JP6287978B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー像を用紙に定着させる定着装置の温度を検知するためのサーミスターを含む画像形成装置に関する。
プリンター、複合機、複写機、ファクシミリ装置のような画像形成装置には、トナーを用いて印刷を行うものがある。このような画像形成装置には、用紙に転写されたトナー像を加圧、加熱して定着させる定着装置が設けられる。定着装置は、ヒーターにより熱せられ、トナー像がのせられた用紙を加熱する加熱回転体を含む。印刷時、加熱回転体を定着に適した温度で維持する必要がある。また、加熱回転体の過昇温を防ぐ必要がある。そこで、サーミスターを用いて加熱回転体の温度を検知することがある。このようなサーミスターを用いて温度検知を行う画像形成装置の一例が特許文献1に記載されている。
具体的に、特許文献1には、ヒーターで装置部品(定着ローラ183)を加熱し、サーミスターが装置部品の温度に応じた出力を行い、ファンでヒーターを冷却し、サーミスターの断線を検知し、装置の立ち上げ完了後に、サーミスターの断線が検知されたとき不揮発性メモリにサーミスターの断線情報を記憶させ、装置の電源投入時、不揮発性メモリにサーミスターの断線情報が記憶されているとき、ファンを第1の所定時間駆動させた後、第2の所定時間の間、所定のデューティ比でヒーターに電力を供給しながらサーミスターの断線を検知する自己診断が行われ、自己診断時にサーミスターの断線が検知されない場合には、制御手段が装置の立ち上げ動作に移行させる画像形成装置が記載されている。この構成により、装置電源の再投入時、ヒーター及びヒーターにより加熱される部材が異常に高温にならないようにする(特許文献1:請求項1、段落[0011])。
特開2007−25010号公報
従来、サーミスターを用いて定着装置の温度を検知することが行われている。このような従来回路の一例を図11に示す。図11は、サーミスター1000を用いた従来の温度検知用回路の一例を示す図である。
1つの温度検知の対象(位置)に対し、1つのサーミスター1000が設けられる。図11の例では、1つのサーミスター1000の一端に固定抵抗2000が接続され、他端は、例えば、グランドに接続される。また、固定抵抗2000の他端には電源が接続される。そして、固定抵抗2000とサーミスター1000の間の電圧がCPUのAD変換ポートに入力される。また、従来、1つのサーミスター1000に対し、1つのAD変換ポートが用いられている。図11では、2つのサーミスター1000に対し、2つのAD変換ポートが用意される例を示している。
サーミスターは温度に応じて抵抗値が変化する特性を有する。電源電圧が一定のとき、CPUのAD変換ポートに入力される(サーミスターに印加される電圧)は温度に応じた値となる。CPUはAD変換ポートに入力された電圧の大きさを、AD変換回路を用いて認識する。そして、CPUは、認識した電圧の大きさ対応する温度を、温度検知の対象(位置)の温度と検知する。図11に示すような、サーミスター1000と固定抵抗2000の直列回路3000が温度センサーとして設けられる。
サーミスターと固定抵抗の直列回路を温度センサーとして設けた場合、サーミスター(直列回路)に断線のような異常が生じていると温度検知ができないため、断線が生じているか否かを検知することがある。特許文献1にあるように、ヒーターに通電を行って検知対象の温度を上昇させ、ヒーター通電後のAD変換ポートへの入力電圧値(AD変換された電圧値)と断線検知用閾値と比較することにより、断線の有無の検知がなされる。断線が生じている場合、検知される温度がほぼ変化しない。
このような断線検知時にヒーターに通電する理由の1つは、印刷時に維持すべき加熱回転体の温度帯での温度検知の感度を高めるため、温度上昇とともに抵抗値が低くなるサーミスターが用いる場合があるためである。このようなサーミスターを用いた場合、低温時の抵抗値が高いため、断線発生時に認識される電圧値と、加熱回転体が室温程度のような低温時に認識される電圧値の差が少なく、断線が生じているか否かを正確に判断し難い。そこで、断線検知時にヒーターに通電し、加熱回転体をある程度暖め、サーミスターの抵抗値をある程度小さくしてから(検知対象の温度を室温よりも高くしてから)、断線が生じているか否かを電圧値や検知された温度に基づき判断する。
主電源の投入時のような所定のタイミングで断線検知は行われる。リセット的な電源のON/OFFのような加熱回転体が温まった状態での主電源ONが行われたとき、暖められた加熱回転体は断線検知のためヒーターによって更に加熱される。そのため、従来の画像形成装置では、断線検知の過程で処理の1つとしてなされるヒーターへの通電によって、加熱回転体の温度が上昇しすぎるおそれがあるという問題がある。特に、近年では、主電源ONから印刷できる状態となるまでの待ち時間を減らすため、ヒーターON時の加熱回転体の昇温速度を高める改良が進められている。断線検知時のヒーターへの通電による加熱回転体の過昇温発生には十分に配慮する必要がある。
特許文献1記載の技術では、断線検知のとき、第1の所定時間、冷却ファンを駆動させてヒーターを冷却してから所定のデューティ比でヒーターに電力を供給しながらサーミスターの断線を検知する。しかし、断線検知時のヒーターに通電するので、過昇温発生の危険は存在する。また、第1の所定時間を長くし、所定のデューティ比を小さくすることで加熱回転体の過昇温が生じないようにすることはできる。しかし、過昇温を確実に防ぐには、第1の所定時間を長くし、所定のデューティ比をかなり下げる必要があり、断線検知に要する時間は長くなる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、複数のサーミスターを設置するとき、AD変換ポートの使用数を抑えつつ、ヒーターに通電することなく各サーミスターに断線があるか否かを検知する。
