JP6287615B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、硬化皮膜及び帯電防止処理光学フィルム - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、硬化皮膜及び帯電防止処理光学フィルム Download PDF

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本発明は、帯電防止処理された活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及び当該組成物からなる帯電防止性の硬化皮膜、並びに当該硬化皮膜を有する帯電防止処理光学フィルムに関する。
一般に、高分子材料やガラスからなる基材は、絶縁特性に優れている一方で帯電しやすいため、該基材を用いた精密機械等には、埃等が付着して汚れたり、誤作動したりする問題がある。そのため、当該基材の表面には、(メタ)アクリロイル基を複数有するポリ(メタ)アクリレート化合物等の活性エネルギー線硬化型樹脂に各種帯電防止剤を配合してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布し、帯電防止性の硬化皮膜(ハードコート層)が設けられている。
当該硬化皮膜は、基材との密着性や硬度、透明性、耐擦傷性が良好であり、かつ光沢も優れる。しかし、光沢が強すぎるとギラつきに変わるため、光学部品やディスプレイ用途には適さないことも多い。この場合、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に各種の無機微粒子を配合し、硬化皮膜の表面に微細な凹凸を生じさせ、可視光を散乱させるノングレア化(防眩化)が図られる。
しかし、無機微粒子を添加すると、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物における帯電防止剤の含有量が減るため、硬化皮膜の帯電防止性も不十分になる。また、硬化皮膜に無機微粒子が存在すると、硬度や擦傷性、基材との密着性といった基本性能も損なわれがちである。さらに、無機微粒子の種類によっては硬化皮膜の内部で必要以上に光が散乱して透明性が低下したり、過度の凝集による外観不良が生じたりすることもある。
そこで斯界では、帯電防止能を併せ持った無機微粒子として例えば各種導電性フィラーが使用されることもあるが、十分な帯電防止効果を得るためには結局多くの量で用いる必要があるため、前記した基本性能が損なわれてしまう。また、無機微粒子固有の問題として、例えばアンチモン酸亜鉛微粒子(特許文献1を参照)を導電性フィラーとして用いると、可視光に由来する着色が硬化皮膜に生じるため、特にディスプレイ用途(フラットパネルディスプレイ等)に適さなくなる。
一方、そうした無機微粒子に変えてポリ(チオフェン)やポリ(アニリン)等のπ共役系導電性高分子を使用することも考えられるが、それらは一般に強く着色しているため、やはり硬化皮膜の着色が避けられない。
そこで、前記無機微粒子やπ共役系導電性高分子に代えて、分子内に四級アンモニウム塩構造を有するポリマーを帯電防止剤として使用することが考えられ(特許文献2を参照)、これによれば、硬化皮膜が着色せず、また密着性や硬度、耐擦傷性等といった基本性能も損なわれないと考えられる。
しかし、当該ポリマーは四級アンモニウム塩という親水性の構造を有するため、ポリ(メタ)アクリレート化合物のような活性エネルギー線硬化性樹脂との相溶性が一般に良くないとされる。
この点、特許文献3には、アルキル基末端のアルキレンオキシド鎖を四級アンモニウム塩構造含有共重合体に導入したポリマーは、活性エネルギー線硬化性樹脂との相溶性が良好である旨記載されているが、単位使用量あたりの帯電防止効果が十分ではない。
また、特許文献4には、四級アンモニウム塩構造含有共重合体にオルガノポリシロキサン単位を導入することによって、活性エネルギー線硬化性樹脂との相溶性が改善されることが記載されている。しかし、得られる硬化皮膜の透明性(ヘイズ)は十分ではなく、特に前記したフラットパネルディスプレイ用途には不向きであると考えられる。また、硬化皮膜のリコート性が不十分であるため、用途も制限されると考えられる。
また、本出願人は特許文献5において、四級アンモニウム塩構造含有共重合体に水酸基末端のラクトン鎖と脂環系アルキルエステル鎖をグラフトさせたものが、活性エネルギー線硬化型樹脂との相溶性に優れており、かつ硬化皮膜に優れた帯電防止性を付与できることを提案した。しかし、当該共重合体を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、吸水性が比較的強いためか、常温で経時的に分離するなど保管安定性の点で課題がある。また、当該樹脂組成物から得られる硬化皮膜は、その表面抵抗値が経時的に上昇しやすい傾向にあった。
一方、光学フィルムに帯電防止性を付与する方法としては、他にも例えば基材フィルムに透明導電層を設ける方法が公知であり、特許文献6には、活性エネルギー線硬化性樹脂と導電性微粒子とからなる透明導電層とその上に設けたハードコート層とを有する光学フィルムが開示されている。しかし、このような光学フィルムは所謂ツーコート仕様であるため、製造コストの点で難がある。
特開平9−051116号公報 特許第4595925号公報 特開平6−73305号公報 特開平10−279833号公報 特開2012−31297号公報 特開平11−42729号公報
本発明は、保管安定性に優れ、かつ帯電防止性、防眩性、耐擦傷性、硬度及び外観並びに表面抵抗値の経時安定性に優れる硬化皮膜を形成可能できる、新規な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、帯電防止性、防眩性、耐擦傷性、硬度及び外観並びに表面抵抗値の経時安定性に優れる硬化皮膜、並びに当該硬化皮膜を備える帯電防止処理光学フィルムを提供することをも課題とする。
