JP6286446B2 - 低融点活性剤のための経皮投与剤形 - Google Patents

低融点活性剤のための経皮投与剤形 Download PDF

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Description

1.発明の分野
本開示は、医薬調製物、特に経皮貼付剤を製造するための医薬調製物を対象とする。
2.関連技術の説明
「薬物含有粘着剤(drug-in-adhesive)」型経皮系は、薬物含有粘着性ポリマー層、粘着層の一方の面を覆う薬物不透過性裏地層、及び粘着層の他方の面を覆う剥離層、例えば、シリコーンコート紙層を含有する。一般に、「薬物含有粘着剤」型経皮系において、粘着性ポリマーは、外相又は連続相を形成する。薬理学的に不活性な種々の成分、例えば、賦形剤又は可塑剤を、ポリマーマトリックス中に溶解又は分散させることができる。好適な粘着性ポリマーとしては、疎水性ポリマー、例えば、ポリイソブチレン又は(メタ)アクリレートエステルポリマーを挙げることができる。粘着性ポリマーは、賦形剤、可塑剤及び他の薬理学的に不活性な成分と共に、粘着性の疎水性マトリックスを構成する。
薬理学的に活性な成分は、疎水性マトリックス中に溶解又は分散させることができる。活性医薬成分の溶解度及び物理的性質は、経皮系の物理的性能及び薬物送達性能を左右する上で非常に重要である。
多くの活性医薬成分は、加工中にその物理的形態が変化する可能性がある、即ち、1つの多形体から別の多形体に又は固体から液体に変化し得る。物理的形態のこのような変化は、加工又は製造中にいくつかの問題を起こす可能性がある。これらには、結晶化又は再結晶の問題が含まれる。場合によっては、加工中における高温又は高圧への曝露は、活性医薬成分の物理的形態を変化させる可能性がある。例えば、低融点の結晶性薬物は、その後に加工される粘着性組成物に添加する場合がある。粘着性組成物は、粘着層を形成するための押出プロセス中に熱又は圧力を受けて、薬物を融解させることがある。押出後に粘着性組成物を冷却すると、薬物は、その原形と異なる非晶質の形態又は結晶多形の形態で凝固する可能性がある。他の場合には、薬物は、粘着性マトリックス全体に分散される油を形成する可能性がある。
薬物の物理的形態のこのような変化は、経皮系全体に影響を及ぼす可能性がある。例えば、活性医薬成分が低融点を有し且つ加工中に固体の状態から油の状態に変換される場合、油の状態の活性成分は粘着性マトリックスを可塑化する可能性がある。粘着性マトリックスの可塑化は次に、薬物不透過性裏地からの又は剥離層からの粘着性マトリックスの離層を引き起こす可能性がある。粘着性マトリックの可塑化はまた、貯蔵条件において、常温でのゆがみ、変形又は寸法変化と定義される「コールドフロー」を引き起こす可能性がある。
加えて、活性医薬成分が油の形態であり且つ粘着性マトリックス中に十分に吸着されない又はマトリックス中の添加剤によって吸着されない場合には、油は、マトリックスを通って拡散する可能性があり、粘着剤と剥離ライナーとの界面において成膜又は油の堆積を引き起こす可能性がある。粘着性マトリックスを通る油の拡散はまた、貯蔵中に離層及びコールドフローの問題を引き起こす可能性がある。
加えて、粘着層は、油状の薬物及び他の可塑剤が薬物リザーバーからリザーバーと裏地との界面に拡散するのを制御する律速層として働く可能性がある。
米国で販売されている、周知の薬物含有粘着剤型経皮製品は、スコポラミン、クロニジン又はSALONPAS(登録商標)などの薬物を含有する経皮マトリックスとしてポリイソブチレン、鉱油及コロイドシリカの組合せを含有している。コロイドシリカは、これらの製品の粘度を増加させると言明されている。また、コロイドシリカはマトリックスの、特に、スコポラミン又はクロニジンを含有する経皮製品中のマトリックスの透過性を増加させると言明されている。
本開示は、種々の実施形態を記載するが、実現可能な考えられる利点を網羅又は限定することを意図しない。したがって、種々の実施形態は、本発明の範囲を限定することを意図しない。したがって、本発明は、本明細書中に示す及び種々の実施形態において記載する新規な方法、配列、組合せ及び改善にある。
低融点又は高拡散性の薬物の経皮剤形の改善が現在必要とされていることを踏まえて、種々の例示的実施形態の簡単な概要を示す。以下の概要において、多少の簡略化及び省略を行う場合がある。以下の概要は、種々の例示的実施形態の一部の態様を取り上げて紹介することを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。当業者に発明概念を理解及び使用させるのに適切な好ましい例示的実施形態についての詳細な説明を、後の部分で後述する。
巨視的には、本明細書中に開示した経皮系は、薬物分子を実質的に吸着して、粘着剤-剥離ライナー界面における又は粘着剤-裏地層界面における油の堆積又は膜の形成を克服することができる添加剤を含む。特定の実施形態において、薬物含有粘着剤型経皮系は、薬物粒子を吸着する添加剤としてシリカ粒子を使用することができる。種々の実施形態において、薬物含有粘着剤型経皮系は、疎水性薬物の粒子を吸着するために、疎水性コロイドシリカを含む疎水性添加剤を使用することができる。種々の実施形態において、薬物含有粘着剤型経皮系は、親水性薬物の粒子を吸着するために、従来のコロイドシリカを含むより親水性の添加剤を使用することができる。添加剤の組合せを使用してもよい。
種々の実施形態において、添加剤は疎水性コロイドシリカである。経皮貼付剤は、貼付剤の物理的性能及び薬物送達性能を変えることができる種々のレベルの疎水性コロイドシリカ材料を用いて構成できる。経皮組成物は、ポリイソブチレン(高分子量及び低分子量)、鉱油、疎水性コロイドシリカ及び活性医薬成分を含む薬物リザーバー層を含むことができる。加えて、この組成物は、疎水性コロイドシリカ材料のレベルの選択と経皮貼付剤の物理的性能との依存関係を伴う。
第1の態様において、本出願は、粘着層と薬物リザーバー層とを積層して経皮系を生成することを対象とする。種々の実施形態において、薬物送達速度は、粘着層によって制御することができる。本出願はまた、薬物リザーバー層への粘着層の積層により経皮系の物理的性能を改善できる方法を対象とする。本明細書はまた、薬物リザーバー層にポリイソブチレン(高分子量及び低分子量)、鉱油、疎水性コロイドシリカ及び活性医薬成分を含有し且つ皮膚接触層とも称される粘着層にポリイソブチレン(高分子量及び低分子量)、鉱油及び疎水性コロイドシリカを含有する経皮組成物に関する。
