。液膜は馬蹄状(この形状も半円弧状に属する)に広がり、寸法Bで示される部位では0.020[mm]、寸法B´で示される部位では0.035[mm]の液膜を有している。よって図8(A)に示す液膜よりも液膜の厚さが薄いので、図8(A)よりも、より霧化し易い良好な結果を得ることができる。
更に、図8(C)は、突出長さS=0.15[mm]、幅W=0.15[mm]の燃料衝突部材62を設定した場合の断面形状を示している。液膜は図8(B)の状態よりも更に広がった半円弧状となり、寸法Cで示される部位では0.028[mm]の液膜を有している。こちらも図8(A)よりも霧化し易い良好な結果を得ることができる。
●[複数の燃料噴射孔51の適切な配置(図4、図9)]
次に、図4及び図9を用いて燃料噴射孔51の配置の例と、噴射された燃料の形状の例について説明する。
図4(A)は第1プレート部材50を燃料噴射弁10の軸Jの方向から見た図であり、図4(B)は第2プレート部材60を燃料噴射弁10の軸Jの方向から見た図であり、図4(C)は第2プレート部材60に第1プレート部材50を重ねた図(燃料噴射孔51と燃料衝突部材62の位置を合わせて重ねた図)である。各燃料噴射孔51に対してそれぞれに燃料衝突部材62が位置するように、各燃料噴射孔51と各燃料衝突部材62とが一致するように第1プレート部材50と第2プレート部材60とを重ね合わせる。
燃料噴射孔51を複数設けることで、噴射された燃料の液膜を薄くするとともに、所望する燃料量を確保することができる。なお、必要以上に燃料噴射孔51の径を小さくすると噴射時の抵抗が増加し、所望する燃料量を確保できなくなるため、好ましくない。例えば、本実施の形態では、燃料噴射孔51の径φdは0.2[mm]としている。
図4(B)及び図3に示すように、第2プレート部材60には、燃料衝突部材62の衝突面を残すように燃料噴射孔51の径φd以上の幅Wxを有する孔部61を設け、燃料衝突部材62の衝突面が孔部61の外周部から当該孔部61を横切る方向に突出するように形成されている。
プレス工程にて、第2プレート部材60の打ち抜きと、孔部61の打ち抜きと、燃料衝突部材62に傾斜角θ(図3(B)参照)を与えることで、燃料衝突部材62を備えた第2プレート部材60を実現することができる。
なお、図4に示すように、燃料噴射孔51が複数設けられている場合、複数設けられた燃料噴射孔51は、各燃料噴射孔51から噴射された各々の燃料が互いに衝突(接触)しない間隔で設けられている。
また、各燃料噴射孔51に配置された燃料衝突部材62の長手方向が、軸線J1の方向から見て、燃料噴射弁10の中心(軸J)から外側を向くように配置されている。
なお、図4に示す例は、当該燃料噴射弁10から噴霧する方向に対して左右に分かれる吸気ポートへの噴霧を目的とした燃料噴射孔51の配置の例を示している。中心Jの右側に位置する6個の燃料噴射孔51にて右側の吸気ポートに向けて噴霧し、中心Jの左側に位置する6個の燃料噴射孔51にて左側の吸気ポートに向けて噴霧する。
従って、燃料噴射弁10の第1プレート部材50と第2プレート部材60を吸気ポートの数や方向に合わせて用意すれば、種々の吸気ポートに対応する燃料噴射弁10を容易に構成することができるので便利である。
なお、燃料衝突部材62における先端部62tの反対側の支持部(第2プレート部材60との接続部)が、燃料噴射弁10を車両等に組み付けた場合に、先端部62tよりも支持部が上となるようにすると、付着燃料が溜まることを抑制することができるため、より好ましい。
図9は、図4(C)に示す第1プレート部材50及び第2プレート部材60を通過した燃料において、燃料噴射孔51に最も近い平面A、燃料噴射孔51から最も遠い平面C、平面Aと平面Cの間に位置する平面Bによる、半円弧状に広がった燃料の断面図を示している。なお、平面A〜平面Cは、いずれも第1プレート部材50と平行である。
燃料噴射孔51の位置、及び燃料衝突部材62の長手方向の向きを適切に設定することで、各燃料噴射孔51から噴射された各々の燃料が互いに衝突(接触)しないようにすることができる。
●[燃料衝突部材62の他の形状の例(図10)]
以上の実施の形態の説明では、燃料衝突部材62は、略板状の形状で、燃料噴射孔51の軸線J1に対して所定角度θに傾斜したものについて説明したが、図10の例に示す燃料衝突部材62の形状にしてもよい。
図10に示す燃料衝突部材62(の衝突面)は、燃料噴射孔51の軸線J1に傾斜することなく直交しており、燃料噴射孔51の出口部に近接して設けられている(所定距離T3だけ離れた位置に配置されている)。
また、形状も略板状に限定されず、棒状やかまぼこ状等、種々の形状を用いることができる。もちろん、図3等の例に示した上記の実施の形態においても、燃料衝突部材62の形状は、略板状に限定されず、棒状やかまぼこ状等、種々の形状を用いることができる。
本発明の内燃機関の燃料噴射弁10は、本実施の形態で説明した外観、構造、形状、寸法等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、燃料噴射孔51の配置や数、燃料衝突部材62の先端部62tの方向等は、図4に限定されるものではない。
本発明の内燃機関の燃料噴射弁10の一実施の形態における全体縦断面図である。 燃料噴射弁10の弁体32、弁座34及び燃料噴射孔51の周囲を表す拡大縦断面図である。 燃料噴射孔51と燃料衝突部材62の拡大断面図である。 燃料噴射孔51が形成された第1プレート部材50、燃料衝突部材62が形成された第2プレート部材60を説明する図である。 燃料噴射孔51から噴射されて燃料衝突部材62に衝突した後の燃料が半円弧状の薄膜に広がる様子を説明する図である。 燃料衝突部材62の幅Wの効果を説明する図である。 燃料衝突部材62の突出長さSの効果を説明する図である。 燃料衝突部材62の幅Wによる、噴射された燃料の広がり形状(半円弧状)を説明する図である。 複数の燃料噴射孔51を設けて各々の燃料が互いに衝突(接触)しない様子を説明する図である。 燃料衝突部材62の他の形状の例を説明する図である。
符号の説明
10 燃料噴射弁
12 ハウジング
20 筒体
22 バルブボディ部
24 筒本体部
26 燃料コネクタ部
30 弁機構
32 弁体
34 弁座
34v 弁座面
34x 燃料通路
34t 開孔
36 短管
37 圧縮スプリング
38 可動鉄心
39 連結管
39t 燃料通路
40 駆動機構
42 ボビン
44 ソレノイドコイル
50 第1プレート部材
51 燃料噴射孔
60 第2プレート部材
61 孔部
62 燃料衝突部材
62t 先端部