本発明者は鋭意検討の結果、所定の四級アンモニウム塩構造含有ポリマー、無機微粒子及び(メタ)アクリロイル基含有化合物を組み合わせた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が前記前記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち本発明は、下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分並びに必要に応じて(D)成分を含有する、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
(A)成分:四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマー(a1)、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類が開環重付加してなり、かつ重量平均分子量が4000〜10000であるビニルモノマー(a2)、炭素数3〜5の分岐状アルキルエステル基を有し、かつ脂環構造を有しないビニルモノマー(a3)、並びに必要に応じてこれら以外のビニルモノマー(a4)を、重量比が順に43〜55:20〜40:10〜30:0〜20となるように重合させてなる共重合体
(B)成分:4%懸濁スラリー(水/エタノール=1/1)にしたときのpHが8.0以下であり、かつジブチルアミン吸着量が7〜70mmol/kgであり、かつ平均粒子径が2.5〜5μmの疎水性沈殿珪酸
(C)成分:分子内に(メタ)アクリロイル基を3〜6個有し、かつ重量平均分子量が250〜1000であり、かつ水酸基価が0〜60mgKOH/gであるポリ(メタ)アクリレート化合物
(D)成分:光重合開始剤
また、本発明は、当該活性エネルギー線硬化型組成物から得られる硬化皮膜、並びに当該硬化皮膜を基材フィルムの少なくとも片面に有する帯電防止処理光学フィルム、に関する。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、常温常湿で長期間放置しても分離しないなど保管安定性に優れる。また、当該樹脂組成物によれば、調整直後のみならず長期間放置した場合においても帯電防止性に優れ、かつ防眩性、耐擦傷性、硬度及び外観のバランスが良好な硬化皮膜をワンコートで得ることができる。
また、本発明の硬化皮膜は、帯電防止性、防眩性、耐擦傷性、硬度及び外観並びに表面抵抗値の経時安定性に優れるため、当該硬化皮膜を備える帯電防止処理光学フィルムは、保護フィルムとして、光学部品用途や、フラットパネルディスプレイ等のディスプレイ用途に適している。
本発明を構成する(A)成分は、四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマー(a1)(以下、(a1)成分という。)、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類が開環重付加してなり、かつ重量平均分子量が4000〜10000であるビニルモノマー(a2)(以下、(a2)成分という。)、炭素数3〜5の分岐状アルキルエステル基を有し、かつ脂環構造を有しないビニルモノマー(a3)(以下、(a3)成分という。)、並びに必要に応じてこれら以外のビニルモノマー(a4)(以下、(a4)成分という。)を所定重量比で重合させてなる共重合体である。
(a1)成分としては、分子内に四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマーであれば、各種公知のものを特に制限なく用い得る。具体的には、式(1):CH=C(R)−CO−A−B−N(R)(R)(R)・X(式中、RはH又はCH、R〜Rは炭素数1〜3程度のアルキル基を、AはO又はNHを、Bは炭素数1〜3程度のアルキレン基を、Xはカウンターアニオン種を表す)で表される(メタ)アクリレート化合物が好適であり、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、Xとしては、Cl、SO 、SO 、CSO 、Br等が挙げられるが、(A)成分の帯電防止能の点よりClが最も好ましい。なお、(a1)成分は、四級アンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリロイルモノマーとして、市販品(共栄社化学(株)製「ライトエステルDQ−100」、(興人(株)製「DMAEA−Q」等)を利用できる。
(a2)成分は、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類を開環重付加反応させたものであり、各種公知のものを特に制限なく用い得る。なお、(a2)成分に代えて他の長鎖モノマー、例えばアルキル基末端のアルキレンオキシド構造を分子内に有するビニルモノマーを使用した場合には、(A)成分の帯電防止能が不十分になる傾向にある。
前記水酸基含有ビニルモノマー類としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルアミド等の水酸基含有(メタ)アクリレート、並びにヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル及びヒドロキシジエチレングリコールビニルエーテル等の水酸基含有ビニルモノマー等からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、特にラジカル共重合性の点より、水酸基含有(メタ)アクリレートが好ましい。
前記ラクトン類としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル―δ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン等からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、特に開環重合の反応性の点より、ε−カプロラクトン及び/又はδ−バレロラクトンが好ましい。
