以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る印刷データ処理方法、印刷データ処理装置用プログラム、印刷データ処理装置用プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体、および印刷データ処理システムについて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷データ処理システムを示すブロック図である。
図1に示すように、印刷データ処理システム1はPC(Personal Computer)20および画像処理装置10を有する。なお、PC20および画像処理装置10の数は複数であってもよい。
PC20は情報処理装置を構成する。
図1に示すように、PC20と画像処理装置10とはネットワーク30を介して相互に通信可能に接続される。ネットワーク30は、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI(Fiber−Distributed Data Interface)等の規格によりコンピュータやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、あるいは、LAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)により構成されることができる。
PC20は、原稿画像の原データおよび付加画像の原データをそれぞれ印刷データに変換することにより、原稿画像の印刷データおよび付加画像の印刷データを生成する。原稿画像の原データとは、原稿画像の印刷データに変換される前の原稿画像のデータである。付加画像の原データとは、付加画像の印刷データに変換される前の付加画像のデータである。
PC20は、作成した付加画像の印刷データのオブジェクトごとの色設定を、画像処理装置10において、モノクロ(無彩色)またはカラー(有彩色)のいずれにも変換可能な特色である付加画像用特色に置換する。特色とは、一般的に、印刷においてプロセスカラー(例えば、CMYK(Cyan、Magenta、Yellow、Black))では再現できない色をいう。そのため、CMYKの比率の組合せ(以下、「CMYK値」と称する)で色を表現するプリンターでは、特色をあらかじめ指定されたCMYK値で印刷を行う。なお、本明細書においては、特色には、指定されたCMYK値により代替されて印刷が行われる色をも広く含むものとする。
PC20は、原稿画像の印刷データと、色設定が付加画像用特色に置換された付加画像の印刷データとを結合する。これにより、PC20は、原稿画像の印刷データと付加画像の印刷データとが結合された印刷データである結合印刷データを作成する。
付加画像とは、ユーザーが印刷しようとする原稿画像に付加されて原稿画像とともに印刷される画像をいう。付加画像は、例えば、結合印刷データが画像処理装置10によりラスタライズされた日付やカラーバー等のラスタライズ設定情報であり、ユーザーは、原稿画像に付加されて印刷された付加画像により印刷の仕上がりを確認することができる。ラスタライズとは、印刷データを、画像処理装置10に接続される図示しないプリンターにより画像の印刷が可能な画像データの形式(例えば、ビットマップ形式)に変換することをいう。
印刷データとは、画像処理装置10による画像処理が可能な言語で記述された、印刷対象であるドキュメントのデータである。具体的には、印刷データは、PDL(Page Description Language)データ、PDF(Portable Document Format)データまたはTIFF(Tagged Image File Format)データであり得る。印刷データには、例えば、イメージデータ、ベクタデータ(グラフィックスデータ)、またはテキストデータといった各種オブジェクトのデータが含まれている。なお、以下の説明においては、説明を容易にするために、印刷データはPDLデータであるものとして説明する。
結合印刷データは、印刷設定とともに印刷ジョブの一部としてPC20から画像処理装置10へ送信される。ここで、印刷ジョブとは、画像処理装置10、および画像処理装置10に接続されるプリンターに対する印刷命令の総称である。印刷設定には、例えば、印刷するための用紙の指定、印刷を行わせるプリンターの指定等の情報が含まれる。
画像処理装置10は、PC20から結合印刷データを受信し、結合印刷データのラスタライズを行う。画像処理装置10は、ラスタライズの際、結合印刷データの原稿画像がモノクロかカラーかの判定(以下、「モノクロ/カラー判定」と称する)を行う。そして、モノクロ/カラー判定結果に基づいて、原稿画像と付加画像のモノクロ/カラー特性が一致するように付加画像の印刷データであるPDLデータの色設定をなす付加画像用特色をモノクロの代替色またはカラーの代替色に変換する。そして、画像処理装置10は、ラスタライズを行った結合印刷データをプリンターに送信し、付加画像が付加された原稿画像の印刷をプリンターに行わせる。
図2は、PCの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、PC20は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、表示部205、入力部206、および通信部207を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス208を介して相互に接続される。
CPU201、RAM202、ROM203、およびHDD204は、置換手段および結合印刷データ作成手段を構成する。通信部207およびCPU201は、送信手段を構成する。
CPU201は、プログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理を行う。
RAM202は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
ROM203は、各種プログラムや各種データを保存する。
HDD204は、結合印刷データ作成プログラム、オペレーティングシステム、その他の各種プログラムを保存する。また、HDD204は、原稿画像および付加画像の各原データ、付加画像用特色のデータ、原稿画像および付加画像の各PDLデータ、結合印刷データ、その他の各種データを保存する。