上記の課題を解決するため、本願に係る画像形成装置は、加熱回転体、ヒーター、複数のサーミスター、電源回路部、制御回路、を含む。前記加熱回転体は、用紙に転写されたトナー像を加熱して定着させる。前記ヒーターは、前記加熱回転体を熱する。複数の前記サーミスターは、温度を検知するために設けられる。前記電源回路部は、センサー電源と、一端が前記センサー電源に接続される抵抗を含む。前記制御回路は、AD変換回路を内蔵し、入力されるアナログ電圧値の大きさを前記AD変換回路により認識するために用いられるAD変換ポートと出力ポートの何れかに切り替えが可能なAD/出力ポートと、入力ポートと出力ポートの何れかに切り替え可能な複数の汎用ポートを含む。前記AD/出力ポートは、前記抵抗の他端に接続される。それぞれの前記サーミスターは、一端が前記AD/出力ポートと前記抵抗の接続点に対して並列に接続され、他端がそれぞれ別の前記汎用ポートに接続される。そして、前記サーミスターの断線検知を行うとき、前記制御回路は、前記AD/出力ポートを出力ポートに設定し、前記サーミスターが接続されたそれぞれの前記汎用ポートを入力ポートに設定し、前記AD/出力ポートの出力レベルを変化させ、前記サーミスターが接続されたそれぞれの前記汎用ポートに入力される電圧レベルが、前記AD/出力ポートの出力レベルがHighのときHighとなり、前記AD/出力ポートの出力レベルがLowのときLowとなるかを確認し、入力される電圧レベルが前記AD/出力ポートの出力レベルと一致しない前記汎用ポートに接続された前記サーミスターを断線が生じたサーミスターと判定する。
実施形態に係るプリンターの一例を示す図である。 実施形態に係る定着装置の一例を示す図である。 実施形態に係るサーミスターの設置位置の一例を示す図である。 実施形態に係るプリンターでの温度制御を説明するための図である。 実施形態に係るプリンターでの定着装置の温度検知を行う部分の一例を示す図である。 実施形態に係るプリンターでの加熱ローラーの温度検知の流れの一例を示すフローチャートである。 温度検知時のAD/出力ポート、各汎用ポートの状態の一例を示す図である。 各サーミスターの断線検知の流れの一例を示すフローチャートである。 断線検知時のAD/出力ポート、各汎用ポートの状態の一例を示す図である。 断線検知の真理値表である。 サーミスターを用いた従来の温度検知用回路の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図10を用いて説明する。以下の説明では、本発明に係る画像形成装置として、プリンター100を例に挙げて説明する。但し、各実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(プリンター100)
図1、図2を用い、実施形態に係るプリンター100を説明する。図1は、実施形態に係るプリンター100の一例を示す図である。
プリンター100は、主制御部1と記憶部2(メモリーに相当)を含む。また、プリンター100は、操作パネル3を含む。また、プリンター100は、印刷部4と、印刷部4の動作を実際に操作するエンジン制御部5が設けられる。
主制御部1は、CPU11、画像処理部12のような回路を含み、プリンター100の動作を制御する。記憶部2は、ROM、HDDのような不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置を組み合わせである。記憶部2は、制御用の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データのようなデータを記憶する。CPU11は、記憶部2に記憶されるプログラム、データに基づきプリンター100の各部の制御や、各種の演算処理を行う。画像処理部12は、濃度変換、拡大、縮小、回転、データ形式変換のような印刷や送信に用いる画像データへの画像処理を施す。処理後の画像データは、画像形成部4cでのトナー像形成や、送信に用いられる。
また、図1に示すように、本実施形態のプリンター100は、操作パネル3を含む。操作パネル3は、プリンター100の状態、各種メッセージ、各種設定画面を表示する表示パネルや使用者の操作を検知するためのタッチパネル部を含む。操作パネル3に設定用のハードキーが設けられてもよい。主制御部1は、表示パネルの表示を制御する。また、主制御部1は、タッチパネル部への操作やハードキーへの操作に基づき、操作された画像(ソフトキー、ボタン、タブ、チェックボックスのような画像)を認識する。そして、主制御部1は、操作に応じて表示パネルの表示を切り替えさせる。また、主制御部1は、使用者の設定どおりに動作するように、印刷部4、通信部13のようなプリンター100の各部分の動作を制御する。
印刷部4(給紙部4a、搬送部4b、画像形成部4c、定着装置4d)は、トナーを用いて画像データに基づき用紙に印刷を行う。給紙部4aは、複数の用紙を収容する。印刷ジョブのとき、給紙部4aは用紙を1枚ずつ搬送部4bに送り込む。搬送部4bは、給紙部4aから供給された用紙を搬送する。画像形成部4cは、画像データに基づきトナー像を形成し、用紙に転写する。定着装置4dは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。トナー定着後の用紙は、機外に排出される。
印刷部4の動作を制御するため、エンジン制御部5が設けられる。エンジン制御部5は、制御、演算用の素子としてエンジンCPU6(制御回路に相当)を含む。また、印刷部4を制御するためのデータやプログラムを記憶するエンジンメモリー51(メモリーに相当)が設けられる。エンジンCPU6aは、信号の送受信や、エンジンメモリー51の記憶内容を用いて、主制御部1の指示に基づき印刷部4の動作制御を行う。
