JP2021517576A - ニコチン及びシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含有する経皮治療システム - Google Patents

ニコチン及びシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含有する経皮治療システム Download PDF

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Abstract

本発明は、ニコチン含有層構造を含むニコチンの経皮投与のための経皮治療システム(TTS)に関し、前記ニコチン含有層構造は、(A)裏地層と、(B)ニコチン含有層とを含み、経皮治療システムは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。【選択図】図1C

Description

本発明は、ニコチンの全身循環への経皮投与のための経皮治療システム(TTS)、ならびにその製造プロセス、治療及び使用方法に関する。
ニコチンは、タバコ植物及びナス科の他の植物に見られるアルカロイドであり、乾燥タバコ中に約0.6〜2.9%の乾燥重量で存在する。それはタバコの主な活性物質であり、刺激剤及び弛緩剤の両方として作用し、高度に中毒性である。医学的には、ニコチンは禁煙の補助として、ニコチン依存症の治療に使用される。現在、ガム、ロゼンジ、点鼻スプレーだけでなく経皮パッチなどの様々な剤形で入手可能である。
ガム及びスプレーなどの剤形は発現が短く、そのため、タバコに対する欲求を克服するのに理想的であるが、それらは、ニコチン依存症に典型的な行動を促進するより高いリスクを有する。一方、経皮パッチは、適用すること及びニコチンの血中濃度を継続的に維持することが容易であり、欲望とは無関係であるため、依存行動を促進するリスクを低減し、重度の依存性の場合でも離脱症状を緩和することが可能である。
しかしながら、ニコチンは室温で液体であり、薬物物質の揮発性の特質のため、ニコチンパッチは製剤化することが困難である。通常、TTSの製造プロセスに含まれる高温での乾燥ステップは、大幅な薬物損失につながる。そのような損失を回避するために、リザーバ層またはマトリックス層を有するTTSが開発されており、これは、例えば、押出を使用する無溶媒システムによって、または、例えば、低い沸点を有する溶媒を採用することによって、より高い温度を回避するプロセスによって製造され得る。しかしながら、これらのTTSは複雑な多層構造を必要とし、これは、速度制御膜及び接着特性を提供する皮膚接触層を必要とするリザーバ層、または薬物が拡散し得る追加の層(薬物含有層の下に位置する)を提供することによって防止されなければ溶媒の蒸発時に薬物含有層からの薬物分離につながる薬物の過飽和のいずれかに起因する。
したがって、現在のTTSは、複雑化しているため、製造するのに時間がかかり、及び/またはコストがかかる。また、すべての経皮システムと同様に、経皮活性物質放出の駆動力は、経皮システムの皮膚接触層と皮膚との間に形成される濃度勾配に依存し、これは経皮システム中の活性物質の量が減少するにつれて時間とともに減少するので、活性物質の十分な利用率を達成することは困難である。
よって、ニコチンの経皮投与のための改善された経皮治療システムが当該技術分野で必要とされている。
本発明の目的と概要
本発明の目的は、現在利用可能なニコチンパッチの上記の欠点を克服するTTSを提供することである。
よって、本発明の目的は、低い複雑さのニコチン含有層の構造を有し、その結果、製造の容易さ及び/またはコストの観点から有利であると同時に、治療的有効用量を達成するのに十分な透過速度を提供するニコチンの経皮投与のためのTTS、特にマトリックス型TTSを提供することである。
本発明のさらなる目的は、長期間にわたって一定の放出が提供されるニコチンの経皮投与のためのTTSを提供することである。
本発明のさらなる目的は、高い活性物質利用率でニコチンを経皮投与するためのTTSを提供することである。
本発明の所定の実施形態の目的は、ニコチンの経皮投与のためのTTSを提供することであり、治療的有効量のニコチンが、1日の患者の皮膚への投与期間中に前記経皮治療システムによって1日間提供され、24時間治療でのTTSの1日1回の交換を可能にする。
これらの目的及び他の目的は、本発明により達成され、それは、1つの第1の態様によれば、ニコチン含有層構造を含む、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムに関し、前記ニコチン含有層構造は、
(A)裏地層と、
(B)ニコチン含有層と、
を含み、
経皮治療システムは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含み、ニコチン含有層構造は、少なくとも0.8mg/cm2のニコチンを含む。
第2の態様によれば、本発明は、ニコチン含有層構造を含む、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、前記ニコチン含有層構造は、
(A)裏地層と、
(B)ニコチン含有層であって、
1.ニコチンと、
2.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーと、
を含む、ニコチン含有層と、
を含む、経皮治療システムに関する。
第3の態様によれば、本発明は、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
(A)裏地層と、
(B)ニコチン含有感圧接着剤層であって、
1.ニコチン含有感圧接着剤層の4%〜10%の量で遊離塩基の形態で含まれるニコチンと、
2.ニコチン含有感圧接着剤層の90〜96%の量のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤と、
を含む、ニコチン含有感圧接着剤層と、
を含む、ニコチン含有自己接着性層構造を含み、
ニコチン含有感圧接着剤層の面積あたり重量は、100〜250g/m2の範囲であり、
ニコチン含有感圧接着剤層中のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有し、
自己接着性層構造は、追加の皮膚接触層を含まない、経皮治療システムに関する。
第4の態様によれば、本発明は、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
(A)裏地層と、
(B)ニコチン含有感圧接着剤層であって、
1.ニコチン含有感圧接着剤層の6%〜10%の量で遊離塩基の形態で含まれるニコチンと、
2.ニコチン含有感圧接着剤層の90〜94%の量のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤と、を含む、ニコチン含有感圧接着剤層と、
を含む、ニコチン含有自己接着性層構造を含み、
ニコチン含有感圧接着剤層の面積あたり重量は、90〜150g/m2の範囲であり、
ニコチン含有感圧接着剤層中のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有し、
自己接着性層構造は、80〜140g/m2の面積あたり重量を有する追加の皮膚接触層を含む、経皮治療システムに関する。
さらに別の態様によれば、本発明は、ニコチン含有感圧接着剤層を製造するためのプロセスあって、
(1)少なくとも成分であるニコチン及びシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを溶媒中で組み合わせてコーティング組成物を得るステップと、
(2)コーティング組成物を裏地層または離型ライナー上にコーティングするステップと、
(3)コーティングされたコーティング組成物を乾燥させてニコチン含有感圧接着剤層を形成するステップと、
を含む、プロセスに関する。
定義
本発明の意味の範囲内で、「経皮治療システム」(TTS)という用語は、活性剤(例えば、ニコチン)が経皮送達を介して全身循環に投与されるシステムを指し、任意に存在する離型ライナーを除去した後に患者の皮膚に適用され、かつ活性剤含有層構造及び任意に活性剤含有層構造の上部の上の追加の接着剤オーバーレイ中に治療的有効量の活性剤を含む個々の投薬単位全体を指す。活性剤含有層構造は、離型ライナー(取り外し可能な保護層)上に配置され得、よって、TTSは、離型ライナーをさらに含み得る。本発明の意味の範囲内で、「TTS」という用語は特に、例えば、イオントフォレシスまたはマイクロポレーションを介した活性物質送達を除く経皮送達を提供するシステムを指す。経皮治療システムは、経皮薬物送達システム(TDDS)または経皮送達システム(TDS)と称され得る。
本発明の意味の範囲内で、「ニコチン含有層構造」という用語は、治療的有効量のニコチンを含有する層構造を指し、裏地層及び少なくとも1つの活性剤含有層を含む。好ましくは、ニコチン含有層構造は、ニコチン含有自己接着性層構造である。
本発明の意味の範囲内で、「治療的有効量」という用語は、TTSによって患者に投与された場合に、ニコチン離脱症状を緩和するのに十分なTTS中の活性剤の量を指す。TTSは通常、皮膚及び全身循環に実際に提供されるよりも多くの活性物質をシステム内に含有する。この過剰量の活性剤は通常、TTSから全身循環への送達に十分な駆動力を提供することが必要である。
本発明の意味の範囲内で、「活性物質」、「活性剤」などの用語、及び「ニコチン」という用語は、任意の薬学的に許容可能な化学的及びモルフォロジー的形態及び物理的状態のニコチンを指す。これらの形態には、限定されないが、その遊離塩基形態のニコチン、プロトン化または部分的にプロトン化されたニコチン、ニコチン塩、特に無機または有機酸の添加によって形成される酸付加塩、例えば、酒石酸水素ニコチンまたは塩酸ニコチン、溶媒和物、水和物、クラスレート、錯体などが含まれる。純粋な遊離塩基形態のニコチンは室温で液体であるため、形態は、液体形態のニコチン、またはマイクロ化、結晶性及び/または非晶質であり得る粒子の形態のニコチン(例えば、ニコチン塩)、ならびに前述の形態の任意の混合物を含む。ニコチンは、溶媒などの媒体に含有されている場合、溶解もしくは分散され得るか、または部分的に溶解され、部分的に分散され得る。
ニコチンがTTSの製造において特定の形態で使用されることが記述されている場合、これは、この形態のニコチンと、ニコチン含有層構造の他の成分との間の相互作用、例えば、最終TTSにおける塩形成または錯体化を除外するものではない。これは、ニコチンがその遊離塩基形態で含まれる場合であっても、それはプロトン化もしくは部分的にプロトン化された形態または酸付加塩の形態で最終TTS中に存在し得、またはそれが塩の形態で含まれる場合、その一部は、最終TTS中に遊離塩基として存在し得る。別段示されない限り、特に層構造中のニコチンの量は、TTSの製造中にTTSに含まれるニコチンの量に関し、遊離塩基の形態のニコチンに基づいて計算される。例えば、a)0.1mmol(16.2mgに等しい)のニコチン塩基またはb)0.1mmol(46.2mgに等しい)の酒石酸水素ニコチンが製造中にTTSに含まれる場合、層構造中のニコチンの量は、本発明の意味の範囲内で、いずれの場合でも0.1mmolまたは16.2mgである。
TTSの製造中にTTSに含まれるニコチン出発材料は、粒子の形態であり得る。ニコチンは、例えば、粒子及び/または溶解した形態で活性剤含有層構造中に存在し得る。
本発明の意味の範囲内で、「粒子」という用語は、個々の粒子を含む固体の粒子状の材料であって、その寸法がその材料と比較して無視できるものを指す。特に、粒子は、非晶質及び結晶性材料を含む、プラスチック/変形可能な固体を含む固体である。
本発明の意味の範囲内で、「分散する」という用語は、出発材料(例えば、ニコチン)が完全に溶解しない段階または段階の組み合わせを指す。本発明の意味での分散は、出発材料の溶解度(例えば、コーティング組成物中のニコチンの溶解度)に応じて、出発材料の一部の溶解を含む。
活性剤送達のためのTTSには、2つの主要な種類、すなわち、マトリックス型TTS及びリザーバ型TTSがある。マトリックス型TTSにおける活性剤の放出は主に、活性剤自体を含むマトリックスによって制御される。これに対して、リザーバ型TTSは典型的には、活性剤の放出を制御する速度制御膜を必要とする。原理的には、マトリックス型TTSも速度制御膜を含有し得る。しかしながら、マトリックス型TTSは、リザーバ型TTSと比較して、通常、速度決定膜が不要であり、膜の破断による用量ダンピングが起こり得ない点で有利である。要約すると、マトリックス型経皮治療システム(TTS)は、製造の複雑さが少なく、患者による使用が容易で便利である。
本発明の意味の範囲内で、「マトリックス型TTS」は、活性物質が高分子担体、すなわち、マトリックス内に均質に溶解及び/または分散したシステムまたは構造であって、活性剤及び任意に残存する成分と共にマトリックス層を形成するものを指す。そのようなシステムでは、マトリックス層は、TTSからの活性剤の放出を制御する。好ましくは、マトリックス層は、他の層間の封止が必要とされないように、自己支持性となるのに十分な凝集性を有する。したがって、ニコチン含有層は、本発明の一実施形態では、ニコチンがポリマーマトリックス内に均質に分布したニコチン含有マトリックス層であり得る。所定の実施形態では、ニコチン含有マトリックス層は、一緒に積層され得る2つのニコチン含有マトリックス層を含み得る。マトリックス型TTSは特に、活性物質が感圧接着剤マトリックス内に均質に溶解及び/または分散したシステムを指す「接着剤中薬物」型TTSの形態であり得る。これに関連して、ニコチン含有マトリックス層はまた、ニコチン含有感圧接着剤層またはニコチン含有感圧接着剤マトリックス層と称され得る。高分子ゲル、例えば、ヒドロゲル内に溶解及び/または分散した活性剤を含むTTSもまた、本発明に従ってマトリックス型のものであるとみなされる。
液体活性剤含有リザーバを有するTTSは、「リザーバ型TTS」という用語で称される。そのようなシステムでは、活性剤の放出は好ましくは、速度制御膜によって制御される。特に、リザーバは、裏地層と速度制御膜との間に封止される。したがって、ニコチン含有層は、一実施形態では、好ましくはニコチンを含む液体リザーバを含むニコチン含有リザーバ層であり得る。さらに、リザーバ型TTSは典型的には、皮膚接触層を追加的に含み、リザーバ層及び皮膚接触層は、速度制御膜によって分離され得る。リザーバ層において、活性剤は好ましくは、エタノールもしくは水などの溶媒またはシリコーン油に溶解されている。皮膚接触層は典型的には、接着特性を有する。
リザーバ型TTSは、本発明の意味の範囲内でマトリックス型のものとして理解されない。しかしながら、薬物輸送及び薬物送達のコンセプトにおいて均質な単相マトリックス型TTS及びリザーバ型TTSとは異なるマトリックス型TTS及びリザーバ型TTSの混合形態であると当該技術分野で考えられているマイクロリザーバTTS(ポリマー外相中に分散した活性物質含有内相の堆積物(例えば、球体、液滴)を有する二相系)は、本発明の意味の範囲内でマトリックス型であると考えられる。マイクロリザーバ液滴のサイズは、必要とされる検出限界に応じて、10〜400倍のエンハンスメントファクターでマイクロリザーバの写真を異なる位置で撮影することによって光学顕微鏡測定によって(例えば、カメラを含むLeica MZ16、例えば、Leica DSC320によって)決定され得る。画像分析ソフトウェアを使用することによって、マイクロリザーバのサイズが決定され得る。
本発明の意味の範囲内で、「ニコチン含有層」という用語は、ニコチンを含有し、かつ放出領域を提供する層を指す。その用語は、ニコチン含有マトリックス層及びニコチン含有リザーバ層を包含する。ニコチン含有層がニコチン含有マトリックス層である場合、前記層は、マトリックス型TTS内に存在する。ポリマーが感圧接着剤である場合、マトリックス層はまた、追加の皮膚接触層が存在しないように、TTSの接着剤層を表し得る。代替的に、追加の皮膚接触層が接着剤層として存在し得、及び/または接着剤オーバーレイが提供される。追加の皮膚接触層は典型的には、活性剤を含まないように製造される。しかしながら、濃度勾配のため、活性剤は、平衡に達するまで、時間の経過とともにマトリックス層から追加の皮膚接触層へと移動する。追加の皮膚接触層は、ニコチン含有マトリックス層上に存在していてもよく、または膜、好ましくは速度制御膜によってニコチン含有マトリックス層から分離していてもよい。好ましくは、ニコチン含有マトリックス層は、追加の皮膚接触層が存在しないように十分な接着特性を有する。ニコチン含有層がニコチン含有リザーバ層である場合、前記層は、リザーバ型TTS内に存在し、その層は、液体リザーバ中にニコチンを含む。また、接着特性を提供するために、好ましくは追加の皮膚接触層が存在する。好ましくは、速度制御膜は、リザーバ層を追加の皮膚接触層から分離する。追加の皮膚接触層は、活性剤を含まないようにまたは活性剤を含有するように製造され得る。追加の皮膚接触層が活性剤を含まない場合、活性剤は、濃度勾配のため、平衡に達するまで、時間の経過とともにリザーバ層から皮膚接触層へ移動する。また、接着剤オーバーレイが提供され得る。
本明細書で使用される場合、ニコチン含有層は好ましくは、ニコチン含有マトリックス層であり、それは最終固化層と称される。好ましくは、ニコチン含有マトリックス層は、本明細書に記載されているような溶媒含有コーティング組成物をコーティングし、乾燥させた後に得られる。代替的に、ニコチン含有マトリックス層は、溶融コーティング及び冷却の後に得られる。ニコチン含有マトリックス層はまた、所望の面積あたり重量を提供するために、同じ組成物の2つ以上のそのような固化層(例えば、乾燥または冷却層)を積層することによって製造され得る。マトリックス層は、自己接着性(感圧接着剤マトリックス層の形態)であり得るか、またはTTSは、十分なタックを提供するために感圧接着剤の追加の皮膚接触層を含み得る。好ましくは、マトリックス層は、感圧接着剤マトリックス層である。任意に、接着剤オーバーレイが存在し得る。
本発明の意味の範囲内で、「感圧接着剤」(「PSA」とも略される)という用語は、特に指圧で接着し、永久的に粘着性であり、強い保持力を発揮し、残留物を残すことなく滑らかな表面から除去可能であるべき材料を指す。感圧接着剤層は、皮膚と接触している場合、「自己接着性」であり、すなわち、典型的には皮膚への固定のためのさらなる補助が必要とされないように皮膚への接着性を提供する。「自己接着性」層構造は、感圧接着剤マトリックス層の形態または追加の層の形態で提供され得る皮膚接触用の感圧接着剤層、すなわち、感圧接着剤皮膚接触層を含む。接着剤オーバーレイは、接着性を高めるために依然として採用され得る。感圧接着剤の感圧接着特性は、使用されるポリマーまたはポリマー組成物に依存する。
本発明の意味の範囲内で、「シリコーンアクリルハイブリッドポリマー」という用語は、シリコーン亜種及びアクリレート亜種の繰り返し単位を含む重合生成物を指す。よって、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーン相及びアクリル相を含む。「シリコーンアクリルハイブリッド」という用語は、シリコーンベースの亜種及びアクリレートベースの亜種の単純な混和物を超えるものを示すことが意図されている。代わりに、その用語は、一緒に重合されたシリコーンベースの亜種及びアクリレートベースの亜種を含む重合ハイブリッド種を示す。本発明で使用されるハイブリッドポリマーの文脈において、アクリレート及びアクリルという用語が一般に互換的に使用されるので、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーはまた、「シリコーンアクリレートハイブリッドポリマー」と称され得る。