結合印刷データ作成プログラムとは、結合印刷データを作成するためのプログラムである。付加画像用特色のデータとは、付加画像用特色の特色名と、モノクロ代替CMYK値およびカラー代替CMYK値の少なくともいずれかとの組合せのデータである。ここで、モノクロ代替CMYK値とは、付加画像のラスタライズの際、付加画像の色設定である付加画像用特色に対し置換可能なモノクロのCMYK値である。カラー代替CMYK値とは、付加画像のラスタライズの際、付加画像の色設定である付加画像用特色に対し置換可能なカラーのCMYK値である。
図3は、付加画像用特色のデータを示す図である。
図3に示すように、付加画像用特色は、一つの特色名について、モノクロ代替CMYK値およびカラー代替CMYK値の二つの代替CMYK値を有することができる。
HDD204に、付加画像用特色の特色名と、カラー代替CMYK値との組合せが付加画像用特色のデータとして保存されることで、付加画像用特色がPC20に登録される。なお、HDD204には、付加画像用特色の特色名と、モノクロ代替CMYK値との組合せがさらに保存されてもよい。
表示部205は、例えば液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。
入力部206は、例えばマウスといったポインティングデバイスやキーボードを含み、各種の操作、入力を行うために使用される。
通信部207は、外部機器と通信するためのインターフェースであり、イーサネット(登録商標)、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)、PCI Express、USB、IEEE1394等の規格によるネットワークインターフェース、BLUETOOTH(登録商標)、IEEE802.11等の無線通信インターフェース、電話回線に接続するための電話回線インターフェース等を利用することができる。
PC20は、上述した構成を有することにより以下のように作用する。
CPU201は、結合印刷データ作成プログラムに従い、付加画像用特色の入力受付画面を表示部205に表示させる。
図4は、付加画像用特色を登録するための入力受付画面を示す図である。
図4に示すように、ユーザーは付加画像用特色を登録するための入力受付画面において、付加画像用特色の特色名に対応するモノクロ代替CMYK値を設定することができる。なお、図4に示す例においては、カラー代替CMYK値は特色名に対応してあらかじめ設定されており、ユーザーによるカラー代替CMYK値の変更はできないようになっている。これは、例えば、付加画像がカラーで印刷される場合、付加画像用特色のうち特色名がSysCol1のオブジェクトについては、オブジェクトをシアン単色で色設定されることが当初より意図されているからである。ただし、ユーザーによりカラー代替CMYK値の変更ができるようにしてもよいことは勿論である。
CPU201は、付加画像用特色の入力受付画面にユーザーにより入力された付加画像用特色をHDD204に保存することによりPC20において付加画像用特色を登録するとともに、付加画像用特色を画像処理装置10に送信して画像処理装置10において登録させる。PC20には、付加画像用特色の特色名と、カラー代替CMYK値との組合せが付加画像用特色として登録される。画像処理装置10には、付加画像用特色の特色名と、モノクロ代替CMYK値との組合せが付加画像用特色として登録される。
CPU201は、結合印刷データ作成プログラムに従い、ユーザーにより指定された原稿画像の原データおよび付加画像の原データをそれぞれPDLデータに変換することにより、原稿画像のPDLデータおよび付加画像のPDLデータを生成する。
図5は、ユーザーが印刷しようとする原稿画像の原データおよび付加画像の原データを指定するための画像指定画面を示す図である。
図5に示すように、CPU201が結合印刷データ作成プログラムに従い表示部205に表示させた画像指定画面において、ユーザーは、印刷しようとする原稿画像の原データおよび付加画像の原データをそれぞれ指定することができる。図5の例においては、画像指定画面の原稿画像の入力ボックスに原稿画像の原データであるPDFデータの指定が入力されることによりユーザーが印刷しようとする原稿画像の原データが指定されている。また、画像指定画面の付加画像の入力ボックスに付加画像の原データであるPDFデータの指定が入力されることにより付加画像の原データが指定されている。
図6は、原稿画像と付加画像とを示す図である。
図6の例においては、付加画像は、複数のベクタデータのオブジェクトからなるカラーバーと、テキストデータのオブジェクトである日付とにより構成されている。また、原稿画像は、「足元注意」というテキストデータのオブジェクトと、ベクタデータのオブジェクトである警告マークとにより構成されている。
CPU201は、結合印刷データ作成プログラムに従い、生成した付加画像のPDLデータのオブジェクトごとの色設定を、付加画像のPDLデータにおけるオブジェクトごとの色設定に対応する付加画像用特色に置換する。この際、付加画像のオブジェクトごとの色設定は、付加画像用特色の特色名およびカラー代替CMYK値の組合せからなる付加画像用特色に置換される。さらに、CPU201は、原稿画像のPDLデータを生成し、生成した原稿画像のPDLデータと、各オブジェクトの色設定が付加画像用特色に置換された付加画像のPDLデータとを結合して結合印刷データを作成する。
図7は、結合印刷データと、結合印刷データにおける原稿画像および付加画像のオブジェクトごとの色設定を示す説明図である。
図7のBに示すように、原稿画像のPDLデータに続いて付加画像のPDLデータが記述されることにより、原稿画像のPDLデータと付加画像のPDLデータが結合され、結合印刷データが構成されている。本図に示されている結合印刷データは付加画像のオブジェクトごとの色設定が付加画像用特色によりなされている。すなわち、付加画像のPDLデータの色設定が、付加画像用特色の特色名およびカラー代替CMYK値の組合せによりなされている。
