以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像処理システムの構成>
図1は、制御端末と、この制御端末により制御される本発明に係る画像出力装置の一例である画像出力端末(画像形成装置)とを備えたデータ処理システムの一例である画像処理システムを示す概略図である。この画像処理システム1は、処理要求装置の一例であるアプリケーションサーバ2aを備えたデータセンタ2や一般ユーザが使用するパソコン(パーソナルコンピュータ)2bなどの第2の端末としてのクライアント端末と、画像入力端末3と、制御端末の一例である外部制御装置5と、第1の端末(画像出力装置)としての画像出力端末7とを備えている。これらは、インターネットなどのネットワークとの間での接続機能を持つ外部制御装置5と、プリンタ、スキャナ、コピーなどの機能を有する画像出力端末7と、画像出力端末7にデータ処理を要求するアプリケーションサーバ2aとをネットワーク接続してなる構成となっている。
なお、アプリケーションサーバ2aは、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などの記憶媒体を備えたデータ格納装置2zを有し、画像出力端末7に画像情報や文書ファイルなどのデジタルドキュメント(以下単にドキュメントという)DOCを提供する画像入力端末3としても機能し得る。パソコン2bに付いても同様であり、図示を割愛するが、記憶媒体を備えたデータ格納装置を有し、画像出力端末7にドキュメントDOCを提供する画像入力端末3としても機能し得る。
外部制御装置5は、画像出力端末7内に設けられる第1の制御装置(内部コントローラ)と連携して機能する第2の制御装置(外部コントローラ)として機能するものである。なお、図示を割愛しているが、この外部制御装置5には、制御装置を操作するためのユーザインタフェース部や、装置使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示する表示部が設けられる。また、必要に応じて画像入力端末3が接続ケーブル90で接続される。なお、画像入力端末3は、画像出力端末に接続されてもよい。
画像入力端末3には、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などの記憶媒体を備えたデータ格納装置3aが用意される。また、ドキュメントDOCを作成し、また編集などの処理をする、たとえばパソコン3b、カラースキャナ3c、デジタルカメラ3d、さらにはFAX通信装置3eなど、任意数の画像入力ソースを含み得る。
画像入力端末3のそれぞれには、ドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。たとえば、画像入力端末3側にて用意されるドキュメントDOCを表す電子データは、画像出力端末7で処理可能な画像フォーマット(たとえば、JPEG、BMP、PNGなど)で記述される。またたとえば、パソコン3bで作成された文書ファイルは、たとえばプリンタなどで印刷出力するために、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )で記載されたデータとして画像出力端末7に送られる。
このPDLデータを受け取った画像出力端末7は、印字前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)してから画像出力部(プリンタエンジン部)にラスタデータを出力する。
画像出力端末7は、画像処理や画像形成の機能を備えた画像処理装置の一例であって、たとえば複写機能、ページプリンタ機能、およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。
画像出力端末7は、大まかに、原稿を読み取る画像読取部10と、画像出力端末7内に設けられる第1の制御装置として、入力された画像データに対して所望の画像処理を施す画像処理機能と端末全体の動作を制御する制御機能とを備えた内部コントローラ部20ととを備える。また、画像出力端末7は、画像出力端末7の内部機能を制御する内部コントローラ部20からの画像データに基づいて所定の記録媒体に可視画像を形成して出力する画像出力部30、および内蔵の給紙トレイ82あるいは手差しトレイ83の内の何れかから記録媒体としての印刷用紙を画像出力部30に搬送する給紙部80を備える。
画像読取装置10は、プラテンカバーの機能も備え、原稿を図示しない読取台(プラテンガラス)上の読取位置まで搬送し排紙する循環機能のないドキュメントフィーダ(ADF(自動原稿搬送)装置)12と、装置使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示するとともにタッチパネル式のキー操作部も兼ねた操作パネル部15aや、オペレータからの装置に対する種々の指示入力を受け付けるための操作キー部15bや、本体内蔵もしくは外部設置の圧電体やスピーカなどで構成された音声通知部15cなどを具備したユーザインタフェース装置15を有している。
なお、操作パネル部15aや操作キー部15bや音声通知部15cに代えて、あるいはこれらとともに使用されるメンテナンス画面やその他の情報を表示するCRTや液晶などの表示部16a、マウスやキーボードなどの入力部16b、および本体内蔵もしくは外部設置の圧電体やスピーカなどで構成された音声通知部16cを備えたユーザインタフェース装置16を設けてもよい。
操作パネル部15aの表示部や表示部16aあるいは音声通知部15c,16cは、所定の情報をユーザに画像や文字情報あるいは音声情報で提示する情報提示手段の一例である。
内部コントローラ部20は、画像読取部10と画像出力部30との境界部分に配された処理基板38上に設けられている。なお、各給紙トレイ82は、通常の使用に際して(たとえば、メンテナンス時を除いて)、装置本体に対して着脱不可能な構成のものであってもよいし、着脱可能なものであってもよい。
処理基板38には、画像出力部30用の処理部(特に画像処理部や制御部)だけでなく、内部コントローラ部20の画像処理機能部や画像出力端末7全体の種々の処理をするための回路が搭載される。たとえば、画像出力端末7内に構築された資源であるドキュメントフィーダ12、操作パネル部15a、画像読取部10の図示しない画像読取ユニット(スキャナ部)、画像形成ユニット32、両面複写ユニット34、排紙ユニット36、あるいは給紙トレイ82などを制御する回路が搭載される。この処理基板38には、半導体製の記憶媒体が搭載され、たとえば、複写アプリケーション、プリンタアプリケーション、ファクシミリ(FAX)アプリケーション、あるいは他のアプリケーション用の処理プログラムが格納される。なお、本実施形態においては、FAX出力サービスは、白黒のFAXデータにのみ対応するものとする。
内部コントローラ部20は、画像出力端末7単体で実現される基本機能、たとえば、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、FAX出力機能などに基づく画像処理を制御するとともに、この画像処理に関する表示データを生成する。
内部コントローラ部20で生成された表示データは、基本機能に基づく画像処理を行なう際に、表示部であるユーザインタフェース部15の操作パネル部15a(あるいはユーザインタフェース装置16の表示部)に表示される。
また、本実施形態の内部コントローラ部20は、外部制御装置5を介して、ネットワークまたは入力デバイスからの指示により画像出力端末7の基本機能を制御、動作させる。加えて、外部制御装置5と連動して、ネットワークまたは入力デバイスからの指示により、インターネットやイントラネットなどのネットワーク上のアプリケーションサーバ2aと連携して、アプリケーションサーバ2aのホームページやアプリケーションの画面を表示させて、スキャンデータの送信、データベース上のドキュメントの検索や印刷などのネットワーク連携処理サービスを行なうなどの付加機能を実現する。
