JP6287630B2 - 画像読取装置、画像形成装置及び画像読取方法 - Google Patents

画像読取装置、画像形成装置及び画像読取方法 Download PDF

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本発明は、画像読取装置、画像形成装置及び画像読取方法に関する。
CCDやCMOSイメージセンサ等を用いた画像読取装置では、使用するレンズの収差特性により、画像が歪曲するディストーションという現象が生じる。ディストーションは、主にエリアセンサを用いたデジタルカメラ等の撮像装置において、理想結像位置に対して広がる、又は狭まる歪みで目立つものとなる。また、ディストーションは、レンズの製造誤差、及び個体差などによって生じるものであり、レンズ毎にディストーション量は異なる。これらのディストーションを補正するために、レンズ個体毎にディストーション量を測定し、メモリに保存したディストーション量を参照することによって補正を行う方法などが知られている。
また、特許文献1には、歪曲収差特性曲線に基づいて歪曲収差補正曲線を作成し、測距した被写体距離が記憶してある被写体距離と合致していないと判断した場合には、その被写体距離の前後に相当する被写体距離を補間して各像位置毎の歪曲収差値を演算し、歪曲収差を補正する歪曲収差補正装置が開示されている。
しかしながら、固定した原稿と、搬送している原稿とを読取可能にされた画像読取装置においては、固定した原稿に対して搬送時の原稿の読取り距離が変化すると、主走査倍率が変化して、画像の歪曲を適切に補正することができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被写体の読取り距離が変化しても、画像の歪曲を適切に補正することができる画像読取装置、画像形成装置及び画像読取方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、レンズを介して被写体からの反射光を光電変換するイメージセンサにより、固定された被写体を読取る第1読取方式と、搬送されて移動する被写体を読取る第2読取方式とによって被写体を読取可能にされた画像読取装置であって、前記第1読取方式における主走査方向の前記レンズによる第1ディストーションデータ、及び、前記第1読取方式における前記レンズと前記被写体との距離と、前記第2読取方式における前記レンズと前記被写体との定常的な距離の差によって生じる所定倍率差とを記憶する記憶部と、前記第1ディストーションデータ及び前記所定倍率差を用いて、前記第1ディストーションデータを前記第2読取方式に対応する第2ディストーションデータに変換するデータ変換部と、前記第2ディストーションデータを用いて、前記第2読取方式における主走査方向のディストーションを補正する補正部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、被写体の読取り距離が変化しても、画像の歪曲を適切に補正することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態にかかる画像形成装置の構成例を示す構成図である。 図2は、画像読取装置及びADFの構成例を示す構成図である。 図3は、画像読取装置が有する機能の要部を示す機能ブロック図である。 図4は、ラインセンサにおける歪曲収差を示す図である。 図5は、ディストーション量、及びディストーションを補正するためのディストーションデータを例示する図である。 図6は、主走査方向の線形補間の方法を示す図である。 図7は、原稿搬送読取時の原稿の挙動を示す図である。 図8は、原稿非接触搬送時に倍率誤差が生じる原理を模式的に示す模式図である。 図9は、原稿接触搬送時のディストーションデータと、原稿非接触搬送時のディストーションデータを示す図である。 図10は、原稿非接触搬送によって原稿を読取る場合の原稿の搬送開始時の挙動を示す図である。 図11は、原稿の副走査方向のライン位置毎に倍率誤差を例示したグラフである。 図12は、副走査方向の線形補間の方法を示す図である。 図13は、ディストーション補正部の構成例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる画像形成装置を説明する。図1は、実施形態にかかる画像形成装置300の構成例を示す構成図である。画像形成装置300は、給紙部303及び画像形成装置本体(画像形成部)304を有し、上部に画像読取装置100及び自動原稿給送装置(ADF)200が搭載されたデジタル複合機である。なお、画像読取装置100は、ADF200が一体となって単体の画像読取装置となるように構成されてもよい。
