本発明が適用された遊技機の実施例1を図面を用いて説明すると、本実施例の遊技機であるスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「黒BAR」、「白BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図7参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図7参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図7参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
また、前面扉1bにおける上方には、画像を表示可能な液晶表示器51及び構造物を用いて特定の結果が特定可能となる役物200が設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば後述のRT2終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(例えば後述のRT2終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図7参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図7参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図7参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図7参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図7参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図7参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図7参照)が設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
尚、電源ボックスは、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、遊技状態に関わらず、規定数の賭数は3に定められており、賭数として3枚のメダルが設定されると、入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、透視窓3から視認可能なリール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞を構成する図柄の組み合わせが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が、入賞ラインLN上に各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインLN上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
次に、役物200の構成について図4〜図6を用いて説明する。図4(a)は、役物200の正面図であり、図4(b)は、役物200の裏面図であり、図5及び図6は、役物200の動作状況を説明するための正面図である。尚、図4〜図6では、役物の正面側を表側とし、役物の裏面側を裏側として説明する。
役物200は、図4(a)(b)に示すように、外側回転板201、内側回転板202、回転板表側カバー240、回転板裏側カバー245、シャッタ回転板203、軸204、第1誘導部材205、シャッタ被覆部材206、下部誘導樋207、上部誘導樋208、第2誘導部材209、シャッタ部材230、裏面通路250から主に構成される。
外側回転板201は、中心が開口する円盤状に形成されており、軸204を中心に回転可能とされている。外側回転板201には、その表面と裏面を貫通する4つの当たり用孔210、4つのハズレ用孔211がそれぞれ交互に等間隔で設けられている。当たり用孔210は、外側回転板201の中心側の内側面が裏側から表側に向かって外側回転板201の中心側に傾斜するように形成されており、ハズレ用孔211は、外側回転板201の中心側の内側面が表側から裏側に向かって外側回転板201の中心側に傾斜するように形成されている。
内側回転板202は、外側回転板201の中心開口よりも若干小計の円盤状に形成されており、外側回転板201の内側で軸204を中心に回転可能とされている。内側回転板202には、その表面と裏面を貫通する1つの当たり用孔220、3つのハズレ用孔221が等間隔で設けられている。当たり用孔220は、内側回転板202の中心側の内側面が表側から裏側に向かって内側回転板202の中心側に傾斜するように形成され、内側回転板202の外方側の内側面が裏側から表側に向かって内側回転板202の外方側に傾斜するように形成されており、ハズレ用孔221は、内側回転板202の外方側の内側面が表側から裏側に向かって外側回転板201の外方側に傾斜するように形成されている。
回転板表側カバー240は、外側回転板201及び内側回転板202の表側を被覆するカバーであり、図4(a)に示すように、回転板表側カバー240には、外側回転板201に設けられた当たり用孔210、ハズレ用孔211が最も下側に位置する場合に連通する位置に第1連通孔241が形成され、外側回転板201に設けられた当たり用孔210が最も上側に位置する場合に連通する位置に第2連通孔242が形成され、内側回転板202に設けられた当たり用孔220、ハズレ用孔221が最も下側に位置する場合に連通する位置に第3連通孔243が形成されている。
回転板裏側カバー245は、外側回転板201及び内側回転板202の裏側を被覆するカバーであり、図4(b)に示すように、回転板裏側カバー245には、外側回転板201に設けられたハズレ用孔211が最も上側に位置する場合に連通する位置に第1ハズレ連通孔251が形成され、内側回転板202に設けられたハズレ用孔221が最も下側に位置する場合に連通する位置に第2ハズレ連通孔257が形成され、内側回転板202に設けられた当たり用孔220が最も上側に位置する場合に連通する位置にV入賞連通孔254が形成されている。
シャッタ回転板203は、内側回転板202よりも小径であり、かつ一部に形成された切欠を除き内側回転板202の当たり用孔220及びハズレ用孔221の外方側の一部を被覆可能に形成されており、回転板表側カバー240の表面側で軸204を中心に回転可能とされている。そして、シャッタ回転板203と内側回転板202との位置関係が図5に示す位置関係の場合には、シャッタ回転板203と内側回転板202とが同期回転することで当たり用孔220の外方側の一部がシャッタ回転板203により閉塞され、ハズレ用孔221は閉塞されず、図6に示す位置関係の場合には、シャッタ回転板203と内側回転板202とが同期回転することでハズレ用孔221の外方側の一部がシャッタ回転板203により閉塞され、当たり用孔220は閉塞されないようになっている。また、内側回転板202が回転する一方でシャッタ回転板203が図4(a)に示す位置で回転せずに停止することで当たり用孔220及びハズレ用孔221のいずれも閉塞されないようになっている。
第1誘導部材205は、回転板表側カバー240の表面から延設された表面視略筒状の部材であり、第2連通孔242を介して外側回転板201の当たり用孔210から落下した演出球280が上部誘導樋208に誘導されるようになっている。
シャッタ被覆部材206は、第1誘導部材205の表面を被覆する部材であり、第1誘導部材205及びシャッタ被覆部材206によりシャッタ回転板203が被覆されることで、遊技者側からシャッタ回転板203の動作状況が視認できないようになっている。
下部誘導樋207は、回転板表側カバー240の表面から延設された表面視略円弧状の部材であり、略円弧状の最下部位置に第1連通孔241が形成され、シャッタ部材230の開放位置への動作により下部誘導樋207の一端側に待機している演出球280が開放されることで、開放された演出球280が第1連通孔241に誘導されるようになっている。
上部誘導樋208は、回転板表側カバー240の表面から延設された表面視略円弧状の部材であり、略円弧状の最下部位置に第3連通孔243が形成され、第2連通孔242を介して外側回転板201の当たり用孔210から落下した演出球280が第3連通孔243に誘導されるようになっている。
第2誘導部材209は、回転板表側カバー240の表面から延設された表面視略く字状の部材であり、第2連通孔242を介して外側回転板201の当たり用孔210から落下した演出球280が上部誘導樋208の図中右側に落下するように第2誘導部材209により誘導されるようになっている。
シャッタ部材230は、下部誘導樋207の一端側において、閉鎖位置(図4(a)の位置)、開放位置(図5(a)の位置)の一方に移動自在に設けられており、シャッタ部材230が待機位置の場合に演出球280が下部誘導樋207の一端に待機し、開放位置の場合に演出球280が下部誘導樋207の一端から中央に向けて開放されるようになっている。
裏面通路250は、図4(b)に示すように、第1ハズレ通路252、第2ハズレ通路258、V入賞通路255、合流通路260から構成される。
第1ハズレ通路252は、第1ハズレ連通孔251から流入した演出球280が流下する通路であり、第2ハズレ通路258は、第2ハズレ連通孔257から流入した演出球280が流下する通路であり、V入賞通路255は、V入賞連通孔254から流入した演出球280が流下する通路である。第1ハズレ通路252には、第1ハズレ通路252内の演出球280の通過を検知する第1ハズレセンサ253が設けられており、第2ハズレ通路258には、第2ハズレ通路258内の演出球280の通過を検知する第2ハズレセンサ259が設けられており、V入賞通路255には、V入賞通路255内の演出球280の通過を検知するV入賞センサ256が設けられている。本実施例では、特に演出球280がV入賞連通孔254からV入賞通路255に進入してV入賞センサ256に検出されることをV入賞と呼ぶ。
これら第1ハズレ通路252、第2ハズレ通路258、V入賞通路255の下流側がいずれも合流通路260の上流側に繋がっており、これら通路から流入した演出球280は、それぞれ第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259、V入賞センサ256に検出された後、合流通路260に流入するようになっている。
合流通路260には、合流通路260内の演出球280の通過を検知する戻り球センサ261が設けられている。合流通路の最下流側には表面側の下部誘導樋207の一端側に連通する球出口262が設けられており、これらの通路を流下した演出球280はいずれも合流通路260に合流し、戻り球センサ261に検出された後、球出口262を介して下部誘導樋207の一端側に排出されるようになっている。
役物200は、図7に示すように、前述の第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259、V入賞センサ256、戻り球センサ261に加え、外側モータ270、内側モータ271、シャッタモータ272、開閉ソレノイド273、外側センサ274、内側センサ275、シャッタセンサ276を備える。
外側モータ270は外側回転板201を回転駆動するモータであり、内側モータ271は内側回転板202を回転駆動するモータであり、シャッタモータ272はシャッタ回転板203を回転駆動するモータである。
外側センサ274は外側回転板201の基準位置を特定するセンサであり、内側センサ275は内側回転板202の基準位置を特定するセンサであり、シャッタセンサ276はシャッタ回転板203の基準位置を特定するセンサである。
外側モータ270、内側モータ271、シャッタモータ272はステッピングモータにて構成されており、外側センサ274、内側センサ275、シャッタセンサ276により検出された基準位置からのステップ数により外側回転板201、内側回転板202、シャッタ回転板203それぞれの位置(基準位置からの回転角度)が特定可能とされており、外側回転板201、内側回転板202、シャッタ回転板203同士を任意の位置関係でそれぞれ回転駆動可能とされている。特に、本実施例では、内側回転板202とシャッタ回転板203との位置関係を特定の位置関係として同期回転させることが可能となっている。
開閉ソレノイド273は、シャッタ部材230を待機位置から開放位置に駆動するものであり、開閉ソレノイド273を駆動することで待機位置に位置するシャッタ部材230が開放位置に移動し、これにより下部誘導樋207の一端に待機する演出球280が開放され、下部誘導樋207の中央に向かって放出されるようになっている。
次に役物200の動作状況を図5及び図6を用いて説明する。図5(a)(b)は、後述の非V入賞モードにおいて同期回転する内側回転板202とシャッタ回転板203との位置関係を示す図であり、図5(a)では、演出球280が下部誘導樋207を転動する状態が示されており、図5(b)では、演出球280が上部誘導樋208条を転動する状態が示されている。また、図5(a)は、後述するV入賞可能モードにおいてシャッタ回転板203が停止する位置を示す図でもある。図6(a)(b)は、後述のV入賞モードにおいて同期回転する内側回転板202とシャッタ回転板203との位置関係を示す図であり、図6(a)(b)では、ともに出球280が上部誘導樋208条を転動する状態が示されている。
役物200は、上部誘導樋208上の演出球280がV入賞することのない非V入賞モード、上部誘導樋208上の演出球280が必ずV入賞するV入賞モード、上部誘導樋208上の演出球280がV入賞する可能性もV入賞しない可能性もあるV入賞可能モードのいずれかの動作モードに制御される。
非V入賞モードに制御される場合には、まず、図5(a)(b)に示すように、内側回転板202とシャッタ回転板203との位置関係が、当たり用孔220の外方側の一部がシャッタ回転板203により閉塞され、ハズレ用孔221は閉塞されない位置関係、すなわち上部誘導樋208上の演出球280の当たり用孔220内への進入が阻止され、ハズレ用孔221内にのみ進入可能となる位置関係となるように内側回転板202とシャッタ回転板203とを図中反時計回り方向に同期回転させる。さらに外側回転板201を図中時計回り方向(内側回転板202とシャッタ回転板203の回転方向とは逆方向)に回転させる。その後、内側回転板202とシャッタ回転板203とは、上部誘導樋208上の演出球280の当たり用孔220内への進入が阻止され、ハズレ用孔221内にのみ進入可能となる位置関係のまま、演出球280が第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259またはV入賞センサ256に検出された後、戻り球センサ261に検出されるまで同期回転が維持される。
これら内側回転板202とシャッタ回転板203とが、上部誘導樋208上の演出球280の当たり用孔220内への進入が阻止され、ハズレ用孔221内にのみ進入可能となる位置関係で同期回転し、かつ外側回転板201の回転が開始することでシャッタ部材230の待機位置から開放位置への移動が許可されることとなり、この状態で、シャッタ部材230が開放位置へ移動すると下部誘導樋207の一端に待機する演出球280が開放され、図5(a)に示すように、開放された演出球280は開放された勢いで下部誘導樋207上を図中左右方向に転動し、最終的に略中央部に誘導され、第1連通孔241に位置する外側回転板201の当たり用孔210、ハズレ用孔211のうちの一方に演出球280が進入する。
演出球280がハズレ用孔211に進入した場合には、外側回転板201の回転により上方に揚送され、最上部に到達することでハズレ用孔211の中央側の内側面が表側から裏側に向かって傾斜した状態となるため、演出球280は第1ハズレ連通孔251を介して第1ハズレ通路252に排出され、第1ハズレセンサ253に検出された後、合流通路260内の戻り球センサ261に検出され、球出口262を介して下部誘導樋207の一端に排出される。この状態では、シャッタ部材230が待機位置に戻っており、演出球280は再び下部誘導樋207の一端に待機した状態となる。
演出球280が当たり用孔210に進入した場合には、外側回転板201の回転により上方に揚送され、最上部に到達することで当たり用孔210の中央側の内側面が裏側から表側に向かって傾斜した状態となるため、演出球280は第2連通孔242を介して外側回転板201及び内側回転板202の表側に排出され、上部誘導樋208上に落下し、図5(b)に示すように、落下した勢いで上部誘導樋208上を図中左右方向に転動し、最終的に略中央部に誘導される。
この際、内側回転板202とシャッタ回転板203との位置関係が、上部誘導樋208上の演出球280の当たり用孔220内への進入が阻止され、ハズレ用孔221内にのみ進入可能となる位置関係となるように内側回転板202とシャッタ回転板203とが同期回転しているため、第3連通孔243に内側回転板202の当たり用孔220が位置する場合でも演出球280が当たり用孔220に進入することなく、第3連通孔243に内側回転板202のハズレ用孔221が位置したときにハズレ用孔221に演出球280が進入する。すなわち上部誘導樋208上の演出球280は必ずハズレ用孔221に進入することとなる。
第3連通孔243に内側回転板202のハズレ用孔221が位置する状態では、ハズレ用孔221の外方側の内側面が表側から裏側に傾斜した状態となるため、演出球280は第2ハズレ連通孔257を介して第2ハズレ通路258に排出され、第2ハズレセンサ259に検出された後、合流通路260内の戻り球センサ261に検出され、球出口262を介して下部誘導樋207の一端に排出される。この状態では、シャッタ部材230が待機位置に戻っており、演出球280は再び下部誘導樋207の一端に待機した状態となる。
このように非V入賞モードに制御されている場合には、第1段階となる下部誘導樋207にて50%(4/8)の確率で演出球280が当たり用孔210に進入し、第2段階となる上部誘導樋208に案内されることとなるが、50%(4/8)の確率で演出球280がハズレ用孔211に進入することでV入賞する可能性がなくなる。
また、第2段階となる上部誘導樋208では、当たり用孔220への演出球280の進入が阻止されるため、100%の確率で演出球280がハズレ用孔221に進入することとなり、V入賞することがないようになっている。
V入賞モードに制御される場合には、まず、図6(a)(b)に示すように、内側回転板202とシャッタ回転板203との位置関係が、ハズレ用孔221の外方側の一部がシャッタ回転板203により閉塞され、当たり用孔220は閉塞されない位置関係、すなわち上部誘導樋208上の演出球280のハズレ用孔221内への進入が阻止され、当たり用孔220内にのみ進入可能となる位置関係となるように内側回転板202とシャッタ回転板203とを図中反時計回り方向に同期回転させる。さらに外側回転板201を図中時計回り方向(内側回転板202とシャッタ回転板203の回転方向とは逆方向)に回転させる。その後、内側回転板202とシャッタ回転板203とは、上部誘導樋208上の演出球280のハズレ用孔221内への進入が阻止され、当たり用孔220内にのみ進入可能となる位置関係のまま、演出球280が第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259またはV入賞センサ256に検出された後、戻り球センサ261に検出されるまで同期回転が維持される。
これら内側回転板202とシャッタ回転板203とが、上部誘導樋208上の演出球280のハズレ用孔221内への進入が阻止され、当たり用孔220内にのみ進入可能となる位置関係で同期回転し、かつ外側回転板201の回転が開始することでシャッタ部材230の待機位置から開放位置への移動が許可されることとなり、この状態で、シャッタ部材230が開放位置へ移動すると下部誘導樋207の一端に待機する演出球280が開放され、非V入賞モードと同様に、開放された演出球280は開放された勢いで下部誘導樋207上を図中左右方向に転動し、最終的に略中央部に誘導され、第1連通孔241に位置する外側回転板201の当たり用孔210、ハズレ用孔211のうちの一方に演出球280が進入する。
演出球280がハズレ用孔211に進入した場合には、非V入賞モードと同様に、外側回転板201の回転により上方に揚送され、最上部に到達することで演出球280は第1ハズレ連通孔251を介して第1ハズレ通路252に排出され、第1ハズレセンサ253、戻り球センサ261に検出され、球出口262を介して下部誘導樋207の一端に排出され、演出球280は再び下部誘導樋207の一端に待機した状態となる。
演出球280が当たり用孔210に進入した場合にも、非V入賞モードと同様に、外側回転板201の回転により上方に揚送され、最上部に到達することで演出球280は第2連通孔242を介して外側回転板201及び内側回転板202の表側に排出され、上部誘導樋208上に落下し、図6(a)(b)に示すように、落下した勢いで上部誘導樋208上を図中左右方向に転動し、最終的に略中央部に誘導される。
この際、内側回転板202とシャッタ回転板203との位置関係が、上部誘導樋208上の演出球280のハズレ用孔221内への進入が阻止され、当たり用孔220内にのみ進入可能となる位置関係となるように内側回転板202とシャッタ回転板203とが同期回転しているため、第3連通孔243に内側回転板202のハズレ用孔221が位置する場合でも演出球280がハズレ用孔221に進入することなく、第3連通孔243に内側回転板202の当たり用孔220が位置したときに当たり用孔220に演出球280が進入する。すなわち上部誘導樋208上の演出球280は必ず当たり用孔220に進入することとなる。
第3連通孔243に内側回転板202の当たり用孔220が位置する状態では、当たり用孔220の外方側の内側面が裏側から表側に傾斜した状態となるため、演出球280が第2ハズレ連通孔257を介して第2ハズレ通路258に排出されることはなく、内側回転板202の回転により上方に揚送され、最上部に到達することで当たり用孔220の中央側の内側面が表側から裏側に向かって傾斜した状態となるため、演出球280はV入賞連通孔254を介してV入賞通路255に排出され、V入賞センサ256、戻り球センサ261に検出され、球出口262を介して下部誘導樋207の一端に排出され、演出球280は再び下部誘導樋207の一端に待機した状態となる。
このようにV入賞モードに制御されている場合には、非V入賞モードと同様に、第1段階となる下部誘導樋207にて50%(4/8)の確率で演出球280が当たり用孔210に進入し、第2段階となる上部誘導樋208に案内されることとなるが、50%(4/8)の確率で演出球280がハズレ用孔211に進入することでV入賞する可能性がなくなる。
一方、第2段階となる上部誘導樋208では、ハズレ用孔221への演出球280の進入が阻止されるため、100%の確率で演出球280が当たり用孔220に進入することとなり、必ずV入賞するようになっている。
V入賞可能モードに制御される場合には、まず、例えば、図5(a)に示すように、シャッタ回転板203を回転させ、シャッタ回転板203の切欠部分が第3連通孔243の位置となることでシャッタ回転板203と第3連通孔243とが重ならない位置となったときにシャッタ回転板203を停止させる。その後、内側回転板202を図中時計回り方向に回転させ、外側回転板201を図中時計回り方向(内側回転板202とシャッタ回転板203の回転方向とは逆方向)に回転させる。その後、シャッタ回転板203は、シャッタ回転板203と第3連通孔243とが重ならない位置のまま、演出球280が第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259またはV入賞センサ256に検出された後、戻り球センサ261に検出されるまで停止した状態となる。
シャッタ回転板203が、シャッタ回転板203と第3連通孔243とが重ならない位置で停止し、外側回転板201、内側回転板202の回転が開始することでシャッタ部材230の待機位置から開放位置への移動が許可されることとなり、この状態で、シャッタ部材230が開放位置へ移動すると下部誘導樋207の一端に待機する演出球280が開放され、非V入賞モードやV入賞モードと同様に、開放された演出球280は開放された勢いで下部誘導樋207上を図中左右方向に転動し、最終的に略中央部に誘導され、第1連通孔241に位置する外側回転板201の当たり用孔210、ハズレ用孔211のうちの一方に演出球280が進入する。
演出球280がハズレ用孔211に進入した場合には、非V入賞モードやV入賞モードと同様に、外側回転板201の回転により上方に揚送され、最上部に到達することで演出球280は第1ハズレ連通孔251を介して第1ハズレ通路252に排出され、第1ハズレセンサ253、戻り球センサ261に検出され、球出口262を介して下部誘導樋207の一端に排出され、演出球280は再び下部誘導樋207の一端に待機した状態となる。
演出球280が当たり用孔210に進入した場合にも、非V入賞モードやV入賞モードと同様に、外側回転板201の回転により上方に揚送され、最上部に到達することで演出球280は第2連通孔242を介して外側回転板201及び内側回転板202の表側に排出され、上部誘導樋208上に落下し、落下した勢いで上部誘導樋208上を図中左右方向に転動し、最終的に略中央部に誘導される。
この際、シャッタ回転板203は、第3連通孔243と重ならない位置で停止しているため、上部誘導樋208上の演出球280は、第3連通孔243に位置する外側回転板201の当たり用孔210、ハズレ用孔211のうちの一方に演出球280が進入する。
演出球280がハズレ用孔221に進入した場合には、非V入賞モードと同様に、演出球280は第2ハズレ連通孔257を介して第2ハズレ通路258に排出され、第2ハズレセンサ259に検出された後、合流通路260内の戻り球センサ261に検出され、球出口262を介して下部誘導樋207の一端に排出される。この状態では、シャッタ部材230が待機位置に戻っており、演出球280は再び下部誘導樋207の一端に待機した状態となる。
