JP2013139554A - シリコーンアクリレートハイブリッド組成物及び該組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性薬剤が放出される速度及び最終的に放出される活性薬剤の総量を最適化することができる経皮ドラッグデリバリーシステム用途組成物を提供する。
【解決手段】(A)アクリレート又はメタクリレート官能基と、シリコーン樹脂、シリコーンポリマー、及び前記アクリレート又はメタクリレート官能基を提供する一般式XYR’bSiZ3−b[式中、Xは、一般式AE−(Eは、−O−又は−NH−であり、Aは、アクリル基又はメタクリル基である)の1価の基であり、Yは、1〜6個の炭素原子を有する2価のアルキレン基であり、R’は、メチル又はフェニル基であり、Zは、1価の加水分解性有機基又はハロゲンであり、bは、0又は1である]のケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物と、を含んだケイ素含有感圧接着剤組成物と;(B)エチレン不飽和モノマーと;(C)開始剤と;の反応生成物を含むシリコーンアクリレートハイブリッド組成物。
【選択図】なし

Description

本願は、2008年12月3日出願の米国特許出願第12/303,362号の一部継続出願であり、その優先権を主張し、該米国特許出願は、2007年6月6日出願の国際特許出願第PCT/US2007/013321号の優先権及び全ての利益を主張し、該国際特許出願は、2006年6月6日出願の米国仮特許出願第60/811,246号の優先権を主張する。本願はまた、米国特許出願第12/303,362号の一部継続出願である、2011年10月21日出願の米国特許出願第13/278,979号の優先権を主張する。これらの出願は、引用によって本明細書に明確に組み込まれる。
本発明は概して、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物及び該ハイブリッド組成物の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、アクリレート又はメタクリレート官能基を含んだケイ素含有感圧接着剤組成物とエチレン不飽和モノマーと開始剤との反応生成物であるシリコーンアクリレートハイブリッド組成物に関する。該方法では、開始剤の存在下、エチレン不飽和モノマーとケイ素含有感圧接着剤組成物とを重合する。
「PSA」とも称される感圧接着剤は、当該分野で既知であり、市販されている。より一般的な種類のPSAのいくつかは、アクリレート、ポリウレタン、天然ゴム、合成ゴム及びシリコーンに基づく処方である。これらのPSAは典型的には、最終用途のために処方され、テープ、ラベル、包帯、経皮ドラッグデリバリーシステム(例えばパッチ)、積層接着剤及び転写接着剤を含む多種多様の用途において有用性が見出される。
本明細書全体に亘ってアクリレートPSAとも称されるアクリレート系PSAは、他のPSAと比較してコストが比較的低く、経皮パッチ用の多くの種類の機能性薬剤を溶解させ、種々の異なる表面に良好に接着し、必要な場合には、表面への接着を構築するように処方され得るという事実によって、これらの用途に広く使用される。アクリレート系PSAの不利益には、不十分な高温性能、不十分な低温性能、低表面エネルギー表面へ接着できないこと、及び、使用者の痛みを伴う除去をもたらす可能性のある医療テープ用途において皮膚への過剰な接着を構築する可能性が含まれる。かかるアクリレート系PSAの例は、米国特許第RE24,906号明細書に開示されている。
本明細書全体に亘ってシリコーン系PSAとも称されるシリコーン系PSAは典型的には、シリコーン樹脂及びシリコーンポリマー(例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)等)を共に配合又は濃縮することによって製造される。シリコーン材料は本来、高温で非常に安定であり、PDMSの低いガラス転移温度(Tg)(−115℃未満)は最終的には、−100℃〜265℃までの温度において用途を見出すことのできるPSAを提供する。シリコーン系PSAはまた、優れた化学不活性、電気絶縁性、生体適合性及び低表面エネルギー基材(例えば、シリコーン剥離ライナー、ポリテトラフルオロエチレン及びフルオロハロカーボン材料等)への接着能力を有する。シリコーン系PSAの主な不利益は、他の技術と比較した高いコストである。他の制限には、アクリレート系PSAと比較した低い粘着力及び(必要な場合には)制限された接着剤構成が含まれる。かかるシリコーン系PSAの例は、米国特許第2,736,721号、第2,814,601号、第2,857,356号及び第3,528,940号明細書に開示される。
アクリレートPSAとシリコーンPSAとを組み合わせて、双方の技術の利益を得る多くの試みがある。特定の用途のより具体的な例として、シリコーン感圧接着剤が、経皮ドラッグデリバリーシステムに頻繁に使用される。既知の通り、これらのシステムは典型的には、活性薬剤及びシリコーン感圧接着剤を含む。活性薬剤、例えば医薬は、基材(例えば該システムの使用者の皮膚等)への制御された経皮送達又は放出のためのものである。感圧接着剤は、活性薬剤を基材に送達することができるような長時間、当該システムと当該基材との接着を維持するよう機能する。かかるシステムの例は、米国特許第3,731,683号、第3,797,494号、第4,031,894号及び第4,336,243号明細書に見出すことができる。使用される特定のシリコーン感圧接着剤のため、先行技術の経皮ドラッグデリバリーシステムは、感圧接着剤中の活性薬剤の溶解度を十分には最適化しない。結果として、送達用システムから基材へと活性薬剤が放出される速度、及び、最終的に基材へと放出及び送達される活性薬剤の総量は、先行技術では最適化されていない。
米国特許第5,474,783号、第5,656,286号、第6,024,976号、第6,221,383号、第6,235,306号、第6,465,004号及び第6,638,528号(全てノーベンファーマシューティカルズ社)明細書において、経皮ドラッグデリバリーシステムにおける活性薬剤の溶解度は、アクリレート感圧接着剤組成物と、シリコーン感圧接着剤組成物とを、種々の比率で単に配合することによって最適化されている。しかしながら、2つの別々のPSAは実際には、共に化学的に反応するので、一方のPSAのドメインは、他方のPSAの連続相内で形成される。要するに、乾燥によって、シリコーン系PSAとアクリレート系PSAとの間で、全体的な相分離が生ずる。当該分野で既知のように、相分離は一般的には、例えば、油と水との単純な例のように、2つの異種の材料が不相溶であることにより生ずる。この特定の場合において、シリコーンPSAの低い表面エネルギーは、アクリレートPSAの高い表面エネルギーと適合しなくなり、相分離が生ずる。一般的に相分離は、不安定性とも称される。この不安定性は、適用前及びその間であって相分離が生ずる前までの、アクリレート感圧接着剤/シリコーン感圧接着剤配合物の効果的な使用時間を制限する。更に、乾燥によって、及び、時間とともに配合物が熟成するとき、2つの別々のPSAが、平衡状態に到達しようとするため、ドメインの大きさが変化する可能性がある。これは時間とともに、接着力、皮膚粘着力及びライナーからの剥離等の性質の変化をもたらす可能性がある。
別の例では、豊田合成株式会社の特開昭62−295982号が、自動車用途への取り付けシステムについて記載し、当該システムは、成型品と、シリコーン系PSA、アクリレート系PSA及びポリウレタン及び/又はポリイソシアネート架橋剤を共に組み合わせることによって作製したPSAと、からなる。この取り付けシステムの目的は、成型品を自動車のメインフレームに取り付けるための組成物を提供することである。組み合わせられるシリコーン系PSAとアクリレート系PSAとには、別々の相を共に反応させるために第3のポリマー種、具体的にはポリウレタン及び/又はポリイソシアネート架橋剤が使用されなければならない。該系は、経時的に、即ち時間とともに架橋し続けるため、このシステムの不利益として、第3ポリマー種への要求、架橋剤の迅速な反応のために制限された処方ポットライフ、及び、被覆製品の不安定な保存期間安定性が挙げられる。
ジェネラルエレクトリック社の米国特許第4,791,163号明細書は、(a)水100重量部と;(b)PSA10〜400重量部((i)有機PSA約50〜99重量%と(ii)シリコーンPSA1〜約50重量%とを含む)と;(c)エマルションを維持するのに効果的な量の乳化剤と;を含むエマルションについて記載する。溶媒中のシリコーン系PSAをまず乳化し、次いで有機PSAに添加し、最終組成物を得る。この例では、乳化剤及び乾燥条件を注意深く制御し、乾燥工程の前又はその間のエマルションの尚早な相分離を防ぐことが必要である。エマルションが乾燥すると、シリコーンPSAと有機PSAとの間で実質的な化学反応は生じない。
別の例、ジェネラルエレクトリック社の欧州特許第0289929B1号明細書は、’163号特許で記載されるのと同じエマルションについて記載し、シリコーン相内の架橋によってエマルションのせん断力を増加させるのに効果的な量の有機ペルオキシド又はアルコキシシラン架橋剤を添加する。更に、エマルションは、乳化剤を注意深く制御して、乾燥工程前及びその間の、エマルションの全体的な相分離を防ぐことが必要である。
別の例では、日東電工株式会社の特開昭63−291971号が、シリコーンPSA、アクリレートPSA及びシリコーン−アクリルグラフトコリマーの混合物を含む接着剤について記載する。シリコーンアクリルグラフトコポリマーは、重合反応の間、シリコーンマクロモノマーとアクリルモノマーとの反応によって形成される。次いで、シリコーン−アクリルグラフトコポリマーが、シリコーンPSAとアクリルPSA組成物との配合物に添加され、2つの異なるPSA相の間で相溶化剤として作用する。PSA間で実質的な化学反応がないため、相分離の可能性はなお残っている。
ミネソタマイニングマニュファクチャリング社(3M)の国際公開第92/20751号では、感圧接着剤組成物は典型的には、アクリルモノマー、シリコーン感圧接着剤、任意の光開始剤及び任意の架橋剤からなる。振動減衰性に関する3Mの別の一連の特許は、この同じ組成物を開示している(国際公開第92/20752号並びに米国特許第5,464,6659号及び第5,624,763号明細書参照)。これらの組成物の目的は、PSA用又は振動減衰性用途における使用のために、溶媒を含まない放射線硬化性組成物を提供することである。まず市販のシリコーンPSAから溶媒を全て乾燥する。次いで固体シリコーンPSA塊を、所望のモノマーに溶解した後、開始剤及び架橋剤を添加する。次いで組成物で基板を被覆し、紫外線照射に曝露することによって硬化して最終生成物を得る。架橋剤が添加されてもよいが、組成物は、予形成シリコーンPSA網目構造内に分散する間、アクリルモノマーが反応する、実質的に相互貫通した網目構造である。この組成物の利点は、最終用途の性質に応じて、シリコーンPSA対アクリレート比、及び、アクリレート自体の中のアクリレートモノマーの比率を制御する能力である。これらの特許において明確に示される通り、シリコーンPSAがモノマー中に分散して均質な混合物を形成する場合、12時間の期間に亘って室温に置かれるとき、成分が相分離を示さないように、組成物の成分が選択される。これは、時間とともに最終的に材料が相分離する可能性があるという事実において、なお不利益である。注目すべき別の不利益は、この系が典型的には、実質的に酸素を含まない雰囲気又は窒素雰囲気において硬化するということである。従って、ハンドリングは、より複雑になり、処方された材料のポットライフは制限されるようになる。最後に、UV硬化組成物における光開始剤の使用及び可能性のあるそれらの副産物は、ほぼ確実に、かかる環境において反応又は分解する可能性のある活性薬剤を含む経皮ドラックデリバリーシステム等の用途での使用を排除する。