画像形成装置本体304内には、タンデム方式の作像部305と、給紙部303から搬送路307を介して供給される記録紙(記録媒体)を作像部305に搬送するレジストローラ308と、光書き込み装置309と、定着搬送部310と、両面トレイ311とが設けられている。
作像部305には、Y,M,C,Kの4色のトナーに対応して4本の感光体ドラム312が並設されている。各感光体ドラム312の回りには、帯電器、現像器306、転写器、クリーナ、及び除電器を含む作像要素が配置されている。
また、転写器と感光体ドラム312との間には両者のニップに挟持された状態で駆動ローラと従動ローラとの間に張架された中間転写ベルト313が配置されている。
このように構成されたタンデム方式の画像形成装置300は、Y,M,C,Kの色毎に各色に対応する感光体ドラム312に光書き込みを行い、現像器306で各色のトナー毎に現像し、中間転写ベルト313上に例えばY,M,C,Kの順に1次転写を行う。
そして、画像形成装置300は、1次転写により4色重畳されたフルカラーの画像を記録紙に2次転写した後、定着して排紙することによりフルカラーの画像を記録紙上に形成する。また、画像形成装置300は、画像読取装置100が読取った画像を記録紙上に形成する。
図2は、画像読取装置100及びADF200の構成例を示す構成図である。画像読取装置100は、デジタル複写機、デジタル複合機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に搭載されるスキャナ装置である。そして、画像読取装置100は、光源からの照射光によって被写体(読取対象)である原稿を照明し、その原稿からの反射光を光電変換するCMOSイメージセンサで受光した信号に処理を行い、原稿の画像データを読み取る。
具体的には、画像読取装置100は、図2に示すように、原稿(被写体)を載置するコンタクトガラス101と、原稿露光用の光源102及び第1反射ミラー103を具備する第1キャリッジ106と、第2反射ミラー104及び第3反射ミラー105を具備する第2キャリッジ107とを有する。また、画像読取装置100は、RGBのカラーセンサであるイメージセンサ109と、イメージセンサ109に結像するためのレンズユニット(レンズ)108と、読取り光学系等による各種の歪みを補正するためなどに用いる基準白板(白基準板)110と、シートスルー読取り用のスリット111も備えている。
画像読取装置100は、上部にADF200が搭載されており、このADF200をコンタクトガラス101に対して開閉できるように、図示しないヒンジ等を介した連結がなされている。
ADF200は、複数枚の原稿からなる原稿束を載置可能な原稿載置台としての原稿トレイ201を備えている。また、ADF200は、原稿トレイ201に載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離してスリット111へ向けて自動給送する給送ローラ202を含む分離・給送手段も備えている。
さらに、スリット111の原稿搬送方向上流側には、ガイド部材112が設けられている。ガイド部材112は、スリット111に対する汚れやゴミの付着を防止するために、後述する原稿搬送読取時にスリット111へ原稿を接触させないようにしている。
そして、画像読取装置100は、固定された原稿の画像面をスキャン(走査)して原稿の画像を読み取るフラットベッド読み取りモード(以下、圧板読取と記載)時には、第1キャリッジ106及び第2キャリッジ107により、図示しないステッピングモータによって矢示A方向(副走査方向)に原稿を走査する。このとき、コンタクトガラス101からイメージセンサ109までの光路長を一定に維持するために、第2キャリッジ107は第1キャリッジ106の1/2の速度で移動する。
同時に、コンタクトガラス101上にセットされた原稿の下面である画像面が第1キャリッジ106の光源102によって照明(露光)される。すると、その画像面からの反射光像が第1キャリッジ106の第1反射ミラー103、第2キャリッジ107の第2反射ミラー104及び第3反射ミラー105、並びにレンズユニット108経由でイメージセンサ109へ順次送られて結像される。