ちなみに、画像出力端末7が備える基本機能としては、プリント機能のみまたはスキャン機能のみを有するものであってもよいし、ファクシミリ機能を有するものであってもよい。また、画像出力端末7の内部では、コストダウンや省スペース化を目的として、内部コントローラ部20やその他の機能部を共通の回路基板に実装してもよい。
ユーザインタフェース装置16は、画像出力端末7に対して直接に接続するのではなく、外部制御装置5側に接続してもよい。この場合、ユーザインタフェース装置16は、外部制御装置5用の表示部16aや入力部16bとして機能するのみならず、画像出力端末7の使用のためのガイダンス情報や所定の情報処理結果や管理情報などを表示する表示部や、画像出力端末7を操作するための入力部としても機能する。
画像読取部10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤、緑、青のアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、内部コントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
たとえば、画像読取装置10は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表すアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換し、内部コントローラ部20の画像処理機能部へ送る。
このようにして、読取りが完了すると、内部コントローラ部20の画像処理機能部は、画像読取部10からの赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のオンオフ2値化トナー信号を得、各トナー信号を画像出力部30に出力する。
画像出力部30は、画像形成ユニット32と、両面複写ユニット34と、排紙ユニット36と、1枚もしくは複数枚(図は複数枚で例示)の処理基板38とを含む。画像形成ユニット32は、画像読取装置10にて得られた画像信号により表される画像を、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)すなわち複写する。このため、画像形成ユニット32は、たとえば画像出力端末7をデジタル印刷システムとして稼働させるためのラスタ出力スキャン(ROS)ベースのプリントエンジンを備える。
画像読取装置10の読み取りに同期して、用紙が複数(たとえばA4,B4,A3)の給紙トレイ82の内の何れかから画像出力部30へ給紙されると、画像出力部30の画像形成ユニット32は、その用紙の一方の面に、内部コントローラ部20の画像処理機能部から送られたK,Y,M,Cのトナー信号に基づいて可視画像を形成する。
両面複写ユニット34は、一方の面に画像が形成された用紙を裏返し、再び画像形成ユニット32にその用紙を給紙する。これにより、画像読取装置10が読み取った画像が用紙の他方の面に形成され、両面複写が完了される。
画像形成ユニット32から排出される用紙あるいは両面複写済み用紙は、排紙ユニット36により、ページ順に連続的にあるいは1ページごとにソートされる。
また、画像出力端末7は、専用の接続ケーブルや、IEEEやJIS(日本工業規格)などの非商業的組織または政府組織(公的な規格団体)によって認められたものや民間団体や単一の会社にて取り纏められたものなど、ある一定の規格を満足する標準インタフェースを介して外部機器に接続可能になっている。
たとえば、画像出力端末7は、ネットワーク接続として、標準インタフェースの一例であるCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LANという))により、外部制御装置5を介して、画像入力端末3の一例であるアプリケーションサーバ2aと接続される。なお、有線LANは、たとえばWEP(Wired Equivalent Privacy;IEEE 802.11bで採用)やWPA(Wi-Fi Protected Access)などのプロトコルを適用した無線LANにしてもよい。
また、画像出力端末7は、有線LAN8により外部制御装置5に接続され、外部制御装置5は有線LAN9により、一旦、情報通信ネットワーク(インターネットやイントラネットなど)9zに接続され、さらにこの情報通信ネットワーク9zには、データセンタ2に設置されたアプリケーションサーバ2aが接続される。
また、画像出力端末7または外部制御装置5は、FAX通信装置3eを使い、一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )を介して他のFAX通信装置と接続することもできる。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリをやり取りするようにしてもよい。
また、外部制御装置5は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイス3fやUSB(Universal Serial Bus)2.0規格のデバイス3gなどとも接続可能となっており、これらのデバイス3f,3gからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイス3f,3gは、外部制御装置5を介してリモートで画像出力端末7を制御することもできるようになっている。
このような構成により、画像出力端末7は、前述のように、読み取った画像の印刷機能すなわち複写機能に限らず、有線LAN8や接続ケーブル90を介してアプリケーションサーバ2aや外部制御装置5の画像入力端末3から取得した文書データや画像ファイル(纏めてデジタルドキュメントDOCともいう)などに基づいて画像を印刷するいわゆるプリント機能や、電話回線やその他の通信インタフェースを介して取得したFAXデータ(たとえばインターネットFAXを含む)やその他の画像データ(デジタルドキュメントDOCの一例)に基づいて印刷出力する機能も備えるようになる。
<画像合成出力機能と課金処理機能の詳細>
図2は、画像出力端末7における画像合成出力機能と課金処理機能とに着目した機能ブロック図である。画像出力端末7は、処理対象画像に特定画像を合成して出力するとともに、この出力に対応した課金処理を行なうように構成されており、具体的には、画像合成出力機能と課金処理機能とに関わる機能部として、先ず、全体の動作を制御する制御部110と、処理対象画像を受け取るインタフェース部118と、処理対象画像や特定画像を記憶する画像記憶部120と、処理対象画像の出力サービス態様を特定する出力態様判定部130と、処理対象画像や特定画像の画像の特性(画像特性)を特定する画像特性判定部140とを備えている。
インタフェース部118は、画像読取部10や外部から送られてくる入力画像を処理対象画像として受け取る。入力画像は、たとえばラスタ形式で表される画像データのほか、ページ記述言語(PDL)で記述された画像データなど、種々のデータであってよい。インタフェース部118は、受け取った入力画像(処理対象画像)を、一旦画像記憶部120に渡す。
画像記憶部120は、一例として、インタフェース部118から渡された処理対象画像を記憶する処理対象画像記憶部122と、それぞれ処理対象画像に対しての合成処理の対象となる特定画像であって、カラーの特定画像を記憶するカラー特定画像記憶部124および白黒の特定画像を記憶する白黒特定画像記憶部126とを有している。カラー特定画像記憶部124と白黒特定画像記憶部126とで特定画像記憶部123が構成される。