また、プリンター100は、通信部13を含む。通信部13は、各種コネクタ、ソケット74、通信制御用のチップを備える。通信部13は、ネットワークや公衆回線やケーブルを介し、PCやサーバーのようなコンピューター200と通信可能に接続される。通信部13は、コンピューター200から画像データや印刷設定に関するデータを含む印刷用データを受信する。印刷用データは、コンピューター200にインストールされたプリンター100のドライバーソフトウェアの処理によって生成される。主制御部1は、印刷用データに基づく印刷をエンジン制御部5、印刷部4に行わせる。
(定着装置4d)
次に、図2、図3を用いて、実施形態に係る定着装置4dを説明する。図2は、実施形態に係る定着装置4dの一例を示す図である。図3は、実施形態に係るサーミスター7の設置位置の一例を示す図である。
プリンター100の印刷部4に定着装置4dが含まれる。図2に示すように、定着装置4dは、ヒーター41を含む。また、定着装置4dは、ヒーター41により熱せられ、用紙に転写されたトナー像を加熱するための加熱ローラー42(加熱回転体に相当)と、これに圧接される加圧ローラー43を含む。また、加熱ローラー42と加圧ローラー43は軸線方向が平行となるように、回転可能に支持される。加熱ローラー42と加圧ローラー43の圧接により、定着ニップNが生成される。定着ニップNをトナー像が転写された用紙が通過する。加熱ローラー42による加熱と、加圧ローラー43による加圧によって、トナー像が用紙に定着する。
加熱ローラー42の周面は金属製(アルミや鉄製)であり、筒状やスリーブ状である。ヒーター41は、加熱ローラー42に内蔵される。本実施形態のプリンター100ではハロゲンヒーターが用いられる。しかし、IHヒーターのような他種の熱源がヒーター41として用いられてもよい。一方、加圧ローラー43の周面は、加熱ローラー42の形状に応じ変形する弾性層である。弾性層はシリコンスポンジのような樹脂製である。
本実施形態のプリンター100では、用紙の主走査方向(搬送方向と垂直な方向)の中央と、加熱ローラー42の軸線の中央が一致するように、用紙が搬送される。印刷のとき、加熱ローラー42のうち、用紙と接する部分の温度が定着に適した温度(定着制御温度。170°C〜200°C程度)で維持されるように、ヒーター41で加熱ローラー42を熱する必要がある。そのため、本実施形態のプリンター100では、加熱ローラー42の中央位置の温度が検知される。また、印刷に用いる用紙のサイズによっては、加熱ローラー42の両端部分に用紙が接さず、両端部分の温度が上昇しすぎる場合がある。そのため、本実施形態のプリンター100では加熱ローラー42の両端部分の温度も検知する。
加熱ローラー42の複数箇所(中央及び両端)の温度を検知するため、サーミスター7が複数設けられる。図3に示すように、本実施形態の定着装置4dでは、少なくとも、加熱ローラー42の中央部分の温度を検知するための第1サーミスター71と、加熱ローラー42の一方の端の部分の温度を検知するための第2サーミスター72と、加熱ローラー42の他方の端の部分の温度を検知するための第3サーミスター73が設けられる。第1サーミスター71、第2サーミスター72、第3サーミスター73には同じ仕様のもの(同じ特性のもの)を用いればよい。そして、各サーミスター71、72、73には、温度が高いほど抵抗値が小さくなり、温度が低いほど抵抗値が大きくなるタイプのものが用いられる。なお、サーミスター7の設置数は3つに限られず、4つ以上であってもよい。
図2に示すように、用紙の進入位置の近傍に各サーミスター71、72、73を設置することができる。各サーミスター71、72、73は、加熱ローラー42に接触する。尚、非接触式のサーミスター7を用いてもよい。
(定着装置4dの温度制御)
次に、図4を用いて、定着装置4dでの温度制御を説明する。図4は、実施形態に係るプリンター100での温度制御を説明するための図である。
エンジン制御部5(エンジンCPU6)は、ヒーター41への通電(ヒーター41の出力)を制御する。上述のように、本実施形態の定着装置4dには、加熱ローラー42に対し、3つのサーミスター7が設けられる(図3参照)。エンジン制御部5(エンジンCPU6)は、各サーミスター71、72、73からの出力に基づき、加熱ローラー42の中央と端部分の温度を認識する(詳細は後述)。
又、エンジン制御部5(エンジンCPU6)は、加熱ローラー42と加圧ローラー43を回転させる定着モーター44の動作を制御する。印刷時や起動時のようなヒーター41に通電して加熱ローラー42を熱するとき、エンジン制御部5は、定着モーター44を回転させる。定着モーター44の駆動は、加熱ローラー42と加圧ローラー43の何れかに伝達される。加熱ローラー42と加圧ローラー43は圧接されているので、加熱ローラー42と加圧ローラー43の一方を回転させると両方が回転する。
プリンター100の主電源ONや、省電力モードから通常モードに復帰したとき、エンジン制御部5は、定着ウォームアップ処理を行う。定着ウォームアップ処理は、加熱ローラー42と加圧ローラー43を回転させつつ、ヒーター41に通電を行い、冷めた加熱ローラー42の温度を予め定められた定着制御温度(トナー像の定着に適する温度として予め定められた温度)にまで上昇させる処理である。エンジン制御部5は、ヒーター41に通電を行い、各サーミスター71、72、73の出力に基づき、加熱ローラー42の温度を認識しつつ、加熱ローラー42の中央と端部のいずれも定着制御温度を越えたかを認識する。