そして、イメージセンサ109の光電変換により信号が出力され、出力された信号はデジタル信号に変換される。このように、原稿の画像が読み取られ、デジタルの画像データが得られる。
一方、原稿を自動給送して原稿の画像を読み取るシートスルー読み取りモード(以下、原稿搬送読取と記載)時には、第1キャリッジ106及び第2キャリッジ107が、スリット111の下側へ移動する。その後、原稿トレイ201に載置された原稿が給送ローラ202によって矢示B方向(副走査方向)へ自動給送され、スリット111の位置において原稿が走査される。
このとき、搬送される原稿の下面(画像面)が第1キャリッジ106の光源102によって照明される。そのため、その画像面からの反射光像が第1キャリッジ106の第1反射ミラー103、第2キャリッジ107の第2反射ミラー104及び第3反射ミラー105、並びにレンズユニット108経由でイメージセンサ109へ順次送られて結像される。そして、イメージセンサ109の光電変換により信号が出力され、出力された信号はデジタル信号に変換される。このように、原稿の画像が読み取られ、デジタルの画像データが得られる。画像の読み取りが完了した原稿は、図示しない排出口に排出される。
図3は、画像読取装置100が有する機能の要部を示す機能ブロック図である。光源102は、照射光を原稿に対して照射する。イメージセンサ109は、原稿からの反射光を光電変換し、デジタル画像信号として出力する。なお、イメージセンサ109は、内部に図示しない複数の受光素子が主走査方向に配列されたラインセンサである。イメージセンサ109は、各画素に相当する各受光素子が、光源102からの反射光を電気信号に変換し、図示しない増幅器やA/D変換器によってデジタル画素データを得る。また、イメージセンサ109は、各受光素子からのパラレルデータであるデジタル画素データをシリアルデータに変換し、同期信号生成部503からのライン同期信号に同期して、ライン毎にデジタル画素データをディストーション補正部502に対して伝送する。
メモリ(記憶部)500は、予め画像読取装置100の製造工程等において測定された離散的な主走査方向の各画素のディストーションデータが格納されている。メモリ500が格納しているディストーションデータは、圧板読取(第1読取方式)時のディストーション量に対応している。さらに、メモリ500は、予め画像読取装置100の製造工程等において測定された離散的な副走査方向の倍率誤差データも格納されている。メモリ500は、ディストーションデータ及び倍率誤差データを、同期信号生成部503からのライン同期信号に同期して、ライン毎にディストーション補正部502に対して伝送する。なお、ディストーションデータ及び倍率誤差データの詳細については後述する。
切替部501は、例えばセンサを備え、原稿トレイ201上の原稿の有無を検知する。画像読取装置100は、切替部501が原稿トレイ201上の原稿を検知すると、原稿搬送読取(第2読取方式)を行う。また、画像読取装置100は、切替部501が原稿トレイ201上の原稿を検知しない場合には、圧板読取を行う。ここで、切替部501は、原稿トレイ201上の原稿の有無に応じて、原稿搬送読取又は圧板読取のいずれかに切替える切替信号をディストーション補正部502に対して出力する。
ディストーション補正部502は、メモリ500が格納しているディストーションデータ及び倍率誤差データを受入れ、切替信号に応じて、ディストーションデータをそのまま用いるか、又はディストーションデータを倍率誤差データよって変換して用いるかを切り替える。そして、ディストーション補正部502は、イメージセンサ109から受入れた主走査方向の全画素(デジタル画像データ)の主走査ずれを補正し、後段に転送する。なお、ディストーション補正部502の詳細については後述する。
図4は、ラインセンサにおける歪曲収差を示す図である。図4(a)は画像読取装置に対する入力画像であり、図4(b),(c)は画像読取装置が読取った結果である出力画像(第1例、第2例)である。