処理対象画像記憶部122には、受け取ったカラー特定画像記憶部124には、カラーで出力した場合に最適に出力されるカラーの特定画像が記憶される。また、白黒特定画像記憶部126には、白黒で出力した場合に最適に出力される白黒の特定画像が記憶される。カラー特定画像記憶部124および白黒特定画像記憶部126に記憶される特定画像は、処理対象画像と同様に、ラスタ形式やPDL形式など、各種の形式のデータでよい。また、カラーおよび白黒とも、複数の特定画像を記憶させておいてもよい。
なお、白黒特定画像記憶部126を備えない構成とする場合には、白黒特定画像記憶部126に代えて、カラー特定画像記憶部124に記憶されているカラーの特定画像を白黒の特定画像へ変換する画像特性変換部128を設けるとよい。
出力態様判定部130は、画像出力部30を用いる処理要求のあった出力サービス態様がプリント出力サービスであるのか、複写出力サービスであるのか、あるいはFAX出力サービスであるのかなどの出力サービス態様を判定する。出力態様判定部130は、その判定結果を制御部110に通知する。
画像特性判定部140は、処理対象画像記憶部122に記憶した処理対象画像の特性を判定する処理対象画像特性判定部142と、合成される特定画像の特性を判定する特定画像特性判定部144とを備えており、それぞれは判定結果を制御部110に通知する。処理対象画像特性判定部142は、処理対象画像について、出力ページごとに当該ページがカラーであるか白黒であるかの判定をデータ処理にて行なう。ページ中に一部でも白黒以外の部分が存在すれば、その入力画像はカラーであると判定する。
ここで、本実施形態の処理対象画像特性判定部142は、出力態様判定部130で判定された出力態様が、出力時の画像特性が予め出力態様に対応して定義されているものである場合には、敢えて処理対象画像の画像特性をデータ処理にて判定することなく、出力態様判定部130の判定結果に従って処理対象画像の画像特性を決定する点に特徴を有する。たとえば、プリント出力サービスや複写出力サービスの場合には、実際に処理対象画像の画像特性をデータ処理にて判定するが、FAX出力サービスである場合には、FAX出力サービスに対応して定義付けられている画像特性である白黒をそのまま処理対象画像の画像特性であるとする。
こうすることで、処理対象画像としてFAX画像を受け取った際には、白黒しか想定されていないことに着目して、処理対象画像から出力サービス態様と画像特性を特定する際のトータルの処理時間を短縮できるようにする。なお、処理対象画像としてFAX画像以外のものを受け取った際には、処理対象画像の特性としてはカラーおよび白黒の双方があり得るので、出力サービス態様を出力態様判定部130にて特定しただけでは画像特性を直ちに特定できないので、処理対象画像特性判定部142にて、実際に処理対象画像についてデータ処理を行なって、画像特性を特定する。
特定画像特性判定部144は、処理対象画像特性判定部142とは異なり、実際に特定画像についてデータ処理を行なわなくても、特定画像の画像特性を特定可能である。通常、特定画像を付加するか否かや付加する場合の特定画像の特性(特にカラー種別)は予め指定されるので、その指定情報を参照することで特定画像の画像特性を特定することができる。
また、画像出力端末7は、処理対象画像に特定画像を合成する合成処理部160と、出力サービスに対応した課金処理を行なう課金処理部170と、出力される画像の特性に対応した課金カウンタが存在するか否かを判定する課金カウンタ判定部180とを備えている。
合成処理部160は、画像特性判定部140の各判定結果に応じて(実際には制御部110からの指示に従って)、カラー特定画像記憶部124に記憶されているカラーの特定画像、あるいは、白黒特定画像記憶部126に記憶されている白黒の特定画像の何れかを、処理対象画像記憶部122に記憶されている処理対象画像に付加し、画像出力部30に渡す。あるいは、画像記憶部120の所定の格納部に保存する。あるいは、ネットワークを介して外部機器に渡す。なお、特定画像を付加するか否かを切替可能に構成することができるし、特定画像として常にカラーあるいは常に白黒などといった指定が可能なように構成してもよい。合成指示がない場合には、処理対象画像記憶部122に記憶されている処理対象画像をそのまま出力する。
たとえば、入力された処理対象画像がカラーであると処理対象画像特性判定部142で判定された場合には、カラー特定画像記憶部124に記憶されているカラーの特定画像を処理対象画像に付加することができる。また、たとえば入力された処理対象画像が白黒であると処理対象画像特性判定部142で判定された場合には、白黒特定画像記憶部126に記憶されている白黒の特定画像(もしくは画像特性変換部128で白黒に変換した特定画像)を処理対象画像に付加することができる。
もちろん、入力された処理対象画像が白黒の場合でも、カラーの特定画像を付加することも可能である。特定画像を処理対象画像に付加する処理は、たとえば出力がラスタ形式であれば、処理対象画像と特定画像を合成すればよい。また、たとえばPDLであれば、同じページ中に処理対象画像と特定画像を描画するコマンドを画像出力部30へ渡せばよい。
画像出力部30は、合成処理部160で処理対象画像に特定画像を付加した画像データに従って画像を形成する。合成処理部160においては、白黒の処理対象画像にカラーの特定画像を付加する、あるいはカラーの処理対象画像に白黒の特定画像を付加するというように、異種の画像特性の状態で画像合成してもよいが、処理対象画像がカラーか白黒かに応じて、その画像特性に適合した特性の特定画像を付加すれば、効率よく画像を形成することができる。一般的には、カラー画像を形成する場合には白黒画像を形成する場合よりも効率が低下する場合が多い。しかし、たとえば白黒の処理対象画像に白黒の特定画像が付加されていれば、効率よく画像を形成することができ、特定画像のみがカラーであることによる生産性の低下を抑えることができる。
本実施形態の課金処理部170は、処理対象画像の出力サービス態様ごとに課金カウンタ172を備えており、課金カウンタ172のカウント結果を参照して、画像の特性に応じた課金処理を行なう点に特徴を有する。たとえば、処理対象画像の画像特性が一意に定義される出力サービス態様の場合には、その出力サービス態様に対しては、先ずはその一意の画像特性に対応した課金カウンタ172のみが用意されることを前提とする。オプションとしては、この場合でも、その一意の画像特性とは異なる画像特性用の課金カウンタ172を用意してもよい。一方、処理対象画像の画像特性が一意に定義されない出力サービス態様の場合には、その出力サービス態様に対しては、考えられる全ての画像特性に対応した課金カウンタ172、つまり複数の課金カウンタ172が用意されることを前提とする。
課金処理部170は、出力ごとの課金処理時には、入力された処理対象画像の特性に応じた課金処理を行なうこともあれば、実際に出力される画像(特定画像の付加がある場合には合成画像)の特性に応じた課金処理を行なうこともある。何れを採用するかは、装置設置者の指示に従えばよいし、この指示を随時、変更可能にしておくのがよい。
たとえば、課金は、画像出力部30から出力される画像の特性、たとえばカラーか白黒かに応じて行なうことができる。あるいは、処理対象画像特性判定部142における処理対象画像の特性の判定結果、たとえば、処理対象画像がカラーであるか白黒であるかに応じて課金することができる。また、特定画像を付加するか否かを切替可能に構成することができ、この指示に従って、課金時の金額を特定画像を付加するか否かに応じて異ならせることができる。