本発明の意味の範囲内で、「シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤」という用語は、感圧接着剤の形態のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを指す。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、例えば、EP2599847及びWO2016/130408に記載されている。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤の例には、Dow Corningによってn−ヘプタンまたは酢酸エチル中で製造及び供給されるPSAシリーズ7−6100及び7−6300(7−610X及び7−630X;X=1 n−ヘプタンベース/X=2 酢酸エチルベース)が含まれる。シリコーンアクリルハイブリッドPSAが供給される溶媒に応じて、シリコーンまたはアクリルの連続的な外部相及び対応する不連続的な内部相を提供するシリコーン相及びアクリル相の配置が異なることが判明した。シリコーンアクリルハイブリッドPSAがn−ヘプタン中で供給される場合、組成物は、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有する。シリコーンアクリルハイブリッドPSA組成物が酢酸エチル中で供給される場合、組成物は、連続的なアクリル外部相及び不連続的なシリコーン内部相を含有する。
本発明の意味の範囲内で、「非ハイブリッドポリマー」という用語は、ハイブリッド種を含まないポリマーと同義で使用される。好ましくは、非ハイブリッドポリマーは、感圧接着剤(例えば、シリコーンまたはアクリレートベースの感圧接着剤)である。
本発明の意味の範囲内で、「アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物」という用語は、シリコーン樹脂、シリコーンポリマー、及び前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有封止剤の縮合反応生成物を含む。アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は、アクリレート官能基のみ、メタクリレート官能基のみ、またはアクリレート官能基及びメタクリレート官能基の両方を含み得ることを理解されたい。
本明細書で使用される場合、活性剤含有マトリックス層は、少なくとも1つのポリマーに溶解または分散した活性剤を含有する、または少なくとも1つのポリマーに堆積物(特に液滴)の形態で分散した活性剤−溶媒混合物を形成するために溶媒に溶解した活性剤を含有する層である。好ましくは、少なくとも1つのポリマーは、ポリマーベースの感圧接着剤(例えば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤)である。本発明の意味の範囲内で、「感圧接着剤層」という用語は、フィルム上にコーティングし、溶媒を蒸発させた後、溶媒含有接着剤コーティング組成物から得られる感圧接着剤層を指す。
本発明の意味の範囲内で、「皮膚接触層」という用語は、投与中に患者の皮膚と直接接触するニコチン含有層構造に含まれる層を指す。これはニコチン含有層であり得る。TTSが追加の皮膚接触層を含む場合、ニコチン含有層構造の他の層は、皮膚に接触せず、必ずしも自己接着特性を有するものではない。上で概説したように、ニコチン含有層に付着した追加の皮膚接触層は、時間の経過とともに活性剤の一部を吸収し得る。追加の皮膚接触層が、接着力を向上させるために使用され得る。追加の皮膚接触層及びニコチン含有層のサイズは通常、同延であり、放出領域に相当する。しかしながら、追加の皮膚接触層の面積はまた、ニコチン含有層の面積よりも大きい場合がある。そのような場合、放出領域は、依然として、ニコチン含有層の領域を指す。
本発明の意味の範囲内で、「面積あたり重量」という用語は、g/m2で提供される特定の層、例えば、マトリックス層の乾燥重量を指す。面積あたり重量値は、製造上の変動のため、±10%、好ましくは±7.5%の許容誤差の対象である。
別段示されない場合、「%」は重量%を指す。
本発明の意味の範囲内で、「ポリマー」という用語は、1種以上のモノマーを重合することによって得られるいわゆる繰り返し単位からなる任意の物質を指し、1種類のモノマーからなるホモポリマー及び2種類以上のモノマーからなるコポリマーを含む。ポリマーは、線状ポリマー、星型ポリマー、櫛状ポリマー、ブラシ型ポリマーなどの任意の構造であって、コポリマーの場合には任意のモノマー配列、例えば、交互、統計的、ブロックコポリマー、またはグラフトポリマーのものであり得る。最小分子量は、ポリマーの種類に応じて変化し、当業者に知られている。ポリマーは、例えば、2000ダルトンを超え、好ましくは5000ダルトンを超え、より好ましくは10,000ダルトンを超える分子量を有し得る。これに対応して、2000ダルトン未満、好ましくは5000ダルトン未満、またはより好ましくは10,000ダルトン未満の分子量を有する化合物は通常、オリゴマーと称される。
本発明の意味の範囲内で、「架橋剤」という用語は、ポリマー内に含有されている官能基を架橋することができる物質を指す。
本発明の意味の範囲内で、「接着剤オーバーレイ」という用語は、活性剤を含まず、活性剤含有構造よりも面積が大きく、かつ皮膚に接着する追加の領域を提供するが、活性剤の放出領域を提供しない自己接着性層構造を指す。それにより、TTSの全体的な接着特性が向上する。接着剤オーバーレイは、閉鎖性または非閉鎖性の特性を提供し得る裏地層及び接着剤層を含む。好ましくは、接着剤オーバーレイの裏地層は、非閉鎖特性を提供する。
本発明の意味の範囲内で、「裏地層」という用語は、活性剤含有層を支持するか、または接着剤オーバーレイの裏地を形成する層を指す。TTS中の少なくとも1つの裏地層、及び通常は活性剤含有層の裏地層は、保存及び投与の期間中、層に含有されている活性剤に対して実質的に不透過性であり、よって、規制要件に従って活性損失または交差汚染を防止する。好ましくは、裏地層はまた、水及び水蒸気に対して実質的に不透過性であることを意味する閉鎖性である。裏地層のための好適な材料には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、エチレン酢酸ビニル−コポリマー(EVA)、ポリウレタン、及びそれらの混合物が含まれる。よって、好適な裏地層は、例えば、PET積層体、EVA−PET積層体及びPE−PET積層体である。
本発明によるTTSは、in vitro皮膚透過試験で測定されるような所定のパラメータを特徴とし得る。
in vitro透過試験は、受容体媒体が、例えば、60体積%のリン酸緩衝液pH5.5、30体積%のジプロピレングリコール及び10体積%のアセトニトリルを含有し得るように、最大で40体積%の有機溶媒、例えば、エタノール、アセトニトリル、イソプロパノール、ジプロピレングリコール、PEG400を添加したまたは添加していない受容体媒体としてのリン酸緩衝液pH5.5または7.4(0.1%アジ化生理食塩水を有する32℃)を用いて、ヒトまたは動物の皮膚を用いて、好ましくは800μmの厚さ及び無傷の表皮を有するデルマトーム化分層ヒト皮膚を用いて、フランツ拡散セルで実施される。
別段示されない場合、in vitro透過試験は、800μmの厚さ及び無傷の表皮を有するデルマトーム化分層ヒト皮膚を用いて、受容体媒体としてリン酸緩衝液pH5.5(0.1%アジ化生理食塩水を有する32℃)を用いて実施される。受容体媒体に透過した活性物質の量は、サンプル体積を取得することによってUV光度検出器を用いて有効なHPLC法を使用して規則的間隔で決定される。受容体媒体は、サンプル体積を取得する場合に新鮮な媒体で完全にまたは部分的に置き換えられ、透過した活性物質の測定量は、最後の2つのサンプリングポイント間に透過した量に関し、それまでに透過した総量に関するものではない。
よって、本発明の意味の範囲内で、「透過量」というパラメータは、μg/cm2で提供され、所定の経過時間でのサンプル間隔において透過した活性物質の量に関する。例えば、受容体媒体に透過した活性物質の量が、例えば、0、2、4、8、12及び24時間目で測定された上述されるin vitro透過試験において、活性物質の「透過量」は、例えば、8時間目から12時間目のサンプル間隔について提供され得、12時間目における測定結果に対応し、この場合、受容体媒体は、8時間目で完全に交換されている。
透過量はまた、所定の時点で透過した活性物質の累積量に相当する「累積透過量」として提供され得る。例えば、受容体媒体に透過した活性物質の量が、例えば、0、2、4、8、12及び24時間目で測定された上述されるin vitro透過試験において、12時間目における活性物質の「累積透過量」は、0時間目から2時間目、2時間目から4時間目、4時間目から8時間目、及び8時間目から12時間目の透過量の合計に相当する。
本発明の意味の範囲内で、所定の経過時間における所定のサンプル間隔の「皮膚透過速度」というパラメータは、μg/cm2−時間で提供され、μg/cm2で上述されるインビトロ透過試験によって測定される前記サンプル間隔における透過量を前記サンプル間隔の時間で除算することにより計算される。例えば、受容体媒体に透過した活性物質の量が、例えば、0、2、4、8、12及び24時間目で測定された上述されるin vitro透過試験における皮膚透過速度では、48時間目における「皮膚透過速度」は、8時間目から12時間目のサンプル間隔における透過量を4時間で除算したものとして計算される。
「累積皮膚透過速度」は、累積透過量を経過時間で除算することによってそれぞれの累積透過量から計算され得る。例えば、受容体媒体に透過した活性物質の量が、例えば、0、2、4、8、12及び24時間目で測定された上述されるin vitro透過試験において、12時間目における「累積皮膚透過速度」は、12時間目における累積透過量(上記参照)を12時間で除算したものとして計算される。
本発明の意味の範囲内で、「透過量」及び「皮膚透過速度」(ならびに「累積透過量」及び「累積皮膚透過速度」)という上記パラメータは、少なくとも3回のin vitro透過試験実験から計算された平均値を指す。別段示さない場合、これらの平均値の標準偏差(SD)は、式:
Figure 2021517576
(nは、サンプルサイズであり、{x1、x2、...xn}は、観察された値であり、
Figure 2021517576
は、観察された値の平均値である)を使用して計算される、補正されたサンプル標準偏差を指す。
本発明によるTTSは、in vivo臨床試験で測定されるような所定のパラメータを特徴とし得る。
本発明の意味の範囲内で、「平均放出速度」というパラメータは、活性剤がヒトの皮膚を介して全身循環に放出される投与期間(例えば、1〜7日間)にわたる平均放出速度(μg/時間またはmg/日)を指し、臨床試験において前記投与期間にわたって得られたAUCに基づく。
本発明の意味の範囲内で、「長期間」という用語は、少なくともまたは約6時間、少なくともまたは約8時間、少なくとも12時間、少なくともまたは約16時間または少なくともまたは約24時間の期間に関する。
本発明の意味の範囲内で、「室温」という用語は、実験が行われる実験室内で屋内で見られる変更していない温度を指し、通常、15〜35℃、好ましくは約18〜25℃の範囲内にある。
本発明の意味の範囲内で、「患者」という用語は、治療の必要性を示唆する特定の1つのまたは複数の症状の臨床兆候を呈した対象、病態に対して防止的または予防的に治療される対象、または治療すべき病態の診断を受けた対象を指す。
本発明の意味の範囲内で、「薬物動態パラメータ」という用語は、臨床試験において、例えば、活性剤含有TTS、例えば、ニコチンTTSを健康なヒト対象に単回用量、複数回用量または定常状態投与することによって得られる血漿曲線、例えば、Cmax、Ct及びAUCt1-t2を表すパラメータを指す。個々の対象の薬物動態パラメータは、算術及び幾何平均、例えば、平均Cmax、平均AUCt及び平均AUCINF、ならびにそれぞれの標準偏差及び標準誤差、最小値、最大値、及び値のリストがランク付けされたときの中間値(メジアン)などの追加の統計値を使用してまとめられる。本発明の文脈において、薬物動態パラメータ、例えば、Cmax、Ct及びAUCt1-t2は、別段示されない場合、幾何平均値を指す。臨床試験において所定のTTSについて得られた絶対平均値は、試験ごとに所定程度変わることを排除することはできない。試験間の絶対平均値の比較を可能にするために、参照製剤、例えば、本発明に基づく将来的な任意の製品が内部標準として使用され得る。以前及び以降の試験におけるそれぞれの参照製剤の放出領域当たりのAUCの比較が、試験ごとの相違を考慮した補正係数を得るために使用され得る。
本発明に従う臨床試験は、臨床試験調和国際会議(International Conference for Harmonization of Clinical Trials:ICH)及びすべての適用可能な良き臨床上の基準(Good Clinical Practices:GCP)及び規則に完全に準拠して実施される試験を指す。
本発明の意味の範囲内で、「健康なヒト対象」という用語は、55kg〜100kgの範囲の体重及び18〜29.4の範囲のボディマス指数(BMI)ならびに血圧などの正常な生理学的パラメータを有する男性または女性の対象を指す。本発明の目的のための健康なヒト対象は、ICHの推奨に基づき、かつそれに従う包含及び除外基準に従って選択される。
本発明の意味の範囲内で、「対象集団」という用語は、少なくとも5人、好ましくは少なくとも10人の個々の健康なヒト対象を指す。
本発明の意味の範囲内で、「幾何平均」という用語は、元のスケールに逆変換された対数変換されたデータの平均を指す。
本発明の意味の範囲内で、「算術平均」という用語は、観測のすべての値の合計を観測の総数で除したものを指す。
本発明の意味の範囲内で、「AUC」というパラメータは、血漿濃度−時間曲線下面積に相当する。AUC値は、血液循環に吸収される活性剤の全体の量に比例するため、バイオアベイラビリティの尺度である。
本発明の意味の範囲内で、「AUCt1-t2」というパラメータは、(ng/ml)時間で提供され、別段示されない限り、時間t1からt2までの血漿濃度−時間曲線下面積に関し、線形台形法によって計算される。他の計算方法は、例えば、対数及び線形対数台形法である。
本発明の意味の範囲内で、「Cmax」というパラメータは、(ng/ml)で提供され、活性剤の観察された最大血漿濃度に関する。
本発明の意味の範囲内で、「Ct」というパラメータは、(ng/ml)で提供され、時間tで観察された活性剤の血漿濃度に関する。
本発明の意味の範囲内で、「tmax」というパラメータは、時間で提供され、Cmax値に到達した時点に関する。すなわち、tmaxは、観察された最大血漿濃度の時点である。
本発明の意味の範囲内で、「平均血漿濃度」という用語は、(ng/ml)で提供され、各時点での活性剤、例えば、ニコチンの個々の血漿濃度の平均である。
本発明の意味の範囲内で、「コーティング組成物」という用語は、乾燥してマトリックス層を形成するために裏地層または離型ライナー上にコーティングされ得る、溶媒中のマトリックス層のすべての成分を含む組成物を指す。
本発明の意味の範囲内で、「感圧接着剤組成物」という用語は、少なくとも溶媒(例えば、n−ヘプタンまたは酢酸エチル)と混合した感圧接着剤を指す。
本発明の意味の範囲内で、「溶解する」という用語は、裸眼で見えるような透明でいかなる粒子も含有しない溶液を得るプロセスを指す。
本発明の意味の範囲内で、「溶媒」という用語は、好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレン、ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン及びそれらの混合物などの揮発性有機液体である任意の液体物質を指す。本発明の意味の範囲内で、「ヘキサン」という用語は、純粋なn−ヘキサンならびに異なるヘキサン異性体と大量のn−ヘキサンとの混合物を含む、任意のヘキサン異性体及びそれらの混合物を指す。
NicoDerm(登録商標)CQ(登録商標)及び実施例1に従って調製されたTTSについての0から32時間目までのニコチンの累積透過量を示している。 NicoDerm(登録商標)CQ(登録商標)及び実施例1に従って調製されたTTSについての0から32時間目までのニコチン皮膚透過速度を示している。 NicoDerm(登録商標)CQ(登録商標)及び実施例1に従って調製されたTTSについての24時間後のニコチンの利用率を示している。 Nicorette(登録商標)、Nicotinell(登録商標)ならびに実施例2A、2B、2C及び2Dに従って調製されたTTSについての0から32時間目までのニコチンの累積透過量を示している。 Nicorette(登録商標)、Nicotinell(登録商標)ならびに実施例2A、2B、2C及び2Dに従って調製されたTTSについての0から32時間目までのニコチン皮膚透過速度を示している。 Nicorette(登録商標)、Nicotinell(登録商標)ならびに実施例2A、2B、2C及び2Dに従って調製されたTTSについての24時間後のニコチンの利用率を示している。
TTS構造
本発明は、ニコチン含有層構造を含む、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムに関する。
ニコチン含有層構造は特に、治療的有効量のニコチンを含有し得る。
本発明によれば、経皮治療システムはまた、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含み、ニコチン含有層構造は、(A)裏地層と、(B)ニコチン含有層とを含み、ニコチン含有層は、少なくとも0.8mg/cm2のニコチンをさらに含む。
よって、第1の態様では、本発明は、ニコチン含有層構造を含む、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムに関し、前記ニコチン含有層構造は、
(A)裏地層と、
(B)ニコチン含有層と、
を含み、
前記経皮治療システムは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含み、
ニコチン含有層は、少なくとも0.8mg/cm2のニコチンを含む。
裏地層は特に、実質的にニコチン不透過性である。
好ましくは、ニコチン含有層構造は、ニコチン含有自己接着性層構造である。よって、本発明によるニコチンの経皮投与のための経皮治療システムは好ましくは、ニコチン含有自己接着性層構造を含む。ニコチン含有自己接着性層構造は、追加の皮膚接触層を含んでも含まなくてもよい。ニコチン含有層自体が自己接着性である場合、追加の皮膚接触層は必要とされず、好ましくは存在しない。経皮治療システムに存在するシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは好ましくは、ニコチン含有自己接着性層構造に、さらにより好ましくはニコチン含有層に存在し、自己接着特性を提供する。