本開示は、薬物を含有する疎水性リザーバーを含む、薬物の経皮投与のための貼付剤であって、リザーバーが第1の表面及び第2の表面を有する、貼付剤に関する。種々の実施形態において、裏地が第1の表面を覆い、裏地は薬物に対して不透過性である。特定の実施形態において、疎水性リザーバー層は、貼付剤の最外層であり、皮膚接触粘着層として働く。一部の実施形態において、剥離シートが、リザーバーの第2の表面を覆う。
種々の実施形態において、疎水性リザーバーは、薬物及び疎水性マトリックスを含有し、疎水性マトリックスは、前記薬物を吸着するのに有効な量の疎水性賦形剤;及びポリイソブチレンと鉱油との混合物を含有する。種々の実施形態において、ポリイソブチレン及び鉱油は、鉱油対ポリイソブチレンの質量比少なくとも約0.05:1、少なくとも約0.25:1又は少なくとも約0.30:1で使用する。種々の実施形態において、ポリイソブチレン及び鉱油は、鉱油対ポリイソブチレンの質量比約1:1まで、約0.60:1まで又は約0.50:1までで使用する。種々の非限定的な実施形態において、鉱油対ポリイソブチレンの質量比は、約0.05:1〜約1:1であり得る。種々の非限定的な実施形態において、鉱油対ポリイソブチレンの質量比は、約0.25:1〜約0.60:1であり得る。種々の非限定的な実施形態において、鉱油対ポリイソブチレンの質量比は、約0.30:1〜約0.50:1であり得る。疎水性マトリックスは、疎水性賦形剤として、リザーバーの6質量%〜30質量%の疎水性コロイドシリカを含有することができる。種々の実施形態において、薬物及び疎水性賦形剤は、約2:1〜約0.9:1の質量比で存在し得る。
種々の実施形態において、経皮薬物投与のための貼付剤は、薬物を含有する疎水性リザーバー(薬物リザーバー層)であって、第1の表面及び第2の表面を有するリザーバーと、リザーバーの前記第2の表面と接触している放出制御粘着層とを含む。薬物不透過性裏地が第1の表面を覆う。特定の実施形態において、放出制御粘着層は、貼付剤の最外層である。一部の実施形態において、剥離シートがリザーバーの第2の表面を覆い、放出制御粘着層がリザーバーと剥離シートの間に存在する。
種々の実施形態において、貼付剤は、薬物リザーバー層に積層された放出制御粘着層を含み、放出制御粘着層は、前記放出制御粘着層の0.5質量%〜5質量%の疎水性コロイドシリカ、及びポリイソブチレンと鉱油との、ポリイソブチレン対鉱油約1:1〜約4:1の質量比の混合物を含む。放出制御粘着層は、薬物リザーバー層より少ない量の疎水性コロイドシリカを含有する。種々の実施形態において、貼付剤の薬物リザーバー層中の疎水性マトリックスは、薬物リザーバー層の8質量%〜20質量%の疎水性コロイドシリカを含み、放出制御粘着層は、放出制御粘着層の0.5質量%〜5質量%の疎水性コロイドシリカを含む。疎水性コロイドシリカは30nm〜150nmの粒径を有することができるが、他の粒径も好適である。疎水性シリカは、式I
R(4-n)SiXn I
[式中、RはC1〜C20アルキル又は芳香族基であり、Xは加水分解性基であり、nは1、2又は3である]
のシランで処理されているコロイドシリカであり得る。種々の実施形態において、Xは、-OH、-O2CR1、-Cl、-Br、-I、-OR1、-COR1、-NHR1又は-NR1 2(ここで、R1は、C1〜C20アルキル又は芳香族基である)である。
種々の実施形態において、貼付剤中の疎水性リザーバーは、低融点薬物、例えば、20℃〜150℃又は20℃〜80℃の融点を有する薬物を含有する。好適な低融点薬物としては、メチルフェニデート、イブプロフェン、クロニジン又はスコポラミンが挙げられる。種々の実施形態において、貼付剤中の疎水性リザーバーは、疎水性マトリックスを通って拡散し得る疎水性薬物を含有し、拡散性の疎水性薬物は低融点薬物であってもなくてもよい。種々の実施形態において、疎水性薬物は、疎水性賦形剤又は吸着剤、例えば、親水性コロイドシリカの表面に吸着できる。
本開示は、経皮系において粘着層を薬物リザーバー層に積層できる方法を記載する。得られる経皮系は、薬物送達速度を制御できる。また、この開示は、薬物リザーバー層への様々な厚さを有する粘着層の積層により経皮系の物理的性能を改善できる方法に関する。本発明はまた、ポリイソブチレン(高分子量及び/又は低分子量ポリイソブチレン)、鉱油、疎水性コロイドシリカ、及び活性医薬成分を含有する経皮組成物に関する。活性医薬成分は、薬物リザーバー層に含まれ、薬物リザーバー層は、高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレン又はそれらの混合物であり得るポリイソブチレン、鉱油、及び疎水性コロイドシリカを含有する疎水性ポリマーマトリックスを含有する。
ポリイソブチレンは、高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレン又はそれらの混合物であり得る。高分子量ポリイソブチレンは、500,000〜1,500,000又は750,000〜1,200,000の平均分子量を有し得る。低分子量ポリイソブチレンは、40,000〜85,000の平均分子量を有し得る。好適なポリイソブチレン粘着剤としては、Oppanol B80(高分子量PIB)、Oppanol B100(高分子量PIB)、Oppanol B12(低分子量PIB)とDuro-Tak 87-613A(高分子量PIBと低分子量PIBの混合物)が挙げられる。高分子量PIBと低分子量PIBとの混合物を使用する粘着剤の場合、高分子量PIB対低分子量POBの比は、0.5:1〜1.5:1、0.6:1〜1.1:1の範囲又は約0.8:1であり得る。活性医薬成分は、薬物リザーバー層に含まれ、薬物リザーバー層は、高分子量ポリイソブチレン、低分子量ポリイソブチレン又はそれらの混合物であり得るポリイソブチレン、鉱油、及び疎水性コロイドシリカを含有する疎水性ポリマーマトリックスを含有する。
一般に、「薬物含有粘着剤」型経皮系において、粘着性ポリマーは外相又は連続相と考える。薬理学的に不活性な成分を粘着性ポリマーに溶解又は分散する。薬理学的に活性な成分も同様に粘着性ポリマーに溶解又は分散させることができる。活性医薬成分の溶解度及び物理的性質は、経皮系の物理的性能及び薬物送達性能を左右する上で非常に重要である。