(a2)成分は各種公知の方法で得ることができる。具体的には、例えば、前記水酸基含有ビニルモノマー類を開始剤として、前記ラクトン類を開環重付加反応させればよい。また、反応の際に水酸基含有単官能ビニルモノマー類とラクトン類の仕込み比率や、反応温度、触媒種・量を適宜選択することによって、ポリエステル構造が繰り返され、前記重量平均分子量が達成される。
開環重付加反応の際には触媒として、例えば硫酸、リン酸等の鉱酸;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキル金属化合物;チタンテトラブトキシド等の金属アルコキシド;ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクトレート、ジブチルスズメルカプチド、オクリル酸スズ等のスズ化合物等が挙げられ、その使用量は通常、水酸基含有ビニルモノマー類及びラクトン類の合計100重量%に対して0.01〜10重量%程度である。
こうして得られる(a2)成分は、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値をいう。以下、同様。)が4000〜10000程度、好ましくは5000〜8000である。重量平均分子量が4000未満であると、(A)成分と(C)成分の相溶性が不十分となり、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が濁ったり、その硬化皮膜の透明性が損なわれたりする傾向にある。また、10000を超えるものは、合成が困難である。
(a3)成分としては、炭素数3〜5の分岐状アルキルエステル基を有し、かつ脂環構造を有しないビニルモノマーであれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート及び2−メチルブチル(メタ)アクリレート等からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
(a4)成分は任意成分であり、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレートフェニル(メタ)アクリレート等の、炭素数3未満乃至6以上の炭化水素基を有するモノ(メタ)アクリレート類や、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン等、ベンジル(メタ)アクリレート、の芳香環構造ビニルモノマー類等が挙げられる。
(A)成分は、前記(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分、並びに必要に応じて(a4)成分を各種公知の方法でラジカル共重合させることにより得られる。反応温度は通常40〜160℃程度、反応時間は2〜12時間程度である。
(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、及び(a4)成分の共重合比率(重量比)は特に制限されないが、相溶性や硬化皮膜の帯電防止性、防眩性等を考慮すると、通常は順に43〜55:20〜40:10〜30:0〜20程度であり、好ましくは45〜55:25〜35:10〜25:0〜10程度(又は45〜55:25〜35:10〜25:1〜10程度)である。
共重合反応の際にはラジカル重合開始剤として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物や、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、2、2−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物を使用でき、その使用量は通常、(a1)成分〜(a4)成分の総重量に対し、0.01〜10重量%程度である。
また、共重合反応の際には連鎖移動剤として、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール及びブロムトリクロルメタン等を使用してもよく、その使用量は通常、(a1)成分〜(a4)成分の総重量に対し、0.01〜10重量%程度である。
また、共重合反応を溶液重合により行う場合には、有機溶剤として、エチレングリコールモノエチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類や、メタノール、エタノール及びn−プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンセン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル及び酢酸ブチル等の酢酸エステル類、並びにクロロホルム及びジメチルホルムアミド等の有機溶剤を使用できる。これらの中でも(a1)成分〜(a4)成分の溶解力の点より前記グリコールエーテル類が好ましい。
こうして得られる(A)成分の物性は特に限定されないが、例えば、(A)成分のプロピレングリコールモノメチルエーテル希薄溶液(1〜2重量%程度)の25℃における極限粘度が0.05dl/g以上、具体的には0.1〜1dl/g程度であり、極限粘度を0.05dl/g以上にすることによって、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物より得られる硬化皮膜表面に(A)成分がブリードアウトし難くなり、当該硬化皮膜の帯電防止性が良好になる。