本発明によるTTSは、マトリックス型TTSまたはリザーバ型TTSであり得る。好ましくは、本発明によるTTSは、マトリックス型TTSである。
本発明によるそのようなマトリックス型TTSでは、ニコチンは、高分子担体、すなわち、マトリックス内に均質に溶解及び/または分散したシステムまたは構造であって、ニコチン及び任意に残存する成分と共にマトリックス層を形成するものを指す。よって、そのような実施形態では、ニコチン含有層は、ニコチン含有マトリックス層である。ニコチン含有層構造は、追加の皮膚接触層を含んでも含まなくてもよい。ニコチン含有マトリックス層が自己接着性である場合、追加の皮膚接触層は必要とされず、好ましくは存在しない。ニコチン含有マトリックス層が、実質的に同じ組成である2つのニコチン含有マトリックス層を一緒に積層することによって調製される場合、得られる二重層は、1つのニコチン含有マトリックス層と見なされるものとする。
本発明によるリザーバ型TTSでは、ニコチン含有リザーバは、裏地層と速度制御膜との間に密封される。よって、ニコチン含有層は、ニコチン含有リザーバ層であり、これは好ましくはニコチンを含む液体リザーバを含む。リザーバ型TTSは典型的には、皮膚接触層を追加的に含み、リザーバ層及び皮膚接触層は好ましくは、速度制御膜によって分離される。
特定の実施形態では、例えば、上記で概説したように、本発明によるニコチン含有層構造は、追加の皮膚接触層を含むかまたは含まない。追加の皮膚接触層は好ましくは自己接着性であり、投与中にニコチン含有層構造と患者の皮膚との間の接着性を提供する。
理論に拘束されることを望まないが、ニコチン含有層の下にある追加の皮膚接触層は、最初の数時間、例えば、0〜8時間、活性物質の一気の放出を防止し、TTS適用の全期間にわたって十分な活性物質放出を維持することを促進すると考えられる。よって、1つの好ましい実施形態では、ニコチン含有自己接着性層構造は、追加の皮膚接触層を含み、追加の皮膚接触層は、ニコチンを含むかまたは含まず、好ましくはニコチンを含まない。この点に関して、「ニコチンを含まない」という特徴は、追加の皮膚接触層が、ニコチンを含まないように製造されることを意味するものとして理解されるべきことに留意されるべきである。しかしながら、上記で概説したように、濃度勾配のため、ニコチンは、平衡に達するまで、時間の経過とともにニコチン含有層から追加の皮膚接触層へと移動し得る。
好ましい実施形態では、追加の皮膚接触層は、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー、非ハイブリッドポリマー、好ましくは非ハイブリッド感圧接着剤、またはそれらの任意の混合物を含む感圧接着剤層である。最も好ましくは、追加の皮膚接触層は、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む感圧接着剤層である。
ニコチン含有層構造が追加の皮膚接触層を含む場合、ニコチン含有層構造は、ニコチン含有層と追加の皮膚接触層との間に位置する膜を含んでも含まなくてもよく、膜は好ましくは速度制御膜である。
ニコチン含有層は、裏地層とニコチン含有層との間に追加の層が存在しないように裏地層に直接付着されることがさらに好ましい。その結果、低い複雑さの層構造が得られ、これは、例えば、製造のためのコストの観点から有利である。
特に、ニコチン含有層構造は、3層以下を含み、1つの好ましい実施形態では、ニコチン含有層構造は2層、すなわち、裏地層及びニコチン含有層のみを含むことが好ましい。投与中のニコチン含有層構造と患者の皮膚との間の十分な接着は、その場合、好ましくはニコチン含有感圧接着剤層であるニコチン含有層によって提供される。
本発明によるTTSの自己接着特性は好ましくは、TTS、好ましくはニコチン含有層構造、より好ましくはニコチン含有層、最も好ましくはニコチン含有マトリックス層中に存在するシリコーンアクリルハイブリッドポリマーによって提供される。よって、本発明の好ましい実施形態では、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である。本発明によるシリコーンアクリルハイブリッドポリマーのさらなる詳細は、以下にさらに提供される。
本発明の所定の実施形態によれば、TTSは、接着剤オーバーレイをさらに含み得る。この接着剤オーバーレイは特に、ニコチン含有層構造よりも大きく、経皮治療システム全体の接着特性を向上させるためにそれに付着される。前記接着剤オーバーレイはまた、裏地層及び接着剤層を含む。前記接着剤オーバーレイの面積は、TTSの全体のサイズを増加させるが、放出領域を増加させない。接着剤オーバーレイは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー、アクリルポリマー、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、及びそれらの混合物の群から選択される自己接着性ポリマーまたは自己接着性ポリマー混合物を含み、これらは、ニコチン含有自己接着性層構造に含まれる任意のポリマーまたはポリマー混合物と同一または異なり得る。
ニコチン含有自己接着性層構造などの本発明によるニコチン含有層構造は通常、取り外し可能な保護層(離型ライナー)上に配置され、それは患者の皮膚の表面への適用の直前に除去される。よって、TTSは、離型ライナーをさらに含み得る。このように保護されたTTSは通常、ブリスターパックまたはシーム封止パウチ内に保存される。包装は、子供にとって安全であり、及び/または高齢者に優しいものであり得る。
ニコチン含有層
上記でより詳細に概説したように、本発明の第1の態様によるTTSは、裏地層及びニコチン含有層を含むニコチン含有層構造を含み、TTSは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。
好ましい実施形態では、ニコチン含有層は、
1.ニコチンと、
2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマーと、
を含む。
上記で概説したように、本発明の1つの好ましい実施形態では、ニコチン含有層は、マトリックス層であり、好ましくは感圧接着剤層である。そのようなニコチン含有マトリックス層では、ニコチンは、ポリマーマトリックス内に均質に分布している。ポリマーマトリックスは好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。よって、本発明によれば、ニコチン含有マトリックス層がニコチン及びシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含むことが好ましい。
上記で概説したように、ニコチン含有層構造は好ましくは、ニコチン含有自己接着性層構造である。したがって、ニコチン含有層は、ニコチン含有感圧接着剤層、より好ましくはニコチン含有感圧接着剤マトリックス層であることが好ましい。
所定の駆動力を維持し、よって十分な皮膚透過を達成するために、ニコチン含有層中のニコチンの量及び濃度は好ましくは、所定のレベルで維持される。よって、本発明の好ましい実施形態では、ニコチン含有層は、少なくとも0.90mg/cm2、好ましくは少なくとも0.95mg/cm2、より好ましくは少なくとも1.15mg/cm2のニコチンを含む。一方、濃度が高すぎると、ニコチン含有層からニコチンが分離する恐れがある。そのため、ニコチン含有層は特に、5.0mg/cm2未満、4.0mg/cm2未満、3.0mg/cm2未満または2.0mg/cm2未満のニコチンを含み得る。本発明の他の好ましい実施形態では、ニコチン含有層中のニコチンの量は、ニコチン含有層の2〜15%、好ましくは3〜12%、より好ましくは4〜10%の範囲である。
本発明の所定の実施形態では、ニコチン含有層の面積あたり重量は、少なくとも80g/m2または少なくとも90g/m2であるか、または80〜300g/m2、好ましくは90〜270g/m2、より好ましくは100〜230g/m2の範囲である。
理論に拘束されることを望まないが、本発明によるTTSの有利な特徴、例えば、良好なin vitro皮膚透過性は、とりわけ、TTSに含有されているニコチンの量によって達成されると考えられ、ニコチンの量は、ニコチン含有マトリックス層などのニコチン含有層の濃度及び/または面積あたり重量を調節することによって2方向で制御され得る。
上記で概説したように、ニコチン含有層は好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含むニコチン含有感圧接着剤層である。そのような実施形態では、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーの量は特に、ニコチン含有層の総重量を基準として、55〜98重量%、好ましくは70〜97重量%または80〜96重量%の範囲であり得る。
ニコチン含有層はまた、非ハイブリッドポリマーを含み得、非ハイブリッドポリマーは好ましくは、非ハイブリッド感圧接着剤であり、非ハイブリッドポリマーは好ましくは、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー及びアクリルポリマーから選択される。任意の非ハイブリッドポリマーに関するさらなる詳細は、以下にさらに提供される。
よって、ニコチン含有層は好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー及び/または非ハイブリッドポリマーを含むニコチン含有感圧接着剤層であり、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー及び非ハイブリッドポリマーの両方の合計量を指す総ポリマー含有量は、特に、ニコチン含有層の75〜98%、好ましくは80〜98%、より好ましくは85〜98%の範囲であり得る。しかしながら、所定の実施形態では、1つのマトリックスポリマーのみがニコチン含有層に必要とされることが本発明の利点である。実際には、低い沸点を有する溶媒/ヘキサンなどの揮発性溶媒を使用した場合であっても、マトリックスポリマーとしてシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを使用することによってニコチン含有層中の十分なレベルのニコチン濃度が達成され得る。よって、好ましくは、特にニコチン含有感圧接着剤層であるニコチン含有層は、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含むが、非ハイブリッドポリマーを含まない。
ニコチン含有層はまた、架橋剤、可溶化剤、充填剤、粘着付与剤、フィルム形成剤、可塑剤、安定化剤、軟化剤、スキンケア用物質、透過促進剤、pH調整剤、及び防腐剤からなる群から選択されるさらなる賦形剤または添加剤を含み得る。そのような賦形剤及び添加剤の詳細は、以下にさらに提供される。
前述のように、ニコチン含有層は、放出領域を提供する。本発明の好ましい実施形態では、放出領域は、2〜100cm2、好ましくは5〜50cm2、より好ましくは7〜30cm2の範囲である。
ニコチン
本発明の経皮治療システムは、ニコチン含有層構造、すなわち、ニコチン含有層中にニコチン、特に治療的有効量のニコチンを含む。
活性剤は、本発明によれば、プロトン化または遊離塩基の形態でTTS中に存在し得るが、遊離塩基の形態が好ましい。
よって、所定の実施形態では、ニコチン含有層中のニコチンは、遊離塩基の形態で含まれる。
所定の実施形態では、ニコチン含有層は、ニコチンを遊離塩基の形態で組み込むことによって得ることができる。さらなる実施形態では、ニコチン含有マトリックス層は、ニコチンを遊離塩基の形態で組み込むことによって得ることができる。
特に、ニコチン含有層中のニコチンの少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%、より好ましくは少なくとも98mol%、最も好ましくは少なくとも99mol%が遊離塩基の形態で存在する。
ニコチン含有層中のニコチンは完全に溶解され得るか、またはニコチン含有層は、好ましくはニコチン遊離塩基から構成されるニコチン液滴を含有し得る。
TTS中のニコチンの総量は、放出される活性物質の量にとって重要であり、また放出速度にとっても重量である。よって、所定の好ましい実施形態では、TTS中に含有されているニコチンの量は、5〜90mg、好ましくは8〜75mg、最も好ましくは10〜60mgの範囲である。
シリコーンアクリルハイブリッドポリマー
本発明によるTTSは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含む。シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、一緒に重合されたシリコーンベースの亜種及びアクリレートベースの亜種を含む重合したハイブリッド種を含む。よって、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーン相及びアクリル相を含む。好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である。
シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は通常、n−ヘプタン及び酢酸エチルのような溶媒中で供給され、使用される。感圧接着剤の固形分含有量は通常、30%〜80%である。当業者は、固形分含有量が、好適な量の溶媒を添加することによって変更され得ることを認識している。
好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤中のシリコーンのアクリレートに対する重量比は、5:95〜95:5、または20:80〜80:20、より好ましくは40:60〜60:40であり、最も好ましくはシリコーンのアクリレートに対する比は、約50:50である。50:50のシリコーンのアクリレートに対する重量比を有する好適なシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、例えば、Dow Corningによって酢酸エチル中で供給される市販のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤7−6102、シリコーン/アクリレート比50/50、及び7−6302、シリコーン/アクリレート比50/50である。
本発明による好ましいシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、好ましくはスピンドル番号5を備えるBrookfield RVT粘度計を50RPMで使用して測定して、25℃及び酢酸エチル中約50%の固形分含有量で約400cPを超え、または約500cP〜約3,500cP、特に約1,000cP〜約3,000cP、より好ましくは約1,200cP〜約1,800、または最も好ましくは約1,500cP、または代替的により好ましくは約2,200cP〜約2,800cP、最も好ましくは約2,500cPの溶液粘度を特徴とする。
これらのシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤はまた、好ましくは8mmプレート及びゼロ設定とした隙間を備えるRheometrics ARESレオメーターを使用して測定して、30℃において0.1rad/sで約1.0e9ポアズ未満、または約1.0e5ポアズ〜約9.0e8ポアズ、またはより好ましくは約9.0e5ポアズ〜約1.0e7ポアズ、または最も好ましくは約4.0e6ポアズ、または代替的により好ましくは約2.0e6ポアズ〜約9.0e7ポアズ、または最も好ましくは約1.0e7ポアズの複素粘度を特徴とし得る。
Rheometrics ARESレオメーターを使用してレオロジー挙動を測定するためのサンプルを調製するために、2〜3グラムの接着剤溶液をSCOTCH−PAK1022フッ素ポリマー離型ライナー上に注ぎ、周囲条件下で60分間静置させ得る。接着剤の本質的に無溶媒のフィルムを達成するために、それらは、オーブン内に110℃+/10℃で60分間放置され得る。オーブンから取り出した後、室温に平衡化させる。フィルムは、離型ライナーから取り外され、折り返されて、正方形を形成し得る。気泡を除去するために、フィルムは、Carverプレスを使用して圧縮され得る。次いでサンプルは、プレート間に装填され得、30℃で1.5+/−0.1mmに圧縮される。過剰の接着剤はトリミングされ、最終的な隙間が記録される。0.01〜100rad/sの周波数掃引は、次の設定:温度=30℃;歪み=0.5〜1%で実施され得、データは3点/ディケードで収集した。
市販されている好適なシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤には、Dow Corningによってn−ヘプタンまたは酢酸エチル中で製造され、供給されるPSAシリーズ7−6100及び7−6300(7−610X及び7−630X;X=1 n−ヘプタンベース/X=2 酢酸エチルベース)が含まれる。例えば、50/50のシリコーン/アクリレート比を有する7−6102シリコーンアクリルハイブリッドPSAは、25℃及び酢酸エチル中約50%の固形分含有量で2,500cPの溶液粘度及び30℃において0.1rad/sで1.0e7ポアズの複素粘度を特徴とする。50/50のシリコーン/アクリレート比を有する7−6302シリコーンアクリルハイブリッドPSAは、25℃及び酢酸エチル中約50%の固形分含有量で1,500cPの溶液粘度及び30℃において0.1rad/sで4.0e6ポアズの複素粘度を有する。
シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤が供給される溶媒に応じて、シリコーンまたはアクリルの連続的な外部相及び対応する不連続的な内部相を提供するシリコーン相及びアクリル相の配置が異なる。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤がn−ヘプタン中で提供される場合、組成物は、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有する。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤が酢酸エチル中で提供される場合、組成物は、連続的なアクリル外部相及び不連続的なシリコーン内部相を含有する。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤が提供される溶媒を蒸発させた後、得られる感圧接着剤フィルムまたは層の相配置は、溶媒含有接着剤コーティング組成物の相配置に対応する。例えば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤組成物中の相配置の反転を誘発し得る物質が存在しない場合、n−ヘプタンまたはヘキサン中のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤から調製された感圧接着剤層は、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を提供し、酢酸エチル中のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤から調製された感圧接着剤層は、連続的なアクリル外部相及び不連続的なシリコーン内部相を提供する。好ましい実施形態では、ニコチン含有層は、1.ニコチン及び2.シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含み、ヘキサン中のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを使用して調製される。そのため、そのような実施形態におけるニコチン含有層のシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有する。組成物の相配置は、例えば、シリコーン化された離型ライナーに付着したシリコーンアクリルハイブリッドPSA組成物から調製された感圧接着剤フィルムまたは層を用いた剥離力試験において決定され得る。感圧接着剤フィルムは、シリコーン化された離型ライナーが、2つのシリコーン表面のブロッキングにより感圧接着剤フィルム(裏地フィルムに積層されている)から除去できないか、またはほとんど除去できない場合、連続的なシリコーン外部相を含有する。ブロッキングは、同様の表面エネルギーを含む2つのシリコーン層の接着から生じる。シリコーン接着剤は、シリコーン化されたライナー上で良好な広がりを示し、そのため、ライナーに対して良好な接着性を生み出し得る。シリコーン化された離型ライナーが容易に取り除かれ得る場合、感圧接着剤フィルムは、連続したアクリル外部相を含有する。アクリル接着剤は、異なる表面エネルギーのため、良好な広がりを有さず、よって、シリコーン化されたライナーに対する接着性が低いか、またはほとんどない。