先に示唆されたように、先行技術の感圧接着剤を改良して、シリコーンPSA及びアクリルPSAの双方の利点を有するシリコーンアクリレートハイブリッド組成物を製造する必要がある。任意の期間、全体的な相分離を示さないかかるハイブリッド組成物の必要性も存在する。更には、先行技術の組成物よりも大きな柔軟性を提供するために、幅広い処方に亘って変更可能なPSAの性質を有するハイブリッド組成物の必要性も存在する。
シリコーンアクリレートハイブリッド組成物が開示される。該ハイブリッド組成物の製造方法もまた開示される。ハイブリッド組成物は、ケイ素含有感圧接着剤組成物とエチレン不飽和モノマーと開始剤との反応生成物を含む。ケイ素含有感圧組成物は、アクリレート又はメタクリレート官能基を含む。該方法は、(I)ケイ素含有感圧接着剤組成物を提供し、(II)エチレン不飽和モノマーとケイ素含有感圧接着剤組成物とを、開始剤の存在下重合し、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物を形成する。
本発明のハイブリッド組成物、即ち、ケイ素含有感圧接着剤組成物とエチレン不飽和モノマーと開始剤との反応生成物は、感圧接着剤である新規且つ独特の重合種である。エチレン不飽和モノマーと、既にアクリレート又はメタクリレート官能基を含んだケイ素含有感圧接着剤組成物との重合は、アクリレート及びシリコーン化学の双方に関連する有利な官能基を化学的に一体化して、耐相分離性の、安定な1つの感圧接着剤とする。更には、エチレン不飽和モノマーとケイ素含有感圧接着剤との重合の間、シリコーン対アクリル比は、十分に制御され、最適化することができる。選択されたモノマーの種類の比率もまた、十分に制御され、最適化することができる。経皮ドラッグデリバリーシステム用途において、シリコーン対アクリルのバランスを選択して使用し、感圧接着剤、即ち、ハイブリッド組成物中の活性薬剤の溶解度を制御して、活性薬剤がシステムから放出される速度及び最終的に放出される活性薬剤の総量を最適化することができる。
シリコーンアクリレートハイブリッド組成物はそれ自体、感圧接着剤(通常PSAとも称される)であり、ケイ素含有感圧接着剤組成物とアセチレン不飽和モノマーと開始剤との反応生成物を含む。即ち、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物は、これらの反応物(ケイ素含有感圧接着剤組成物、エチレン不飽和モノマー及び開始剤)間の化学反応生成物である。「感圧接着剤」の語と「PSA」の頭字語とは、対象となる記載全体に亘って互換可能に使用される。例えば、ケイ素含有感圧接着剤組成物は、ケイ素含有PSA組成物と称されてもよい。
シリコーンアクリレートハイブリッド組成物は、ケイ素含有感圧接着剤組成物と(メタ)アクリレートモノマーと開始剤との(即ち、開始剤の存在下で)反応生成物であってよいか又は含んでよい。即ち、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物は、これらの反応物(ケイ素含有感圧組成物、(メタ)アクリレートモノマー及び開始剤)間の化学反応生成物である。
本明細書の全体に亘ってアクリレートの語とアクリルの語とが一般的に互換可能に使用されるため、本発明のシリコーンアクリレートハイブリッド組成物は、シリコーンアクリルハイブリッド組成物と称されてもよい。本明細書で使用される場合、シリコーンアクリレート及びシリコーンアクリルの語は、シリコーン系の亜種とアクリレート系の亜種との単純な配合物を示すにとどまらないことが意図される。代わりに、これらの語は、重合したハイブリッド種を示し、該ハイブリッド種は、共に重合されたシリコーン系亜種とアクリレート系亜種とを含む。上記導入されるエチレン不飽和モノマー及び開始剤については、以下で更に説明する。
「感圧接着剤」の語と「PSA」の頭字語とは、本明細書の全体に亘って互換可能に使用される。例えば、ケイ素含有感圧接着剤組成物は、ケイ素含有PSA組成物と称されてもよい。ケイ素含有感圧接着剤組成物は典型的には、ハイブリッド組成物中、ハイブリッド組成物100重量部に基づき、5〜95、より一般的には25〜75重量部の量で存在する。
一実施形態において、ケイ素含有感圧接着剤組成物はそれ自体、感圧接着剤とケイ素含有キャッピング剤との縮合反応生成物を含む。以下で更に説明するように、ケイ素含有キャッピング剤は、アクリレート又はメタクリレート官能基を、ケイ素含有感圧接着剤に提供してもよい。本発明の説明との関連で、「感圧接着剤」の語は、「ケイ素含有感圧接着剤組成物」の語と区別されることが理解される。ケイ素含有感圧接着剤組成物は、上述の通り、典型的には感圧接着剤とケイ素含有キャッピング剤との反応生成物である。即ち、ケイ素含有感圧組成物は本質的には、キャッピング剤又は本明細書に記載される化学物質によって覆われた(capped)又は末端ブロックされた(endblocked)感圧接着剤である。該組成物は、該キャッピング剤と該感圧接着剤とが反応して形成される。
一実施形態において、(キャッピング剤との反応前の)感圧接着剤は、シリコーン樹脂とシリコーンポリマーとの縮合反応生成物を含み、縮合触媒(例えば酸又は塩基触媒)等の触媒存在下、任意に反応してもよい。また、キャッピング剤は、例えば、クロロシランから発生するHClとして、反応によってその場で触媒を提供してもよい。この実施形態において、独立した触媒を使用してもよく又は省略してもよい。典型的には、シリコーン樹脂は、30〜80重量部の量で反応して感圧接着剤を形成し、シリコーンポリマーは、20〜70重量部の量で反応して感圧接着剤を形成する。これらの重量部はどちらも、感圧接着剤100重量部に基づく。必須ではないが、感圧接着剤は、触媒量の縮合触媒を含んでいてもよい。
感圧接着剤を構成するのに適当な、多様なシリコーン樹脂及びシリコーンポリマーが存在する。適当なシリコーン樹脂及びシリコーンポリマーとしては、限定するものではないが、カニオスらの米国特許第6,337,086号明細書に開示及び説明されるものが挙げられ、該開示は、引用によって全体が本明細書に組み込まれる。
好ましいシリコーン樹脂は、各四官能性シロキシ単位につき約0.6〜0.9のトリオルガノシロキシ単位の比で、式R SiO1/2[式中、各々のRは独立して、1〜6個の炭素原子を有する1価の炭化水素基を示す]のトリオルガノシロキシ単位と、式SiO4/2の四官能性シロキシ単位とを含むコポリマーを含み、好ましいシリコーンポリマーは、末端ブロッキングTRASiO1/2単位によって終端するARSiO単位を含んだ少なくとも1つのポリジオルガノシロキサンを含み、該ポリジオルガノシロキサンは、25℃で約100センチポイズ〜約30,000,000センチポイズの粘度を有し、式中、各々のA基は独立して、1〜6個の炭素原子を有するR又はハロヒドロ−炭素基から選択され、各々のT基は独立して、R、OH、H又はORからなる群より選択され、各々のRは独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。
この好ましいシリコーン樹脂及びこの好ましいシリコーンポリマーの形態を使用する例として、1種類の感圧接着剤は:
−ケイ素結合水酸基を含み、且つ、存在するSiO4/2の各々につき0.6〜0.9のR SiO1/2のモル比で、R SiO1/2単位とSiO4/2単位とから実質的に構成される、包括的に30〜80重量部の少なくとも1つの樹脂コポリマー(i)と;末端ブロッキングTRASiO1/2単位によって終端したARSiO単位を含んだ、約20〜約70重量部の、25℃で約100センチポイズ〜約30,000,000センチポイズの粘度を有する少なくとも1つのポリジオルガノシロキサン(ii)と;以下に記載され、5,000〜15,000、より典型的には8,000〜13,000ppmのシラノール含有率又は濃度を提供することのできる、十分な量の少なくとも1つのケイ素含有キャッピング剤(本明細書を通じてエンドブロッキング剤とも称される)(iii)と;を、(ii)によって何も提供されない場合には、望ましい更なる触媒量の穏やかなシラノール縮合触媒(iv)と、並びに、必要な場合には、(i),(ii),(iii)及び(iv)に対して不活性であり、且つ、(i),(ii),(iii)及び(iv)の混合物の粘度を低減させる有効量の有機溶媒(v)と、混合すること、
−少なくとも、相当量のケイ素含有キャッピング剤又は化学物質が(i)及び(ii)のケイ素結合水酸基及びT基と反応するまで、(i),(ii),(iii)及び(iv)の混合物を濃縮すること、
によって作製され、上記式中、各々のRは、包括的に1〜6個の炭素原子から構成される炭化水素からなる群より選択される1価の有機基であり、各々のA基は独立して、R又は包括的に1〜6個の炭素原子を有するハロ炭化水素基から選択され、各々のT基は独立して、R、OH、H又はORからなる群より選択され、各々のRは独立して、包括的に1〜4個の炭素原子から構成されるアルキル基である。本発明のケイ素含有キャッピング剤又は化学物質(iii)と組み合わせて、更なる有機ケイ素末端ブロッキング剤(endblocking agent)を使用することができる。かかる更なる有機ケイ素末端ブロッキング剤は、本明細書において第2ケイ素含有キャッピング剤とも称され、以下に更に説明される。
感圧接着剤は、包括的に30〜80重量部のシリコーンコポリマー樹脂(i)と、20〜70重量部の、かかる接着剤を作製するために過去に使用された種類のポリジオルガノシロキサン(ii)とを使用して、本発明に従って調製される。より好ましいのは、40〜75重量部の樹脂コポリマー(i)と25〜60重量部のポリジオルガノシロキサン(ii)とを使用した組成物である。
シリコーン樹脂コポリマー(i)は、典型的には約1〜4重量%のケイ素結合水酸基の範囲の量でケイ素結合水酸基を含み、存在するSiO4/2単位の各々につき、0.6〜0.9のR SiO1/2単位のモル比で、式R SiO1/2のトリオルガノシロキシ単位と式SiO4/2の四官能性シロキシ単位とを含む。かかるコポリマーの2以上の配合物を使用してもよい。ポリジオルガノシロキサン成分をコポリマー樹脂と共重合させ、及び/又は、添加した末端ブロッキング剤と反応させ、感圧接着剤を化学的に処理することのできる、少なくともいくつかの及び典型的には少なくとも0.5%のケイ素結合ヒドロキシ成分が存在するべきである。これらの樹脂コポリマーは一般的には、典型的には室温で固体のベンゼン溶解性の樹脂材料であり、必ずしも使用するものではないが、通常、有機溶媒中の溶液として調製される。樹脂コポリマー(i)を溶解するのに使用される典型的な有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、パークロロエチレン、ナフサ石油スピリット及びこれらの混合物が挙げられる。
樹脂コポリマー(i)は実質的には、コポリマー中、各SiO4/2単位につき、0.6〜0.9のR SiO1/2単位から構成される。その存在が、このプロセスの最終生成物のPSAとして機能する能力を失わせないという条件で、コポリマー中に2、3モルパーセントのR SiO単位が存在してもよい。各々のRは独立して、包括的に1〜6個の炭素原子を有する1価の炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、ヘキセニル、シクロヘキシル、ビニル、アリル、プロペニル及びフェニル等を示す。典型的には、R SiO1/2単位は、MeSiO1/2単位及び/又はMeSiO1/2単位[式中、Rは、ビニル(「Vi」)又はフェニル(「Ph」)基である]である。より典型的には、樹脂コポリマー(i)中に存在する10モルパーセント以下のR SiO1/2単位は、MeSiO1/2単位[式中、各々のRは、ビニル基である]であり、残りの単位はMeSiO1/2単位である。最も典型的には、R SiO1/2単位は、MeSiO1/2単位である。