(B)成分である疎水性沈降珪酸とは、各種公知の沈降珪酸を公知の有機ケイ素化合物で更に表面処理してなる粒子状の物質であり、その表面にシラノール基が存在する。沈降珪酸は、例えば、所定濃度に調整したケイ酸ソーダ水溶液に硫酸等の酸性物質を加えてゆき、得られた反応スラリー液を常法に従い濾過し、水洗し、そして乾燥させることにより得られる。また、前記有機ケイ素化合物としては、トリメチルシラノール、トリメチルモノクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、トリエチルモノクロルシラン、トリメチルモノメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリエチルモノメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、シリコーン油等が挙げられ、当該有機ケイ素化合物と前記沈殿珪酸(粉末)とを各種公知の手段で混合し、100〜130℃程度の温度で加熱反応させることにより、目的とする疎水性沈殿珪酸が得られる。疎水性沈降珪酸の製造方法は、例えば特開昭58−208124号公報に詳しい。
(B)成分は、4%懸濁スラリー(水/エタノール=1/1)にしたときのpHが8.0以下であり、かつジブチルアミン吸着量(以下、DBA値という。)が7〜70mmol/kg程度であり、かつ平均粒子径が2.5〜5μm程度である。ここにDBA値とは(B)成分の疎水化の程度を表す指標であり、(B)成分の粒子表面に残存する親水性シラノール基の量をジブチルアミンの吸着量という尺度を通じて把握することにより、(B)成分の疎水化度を間接的に知ることが可能となる。また、平均粒子径の測定手段としては、例えばコールター原理を用いた測定装置(カウンター)が挙げられる。
本発明においては、(B)成分のpH値、DBA値及び平均粒子径をそれぞれ前記範囲に規定することにより、(C)成分中で(B)成分が分散しやすくなる結果、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の相溶性、並びに本発明の硬化皮膜の帯電防止性、防眩性、耐擦傷性及び硬度が良好になり、かつ当該硬化皮膜内部で凝集物が発生し難くなる。かかる観点より、pHは好ましくは7〜7.5程度であり、DBA値は好ましくは7〜20程度であり、平均粒子径は好ましくは1〜3μm程度である。なお、(B)成分は市販品であってよく、例えばニップシルSS50A(東ソー・シリカ(株)製)や、サイロホービック100(富士シリシア化学(株)製)等が挙げられる。
(C)成分としては、分子内に(メタ)アクリロイル基を3〜6有し、かつ重量平均分子量が250〜10000程度(好ましくは550〜7000程度)であり、かつ水酸基価が0〜60mgKOH/g程度(好ましくは15〜50mgKOH/g程度)であるポリ(メタ)アクリレート化合物を用いる。(A)成分及び(B)成分の双方と組み合わせるポリ(メタ)アクリレート化合物として該(C)成分を用いることにより、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の相溶性、並びに本発明の硬化皮膜の帯電防止性及びその湿度依存性、並びに当該硬化被膜の防眩性、耐擦傷性、硬度、透明性及び外観等のバランスが良好になる。
(C)成分としては、具体的には、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の非ウレタン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物や、当該非ウレタン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物と各種公知のポリイソシアネート化合物との反応により得られるウレタン変性ポリ(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは2種以上を併用してよい。なお、(C)成分は市販品を使用でき、この場合は通常、(メタ)アクリロイル基個数が異なる化合物が混在した組成物となる。また、該(C)成分としては、(メタ)アクリロイル基個数が5個の化合物、6個の化合物、及びそれらの混合物のいずれか1種が好ましく、特に、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が最も好ましい。
前記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、3−メチル−ジフェニルメタンジイソシアネート及び1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート化合物;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;これらの2〜6量体等が挙げられ、これらの中でも硬化皮膜の耐候性の観点より脂環族ジイソシアネート化合物が好ましい。
なお、(C)成分とともに、必要に応じ、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個有するジ(メタ)アクリレート類として、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールAエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート等を併用できる。
(D)成分としては、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、o−ベンゾイル安息香酸メチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、ベンゾイル安息香酸メチル、フェニルベンゾフェノン、トリメチルベンゾフェノン及びヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤;フェノキシジクロロアセトフェノン、ブチルジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシメチルフェニルプロパンオン、イソプロピルフェニルヒドロキシメチルプロパンオン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及びヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系重合開始剤;チオキサントン、クロルチオキサントン、メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジクロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン及びジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤などが挙げられる、これらは2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物における(A)成分、(B)成分及び(C)成分並びに必要に応じて用いる(D)成分の含有量比は特に制限されないが、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物より得られる硬化皮膜の帯電防止性及びその湿度依存性、並びに透明性、耐擦傷性、硬度及び透明性等のバランスの観点より、通常は、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量を100重量%(固形分換算)とした場合において、順に1〜15重量%程度、1〜15重量%程度及び70〜98重量%程度並びに0〜10重量%程度であり、好ましくは5〜10重量%程度、3〜9重量%程度及び71〜92重量%程度並びに3〜5重量%程度である。
また、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、塗布作業性等を考慮して、前記した有機溶剤を希釈溶剤として使用できる。それらの中でも当該組成物の表面平滑性を考慮すると、前記グリコールエーテル類、アルコール類、及びケトン類からなる群より選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。また、希釈後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の固形分濃度は通常1〜60重量%程度である。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、添加剤として、光増感剤、表面調整剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、シランかつプリング剤、コロイダルシリカ、接着性改良剤、消泡剤、湿潤剤、防錆剤及び安定化剤等を配合してもよい。
本発明の硬化皮膜は、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物から得られる。具体的には、例えば、当該組成物を各種基材上に、乾燥後の重量が0.05〜30g/m程度、好ましくは0.1〜20g/m程度になるように塗布し、乾燥させた後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより得ることができる。
塗布方法としては、例えばバーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、紫外線や電子線が挙げられる。紫外線光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が挙げられる。また、光量、光源、搬送速度等の条件は適宜調整すればよく、例えば高圧水銀灯を使用する場合には、光量が通常80〜160W/cm程度、搬送速度が通常5〜50m/分程度である。
本発明の帯電防止処理光学フィルムは、当該硬化皮膜を基材フィルムの少なくとも片面に有するものである。
基材フィルムとしては、例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、エポキシ樹脂フィルム、メラミン樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ABS樹脂フィルム、AS樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、脂環式ポリオレフィン系樹脂フィルム等が挙げられ、これらの中でも透明性、硬化皮膜との密着性の観点より、ポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル系樹脂フィルム及び脂環オレフィン系樹脂フィルムからなる群より選ばれる1種が好ましい。
また、基材フィルムの平均厚みは特に限定されないが、通常30〜1000μm程度、好ましくは30〜200μmである。
当該帯電防止処理光学フィルムの硬化皮膜は、平均膜厚が通常0.05〜30μm程度、好ましくは0.1〜20μmである。
また、当該帯電防止処理光学フィルムの硬化皮膜面の表面抵抗値は通常2.0×1011Ω/□未満、好ましくは1.0×10〜1.0×1011Ω/□である。
また、当該帯電防止処理光学フィルムの硬化皮膜面の鉛筆硬度(JIS K 5400準拠、荷重500g)が通常2H以上である。
また、当該帯電防止処理光学フィルムのヘイズ値は通常1以上である。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例中、「%」及び「部」は特に断りのない限り「重量%」を意味する。
また、(A)成分の重量平均分子量は、下記市販の分子量測定機を利用し、以下の条件で測定した実測値である。
分子量測定機:製品名「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製
カラム:製品名「TSKGel G6000PWXL−CP」、「TSKGel G3000PWXL−CP」、いずれも東ソー(株)製
展開溶媒:0.1MのNaNO及び0.1Mの酢酸溶液
流速:0.5mL/min
試料濃度:0.5g/L
また、(A)成分のプロピレングリコールモノメチルエーテル希薄溶液(1〜2重量%程度)の極限粘度(25℃)は、下記市販の測定器具を用い、下記条件にて測定した値である。
また、(A)成分の重量平均分子量は、下記市販の分子量測定機を利用し、以下の条件で測定した実測値である。