本発明の好ましい実施形態によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物から得ることができるシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である。アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は、アクリレート官能基のみ、メタクリレート官能基のみ、またはアクリレート官能基及びメタクリレート官能基の両方を含み得ることを理解されたい。
本発明の所定の実施形態によれば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物と、(b)エチレン性不飽和モノマーと、(c)開始剤との反応生成物を含む。すなわち、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、これらの反応物((a)、(b)、及び(c))間の化学反応の生成物である。特に、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物と、(b)(メタ)アクリレートモノマーと、(c)開始剤(すなわち、開始剤の存在下)との反応生成物を含む。すなわち、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、これらの反応物((a)、(b)、及び(c))間の化学反応の生成物を含む。
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物と、(b)エチレン性不飽和モノマーと、(c)開始剤との反応生成物は、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有し得るか、または(a)、(b)、及び(c)の反応生成物は、連続的なアクリル外部相及び不連続的なシリコーン内部相を含有し得る。
アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物(a)は典型的には、100重量部のハイブリッド感圧接着剤を基準として、5〜95重量部、より典型的には25〜75重量部の量でシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤中に存在する。
エチレン性不飽和モノマー(b)は典型的には、100重量部のハイブリッド感圧接着剤を基準として、5〜95重量部、より典型的には25〜75重量部の量でシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤中に存在する。
開始剤(c)は典型的には、100重量部のハイブリッド感圧接着剤を基準として、0.005〜3重量部、より典型的には0.01〜2重量部の量でシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤中に存在する。
本発明の所定の実施形態によれば、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むシリコーン含有感圧接着剤組成物(a)は、(a1)シリコーン樹脂、(a2)シリコーンポリマー、及び(a3)前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有封止剤の縮合反応生成物を含む。
本発明の所定の実施形態によれば、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物(a)は、
(a1)シリコーン樹脂と、
(a2)シリコーンポリマーと、
(a3)前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有封止剤であって、前記ケイ素含有封止剤は、一般式XYR’bSiZ3-b(式中、
Xは、一般式AE−の一価基であり、
但し、Eは、−O−または−NH−であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1である)のものである、ケイ素含有封止剤と、
の縮合反応生成物を含み、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させて感圧接着剤を形成し、ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させる前、その間、またはその後に導入され、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを縮合反応させて感圧接着剤を形成した後、ケイ素含有封止剤を感圧接着剤と反応させる;または
ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとその場で反応する。
本発明の所定の実施形態によれば、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は、感圧接着剤と、前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有封止剤との縮合反応生成物を含む。すなわち、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は本質的に、前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有封止剤で封止または末端ブロックされた感圧接着剤であり、その感圧接着剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーの縮合反応生成物を含む。好ましくは、シリコーン樹脂が30〜80重量部の量で反応して感圧接着剤を形成し、シリコーンポリマーが20〜70重量部の量で反応して感圧接着剤を形成する。これらの重量部はいずれも、100重量部の感圧接着剤を基準とする。必須ではないが、感圧接着剤は、触媒量の縮合触媒を含み得る。多様なシリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが感圧接着剤を構成するのに好適である。
本発明の所定の実施形態によれば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物であって、
(a1)シリコーン樹脂と、
(a2)シリコーンポリマーと、
(a3)前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有封止剤であって、前記ケイ素含有封止剤は、一般式XYR’bSiZ3-b(式中、
Xは、一般式AE−の一価基であり、
但し、Eは、−O−または−NH−であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1である)のものである、ケイ素含有封止剤と、
の縮合反応生成物を含み、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させて感圧接着剤を形成し、ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させる前、その間、またはその後に導入され、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを縮合反応させて感圧接着剤を形成した後にケイ素含有封止剤が感圧接着剤と反応するか、または
ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとその場で反応する、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物と、
(b)エチレン性不飽和モノマーと、
(c)開始剤と、
の反応生成物である。
本発明で使用されるシリコーンアクリルハイブリッド組成物は、
(i)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物であって、
シリコーン樹脂と、
シリコーンポリマーと、
前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有封止剤であって、前記ケイ素含有封止剤は、一般式XYR’bSiZ3-b(式中、
Xは、一般式AE−の一価基であり、
但し、Eは、−O−または−NH−であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1である)のものである、ケイ素含有封止剤と、
の縮合反応生成物を含み、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させて感圧接着剤を形成し、ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させる前、その間、またはその後に導入され、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを縮合反応させて感圧接着剤を形成した後にケイ素含有封止剤が感圧接着剤と反応するか、または
ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとその場で反応する、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を提供するステップと、
(ii)任意に50℃〜100℃、または65℃〜90℃の温度で、エチレン性不飽和モノマー及びステップ(i)のアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を開始剤の存在下で重合させて、シリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成するステップと、
を含む方法によって調製されることによって記述され得る。
エチレン性不飽和モノマー及びアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物の重合中に、シリコーンのアクリルに対する比が所望により制御され、最適化され得る。シリコーンのアクリルに対する比は、方法内及び方法中の様々な機構によって制御され得る。1つのそのような機構の例示的な例は、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物への1種または複数種のエチレン性不飽和モノマーの速度制御された添加である。所定の適用では、アクリレートベースの亜種、またはアクリル含有量全体を超えるようにシリコーンベースの亜種、またはシリコーン含有量全体を有することが望ましい場合がある。他の適用では、その逆が正しいことが望ましい場合がある。最終用途とは独立して、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は好ましくは、100重量部のシリコーンアクリルハイブリッド組成物を基準として、約5〜約95重量部、より好ましくは約25〜約75重量部、さらに好ましくは約40〜約60重量部の量でシリコーンアクリルハイブリッド組成物中に存在することが既に上述したように一般に好ましい。
本発明の所定の実施形態によれば、本発明で使用されるシリコーンアクリルハイブリッド組成物は、
(i)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物であって、
シリコーン樹脂と、
シリコーンポリマーと、
前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有封止剤であって、前記ケイ素含有封止剤は、一般式XYR’bSiZ3-b(式中、
Xは、一般式AE−の一価基であり、
但し、Eは、−O−または−NH−であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1である)のものである、ケイ素含有封止剤と、
の縮合反応生成物を含み、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させて感圧接着剤を形成し、ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させる前、その間、またはその後に導入され、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを縮合反応させて感圧接着剤を形成した後にケイ素含有封止剤が感圧接着剤と反応するか、または
ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとその場で反応する、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を提供するステップと、
(ii)エチレン性不飽和モノマー及びステップ(i)のアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を50℃〜100℃の温度で開始剤の存在下で第1の溶媒中で重合させて、シリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成するステップと、
(iii)第1の溶媒を除去するステップと、
(iv)第2の溶媒を添加して、シリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成するステップであって、シリコーンアクリルハイブリッド組成物の相配置は、第2の溶媒の選択によって選択的に制御される、形成するステップと、
を含む方法によって調製されることによって記述され得る。
本発明で使用されるシリコーンアクリルハイブリッドPSA組成物はまた、
(i)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物であって、
シリコーン樹脂と、
シリコーンポリマーと、
前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を提供するケイ素含有封止剤であって、前記ケイ素含有封止剤は、一般式XYR’bSiZ3-b(式中、
Xは、一般式AE−の一価基であり、
但し、Eは、−O−または−NH−であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基であり、
Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、
R’は、メチルまたはフェニル基であり、
Zは、一価加水分解性有機基またはハロゲンであり、
bは、0または1である)のものである、ケイ素含有封止剤と、
の縮合反応生成物を含み、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させて感圧接着剤を形成し、ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させる前、その間、またはその後に導入され、
シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを縮合反応させて感圧接着剤を形成した後にケイ素含有封止剤が感圧接着剤と反応するか、または
ケイ素含有封止剤は、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとその場で反応する、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を提供するステップと、
(ii)エチレン性不飽和モノマー及びステップ(i)のアクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物を50℃〜100℃の温度で開始剤の存在下で第1の溶媒中で重合させて、シリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成するステップと、
(iii)処理溶媒を添加するステップであって、処理溶媒は、第1の溶媒よりも高い沸点を有する、添加するステップと、
(iv)第1の溶媒の大部分が選択的に除去されるように70℃〜150℃の温度で熱を加えるステップと、
(v)処理溶媒を除去するステップと、
(vi)第2の溶媒を添加して、シリコーンアクリルハイブリッド組成物を形成するステップであって、シリコーンアクリルハイブリッド組成物の相配置は、第2の溶媒の選択によって選択的に制御される、形成するステップと、
を含む方法によって調製されることによって記述され得る。
先の段落によるシリコーン樹脂は、式RX 3SiO1/2のトリオルガノシロキシ単位及び式SiO4/2の4官能性シロキシ単位を、各4官能性シロキシ単位に対して0.1〜0.9、好ましくは約0.6〜0.9のトリオルガノシロキシ単位の比で含むコポリマーを含有し得る。好ましくは、各RXは、独立して、1〜6個の炭素原子を有する一価炭化水素基、ビニル、ヒドロキシルまたはフェニル基を示す。
先の段落によるシリコーンポリマーは、少なくとも1つのポリジオルガノシロキサンを含み得、好ましくは、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドリド基、ビニル基、またはそれらの混合物からなる群から選択される官能基で末端封止されている(末端ブロックされている)。ジオルガノ置換基は、ジメチル、メチルビニル、メチルフェニル、ジフェニル、メチルエチル、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチル及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。好ましくは、ジオルガノ置換基は、メチル基のみを含有する。ポリジオルガノシロキサンの分子量は典型的には、約50,000〜約1,000,000、好ましくは約80,000〜約300,000の範囲である。好ましくは、ポリジオルガノシロキサンは、末端ブロックをするTRXASiO1/2単位で末端化されたARXSiO単位を含み、ポリジオルガノシロキサンは、25℃で約100センチポアズ〜約30,000,000センチポアズの粘度を有し、各A基は、独立して、RXまたは1〜6個の炭素原子を有するハロ炭化水素基から選択され、各T基は、独立して、RX、OH、HまたはORYからなる群から選択され、各RYは、独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。