加工又は製造中に、活性医薬成分はその物理的状態が変化する可能性がある。これらの変化としては、規定された物理的形態を有する薬物の結晶化/再結晶及び/又は異なる物理的形態への変換が挙げられる。薬物のこのような変化は、結果として、経皮系全体に影響を及ぼし得る。例えば、活性医薬成分が低融点を有し且つ加工中にその融点より高温に加熱される場合、活性医薬成分は、加工中に固体状態から液体又は油の状態に変換される可能性がある。液体又は油の形態の活性医薬成分は、マトリックスを可塑化する可能性があり、製造プロセスにおいて離層を引き起こす可能性がある。更に、油状又は液体の活性医薬成分は、経皮系のマトリックスを通って拡散する可能性があり、粘着剤-剥離ライナー界面で、成膜又は油の堆積を引き起こす可能性がある。
これらの問題を解決するために、マトリックスに添加剤を添加することができる。好適な添加剤は、活性成分に対してかなり大きい吸着能を有するべきである。他の要因としては、添加剤と活性医薬成分との相互作用、及び添加剤による不純物の導入が挙げられる。物理的に許容される経皮系の製造において、これらの要因の最適化がしばしば行われる。これらの要因に適切に対処できないと、製剤の他の側面を完全に最適化しても、経皮系の性能が悪くなる可能性がある。
例えば、一部の薬物は、加水分解による分解を受け易い。加水分解による薬物の分解度は、他の水分を導入する要因に加えて担体中に存在する水分によって主に決定される。疎水性マトリックス、例えば、ポリイソブチレン/鉱油マトリックスを含有する経皮系において、炭化水素ポリマー及び油は水分をほとんどもたらさない。しかし、コロイドシリカは親水性であり、シリカ粒子上に吸着された水を含有する。シリカ粒子上に存在する又は吸着された水分の量は、吸着される薬物の安定性に直接影響を及ぼす可能性がある。したがって、薬物は吸着水の近傍で結合される可能性があるので、コロイドシリカは、加水分解を受け易い薬物の吸着に理想的な添加剤でない可能性がある。更に、コロイドシリカは、疎水性薬物をはじく可能性がある親水性表面を有する。これらの問題に対処するために、疎水性薬物又は容易に加水分解される薬物と共に、疎水性吸着剤を使用することができる。疎水性コロイドシリカは、疎水性吸着剤の考えられる一例である。
コロイドシリカとしても知られているコロイド状二酸化ケイ素は、食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)によって局所用医薬調製物への使用のためにGRAS[一般に安全と認められる(Generally Regarded As Safe)]材料として認可されている添加剤である。大きい表面積、低い密度及び小さい粒径のようなその有益な性質のため、これは、一部の活性医薬成分を吸着できると良く認識されている。シリカ粒子の吸着性は、一部の医薬調製物への担体としての使用に寄与する大きな要因である。
特定の実施形態において、経皮系は、単層粘着系を含有する。リザーバー層は粘着性材料であり、2つの主面を有する。リザーバー層の一方の主面に薬物不透過性裏地層を積層し、リザーバー層の他方の主面に剥離ライナー、例えば、シリコーンコート紙層を剥離可能なように積層する。剥離ライナーをリザーバー層から剥がすと、リザーバー層の粘着面を現すことができる。次に、露出された粘着面を皮膚表面に粘着させ、リザーバーマトリックスの疎水性マトリックスを通して皮膚表面に薬物を拡散させることができる。種々の実施形態において、リザーバー層は、ポリイソブチレンと鉱油との混合物を、鉱油対ポリイソブチレンの質量比約0.05:1〜約1:1で含有する。種々の非限定的な実施形態において、鉱油対ポリイソブチレンの質量比は、約0.25:1〜約0.60:1であり得る。種々の非限定的な実施形態において、鉱油対ポリイソブチレンの質量比は、約0.30:1〜約0.50:1であり得る。リザーバー層は、疎水性賦形剤として、リザーバーの6質量%〜30質量%の疎水性コロイドシリカを含有することができる。
特定の実施形態において、リザーバー層を粘着層に積層して、二層粘着系を生成する。粘着層は、皮膚接触層又は皮膚接触粘着層と称することもできる。リザーバー層及び皮膚接触粘着層の両方を含有する実施形態において、リザーバー層及び皮膚接触粘着層は、一緒に積層する。種々の実施形態において、リザーバー層は、約8質量%〜約30質量%の活性成分、薬物吸着添加剤、例えば、疎水性コロイドシリカ、及びポリイソブチレンと鉱油との前記ポリイソブチレン対前記鉱油の質量比約1:1〜約4:1の混合物を含有する。種々の実施形態において、リザーバー層は、薬物吸着添加剤として、リザーバー層の約8質量%〜約30質量%又は約8質量%〜約20質量%の疎水性コロイドシリカを含有する。皮膚接触粘着層は、放出制御粘着層の約0.5質量%〜約5質量%又は約1%質量%〜約1質量%の疎水性コロイドシリカ、及びポリイソブチレンと鉱油との前記ポリイソブチレン対前記鉱油の質量比約1:1〜約4:1の混合物を含有する。特定の実施形態において、皮膚接触粘着層は活性成分を含まない。
薬物の吸着に使用できる薬物リザーバー層への添加に好適な添加剤としては、リザーバー層の質量に基づく量の以下が挙げられる:
約8%〜約30%の量の疎水性コロイドシリカ、
約1%〜約3%の量の疎水性コロイドシリカと約2%の量のチタニア(二酸化チタン)との組合せ、
約2%〜約5%の量のノイシリン(neusilin)(メタ珪酸アルミン酸マグネシウム)、
約2%〜約5%の量のノイシリン(メタ珪酸アルミン酸マグネシウム)と、約2%〜約5%の量のステアリン酸マグネシウム、約2%〜約5%の量のポリエトキシル化ヒマシ油及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つとの組合せ、
約1%〜約10%の量のコロイドシリカ又は乾燥コロイドシリカ、
約1%〜約3%の量のコロイドシリカと、約2%の量のノイシリン、約1%〜約3%の量のステアリン酸マグネシウム、約2%〜約5%の量のリン酸水素二ナトリウム、約2%〜約5%の量のポリエトキシル化ヒマシ油又はそれらの混合物との組合せ、
約2%〜約5%の量のリン酸水素二ナトリウム、
5%〜約10%の量の無水リン酸水素カルシウム、
5%〜約10%の量の無水リン酸水素カルシウムと、約2%〜約5%の量のポリエトキシル化ヒマシ油との組合せ、
