以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図であり、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン」、「バナナ」、「黒イチゴ」、「白イチゴ」、「ブランク(1)(斜線無しの星)」、「ブランク(2)(斜線有りの星)」、「デカ(1)(斜線無しの星の上半分)」、「デカ(2)(斜線無しの星の下半分)」、「赤7(黒塗りの7)」、「白7(白抜きの7)」、「BAR」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
また、前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図4参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では後述の通常遊技状態、準備モード、およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては3、ボーナスにおいては2)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中、レギュラーボーナス中、および後述するRT中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L6(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち逆V字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL6、の6種類が入賞ラインとして定められており、通常遊技状態、準備モード、RT、ビッグボーナス、レギュラーボーナスにおいては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L6の全てが有効となる。なお、入賞ラインは、L1〜L6に示すラインに限らず、たとえば各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨るラインを含むものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L6上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L6上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、メインCPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56b、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行なうタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、および設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作など、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態(たとえば、後述する通常遊技状態など)中であるときには当該RTに制御される残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
なお、設定変更モードに移行させた場合でも、原則として、設定変更モード移行前の遊技状態(遊技状態の種類および通常遊技状態であるときには残りゲーム数)に関する情報が維持される。これにより、たとえば、RT中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後においても当該RTのリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。また、ゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する通常遊技状態中に設定変更モードに移行させた場合には、残りゲーム数についても維持管理される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選中に設定変更モードに移行させた場合には、ボーナスの当選フラグが初期化されボーナス抽選で当選すると再度当選フラグを設定可能であって当該RTのリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。このため、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域は、原則として、設定変更に関連して初期化されることはない。例外として、たとえば、設定変更モード移行前の遊技状態がボーナスであるときには、設定変更に関連してたとえば準備モードを示す遊技状態フラグが格納される。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化され、初期遊技状態に制御される。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行なう例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグボーナスをBBと示し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
図5(a)は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図であり、図5(b)は、予め定められた特殊出目の図柄組合せおよび特殊出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6(a)は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図6(b)は、サブ制御部91により制御される確率状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図6(a)に示すように、メイン制御部41により、ボーナス終了後に制御される準備モード、準備モードにおいて所定の有利条件(後述する特殊出目停止)が成立することにより制御されるRT、準備モードおよびRTにおいて所定の終了条件(後述する転落リプレイ入賞)が成立することにより制御される通常遊技状態、ボーナス内部当選したときに制御される内部中RT、およびボーナス入賞により制御されるボーナスのうち、いずれかに制御される。RTは、再遊技役のうち遊技状態の移行を伴なわないリプレイの当選率が極めて高確率となる点において、準備モードおよび通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、上記のように、メイン制御部41により、遊技状態を準備モード、RT、通常遊技状態、内部中RT、ボーナスに制御可能としつつ、遊技状態が準備モードやRTであるときには、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。遊技状態が準備モードであって演出状態がATに制御されている状態をAT準備モードともいい、遊技状態が準備モードであるが演出状態がATに制御されていない状態を非AT準備モードともいう。また、遊技状態がRTであって演出状態がATに制御されている状態をARTともいい、遊技状態がRTであるが演出状態がATに制御されていない状態を非ARTともいう。
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、図6(b)に示すように、サブ制御部91により、ボーナス終了あるいは後述するメロン当選を条件として高確率状態に制御され、当該高確率状態において所定ゲーム数消化するかボーナス当選することを条件として低確率状態に制御される。確率状態が高確率状態であるとき、あるいは遊技状態がボーナス中であるときには、後述するように所定のポイント付与条件が成立することにより、ATに制御される確率に関与するポイントが付与される。
図5(a)を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、およびレギュラーボーナスが含まれる。
ビッグボーナス(1)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)または(2)のいずれかに入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。
ビッグボーナスに制御されているときには、当該ビッグボーナスが終了するまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がビッグボーナスにある間は、入賞したビッグボーナスの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始されるときにレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定されていないときに、繰り返しレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定される。
ビッグボーナス(1)および(2)は、270枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
図6(a)に示すように、ビッグボーナス(1)、(2)、およびレギュラーボーナスのいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。
また、ビッグボーナスが入賞したとき、ビッグボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。また、図6(a)に示すように、ビッグボーナスが終了した後は、準備モードに遊技状態が制御される。
レギュラーボーナスは、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナスが入賞すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。
レギュラーボーナス入賞した場合には、12ゲーム消化するかまたは8回入賞するまでレギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
図6(a)に示すように、レギュラーボーナスに内部当選してから、該当選したレギュラーボーナスが入賞するまでは、前述した内部中RTに遊技状態が制御される。
また、レギュラーボーナスが入賞したとき、レギュラーボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にレギュラーボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。また、図6(a)に示すように、レギュラーボーナスが終了した後は、ビッグボーナスが終了したときと同様に、準備モードに遊技状態が制御される。
また、図6(b)に示すように、サブ制御部91により制御される確率状態が、高確率状態であるときにビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選したときには低確率状態に制御され、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが終了した後は低確率状態から高確率状態に制御される。ビッグボーナスやレギュラーボーナスが終了したことにより制御される高確率状態については、50ゲーム消化するか、ボーナス当選するまで継続して制御される。
本実施の形態においては、ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスのいずれかに当選したときおよび終了したときに、サブ制御部91により、演出状態をATに制御するか否かを決定するAT抽選が行なわれる。AT抽選は、付与されたポイントの総数に応じた確率にしたがって抽選する第1AT抽選と、成立した抽選条件に応じた確率にしたがって抽選する第2AT抽選とを含む。
AT抽選は、たとえばランダムカウンタから抽出された乱数を用いて、ATに制御するか否か、およびATに制御可能となる期間などをサブ制御部91が決定するための抽選をいう。また、AT抽選は、ボーナス当選したときあるいはボーナス終了したときに限らず、後述するように、非AT準備モードや非ARTにおいて所定数ゲーム消化することによっても実行される。サブ制御部91は、ボーナス当選あるいはボーナス終了によるAT抽選において当選したときには当該ボーナス終了後に演出状態をATに制御し、非AT準備モードや非ARTにおいて所定数ゲーム消化することによるAT抽選において当選したときには次のゲームあるいは転落リプレイに当選したゲームから演出状態をATに制御する。
後述する内部抽選においてビッグボーナスおよびレギュラーボーナスのうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。ビッグボーナスやレギュラーボーナスを構成する図柄(「赤7」、「白7」)は、各々、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されていないためである。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、イチゴ(1)、イチゴ(2)、メロン、9枚役(1)〜9枚役(9)が含まれる。小役のうちメロンは、入賞ラインのいずれかに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロンが入賞すると9枚メダルが払い出される。メロンは、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に関わらず、入賞可能なものとなっている。メロンを構成する図柄(「メロン」)が、各々、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されているためである。
また、図6(b)に示すように、サブ制御部91により制御される確率状態が低確率状態であるときにメロン当選したときには、サブ制御部91により高確率状態に制御するか否かの高確率状態抽選が行なわれる。また、当該高確率状態抽選により当選したときには、サブ制御部91により確率状態が高確率状態に制御される。高確率状態抽選により当選する確率は、たとえば、50%に設定されている。高確率状態抽選により当選したことにより制御される高確率状態については、30ゲーム消化するか、ボーナス当選するまで継続して制御される。
また、サブ制御部91により制御される確率状態が高確率状態であるときにメロンに当選したことを契機として、第1AT抽選の当選確率に関与するポイントを付与するか否かのポイント付与抽選が実行される。なお、低確率状態であるときにメロン当選したときであって、高確率状態抽選により当選して高確率状態に制御されたときには、さらにポイント付与抽選を実行する。これにより、低確率状態においてメロン当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
次に、小役のうちイチゴ(1)は、リール2Lについて入賞ラインのいずれかに「黒イチゴ」の図柄が導出されることにより入賞となり、2枚のメダルが払い出される。小役のうちイチゴ(2)は、リール2Lについて入賞ラインのいずれかに「白イチゴ」の図柄が導出されることにより入賞となり、2枚のメダルが払い出される。なお、「黒イチゴ」あるいは「白イチゴ」の図柄が左リール2Lの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL1、L3、L5または入賞ラインL2、L4、L6の3本の入賞ライン上でイチゴ(1)あるいはイチゴ(2)に入賞したこととなるので、6枚のメダルが払い出される。
ボーナス中であるときにイチゴ(1)やイチゴ(2)に当選すると、図27を参照して後述するように、ATへ制御されることを促進する報知促進条件が成立する。具体的には、ボーナス中においてイチゴ(1)やイチゴ(2)に当選することにより報知促進条件が成立すると、当該ボーナス終了後、確実にATに制御させるための処理が行なわれる。本実施の形態においては、イチゴ(2)に当選していないときよりも当選しているときの方が、より遊技者にとって有利度合いが高い報知促進条件が成立する。
また、確率状態が高確率状態においてイチゴ(1)やイチゴ(2)に当選すると、第1AT抽選の当選確率に関与するポイントが必ず付与される。
また、イチゴ(1)やイチゴ(2)に当選したゲームにおいてのみ、特別な出目を入賞ライン上に停止可能とする特殊なリール制御が行なわれる。これにより、イチゴ(1)やイチゴ(2)のいずれにも入賞しなかった場合であっても、特別な出目が停止されることにより、イチゴ(1)やイチゴ(2)に当選していたことを遊技者に報知することができる。
次に、9枚役(1)〜(9)について説明する。9枚役(1)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−ブランク(1)−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(2)は、入賞ラインのいずれかに「白7−ブランク(1)−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(3)は、入賞ラインのいずれかに「BAR−ブランク(1)−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(4)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−ブランク(1)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(5)は、入賞ラインのいずれかに「白7−ブランク(1)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(6)は、入賞ラインのいずれかに「BAR−ブランク(1)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(7)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−ブランク(1)−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(8)は、入賞ラインのいずれかに「白7−ブランク(1)−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(9)は、入賞ラインのいずれかに「BAR−ブランク(1)−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、9枚役(1)〜(9)各々を構成する図柄は、リール2L、2Rにおいて7コマ以内に配置されておらず、リール2Cにおいて7コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lおよび8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選している9枚役に入賞することはない。
また、9枚役(1)〜(9)各々を構成する左図柄および右図柄は、リール2L、2R各々において、7コマずつ離れて配置されている。このため、9枚役(1)〜(9)各々を導出させるためのストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングの組合せ(「操作手順」)を、9枚役(1)〜(9)各々で異ならせることができる。たとえば、9枚役(1)を導出させるための操作手順は、左リール2Lの「赤7」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを操作し、かつ右リール2Rの「赤7」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Rを操作する手順をいう。また、9枚役(9)を導出させるための操作手順は、左リール2Lの「BAR」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを操作し、かつ右リール2Rの「BAR」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Rを操作する手順をいう。
9枚役(1)〜(9)のうちいずれに当選しているか認識していない状態においては、ストップスイッチ8Lおよび8Rを操作した場合、当選している9枚役を構成する左図柄および右図柄が1/3×1/3=1/9の確率で引き込まれ入賞となり、それ以外の8/9の確率で引き込むことができず入賞不能となる。
一方、9枚役(1)〜(9)は、前述したARTであることを条件として、当選した種類に対応するナビ演出が実行されるナビ対象役である。このため、ARTであるときには、当選した9枚役に応じた情報が報知される。当選した役の種類に応じた情報とは、たとえば、当選した9枚役の種類を特定可能な情報であってもよく、また、当選した9枚役を入賞させるための操作手順を特定可能な情報であってもよい。これにより、ARTにおいて、遊技者は当選した9枚役の種類を認識することができ、報知された9枚役を入賞させるための適正なタイミングでストップスイッチ8Lおよび8Rを操作することができる。その結果、9枚役の取りこぼしの発生を低減させることができる。
また、9枚役(1)〜(9)は、前述した非ART中やRTから通常遊技状態に制御されてから所定数ゲーム消化するまでの間において当選したときにも、図29を参照して後述するように、所定の確率にしたがって当選した種類に対応するナビ演出が実行される。このため、9枚役については、ATに制御されていないときであっても、取りこぼしの発生を低減させることができる。
また、遊技状態がボーナス中であるときに9枚役(1)〜(9)のいずれかが単独で当選しかつ入賞したことを契機として、第1AT抽選の当選確率に関与するポイントが必ず付与される。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイが含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
リプレイは、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイを構成する図柄(「バナナ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されている。よって、リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
転落リプレイは、入賞ラインのいずれかに「メロン−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイを構成する図柄(左リール2Lの「メロン」、中リール2C、右リール2Rの「バナナ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されている。よって、転落リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図6(a)に示すように、準備モードあるいはRTにおいて転落リプレイに入賞した後は、通常遊技状態に制御される。また、AT準備モードやARTにおいて転落リプレイに入賞したときには、遊技状態が通常遊技状態に制御されるとともに、ATが終了する。
転落リプレイは、前述したAT準備モードやARTであることを条件として、当選したリプレイの種類に対応するナビ演出が実行されるナビ対象役である。このため、AT準備モードやARTであるときには、転落リプレイに当選したときに、当該転落リプレイと同時当選したリプレイの種類に応じた情報が報知される。転落リプレイと同時当選したリプレイの種類に応じた情報とは、たとえば、同時当選したリプレイの種類を特定可能な情報であってもよく、また、同時当選したリプレイの種類に応じて転落リプレイの入賞を回避させるための操作手順を特定可能な情報であってもよい。これにより、AT準備モードやARTである場合、転落リプレイ入賞を回避でき、その結果通常遊技状態に制御されることを意図的に回避することができる。
一方、非AT準備モードや非ARTである場合、転落リプレイが当選したときであっても、ナビ演出が実行されないため、転落リプレイ入賞を意図的に回避することができず、通常遊技状態に制御される可能性が高まるといえる。このように、準備モードやRTに制御されているときにおいては、演出状態がATであるか否かによって、遊技者の有利度合いの差を大きくすることによりメリハリをつけて、AT抽選においてATに当選することに対する期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
BARリプレイは、入賞ラインのいずれかに「BAR−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。BARリプレイを構成する図柄のうち中リール2C、右リール2Rの図柄(「バナナ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されている。一方、BARリプレイを構成する図柄のうち左リール2Lの図柄(「BAR」)は、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてBARリプレイに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、BARリプレイに入賞しない。
次に、図5(b)を参照して、特殊出目について説明する。特殊出目は、入賞ラインのいずれかに、9枚役(1)〜(9)の図柄組合せのうち、左リール2Lの図柄である「赤7/白7/BAR(「/」は「または」を意味する)」を「ブランク(2)」に置き換えた3種類の組合せ(ブランク(2)−ブランク(1)−赤7/白7/BAR)、右リール2Rの図柄である「赤7/白7/BAR」を「ブランク(1)」に置き換えた3種類の組合せ(赤7/白7/BAR−ブランク(1)−ブランク(1))、左リール2Lの図柄を「ブランク(2)」に置き換えかつ右リール2Rの図柄を「ブランク(1)」に置き換えた組合せ(ブランク(2)−ブランク(1)−ブランク(1))を含む。このように、特殊出目を構成する図柄は、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されている。このため、特殊出目は、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に関わらず、入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止可能なものとなっている。
本実施の形態において特殊出目を入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止させるリール制御は、いずれの遊技状態においても、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選しているときであって当該当選している9枚役を取りこぼしたときにのみ行なわれる。一方、特殊出目は、前述したように、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に関わらず、入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止可能となっている。このため、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選しているときであって、当該当選している9枚役を構成する図柄を入賞ラインL1〜L6のいずれにも停止させることができない場合には、必ず特殊出目を入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止させることができる。
図6(a)に示すように、準備モードにおいて特殊出目が停止した後は、RTに制御される。RTは、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選するか、転落リプレイ入賞するまで継続して制御される。なお、準備モード以外の通常遊技状態、ボーナス、内部中RTなどにおいて特殊出目が停止されたとしても、RTに制御されない。また、RTにおいて特殊出目が停止されたとしても、当該RTへの制御が維持される。
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
ここで、内部抽選の対象として遊技状態毎に定められている抽選対象役と、該抽選対象役の判定値数とを説明する。図7は、遊技状態および設定値に基づいて取得される各抽選対象役および判定値数を示す図である。なお、図7で示す抽選対象役および判定値数は、たとえば、ROM41bに割り当てられた所定の記憶領域に記憶されている。内部抽選では、遊技状態に応じた抽選対象役について定められた判定値数を、ゲーム開始時に抽出される内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果が所定値(たとえば65536)をオーバーフローしたときに、当該抽選対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該入賞役の当選フラグがRAM41cに設定される。