SiO1/2及びSiO4/2単位のモル比は、R SiO1/2単位中のR基の独自性及び樹脂ポリマーの炭素分析の割合に関する知見から簡単に決定することができる。各SiO4/2単位につき0.6〜0.9のMeSiO1/2単位からなる好ましい樹脂コポリマーにおいて、炭素分析は、19.8〜24.4重量パーセントの値を有する。
樹脂コポリマー(i)は、ダウトらの米国特許第2,676,182号明細書(1954年4月発行、引用により本明細書に組み込まれる)に従って調製されてよく、シリカハイドロソルは、R SiO1/2単位の供給源(例えば、ヘキサオルガノジシロキサン(例えばMeSiOSiMe、ViMeSiOSiMeVi若しくはMeViPhSiOSiPhViMe等)又はトリオルガノシラン(例えばMeSiCl、MeViSiCl若しくはMeViPhSiCl等))によって低pHで調製されてもよい。かかるコポリマー樹脂は典型的には、コポリマー樹脂が、約1〜4重量%のケイ素結合水酸基を含むように調製されてよい。また、R基を含まない適当な加水分解性シランの混合物が、共加水分解され、縮合されてもよい。この代替の手順において、ヘキサメチルジシラザン又はジビニルテトラメチルジシラザン等の適当なシリル化剤によってコポリマー産物をさらに処理し、コポリマー産物のケイ素結合ヒドロキシ含有率を1重量%未満まで低減することが典型的な実施である。この工程は必須ではないが、以下で説明するプロセスにおいて使用することができる。典型的には、使用される樹脂コポリマーは、約1〜4重量%のケイ素結合水酸基を含む。
成分(ii)は、末端ブロッキングTRASiO1/2によって終端したARSiO単位を含んだ1以上のポリジオルガノシロキサンであり、ポリジオルガノシロキサンの各々は、25℃において100センチポイズ〜30,000,000センチポイズ(1センチポイズが1ミリパスカル秒に等しい場合、100ミリパスカル秒〜30,000パスカル秒(Pa.s))の粘度を有する。既知の通り、粘度は、同じ末端ブロッキング単位を有する種々の分子量の一連のポリジオルガノシロキサンに存在するジオルガノシロキサン単位の平均数に直接的に関連する。25℃で約100〜100,000センチポイズの粘度を有するポリオルガノシロキサンは、流体から、若干粘性のポリマーまで及ぶ。これらのポリジオルガノシロキサンは典型的には、更に説明される通り、末端ブロッキング剤(iii)の存在下で縮合する前に樹脂コポリマー(i)と予反応し、得られた感圧接着剤の粘着力及び接着性を改善する。典型的には、100,000センチポイズを超える粘度を有するポリジオルガノシロキサンを、予反応なしに縮合/末端ブロッキング工程に供することができる。1,000,000センチポイズを超える粘度を有するポリジオルガノシロキサンは、非常に粘性の高い生成物であり、往々にしてガムと称され、該粘度は、ウィリアム可塑価の観点から表現されることが多い(約10,000,000センチポイズ粘度のポリジメチルシロキサンガムは典型的には、25℃で約50ミル(1.27mm)以上のウィリアム可塑価を有する)。
(ii)のポリジオルガノシロキサンは、実質的にはARSiO単位[式中、Rは、先に定義した通りである]から構成される。各々のA基は、R又は包括的に1〜6個の炭素原子から構成されるハロ炭化水素(halohydro-carbon)基等(クロロメチル、クロロプロピル、1−クロロ−2−メチルプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル及びFC(CH基等)から選択される。従って、ポリジオルガノシロキサンは、MeSiO単位、PhMeSiO単位、MeViSO単位、PhSiO単位、メチルエチルシロキシ単位、3,3,3−トリフルオロプロピル単位及び1−クロロ,2−メチルプロピル単位等を含んでいてもよい。典型的には、ARSiO単位は、R SiORSiO単位、PhSiO単位及び双方の組み合わせからなる群から選択され、式中R及びRは上述の通りであり、ポリジオルガノシロキサン(ii)中に存在するR基の少なくとも50モルパーセントは、メチル基であり、(ii)の各々のポリジオルガノシロキサン中に存在するARSiO単位の総モルのうちの50モルパーセント以下は、PhSiO単位である。より具体的には、各々のポリジオルガノシロキサン(ii)中に存在する、10モルパーセント以下のARSiO単位は、MeRSiO単位[式中、Rは上述の通りである]であり、各ポリジオルガノシロキサン中に存在する残りのARSiO単位は、MeSiO単位である。最も典型的には、実質的に全てのARSiO単位がMeSiO単位である。
各ポリジオルガノシロキサン(ii)は、当該単位の式TRASiO1/2の末端ブロッキング単位によって終端しており、式中、R及びAは上述の通りであり、各々のT基は、R、OH、H又はOR基であり、各々のRは、包括的に1〜4個の炭素原子から構成されるアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル及びイソブチル基である。H、OH及びORは、アクリレート又はメタクリレート官能性ケイ素含有キャッピング剤との反応部位を提供し、また、ポリジオルガノシロキサン(ii)上の他のかかる基との又は樹脂コポリマー(i)中に存在するケイ素結合水酸基との縮合部位を提供する。TがOHであるポリジオルガノシロキサンの使用は、次に、該ポリジオルガノシロキサン(ii)が樹脂コポリマー(i)と直ちに共重合することができるため、最も好ましい。クロロシランが使用される場合に発生するHCl、又は、オルガノシラザンが使用される場合に発生するアンモニア等の適当な触媒が末端ブロッキング剤として使用されるとき、縮合反応が加熱によって行われる際にトリオルガノシロキシ単位の一部が開裂する可能性があるため、ポリジオルガノシロキサンによって終端するトリオルガノシロキシ(例えば(CHSiO1/2又はCHCH(CHSiO1/2等のR SiO1/2)単位が使用されてもよい。開裂は、続いてコポリマー樹脂中のケイ素結合水酸基によって縮合され得るケイ素結合水酸基に曝露され、末端ブロッキングトリオルガノシリル単位又は他のポリジオルガノシロキサンは、H、OH若しくはOR基又は開裂反応によって曝露されるケイ素結合水酸基を含む。種々の置換基を含んだポリジオルガノシロキサンの混合物が使用されてもよい。
かかるポリジオルガノシロキサンの製造方法は、引用によって本明細書に組み込まれる以下の米国特許に例示される通り周知である(第2,490,357号(ハイド);第2,542,334号(ハイド);第2,927,907号(ポルマンティア);第3,002,951号(ヨハンソン);第3,161,614号(ブラウンら);第3,186,967号(ニッチェら);第3,509,191号(アトウェル)及び第3,697,473号(ポルマンティアら))。
ペルオキシドによって又は樹脂コポリマー(i)若しくはポリジオルガノシロキサン(ii)中に存在する脂肪族不飽和基によって硬化される感圧接着剤を得るべく、樹脂コポリマー(i)が脂肪族不飽和基を含む場合、ポリジオルガノシロキサン(ii)はかかる基を含んでいるべきではなく、その逆もまた同様である。両方の成分が脂肪族不飽和基を含む場合、かかる基による硬化は、感圧接着剤として作用しない生成物をもたす可能性がある。
先に示唆したように、感圧接着剤は、一定濃度のケイ素結合水酸基(即ちシラノール)を含んでもよく、ケイ素含有キャッピング剤は更に、末端ブロッキング剤として定義される。更に、末端ブロッキング剤及びキャッピング剤の語は、当該分野及び対象となる説明において、互換可能に使用される。末端ブロッキング剤と感圧接着剤とが縮合して、ケイ素含有感圧接着剤組成物を生成してもよい。より具体的には、末端ブロッキング剤が、当該濃度のケイ素結合水酸基と反応し、感圧接着剤を覆ってもよい。先に一般的に示唆されるように、末端ブロッキング剤が感圧接着剤と反応すると、組成物中のシラノールの濃度は、5,000〜15,000、より典型的には8,000〜13,000ppmである。
必須ではないが、感圧接着剤は典型的には、感圧接着剤の重量%固体に基づき、ケイ素含有感圧接着剤組成物中に、85.0〜99.9重量部の量で存在し、ケイ素含有キャッピング剤は典型的には、感圧接着剤の重量%固体に基づき、ケイ素含有感圧組成物中に、0.1〜15重量部の量で存在する。より典型的には、感圧接着剤は、感圧接着剤の重量%固体に基づき、ケイ素含有感圧接着剤組成物中に、90.0〜99.8重量部の量で存在し、ケイ素含有キャッピング剤は典型的には、感圧接着剤組成物の重量%固体に基づき、ケイ素含有感圧接着剤組成物中に、0.2〜10重量部の量で存在する。典型的には、感圧接着剤は、50〜65%、より典型的には60%の重量%固体を有する。
感圧接着剤が既に形成された後、即ち、感圧接着剤を構成するシリコーン樹脂とシリコーンポリマーとが反応した後、末端ブロッキング剤が導入され、感圧接着剤と反応してもよい。この場合、シリコーン樹脂とシリコーンポリマーとが縮合反応し、感圧接着剤を形成した後、ケイ素含有キャッピング剤が感圧接着剤と反応する。
また、シリコーン樹脂とシリコーンポリマーとが反応している間に末端ブロッキング剤が存在するように、末端ブロッキング剤は、その場でシリコーン樹脂及び/又はシリコーンポリマーと反応することができる。即ち、この現場シナリオ(in situ scenario)では、末端ブロッキング剤は、シリコーン樹脂とシリコーンポリマーとの反応の前又はその間に導入されてもよい。いずれせよ、この現場シナリオでは、シリコーン樹脂とシリコーンポリマーとが、ケイ素含有キャッピング剤の存在下反応し、シリコーン樹脂とシリコーンポリマーとが縮合反応し、感圧接着剤を形成するので、ケイ素含有キャッピング剤がその場でシリコーン樹脂及びシリコーンポリマーと反応する。
アクリル基は、ケイ素含有キャッピング剤にアクリレート官能基を提供し、メタクリル基は、ケイ素含有キャッピング剤にメタクリレート官能基を提供する。当業者は、アクリル基が一般的に、以下のように表されることを認識する。
Figure 2013139554
メタクリル基は一般的には、以下のように表すことができる。
Figure 2013139554
更には、末端ブロッキング剤は、一般式XYR’SiZ3−bと記載することができ、式中、Xは、一般式AE−(上述の通り、Eは、−O−又は−NH−であり、Aは、アクリル基又はメタクリル基である)の1価の基であり、Yは、1〜6個の炭素原子を有する2価のアルキレン基であり、R’は、メチル又はフェニル基であり、Zは、1価の加水分解性有機基又はハロゲンであり、bは、0又は1である。典型的には、1価の加水分解性有機基は、一般式R’’O−[式中、R’’は、アルキレン基である]である。最も一般的には、この特定の末端ブロッキング剤は、3−メタクリロキシプロピルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)トリメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−アクリロキシプロピルジクロロシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
