JP6287471B2 - 離型フィルム用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、離型フィルム用ポリエステルフィルムに関し、特に液晶表示用途等の偏光板用の離型フィルムとして好適に使用することができる二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種の用途において使用されている。その一つの用途として、液晶ディスプレイ(LCD)の偏光板用の離型ポリエステルフィルムとして使用されることもある。
近年、携帯電話やパーソナルコンピューターの急速な普及に伴い、従来型のディスプレイであるCRTに比べ、薄型軽量化、低消費電力、高画質化が可能である液晶ディスプレイの需要が著しく伸びつつあり、LCDの大画面化についてもその技術の成長は著しい。
LCDの大画面化の一例として、最近では、30インチ以上の大型TV用途にLCDが使用されている。このようなLCD自体の需要の増加、LCDの大画面化に伴いLCDの使用部材である偏光板の使用面積も増加することとなり、偏光板用の離型ポリエステルフィルムもその生産性を高め供給量を増やし、コストを下げることが求められている。
偏光板離型フィルムの生産性を上げるべく加工ラインの速度アップ等を実施した場合、従来の設計のポリエステルフィルムを適用すると、フィルムの滑り性、巻き特性、帯電性などの点で技術的課題があることがわかってきた。これらの課題があるために離型フィルムの生産性があげられないとともに、従来の設計のポリエステルフィルムを適用して無理に生産性をあげようとした場合は歩留まり低下などを伴い、結果的にはむしろ生産性を落としてしまうような問題が発生している。
また、加工ラインの速度アップを実施した場合は、流れ方向の検査性が落ち、検査精度が落ちる課題もある。適用されるLCDが大型化されると、その使用部材に異物が存在していた際に使用不可と判定される部材面積も大きくなるということを意味しており、使用部材の検査精度が落ちると、検査性が十分でないことによる歩留まり低下が発生することにより、結果的にはやはり生産性を落としてしまうという問題が発生している。
特開2009−12254号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、その解決課題は、例えば、偏光板製造用の離型フィルムの基材として用いた際に、高速で離型層を塗設しても、巻き特性、帯電性、滑り性が十分であり、クロスニコル法における検査においても精度の高い検査を実施でき、高品質の偏光板製造用離型フィルムを生産することができる光学用途向けに好適な二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の粒子を配合し、かつ特定の構成を有するポリエステルフィルムにより、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、両外層に平均粒径の異なる少なくとも2種の粒子を含有する、少なくとも3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであり、当該フィルムの両面の最大断面粗さ(St)を平均粗さ(Sa)で除した値(St/Sa)が65〜90の範囲にあり、かつ配向角が15度以下であり、かつ、下記式を満足することを特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィルムに存する。
2≦ΔP/Δn≦7
(上記式中、ΔP面配向度、Δnは複屈折率を意味する)
本発明によれば、偏光板製造用の離型フィルムの基材として用いた際に、高速で離型加工しても巻き特性、帯電性、滑り性が十分であり、クロスニコル法における検査においても精度の高い検査を実施でき、高品質の偏光板製造用離型フィルムを生産することができる光学用途向けに好適な二軸配向ポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、コハク酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。
かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。本発明のフィルムとしては、優れた強度や寸法安定性の観点から二軸延伸フィルムが好ましく用いられる。
本発明におけるポリエステルフィルムの両外層に小粒子として添加する好適な粒子のひとつとして架橋高分子粒子が挙げられる。その平粒径が0.2μm未満である場合は、ポリエステルフィルムとした場合の平均粗さ(Sa)を十分高い値まで到達させることができず、本発明の範囲のフィルムを設計することができないことがある。逆に、1.0μmを超える場合は、ポリエステルフィルムとした場合の平均粗さ(Sa)を十分低い値とすることができなくなり、最大断面粗さ(St)を平均粗さ(Sa)の関係を本発明の範囲内に制御することが困難となることがある。
これら小粒子の好ましい含有量は、粒子を含有している外層に対して通常0.05〜0.5重量%である。架橋剤高分子粒子Aの含有量が0.05重量%未満だと、表面突起の形成が十分でないため、易滑性が低下し、傷が入りやすくなったり、また、フィルム巻き取り時に静電気が発生し異物等の巻き込みが発生しやすくなったりして、フィルム品質が低下することがある。また、小粒子の含有量が0.5重量%より多くなると、表面粗面化によりフィルムの透明性が低くなり、目視検査性の点で劣る傾向がある。