印刷中や、省電力モードに移行する前の通常モードでは、エンジン制御部5は、加熱ローラー42の温度を定着制御温度で維持する温度維持制御を行う。温度維持制御の間、エンジン制御部5は、各サーミスター71、72、73の出力に基づき周期的に、加熱ローラー42の中央と端部の温度を確認する。そして、エンジン制御部5は、加熱ローラー42の中央と端部の何れか又は、複数の温度が定着制御温度以下になったとき、ヒーター41に通電を行い、定着制御温度を上回ったときヒーター41への通電を停止させる。
(温度検知のための部分)
次に、図5を用いて、実施形態に係るプリンター100での温度検知のための部分を説明する。図5は、実施形態に係るプリンター100での定着装置4dの温度検知を行う部分の一例を示す図である。
図11を用いて説明したように、従来、画像形成装置では、温度検知対象に接触させて又は近づけて対して設けたサーミスター1000と抵抗2000の直列回路3000を設け、サーミスター1000と抵抗2000の間の電圧の大きさに基づき、検知対象の温度を検知している。これは、温度によってサーミスター1000の抵抗値が変化し、サーミスター1000と抵抗2000の分圧比が検知対象の温度によって変化することを利用したものである。
この従来の手法では、サーミスター1000と抵抗2000の直列回路3000に対して、1つのAD変換ポート(AD変換回路)が必要となっている。サーミスター7の設置個数が多いとき、AD変換ポート(CPU内のAD変換回路)の数が多い高価なCPUを採用する必要があり、画像形成装置の製造コストを減らせない一因となっている。また、必要なAD変換ポートの個数との関係で、選択できるCPUが限られてしまう場合があった。また、必要なAD変換ポートの個数との関係で、プリンターに必要以上な高性能なCPUを採用しなくてはならない可能性もある。
そこで、本実施形態のプリンター100は、1つのAD変換ポートだけで複数のサーミスター7の出力に基づき、それぞれのサーミスター7の検知対象(少なくとも、加熱ローラー42の中央と両端部)の温度を検知する。
まず、図5に示すように、プリンター100は、センサー電源Vccと一端がセンサー電源Vccと接続されるプルアップ抵抗R1からなる電源回路部70を含む。センサー電源Vccは、サーミスター7に電圧を印加するための電源である。
また、エンジンCPU6(制御回路に相当)は、加熱ローラー42の温度検知のため、AD変換回路61を内蔵する。エンジンCPU6の内部には、エンジンCPU6に含まれる回路、部分を制御するための制御ユニット60が含まれる。
また、エンジンCPU6は、複数のポート(入出力端子)を有する(図5参照、図5では、一部のポートのみ図示)。具体的に、エンジンCPU6は、少なくとも1つのAD/出力ポート8と、入力ポートと出力ポートが切り替え可能な複数の汎用ポート9を含む(図5参照)。制御ユニット60は、汎用ポート9を入力ポートと出力ポートの何れかに設定する。
AD/出力ポート8は、出力ポートと、AD変換ポートの切り替えが可能なポートである。エンジンCPU6の制御ユニット60は、AD/出力ポート8をAD変換ポートと出力ポートの何れかに設定する。入力されるアナログ電圧値の大きさをAD変換回路61により認識するとき、AD/出力ポート8は、AD変換ポートに設定される。言い換えると、AD変換回路61によってサーミスター7の出力(サーミスター7とプルアップ抵抗R1の間の電圧)の大きさを認識し、サーミスター7の検知対象の温度を検知するとき、AD/出力ポート8は、AD変換ポートに設定される。
制御ユニット60は、AD/出力ポート8をAD変換ポートに設定したとき、内部スイッチ(不図示)によって、AD/出力ポート8とAD変換回路61を繋ぐ信号線を接続する。そして、制御ユニット60は、AD/出力ポート8に入力された電圧をAD変換回路61にAD変換させる。これにより、AD/出力ポート8に入力された電圧のディジタル値が得られる。
制御ユニット60は、出力ポートに設定されたポートに、Highレベル又はLowレベルを出力させる。例えば、Highレベルを出力するとき、制御ユニット60は、そのポートをエンジンCPU6の電源入力端子に接続する。また、Lowレベルを出力するとき、制御ユニット60は、そのポートをエンジンCPU6内のグランドに接続する。
また、制御ユニット60は、入力ポートに設定されたポートをハイインピーダンス状態とする。また、制御ユニット60は、入力ポートに入力される電圧値が閾値以下のとき、入力ポートに入力される信号がLowであると判断し、閾値を超えているとき、入力ポートに入力される信号がHighであると判断する。
そして、AD/出力ポート8は、プルアップ抵抗R1の他端に接続される。言い換えると、AD/出力ポート8は、プルアップ抵抗R1と各サーミスター71、72、73の間に接続される。
そして、各サーミスター71、72、73は、一端がAD/出力ポート8とプルアップ抵抗R1の接続点P1に対して並列に接続される。そして、各サーミスター71、72、73の他端が汎用ポート9に接続される。以下の説明では、第1サーミスター71の他端に接続される汎用ポート9を「第1汎用ポート91」と称する。また、第2サーミスター72の他端に接続される汎用ポート9を「第2汎用ポート92」と称する。また、第3サーミスター73の他端に接続される汎用ポート9を「第3汎用ポート93」と称する。
各サーミスター71、72、73の端部にソケット74が設けられる。プリンター100の本体側にもソケット101が設けられる。第1サーミスター71のソケット74はプリンター本体側の第1サーミスター71用のソケット101に差し込まれる。これにより、第1サーミスター71の一端がAD/出力ポート8とプルアップ抵抗R1の接続点P1に接続され、第1サーミスター71の他端が第1汎用ポート91に接続される。第2サーミスター72のソケット74はプリンター本体側の第2サーミスター72用のソケット101に差し込まれる。これにより、第2サーミスター72の一端がAD/出力ポート8とプルアップ抵抗R1の接続点P1に接続され、第2サーミスター72の他端が第2汎用ポート92に接続される。第3サーミスター73のソケット74はプリンター本体側の第3サーミスター73用のソケット101に差し込まれる。これにより、第3サーミスター73の一端がAD/出力ポート8とプルアップ抵抗R1の接続点P1に接続され、第3サーミスター73の他端が第3汎用ポート93に接続される。