先に示唆したように、第2のケイ素含有キャッピング剤は、本発明のケイ素含有キャッピング又は末端ブロッキング剤と組み合わせて用いることができる。この第2のケイ素含有キャッピング剤は、第2のケイ素含有キャッピング剤がアクリレート及びメタクリレート官能基を含まないという点で、ケイ素含有キャッピング剤と区別することができる。有機ケイ素末端ブロッキング剤である第2のケイ素含有キャッピング剤が含まれる場合には、第2のケイ素含有キャッピング剤は、ケイ素含有キャッピング剤、及び、組成物を形成する反応生成物である感圧接着剤とともに含まれる。第2のケイ素含有キャッピング剤は、末端ブロッキングトリオルガノシリル単位を発生させることができる。適当な第2のケイ素含有キャッピング剤としては、限定するものではないが、カノイスらの米国特許第6,337,086号明細書に記載されるものが挙げられ、その記載は、既に引用によってその全体が組み込まれている。
当初上述したように、エチレン不飽和モノマーは、ケイ素含有感圧接着剤及び開始剤と共に反応し、本発明のハイブリッド組成物を形成する反応物質である。より具体的には、本発明のハイブリッド組成物の製造方法において、上記ケイ素含有感圧接着剤組成物が提供されると、開始剤の存在下、エチレン不飽和モノマーとケイ素含有感圧接着剤組成物とが重合する。言い換えれば、該方法は、(I)ケイ素含有感圧接着剤組成物を提供し、(II)エチレン不飽和モノマーとケイ素含有感圧接着剤組成物とを、開始剤の存在下重合してシリコーンアクリレートハイブリッド組成物を形成する。
エチレン不飽和モノマーは典型的には、ハイブリッド組成物100重量部に基づき、ハイブリッド組成物中に、5〜95、より典型的には25〜75重量部の量で存在する。本発明は主に、1つのエチレン不飽和モノマーとの関連で記載されるが、2以上のエチレン不飽和モノマー、即ち、エチレン不飽和モノマーの組み合わせが、ケイ素含有感圧接着剤及び開始剤と共に重合、より具体的には共重合してもよいことが理解される。一般的には、本発明のハイブリッド組成物のアクリル部分は、エチレン不飽和モノマーとケイ素含有感圧接着剤との反応によって形成され、典型的には、主要なモノマーとして広く記載され得るモノマーと、感圧接着剤技術のハンドブック、第3版、ドナタスサタス、サタス・アンド・アソシエイツ、1999年、ワーウィック、ロードアイランドの第19章に広範囲に亘って記載される修飾モノマーとの組み合わせを使用して、アクリレート系PSAと同様に形成される。
エチレン不飽和モノマーは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する任意のモノマーであってよい。本発明で使用するエチレン不飽和モノマーは、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート及びこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物であることが好ましい。脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート及び脂環式メタクリレートの化合物の各々は、アルキル基を含むことが理解される。これらの化合物のアルキル基は、最高で20個までの原子を含んでもよい。
エチレン不飽和モノマーの1つとして選択され得る脂肪族アクリレートは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソ−オクチルアクリレート、イソ−ノニルアクリレート、イソ−ペンチルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。エチレン不飽和モノマーの1つとして選択され得る脂肪族メタクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソ−オクチルメタクリレート、イソ−ノニルメタクリレート、イソ−ペンチルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。エチレン不飽和モノマーの1つとして選択され得る脂環式アクリレートは、シクロヘキシルアクリレートであり、エチレン不飽和モノマーの1つとして選択され得る脂環式メタクリレートは、シクロヘキシルメタクリレートである。
極性モノマーとして本明細書に記載される特定の他のモノマーは、エチレン不飽和モノマーとして使用されてもよく、ヒドロキシ官能基のような補助的な官能基を含んでいてもよい。本明細書で使用される極性モノマーは、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ及びアルケニル複素環等の少なくとも1つの極性基を有するアクリル又はメタクリルモノマーである。本発明で有用なこれらの極性モノマーとしては、限定するものではないが、ラジカル重合によって重合可能な、両性、アニオン性、カチオン性、又は、アニオン性の親水性エチレン不飽和モノマーが挙げられる。これらの極性モノマーのより具体的な例としては、限定するものではないが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ビニル酢酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、2−N,N,N−トリメチルアンモニウムエチルアクリレート、2−N,N,N−トリメチルアンモニウムエチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はこれらの塩等が挙げられる。
一実施形態において、エチレン不飽和モノマーは更に、少なくとも1つのアクリレート官能基及び/又は少なくとも1つのメタクリレート官能基を有する任意のモノマーであってよい(メタ)アクリレートモノマーとして定義される。言い換えれば、「(メタ)」の用語は、「メタ」基が任意であり必須ではないことを説明する。従って、モノマーはアクリレートモノマー又はメタクリレートモノマーであってよい。典型的には、(メタ)アクリレートモノマーは、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート及びこれらの組み合わせかなる群より選択される化合物である。脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート及び脂環式メタクリレートの化合物の各々は、アルキル基を含むことが理解される。これらの化合物のアルキル基は、最高で20個の炭素原子を含んでいてよい。
エチレン不飽和モノマーとケイ素含有感圧接着剤組成物とは、開始剤の存在下、重合する。一般的に好ましくは、開始剤の存在下でのエチレン不飽和モノマーとケイ素含有感圧接着剤組成物との重合は、50〜100℃、より典型的には65〜90℃の温度で行われる。本発明の方法は、バッチプロセス、半バッチプロセス又は連続プロセスで使用されてよいことが理解される。本発明の方法は、該方法が、以下に記載するシリコーン対アクリル比を制御する能力にも寄与する、(複数の)エチレン不飽和モノマーの速度制御された添加を説明する点で「適応性」もある。
必須ではないが、(II)重合工程の前に、ケイ素含有感圧接着組成物、エチレン不飽和モノマー及び開始剤を混合して予反応混合物を形成してもよく、この予反応混合物を重合工程の前に溶媒と組み合わせてもよい。これらの任意の工程が行われる場合、予反応混合物が溶媒と組み合わせた後、予反応混合物中、成分によって重合が起こる。
本発明に使用され、ケイ素含有感圧接着剤組成物とエチレン不飽和モノマーとの重合を開始すると考えられる種々の多くの開始メカニズムが存在することが理解される。しかしながら、好ましい開始剤は、当該分野でフリーラジカル開始剤として既知であり、重合の法則、第4版、ジョージオディアン、ウィリーインターサイエンス、2004年、ニュージャージーの第3章に詳述されるものである。一般的には、フリーラジカル開始剤としては、ペルオキシド、アゾ化合物、酸化還元開始剤及び光開始剤が挙げられる。本発明の用途において最も好ましいフリーラジカル開始剤は、ペルオキシダーゼ、アゾ化合物及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。開始剤は典型的には、ハイブリッド組成物中に、ハイブリッド組成物100重量部に基づき、0.005〜3、より典型的には0.01〜2重量部の量で存在する。とりわけ、ハイブリッド組成物が形成されると、ペルオキシドは、開始とは関係ない本発明との関連において更なる機能を果たし得る。具体的には、ペルオキシドは、以下で更に説明する架橋剤として機能してもよい。
説明の目的で、以下に一般的表記が含まれ、開始剤の存在下、ケイ素含有感圧接着剤とエチレン不飽和モノマーとを重合し、本発明のハイブリッド組成物を作製することが一般的に説明される。
Figure 2013139554
エチレン不飽和モノマーとケイ素含有感圧接着剤とが重合する間、シリコーン対アクリル比は、望まれる通りに十分に制御及び最適化され得る。ハイブリッド組成物は、ハイブリッド組成物の最終用途に依存して最適化され得るため、シリコーン対アクリル比を制御することが望ましい。シリコーン対アクリル比は、該方法において及び該方法の間に、多種多様なメカニズムによって制御され得る。前記メカニズムの1つの実例は、ケイ素含有感圧接着剤組成物への、(複数の)エチレン不飽和モノマーの速度制御された添加である。特定の用途において、アクリレート系亜種又は全体的なアクリル含有率を超えるシリコーン系亜種又は全体的なシリコーン含有率を有することが望ましいことがある。他の用途では、その反対が正しいことが望ましいこともある。最終用途には関係なく、既に上述した通り、ケイ素含有感圧接着剤組成物が典型的には、ハイブリッド組成物100重量部に基づき、ハイブリッド組成物中に5〜95、より一般的には25〜75重量部の量で存在することが一般的に好ましい。
典型的には、重合の間、溶媒を使用してハイブリッド組成物を作製し、反応混合物の粘度を低下させ、適切な混合及び熱伝導を許容する。溶媒は、反応成分に対して不活性であり、反応自体を妨げない任意の適当な物質であってよい。適当な溶媒としては、限定するものではないが、ヘキサン及びヘプタン等の脂肪族炭化水素;メタノール、エタノール及びブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン;エチルアセテート、n−ブチルアセテート及びi−ブチルアセテート等のエステル;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン及びヘキサメチルジシロキサン等の、250℃未満の沸点を有し、100センチストーク未満の粘度を有する直鎖状、環状又は分岐構造を有する低粘度シリコーンオイル;及び上記溶媒のうちの2以上の混合物が挙げられる。使用される場合、溶媒の量は典型的には、反応物及び溶媒の総量に基づき、30〜95、より一般的には40〜70重量部の量で存在する。
重合の分子量が制御されるか又は制限される場合には、連鎖移動剤が使用されてもよい。連鎖移動剤は、当該分野で既知であり、例えば、メルカプタン(例えば1−ブタンチオール及びドデカンチオール等)が挙げられる。使用される場合、連鎖移動剤の量は典型的には、ハイブリッド組成物100重量部当たり0〜0.5重量部である。
本明細書に記載されるようにして調製されたハイブリッド組成物を使用して、周知の塗膜又は塗布技術に従う、テープ用若しくは経皮ドラッグデリバリーシステム用のPSAフィルムを調製することができる。ある用途に、薄めていないハイブリッド組成物によって提供されるよりも高いせん断力(即ち結合力)が必要とされる場合、ハイブリッド組成物から得られるフィルムの架橋密度は任意に、純粋なアクリレート系PSA及び純粋なシリコーン系PSAの両方について周知の手順に従って増加させることができ、該手順は、それぞれ、感圧接着組成物技術のハンドブック、第3版、ドナタスサタス、サタス・アンド・アソシエイツ、1999年、ワーウィック、ロードアイランドの第19章及び第21章に記載される。