演出球280が当たり用孔220に進入した場合には、V入賞モードと同様に、演出球280が内側回転板202の回転により上方に揚送され、演出球280はV入賞連通孔254を介してV入賞通路255に排出され、V入賞センサ256、戻り球センサ261に検出され、球出口262を介して下部誘導樋207の一端に排出され、演出球280は再び下部誘導樋207の一端に待機した状態となる。
このようにV入賞可能モードに制御されている場合には、非V入賞モードやV入賞モードと同様に、第1段階となる下部誘導樋207にて50%(4/8)の確率で演出球280が当たり用孔210に進入し、第2段階となる上部誘導樋208に案内されることとなるが、50%(4/8)の確率で演出球280がハズレ用孔211に進入することでV入賞する可能性がなくなる。
また、第2段階となる上部誘導樋208では、25%(1/4)の確率で演出球280が当たり用孔210に進入してV入賞する一方で、75%(3/4)の確率で演出球280がハズレ用孔221へ進入してV入賞することがないようになっている。
本実施例では、後述のように役物200を利用してARTの上乗せが特定されるようになっている。詳しくは、ART中において演出球280がV入賞することでARTの上乗せが特定されるようになっている。
図7は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図7に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。尚、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としても良い。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、図8に示すクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、図8に示す乱数回路508a、508bに供給される。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
図8は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図8に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込みコントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割り込みコントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
リセット/割込みコントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。
リセット/割込みコントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間毎にタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。
クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。
照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインタフェース501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインタフェース501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。
RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを4チャネル搭載している。
乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。
タイマ回路509は、8ビットプログラマブルタイマであり、メイン制御部41は、タイマ回路509として、8ビットのカウンタを3チャネル備える。本実施例では、タイマ回路509を用いてユーザプログラムによる設定により、リアルタイム割り込み要求や時間計測を行うことが可能である。
割り込みコントローラ510は、PI5/XINT端子からの外部割り込み要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割り込み要求を制御する回路である。
パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポート(PIP)を内蔵する。また、図8に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポート(POP)を内蔵する。
シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。尚、メイン制御部41は、シリアル通信回路512として、送受信両用の1チャネルの回路と、送信用のみの3チャネルの回路と、を備える。
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
本実施例においてメイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56、役物200に設けられた第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259、V入賞センサ256、戻り球センサ261、外側センサ274、内側センサ275、シャッタセンサ276が接続されており、このセンサ類、スイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、演出制御基板90には、後述するサブエラー報知を解除するためのサブリセットスイッチ99が備えられている。演出制御基板90は、前面扉1bの内側に取り付けられており、前述のように前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、サブリセットスイッチ99は、所定のキーを所持する者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出装置は役物200を含み、演出制御基板90には、役物200に設けられた外側モータ270、内側モータ271、シャッタモータ272、開閉ソレノイド273が接続されており、これらモータ類及びソレノイドは、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、役物200等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置などを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、外側モータ270、内側モータ271、シャッタモータ272の駆動制御を行うモータ駆動回路99a、開閉ソレノイド273の駆動制御を行うソレノイド回路99b、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56、役物200に設けられた第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259、V入賞センサ256、戻り球センサ261、外側センサ274、内側センサ275、シャッタセンサ276、演出制御基板90に設けられたサブリセットスイッチ99から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施例においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RT2終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、RT2終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりするようにしても良い。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数(本実施例ではいずれの遊技状態であっても3)が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数(本実施例ではいずれの遊技状態であっても3)が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。
一般的なスロットマシンにおいて入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
本実施例では、上記の役のうち特別役を備えず、小役、再遊技役のみ内部抽選及び入賞の対象となる構成であるが、特別役を備え、特別役が内部抽選及び入賞の対象となる構成としても良い。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。また、特別役を備える構成とした場合には、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態(RTの種類)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。尚、本実施例では、特別役を備えていない構成であるため、上記内部当選フラグ格納ワークのうち一般役格納ワークのみが用いられる。また、特別役格納ワークを設けない構成でも良い。
また、本実施例では、抽選対象役毎に当選と判定される判定値の数である判定値数を定めておくとともに、抽選対象役毎に判定値数を乱数値に順次加算(減算)し、オーバーフローした場合に、判定値数に対応する役の当選を判定する構成であるが、抽選対象役毎に当選と判定される乱数値の範囲を定めておくとともに、乱数値が属する範囲に対応する役の当選を判定する構成としても良い。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態(RTの種類)、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。
尚、本実施例では、特別役を備えない構成であるが、特別役を備える構成においては、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行うようにすれば良い。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。
また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
また、特別役を備える構成においては、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われるようにすれば良い。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
また、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制するようになっている。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズ(制御の進行を所定時間遅延させる制御状態)に制御されるか否か、フリーズの開始時期、すなわちフリーズに制御される対象となるゲーム及びフリーズに制御される時間を特定可能なコマンドであり、後述するフリーズ抽選が行われたときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作された際に送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが有効に操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RT0〜3のいずれか)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、RT2終了後、打止状態が開始した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路512の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、シリアル通信回路512に転送することで、サブ制御部91に送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
図9及び図10は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図であり、図11は、後述する移行図柄の組み合わせ及び移行図柄に関連する技術事項について説明するための図である。また、図12は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図13は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。
本実施例におけるスロットマシン1は、図12に示すように、RT0〜3のいずれかに制御される。
図9を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役が含まれる。
中段ベルは、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、ベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
右下がりベルは、入賞ラインLNに「リプレイ−ベル−リプレイ」、「リプレイ−ベル−プラム」、「プラム−ベル−リプレイ」、「プラム−ベル−プラム」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプレイ及びプラムは、ベルの1つ下の位置に配置されており、右リール2Rのリプレイ及びプラムは、ベルの1つ上の位置に配置されているので、「リプレイ−ベル−リプレイ」、「リプレイ−ベル−プラム」、「プラム−ベル−リプレイ」、「プラム−ベル−プラム」のいずれかの組み合わせが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。
また、プラム、リプレイの1つは、左リール2L、右リール2R各々において5コマ以内に配置されており、ベルは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右下がりベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
次に、上段ベル1〜8について説明する。上段ベル1は、入賞ラインLNに「リプレイ−白BAR−白BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル2は、入賞ラインLNに「リプレイ−白BAR−黒BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル3は、入賞ラインLNに「リプレイ−黒BAR−白BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル4は、入賞ラインLNに「リプレイ−黒BAR−黒BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル5は、入賞ラインLNに「プラム−白BAR−白BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル6は、入賞ラインLNに「プラム−白BAR−黒BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル7は、入賞ラインLNに「プラム−黒BAR−白BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル8は、入賞ラインLNに「プラム−黒BAR−黒BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。これら上段ベル1〜8のいずれかが入賞すると8枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプレイ及びプラム、中リールの黒BAR及び白BAR、右リール2Rの黒BAR及び白BARは、ベルの1つ下の位置に配置されているので、「リプレイ−白BAR−白BAR」、「リプレイ−白BAR−黒BAR」、「リプレイ−黒BAR−白BAR」、「リプレイ−黒BAR−黒BAR」、「プラム−白BAR−白BAR」、「プラム−白BAR−黒BAR」、「プラム−黒BAR−白BAR」、「プラム−黒BAR−黒BAR」のいずれかの組み合わせが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが上段、すなわち無効ラインLM1に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいて、リプレイ及びプラムは、5コマ以内に配置されていない箇所があり、中リール2C、右リール2Rの各々について、白BAR及び黒BARは、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選において上段ベル1〜8のいずれかに当選していても、当選している上段ベルの構成図柄に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している上段ベルに入賞することはない。
右下がりスイカは、入賞ラインLNに「ベル−スイカ−黒7」、「ベル−スイカ−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。右下がりスイカが入賞すると5枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルは、黒7、白7、スイカのいずれかの1つ下の位置に配置されており、右リール2Rの黒7、白7は、スイカの1つ上の位置に配置されているので、「ベル−スイカ−黒7」、「ベル−スイカ−白7」のいずれかの組み合わせが揃うと、「黒7−スイカ−スイカ」、「白7−スイカ−スイカ」、「スイカ−スイカ−スイカ」のいずれかの組み合わせが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいて、ベルは、5コマ以内に配置されているが、中リール2Cのスイカ、右リール2Rの黒7、白7は、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選において右下がりスイカに当選していても、中リール2C、右リール2Rに対応するストップスイッチ8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、右下がりスイカに入賞することはない。
上段スイカは、入賞ラインLNに「ベル−黒7−リプレイ」、「ベル−白7−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段スイカが入賞すると5枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルは、黒7、白7、スイカのいずれかの1つ下の位置に配置されており、中リール2Cの黒7、白7は、スイカの1つ下の位置に配置されており、右リール2Rのリプレイは、スイカの1つ下の位置に配置されているので、「ベル−黒7−リプレイ」、「ベル−白7−リプレイ」のいずれかの組み合わせが揃うと、「黒7−スイカ−スイカ」、「白7−スイカ−スイカ」、「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが上段、すなわち無効ラインLM1に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいて、ベルは、5コマ以内に配置されているが、中リール2Cの黒7、白7、右リール2Rのリプレイは、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選において上段スイカに当選していても、中リール2C、右リール2Rに対応するストップスイッチ8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、上段スイカに入賞することはない。
下段チェリーは、入賞ラインLNに「黒BAR−ベル−ベル」、「黒BAR-黒BAR-ベル」、「黒BAR-白BAR-ベル」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。下段チェリーが入賞すると2枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lの黒BARは、チェリーの1つ上の位置に配置されているので、「黒BAR−ベル−ベル」、「黒BAR-黒BAR-ベル」、「黒BAR-白BAR-ベル」のいずれかの組み合わせが揃うと、左リールの「チェリー」が下段に停止することとなる。
また、中リール2Cにおいてベル、黒BAR、白BARの1つは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されているが、左リール2Lにおいて、黒BARは、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選において下段チェリーに当選していても、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、下段チェリーに入賞することはない。
中段チェリーは、入賞ラインLNに「チェリー−ANY−ANY(ANYはいずれの図柄でも可)」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。中段チェリーが入賞すると1枚メダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lにおいて、チェリーは、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選において中段チェリーに当選していても、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、中段チェリーに入賞することはない。
1枚役は、入賞ラインLNに「スイカ−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。1枚役が入賞すると1枚メダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、中リールのリプレイ、右リールのベルは、5コマ以内に配置されているが、左リール2Lのスイカは、5コマ以内に配置されていない箇所がある。このため、後述する内部抽選において1枚役が当選していても、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、1枚役に入賞することはない。
次に、図10を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2、特殊リプレイ、特別リプレイが含まれる。
通常リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ、プラムの1つは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
下段リプレイは、入賞ラインLNに「ベル−白BAR−白BAR」、「ベル−白BAR−チェリー」、「ベル−白BAR−スイカ」、「ベル−白BAR−黒7」、「ベル−白BAR−網7」、「ベル−白BAR−白7」、「ベル−黒BAR−白BAR」、「ベル−黒BAR−チェリー」、「ベル−黒BAR−スイカ」、「ベル−黒BAR−黒7」、「ベル−黒BAR−網7」、「ベル−黒BAR−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、中リール2Cの白BAR、黒BARは、リプレイの1つ上の位置に配置されているので「ベル−白BAR−白BAR」、「ベル−白BAR−チェリー」、「ベル−白BAR−スイカ」、「ベル−白BAR−黒7」、「ベル−白BAR−網7」、「ベル−白BAR−白7」、「ベル−黒BAR−白BAR」、「ベル−黒BAR−チェリー」、「ベル−黒BAR−スイカ」、「ベル−黒BAR−黒7」、「ベル−黒BAR−網7」、「ベル−黒BAR−白7」のいずれかの組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「リプレイ−プラム−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「プラム−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「プラム−プラム−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」の組み合わせが下段、すなわち無効ラインLM2に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいて白BAR、黒BARの1つは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいて白BAR、チェリー、スイカ、黒7、網7、白7の1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において下段リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
転落リプレイは、入賞ラインLNに「ベル−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rのベルは、リプレイの1つ下の位置に配置されているので「ベル−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において転落リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
また、図12に示すように、RT0において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。
昇格リプレイ1は、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−ベル」、「プラム−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2Lにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイ2は、入賞ラインLNに「ベル−白BAR−リプレイ」、「ベル−白BAR−プラム」、「ベル−黒BAR−リプレイ」、「ベル−黒BAR−プラム」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、中リール2Cの白BAR、黒BARは、リプレイの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rのリプレイ、プラムは、ベルの1つ上の位置に配置されているので「ベル−白BAR−リプレイ」、「ベル−白BAR−プラム」、「ベル−黒BAR−リプレイ」、「ベル−黒BAR−プラム」の組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−ベル」、「プラム−リプレイ−ベル」の組み合わせが下段、すなわち無効ラインLM2に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいて白BAR、黒BARの1つは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において昇格リプレイ2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図12に示すように、RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、RT0に制御される。後述するように、昇格リプレイは、RT1における内部抽選においてのみ当選するように設定されている。その結果、RT1以外からRT0に制御されないように構成されており、RT1であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該RT1からのみRT0に制御されるように構成されている。
特殊リプレイは、入賞ラインLNに「ベル−リプレイ−リプレイ」、「ベル−リプレイ−プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されている。よって、特殊リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図12に示すように、RT0において特殊リプレイに入賞した後は、RT2に制御される。後述するように、特殊リプレイは、RT1、RT2、RT3における内部抽選においては当選しないように設定されている。このため、RT1、RT2、RT3においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、RT1、RT3からRT2に制御されないように構成されており、RT0であるときにのみ特殊リプレイ入賞し、当該RT0からのみRT2に制御されるように構成されている。
特別リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−白BAR−黒7」、「リプレイ−白BAR−網7」、「リプレイ−白BAR−白7」、「リプレイ−白BAR−プラム」、「リプレイ−黒BAR−黒7」、「リプレイ−黒BAR−網7」、「リプレイ−黒BAR−白7」、「リプレイ−黒BAR−プラム」、「プラム−白BAR−黒7」、「プラム−白BAR−網7」、「プラム−白BAR−白7」、「プラム−白BAR−プラム」、「プラム−黒BAR−黒7」、「プラム−黒BAR−網7」、「プラム−黒BAR−白7」、「プラム−黒BAR−プラム」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプレイ、プラムは、白BAR、黒BARの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rの黒7、網7、白7、プラムは、白BAR、黒BARの1つ下の位置に配置されているので「白BAR−白BAR−白BAR」、「白BAR−白BAR−黒BAR」、「白BAR−黒BAR−黒BAR」、「黒BAR−白BAR−白BAR」、「黒BAR−白BAR−黒BAR」、「黒BAR−黒BAR−黒BAR」の組み合わせが右上がりに揃うこととなる。以下ではこれらの組み合わせを、特に区別する必要がない場合には、「BAR−BAR−BAR」の組み合わせまたはBAR揃いと呼ぶ。
また、左リール2Lにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいて白BAR、黒BARの1つは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいて黒7、網7、白7、プラムの1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において特別リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
次に、図11を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図11に示すように、「リプレイ−白BAR−ベル」、「リプレイ−黒BAR−ベル」、「プラム−白BAR−ベル」、「プラム−黒BAR−ベル」、「リプレイ−ベル−白BAR」、「リプレイ−ベル−黒BAR」、「プラム−ベル−白BAR」、「プラム−ベル−黒BAR」、「黒7−白BAR−白BAR」、「黒7−白BAR−黒BAR」、「黒7−黒BAR−白BAR」、「黒7−黒BAR−黒BAR」、「白7−白BAR−白BAR」、「白7−白BAR−黒BAR」、「白7−黒BAR−白BAR」、「白7−黒BAR−黒BAR」、「スイカ−白BAR−白BAR」、「スイカ−白BAR−黒BAR」、「スイカ−黒BAR−白BAR」、「スイカ−黒BAR−黒BAR」からなる20種類の組み合わせである。本実施例では、後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLNに揃う。
図12に示すように、RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、RT1に制御される。尚、RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、RT1が維持されることとなる。
次に、図14〜図16を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施例では、遊技状態が、RT0であるか、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、によって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図14〜図16においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図14及び図15においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないこと、すなわち抽選の対象外であることを示している。
また、○印の下に示す数値は、所定の設定値(例えば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「360」が設定されている抽選対象役の当選確率は、360/65536となる。
また、図14及び図15は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される役の組み合わせを示している。
RT0であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、通常リプレイ、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23が内部抽選の対象役となる。
RT1であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。
RT2であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、通常リプレイ、特別リプレイが内部抽選の対象役となる。
RT3であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
図16に示すように、弱チェリーとは、下段チェリー単独であり、強チェリーとは、下段チェリー+1枚役である。弱チェリー当選時、強チェリー当選は、ともに「黒BAR」の引込範囲内となるタイミングで左リールの停止操作が行われた場合に、左リールの下段に「黒BAR」を停止可能に制御されることとなるが、弱チェリー当選時は、中リールの中段に「ベル」が停止するように制御させるのに対して、強チェリーは、中リールの中段に「黒BAR」または「白BAR」が停止するように制御される。
このため、左リールを第1停止として停止操作を行った場合において、左リール2Lの下段にチェリーが停止した際に、中リールの中段に「ベル」が停止するか、「黒BAR」または「白BAR」が停止するか、により弱チェリーであるか、強チェリーであるか、を認識できる。
以下では、左リールの下段に「チェリー」が停止し、かつ中リールの中段に「黒BAR」または「白BAR」が停止する停止態様を強チェリー目と呼び、左リールの下段に「チェリー」が停止し、かつ中リールの中段に「ベル」が停止する停止態様を弱チェリー目と呼ぶ。
弱スイカとは、右下がりスイカ+上段スイカであり、強スイカとは、右下がりスイカ+上段スイカ+1枚役である。弱スイカ当選時、強スイカ当選時は、ともに右下がりスイカ、上段スイカを入賞させることが可能となるが、弱スイカ当選時には、右下がりスイカと上段スイカの双方の引込範囲となるタイミングで各リールの停止操作がされた場合に右下がりスイカの組み合わせを停止させる制御が行われるのに対して、強スイカ当選時には、右下がりスイカと上段スイカの双方の引込範囲となるタイミングで各リールの停止操作がされた場合に上段スイカの組み合わせを停止させる制御が行われる。
このため、右下がりスイカと上段スイカの双方の引込範囲となるタイミングで各リールの停止操作がされた場合において、右下がりスイカが入賞するか、上段スイカが入賞するか、により弱スイカであるか、強スイカであるか、を認識できる。
ベルとは、中段ベル+右下がりベルである。左ベル1とは、右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8であり、左ベル2とは、右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7であり、左ベル3とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3であり、左ベル4とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル4である。左ベル1〜4を単に左ベルとも呼ぶ。中ベル1とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル5であり、中ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル6であり、中ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル7であり、中ベル4とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル8である。中ベル1〜4を単に中ベルとも呼ぶ。右ベル1とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル5であり、右ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル7であり、右ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル6であり、右ベル4とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル8である。右ベル1〜4を単に右ベルとも呼ぶ。また、これら左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4を単に押し順ベルとも呼ぶ。
昇格リプレイとは、昇格リプレイ1+昇格リプレイ2である。
リプレイGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1であり、リプレイGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2であり、リプレイGR3とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+下段リプレイであり、リプレイGR4とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+下段リプレイであり、リプレイGR5とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2であり、リプレイGR6とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2+下段リプレイである。
リプレイGR11とは、転落リプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR12とは、転落リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR13とは、転落リプレイ+通常リプレイ+昇格リプレイ1である。
リプレイGR21とは、特殊リプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR22とは、特殊リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR23とは、特殊リプレイ+通常リプレイ+昇格リプレイ1である。
このように、遊技状態がRT0〜3のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜3のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役及びその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
本実施例では、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、図17に示すように、同時当選した再遊技役の種類及び停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図17は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
リプレイGR1(通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR2(通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2)が当選し、左右中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR3(通常リプレイ+昇格リプレイ1+下段リプレイ)が当選し、中左右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中左右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR4(通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+下段リプレイ)が当選し、中右左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR5(通常リプレイ+昇格リプレイ2)が当選し、右左中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右左中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR6(通常リプレイ+昇格リプレイ2+下段リプレイ)が当選し、右中左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2及び通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内に配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2または通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このように、リプレイGR1〜6とで、昇格リプレイ1、2に入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR1〜6が内部抽選の対象となるRT1において、リプレイGR1〜6のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞することとなり、RT0に移行することとなる。
リプレイGR11(転落リプレイ+通常リプレイ)が当選し、左中右または左右中の順番で停止操作がなされた場合、すなわち左リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右及び左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR12(転落リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイ)が当選し、中左右または中右左の順番で停止操作がなされた場合、すなわち中リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中左右及び中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR13(転落リプレイ+通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、右左中または右中左の順番で停止操作がなされた場合、すなわち右リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右左中及び右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、転落リプレイ及び通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内に配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、転落リプレイまたは通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このように、リプレイGR11〜13とで、転落リプレイを回避するための操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR11〜13が内部抽選の対象となるRT0において、リプレイGR11〜13のいずれかが当選していれば1/3の確率で通常リプレイが入賞してRT1への移行を回避できる一方で、2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に移行することとなる。
リプレイGR21(特殊リプレイ+通常リプレイ)が当選し、左中右または左右中の順番で停止操作がなされた場合、すなわち左リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右及び左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR22(特殊リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイ)が当選し、中左右または中右左の順番で停止操作がなされた場合、すなわち中リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中左右及び中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR23(特殊リプレイ+通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、右左中または右中左の順番で停止操作がなされた場合、すなわち右リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右左中及び右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、特殊リプレイ及び通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内に配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、特殊リプレイまたは通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このように、リプレイGR21〜23とで、特殊リプレイを入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR21〜23が内部抽選の対象となるRT0において、リプレイGR21〜23のいずれかが当選していれば1/3の確率で特殊リプレイが入賞してRT2へ移行することとなる。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合には、図18に示すように、同時当選した小役の種類及び停止操作順に応じて定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図18は、複数の小役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
左ベル1(右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル6、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2(右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル5、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル3(右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル3または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル4(右下がりベル+上段ベル2+上段ベル4)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル4または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、右下がりベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内に配置されており、左ベル1〜4が当選した場合に、左押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず右下がりベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマを超えて配置されている箇所があるため、左ベル1〜4が当選した場合でも、中押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
中ベル1(中段ベル+上段ベル2+上段ベル5)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル5または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル2(中段ベル+上段ベル1+上段ベル6)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル3(中段ベル+上段ベル4+上段ベル7)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル4、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル4(中段ベル+上段ベル3+上段ベル8)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル3、上段ベル8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内に配置されており、中ベル1〜4が当選した場合に、中押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマを超えて配置されている箇所があるため、中ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