(各検知位置の温度検知)
次に、図6、図7を用いて、実施形態に係るプリンター100での温度検知の流れを説明する。図6は、実施形態に係るプリンター100での加熱ローラー42の温度検知の流れの一例を示すフローチャートである。図7は、温度検知時のAD/出力ポート8、各汎用ポート9の状態の一例を示す図である。
記憶部2とエンジンメモリー51の両方又は何れか一方は、AD/出力ポート8への入力電圧の大きさ(入力電圧のディジタル値)に対応する温度を求めるための温度検知用データD1を記憶する(図1参照)。
温度検知用データD1は、AD/出力ポート8(AD変換ポート)への入力電圧の大きさに対応する温度を定義したデータテーブルである。サーミスター7の温度−抵抗値特性表や実測に基づき、所定の温度間隔ごとに、サーミスター7の抵抗値の範囲を求め、それぞれの温度間隔に対応するディジタル値(入力アナログ電圧の大きさ)の範囲を算出しておく。その算出結果が温度検知用データD1に利用される。エンジンCPU6は、温度検知用データD1と、AD/出力ポート8に入力されアナログ電圧の大きさ(AD変換回路61が入力アナログ電圧を変換したディジタル値)に基づき、各サーミスター71、72、73の検知対象の温度を検知(認識)する。
次に、温度検知時の流れについて説明する。図6のスタートは、加熱ローラー42の各部の温度検知の開始時である。温度検知は、予め定められたタイミングで実行される。加熱ローラー42の各部の温度検知を、印刷開始前に行うことができる。また、印刷中、周期的に行うこともできる。また、主電源投入時や省電力モードからの復帰時に行うこともできる。予め定められた温度検知タイミングに到ると、図6のフローが開始される。
まず、エンジンCPU6(制御ユニット60)は、AD/出力ポート8をAD変換ポートに設定する(ステップ♯11)。そして、制御ユニット60は、サーミスター7に接続された汎用ポート9のうち、何れか1つの汎用ポート9を、温度検知に用いる汎用ポート9として選択する(ステップ♯12)。温度検知に用いるサーミスター7の順番は予め定められ、1つずつ順番に選択される。
続いて、エンジンCPU6(制御ユニット60)は、各汎用ポート9のうち、温度検知に用いるサーミスター7に接続された1つの汎用ポート9(選択した汎用ポート9)を出力ポートに設定し、かつ、Lowレベルに設定する(ステップ♯13)。例えば、制御ユニット60は、AD/出力ポート8をグランドに接続する。
更に、エンジンCPU6(制御ユニット60)は、温度検知に用いないサーミスター7に接続された汎用ポート9(選択していない汎用ポート9)を入力ポートに設定する(ステップ♯14)。言い換えると、エンジンCPU6は、温度検知に用いないサーミスター7に接続された汎用ポート9をハイインピーダンス状態とする。
なお、図7は、第1サーミスター71によって、加熱ローラー42の中央部の温度を検知するときの状態を示している。そのため、図7では、選択された第1汎用ポート91は出力ポートかつLowレベルに設定された状態となっている。また、図7では、第2汎用ポート92と第3汎用ポート93は入力ポートに設定された状態となっている。
ここで、温度検知に用いるサーミスター7は、本フローでまだ温度を検知していない検知位置と接するサーミスター7のうち、何れか1つである。具体的には、本実施形態のプリンター100では、第1サーミスター71、第2サーミスター72、第3サーミスター73の順に用いられる。そのため、第1汎用ポート91、第2汎用ポート92、第3汎用ポート93の順に選択される。その結果、加熱ローラー42の中央、一端、他端の順番で温度検知が行われる。なお、このサーミスター7と汎用ポート9の選択順は上記に限られず、順番は適宜定めればよい。
具体的に、第1サーミスター71を用いて加熱ローラー42の中央部の温度を検知するとき、第1汎用ポート91が「選択された汎用ポート9(温度検知に用いるサーミスター7に接続された汎用ポート9)」に該当し、第2汎用ポート92と第3汎用ポート93が「選択されていない汎用ポート9(温度検知に用いないサーミスター7に接続された汎用ポート9)」に該当する。
第2サーミスター72によって加熱ローラー42の一端の温度を検知するとき、第2汎用ポート92が「選択された汎用ポート9(温度検知に用いるサーミスター7に接続された汎用ポート9)」に該当し、第1汎用ポート91と第3汎用ポート93が「選択されていない汎用ポート9(温度検知に用いないサーミスター7に接続された汎用ポート9)」に該当する。
第3サーミスター73によって加熱ローラー42の中央部の温度を検知するとき、第3汎用ポート93が「選択された汎用ポート9(温度検知に用いるサーミスター7に接続された汎用ポート9)」に該当し、第1汎用ポート91と第2汎用ポート92が「選択されていない汎用ポート9(温度検知に用いないサーミスター7に接続された汎用ポート9)」に該当する。
ここで、各サーミスター71、72、73の一端は、AD/出力ポート8とプルアップ抵抗R1の接続点P1に対して並列に接続される。並列接続された場合の合成抵抗は、一般に以下の関係に基づき求められる。
(合成抵抗の式)1/Ra=(1/Rb)+(1/Rc)+(1/Rd)+・・・・
※Raは合成抵抗値、Rb、Rc、Rdは各抵抗の抵抗値