好ましいシリコーン樹脂及び好ましいシリコーンポリマーの形態を使用する例として、1種類の感圧接着剤は、
(i)ケイ素結合ヒドロキシル基を含有し、かつ存在する各SiO4/2に対して0.6〜0.9のRX 3SiO1/2のモル比のRX 3SiO1/2単位及びSiO4/2単位から本質的になる少なくとも1つの樹脂コポリマー30〜80重量部(両端含む)、(ii)末端ブロックするTRXASiO1/2単位で末端化されたARXSiO単位を含む少なくとも1つのポリジオルガノシロキサンであって、そのポリジオルガノシロキサンが、25℃で約100センチポアズ〜約30,000,000センチポアズの粘度を有し、各RXが、1〜6個(両端含む)の炭素原子の炭化水素基からなる群から選択される一価有機基であり、各A基が、独立して、RXまたは1〜6個(両端含む)の炭素原子を有するハロ炭化水素基から選択され、各T基が、独立して、RX、OH、HまたはORYからなる群から選択され、各RYが、独立して、1〜4個(両端含む)の炭素原子のアルキル基である、ポリジオルガノシロキサン約20〜約70重量部、(iii)5,000〜15,000、より典型的には8,000〜13,000ppmの範囲のシラノール含有量、または濃度を提供することが可能な後述される、全体にわたって末端ブロック剤としても称される十分な量のケイ素含有封止剤の少なくとも1つ、所望の場合には(iv)(ii)によって提供されない場合は追加の触媒量のマイルドなシラノール縮合触媒、ならびに必要な場合には、(v)(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の混合物の粘度を低下させるための(i)、(ii)、(iii)及び(iv)に対して不活性な有効量の有機溶媒を混合し、少なくとも実質的な量の1つまたは複数のケイ素含有封止剤が(i)及び(ii)のケイ素結合ヒドロキシル基及びT基と反応するまで(i)、(ii)、(iii)及び(iv)の混合物を注視することによって製造される。追加のオルガノケイ素末端ブロック剤は、本発明の1つのまたは複数のケイ素含有封止剤(iii)と併せて使用され得る。
先の段落によるケイ素含有封止剤は、アクリレート官能性シラン、アクリレート官能性シラザン、アクリレート官能性ジシラザン、アクリレート官能性ジシロキサン、メタクリレート官能性シラン、メタクリレート官能性シラザン、メタクリレート官能性ジシラザン、メタ−アクリレート官能性ジシロキサン、及びそれらの組み合わせの群から選択され得、一般式XYR’bSiZ3-b(Xは、一般式AE−(Eは、−O−または
−NH−であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基である)の一価基であり、Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、R’は、メチルまたはフェニル基であり、Zは、一価加水分解性有機基またはハロゲンであり、bは、0、1または2である)のものとして記述され得る。好ましくは、一価加水分解性有機基は、一般式R’’0−(R’’は、アルキレン基である)のものである。最も好ましくは、この特定の末端ブロック剤は、3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)ジメチルメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)トリメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)ジメチルエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシ−プロピルトリイソプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルシラザン、3−アクリロキシ−プロピルジメチルクロロシラン、3−アクリロキシプロピルジクロロシラン、3−アクリロキシプロピル−トリクロロシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロキシ−プロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピル−ジメチルシラザン、及びそれらの組み合わせの群から選択される。
先の段落によるエチレン性不飽和モノマーは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する任意のモノマーであり得る。好ましくは、先の段落によるエチレン性不飽和モノマーは、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される化合物であり得る。その化合物の各々、すなわち、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、及び脂環式メタクリレートは、アルキル基を含むことを理解されたい。これらの化合物のアルキル基は、最大で20個の炭素原子を含み得る。エチレン性不飽和モノマーのうちの1つとして選択され得る脂肪族アクリレートは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソ−オクチルアクリレート、イソ−ノニルアクリレート、イソ−ペンチルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。エチレン性不飽和モノマーのうちの1つとして選択され得る脂肪族メタクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソ−オクチルメタクリレート、イソ−ノニルメタクリレート、イソ−ペンチルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。エチレン性不飽和モノマーのうちの1つとして選択され得る脂環式アクリレートは、シクロヘキシルアクリレートであり、エチレン性不飽和モノマーのうちの1つとして選択され得る脂環式メタクリレートは、シクロヘキシルメタクリレートである。
シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤を調製するために使用されるエチレン性不飽和モノマーは、複数のエチレン性不飽和モノマーであり得ることを理解されたい。すなわち、エチレン性不飽和モノマーの組み合わせが、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物及び開始剤と一緒に重合され、より具体的には共重合され得る。本発明の所定の実施形態によれば、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、アクリルモノマーとして、好ましくは2−エチルヘキシルアクリレート及びメチルアクリレートからなる群から選択される少なくとも2つの異なるエチレン性不飽和モノマーを、より好ましくは50%の2−エチルヘキシルアクリレート及び50%のメチルアクリレートの比、または60%の2−エチルヘキシルアクリレート及び40%のメチルアクリレートの比で使用することによって調製される。
先の段落による開始剤は、アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物及びエチレン性不飽和モノマーの重合を開始させてシリコーンアクリルハイブリッドを形成するのに好適な任意の物質であり得る。例えば、過酸化物、アゾ化合物、レドックス開始剤、及び光開始剤からなる群から選択されるフリーラジカル開始剤が使用され得る。
先の段落に従って使用され得るさらなる好適なシリコーン樹脂、シリコーンポリマー、ケイ素含有封止剤、エチレン性不飽和モノマー、及び開始剤は、WO2007/145996、EP2599847A1、及びWO2016/130408に詳述されている。
本発明の所定の実施形態によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーの反応生成物を含み、アクリルポリマーは、共有結合で自己架橋しており、シリコーンポリマー及び/またはシリコーン樹脂に共有結合している。
本発明の所定の他の実施形態によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーの反応生成物を含み、シリコーン樹脂は、トリオルガノシロキシ単位R3SiO1/2(Rは有機基である)、及び4官能性シロキシ単位SiO4/2を、各SiO4/2に対して0.1〜0.9のR3SiO1/2単位のモル比で含有する。
アクリルポリマーは、少なくともアルコキシシリル官能性モノマー、ポリシロキサン含有モノマー、ハロシリル官能性モノマーまたはアルコキシハロシリル官能性モノマーを含み得る。好ましくは、アクリルポリマーは、トリアルコキシシリル(メタ)アクリレート、ジアルコキシアルキルシリル(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物からなる群から選択されるアルコキシシリル官能性モノマーから調製されるか、または末端封止されたアルコキシシリル官能基を含む。アルコキシシリル官能基は好ましくは、トリメトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、トリエトキシシリル、ジエトキシメチルシリル基及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
アクリルポリマーはまた、ポリシロキサン含有モノマーを含む混合物、好ましくはポリジメチルシロキサンモノ(メタ)アクリレートを含む混合物から調製され得る。
シリル官能性モノマーは典型的には、アクリルポリマーの0.2〜20重量パーセントの量で使用され、より好ましくは、シリル官能性モノマーの量は、アクリルポリマーの約1.5〜約5重量パーセントの範囲である。
ポリシロキサン含有モノマーの量は典型的には、アクリルポリマーの1.5〜50重量パーセントの量で使用され、より好ましくは、ポリシロキサン含有モノマーの量は、アクリルポリマーの5〜15重量パーセントの範囲である。
代替的に、アクリルポリマーは、アクリル及びポリシロキサンのブロックまたはグラフトコポリマーを含む。ポリシロキサンブロックコポリマーの例は、ポリジメチルシロキサン−アクリルブロックコポリマーである。シロキサンブロックの好ましい量は、ブロックポリマー全体の10〜50重量パーセントである。
アクリルポリマーは、アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含む。使用され得る好ましいアルキル(メタ)アクリレートは、アルキル基中に最大で約18個の炭素原子、好ましくはアルキル基中に1〜約12個の炭素原子を有する。約0℃未満のホモポリマーTgを有する好ましい低ガラス転移温度(Tg)アルキルアクリレートは、アルキル基中に約4〜約10個の炭素原子を有し、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、デシルアクリレート、それらの異性体、及びそれらの組み合わせを含む。ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びイソオクチルアクリレートが特に好ましい。アクリルポリマー成分はさらに、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート及びイソブチルメタクリレートなどの高Tgを有する(メタ)アクリレートモノマーを含み得る。
アクリルポリマー成分はさらに、得られる接着剤の低温流動特性を改善するためにポリイソブチレン基を含み得る。
アクリルポリマー成分は、窒素含有極性モノマーを含み得る。例には、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−第3級オクチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−第3級ブチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、シアノエチルアクリレート、N−ビニルアセトアミド及びN−ビニルホルムアミドが含まれる。
アクリルポリマー成分は、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート及び/またはヒドロキシプロピルメタクリレートなどの1種以上のヒドロキシル含有モノマーを含み得る。
アクリルポリマー成分は、所望により、カルボン酸含有モノマーを含み得る。有用なカルボン酸は好ましくは、約3〜約6個の炭素原子を含有し、とりわけ、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどを含む。アクリル酸が特に好ましい。
他の有用なよく知られているコモノマーには、酢酸ビニル、スチレン、シクロヘキシルアクリレート、アルキルジ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート及びアリルグリシジルエーテル、ならびに、例えば、ポリ(スチリル)メタクリレートなどのマクロマーが含まれる。
本発明の実施において使用され得る1つのアクリルポリマー成分は、約90〜約99.5重量%のブチルアクリレート及び約0.5〜約10重量%のジメトキシメチルシリルメタクリレートを含むアクリルポリマーである。
本発明の所定の実施形態によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、(a)シリコーンポリマーをシリコーン樹脂と反応させて、結果生成物を形成し、(b)a)の結果生成物を反応性官能基を含有するアクリルポリマーと反応させることによって調製され得、この場合、これらの成分は、有機溶媒中で反応させる。
本発明の所定の実施形態によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、(a)シリコーン樹脂を反応性官能基を含有するアクリルポリマーと反応させて、結果生成物を形成し、(b)(a)の結果生成物をシリコーンポリマーと反応させることによって調製され得、この場合、これらの成分は、有機溶媒中で反応させる。
本発明の所定の実施形態によれば、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、(a)シリコーンポリマーを反応性官能基を含有するアクリルポリマーと反応させて、結果生成物を形成し、(b)(a)の結果生成物をシリコーン樹脂と反応させることによって調製され得、この場合、これらの成分は、有機溶媒中で反応させる。
シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーを一緒に化学的に反応させて先の段落によるシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを提供するために使用され得るさらなる好適なアクリルポリマー、シリコーン樹脂、及びシリコーンポリマーは、WO2010/124187に詳述されている。
本発明の所定の実施形態によれば、TTSに使用されるシリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、1つ以上の非ハイブリッドポリマーと混和され、好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、1つ以上の非ハイブリッド感圧接着剤(例えば、ポリシロキサンまたはアクリレートをベースとする感圧接着剤)と混和される。
非ハイブリッドポリマー
本発明の所定の実施形態によれば、TTSは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーに加えて、1つ以上の非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)を含む。非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)は、ハイブリッド種を含まないポリマー(例えば、ポリマーベースの感圧接着剤)である。ポリシロキサン、アクリレート、ポリイソブチレン、またはスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーをベースとする非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)が好ましい。
非ハイブリッドポリマー(例えば、非ハイブリッド感圧接着剤)は、活性剤含有層構造及び/または接着剤オーバーレイに含有され得る。
非ハイブリッド感圧接着剤は通常、n−ヘプタン及び酢酸エチルのような溶媒中で供給され、使用される。感圧接着剤の固形分含有量は通常、30%〜80%である。
本発明による好適な非ハイブリッドポリマーは、例えば、Bio−PSA(ポリシロキサン)、Oppanol(商標)(ポリイソブチレン)、JSR−SIS(スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー)またはDuro−Tak(商標)(アクリルポリマー)のブランド名で市販されている。
ポリシロキサンをベースとする感圧接着剤はまた、シリコーンベースの感圧接着剤、またはシリコーン感圧接着剤と称され得る。ポリシロキサンをベースとする感圧接着剤は、好ましくは60%〜80%の固形分含有量を有し得る。そのようなシリコーンベースのPSAは、他の有機感圧接着剤とは異なり、抗酸化剤、安定化剤、可塑剤、触媒または他の潜在的に抽出可能な成分のような添加剤を必要としない。これらの感圧接着剤は、湿潤肌を含む様々な肌の種類に好適なタック及び迅速な結合、好適な接着及び凝集の質、肌への長期接着性、高い柔軟度、水分に対する透過性、ならびに多くの活性物質及びフィルム基材への相溶性を提供する。それらに十分なアミン抵抗性、及びそのため、アミンの存在下での向上した安定性を提供することが可能である。そのような感圧接着剤は、シラノールで末端ブロックされたポリジメチルシロキサンとシリカ樹脂との縮合反応によって、アミン安定性のために残存シラノール官能基がトリメチルシロキシ基で追加的に封止されているポリシロキサンが調製されるポリマー中樹脂(resin−in−polymer)コンセプトをベースとする。シラノールで末端ブロックされたポリジメチルシロキサンの含有量は、粘弾性挙動の粘性要素に寄与し、接着剤の湿潤及び拡散性特性に影響を与える。その樹脂は、粘着剤及び強化剤として作用し、弾性要素に関与する。シラノールで末端ブロックされたポリジメチルシロキサンと樹脂との的確なバランスは、的確な接着特性を提供する。