右ベル1(中段ベル+上段ベル3+上段ベル5)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル3、上段ベル5または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル2(中段ベル+上段ベル1+上段ベル7)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル3(中段ベル+上段ベル4+上段ベル6)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル4、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル4(中段ベル+上段ベル2+上段ベル8)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内に配置されており、右ベル1〜4が当選した場合に、右押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマを超えて配置されている箇所があるため、右ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは中押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
このように本実施例では、左ベル、中ベル、右ベル、すなわち押し順ベルのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で上段ベルが揃うが、3/4で上段ベルが揃わず移行出目が揃うこともある。
このため、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできないことから、押し順ベルの当選時に左リールを第1停止とした場合には、1/11の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、10/11の割合でさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。また、押し順ベルの当選時に左リール以外のリールを第1停止とした場合には、5/11の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、6/11の割合でさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。また、特にRT0、2、3においては、移行出目が停止することでRT1へ移行することとなる。
また、特に図示しないが、ベル(中段ベル+右下がりベル)が当選した場合には、リールの停止順及び操作のタイミングに関わらず、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うように制御される。
本実施例では、図12及び図13に示すように、遊技状態がRT0〜3のいずれかに制御される。
RT0は、RT1において昇格リプレイが入賞したとき(RT1においてリプレイGR1〜6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)に移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特殊リプレイの入賞によりRT2に移行することで終了する。
RT0における再遊技役の当選確率は、約1/2.08であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、特殊リプレイが入賞し得る。
RT1は、RT0、RT2、RT3において移行出目が停止するか、RT0において転落リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT1は、昇格リプレイが入賞してRT0に移行することで終了する。
RT1における再遊技役の当選確率は、約1/7.31であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR1〜6のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、昇格リプレイが入賞し得る。
RT2は、RT0において特殊リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT2は、移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。
RT2における再遊技役の当選確率は、約1/1.37であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、特別リプレイのみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、特別リプレイが入賞し得る。
RT3は、設定変更後に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。
RT3における再遊技役の当選確率は、約1/7.31であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイのみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイのみが入賞し得る。
RT0〜3のうちRT0、2は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。さらにRT2は、RT0よりもさらに再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT0に比較して高い点において、RT0よりも有利な状態といえる。
本実施例におけるスロットマシンは、遊技状態がRT0〜3であるときに、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
ここで本実施例の遊技状態の移行状況について説明すると、図12に示すように、設定変更後にRT3に移行する。
RT3では、移行出目が停止することで、RT1に移行する。
RT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、設定変更後に移行したRT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、RT1に移行することとなる。
RT1では、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行する。
RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、RT1では、リプレイGR1〜6が当選し、停止順に正解することでRT0へ移行することとなる。
RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行し、特殊リプレイが入賞することでRT2へ移行する。
RT0においてリプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解であると転落リプレイが入賞する。また、リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解すると特殊リプレイが入賞する。また、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT0では、リプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行し、リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解することでRT2へ移行することとなる。
RT2では、移行出目が停止することでRT1に移行する。
RT2において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT2では左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。
サブ制御部91は、後述のAT(ART)に制御されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23である。また、RT0、1、2のいずれにおいても、押し順ベルが共通のナビ対象役である。
本実施例のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。ナビ画像として、例えば、リプレイGR1や左ベルに当選したときには、「123」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「132」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とを表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「左右中!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチの押下順序を示す音声を出力する。尚、ナビ音声は、遊技者が最初あるいは次に押下すべきストップスイッチのみが出力される。したがって、全リールの回転中であれば、例えば最初に「左!」と出力され、リール2Lを停止させると次に「中!」と出力され、リール2L及びリール2Cを停止させると次に「右!」といった音声が出力される。他の対象役に関しても、当選した対象役に応じたナビ画像が液晶表示器51から表示されるとともにナビ音声がスピーカ53、54から出力される。
リプレイGR1〜6に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための停止順(図17参照)が報知される。
リプレイGR11〜13に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプレイを回避するための停止順(図17参照)が報知される。
リプレイGR21〜23に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて特殊リプレイを入賞させるための停止順(図17参照)が報知される。
また、押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させるための停止順(図18参照)が報知される。
以上のように、本実施例におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイの入賞、移行出目の停止を回避させることができる。
尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
本実施例においてメイン制御部41は、次ゲームの賭数の設定操作(メダルの投入またはMAXBETスイッチ6による賭数の設定操作)または次ゲームのスタート操作の有効化を所定時間遅延させるフリーズ状態に制御可能である。再遊技役が入賞していないゲームでフリーズ状態に制御される場合には、第3停止リールに(最終停止リール)に対応するストップスイッチがON状態からOFF状態に変化した時点から、所定時間が経過するまで、次ゲームの賭数の設定操作の有効化が遅延されることで、この期間に賭数の設定操作がされてもこの操作は有効に受け付けられず、ゲームが進行することがない。そして、所定期間が経過した時点で賭数の設定操作が有効化され、その後に賭数の設定操作が行われることで次ゲームを進行させることができるようになる。また、再遊技役が入賞したゲームでフリーズ状態に制御される場合には、第3停止リールに(最終停止リール)に対応するストップスイッチがON状態からOFF状態に変化した時点から、所定時間が経過するまで、次ゲームの賭数が設定されることがなく、次ゲームのスタート操作の有効化が遅延されることで、この期間にスタート操作がされてもこの操作は受け付けられず、ゲームが進行することがない。そして、所定期間が経過した時点で次ゲームの賭数が設定されることで次ゲームのスタート操作が有効化され、その後にスタート操作が行われることで次ゲームを進行させることができるようになる。本実施例では、フリーズ状態に制御される所定時間が、前述の役物200において演出球280が解放状態とされてからV入賞するまでにかかり得る最大時間(V通過最大時間)よりも若干長く設定されている。
また、メイン制御部41は、後述するようにサブ制御部91によるARTのゲーム数の上乗せの契機となる上乗せ対象役(本実施例では、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、特別リプレイ)が内部抽選で当選した際に、フリーズ抽選を実行して、フリーズ状態に制御するか否かを決定する。
図19に示すように、本実施例のフリーズ抽選では、内部抽選で弱スイカが当選した際に、フリーズ無しに当選する確率は20%、1ゲーム後のフリーズに当選する確率は70%、2ゲーム後のフリーズに当選する確率は10%、3ゲーム後のフリーズに当選する確率は0%であり、内部抽選で弱チェリーが当選した際に、フリーズ無しに当選する確率は15%、1ゲーム後のフリーズに当選する確率は60%、2ゲーム後のフリーズに当選する確率は20%、3ゲーム後のフリーズに当選する確率は5%であり、内部抽選で強スイカが当選した際に、フリーズ無しに当選する確率は10%、1ゲーム後のフリーズに当選する確率は40%、2ゲーム後のフリーズに当選する確率は35%、3ゲーム後のフリーズに当選する確率は15%であり、内部抽選で強チェリーが当選した際に、フリーズ無しに当選する確率は5%、1ゲーム後のフリーズに当選する確率は30%、2ゲーム後のフリーズに当選する確率は30%、3ゲーム後のフリーズに当選する確率は35%であり、内部抽選で中段チェリーが当選した際に、フリーズ無しに当選する確率は0%、1ゲーム後のフリーズに当選する確率は5%、2ゲーム後のフリーズに当選する確率は20%、3ゲーム後のフリーズに当選する確率は70%であり、内部抽選で特別リプレイが当選した際に、フリーズ無しに当選する確率は0%、1ゲーム後のフリーズに当選する確率は0%、2ゲーム後のフリーズに当選する確率は10%、3ゲーム後のフリーズに当選する確率は90%である。
特別リプレイ、中段チェリー、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順で、フリーズ抽選におけるフリーズの当選確率が高く、かつフリーズに制御されるゲームがフリーズ抽選の行われたゲームよりもより後のゲームとなりやすく設定されており、後述のようにより多くのARTの上乗せが期待できる抽選対象役ほどフリーズの当選確率が高く設定されており、さらにフリーズ状態に制御される時期が遅くなるように設定されている。
本実施例においてサブ制御部91は、後述するペナルティ期間以外で抽選対象役(本実施例では、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー)が当選した場合にART(RT2でATに制御される状態)に制御する権利であるナビストックを付与するか否かを決定するナビストック抽選を行う。対象役の当選時のナビストック抽選では、0を含むナビストック数を決定することにより、ナビストック数を付与するか否か及び付与する場合にはその個数が決定される。
ナビストック抽選におけるナビストック数の当選確率は、図20に示すように、弱スイカでは、ナビストック数0が95%、ナビストック数1が4%、ナビストック数3が1%、ナビストック数5が0%の確率で当選し、平均で0.07個のナビストック数が付与されることとなる。また、強スイカでは、ナビストック数0が50%、ナビストック数1が30%、ナビストック数3が15%、ナビストック数5が5%の確率で当選し、平均で1個のナビストック数が付与されることとなる。また、弱チェリーでは、ナビストック数0が75%、ナビストック数1が15%、ナビストック数3が8%、ナビストック数5が2%の確率で当選し、平均で0.49個のナビストック数が付与されることとなる。また、強チェリーでは、ナビストック数0が30%、ナビストック数1が50%、ナビストック数3が15%、ナビストック数5が5%の確率で当選し、平均で1.2個のナビストック数が付与されることとなる。また、中段チェリーでは、ナビストック数0が0%、ナビストック数1が0%、ナビストック数3が80%、ナビストック数5が20%の確率で当選し、平均で3.4個のナビストック数が付与されることとなる。
ナビストック数とは、所定ゲーム数にわたりARTに制御される権利の数を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数の間、ARTに制御され、その間ナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。このため、本実施例では、中段チェリー、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順で、ナビストックの当選確率が高く、かつ付与される平均ナビストック数が高く設定されており、遊技者にとっての有利度合いが高くなる。
尚、ナビストック数が残っているときに、ナビストック数を新たに獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
サブ制御部91は、ナビストック抽選において1以上のナビストックが決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。そして、RAM91cのナビストックの有無に基づき、ARTに制御するか否かを特定する。1以上のナビストックが残っている場合には、ART確定報知を経てARTの当選が報知された後にATに制御する。このATに制御される期間を準備状態と呼ぶ。
サブ制御部91は、準備状態の制御を開始すると、対象役が当選した場合にナビ演出を実行する。まず、準備状態に移行後は、RT1に制御されており、この間は、リプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する。これにより報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイが入賞して、RT1からRT0に移行させることが可能となる。尚、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、昇格リプレイが入賞しなかった場合は、その時点で準備状態の制御も終了する。
また、準備状態の制御開始後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時にはベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得することも可能となる。
RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13の当選時に、転落リプレイの入賞を回避する停止順をナビ演出により報知する。
リプレイGR11〜13の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより転落リプレイの入賞を回避して、RT0からRT1への移行を回避することが可能となる。尚、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、転落リプレイが入賞してRT1へ移行した場合は、その時点で準備状態の制御も終了する。
また、RT0に移行した後、リプレイGR21〜23の当選時に、特殊リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する。
リプレイGR21〜23の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させて、RT0からRT2へ移行させることが可能となり、特殊リプレイが入賞してRT2へ移行することに伴ってARTが開始することとなる。尚、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、通常リプレイが入賞した場合には、準備状態の制御を継続する。
RT0において特殊リプレイが入賞し、RT2に移行することで、次ゲームのスタート操作を契機に、ナビストックを1減算し、ARTの残りゲーム数として所定ゲーム数(本実施例では50ゲーム)をRAM91cに設定し、ARTの制御の開始に伴いARTの残りゲーム数の計数を開始する。
RT2への移行に伴ってARTを開始した後は、1ゲームの開始毎にARTの残りゲーム数を1ずつ減算し、さらに1ゲーム毎に、押し順ベル、ナビストック抽選の対象役、上乗せ抽選の対象役が当選しているか、を判定し、押し順ベルが当選している場合には、ベルを入賞させる停止順を報知するナビ演出を実行する。押し順ベルの当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことによりベルを入賞させることができるとともに、RT1への移行を回避することが可能となる。尚、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、移行出目が停止してRT1へ移行した場合は、その時点でARTの制御も終了する。
また、ART中においては、ナビストック抽選の対象役が当選している場合に、ナビストック抽選を行い、1以上のナビストックが当選した場合にはナビストック数を加算(上乗せ)する。
また、ART中においては、上乗せの対象となる特定役(本実施例では、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、特別リプレイ)が当選し、かつメイン制御部41側のフリーズ抽選に当選してフリーズ状態に制御される場合には、ARTのゲーム数に上乗せするゲーム数を抽選により選択する上乗せゲーム数抽選を行う。上乗せゲーム数抽選で50ゲーム未満のゲーム数が当選した場合には、役物200を前述のV入賞可能モードで作動させ、V入賞した場合に、RAM91cの残りゲーム数に上乗せゲーム数抽選で当選したゲーム数を加算する。また、上乗せゲーム数抽選で50ゲーム以上のゲーム数が当選した場合には、所定範囲で更新される数値データから抽出された乱数値に基づいてARTのゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選した場合には、RAM91cの残りゲーム数に上乗せゲーム数抽選で当選したゲーム数を加算する。
図21に示すように、本実施例の上乗せゲーム数抽選では、弱スイカが当選し、かつフリーズ状態に制御される場合に上乗せゲーム数として20ゲームが当選する確率は80%、35ゲームが当選する確率は15%、50ゲームが当選する確率は5%、65ゲームが当選する確率は0%、80ゲームが当選する確率は0%、100ゲームが当選する確率は0%であり、弱チェリーが当選し、かつフリーズ状態に制御される場合に上乗せゲーム数として20ゲームが当選する確率は10%、35ゲームが当選する確率は75%、50ゲームが当選する確率は15%、65ゲームが当選する確率は5%、80ゲームが当選する確率は0%、100ゲームが当選する確率は0%であり、強スイカが当選し、かつフリーズ状態に制御される場合に上乗せゲーム数として20ゲームが当選する確率は0%、35ゲームが当選する確率は10%、50ゲームが当選する確率は70%、65ゲームが当選する確率は15%、80ゲームが当選する確率は5%、100ゲームが当選する確率は0%であり、強チェリーが当選し、かつフリーズ状態に制御される場合に上乗せゲーム数として20ゲームが当選する確率は0%、35ゲームが当選する確率は0%、50ゲームが当選する確率は10%、65ゲームが当選する確率は70%、80ゲームが当選する確率は15%、100ゲームが当選する確率は5%であり、中段チェリーが当選し、かつフリーズ状態に制御される場合に上乗せゲーム数として20ゲームが当選する確率は0%、35ゲームが当選する確率は0%、50ゲームが当選する確率は0%、65ゲームが当選する確率は0%、80ゲームが当選する確率は10%、100ゲームが当選する確率は90%であり、特別リプレイが当選し、かつフリーズ状態に制御される場合に上乗せゲーム数として20ゲームが当選する確率は0%、35ゲームが当選する確率は0%、50ゲームが当選する確率は0%、65ゲームが当選する確率は0%、80ゲームが当選する確率は5%、100ゲームが当選する確率は95%である。
また、前述のように役物200によるV入賞可能モードでは、1/8の確率でV入賞することから、上乗せゲーム数抽選において当選した上乗せゲーム数が50ゲーム未満の場合には、1/8の確率で上乗せゲーム数抽選で当選したゲーム数がARTのゲーム数として上乗せされる。この際、役物200でV入賞することでARTのゲーム数が上乗せされることとなるため、役物200でV入賞することによりARTのゲーム数の上乗せが遊技者によって特定可能となる。
また、上乗せ抽選では、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリーの当選時に1/8の確率で上乗せが当選し、中段チェリー、特別リプレイの当選時に1/2の確率で上乗せが当選するように設定されており、上乗せゲーム数抽選において当選した上乗せゲーム数が50ゲーム以上の場合には、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリーの当選時であれば1/8の確率で上乗せゲーム数抽選で当選したゲーム数がARTのゲーム数として上乗せされ、中段チェリー、特別リプレイの当選時であれば1/2の確率で上乗せゲーム数抽選で当選したゲーム数がARTのゲーム数として上乗せされる。
また、上乗せゲーム数抽選において当選した上乗せゲーム数が50ゲーム以上の場合には、上乗せ抽選で当選した場合に、役物200をV入賞モードにて作動させ、V入賞させる一方、上乗せ抽選で当選しなかった場合に、役物200を非V入賞モードにて作動させ、V入賞させないようになっており、見た目上は役物200でV入賞することでARTのゲーム数が上乗せされることとなるため、役物200でV入賞することによりARTのゲーム数の上乗せが遊技者によって特定可能となる。
本実施例では、特別リプレイ、中段チェリー、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順で、上乗せされる確率が高く、かつ上乗せされる平均ゲーム数が高く設定されており、遊技者にとっての有利度合いが高くなる。