架橋高分子粒子は、例えば、次のようにして得ることができる。すなわち、分子中にただ一個の脂肪族の不飽和結合を有する化合物(A)と、架橋剤として分子中に2個以上の脂肪族の不飽和結合を有する化合物(B)とを共重合させて得られる。共重合体の一成分である化合物(A)の例としては、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸、およびこれらのメチルエステル、エチルエステル等の低級アルキルエステル、またはグリシジルエステル、無水マレイン酸およびそのアルキル誘導体、ビニルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンおよびその置換体等を挙げることができる。また化合物(B)の例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールアクリレート等を挙げることができる。
これらの共重合体の典型的な例としては、メタクリル酸とジビニルベンゼン、スチレンとジビニルベンゼン、メタクリル酸とエチレングリコールジメタクリレートの共重合体を挙げることができるが、本発明においては、化合物(A)および(B)を複数用いて架橋高分子粒子を得ても構わない。
本発明で使用することのできる架橋高分子粒子は、粒度分布(r)が2.0〜5.0、平均粒径(d)が0.2〜1.0μmのものが好ましく、かかる粒度分布(r)および平均粒径(d)を有する粒子を得るためには、懸濁重合あるいは乳化重合により直接得たものを配合してもよいが、特に懸濁重合の場合に簡単に得ることのできる数十μm〜数百μmの大きさの架橋高分子を粉砕、分級することで得ることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムの両外層に大粒子として添加する好適な粒子のひとつとして不活性粒子が挙げられる。不活性粒子は、その平均粒径が好ましくは0.4〜2.0μm、より好ましくは0.5〜1.5μm、さらに好ましくは0.6〜1.0μmの範囲にある。また不活性粒子の添加量は、好ましくはフィルムの外層に対して0.05〜2.0重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%である。
不活性粒子の平均粒径が0.5μmより小さいと、粒子に起因するフィルム表面の突起の発現が十分でないため、傷の発生や巻き特性への改善効果が認められないことがある。また、平均粒径が2.0μmよりも大きいと、フィルム表面に発現する突起が大きくなり、輝点欠点のように見えてしまうことがある。
不活性粒子の添加量が0.05重量%未満の場合、粒子に起因するフィルム表面の突起の数が十分でなく、傷の発生や巻ずれ等の巻き特性の改善効果が認められないことがある。また、添加量が1.0重量%を超えるとフィルム表面に発現する突起が大きくなり、輝点欠点のように見えてしまうことがある。
本発明において特に好適に用いることのできる不活性粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられるが、フィルム化したときの透明性や取扱い性の観点からシリカが好ましく用いられる。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に限定はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルムの両面の最大断面粗さ(St)を平均粗さ(Sa)で除した値(St/Sa)が65から90の範囲であること必須の条件とし、好ましくは70から80の範囲である。St/Saが90よりも大きい場合は、フィルム表面の微細な荒れ性が不足することにより、ポリエステルフィルム巻出し時に静電気が発生したり、離型層を塗設置後の製品で巻き上げた製品でブロッキングが発生したりする懸念がある。St/Saが65よりも小さい場合は、フィルム表面が微細に荒れすぎていることに起因しフィルム表面で光の乱反射が発生し、離型層を塗設置後の製品での検査性が劣る。また十分な高さの突起がフィルム表面に十分存在していないことに起因し製品巻き取り時に巻ずれが発生しやすくなる。
なお、本発明においては、粒子の表面が各種表面処理剤、例えばシランカップリング剤やチタンカップリング剤等で処理されていたとしてもその効果は十分発揮される。
さらに、本発明におけるポリエステルフィルムは、配向角(配向主軸の傾きと表現されることもある)が15度以下であり、下記式を満足する必要がある。なお、ここでいう配向角とは、フィルム幅方向または縦方向に対する主軸の傾きである。
2≦ΔP/Δn≦7
(上記式中、ΔP面配向度、Δnは複屈折率を意味する)
配向角が15度より大きいとクロスニコル法検査の際に光漏れが大きくなり、ΔP/Δnが2未満あるいは7より大きい場合には、クロスニコル検査の際の光漏れが大きくなり、好ましくない。
以下、本発明のフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の構成を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
公知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。
さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その要求特性に応じて必要な特性、例えば帯電防止性、耐候性および表面硬度の向上のため、必要に応じて縦延伸終了後、横延伸のテンター入口前にコートをしてテンター内で乾燥するいわゆるインラインコートを行ってもよい。また、フィルム製造後にオフラインコートで各種のコートを行ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としては、オフラインコーティングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでもよいが、インラインコーティングの場合は水系または水分散系が好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料、蛍光増白剤等を混合することができる。