ラインセンサを用いた画像読取装置においては、レンズの特性により、図4(a)に示した理想結像位置に対して、図4(b)に示した主走査方向の間隔(位置)が狭まる歪み、又は図4(c)に示した主走査方向の間隔(位置)が広がる歪みが発生する場合がある。これが歪曲収差(ディストーション)である。また、レンズの製造バラつき等の影響により、レンズ個体毎にディストーション量は異なる。
図5は、ディストーション量、及びディストーションを補正するためのディストーションデータを例示する図である。なお、図5(a)には生成されるディストーションカーブが示され、図5(b)には保存されるディストーションデータ(第1ディストーションデータ)が示され、図5(c)には補間により算出されるディストーションデータが示されている。ディストーションデータは、上述したようにメモリ500に保存される。
画素毎の理想位置からのずれ量を示すディストーションカーブを生成(抽出)する場合、まず、画像読取装置の製造工程において、専用の原稿を上述した圧板読取によって読み取る。これにより、主走査方向の全画素における理想結像位置からのディストーション量を求める。
例として、図5(a)に示したディストーションカーブが生成されたとする。なお、ディストーション量がプラスの値では理想結像位置より主走査プラス方向にずれが発生していることを意味し、ディストーション量がマイナスの値では理想結像位置より主走査マイナス方向にずれが発生していることを意味する。
画像読取装置100は、生成したディストーションカーブに対し、図5(b)に示すように、主走査方向の複数の任意の画素位置と、その画素位置に対応するディストーション量のデータをメモリ500に保存する。なお、保存するデータの個数は、メモリ500の容量に応じて、画素位置はレンズの収差特性に応じて、設計段階で予め設定されている。基本的には、レンズ外側の方が内側よりも収差が大きく、ディストーションカーブの変動も大きい為、主走査方向の先後端を密に、主走査方向の中心を粗にするように、データを保存する画素位置が設定される。このように、メモリ500は、イメージセンサ109が読取る主走査方向の全画素中の予め選択された画素に対するディストーションデータを記憶する。
ディストーション補正部502は、ディストーション補正を行う場合、メモリ500に保存されたディストーション量を用いて補間することにより、図5(c)に示すように、画素毎のディストーション量を算出する。
具体的には、ディストーション補正において、ディストーション補正部502は、メモリ500に保存されたディストーションデータを用いて、入力される画素データをずれ量分だけ画素移動させる。ここで、ディストーション補正部502は、保存されていない主走査方向の画素位置のディストーション量を補間により求める。補間には、例えば演算が容易な線形補間が用いられる。
図6は、主走査方向の線形補間の方法を示す図である。下式1は、補間方法を示す式である。
X=dist[i]+(dist[i+1]-dist[i])×(n-dist_add[i])/(dist_add[i+1]-dist_add[i])
・・・(1)
補間によって主走査方向の全画素のディストーションデータが得られると、各入力画素に対して、ディストーション量分だけずらした画素位置に補正をかけることができ、出力画像は理想位置で再現される。例えば、ディストーション補正部502は、各ずれ量に応じて、周辺画素のデータを用いた3次コンボリューション法により、各画素値を求め、補正を行う。
図6に示した例では、ディストーションカーブが1本であり、単色(*:RGBいずれか)を想定した記載となっている。画像読取装置100は、RGBのカラーセンサであるイメージセンサ109に対し、R/G/Bそれぞれのディストーションカーブを生成後、同様にR/G/Bそれぞれのディストーション量をメモリ500に保存し、ディストーション補正部502によってR/G/Bそれぞれの補正を行う。
次に、原稿搬送読取において、画像読取装置100が行うディストーション補正について説明する。図7は、原稿搬送読取時の原稿の挙動を示す図である。図7(a)には、画像読取装置100のガイド部材112の周辺における原稿の挙動が示されている。図7(b)は、ガイド部材112が設けられていない場合の原稿の挙動が示されている。上述したように、原稿搬送読取は、ADF200によって原稿を搬送し、画像を読取る方式であり、スリット111に搬送された原稿の先端から読取を行う。