分子量測定機:製品名「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製
カラム:製品名「TSKGel G6000PWXL−CP」、「TSKGel G3000PWXL−CP」、東ソー(株)製
展開溶媒:0.1MのNaNO及び0.1Mの酢酸溶液
流速:0.5mL/min
試料濃度:0.5g/L
<(a2)成分の合成>
合成例1
撹拌装置、冷却管を備えた反応装置に、ヒドロキシエチルメタクリレートを130部、ε−カプロラクトンを1140部、及びオクチル酸スズを1.3部加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却することにより、重量平均分子量約5500のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(以下、(a2−1)成分という。)を得た。
合成例2
合成例1と同様の反応装置に、ヒドロキシエチルメタクリレートを130部、δ−バレロラクトンを2280部、オクチル酸スズを1.3部加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却し、重量平均分子量約7400のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(以下、(a2−2)成分という。)を得た
比較合成例1
合成例1と同様の反応装置に、ヒドロキシエチルメタクリレートを130部、ε−カプロラクトンを570部、オクチル酸スズを0.7部加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却し、重量平均分子量約2900のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(以下、(b−1)成分という。)を得た。
<(A)成分の合成>
合成例A−1
合成例1と同様の反応装置に、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(DMC)(以下、(a1−1)成分という。)を100部、(a2−1)成分を60部、tert−ブチルメタアクリレート(t−BMA)(以下、(a3−1)成分という。)を40部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)を800部加え、90℃まで昇温した。次いで2,2´−アゾビス(メチルブチロニトリル)(AMBN)を8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−1)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例A−2
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を100部、(a2−1)成分を60部、iso−ブチルメタアクリレート(i−BMA)(以下、(a3−2)成分という。)を40部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−2)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例A−3
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を60部、(a2−1)成分を60部、(a3−1)成分を80部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−3)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例A−4
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を60部、(a2−1)成分を60部、(a3−2)を成分80部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−4)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例A−5
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を120部、(a2−1)成分を60部、(a3−1)成分を20部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−5)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例A−6
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を120部、(a2−1)成分を60部、(a3−2)成分を20部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−6)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例A−7
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を100部、(a2−2)成分を60部、(a3−1)成分を40部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−7)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例A−8
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を50部、(a2−1)成分を60部、(a3−1)成分を90部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−8)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較合成例A−1