約2%〜約5%の量のポリエトキシル化ヒマシ油、
約2%〜約5%の量のステアリン酸マグネシウム、
約5質量%の量のクレイ、例えば、カオリン、
1質量%までのα-トコフェロール、並びに
約5%〜約20%の、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸メチルをベースとするカチオン性コポリマーであるEudragit EPO。
特定の実施形態において、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのポリマーを、約3質量%〜7質量%の量で吸着剤として使用できる。
種々の実施形態において、疎水性添加剤は、疎水性薬物を優先的に吸着するのに使用できる。親水性添加剤は、疎水性がより低い薬物を吸着するのに使用できる。
疎水性薬物と共に使用するのに好適な疎水性添加剤としては、疎水性コロイドシリカ、疎水性コロイドシリカとチタニアとの組合せ、ポリエトキシル化ヒマシ油、及びステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
本明細書中に開示する種々の実施形態は、疎水性添加剤として疎水性コロイドシリカを使用する。従来のコロイドシリカは、シラノール基を有する親水性表面を有する。親水性コロイドシリカを経皮系に使用しているとしても、親水性コロイドシリカは疎水性薬物、例えば、メチルフェニデートに対しては不良な吸着剤である。この問題に対処するために、本明細書中に開示する経皮系は、賦形剤及び吸着剤として疎水性コロイドシリカを使用する。種々の実施形態において、吸着剤として使用する疎水性コロイドシリカは、化学的に修飾されたコロイドシリカであってもよい。一部の実施形態において、コロイドシリカは、式I
R(4-n)SiXn I
[式中、RはC1〜C20アルキル又は芳香族基であり、Xは加水分解性基であり、nは1、2又は3である]
の加水分解性シランで処理されている。種々の実施形態において、Xは、-OH、-O2CR1、-Cl、-Br、-I、-OR1、-COR1、-NHR1又は-NR1 2(ここで、R1はC1〜C20アルキル又は芳香族基である)である。加水分解性シランは、シラン上の-SiXn基とコロイドシリカ上のシラノール基との縮合反応によってコロイドシリカに結合させて、シリカ表面の親水性シラノール基を疎水性アルキル基に置き換える。
疎水性コロイドシリカは、表面積が優れているため、疎水性薬物及び他の疎水性成分を効果的に吸着することができる。また、このプロセスにおける薬物安定性の観点から、経皮貼付剤中の薬物リザーバーの安定性は、疎水性コロイドシリカと薬物との相互作用によって決まる。添加剤として特定の百分率(製剤中約6%〜約30%、好ましくは約8%〜約20%)で疎水性コロイドシリカを用いることによって、マトリックスを通る活性医薬成分の拡散を、貯蔵中に制御することができる。特に、疎水性薬物及び他の疎水性成分は、シリカ粒子の疎水性表面に吸着する。少なくとも一部の疎水性成分、即ち、約20%〜約100%の疎水性成分が疎水性シリカ表面に吸着すると、これは、疎水性マトリックスを通る、疎水性薬物を含む疎水性成分の自由拡散を低減又は防止する。このようにして薬物拡散を低減すると、薬物は疎水性リザーバー層の表面まで拡散しないので、経皮貼付剤の安定性が増加する。したがって、疎水性コロイドシリカへの薬物の吸着は、薬物分子の拡散制御における重要な要因と考えることができる。疎水性コロイドシリカが存在しない場合には、疎水性薬物、特に液体又は油状の薬物は、疎水性マトリックスを通って疎水性リザーバー層の表面まで拡散して、リザーバー層と隣接層との界面に薬物の層を作る可能性がある。これは、層間の粘着を低減し、経皮系の層を離層させる可能性がある。
疎水性コロイドシリカは、その優れた物理化学的性質及び生理学的性質のために、種々の例示的実施形態において使用する。疎水性コロイドシリカは、薬物堆積のための比表面積が大きいだけでなく、疎水性薬物に対して強力な吸着を示す。薬物リザーバーの疎水性マトリックスにおける薬物分子及び疎水性コロイドシリカの均一分布は、薬物分子をシリカ粒子に均一に分布させる、十分に最適化された混合ストラテジーによって確実にすることができる。しかし、薬物の安定性は、添加剤の不純物及び添加剤によって吸収される水分に左右される。
加水分解による薬物の分解は、薬理学的に活性な成分及び薬理学的に不活性な成分中に存在する水分によって、又は系中に存在する水分によって主に決定される。シリカ粒子上に存在する又は吸着される水分の量は、吸着される薬物の安定性に直接影響を及ぼす可能性がある。
疎水性コロイドシリカの存在下における薬物-粘着剤混合の効果を研究した。約8%〜20%の量の疎水性コロイドシリカを含有する薬物リザーバーを用いると、製造プロセスにおいて及び促進安定性貯蔵条件において直面する物理的問題が解決され、許容される経皮系の製造が可能になった。5%以下の量の疎水性コロイドシリカを含有する薬物リザーバー、又は疎水性コロイドシリカが存在しないリザーバーを用いると、これらの物理的問題の解決に成功しなかった。物理的に許容される経皮系を用いても、薬物送達性能の制御は重要な課題であった。
この課題には、薬物リザーバー層と類似した組成を有する粘着層であって、ポリイソブチレン(高分子量及び低分子量)、鉱油及び疎水性コロイドシリカを含有し、各構成成分が様々な百分率である粘着層を設計することによって対処した。
粘着層は、薬物リザーバー層の第1の主面に積層した。ポリイソブチレン、鉱油、活性医薬成分及び疎水性コロイドシリカを含む薬物リザーバー層に粘着層を積層することによって、薬物送達の許容される制御速度を達成できる。薬物不透過性裏地層は、リザーバー層の第2の主面に積層した。
種々の実施形態において、保護層が粘着層を被覆する。一部の実施形態において、保護層は、薬物リザーバー層と反対側の粘着層の表面に積層される剥離シート、例えば、シリコーンコート紙シートである。他の実施形態において、薬物不透過性裏地層は、リザーバー層と反対側の表面に被覆された剥離層を含むことができる。経皮系は、薬物不透過性裏地層上の剥離層が隣接経皮系上の粘着層を保護するように積み重ねるか又は圧延することができる形態で調製する。