また、課金処理部170は、個々の出力時の課金処理だけでなく、各課金カウンタ172のカウント値を参照した課金処理の集計処理として、出力サービス態様ごとの集計処理を行なう機能も備えている。この際には、画像特性ごとに細分化した集計を行なうこともできれば、画像特性を考慮しない集計を行なうこともできる。
課金カウンタ判定部180は、出力される画像の特性に対応した課金カウンタが存在するか否かを判定した判定結果を制御部110に通知する。
制御部110は、出力態様判定部130、画像特性判定部140、および課金カウンタ判定部180の各判定結果を参照して、画像出力端末7全体の動作を制御する。たとえば、処理対象画像特性判定部142からの判定結果に従ったカラー特定画像記憶部124や白黒特定画像記憶部126に対する特定画像の読出制御や、合成処理部160における処理対象画像への特定画像の付加の制御なども行なう。もちろん、これらの制御は、各機能部において行なってもよい。
本実施形態の制御部110は、さらに、課金カウンタ判定部180の判定結果に基づいて、出力される合成後の画像の特性に対応した適正な課金処理が課金処理部170においてなされるように、合成処理部160における合成処理時の特定画像の画像特性または課金処理部170が使用する課金カウンタ172の少なくとも一方を調整する点に特徴を有する。
たとえば、制御部110は、処理対象画像の出力サービス態様に対応した課金カウンタ172として、特定画像の画像特性に対応したものが存在しない旨を課金カウンタ判定部180の判定結果が示しているときには、入力された処理対象画像の画像特性に従って処理対象画像と特定画像を合成するように合成処理部160を制御する。
たとえば、処理対象画像に特定画像をカラーおよび白黒の何れかで合成して出力するに際して、特定画像の特性を出力サービス態様ごとに規定することにする。そして、白黒の処理対象画像へのカラーの特定画像の合成、またはカラーの処理対象画像への白黒の特定画像の合成といった異種の合成処理を、出力態様判定部130の判定結果に基づいて制御する。出力サービス態様に対して定義されている画像特性とそれに対応した課金カウンタ172に従い得るように、場合によっては、異種の合成処理を強制的に禁止して、画像の特性(カラー/白黒)に合わせて特定画像の特性(カラー/白黒)を一致させて合成するようにする。
この場合、課金処理部170は、処理対象画像の出力サービス態様に対応する、その処理対象画像の画像特性に適合した課金カウンタ172を使用して課金処理を行なう。
あるいは、制御部110は、処理対象画像の出力サービス態様に対応した課金カウンタ172としては特定画像の画像特性に対応したものが存在しないが、処理対象画像以外の出力サービス態様に対応した課金カウンタ172としては特定画像の画像特性に対応したものが存在する旨を課金カウンタ判定部180の判定結果が示しているときには、特定画像の画像特性に従って処理対象画像と特定画像を合成するように合成処理部160を制御する。
たとえば、処理対象画像に特定画像をカラーおよび白黒の何れかで合成して出力するに際して、白黒の処理対象画像へのカラーの特定画像の合成、またはカラーの処理対象画像への白黒の特定画像の合成といった異種の合成処理を行なう際に、その出力サービス態様に対応する課金カウンタ172が用意されていない場合でも、他の出力サービス態様に対応する課金カウンタ172を代用可能な場合には、出力サービス態様に関わらず、異種の合成処理を許容することにする。
この場合、課金処理部170は、処理対象画像の出力サービス態様に対応する、その処理対象画像の画像特性に適合した課金カウンタ172を使用するのではなく、処理対象画像以外の出力サービス態様に対応した課金カウンタ172を代用して課金処理を行なう。
たとえば、白黒しか想定されていないFAX出力サービスの場合に、カラーを想定している他の出力サービスの課金カウンタ172が使用可能な場合には、白黒の処理対象画像にカラーの特定画像を付加することを許容する。そして、元の処理対象画像が白黒であっても、合成した画像がカラーとなるこのケースの場合は、カラー画像の出力を提供しているサービス用の課金カウンタ172を代用して課金処理を行なう。
またこの場合、出力サービス態様ごとやカラー種別ごとなどの集計処理を行なう際に、一方の出力サービス態様の集計結果に、課金カウンタ172を代用したことに伴う他方の出力サービス態様の出力処理がカウントされることがないように、課金カウンタ172を代用したことを考慮した集計処理を行なうことができるようにするのがよい。
<課金カウンタの一例>
図3は、課金処理部170が備える出力サービス態様ごとの課金カウンタ172の構成例を示す図である。ここで、図3(A)に示す第1例では、印刷出力サービス(プリンタプリントサービス)や複写サービス(コピー出力サービス)に関しては従来通りカラー画像も白黒画像も存在するものとして、課金カウンタ172としても、白黒用の白黒カウント(そのカウント値をAaとする)とカラー用のカラーカウント(そのカウント値をAbとする)とが用意されている。これに対して、FAX出力サービスの場合は白黒出力のみの対応が採られており、課金カウンタ172としても、白黒用の白黒カウント(そのカウント値をCaとする)のみが用意されている。出力サービス態様と、カラー種別のそれぞれに細分化して課金カウンタ172を持つことで、集計処理を行なう際には、出力サービス態様ごとやカラー種別ごとなど様々な集計形態で処理できるようになる。
ここで、このようなサービス態様ごとに用意された課金カウンタ172の各カウント値を用いて合成画像に適合した課金処理を行なう場合において、課金カウンタ172の代行使用が許容されない場合、FAX出力サービスの場合は、合成要求された特定画像がカラーであっても、合成画像も白黒にする必要がある。合成画像をカラーとしつつ、カラー出力に応じた課金処理を行なうことができないからである。
これに対して、特異なケースではあるが、図3(B)に示す第2例では、白黒出力しか想定されていないFAX出力サービスに関しても、白黒用の白黒カウント(そのカウント値をCaとする)とカラー用のカラーカウント(そのカウント値をCbとする)とが用意されている。したがってこの場合には、白黒出力しか想定されていないFAX出力サービスの場合であっても、合成要求された特定画像がカラーであれば、合成画像をカラーとしつつ、カラーカウント(カウント値Cb)を使用してカラー出力に応じた課金処理を行なうことができる。
また、図3(C)に示す第3例は、基本的には第1例と同様に、出力サービス態様に応じた課金カウンタ172を備えつつ、カラーカウントに関しては、代行使用が許容されるようにしている場合である。印刷出力サービスと複写サービスの各カラーカウントは、代行出力分を区別してカウントできるようにしている(それぞれの代行カウント値をAc,Bcとする)。
なお、本来の出力サービス態様のカラーカウント値Ab,Bbと代行カウント値Ac,Bcとを区別してカウントすることで、代行使用があった場合において集計処理を行なう際にも、出力サービス態様ごとやカラー種別ごとなどの集計処理において、不都合が生じないようにすることができる。一方の出力サービス態様の集計結果に、代用したことに伴う他方の出力サービス態様の出力処理がカウントされることがないように、代行カウント値Ac,Bcを参照した集計処理を行なうことができるからである。
<入出力画像の例>
図4は、本実施形態で用いる処理対象画像および特定画像と出力画像の一例を説明する図である。なお、図4においては、用紙の部分領域に相当するサイズの特定画像が文書(処理対象画像)の上部に挿入されているが、特定画像のサイズや挿入される位置は任意である。また、特定画像は、広告主から提供される広告などを表わすものである。