図7(a)に示すように、画像読取装置100は、ガイド部材112によって原稿を案内することにより、原稿をスリット111の部材上面に接触させることなく搬送する(原稿非接触搬送)。上述したように、ガイド部材112は、原稿のゴミや汚れ(インク)などがスリット111へ付着することを防止するために設けられている。
ガイド部材112が設けられていない場合、図7(b)に示すように、原稿は、スリット111に接触して搬送される(原稿接触搬送)。この場合、イメージセンサ109までの光路長(及び原稿からレンズまでの距離:原稿距離)は、圧板読取時と変わらない。原稿非接触搬送時においては、原稿がスリット111から浮いている分、画像を読取ったときに倍率誤差が生じる。
図8は、原稿非接触搬送時に倍率誤差(倍率差)が生じる原理を模式的に示す模式図である。原稿非接触搬送時において、原稿がスリット111から浮いていると、図8にも示すように、圧板読取に対して原稿距離にずれが生じる。原稿距離が変化すると、イメージセンサ109に入力される像が倍率誤差によって主走査方向で変化する。
具体的には、図2に示した画像読取装置100において、図7(a)で示したように、原稿非接触搬送を行って画像を読取る場合、圧板読取時よりも原稿からレンズまでの距離が長くなるため、イメージセンサ109での像は、倍率誤差により狭まることになる。このため、原稿非接触搬送を行った場合に、圧板読取時のディストーションデータをそのまま用いると、倍率誤差分、主走査方向にずれが生じてしまう。よって、原稿距離のずれ分だけ、ディストーションデータも変える必要がある。
図9は、原稿接触搬送(通常)時のディストーションデータと、原稿非接触搬送(変換)時のディストーションデータを示す図である。図8に示したように、原稿非接触搬送によって画像を読取る場合には、原稿接触搬送によって画像を読取る場合に対して倍率誤差が生じる。つまり、図5を用いて説明した手順で圧板読取時にメモリ500に保存したディストーションデータ(以下、通常ディストーションデータと記載)では、十分にディストーション補正を行うことができない。
原稿非接触搬送によって画像を読取る場合、ディストーション補正部502は、通常ディストーションデータを倍率誤差(所定倍率差)に応じて変換し、新しいディストーションデータ(以下、変換ディストーションデータと記載)を生成する。図8にも示したように、原稿距離ずれによって倍率が変化する場合、イメージセンサ109上の光学中心画素から主走査方向に距離が遠くなるほど、倍率誤差により発生するディストーション量の変化は線形的に大きくなる。つまり、変換ディストーションデータは、下式2によって算出される。なお、原稿接触搬送(通常)時の倍率と、圧板読取時の倍率とは、同じになるとみなしてもよい。つまり、倍率誤差(所定倍率差)は、第1読取方式におけるレンズと被写体との距離と、第2読取方式におけるレンズと被写体との定常的な距離の差によって生じる倍率差である。
変換ディストーションデータ[x]
=通常ディストーションデータ[x]+(光学中心画素‐x)×(倍率誤差[%]/100)
・・・(2)
上式2において、xは、主走査方向の画素位置である。x画素目に相当する変換ディストーションデータを求めるためには、光学中心画素から、主走査画素位置xを引き、これに倍率誤差分をかけて、通常ディストーションデータに加算する。
例として、図5に示したメモリ保存ディストーションデータ(□で示した通常ディストーションデータ)が、図9に示した座標上の値をとるものとする。原稿非接触搬送時の倍率誤差は、例えば0.2%であるとする。また、光学中心画素は、主走査方向の端部から3500個目の画素であるとする。これらの値を上式2に当てはめると、各画素位置の変換ディストーションデータは図9に△で示された値となる。つまり、倍率誤差が発生する場合、光学中心画素位置ではディストーション量は変化せず、主走査方向の端部側になるほどディストーション量は線形的に大きくなる。
倍率誤差は、図7(a)に示された画像読取装置100の機械的な構成によって定まる。従って、圧板読取時に対する原稿距離のずれ量は、例えば予め固定値として設定され得る。ディストーション補正部502は、メモリ500に保存されている原稿非接触搬送時の倍率誤差値を用いて、変換ディストーションデータを算出する。
次に、原稿非接触搬送によって原稿を読取る場合の原稿の搬送開始時から終了時までの挙動について説明する。図7(a)に示した例では、原稿非接触搬送時には、圧板読取時に対する原稿距離のずれが略一定であるとしている。