種々の実施形態において、粘着層は製造時に薬物を含有しない。一部の実施形態において、粘着層は、隣接するリザーバー層中の薬物濃度より低い低濃度で薬物を含有する。製造後にリザーバー層から粘着層に薬物が拡散する結果として、粘着層は低濃度の薬物を含有し得る。別法として、粘着層は、粘着層中の薬物濃度を低くし且つリザーバー層中の薬物濃度を高くして、製造することができる。粘着層中の疎水性コロイドシリカは、粘着層の約0.5質量%〜約5質量%の量で存在する。特定の実施形態において、粘着層中の疎水性コロイドシリカは、粘着層の約1質量%〜約3質量%の量で存在する。粘着層中の疎水性コロイドシリカは、薬物を吸着することによって、粘着層を通る薬物の拡散を遅延させる。粘着層中の薬物濃度はリザーバー層中の薬物濃度より低いので、粘着層中の薬物を吸着するのに必要な疎水性コロイドシリカの濃度はリザーバー層中の濃度よりも低い。粘着層中の疎水性コロイドシリカは、経皮系の製造時に粘着層中に存在する薬物を吸着するため又は経皮系の製造後にリザーバー層から粘着層に拡散する薬物を吸着するために、使用できる。
また、経皮系における深刻な物理的外観の問題である薬物結晶化は、リザーバー層に積層される追加の粘着層を用いることによって、制御された。加えて、この二層アプローチにより、単層アプローチと比較して粘着性が改善され、離層の問題が解決された。
本明細書中に開示した種々の実施形態は、経皮系において、ポリイソブチレン粘着剤と、活性医薬品を吸着することができる吸着剤と、鉱油との混合物が、低融点の活性医薬成分に対して薬物リザーバーとして作用する方法に関する。種々の実施形態、特に、活性医薬品が疎水性であるか又は容易に加水分解される実施形態において、吸着剤は、疎水性吸着剤、例えば、疎水性コロイドシリカである。低融点の活性医薬成分は、約20℃〜約150℃又は約20℃〜約80℃の融点を有する薬物である。種々の実施形態において、低融点の薬物は、室温又は室温よりわずかに高い温度で液体又は油の状態で存在し、貯蔵中に融解する可能性がある。種々の実施形態において、低融点の薬物は、室温より高いが、加工中に経験する温度より低い融点を有する。したがって、加工条件又は貯蔵条件によっては、薬物は物理的状態を、固体の形態から液体の形態に、場合により更には気体の形態に変化し得る。薬物が製造又は貯蔵中に液体又は油の形態で存在する場合、活性成分は疎水性マトリックスを可塑化する可能性がある。鉱油は元々可塑剤として作用するので、鉱油と油状の薬物との組合せは、マトリックスの寸法安定性が失われるほどまで、リザーバーマトリックスを可塑化する可能性がある。マトリックスは、貯蔵中にコールドフローを起こして、粘着剤リザーバーが薬物不透過性裏地層の境界を超えて拡大するほどまで、マトリクスの長さ又は幅を拡張させる可能性がある。
加えて、液体の形態又は油の形態で薬物が存在すると、薬物が非固体材料としてマトリックスを通って拡散し、リザーバー-剥離ライナー界面又はリザーバー-裏地層界面において成膜又は液体若しくは油の堆積が起こる可能性がある。これは、層間界面における薬物の凝固及び/若しくは結晶化、又は層間界面における液体若しくは油の薬物層の形成を引き起こす可能性がある。層間界面に固体又は液体の薬物が存在すると、層間の直接接触領域が低減し、リザーバー-剥離ライナー界面又はリザーバー-裏地層界面における粘着が低減する可能性がある。極端な場合、このような粘着の低減は、貯蔵中に層の離層を引き起こす可能性がある。したがって、油又は液体の形態での薬物の存在は、離層及び寸法安定性の喪失を含む、経皮系の物理的性能の劣化につながる可能性がある。
種々の実施形態において、リザーバー層の疎水性マトリックスは、ポリマー、例えば、ポリイソブチレン、鉱油、疎水性コロイドシリカ及び薬物を高剪断条件下で混合することによって作ることができる。種々の実施形態において、リザーバー層の疎水性マトリックスは、ポリイソブチレン、鉱油、疎水性コロイドシリカ及び薬物をバッチプロセス用高剪断ローター-ステーターミキサー中で混合することによって作ることができる。このようなミキサーにおいて、ローターブレードは精密公差ステーター内で回転する。ブレードとステーターの間の小さい間隙が、高回転速度と相まって、ポリマーブレンド、例えば、ポリイソブチレン/鉱油ブレンドの均質化を可能にする。高剪断ローター-ステーターミキサーはまた、シリカ凝集体を分解して、疎水性コロイドシリカ及び薬物を疎水性ポリイソブチレンマトリックス中に均一に分散させる働きをする。疎水性マトリックスを高剪断下で調製後、疎水性マトリックスポリマーを、薬物不透過性裏地層に堆積させることができ、次いで、剥離ライナーを、疎水性マトリックス層の露出面に適用する。
種々の実施形態において、リザーバー層の疎水性マトリックスは、ポリマー、例えば、ポリイソブチレン、鉱油、疎水性コロイドシリカ及び薬物を押出機中で混合することによって作ることができる。種々の実施形態において、ポリイソブチレン、鉱油、疎水性コロイドシリカ及び薬物を押出機中で高温下において混合してから、得られた混合物を押出することによって、リザーバー層の疎水性マトリックスを作って、リザーバー層を形成することができる。薬物は、固体として混合物に添加することができ、それは次に、押出機中での高温への暴露時に融解する。冷却時に、薬物は、油又は液体としてリザーバーマトリックス中に分散され得る。
疎水性コロイドシリカによる薬物分子の均一分布は、十分に最適化された混合ストラテジーによってのみ確実にできる。薬物分子は、疎水性コロイドシリカ粒子上に均一に分布させることができる。種々の実施形態において、疎水性コロイドシリカ及び疎水性薬物は、押出機で疎水性ポリマー組成物に混入することができる。押出機中での混合により、疎水性コロイドシリカ及び疎水性薬物は疎水性ポリマー組成物中に均質に分散される。このようにして疎水性コロイドシリカ及び薬物を均質分散させると、薬物は疎水性コロイドシリカに吸着させることができる。得られた組成物は、疎水性マトリックス層として押出できる。
種々の実施形態において、押出された疎水性マトリックス層を薬物不透過性裏地層上に堆積させ、次いで、剥離ライナーを疎水性マトリックス層の露出面に適用する。一部の実施形態において、疎水性マトリックス層及び親水性裏地層を同時押出して積層物を形成し、次いで、剥離ライナーを疎水性マトリックス層の露出面に適用する。