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を100部、(a2−1)成分を60部、シクロヘキシルメタクリレート(以下、CHMAという。)を40部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−1)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較合成例A−2
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を100部、(a2−1)成分を60部、ノルマルブチルメタクリレート(以下、n−BMAという。)を40部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−2)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較合成例A−3
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を100部、(b−1)成分を60部、(a3−1)成分を40部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−3)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較合成例A−4
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を130部、(a2−1)成分を60部、(a3−1)成分を10部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−4)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較合成例A−5
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を100部、(a2−1)成分を60部、エチルアクリレート(以下、EAという。)を40部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−5)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較合成例A−6
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を100部、(a2−1)成分を60部、2−エチルヘキシルアクリレート(以下、EHMAという。)を40部及びPGMを800部加え、90℃まで昇温した。次いでAMBNを8部及びPGMを32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−6)の溶液(不揮発分20%)を得た。
Figure 0006287615
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
実施例1
(A−1)成分を10部、(B−1)成分として疎水性沈殿珪酸(東ソー・シリカ(株)製、商品名「ニップシルSS50A」、4%懸濁スラリー(水/エタノール=1/1)にしたときのpHが7.0、DBA値14mmol/kg、平均粒子径3.0μm)を6部、(C)成分としてジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート(DPHA)(ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの混合物:荒川化学工業(株)製、商品名「KU‐702」。以下、(C−1)成分という。)を84部、及び(D)成分として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(BASFジャパン(株)製、商品名「イルガキュアー184」、以下HCPKという。)を5部、固形分割合で配合し、メチルイソブチルケトン(MIBK)で希釈して、不揮発分50%の活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。また、当該組成物の相溶性(外観)を、塗料調製直後及び25℃、50%に2週間放置した後のそれぞれについて、以下の基準で目視評価した。
○:均一に分散、又は再分散可能な緩やかな沈殿が生じている
☓:ハードケーキ状の沈殿が生じている
実施例2〜7、比較例1〜7
実施例1において、(B)成分及び(C)成分として表2及び表3に記載のものを、表4で示す部数で使用した他は同様にして活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。また、各組成物の相溶性を塗料作成直後及び25℃、50%に2週間放置した後でそれぞれ目視評価した。
Figure 0006287615
(B−1)成分…東ソー・シリカ(株)製の疎水性沈殿珪酸(商品名「ニップシルSS50A」)
(B−2)成分…東ソー・シリカ(株)製の疎水性沈殿珪酸(商品名「ニップシルSS50C」)
(B−3)成分…東ソー・シリカ(株)製の疎水性沈殿珪酸(商品名「ニップシルSS50B」)
(B−4)成分…東ソー・シリカ(株)製の疎水性沈殿珪酸(商品名「ニップシルSS−100」)
(B−5)成分…東ソー・シリカ(株)製の疎水性沈殿珪酸(商品名「ニップシルSS−72F」)
Figure 0006287615
N:当該整数個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が混在していることを意味する
Mw:重量平均分子量
OHV:水酸基価
DPHA:ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート(商品名「KU‐702」、荒川化学工業(株)製)
TPPA:トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート(商品名「ビスコート#802」、大阪有機化学工業(株)製)