従来のアクリレートPSAのための架橋技術を本発明のハイブリッド組成物に使用する場合、一定量のヒドロキシ又はカルボキシ官能性モノマーを、ハイブリッド組成物のための初期重合工程に確実に組み込むことが重要である。この官能性モノマーの量は、モノマーの総量に基づき0.5〜20重量部存在するべきである。例えば、これらの官能性モノマーの組み込みによって得られる官能基は、ハイブリッド組成物に使用することができ、そして金属アセチルアセトネート及びオルトアルキルチタネートが成型(casting)、即ち塗布の前に添加される場合、架橋密度は様々である。当該分野で理解される通り、架橋密度は、静的せん断及び結合力の指標である。かかる金属アセチルアセトネート及びオルトアルキルチタネートは、当該分野で架橋剤と称されることが多い。かかる架橋剤の具体的な適当な例の1つは、アルミニウムアセチルアセトネート(AlAcAc)である。AlAcAcは、下記例29で使用される。
従来のシリコーンPSAを硬化、即ち架橋するための技術が、本発明のハイブリッド組成物に使用され、静的せん断を改善する場合、ハイブリッド組成物の不揮発性含有率に基づき、約0.25〜3.0重量%のペルオキシド架橋剤、例えばジベンゾイルペルオキシド(BPO)又は2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド等を、成型前にハイブリッド組成物に添加することができる。成型されると、フィルムは110℃〜175℃で10分間硬化されてもよい。当該分野で既知の通り、ペルオキシド架橋剤は、ハイブリッド組成物の1つの鎖から水素を、また該ハイブリッド組成物の別の鎖から別の水素を効率的に抽出し、続いてこれらの2つの鎖は化学的に反応する。ペルオキシド架橋剤の1つの具体的な適切な例は、BPOである。BPOは、下記例30で使用される。
本発明のシリコーンアクリレートハイブリッド組成物は、当該分野で既知の他の非ハイブリッド感圧接着剤組成物と戦略的に配合されてもよく、非ハイブリッド感圧接着剤組成物としては、限定するものではないが、他のシリコーン感圧接着剤組成物、アクリル感圧接着剤組成物、ポリウレタン感圧接着剤組成物、天然ゴム感圧接着剤組成物、合成ゴム感圧接着剤組成物及びこれらの配合物、例えば物理的配合物が挙げられる。かかる配合物の1つは、アクリル感圧接着剤組成物及びゴム感圧接着剤組成物の配合物である。これらの非ハイブリッド型感圧接着剤組成物及び配合物の例は、その開示が全体として引用によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,474,783号、第5,656,286号、第6,024,976号、第6,221,383号、第6,235,306号、第6,465,004号、第6,638,528号、第5,464,659号及び第5,624,763号明細書に開示される。
テープ、ラベル及び経皮ドラッグデリバリーシステムを含む本明細書に記載される用途の多くにおいて、バッキング層及び剥離層の使用が必要なことが多い。バッキング層は、ポリマーフィルム(例えばポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリウレタン、PTFE等)、金属ホイル、ガラスクロス、PTFE被覆ガラスクロス、紙(例えば、クレープ、超カレンダークラフト等)、布、不織材料、フォーム(例えばポリウレタン、アクリレート、シリコーン、ネオプレン等)及びゴム(例えばシリコーン、ブチル等)から選択されるもの等、テープに使用される典型的な基材のいずれかであってよい。剥離層は一般的には、紙又はフィルム等のバッキング上に供給され、乾燥及び/又は硬化工程の完了後、ハイブリッド組成物に適用される。シリコーン系PSA及びアクリレート系PSAの双方との使用に適当であり、本発明のハイブリッド組成物との使用にも適切である剥離塗膜の一般的な3つの種類が当該分野で既知であり、市販されている:シリコーン系剥離ライナー(例えば、ダウコーニング(登録商標)シル−オフ(商標)7680)、パーフルオロポリエーテル系剥離ライナー(例えば、3M スコッチパック(登録商標)1022剥離ライナー)及びフルオロシリコーン系剥離ライナー(例えば、ダウコーニング(登録商標)シル−オフ(商標)G2−7785)。特定用途の剥離ライナーは、ハイブリッド組成物中のシリコーン対アクリレート比によって決定されるであろう。エチレン不飽和モノマーと比較して低濃度のケイ素含有PSAを含むハイブリッド組成物(例えば、20部のケイ素含有PSA及び80部のエチレン不飽和モノマー)については、シリコーン系剥離ライナーが使用されてよい。ハイブリッド組成物が、エチレン不飽和モノマーよりも高濃度のシリコーン含有PSAを含む場合(例えば80部のケイ素含有PSA及び20部のエチレン不飽和モノマー)、パーフルオロポリエーテル系又はフルオロシリコーン系ライナーが選択されるべきである。
本発明のハイブリッド組成物の1つの特定の重要な用途は、経皮ドラッグデリバリーシステムである。システムには、活性薬剤と、感圧接着剤として機能する本発明のハイブリッド組成物とが含まれる。活性薬剤と、該薬剤のハイブリッド組成物との関係は、該システムに関連して、以下に詳細に記載される。当業者が理解する通り、システムは、構造的であり、多くの形態であってよく、例えば、パッチ、フィルム、多層包帯、リザーバーシステム及びこれらの組み合わせが挙げられる。活性薬剤は、基材への制御された経皮送達のためのシステムの中にある。必須ではないが、ハイブリッド組成物を支持するために該システムにバッキング層を、及び/又は、活性薬剤の基材への制御された経皮送達までに、該ハイブリッド組成物及び/又は活性薬剤を保護するために剥離層を、含ませることも可能である。本発明の経皮ドラッグデリバリーシステムの好ましい適用は、活性薬剤によって使用者又は患者を治療することである。結果として、基材は典型的には、使用者の皮膚であり、好ましい用途においては、使用者は皮膚上に該システムを適用し且つ身に付ける。
活性薬剤は、基材への経皮送達に適当な任意の成分であってよい。適当な活性薬剤としては、限定するものではないが、開示が引用により全体として本明細書に組み込まれるミランダらの米国特許第5,474,783号明細書に開示及び記載される活性薬剤が挙げられる。これらの活性成分としては限定するものではないが、心臓脈管薬、アンドロゲン性ステロイド、エストロゲン、ホルモン、プロゲステロン剤、中枢神経系への作用を有する薬剤、栄養剤、抗炎症薬、抗ヒスタミン剤、呼吸器系作用薬、交感神経様作用薬、縮瞳薬、コリン作動薬、抗ムスカリン性又はムスカリン性コリン遮断薬、散瞳薬、精神賦活剤(psychicenergizer)、抗感染薬、皮膚病薬、液性剤(humoral agent)、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病薬、食欲抑制薬、抗アレルギー薬、精神安定剤、抗精神病薬、充血除去剤、解熱剤、片頭痛薬、嘔気及び嘔吐治療薬、抗マラリア治療薬、抗潰瘍薬、ペプチド、パーキンソン病用薬剤、痙性のための薬剤、急性筋力低下のための薬剤、抗エストロゲン、抗ホルモン薬、治療薬及びこれらの組み合わせが挙げられる。
活性薬剤としての実施に適当な上記活性薬剤のより具体的な例としては、以下のものが挙げられる:
心臓脈管薬の具体例は、ニトログリセリン、イソソルビドジニトラート及びイソソルビドモノニトラート等の有機硝酸塩;硫酸キニジン;プロカインアミド;ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド及びヒドロクロロチアジド等のチアジド;ニフェジピン;ニカルジピン;チモロール及びプロプラノロール等の抗アドレナリン作動薬;ベラパミル;ジルチアゼム;カプトプリル;クロニジン及びプラゾシン;
アンドロゲン性ステロイド、例えば、テストステロン、メチルテストステロン及びフルオキシムステロン(fluoxymesterone)等;
エストロゲン、例えば、抱合型エストロゲン、エステル化エストロゲン、キネストロール、エストロピペート、17−βエストラジオール、17−βエストラジオールバレレート、エキリン、メストラノール、エストロン、エストリオール、17−βエチニルエストラジオール及びジエチルスチルベストロール等;
プロゲステロン剤、例えば、プロゲステロン、19−ノルプロゲステロン、ノルエチンドロン、ノルエチンドロンアセテート、メレンゲストロール、クロルマジノン、エチステロン、メドロキシプロゲステロンアセテート、ヒドロキシプロゲステロンカプロアート、エチノジオールジアセテート、ノルエチノドレル、17−アルファ−ヒドロキシプロゲステロン、ジドロゲステロン、ジメチステロン、エチニルストレノール、ノルゲストレル、デメゲストン、プロメゲストン及びメゲストロールアセテート等;
中枢神経系への作用を有する薬剤、例えば、鎮静剤、催眠薬、抗不安薬、鎮痛剤及び麻酔薬(例えばクロラール、ブプレノルフィン、ナロキソン、ハロペリドール、フルフェナジン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、コデイン、リドカイン、テトラカイン、ダイクロニン(dyclonine)、ジブカイン、コカイン、プロカイン、メピバカイン、プピバカイン、エチドカイン、プリロカイン、ベンゾカイン、フェンタニル及びニコチン等);
栄養剤、例えば、ビタミン(例えばナイアシンアミド)、必須アミノ酸及び必須脂肪;
抗炎症剤、例えば、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、フルオシノロン、トリアムシノロン、メドリゾン、プレドニゾロン、フランドレノリド、プレドニゾン、ハルシノニド、メチルプレドニゾロン、フルドロコルチゾン、コルチコステロン、パラメタゾン、ベタメタゾン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、フェンブフェン、フルルビプロフェン、アセタミノフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、スプロフェン、インドメタシン、ピロキシカム、アスピリン、サリチル酸、ジフルニサル、メチルサリチル酸、フェニルブタゾン、スリンダク、メフェナム酸、メクロフェナミン酸ナトリウム、ナプロキセン等;
外部鎮痛剤、例えば、カンファ、メントール、トウガラシ抽出物、フランキンセンス、緑茶、ジュニパー茶及びカフェイン等;
抗ヒスタミン薬、例えば、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリナート、ペルフェナジン、トリプロリジン、ピリラミン、クロルシクリジン、プロメタジン、カルビノキサミン、トリペレナミン、ブロムフェニラミン、ヒドロキシジン、シクリジン、メクリジン、テレナジン及びクロロフェニラミン等;
呼吸器系作用薬、例えば、テオフィリン、並びに、ベータ−アドレナリン作用薬、例えば、アブテロール、テルブタリン、メタプロテレノール、リトドリン、カルブテロール、フェノテロール、キンテレノール、リミテロール、ソルメファモール、ソテレノール及びトレトキノール等;
交感神経様作用薬、例えば、ドーパミン、ノルエピネフリン、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリン、偽エフェドリン、アンフェタミン、プロピルヘキセドリン及びエピネフリン;
縮瞳薬、例えば、ピロカルピン等;
コリン作動薬、例えば、コリン、アセチルコリン、メタコリン、カルバコール、ベタニコール、ピロカルピン、ムスカリン及びアレコリン等;