また、ART開始後の各ゲームにおいてARTの残りゲーム数を1ずつ減算した後に残りゲーム数が0となった場合には、ナビストックが残っているか否かを判定し、ナビストックが残っていれば、次ゲームのスタート操作を待って、ARTの制御を再開する。一方、ナビストックが残っていない場合には、ARTの制御を終了させる。そして、ARTの制御の終了に伴い、押し順ベルが当選してもナビ演出が実行されなくなるため、移行出目が停止する可能性が高まり、移行出目が停止することでRT1に移行することとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、図14に示すように、押し順ベルのうち、左リールを第1停止とする停止順で8枚のメダルを確実に獲得できる左ベルの当選確率が、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で8枚のメダルを確実に獲得できる中ベルまたは右ベルの当選確率よりも低く設定されている。
一方サブ制御部91は、準備状態にもARTにも制御されておらず、またはナビ演出も実行されていない状況において、左リールを第1停止とする停止順以外の停止順、すなわち中リールまたは右リールを第1停止とする停止順にて停止操作がされた場合に、一定期間(本実施例では10ゲーム)にわたりペナルティ期間に制御する。尚、サブ制御部91は、準備状態やARTに制御していない状態でもナビ演出を実行することがあり、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順を報知するナビ演出が実行され、それに従って中リールまたは右リールを第1停止とする停止順にて停止操作を行った場合には、ペナルティ期間に制御されることはない。
ペナルティ期間では、抽選対象役が当選してもナビストック抽選が行われず、準備状態にもARTにも制御されておらず、またはナビ演出も実行されていない状況において、左リールを第1停止とする停止順以外の停止順にて停止操作がされることでペナルティ期間に制御され、遊技者にとって不利益となることから、このような状況においては、左リールを第1停止とする停止操作を遊技者に対して促すことが可能となり、これによりATに制御されている状態と、ATに制御されていない状態と、で押し順ベルの当選時にメダルの獲得が可能となる割合の差を大きくすることができる。
次に、フリーズ状態に関する制御の流れを図22のフローチャートに基づいて説明する。
図22に示すように、メイン制御部41は、フリーズ抽選の抽選条件(内部抽選において強スイカ、弱スイカ、強チェリー、弱チェリー、中段チェリー、特別リプレイの当選)が成立したか否かを判定して(Ma01)、フリーズ抽選の抽選条件が成立した場合には、内部抽選で当選した役に応じた当選確率(図19参照)でフリーズ抽選を実行し(Ma02)、フリーズ状態に制御するか否か及びフリーズ状態に制御する場合にはフリーズ状態に制御するゲームを決定する。
フリーズ抽選の実行後、メイン制御部41は、フリーズ状態に制御する旨が当選したか否かを判定し(Ma03)、フリーズ状態に制御する旨が当選していた場合には、フリーズ状態の対象ゲームとして1ゲーム後、2ゲーム後、3ゲーム後のいずれかをRAM41cに格納することで、フリーズ状態の対象ゲームを設定し(Ma04)、設定されたフリーズ状態の対象ゲームが開始されるまで待機する。また、メイン制御部41は、フリーズ抽選を行った場合にフリーズ状態に制御する旨が当選したか否か及びフリーズ状態の対象となるゲームを特定可能なフリーズコマンドを送信する。
その後、メイン制御部41は、ゲーム毎にフリーズ状態の対象ゲームか否かを判定して(Ma05)、フリーズ状態の対象ゲームであった場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rうち第3停止となるストップスイッチがON状態からOFF状態に変化したか否か、すなわち、第3停止操作が行われたストップスイッチから遊技者の手が離れたか否かを判定し(Ma06)、第3停止となるストップスイッチがON状態からOFF状態に変化した場合には、次ゲームの賭数の設定操作または次ゲームのスタート操作の有効化を遅延するフリーズ状態の制御を開始して(Ma07)、所定時間が経過するまで待機する。
そして、メイン制御部41は、フリーズ状態の制御を開始してから所定時間が経過したか否かを判定し(Ma08)、所定時間が経過した場合には、フリーズ状態の制御を終了する(Ma09)。
このようにメイン制御部41は、フリーズ抽選の抽選条件が成立する毎にフリーズ抽選を実行し、フリーズ抽選でフリーズ状態に制御する旨が当選した場合には、フリーズ状態の対象となるゲームを設定する。そして、設定されたフリーズ状態の対象のゲームにおいて、第3停止となるストップスイッチがON状態からOFF状態に変化したか否かを判定することで、フリーズ状態の対象ゲームにおいて第3停止となるストップスイッチがON状態からOFF状態に変化した場合に、その時点から所定時間にわたって、次ゲームの賭数の設定操作またはスタート操作の有効化を遅延するフリーズ状態に制御することが可能となっている。
次に、ARTのゲーム数の上乗せの結果報知がされるまでの制御の流れを図23のフローチャートに基づいて説明する。
図23に示すように、サブ制御部91は、ゲーム毎にART中か否かを判定し(Sa01)、ART中である場合には、上乗せ条件として、上乗せ対象役(強スイカ、弱スイカ、強チェリー、弱チェリー、中段チェリー、特別リプレイ)が当選したか否かを、メイン制御部41の送信する内部当選コマンドに基づいて判定し(Sa02)、上乗せ条件が成立していない場合には、Sa01のステップに戻り、Sa01のステップから本制御を繰り返し実行する。
また、Sa02のステップで上乗せ条件が成立した場合には、メイン制御部41の送信するフリーズコマンドに基づいて、フリーズ状態が当選したか否かを判定し(Sa03)、フリーズ状態が当選していない場合には、Sa01のステップに戻り、Sa01のステップから本制御を繰り返し実行する。
また、Sa03のステップにおいてフリーズ状態が当選している場合には、フリーズ状態の対象となるゲームとして1ゲーム後、2ゲーム後、3ゲーム後のいずれかをRAM91cに格納することで、メイン制御部41によりフリーズ状態に制御される対象ゲームを設定し(Sa04)、内部抽選で当選した役に応じた当選確率(図21参照)でARTのゲーム数に上乗せするゲーム数を決定する上乗せゲーム数抽選を実行して(Sa05)、付与し得る上乗せゲーム数を決定し、決定された上乗せゲーム数をRAM91cに格納する。その後、設定された対象ゲームが開始されるまで待機する。
フリーズ状態の対象ゲームを設定した後、サブ制御部91は、ゲーム毎にフリーズ状態の対象ゲームか否かを判定し(Sa06)、フリーズ状態の対象ゲームであった場合には、RAM91cに格納されている情報に基づいて上乗せゲーム数抽選で当選した上乗せゲーム数が50ゲーム未満か否かを判定する(Sa07)。そして、上乗せゲーム数が50ゲーム未満であった場合には、役物200をV入賞可能モードに設定したうえで役物200の作動を開始させる(Sa08)。
役物200の作動を開始させた後、第3停止に対応するストップスイッチがON状態からOFF状態に変化したか否かを判定し(Sa09)、第3停止操作のストップスイッチがON状態からOFF状態に変化したときに、役物200のシャッタ部材230を開放位置に動作させて演出球280を解放状態にする(Sa10)。そして、役物200に備え付けられた第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259、及びV入賞センサ256の各出力情報に基づいて、演出球280がV入賞したか否かを判定する(Sa11)。
演出球280がV入賞した場合、すなわち、V入賞センサ256で演出球280が検知された場合には、サブ制御部91は、液晶表示器51等を用いてART当選報知を行ったうえで(Sa12)、上乗せゲーム数抽選で当選したゲーム数をARTの残りゲーム数に加算する(Sa13)。一方、Sa11のステップで、演出球280がV入賞しなかったと判定された場合、すなわち、第1ハズレセンサ253または第2ハズレセンサ259で演出球280が検知された場合には、ART当選報知や上乗せゲーム数の加算を行うことなくSa01のステップに戻り、Sa01のステップから本制御を繰り返し実行する。
また、Sa07のステップにおいて、RAM91cに格納されている情報に基づいて上乗せゲーム数が50ゲーム未満でないと判定された場合には、サブ制御部91は、上乗せゲーム数を上乗せするか否かを決定するために、所定範囲で更新される数値データから抽出された乱数値に基づいて上乗せ抽選を行う(Sa14)。この乱数値を用いた上乗せ抽選では、Sa03のステップにおける上乗せゲーム数抽選の契機となった上乗せ抽選対象役が、強スイカ、弱スイカ、強チェリー、弱チェリーであった場合には、当選確率が1/8の抽選を行い、上乗せ抽選対象役が、中段チェリー、特別リプレイであった場合には、当選確率が1/2の抽選を行うようになっている。
そして、上乗せ抽選を行った後に、上乗せが当選したか否かを判定し(Sa15)、上乗せが当選しなかった場合には、役物200を非V入賞モードに設定したうえで、役物200の作動を開始させる(Sa16)。役物200の作動を開始させた後には、第3停止に対応するストップスイッチがON状態からOFF状態に変化したか否かを判定し(Sa17)、第3停止操作のストップスイッチがON状態からOFF状態に変化したときに、役物200のシャッタ部材230を開放位置に動作させて演出球280を解放状態にする(Sa18)。そして、役物200に備え付けられた第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259、及びV入賞センサ256の各出力情報に基づいて、演出球280がV入賞したか否かを判定する(Sa19)。
そして、演出球280がV入賞した場合、すなわち、V入賞センサ256で演出球280が検知された場合には、サブ制御部91は、サブエラー報知を行った後(Sa20)、サブリセットスイッチ99が操作されたか否かを判定し(Sa21)、サブリセットスイッチ99が操作された場合には、サブエラー報知を終了してSa01のステップに戻り、Sa01のステップから本制御を繰り返し実行する。一方、演出球280がV入賞しなかった場合、すなわち、第1ハズレセンサ253または第2ハズレセンサ259で演出球280が検知された場合には、サブエラー報知を行うことなくSa01のステップに戻り、Sa01のステップから本制御を繰り返し実行する。
また、Sa15のステップにおいて、上乗せが当選した場合には、役物200をV入賞モードに設定したうえで、役物200の作動を開始させる(Sa22)。役物200の作動を開始させた後には、第3停止に対応するストップスイッチがON状態からOFF状態に変化したか否かを判定し(Sa23)、第3停止操作のストップスイッチがON状態からOFF状態に変化したときに、役物200のシャッタ部材230を開放位置に動作させて演出球280を解放状態にする(Sa24)。そして、役物200に備え付けられた第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259、及びV入賞センサ256の各出力情報に基づいて、演出球280が第2段階へ移行したか否か(Sa25)及びV入賞したか否か(Sa26)を判定する。
演出球280が第2段階に移行してV入賞した場合、すなわち、V入賞センサ256で演出球280が検知された場合には、サブ制御部91は、ART当選報知を行ったうえで(Sa27)、上乗せゲーム数抽選で当選したゲーム数をARTゲーム数に加算する(Sa28)。また、演出球280が第2段階へ移行したにも関わらずV入賞しなかったと判定された場合、すなわち、第2ハズレセンサ259で演出球280が検知された場合には、サブ制御部91は、サブエラー報知を行った後(Sa20)、サブリセットスイッチ99が操作されたか否かを判定し(Sa21)、サブリセットスイッチ99が操作された場合に、サブエラー報知を終了してSa01のステップに戻り、Sa01のステップから本制御を繰り返し実行する。一方、Sa25のステップで演出球280が第2段階に移行しなかったと判定された場合、すなわち、第1ハズレセンサで演出球280が検知された場合には、その後、次ゲームの賭数設定操作またはスタート操作がされたか否かを判定して(Sa29)、次ゲームの賭設定操作またはスタート操作が行われたときに、液晶表示器51等を用いて上乗せ当選報知を行うとともに(Sa27)、上乗せゲーム数抽選で当選した上乗せゲーム数をARTゲーム数に加算し(Sa28)、Sa01のステップに戻り、Sa01のステップから本制御を繰り返し実行する。
このように本実施例では、ART中においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御する場合に、サブ制御部91で上乗せゲーム数抽選を行い、上乗せゲーム数として当選したゲーム数が50ゲーム未満の場合には、役物200を用いて当選した上乗せゲーム数をARTの残りゲーム数に上乗せさせるか否かが決定されるようになっている。詳しくは、ART中においてフリーズ状態に制御される場合に、サブ制御部91で50ゲーム未満の上乗せゲーム数が当選した場合には、役物200がV入賞可能モードに設定されることで、1/8の確率でV入賞可能に制御されるようになっており、V入賞することにより当選した上乗せゲーム数をARTの残りゲーム数に上乗せさせる旨が決定され、かつその旨が特定されるようになっている。一方、第2段階へ移行しないことや第2段階へ移行してもV入賞しないことによりARTの残りゲーム数が上乗せされない旨が決定され、かつその旨が特定されるようになっている。
また、ART中においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御する場合に、サブ制御部91で上乗せゲーム数抽選を行い、上乗せゲーム数として当選したゲーム数が50ゲーム以上の場合には、所定範囲で更新される数値データから抽出された乱数値に基づいて当選した上乗せゲーム数をARTの残りゲーム数に上乗せさせるか否かを決定する上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選の結果に基づいて役物200を用いてARTの残りゲーム数を上乗せさせるか否かが特定されるようになっている。詳しくは、上乗せ抽選においてARTの残りゲーム数を上乗せする旨が当選した場合には、役物200がV入賞モードに設定されることで、1/2の確率でV入賞可能に制御され、特に第2段階まで移行すれば必ずV入賞するように制御されるようになっており、V入賞することによりARTの残りゲーム数を上乗せする旨が特定されるようになっている。一方、上乗せ抽選においてARTの残りゲーム数を上乗せする旨が当選しなかった場合には、役物200が非V入賞モードに設定されることで、V入賞しないように制御されるようになっており、V入賞しないことによりARTの残りゲーム数が上乗せされない旨が特定されるようになっている。また、V入賞モードが設定されていても第1段階から第2段階へ移行せず、V入賞しない可能性もあり、上乗せ抽選においてARTの残りゲーム数を上乗せする旨が当選していても役物200でV入賞しないことによりARTの残りゲーム数が上乗せされない旨が特定される場合もあるが、このような場合には、次ゲームの賭数設定操作またはスタート操作を契機にARTの残りゲーム数を上乗せする旨が報知され、その旨が役物200以外で特定されるようになっている。
また、上述のように役物200が非V入賞モードに設定されることで、V入賞しないように制御されるようになっており、非V入賞モードが設定されているにも関わらずV入賞した場合には、役物200の動作異常である旨を報知するサブエラー報知を行うようになっており、遊技者による操作が不能なサブリセットスイッチ99が店員等により操作されるまでサブエラー報知が解除されないようになっている。
また、上述のように役物200がV入賞モードに設定されることで、第2段階まで移行すれば必ずV入賞するように制御されるようになっており、役物200がV入賞モードに設定されて第2段階まで移行したにも関わらず、V入賞せずに第2ハズレセンサ259で演出球280が検出された場合にも、役物200の動作異常である旨を報知するサブエラー報知を行うようになっており、遊技者による操作が不能なサブリセットスイッチ99が店員等により操作されるまでサブエラー報知が解除されないようになっている。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41がフリーズ状態に制御するゲームにおいて役物200を作動させることで、ARTの残りゲーム数の上乗せを特定させるようになっている。詳しくは、図24に示すように、メイン制御部41は、フリーズ状態の対象ゲームにおいて、第3停止に対応するストップスイッチがON状態からOFF状態となった時から所定時間が経過するまでの間、次ゲームの賭数の設定操作または次ゲームのスタート操作の有効化を遅延させるフリーズ状態に制御するとともに、サブ制御部91は、フリーズ状態の対象ゲームにおいて、スタート操作が行われたことを契機に役物200を作動させ、第3停止に対応するストップスイッチがON状態からOFF状態となった時に、演出球280を解放状態とし、演出球280がV入賞するか非V入賞となることでARTの残りゲーム数の上乗せが特定されるようになっている。
メイン制御部41がフリーズ状態に制御する所定時間は、第3停止に対応するストップスイッチがON状態からOFF状態となった時、すなわちサブ制御部91側で演出球280を開放した時からV通過最大時間よりも長く設定されており、演出球の解放時からV通過(V入賞センサ256の通過)までの時間がハズレ通過(第1ハズレセンサ253または第2ハズレセンサ259の通過)までの時間よりも長い時間を要することから、役物200が作動している間はフリーズ状態に制御され、その間ゲームを進行させることができないようになっている。
本実施例では、遊技者にとって有利な特典としてARTのゲーム数の上乗せが適用されており、このうち第1特典として50ゲーム未満のARTのゲーム数の上乗せが適用され、第1特典よりも遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きい第2特典として50ゲーム以上のARTのゲーム数の上乗せが適用されている。これら特典のうち50ゲーム未満のARTのゲーム数が上乗せされるか否か、すなわち相対的に遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が小さい第1特典を付与するか否かについては、役物200をV入賞可能モードにて作動させてV入賞したか否か、すなわち構造物により物理的に特定される結果に基づいて決定されることとなり、構造物により物理的に特定された結果が特典の付与に関わる決定に反映させるため、特典の付与に対する興趣を高めることができる。
また、50ゲーム以上のARTのゲーム数が上乗せされるか否か、すなわち遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きい第2特典を付与するか否かについては、所定範囲で更新される数値データから抽出された乱数値に基づく上乗せ抽選で決定されることとなる。すなわち50ゲーム以上のARTのゲーム数が上乗せされるか否かについては構造物により物理的に特定された結果ではなく、いわゆる乱数抽選の結果に基づいて決定されるため、特典の付与の決定に対して不正を施すことが困難となり、不正行為によって過度に有利な結果が得られてしまうことを防止できる。
さらに上乗せ抽選にて50ゲーム以上のARTのゲーム数を上乗せする旨が決定されたときに役物200をV入賞モードにて作動させることで、50ゲーム以上のARTのゲーム数を上乗せする旨が物理的に特定可能となるように制御され、上乗せ抽選にて50ゲーム以上のARTのゲーム数を上乗せする旨が決定されなかったときに役物200を非V入賞モードにて作動させることで、ARTのゲーム数を上乗せする旨が物理的に特定されないように制御されるようになっており、50ゲーム未満のARTのゲーム数が上乗せされるか否かの決定結果に加え、上乗せ抽選による50ゲーム以上のARTのゲーム数が上乗せされるか否かの決定結果が役物200により物理的に特定されるため、いずれの場合にも役物200、すなわち構造物により物理的に特定された結果がARTのゲーム数の上乗せに関わる決定に反映しているという印象を与えることができる。
尚、本実施例では、遊技者にとって有利な特典として、ARTのゲーム数を上乗せする際の上乗せゲーム数、すなわち遊技者にとって有利な有利状態に制御される期間を適用し、当該有利状態に制御される期間が追加されるか否かの結果が役物200を用いて特定されるようになっているが、遊技者にとって有利な特典として、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態への移行が許容されることなどであり、本実施例ではナビストックが該当する)、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知される権利(本実施例ではナビストックが該当する)、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利(本実施例ではナビストックが該当する)、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利などを適用しても良い。
また、遊技者にとっての有利度とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利の数、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知される権利の数、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利の数、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利の数、有利状態に制御される期間の長さなどが該当する。
また、少なくとも第1特典に比較して第2特典が遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きい構成であれば良く、第1特典と第2特典とは、本実施例のように同種の特典、すなわちともにARTのゲーム数の上乗せであっても良いし、異なる種類の特典(例えば、ナビストックとARTのゲーム数の上乗せ等)であっても良い。
また、第1特典に比較して第2特典の方が遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きいとは、第1特典が付与されたときの有利度と第1特典が付与されなかったときの有利度との差よりも、第2特典が付与されたときの有利度と第2特典が付与されなかったときの有利度との差が大きいことであり、本実施例では、第1特典が50ゲーム未満のARTのゲーム数の上乗せであるのに対して、第2特典が50ゲーム以上のARTのゲーム数の上乗せであり、後者の方が遊技者にとって有利度に及ぼす影響が大きいといえる。
また、本実施例では、特典を付与するか否かが特定される構造物として役物200を適用しているが、少なくとも特典を付与するか否かが特定される構造物であれば良く、役物200のように構造物の動作を伴う構成であっても良いし、構造物の動作を伴わない構成であっても良い。
構造物の動作を伴わない構成としては、例えば、図25に示すように、円盤状の部材に演出球が通過可能な当たり用孔301とハズレ用孔302とが形成されたクルーン300を備え、クルーン300上に演出球を排出し、当たり用孔301を通過することで特典を付与する旨が特定され、ハズレ用孔302を通過することで特典を付与しない旨が特定される構成としても良い。このような構成においては、当たり用孔301への演出球の通過を阻止するシャッタ部材、ハズレ用孔302を阻止するシャッタ部材をそれぞれ設け、当たり用孔301への演出球の通過を阻止するシャッタ部材、ハズレ用孔302への演出球の通過を阻止するシャッタ部材双方を開放することにより特典を付与する旨も特典を付与しない旨も特定されるように制御し、当たり用孔301への演出球の通過を阻止するシャッタ部材を開放し、ハズレ用孔302への演出球の通過を阻止するシャッタ部材を閉鎖することにより特典を付与する旨のみ特定されるように制御し、当たり用孔301への演出球の通過を阻止するシャッタ部材を閉鎖し、ハズレ用孔302への演出球の通過を阻止するシャッタ部材を開放することにより特典を付与しない旨のみ特定されるように制御することが可能となる。また、このような構成においては、上記のようなクルーン300を多段に設けることにより、複数の段階を経て特典を付与するか否かが特定される構成としても良い。
また、第1特典を付与するか否かを決定するのに用いる構造物と、第2特典を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かを特定するのに用いる構造物と、が本実施例のように共通の構造物であっても良いし、それぞれに異なる構造物、例えば、第1特典を付与するか否かを決定するのに用いる構造物として前述のクルーン300を適用し、第2特典を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かを特定するのに用いる構造物として役物200を適用する構成としたり、複数の役物200を搭載し、第1特典を付与するか否かを決定するのに用いる構造物、第2特典を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かを特定するのに用いる構造物、としてそれぞれ異なる役物200を適用しても良い。
また、本実施例では、第1特典及び第2特典としてともにARTのゲーム数の上乗せ、すなわち同種の特典を適用し、第1特典が付与されたときの方が第2特典が付与されたときよりも有利度が高く設定されており、役物200により物理的に特定された結果に基づいて決定される第1特典と、乱数抽選の結果に基づいて決定される第2特典と、同種の特典であり、有利度のみが異なるものであるため、付与された特典の内容を把握しやすくなる。