そして、温度検知に用いないサーミスター7に接続された汎用ポート9は、ハイインピーダンスとされる。そのため、温度検知に用いないサーミスター7に対応する1/Rの値が0に近づき、影響が極めて小さくなる。そのため、温度検知に用いるサーミスター7に印加されている電圧がAD/出力ポート8(AD変換ポート)に入力されることになる。
エンジンCPU6(制御ユニット60)は、AD/出力ポート8に入力されたアナログ電圧をAD変換回路61にてAD変換し、AD変換により得られたアナログ電圧と温度検知用データD1に基づき、選択している汎用ポート9に接続されたサーミスター7(温度検知に用いているサーミスター7)の検知位置の温度を認識する(ステップ♯15)。
そして、エンジンCPU6は、温度検知が完了したかを確認する(ステップ♯16)。言い換えると、エンジンCPU6は、温度検知に用いていないサーミスター7がまだあるか否か(加熱ローラー42の中央と両端の温度を検知し終えたか)を確認する。
まだ、温度検知未完了のとき(ステップ♯16のNo)、エンジンCPU6は、次の順番の汎用ポート9(サーミスター7)を選択する(ステップ♯17)。そして、フローは、ステップ♯13に戻る。一方、全ての検知位置の温度検知を完了したとき(ステップ♯16のYes)、フローは終了する(エンド)。
(各サーミスター71、72、73の断線検知)
次に、図8〜図10を用いて、実施形態に係るプリンター100での各サーミスター71、72、73の断線検知の流れを説明する。図8は、各サーミスター71、72、73の断線検知の流れの一例を示すフローチャートである。図9は、断線検知時のAD/出力ポート8、各汎用ポート9の状態の一例を示す図である。図10は、断線検知の真理値表である。
図8のスタートは、各サーミスター71、72、73の断線検知の開始時である。断線検知は、予め定められた断線検知タイミングで実行される。プリンター100の主電源投入時や省電力モード復帰時(エンジン制御部5や印刷部4の起動時)に断線検知を行うことができる。また、印刷開始前に、断線検知を行ってもよい。予め定められた温度検知タイミングに到ると、図8のフローが開始される。
まず、エンジンCPU6(制御ユニット60)は、AD/出力ポート8を出力ポートに設定する(ステップ♯21)。続いて、エンジンCPU6(制御ユニット60)は、サーミスター7に接続された全ての汎用ポート9を入力ポートに設定する(ステップ♯22)。図9は、断線検知時の各ポートの状態を示す。
次に、エンジンCPU6(制御ユニット60)は、AD/出力ポート8(出力ポート)の出力レベルを変化させて、断線検知処理を行う(ステップ♯23)。
具体的に、断線検知処理では、制御ユニット60は、AD/出力ポート8(出力ポート)の出力レベルをHighとLow間で複数回変化させる(1回でもよい)。そして、制御ユニット60は、サーミスター7が接続された各汎用ポート9に入力される電圧レベルが、AD/出力ポート8の出力レベルがHighのときHighとなり、AD/出力ポート8の出力レベルがLowのときLowとなるかを確認する。理由を以下に説明する。
1.断線が生じていない場合
(1)AD/出力ポート8(出力ポート)をHighレベルにしたとき
各汎用ポート9を入力ポート(ハイインピーダンス状態)に設定している状態で、AD/出力ポート8(出力ポート)をHighレベルにすると、各汎用ポート9には、Highレベルの信号が入力される。
(2)AD/出力ポート8(出力ポート)をLowレベルにしたとき
各汎用ポート9を入力ポート(ハイインピーダンス状態)に設定している状態で、AD/出力ポート8(出力ポート)をLowレベルにすると、接続点P1の電位もLowレベルになる。その結果、各汎用ポート9には、Lowレベルの信号が入力される。
(3)図10の真理値表に示すように、断線が生じていないサーミスター7に接続された汎用ポート9への入力信号は、AD変換ポート(出力ポート)の出力レベルと一致する。
2.断線が生じている場合
(1)AD/出力ポート8をHighレベルにしたとき
サーミスター7で断線が生じているとき、AD変換ポート(出力ポート)をHighレベルにしても、断線が生じているサーミスター7に対応する(接続された)汎用ポート9には、AD/出力ポート8(出力ポート)からのHighレベルの信号が到達しない。そのため、断線が生じているサーミスター7に対応する汎用ポート9に入力される信号は、不定となる(High又はLowとなる)。言い換えると、断線が生じているサーミスター7に対応する汎用ポート9への入力信号のレベルは、断線前の状態によって変わる。
(2)AD/出力ポート8をLowレベルにしたとき
サーミスター7で断線が生じているとき、AD/出力ポート8をLowレベルにしたときも、断線が生じているサーミスター7に対応する汎用ポート9には、AD/出力ポート8からのLowレベルの信号が到達しない。そのため、断線が生じているサーミスター7に対応する汎用ポート9に入力される信号は、不定となる。
(3)サーミスター7の断線が生じているとき、サーミスター7に接続された汎用ポート9の入力信号は、High、LowとAD変換ポート(出力ポート)の出力レベルを切り替えても、変化しないことを図10の真理値表は示している。
従って、断線検知処理では、サーミスター7に接続された汎用ポート91、92、93のうち、エンジンCPU6(制御ユニット60)は、AD/出力ポート8の出力レベルをHigh、Lowの間で切り替えても、入力信号のレベルが変わらない汎用ポート9があるか否かを確認する。そして、エンジンCPU6(制御ユニット60)は、入力される電圧レベルがAD/出力ポート8の出力レベルと一致しない汎用ポート9に接続されたサーミスター7を断線が生じたサーミスター7と判定する(ステップ♯24)。言い換えると、エンジンCPU6(制御ユニット60)は、入力電圧のレベルが変化しない汎用ポート9に対応するサーミスター7が断線していると判定する。また、サーミスター7の断線を判定したとき、エンジン制御部5は、その旨と、どのサーミスター7が断線したかを主制御部1に通知する。
そして、エンジンCPU6は、サーミスター7のうち1つでも断線と判定したサーミスター7があるか否かを確認する(ステップ♯25)。断線がないとき(ステップ♯25のNo)、フローは終了する(エンド)。
一方、1つでもサーミスター7が断線しているとき(ステップ♯25のYes)、エンジン制御部5又は主制御部1は、操作パネル3や通信部13にサーミスター7の故障(異常)を報知させる(ステップ♯26)。エンジンCPU6は、複数のサーミスター71、72、73のうち、どのサーミスター7で断線が生じているかまでも判定できるので、エンジン制御部5は、断線発生のメッセージとともに、断線したサーミスター7を特定する情報もあわせて報知してもよい(ステップ♯26)。操作パネル3で報知するとき、主制御部1は、表示パネルに情報を表示させる。通信部13から報知をおこなうとき、主制御部1は、プリンターの管理者のコンピューター200のような所定の送信先に情報を送信させる。
そして、主制御部1は、ヒーター41への通電をエンジン制御部5に禁止させる(印刷禁止状態ステップ♯27)。加熱ローラー42の温度を適切に維持できないためである。そして、本フローは終了する(エンド)。
尚、サービスマンのような専門家による修理後、操作パネル3への操作や主電源の再投入によって、プリンター100で再度断線検知(図8のフローチャート)が実行され、全てのサーミスター7で断線が生じていないと確認されるまで、主制御部1は、ヒーター41への通電禁止(印刷禁止状態)を維持させる。
このようにして、実施形態に係る画像形成装置(プリンター100)は、用紙に転写されたトナー像を加熱して定着させる加熱回転体(加熱ローラー42)と、加熱回転体(加熱ローラー42)を熱するヒーター41と、温度を検知するために設けられる複数のサーミスター7(第1サーミスター71、第2サーミスター72、第3サーミスター73)と、センサー電源Vccと、一端がセンサー電源Vccに接続される抵抗(プルアップ抵抗R1)を含む電源回路部70と、AD変換回路61を内蔵し、入力されるアナログ電圧値の大きさをAD変換回路61により認識するために用いられるAD変換ポートと出力ポートとの切り替えが可能なAD/出力ポート8と、入力ポートと出力ポートとのが切り替え可能な複数の汎用ポート9を含む制御回路(エンジンCPU6)と、を含む。AD/出力ポート8は、抵抗(プルアップ抵抗R1)の他端に接続される。それぞれのサーミスター7は、一端がAD/出力ポート8と抵抗の接続点P1に対して並列に接続され、他端がそれぞれ別の汎用ポート9に接続される。サーミスター7の断線検知を行うとき、制御回路は、AD/出力ポート8を出力ポートに設定し、サーミスター7が接続されたそれぞれの汎用ポート9(第1汎用ポート91、第2汎用ポート92、第3汎用ポート93)を入力ポートに設定し、AD/出力ポート8の出力レベルを変化させ、サーミスター7が接続されたそれぞれの汎用ポート9に入力される電圧レベルが、AD/出力ポート8の出力レベルがHighのときHighとなり、AD/出力ポート8の出力レベルがLowのときLowとなるかを確認し、入力される電圧レベルがAD/出力ポート8の出力レベルと一致しない汎用ポート9に接続されたサーミスター7を断線が生じたサーミスター7と判定する。
これにより、断線検知のとき、ヒーター41に通電することなく(加熱回転体の温度を上昇させることなく)、各サーミスター71、72、73で断線が起きているか否かを検知することができる。従って、従来のように、断線検知時の加熱回転体の過昇温は一切生じない。
また、AD/出力ポート8に入力されるアナログ電圧の大きさに対応する温度を求めるための温度検知用データD1を記憶するメモリー(エンジンメモリー51、記憶部2)を含む。サーミスター7を用いて加熱回転体(加熱ローラー42)の温度を検知するとき、制御回路(エンジンCPU6)は、AD/出力ポート8をAD変換ポートに設定し、サーミスター7に接続された汎用ポート9を1つずつ順番に選択し、選択した汎用ポート9を出力ポートかつLowレベルに設定し、選択していない汎用ポート9を入力ポートに設定する。また、制御回路は、AD/出力ポート8に入力されたアナログ電圧をAD変換回路61にてAD変換し、AD変換により得られたアナログ電圧と温度検知用データD1に基づき選択した汎用ポート9に接続されたサーミスター7の検知位置の温度を認識する。
これにより、1つのAD変換ポート(AD/出力ポート8)だけで、各サーミスター71、72、73のそれぞれの検知対象(検知位置)の温度を検知することができる。つまり、AD変換ポートの使用数を抑えることができる。CPUのような制御回路(エンジンCPU6)は、AD変換ポートの数が多いほど高価格、高性能になる傾向がある。しかし、AD変換ポートの必要数を抑えることができるので、制御回路に高価格のものを用いずにすむ。従って、画像形成装置(プリンター100)の製造コストを抑えることができる。また、必要なAD変換ポートの数を抑えることができるので、設計、開発における制御回路の選択肢を広げることができる。
また、サーミスター7は、少なくとも加熱回転体(加熱ローラー42)の中央の温度を検知するためのものと、加熱回転体の一端の温度を検知するためのものと、加熱回転体の他端の温度を検知するためのものとが設けられる。これにより、加熱回転体の両端や中央部の温度を検知することができる。従って、加熱回転体の温度状態や温度分布を知ることができる。