図7のAに示すように、付加画像をなすカラーバー700は、4つのオブジェクトにより構成されている。各オブジェクトは、それぞれ色設定が特色名(SysCol01、SysCol02、SysCol03、SysCol04)とカラー代替CMYK値による付加画像特色との組合せにより色設定がされている。一方、原稿画像の色設定は、CMYK値(Cyan=0%、Magenta=100%、Yellow=100%、Black=0%)によりなされている。なお、原稿画像の色設定は付加画像用特色以外の特色によりなされてもよい。
CPU201は、結合印刷データを通信部207から画像処理装置10に送信する。
図8は、画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図8に示すように、画像処理装置10は、CPU101、RAM102、ROM103、HDD104、および通信部105を有する。これらは信号をやり取りするためのバス106を介して相互に接続される。
画像処理装置10は、例えばコントローラーにより構成され、その基本構成は、PC20の基本構成と同様である。従って、PC20と重複する基本構成の基本的な機能については説明を省略する。
CPU101および通信部105は受信手段を構成する。CPU101、RAM102、ROM103、およびHDD104は判定手段を構成する。
HDD104は、ラスタライズプログラム、色変換プログラム、モノクロ/カラー判定プログラム、付加画像用特色登録プログラム、その他の各種プログラムを保存する。また、HDD104は、付加画像用特色のデータ、結合印刷データ、その他の各種データを保存する。
ラスタライズプログラムは、PC10から受信した結合印刷データを解釈し、ラスタライズを行うプログラムである。
色変換プログラムは、ラスタライズプログラムの要求に基づき、結合印刷データの色変換を行うプログラムである。
モノクロ/カラー判定プログラムは、ラスタライズプログラムの要求に基づき、色変換された結合印刷データのうち原稿画像のPDLデータについてモノクロかカラーかの判定を行うプログラムである。
付加画像用特色登録プログラムは、付加画像用特色を画像処理装置10に登録するプログラムである。
画像処理装置10は、上述した構成を有することにより以下のように作用する。
CPU101は、付加画像用特色登録プログラムに従い、PC10から受信した、付加画像用特色の特色名と、モノクロ代替CMYK値との組合せからなる付加画像用特色のデータをHDD104に保存させることにより、付加画像用特色を画像処理装置10に登録する。
CPU101は、ラスタライズプログラムに従い、PC20から通信部105により受信された結合印刷データのラスタライズを行う。
CPU101は、結合印刷データのラスタライズの際、ラスタライズプログラムおよびモノクロ/カラー判定プログラムに従い、結合印刷データについて、原稿画像のPDLデータの色設定に基づいて、モノクロまたはカラーのいずれかを判定する。CPU101は、原稿画像のPDLデータの色設定に基づいて、モノクロと判定した場合は、付加画像のPDLデータのオブジェクトごとの色設定をなす付加画像用特色を当該付加画像用特色に対応するモノクロの代替色に変換する。すなわち、CPU101は、付加画像のPDLデータのオブジェクトごとの色設定(特色名およびカラー代替CMYK値の組合せからなる付加画像用特色による)を登録された付加画像用特色のデータを参照して、付加画像用特色に対応するモノクロ代替CMYK値に置換する。その際、CPU101は、付加画像のPDLデータのオブジェクトごとの色設定のうち、特色名に基づいて、付加画像用特色に対応するモノクロ代替CMYK値を決定することができる。
一方、CPU101は、原稿画像のPDLデータの色設定に基づいて、カラーと判定した場合は、付加画像のPDLデータのオブジェクトごとの色設定をなす付加画像用特色を当該付加画像用特色に対応するカラーの代替色に変換する。すなわち、CPU101は、付加画像のPDLデータのオブジェクトごとの色設定をカラー代替CMYK値に置換する。すなわち、CPU101は、付加画像のPDLデータのオブジェクトごとの色設定のうち、カラー代替CMYK値のみを残すことにより付加画像のPDLデータのオブジェクトごとの色設定をカラー代替CMYK値に変換することができる。
CPU101は、ラスタライズを行った結合印刷データをプリンターに送信し、付加画像が付加された原稿画像の印刷をプリンターに行わせる。
図9は、印刷データ処理システムによる印刷データの処理を示すフローチャートである。本フローチャートは、PC20および画像処理装置10にそれぞれインストールされたプログラムにより実施されることができる。
PC20のCPU201は、付加画像用特色を登録するための入力受付画面(図4参照)を表示部205に表示させ、ユーザーによる付加画像用特色のデータの入力を受け付ける(S901)。
PC20のCPU201は、ユーザーにより入力された付加画像用特色のデータをHDD204に保存することにより、付加画像用特色をPC20に登録する。具体的には、CPU201は、付加画像用特色のデータである、付加画像用特色の特色名とカラー代替CMYK値との組合せをHDD204に保存することにより、付加画像用特色をPC20に登録する。
さらに、PC20のCPU201は、ユーザーにより入力された付加画像用特色のデータを、通信部207から画像処理装置10に送信する。画像処理装置10は、PC20から受信した付加画像用特色のデータをHDD104に保存することにより、付加画像用特色を画像処理装置10に登録する。具体的には、PC20のCPU201は、付加画像用特色データである、付加画像用特色の特色名とモノクロ代替CMYK値との組合せを画像処理装置10に送信する。画像処理装置10のCPU101は、PC20から受信した、付加画像用特色の特色名とモノクロ代替CMYK値との組合せをHDD104に保存することにより、付加画像用特色を画像処理装置10に登録する(S902)。
PC20のCPU201は、結合印刷データを生成する(S903)。
図10は、図9のステップS903のサブルーチンフローチャートである。
PC20のCPU201は、表示部205に表示させた画像指定画面においてユーザーにより入力された原稿画像の原データおよび付加画像の原データの指定を受け付ける(S1001)。
CPU201は、指定された原稿画像の原データをPDLデータに変換することで原稿画像のPDLデータを生成し(S1002)、付加画像の原データをPDLデータに変換することで付加画像のPDLデータを生成する(S1003)。