本発明のポリエステルフィルムに離型層を設置する場合、離型層を構成する材料は離型性を有するものであれば特に限定されるものではなく、硬化型シリコーン樹脂を主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。それらの中でも、硬化型シリコーン樹脂を主成分とした場合に離型性が良好な点で良い。硬化型シリコーン樹脂の種類としては溶剤付加型・溶剤縮合型・溶剤紫外線硬化型、無溶剤付加型、無溶剤縮合型、無溶剤紫外線硬化型、無溶剤電子線硬化型等いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。
(1)平均粒径
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
(2)フィルム表面の算術平均粗さ(Sa)、最大断面粗さ(St)測定
試料フィルムの測定面を試料フィルムの測定面を、直接位相検出干渉法、いわゆるマイケルソンの干渉を利用した2光束干渉法を用いた、非接触表面計測システム「マイクロマップ社製Micromap512)」により算術平均粗さ(Sa)、最大断面粗さ(St)を計測した。なお、測定波長は530nmとし、対物レンズは20倍を用いて、20°視野計測し、算術平均粗さ(Sa)、最大断面粗さ(St)ともそれぞれ計12点計測した計測値の内、その最大値と最小値を除く計10点の平均値を採用した。
(3)巻き特性(巻ずれ)
4000mm幅のマスターロールから幅1300mm、巻長さ8000mの製品を採取した際の巻ずれ品の発生比率(巻ズレ本数/全製品本数)から、巻き特性を下記基準に従い判定した。
〇:0〜10%
×:10%以上
(4)帯電量
前述の手法で幅1300mm、巻長さ8000mの製品を巻き取ったあと、フィルムを外周2周分巻きほぐし、その際に発生するフィルム内面側静電気の帯電性をデジタル静電電位測定器(KSD-1000, 春日電機製)で測定した。
(5)ブロッキング性
ポリエステルフィルム上に硬化型シリコーン樹脂(信越化学製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学製「CAT−PL−8」)1部、メチルエチルケトン(MEK)/トルエン混合溶媒系2200部よりなる離型剤を塗工量が0.1g/mmになるように塗布して170℃で10秒間の乾燥を行い離型フィルムとした。得られた離型フィルムを離型層塗設面とプレーン面が面するように10セット用意し、40℃、80%RHの環境下、熱プレス機で10kg/cm2の条件で48時間プレスした。熱プレス後に真ん中のフィルム1セットを取り出し、以下の基準でそのブロッキング性を評価した。
○:片側のフィルムを持ち上げるだけで対となっているフィルムが剥がれる
△:片側のフィルムを持ち上げた際、対となっているフィルムも付随して付いてくるが、これらを剥がす際、音を立てることなく剥がすことができる
×:片側のフィルムを持ち上げた際、対となっているフィルムも付随して付いてきて、これらを剥がす際、ぱりぱりと音を立てる
(6)離型フィルムの目視検査性
(5)に記載の内容に準じてポリエステルフィルムに離型層を塗設後、蛍光灯反射下で目視にて観察し、目視検査性を下記基準に従い評価した。
<反射光下での目視検査性 判定基準>
(検査性良好) ○>△>× (検査性不良)
(7)配向角の測定
カールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、ポリエステルフィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の主配向軸の方向がポリエステルフィルムの幅方向に対して何度傾いているかを測定し配向角とした。この測定を得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所について実施し、3カ所の内で最も大きい配向角の値を最大配向角とした。
(8)屈折率の測定
アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、フィルム面内の屈折率の最大値nγ、それに直角の方向の屈折率nβ、およびフィルムの厚さ方向の屈折率nαを測定し、次式によりΔn、ΔPを求めΔP/Δnを算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行った。また上記屈折率の測定は、得られたフィルムの中央部と両端の計3カ所を測定し、それぞれの箇所のΔP/Δnを算出し、3点の最大値と最小値を求めた。
Δn=nγ-nα
ΔP=(nγ+nβ)/2−nα
(9)クロスニコル下での目視検査性
(5)に記載の内容に準じて離型フィルムを得た後、離型フィルムの幅方向が偏光フィルムの配向軸と平行となるように、粘着剤を介して離型フィルムを偏光フィルムに密着させて偏光板とし、密着させた離型フィルム上に配向軸がフィルム幅方向と直交するように検査用の偏光板を重ね合わせ、偏光板側より白色光を照射し、検査用の偏光板より目視にて観察し、クロスニコル下での目視検査性を下記基準に従い評価した。なお測定の際には、得られたフィルムの中央部と両端部の計3カ所のフィルムを用いて評価し、最も不良であった評価結果をそのフィルムの目視検査性とした。
<クロスニコル下での目視検査性 判定基準>
○:光干渉性無く検査可能
△:光干渉性はあるが検査可能
×:光干渉性があり検査不能
上記基準中、○および△は実用上問題のないレベルである。
実施例1:
(架橋高分子微粉体の製造)
メタクリル酸メチル100部、ジビニルベンゼン25部、エチルビニルベンゼン22部、過酸化ベンゾイル1部およびトルエン100部の均一溶液を水700部に分散させた。