抗ムスカリン性又はムスカリン性コリン遮断薬、例えば、アトロピン、スコポラミン、ホマトロピン、メトスコポラミン、ホマトロピン、臭化メチル、メタンテリン、シクロペントレート、トロピカミド、プロパンテリン、アニソトロピン、ジサイクロミン及びオイカトロピン等;
散瞳薬、例えば、アトロピン、シクロペントレート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、オイカトロピン及びヒドロキシアンフェタミン等;
精神賦活剤、例えば、3−(2−アミノプロピル)インドール、3−(2−アミノブチル)インドール等;
抗感染薬、例えば、抗生物質(ペニシリン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファメトキサゾール及びスルフイソキサゾール等);抗ウィルス剤(イドクスウリジン等);抗菌剤、例えば、エリスロマイシン及びクラリスロマイシン等;抗カビ剤、例えば、ケトコナゾール等、並びに、他の抗感染薬(ニトロフラゾン、シクロピロクス、テルビナフィン、ハシバミ等)等;
皮膚病薬、例えば、レチノイド;ビタミンC及びE;ベンゾイルペルオキシド(BPO)(通常、ジベンゾイルペルオキシドとも称される)並びにダプソーン等;
液性剤、例えば、プロスタグランジン、天然及び合成の、例えば、PGE1、PGE2−アルファ及びPGF2−アルファ並びにPGE1類似体ミソプロストール等;
抗痙攣薬、例えば、アトロピン、メタンテリン、パパベリン、シンナメドリン及びメトスコポラミン等;
抗鬱剤、例えば、パロキセチン、フェネルジン、トラニルシプロミン、イミプラミン、アミトリプチリン、トリミプラミン、ドキセピン、デシプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン、マプロチリン及びトラゾドン等;
抗糖尿病薬、例えばインスリン等、並びに、抗癌剤、例えばタモキシフェン及びメトトレキサート等;
食欲抑制薬、例えば、デキストロアンフェタミン、メタンフェタミン、フェニルプロパノールアミン、フェンフルラミン、ジエチルプロピオン、マジンドール及びフェンテルミン等。
抗アレルギー薬、例えば、アンタゾリン、メタピリレン、クロルフェニラミン、ピリラミン及びフェニラミン等;
精神安定剤、例えば、レセルピン、クロロプロマジン、及び、抗不安ベンゾジアゼピン、例えば、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロラゼペート、ハラゼパム、オキサゼパム、プラゼパム、クロナゼパム、フルラゼパム、トリアゾラム、ロラゼパム及びジアゼパム等;
抗精神病薬、例えば、チオプロパゼート、クロロプロマジン、トリフルプロマジン、メソリダジン、ピペラセタジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、トリフルオペラジン、クロロプロチキセン、チオチキセン、ハロペリドール、ブロモペリドール、ロクサピン及びモリンドン等;
充血除去剤、例えば、フェニレフリン、エフェドリン、ナファゾリン、テトラヒドゾリン;
解熱剤、例えば、アスピリン、サリチルアミド等;
片頭痛薬、例えば、ジヒドロエルゴタミン及びピゾチリン等;
嘔気及び嘔吐治療薬、例えば、クロロプロマジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、トリエチルペラジン、トリフルプロマジン及びトリメプラジン等;
抗マラリア治療薬、例えば、4−アミノキノリン、アルファアミノキノリン、クロロキノン及びピリメタミン等;
抗潰瘍薬、例えば、ミゾプロストール、オメプラゾール及びエンプロスチル等;
ペプチド、例えば成長分泌因子等;
パーキンソン病、痙性及び急性筋肉痙攣用の薬剤、例えば、レボドーパ、カルビドパ、アマンタジン、アポモルヒネ、ブロモクリプチン、セレギリン(デプレニール)、塩酸トリヘキシフェニジル、ベンズトロピンメシラート、塩酸プロシクリジン、バクロフェン、ジアゼパム及びダントロレン等;並びに
抗エストロゲン又はホルモン剤、例えばタモキシフェン若しくはヒト絨毛性ゴナドトロピン等。
一実施形態において、活性薬剤は、ケトプロフェン、エストラジオール、クロニジン及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。
上記の通り、特定の活性薬剤は、上述したものには限定されない。システムにおいて使用される適当な活性薬剤の他の例は、当業者に明らかであろう(例えば、薬剤及び薬学科学、マーセルデッカーインコーポレイテッド、ニューヨーク、ニューヨーク10016(1982年)の第14巻、「新規ドラッグデリバリーシステム」の表題のイエチェンの論文の第149〜217頁参照)。
当業者が理解する通り、活性薬剤は、どの形態が最適な送達、例えば以下で説明する放出速度及び放出総量をもたらすかに応じて、種々の形態で該システム中に存在してもよい。例えば、薬剤の場合には、該薬剤は、塩基性若しくは酸性形態、又は、塩、エステル若しくは他の任意の薬学的に許容可能な誘導体の形態、或いは、分子複合体の成分として存在してもよい。
該システムに組み込まれる活性薬剤の量は、多くの要因に応じて変化し、限定するものではないが、特定の活性薬剤、所望の治療効果、及び、システムが治療を提供する期間が挙げられる。ほとんどの活性薬剤は、皮膚を介した活性剤の通路が、経皮送達における律速工程である。従って、典型的には、活性薬剤の量及び放出速度が選択され、ゼロオーダーの時間依存性によって特徴付けられる、長時間の経皮送達を提供する。システムにおける活性薬剤の最少量は、システムが治療を提供する時間、皮膚又は他の基材を介して通過する活性薬剤の量に基づき選択される。典型的には、システムにおける活性薬剤の量は、当該システムの0.1%から最高で約60重量%、より典型的には、当該システムの約0.3%から最高で50重量%まで変化し、本発明によって許容される低薬剤用量については、最も典型的には、当該システムの約1.0から最高で30重量%まで変化する。当該システムの最少重量は、活性薬剤とハイブリッド組成物とを組み合わせた重量である。当該システムの活性薬剤の量に関するこれらの重量%範囲の具体例が、3つの好ましい活性薬剤、17−βエストラジオール、ナイアシンアミド及びケトコナゾールに関連して以下に提供される。
活性薬剤が、17−βエストラジオールを含む場合、17−βエストラジオールは典型的には、所望の特定の薬剤用量に応じて、当該系100重量部に基づき、1.5〜2.5、4〜6又は7〜13重量部の量で存在する。この同じ基準に基づき、2、5又は10重量部が、活性薬剤としての17−βエストラジオールについてより好ましい値である。
活性薬剤がナイアシンアミドを含む場合、ナイアシンアミドは典型的には、所望の特定の薬剤用量に応じて、当該系の100重量部に基づき、1.5〜2.5、4〜6、又は7〜13重量部の量で存在する。この同じ基準に基づき、2、5又は10重量部が、活性薬剤としてのナイアシンアミドにより好ましい値である。
活性薬剤がケトコナゾールを含む場合、ケトコナゾールは典型的には、所望の特定の薬剤用量に応じて、当該系の100重量部に基づき、1.5〜2.5、4〜6、又は7〜13重量部の量で存在する。この同じ基準に基づき、2、5又は10重量部が活性薬剤としてのケトコナゾールについてより好ましい値である。
上記重量割合は、限定するものではなく、任意の1以上の活性薬剤の重量割合は、当業者によって選択され得る。種々の活性薬剤の更に典型的な重量割合は、限定するものではないが、処方100重量部に基づき、約0.1〜約20、約1〜約10、約2〜約8、約3〜約9、約4〜約6又は約5重量部である。
更に活性薬剤に関して、活性薬剤が最も典型的にはハイブリッド組成物中に配置されることが理解される。しかしながら、活性薬剤とハイブリッド組成物とは別の層に共存してもよい。即ち、特定の実施形態では、活性薬剤は、ハイブリッド組成物に配置されないか又は直接的に組み込まれない。
当然のことながら、経皮ドラッグデリバリーシステムは、皮膚又は他の基材を介した活性薬剤の送達を加速させることが知られている他の特定の薬剤を含んでいてもよい。これらの他の薬剤はまた、当該分野において、皮膚貫通又は浸透エンハンサー、反応促進剤、アジュバント及び収着促進剤とも称され、本明細書では単に「エンハンサー」と総称される。これらのエンハンサーには、多種多様な作用機序を有するものが含まれ、例えば、角質層が水分を保持する能力を変化させること、皮膚を軟化させること、皮膚の浸透性を改善すること、浸透補助若しくは毛嚢オープナーとして作用すること、又は、境界層を含んだ皮膚の状態を変化させることによって、ハイブリッド組成物中での活性薬剤の溶解度及び拡散性を改善する機能を有するもの、並びに、経皮吸収を改善するものが挙げられる。これらのエンハンサーの一部は、2以上の作用機序を有するが、基本的に、活性薬剤の基材への送達を増強する働きをする。
エンハンサーのいくつかの例は、活性薬剤の溶解性を増強する、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール等の多価アルコール;オリーブ油、スクアレン及びラノリン等のオイル;セチルエーテル及びオレイルエーテル等の脂肪エーテル;活性剤の拡散性を増強するイソプロピルミリステート等の脂肪酸エステル;ケラチンの水分保持能力に作用する尿素及びアラントイン等の尿素誘導体;ケラチン浸透性に作用するジメチルデシルホスホキシド、メチルオクチルスルホキシド、ジメチルラウリルアミド、ドデシルピロリドン、イソソルビトール、ジメチルアセトニド、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド及びジメチルホルムアミド等の極性溶媒;ケラチンを軟化するサリチル酸;浸透助剤であるアミノ酸;毛嚢オープナーであるベンジルニコチネート;並びに、基材、例えば皮膚の表面状態及び投与される活性薬剤を変化させる、ラウリル硫酸塩等の高分子量脂肪族界面活性剤である。他の薬剤としては、オレイン酸及びリノレン酸、アスコルビン酸、パンテノール、ブチル化ヒドロキシトルエン、トコフェロール、トコフェリルアセテート、トコフェリルリノレアート、プロピルオレアート及びイソプロピルパルミテートが挙げられる。
本発明の特定の実施形態において、可塑剤又は粘着剤は、システム、典型的には組成物に組み込まれ、ハイブリッド組成物の接着特性を改善してもよい。粘着剤は、活性薬剤がシリコーンポリマーを可塑化しない実施形態において特に有用である。適当な粘着剤は、当該分野で既知のものであり、例えば(1)脂肪族炭化水素、(2)混合した脂肪族及び芳香族炭化水素、(3)芳香族炭化水素、(4)置換芳香族炭化水素、(5)水素化エステル、(6)ポリテルペン及び(7)水素化ウッドロジンが挙げられる。使用される粘着剤は典型的には、組成物中の他の成分と相溶性である。適当な粘着剤の例は、シリコーン流体(例えば、ダウコーニングコーポレーション、ミッドランド、ミシガンから市販されるQ7−9120シリコーン流体)、シリコーン樹脂(例えば、ダウコーニングコーポレーション、ミッドランド、ミシガンから市販されるQ2−7466 INT)又は鉱物油である。シリコーン流体及びシリコーン樹脂は、主要成分としてポリシロキサンを含んだ配合物に有用である。例えば合成ゴムが主要成分である他の実施形態において、鉱物油は、有用な粘着剤である。
組成物の成分中、一定のレベルまで溶解するので、とりわけ一部の活性薬剤、例えば血管拡張性ニトログリセリン等は、組成物中で可塑剤として機能する。成分中で迅速に溶解しない活性薬剤には、活性薬剤の共溶媒及び他の成分が添加されてもよい。共溶媒、例えばレクチン、レチノール誘導体、トコフェロール、ジプロピレングリコール、トリアセチン、プロピレングリコール、飽和及び不飽和脂肪酸、鉱物油、シリコーン流体、アルコール、ブチルベンジルフタレート等が、組成物中の活性薬剤の溶解度に応じて、本発明の実施に有用である。