たとえば図4(A)に示すように、処理対象画像が白黒の文書である場合において同種合成とする場合には、白黒の特定画像が付加された文書が合成処理部160から出力され、画像出力部30では白黒モードで出力処理を行なうことになる。カラーの特定画像を記憶するカラー特定画像記憶部124と白黒の特定画像を記憶する白黒特定画像記憶部126(もしくはカラーを白黒に変換する画像特性変換部128)を用意しているので、カラーで特定画像を付加する場合に限らず、このように白黒で特定画像を付加する場合でも、白黒の画像に対して最良の特定画像を付加することができる。そのため、カラー画像を白黒で画像形成した場合のように色によって不鮮明になることや内容が判読できなくなるといった事態を防止することができる。
なお、この場合の同種合成には、白黒の特定画像を付加するようにユーザから指示されたケースと、カラーの特定画像を付加するようにユーザから指示されたが、課金カウンタ172の対応具合から、装置側で強制的に白黒の特定画像を付加するように変更したケースの2つがあり得る。たとえば、出力装置がプリンタなどの画像形成装置の場合に、カラー画像の形成には白黒画像形成時の数倍の時間がかかることがあるが、カラーの特定画像を付加するように指示された場合でも、白黒の処理対象画像に対しては白黒の特定画像を付加することによって、白黒の画像出力時の生産性を低下させずに、特定画像を付加することができる。
一方、図4(B)に示すように、処理対象画像が白黒の文書である場合において異種合成とする場合には、カラーの特定画像が付加された文書が合成処理部160から出力され、画像出力部30ではカラーモードで出力処理を行なうことになる。画像出力部30は、通常は、処理対象画像の画像特性と同じモードで出力処理を行なうのであるが、この場合に限っては、処理対象画像の画像特性と異なるモードで出力処理を行なうことになる。
本実施形態では、白黒の処理対象画像にカラーの特定画像を付加することを許容する。たとえば、広告主の意向などによって特定画像は必ずカラーで付加するといったことに対応するものである。ただしこの場合、画像出力部30における出力処理では、処理対象画像の画像特性に従った白黒の出力モードではなく、特定画像の画像特性に従ったカラーの出力モードで出力処理を行なうことで、処理対象画像が白黒であってもカラーの合成画像を出力するようにすることで、カラーの特定画像の内容を提供者が意図した通りに伝えられるようにする。
また、たとえば図4(C)に示すように、処理対象画像がカラーの文書である場合において同種合成とする場合には、カラーの特定画像が付加された文書が合成処理部160から出力され、画像出力部30ではカラーモードで出力処理を行なうことになる。この場合の同種合成には、カラーの特定画像を付加するようにユーザから指示されたケースと、白黒の特定画像を付加するようにユーザから指示されたが、課金カウンタ172の対応具合から、装置側で強制的にカラーの特定画像を付加するように変更したケースの2つがあり得る。
一方、図4(D)に示すように、処理対象画像がカラーの文書である場合において異種合成とする場合には、白黒の特定画像が付加された文書が合成処理部160から出力され、画像出力部30ではカラーモードで出力処理を行なうことになる。
<課金処理の概要>
図5は、課金処理部170の課金処理における料金体系の概要を説明する図である。ここでは、特定画像を処理対象画像に付加するか否かを選択できるものとし、また、処理対象画像がカラーか白黒かや合成後の画像がカラーか白黒かによって課金する料金を異ならせる例を示している。
本実施形態においては、特定画像を付加するか否かと、処理対象画像がカラーか白黒か、および出力画像がカラーか白黒かの組合せに基づいて複数の料金体系を管理することになる。
たとえば図4(A)に示した白黒の処理対象画像に特定画像を付加せずに白黒モード(処理対象画像の画像特性と同じモード)で出力する場合には料金Aが適用され、白黒の特定画像を付加して白黒モード(処理対象画像の画像特性と同じモード)で出力する場合には料金Bが適用され、カラーの特定画像を付加してカラーモード(特定画像の画像特性と同じモード)で出力する場合には料金Cが適用される。
料金Cの体系を備えることで、白黒の処理対象画像にカラーの特定画像を付加することを許容する。ただしこの場合、カラーの特定画像のためにカラー出力用の料金が処理対象画像の出力指示を発したユーザになさ課金されるといった不具合が発生し得るので、課金処理部170は、少なくともユーザに対しては、処理対象画像分の料金Aのみを課金するようにするのが好ましい。またこの場合、課金処理部170は、カラー出力用の料金との差分cに関しては、特定画像を提供する広告主が負担するように課金処理を調整するとよい。
こうすることで、付加された特定画像がカラーであるだけでカラー画像を出力する場合の課金がユーザになされてしまうという問題を解消でき、加えて、装置管理者にとっては、実際に出力された画像(本例ではカラー画像)に適合した料金を確実に徴収することができる。ユーザおよび装置管理者の双方にとって、利便性の高い料金体系を提供することができる。特定画像に関わる提供者にとっても、自身が希望した特性(本例ではカラー)で合成されて出力されるので、料金負担に応じた効果が得られ何ら不都合は起きない。
入力された処理対象画像がカラーか白黒かによってのみ料金を切り替えるのではなく、処理対象画像、付加を指示された(つまり合成対象の)特定画像、および課金カウンタ172の対応具合を総合的に判断して、実際に出力する画像(ここでは特に合成画像)の画像特性を適正化しつつ、処理対象画像と実際に出力される画像(ここでは特に合成画像)の各画像特性に基づいて、処理対象画像に関わるユーザと特定画像に関わる提供者と装置管理者のそれぞれに不都合のない状態で課金処理を行なうことができる。
これに対して、特開2002−27236号公報に記載の仕組みのように、入力された処理対象画像がカラーか白黒かによってのみ料金を切り替えるようにすると、処理対象画像が白黒でカラーの特定画像を付加する場合には、処理対象画像の出力指示を発したユーザに対しては利便性の高い料金体系を提供することができるものの、装置管理者に対しては必ずしも適正な料金体系とならないし、特定画像に関わる提供者にとっては、自身が希望した特性(本例ではカラー)で合成されて出力されないので、カラーの特定画像を提供した料金負担に応じた効果が得られない可能性があるのとは大きく異なる。
一方、図4(C)に示したカラーの処理対象画像に特定画像を付加せずにカラーモード(処理対象画像の画像特性と同じモード)で出力する場合には料金Dが適用され、特定画像を付加してカラーモード(処理対象画像の画像特性と同じモード)で出力する場合には、料金Eが適用される。この場合、処理対象画像がカラーであるので、特定画像がカラーであっても白黒であっても料金は同じにしている。
なお、一般に、カラーで出力する場合の料金は、白黒で出力する場合の料金に比べて高い、たとえば料金C,D,Eは料金A,Bよりも高い。また、たとえば特定画像として広告を付加して画像を形成する場合を考えると、付加する広告の料金は広告主が負担するため、特定画像を付加する場合には、特定画像を付加しない場合よりも料金を安くすることができる。すなわち、料金Aよりも料金Bの方が安く、また、料金Dよりも料金Eの方が安く設定できる。もちろん、広告などの特定画像を付加する場合には、料金を無料にするような設定を行なってもよい。
また、図5では、課金する料金を料金A〜Eの5種に区別した例を示しているが、この区分はこの例に限られるものではない。たとえば、処理対象画像の色数を検知し、たとえば赤と黒の2色しか使っていない場合には2色カラー用の料金を別途規定するなどといったことも考えられる。また、特定画像を付加する数によって料金を異ならせることも考えられる。
<処理手順;第1実施形態>