また、本実施例では、上乗せ抽選に当選しなかった場合に、役物200が非V入賞モードに設定されることで、V入賞しないように制御されるようになっており、非V入賞モードが設定されているにも関わらずV入賞した場合には、役物200の動作異常である旨を報知するサブエラー報知を行うようになっており、上乗せ抽選にてARTのゲーム数を上乗せしない旨が決定されたにも関わらず、役物200によりARTのゲーム数が上乗せされる旨が物理的に特定されたときには何らかの不正がされた可能性があり、このような場合にはサブエラー報知により異常が発生した旨が報知されることで、不正がされた可能性を外部に認識させることができる。
また、本実施例では、上乗せ抽選に当選した場合に、役物200がV入賞モードに設定されることで、第2段階まで移行すれば必ずV入賞するように制御されるようになっており、役物200がV入賞モードに設定されて第2段階まで移行したにも関わらず、V入賞せずに第2ハズレセンサ259で演出球280が検出された場合にも、役物200の動作異常である旨を報知するサブエラー報知を行うようになっており、上乗せ抽選にてARTのゲーム数を上乗せする旨が決定され、かつ第2段階まで移行したにも関わらず、役物200によりARTのゲーム数が上乗せされる旨が物理的に特定されたときには何らかの不正がされた可能性があり、このような場合にもサブエラー報知により異常が発生した旨が報知されることで、不正がされた可能性を外部に認識させることができる。
尚、本実施例では、役物200がV入賞モードに設定された場合に、第1段階から第2段階へ移行しないことがある構成であるが、役物200がV入賞モードに設定された場合に必ず第1段階から第2段階へ移行し、かつ第2段階で必ずV入賞するように制御される構成としても良く、このような構成であれば、役物200がV入賞モードに設定されたにも関わらず、V入賞せずに第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259で演出球280が検出された場合に、役物200の動作異常である旨を報知するサブエラー報知を行うことで、不正がされた可能性を外部に認識させることができる。
また、役物200がV入賞モードに設定された場合に、第2段階へ移行すると必ずV入賞する構成であるが、役物200がV入賞モードに設定された場合に第2段階へ移行してもV入賞しないことがある構成としても良く、このような構成であれば、役物200がV入賞モードに設定された場合に、V入賞せずに第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259で演出球280が検出された場合でも、役物200の動作異常である旨を報知するサブエラー報知を行わないようにすれば良い。
また、本実施例では、第1特典、すなわち50ゲーム未満のARTのゲーム数の上乗せを決定する場合にも、第2特典、すなわち50ゲーム以上のARTのゲーム数の上乗せを付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かを特定する場合にも、ともに共通の役物200が用いられているため、第1特典が付与された場合でも第2特典が付与された場合でもその旨が共通の構造物にて特定されるため、特典が付与されたことを遊技者が認識しやすくなる。
尚、本実施例では、第1特典を付与するか否かを決定するのに用いる構造物と、第2特典を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かを特定するのに用いる構造物と、が共通の構造物であるが、第1特典を付与するか否かを決定するのに用いる構造物と、第2特典を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かを特定するのに用いる構造物と、が別個の構造物である場合でも、類似の構造物を適用(例えば、第1特典を付与するか否かを決定するのに用いる構造物として、シャッタ回転板203等を備えず、常時V入賞可能モードにて作動する役物を適用し、第2特典を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かを特定するのに用いる構造物として、V入賞モードまたは非V入賞モードにて作動する役物を適用する場合など)することで、第1特典が付与された場合でも第2特典が付与された場合でもその旨が類似の構造物にて特定されるため、特典が付与されたことを遊技者が認識しやすくなる。
また、本実施例では、役物200を用いて第1特典、すなわち50ゲーム未満のARTのゲーム数の上乗せが決定される確率が約1/172(フリーズ抽選の当選確率×上乗せゲーム数抽選で50ゲーム未満のゲーム数が当選する確率)であり、役物200を用いて第2特典、すなわち50ゲーム以上のARTのゲーム数の上乗せを付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かが特定される確率が約1/338(フリーズ抽選の当選確率×上乗せゲーム数抽選で50ゲーム以上のゲーム数が当選する確率)であり、前者の方が後者よりも高く設定されている。これにより、役物200により第1特典を付与するか否かが決定される頻度、すなわち構造物により物理的に特定された結果が特典の付与に関わる決定に反映される頻度が、役物200により第2特典を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かが特定される頻度、すなわち構造物により物理的に特定された結果が特典の付与に関わる決定に反映されない頻度よりも高くなるため、役物200により第2特典が付与されたか否かが特定された場合でも、構造物により物理的に特定された結果が特典の付与に関わる決定に反映されているという印象を与えることができる。
また、本実施例では、役物200が、第1段階と第2段階からなり、第1段階では演出球280が当たり用孔210を通過することで第2段階に移行することとなり、第2段階では演出球280が当たり用孔220を通過すること、すなわち、V入賞することによりARTのゲーム数が上乗せされる旨が特定されるようになっている。
また、本実施例では、前述のように50ゲーム以上のARTのゲーム数が上乗せされるか否かについては、構造物により物理的に特定された結果ではなく、いわゆる乱数抽選の結果に基づいて決定されるようになっており、特典の付与の決定に対して不正を施すことが困難となり、不正行為によって過度に有利な結果が得られてしまうことを防止できる。
また、役物200では、前述のように複数の段階(第1段階、第2段階)で各段階に対応する結果が特定されるとともに、最終段階以外の段階(第1段階)で次の段階(第2段階)へ移行するか否かの結果が特定され、次の段階(第2段階)へ移行する旨の結果が特定されることで次の段階(第2段階)に移行し、最終段階(第2段階)で特典、すなわちARTのゲーム数が上乗せされるか否かの結果が特定されるとともに、50ゲーム以上のARTのゲーム数の上乗せが付与され得る状況においては、最終段階(第2段階)において、特典を付与するか否かの決定結果、すなわち上乗せ抽選の結果に基づいて特典が付与された旨を物理的に特定可能とするか否かが制御され、V入賞することで特典が付与されたか否かが物理的に特定される一方で、最終段階以外の段階(第1段階)では、特典を付与するか否かの決定結果、すなわち上乗せ抽選の結果に関わらず、次の段階(第2段階)へ移行する旨の結果も次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果も特定可能となるため、複数の段階(第1段階、第2段階)全てにおいて構造物の動きが不自然となるようなことがなく、事前に決定された上乗せ抽選の結果を物理的に報知する構成であっても遊技者に対して物理的に決定しているように認識させることができる。
また、最終段階以外の段階(第1段階)では、特典を付与するか否かの決定結果、すなわち上乗せ抽選の結果に関わらず、次の段階(第2段階)へ移行する旨の結果も次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果も特定可能となるため、特典を付与する旨が決定されていても最終段階(第2段階)には移行せず、役物200により特典が付与された旨が特定されないこともあるが、このような場合でも、次ゲームの賭数設定操作またはスタート操作を契機に役物200を用いずに特典を付与する旨が報知されるため、特典を付与する旨が決定されているにも関わらず、特典を付与する旨が特定されないことで遊技者に不利益が発生することを防止できる。
尚、本実施例では、役物200において、2段階(第1段階、第2段階)で各段階に対応する結果が特定されるとともに、第1段階で第2段階へ移行するか否かの結果が特定され、第2段階へ移行する旨の結果が特定されることで第2段階に移行し、第2段階で特典、すなわちARTのゲーム数が上乗せされるか否かの結果が特定される構成であるが、3段階以上で各段階に対応する結果が特定されるとともに、最終段階以外の段階で次の段階へ移行するか否かの結果が特定され、次の段階へ移行する旨の結果が特定されることで次の段階に移行し、最終段階で特典、すなわちARTのゲーム数が上乗せされるか否かの結果が特定される構成としても良い。
また、本実施例では、1つの構造物(役物200)で複数の段階の結果が特定される構成であるが、複数の構造物でそれぞれの段階の結果が特定される構成でも良い。また、複数の構造物でそれぞれの段階の結果が特定される構成においては、それぞれの構造物が機械的に連動する構成でも良いし、それぞれの構造物が信号等の入出力により連動する構成でも良い。
また、本実施例では、上乗せゲーム数抽選で50ゲーム以上のARTのゲーム数の上乗せが当選した場合にのみ、上乗せ抽選にてARTのゲーム数を上乗せするか否かが決定され、その結果に基づいて役物200をV入賞モードまたは非V入賞モードに制御し、最終段階でV入賞させるか否かのいずれかとする制御を行い、上乗せゲーム数抽選で50ゲーム未満のARTのゲーム数の上乗せが当選した場合には、役物200をV入賞可能モードに制御し、最終段階において、V入賞することもV入賞しないことも可能に制御する構成であるが、上乗せゲーム数抽選で当選したARTの上乗せゲーム数に関わらず、上乗せ抽選にてARTのゲーム数を上乗せするか否かを決定し、その結果に基づいて役物200をV入賞モードまたは非V入賞モードに制御し、最終段階でV入賞させるか否かのいずれかとする制御を行う構成としても良い。
また、本実施例では、上乗せ抽選にてARTのゲーム数の上乗せをする旨、すなわち特典を付与する旨が決定され、最終段階以外の段階(第1段階)で次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果が特定されたときに、特典を付与する旨が液晶表示器51により報知される構成であるが、少なくとも役物200以外の報知手段により報知される構成であれば良く、例えば、LEDの点灯、音声の出力により報知される構成としても良い。
また、本実施例では、上乗せ抽選にてARTのゲーム数の上乗せをする旨、すなわち特典を付与する旨が決定され、最終段階以外の段階(第1段階)で次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果が特定されたときに、次ゲームの賭数設定操作またはスタート操作を契機に特典を付与する旨が役物200とは別に報知され、その旨が特定されるようになっている。また、役物200が動作している間は、フリーズ状態に制御され、その間は、次ゲームの賭数設定操作またはスタート操作が不能化されており、上乗せ抽選にてARTのゲーム数の上乗せをする旨、すなわち特典を付与する旨が決定され、最終段階以外の段階(第1段階)で前記次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果が特定されたときには、最終段階(第2段階)まで移行したのであれば最終段階(第2段階)で特典を付与する旨が物理的に特定されるまでに要する時間よりも長い時間の経過後に特典を付与する旨が役物200とは別に報知されることとなる。このため、特典を付与する旨が決定されていても最終段階(第2段階)には移行せず、役物200により特典が付与された旨が特定されなかったために役物200以外で特典を付与する旨が報知される場合にもすぐには報知されず、少なくとも最終段階(第2段階)に移行していればその最終段階(第2段階)で特典が付与された旨が物理的に特定されるまでに要する時間が経過するまでは特典を付与する旨が報知されないため、事前に特典を付与する旨が決定されていたのではないかという不信感を遊技者に与えてしまうことを抑制できる。
尚、本実施例では、上乗せ抽選にてARTのゲーム数の上乗せをする旨、すなわち特典を付与する旨が決定され、最終段階以外の段階(第1段階)で次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果が特定されたときに、次ゲームの賭数設定操作またはスタート操作を契機に特典を付与する旨が役物200とは別に報知される構成であるが、最終段階(第2段階)に移行していればその最終段階(第2段階)で特典を付与する旨が物理的に特定されるまでに要する時間の経過後であれば、次ゲームの賭数設定操作またはスタート操作がされるよりも前の段階で特典を付与する旨が役物200とは別に報知される構成としたり、次ゲーム以降に特典を付与する旨が役物200とは別に報知される構成とした場合でも、上記と同様の効果を得られる。
また、本実施例では、第1段階で第2段階に移行する旨の結果が特定される確率が1/2であるのに対して、第2段階で特典が付与された旨が物理的に特定可能とするか否かが制御されていないとき、すなわちV入賞可能モードが設定されているときに特典を付与する旨の結果が特定される確率は1/4であり、最終段階以外の段階(第1段階)で次の段階(第2段階)に移行する旨の結果が特定される確率が、最終段階(第2段階)で特典を付与する旨を物理的に特定可能とするか否かが制御されないときに特典を付与する旨の結果が特定される確率よりも高く設定されているので、最終段階へ移行するまでは、次の段階へ移行しやすくなるため、特典を付与する旨が決定されている場合には、役物200とは別個の報知手段による報知ではなく、極力役物200により特典を付与する旨を特定させることができる。
また、本実施例では、メイン制御部41がフリーズ状態に制御するゲームにおいてサブ制御部91が役物200を作動させることで、ARTのゲーム数の上乗せ、すなわち特典を付与する旨が特定されるとともに、メイン制御部41がフリーズ状態に制御する所定時間は、サブ制御部91側で演出球280を開放した時からV通過最大時間よりも長く設定されており、演出球の解放時からV通過(V入賞センサ256の通過)までの時間がハズレ通過(第1ハズレセンサ253または第2ハズレセンサ259の通過)までの時間よりも長い時間を要することから、役物200が作動している間はフリーズ状態に制御され、その間ゲームを進行させることができないようになっている。このため、役物200により特典が付与されるか否かが特定される前に遊技が進行してしまうことを防止でき、役物200の動作に対して遊技者の意識を向けることができる。
尚、本実施例では、サブ制御部91側で演出球280を開放した時からV通過最大時間よりも長い時間にわたりメイン制御部41側でフリーズ状態に制御することで、役物200により特典が付与されるか否かが特定される前に遊技が進行してしまうことを防止できる構成であるが、役物200の作動後、V入賞するか、ハズレが検出され、役物200の動作が停止する際に、メイン制御部41に対して、役物200の動作が停止した旨を特定可能な信号を出力可能とし、メイン制御部41は、当該信号が入力されるまでフリーズ状態に制御する構成としても良く、このような構成であっても、役物200により特典が付与されるか否かが特定される前に遊技が進行してしまうことを防止できる。
以上、本発明の実施例1を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例1に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例1では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
次に、遊技機の実施例2としてのパチンコ遊技機1001の全体の構成について説明する。図26は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図27は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図26の手前側をパチンコ遊技機1001の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1001の前面とは、該パチンコ遊技機1001にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図26は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1001は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)1002と、遊技盤1002を支持固定する遊技機用枠(台枠)1003とから構成されている。遊技盤1002には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤1002の所定位置(図26に示す例では、遊技領域の右側下部位置)には、第1特別図柄表示装置1004Aと、第2特別図柄表示装置1004Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置1004Aと第2特別図柄表示装置1004Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示装置1004Aと第2特別図柄表示装置1004Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示装置1004Aや第2特別図柄表示装置1004Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組み合わせを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていれば良い。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていれば良い。以下では、第1特別図柄表示装置1004Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置1004Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置1004Aと第2特別図柄表示装置1004Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であっても良いし、種類が異なっていても良い。また、第1特別図柄表示装置1004Aと第2特別図柄表示装置1004Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていても良い。
遊技盤1002における遊技領域の中央付近には、演出表示装置1005が設けられている。演出表示装置1005は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置1005の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置1004Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置1004Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置1005の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置1004Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置1004Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置1005における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
また、本実施例では、演出表示装置1005の上方位置に役物1200が設けられている。役物1200は、前述した実施例の役物200と同様に構成されているため、ここでの詳細な説明は省略する。
このように、演出表示装置1005の表示領域では、第1特別図柄表示装置1004Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置1004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれても良い。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組み合わせなどであれば良く、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字や記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であれば良い)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組み合わせやハズレとなる組み合わせなど適当な数の組み合わせを構成可能であれば、何種類であっても良い(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア1005Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしても良い。
演出表示装置1005の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア1005D、第2保留記憶表示エリア1005Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア1005D、第2保留記憶表示エリア1005Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置1006Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置1006Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1001が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、第1保留記憶表示エリア1005D、第2保留記憶表示エリア1005Uを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、第1保留記憶表示エリア1005D、第2保留記憶表示エリア1005Uに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。さらに、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
保留記憶表示エリア1005D、1005Uにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。
図26に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置1004A及び第2特別図柄表示装置1004Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器1025Aと第2保留表示器1025Bとが設けられている。第1保留表示器1025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器1025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置1005を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置1005上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置1005に、演出図柄と特別図柄及び普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置1005の下方には、普通入賞球装置1006Aと、普通可変入賞球装置1006Bとが設けられている。普通入賞球装置1006Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置1006Bは、図27に示す普通電動役物用となるソレノイド1081によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置1006Bでは、普通電動役物用のソレノイド1081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置1006Bでは、普通電動役物用のソレノイド1081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置1006Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成しても良い。あるいは、普通可変入賞球装置1006Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成しても良い。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置1006Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図27に示す第1始動口スイッチ1022Aによって検出される。普通可変入賞球装置1006Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図27に示す第2始動口スイッチ1022Bによって検出される。第1始動口スイッチ1022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ1022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ1022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ1022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であっても良いし、異なる個数であっても良い。