種々の実施形態において、リザーバーマトリックスはポリイソブチレンと鉱油との組合せである。疎水性シリカ材料を、リザーバーマトリックスの全体に均質に分散させる。疎水性シリカ材料は、マトリックス中に分散された油状又は液体の疎水性活性医薬成分との相互作用が強力である。より詳細には、油状又は液体の疎水性活性医薬品の少なくとも一部を疎水性シリカ材料に吸着させ、それによって、疎水性マトリックスを通る活性医薬品の拡散を防止又は低減する。加えて、疎水性シリカ材料に吸着された油状又は液体の疎水性活性医薬品は、固体材料として挙動し、リザーバーマトリックスを可塑化する傾向が低減している。したがって、疎水性コロイドシリカ又は同様な吸着剤への油状又は液体の薬物の吸着により、得られる経皮系における離層及び寸法安定性の喪失が低減される。
低融点を有する活性医薬成分を含む、許容される経皮系を製造するために、ポリイソブチレン粘着剤、疎水性コロイドシリカ及び鉱油の組合せが、油の状態の分散/改質された活性成分の担体と考えられた。ポリイソブチレン及び疎水性コロイドシリカと鉱油との相互作用が、経皮系全体の物理的性質に影響を及ぼす上で非常に重要であると考えられた。シリカ材料は、ポリイソブチレン及び鉱油の組合せと共に、油の形態の活性成分の物理的に許容される経皮系を提供できる。とりわけ、疎水性シリカ材料は、物理的にも化学的にも許容される経皮系を提供することができる。この事実は、活性医薬成分が容易に加水分解する傾向がある場合に特に当てはまる。コロイドシリカを含む多くの材料が疎水性薬物を吸着し得るが、疎水性添加剤、例えば、疎水性コロイドシリカは、水までも吸着することがないという利点を有する。薬物の吸着に親水性添加剤を用いると、薬物及び水の両方が添加剤表面に吸着され、それによって薬物が水によって加水分解される可能性が増加する。場合によっては、吸着剤は実際に、水による薬物の加水分解を触媒する。疎水性添加剤、例えば、疎水性コロイドシリカは水を吸着しないので、疎水性添加剤への薬物の吸着は、薬物の加水分解の可能性を増加しない。
加えて、親水性添加剤が含有する吸着水の量はかなり多いが、疎水性添加剤が含有する吸着水の量ははるかに少ない。したがって、親水性添加剤の使用は、疎水性添加剤より多くの水を経皮系に導入する。親水性添加剤を疎水性薬物リザーバーに加えると、リザーバー層に水が加わり、それによって薬物の加水分解度が増加する。疎水性薬物リザーバーに疎水性賦形剤を加えても、リザーバー層にほとんど水は加わらず、したがって、薬物の加水分解度は増加しない。したがって、薬物の安定性は、添加剤表面に吸着された水分、及び系中に存在する自由水分によって決まる。
加水分解による薬物の分解は、薬理学的に活性な成分及び薬理学的に不活性な成分中に存在する水分によって、又は系中に存在する水分によって主に決定される。粘着剤及び添加剤の親水性並びに存在する水分又は加工及び貯蔵条件においてシリカ粒子に吸着される水分の量が、吸着される薬物の安定性に直接影響を及ぼす可能性がある。
更に、放出制御疎水性ポリマー材料の層が、疎水性リザーバーマトリックスと剥離ライナーの間に存在してもよい。剥離ライナーの除去時に、放出制御疎水性ポリマー材料層は、皮膚接触粘着層として作用する。種々の実施形態において、疎水性リザーバーマトリックス及び放出制御疎水性ポリマー材料の層は、実質的に同じポリマー材料から作ってもよいし、又は異なるポリマー材料から作ってもよい。
種々の実施形態において、疎水性リザーバーマトリックス及び放出制御疎水性ポリマー材料の層はいずれも、ポリイソブチレンと鉱油との組合せを、鉱油対ポリイソブチレンの質量比約0.05:1〜約1:1、好ましくは約0.25:1〜約0.60:1、より好ましくは約0.30:1〜0.50:1で含有する。疎水性リザーバーマトリックスは、加えて、疎水性薬物及び8質量%〜20質量%の、薬物を吸着できる疎水性添加剤を含有する。放出制御疎水性ポリマー材料の層は、加えて、0.5質量%〜5質量%、好ましくは1質量%〜3質量%の、疎水性リザーバーマトリックス中の薬物を吸着できる疎水性添加剤を含有する。放出制御疎水性ポリマー材料の層は、薬物を含ませずに又は疎水性リザーバーマトリックス層中の薬物の量より少ない量の薬物を含めて、製造できる。放出制御疎水性ポリマー材料の層を、薬物を含ませずに製造する場合でも、貯蔵中にリザーバー層から薬物が拡散するため、放出制御疎水性ポリマー材料の層は使用時に少量の薬物を含む可能性がある。
放出制御疎水性ポリマー材料の層は、貯蔵中及び使用中のいずれにおいても、リザーバー層からの薬物の放出を制御するように作用する。放出制御疎水性ポリマー材料は、ポリマー材料の追加の層を提供する。薬物は、貯蔵中に剥離ライナーに到達するには及び経皮系の使用中に皮膚表面に到達するには、その層を通って拡散しなければならない。加えて、放出制御疎水性ポリマー材料は、疎水性コロイドシリカを含有する。疎水性コロイドシリカは、薬物が放出制御疎水性ポリマー層を通って拡散するときに薬物を吸着して、放出制御疎水性ポリマー層を通る薬物の拡散を減速するように作用する。
種々の実施形態において、疎水性リザーバーマトリックス層及び放出制御疎水性ポリマー材料は、別個に押出し、次いで一緒に積層することができる。別法として、疎水性リザーバーマトリックス層及び放出制御疎水性ポリマー材料は、同時押出して、積層物を生成することができる。得られた積層物は、リザーバーマトリックス層の露出面が裏地層と接触するように薬物不透過性裏地層上に付着させる。次いで、剥離ライナーを、放出制御疎水性ポリマー材料層の露出面に適用することができる。一部の実施形態において、放出制御疎水性ポリマー材料、疎水性マトリックス層及び親水性裏地層を同時押出して、放出制御層の露出粘着面を有する積層物を形成する。次に、剥離ライナーを放出制御層の露出面に適用する。
疎水性マトリックス層が剥離ライナーに積層されている経皮貼付剤の例
一連の経皮貼付剤を、Table 1(表1)に示すように調製した。各経皮貼付剤は、疎水性マトリックス層と、疎水性マトリックス層の一方の表面に積層された薬物不透過性裏地と、疎水性マトリックス層の他方の表面に積層された剥離ライナーとを含んでいた。疎水性マトリックス層は、疎水性薬物としてメチルフェニデートを8質量%〜20質量%の量で含有していた。種々の例において、疎水性マトリックス層は更に、ポリマーマトリックスとして鉱油(MO)とポリイソブチレン(PIB)との組合せをMO:PIBの質量比約0.09:1〜約1.1:1で含有していた。