図6は、画像出力端末7における画像合成出力機能と課金処理機能に関わる動作の第1実施形態の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、出力サービス態様ごとに定義される画像特性として、白黒とカラーの区別であるカラー種別に着目して示す。この第1実施形態は、課金処理部170における課金処理では、各出力サービス態様に対応して保有しているそれぞれの課金カウンタ172に対してカウントアップを行なう。
ここで、画像合成指示がされ、さらに元となる処理対象画像の特性が特定され、画像合成後の画像特性が変更される場合において、画像合成後の画像の特性でカウントする課金カウンタ172がある場合は、その課金カウンタ172にカウントアップを行なう。一方、画像合成後の画像の特性をカウントする課金カウンタ172がない場合は、処理対象画像に付加する特定画像の特性を処理対象画像の特性と一致するように強制的に変更して画像合成処理を行なう。さらに、合成後の画像の特性、すなわち本例では、その処理対象画像の出力処理を要求した出力サービス態様に定義付けられている課金カウンタ172を用いて課金処理を行なう。以下、具体的に説明する。
先ずユーザは、処理対象画像に基づく出力処理の指示を画像出力端末7のユーザインタフェース装置15にて行なう(S10)。インタフェース部118は、処理対象画像を受け取ると、受け取った処理対象画像を、一旦画像記憶部120に渡す。
次に、出力態様判定部130と画像特性判定部140の処理対象画像特性判定部142とで、処理対象画像の出力サービス態様と画像特性(ここではカラー種別)を、処理対象画像を表わす画像データを解析することで、処理対象画像のページごとに特定する(S12)。出力態様判定部130と処理対象画像特性判定部142は、それぞれの判定結果を制御部110に通知する。
次に、制御部110は、処理対象画像に対して特定画像の付加要求(すなわち画像合成処理の要求)があるか否かを判定する(S14)。制御部110は、画像合成処理要求がない場合には、直ちに、課金する際の画像の種別をカウントする課金カウンタ172を特定するステップS30の処理に移行する(S14−NO)。
一方、画像合成処理要求がある場合には、制御部110は、特定画像特性判定部144に対して、特定画像の特性を特定するように指示する。この指示を受けた特定画像特性判定部144は、合成指定情報を参照して特定画像の画像特性を特定し、その判定結果を制御部110に通知する(S14−YES,S16)。
次に制御部110は、出力態様判定部130が特定した出力サービス態様の判定結果に基づき、指示された出力サービス態様が、カラー種別が限定されるサービスか否かを判定する(S18)。制御部110は、カラー種別が限定されるサービスではない場合には、処理対象画像および特定画像の双方について指示された画像特性のままで合成処理を行なうように合成処理部160に指示する。たとえば、出力サービス態様が、印刷(プリント)出力や複写(コピー)出力の場合である。
この指示を受けた合成処理部160は、処理対象画像および特定画像の双方について指示された画像特性のままで合成処理を行ない、合成画像を画像出力部30に渡す(S18−NO,S28)。合成処理が完了すると、制御部110は、課金する際の画像の種別をカウントする課金カウンタ172を特定するステップS30の処理に移行する(S18−NO)。
一方、たとえば、出力サービス態様がFAX出力の場合のように、カラー種別が限定されるサービスの場合には、制御部110は、処理対象画像特性判定部142で特定された処理対象画像の画像特性の判定結果と、特定画像特性判定部144で特定された特定画像の画像特性の判定結果とに基づいて、そのままの画像特性の状態で画像合成を行なうと合成後の画像特性(ここではカラー種別)が処理対象画像の画像特性に対して変化するか否かを判定する(S18−YES,S20)。
合成後の画像特性が変化しない場合には、制御部110は、処理対象画像および特定画像の双方について指示された画像特性のままで合成処理を行なうように合成処理部160に指示する。たとえば、FAX出力の場合において、白黒の特定画像を白黒のFAX画像に付加する指示がある場合である。
この指示を受けた合成処理部160は、処理対象画像および特定画像の双方について指示された画像特性のままで合成処理を行ない、合成画像を画像出力部30に渡す(S20−NO,S28)。合成処理が完了すると、制御部110は、課金する際の画像の種別をカウントする課金カウンタ172を特定するステップS30の処理に移行する。
一方、FAX出力の場合においてカラー特定画像を付加する指示がある場合のように、合成後の画像特性が変化し得る場合には、制御部110は、課金カウンタ判定部180に対して、その出力サービス態様で合成後の画像特性のカウントを行なう課金カウンタ172が存在するか否かを特定するように指示する。この指示を受けた課金カウンタ判定部180は、その出力サービス態様で合成後の画像特性でカウントを行なう課金カウンタ172が存在するか否かを特定し、その判定結果を制御部110に通知する(S20−YES,S22)。
制御部110は、対応可能な課金カウンタ172が存在する場合には、処理対象画像および特定画像の双方について指示された画像特性のままで合成処理を行なうように合成処理部160に指示する。たとえば、特殊なケースではあるが、図3(B)に示したように、FAX出力の場合において、カラーの特定画像を白黒のFAX画像に付加する指示がある場合において、カラー出力対応のFAX出力用の課金カウンタ172が存在する場合である。
この指示を受けた合成処理部160は、処理対象画像および特定画像の双方について指示された画像特性のままで合成処理を行ない、合成画像を画像出力部30に渡す(S22−YES,S28)。合成処理が完了すると、制御部110は、課金する際の画像の種別をカウントする課金カウンタ172を特定するステップS30の処理に移行する。
一方、対応可能な課金カウンタ172が存在しない場合には、制御部110は、合成画像のカラー種別を強制的に変更させる。具体的には、合成処理部160に対して、カラー特定画像記憶部124と白黒特定画像記憶部126(もしくは画像特性変換部128)の内、処理対象画像の画像特性と同じ画像特性の方のカラー種別のものを使用するように指示する。
この指示を受けた合成処理部160は、特定画像に関しては、カラー特定画像と白黒特定画像の内、処理対象画像の特性と一致する方を用いて合成処理を行ない、合成画像を画像出力部30に渡す(S22−NO,S26)。合成処理が完了すると、制御部110は、課金する際の画像の種別をカウントする課金カウンタ172を特定するステップS30の処理に移行する。
以上のような処理の後、ステップS30に移行すると、課金処理部170は、課金する際の画像の種別をカウントする課金カウンタ172を特定する(S30)。この後、画像出力部30は、出力処理を実行する(S32)。課金処理部170は、特定した課金カウンタ172を使用して、出力された後のカラー種別を基にその課金カウンタ172にカウントする(S34)。そして、課金カウンタ172のカウンタ値に基づき、ユーザに対して課金を行なう、つまり出力処理のカラー種別に適合した料金をユーザから徴収する(S36)。
なお、図示しないが、処理対象画像の最終ページまで出力したか否かを判定し、最終ページまで出力していなければ、次のページについての処理を行なうべく、ステップS12へ戻る。このようにして、処理対象画像の全てのページについて上述のような処理を繰り返し行なう。
<処理手順;第2実施形態>
図7は、画像出力端末7における画像合成出力機能と課金処理機能に関わる動作の第2実施形態の処理手順を示すフローチャートである。この第2実施形態は、課金処理部170における課金処理では、各出力サービス態様に対応して保有しているそれぞれの課金カウンタ172に対してカウントアップを行なうことを前提とする。