普通入賞球装置1006Aと普通可変入賞球装置1006Bの下方位置には、特別可変入賞球装置1007が設けられている。特別可変入賞球装置1007は、図27に示す大入賞口扉用となるソレノイド1082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置1007では、大入賞口扉用のソレノイド1082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置1007では、大入賞口扉用のソレノイド1082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けても良い。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図27に示すカウントスイッチ1023によって検出される。カウントスイッチ1023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置1007において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置1007において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置1007において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器1025Bの上方位置には、普通図柄表示器1020が設けられている。一例として、普通図柄表示器1020は、第1特別図柄表示装置1004Aや第2特別図柄表示装置1004Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器1020の上方には、普図保留表示器1025Cが設けられている。普図保留表示器1025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート1041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤1002の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられても良い。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されれば良い。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠1003の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ1008L、1008Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ1009が設けられている。パチンコ遊技機1001の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置1006A、普通可変入賞球装置1006B、特別可変入賞球装置1007等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていても良い。遊技機用枠1003の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていれば良い。
遊技領域の下方における遊技機用枠1003の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠1003の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1001の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ1031Aが取り付けられている。スティックコントローラ1031Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。スティックコントローラ1031Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット1035Aが設けられていれば良い。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ1031Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン1031Bが設けられている。プッシュボタン1031Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていれば良い。プッシュボタン1031Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン1031Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ1035Bが設けられていれば良い。
次に、パチンコ遊技機1001における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1001では、遊技領域に設けられた通過ゲート1041を通過した遊技球が図27に示すゲートスイッチ1021によって検出されたことといった、普通図柄表示器1020にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器1020による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置1006Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置1006Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図27に示す第1始動口スイッチ1022Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置1004Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置1006Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図27に示す第2始動口スイッチ1022Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置1004Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置1004Aや第2特別図柄表示装置1004Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1001では、一例として、「2」〜「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「0」、「1」、「8」、「9」、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示装置1004Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置1004Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしても良いし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしても良い。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置1007の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば、29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤1002の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「4」、「6」、「8」、「10」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしても良い。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置1007を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「2」〜「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となり、「3」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りCに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置1007の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、10回)繰返し実行される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置1007の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第2回数(例えば、6回または8回)繰返し実行される。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置1007の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第3回数(例えば、4回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「2」〜「7」の数字を示す特別図柄のうち、「6」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りDに対応する大当り図柄となり、「4」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りEに対応する大当り図柄となり、「2」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りFに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「6」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置1007の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、10回)繰返し実行される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、「4」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置1007の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りBと同じく第2回数(例えば、6回または8回)繰返し実行される。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置1007の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りBと同じく第2回数(例えば、4回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「2」〜「7」の数字を示す特別図柄のうち、「2」〜「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置1007を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、10回)よりも少ない第2回数(例えば、6回または8回)または第3回数(例えば、4回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出球(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出球(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出球(賞球)が少ないものであれば良い。
また、本実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ1100は、特図ゲームで変動表示結果が「大当り」となるか否かを決定する大当り抽選を行い、大当り抽選で「大当り」となる旨が決定された場合には、さらに所定範囲で更新される数値データから抽出された乱数値に基づいて大当り種別を確変大当りA、B、C、非確変大当りD、E、Fのいずれかに決定する大当り種別抽選を行う。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ1100は、特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になったことに基づいて大当り遊技状態を開始するとき、大当り種別が確変大当りBまたは非確変大当りEである場合、役物1200を用いたラウンド数の振分抽選を実行し、該振分抽選にて決定したラウンド数(例えば、6回または8回)を当該大当りのラウンド数として設定する処理を行う。また、大当り種別が確変大当りA、C及び非確変大当りD、Fのいずれかである場合は、上記役物1200を用いたラウンド数の振分抽選を実行することなく、各大当り種別に応じたラウンド数(例えば、確変大当りA、非確変大当りDであれば4回、確変大当りC、非確変大当りFであれば10回)を設定する処理を行う。
演出表示装置1005に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rでは、第1特別図柄表示装置1004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置1004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置1005の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア1005L、1005Rなど)では予め定められた大当り組み合わせを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア1005Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていれば良い。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしても良い。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板1011の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されれば良い。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板1011の側で決定された変動パターンに関わらず、演出制御基板1012の側で実行するか否かが決定されても良い。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア1005L、1005Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであれば良い。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていても良い。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組み合わせとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組み合わせとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「2」、「4」、「6」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組み合わせのうち、所定の通常大当り組み合わせ(「非確変大当り組み合わせ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組み合わせを停止表示しても良い。
通常大当り組み合わせ(非確変大当り組み合わせ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置1005における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであれば良い。通常大当り組み合わせを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組み合わせ(非確変大当り組み合わせ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組み合わせ(非確変大当り組み合わせ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置1006Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1001の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すれば良い。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組み合わせのうち、所定の確変大当り組み合わせとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組み合わせを停止表示しても良い。確変大当り組み合わせとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置1005における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア1005L、1005C、1005Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであれば良い。確変大当り組み合わせを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」、「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組み合わせとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしても良い。
確定演出図柄が通常大当り組み合わせであるか確変大当り組み合わせであるかに関わらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すれば良い。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了しても良い。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始される毎に実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了しても良い。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器1020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置1006Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしても良いし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしても良い。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置1004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であれば良い。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
パチンコ遊技機1001には、例えば図27に示すような主基板1011、演出制御基板1012、音声制御基板1013、ランプ制御基板1014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1001には、主基板1011と演出制御基板1012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板1015なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1001における遊技盤1002などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板1011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1001における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板1011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板1012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板1011は、第1特別図柄表示装置1004Aと第2特別図柄表示装置1004Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器1020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器1020による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板1011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ1100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ1100に伝送するスイッチ回路1110、遊技制御用マイクロコンピュータ1100からのソレノイド駆動信号をソレノイド1081、1082、役物1200に搭載される外側モータ270、内側モータ271、シャッタモータ272、開閉ソレノイド273に伝送するソレノイド回路1111などが搭載されている。