図10は、原稿非接触搬送によって原稿を読取る場合の原稿の搬送開始時の挙動を示す図である。図10に示すように、画像読取装置100が原稿非接触搬送を行う場合、原稿の副走査方向先端がスリット111に接触してしまう期間(原稿の搬送開始時)が存在する。また、原稿の副走査方向後端もスリット111に接触してしまう期間(原稿の搬送終了時)が存在する。つまり、画像読取装置100は、原稿の搬送開始から終了までの間に、一定の原稿距離で原稿を読み取っているわけではない。
ADF200は、給送ローラ202及び図示しない複数の搬送ローラにより、原稿を搬送する。図10に示した原稿搬送読取時の原稿(実線)ように、原稿先端がまだスリット111の下流側に設けられた搬送ローラに到達していない場合は、原稿がたるんだままスリット111を通過することになる。
その後、スリット111の下流側に設けられた図示しない搬送ローラに原稿先端が到達すると、原稿先端に張力が加わり、図10に点線で示した原稿のようにたるみが徐々になくなり、図7(a)に示したようにスリット111から略一定距離だけ離れて原稿搬送が行われる。
原稿後端(原稿の搬送終了時)においても同様に、原稿の後端側がスリット111に到達すると、たるみによりスリット111に原稿が接触する。
このように、原稿の先後端では、原稿距離が安定していない。よって、画像読取装置100は、図9に示したように副走査方向の全ラインに、一定の倍率誤差で算出した変換ディストーションデータを用いると、原稿の先後端では適切なディストーション補正が行えないことになる。
図11は、原稿の副走査方向のライン位置毎に倍率誤差を例示したグラフである。図10を用いて説明したように、原稿の先後端では原稿距離のずれが安定していない。よって、原稿の先後端で適切なディストーション補正を行うためには、各ラインに対する原稿距離のずれ量から倍率誤差(変動倍率差)を把握する必要がある。
搬送される原稿に対しては、図11に示したように、ラインの位置に応じて倍率誤差が変化(原稿距離が変化)するものとする。なお、副走査方向における倍率誤差の変化は、画像読取装置100の機械的な構成や、原稿の搬送速度などによって異なる。例えば、画像読取装置100は、図11に示したような副走査方向の倍率誤差特性が予め測定されている。
そして、画像読取装置100は、測定された副走査方向の倍率誤差の特性に対し、任意の複数のライン位置を選択して、選択したライン位置と、ライン位置に対応する倍率誤差(変動倍率差)をメモリ500に保存しておく。ここで、画像読取装置100は、任意に選択するラインを、安定していない原稿先後端に対して密になるように選択する。さらに、副走査方向の倍率誤差が、原稿の紙質や厚さ等により変化するため、画像読取装置100は、原稿の紙種(材質)毎に副走査方向の倍率誤差データをメモリ500に保存しておいてもよい。
このように、画像読取装置100は、メモリ500に保存されたライン位置と、ライン位置に相当する倍率誤差データを用いて、読取ライン毎に上式2の倍率誤差も変化させることにより、1枚の原稿読取(1フレーム)内で原稿距離のずれが変化しても、最適な補正が可能となっている。なお、画像読取装置100は、保存したライン間の倍率誤差データを、例えば下式3を用いて図12に示したように線形補間により求める。図12は、副走査方向の線形補間の方法を示す図である。
y=dia[j]+(dia[j+1]-dia[i])×(m-line_add[j])/(line_add[j+1]-line_add[j])
・・・(3)
次に、上述したディストーション補正を行うディストーション補正部502の具体的な構成について説明する。図13は、ディストーション補正部502の構成例を示すブロック図である。ディストーション補正部502は、補正部400、副走査補間部401、セレクタ402、データ変換部403及び主走査補間部404を有する。
副走査補間部401は、図11を用いて説明した副走査方向の線形補間を行う。つまり、副走査補間部401は、メモリ500に保存されている離散的なラインの倍率誤差データ(変動倍率差)を用いて線形補間を行い、同期信号生成部503からのライン同期信号に応じて、ライン毎の倍率誤差データをデータ変換部403に対して出力する。