市販されているシリコーンベースのPSA組成物の例には、Dow Corningによってn−ヘプタンまたは酢酸エチル中で製造され、典型的に供給される標準的なBIO−PSAシリーズ(7−4400、7−4500及び7−4600シリーズ)及びアミン適合性(末端封止された)BIO−PSAシリーズ(7−4100、7−4200及び7−4300シリーズ)が含まれる。例えば、BIO−PSA7−4201は、25℃及びヘプタン中約60%の固形分含有量で450mPasの溶液粘度ならびに30℃において0.01rad/sで1×108ポアズの複素粘度を特徴とする。BIO−PSA7−4301は、25℃及びヘプタン中約60%の固形分含有量で500mPasの溶液粘度ならびに30℃において0.01rad/sで5×106ポアズの複素粘度を有する。
ポリシロキサンは、n−ヘプタン、酢酸エチルまたは他の揮発性シリコーン流体のような溶媒中で供給され、使用される。溶媒中のポリシロキサンの固形分含有量は通常、60〜85%、好ましくは70〜80%である。当業者は、固形分含有量が、好適な量の溶媒を添加することによって変更され得ることを認識している。
本発明によるポリシロキサンをベースとする好ましい感圧接着剤は、好ましくはスピンドル番号5を備えるBrookfield RVT粘度計を50rpmで使用して測定して、25℃及びn−ヘプタン中60%の固形分含有量で約150mPasを超え、または約200mPas〜約700mPasの溶液粘度を特徴とする。これらはまた、30℃において0.01rad/sで約1×109ポアズ未満または約1×105〜約9×108ポアズの複素粘度を特徴とし得る。
本発明による好適なポリイソブチレンは、Oppanol(登録商標)の商品名で入手可能である。高分子量ポリイソブチレン(B100/B80)及び低分子量ポリイソブチレン(B10、B11、B12、B13)の組み合わせが使用され得る。低分子量ポリイソブチレン及び高分子量ポリイソブチレンの好適な比は、100:1〜1:100、好ましくは95:5〜40:60、より好ましくは90:10〜80:20の範囲である。ポリイソブチレンの組み合わせの好ましい例は、85/15の比のB10/B100である。Oppanol(登録商標)B100は、1,110,000の粘度平均分子量Mv、及び1,550,000の重量平均分子量Mw、ならびに2.9の平均分子量分布Mw/Mnを有する。Oppanol(登録商標)B10は、40,000の粘度平均分子量Mv、及び53,000の重量平均分子量Mw、ならびに3.2の平均分子量分布Mw/Mnを有する。所定の実施形態では、ポリイソブチレンにポリブテンが添加され得る。溶媒中のポリイソブチレンの固形分含有量は通常30〜50%、好ましくは35〜40%である。当業者は、固形分含有量が、好適な量の溶媒を添加することによって変更され得ることを認識している。
好ましい実施形態では、非ハイブリッドポリマーは、アクリルポリマーから選択される。好ましくは、アクリルポリマーは、アクリレートをベースとする感圧接着剤であり、アクリレートベースの感圧接着剤、またはアクリレート感圧接着剤とも称され得る。アクリレートをベースとする感圧接着剤は、好ましくは30%〜60%の固形分含有量を有し得る。アクリルポリマー、特にアクリレートベースの感圧接着剤は、ヒドロキシ基、カルボン酸基、中和カルボン酸基及びそれらの混合物などの官能基を含んでも含まなくてもよい。よって、「官能基」という用語は特に、ヒドロキシ及びカルボン酸基、ならびに脱プロトン化カルボン酸基を指す。
対応する市販製品は、例えば、HenkelからDuro Tak(登録商標)の商品名で入手可能である。そのようなアクリレートベースの感圧接着剤は、アクリル酸、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、t−オクチルアクリルアミド及び酢酸ビニルのうちの1つ以上から選択されるモノマーをベースとし、酢酸エチル、ヘプタン、n−ヘプタン、ヘキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2,4−ペンタンジオン、トルエンもしくはキシレンまたはそれらの混合物中で提供される。
特定のアクリレートベースの感圧接着剤は、
−Duro−Tak(商標)387−2287またはDuro−Tak(商標)87−2287(架橋剤を用いずに酢酸エチル中の溶液として提供される酢酸ビニル、2−エチルヘキシル−アクリレート、2−ヒドロキシエチル−アクリレート及びグリシジル−メタクリレートをベースとするコポリマー)、
−Duro−Tak(商標)387−2516またはDuro−Tak(商標)87−2516(チタン架橋剤を用いて酢酸エチル、エタノール、n−ヘプタン及びメタノール中の溶液として提供される酢酸ビニル、2−エチルヘキシル−アクリレート、2−ヒドロキシエチル−アクリレート及びグリシジル−メタクリレートをベースとするコポリマー)、
−Duro−Tak(商標)387−2051またはDuro−Tak(商標)87−2051(酢酸エチル及びヘプタン中の溶液として提供される、アクリル酸、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及び酢酸ビニルをベースとするコポリマー)、
−Duro−Tak(商標)387−2353またはDuro−Tak(商標)87−2353(酢酸エチル及びヘキサン中の溶液として提供される、アクリル酸、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルメタクリレート及びメタクリレートをベースとするコポリマー)、
−Duro−Tak(商標)87−4098(酢酸エチル中の溶液として提供される、2−エチルヘキシル−アクリレート及び酢酸ビニルをベースとするコポリマー)
として入手可能である。
また、凝集性及び/または接着性を向上させるために追加のポリマーも添加され得る。
所定のポリマーは特に、低温流動性を低下させ、よって、追加のポリマーとして特に好適である。そのようなポリマー組成物はしばしば、非常に高い粘度にもかかわらず、非常にゆっくり流動する能力を示すため、ポリマーマトリックスは低温流動性を示し得る。よって、保存中に、マトリックスは、裏地層の端部を越えて所定の程度流動し得る。これは、保存安定性に関する問題であり、所定のポリマーの添加によって防止され得る。塩基性アクリレートポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)E100)は、例えば、低温流動性を低下させるために使用され得る。よって、所定の実施形態では、マトリックス層組成物は、塩基性ポリマー、特に、例えば、Eudragit(登録商標)E100などのアミン官能性アクリレートを追加的に含む。Eudragit(登録商標)E100は、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートを2:1:1の比でベースとするカチオン性コポリマーである。これらのモノマーは、コポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。SEC法に基づいて、Eudragit(登録商標)E100の重量平均モル質量(Mw)は、およそ47,000g/molである。
引張強度試験機を使用してニコチン含有接着剤マトリックス層を用いて接着力試験を実施した。試験の前に、サンプルをおよそ室温(23±2℃)及びおよそ50%rh(相対湿度)で制御された条件下で24時間平衡化した。さらに、サンプルを25mmの固定幅及び好適な長さを有する断片に切断した。非接着的に備えられたホイルの最初の数ミリメートルを引き剥がし、開放された接着面にスプライシングテープを適用する。次いで、非接着性ホイルを完全に取り除き、洗浄した試験プレート(アルミニウムまたはステンレス鋼)の中央部の上に接着表面を長手方向にしてサンプルを置いた。試験プレートを引張強度機械の下側クランプに固定した。その機械をゼロに調節し、スプライシングテープをその機械の上側クランプに把持させた。引張角度を90°に設定した。3つのサンプルの接着力を測定した後、接着力の平均値を計算した。測定値は、単位「N/サンプル幅」[N/25mm]に基づく。
タック(短時間の接触後に接着剤表面から物体を分離するのに必要な力)試験は、プローブタック試験機PT−1000(ChemInstruments)を使用して、反転プローブ機を使用する接着剤の感圧タックのための標準的試験法(ASTM D2979−01;2009年再承認)に従ってニコチン含有接着剤マトリックス層を用いて実施した。試験の前に、サンプルをおよそ室温(23±2℃)及びおよそ50%rhで制御された条件下で24時間平衡化した。タックを決定するために、5mmの直径を有する洗浄されたプローブの先端を、ニコチン含有接着剤マトリックス層の接着剤表面と、規定の速度(10±0.1mm/s)で、規定の圧力(9.79±0.10 kPa)下で、所与の温度(23±2℃)で1秒間接触させ、その後、プローブと接着剤との間に形成された結合を同じ速度で破断させた。タックは、接着結合を破断するのに必要とされる最大の力として測定された(ASTM D2979−01;2009年再承認を参照)。完了後、3つの関連するサンプルの個々の結果から平均値を計算し、平均タック値を[N]で報告した。
さらなる添加剤
本発明によるTTS、特にニコチン含有層は、少なくとも1つの賦形剤または添加剤をさらに含み得る。特に、ニコチン含有層は、架橋剤、可溶化剤、充填剤、粘着付与剤、フィルム形成剤、可塑剤、安定化剤、軟化剤、スキンケア用物質、透過促進剤、pH調整剤、及び防腐剤からなる群から選択されるさらなる賦形剤または添加剤を含む。そのような添加剤は、ニコチン含有層中に0.001〜10重量%の量で存在し得る。
薬学的製剤において、製剤成分は、それらの物理化学的及び生理学的特性に従って、また、それらの機能に従って分類されることが留意されるべきである。これは特に、あるカテゴリーに入る物質または化合物が、製剤成分の別のカテゴリーに入ることから除外されないことを意味する。例えば、所定のポリマーは、非ハイブリッドポリマーであり得るが、フィルム形成剤でもあり得る。いくつかの物質は、例えば、典型的な軟化剤であり得るが、同時に透過促進剤として作用する。当業者は、所定の物質または化合物が製剤成分のどの1つまたは複数のカテゴリーに属するかという当業者の一般知識に基づいて決定することができる。以下において、賦形剤及び添加剤に関する詳細が提供されるが、これらは排他的であると理解されるべきではない。本明細書に明示的に列挙されていない他の物質も同様に、本発明に従って使用され得、製剤成分の1つのカテゴリーに列挙されている物質及び/または化合物は、本発明の意味で別の製剤成分として使用されることから排除されない。
架橋剤は特に、アルミニウムアセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネートまたはポリブチルチタネートなどのアルミニウム及びチタン架橋剤からなる群から選択され得、好ましくはチタン架橋剤である。架橋剤の量は、ニコチン含有層の0.005〜1%、好ましくは0.01〜0.1%の範囲であり得る。ニコチン含有層はまた、自己架橋性である、すなわち、加熱すると反応するグリシジル基などの架橋性官能基を含むポリマーを含み得る。さらなる特定の実施形態によれば、ニコチン含有層は、上記の架橋剤及び自己架橋性ポリマーを含む。
一実施形態では、ニコチン含有層は、安定化剤をさらに含み、安定化剤は好ましくは、トコフェロール及びそのエステル誘導体ならびにアスコルビン酸及びそのエステル誘導体から選択される。好ましい安定化剤には、トコフェロール及びそのエステル誘導体、アスコルビン酸及びそのエステル誘導体、ブチルヒドロキシルアニソールならびにブチルヒドロキシルトルエンが含まれる。特にトコフェロールが好ましい。
ニコチン含有層が自己接着特性を有することが必要とされ、十分な自己接着特性を提供する/提供しない1つ以上のポリマーが選択される場合、粘着付与剤が添加される。粘着付与剤は、トリグリセリド、ジプロピレングリコール、樹脂、樹脂エステル、テルペン及びその誘導体、エチレン酢酸ビニル接着剤、ジメチルポリシロキサン及びポリブテンから選択され得る。
ニコチン含有層は、透過促進剤を含み得る。透過促進剤は、活性剤の透過性を増大させるという意味で、角質層の障壁特性に影響を及ぼす物質である。透過促進剤のいくつかの例は、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコールなどの多価アルコール;オリーブ油、スクワレン、及びラノリンなどの油;セチルエーテル及びオレイルエーテルなどの脂肪エーテル;ミリスチン酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル;アラントインなどの尿素及び尿素誘導体;ジメチルデシルホスホキシド、メチルセチルスルホキシド、ジメチルラウリルアミン、ドデシルピロリドン、イソソルビトール、ジメチルアセトニド、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、及びジメチルホルムアミドなどの極性溶媒;サリチル酸;アミノ酸;ニコチン酸ベンジル;ならびにラウリル硫酸塩などの高分子量脂肪族界面活性剤である。他の薬剤には、オレイン酸及びリノール酸、アスコルビン酸、パンテノール、ブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェロール、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、オレイン酸プロピル、及びパルミチン酸イソプロピルが含まれる。好ましくは、透過促進剤は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸ラウリル、ジメチルプロピレン尿素及びプロピレングリコールモノエステルと脂肪酸のジエステルの混合物から選択される。
透過促進剤が存在しない場合であっても、TTSはニコチンの十分な透過性を提供することが判明した。そのため、本発明の所定の実施形態では、ニコチン含有層は、透過促進剤を含まない。他の実施形態では、ニコチン含有層は、いかなるさらなる賦形剤または添加剤も含まず、ニコチン及びポリマーマトリックス、好ましくはニコチン及びシリコーンアクリルハイブリッドポリマーのみから構成される。
凝集性及び結合強度などの所定の物理的パラメータに所望の方法で影響を及ぼすために、シリカゲル、二酸化チタン及び酸化亜鉛などの充填剤がポリマーと併せて使用され得る。
一般に、本発明によれば、さらなる賦形剤または添加剤は必要とされないことが好ましい。よって、TTSは、低い複雑さの構造を有する。
放出特性
本発明によるTTSは、ニコチンを既定の長期間、全身循環に経皮投与するために設計される。
一態様では、上述されるような本発明によるTTSは、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間または少なくとも24時間の投与にわたって2〜60mg/日、好ましくは5〜45mg/日、より好ましくは5〜20mg/日、10〜35mg/日または15〜45mg/日の平均放出速度を提供する。
所定の実施形態によれば、上述したような本発明によるTTSは、5μg/cm2−時間〜80μg/cm2−時間、好ましくは10μg/cm2−時間〜60μg/cm2−時間、より好ましくは15μg/cm2−時間〜50μg/cm2−時間のデルマトーム化ヒト皮膚を用いてフランツ拡散セルで測定される24時間目のニコチンの累積皮膚透過速度を提供する。
所定の実施形態では、上述したような本発明による経皮治療システムは、24時間の期間にわたって0.2mg/cm2〜2.0mg/cm2、好ましくは0.3mg/cm2〜1.5mg/cm2、より好ましくは0.4mg/cm2〜1.2mg/cm2のデルマトーム化ヒト皮膚を用いてフランツ拡散セルで測定されるニコチンの累積透過量を提供する。
治療方法/医学的使用
本発明の特定の態様によれば、本発明によるTTSは、治療方法で使用するためのものである。特に、本発明によるTTSは、ヒト患者を治療する方法で使用するためのものである。
所定の実施形態では、本発明によるTTSは、ニコチン中毒を治療する方法、禁煙治療の方法、パーキンソン病を治療する方法またはアルツハイマー病を治療する方法で使用するためのものである。
TTSはさらに、TTSを少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間または少なくとも24時間、特に6時間、8時間、12時間、16時間または24時間適用することを含む治療方法で使用するためのものであり得る。
したがって、本発明はまた、例えば、1日3回のTTS交換様式、1日2回のTTS交換様式または1日1回のTTS交換様式(8時間、12時間または24時間の投薬間隔)での24時間治療で、または周期的治療で、例えば、日中での(例えば、TTSが6時間、8時間、12時間または16時間適用される)、治療方法で使用するための、特にニコチン中毒を治療する方法、禁煙治療の方法、パーキンソン病を治療する方法またはアルツハイマー病を治療する方法で使用するためのTTSに関する。
別の特定の態様によれば、本発明はまた、治療方法、特にヒト患者を治療する方法に関する。
本発明は特に、本発明による経皮治療システムを患者の皮膚に適用することを含む、治療方法に関する。
本発明は特に、ニコチン中毒を治療する方法、禁煙治療の方法、パーキンソン病を治療する方法またはアルツハイマー病を治療する方法であって、本発明による経皮治療システムを患者の皮膚に適用することを含む、方法に関する。
上記で概説した治療方法は特に、本発明による経皮治療システムを患者の皮膚に少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間または少なくとも24時間適用することを含み得る。
上記で概説した治療方法はまた、本発明による経皮治療システムを患者の皮膚に6時間、8時間、12時間、16時間または24時間適用することを含み得る。
したがって、本発明はまた、1日3回のTTS交換様式、1日2回のTTS交換様式または1日1回のTTS交換様式(8時間、12時間または24時間の投薬間隔)での24時間治療で、または周期的治療で、例えば、日中での(例えば、TTSが6時間、8時間、12時間または16時間適用される)、治療方法に関する。
本発明者は、驚くべきことに、比較的一定のニコチン血漿濃度が、ニコチンの経皮送達によって長期間維持され得ることを示した。
製造プロセス
本発明はさらに、経皮治療システムで使用するためのニコチン含有層ならびに対応するニコチン含有層構造及び対応するTTSの製造プロセスに関する。
ニコチン含有感圧接着剤層を製造するための本発明のプロセスは、
(1)少なくとも成分であるニコチン及びシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを溶媒中で組み合わせてコーティング組成物を得るステップと、
(2)コーティング組成物を裏地層または離型ライナー上にコーティングするステップと、
(3)コーティングされたコーティング組成物を乾燥させてニコチン含有感圧接着剤層を形成するステップと、
を含む。
この製造プロセスでは、好ましくはステップ(1)において、ニコチンを溶解してコーティング組成物を得る。
上述したプロセスでは、溶媒は、アルコール性溶媒、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの混合物、ならびに非アルコール性溶媒、特に酢酸エチル、ヘキサン、n−ヘプタン、石油エーテル、トルエン、及びそれらの混合物から選択され、より好ましくはヘキサンから選択される。
ヘキサンもしくは低い沸点を有する他の溶媒または他の揮発性溶媒を使用することによって、乾燥温度は低く維持され、よって、乾燥中の活性物質の大幅な損失を回避し得る。