種々の比較例[Table 1(表1)において、「Comp」として識別される]で、疎水性マトリックス層は、疎水性コロイドシリカを0質量%〜5質量%の量で含有していた。比較例は、促進貯蔵条件下での貯蔵時に不良な安定性を示した。促進貯蔵条件下での貯蔵後に、比較例は、疎水性マトリックス層のコールドフローのため、貯蔵中における寸法変化の証拠を示した。加えて、比較例上の剥離層を貯蔵後に除去し、疎水性マトリックス層の露出面を調べた。いくつかの場合、剥離層と疎水性マトリックス層との界面に油状又は液体の層の証拠が観察された。加えて、一部の比較例は、疎水性マトリックス層の表面にメチルフェニデートの結晶化を示した。比較例は、剥離層の離層又は剥離層の早期離層の、頻度の高い証拠を示した。要するに、疎水性コロイドシリカのレベルが5質量%以下の場合には、経皮系の物理的性質及び化学的性質は不良であった。
種々の実施例において、疎水性マトリックス層は、疎水性コロイドシリカを8質量%〜30質量%の量で含有していた。実施例は、促進貯蔵条件下での貯蔵時に良好な安定性を示した。促進貯蔵条件下での貯蔵後に、実施例は、促進貯蔵条件下で貯蔵中における寸法変化の証拠をほとんど又は全く示さなかった。加えて、実施例は、促進貯蔵条件下での貯蔵後に、剥離層の離層し易さ又は剥離層の早期離層の生じ易さの増加をほとんど示さなかった。最後に、実施例上の剥離層を除去し、疎水性マトリックス層の露出面を調べた。ほとんどの場合、剥離層と疎水性マトリックス層との界面に油状又は液体の層の証拠はほとんど又は全く観察されなかった。加えて、疎水性マトリックス層の表面において観察されたメチルフェニデートの結晶化はわずかであった。疎水性マトリックス層中の疎水性コロイドシリカのレベルを8質量%〜30質量%に増加させると、経皮系の物理的性質及び化学的性質は、比較例と比較して、著しい改善を示した。
Figure 0006286446
疎水性マトリックス層が、薬物を含まない粘着性皮膚接触層に積層されている経皮貼付剤の例
薬物リザーバー層とも称する疎水性マトリックス層と、疎水性マトリックス層の一方の表面に積層された薬物不透過性裏地と、剥離ライナーとを含む経皮貼付剤を調製した。疎水性マトリックス層と剥離ライナーとの間に、薬物を含まない粘着性皮膚接触層が存在した。粘着性皮膚接触層は、経皮貼付剤からのメチルフェニデートの拡散速度を制御するのに役立ち、したがって、律速層とも称する。
疎水性マトリックス層は、疎水性薬物としてメチルフェニデートを18質量%の量で含有していた。疎水性マトリックス層は更に、ポリマーマトリックスとして鉱油(MO)とポリイソブチレン(PIB)との組合せを含有していた。詳細には、Table 2(表2)に見られるように、経皮貼付剤は、薬物リザーバー層中に18.00%のメチルフェニデート及び20.00%の疎水性コロイドシリカを含有し、粘着性皮膚接触層中に2.00%の疎水性コロイドシリカ及び0%のメチルフェニデートを含有していた。
Table 2(表2)は、2つの経皮貼付剤製剤を提示している。各製剤は、疎水性マトリックス層又は薬物リザーバー層及び粘着性皮膚接触層を含む二層組成物である。疎水性マトリックス層は、各製剤において同一である。2つの製剤の律速層は、組成物は同一であるが、異なる厚さに被覆した。Table 2(表2)の製剤において、メチルフェニデートは、疎水性コロイドシリカの表面に吸収される分散固体として、薬物リザーバー層に存在する。Table 2(表2)の製剤において、メチルフェニデートはポリマーマトリックス中に完全には溶解されず、経皮貼付剤製剤中に目視可能な薬物結晶はない。
Figure 0006286446
皮膚接触層である別の粘着層を疎水性マトリックス層に加えることによって、最終剤形中の積層された疎水性マトリックス層及び粘着性皮膚接触層は良好な安定性を示し、皮膚接触層と剥離ライナーとの界面において油状の層又は結晶を形成する傾向をほとんど又は全く示さなかった。詳細には、室温及び冷蔵庫貯蔵条件下で皮膚接触層と剥離ライナーとの界面において、結晶は観察されなかった。しかし、極端な貯蔵条件において、例えば、冷凍庫中での、例えば、-20℃の温度での貯蔵において、場合によっては結晶の形成が観察された。
一般に、Table 1(表1)の実施例及びTable 2(表2)の例のいずれも、Table 1(表1)の比較例より優れていた。Table 1(表1)の比較例は、疎水性マトリックス層又は薬物リザーバー層と剥離ライナーとの界面において油状の層又は結晶を形成する傾向が、Table 1(表1)の実施例又はTable 2(表2)の例よりも大きい傾向があった。したがって、疎水性コロイドシリカを含む疎水性添加剤を高レベルで薬物リザーバー層に含めると、疎水性マトリックスを通る疎水性薬物の自由拡散を低減又は防止することによって、経皮剤形が安定化される。また、Table 2(表2)の例は、Table 1(表1)の比較例及び実施例のいずれよりも優れていた。したがって、疎水性コロイドシリカを含む疎水性添加剤を低レベルで含有する、薬物を含まない皮膚接触粘着層は、疎水性マトリックスから剥離ライナーとの界面への疎水性薬物の拡散を低減又は防止することによって、経皮剤形を更に安定化する。
種々の例示的実施形態を、特にその特定の例示的態様に関して詳述したが、本発明の他の実施態様が可能であること及びその詳細は種々の自明の点において変更が可能であることを理解すべきである。当業者には容易に明らかであるが、依然として本発明の精神及び範囲内でありながら、変形及び変更を行うことが可能である。したがって、前述の開示及び説明は、例示目的でのみ記載するのであって、本発明を限定するものではなく、本発明は特許請求の範囲によってのみ定義される。

Claims (14)

  1. 疎水性薬物の経皮投与のための疎水性貼付剤であって、
    第1の表面及び第2の表面を有する疎水性リザーバーと、
    前記第1の表面を覆う裏地であって、前記疎水性薬物に対して不透過性である裏地と、
    場合により、前記第2の表面を覆う剥離シートと
    を含み、
    前記疎水性リザーバーが疎水性マトリックス及び前記疎水性薬物を含み、前記薬物が前記疎水性マトリックス全体に均質に分散されており、
    前記疎水性マトリックスが、
    前記疎水性マトリックス全体に分散された、前記リザーバーの6質量%〜30質量%の疎水性コロイドシリカと、
    鉱油対ポリイソブチレンの質量比0.05:1〜1:1の前記鉱油と前記ポリイソブチレンとの混合物と