図7(a)は、遊技状態が通常遊技状態であるときに内部抽選される抽選対象役および判定値数を示す図である。通常遊技状態であるときの抽選対象役は、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、リプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ、イチゴ(1)+イチゴ(2)、メロン、9枚役(1)、9枚役(2)、9枚役(3)、9枚役(4)、9枚役(5)、9枚役(6)、9枚役(7)、9枚役(8)、9枚役(9)が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。なお、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。たとえば、リプレイ+転落リプレイと表記されている場合は、内部抽選においてリプレイと転落リプレイとが同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
そして、設定値が1のときに、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であるときに「80」が、ビッグボーナス(2)であるときに「80」が、レギュラーボーナスであるときに「100」が、リプレイであるときに「3860」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「2560」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「2560」が、イチゴ(1)+イチゴ(2)であるときに「700」が、メロンであるときに「7000」が、9枚役(1)〜(9)のいずれかであるときに「1000」が、判定値数として取得される。図7(a)には、設定値が2〜4のときについても同様に、内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数が示されている。
図7(a)に示すように、設定値として設定されている値が大きいほど、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの内部抽選において取得される判定値数が大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
図7(b)〜(d)は、各々、遊技状態が準備モード、RT、内部中RTであるときであって、内部抽選においてリプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ各々が抽選対象役として読み出されたときに取得される判定値数を示す図である。なお、遊技状態が準備モード、RT、内部中RTであるときの、リプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ各々の抽選以外において取得される判定値数は、図7(a)で示した判定値数と同様である。すなわち、遊技状態が準備モード、RT、内部中RTであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数は、図7(a)で示したリプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数を、図7(b)〜(d)で示すリプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数に置き換えたものとなる。なお、内部中RTであるときには、すでにビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスなどいずれかのボーナス当選フラグがすでに設定されているため、抽選対象役としてボーナスが読み出されて当選した場合であっても、すでに設定されているボーナス当選フラグが維持されて、当選したボーナス当選フラグが再設定されることや更新されることがない。これにより、すでにボーナスに当選している内部中RTにおいて、再度ボーナスについて抽選され当選することを防止することができる。
図7(b)は、遊技状態がボーナス終了後に制御される準備モードであるときであって、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイであるときに「105」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「16450」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「16450」が、判定値数として取得される。
図7(c)は、遊技状態が準備モードであるときに特殊出目が停止することにより制御されるRTであるときであって、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイであるときに「30000」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「8880」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「8880」が、判定値数として取得される。
図7(d)は、遊技状態がボーナスに内部当選してから入賞するまで制御される内部中RTであるときであって、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイの内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイであるときに「10000」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「5000」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「5000」が、判定値数として取得される。
ここで、各遊技状態における、転落リプレイの当選率について説明する。1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、転落リプレイの判定値数の合計数から、通常遊技状態であるときに5120/65536≒8%であり、準備モードであるときに32900/65536≒50%であり、RTであるときに17760/65536≒27%であり、内部中RTであるときに10000/65536≒15%である。これより、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、転落リプレイが入賞したとしても遊技状態が維持される通常遊技状態や内部中RTであるときよりも、転落リプレイが入賞することにより通常遊技状態に制御されるという不利益を被る準備モードおよびRTであるときの方が、高くなるように設定されている。
また、準備モードであるときには、前述した特殊出目が停止した場合にRTに制御される。準備モードにおける1ゲーム当りの特殊出目の出現率は、9枚役(1)〜(9)の判定値数および取りこぼし率から、(9000/65536)×(8/9)≒12%となる。すなわち、準備モードにおいては、特殊出目の出現率よりも、転落リプレイの当選率が高くなるように設定されている。よって、準備モードにおいては、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに当選する可能性が高いといえる。
また、本実施の形態においては、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率に着目し対比すると、RTであるときよりも準備モードであるときの方が、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率が高くなるように設定されている。これにより、準備モードにおいては、RTであるときよりも、転落リプレイに当選して入賞する可能性をより一層高めることができる。よって、たとえば非AT準備モードである場合、非ARTよりも、転落リプレイ入賞して、通常遊技状態に制御され易いといえる。
一方、非AT準備モードである場合で、転落リプレイ入賞せずに先に特殊出目が停止して運良くRTに制御された場合には、準備モードであるときよりも転落リプレイの当選率が低くなり入賞する可能性が低くなる。このため、運良くRTに制御された場合には、準備モード中であるときよりも、転落リプレイに当選せずに当該RTが維持されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
図7(e)は、遊技状態がボーナスであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。遊技状態がボーナスであるときの抽選対象役は、9枚役(1)〜(9)すべて((1)〜(9)の9種類の9枚役すべて)、イチゴ(1)+イチゴ(2)、メロン、9枚役(1)、9枚役(2)、9枚役(3)、9枚役(4)、9枚役(5)、9枚役(6)、9枚役(7)、9枚役(8)、9枚役(9)が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。
そして、設定値が1のときに、内部抽選の対象役が9枚役(1)〜(9)すべてであるときに「55935」が、イチゴ(1)であるときに「200」が、イチゴ(1)+イチゴ(2)であるときに「100」が、メロンであるときに「3000」が、9枚役(1)〜(9)のいずれかであるときに「700」が、判定値数として取得される。図7(e)には、設定値が2〜4のときについても同様に、内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数が示されている。図7(e)に示す判定値数から、遊技状態がボーナス中であるときには、高確率で9枚役(1)〜(9)すべてに当選する。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メインCPU41aは、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で、小役(イチゴ(1)、メロン、9枚役(1)など)に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、通常小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。
たとえば、特別役と払出枚数が賭数3より多いメロンとが当選しているときには、特別役入賞前にメロン入賞により6枚純増するリール制御が優先的に行なわれるため、遊技者にとって有利といえる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
なお、リール制御において特別役よりも小役を優先的に入賞ライン上に揃えるリール制御が行なわれる例について説明したが、すべての小役について特別役よりも優先的に揃えるものに限らず、たとえば小役のうち賭数以上のメダルが払い出される小役(賭数が3の場合、3以上メダルが払い出される小役、たとえば入賞によりメダルを9枚払い出すメロン、9枚役(1)〜(9)など、以下、通常小役ともいう)のみについて優先的に揃えるリール制御を行ない、賭数よりも少ないメダルが払い出される小役(賭数が3の場合、3未満のメダルが払い出される小役、たとえば入賞によりメダルを1枚払い出す1枚役が入賞役として設定されている場合には当該1枚役、以下、特定小役ともいう)については、特別役を優先的に入賞ライン上に揃えるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、入賞させたとしても賭数よりも少ない払出しか得られず遊技者にとって不利益となる小役についてまで優先的に揃えるリール制御が行なわれることを防止することができる。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)には、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(リプレイ+転落リプレイ(特別役と同時当選している場合も同じ)など)には、図8(a)に示すように、同時当選した再遊技役の種類および最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール、中リール、右リールのいずれであるか、に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図8(a)は、転落リプレイに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、リプレイ+転落リプレイが当選し、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、転落リプレイを構成する図柄は、各リールにおいて7コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L6が設定されているため、リプレイ+転落リプレイに当選している場合で右リール2Rを第1停止させた場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
一方、リプレイ+転落リプレイが当選し、左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプレイの組合せをいずれかの入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、リプレイを構成する図柄は、各リールにおいて7コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L6が設定されているため、リプレイ+転落リプレイに当選している場合で左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させた場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
また、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイが当選し、左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。このため、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイに当選している場合で左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させた場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
一方、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイが当選し、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプレイの組合せをいずれかの入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。このため、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイに当選している場合で右リール2Rを第1停止させた場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
このように本実施の形態では、リプレイ+転落リプレイが当選したか、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイが当選したかによって、転落リプレイ入賞を回避してリプレイ入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより操作手順(回避手順)を異ならせることができる。
また、演出状態がATでない場合において転落リプレイに当選したときには、転落リプレイと同時に当選したリプレイの種類を特定することができない。このため、1/2の確率で転落リプレイ入賞を回避してリプレイ入賞するが、残りの1/2の確率で転落リプレイに入賞してしまう。
これに対し、演出状態がATである場合において転落リプレイに当選したときには、転落リプレイと同時に当選したリプレイの種類を特定することができる。このため、操作を誤らない限り、必ず転落リプレイ入賞を回避してリプレイ入賞させるように第1停止させることができる。
前述したように、準備モード中であるときの1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、50%であるため、上記リール制御を考慮すると転落リプレイの入賞率は25%となる。よって、転落リプレイを入賞させることなく消化可能となる非AT準備モード中の平均ゲーム数は、転落リプレイの入賞率から、約4ゲームとなる。これより、演出状態がATに制御されていないにも関わらず、準備モードが長期間にわたり継続して制御されることを未然に防止することができる。
また、特に準備モード中であるときの転落リプレイの入賞率は、依然として、RT制御への契機となる特殊出目の出現率の12%よりも高い。このため、準備モードにおいては、転落リプレイを偶然取りこぼす確率を加味しても、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに当選する可能性が高いといえる。このため、非AT準備モードであるときには、内部当選状況を把握することができず、転落リプレイの入賞率と特殊出目の出現率とから、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに当選して入賞する可能性が高まるため、通常遊技状態に制御され易くRTに制御され難くすることができる。
一方、AT準備モードであるときには、内部当選状況を把握することができ、転落リプレイの当選率が高確率であるとしても意図的に転落リプレイ入賞を回避することができる。このため、AT準備モードであるときには、通常遊技状態に制御されることを回避でき、特殊出目を停止させることにより結果的にRTに制御させることができる。
すなわち、遊技者にとって有利なRTに制御される前段階の遊技状態として準備モードを設け、当該準備モードにおける演出状態がATに制御されていないときには、準備モードから通常遊技状態に制御され易くすることによりRTに制御され難くし、当該準備モードにおける演出状態がATに制御されているときには、確実にRTに制御させることができる。このため、準備モードにおける演出状態がATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いの差が大きくなりメリハリをつけることができるため、演出状態がATに制御されることに対する期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、RT中であるときの1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、27%であるため、上記リール制御を考慮すると転落リプレイの入賞率は13.5%となる。
よって、転落リプレイを入賞させることなく消化可能となる非ART中の平均ゲーム数は、転落リプレイの入賞率から、約7.4ゲームとなる。これより、演出状態がATに制御されていないにも関わらず、RTが長期間にわたり継続して制御されることを未然に防止することができ、RTが維持され難く通常遊技状態に制御され易くすることができる。
一方、ARTであるときには、内部当選状況を把握することができ、転落リプレイの当選率が高確率であるとしても意図的に転落リプレイ入賞を回避することができる。このため、ARTであるときには、通常遊技状態に制御されることを回避でき、結果的にRTを維持させることができる。
すなわち、非AT準備モードから運良く非ARTに制御されたとしても、通常遊技状態に制御され易くすることによりRTを維持し難くし、ARTであるときには確実にRTを継続させることができる。このため、RTにおける演出状態がATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いの差が大きくなりメリハリをつけることができるため、演出状態がATに制御されることに対する期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
複数種類の小役が同時に当選している場合(イチゴ(1)+イチゴ(2)、9枚役(1)〜(9)すべてなど)には、停止操作されたタイミングに応じて入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で引き込み可能な当選している小役を構成する図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。9枚役(1)〜(9)すべてに当選しているときには、図5で示した9枚役(1)〜(9)各々の図柄組合せから、停止操作されたタイミングに関わらずいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれる。イチゴ(1)+イチゴ(2)に当選しているときには、図5で示したイチゴ(1)とイチゴ(2)との図柄組合せから、停止操作されたタイミングに関わらずいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれる。
本実施の形態においてイチゴに当選したときには、左リール2Lについて当選しているイチゴを構成する図柄を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で引き込むリール制御が行なわれるとともに、中リール2Cについて特殊なリール制御が行なわれる。図8(b)は、イチゴに当選したときの中リール2Cの特殊リール制御を説明するための図である。
たとえば、図8(b)に示すように、少なくともイチゴ(1)に当選していること(イチゴ(1)+イチゴ(2)当選、あるいはイチゴ(1)単独当選)を条件として、図柄番号5の「デカ(1)(斜線無しの星の上半分)」の図柄を最大4コマの引込範囲で中段に引き込む特殊リール制御が行なわれる。また、イチゴ(2)に当選していること(イチゴ(1)+イチゴ(2)当選)を条件として、図柄番号4の「デカ(2)(斜線無しの星の下半分)」の図柄を最大4コマの引込範囲で中段に引き込む特殊リール制御が行なわれる。イチゴ(2)に当選しているときで、図柄番号4の図柄および図柄番号5の図柄のいずれでも最大4コマの引込範囲で中段に引き込むことができる場合には、図柄番号4の図柄が図柄番号5の図柄よりも優先して中段に引き込む特殊リール制御が行なわれる。なお、イチゴに当選していないときには、他の入賞役を発生させるためのリール制御が行なわれる場合を除き、中リール2Cについて図柄番号4や5の図柄以外の図柄を中段に停止させるリール制御が行なわれる。
このため、図柄番号4の図柄を中段に停止させるタイミングで中リール2Lを停止させるように停止操作した場合において、図柄番号4の図柄が中段に停止しかつイチゴ(1)およびイチゴ(2)以外の役の入賞が発生しなかったときにイチゴ(2)に当選していたことを遊技者に認識させることができ、図柄番号5の図柄が中段に停止しかつイチゴ(1)およびイチゴ(2)以外の役の入賞が発生しなかったときに少なくともイチゴ(1)に当選していたことを遊技者に認識させることができ、それ以外の図柄が中段に停止されたときにイチゴに当選していなかったことを遊技者に認識させることができる。
なお、ボーナス中においてイチゴ(1)やイチゴ(2)に当選したときには、報知促進条件が成立する。このため、中リール2Cにおいて、図柄番号4または5の図柄が中段に停止されかつイチゴ(1)およびイチゴ(2)以外の役の入賞が発生しないことにより、報知促進条件が成立したことを報知することができる。
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数が規定枚数設定されることにより、スタートスイッチ7への操作を有効に受付可能にするとともに、スタートスイッチ7への操作を有効に受付けたことにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定され、スタートスイッチ7への操作が有効に受付可能にされる(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が規定枚数設定されてスタートスイッチ7が有効化された後に、スタートスイッチ7への操作が受付けられると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう。
ここで、抽選処理について詳しく説明する。図9は、メイン制御部41により実行される抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、まず、S01において、今回のゲームで設定されたBET数(賭数)が読み出される。次に、読み出した賭数が規定枚数(たとえば3、ボーナス中は2)であるかどうかが、S02において判定される。読み出した賭数が規定枚数でないときには、RAM異常エラーとなり、所定のRAM異常エラー処理が行なわれる。
読み出した賭数が規定枚数であるときには、S03において、RAM41cの設定値ワークに記憶されている設定値を読み出し、S04において、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上4以下の範囲にあるかどうかを判定する。読み出した設定値が1以上4以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、所定のRAM異常エラー処理が行なわれる。
読み出した設定値が1以上4以下の範囲にあれば、S05において、内部抽選用の乱数(乱数発生回路42から抽出された乱数、乱数発生回路42から抽出された乱数をソフトウェアにより所定の手順で加工された乱数等を含む)を抽出して、RAM41cの内部抽選用判定領域に格納する。
S06においては、図7で説明したように、遊技状態および設定値に基づき、特定される抽選対象役の判定値数を取得する。たとえば、設定値が「1」で通常遊技状態であるときの抽選対象役がビッグボーナス(1)であるときには、図7(a)に示されるように、判定値数として「80」が取得される。
S07においては、取得した判定値数をRAM41cの内部抽選用判定領域に記憶された乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。S08においては、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときに所定値(たとえば65536)をオーバーフローしたかどうかを判定する。
オーバーフローが生じていない場合には、S09において、抽選対象となる役あるいは役の組合せのうちで未だ処理対象としていない次の役あるいは役の組合せがあるかどうかを判定する。未だ処理対象としていない役あるいは役の組合せがあれば、ステップS06の処理に戻り、当該次の役あるいは役の組合せを抽選対象役とし処理対象として抽選が行なわれる。処理対象としていない役あるいは役の組合せがなければ、S11の処理に進む。本実施の形態における内部抽選では、遊技状態から特定される図7で示す役あるいは役の組合せが順番に抽選される。たとえば、遊技状態が通常遊技状態であるときには、ビッグボーナス(1)が最初に抽選対象役として抽選され、S09でYESと判定されたときには、次にビッグボーナス(2)が抽選され、その後、S09でYESと判定される毎に、レギュラーボーナス、リプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ、イチゴ(1)+(2)、メロン、9枚役(1)、9枚役(2)、・・・9枚役(9)の順番で抽選される。その他の遊技状態であるときも同様に、図7で示す役各々について順番に抽選される。
オーバーフローが生じた場合には、S10に移行し、S06で読出した判定値数に対応する抽選対象役の当選フラグをON状態に設定する。S11では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を特定するための内部当選コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。
また、本実施の形態における抽選処理では、抽選対象役の抽選の結果に応じて所定のフリーズを発生させるか否かを、乱数などを用いてランダムに抽選するフリーズ抽選が行なわれる。フリーズとは、各リール2L、2C、2Rの回転開始タイミングを遅延させることや、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化するタイミングを遅延させることなどをいう。
まず、S12において、ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスのいずれかの当選フラグが設定されているか否かが判定される。S12において、いずれのボーナスの当選フラグも設定されていないと判定されたときには、そのまま抽選処理を終了する。
一方、S12において、いずれかのボーナスの当選フラグが設定されていると判定されたときには、当該ボーナスの当選フラグが今回の抽選処理において設定されたものではなく今回以前の抽選処理において設定されており持ち越されている当選フラグがであるか否かを特定するためのボーナス持越フラグがOFFに設定されているか否かが判定される。なお、ボーナス持越フラグは、RAM41cの所定領域において格納されており、ボーナス当選した抽選処理においてフリーズ抽選が行なわれた後(後述するS17)にONに設定され、当該ボーナスに入賞したときにOFFに設定される。
S13において、ボーナス持越フラグがOFFでないと判定されたときには、ボーナス当選フラグが持ち越されている当選フラグであり、すでにフリーズ抽選が行なわれているため、そのまま抽選処理を終了する。一方、S13において、ボーナス持越フラグがOFFであると判定されたときには、ボーナス当選フラグが今回の抽選処理において設定されたボーナス当選フラグであるため、S14〜S18に示す処理が行なわれる。