セレクタ402は、図3に示した切替部501からの切替信号に応じて、圧板読取又は原稿搬送読取のいずれが実行されるかを判断し、メモリ500に保存されているディストーションデータを、データ変換部403を介して主走査補間部404に伝達するか、又はそのまま主走査補間部404に伝達するかを切替える。つまり、切替部501は、第1読取方式により被写体を読取る場合には、第1ディストーションデータを用いて補正部400が主走査方向のディストーションを補正し、第2読取方式により被写体を読取る場合には、第2ディストーションデータを用いて補正部400が主走査方向のディストーションを補正するように切替える。
データ変換部403は、セレクタ402が原稿搬送読取の実行と判断した場合、副走査補間部401が出力した倍率誤差データを用いて、メモリ500が保存しているディストーションデータを、図9に示したように上式2によって変換ディストーションデータに変換する。また、データ変換部403は、第1ディストーションデータ及び所定倍率差を用いて、第1ディストーションデータを第2読取方式に対応する第2ディストーションデータに変換する。つまり、データ変換部403は、メモリ500が保存している第1ディストーションデータ、所定倍率差及び変動倍率差を用いて、第1ディストーションデータを第2読取方式に対応する第2ディストーションデータに変換する。
主走査補間部404は、入力されたディストーションデータを用いて、図5(c)に示したように、主走査方向の0画素目から順に主走査方向の全画素のディストーションデータを補間により算出し、補正部400に対して出力する。即ち、主走査補間部404は、予め選択された画素に対する第1ディストーションデータを用いて、主走査方向の予め選択されていない画素に対する第1ディストーションデータを線形補間によって補間する。
補正部400は、イメージセンサ109が出力した画素データを、主走査補間部404から受入れたディストーションデータに応じて、画素位置毎にディストーションを補正する。また、補正部400は、第2ディストーションデータを用いて、第2読取方式における主走査方向のディストーションを補正する。また、補正部400は、画素位置のずれ量に応じて周辺画素より画素値を算出する3次コンボリューション法を用いた演算回路を含んでおり、最終的な出力画像を得る。
なお、例えば画像読取装置100が、図7(b)に示したようにガイド部材112を設けられていない場合には、セレクタ402は切り替えを行わない。この場合、メモリ500に保存されているディストーションデータがそのまま主走査補間部404に入力されるように、例えばレジスタなどが設定される。また、画像読取装置100は、原稿の紙種に応じてメモリ500が保存している倍率誤差データを切り替えるためのレジスタ設定などがなされていてもよい。
100 画像読取装置
101 コンタクトガラス
102 光源
108 レンズユニット
109 イメージセンサ
111 スリット
112 ガイド部材
200 ADF
202 給送ローラ
300 画像形成装置
304 画像形成装置本体(画像形成部)
400 補正部
401 副走査補間部
402 セレクタ
403 データ変換部
404 主走査補間部
500 メモリ
501 切替部
502 ディストーション補正部
503 同期信号生成部
特開2007−206789号公報

Claims (10)

  1. レンズを介して被写体からの反射光を光電変換するイメージセンサにより、固定された被写体を読取る第1読取方式と、搬送されて移動する被写体を読取る第2読取方式とによって被写体を読取可能にされた画像読取装置であって、
    前記第1読取方式における主走査方向の前記レンズによる第1ディストーションデータ、及び、前記第1読取方式における前記レンズと前記被写体との距離と、前記第2読取方式における前記レンズと前記被写体との定常的な距離の差によって生じる所定倍率差とを記憶する記憶部と、
    前記第1ディストーションデータ及び前記所定倍率差を用いて、前記第1ディストーションデータを前記第2読取方式に対応する第2ディストーションデータに変換するデータ変換部と、
    前記第2ディストーションデータを用いて、前記第2読取方式における主走査方向のディストーションを補正する補正部と、