CPU201は、付加画像のPDLデータにおいて先頭に記述されたオブジェクトを選択する(S1004)。そして、CPU201は、選択したオブジェクト(以下、「被選択オブジェクト」と称する)が、付加画像のPDLデータにおいて末尾に記述されたオブジェクトではない場合は(S1005:NO)、ステップS1006〜ステップS1010を実行することにより、付加画像のPDLデータのオブジェクトごとの色設定を、当該付加画像のPDLデータの色設定に対応する付加画像用特色または複数の付加画像用特色の組合せにより置換する。ステップS1006〜ステップS1010は、付加画像のPDLデータのすべてのオブジェクトについて実行される。
CPU201は、被選択オブジェクトの色設定のシアン成分をカラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(100%,0%,0%,0%)である付加画像用特色に置換する(S1006)。具体的には、被選択オブジェクトの色設定が(C,M,Y,K)=(100%,0%,0%,0%)である場合は、カラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(100%,0%,0%,0%)である付加画像用特色(すなわち、特色名SysCol1とカラー代替CMYK値(C,M,Y,K)=(100%,0%,0%,0%)との組合せ)に置換される。
CPU201は、被選択オブジェクトの色設定のマゼンタ成分をカラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(0%,100%,0%,0%)である付加画像用特色に置換する(S1007)。具体的には、被選択オブジェクトの色設定が(C,M,Y,K)=(%,100%,0%,0%)である場合は、カラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(0%,100%,0%,0%)である付加画像用特色(すなわち、特色名SysCol2とカラー代替CMYK値(C,M,Y,K)=(0%,100%,0%,0%)との組合せ)に置換される。
CPU201は、被選択オブジェクトの色設定のイエロー成分をカラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(0%,0%,100%,0%)である付加画像用特色に置換する(S1008)。具体的には、被選択オブジェクトの色設定が(C,M,Y,K)=(%,0%,100%,0%)である場合は、カラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(0%,0%,100%,0%)である付加画像用特色(すなわち、特色名SysCol3とカラー代替CMYK値(C,M,Y,K)=(0%,0%,100%,0%)との組合せ)に置換される。
CPU201は、被選択オブジェクトの色設定のブラック成分をカラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(0%,0%,0%,100%)である付加画像用特色に置換する(S1009)。具体的には、被選択オブジェクトの色設定が(C,M,Y,K)=(%,0%,0%,100%)である場合は、カラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(0%,0%,0%,100%)である付加画像用特色(すなわち、特色名SysCol4とカラー代替CMYK値(C,M,Y,K)=(0%,0%,0%,100%)との組合せ)に置換される。
なお、例えば、被選択オブジェクトの色設定が(C,M,Y,K)=(100%,100%,0%,0%)である場合は、次のように付加画像用特色に置換される。すなわち、被選択オブジェクトの色設定は、ステップS1006において、被選択オブジェクトの色設定のマゼンタ成分が、カラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(100%,0%,0%,0%)である付加画像用特色に置換される。さらに、ステップS1007において、被選択オブジェクトの色設定のマゼンタ成分が、カラー代替CMYK値が(C,M,Y,K)=(0%,100%,0%,0%)である付加画像用特色に置換される。従って、被選択オブジェクトの色設定が(C,M,Y,K)=(100%,100%,0%,0%)である場合は、当該色設定が特色名SysCol1とカラー代替CMYK値(C,M,Y,K)=(100%,0%,0%,0%)との組合せ、および、特色名SysCol2とカラー代替CMYK値(C,M,Y,K)=(0%,100%,0%,0%)との組合せに置換される。
CPU201は、付加画像のPDLデータにおいて被選択オブジェクトの次に記述されたオブジェクトを次の被選択オブジェクトとして選択する(S1010)。
CPU201は、被選択オブジェクトが付加画像のPDLデータにおいて末尾に記述されたオブジェクトである場合は(S1005:YES)、原稿画像のPDLデータと、付加画像のPDLデータとを結合する。これにより、CPU201は、結合印刷データを生成する(S1011)。ステップS1011において原稿画像のPDLデータと結合される付加画像のPDLデータは、すべてのオブジェクトの色設定が付加画像用特色に置換されている。
CPU201は、通信部207に、生成した結合印刷データを画像処理装置10へ送信させる(S1012)。
図9に戻り、画像処理装置10は、PC20から受信した結合印刷データをラスタライズすることにより、プリンターに出力して印刷させるための画像データを生成する(S904)。
図11は、図9のステップS904のサブルーチンフローチャートである。
画像処理装置10のCPU101は、通信部105に、PC20から送信された結合印刷データを受信させる(S1101)。
CPU101は、受信された結合印刷データについて、原稿画像のPDLデータの色設定に基づいてモノクロ/カラー判定を行う(S1102)。
図12は、図11のステップS1102のサブルーチンフローチャートである。
CPU101は、モノクロ/カラー判定結果の初期値として、モノクロの判定結果をHDD104に保存する(S1201)。