S14においては、フリーズ抽選用の乱数(たとえば、乱数発生回路42から抽出された乱数、乱数発生回路42から抽出された乱数をソフトウェアにより所定の手順で加工された乱数等を含む)を抽出して、RAM41cのフリーズ用判定領域に格納する。S15では、S14で格納されたフリーズ抽選用の乱数、およびフリーズ抽選用テーブルにしたがって、フリーズ抽選が行なわれる。フリーズ抽選用テーブルとは、フリーズを実行するか否か、フリーズを実行する場合にはその種類を決定するために用いるテーブルをいう。
ここで、図10を参照して、フリーズの種類およびフリーズ抽選用テーブルの一例を説明する。図10(a)は、フリーズの種類を説明するための図であり、図10(b)は、フリーズ抽選用テーブルを説明するための図である。
フリーズには、各リール2L、2C、2Rの回転開始前に発生する回転前フリーズと、各リール2L、2C、2Rの回転開始後に発生する回転後フリーズとを含む。
回転前フリーズとは、スタートスイッチ7の操作を有効に受付けたとき、あるいは、1ゲーム消化時間を所定時間以上に保つために前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から計時が開始される1ゲームタイマにより所定時間(たとえば、4.1秒)計時される前にスタートスイッチ7の操作を有効に受付けたときには、当該所定時間計時されたとき、のいずれか遅い方から、所定の遅延時間が経過するまで、各リール2L、2C、2Rの回転開始タイミングを遅延させるフリーズをいう。
また、回転後フリーズとは、各リール2L、2C、2Rの回転が開始されて回転速度が一定速度に達してから所定の遅延時間が経過するまで、ストップスイッチ8L、8C、8Rを有効化するタイミングを遅延させるフリーズをいう。
本実施の形態では、フリーズの種類として、図10(a)に示すように、回転前フリーズのみを遅延時間T1に亘り実行する第1フリーズと、回転前フリーズのみを遅延時間T1よりも長いT2に亘り実行する第2フリーズと、第1フリーズと同じT1に亘り回転前フリーズを実行しさらに回転後フリーズを遅延時間T3に亘り実行する第3フリーズとが設けられている。
フリーズを実行するか否か、および実行する場合にどの種類のフリーズを実行するかは、図10(b)に示すフリーズ抽選用テーブルが参照されて決定される。図10(b)に示すフリーズ抽選用テーブルは、ビッグボーナス当選時とレギュラーボーナス当選時とで、異なる割合にしたがってフリーズ抽選が行なわれるように、各々、当選率が設定されている。
ビッグボーナス当選時においては、98%の割合でフリーズなしに決定され、0.1%の割合で第1フリーズに決定され、0.4%の割合で第2フリーズに決定され、1.5%の割合で第3フリーズに決定される。一方、レギュラーボーナス当選時においては、99%の割合でフリーズなしに決定され、0.6%の割合で第1フリーズに決定され、0.3%の割合で第2フリーズに決定され、0.1%の割合で第3フリーズに決定される。
ここで、ビッグボーナス当選時とレギュラーボーナス当選時とを対比すると、レギュラーボーナス当選時よりもビッグボーナス当選時の方が、高い割合でフリーズが発生するように当選率が設定されている。このため、フリーズ発生によりボーナスに当選していることを報知するとともに、遊技者にとってレギュラーボーナスよりも有利なビッグボーナスに当選していることに対する期待感を向上させることができる。
また、ビッグボーナス当選時においてフリーズが発生する場合には、0.1/2の割合で第1フリーズに決定され、0.4/2の割合で第2フリーズに決定され、1.5/2の割合で第3フリーズに決定される。すなわち、ビッグボーナス当選時においては、第3フリーズに決定される割合が最も高く、次に第2フリーズが高く、第1フリーズに決定される割合が最も低くなる。
一方、レギュラーボーナス当選時においてフリーズが発生する場合には、0.6/1の割合で第1フリーズに決定され、0.3/1の割合で第2フリーズに決定され、0.1/1の割合で第3フリーズに決定される。すなわち、レギュラーボーナス当選時においては、第1フリーズに決定される割合が最も高く、次に第2フリーズが高く、第3フリーズに決定される割合が最も低くなる。
このため、第1フリーズが発生したときよりも、第2フリーズが発生したとき方が、遊技者にとって有利なビッグボーナスに当選している可能性がより高く、第3フリーズが発生したときにビッグボーナスに当選している可能性がさらに高くなる。その結果、第3フリーズが発生したときにビッグボーナスに当選していることに対する期待感を最も向上させることができ、第2フリーズが発生したときにも第1フリーズが発生したときよりもビッグボーナスに当選していることに対する期待感を向上させることができる。
図9に戻り、S16では、フリーズ抽選の結果に応じて、回転前フリーズを発生させる期間を特定するための回転前フリーズカウンタ、および回転後フリーズを発生させる期間を特定するための回転後フリーズカウンタをRAM41cの所定領域に設定する。たとえば、フリーズ抽選により、第1フリーズを実行すると決定されたときには回転前フリーズカウンタに遅延時間T1に相当する値をセットする処理が行なわれ、第2フリーズを実行すると決定されたときには回転前フリーズカウンタに遅延時間T2に相当する値をセットする処理が行なわれ、第3フリーズを実行すると決定されたときには回転前フリーズカウンタに遅延時間T1に相当する値をセットするとともに、回転後フリーズカウンタに遅延時間T3に相当する値をセットする処理が行なわれる。なお、フリーズ抽選により、フリーズを実行すると決定されなかったときには、回転前フリーズカウンタ、および回転後フリーズカウンタが0に維持される。メイン制御部41は、後述するように、回転前フリーズカウンタおよび回転後フリーズカウンタに基づき、フリーズの有無および種類を特定し、フリーズを実行する場合にはカウンタから特定される期間に亘りフリーズを発生させるための処理を行なう。
S17では、フリーズ抽選の結果を特定するためのフリーズ関連コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。演出制御基板90では、後述するように、フリーズ関連コマンドに基づき、フリーズの有無を特定し、フリーズを実行する場合にはその種類を特定し、対応する演出を実行するための処理を行なう。
S18では、ボーナス持越フラグをONに設定する。これにより、次回の抽選処理におけるS12においてYESと判定されても、S13においてNOと判定されるため、S14〜S18の処理が重複して実行されることを防止することができる。
また、S18では、ボーナス当選フラグが今回の抽選処理で設定されたものであるため、当選したボーナスに対応する内部中RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行なわれ、抽選処理を終了する。なお、前述したように、ボーナス持越フラグは、ボーナス入賞により、OFFに設定される。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。ここで、リール回転処理について詳しく説明する。図11は、メイン制御部41により実行されるリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、S30において、1ゲームタイマにより所定時間(たとえば、4.1秒)計時されたか否かが判定される。1ゲームタイマは、一定時間間隔(たとえばタイマ割込)毎に加算更新されるタイマをいう。
S30において、1ゲームタイマにより所定時間以上計時されたと判定されたときには、S31において、回転前フリーズカウンタが0であるか否か、すなわち回転前フリーズを実行するか否かが判定される。
S31において、回転前フリーズカウンタが0であると判定されたときには、S34に移行されて後述するようにリール回転が開始されるが、回転前フリーズカウンタが0でなく、回転前フリーズを実行すると判定されたときには、回転前フリーズカウンタが0となるまで、S32およびS33に繰り返し移行されて、回転前フリーズカウンタから特定される期間に亘り回転前フリーズが実行される。
S32においては、所定の減算条件(一定時間経過、より具体的にはタイマ割込実行)が成立したか否かが判定される。S32において減算条件が成立したと判定されたときには、S33において、回転前フリーズカウンタの値を1減算し、再びS31に移行する。このように、回転前フリーズカウンタは、1ゲームカウンタにより所定時間以上計時されていると判定されてから減算が開始される。
S31において回転前フリーズカウンタが0であると判定されたときには、S34において、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
リール回転が開始されたときには、S35において、リールの回転開始を通知するリール回転コマンドが生成されて演出制御基板90に送信され、S36において、1ゲームタイマにより新たな計時が開始される。なお、1ゲームタイマによる新たな計時を開始するタイミングは、リール回転が開始されたときに限らず、S30でYESと判定されたときや、後述するS37でYESと判定されたときであってもよい。
S37においては、リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の回転条件(回転速度が一定速度に到達)が成立したか否かが判定される。なお、回転条件は、回転速度が一定速度に到達することに加えて、さらにリールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置が検出されることにより成立するようにしてもよい。
S37において回転条件が成立したと判定されたときには、S38へ移行されて、回転後フリーズカウンタが0であるか否か、すなわち回転後フリーズを実行するか否かが判定される。
S38において、回転後フリーズカウンタが0であると判定されたときには、S41に移行されて後述するようにストップスイッチが有効化されるが、回転後フリーズカウンタが0でなく、回転後フリーズを実行すると判定されたときには、回転後フリーズカウンタが0となるまで、S39およびS40に繰り返し移行されて、回転後フリーズカウンタから特定される期間に亘り回転後フリーズが実行される。
S39においては、所定の減算条件(一定時間経過、より具体的にはタイマ割込実行)が成立したか否かが判定される。S39において減算条件が成立したと判定されたときには、S40において、回転後フリーズカウンタの値を1減算し、再びS38に移行する。このように、回転後フリーズカウンタは、リール回転が開始されかつ回転条件が成立してから減算が開始される。
S38において回転後フリーズカウンタが0であると判定されたときには、S41において、ストップスイッチ8L、8C、8Rを有効化して操作を有効に受付可能にするとともに、左・中・右停止有効LED22L〜22Rを点灯させる。
その後、S42においては、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが遊技者によって操作されることにより、該ストップスイッチに対応するリールモータを駆動停止させ、回転を停止させる。S43においては、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが生成されて演出制御基板90に送信される。
S44においては、リール2L〜2Rすべてが停止したか否かが判定され、すべてが停止していないと判定されたときにはS42に移行され、すべてが停止していると判定されたときにはリール回転処理を終了する。
次に、図12〜図15を参照して、フリーズが発生しない場合、および第1〜第3フリーズが発生する場合各々のタイミングチャートを説明する。図12は、フリーズが発生しない場合のタイミングチャートを説明するための図である。図13は、第1フリーズが発生した場合のタイミングチャートを説明するための図である。図14は、第2フリーズが発生した場合のタイミングチャートを説明するための図である。図15は、第3フリーズが発生した場合のタイミングチャートを説明するための図である。
図12〜図15各々では、(a)欄にスタートスイッチ7への操作状態(ON、OFF)が、(b)欄に1ゲームタイマの計時状態(所定時間以上計時、所定時間以上未計時)が、(c)欄にリール2L、2C、2Rの回転状態(停止、一定速で回転)が、(d)欄にストップスイッチ8L、8C、8Rの受付状態(有効、無効)が、(e)欄にフリーズの発生状態(発生中、非発生中)が示されている。また、図13〜図15では、さらに、(f)欄において、後述するフリーズ発生に起因して実行されるフリーズ演出の実行状態(実行中、非実行中)が示されている。なお、図12〜図15各々の下欄に示す丸付き数字は、(a)〜(f)各々におけるタイミングを示している。以下、単に数字で、タイミング1などと記載する。
まず、図12を参照して、フリーズが発生しない場合、すなわち回転前フリーズカウンタおよび回転後フリーズカウンタが0である場合について説明する。タイミング1は、BET処理により賭数が規定枚数設定されて、スタートスイッチ7が有効化された後に、スタートスイッチ7が操作されたときを示している。スタートスイッチ7への操作が受付けられると、前述したように、1ゲームタイマにより所定時間以上計時されているか否か(S30)、および回転前フリーズカウンタが0であるか否か(S31)に応じて、図12の(c)欄に示すようにリール回転が開始される。なお、リール2L、2C、2Rの回転状態が斜めの部分は、一定速に到達するまでの回転期間中を示している。
図12では、タイミング1において(b)欄に示すように1ゲームタイマによりすでに所定時間以上計時されているため、スタートスイッチ7への操作が受付けられた直後にリール回転が開始されている。なお、タイミング1において1ゲームタイマにより所定時間以上未計時のときには、図11のS30に示されるように、所定時間以上計時されるまでリール回転が開始されない。
タイミング2は、リール回転が開始された後、回転速度が一定速度に到達して有効化条件が成立したときを示している。これにより、(d)欄に示すように、ストップスイッチ8L、8C、8Rの受付状態が有効となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作が有効に受付けられて対応するリールを停止させることが可能となる。
次に、図13を参照して、第1フリーズが発生する場合、すなわち回転前フリーズカウンタにT1に相当する値がセットされている場合について説明する。
タイミング1は、スタートスイッチ7が操作され、第1フリーズが発生したときを示している。スタートスイッチ7への操作が受付けられると、前述したように、1ゲームタイマにより所定時間以上計時されているか否かが判定され、所定時間以上計時されていると判定された後に、さらに回転前フリーズカウンタの値に基づき、回転前フリーズを実行するか否かが判定される。
図13では、タイミング1において(b)欄に示すように1ゲームタイマによりすでに所定時間計時されているため、スタートスイッチ7への操作が受付けられた直後から、(e)欄に示すように遅延時間T1に亘りフリーズが発生する。なお、タイミング1において1ゲームタイマにより所定時間が未だ計時されていないときには、所定時間計時した後からフリーズが発生する。
タイミング3は、フリーズが発生してから遅延時間T1が経過しフリーズが終了したときを示している。(c)欄に示すように、遅延時間T1が経過しフリーズが終了してから、リール回転が開始される。
タイミング4は、リール回転が開始された後、回転速度が一定速度に到達して回転条件が成立したときを示している。なお、図13は第1フリーズが発生する場合であるため、回転条件が成立することにより、(d)欄に示すように、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効化されて受付状態が有効となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作に対応するリールを停止させることが可能となる。
次に、図14を参照して、第2フリーズが発生する場合、すなわち回転前フリーズカウンタにT2に相当する値がセットされている場合について説明する。図14では、タイミング1において(b)欄に示すように1ゲームタイマによりすでに所定時間計時されているため、スタートスイッチ7への操作が受付けられた直後から、(e)欄に示すように遅延時間T2に亘りフリーズが発生する。なお、タイミング1において1ゲームタイマにより所定時間が未だ計時されていないときには、所定時間計時してからフリーズが発生する。
タイミング3’は、フリーズが発生してから遅延時間T2が経過しフリーズが終了したときを示している。(c)欄に示すように、遅延時間T2が経過しフリーズが終了してから、リール回転が開始される。
タイミング4’は、リール回転が開始された後、回転速度が一定速度に到達して有効化条件が成立したときを示している。なお、図14は第2フリーズが発生する場合であるため、回転条件が成立することにより、(d)欄に示すように、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効化されて受付状態が有効となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作が有効に受付けられて対応するリールを停止させることが可能となる。
図13および図14で示したように、回転前フリーズを実行するものとして、遅延時間T1に亘り回転前フリーズを実行する第1フリーズと、T1よりも長い遅延時間T2に亘り回転前フリーズを実行する第2フリーズとが設けられている。このため、回転前フリーズが実行されたときには、第1フリーズであるか第2フリーズであるかにより、各リール2L、2C、2Rの回転開始タイミングを異ならせることができるため、回転前フリーズのバリエーションを豊富にすることができる。また、第2フリーズが実行されたときには、回転前フリーズが実行されてからT1が経過したにも関わらず未だ各リール2L、2C、2Rの回転が開始されないといった意外性を遊技者に与えることができる。
次に、図15を参照して、第3フリーズが発生する場合、すなわち回転前フリーズカウンタにT1に相当する値がセットされており、回転後フリーズカウンタにT3に相当する値がセットされている場合について説明する。
タイミング1は、スタートスイッチ7が操作され、第1フリーズが発生したときを示している。スタートスイッチ7への操作が受付けられると、前述したように、1ゲームタイマにより所定時間以上計時されているか否かが判定され、所定時間以上計時されていると判定された後に、さらに回転前フリーズカウンタの値に基づき、回転前フリーズを実行するか否かが判定される。
図15では、タイミング1において(b)欄に示すように1ゲームタイマによりすでに所定時間計時されているため、スタートスイッチ7への操作が受付けられた直後から、(e)欄に示すように遅延時間T1に亘りフリーズが発生する。なお、タイミング1において1ゲームタイマにより所定時間が未だ計時されていないときには、所定時間計時した後からフリーズが発生する。
タイミング3は、フリーズが発生してから遅延時間T1が経過しフリーズが終了したときを示している。(c)欄に示すように、遅延時間T1が経過しフリーズが終了してから、リール回転が開始される。
タイミング4は、リール回転が開始された後、回転速度が一定速度に到達して回転条件が成立した後に、さらに回転後フリーズカウンタに基づき、回転後フリーズを実行するか否かが判定される。
図15では、タイミング4において(c)欄に示すようにリールの回転速度が一定速度に到達して所定の回転条件が成立した直後から、(e)欄に示すように遅延時間T3に亘りフリーズが発生する。
タイミング5は、タイミング4においてフリーズが発生してから遅延時間T3が経過しフリーズが終了したときを示している。(d)欄に示すように、遅延時間T3が経過しフリーズが終了してから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効化されて受付状態が有効となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作に対応するリールを停止させることが可能となる。
このように、本実施の形態では、フリーズの種類として、回転前フリーズのみを実行するフリーズに加えて、回転前フリーズを実行しさらに回転後フリーズを実行する第3フリーズが設けられている。このため、第3フリーズが実行されたときには、回転前フリーズが実行された後、各リール2L、2C、2Rの回転が開始されて遊技の進行が再開されたと認識した遊技者に対して、さらに回転後フリーズが実行されることにより、フリーズの発生に意外性を与えることができる。
また、第3フリーズは、回転前フリーズが実行される時間として、第1フリーズと同じT1が設定されている。また、図10(b)で説明するように、第3フリーズが実行されたときの方がビッグボーナス当選に対する期待感を向上させることができる。その結果、第1フリーズと同じ態様で回転前フリーズが発生したときに、第3フリーズが実行されたことにより回転前フリーズが発生していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、その後、回転後フリーズが発生することに対する期待感を向上させることができる。
ゲーム制御処理に戻り、リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5(a)で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。入賞判定処理においては、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスのうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。
また、入賞判定処理において、準備モード中あるいはRT中であるときに転落リプレイに入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。また、準備モード中であるときにいずれの入賞も発生しておらずかつ特殊出目が入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止していると判断されたときには、RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRTの値を設定など)が行なわれる。
なお、本実施の形態においては、特殊出目停止の契機となる9枚役(1)〜(9)が他の入賞役と同時に抽選対象役として読み出されることなく単独で読み出されて内部当選が行なわれる。このため、特殊出目が停止したときには、いずれの入賞も発生し得ないことになる。しかし、特殊出目停止の契機となる9枚役(1)〜(9)が他の入賞役と同時に抽選対象役として読み出されて内部当選が行なわれるように構成してもよい。この場合には、特殊出目が停止したときであっても同時に当選した他の入賞役の入賞が発生する可能性がある。特殊出目が停止されるとともに他の入賞役の入賞が発生した場合には、当該他の入賞役の入賞の発生に伴う利益を付与するとともに、準備モード中においてはさらに特殊出目停止によりRTに制御するものであってもよい。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。また、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナスの終了制御(ボーナス終了条件の成立判定を含む)に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役等の当選フラグ)の消去など)も行なわれる。
なお、払出処理では、特別ワークに格納されるビッグボーナスやレギュラーボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理では、次のゲームの遊技状態を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、準備モード、RT、通常遊技状態、内部中RT、ボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行なう。
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行なわれる。
遊技演出は、遊技状態および演出状態に応じた遊技状態演出、フリーズが発生したことに起因して実行されるフリーズ演出、高確率状態およびボーナス中においてポイントが付与された旨を報知するポイント付与演出、演出状態がATに制御されているときなどに実行されるナビ演出を含む。なお、遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
前述した演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、図6(b)で示したように確率状態を制御するための確率状態制御処理、ポイントを付与・管理するとともに報知するためのポイント関連処理、遊技状態等に応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、遊技状態等に応じて前述した遊技演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
本実施の形態におけるサブ制御部91は、遊技演出実行処理を実行することにより、フリーズ演出を行なう。遊技演出実行処理では、以下に説明するように、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンド、およびリール回転コマンドに基づき、フリーズ演出を実行する。
たとえば、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンドに基づき第1フリーズを実行することが特定されたときには、当該フリーズ関連コマンドを受信してから、図13(f)欄に示されるように、第1フリーズが実行されるT1に亘り、回転前フリーズが発生している旨を特定するためのフリーズ演出が行なわれる。
また、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンドに基づき第2フリーズを実行することが特定されたときには、当該フリーズ関連コマンドを受信してから、図14(f)欄に示されるように、第2フリーズが実行されるT2に亘り、回転前フリーズが発生している旨を特定するためのフリーズ演出が行なわれる。
また、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンドに基づき第3フリーズを実行することが特定されたときには、当該フリーズ関連コマンドを受信してから、図15(f)欄に示されるように、T1に亘り、回転前フリーズが発生している旨を特定するためのフリーズ演出が行なわれる。
さらに、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンドに基づき第3フリーズを実行することが特定されたときには、図11のS35で送信されるリール回転コマンドを受信してストップスイッチ8L〜8R各々が有効化された後、図15(f)欄に示されるように、T3よりも短い予め定められた時間(たとえば、1秒など)が経過したタイミング4aに到達してから、所定時間経過後のタイミング5aまで、回転後フリーズが発生している旨を特定するためのフリーズ演出が行なわれる。一方、図15(f)欄のタイミング4〜タイミング4aの間は、フリーズが発生していなければ、ストップスイッチ8L〜8R各々が有効化されているタイミングであるため、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかを操作することにより対応するリールを停止させることができるタイミングである。しかしながら、図15(f)欄のタイミング4〜タイミング4aの間を含むタイミング4〜タイミング5の間においては、回転後フリーズが発生している。このため、図15(f)欄のタイミング4〜タイミング4aの間において、たとえば、リールが停止されるだろうと思ってストップスイッチ8L〜8Rを停止操作したが、対応するリールが停止されないことにより、意外性を遊技者に抱かせることが可能となる。また、その後のタイミング4a以降からは、フリーズ演出が実行されるため、前述した意外性を遊技者に抱かせた後、回転後フリーズが発生していることを遊技者にわかり易くすることができる。
なお、フリーズ演出は、たとえば、液晶表示器51において特定キャラクタを表示させる演出、特定音をスピーカ53、54から発生させる演出、および演出効果LED51を所定の態様で点灯させる演出のうち、いずれか、あるいは選択に組合せてなる演出であってもよい。
また、回転前フリーズに起因して実行されるフリーズ演出は、第1フリーズ・第3フリーズであるか、あるいは第2フリーズであるかに関わらず、すなわちフリーズの種類に関わらず、同じ態様の演出を、同じ期間(たとえば、T1、あるいはT1よりも短い所定時間)に亘り実行するように構成してもよい。これにより、発生しているフリーズの種類がフリーズ演出から特定不能となるため、回転前フリーズがより長く発生していたこと、および回転後フリーズが発生することに対する期待感を遊技者に抱かせやすくすることができる。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれる第1AT抽選処理を実行することにより、第1AT抽選を行なう。第1AT抽選処理では、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づきボーナス当選したと判定されたときに、前回のボーナス終了以降において実際に付与されたポイントの総数に応じた確率にしたがって第1AT抽選が実行される。また、第1AT抽選処理では、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づきボーナス終了したと判定されたときに、当該ボーナス中に付与されたポイントの総数に応じた確率にしたがって第1AT抽選が実行される。