PEUA:ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートを主原料とするウレタン変性ポリ(メタ)アクリレート(商品名「KU−PEUA」、荒川化学工業(株)製)
DPUA:ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートを主原料とするウレタン変性ポリ(メタ)アクリレート(商品名「KU−DPUA」、荒川化学工業(株)製)
PETA:ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート(商品名「ビスコート#300」、大阪有機化学工業(株)製)
<調製直後の活性エネルギー線硬化型組成物を使用した硬化皮膜>
〔表面抵抗値の測定〕
実施例1の活性エネルギー線硬化型組成物(調製直後)を、100μm厚のポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA−4100」)の上に、#4バーコーターを用いて塗布し(膜厚の計算値:2〜3μm)、80℃で1分乾燥させた。次いで、得られたフィルムを、大気中、高圧水銀灯(200mJ/cm)の下を2度通過させることにより、硬化皮膜を備えた帯電防止処理光学フィルムを作製した。他の実施例及び比較例の活性エネルギー線硬化型組成物についても同様にして帯電防止処理光学フィルムを作製した。次いで、当該フィルムの硬化皮膜の表面抵抗を、市販抵抗率計(三菱化学(株)製、製品名「ハイレスタMCP−HT−450」)を用い、JIS K 6911に準じ、印加電圧500Vで測定した。
<調製後、25℃及び50%で2週間放置した後の活性エネルギー線硬化型組成物を使用した場合>
〔表面抵抗値の測定〕
実施例1の活性エネルギー線硬化型組成物(25℃、50%に2週間放置した後)を用い、前記したのと同様の方法により、帯電防止処理光学フィルムを作製した。次いで、当該フィルムの硬化皮膜の表面抵抗を同様の方法で測定した。
〔ヘイズの測定〕
当該帯電防止処理光学フィルムのヘイズ値を、村上色彩技術研究所製カラーへイズメーターを用い、JIS K 5400に準拠して測定した。なお、各ヘイズ値は基材であるポリエステルフィルムのヘイズ値を含めた数値である。
〔耐擦傷性〕
当該帯電防止処理光学フィルムの硬化皮膜を、スチールウール(10mm×10mm)を底に貼り付けた200gの重りで10回擦り、塗膜外観を以下の基準で目視評価した。
○:硬化皮膜上に傷無し
☓:硬化皮膜上に無数の細かい傷有り
〔鉛筆硬度〕
当該帯電防止処理光学フィルムの硬化皮膜を、荷重500gの鉛筆引っかき試験(JIS K 5400準拠)により評価した。
〔塗膜外観〕
当該帯電防止処理光学フィルムの硬化皮膜表面を目視観察し、粒子の凝集物の有無を観察した。
Figure 0006287615

Claims (10)

  1. 下記(A)成分、(B)成分(C)成分及び(D)成分を含有する、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
    (A)成分:四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマー(a1)、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類が開環重付加してなり、かつ重量平均分子量が4000〜10000であるビニルモノマー(a2)、炭素数3〜5の分岐状アルキルエステル基を有し、かつ脂環構造を有しないビニルモノマー(a3)、並びに必要に応じてこれら以外のビニルモノマー(a4)を、重量比が順に43〜55:20〜40:10〜30:0〜20となるように重合させてなる共重合体
    (B)成分:4%懸濁スラリー(水/エタノール=1/1)にしたときのpHが8.0以下であり、かつジブチルアミン吸着量が7〜70mmol/kgであり、かつ平均粒子径が2.5〜5μmの疎水性沈殿珪酸
    (C)成分:分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも3〜6個有し、かつ重量平均分子量が250〜1000であり、かつ水酸基価が0〜60mgKOH/gであるポリ(メタ)アクリレート化合物
    (D)成分:光重合開始剤
  2. 前記ラクトン類がε−カプロラクトン及び/又はδ−バレロラクトンである、請求項1の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  3. (A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の含有量比が順に1.0〜15.0重量%、1.0〜15.0重量%及び70〜98重量%並びに〜10.0重量%である、請求項1又は2の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかの活性エネルギー線硬化型組成物から得られる硬化皮膜。
  5. 請求項4の硬化皮膜を基材フィルムの少なくとも片面に有する帯電防止処理光学フィルム。
  6. 基材フィルムが、ポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル系樹脂フィルム及び脂環オレフィン系樹脂フィルムからなる群より選ばれる1種である、請求項5の帯電防止処理光学フィルム。
  7. 基材フィルムの平均厚みが10〜500μmである請求項5又は6の帯電防止処理光学フィルム。
  8. 硬化皮膜の平均膜厚が0.05〜30μmである請求項5〜7のいずれかの帯電防止処理光学フィルム。
  9. 硬化皮膜面の鉛筆硬度(JIS K 5400準拠、荷重500g)が2H以上である請求項5〜8のいずれかの帯電防止処理光学フィルム。
  10. 硬化皮膜を有するフィルムのヘイズ値が1以上である請求項5〜9のいずれかの帯電防止処理光学フィルム。
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