CPU101は、結合印刷データであるPDLデータにおいて先頭に記述されたオブジェクトを選択する(S1202)。なお、ステップS1202で選択される被選択オブジェクトには、結合印刷データに含まれる原稿画像のPDLデータにおいて記述されたオブジェクト、および付加画像のPDLデータにおいて記述されたオブジェクトの両方が含まれる。
CPU101は、被選択オブジェクトが、結合印刷データであるPDLデータにおいて末尾に記述されているオブジェクトかどうか判断する(S1203)。
CPU101は、被選択オブジェクトが結合印刷データであるPDLデータにおいて末尾に記述されているオブジェクトではないと判断したときは(S1203:NO)、ステップS1204〜ステップS1211を実行する。これにより、原稿画像のPDLデータのオブジェクトの色設定に基づいてモノクロ/カラー判定がなされる。ステップS1204〜ステップS1211は、結合印刷データであるPDLデータのすべてのオブジェクトについて実行される。CPU101は、被選択オブジェクトが結合印刷データであるPDLデータにおいて末尾に記述されているオブジェクトであると判断したときは(S1203:YES)、本サブルーチンフローチャートを終了する。
CPU101は、被選択オブジェクトの色設定を解析し(S1204)、被選択オブジェクトの色設定に基づいて、被選択オブジェクトの色が特色かどうか判断する(S1205)。CPU101は、被選択オブジェクトの色が特色ではないと判断したときは(S1205:NO)、被選択オブジェクトを所定の方法で色変換する(S1208)。すなわち、例えば、CPU101は、被選択オブジェクトの色設定のCMYK値を、あらかじめHDD104に保存したLUT(Look Up Table)により色補正を行う色変換を行う。なお、被選択オブジェクトの色が特色ではない場合は、被選択オブジェクトは、少なくとも付加画像用特色による色設定がされていないので、当該被選択オブジェクトは原稿画像のPDLデータのオブジェクトに該当する。
CPU101は、被選択オブジェクトの色が特色であると判断したときは(S1205:YES)、特色が付加画像用特色かどうか判断する(S1206)。特色が付加画像用特色かどうかは、被選択オブジェクトの色設定において付加画像用特色の特色名が含まれているかどうかにより判断されることができる。
CPU101は、被選択オブジェクトの色が付加画像用特色ではないと判断したときは(S1206:NO)、被選択オブジェクトの特色を、所定の方法で、指定されたCMYK値に変換する。すなわち、例えば、CPU101は、被選択オブジェクトの色設定の特色を、あらかじめHDD104に保存した、特色名とCMYK値との対応表に基づいて被選択オブジェクトの特色をCMYK値に変換する。なお、ステップS1206において被選択オブジェクトの色が付加画像用特色ではないと判断された場合は、被選択オブジェクトは原稿画像のPDLデータのオブジェクトに該当する。一方、被選択オブジェクトの色が付加画像用特色であると判断された場合は、被選択オブジェクトは付加画像のPDLデータのオブジェクトに該当する。
CPU101は、ステップS1208において色変換された原稿画像のPDLデータの被選択オブジェクトのCMYK値、およびステップS1208において変換された原稿画像のPDLデータの被選択オブジェクトのCMYK値において、C値、M値、およびY値が0%かどうか判断する(S1209)。当該被選択オブジェクトのC値、M値、およびY値の少なくともいずれかが0%ではない場合(S1209:No)は、原稿画像の当該被選択オブジェクトの色はカラーである。従って、この場合は、CPU101は、HDD104に保存されたモノクロ/カラー判定結果をカラーに書き換える(S1210)。なお、原稿画像のPDLデータのオブジェクトについて、ステップS1208における色変換またはステップS1207における変換の後にモノクロ/カラー判定をするのは、印刷の際の原稿画像の最終的な色設定であるCMYK値についてモノクロ/カラー判定をする必要があるからである。
CPU101は、原稿画像のPDLデータの被選択オブジェクトの色変換後のCMYK値において、C値、M値、およびY値のいずれも0%であると判断したときは(S1209:YES)、原稿画像の当該被選択オブジェクトの色はモノクロである。従って、この場合は、CPU101は、HDD104に保存されたモノクロ/カラー判定結果を書き換えずに初期値であるモノクロの判定結果を維持する。
CPU101は、結合印刷データであるPDLデータにおいて現在の被選択オブジェクトの次に記述されたオブジェクトを次の被選択オブジェクトとして選択する(S1211)。
なお、結合印刷データであるPDLデータが複数のページからなる場合は、ページごとに、原稿画像のPDLデータのすべてのオブジェクトについてモノクロ/カラー判定を行う。すなわち、一のページに含まれる原稿画像のオブジェクトのうちいずれかがカラーと判定された場合は、そのページのモノクロ/カラー判定はカラーとなる。一方、他のページに含まれる原稿画像のオブジェクトのすべてがモノクロと判定された場合は、そのページのモノクロ/カラー判定はモノクロとなる。
図11に戻り、CPU101は、結合印刷データであるPDLデータにおいて先頭に記述されたオブジェクトを選択する(S1103)。なお、ステップS1103で選択される被選択オブジェクトには、結合印刷データに含まれる原稿画像のPDLデータにおいて記述されているオブジェクト、および付加画像のPDLデータにおいて記述されているオブジェクトの両方が含まれる。
CPU101は、被選択オブジェクトが、結合印刷データであるPDLデータにおいて末尾に記述されているオブジェクトかどうか判断する(S1104)。
CPU101は、被選択オブジェクトが結合印刷データであるPDLデータにおいて末尾に記述されているオブジェクトではないと判断したときは(S1104:NO)、ステップS1105〜ステップS1114を実行する。これにより、結合印刷データのラスタライズがなされる。ステップS1105〜ステップS1114は、結合印刷データであるPDLデータのすべてのオブジェクトについて実行される。CPU101は、被選択オブジェクトが結合印刷データであるPDLデータにおいて末尾に記述されているオブジェクトであると判断したときは(S1104:YES)、本サブルーチンフローチャートを終了する。