図16は、第1AT抽選を実行する契機となる抽選条件を説明するための図である。また、図17および図18は、それぞれ、第1AT抽選において参照されるテーブルを説明するための図である。
第1AT抽選では、図16に示すように、ボーナス当選したと判定されたときには図17に示すボーナス当選時用テーブルを参照し、ボーナス終了したと判定されたときには図18に示すボーナス終了時用テーブルを参照し、付与されたポイントの総数に応じた確率にしたがってナビストック数が決定される。ボーナス当選したか否かは、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドから特定される。また、ボーナス終了したか否かは、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンドから特定される。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定回数(たとえば50)ゲームを消化する間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。これより、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。本実施の形態においては、ボーナス当選による第1AT抽選で決定されたナビストック数と、後述するボーナス当選による第2AT抽選で決定されたナビストック数と、ボーナス終了による第1AT抽選で決定されたナビストック数との合計数に応じて、当該ボーナス終了後においてATに制御される。
サブ制御部91は、第1AT抽選や第2AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ATである旨およびナビストック数(第1AT抽選や第2AT抽選の合計数)を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATフラグに基づき、ATに制御するか否かを特定するとともに、残りのナビストック数を特定する。
なお、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ナビストック数が付与されたときには、ATフラグから特定されるストック数に今回付与されたナビストック数を上乗せ加算させてもよく、今回付与されたナビストック数に書き換えるものであってもよい。
たとえば、ATである旨を示すATフラグがセットされているときに、ボーナス当選により第1AT抽選や第2AT抽選が行なわれる場合には、当該第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じたATフラグに更新される。なお、第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じたATフラグに更新するとは、たとえば、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビストック数に今回の第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えることであってもよく、また、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグを今回の第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じたナビストック数を示すATフラグに書き換えることであってもよい。第1AT抽選や第2AT抽選の結果に応じた現在のATフラグが特定可能になる手法であれば、どのようなものであってもよい。
また、ボーナス当選によりたとえば第1AT抽選が行なわれてATである旨を示すATフラグがセットされた後において、ナビストック数が付与された場合には、上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えられる。
たとえば、ボーナス当選によりたとえば第1AT抽選が行なわれてATである旨を示すATフラグがセットされた後において、当該ボーナス当選による第2AT抽選や当該ボーナス終了による第1AT抽選が行なわれてさらに1以上のナビストック数が決定された場合には、RAM91cの所定領域に格納されているATフラグから特定されるナビストック数に、当該ボーナス当選による第2AT抽選や当該ボーナス終了による第1AT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算したナビストック数を特定するATフラグに書き換えられる。
第1AT抽選において、図17に示すボーナス当選時用テーブルが参照された場合について説明する。ボーナス以外において付与された付与ポイントであって、ボーナス当選したときにおける付与ポイントの総数(以下、通常付与ポイント総数ともいう)が「0〜2」であるときには、90%の割合でナビストック数が0に決定され、5%の割合でナビストック数が1に決定され、2%の割合でナビストック数が3に決定され、2%の割合でナビストック数が5に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定されるように、ボーナス当選時の第1AT抽選が行なわれる。
通常付与ポイント総数が「3〜5」であるときには、50%の割合でナビストック数が0に決定され、30%の割合でナビストック数が1に決定され、15%の割合でナビストック数が3に決定され、3%の割合でナビストック数が5に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、ボーナス当選時の第1AT抽選が行なわれる。
通常付与ポイント総数が「6〜9」であるときには、70%の割合でナビストック数が1に決定され、20%の割合でナビストック数が3に決定され、5%の割合でナビストック数が5に決定され、3%の割合でナビストック数が10に決定され、2%の割合でナビストック数が20に決定されるように、ボーナス当選時の第1AT抽選が行なわれる。
通常付与ポイント総数が「10」であるときには、70%の割合でナビストック数が3に決定され、10%の割合でナビストック数が5に決定され、10%の割合でナビストック数が10に決定され、10%の割合でナビストック数が20に決定されるように、ボーナス当選時の第1AT抽選が行なわれる。なお、後述するように、通常付与ポイント総数の上限は、「10」に設定されている。
このように、図17のボーナス当選時用テーブルは、通常付与ポイント総数が多い程、高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように、すなわち遊技者にとって有利となるようにボーナス当選時のAT抽選が行なわれる。また、通常付与ポイント総数が6以上であるときには必ず1以上のナビストック数に決定される。このため、通常付与ポイント総数が6以上であるときにはボーナス終了後において必ずATに制御される。
よって、通常付与ポイント総数が多い程、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、遊技者が認識するポイントの総数が多い程、ATに制御されること、およびより多いナビストック数を獲得することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、第1AT抽選において、図18に示すボーナス終了時用テーブルが参照された場合について説明する。ボーナス中に付与された付与ポイントであって、当該ボーナス終了したときにおける付与ポイントの総数(以下、ボーナス中付与ポイント総数ともいう)が「0〜1」であるときには、95%の割合でナビストック数が0に決定され、3%の割合でナビストック数が1に決定され、2%の割合でナビストック数が3に決定されるように、ボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。
ボーナス中付与ポイント総数が「2〜3」であるときには、80%の割合でナビストック数が0に決定され、15%の割合でナビストック数が1に決定され、4%の割合でナビストック数が3に決定され、1%の割合でナビストック数が5に決定されるように、ボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。
ボーナス中付与ポイント総数が「4」であるときには、60%の割合でナビストック数が0に決定され、25%の割合でナビストック数が1に決定され、10%の割合でナビストック数が3に決定され、4%の割合でナビストック数が5に決定され、1%の割合でナビストック数が10に決定されるように、ボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。
ボーナス中付与ポイント総数が「5」であるときには、70%の割合でナビストック数が3に決定され、10%の割合でナビストック数が5に決定され、10%の割合でナビストック数が10に決定され、10%の割合でナビストック数が20に決定されるように、ボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。なお、後述するように、ボーナス中付与ポイント総数の上限は、「5」に設定されている。
このように、図18のボーナス終了時用テーブルにおいても、ボーナス中付与ポイント総数が多い程、高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように、すなわち遊技者にとって有利となるようにボーナス終了時の第1AT抽選が行なわれる。また、ボーナス中付与ポイント総数が5であるときには必ず3以上のナビストック数に決定される。このため、ボーナス中付与ポイント総数が5であるときにはボーナス終了後において必ずATに制御される。
よって、ボーナス中付与ポイント総数が多い程、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、遊技者が認識するポイントの総数が多い程、ATに制御されること、およびより多いナビストック数を獲得することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技者が認識するポイントの総数が少ない場合であっても、後述するような報知抽選が行なわれてポイントが報知されるため、認識したポイントの総数以上のポイントが実際に付与されている可能性があり、ATに制御されること、およびより多いナビストック数を獲得することに対する期待感を持続させることができる。
以上のように、本実施の形態においては、サブ制御部91によりボーナス当選あるいはボーナス終了したときに行なわれる第1AT抽選処理により、図17あるいは図18に示すテーブルを参照して、第1AT抽選が行なわれる。
第1AT抽選においてATに制御すると決定される確率に関与するポイントは、サブ制御部91により、演出制御処理に含まれるポイント関連処理が実行されることにより、付与され、管理される。また、サブ制御部91によりポイント関連処理が実行されることにより、前述したポイント付与演出が実行される。図19は、サブ制御部91により実行されるポイント関連処理を説明するためのフローチャートである。
まず、S101においては、所定のポイント付与条件が成立しているか否かが判定される。図20(a)は、ボーナス以外でかつ確率状態が高確率状態であるときに成立し得るポイント付与条件を説明するための図であり、図20(b)は、ボーナス中において成立し得るポイント付与条件を説明するための図である。
まず、図20(a)を参照して、ボーナス以外でかつ高確率状態であるときには、メロン当選することあるいはイチゴ当選することを条件として成立する。より具体的には、ボーナス以外でかつ高確率状態である場合にメロン当選したときには、たとえばランダムカウンタから抽出された乱数を用いた所定の抽選で当選することを条件として、ポイント付与条件が成立する。当該所定の抽選で当選する確率は、たとえば、遊技状態が通常遊技状態であるときに25%に設定されており、遊技状態が通常遊技状態以外であるときに50%に設定されている。すなわち、高確率状態であるときにメロン当選したときであっても、遊技状態が通常遊技状態以外であるときの方が通常遊技状態であるときよりも高い割合でポイント付与条件が成立する。よって、ポイント付与条件が成立しやすい点において、通常遊技状態であるときよりも、通常遊技状態以外のたとえば準備モードやRTなどであるときの方が、遊技者にとって有利であるといえる。
なお、ボーナス以外でかつ高確率状態であるときにメロン当選してポイント付与条件が成立した場合に付与されるポイントについては、後述するように、所定の報知抽選の結果に応じて報知され得る。
また、ボーナス以外で高確率状態である場合にイチゴ当選したときには、必ずポイント付与条件が成立する。このため、ボーナス以外で高確率状態である場合にイチゴ当選してポイント付与条件が成立した場合に付与されるポイントについては、後述するように少なくとも所定数(たとえば1)のポイントが付与された旨、報知される。
次に、図20(b)を参照して、ボーナス中においては、メロン当選すること、あるいは9枚役に単独で当選して入賞することを条件として成立する。より具体的には、ボーナス中であるときにメロン当選したときには、たとえばランダムカウンタから抽出された乱数を用いた所定の抽選で当選することを条件として、ポイント付与条件が成立する。当該所定の抽選で当選する確率は、たとえば50%に設定されている。
なお、ボーナス中にメロン当選してポイント付与条件が成立した場合に付与されるポイントについては、後述するように、所定の報知抽選の結果に応じて報知され得る。
また、ボーナス中であるときに9枚役に単独で当選して入賞したときには、必ずポイント付与条件が成立する。ボーナス中であるときに9枚役に単独で当選して入賞してポイント付与条件が成立した場合に付与されるポイントについては、後述するように、少なくとも所定数(たとえば1)のポイントが付与された旨、報知される。
本実施の形態においては、ボーナス中であるときに9枚役に単独で当選したときに、9枚役のいずれかに当選している旨を特定可能な情報を報知(たとえば、「9枚役のうちどれだろう?」といったメッセージを表示)するように構成してもよい。これにより、ボーナス中において当該情報が報知されたゲームにおいて、遊技者はどの9枚役に当選しているか予想するといった面白みを付加することができる。
なお、当選により必ずポイント付与条件が成立する場合には、所定数のポイントが付与された旨を報知されるものに限らず、後述するS102において決定される付与ポイントを正確に報知するものであってもよい。
図19に戻り、S101において、図20に示した状態に応じたポイント付与条件が成立したと判定されなかったときには、そのままポイント関連処理を終了する。一方、S101においてポイント付与条件が成立していると判定されたときには、S102において、遊技者に付与し得る付与ポイントが設定される。
図21は、S102において付与ポイントを決定するためのテーブルを説明するための図である。ボーナス以外であるときにポイント付与条件が成立したときには、図21のボーナス以外の欄に示されるように、付与ポイントとして、50%の割合で1ポイントに決定され、20%の割合で2ポイントに決定され、20%の割合で3ポイントに決定され、10%の割合で5ポイントに決定される。
ボーナス中であるときにポイント付与条件が成立したときには、図21のボーナス中の欄に示されるように、付与ポイントとして、85%の割合で1ポイントに決定され、10%の割合で2ポイントに決定され、4%の割合で3ポイントに決定され、1%の割合で5ポイントに決定される。
このように、ポイント付与条件がボーナス中に成立したときよりも、ボーナス以外で成立したときの方が、高い割合で、より多いポイントが付与ポイントとして決定される。
なお、ポイント付与条件が成立したときにAT中であるか否かに応じて異なる割合で付与ポイントが決定されるように構成してもよい。より具体的には、ポイント付与条件が、AT中に成立したときよりも、非AT中に成立したときの方が、高い割合で、より多いポイントが付与ポイントとして決定されるように構成してもよい。これにより、AT中であるときよりも非AT中であるときの方が、遊技者にとって有利に第1AT抽選を行なうことができ、非AT中における遊技の興趣を向上させることができる。
図19のS102においては、図21に示すテーブルを参照して付与ポイントを決定し、該決定された付与ポイントを特定するための付与ポイント情報をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cの付与ポイント情報に基づき、今回のポイント付与条件が成立したことに起因する付与ポイントを特定する。
なお、本実施の形態においては、S101においてポイント付与条件が成立しているか否かを判定し、成立しているときにS102において付与ポイントを決定する例について説明したが、ポイントを付与するか否かおよび付与ポイントの決定に関しては、これに限らず、1回の抽選でポイントを付与するか否かおよび付与ポイントが決定されるように構成してもよい。例えば、ボーナス以外で高確率状態であり、通常遊技状態中にメロン当選したときに、ポイント0〜5のうちいずれにするかを決定するように構成してもよい。この場合、ポイント0に決定されたときには、ポイントが付与されないことになる。
S103においては、ポイント付与の契機となった今回のポイント付与条件が、所定数のポイントが付与された旨を必ず報知する条件であったか否かが判定される。すなわち、今回のポイント付与条件が、図20(a)に示すボーナス以外でかつ高確率状態であるときにイチゴ当選することにより成立した条件、あるいは図20(b)に示すボーナス中であるときに9枚役に単独で当選して入賞することにより成立した条件のいずれかであるかが判定される。
S103において、ポイント付与条件が所定数のポイントが付与された旨を必ず報知する条件であったと判定されたときには、所定数のポイントが付与された旨を報知するために後述するS108へ移行される。本実施の形態においては、たとえば報知ポイントとしてポイント「1」に決定される。
一方、S103において、ポイント付与条件が所定数のポイントが付与された旨を必ず報知する条件であったと判定されなかったときには、ポイントが付与された旨を報知するか否かの決定および報知する場合のポイント数の決定を行なう報知抽選するためにS104へ移行される。
S104においては、差数対応報知抽選が行なわれる。差数対応報知抽選とは、前回第1AT抽選された後から今回のポイント付与条件が成立するまでに実際に付与されたポイントの総数と、前回第1AT抽選された後から今回のポイント付与条件が成立するまでに報知されたポイントの総数との差数に応じて、今回ポイント付与条件が成立してS102において設定された付与ポイントを報知するか否かの抽選、S102において設定された付与ポイントを正確に報知するか否かの抽選、およびS102において設定された付与ポイントを正確に報知しない場合に何ポイント低いポイントを報知するかの抽選を含む。なお、差数は、S104において、後述する付与ポイント総数(S110で更新)と報知ポイント総数(S109で更新)とから算出される。具体的に、差数は、付与ポイント総数から報知ポイント総数を差引いた値である。
図22は、差数対応報知抽選を行なうためのテーブルを説明するための図である。本実施の形態における差数対応報知抽選では、まず、図22(a)の差数対応テーブルAを参照して、差数に応じてポイントを報知するか否かの抽選が行なわれる。
差数が「0」であるときには、S102において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、30%の割合で報知するに決定され、70%の割合で報知しないに決定される。差数が「1」であるときには、S102において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、40%の割合で報知するに決定され、60%の割合で報知しないに決定される。
差数が「2」であるときには、S102において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、50%の割合で報知するに決定され、50%の割合で報知しないに決定される。差数が「3以上」であるときには、S102において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、70%の割合で報知するに決定され、30%の割合で報知しないに決定される。
このように、図22(a)の差数対応テーブルAは、ポイントが付与された旨を、差数が小さい程、高い割合で報知しないに決定され、差数が大きい程、高い割合で報知するに決定される。これにより、すでに差数が大きいときに、さらに報知されないことにより差数が大きくなり過ぎることを防止することができる。
図22(a)の差数対応テーブルAを参照して、報知するに決定された場合には、さらに図22(b)の差数対応テーブルBを参照して、S102において設定された付与ポイントおよび差数に応じて、当該付与ポイントを正確に報知するか否かの抽選および当該付与ポイントを正確に報知しない場合に何ポイントを報知するか報知する報知ポイントを決定する抽選が行なわれる。正確に報知しない場合には、付与ポイントよりも第1AT抽選において遊技者にとって有利度合いが低くなるポイント、すなわち付与ポイントよりも少ないポイントから報知ポイントが決定される。
付与ポイントが「1」である場合には、差数に関わらず、報知ポイントとして、100%の割合でポイント「1」に決定される。付与ポイントが「2」である場合で、差数が「0〜2」である場合には、報知ポイントとして、30%の割合でポイント「1」に決定され、70%の割合でポイント「2」に決定される。付与ポイントが「2」である場合で、差数が「3以上」である場合には、報知ポイントとして、20%の割合でポイント「1」に決定され、80%の割合でポイント「2」に決定される。
付与ポイントが「3」である場合で、差数が「0〜2」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「1」に決定され、20%の割合でポイント「2」に決定され、70%の割合でポイント「3」に決定される。付与ポイントが「3」である場合で、差数が「3以上」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「2」に決定され、90%の割合でポイント「3」に決定される。
付与ポイントが「5」である場合で、差数が「0〜2」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「2」に決定され、20%の割合でポイント「3」に決定され、70%の割合でポイント「5」に決定される。付与ポイントが「5」である場合で、差数が「3以上」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「3」に決定され、90%の割合でポイント「5」に決定される。
このように、図22(b)の差数対応テーブルBは、差数が小さい程、高い割合で付与ポイントよりもより少ないポイントが付与された旨が報知されるように報知するポイントが決定され、差数が大きい程、高い割合で付与ポイントあるいは当該付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように報知するポイントが決定される。また、付与ポイントが多い程、高い割合で正確に報知される。これにより、すでに差数が大きいときや、付与ポイントが多く差数を生じさせやすい場合に、さらに少ないポイントが報知されてしまうことにより差数が大きくなり過ぎることを防止することができる。
本実施の形態における差数対応報知抽選では、図22(a)および(b)のテーブルを用いて報知するか否か、および報知ポイントを決定する例について説明したが、これに限らず、図22(a)のテーブルのみを用いて差数に応じて報知するか否かのみを決定し、報知すると決定されたときにはS102において設定された付与ポイントを正確に報知するように構成してもよい。また、図22(b)のテーブルのみを用いて差数に応じて報知ポイントを決定するように構成してもよい。
図19に戻り、S105においては、S104の差数対応報知抽選によりポイントが付与された旨を報知すると決定されたか否かが判定される。報知すると決定されたときには、S104において決定されたポイントが付与された旨を報知するために後述するS108へ移行される。一方、S105において報知すると決定されなかったときには、S106へ移行される。
S106においては、総数対応報知抽選が行なわれる。総数対応報知抽選とは、付与ポイント総数(ボーナス以外においては通常付与ポイント総数、ボーナス中においてはボーナス中付与ポイント総数)に応じて、今回ポイント付与条件が成立してS102において設定された付与ポイントを報知するか否かの抽選、S102において設定された付与ポイントを正確に報知するか否かの抽選、およびS102において設定された付与ポイントを正確に報知しない場合に何ポイント低いポイントを報知するかの抽選を含む。正確に報知しない場合には、付与ポイントよりも第1AT抽選において遊技者にとって有利度合いが低くなるポイント、すなわち付与ポイントよりも少ないポイントから報知ポイントが決定される。
なお、前回第1AT抽選された後から今回のポイント付与条件が成立するまでに実際に付与されたポイントの総数は、後述する付与ポイント総数から特定される。
図23は、総数対応報知抽選を行なうためのテーブルを説明するための図である。本実施の形態における総数対応報知抽選では、まず、図23(a)の総数対応テーブルAを参照して、実際に付与されたポイントの総数に応じてポイントを報知するか否かの抽選が行なわれる。
ボーナス中以外において付与されたポイントの総数が「0〜2」であるとき、あるいはボーナス中において付与されたポイントの総数が「0〜1」であるときには、S102において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、80%の割合で報知するに決定され、20%の割合で報知しないに決定される。
ボーナス中以外において付与されたポイントの総数が「3〜5」であるとき、あるいはボーナス中において付与されたポイントの総数が「2〜3」であるときには、S102において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、50%の割合で報知するに決定され、50%の割合で報知しないに決定される。
ボーナス中以外において付与されたポイントの総数が「6〜10」であるとき、あるいはボーナス中において付与されたポイントの総数が「4〜5」であるときには、S102において付与ポイントが設定されたことに伴いポイントが付与された旨を、10%の割合で報知するに決定され、90%の割合で報知しないに決定される。
このように、図23(a)の総数対応テーブルAは、ポイントが付与された旨を、付与されたポイントの総数が少ない程、高い割合で報知するに決定され、付与されたポイントの総数が多い程、高い割合で報知しないに決定される。これにより、少ないポイントしか付与されていないときに、高い割合で報知することにより、少ないポイントについては付与されていることを遊技者に認識させ安心させることができる。一方、多いポイントが付与されているときに、高い割合で報知されないことにより、報知ポイントから遊技者が認識しているポイントよりも実際には多いポイントが付与されている可能性を高めることができ、期待感をより持続させることができる。
図23(a)の総数対応テーブルAを参照して、報知するに決定された場合には、さらに図23(b)の総数対応テーブルBを参照して、S102において設定された付与ポイントおよびすでに付与されたポイントの総数に応じて、当該付与ポイントを正確に報知するか否かの抽選および当該付与ポイントを正確に報知しない場合に何ポイントを報知するか報知する報知ポイントを決定する抽選が行なわれる。
付与ポイントが「1」である場合には、付与されたポイントの総数に関わらず、報知ポイントとして、100%の割合でポイント「1」に決定される。付与ポイントが「2」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「0〜2」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「0〜1」である場合には、報知ポイントとして、30%の割合でポイント「1」に決定され、70%の割合でポイント「2」に決定される。
付与ポイントが「2」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「3〜5」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「2〜3」である場合には、報知ポイントとして、50%の割合でポイント「1」に決定され、50%の割合でポイント「2」に決定される。
付与ポイントが「2」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「6〜10」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「4〜5」である場合には、報知ポイントとして、90%の割合でポイント「1」に決定され、10%の割合でポイント「2」に決定される。
付与ポイントが「3」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「0〜2」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「0〜1」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「1」に決定され、20%の割合でポイント「2」に決定され、70%の割合でポイント「3」に決定される。