演出制御基板1012は、主基板1011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板1015を介して主基板1011から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置1005、スピーカ1008L、1008R及び遊技効果ランプ1009といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板1012は、演出表示装置1005における表示動作や、スピーカ1008L、1008Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ1009などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板1013は、演出制御基板1012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板1012からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ1008L、1008Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板1014は、演出制御基板1012とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板1012からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ1009などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図27に示すように、主基板1011には、ゲートスイッチ1021、第1始動口スイッチ1022A、第2始動口スイッチ1022B、カウントスイッチ1023、アウト球スイッチ1024や、役物1200に搭載される第1ハズレセンサ253、第2ハズレセンサ259、V入賞センサ256、戻り球センサ261、外側センサ274、内側センサ275、シャッタセンサ276からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ1021、第1始動口スイッチ1022A、第2始動口スイッチ1022B、カウントスイッチ1023、アウト球スイッチ1024は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであれば良い。また、主基板1011には、第1特別図柄表示装置1004A、第2特別図柄表示装置1004B、普通図柄表示器1020、第1保留表示器1025A、第2保留表示器1025B、普図保留表示器1025Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板1011から演出制御基板1012に向けて伝送される制御信号は、中継基板1015によって中継される。中継基板1015を介して主基板1011から演出制御基板1012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置1005における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ1008L、1008Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ1009や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板1011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ1100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)1101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)1102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)1103と、CPU1103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路1104と、I/O(Input/Outputport)1105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ1100では、CPU1103がROM1101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1001における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU1103がROM1101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU1103がRAM1102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU1103がRAM1102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU1103がI/O1105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ1100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU1103がI/O1105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ1100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図27に示す遊技制御用マイクロコンピュータ1100が備えるRAM1102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、パチンコ遊技機1001に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM1102の一部または全部の内容が保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすれば良い。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM1102には、パチンコ遊技機1001における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば遊技制御用データ保持エリア(図示略)が設けられている。遊技制御用データ保持エリア(図示略)は、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
図27に示す遊技制御用マイクロコンピュータ1100が備えるI/O1105は、遊技制御用マイクロコンピュータ1100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ1100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図27に示すように、演出制御基板1012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU1120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM1121と、演出制御用CPU1120のワークエリアを提供するRAM1122と、演出表示装置1005における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部1123と、演出制御用CPU1120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行うと、I/O1125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板1012では、演出制御用CPU1120がROM1121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU1120がROM1121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU1120がRAM1122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU1120がRAM1122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU1120がI/O1125を介して演出制御基板1012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU1120がI/O1125を介して演出制御基板1012の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU1120、ROM1121、RAM1122は、演出制御基板1012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれても良い。
演出制御基板1012には、演出表示装置1005に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板1013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板1014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
図27に示す演出制御基板1012に搭載されたROM1121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM1121には、演出制御用CPU1120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM1121には、演出制御用CPU1120が各種の演出装置(例えば演出表示装置1005やスピーカ1008L、1008R、遊技効果ランプ1009及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1001における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていれば良い。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1001における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターン毎に、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれても良い。
こうした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU1120から演出表示装置1005や音声制御基板1013などに対して出力される。演出制御用CPU1120からの指令を受けた演出表示装置1005では、例えば指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU1120からの指令を受けた音声制御基板1013では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。尚、図柄変動制御パターン、各種予告の予告演出制御パターン、各種演出制御パターン等、各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
図27に示す演出制御基板1012に搭載されたRAM1122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
本実施例では、特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になったことに基づいて大当り遊技状態を開始するとき、大当り種別が確変大当りBまたは非確変大当りEである場合に、役物1200がV入賞可能モードに設定されることで、1/8の確率でV入賞可能に制御されるようになっており、V入賞することにより当該大当りのラウンド数として8回が決定され、かつその旨が特定されるようになっている。一方、第2段階へ移行しないことや第2段階へ移行してもV入賞しないことにより当該大当りのラウンド数として6回が決定され、かつその旨が特定されるようになっている。
また、特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になったことに基づいて大当り遊技状態を開始するとき、大当り種別が確変大当りA、C及び非確変大当りD、Fのいずれかである場合には、大当り種別が確変大当りA、非確変大当りDであるか、確変大当りC、非確変大当りFであるか、すなわち所定範囲で更新される数値データから抽出された乱数値に基づいて決定された大当り種別抽選の結果に基づいて役物1200を用いて当該大当りのラウンド数が4回であるか、10回であるか、が特定されるようになっている。詳しくは、大当り種別抽選において確変大当りC、非確変大当りFが当選した場合には、役物1200がV入賞モードに設定されることで、1/2の確率でV入賞可能に制御され、特に第2段階まで移行すれば必ずV入賞するように制御されるようになっており、V入賞することにより当該大当りのラウンド数が10回である旨が特定されるようになっている。一方、大当り種別抽選において確変大当りA、非確変大当りDが当選した場合には、役物1200が非V入賞モードに設定されることで、V入賞しないように制御されるようになっており、V入賞しないことにより当該大当りのラウンド数が4回である旨が特定されるようになっている。また、V入賞モードが設定されていても第1段階から第2段階へ移行せず、V入賞しない可能性もあり、大当り種別抽選において確変大当りC、非確変大当りFが当選していても役物1200でV入賞しないことにより当該大当りのラウンド数が4回である旨が特定される場合もあるが、このような場合には、その後、第2段階へ移行していればV入賞するまでに要する時間(V通過最大時間)よりも長く設定された所定時間の経過後、当該大当りのラウンド数が10回である旨が演出表示装置1005にて報知され、その旨が役物1200以外で特定されるようになっている。
また、上述のように役物1200が非V入賞モードに設定されることで、V入賞しないように制御されるようになっており、非V入賞モードが設定されているにも関わらずV入賞した場合には、役物1200の動作異常である旨が報知されるとともに、遊技の進行が不能化されるエラー状態に制御されるようになっており、遊技者による操作が不能なリセットスイッチ(図示略)が店員等により操作されるまでエラー状態が解除されないようになっている。
また、上述のように役物1200がV入賞モードに設定されることで、第2段階まで移行すれば必ずV入賞するように制御されるようになっており、役物1200がV入賞モードに設定されて第2段階まで移行したにも関わらず、V入賞せずに第2ハズレセンサ259で演出球280が検出された場合にも、役物1200の動作異常である旨が報知されるとともに、遊技の進行が不能化されるエラー状態に制御されるようになっており、遊技者による操作が不能なリセットスイッチ(図示略)が店員等により操作されるまでエラー状態が解除されないようになっている。
本実施例では、遊技者にとって有利な特典として大当り状態のラウンド数が適用されており、このうち第1特典として6回のラウンド数に対する8回のラウンド数が適用され、第2特典として4回のラウンド数に対する10回のラウンド数が適用され、第1特典よりも遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きい第2特典として10回のラウンド数が適用されている。これら特典のうちラウンド数が8回となるか、6回となるか、すなわち相対的に遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が小さい第1特典を付与するか否かについては、役物1200をV入賞可能モードにて作動させてV入賞したか否か、すなわち構造物により物理的に特定される結果に基づいて決定されることとなり、構造物により物理的に特定された結果が特典の付与に関わる決定に反映させるため、特典の付与に対する興趣を高めることができる。
また、ラウンド数が10回となるか、4回となるか、すなわち遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きい第2特典を付与するか否かについては、所定範囲で更新される数値データから抽出された乱数値に基づく大当り種別抽選で決定されることとなる。すなわち遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きい第2特典を付与するか否かについては構造物により物理的に特定された結果ではなく、いわゆる乱数抽選の結果に基づいて決定されるため、特典の付与の決定に対して不正を施すことが困難となり、不正行為によって過度に有利な結果が得られてしまうことを防止できる。
さらに大当り種別抽選にてラウンド数が10回となる旨が決定されたときに役物200をV入賞モードにて作動させることで、ラウンド数が10回となる旨が物理的に特定可能となるように制御され、大当り種別抽選にてラウンド数が4回となる旨が決定されなかったときに役物1200を非V入賞モードにて作動させることで、ラウンド数が10回となる旨が物理的に特定されないように制御されるようになっており、ラウンド数が8回となるか、6回となるか、すなわち遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が小さい第1特典が付与されるか否かの決定結果に加え、大当り種別抽選によりラウンド数が10回となるか、4回となるか、すなわち遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きい第2特典が付与されるか否かの決定結果が役物1200により物理的に特定されるため、いずれの場合にも役物1200、すなわち構造物により物理的に特定された結果が特典の付与に関わる決定に反映しているという印象を与えることができる。
尚、本実施例では、遊技者にとって有利な特典として、大当りのラウンド数を適用し、大当りのラウンド数が8回または6回となるかの結果、10回または4回となるかの結果が役物1200を用いて特定されるようになっているが、遊技者にとって有利な特典として、前述の時短状態、確変状態等の遊技者にとって有利な遊技状態に制御される期間(回数)を適用しても良く、このような場合には、遊技者の有利度として有利な遊技状態の期間(回数)を適用すれば良い。
また、少なくとも第1特典に比較して第2特典が遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きい構成であれば良く、第1特典と第2特典とは、本実施例のように同種の特典、すなわちともに大当り遊技のラウンド数であっても良いし、異なる種類の特典(例えば、大当り遊技のラウンド数と確変状態の期間等)であっても良い。
また、第1特典に比較して第2特典の方が遊技者にとっての有利度に及ぼす影響が大きいとは、第1特典が付与されたときの有利度と第1特典が付与されなかったときの有利度との差よりも、第2特典が付与されたときの有利度と第2特典が付与されなかったときの有利度との差が大きいことであり、本実施例では、第1特典が6回のラウンド数に対する8回のラウンド数であるのに対して、第2特典が4回のラウンド数に対する10回のラウンド数であり、後者の方が遊技者にとって有利度に及ぼす影響が大きいといえる。
また、本実施例の役物1200では、役物1200内に封入された演出球280を用いて特典が付与されたか否かが特定される構成であるが、遊技領域内に打ち込まれた遊技球を用いて特典が付与されたか否かが特定される構成としても良い。
また、本実施例では、第1特典及び第2特典としてともに大当りのラウンド数、すなわち同種の特典を適用し、第1特典が付与されたときの方が第2特典が付与されたときよりも有利度が高く設定されており、役物1200により物理的に特定された結果に基づいて決定される第1特典と、乱数抽選の結果に基づいて決定される第2特典と、が同種の特典であり、有利度のみが異なるものであるため、付与された特典の内容を把握しやすくなる。
また、本実施例では、大当り種別抽選において確変大当りA、非確変大当りDが当選した場合に、役物1200が非V入賞モードに設定されることで、V入賞しないように制御されるようになっており、非V入賞モードが設定されているにも関わらずV入賞した場合には、役物1200の動作異常である旨が報知されるとともに、遊技の進行が不能化されるエラー状態に制御されるようになっており、大当り種別抽選において確変大当りA、非確変大当りDが当選したにも関わらず、役物1200によりラウンドが4回または10回のうち10回である旨が物理的に特定されたときには何らかの不正がされた可能性があり、このような場合にはエラー状態に制御されることにより異常が発生した旨が報知されることで、不正がされた可能性を外部に認識させることができる。
また、本実施例では、大当り種別抽選において確変大当りC、非確変大当りFが当選した場合に、役物1200がV入賞モードに設定されることで、第2段階まで移行すれば必ずV入賞するように制御されるようになっており、役物1200がV入賞モードに設定されて第2段階まで移行したにも関わらず、V入賞せずに第2ハズレセンサ259で演出球280が検出された場合にも、役物1200の動作異常である旨が報知されるとともに、遊技の進行が不能化されるエラー状態に制御されるようになっており、大当り種別抽選において確変大当りC、非確変大当りFが当選し、かつ第2段階前移行したにも関わらず、役物1200によりラウンドが4回または10回のうち4回である旨が物理的に特定されたときには何らかの不正がされた可能性があり、このような場合にもエラー状態に制御されることにより異常が発生した旨が報知されることで、不正がされた可能性を外部に認識させることができる。
また、本実施例では、第1特典(ラウンド数を6回とするか、8回とするか)を決定する場合にも、第2特典(ラウンド数を4回とするか、10回とするか)を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かを特定する場合にも、ともに共通の役物1200が用いられているため、第1特典が付与された場合でも第2特典が付与された場合でもその旨が共通の構造物にて特定されるため、特典が付与されたことを遊技者が認識しやすくなる。
また、本実施例においても、役物1200を用いて第1特典(ラウンド数を6回とするか、8回とするか)が決定される確率が、役物1200を用いて第2特典(ラウンド数を4回とするか、10回とするか)を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かが特定される確率よりも高く設定されていることが好ましく、このような構成とすることにより、役物1200により第1特典を付与するか否かが決定される頻度、すなわち構造物により物理的に特定された結果が特典の付与に関わる決定に反映される頻度が、役物1200により第2特典を付与するか否かの決定結果に基づいて特典が付与されたか否かが特定される頻度、すなわち構造物により物理的に特定された結果が特典の付与に関わる決定に反映されない頻度よりも高くなるため、役物1200により第2特典が付与されたか否かが特定された場合でも、構造物により物理的に特定された結果が特典の付与に関わる決定に反映されているという印象を与えることができる。
また、本実施例では、役物1200が、第1段階と第2段階からなり、第1段階では演出球280が当たり用孔210を通過することで第2段階に移行することとなり、第2段階では演出球280が当たり用孔220を通過すること、すなわち、V入賞することにより4回のラウンド数、10回のラウンド数のうち10回のラウンド数が特定されるようになっている。
また、本実施例では、前述のように4回のラウンド数となるか、10回のラウンド数となるか、については、構造物により物理的に特定された結果ではなく、いわゆる乱数抽選の結果に基づいて決定されるようになっており、特典の付与の決定に対して不正を施すことが困難となり、不正行為によって過度に有利な結果が得られてしまうことを防止できる。
また、役物1200では、前述のように複数の段階(第1段階、第2段階)で各段階に対応する結果が特定されるとともに、最終段階以外の段階(第1段階)で次の段階(第2段階)へ移行するか否かの結果が特定され、次の段階(第2段階)へ移行する旨の結果が特定されることで次の段階(第2段階)に移行し、最終段階(第2段階)で特典、すなわち4回のラウンド数となるか、10回のラウンド数となるか、の結果が特定されるとともに、最終段階(第2段階)において、特典を付与するか否かの決定結果、すなわち大当り種別抽選の結果に基づいて4回のラウンド数となるか、10回のラウンド数となるか、を物理的に特定可能とするか否かが制御され、V入賞することで特典が付与されたか否かが物理的に特定される一方で、最終段階以外の段階(第1段階)では、特典を付与するか否かの決定結果、すなわち大当り種別抽選の結果に関わらず、次の段階(第2段階)へ移行する旨の結果も次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果も特定可能となるため、複数の段階(第1段階、第2段階)全てにおいて構造物の動きが不自然となるようなことがなく、事前に決定された大当り種別抽選の結果を物理的に報知する構成であっても遊技者に対して物理的に決定しているように認識させることができる。
また、最終段階以外の段階(第1段階)では、特典を付与するか否かの決定結果、すなわち大当り種別抽選の結果に関わらず、次の段階(第2段階)へ移行する旨の結果も次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果も特定可能となるため、特典を付与する旨が決定されていても最終段階(第2段階)には移行せず、役物1200により特典が付与された旨が特定されないこともあるが、このような場合でも、所定時間経過後に役物1200を用いずに特典を付与する旨が報知されるため、特典を付与する旨が決定されているにも関わらず、特典を付与する旨が特定されないことで遊技者に不利益が発生することを防止できる。
また、本実施例では、大当り種別抽選で大当り種別が確変大当りA、非確変大当りD、確変大当りC、非確変大当りF、が当選した場合にのみ、その結果に基づいて役物1200をV入賞モードまたは非V入賞モードに制御し、最終段階(第2段階)でV入賞させるか否かのいずれかとする制御を行い、大当り種別抽選で確変大当りB、非確変大当りEが当選した場合には、役物1200をV入賞可能モードに制御し、最終段階(第2段階)において、V入賞することもV入賞しないことも可能に制御する構成であるが、大当り種別抽選で当選した大当り種別に関わらず、その結果に基づいて役物1200をV入賞モードまたは非V入賞モードに制御し、最終段階(第2段階)でV入賞させるか否かのいずれかとする制御を行う構成としても良い。
また、本実施例では、10回のラウンド数とすること、すなわち特典を付与する旨が決定され、最終段階以外の段階(第1段階)で次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果が特定されたときに、特典を付与された旨が演出表示装置1005により報知される構成であるが、少なくとも役物1200以外の報知手段により報知される構成であれば良く、例えば、LEDの点灯、音声の出力により報知される構成としても良い。
また、本実施例では、10回のラウンド数とすること、すなわち特典を付与する旨が決定され、最終段階以外の段階(第1段階)で次の段階(第2段階)へ移行しない旨の結果が特定されたときに、その後、最終段階(第2段階)へ移行していればV入賞するまでに要する時間よりも長く設定された所定時間の経過後、特典を付与する旨が演出表示装置1005にて報知され、その旨が特定されるようになっている。このため、特典を付与する旨が決定されていても最終段階(第2段階)には移行せず、役物1200により特典を付与する旨が特定されなかったために役物1200以外で特典を付与する旨が報知される場合にもすぐには報知されず、少なくとも最終段階(第2段階)に移行していればその最終段階(第2段階)で特典を付与する旨が物理的に特定されるまでに要する時間が経過するまでは特典を付与する旨が報知されないため、事前に特典を付与する旨が決定されていたのではないかという不信感を遊技者に与えてしまうことを抑制できる。
以上、本発明の実施例2を説明してきたが、本発明はこの実施例2に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、実施例1と同一もしくは類似する構成については、実施例1で説明したものと同様の効果を有するものである。また、実施例1について例示した変形例についても実施例2に適用可能である。
前記実施例2では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1001を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。