CPU101は、被選択オブジェクトの色設定を解析し(S1105)、被選択オブジェクトの色設定に基づいて、被選択オブジェクトの色が特色かどうか判断する(S1106)。CPU101は、被選択オブジェクトの色が特色ではないと判断したときは(S1106:NO)、被選択オブジェクトを所定の方法で色変換する(S1111)。すなわち、例えば、CPU101は、被選択オブジェクトの色設定のCMYK値を、あらかじめHDD104に保存したLUTにより色補正を行う色変換を行う。なお、被選択オブジェクトの色が特色ではない場合は、被選択オブジェクトは、少なくとも付加画像用特色による色設定がされていないので、当該被選択オブジェクトは原稿画像のPDLデータのオブジェクトに該当する。
CPU101は、被選択オブジェクトの色が特色であると判断したときは(S1106:YES)、特色が付加画像用特色かどうか判断する(S1107)。特色が付加画像用特色かどうかは、被選択オブジェクトの色設定において付加画像用特色の特色名が含まれているかどうかにより判断されることができる。
CPU101は、被選択オブジェクトの色が付加画像用特色ではないと判断したときは(S1107:NO)、被選択オブジェクトの特色を、所定の方法で、指定されたCMYK値に変換する(S1112)。すなわち、例えば、CPU101は、被選択オブジェクトの色設定の特色を、あらかじめHDD104に保存した、特色名とCMYK値の対応表に基づいて被選択オブジェクトの特色をCMYK値に変換する。なお、ステップS1107において被選択オブジェクトの色が付加画像用特色ではないと判断された場合は、被選択オブジェクトは原稿画像のPDLデータのオブジェクトに該当する。一方、被選択オブジェクトの色が付加画像用特色であると判断された場合は、被選択オブジェクトは付加画像のPDLデータのオブジェクトに該当する。
CPU101は、被選択オブジェクトの色が付加画像用特色であると判断したときは(S1107:YES)、ステップS1108〜ステップS1110により、被選択オブジェクトである付加画像のオブジェクトの付加画像用特色をモノクロ代替CMYK値またはカラー代替CMYK値に変換する。付加画像のオブジェクトの付加画像用特色のモノクロ代替CMYK値またはカラー代替CMYK値への変換は、ステップS1102においてHDD104に保存された、原稿画像のPDLデータのモノクロ/カラー判定結果に基づいて行われる(S1108)。
CPU101は、原稿画像のPDLデータのモノクロ/カラー判定結果において、被選択オブジェクトである付加画像のオブジェクトが付加される原稿画像がカラーと判定されている場合は(S1108:YES)、被選択オブジェクトの付加画像用特色をカラー代替CMYK値に変換する(S1109)。一方、CPU101は、被選択オブジェクトである付加画像のオブジェクトが付加される原稿画像がモノクロと判定されている場合は(S1108:NO)、被選択オブジェクトの付加画像用特色をモノクロ代替CMYK値に変換する(S1110)。
CPU101は、ステップS1111において色変換された被選択オブジェクト、および、ステップS1112、ステップS1109、ステップS1110において色設定が変換された被選択オブジェクトのラスタライズを行う(S1113)。
CPU201は、結合印刷データであるPDLデータにおいて被選択オブジェクトの次に記述されたオブジェクトを次の被選択オブジェクトとして選択する(S1114)。
CPU101は、結合印刷データであるPDLデータのすべてのオブジェクトについてステップS1105〜ステップS1113を実施することにより、結合印刷データのすべてのオブジェクトについてラスタライズを行う。
なお、結合印刷データであるPDLデータが複数のページからなる場合は、ページごとに、原稿画像のPDLデータのモノクロ/カラー判定結果に基づき、付加画像のPDLデータがモノクロ代替CMYK値またはカラー代替CMYK値に変換され、ラスタライズが行われる。
CPU101は、結合印刷データをラスタライズすることにより生成した画像データをプリンターに送信して、付加画像が付加された原稿画像の印刷を行わせる。
本実施形態は、以下の効果を奏する。
原稿画像のPDLデータと付加画像のPDLデータとが結合された結合印刷データにおいて、付加画像のPDLデータの色設定をモノクロの代替色またはカラーの代替色のいずれにも変換可能な特色により行う。そして、結合印刷データのラスタライズの際に、原稿画像がモノクロかカラーかを判定し、判定結果に基づいて原稿画像と付加画像のモノクロ/カラー特性が一致するように付加画像のPDLデータに色設定された特色をモノクロの代替色またはカラーの代替色に変換する。これにより、原稿画像と付加画像とが一つのPDLデータとなっていても、原稿画像に付加画像が合成されることによる印刷速度の低下やユーザーが意図しない課金の発生を防止することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る印刷データ処理方法、印刷データ処理装置用プログラム、印刷データ処理装置用プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体、および印刷データ処理システムについて説明する。
本実施形態と上述した第1実施形態とで異なる点は次の点である。すなわち、第1実施形態は、PC20において結合印刷データを作成し、作成された結合印刷データを画像処理装置10に送信するのに対し、本実施形態は、すでに作成された結合印刷データをPC20から画像処理装置10へ送信する点である。これ以外の点については、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複となる説明は省略または簡略化する。
図13は、印刷データ処理システムによる処理を示すフローチャートである。本フローチャートは、PC20および画像処理装置10にそれぞれインストールされたプログラムにより実施されることができる。
PC20のCPU201は、付加画像用特色の入力受付画面(図4参照)を表示部205に表示させ、ユーザーによる付加画像用特色のデータの入力を受け付ける(S1301)。