ここで、画像合成指示がされ、さらに元となる処理対象画像の特性が特定され、画像合成後の画像特性が変更される場合において、画像合成後の画像の特性でカウントする課金カウンタ172がある場合は、その課金カウンタ172にカウントアップを行なう。一方、画像合成後の画像の特性をカウントする課金カウンタ172がない場合は、その処理対象画像の出力処理を要求した出力サービス態様に定義付けられている課金カウンタ172ではなく、画像合成後の画像の特性で出力したものと同一である他サービスの課金カウンタ172を使用して課金処理を行なう。以下、具体的に説明する。
ステップS22までは第1実施形態と同じである。ここで、ステップS22の判定処理において、対応可能な課金カウンタ172が存在しない場合には、制御部110は、課金カウンタ判定部180に対して、他サービスに合成画像の特性と同じ料金体系に適合する課金カウンタ172が存在するか否かを特定するように指示する。この指示を受けた課金カウンタ判定部180は、他サービス用の課金カウンタ172に、その合成後の画像特性でカウントを行なう適合カウンタが存在するか否かを特定し、その判定結果を制御部110に通知する(S22−NO,S24)。
適合カウンタ、すなわち対応可能な課金カウンタ172が他サービスに存在する場合には、制御部110は、処理対象画像および特定画像の双方について指示された画像特性のままで合成処理を行なうように合成処理部160に指示する。たとえば、FAX出力の場合において、カラーの特定画像を白黒のFAX画像に付加する指示がある場合において、プリント出力やコピー出力用であってカラー出力対応の課金カウンタ172を代用可能な場合である。
この指示を受けた合成処理部160は、処理対象画像および特定画像の双方について指示された画像特性のままで合成処理を行ない、合成画像を画像出力部30に渡す(S24−YES,S28)。合成処理が完了すると、制御部110は、課金する際の画像の種別をカウントする課金カウンタ172を特定するステップS30の処理に移行する。
一方、制御部110は、代用可能な課金カウンタ172も存在しない場合には、指示された処理を拒否する旨の通知を操作パネル部15aや音声通知部15cなどを使用して行ない処理を完了する(S24−NO)。あるいは、図中に点線で示すように、第1実施形態と同様に、合成画像のカラー種別を強制的に変更させる(S24−NO,S26,S28)。
このように、第1実施形態および第2実施形態の何れの処理手順によっても、装置が各サービスで画像合成処理を実施した際に、これまで課金規則が存在していなかったため適切な課金や画像合成処理を実施できなかったサービスについても、画像合成処理や適正な課金を実施することができる。
<電子計算機を利用した構成に関して>
上述した実施形態において、画像合成出力機能や課金処理機能は、ハードウエア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウエア的に実現することも可能である。
よって、本発明に係る画像出力方法や画像出力装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウエアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体を発明として抽出することもできる。ソフトウエアにより実行させる仕組みとすることで、ハードウエアの変更を伴うことなく、処理手順などを容易に変更できる利点を享受できるようになる。
たとえば図8は、CPUやメモリを利用してソフトウエア的に画像合成出力処理と課金処理を行なう機能を持つ画像出力端末7を構成する、すなわちパーソナルコンピュータなどのコンピュータ(電子計算機)の機能を利用して画像合成出力処理と課金処理をソフトウエア的に実現する場合のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図示する画像出力端末7は、スキャナやプリンタやコピー機やFAX装置など機能を複合的に備える複合機として構成されている。たとえば、画像出力端末7は、コントローラ(Controller)ボード800と、画像を読み取る読取装置部(Input Device)としての画像読取部10と、プリントエンジンを内蔵し画像をプリント用紙などの所定の出力媒体上に形成するに印刷装置部(Output Device)としての画像出力部30と、画像出力部30にて処理された出力物(以下プリント用紙ともいう)に対して、折り処理、ステイプル処理、パンチ処理などの加工処理を施す後処理装置部(Finishing Device)8とを備え、画像データを生成して画像出力部30に供給するパーソナルコンピュータ(PC;Personal Computer)などのクライアント端末に接続されている。
また画像出力端末7は、パネル制御やキー制御などを行なうUI(操作装置)910と、情報を記録した様々な特性の記録媒体(画像情報などを格納したいわゆるメディアカードなど)950から、記録されている情報を読み取るメディアリーダー940とを備えている。
なお、図では、後処理装置部8を画像出力部30とは別体のものとして示しているが、このような形態に限らず、画像出力部30と後処理装置部8とを一体のものとして構成することもできる。
画像読取部10としては、画像読み取りを行なうスキャナ部の他に、プラテン(原稿カバー)や自動原稿読取装置などを含んで構成される。また、自動原稿読取装置は片面読取りに限らず、両面読取りが可能な構成とすることもできる。
コントローラボード800は、電子計算機の内部構成に類する構成を採っており、データを転送する信号線であるバス802に種々の機能要素が接続されて構成されている。バス802としては、たとえば、メモリバスやPCI(Peripheral Component Interconnect )バスなどがある。
画像処理や画像形成処理や課金処理を行なうに当たって、電子計算機の仕組みを利用することで、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機を用いてソフトウエア的に画像処理機能や画像形成処理機能や課金処理機能を実現することができるようになる。ソフトウエアにより画像処理機能や課金処理機能や画像形成処理機能を実行させる仕組みとすることで、ハードウエアの変更を伴うことなく、処理手順などを容易に変更できる利点を享受できるようになる。
電子計算機に一連の画像処理機能や課金処理機能や画像形成処理機能をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ(組込マイコンなど)、あるいは、CPU、論理回路、記憶装置などの機能を1つのチップ上に搭載して所望のシステムを実現するSOC(System On a Chip:システムオンチップ)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
記録媒体は、コンピュータのハードウエア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。
たとえば、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクFDを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、または半導体メモリなどよりなるパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。
また、ソフトウエアを構成するプログラムは、記録媒体を介して提供されることに限らず、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