Claims (6)

  1. 燃料が噴射される燃料噴射孔と、当該燃料噴射孔と対向するように配置された燃料衝突部材とを備え、前記燃料衝突部材が前記燃料噴射孔の出口部に近接して配置されている内燃機関の燃料噴射弁であって、
    前記燃料衝突部材は、前記燃料噴射孔の外周側に支持された一方の端部から前記燃料噴射孔を横切る方向に他方の端部が突出しており、前記燃料噴射孔の軸線の方向から見た衝突面の幅が前記燃料噴射孔の径よりも小さい、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、
    前記燃料衝突部材は、略板状の形状を有しており、前記他方の端部は、前記軸線の方向から見て前記燃料噴射孔内に位置しており、前記燃料衝突部材の衝突面が前記軸線に対して所定角度に傾斜して設けられている、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射弁。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、
    前記燃料噴射孔は複数設けられており、それぞれの燃料噴射孔に対して前記燃料衝突部材が配置されている、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射弁。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、
    前記燃料衝突部材は、薄板状のプレート部材に、前記衝突面を残すように前記燃料噴射孔の径以上の径の孔部を設け、前記衝突面が前記孔部の外周部から前記孔部を横切る方向に突出するように形成されており、
    前記プレート部材に設けられた孔部と前記燃料噴射孔とが一致するように、前記プレート部材が設けられている、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射弁。
  5. 請求項3または4に記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、
    前記燃料噴射孔が複数設けられている場合、
    複数設けられた燃料噴射孔は、各燃料噴射孔から噴射された各々の燃料が互いに衝突しない間隔で設けられており、
    各燃料噴射孔に配置された各燃料衝突部材の長手方向が、前記軸線の方向から見て、燃料噴射弁の中心から外側を向くように配置されている、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射弁。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射弁であって、
    前記燃料噴射孔は、前記燃料噴射孔の軸線の方向と燃料噴射弁の軸方向とが同一方向となるように略円柱形状に形成されており、内径が一定である、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射弁。

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