PC20のCPU201は、ユーザーにより入力された付加画像用特色のデータを、通信部207から画像処理装置10に送信する。画像処理装置10は、PC20から受信した付加画像用特色のデータをHDD104に保存することにより、付加画像用特色を画像処理装置10に登録する。具体的には、PC20のCPU201は、付加画像用特色データである、付加画像用特色の特色名と、モノクロ代替CMYK値との組合せを画像処理装置10に送信する。画像処理装置10のCPU101は、PC20から受信した付加画像用特色の特色名と、モノクロ代替CMYK値との組合せをHDD104に保存することにより、付加画像用特色を画像処理装置10に登録する(S1302)。
CPU201は、通信部207に、あらかじめ作成されHDD204に保存されている結合印刷データを画像処理装置10へ送信させる(S1303)。印刷データの任意のオブジェクトの色設定を付加画像用特色により行うことにより結合印刷データとしての印刷データを作成することは、一般的なDTP(DeskTop Publishing)ソフトによる特色の色設定の機能を利用することで可能である。本実施形態は、例えば、他のPCにおいてDTPソフトにより作成された結合印刷データがPC20に保存されている場合に、当該結合印刷データがPC20から画像処理装置10へ送信され、画像処理装置10により画像処理が行われる場合に対応することができる。
画像処理装置10は、PC20から受信した結合印刷データに基づき画像データを生成する(S1304)。画像データの生成は、図11のサブルーチンフローチャートに示す処理により実行される。
本実施形態は、以下の効果を奏する。
原稿画像のPDLデータと付加画像のPDLデータとが結合され、付加画像のPDLデータの色設定がモノクロの代替色またはカラーの代替色のいずれにも変換可能な特色によりなされることで作成された結合印刷データを画像処理装置に送信する。そして、結合印刷データのラスタライズの際に、原稿画像がモノクロかカラーかを判定し、判定結果に基づいて原稿画像と付加画像のモノクロ/カラー特性が一致するように付加画像のPDLデータに色設定された特色をモノクロの代替色またはカラーの代替色に変換する。これにより、原稿画像と付加画像とが一つの印刷データとなっていても、原稿画像に付加画像が合成されることによる印刷速度の低下やユーザーが意図しない課金の発生を防止することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る印刷データ処理方法、印刷データ処理装置用プログラム、印刷データ処理装置用プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体、および印刷データ処理システムについて説明する。
本実施形態と上述した第1実施形態とで異なる点は次の点である。すなわち、本実施形態においては、結合印刷データであるPDLデータを、ページごとに、原稿画像のPDLデータが付加画像のPDLデータよりも結合印刷データにおいて先頭近くに配置されるように構成する点である。これ以外の点については、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複となる説明は省略または簡略化する。
図14は、本実施形態に係る印刷データ処理システムにおいて作成される結合印刷データの構成を示す説明図である。
図14に示すように、結合印刷データは、ページごとに、原稿画像のPDLデータが付加画像のPDLデータよりも結合印刷データにおいて先頭近くに配置されている。
図15は、本実施形態において、結合印刷データに基づいて画像データを生成するためのフローチャートであり、図9のステップS904のサブルーチンフローチャートである。
画像処理装置10のCPU101は、PC20から送信された結合印刷データを通信部105に受信させる(S1501)。
CPU101は、モノクロ/カラー判定結果の初期値として、モノクロの判定結果をHDD104に保存する(S1502)。
CPU101は、結合印刷データであるPDLデータにおいて先頭に記述されたオブジェクトを選択する(S1503)。なお、ステップS1503において選択される被選択オブジェクトには、結合印刷データに含まれる原稿画像のPDLデータおよび付加画像のPDLデータにおいて記述されているオブジェクトの両方が含まれる。
CPU101は、被選択オブジェクトが、結合印刷データであるPDLデータにおいて末尾に記述されているオブジェクトかどうか判断する(S1504)。
CPU101は、被選択オブジェクトが、結合印刷データであるPDLデータにおいて末尾に記述されているオブジェクトではないと判断したときは(S1504:NO)、被選択オブジェクトの色設定を解析する(S1505)。なお、CPU101は、被選択オブジェクトが、結合印刷データであるPDLデータにおいて末尾に記述されているオブジェクトであると判断したときは(S1504:YES)、本サブルーチンフローチャートを終了する。
CPU101は、ステップS1505における被選択オブジェクトの色設定の解析結果に基づき、被選択オブジェクトの色が特色かどうか判断する(S1506)。CPU101は、被選択オブジェクトの色が特色ではないと判断したときは(S1506:NO)、被選択オブジェクトを所定の方法で色変換する(S1508)。すなわち、例えば、CPU101は、被選択オブジェクトの色設定のCMYK値を、あらかじめHDD104に保存したLUTにより色補正を行う色変換を行う。
CPU101は、被選択オブジェクトの色が特色であると判断したときは(S1506:YES)、特色が付加画像用特色かどうか判断する(S1507)。特色が付加画像用特色かどうかは、被選択オブジェクトの色設定において付加画像用特色の特色名が含まれているかどうかにより判断されることができる。
CPU101は、被選択オブジェクトの色が付加画像用特色ではないと判断したときは(S1507:NO)、被選択オブジェクトの特色を、所定の方法で、指定されたCMYK値に変換する。すなわち、例えば、CPU101は、被選択オブジェクトの色設定の特色を、あらかじめHDD104に保存した、特色名とCMYK値との対応表に基づいて被選択オブジェクトの特色をCMYK値に変換する。