付与ポイントが「3」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「3〜5」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「2〜3」である場合には、報知ポイントとして、20%の割合でポイント「1」に決定され、30%の割合でポイント「2」に決定され、50%の割合でポイント「3」に決定される。
付与ポイントが「3」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「6〜10」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「4〜5」である場合には、報知ポイントとして、50%の割合でポイント「1」に決定され、30%の割合でポイント「2」に決定され、20%の割合でポイント「3」に決定される。
付与ポイントが「5」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「0〜2」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「0〜1」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「3」に決定され、90%の割合でポイント「5」に決定される。
付与ポイントが「5」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「3〜5」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「2〜3」である場合には、報知ポイントとして、10%の割合でポイント「1」に決定され、10%の割合でポイント「2」に決定され、30%の割合でポイント「3」に決定され、50%の割合でポイント「5」に決定される。
付与ポイントが「5」である場合で、ボーナス中以外におけるポイントの総数が「6〜10」である場合、あるいはボーナス中におけるポイントの総数が「4〜5」である場合には、報知ポイントとして、30%の割合でポイント「1」に決定され、30%の割合でポイント「2」に決定され、30%の割合でポイント「3」に決定され、10%の割合でポイント「5」に決定される。
このように、図23(b)の総数対応テーブルBは、付与されたポイントの総数が少ない程、高い割合で付与ポイントあるいは付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように、付与されたポイントの総数が多い程、高い割合で付与ポイントよりもより少ないポイントが付与された旨が報知されるように報知するポイントが決定される。これにより、少ないポイントしか付与されていないときに、高い割合で正確に報知することにより、少ないポイントについては付与されていることを遊技者に認識させ安心させることができる。一方、多いポイントが付与されているときに、高い割合で付与ポイントよりも少ないポイントが報知されることにより、報知ポイントから遊技者が認識しているポイントよりも実際には多いポイントが付与されている可能性を高めることができ、期待感をより持続させることができる。
本実施の形態における総数対応報知抽選では、図23(a)および(b)のテーブルを用いて報知するか否か、および報知ポイントを決定する例について説明したが、これに限らず、図23(a)のテーブルのみを用いて総数に応じて報知するか否かのみを決定し、報知すると決定されたときにはS102において設定された付与ポイントを正確に報知するように構成してもよい。また、図23(b)のテーブルのみを用いて総数に応じて報知ポイントを決定するように構成してもよい。
また、本実施の形態における報知抽選として、差数対応報知抽選および総数対応報知抽選を行なう例について説明したが、これに限らず、いずれか一方のみを行なうように構成してもよい。また、差数対応報知抽選を行なった後に総数対応報知抽選を行なう例について説明したが、総数対応報知抽選を行なった後に差数対応報知抽選を行なうように構成してもよい。
また、本実施の形態における報知抽選では、差数や総数に応じて、報知するか否か、および報知ポイントを決定する例について説明したが、これに限らず、報知抽選では、差数や総数に関わらず、S102で設定される付与ポイントに応じて、報知するか否か、および報知ポイントを決定するように構成してもよい。
図19に戻り、S107においては、S106の総数対応報知抽選によりポイントが付与された旨を報知すると決定されたか否かが判定される。報知すると決定されたときには、S106において決定されたポイントが付与された旨を報知するために後述するS108へ移行される。一方、S107において報知すると決定されなかったときには、ポイントが付与された旨を報知するための処理を行なうことなく、S110へ移行される。
S108においては、ポイントが付与された旨を報知するポイント付与演出を実行するための報知処理が行なわれる。報知処理においては、S103においてYESと判定されたときには、ポイント付与演出として、たとえばポイント「1」が付与された旨を特定可能な情報を報知(当該ゲーム開始時または終了時において「ポイント1獲得!!」といったメッセージを表示)するための処理が行なわれる。また、報知処理においては、ポイント付与演出として、S104またはS106において決定されたポイントが付与された旨を特定可能な情報を報知(たとえば、ポイント「2」が付与された旨を報知する場合には、当該ゲーム開始時または終了時において「ポイント2獲得!!」といったメッセージを表示)するための処理が行なわれる。
なお、ポイント付与演出は、上記態様で実行されるものに限らず、付与されたポイント数に応じた態様で実行される演出であれば、どのような態様で実行されるものであってもよい。
S109においては、前回第1AT抽選された後からS108の処理により遊技者に報知されたポイントの総数である報知ポイント総数を特定するための報知ポイント総数情報を更新する。なお、S108において報知されるポイント付与演出としては、報知ポイント総数を特定するための情報(たとえば、「獲得ポイント総数5!!」といったメッセージを表示)を報知してもよい。
報知ポイント総数情報は、RAM91cの所定領域に格納されており、S108においてポイントが付与された旨が報知される毎に当該ポイント分加算更新される。なお、当該報知ポイント総数情報は、図16〜図18で示した第1AT抽選の抽選条件が成立して第1AT抽選が行なわれた後においてリセットされる。
S110においては、S102の処理により実際に付与されたポイントの総数である付与ポイント総数を特定するための付与ポイント総数情報を更新する。付与ポイント総数情報は、RAM91cの所定領域に格納されており、S102において付与ポイントが設定され報知抽選などが行なわれた後に当該付与ポイント分加算更新される。
本実施の形態における付与ポイント総数情報は、図16〜図18で示した第1AT抽選の抽選条件が成立して第1AT抽選が行なわれた後においてリセットされる。なお、付与ポイント総数情報は、第1AT抽選が行なわれることによりリセットされるものに限らず、第1AT抽選が行なわれた後においても当該付与ポイント総数のうち所定数のポイント(たとえば、2ポイント)を持ち越すようにしてもよく、また、当該第1AT抽選でAT当選しなかったときに持ち越すようにしてもよい。
なお、本実施の形態においては、付与ポイント総数の上限として、ボーナス中以外においては「10」が、ボーナス中においては「5」が、各々予め設定されている。このため、S102において設定された付与ポイントを、今回のポイント付与条件が成立するまでの付与ポイント総数に加算すると、前述した上限値を超える場合には、付与ポイント総数として上限値が設定される。これに伴い、報知ポイント総数についても、上限として、ボーナス中以外においては「10」が、ボーナス中においては「5」が、各々予め設定されている。このため、S108においては、報知抽選などで決定されたポイントを報知すると、報知ポイント総数との関係から、前述した上限値を超える場合には、上限値になるポイントが付与された旨が報知される。
なお、報知ポイント総数がすでに上限値である場合には、ポイントが付与されなかったときと同様に報知されない。よって、S102において付与ポイントが設定された後において、報知ポイント総数がすでに上限値である場合にはそのままポイント関連処理を終了させ、報知ポイント総数が上限値に満たない場合にのみS103へ移行するように構成してもよい。
以上のように、本実施の形態においては、ポイント付与条件が成立したときに、差数や実際に付与されているポイントの総数に応じて、報知するか否かおよび報知する場合の報知ポイントが決定され、当該決定結果にしたがって報知される。また、報知ポイントは、実際に付与された付与ポイントよりも、第1AT抽選において遊技者にとって有利度合いが低くなるポイントから報知ポイントが決定される。このため、報知ポイントから遊技者が認識するポイントは、実際に付与されたポイントの総数以下となる。その結果、実際に付与されているポイントの総数が報知ポイントから特定されるポイントの総数よりも多いかもしれないと遊技者に期待感を抱かせることができ、報知ポイントから特定されるポイントの総数よりもATに制御されることに対し大きな期待感を抱かせることができる。
次に、第2AT抽選について説明する。本実施の形態におけるサブ制御部91は、AT制御処理に含まれる第2AT抽選処理を実行することにより、第2AT抽選を行なう。第2AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき所定の抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときに第2AT抽選が実行される。図24は、第2AT抽選を実行する契機となる抽選条件を説明するための図である。また、図25は、第2AT抽選において参照されるテーブルを説明するための図である。
図24の通常遊技状態の欄に示すように、現在の遊技状態が通常遊技状態であるときには、演出状態がATであるか否かに関わらず、ボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、図25(a)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行なわれる。なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき現在の遊技状態を特定し、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づきボーナス当選したことを特定する。
図25(a)に示すテーブルが参照された場合、50%の割合でナビストック数が0に決定され、40%の割合でナビストック数が1に決定され、10%の割合でナビストック数が3に決定され、7%の割合でナビストック数が5に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定され、1%の割合でナビストック数が20に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
なお、ボーナス終了後においては、第2AT抽選で決定されたナビストック数だけでなく、前述したボーナス当選による第1AT抽選で決定されたナビストック数とボーナス終了による第1AT抽選で決定されたナビストック数との合計数に応じて、ATに制御される。なお、ナビストック数の合計数については、上限数(たとえば、20)を設け、合計数が上限数以上となる場合には上限数が設定されるように構成してもよい。
また、図24の準備モードかつATの欄に示すように、AT準備モードであるときには、ボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、当該抽選条件が成立したゲームにおいて、フリーズが発生したか、発生したフリーズの種類がいずれであったかに応じた、図25(b)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行なわれる。なお、フリーズが発生したか、発生したフリーズの種類がいずれであったかについては、メイン制御部41から送信されるフリーズ関連コマンドにより特定される。
AT準備モードにおいてボーナス当選して抽選条件が成立したが、フリーズが発生しなかったときには、図25(b)に示すボーナス当選時+フリーズなしのテーブルを参照して、30%の割合でナビストック数が1に決定され、35%の割合でナビストック数が3に決定され、20%の割合でナビストック数が5に決定され、10%の割合でナビストック数が10に決定され、5%の割合でナビストック数が20に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、AT準備モードにおいてボーナス当選して抽選条件が成立したゲームにおいて、第1フリーズが発生したときには、図25(b)に示すボーナス当選時+第1フリーズのテーブルを参照して、25%の割合でナビストック数が1に決定され、30%の割合でナビストック数が3に決定され、20%の割合でナビストック数が5に決定され、15%の割合でナビストック数が10に決定され、10%の割合でナビストック数が20に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、AT準備モードにおいてボーナス当選して抽選条件が成立したゲームにおいて、第2フリーズまたは第3フリーズが発生したときには、図25(b)に示すボーナス当選時+第2/第3フリーズのテーブルを参照して、15%の割合でナビストック数が1に決定され、25%の割合でナビストック数が3に決定され、20%の割合でナビストック数が5に決定され、20%の割合でナビストック数が10に決定され、20%の割合でナビストック数が20に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
なお、図25(b)に示すテーブルが参照されて第2AT抽選が行なわれた場合には、必ず1以上のナビストック数に決定されるため、必ずATに制御されることになる。
また、図24の準備モードかつ非ATの欄に示すように、非AT準備モードであるときには、30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する毎、あるいはボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、図25(d)に示すテーブルのうち成立した抽選条件に対応するテーブルを参照して第2AT抽選が行なわれる。
第2AT抽選処理においては、準備モードに制御されてから消化したゲーム数を特定するために、たとえば準備モードに制御されてから、メイン制御部41からの遊技状態コマンドを受信する毎に所定のカウンタをカウントアップする処理が行なわれる。サブ制御部41は、当該カウンタの値から、準備モードに制御されてから消化したゲーム数を特定し、図24に示す抽選条件を満たすゲーム数であるときに、第2AT抽選が実行される。たとえば、準備モードに制御されてから5回目のゲームが終了したときに、5ゲーム消化したと判定されて、第2AT抽選が実行される。なお、所定のカウンタの値は、30に達したこと、転落リプレイ入賞したこと、ボーナス当選したことなどによりリセットされる。
準備モードに制御されてから5ゲーム消化したと判定されたときには、図25(d)に示す5G消化時のテーブルを参照して、99%の割合でナビストック数が0に決定され、1%の割合でナビストック数が1に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計10ゲーム消化したと判定されたときには、図25(d)に示す10G消化時のテーブルを参照して、98%の割合でナビストック数が0に決定され、2%の割合でナビストック数が1に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計15ゲーム消化したと判定されたときには、図25(d)に示す15G消化時のテーブルを参照して、95%の割合でナビストック数が0に決定され、5%の割合でナビストック数が1に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計20ゲーム消化したと判定されたときには、図25(d)に示す20G消化時のテーブルを参照して、90%の割合でナビストック数が0に決定され、7%の割合でナビストック数が1に決定され、2%の割合でナビストック数が3に決定され、1%の割合でナビストック数が5に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計25ゲーム消化したと判定されたときには、図25(d)に示す25G消化時のテーブルを参照して、70%の割合でナビストック数が0に決定され、20%の割合でナビストック数が1に決定され、5%の割合でナビストック数が3に決定され、3%の割合でナビストック数が5に決定され、2%の割合でナビストック数が10に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
また、さらに5ゲーム消化して準備モードに制御されてから計30ゲーム消化したと判定されたときには、図25(d)に示す30G消化時のテーブルを参照して、60%の割合でナビストック数が1に決定され、25%の割合でナビストック数が3に決定され、10%の割合でナビストック数が5に決定され、3%の割合でナビストック数が10に決定され、2%の割合でナビストック数が20に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。なお、図25(d)に示す30G消化時のテーブルが参照されて第2AT抽選が行なわれた場合には、必ず1以上のナビストック数に決定されるため、必ずATに制御されることになる。
また、非AT準備モードにおいてボーナス当選したときには、図25(d)に示すボーナス当選時のテーブルを参照して、30%の割合でナビストック数が1に決定され、35%の割合でナビストック数が3に決定され、20%の割合でナビストック数が5に決定され、10%の割合でナビストック数が10に決定され、5%の割合でナビストック数が20に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。なお、図25(d)に示すボーナス当選時のテーブルが参照されて第2AT抽選が行なわれた場合には、必ず1以上のナビストック数に決定されるため、必ずATに制御されることになる。
また、図24のRTかつATの欄に示すように、ARTであるときには、ボーナス当選することにより抽選条件が成立する。当該抽選条件が成立したときには、当該抽選条件が成立したゲームにおいて、フリーズが発生したか、発生したフリーズの種類がいずれであったかに応じた、図25(c)に示すテーブルを参照して第2AT抽選が行なわれる。
ARTにおいてボーナス当選して抽選条件が成立したが、フリーズが発生しなかったときには、図25(c)に示すボーナス当選時+フリーズなしのテーブルを参照して、60%の割合でナビストック数が1に決定され、25%の割合でナビストック数が3に決定され、10%の割合でナビストック数が5に決定され、3%の割合でナビストック数が10に決定され、2%の割合でナビストック数が20に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
ARTにおいてボーナス当選して抽選条件が成立したゲームにおいて、第1フリーズが発生したときには、図25(c)に示すボーナス当選時+フリーズなしのテーブルを参照して、55%の割合でナビストック数が1に決定され、20%の割合でナビストック数が3に決定され、10%の割合でナビストック数が5に決定され、8%の割合でナビストック数が10に決定され、7%の割合でナビストック数が20に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
ARTにおいてボーナス当選して抽選条件が成立したゲームにおいて、第2フリーズまたは第3フリーズが発生したときには、図25(c)に示すボーナス当選時+第2/第3フリーズのテーブルを参照して、45%の割合でナビストック数が1に決定され、15%の割合でナビストック数が3に決定され、10%の割合でナビストック数が5に決定され、13%の割合でナビストック数が10に決定され、17%の割合でナビストック数が20に決定されるように、第2AT抽選が行なわれる。
なお、図25(c)に示すテーブルが参照されて第2AT抽選が行なわれた場合には、必ず1以上のナビストック数に決定されるため、必ずATに制御されることになる。
また、図24のRTかつ非ATの欄に示すように、非ARTであるときには、非AT準備モードであるときと同様に、30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する毎、あるいはボーナス当選することにより抽選条件が成立し、図25(d)に示すテーブルのうち成立した抽選条件に対応するテーブルを参照して第2AT抽選が行なわれる。なお、図25(d)に示すテーブルのうち30G消化時およびボーナス当選時のテーブルが参照されて、非ART中において第2AT抽選が行なわれた場合には、必ず1以上のナビストック数に決定されるため、必ずATに制御されることになる。
本実施の形態では、非ARTにおいて30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する毎に成立する抽選条件は、当該非ARTに制御される前段階の非AT準備モードで消化したゲーム数を加味して、判定する。すなわち、30ゲーム消化したか否か、当該30ゲーム中において5ゲーム消化したか否かについては、非AT準備モードにおいて消化されたゲーム数と非ARTにおいて消化されたゲーム数との合計ゲーム数を用いて判定される。すなわち、サブ制御部91は、非AT準備モードに制御されてから遊技状態コマンドを受信する毎に所定のカウンタをカウントアップする処理を、非ARTに制御された後においても継続して実行する。このため、非AT準備モードへの制御が開始されたときには、特殊出目が停止されてRTに制御されたか否かに関わらず、非AT準備モードへの制御が開始されてから以降30ゲーム消化する間の第2AT抽選に遊技者を集中させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、非ARTにおいて30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する毎に成立する抽選条件は、準備モードで消化したゲーム数を加味せず、非ARTで消化したゲーム数で判定するように構成してもよい。この場合には、非AT準備モードから運良く非ARTに制御されたときには、再び以降の30ゲームにおける第2AT抽選に遊技者を集中させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、遊技状態が、通常遊技状態、準備モード、およびRT各々であるときに実行される第2AT抽選における、遊技者にとっての有利度合いを対比する。遊技者にとっての有利度合いとは、たとえば、AT抽選においてナビストック数が1以上に決定される割合すなわちATに制御される割合の高低、AT抽選においてより多いナビストック数に決定される割合の高低などをいう。
まず、ボーナス当選することにより抽選条件が成立した場合、通常遊技状態であるときに実行される第2AT抽選においては、図25(a)に示すテーブルが参照され、準備モードあるいはRTであるときに実行される第2AT抽選においては、図25(b)、(c)に示すテーブルあるいは図25(d)のボーナス当選時に示すテーブルが参照される。このため、準備モードあるいはRTであるときの方が、通常遊技状態であるときよりも、高い割合でナビストック数が1以上に決定され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定される。すなわち、準備モードあるいはRTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、準備モードあるいはRTであるときには、通常遊技状態であるときよりも、ATに制御されること、およびより多いナビストック数を獲得することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、ボーナス当選せずとも、30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する毎に、図25(d)に示す5G〜30G消化時のテーブルが参照されて第2AT抽選される。このため、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より高い割合でATに制御されることになる。また、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、前述したように、ボーナス当選することにより、通常遊技状態であるときよりも、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、ATに制御されることに対し期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、図25(d)の5G〜30G消化時のテーブルに示すように、消化ゲーム数に比例して、ATに制御される割合、およびより多いナビストック数に決定される割合各々が高くなるように、当選率が設定されている。
また、AT準備モードあるいはARTにおいてボーナス当選することにより抽選条件が成立したときには、図25(b)および(c)各々で示したように、フリーズが発生したか、発生したフリーズの種類がいずれであったかにより、遊技者にとっての有利度合い(ここでは、AT抽選においてより多いナビストック数に決定される割合)が異なるように設定されている。本実施の形態においては、フリーズが発生しなかったときよりも、フリーズが発生したときの方が、遊技者にとっての有利度合いが高くなるように、AT抽選が行なわれる。また、フリーズが発生した場合であっても、フリーズが発生する期間が短い第1フリーズが発生したときよりも、第1フリーズよりも長い期間フリーズが発生する第2フリーズまたは第3フリーズが発生したときの方が、遊技者にとっての有利度合いが高くなるように、AT抽選が行なわれる。その結果、AT準備モードあるいはARTにおいては、フリーズが発生すること、および第1フリーズよりも第2フリーズまたは第3フリーズが発生することに対し期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。たとえば、回転前フリーズとして長い期間フリーズが発生したときに遊技の興趣を向上させ、また回転前フリーズが短い期間であったときでも、その後回転後フリーズが発生したときに遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図24および図25では、AT準備モードあるいはARTであるときにおいてボーナス当選したときに、フリーズが発生したか、発生したフリーズの種類がいずれであったかにより、遊技者にとっての有利度合いが異なるようにAT抽選が行なわれる例について説明したが、通常遊技状態においてボーナス当選したとき、非AT準備モードあるいは非ARTにおいてボーナス当選したときにおいても、フリーズが発生したか、発生したフリーズの種類がいずれであったかにより、遊技者にとっての有利度合いが異なるようにAT抽選が行なわれるように構成してもよい。
また、図25では、ボーナス当選したときに、第1フリーズよりも第2フリーズまたは第3フリーズが発生したときの方が、遊技者にとって有利度合いが高くなるようにAT抽選が行なわれる例について説明したが、有利度合いが高くなる順番はこれに限らず、どのような順番であってもよく、たとえば、遊技者にとって有利度合いが、第2フリーズよりも第1フリーズの方が高く、かつ、第1フリーズよりも第3フリーズの方が高くなるようにAT抽選が行なわれるものであってもよい。この場合、回転前フリーズとして短い期間フリーズが発生したときに遊技の興趣を向上させ、さらにその後回転後フリーズが発生したときに遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、ボーナス当選したときの遊技状態によって、有利度合いが高くなるフリーズの種類が異なるようにしてもよい。たとえば、ボーナス当選したときの遊技状態が、通常遊技状態、非ART、および非AT準備モードのときには、遊技者にとって有利度合いが、第2フリーズよりも第1フリーズの方が高く、かつ、第1フリーズよりも第3フリーズの方が高くなるようにAT抽選が行なわれ、ARTおよびAT準備モードのときには、遊技者にとって有利度合いが、第1フリーズよりも第2フリーズの方が高く、かつ、第2フリーズよりも第3フリーズの方が高くなるようにAT抽選が行なわれるように構成してもよい。これにより、フリーズが発生したときの遊技状態と、発生したフリーズの種類との組合せに応じて、遊技者の期待感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図26は、図25(d)の5G〜30G消化時のテーブルの当選率に基づき、非AT準備モードあるいは非ARTにおける第2AT抽選でナビストック数が1以上に決定されて、AT準備モードあるいはARTに昇格する昇格率を示す図である。図26では、横軸にゲーム数の経過を示し、縦軸にゲーム数に応じた昇格率を示している。