次に窒素雰囲気下で8時間撹拌しながら80℃に加熱し、重合を行なった。
得られたエステル基を有する架橋高分子粒状体の平均粒径は約0.1mmであった。該粒状体を脱塩水で水洗し、500部のトルエンで3回抽出して少量の未反応モノマーおよび線状ポリマーを除去した。次に該高分子粒状体をアトライターで2時間、さらに五十嵐機械(株)製サンドグラインダーで5時間粉砕することにより平均粒径が0.6μmの架橋高分子微粉体を得た。次いでスーパーデカンターで大粒子を除去した後、さらに2400メッシュフィルターを用いて粒度分布(r)が3.1、平均粒径が0.5μmの架橋高分子微粉体を得た。
(ポリエステルチップAの製造法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従いチップ化して、ポリエステルAを得た。
(ポリエステルチップBの製造法)
上記ポリエステルAを製造する際、平均粒径0.5μmの上記方法で得た架橋高分子微紛体6000ppm添加し、ポリエステルBを得た。
(ポリエステルチップCの製造法)
上記ポリエステルAを製造する際、平均粒径0.8μmの炭酸カルシウムを20000ppm添加し、ポリエステルCを得た。
(ポリエステルフィルムの製造)
上記ポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCを65%、20%、15%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステルA100%の原料をB層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(ABA)で、厚み構成比がA:B:A=3:32:3になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度125℃で縦方向に2.8倍延伸した後、テンターに導き、予熱工程を経て横方向に100℃で4.2倍延伸し、210℃で10秒間の熱処理を行った後、180℃で幅方向に7%の弛緩を加え、幅4000mm、厚さ38μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例2:
A層の原料配合をポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCをそれぞれ55%、30%、15%の割合とした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となった。
実施例3:
A層の原料配合をポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCをそれぞれ45%、40%、15%の割合とした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となった。
実施例4:
A層の原料配合をポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCをそれぞれ35%、50%、15%の割合とした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となった。
実施例5:
A層の原料配合をポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCをそれぞれ45%、30%、25%の割合とした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となった。
比較例1:
A層の原料配合をポリエステルA、ポリエステルCをそれぞれ85%、15%の割合とした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となった。
比較例2:
A層の原料配合をポリエステルA、ポリエステルB、ポリエステルCをそれぞれ75%、10%、15%の割合とした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となった。
比較例3:
A層の原料配合をポリエステルA、ポリエステルBをそれぞれ15%、85%の割合とした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となった。
比較例4:
A層、B層の原料処方は実施例2と同様にし、縦延伸倍率/縦延伸温度をそれぞれ4.6倍/100度とし、横延伸倍率/横延伸温度をそれぞれ3.8倍/120度とし、主結晶温度を230度とした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となった。
比較例5:
主結晶温度を195度とした以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムは、表1に示したような結果となった。
Figure 0006287471
本発明のフィルムは、例えば、偏光板製造用の離型フィルムの基材として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 両外層に平均粒径の異なる少なくとも2種の粒子を含有する、少なくとも3層以上の積層構造を有するポリエステルフィルムであり、当該フィルムの両面の最大断面粗さ(St)を平均粗さ(Sa)で除した値(St/Sa)が65〜90の範囲にあり、かつ配向角が15度以下であり、かつ、下記式を満足することを特徴とする離型フィルム用ポリエステルフィルム。
    2≦ΔP/Δn≦7
    (上記式中、ΔPは面配向度、Δnは複屈折率を意味する)
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