    を含み、
    前記疎水性コロイドシリカが前記疎水性薬物の少なくとも一部を吸着する、
    疎水性貼付剤。
  2. 前記鉱油対前記ポリイソブチレンの前記質量比が、0.25:1〜0.60:1である、請求項1に記載の疎水性貼付剤。
  3. 前記第2の表面と接触している放出制御粘着層を更に含み、
    但し、前記剥離シートが存在する場合には、前記放出制御粘着層が前記疎水性リザーバーと前記剥離シートとの間に存在する、請求項1または2に記載の疎水性貼付剤。
  4. 前記放出制御粘着層が、
    前記放出制御粘着層の0.5質量%〜5質量%の疎水性コロイドシリカと、
    鉱油対ポリイソブチレンの質量比0.05:1〜0.50:1の前記鉱油と前記ポリイソブチレンとの混合物と
    を含み、
    前記疎水性リザーバー中の前記疎水性マトリックスが、8質量%〜20質量%の疎水性コロイドシリカを含む、
    請求項3に記載の疎水性貼付剤。
  5. 前記疎水性薬物が、前記疎水性マトリックスを通って拡散し得る、請求項1から4のいずれか一項に記載の疎水性貼付剤。
  6. 前記疎水性薬物が20℃〜150℃の融点を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の疎水性貼付剤。
  7. 前記疎水性薬物がメチルフェニデートである、請求項1から6のいずれか一項に記載の疎水性貼付剤。
  8. 前記疎水性コロイドシリカが、式I
    R(4-n)SiXn I
    [式中、
    Rは、C1〜C20アルキル又は芳香族基であり、
    Xは、-OH、-O2CR1、-Cl、-Br、-I、-OR1、-COR1、-NHR1又は-NR1 2(ここで、R1は、C1〜C20アルキル基である)からなる群から選択される加水分解性基であり、
    nは1、2又は3である]
    のシランで処理されているコロイドシリカである、請求項1から7のいずれか一項に記載の疎水性貼付剤。
  9. 疎水性リザーバーが皮膚接触粘着層である、請求項1から8のいずれか一項に記載の疎水性貼付剤。
  10. 疎水性薬物の経皮投与のための疎水性貼付剤であって、前記疎水性薬物が、油又は20℃〜150℃の融点を有する薬物であり、
    前記疎水性薬物を含む疎水性リザーバーであって、第1の表面及び第2の表面を有する疎水性リザーバーと、
    前記第1の表面を覆う裏地であって、前記疎水性薬物に対して不透過性である裏地と、
    場合により、前記第2の表面を覆う剥離シートと
    を含み、
    前記疎水性リザーバーが前記疎水性薬物及び疎水性マトリックスを含み、前記疎水性マトリックスが、
    鉱油対ポリイソブチレンの質量比0.05:1〜0.50:1の前記鉱油と前記ポリイソブチレンとの混合物と、
    前記疎水性薬物を吸着して、それによって前記疎水性薬物が前記疎水性リザーバーと前記剥離シート又は前記裏地との界面において液体又は油状の層を形成するのを防止するのに有効な量の添加剤又は賦形剤と
    を含み、
    前記添加剤または賦形剤が、前記リザーバーの6質量%から30質量%の量の、疎水性コロイドシリカである、
    疎水性貼付剤。
  11. 前記疎水性薬物及び前記添加剤又は賦形剤が、2:1〜0.9:1の質量比で存在する、請求項10に記載の疎水性貼付剤。
  12. 前記添加剤又は賦形剤が、
    2%〜5%の量のノイシリン(メタ珪酸アルミン酸マグネシウム)、
    2%〜5%の量のノイシリン(メタ珪酸アルミン酸マグネシウム)と、2%〜5%の量のステアリン酸マグネシウム、2%〜5%の量のポリエトキシル化ヒマシ油のうちの少なくとも1つとの組合せ、
    1%〜10%の量のコロイドシリカ又は乾燥コロイドシリカ、
    1%〜3%の量のコロイドシリカと、約2%の量のノイシリン、1%〜3%の量のステアリン酸マグネシウム、2%〜5%の量のリン酸水素二ナトリウム及び2%〜5%の量のポリエトキシル化ヒマシ油のうちの少なくとも1つとの組合せ、
    2%〜5%の量のリン酸水素二ナトリウム;
    5%〜10%の量の無水リン酸水素カルシウム;
    5%〜10%の量の無水リン酸水素カルシウムと、2%〜5%の量のポリエトキシル化ヒマシ油との組合せ、
    2%〜5%の量のポリエトキシル化ヒマシ油、
    2%〜5%の量のステアリン酸マグネシウム、
    約5質量%の量のクレイ、
    1質量%までのα-トコフェロール、並びに
    5%〜20%の、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸メチルを含むカチオン性コポリマー
    からなる群から選択される少なくとも1つの材料をさらに含み、
    全ての百分率が疎水性リザーバーの質量に基づく、
    請求項10又は11に記載の疎水性貼付剤。
  13. 疎水性薬物の経皮投与のための疎水性貼付剤であって、
    皮膚接触粘着層と、
    前記疎水性薬物を含む薬物リザーバー層であって、第1の表面及び第2の表面を有し、前記薬物リザーバー層の前記第1の表面が前記皮膚接触粘着層に接触している薬物リザーバー層であって、疎水性マトリックス全体に分散された、前記リザーバーの6質量%〜30質量%の疎水性コロイドシリカを含む疎水性マトリックスを含む薬物リザーバ―層と、
    前記薬物リザーバー層の前記第2の表面を覆っている裏地であって、前記疎水性薬物に対して不透過性である裏地と
    を含み、
    前記皮膚接触粘着層が粘着性マトリックスを含み、前記粘着性マトリックスが0.5質量%〜5質量%の疎水性コロイドシリカ、及びポリイソブチレンと鉱油との混合物を含み、
    前記疎水性コロイドシリカが、前記薬物リザーバー層の第1の表面と前記皮膚接触粘着層との界面および/または前記薬物リザーバー層の第2の表面と前記裏地との界面における薬物層の形成を防止する、
    疎水性貼付剤。
  14. 前記薬物リザーバー層が、前記疎水性マトリックス及び前記疎水性薬物を含み、
    前記疎水性マトリックスがさらに、
    鉱油とポリイソブチレンとの混合物
    を含む、
    請求項13に記載の疎水性貼付剤。
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