図26から、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、消化したゲーム数が多くなる程、昇格率が高くなる。特に、30ゲーム消化したときには、必ずATに制御される。これにより、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、転落リプレイに入賞せずに当該準備モードあるいはRTが維持されて極力多い回数ゲーム消化することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT準備モードあるいはARTにおいて、ボーナス当選することにより実行される第2AT抽選では、AT準備モードであるときに図25(b)に示すテーブルが参照され、ARTであるときに図25(c)に示すテーブルが参照される。このため、AT準備モードあるいはARTのいずれでもボーナス当選により当該ボーナス終了後において必ずAT準備モードに制御されるが、AT準備モードであるときの方が、ARTであるときよりも、高い割合でより多いナビストック数に決定される。すなわち、AT準備モードにおいては、ARTであるときよりも、高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるといえる。その結果、ATに制御されているときには、準備モードでボーナス当選すること、すなわち極力早い段階でボーナス当選することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
以上のように、本実施の形態においては、サブ制御部91により行なわれる第2AT抽選処理により、現在の遊技状態および演出状態に応じて定められた抽選条件が成立したか否かが判定され、抽選条件が成立したときには図25に示すテーブルのうち対応するテーブルを参照して、第2AT抽選が行なわれる。
また、本実施の形態においては、前述した報知促進条件が成立したときにも、対応するナビストック数が、AT抽選により決定されたナビストック数に上乗せ加算される。すなわち、サブ制御部91は、報知促進条件が成立したときに、対応するナビストック数をAT抽選により決定されたナビストック数に上乗せ加算した合計数を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納する。図27は、報知促進条件成立時に上乗せされるナビストック数を説明するための図である。
ボーナス中において図7(e)に示すイチゴ(1)に当選することにより報知促進条件が成立したときには、50%の割合でナビストック数が1に決定され、50%の割合でナビストック数が2に決定される。
また、ボーナス中において図7(e)に示すイチゴ(1)+イチゴ(2)に当選することにより報知促進条件が成立したときには、100%の割合でナビストック数が3に決定される。
このように、報知促進条件が成立したときには、AT抽選の結果に関わらず、必ずATに制御される。このため、報知促進条件が成立することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、イチゴ(1)+イチゴ(2)に当選したときの方が、イチゴ(1)に単独で当選したときよりも、より多いナビストック数に決定される。すなわち、イチゴ(1)+イチゴ(2)に当選したときの方が、イチゴ(1)に単独で当選したときよりも、遊技者にとって有利となるようにATに制御されるといえる。その結果、イチゴ(1)+イチゴ(2)に当選して報知促進条件が成立することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、準備モードあるいはRTであるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行なうことにより、AT抽選の結果および報知促進条件の成否の結果に応じてセットされるATフラグに基づき、ATへの制御を管理する。
具体的に、サブ制御部91は、ボーナスが終了した後において準備モードへの制御が開始されるとき、または非AT準備モードにすでに制御されているときに、ATフラグからATである旨が特定されたときには、AT準備モードに制御する。
これにより、ボーナス当選あるいはボーナス終了によるAT抽選の結果や報知促進条件の成立によりATに制御する決定がされたときには、当該ボーナス終了後においてAT準備モードに制御され、ATに制御する決定がされなかったときには、当該ボーナス終了後において非AT準備モードに制御される。また、非AT準備モードにおいてゲーム数消化による第2AT抽選においてATに制御する決定がされたときには、以降、AT準備モードに制御される。準備モードにおいては、ナビストック数を消費(減算)することなく、AT準備モードに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。
また、サブ制御部91は、準備モードにおいて特殊出目が停止してRTへの制御が開始されるとき、または非ARTにすでに制御されているときにおいて、ATフラグからATである旨が特定されたときには、ナビストック数を1ポイント消費(減算)することにより、所定回数(たとえば50)ゲームを消化する間、ARTに制御する。
RTにおいては、ナビストック数を1ポイント消費することにより、所定回数ゲームを消化する間、ナビ演出が実行可能となるARTに制御される。なお、ナビストック数を1ポイント消費したときには、1減算したナビストック数を示すATフラグに更新される。
これにより、RTへの制御を開始するときにおいて、ATに制御する決定がされているときには、ナビストック数を1ポイント消費して所定回数ゲームを消化する間ARTに制御され、ATに制御する決定がなされていないときには、非ARTに制御される。この場合において、本実施の形態では、RTへの制御が開始されたときにARTに制御するが、これに限らず、ナビ対象役(たとえば転落リプレイ)に当選したときにARTに制御するようにしてもよい。
また、非ARTにおけるゲーム数消化による第2AT抽選においてATに制御する決定がされたときには、ナビストック数を1ポイント消費して所定回数ゲームを消化する間ARTに制御する。この場合において、本実施の形態では、ナビ対象役(たとえば転落リプレイ)に当選したときにARTに制御するが、これに限らず、ATに制御する決定がされたときに制御するようにしてもよい。
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行なうことにより、ARTであるときには、消化したゲーム数を計数して、所定回数に到達したときに非ARTに制御する。このときに、ATフラグが示すナビストック数が0であれば、ATでない旨を示すATフラグに更新される。
サブ制御部91は、AT管理処理を行なうことにより、非ARTであるときに、転落リプレイに当選したか否かを判定する。そして、転落リプレイに当選したと判定されたときでさらにATフラグからATである旨が特定されたときには、ナビストック数を1ポイント消費することにより、所定回数ゲームを消化する間再びARTに制御する。一方、転落リプレイに当選したときにおいて、ATフラグからATでない旨が特定されたときには、ARTに制御されず、ナビ演出が実行されない。
以上のように、RTであるときには、ナビストック数を1ポイント消費することにより、所定回数のゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して一旦非ARTに制御されたときであっても、未だATフラグからATである旨が特定されナビストック数が1以上であることを条件として、転落リプレイ当選時から所定回数のゲームを消化する間再びARTに制御される。これにより、AT抽選の結果および報知促進条件の成否の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた期間に亘り、ARTに制御可能となるといえる。また、AT抽選の結果および報知促進条件の成否の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、ARTに繰り返し制御可能となるといえる。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、AT準備モードあるいはARTであるときに、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を行なうことにより、内部当選の結果に応じたナビ演出が実行される。内部当選の結果は、メイン制御部41からの内部当選コマンドから特定される。
たとえば、AT準備モードにおいては、転落リプレイに当選したときに、転落リプレイと同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行される。また、ARTにおいては、転落リプレイに当選したときに、転落リプレイと同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行され、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときに当選している9枚役の種類に応じたナビ演出が実行される。
ナビ演出としては、リプレイ+転落リプレイに当選したときには、左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させるための情報を報知するナビ演出として、たとえば「左あるいは中から押せ!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行され、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイに当選したときには、「右から押せ!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行される。なお、転落リプレイのナビ演出は、上記態様で実行されるものに限らず、内部当選結果に応じた態様で実行される演出であれば、どのような態様で実行されるものであってもよい。
また、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときには、当選した9枚役の種類を特定可能な情報を報知するナビ演出として、たとえば、9枚役(1)に当選したときには、「左の赤7、右の赤7を狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行され、9枚役(9)に当選したときには、「左のBAR、右のBARを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行される。
さらに、本実施の形態においては、9枚役(1)〜(9)各々のナビ演出として、報知態様が複数種類設けられている。
図28は、9枚役のナビ演出の報知態様を決定するための報知態様決定用テーブルを説明するための図である。9枚役(1)〜(9)各々のナビ演出の報知態様としては、A、B、およびCの3種類が設けられている。9枚役のナビ演出の報知態様は、ナビ演出実行処理により、報知態様決定用テーブルにしたがって、乱数回路から抽出した乱数などを用いてランダムに決定される。報知態様決定用テーブルは、残りのナビストック数によって振分率が異なるように設定されている。
たとえば、ATフラグから特定される残りのナビストック数が「0」であるときには、95%の割合でAに決定され、5%の割合でBに決定されるように、振分率が設定されている。
また、ATフラグから特定される残りのナビストック数が「1」〜「3」であるときには、90%の割合でAに決定され、9%の割合でBに決定され、1%の割合でCに決定されるように、振分率が設定されている。
また、ATフラグから特定される残りのナビストック数が「4」以上であるときには、80%の割合でAに決定され、15%の割合でBに決定され、5%の割合でCに決定されるように、振分率が設定されている。
図28で示した報知態様決定用テーブルの振分率は、残りのナビストック数が多い程、9枚役のナビ演出の報知態様として、BやCに決定される割合が高くなるように設定されている。このため、9枚役のナビ演出の報知態様の種類によって、たとえばBやCで実行される頻度から残りのナビストック数の程度を推測することができる。その結果、ナビ演出に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、9枚役のナビ演出が、報知態様Aで実行されたときよりも、報知態様Bや報知態様Cで実行されたときの方が、ナビストック数が多く残っていることに対する期待感を向上させることができる。
また、ナビストック数が「1」以上残っているときにのみ、9枚役のナビ演出の報知態様としてCに決定され得る。このため、報知態様Cで9枚役のナビ演出が実行されたときには、ATがまだ継続するといった安心感を遊技者に抱かせることができる。
9枚役のナビ演出の報知態様としてAに決定されたときには、当選した9枚役の構成図柄を想起させるメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、当選した9枚役の構成図柄を男の音声でスピーカ53、54から発生させるナビ演出が実行される。たとえば、9枚役(1)に当選したときには、「左の赤7、右の赤7を狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行されるとともに、リール回転開始時にスピーカ53、54から男の音声で「左の赤7、右の赤7を狙うのだ!」といった音声を発生させる演出が実行される。また、9枚役(9)に当選したときには、「左のBAR、右のBARを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行されるとともに、リール回転開始時にスピーカ53、54から男の音声で「左のBAR、右のBARを狙うのだ!」といった音声を発生させる演出が実行される。
また、9枚役のナビ演出の報知態様としてBに決定されたときには、当選した9枚役の構成図柄を想起させるメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、当選した9枚役の構成図柄を女の音声でスピーカ53、54から発生させるナビ演出が実行される。たとえば、9枚役(1)に当選したときには、「左の赤7、右の赤7を狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行されるとともに、リール回転開始時にスピーカ53、54から女の音声で「左の赤7、右の赤7を狙うのよ!」といった音声を発生させる演出が実行される。また、9枚役(9)に当選したときには、「左のBAR、右のBARを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行されるとともに、リール回転開始時にスピーカ53、54から女の音声で「左のBAR、右のBARを狙うのよ!」といった音声を発生させる演出が実行される。
また、9枚役のナビ演出の報知態様としてCに決定されたときには、Bの報知態様でナビ演出を実行するとともに、さらに当選した9枚役に対応する所定の演出(所定のキャラクタ出現、所定のメッセージ表示など)を液晶表示器51に表示する演出が実行される。たとえば、9枚役(1)に当選したときには、「左の赤7、右の赤7を狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行され、リール回転開始時にスピーカ53、54から女の音声で「左の赤7、右の赤7を狙うのよ!」といった音声を発生させる演出が実行され、さらに9枚役(1)に対応するキャラクタが出現するとともに「まだまだ続くかもよ!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行される。また、9枚役(9)に当選したときには、「左のBAR、右のBARを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行され、リール回転開始時にスピーカ53、54から女の音声で「左のBAR、右のBARを狙うのよ!」といった音声を発生させる演出が実行され、さらに9枚役(9)に対応するキャラクタが出現するとともに「まだまだ続くかもよ!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行される。
なお、上記のように9枚役のナビ演出の報知態様A、B、およびC各々の内容を例示したが、報知態様A、B、およびC各々の内容は上記のものに限らず、他の報知態様と識別できる態様でナビ演出が実行されるものであればどのような態様であってもよい。
転落リプレイに関するナビ演出および9枚役(1)〜(9)に関するナビ演出は、ともに、液晶表示器51において操作手順を特定するためのメッセージを表示する点において共通の報知態様で実行されるといえる。このため、ナビ演出により報知される情報が、転落リプレイを回避するための情報であるか9枚役(1)〜(9)を入賞させるための情報であるかを特定する必要がなく、共通の報知態様で報知される情報にしたがって停止操作することにより、転落リプレイ入賞を回避できまた当選している9枚役を入賞させることができる。
以上、本実施の形態におけるサブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、AT制御処理を行なうことにより、AT抽選の結果および報知促進条件の成否の結果に応じて演出状態を制御して、ATであるときにはナビ演出を実行する。
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、非ARTであるとき、あるいは非ARTから通常遊技状態に制御されてから所定数ゲーム消化するまでの期間(図31で後述する非ART演出を実行している期間など)であるときに、非AT時ナビ演出実行処理を行なうことにより、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときに、該当選している9枚役の種類に応じたナビ演出を実行するか否かの非ATナビ抽選が行なわれ、当該非ATナビ抽選で当選したときに該当選している9枚役の種類に応じたナビ演出が実行される。
図29は、非ATナビ抽選に用いられるテーブルを説明するための図である。非ARTであるとき、あるいは非ARTから通常遊技状態に制御されてから所定数ゲーム消化するまでの期間であるときに、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときには、非ATナビ抽選が実行されて、90%の割合で該当選している9枚役の種類に応じたナビ演出を実行すると決定され、10%の割合でナビ演出を実行しないと決定される。
このように、非ARTであるときあるいは非ARTから通常遊技状態に制御されて所定数ゲーム消化する期間において、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときには所定の割合で対応するナビ演出が実行される。これにより、非ARTであるときあるいは非ARTから通常遊技状態に制御されて所定数ゲーム消化する期間において、9枚役の取りこぼしを低減することができる。なお、所定の割合は、上記の当選率に限らない。たとえば、非ARTであるときあるいは非ARTから通常遊技状態に制御されて所定数ゲーム消化する期間において、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときに、100%の割合でナビ演出を実行するものであってもよい。
なお、非ARTであるときあるいは非ARTから通常遊技状態に制御されて所定数ゲーム消化する期間に実行される9枚役のナビ演出の報知態様は、図28で示した残りナビストック数が「0」のときと同じ振分率にしたがって、複数種類の報知態様から決定される。
次に、AT抽選の結果および報知促進条件の成否の結果に応じて、ATに制御されない場合とATに制御された場合についての例を説明する。図30は、AT抽選の結果および報知促進条件の成否の結果に応じて、ATに制御されない場合およびATに制御された場合についての例を説明するための図である。なお、図30において、準備モードおよびRTの下欄には、AT中であるか否かを示すとともに、準備モードおよびRT各々におけるナビ対象役を示している。また、ナビ対象役に対する×印は当該ナビ対象役に当選したときであってもナビ演出を実行しないことを示し、当該ナビ対象役に対する○印は当該ナビ対象役に当選したときにナビ演出を実行することを示し、当該ナビ対象役に対する△印は当該ナビ対象役に当選したときに所定の確率にしたがってナビ演出を実行することを示している。
図30(a)は、AT抽選においてAT当選せず、ボーナス終了後の非AT準備モード中における第2AT抽選においてもAT当選せず、かつ特殊出目が停止されることなく先に転落リプレイに入賞して通常遊技状態に制御された例を示す図である。
図30(b)は、AT抽選においてAT当選せず、非AT準備モード中における第2AT抽選においてもAT当選しなかったが、転落リプレイ入賞することなく先に特殊出目が停止して非ARTに制御され、当該非ART中における第2AT抽選においてAT当選せず、結果的に転落リプレイに入賞して通常遊技状態に制御された例を示す図である。
前述したように、準備モードおよびRTにおいては、転落リプレイの当選確率が通常遊技状態であるときよりも高まる。また、転落リプレイは、同時当選したリプレイの種類に応じて、入賞回避手順が異なる。このため、準備モードおよびRTにおいて演出状態がATに制御されなければ、転落リプレイに当選したか否かを把握することができず、高確率で当選する転落リプレイの入賞を意図的に回避することができない。その結果、演出状態がATに制御されなければ、図30(a)および(b)で示すように、準備モードからRTに制御され難くかつ運良くRTに制御された場合であっても当該RTを維持され難くなる一方、通常遊技状態に制御され易くなり、遊技者が利益を獲得し難くすることができる。
一方、図30(b)に示すように運良く非AT準備モードからRTに制御された場合には、図29で示したように、9枚役当選時において所定の確率にしたがってナビ演出が実行されるという利益が遊技者に付与される。
図30(c)は、図30(b)で示す非ART中における第2AT抽選によりAT当選し、ARTに昇格した例を示す図である。RTにおいて、ATである旨が特定される場合には、所定回数ゲーム消化する間ARTにする制御が、ナビストック数に応じた回数繰り返し行なわれる。ARTでは、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づき、転落リプレイに当選していると判定されたとき、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選していると判定されたときに、対応するナビ演出が実行される。
なお、非AT準備モード中における第2AT抽選でAT当選したときも、AT準備モードに昇格する。AT準備モードでは、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づき、転落リプレイに当選していると判定されたときに、対応するナビ演出が実行される。
このように、準備モードおよびRTにおいて演出状態がATに制御されていない不利な状況であっても、第2AT抽選でAT当選することにより、非AT中においてもATに制御され得る可能性がある。このため、非AT準備モードや非ARTであっても、AT準備モードやARTに昇格することに対する期待感を抱かせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図30(c)に示すように、ARTにおいて転落リプレイ当選時のナビが実行された場合であっても、停止操作を誤った場合には、転落リプレイに入賞して遊技状態が通常遊技状態に制御されるとともに、ATも終了する。このように、ATフラグからATである旨が特定されているときにおいて転落リプレイに入賞した場合、ナビストック数がクリアされ、ATフラグがATでない旨を特定するフラグに更新される。これにより、ナビ演出が行なわれる状況であったにも関わらず誤ってATを終了させてしまった場合には、再度AT抽選に当選するか報知促進条件が成立しなければATに制御されないようにすることができる。
なお、前述したようにAT中にボーナス当選し、当該ボーナス当選などに起因して行なわれるAT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算する場合であって、ATフラグからATである旨が特定されているときにおいて転落リプレイに入賞した場合、ナビストック数をクリアするものに限らず、クリアするナビストック数を決定するクリア数決定処理を行ない、決定されたナビストック数を減算したナビストック数を特定可能でかつATでない旨を示すATフラグに更新し、その後ボーナス当選により行なわれるAT抽選の結果に応じたナビストック数を上乗せ加算して当該ボーナス終了後においてATに制御するように構成してもよい。これにより、AT中でありながら誤って転落リプレイ入賞させてしまい当該ATが終了したときであっても、その後ボーナス当選によりナビストック数が上乗せされる可能性があるため、遊技者の損失感を事後的に補填することができる。
図30(d)は、ボーナス当選あるいはボーナス終了により実行されるAT抽選においてAT当選あるいは当該ボーナス中において報知促進条件が成立することにより、ボーナス終了後にAT準備モード、ARTに制御された例を説明するための図である。
AT準備モードにおいては、転落リプレイに当選していると判定されたときに、対応するナビ演出が実行される。このため、前述したように、操作手順を誤らない限り、確実に転落リプレイ入賞を回避して特殊出目を停止させてARTに制御することができる。
RTにおいて、ATである旨が特定される場合には、所定回数ゲーム消化する間ARTにする制御が、ナビストック数に応じた回数繰り返し行なわれる。また、ARTにおいては、転落リプレイに当選していると判定されたときのみならず、取りこぼしが生じる9枚役に当選していると判定されたときにも、対応するナビ演出が実行される。このため、前述したように、操作手順を誤らない限り、確実に転落リプレイ入賞を回避してRTを継続させるとともに、9枚役入賞により払出されるメダルを確実に獲得することができる。
これにより、演出状態がATに制御されれば、図30(d)で示すように、準備モードからRTに制御され易く通常遊技状態に制御され難くし、かつRTに制御された場合であっても当該RTを維持され易くでき、遊技者が利益を獲得し易くすることができる。
なお、前述したように、ナビストック数に応じた回数だけARTに制御された後は、非ARTに制御され、その後、転落リプレイに当選したときであってもナビ演出が実行されない。一方、非ARTに制御された後であっても、9枚役に当選したときには、図29で示したように所定の確率で当該9枚役に対応するナビ演出が実行される。
次に、現在の遊技状態や演出状態に応じて実行される遊技状態演出について説明する。本実施の形態におけるサブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれる遊技状態演出実行処理を行なうことにより、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品を用いて実行する。
遊技状態演出としては、たとえば、AT準備モードであるときには、AT準備モードであることを特定可能なAT準備モード演出(たとえば、液晶表示器51に「AT準備モード中!」といったメッセージを表示など)が行なわれ、ARTであるときには、ARTであることを特定可能なART演出(たとえば、液晶表示器51に「ART中!」といったメッセージを表示など)が行なわれ、非AT準備モードあるいは非ARTであるときには非ATであることを特定可能な非AT演出(たとえば、演出効果LED52を点滅表示など)が行なわれる。また、ボーナス中には、ボーナスであることを特定可能な所定のボーナス演出が行なわれ、通常遊技状態中には、通常遊技状態であることを特定可能な所定の通常遊技状態演出が行なわれる。
図31は、現在の遊技状態および演出状態に応じて実行される遊技状態演出を説明するための図である。図31(a)は、AT抽選でAT当選するなどしてナビストック数があるとき(たとえば3ポイント)の例を示し、図31(b)は、ナビストック数がないときであってRTに制御されずに通常遊技状態に制御されたときの例を示し、図31(c)は、ナビストック数がないときであって準備モードからRTに制御された後に通常遊技状態に制御されたときの例を示している。なお、図31(a)〜(c)は、各々、上段にメイン制御部41により制御される現在の遊技状態が示され、中段にサブ制御部91により制御される現在の演出状態が示され、下段にサブ制御部91により制御される遊技状態演出が示されている。
まず、図31(a)を参照して、(a1)に示すように遊技状態がボーナスであるときには、(a3)に示すようにボーナス演出が実行される。また、ボーナスが終了して準備モードに制御されたときには、(a2)に示すように演出状態がATに制御されることによりAT準備モードに制御され、(a3)に示すようにAT準備モード演出が実行されている。これにより、AT準備モードに制御されていることを認識し、遊技者はナビ演出に基づき意図的に転落リプレイ入賞を回避でき、確実に特殊出目を停止させてARTに制御することができる。
また、(a1)に示すように遊技状態がRTに制御されたときには、前述したように、ナビストック数に応じた回数だけARTに繰り返し制御される。すなわち、(a2)に示すように、ナビストック数を1消費する毎にATに制御することによりARTに50ゲームに亘り制御される。その後、非ARTに制御され、転落リプレイに当選したときにATフラグからATである旨が特定されたときにはナビストック数を1消費して再びARTに50ゲーム制御する処理が繰り返し行なわれる。図31(a)では、ナビストック数が3が決定されているため、(a2)に示すように、3回、ARTに制御されている。
また、ARTに制御されている間、ナビ演出が実行されるとともに、(a3)に示すようにART演出が実行される。これにより、ARTに制御されていることを認識し、遊技者はナビ演出に基づき意図的に転落リプレイ入賞を回避しつつ、9枚役を取りこぼさずに入賞させることができる。