よって、好ましい実施形態では、酢酸エチル中のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー溶液を乾燥させ、得られたシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを上記のプロセスにおけるステップ(1)の前にn−ヘキサンに溶解する。
他の好ましい実施形態では、上記のプロセスのステップ(1)では、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、酢酸エチル、ヘキサン、またはn−ヘプタン、好ましくはヘキサンから乾燥させて、またはそれらの溶液として提供される。
所定の実施形態では、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、30〜70重量%の固形分含有量を有する酢酸エチル、ヘキサン、n−ヘプタン、メタノールまたはエタノール中の溶液として提供される。好ましくは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、40〜60重量%の固形分含有量を有するヘキサン中の溶液として提供される。
ステップ(3)では、乾燥は、好ましくは0〜50℃、より好ましくは20〜40℃の温度で、特に30℃または室温で実施される。
これより本発明を付随の実施例を参照してより十分に説明する。しかしながら、以下の説明は例示的なものにすぎず、決して本発明の制限として解釈されるべきはないことが理解されるべきである。組成物中の成分の量及び面積あたり重量に関して実施例で提供される数値は、製造上の変動のため、わずかに変化し得る。
実施例1
コーティング組成物
実施例1及び参考例1Cのニコチン含有コーティング組成物の配合が以下の表1.1にまとめられている。配合は、表1.1にも示されているように、重量パーセントに基づく。
Figure 2021517576
コーティング組成物の調製
ビーカーにシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤溶液を入れ、溶媒を蒸発させた。シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤をn−ヘキサンに再溶解し、ニコチン塩基を添加し、次いで均質な混合物が得られるまで混合物を撹拌した(別段示されない限り、撹拌時間は、実施例全体を通してシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤を再溶解するための3時間以上である)。
コーティング組成物のコーティング
得られたニコチン含有コーティング組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(フッ素ポリマーコーティングされ、75μmの厚さであり、離型ライナーとして機能し得る)上にコーティングし、室温でおよそ4分間乾燥させた。コーティングの厚さは、112.0 g/m2のニコチン含有感圧接着剤層の面積あたり重量を提供した。乾燥したフィルムをポリエチレンテレフタレート裏地層(15μmの厚さ)と積層して、ニコチン含有自己接着性層構造を提供した。
TTSの調製
次いで個々のシステム(TTS)をニコチン含有自己接着性層構造から打ち抜いた。特定の実施形態では、上述されるTTSは、活性剤を含まない感圧接着剤マトリックス層を含む、好ましくは丸みを帯びた角部を有する、より大きな表面積のさらなる自己接着性層を備え得る。これは、TTSが、その物理的特性のみに基づいて、皮膚に十分に接着しない場合、及び/またはニコチン含有マトリックス層が、むだを回避する目的で、顕著な角部を有する(正方形または長方形の形状)場合に有利である。次いでTTSを打ち抜き、一次包装材のパウチに封入する。
皮膚透過速度の測定
(i)実施例1に従って調製されたTTS及び(ii)NicoDerm(登録商標)CQ(登録商標)パッチ(21mg)の透過量及び対応する皮膚透過速度を、10mlのフランツ拡散セルを用いて行ったOECDガイドライン(2004年4月13日採択)に従ってin vitro実験によって決定した。NicoDerm(登録商標)CQ(登録商標)(21mg/24時間)は、5.182mg/cm2のニコチン含有量及び22cm2のパッチサイズを有する市販のTTSである。
分層ヒト皮膚(男性腹部、1979年生まれ)を使用した。すべてのTTSについて無傷の表皮を有する800μmの厚さに皮膚を調製するためにデルマトームを使用した。0.814cm2の面積を有するダイカットをTTSから打ち抜いた。32±1℃の温度でフランツセルの受容体媒体(抗菌剤として0.1%アジ化溶液を有するリン酸緩衝液pH5.5)中のニコチン透過量を測定し、対応する皮膚透過速度を計算した。結果が表1.2及び1.3ならびに図1A及び1Bに示されている。
Figure 2021517576
Figure 2021517576
ニコチンの利用率
24時間でのニコチンの利用率を、24時間での累積透過量及び初期ニコチン含有量に基づいて計算した。結果が表1.4及び図1Cに示されている。
Figure 2021517576
実施例2A〜2D
コーティング組成物
実施例2A〜2Dのニコチン含有コーティング組成物の配合が以下の表2.1にまとめられている。配合は、表2.1にも示されているように、重量パーセントに基づく。
Figure 2021517576
コーティング組成物の調製
実施例2A及び2Bならびに実施例2C及び2Dの層1のコーティング組成物を実施例1について概説したように調製した。
実施例2C及び2Dの層2については、製造者によって提供されるシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤溶液(実施例2Cの場合はDow−Corning(登録商標)7−6101及び実施例2Dの場合はDow−Corning(登録商標)7−6102)をコーティング組成物として使用した。
コーティング組成物のコーティング、実施例2A及び2B
実施例2A及び2Bについて、得られたニコチン含有コーティング組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(フッ素ポリマーコーティングされ、75μmの厚さであり、離型ライナーとして機能し得る)上にコーティングし、室温でおよそ6分間乾燥させた。コーティングの厚さは、それぞれ150g/m2(実施例2A)及び234g/m2(実施例2B)のニコチン含有感圧接着剤層の面積あたり重量を提供した。乾燥したフィルムをポリエチレンテレフタレート裏地層(15μmの厚さ)と積層して、ニコチン含有自己接着性層構造を提供した。
コーティング組成物のコーティング、実施例2C及び2D
実施例2C及び2Dについて、得られたニコチン含有コーティング組成物(層1)をポリエチレンテレフタレート裏地層(15μmの厚さ)上にコーティングし、室温でおよそ10分間乾燥させた。コーティングの厚さは、113g/m2(実施例2C)及び130g/m2(実施例2D)のニコチン含有感圧接着剤層(層1)の面積あたり重量を提供した。層2のコーティング組成物、すなわち、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(実施例2Cの場合はフッ素ポリマーコーティングされ、75μmの厚さであり、離型ライナーとして機能し得、実施例2Dの場合はシリコーン化され、100μmの厚さを有し、離型ライナーとして機能し得る)上にコーティングし、室温でおよそ10分間乾燥させ、続いて80℃で10分間乾燥させた。コーティング厚さは、115g/m2(実施例2C)及び105g/m2(実施例2D)の層2の面積あたり重量を提供した。ニコチン含有層(層1)の接着部位を、コーティング及び乾燥させたニコチン非含有層(層2)の接着部位に積層した結果、ニコチン含有自己接着性層構造がもたらされた。
TTSの調製
次いで個々のシステム(TTS)をニコチン含有自己接着性層構造から打ち抜いた。特定の実施形態では、上述されるTTSは、活性剤を含まない感圧接着剤マトリックス層を含む、好ましくは丸みを帯びた角部を有する、より大きな表面積のさらなる自己接着性層を備え得る。これは、TTSが、その物理的特性のみに基づいて、皮膚に十分に接着しない場合、及び/またはニコチン含有マトリックス層が、むだを回避する目的で、顕著な角部を有する(正方形または長方形の形状)場合に有利である。次いでTTSを打ち抜き、一次包装材のパウチに封入する。
皮膚透過速度の測定
(i)実施例2A〜2Dに従って調製されたTTSならびに(ii)Nicorette(登録商標)パッチ及びNicotinell(登録商標)パッチの透過量及び対応する皮膚透過速度を、10mlのフランツ拡散セルを用いて行ったOECDガイドライン(2004年4月13日採択)に従ってin vitro実験によって決定した。Nicorette(登録商標)は、1.750mg/cm2のニコチン含有量を有するポリアクリレートをベースとする市販のTTSである。Nicotinell(登録商標)は、ポリアクリレートをベースとする市販のTTSであり、1.75mg/cm2の量でニコチンを含有する。Nicotinell(登録商標)の透過速度の測定に使用した2.5mg/cm2のニコチン含有量を有するダイカットは、市販のパッチのNicotinell(登録商標)から、そのパッチの中央領域から1.188cm2の面積を有するダイカットを打ち抜くことによって得た。
分層ヒト皮膚(女性腹部、1970年生まれ)を使用した。すべてのTTSについて無傷の表皮を有する800μmの厚さに皮膚を調製するためにデルマトームを使用した。1.188cm2の面積を有するダイカットをTTSから打ち抜いた。32±1℃の温度でフランツセルの受容体媒体(抗菌剤として0.1%アジ化生理食塩水を有するリン酸緩衝液pH5.5)中のニコチン透過量を測定し、対応する皮膚透過速度を計算した。結果が表2.2〜2.5ならびに図2A及び2Bに示されている。
Figure 2021517576
Figure 2021517576
Figure 2021517576
Figure 2021517576
ニコチンの利用率
24時間でのニコチンの利用率を、24時間での累積透過量及び初期ニコチン含有量
に基づいて計算した。結果が表2.6及び図2Cに示されている。
Figure 2021517576
本発明は特に、以下のさらなる事項に関する。
1.ニコチン含有層構造を含む、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、前記ニコチン含有層構造は、
A)裏地層と、
B)ニコチン含有層と、
を含み、
前記経皮治療システムは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含み、
前記ニコチン含有層は、少なくとも0.8mg/cm2のニコチンを含む、前記経皮治療システム。
2.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、事項1に記載の経皮治療システム。
3.前記ニコチン含有層は、マトリックス層であり、好ましくはニコチン含有感圧接着剤層である、事項1または2に記載の経皮治療システム。
4.前記ニコチン含有層は、
1.ニコチンと、
2.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーと、
を含む、事項1〜3のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
5.前記ニコチン含有層構造は、ニコチン含有自己接着性層構造である、事項1〜4のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
6.前記ニコチン含有層構造は、治療的有効量のニコチンを含有する、事項1〜5のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
7.前記ニコチン含有層は、少なくとも0.90mg/cm2、好ましくは少なくとも0.95mg/cm2、より好ましくは少なくとも1.15mg/cm2のニコチンを含み、及び/または
前記ニコチン含有層は、5.0mg/cm2未満、4.0mg/cm2未満、3.0mg/cm2未満または2.0mg/cm2未満のニコチンを含む、事項1〜6のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
8.前記ニコチン含有層の面積あたり重量は、少なくとも80g/m2または少なくとも90g/m2であるか、または80〜300g/m2、好ましくは90〜270g/m2、より好ましくは100〜230g/m2の範囲である、事項1〜7のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
9.前記ニコチン含有層中のニコチンの量は、前記ニコチン含有層の2〜15%、好ましくは3〜12%、より好ましくは4〜10%の範囲である、事項1〜8のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
10.前記経皮治療システム中に含有されているニコチンの量は、5〜90mg、好ましくは8〜75mg、最も好ましくは10〜60mgの範囲である、事項1〜9のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
11.前記ニコチン含有層構造は、追加の皮膚接触層を含まない、事項1〜10のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
12.前記ニコチン含有層構造は、追加の皮膚接触層を含み、
前記追加の皮膚接触層は、ニコチンを含むかまたは含まず、好ましくはニコチンを含まない、事項1〜10のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
13.前記追加の皮膚接触層は、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー、非ハイブリッドポリマー、好ましくは非ハイブリッド感圧接着剤、またはそれらの混合物を含む感圧接着剤層である、事項12に記載の経皮治療システム。
14.前記ニコチン含有層中の前記ニコチンは、遊離塩基の形態で含まれる、事項1〜13のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
15.前記ニコチン含有層は、前記ニコチンを遊離塩基の形態で組み込むことによって得ることができる、事項1〜14のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
16.前記ニコチン含有層中の前記ニコチンの少なくとも90mol%、好ましくは少なくとも95mol%、より好ましくは少なくとも98mol%、最も好ましくは少なくとも99mol%が遊離塩基の形態で存在する、事項1〜15のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
17.前記ニコチン含有層中の前記ニコチンは、完全に溶解しているか、または
前記ニコチン含有層は、好ましくはニコチン遊離塩基から構成されるニコチン液滴を含有する、事項1〜16のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
18.前記ニコチン含有層は、前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含むニコチン含有感圧接着剤層であり、
前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーの量は、前記ニコチン含有層の総重量を基準として、55〜98重量%、好ましくは70〜97重量%または80〜96重量%の範囲である、事項1〜17のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
19.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物 から得ることができるシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、事項1〜18のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
20.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
(a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物と、
(b)エチレン性不飽和モノマーと、
(c)開始剤と、
の反応生成物を含むシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、事項1〜19のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
21.前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は、
(a1)ケイ素樹脂と、
(a2)シリコーンポリマーと、
(a3)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有封止剤と、
の縮合反応生成物を含む、事項19または20に記載の経皮治療システム。
22.前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は、
(a1)ケイ素樹脂と、
(a2)シリコーンポリマーと、
(a3)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むシリコーン含有封止剤であって、前記ケイ素含有封止剤は、一般式XYR’bSiZ3-b(Xは、一般式AE(Eは、−O−または−NH−であり、Aは、アクリル基またはメタクリル基である)の一価基であり、Yは、1〜6個の炭素原子を有する二価アルキレン基であり、R’は、メチルまたはフェニル基であり、Zは、一価加水分解性有機基またはハロゲンであり、bは、0または1である)のものである、前記ケイ素含有封止剤と、
の縮合反応生成物を含み、
前記シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させて感圧接着剤を形成し、前記シリコーン含有封止剤は、前記シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを反応させる前、その間、またはその後に導入され、
前記シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーを縮合反応させて前記感圧接着剤を形成した後に前記シリコーン含有封止剤が前記感圧接着剤と反応するか、または前記シリコーン含有封止剤は、前記シリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとその場で反応する、事項19〜21のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
23.前記エチレン性不飽和モノマーは、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記化合物の各々は、アルキル基中に最大で20個の炭素原子を有する、事項20〜22のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
24.