CPU101は、ステップS1508において色変換された原稿画像のPDLデータの被選択オブジェクトのCMYK値、およびステップS1509において変換された原稿画像のPDLデータの被選択オブジェクトのCMYK値において、C値、M値、およびY値が0%かどうか判断する(S1510)。原稿画像のPDLデータのオブジェクトのC値、M値、およびY値の少なくともいずれかが0%ではない場合(S1510:No)は、その原稿画像のオブジェクトの色はカラーである。従って、この場合は、CPU101は、HDD104に保存されたモノクロ/カラー判定結果をカラーに書き換える(S1511)。
CPU101は、原稿画像のPDLデータの色変換がなされたオブジェクトのCMYK値において、C値、M値、およびY値のいずれも0%であると判断したときは(S1510:YES)、HDD104に保存されたモノクロ/カラー判定結果を書き換えずに保存されたモノクロ/カラー判定結果を維持する。
ステップS1507において、CPU101は、被選択オブジェクトの色が付加画像用特色であると判断したときは(S1507:YES)、ステップS1512〜ステップS1514を実行することにより、被選択オブジェクトである付加画像のオブジェクトの付加画像用特色をモノクロ代替CMYK値またはカラー代替CMYK値に変換する。付加画像のオブジェクトの付加画像用特色のモノクロ代替CMYK値またはカラー代替CMYK値への変換は、ステップS1511においてHDD104に保存された、原稿画像のPDLデータのモノクロ/カラー判定結果に基づいて行われる。
本実施形態においては、結合印刷データであるPDLデータを、ページごとに、原稿画像のPDLデータが付加画像のPDLデータよりも結合印刷データにおいて先頭近くに配置されるように構成する。これにより、ページごとに、付加画像のPDLデータについての画像処理よりも先に原稿画像のPDLデータについての画像処理が開始される。このため、当該ページの付加画像のPDLデータについて色変換およびラスタライズが開始される時点で、当該ページの原稿画像のPDLデータについてすべてのオブジェクトの色変換およびモノクロ/カラー判定を終了させることができる。そして、当該ページの原稿画像のPDLデータについてモノクロ/カラー判定を行う際に色変換を行った原稿画像のPDLデータについてラスタライズを行うことができる。これにより、原稿画像のモノクロ/カラー判定の際と、原稿画像のラスタライズの際において重複して原稿画像のPDLデータの色変換処理を行う必要がなくなるため、画像処理装置10における画像処理時間を短縮することができる。
CPU101は、原稿画像のPDLデータのモノクロ/カラー判定結果において、被選択オブジェクトである付加画像のオブジェクトが付加される原稿画像がカラーと判定された場合は(S1512:YES)、被選択オブジェクトの付加画像用特色をカラー代替CMYK値に変換する(S1513)。一方、CPU101は、被選択オブジェクトである付加画像のオブジェクトが付加される原稿画像がモノクロと判定された場合は(S1512:NO)、被選択オブジェクトの付加画像用特色をモノクロ代替CMYK値に変換する(S1514)。
CPU101は、ステップS1508において色変換された被選択オブジェクト、および、ステップS1509、ステップS1513、ステップS1514において色設定が変換された被選択オブジェクトのラスタライズを行う(S1515)。
CPU101は、結合印刷データであるPDLデータにおいて被選択オブジェクトの次に記述されたオブジェクトを次の被選択オブジェクトとして選択する(S1516)。
CPU101は、結合印刷データであるPDLデータのすべてのオブジェクトについてステップS1505〜ステップS1516を実施することにより、結合印刷データのすべてのオブジェクトについてラスタライズを行う。
CPU101は、結合印刷データのラスタライズにより生成した画像データをプリンターに送信して、付加画像が付加された原稿画像の印刷を行わせる。
本実施形態は、第1実施形態が奏する効果に加え、以下の効果を奏する。
結合印刷データを、ページごとに、原稿画像のPDLデータを付加画像のPDLデータよりも結合印刷データにおいて先頭近くに配置されるように構成する。これにより、ページごとに、付加画像のPDLデータについての画像処理が開始される前に原稿画像のPDLデータのすべてのオブジェクトの色変換およびモノクロ/カラー判定を終了させることができる。このため、色変換を行った原稿画像のPDLデータを、モノクロ/カラー判定の対象としての用途とラスタライズの対象としての用途とにおいて兼用できるため、原稿画像のPDLデータの色変換を重複して行う必要がなくなる。従って、画像処理装置10における画像処理時間を短縮することができる。
以上、本発明の実施形態に係る画像形成方法、画像形成システム用プログラム、画像形成システム用プログラムを記録した記録媒体、および画像形成システムについて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態においては、モノクロ/カラー判定を原稿画像のPDLデータのすべてのオブジェクトについて行っている。しかし、原稿画像のPDLデータ内の被選択オブジェクトについてモノクロ/カラー判定がカラーと判定された時点で、同じページのモノクロ/カラー判定がされていないオブジェクトについてのモノクロ/カラー判定を省略し、当該ページのモノクロ/カラー判定をカラーに確定させてもよい。これにより、モノクロ/カラー判定に要する時間を削減することができる。
また、上述した実施形態においては、付加画像のPDLデータの色設定を付加画像用特色により置換した後に、付加画像のPDLデータと原稿画像のPDLデータとを結合することにより結合印刷データを生成している。しかし、付加画像のPDLデータと原稿画像のPDLデータとを結合した後に、付加画像のPDLデータの色設定を付加画像用特色により置換することにより結合印刷データを生成してもよい。
また、上述した実施形態においては、結合印刷データにおける付加画像のPDLデータの色設定が、付加画像用特色の特色名とカラー代替CMYK値の組合せによりなされているが、付加画像用特色の特色名とモノクロ代替CMYK値の組合せによりなされてもよい。この場合、PC20には、付加画像用特色の特色名とモノクロ代替CMYK値の組合せによる付加画像用特色が登録され、画像処理装置10には、付加画像用特色の特色名とカラー代替CMYK値の組合せによる付加画像用特色が登録されることができる。
また、上述した実施形態においてプログラムにより実現する機能の一部または全部を、回路等のハードウェアに置き替えて実施されてもよい。