一方、ARTが50ゲーム消化することにより終了して非ARTに制御されている間、(a3)に示すように、非ART演出が実行される。これにより、非ART演出が行なわれている間であっても、ナビストック数が残存している可能性があるため、再度ARTに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、非ARTにおいて転落リプレイに当選したときに、ATフラグからATである旨が特定されなかったときには、ナビストック数に応じた回数ARTに制御されたため、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。
本実施の形態においては、非ARTにおいて転落リプレイに入賞して通常遊技状態に制御されたとしても、(a3)に示すように、その後も所定数ゲーム消化する間、非ART演出を継続して実行する。これにより、通常遊技状態に制御されているときにおいても、前述した、再度ARTに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
通常遊技状態でありながら所定ゲームに亘り非ART演出を実行した後は、(a3)に示すように、通常遊技状態に対応する通常遊技状態演出が実行される。
本実施の形態においては、図29で示したように、非ARTであるときあるいは非ARTから通常遊技状態に制御されて所定数ゲーム消化する期間において非ART演出が実行されているときに、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときには所定の割合で対応するナビ演出が実行される。これにより、再度ARTに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができるとともに、9枚役の取りこぼしを低減させて当選したにも関わらず入賞しないことによる損失を低減させることができる。
本実施の形態においては、ART演出として、表示される背景の種類が複数種類設けられている。図32は、ART演出として表示する背景の種類を特定するためのテーブルを説明するための図である。
背景の種類としては、昼間を想起させる昼(たとえば、青空、真っ赤な太陽など表示)、夕方を想起させる夕方(たとえば、夕焼けなど表示)、および夜間を想起させる夜(たとえば、星、月など表示)の3種類が設けられている。
背景の種類は、遊技状態演出実行処理により、図32(a)に示す背景決定用テーブル、あるいは図32(b)に示す背景変更用テーブルにしたがって、乱数回路から抽出した乱数などを用いてランダムに決定される。背景決定用テーブルは、ナビストック数を1消費してARTへの制御が開始されART演出が開始されるときの背景の種類を決定するためのテーブルである。背景変更用テーブルは、ART演出が昼の背景で実行されているときに、1ゲーム毎に、背景を夕方あるいは夜に変更するか否かを決定するためのテーブルである。背景決定用テーブルおよび背景変更用テーブルは、各々、残りのナビストック数によって振分率が異なるように設定されている。
まず、図32(a)を参照して、背景決定用テーブルを説明する。たとえば、ナビストック数を1消費してARTに制御するときの残りのナビストック数が「0」であるときには、90%の割合で昼に決定され、10%の割合で夕方に決定されるように、振分率が設定されている。
また、ナビストック数を1消費してARTに制御するときの残りのナビストック数が「1」〜「3」であるときには、70%の割合で昼に決定され、20%の割合で夕方に決定され、10%の割合で夜に決定されるように、振分率が設定されている。
また、ナビストック数を1消費してARTに制御するときの残りのナビストック数が「4」以上であるときには、50%の割合で昼に決定され、30%の割合で夕方に決定され、20%の割合で夜に決定されるように、振分率が設定されている。
図32(a)で示した背景決定用テーブルの振分率は、残りのナビストック数が多い程、ART演出の背景として、夕方や夜に決定される割合が高くなるように設定されている。このため、ART演出の背景の種類によって、残りのナビストック数の程度を推測することができる。その結果、ART演出の背景に遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、ART演出の背景が、昼であるときよりも、夕方や夜であるときの方が、ナビストック数が多く残っていることに対する期待感を向上させることができる。
また、ナビストック数が「1」以上残っているときにのみ、ART演出の背景として夜に決定され得る。このため、夜の背景でART演出が実行されたときには、ATがまだ継続するといった安心感を遊技者に抱かせることができる。
なお、図32(a)で示した背景決定用テーブルを用いてART演出の背景を決定するときに、前述したポイント付与演出から特定されるポイント総数や報知促進条件が成立したことなどから、残りのナビストック数が1以上であることを遊技者が認識しているときには、背景の種類として昼に決定されないように構成してもよい。これにより、残りのナビストック数が1以上であることを遊技者が認識しているにも関わらずART演出の背景として昼が選択されてしまうような、明らかに誤りとなる演出が実行されてしまう不都合の発生を防止することができる。
次に、図32(b)を参照して、背景変更用テーブルを説明する。たとえば、ATフラグから特定される残りのナビストック数が「0」であるときには、100%の割合で背景が変更されないように、振分率が設定されている。
また、ATフラグから特定される残りのナビストック数が「1」〜「3」であるときには、99.5%の割合で背景が変更されず、0.5%の割合で昼から夕方に変更されるように、振分率が設定されている。
また、ATフラグから特定される残りのナビストック数が「4」以上であるときには、99.4%の割合で背景が変更されず、0.5%の割合で昼から夕方に変更され、0.1%の割合で昼から夜に変更されるように、振分率が設定されている。
図32(b)で示した背景変更用テーブルの振分率は、残りのナビストック数が「1」以上であるときにのみ、ART演出の背景が昼から夕方あるいは夜に変更可能となるように設定されている。また、残りのナビストック数が「4」以上であるときの方が、「1」〜「3」であるときよりも、背景が昼から変更される割合が高くなるように設定されている。このため、ART演出の背景が昼から夕方あるいは夜に変更されることにより、残りのナビストック数が「1」以上であることを遊技者に認識させることができるとともに、より多くナビストック数が残っていることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、残りのナビストック数が「4」以上であるときにのみ、ART演出の背景が昼から夜に変更可能となるように設定されている。このため、昼から夜の背景に変更されたときには、ATがまだ継続するといった安心感を遊技者に抱かせることができる。
次に、図31(b)を参照して、ボーナスが終了して準備モードに制御されたときには、(b2)に示すように演出状態がATに制御されないため、非AT準備モードに制御され、(b3)に示すように非AT演出が実行されている。また、図31(c)を参照して、非AT準備モードにおいて運良くRTに制御された場合も、ATに制御されないため非ARTに制御され、(c3)に示すように非AT演出が継続して実行されている。
非AT演出が実行されることにより、遊技者は、ATに制御されておらず、ナビ演出が実行されないことを認識する。よって、転落リプレイに入賞させずに極力多い回数ゲームを消化して、ゲーム消化による第2AT抽選でAT当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
図31(b3)および(c3)に示すように、図31(a3)と同様に、準備モードあるいはRTにおいて転落リプレイに入賞して通常遊技状態に制御されたとしても、その後も所定ゲームに亘り非AT演出を継続して実行する。これにより、通常遊技状態に制御されているときにおいても、前述した、転落リプレイに入賞させずに極力多い回数ゲームを消化して、ゲーム消化による第2AT抽選でAT当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、図29で示したように、非ARTであるときあるいは非ARTから通常遊技状態に制御されて所定数ゲーム消化する期間、すなわち運良くRTに制御されてから当該RTが終了して通常遊技状態に制御されて所定数ゲーム消化するまでの期間において、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときには所定の割合で対応するナビ演出が実行される。これにより、9枚役の取りこぼしを低減させて当選したにも関わらず入賞しないことによる損失を低減させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 前述した実施の形態においては、準備モードやRTであるときに転落リプレイに入賞すると、通常遊技状態に制御されてしまう。この転落リプレイは、図8(a)で説明したように、リプレイ+転落リプレイが当選したか、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイが当選したかによって、入賞させるための操作手順および入賞を回避させるための操作手順が各々異なる。また、9枚役(1)〜(9)については、いずれかに当選していても、9枚役(1)〜(9)各々を構成する図柄から、ストップスイッチ8Lおよび8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選している9枚役に入賞することはない。
一方、ATに制御されているときには、転落リプレイと同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行される。このため、ATに制御されているときには、転落リプレイに当選したときであっても、ナビ演出にしたがって、当該転落リプレイ入賞を回避させるための操作手順で操作することができる。
また、ATに制御されているときには、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときに当該当選した9枚役の種類に応じたナビ演出が実行される。このため、ATに制御されているときには、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときであっても、ナビ演出にしたがって、当該当選した9枚役を入賞させるための操作手順で操作することができる。
よって、ATに制御されているときには、通常遊技状態に制御されてしまうことを回避でき、かつ当選した9枚役の取りこぼしを低減することができるため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
このようなATには、図16〜図18で示した第1AT抽選や、図24および図25で示した第2AT抽選などのAT抽選において、1以上のナビストックに決定されることにより制御される。
また、AT抽選のうち第1AT抽選は、図16で示したように、ボーナス当選時およびボーナス終了時に行なわれる。ボーナス当選時に行なわれる第1AT抽選では、ボーナス以外において付与された付与ポイント総数に応じて、当該付与ポイント総数が多い程、高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって抽選される。また、ボーナス終了時に行なわれる第1AT抽選では、ボーナス中に付与された付与ポイント総数に応じて、当該付与ポイント総数が多い程、高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって抽選される。よって、より高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって第1AT抽選が行なわれるように、遊技者はより多くのポイントが付与されることに期待感を抱かせることができる。
また、前述した実施の形態では、図19に示すポイント関連処理において、ポイント付与条件が成立してポイントが付与されたことを条件として、S108においてポイントが付与された旨を報知するポイント付与演出を行なうための報知処理が行なわれる。この報知処理では、図19のS103〜S106の処理結果に基づき、図19のS102で設定された付与ポイントを正確に報知するポイント付与演出か、あるいは図19のS102で設定された付与ポイントよりも少ないポイントを報知するポイント付与演出が実行される。また、図19に示すポイント関連処理では、ポイント付与条件が成立してポイントが付与された場合であっても、図19のS104またはS106の報知抽選において報知しないに決定されたときには、ポイント付与演出が実行されず、ポイントが付与された旨が全く報知されない。このため、実行されたポイント付与演出から特定されるポイント総数よりも多いポイントが実際には付与されているかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
その結果、より高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって第1AT抽選が行なわれること、およびATに制御されることに対し、ポイント付与演出から特定されるポイント総数よりも大きな期待感を抱かせることができる。また、ポイント付与演出から特定されるポイント総数が比較的少ないときであっても、当該ポイント総数よりも多いポイントが実際には付与されているかもしれないため、より高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されるように定められた当選率にしたがって第1AT抽選が行なわれること、およびATに制御されることに対する期待感を持続させることができる。
また、図19に示すポイント関連処理においては、ポイント付与条件が成立してポイントが付与されたことを条件として、図19のS102で設定された付与ポイントに対するポイント付与演出が行なわれる。このため、前述した期待感をポイント付与演出が実行される毎に段階的に高めることができる。また、付与されたポイント総数を遊技者が予想するために、実行されたポイント付与演出から特定されるポイントを遊技者自身が累積加算して記憶するといった面白みを付加することができる。
(1−2) また、ATに制御された後においては、図28および図32で示したように、残りのナビストックス数に応じて異なる割合にしたがって、特定演出が実行される。このため、AT中における特定演出の実行頻度によって、残りのナビストック数が多いことに対する期待感を異ならせることができる。その結果、AT中においては、特定演出が実行されるか否かに遊技者を注目させることができる。また、ポイント付与演出から特定されるポイント総数が比較的少なかった場合であっても、当該ポイント総数よりも多いポイントが実際には付与されているか否かを、特定演出の実行頻度から推測できるため、ATにより長く制御されることに対する期待感を持続させるとともに、面白味のある遊技を提供することができ興趣を向上することができる。
(1−3) 前述した実施の形態においては、図28で示したように、報知態様A〜Cのうち報知態様BあるいはCで9枚役のナビ演出が実行されることを、特定演出の一例として説明した。これにより、AT中においては、9枚役のナビ演出がどの報知態様で実行されるかに遊技者を注目させることができる。また、9枚役のナビ演出が報知態様BあるいはCで実行される頻度から、残りのナビストック数を推測するといった面白味のある遊技を提供することができ、興趣を向上することができる。
(1−4) 前述した実施の形態においては、図32で示したように、ART演出の背景が昼から夕方あるいは夜に変更される演出を、特定演出の一例として説明した。これにより、ART中においては、ART演出の背景がどの種類で実行されるか、あるいはART演出の背景が昼であるときに夕方あるいは夜に変更されるかに遊技者を注目させることができ、残りのナビストック数を推測するといった面白味のある遊技を提供することができ、興趣を向上することができる。
(2−1) 前述した実施の形態においては、図10(a)で示したように、フリーズの種類として、回転前フリーズのみを発生させる第1フリーズ、第2フリーズと、回転前フリーズを発生させた後さらに回転後フリーズを発生させる第3フリーズとが設けられており、図10(b)で示したフリーズ抽選用テーブルを用いて抽選されて実行される。このため、スタートスイッチ7が操作されてから所定時間にわたり回転前フリーズを発生させた後にリール回転が開始することによりストップスイッチ8L〜8R各々が有効化される場合と、リール回転が開始した後において、第1フリーズや第2フリーズが発生した場合であればストップスイッチ8L〜8R各々が有効化されているときに、さらに回転後フリーズを発生させる場合とを生じさせることができる。その結果、たとえば、第3フリーズが実行された場合には、回転前フリーズを発生させた後、本来であればストップスイッチ8L〜8R各々が有効化されているタイミング(図15のタイミング4〜タイミング5参照)であるにも関わらず、ストップスイッチ8L〜8Rを操作しても対応するリールが停止されないといった意外性のあるフリーズを発生させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2−2) 図15(f)欄のタイミング4aで示したように、回転後フリーズに対応するフリーズ演出が、回転後フリーズが開始されたタイミング4から、T3よりも短い予め定められた時間(たとえば、1秒など)が経過したときから開始される。すなわち、リール回転が開始されたことに伴ないストップスイッチ8L〜8Rを操作させたが対応するリールが停止されないといった違和感を遊技者に抱かせたところで、回転後フリーズに対応するフリーズ演出が開始される。回転後フリーズが発生していることに対する驚きを遊技者に抱かせることができるとともに、回転後フリーズに対応するフリーズ演出が実行されることによりストップスイッチ8L〜8Rが故障していると誤認させてしまう不都合の発生を未然に防止することができる。
(2−3) 前述した実施の形態における第1フリーズと第3フリーズとにより、回転前フリーズが実行される時間は、共通のT1に設定されている。このため、遊技者は、回転前フリーズが実行されている時間から第1フリーズであるか第3フリーズであるかを特定することができない。その結果、回転後フリーズが発生していることに対しより大きな驚きを遊技者に抱かせることができる。
(2−4) 図10(b)で示すフリーズ抽選用テーブルは、第1フリーズが発生した場合よりも、第2フリーズあるいは第3フリーズが発生した場合の方が、遊技者にとって有利なボーナスであるビッグボーナスに当選している可能性が高くなるように当選率が設定されている。また、図25(b)および(c)で示すボーナス当選時のAT抽選用テーブルは、ボーナス当選時に第1フリーズが発生した場合よりも、第2フリーズあるいは第3フリーズが発生した場合の方が、より多いナビストック数に当選する可能性が高くなるように当選率が設定されている。このため、回転前フリーズがT1よりも長いT2に亘り実行されることに対する期待感、および回転前フリーズがT1に亘り実行されたときにはその後回転後フリーズが実行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、回転前フリーズが短いT1で終了した後において回転後フリーズが実行された場合には、遊技者の期待感を一旦低下させた後において再び向上させることができるため、より一層の驚きと喜びとを遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3−1) ポイント関連処理のS104における差数対応報知抽選では、図22(a)および(b)で示すテーブルが参照され、報知するか否かおよび付与ポイントを正確に報知するか否かを、すでに実行されたポイント付与演出から特定される報知ポイント総数と実際に付与されている付与ポイント総数との差数に応じた確率で決定される。さらに、差数対応報知抽選では、差数が小さいときよりも差数が大きいときの方が、高い割合で報知するに決定されるとともに、高い割合で付与ポイントあるいは当該付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように報知ポイントが決定される。これにより、差数が大きくなり過ぎてしまうこと、およびポイント付与演出から特定されるポイントの信頼性が低くなり過ぎてしまうことを防止することができる。
(3−2) ポイント関連処理のS106における総数対応報知抽選では、図23(a)および(b)で示すテーブルが参照され、報知するか否かおよび付与ポイントを正確に報知するか否かを、実際に付与されている付与ポイント総数に応じた確率で決定される。さらに、総数対応報知抽選では、付与ポイント総数が多いときよりも付与ポイント総数が少ないときの方が、高い割合で報知するに決定されるとともに、高い割合で付与ポイントあるいは当該付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように報知ポイントが決定される。一方、付与ポイント総数が少ないとき程、遊技者はポイントが報知されたか否かに対する注目度合いが高い。よって、ポイント付与演出に対する遊技者の注目度合いが高い段階においては、付与されたポイントに相当する期待感および安心感を高い割合で遊技者に抱かせることができる。
(3−3) 図29〜図31で示したように、RT中において9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときには、ATに制御されているか否かに関わらず、所定の割合にしたがって非ATナビ抽選が行なわれ、ナビ演出を実行すると決定されたときに当該当選している9枚役の種類に対応するナビ演出が行なわれる。このため、RTに制御されているときには、ATに制御されているか否かに関わらず、当選した9枚役の取りこぼしを低減することができる。その結果、少ないポイントしか付与されずATに制御されなかったことや、ATに制御されたが決定されたナビストック数が少なかったために短い期間で終了してしまったことなどに対し、遊技者が抱く不快感を軽減することができ、ATに制御されていないときに遊技の興趣が極端に低下してしまう不都合の発生を防止することができる。
(3−4) 図27で示したように、報知促進条件が成立したときには、報知促進条件が成立していないときよりも遊技者にとって有利となるように、ナビストック数が設定される。このため、少ないポイントしか付与されなかったときであっても、報知促進条件が成立することにより、ATに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、報知促進条件が成立したときに設定されるストック数は、AT抽選で設定されるストック数に上乗せされる。このため、報知促進条件が成立することに対する有利性を遊技者が体感しやすくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図22(a)および図23(a)で示したように、ポイント付与条件が成立したときであっても、報知抽選で報知しないと決定されたときには、ポイント付与演出が実行されない。このため、ポイント付与演出が実行されなかったときであっても、実際にはポイントが付与されていることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図20で示したように、メロン当選したときには、所定の抽選で当選したときにポイント付与条件が成立する。また、ポイント付与条件が成立してポイントが付与されたときであっても、報知抽選で報知しないと決定されたときには、ポイント付与演出が実行されない。一方、メロン当選したときには、操作手順に関わらず、入賞が発生する。このため、メロン入賞したときにポイント付与演出が実行されず所定の抽選で当選しなかったかのような印象を抱かせる場合でも、実際には所定の抽選で当選しておりポイントが付与されていることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図22(b)および図23(b)で示したように、報知抽選で報知すると決定されたときであっても、実際に付与された付与ポイントよりも少ないポイントが付与された旨を報知するポイント付与演出が実行され得る。このため、ポイント付与演出から少ないポイントしか特定されなかったときであっても、実際にはより多いポイントが付与されていることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 図20で示したように、ポイント付与条件は、確率状態が30あるいは50ゲーム消化するまで継続される高確率状態や、複数ゲームに亘り制御されるボーナス中に成立し得る。このため、高確率状態に制御されることに対する期待感を抱かせることができる。また、ボーナスに制御されることに対しより一層大きな期待感を抱かせることができる。さらに、高確率状態やボーナスなど複数ゲームに亘り継続する状態における遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 準備モードやRTにおいて入賞することにより終了させて通常遊技状態へ制御する契機となる転落リプレイは、図8(a)で示したように、第1停止させるリールの種類に応じて、転落リプレイに入賞する場合と、転落リプレイ入賞を回避する場合とが振り分けられるため、リール停止させるときの面白みを向上させることができる。
また、本実施の形態における転落リプレイ入賞を回避する際に、停止操作タイミングを考慮する必要がないため、リール停止させる際に生じる遊技者の負担を軽減することができる。
(8) ボーナス中において、ポイント付与条件成立契機となる役は図20(b)に示すようにメロンや9枚役であるのに対し、報知促進条件成立契機となる役は図27に示すようにイチゴ(1)やイチゴ(2)である。すなわち、ボーナス中においては、メロン、9枚役、イチゴ(1)、およびイチゴ(2)など複数の入賞役に当選することにより、より高い割合で1以上でかつより多いナビストック数に決定されることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 報知促進条件成立契機となるイチゴ(1)やイチゴ(2)に当選しているときには、図8(b)で示したように、中リール2Cについて特殊リール制御が行なわれる。このため、ボーナス中において、特殊リール制御が行なわれたときにのみ停止可能となる出目(中リール2Cの中段に図柄番号4または5の図柄停止)となったときに、報知促進条件が成立したことを遊技者が認識することができる。よって、ボーナス中においては、停止される出目に遊技者を集中させることができるとともに、出目から報知促進条件の成否を特定するといった面白みを付加することができる。
また、ボーナス中以外において確率状態が高確率状態であるときであって、イチゴ(1)やイチゴ(2)に当選したときには、図20(a)で示したように、ポイント付与条件が成立する。よって、ボーナス中以外においても、高確率状態であるときには、停止される出目に遊技者を集中させることができるとともに、ポイント付与演出のみならず出目からもポイント付与条件が成立してポイントが付与されたことを遊技者が認識することができる。
(10) 図27で示したように、ボーナス中において、イチゴ(2)に当選せずにイチゴ(1)単独で当選して報知促進条件が成立したときよりも、イチゴ(2)に当選して報知促進条件が成立したときの方が、多いナビストック数が設定される。また、図8(b)で示したように、イチゴ(2)当選を条件として、中リール2Cの中段に図柄番号4の図柄を停止させる特殊リール制御を実行することができる。よって、ボーナス中において、中リール2Cの中段に図柄番号4の図柄が停止されることにより、イチゴ(1)単独当選時よりも遊技者にとって有利なイチゴ(2)に当選し報知促進条件が成立したことを遊技者が認識することができ、より一層の面白みを付加することができる。
(11−1) 前述した実施の形態においては、図6(a)などを参照して説明したように、ボーナス終了後に準備モードに制御し、準備モードにおいて、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選しているときで当該9枚役を取りこぼしたときにのみ導出され得る特殊出目が停止されたときに、遊技者にとって有利なRTへ制御し、準備モードにおいて転落リプレイが入賞したときに通常遊技状態に制御される。このため、ボーナス終了後の準備モードにおいて転落リプレイが入賞するよりも先に特殊出目が停止された場合に、RTに制御させることができる。
この通常遊技状態へ移行させRTへの移行を阻止する契機となる転落リプレイは、図8(a)で説明したように、リプレイ+転落リプレイが当選したか、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイが当選したかによって、入賞させるための操作手順および入賞を回避させるための操作手順が各々異なるように、リール制御が行なわれる。
また、準備モードにおいてATに制御されたとき、すなわちAT準備モードにおいては、図30などで説明したように、転落リプレイ当選時に同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行される。