粘着剤とは関係なく又は粘着剤と共に、ハイブリッド組成物は、システムと基材との間の接触を保持する。ハイブリッド組成物は、全体を通じて単に組成物とも称されるが、軽い圧力によって接着及び除去でき、(同じ又は別のものに)再び接着できるように十分な粘着性及び結合力を有する接着剤である。
上記可塑剤及び粘着剤に加え、ハイブリッド組成物は、当該分野で既知の種々の他の製剤添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は典型的には、少量で含まれ、選択された物性に影響を及ぼすか又はハイブリッド組成物の特定の性能を改善する。これらの添加剤の例としては、限定するものではないが、シリカ又は炭酸カルシウム等の充填剤、顔料、抗酸化剤、消泡剤、湿潤剤及び粘度調節剤が挙げられる。これらの添加剤は、本発明のハイブリッド組成物が経皮ドラッグデリバリーシステムに使用されるか否かに関わらず、適用することができる。
ハイブリッド組成物を使用する上記経皮ドラッグデリバリーシステムの他に、多種多様な用途において、単独でシリコーン系PSA又はアクリレート系PSAを使用することによっては見出されない、このハイブリッド組成物に関連する多様な利点が存在する。いくつかの利点としては、限定するものではないが、広範囲の表面エネルギーを有する基材への効果的な接着、広範囲の薬剤の改善した溶解性、純粋なアクリレート系PSAと比較してより広い効果的温度使用範囲、及び、純粋なシリコーン系PSAと比較してより低い予想コストが挙げられる。
ハイブリッド組成物の他の用途としては、限定するものではないが、テープ、ラベル、メモ、救急絆、経皮ドラッグデリバリーシステム(例えばパッチ)、口紅、ヘアスプレー、毛髪固定剤及び他の化粧品、転写接着剤、積層接着剤、表面の下塗り及び振動減衰性が挙げられる。
限定するものではないが、感圧接着剤(i)、ケイ素含有キャッピング剤(ii)、第2ケイ素含有キャッピング剤を含む本発明のいくつかの特徴、並びに、経皮ドラッグデリバリーシステムの特徴が、2005年10月25日出願の米国特許仮出願第60/730,070号明細書及び2006年10月24日出願のPCT国際出願第PCT/US2006/041430号明細書に記載され、これら双方の表題は、「アクリレート又はメタクリレート官能性感圧接着剤組成物を含んだ経皮ドラッグデリバリーシステム」であり、その開示はどちらも全体が引用によって本明細書に組み込まれる。1以上の非限定的な実施形態において、引用によって本明細書に明確に組み込まれる、2011年10月21日出願の米国特許第13/278,979号明細書に記載される1以上の成分、化合物等が、本発明において有用であってもよい。
実施例
詳細を説明する以下の例は、ケイ素含有感圧接着剤組成物の製造に関し、最終的には、本明細書に提示される通り、本発明のシリコーンアクリレートハイブリッド組成物が説明され、本発明を限定することを意図しない。
下記例で使用する成分は以下の通りである。
CA1は、アクリレート又はメタクリレート官能基を、ケイ素含有感圧接着剤組成物に提供するケイ素含有キャッピング剤であり、より具体的には、ゲレスト社から市販される3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシランである。
CA2は、アクリレート又はメタクリレート官能基を、ケイ素含有感圧接着剤組成物に提供するケイ素含有キャッピング剤であり、より詳細には、ゲレスト社から市販される3−メタクリロキシプロピルトリクロロシランである。
CA3は、アクリレート又はメタクリレート官能基を、ケイ素現有感圧接着剤組成物に提供するケイ素含有キャッピング剤であり、より詳細には、ダウコーニング社から市販される3−メタクリロキシプロピルジメトキシシランである。
2−EHAは、エチレン不飽和モノマーであり、具体的にはアルドリッチ社から市販される2−エチルヘキシルアクリレートである。
MAは、エチレン不飽和モノマーであり、具体的にはアルドリッチ社から市販されるメチルアクリレートである。
Vazo(登録商標)67は、フリーラジカル開始剤であり、具体的にはデュポン社から市販される2,2’−アゾビス(メチルブチロニトリル)である。
AIBNは、フリーラジカル開始剤であり、具体的にはアルドリッチ社から市販される2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)である。
樹脂1は、三次元構造中に、トリメチルシロキシ及びヒドロキシ末端ブロックされたシリケート樹脂を含んだ、71.79重量%固体のキシレン溶液である。
ポリマー1は、25℃で50,000cpの粘度及び最小不揮発含有率99%を有するヒドロキシ末端ブロックされたポリジメチルシロキサンである。
以下の例において、特に示さない限り、部及び割合は全て重量基準である。形成後、いくつかの例は、室温まで到達させ、一定期間ごとに目視で評価し、相分離が生じてないかを決定した。
比較例1は、以下でPSA1とも称されるが、従来の、即ち、覆われていない(uncapped)シリコーンPSAであり、シラノール末端ブロックされたポリジメチルシロキサン(PDMS)とシリケート樹脂との縮合反応によって製造され、エチルアセテート中、60重量%固体である。
例1−ジクロロ官能性キャッピング剤(Z=2)
32オンスの瓶に、811.0gのPSA1と4.8gのCA1とを添加する。pH試験紙の色の変化に示されるように、HClが直ちに発生する。材料を、混合ホイールで一晩混合する。次の日、100gの重炭酸ナトリウムを材料に添加して、HClの中和を助ける。次いで材料を一晩混合する。そして次の日材料を加圧ろ過し、粒子を除去する。材料について得られる不揮発性成分は、60.56%である。
例2−トリクロロ官能性キャッピング剤(Z=3)
32オンスの瓶に、831.0gのPSA1と5.0gのCA2とを添加する。pH試験紙の色の変化に示されるように、HClが直ちに発生する。材料を、混合ホイールで一晩混合する。次の日、100gの重炭酸ナトリウムを材料に添加して、HClの中和を助ける。材料を一晩混合する。そして次の日材料を加圧ろ過し、粒子を除去する。材料について得られる不揮発成分は、62.12%である。
例3−例1のジクロロ官能性キャッピング剤(Z=2)の使用
16オンスの瓶に、44.5gの2−EHA、19.4gのMA、104.5gの例1、10.5gのエチルアセテート溶媒及び0.091gのVazo(登録商標)67を添加して、予反応混合物を形成する。この予反応混合物中の材料を、完全に均質になるまで15分間攪拌する。混合後、42.3gの予反応混合物と123.6gのエチルアテート溶媒を、マントルヒータ、攪拌羽根/軸、窒素パージ、冷水による凝縮器及び熱電対を具えた四つ口ガラス反応器に添加する。予反応混合物の残りの部分を、別のナシ型ガラス容器に添加する。次いで、反応器中の混合物について加熱及び混合を開始する。反応温度を78℃に設定する。反応温度に達するとすぐに、更なる予反応混合物の反応器への添加に先立って、混合物を60分間反応させる。60分間経過すると、次いで容器内の混合物を、0.76グラム/分の速度で180分間、定量ポンプを使用して、容器中の混合物が無くなるまで添加する。次いで、反応器中の混合物を78℃で、更に480分間反応させ、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物を形成する。完了すると、ハイブリッド組成物を、反応器から取り出す前に室温まで冷却する。最終生成物は不透明である。2ヶ月室温に置いた後、この例は、相分離を示さない。
例4−例2のトリクロロ官能性キャッピング剤(Z=3)の使用
16オンスの瓶に、44.1gの2−EHA、19.1gのMA、103.1gの例2、11.5gのエチルアセテート溶媒及び0.091gのVazo(登録商標)67を添加して、予反応混合物を形成する。この予反応混合物中の材料を、完全に均質になるまで15分間攪拌する。混合後、43.6gの予反応混合物と123.8gのエチルアセテート溶媒とを、マントルヒータ、攪拌羽根/軸、窒素パージ、冷却水による凝縮器及び熱電対を具えた四つ口ガラス反応器に添加する。予反応混合物の残りの部分を、別のナシ型ガラス容器に添加する。次いで加熱及び混合を、反応器中の混合物について開始する。反応温度を78℃に設定する。反応温度に達するとすぐに、更なる予反応混合物の反応器への添加に先立って、混合物を60分間反応させる。60分間経過すると、次いで容器内の混合物を、0.79グラム/分の速度で170分間、定量ポンプを使用して、容器中の混合物が無くなるまで添加する。次いで、反応器中の混合物を78℃で、更に500分間反応させ、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物を形成する。完了すると、ハイブリッド組成物を、反応器から取り出す前に室温まで冷却する。最終生成物は不透明である。2ヶ月室温に置いた後、この例は、相分離を示さない。
例5(比較)
16オンスの瓶に、59.1gの2−EHA、25.2gのMA、140.1gのPSA1、12.0gのエチルアセテート溶媒及び12.8gのCA3及び0.123gのVazo(登録商標)67を添加して、予反応混合物を形成する。この予反応混合物中の材料を、完全に均質になるまで15分間攪拌する。混合後、60.6gの予反応混合物と169.9gのエチルアセテート溶媒とを、マントルヒータ、攪拌羽根/軸、窒素パージ、冷却水による凝縮器及び熱電対を具えた四つ口ガラス反応器に添加する。予反応混合物の残りの部分を、別のナシ型ガラス容器に添加する。次いで加熱及び混合を、反応器中の混合物について開始する。反応温度を78℃に設定する。反応温度に達するとすぐに、更なる予反応混合物の反応器への添加に先立って、混合物を67分間反応させる。67分間経過すると、次いで容器内の混合物を、1.00グラム/分の速度で189分間、定量ポンプを使用して、容器中の混合物が無くなるまで添加する。次いで、反応器中の混合物を78℃で、更に469分間反応させ、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物を形成する。完了すると、ハイブリッド組成物を、反応器から取り出す前に室温まで冷却する。最終生成物は不透明である。この例では、トリメトキシ官能性キャッピング剤を、プレキャッピング(pre-capping)よりもむしろ重量工程で直接添加する。2ヶ月室温に置いた後、この例は、相分離を示す。
例6−トリメトキシ官能性キャッピング剤(Z=3)
273.05gの樹脂1、160.38gのポリマー1、3.60gのCA3及び162.97gのキシレンを配合し、公称60%の固体混合物を得る。混合物をガラス反応器に入れる。反応器は、底部排出、温度計、窒素注入口、ディーン−スタークトラップ、水冷式凝縮器、攪拌羽根及びマントルヒータを具える。混合及び窒素パージ下で、反応器を142℃まで加熱する。縮合触媒、無水アンモニアを反応混合物によって泡立てる。混合物が縮合し始めると、ディーン−スタークトラップ中に水を共沸混合物として回収する。アンモニアの添加が終わる4時間、反応を継続する。混合物の還流を30分間続行して、残存アンモニアを除去する。混合物のpHが中性のとき、還流が完了する。その時点で、熱源を止め、混合物、即ちPSA組成物自体を50℃未満まで冷却する。次いで、混合物を反応器から除去する。材料について得られた不揮発性成分は、59.92%である。
例7−例6のトリメトキシ官能性キャッピング剤(Z=3)の使用