    を有することを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記第1読取方式により前記被写体を読取る場合には、前記第1ディストーションデータを用いて前記補正部が主走査方向のディストーションを補正し、前記第2読取方式により前記被写体を読取る場合には、前記第2ディストーションデータを用いて前記補正部が主走査方向のディストーションを補正するように切替える切替部をさらに有すること
    を特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記記憶部は、
    前記イメージセンサが読取る主走査方向の予め選択された画素に対する前記第1ディストーションデータを記憶し、
    予め選択された画素に対する前記第1ディストーションデータを用いて、主走査方向の予め選択されていない画素に対する前記第1ディストーションデータを補間する主走査補間部をさらに有し、
    前記データ変換部は、
    前記主走査補間部が補間した前記第1ディストーションデータを用いて、前記第1ディストーションデータを前記第2読取方式に対応する第2ディストーションデータに変換すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
  4. 前記主走査補間部は、
    線形補間によって前記第1ディストーションデータを補間すること
    を特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 前記記憶部は、
    前記所定倍率差に加えて、前記被写体が副走査方向に搬送されることによって変化する前記レンズと前記被写体との距離の差によって生じる変動倍率差をさらに記憶し、
    前記データ変換部は、
    前記記憶部が記憶している前記第1ディストーションデータ、前記所定倍率差及び前記変動倍率差を用いて、前記第1ディストーションデータを前記第2読取方式に対応する第2ディストーションデータに変換すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  6. 前記記憶部は、
    前記イメージセンサが読取る副走査方向の予め選択されたラインに対する前記変動倍率差を記憶し、
    予め選択されたラインに対する前記変動倍率差を用いて、副走査方向の予め選択されていないラインに対する前記変動倍率差を補間する副走査補間部をさらに有し、
    前記データ変換部は、
    前記副走査補間部が補間した前記変動倍率差を用いて、前記第1ディストーションデータを前記第2読取方式に対応する第2ディストーションデータに変換すること
    を特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 前記副走査補間部は、
    線形補間によって前記変動倍率差を補間すること
    を特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
  8. 前記記憶部は、
    前記被写体の材質毎に異なる前記変動倍率差を記憶していること
    を特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
    前記画像読取装置が読取った画像を記録媒体に形成する画像形成部と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. レンズを介して被写体からの反射光を光電変換するイメージセンサにより、固定された被写体を読取る第1読取方式と、搬送されて移動する被写体を読取る第2読取方式とによって被写体を読取可能にされた画像読取装置によって画像を読取る画像読取方法であって、
    前記第1読取方式における主走査方向の前記レンズによる第1ディストーションデータ、及び、前記第1読取方式における前記レンズと前記被写体との距離と、前記第2読取方式における前記レンズと前記被写体との定常的な距離の差によって生じる所定倍率差を用いて、前記第1ディストーションデータを前記第2読取方式に対応する第2ディストーションデータに変換する工程と、
    前記第2ディストーションデータを用いて、前記第2読取方式における主走査方向のディストーションを補正する工程と
    を含む画像読取方法。
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