また、それぞれのサーミスター7(第1サーミスター71、第2サーミスター72、第3サーミスター73)は温度が高いほど抵抗値が小さくなり、温度が低いほど抵抗値が大きくなるタイプのサーミスター7である。これにより、特別なサーミスター7を用いる必要がなく、画像形成装置(プリンター100)の製造コストを抑えることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
上述の実施形態では、断線が生じているサーミスター7に接続された汎用ポート9に入力される信号レベルが不定になる例を説明した。しかし、サーミスター7の断線検知を行うとき、制御回路(エンジンCPU6)は、サーミスター7が接続されたそれぞれの汎用ポート9(第1汎用ポート91、第2汎用ポート92、第3汎用ポート93)のレベルをLowにしてからサーミスター7が接続された汎用ポート9を入力ポートに設定するようにしてもよい。これにより、サーミスター7が接続された汎用ポート9の状態を一定のレベル(グランドレベル)にしてから断線検知時を開始することができる(断線が生じているサーミスター7に接続された汎用ポート9に入力される信号レベルはLowのみとなる)。従って、サーミスター7の断線の有無や、断線が生じているサーミスター7の特定を正確に行うことができる。
また、上述の実施形態では、サーミスター7を定着装置4d(加熱ローラー42)に対して設ける例を説明した。しかし、定着装置4d以外の部分に設けられるサーミスター7の一端をAD/出力ポート8とプルアップ抵抗R1の接続点P1に接続し、他端をエンジンCPU6の汎用ポート9に接続してもよい。これにより、加熱ローラー42以外の部分の温度も1つのAD変換ポートだけで検知することができる。
本発明は、ヒーターと加熱回転体とサーミスターを含み、トナーを定着させて印刷を行う画像形成装置に利用可能である。
100 プリンター(画像形成装置) 2 記憶部(メモリー)
42 加熱ローラー(加熱回転体) 41 ヒーター
51 エンジンメモリー(メモリー) 6 エンジンCPU(制御回路)
61 AD変換回路 7 サーミスター
70 電源回路部 71 第1サーミスター
72 第2サーミスター 73 第3サーミスター
8 AD/出力ポート 9 汎用ポート
91 第1汎用ポート 92 第2汎用ポート
93 第3汎用ポート D1 温度検知用データ
R1 プルアップ抵抗(抵抗) Vcc センサー電源

Claims (5)

  1. 用紙に転写されたトナー像を加熱して定着させる加熱回転体と、
    前記加熱回転体を熱するヒーターと、
    温度を検知するために設けられる複数のサーミスターと、
    センサー電源と、一端が前記センサー電源に接続される抵抗を含む電源回路部と、
    AD変換回路を内蔵し、入力されるアナログ電圧値の大きさを前記AD変換回路により認識するために用いられるAD変換ポートと出力ポートの何れかに切り替えが可能なAD/出力ポートと、入力ポートと出力ポートの何れかに切り替え可能な複数の汎用ポートを含む制御回路と、を含み、
    前記AD/出力ポートは、前記抵抗の他端に接続され、
    それぞれの前記サーミスターは、一端が前記AD/出力ポートと前記抵抗の接続点に対して並列に接続され、他端がそれぞれ別の前記汎用ポートに接続され、
    前記サーミスターの断線検知を行うとき、
    前記制御回路は、前記AD/出力ポートを出力ポートに設定し、前記サーミスターが接続されたそれぞれの前記汎用ポートを入力ポートに設定し、前記AD/出力ポートの出力レベルを変化させ、前記サーミスターが接続されたそれぞれの前記汎用ポートに入力される電圧レベルが、前記AD/出力ポートの出力レベルがHighのときHighとなり、前記AD/出力ポートの出力レベルがLowのときLowとなるかを確認し、入力される電圧レベルが前記AD/出力ポートの出力レベルと一致しない前記汎用ポートに接続された前記サーミスターを断線が生じたサーミスターと判定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記AD/出力ポートに入力されるアナログ電圧の大きさに対応する温度を求めるための温度検知用データを記憶するメモリーを含み、
    前記サーミスターを用いて温度を検知するとき、
    前記制御回路は、前記AD/出力ポートをAD変換ポートに設定し、前記サーミスターに接続された前記汎用ポートを1つずつ順番に選択し、選択した前記汎用ポートを出力ポートかつLowレベルに設定し、選択していない前記汎用ポートを入力ポートに設定し、前記AD/出力ポートに入力されたアナログ電圧を前記AD変換回路にてAD変換し、AD変換により得られたアナログ電圧と前記温度検知用データに基づき選択した前記汎用ポートに接続された前記サーミスターの検知位置の温度を認識することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記サーミスターは、少なくとも前記加熱回転体の中央の温度を検知するためのものと、前記加熱回転体の一端の温度を検知するためのものと、前記加熱回転体の他端の温度を検知するためのものとが設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. それぞれの前記サーミスターは温度が高いほど抵抗値が小さくなり、温度が低いほど抵抗値が大きくなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記サーミスターの断線検知を行うとき、
    前記制御回路は、前記サーミスターが接続されたそれぞれの前記汎用ポートのレベルをLowにしてから前記サーミスターが接続された前記汎用ポートを入力ポートに設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
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