16オンスの瓶に、94.57gの2−EHA、31.52gのMA、211.98gの例6及び0.185gのAIBNを添加して、予反応混合物を形成する。この予反応混合物中の材料を、完全に均質になるまで15分間攪拌する。混合後、95.90gの予反応混合物と189.31gのエチルアセテート溶媒とを、マントルヒータ、攪拌羽根/軸、窒素パージ、冷却水による凝縮器及び熱電対を具えた四つ口ガラス反応器に添加する。予反応混合物の残りの部分を、別のナシ型ガラス容器に添加する。次いで、加熱及び混合を、反応器中の混合物について開始する。反応温度を78℃に設定する。反応温度に達するとすぐに、更なる予反応混合物の反応器への添加に先立って、混合物を30分間反応させる。30分間経過すると、次いで容器内の混合物を、1.10グラム/分の速度で220分間、定量ポンプを使用して、容器中の混合物が無くなるまで添加する。次いで、反応器中の混合物を78℃で、更に105分間反応させ、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物を形成する。完了すると、ハイブリッド組成物を、室温まで冷却し、82.99gのエチルアセテートを添加して、材料の固形成分含有量を更に調節する。最終生成物を反応器から除去し、色は不透明である。3年室温に置いた後、この例は、相分離を示さない。
これらの例は、本発明のシリコーンアクリレート組成物が安定であり、時間経過による耐相分離性があることを示す。この安定性及び耐相分離性は、比較例5と比べた場合に顕著である。
上記の1以上の値は、差が本発明の範囲内にある場合に限り、±5%、±10%、±15%、±20%、±25%等変化してもよい。他の全ての要素から独立したマーカッシュ群の各々の要素から予測しない結果が得られてもよい。各々の要素は、個別に又は組み合わせて利用されてもよく、添付の特許請求の範囲の範囲内の具体的な実施形態の適正な裏付けを提供する。独立及び従属請求項の全ての組み合わせの対象は、単独及び複数で依存しており、本明細書において明確に検討される。本開示は、説明的なものであり、限定よりもむしろ、説明的な表現を含む。上記教示に鑑みて、本開示の多くの修正及び変更が可能であり、本明細書で具体的に記載した以外の別の方法で、本発明が実施されてもよい。

Claims (10)

  1. (A)アクリレート又はメタクリレート官能基と、
    シリコーン樹脂、シリコーンポリマー、及び前記アクリレート又はメタクリレート官能基を提供する一般式XYR’SiZ3−b[式中、Xは、一般式AE−(Eは、−O−又は−NH−であり、Aは、アクリル基又はメタクリル基である)の1価の基であり、Yは、1〜6個の炭素原子を有する2価のアルキレン基であり、R’は、メチル又はフェニル基であり、Zは、1価の加水分解性有機基又はハロゲンであり、bは、0又は1である]のケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物と、
    を含んだケイ素含有感圧接着剤組成物と;
    (B)エチレン不飽和モノマーと;
    (C)開始剤と;
    の反応生成物を含み、
    前記シリコーン樹脂と前記シリコーンポリマーとを反応させて感圧接着剤を形成し、
    前記シリコーン樹脂と前記シリコーンポリマーとを反応させる前、間又は後に前記ケイ素含有キャッピング剤を導入し、
    前記ケイ素含有キャッピング剤が、前記シリコーン樹脂と前記シリコーンポリマーとが縮合反応して前記感圧接着剤を形成した後に、前記感圧接着剤と反応するか、或いは、
    前記ケイ素含有キャッピング剤が、前記シリコーン樹脂及び前記シリコーンポリマーとその場で反応する、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物。
  2. 前記エチレン不飽和モノマー(B)が、脂肪族アクリレート、脂肪族メタクリレート、脂環式アクリレート、脂環式メタクリレート及びこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物であり、
    前記化合物の各々は、アルキル基中に最高で20個の炭素原子を有し、
    前記脂肪族アクリレートは任意に、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソ−オクチルアクリレート、イソ−ノニルアクリレート、イソ−ペンチルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート及びこれらの組み合わせからなる群より選択され、
    前記脂肪族メタクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソ−オクチルメタクリレート、イソ−ノニルメタクリレート、イソ−ペンチルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のハイブリッド組成物。
  3. 前記ケイ素含有感圧接着剤組成物(A)が、前記ハイブリッド組成物中に、前記ハイブリッド組成物100重量部に基づき、5〜95重量部の量で存在し、及び/又は、
    前記エチレン不飽和モノマー(B)が、前記ハイブリッド組成物中に、前記ハイブリッド組成物100重量部に基づき、5〜95重量部の量で存在し、及び/又は、
    前記開始剤(C)が、前記ハイブリッド組成物中に、前記ハイブリッド組成物100重量部に基づき、0.005〜3重量部の量で存在し、
    (A)、(B)及び(C)の合計が、100重量部を超えない、請求項1又は2に記載のハイブリッド組成物。
  4. 前記ケイ素含有キャッピング剤が、3−メタクリロキシプロピルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトシキシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)トリメトキシシラン、(メタクリロキシメチル)メチルジエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−アクリロキシプロピルジクロロシラン、3−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン及びこれらの組み合わせからなる群より任意に選択されるアクリレート官能性シランである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド組成物。
  5. 前記シリコーン樹脂が、式R SiO1/2[式中、各々のRは独立して、1〜6個の炭素原子を有する1価の炭化水素基を示す]のトリオルガノシロキシ単位と、式SiO4/2の四官能性シロキシ単位とを、各四官能性シロキシ単位について約0.6〜0.9のトリオルガノシロキシ単位の比で含んだコポリマーを含み、
    前記シリコーンポリマーが、末端ブロッキングTRSiO1/2単位によって終端したARSiO単位を含んだ少なくとも1つのポリジオルガノシロキサンを含み、式中、各々のA基は独立して、1〜6個の炭素原子を有するR又はハロヒドロ−炭素基から選択され、各々のT基は独立して、R、OH、H又はORからなる群より選択され、各々のRは独立して、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
    前記ポリジオルガノシロキサンが、25℃で約100センチポイズ〜約30,000,000センチポイズの粘度を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド組成物。
  6. 前記シリコーン樹脂が、100重量部の前記感圧接着剤(i)に基づき、30〜80重量部の量で反応して前記感圧接着剤(i)を形成し、
    前記シリコーンポリマーが、100重量部の前記感圧接着剤(i)に基づき、20〜70重量部の量で反応して前記感圧接着剤(i)を形成する、請求項5に記載のハイブリッド組成物。
  7. (I)アクリレート又はメタクリレート官能基と、シリコーン樹脂、シリコーンポリマー、及び前記アクリレート又はメタクリレート官能基を提供する一般式XYR’SiZ3−b[式中、Xは、一般式AE−(Eは、−O−又は−NH−であり、Aは、アクリル基又はメタクリル基である)の1価の基であり、Yは、1〜6個の炭素原子を有する2価のアルキレン基であり、R’は、メチル又はフェニル基であり、Zは、1価の加水分解性有機基又はハロゲンであり、bは、0又は1である]のケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物と、を含んだケイ素含有感圧接着剤組成物を提供する工程と、
    (II)エチレン不飽和モノマーと、前記工程(I)の前記ケイ素含有感圧接着組成物とを、任意に50〜100℃の温度で、開始剤の存在下重合し、シリコーンアクリレートハイブリッド組成物を形成する工程と、
    を含んだシリコーンアクリレートハイブリッド組成物の製造方法であって、
    前記シリコーン樹脂と前記シリコーンポリマーとを反応させて感圧接着剤を形成し、
    前記シリコーン樹脂と前記シリコーンポリマーとを反応させる前、間又は後に前記ケイ素含有キャッピング剤を導入し、
    前記ケイ素含有キャッピング剤が、前記シリコーン樹脂と前記シリコーンポリマーとが縮合反応して前記感圧接着剤を形成した後に、前記感圧接着剤と反応するか、或いは、
    前記ケイ素含有キャッピング剤が、前記シリコーン樹脂及び前記シリコーンポリマーとその場で反応する、製造方法。
  8. (I)基材への制御された経皮送達のための活性薬剤と、
    (II)前記基材との接触を維持するためのシリコーンアクリレートハイブリッド組成物と、
    を含んだ経皮ドラッグデリバリーシステムであって、
    前記ハイブリッド組成物が、アクリレート又はメタクリレート官能基と、シリコーン樹脂、シリコーンポリマー、及び前記アクリレート又はメタクリレート官能基を提供する一般式XYR’SiZ3−b[式中、Xは、一般式AE−(Eは、−O−又は−NH−であり、Aは、アクリル基又はメタクリル基である)の1価の基であり、Yは、1〜6個の炭素原子を有する2価のアルキレン基であり、R’は、メチル又はフェニル基であり、Zは、1価の加水分解性有機基又はハロゲンであり、bは、0又は1である]のケイ素含有キャッピング剤の縮合反応生成物と、を含み、
    前記シリコーン樹脂と前記シリコーンポリマーとを反応させて感圧接着剤を形成し、
    前記シリコーン樹脂と前記シリコーンポリマーとを反応させる前、間又は後に前記ケイ素含有キャッピング剤を導入し、
    前記ケイ素含有キャッピング剤が、前記シリコーン樹脂と前記シリコーンポリマーとが縮合反応して前記感圧接着剤を形成した後に、前記感圧接着剤と反応するか、或いは、
    前記ケイ素含有キャッピング剤が、前記シリコーン樹脂及び前記シリコーンポリマー、エチレン不飽和モノマー並びに開始剤とその場で反応し、
    前記システムが、パッチ、フィルム、多層包帯剤、リザーバーシステム及びこれらの組み合わせからなる群より任意に選択される、経皮ドラッグデリバリーシステム。
  9. 前記活性薬剤と前記ハイブリッド組成物とが、前記システム中で別々の相に共存する、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記ハイブリッド組成物を支持するバッキング層;及び/又は
    基材への制御された経皮送達の前に、前記ハイブリッド組成物及び/又は前記活性薬剤を保護するための剥離ライナー;
    を含んだ、請求項8又は9に記載のシステム。
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