(a)前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物と、
(b)前記エチレン性不飽和モノマーと、
(c)前記開始剤と、
の前記反応生成物は、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有する、事項20〜23のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
25.
(a)前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物と、
(b)前記エチレン性不飽和モノマーと、
(c)前記開始剤と、
の前記反応生成物は、連続的なアクリル外部相及び不連続的なシリコーン内部相を含有する、事項20〜23のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
26.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーの反応生成物を含み、前記アクリルポリマーは、共有結合で自己架橋しており、前記シリコーンポリマー及び/または前記シリコーン樹脂に共有結合している、事項1〜18のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
27.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有する、事項1〜26のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
28.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、連続的なアクリル外部相及び不連続的なシリコーン内部相を含有する、事項1〜27のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
29.前記ニコチン含有層は、非ハイブリッドポリマーを含むかまたは含まず、
前記非ハイブリッドポリマーは好ましくは、非ハイブリッド感圧接着剤であり、
前記非ハイブリッドポリマーは好ましくは、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、スチレンーイソプレンースチレンブロックコポリマー及びアクリルポリマーから選択される、事項1〜28のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
30.前記非ハイブリッドポリマーは、アクリルポリマーから選択される、事項29に記載の経皮治療システム。
31.前記非ハイブリッドポリマーは、官能基を含むかまたは官能基を含まないアクリルポリマーから選択される、事項30に記載の経皮治療システム。
32.前記ニコチン含有層は、前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含むニコチン含有感圧接着剤層であり、
前記ニコチン含有層中の総ポリマー含有量は、前記ニコチン含有層の75〜98%、好ましくは80〜98%、より好ましくは85〜98%の範囲である、事項29〜31のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
33.放出領域は、2〜100cm2、好ましくは5〜50cm2、より好ましくは7〜30cm2の範囲である、事項1〜32のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
34.前記ニコチン含有層は、透過促進剤を含まない、事項1〜33のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
35.前記ニコチン含有層は、いかなるさらなる賦形剤または添加剤も含まない、事項1〜34のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
36.前記ニコチン含有層は、架橋剤、可溶化剤、充填剤、粘着付与剤、フィルム形成剤、可塑剤、安定化剤、軟化剤、スキンケア用物質、透過促進剤、pH調整剤、及び防腐剤からなる群から選択されるさらなる賦形剤または添加剤を含む、事項1〜35のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
37.前記粘着付与剤は、トリグリセリド、ジプロピレングリコール、樹脂、樹脂エステル、テルペン及びそれらの誘導体、エチレン酢酸ビニル接着剤、ジメチルポリシロキサンならびにポリブテンから選択される、事項36に記載の経皮治療システム。
38.前記安定化剤は、トコフェロール及びそのエステル誘導体、アスコルビン酸及びそのエステル誘導体、ブチルヒドロキシルアニソールならびにブチルヒドロキシトルエンから選択される、事項36に記載の経皮治療システム。
39.前記透過促進剤は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸ラウリル、ジメチルプロピレン尿素及びプロピレングリコールモノエステルと脂肪酸のジエステルの混合物から選択される、事項36に記載の経皮治療システム。
40.前記経皮治療システムは、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間または少なくとも24時間の投与にわたって2〜60mg/日、好ましくは5〜45mg/日、より好ましくは5〜20mg/日、10〜35mg/日または15〜45mg/日の平均放出速度を提供する、事項1〜39のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
41.5μg/cm2−時間〜80μg/cm2−時間、好ましくは10μg/cm2−時間〜60μg/cm2−時間、より好ましくは15μg/cm2−時間〜50μg/cm2−時間のデルマトーム化ヒト皮膚を用いてフランツ拡散セルで測定される24時間目のニコチンの累積皮膚透過速度を提供する、事項1〜40のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
42.24時間の期間にわたって0.2mg/cm2〜2.0mg/cm2、好ましくは0.3mg/cm2〜1.5mg/cm2、より好ましくは0.4mg/cm2〜1.2mg/cm2のデルマトーム化ヒト皮膚を用いてフランツ拡散セルで測定されるニコチンの累積透過量を提供する、事項1〜41のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
43.離型ライナー及び/または接着剤オーバーレイをさらに含む、事項1〜42のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
44.前記裏地層は、実質的にニコチン不透過性である、事項1〜43のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
45.治療方法で使用するための、事項1〜44のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
46.ニコチン中毒を治療する方法、禁煙治療の方法、パーキンソン病を治療する方法またはアルツハイマー病を治療する方法で使用するための、事項45に記載の経皮治療システム。
47.前記経皮治療システムを少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間または少なくとも24時間適用することを含む、治療方法で使用するための、事項45または46に記載の経皮治療システム。
48.前記経皮治療システムを6時間、8時間、12時間、16時間または24時間適用することを含む、治療方法で使用するための、事項47に記載の経皮治療システム。
49.事項1〜44のいずれか1項に記載の経皮治療システムを患者の皮膚に適用することを含む、治療方法。
50.ニコチン中毒を治療する方法及び/または禁煙治療の方法、パーキンソン病を治療する方法またはアルツハイマー病を治療する方法であって、
事項1〜44のいずれか1項に記載の経皮治療システムを患者の皮膚に適用することを含む、前記方法。
51.事項1〜44のいずれか1項に記載の経皮治療システムを患者の皮膚に少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間または少なくとも24時間適用することを含む、事項49または50に記載の治療方法。
52.事項1〜44のいずれか1項に記載の経皮治療システムを患者の皮膚に6時間、8時間、12時間、16時間または24時間適用することを含む、事項49〜51のいずれか1項に記載の治療方法。
53.ニコチン含有感圧接着剤層を製造するためのプロセスであって、
(1)少なくとも成分であるニコチン及びシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを溶媒中で組み合わせてコーティング組成物を得るステップと、
(2)前記コーティング組成物を裏地層または離型ライナー上にコーティングするステップと、
(3)前記コーティングされたコーティング組成物を乾燥させて前記ニコチン含有感圧接着剤層を形成するステップと、
を含む、前記プロセス。
54.ステップ(1)の前に酢酸エチル中のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー溶液を乾燥させ、得られたシリコーンアクリルハイブリッドポリマーをヘキサンに溶解するステップをさらに含む、事項53に記載のプロセス。
55.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、乾燥形態で、または酢酸エチル中、ヘキサン中、またはn−ヘプタン中、好ましくはヘキサン中の溶液として提供される、事項53に記載のプロセス。
56.前記溶媒は、アルコール性溶媒、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの混合物、ならびに非アルコール性溶媒、特に酢酸エチル、ヘキサン、n−ヘプタン、石油エーテル、トルエン、及びそれらの混合物から選択され、より好ましくはヘキサンから選択される、事項53〜55のいずれか1項に記載のプロセス。
57.ニコチン含有自己接着性層構造を含む、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
(A)裏地層と、
(B)ニコチン含有感圧接着剤層であって、
1.前記ニコチン含有感圧接着剤層の4%〜10%の量で遊離塩基の形態で含まれるニコチンと、
2.前記ニコチン含有感圧接着剤層の90〜96%の量のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤と、
を含む、前記ニコチン含有感圧接着剤層と、
を含み、
前記ニコチン含有感圧接着剤層の面積あたり重量は、100〜250g/m2であり、
前記ニコチン含有感圧接着剤層中の前記シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有し、
前記自己接着性層構造は、追加の皮膚接触層を含まない、前記経皮治療システム。
58.ニコチン含有自己接着性層構造を含む、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、
(A)裏地層と、
(B)ニコチン含有感圧接着剤層であって、
1.前記ニコチン含有感圧接着剤層の6%〜10%の量で遊離塩基の形態で含まれるニコチンと、
2.前記ニコチン含有感圧接着剤層の90〜94%の量のシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤と、
を含む、前記ニコチン含有感圧接着剤層と、
を含み、
前記ニコチン含有感圧接着剤層の面積あたり重量は、90〜150g/m2であり、
前記ニコチン含有感圧接着剤層中の前記シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤は、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有し、
前記自己接着性層構造は、80〜140g/m2の面積あたり重量を有する追加の皮膚接触層を含む、前記経皮治療システム。

Claims (18)

  1. ニコチン含有層構造を含む、ニコチンの経皮投与のための経皮治療システムであって、前記ニコチン含有層構造は、
    (A)裏地層と、
    (B)ニコチン含有層と、
    を含み、
    前記経皮治療システムは、シリコーンアクリルハイブリッドポリマーを含み、
    前記ニコチン含有層は、少なくとも0.8mg/cm2のニコチンを含む、前記経皮治療システム。
  2. 前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、請求項1に記載の経皮治療システム。
  3. 前記ニコチン含有層は、マトリックス層であり、好ましくはニコチン含有感圧接着剤層である、請求項1または2に記載の経皮治療システム。
  4. 前記ニコチン含有層は、
    1.ニコチンと、
    2.前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーと、
    を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  5. 前記ニコチン含有層は、少なくとも0.90mg/cm2、好ましくは少なくとも0.95mg/cm2、より好ましくは少なくとも1.15mg/cm2のニコチンを含み、及び/または
    前記ニコチン含有層は、5.0mg/cm2未満、4.0mg/cm2未満、3.0mg/cm2未満、2.0mg/cm2未満または1.7mg/cm2未満のニコチンを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  6. 前記ニコチン含有層の面積あたり重量は、少なくとも80g/m2または少なくとも90g/m2であるか、または80〜300g/m2、好ましくは90〜270g/m2、より好ましくは100〜230g/m2の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  7. 前記ニコチン含有層中のニコチンの量は、前記ニコチン含有層の2〜15%、好ましくは3〜12%、より好ましくは4〜10%の範囲であり、及び/または
    前記経皮治療システム中に含有されているニコチンの量は、5〜90mg、好ましくは8〜75mg、最も好ましくは10〜60mgの範囲である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  8. 前記ニコチン含有層構造は、追加の皮膚接触層を含まず、または
    前記ニコチン含有層構造は、追加の皮膚接触層を含み、
    前記追加の皮膚接触層は、ニコチンを含むかまたは含まず、好ましくはニコチンを含まず、
    前記追加の皮膚接触層は、シリコーンアクリルハイブリッドポリマー、非ハイブリッドポリマー、好ましくは非ハイブリッド感圧接着剤、またはそれらの混合物を含む感圧接着剤層である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  9. 前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
    (a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物から得ることができるシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  10. 前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、
    (a)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物と、
    (b)エチレン性不飽和モノマーと、
    (c)開始剤と、
    の反応生成物を含むシリコーンアクリルハイブリッド感圧接着剤であり、
    好ましくは、前記アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有感圧接着剤組成物は、
    (a1)ケイ素樹脂と、
    (a2)シリコーンポリマーと、
    (a3)アクリレートまたはメタクリレート官能基を含むケイ素含有封止剤と、
    の縮合反応生成物を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  11. 前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、シリコーンポリマー、シリコーン樹脂及びアクリルポリマーの反応生成物を含み、前記アクリルポリマーは、共有結合で自己架橋しており、前記シリコーンポリマー及び/または前記シリコーン樹脂に共有結合している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  12. 前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、連続的なシリコーン外部相及び不連続的なアクリル内部相を含有し、または
    前記シリコーンアクリルハイブリッドポリマーは、連続的なアクリル外部相及び不連続的なシリコーン内部相を含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  13. 前記ニコチン含有層は、非ハイブリッドポリマーを含むかまたは含まず、
    前記非ハイブリッドポリマーは好ましくは、非ハイブリッド感圧接着剤であり、
    前記非ハイブリッドポリマーは好ましくは、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、スチレンーイソプレンースチレンブロックコポリマー及びアクリルポリマーから選択され、及び/または
    前記ニコチン含有層は、透過促進剤を含まず、及び/または
    前記ニコチン含有層は、いかなるさらなる賦形剤または添加剤も含まない、請求項1〜12のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  14. 前記ニコチン含有層は、架橋剤、可溶化剤、充填剤、粘着付与剤、フィルム形成剤、可塑剤、安定化剤、軟化剤、スキンケア用物質、透過促進剤、pH調整剤、及び防腐剤からなる群から選択されるさらなる賦形剤または添加剤を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  15. 治療方法で使用するため、及び
    好ましくは、ニコチン中毒を治療する方法、禁煙治療の方法、パーキンソン病を治療する方法またはアルツハイマー病を治療する方法で使用するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の経皮治療システム。
  16. 治療方法、好ましくはニコチン中毒を治療する方法及び/または禁煙治療の方法、パーキンソン病を治療する方法またはアルツハイマー病を治療する方法であって、
    請求項1〜14のいずれか1項に記載の経皮治療システムを患者の皮膚に適用することを含む、前記方法。
  17. ニコチン含有感圧接着剤層を製造するためのプロセスであって、
    (1)少なくとも成分であるニコチン及びシリコーンアクリルハイブリッドポリマーを溶媒中で組み合わせてコーティング組成物を得るステップと、
    (2)前記コーティング組成物を裏地層または離型ライナー上にコーティングするステップと、
    (3)前記コーティングされたコーティング組成物を乾燥させて前記ニコチン含有感圧接着剤層を形成するステップと、
    を含む、前記プロセス。
  18. ステップ(1)の前に酢酸エチル中のシリコーンアクリルハイブリッドポリマー溶液を乾燥させ、得られたシリコーンアクリルハイブリッドポリマーをヘキサンに溶解するステップをさらに含み、
    前記溶媒は、好ましくは、アルコール性溶媒、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール及びそれらの混合物、ならびに非アルコール性溶媒、特に酢酸エチル、ヘキサン、n−ヘプタン、石油エーテル、トルエン、及びそれらの混合物から選択され、より好ましくはヘキサンから選択される、請求項17に記載のプロセス。
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