たとえば、画像処理機能や課金処理機能や画像形成処理機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、ハードウエア処理回路にて構成する場合と同様の効果は達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が画像処理機能や課金処理機能や画像形成処理機能を実現する。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで、画像処理や画像形成処理を行なう機能が実現されるだけでなく、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(Operating Systems ;基本ソフト)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理により画像処理や課金処理や画像形成処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって画像処理や課金処理や画像形成処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
なお、画像処理や課金処理機能や画像形成処理を行なう機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウエア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
具体的には、コントローラボード800は、演算制御機能の中心を司るものであって装置全体の主たる制御を行なうCPU810と、記憶部とを備えている。記憶部としては、たとえば、プログラムや固定データの格納を行なう不揮発性の記憶媒体の一例であるROM(Read Only Memory)812と、プログラム動作のためのシステムメモリや画像処理のためのページメモリなどとして利用される揮発性の記憶媒体の一例であるRAM(Random Access Memory)814とが設けられている。なお、ROM812は、フラッシュメモリなどを利用して、電気的に情報を書換可能な構成にすることもできる。
また、記憶部としては、画質調整、各種設定パラメータ、あるいは各種履歴など不揮発性のデータの格納を行なう不揮発性の記憶媒体の一例であるNVRAM816と、画像データや各種履歴の格納を行なう不揮発性の記憶媒体の一例であるハードディスク装置(HDD)818とが設けられている。
また、コントローラボード800は、画像データの伸張圧縮処理やその他の各種画像処理を行なう画像処理部820と、UI910との間のインタフェース(Interface )機能をなすUI_IF830とを備えている。
また、コントローラボード800は、各種の外部装置やネットワークとの間の接続インタフェース機能をなす通信IF部840と、複合機を構成する各種機器との間の接続インタフェース機能をなすデバイス(Device)IF部850とを備えている。
通信IF部840としては、たとえば、構内ネットワーク(LAN;Local Area Network)との間の接続インタフェース機能をなすLAN_IF部842と、シリアル通信にて各種外部周辺装置との間の接続インタフェース機能をなすシリアル(Serial)_IF部844と、USB(Universal Serial Bus)規格の機器との間の接続インタフェース機能をなすUSB_IF部846と、FAXなどの公衆回線との間の接続インタフェース機能をなすモデムIF部848とを備えている。
LAN_IF部842とネットワークとは、たとえば10もしくは100Base−T規格の接続ケーブルにて有線にて接続される。なお、有線接続に限らず、所定の無線規格に基づいて各種の無線機器と接続することで、無線LANを構築することもできる。
USB_IF部846としては、USB1.1あるいはUSB2.0規格にて有線にて接続される。なお、有線接続に限らず、USBの無線規格に基づいて各種の無線機器と接続することもできる。本実施形態においては、このUSB_IF部846によりメディアリーダー940へ接続することとする。
モデムIF部848は、FAXなどの公衆回線への接続を行なうモデム制御部を有し、各種Fax機能を画像出力端末7が提供可能に構成する。
デバイス_IF部850には、一例として、画像読取部10と画像出力部30とが接続され、画像出力部30に後処理装置部8が接続される構成とする。
UI910は、図1に示したユーザインタフェース装置15に対応するものであり、一例として、スタート、ストップ、テンキーなどのハードキーを有する操作部912と、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)やその他の表示デバイスを有する表示部914とを有している。表示装置の画面上にタッチパネルを組み込むことで、表示部914が操作部912の機能を備えるように構成することもできる。
このようなシステム構成において、ユーザは、表示部914またはクライアント端末から、画像出力端末7が持つ機能、たとえば画像合成機能などを指定する。画像出力端末7は、その指示に従って、たとえば、コピー、プリント、スキャン、FAXなどのサービスごとの画像処理とその画像処理後のデータに基づく画像形成処理(画像出力処理)と、その画像形成処理に応じた課金処理を上述したように行なう。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、上記実施形態では、FAX出力サービスの場合に画像特性の一例であるカラー種別が白黒のみに定義され、それに応じて課金カウンタも白黒用のみが用意されるものとして説明したが、これは一例に過ぎず、カラー種別や課金カウンタが制限されるサービスが他の出力サービスであってもよい。
また、上記実施形態では、出力サービス態様ごとに定義される画像特性として、白黒とカラーの区別であるカラー種別を一例に説明したが、出力サービス態様ごとに定義される画像特性は、他のものであってもよく、その画像特性によって課金における料金体系が異なる場合には、上記実施形態で説明した仕組みを同様に適用できる。
たとえば、カラーFAXにも対応するようにした場合、現状では、カラーFAXは規格上は国際標準V.34規格(ITU−T)スーパーG3にて、画像サイズがA4のみと制限されている。ここで、出力サイズに応じて料金を異なるように課金処理を行なう場合において、カラーFAX用としてはA4サイズ用の課金カウンタのみを用意するケースでは、合成対象の特定画像のサイズがA4以上で指定された場合には問題が起き得るので、この対処のためには、詳細な説明は割愛するが、たとえば図9に示すように、上記第2実施形態におけるカラー種別を画像サイズ(出力サイズ)に置き換えて考えればよい。
また、カラー種別やサイズの他にも、たとえば出力時の解像度に応じて料金体系を異なるように課金処理を行なう場合に、出力サービス態様ごとに解像度が定義され、一部のサービスでは1つの解像度に制限され、それに応じて1つの課金カウンタを用意するケースでも、上記実施形態で説明したカラー種別を画像解像度に置き換えることで、同様に適用可能となる。
1…画像処理システム、7…画像出力端末、8…後処理装置部、10…画像読取部、15…ユーザインタフェース装置、30…画像出力部、110…制御部、118…インタフェース部、120…画像記憶部、122…処理対象画像記憶部、123…特定画像記憶部、124…カラー特定画像記憶部、126…白黒特定画像記憶部、128…画像特性変換部、130…出力態様判定部、140…画像特性判定部、142…処理対象画像特性判定部、144…特定画像特性判定部、160…合成処理部、170…課金処理部、172…課金カウンタ、180…課金カウンタ判定部