以上より、ボーナス終了後において、RTの前段階の遊技状態として準備モードに制御され、当該準備モードにおいて転落リプレイ入賞するよりも先に特殊出目が停止された場合にのみRTに制御される。この準備モードにおいて、ATに制御されたとき、すなわちAT準備モードにおいては、転落リプレイに当選したときであっても、ナビ演出にしたがって、当該転落リプレイ入賞を回避させるための操作手順で操作することができる。一方、準備モードにおいてATに制御されなかったとき、すなわち非AT準備モードにおいては、転落リプレイ入賞を意図的に回避することができず、特殊出目の出現率よりも転落リプレイの入賞率の方が高いため、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに入賞して通常遊技状態に制御されてしまう可能性が高まる。さらに、図7(b)および(c)に示すように、準備モードであるときにはRTであるときよりも、転落リプレイの当選率が高くなるように判定値数が設定されており、転落リプレイ入賞してRTに制御されずに通常遊技状態に制御されてしまう可能性がより一層高い。その結果、RTの前段階となる準備モードにおいてATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いにメリハリをつけることができ、AT準備モードに制御されることに対する期待感を効果的に高め、遊技の興趣を向上させることができる。
また、RTにおいても同様に、RTにおいてATに制御されたとき、すなわちARTにおいては、転落リプレイ当選時に同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行される。このため、ARTにおいては、転落リプレイに当選したときであっても、ナビ演出にしたがって、当該転落リプレイ入賞を回避させるための操作手順で操作することができる。一方、RTにおいてATに制御されなかったとき、すなわち非ARTにおいては、転落リプレイ入賞を意図的に回避することができず、転落リプレイ当選時において転落リプレイに入賞して通常遊技状態に制御されてしまう可能性が高まる。その結果、RTにおいてもATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いにメリハリをつけることができ、ARTに制御されることに対する期待感を効果的に高め、遊技の興趣を向上させることができる。
(11−2) 第2AT抽選の抽選条件は、図24に示すように、通常遊技状態であるときには、ボーナス当選したときのみ成立するのに対し、準備モードやRTにおいてATに制御されていないときには、ボーナス当選したときのみならず、所定回数ゲーム消化したときにも成立する。また、第2AT抽選で、ナビストック数が1以上に決定されATに制御する決定がされる割合、およびより多いナビストック数に決定される割合は、通常遊技状態であるときに参照されるテーブル(図25(a)のテーブル)よりも、準備モードに制御されているときに参照されるテーブル(図25(b)、(d)のボーナス当選時のテーブル)や、RTにおいてATに制御されていないときに参照されるテーブル(図25(d)のボーナス当選時のテーブル)の方が高くなるように当選率が設定されている。すなわち、準備モードに制御されているときや、RTにおいてATに制御されていない非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも遊技者にとって有利となるようにAT抽選される。このため、準備モードや非ARTにおいても、遊技者はATに制御されることに対する期待感を抱きながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(11−3) 非AT準備モードや非ARTにおいては、図24に示すように、30ゲーム消化するまでの間において5ゲーム消化する度に抽選条件が成立し、第2AT抽選が行なわれる。すなわち、非AT準備モードや非ARTにおいては、非AT中に所定回数ゲーム消化する度に抽選条件が成立して第2AT抽選が行なわれる。このため、非AT準備モードや非ARTにおいては、遊技者は所定回数ゲーム消化する毎に段階的にATに制御されることに対する期待感を抱きながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図25(d)の30G消化時のテーブルに示すように、準備モードやRTにおいては、非AT中に転落リプレイ入賞を発生させずに30ゲーム消化することにより、第2AT抽選においてATに制御することが決定され、必ずATに制御される。このため、非AT準備モードや非ARTにおいては、転落リプレイ入賞を発生させずに30ゲーム消化することを最終目標として設定し遊技を進行するといった面白みを付加することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、非AT中の消化ゲーム数により必ずATに制御する契機となる条件は、非AT中に消化したゲーム数が予め定められたゲーム数(30ゲーム)に到達すること、非AT準備モード中に消化したゲーム数が予め定められたゲーム数(15ゲーム)に到達すること、非ART中に消化したゲーム数が予め定められたゲーム数(15ゲーム)に到達すること、非AT中において当選した転落リプレイの入賞を回避したゲーム数が予め定められたゲーム数(たとえば、3ゲーム)に到達すること、非AT中に特定の入賞役に当選したゲーム数が予め定められたゲーム数(たとえば、3ゲーム)に到達することなどにより成立するものであってもよい。
また、図25(d)の5G〜30G消化時のテーブルに示すように、ATに制御される割合およびより多いナビストック数に決定される割合がゲーム消化に応じて段階的に高くなるように、非AT中において所定回数ゲーム消化する度に第2AT抽選が行なわれる。これにより、非AT中において消化したゲーム数に応じてATに制御されることに対する期待感を異ならせることができる。すなわち、消化したゲーム数に比例してATに制御されることに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(12) 前述した実施の形態における準備モードからRTへの移行契機となる特殊出目は、図5(b)などで説明したように、9枚役当選時において当該9枚役を取りこぼす操作手順で操作されたときにのみ入賞ライン上に停止されるように、リール制御が行なわれる。これにより、準備モードにおいて9枚役に当選しながら取りこぼしてしまった場合には、9枚役入賞の発生に伴い払出されるメダルを獲得することができず不利益が生じるが、特殊出目が停止されて遊技者にとって有利なRTに制御されるため、当該不利益を補填することができる。
AT準備モードにおいて9枚役に当選したときであっても、ナビ演出が実行されない。これにより、ナビ演出にしたがって停止操作し、9枚役に入賞させることができるもののいつまでたってもRTに制御されないといった不都合が発生することを未然に防止することができる。
一方、ARTにおいて9枚役に当選したときには、ナビ演出が実行される。これにより、ナビ演出にしたがって停止操作することにより、9枚役入賞の発生に伴い払出されるメダルを獲得することができる。また、このように小役の取りこぼし時に停止可能となる出目を準備モードからRTへの移行契機に設定したことにより、たとえば移行契機となる入賞役を新たに設定するなどの必要がなく、スロットマシンの開発段階における設計上の負担を軽減することができる。
(13) 前述した実施の形態においては、図25(d)のボーナス当選時のテーブルに示すように、非AT準備モードや非ARTにおいてボーナス当選したときには、ボーナスに制御されることに加えて、当該ボーナス終了後においてAT準備モードに制御され、ナビ演出に基づき停止操作を誤らない限りARTに制御される。このため、非AT準備モードや非ARTにおいて、ボーナス当選することに対する期待感をより強く抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前述した実施の形態においては、図25(b)および(c)のテーブルに示すように、AT準備モードやARTにおいてボーナス当選したときにも、ボーナスに制御されることに加えて、当該ボーナス終了後においてAT準備モードに制御され、ナビ演出に基づき停止操作を誤らない限りARTに制御される。このため、ボーナスを挟んで、ATに連続的に制御されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述した実施の形態においては、準備モードやRTにおいてボーナス当選したときには、ATであるか否かに関わらず、当該ボーナス終了後においてAT準備モードに制御され、ナビ演出に基づき停止操作を誤らない限りARTに制御される例について説明したが、これに限らず、準備モードやRTにおいてボーナス当選したときであっても、非ATであるときにのみ当該ボーナス終了後において必ずATに制御され、ATであるときには所定の確率で当選した場合にしかATに制御されるように構成してもよい。この場合には、非ATにおいてボーナス当選することにより、非AT中に被った損失を事後的に補填することができる。また、準備モードやRTにおいてボーナス当選したときであっても、ATであるときにのみ当該ボーナス終了後において必ずATに制御され、非ATであるときには所定の確率で当選した場合にしかATに制御されないように構成してもよい。この場合には、ATにおいてボーナス当選することにプレミアを付加することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
(A) 前述した実施の形態において、図27で示したように、報知促進条件が成立したときに、ナビストックを設定する例について説明した。しかし、報知促進条件が成立したときには、AT制御に関し遊技者にとって有利となる処理が実行されるものであればよい。たとえば、報知促進条件が成立したときには、所定数のポイント(たとえば、5ポイント)を付与するものであってもよく、図17および図18に示すテーブルが参照されたときよりも高い割合で1以上でかつより多いナビストック数が決定されるように当選率が設定されたテーブルを参照して第1AT抽選が行なわれるものであってもよく、図17および図18においてナビストックとして必ず1以上が決定されるポイント(たとえば、図17であれば「6」、あるいは付与ポイント総数との関係で合計が「6」以上となるポイントなど)を付与するものであってもよい。このような構成によれば、ポイント付与条件が成立することにより付与されたポイント総数が比較的遊技者にとっての有利度合いが低いポイント数であっても、報知促進条件が成立することにより、ATに制御されることに対し実際に付与されたポイント総数よりも大きな期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(B) 前述した実施の形態において、準備モードやRTを終了させる契機となる転落リプレイについては、図8(a)で示したように、停止順が所定の停止順であるときに入賞を回避できる例について説明した。また、非ARTであっても所定の割合でナビ演出が実行される9枚役(1)〜(9)については、停止操作タイミングが所定の停止操作タイミングであるときに入賞させることができる例について説明した。
しかし、転落リプレイについては、9枚役(1)〜(9)と同様に、当選した役の種類に応じた所定の停止操作タイミングであることを条件として、入賞回避させることができるものであってもよい。
たとえば、非ARTであっても所定の割合でナビ演出が実行される入賞役として、9枚役(1)(構成図柄:「赤7−ANY−ANY」)、9枚役(2)(構成図柄:「白7−ANY−ANY」)、9枚役(3)(構成図柄:「BAR−ANY−ANY」)を設定し、準備モードやRTを終了させる契機となる入賞役として、転落リプレイ(1)(構成図柄:「白イチゴ/黒イチゴ−ANY−赤7)、転落リプレイ(2)(構成図柄:「白イチゴ/黒イチゴ−ANY−白7)、転落リプレイ(3)(構成図柄:「白イチゴ/黒イチゴ−ANY−BAR)を設定してもよい。
この場合、9枚役(1)〜(3)については、当選している役の種類に応じた所定の停止操作タイミングで、左リール2Lを停止させる操作がなされたことを条件として入賞させることができる。たとえば、9枚役(1)に当選しているときには、左リール2Lについて、「赤7」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングで停止操作されたことを条件として、当該9枚役(1)を入賞させることができる。
また、転落リプレイ(1)〜(3)についても、当選している役の種類に応じた所定の停止操作タイミングで、右リール2Rを停止させる操作がなされたことを条件として入賞回避させることができる。たとえば、転落リプレイ(1)に当選しているときには、右リール2Rについて、「赤7」を入賞ラインに引き込み不可能なタイミングで停止操作されたことを条件として、当該転落リプレイ(1)の入賞を回避させることができる。
これにより、転落リプレイの入賞を回避させる場合において、誤って左リール2Lを停止操作した場合であっても、右リール2Rについて当選している役の種類に応じた所定の停止操作タイミングで停止させる操作を行なうことにより転落リプレイの入賞を回避させることができる。また、9枚役を入賞させる場合において、誤って右リール2Rを停止操作した場合であっても、左リール2Lについて当選している役の種類に応じた所定の停止操作タイミングで停止させる操作を行なうことにより9枚役を入賞させることができる。
また、上記のように、転落リプレイ入賞の回避および9枚役(1)〜(9)入賞のための操作手順を当選した役の種類に応じた所定の停止操作タイミングとした場合、転落リプレイに関するナビ演出および9枚役に関するナビ演出は、ともに、たとえば、「赤7」図柄に対応する「赤」を想起させる赤情報と、「白7」図柄に対応する「白」を想起させる白情報と、「BAR」図柄に対応する「黒」を想起させる黒情報とを特定可能に報知する情報報知手段(たとえば、液晶表示器51、所定のランプ、所定の7セグメント表示器など)を用いて、赤情報、白情報、黒情報のいずれかを報知することによる共通の報知態様で実行されるように構成してもよい。
赤情報は、たとえば、液晶表示器51に主に赤色が用いられた赤キャラクタを表示させる演出や、赤色を特定可能なランプを点灯させる演出(たとえば、赤色に対応して設けられたランプを点灯、あるいは点灯色を赤色とする)などであってもよい。同様に、白情報とは、主に白色が用いられた白キャラクタを表示させる演出や白色を特定可能なランプを点灯させる演出(たとえば、白色に対応して設けられたランプを点灯、あるいは点灯色を白色とする)であってもよく、黒情報とは、主に黒色が用いられた黒キャラクタを表示させる演出や黒色を特定可能なランプを点灯させる演出(たとえば、黒色に対応して設けられたランプを点灯、あるいは点灯色を黒色とする)であってもよい。
具体的に、たとえば、転落リプレイ(1)に当選しているときには、右リール2Rについて「赤7」を入賞ラインに引き込み不可能なタイミングで停止操作されたことを条件として当該転落リプレイ(1)の入賞を回避させることができるため、当該「赤7」を入賞ラインに引き込み不可能なタイミングとなる位置に配列されている「BAR」図柄に対応する「黒」を想起させる黒情報を情報報知手段により報知することによりナビ演出を実行してもよい。同様に、転落リプレイ(2)に当選しているときには「赤7」図柄に対応する「赤」を想起させる赤情報を、転落リプレイ(3)に当選しているときには「白7」図柄に対応する「白」を想起させる白情報を、情報報知手段により報知することによりナビ演出を実行してもよい。また、9枚役(1)に当選しているときには、左リール2Lについて「赤7」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングで停止操作されたことを条件として当該9枚役(1)を入賞させることができるため、当該「赤7」図柄に対応する「赤」を想起させる赤情報を報知手段により報知することによりナビ演出を実行してもよい。同様に、9枚役(2)に当選しているときには「白7」図柄に対応する「白」を想起させる白情報を、9枚役(3)に当選しているときには「BAR」図柄に対応する「黒」を想起させる黒情報を、情報報知手段により報知することによりナビ演出を実行してもよい。
これにより、ナビ演出により報知される色に関する情報が、転落リプレイを回避するための情報であるか9枚役(1)〜(9)を入賞させるための情報であるかを特定する必要がなく、情報報知手段により共通の報知態様で報知される色に関する情報にしたがってリール2L〜2Rについて停止操作することにより、転落リプレイ入賞を回避できまた当選している9枚役を入賞させることができる。
また、9枚役(1)〜(9)については、転落リプレイと同様に、当選した役の組合せの種類に応じた所定の停止順であることを条件として、入賞させることができるものであってもよい。たとえば、当選した役の組合せに応じた所定の停止順で停止操作されたときに、対応する9枚役を入賞させることができ、当該所定の停止順以外で停止操作されたときに、対応する9枚役を入賞させることができないようにリール制御が行なわれるように構成してもよい。
これにより、転落リプレイの入賞を回避させる場合、および9枚役を入賞させる場合のいずれにおいても、いわゆる目押しを行なう必要がなくなるため、停止操作に伴う遊技者の負担を軽減することができる。
また、上記のように、転落リプレイ入賞の回避および9枚役(1)〜(9)入賞のための操作手順を当選した役の種類に応じた所定の停止順とした場合、転落リプレイに関するナビ演出および9枚役に関するナビ演出は、ともに、たとえば、停止順を想起させる停止順情報を特定可能に報知する情報報知手段(たとえば、液晶表示器51、所定のランプ、所定の7セグメント表示器など)を用いて、停止順を報知することによる共通の報知態様で実行されるように構成してもよい。
停止順情報は、たとえば、液晶表示器51に停止順を表示させる演出(たとえば、第1停止させるリールが左リール2Lであるときには「左」といったメッセージを表示)や、リール2L〜2R各々に対応して設けられたランプのうち停止順を特定可能に点灯させる演出(たとえば、第1停止させるリールが左リール2Lであるときには左リール2Lに対応するランプを点灯)であってもよい。
これにより、ナビ演出により報知される停止順情報が、転落リプレイを回避するための情報であるか9枚役(1)〜(9)を入賞させるための情報であるかを特定する必要がなく、情報報知手段により共通の報知態様で報知される停止順情報にしたがってリール2L〜2Rについて停止操作することにより、転落リプレイ入賞を回避できまた当選している9枚役を入賞させることができる。
(C) 前述した実施の形態における総数対応報知抽選では、図19のS110で更新される付与ポイント総数に応じて抽選を行なう例について説明した。しかし、総数対応報知抽選は、図19のS109で更新される報知ポイント総数に応じて抽選を行なうように構成してもよい。この場合における総数対応報知抽選では、図23(a)および(b)で示すテーブルが参照され、報知するか否かおよび付与ポイントを正確に報知するか否かを、それまでに報知された報知ポイント総数に応じた確率で決定される。さらに、この場合における総数対応報知抽選では、報知ポイント総数が多いときよりも報知ポイント総数が少ないときの方が、高い割合で報知するに決定されるとともに、高い割合で付与ポイントあるいは当該付与ポイントにより近いポイントが付与された旨が報知されるように報知ポイントが決定される。一方、報知ポイント総数が少ないとき程、遊技者はポイントが報知されたか否かに対する注目度合いが高い。よって、ポイント付与演出に対する遊技者の注目度合いが高い段階においては、付与されたポイントに相当する期待感および安心感を高い割合で遊技者に抱かせることができる。
(D) 前述した実施の形態においては、非ART中において、当選した9枚役の種類を特定可能なナビ演出を実行するか否かが、9枚役に当選する毎に決定される例について説明した。しかし、非ART中において、当選した9枚役の種類を特定可能なナビ演出を実行するか否かは、非ARTに制御されるときに当該非ARTにおいて9枚役に当選したときにナビ演出を実行するか否かを決定するように構成してもよい。この場合、ナビ演出を実行すると決定された非ARTにおいては、9枚役に当選したときに必ず当選した9枚役の種類に対応するナビ演出が実行される。これにより、非ARTに制御される毎に、9枚役のナビ演出が実行される非ARTに制御されることに対する期待感を抱かせることができる。
また、前述した実施の形態においては、ATに制御されているか否かに関わらず、9枚役当選時にナビ演出を実行する遊技状態がRTである例について説明した。しかし、たとえばRT移行契機となる特殊出目が9枚役取りこぼし時に導出される出目でない場合には、準備モードにおいても、ATに制御されているか否かに関わらず、9枚役当選時にナビ演出を実行するように構成してもよい。これにより、ATに制御されなかったことに対する不快感をより一層低減することができる。
(E) 前述した実施の形態におけるポイント関連処理において、S110において更新される付与ポイント総数が上限である場合であっても、S109において更新される報知ポイント総数が上限でない場合には、S103以降の処理が実行されるように構成してもよい。これにより、付与ポイント総数が上限となった後であっても、報知ポイント総数が上限に達していないときには、付与ポイント総数が上限となる前と同じ制御が行なわれる。その結果、付与ポイント総数が上限となった後にポイント付与演出が実行されないといった不都合の発生を防止することができる。なお、報知ポイント総数が上限となった場合には、ポイント関連処理を実行しないように構成してもよい。これにより、無駄な処理が行なわれることを防止することができる。
(F) 前述した実施の形態においては、図19のS104やS106における報知抽選において、S102で設定された付与ポイントよりも遊技者にとって有利度合いが低い、すなわち付与ポイント以下のポイントが報知ポイントとして決定される例について説明した。しかし、図19のS104やS106における報知抽選において決定される報知ポイントは、報知後においても報知ポイント総数が実際に付与されている付与ポイント総数以上とならないポイントから決定されるものであれば、S102で設定された付与ポイントよりも遊技者にとって有利度合いが高い、すなわち付与ポイントより多いポイントが報知ポイントとして決定されるように構成してもよい。
図33は、報知抽選において用いられるテーブルの一例であって、差数対応報知抽選において付与ポイントより多いポイントが報知ポイントとして決定され得るテーブルを説明するための図である。
この変形例における差数対応報知抽選でも、図33(a)の差数対応テーブルAを参照して、差数に応じてポイントを報知するか否かの抽選が行なわれる。図33(a)の差数対応テーブルAは、図22(a)のテーブルと同じであるため説明を省略する。
図33(a)の差数対応テーブルAを参照して、報知するに決定された場合には、さらに図33(b)の差数対応テーブルBを参照して、S102において設定された付与ポイントおよび差数に応じて、報知ポイントを決定する抽選が行なわれる。
付与ポイントが「1」である場合で、差数が「0〜1」である場合には、報知ポイントとして、100%の割合で今回の報知ポイントを報知した後の報知ポイント総数と今回付与された付与ポイントが加算された付与ポイント総数との差数である報知後差数が「0」となるポイントに決定される。具体的に、報知ポイントは、(差数ー報知後差数+付与ポイント)となる。この場合において、差数が「1」であるとすると、報知ポイントは、(1−0+1)=ポイント「2」に決定される。このように、付与ポイントよりも多いポイントが報知される。
付与ポイントが「1」である場合で、差数が「2〜3」である場合には、報知後差数が、15%の割合で「0」に決定され、25%の割合で「1」に決定され、60%の割合で「2」に決定される。
付与ポイントが「1」である場合で、差数が「4」である場合には、報知後差数が、10%の割合で「1」に決定され、20%の割合で「2」に決定され、30%の割合で「3」に決定され、40%の割合で「4」に決定される。
以下、同様に、付与ポイントおよび差数から特定される振分率にしたがって、報知後差数が決定され、(差数ー報知後差数+付与ポイント)を算出することにより報知ポイントが決定される。
たとえば、付与ポイントが「3」であり、差数が「3」である場合で、報知後差数として「1」が決定されたときには、報知ポイントとして、(3−1+3)=ポイント「5」に決定される。
以上のように、付与ポイントより多いポイントが報知ポイントとして決定され得るテーブルを用いて報知抽選した場合には、たとえば差数が大きくなり過ぎたときであっても、付与ポイントよりも遊技者にとっての有利度合いが高いポイントを報知ポイントとして報知することにより、差数を小さくすることができる。このため、報知ポイント総数の信頼性を向上させやすくすることができる。
(G) 前述した実施の形態における転落リプレイに関するナビ演出および9枚役(1)〜(9)に関するナビ演出が、液晶表示器51において操作手順を特定するためのメッセージを表示することによる共通の報知態様で実行される例について説明した。しかし、ナビ演出を実行する構成は、スロットマシンに搭載された所定のランプや、所定の7セグメント表示器など、共通の報知態様で所定の演出を実行可能なものであればどのようなものであってもよい。
(H) 前述した実施の形態においては、準備モードやRTを終了させる契機となる入賞役として再遊技役である転落リプレイが設定され、非ARTであっても所定の割合でナビ演出が実行される入賞役として小役である9枚役(1)〜(9)が設定されている例について説明した。しかし、準備モードやRTを終了させる契機となる入賞役は、再遊技役に限らず、所定の小役、入賞により次の1ゲームをボーナスに制御するシングルボーナスなどであってもよい。また、非ARTであっても所定の割合でナビ演出が実行される入賞役は、小役に限らず、所定の再遊技役、シングルボーナスなどであってもよい。
(I) 前述した実施の形態における第1AT抽選では、図17および図18に示したように、通常付与ポイント総数やボーナス中付与ポイント総数が多い程、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれる例について説明したが、これに限らず、通常付与ポイント総数やボーナス中付与ポイント総数が少ない程、高い割合でATに制御され、かつ高い割合でより多いナビストック数に決定されることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるように構成してもよい。
この場合においては、前述したポイント付与条件が成立しなかったときであっても、あたかもポイントが付与されたかのようにポイント付与演出が実行されるように構成してもよい。また、ポイント付与条件が成立して実際に付与されたポイントよりも多いポイントが付与されたかのようにポイント付与演出が実行されるように構成してもよい。また、このようなポイント付与演出を実行するか否かについては、付与ポイント、差数、付与ポイント総数、報知ポイント総数のうち少なくともいずれかに応じて異なる確率で決定するように構成してもよい。
これにより、ポイント付与演出が実行されたときや多いポイントが付与された旨が報知されたときであっても、実際にはより少ないポイントあるいはポイントが付与されていないことに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技者にとって有利に第1AT抽選が行なわれることに対する期待感を持続させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(J) 前述した実施の形態における第1AT抽選では、通常付与ポイント総数やボーナス中付与ポイント総数が多い程、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれる例について説明したが、これに限らず、付与ポイント総数が所定数(たとえば「0」)以下であるときに、当該所定数よりも大きい付与ポイント総数であるときよりも、遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれるように構成してもよい。具体的には、付与ポイント総数が「0」であるときに、付与ポイント総数が上限値である「5」または「10」であるときと同じ当選率で、AT抽選が行なわれるように構成してもよい。これにより、付与ポイント総数が所定数以下となることに対する期待感も遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(K) ナビストック数が残存している状態でボーナス当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(たとえば「0」)する処理を行なうものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行なうものであってもよく、所定数減算する処理を行なうものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行なうものであってもよく、また当該ボーナス当選毎にいずれの処理を行なうかを決定し、該決定された処理を行なうものであってもよい。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(L) 前述した実施の形態においては、付与ポイント数が減算されない例について説明したが、所定の減算条件(たとえば、特定の入賞役に当選)したことを条件として、付与ポイント数から所定数減算するように構成してもよい。この場合、減算されたポイント数として、実際に減算されたポイント数を報知するか、実際に減算されたポイント数よりも多いポイント数を報知するように構成してもよい。実際に減算されたポイント数を報知するか、実際に減算されたポイント数よりも多いポイント数を報知するかについては、付与ポイント、差数、付与ポイント数、報知ポイント数のうち少なくともいずれかに応じて異なる確率で決定するように構成してもよい。このように構成した場合には、ポイントが付与された後も、ポイントが減算されることに対する緊張感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(M) 前述した実施の形態における、第1AT抽選および第2AT抽選においては、ATに制御される長さに対する期待値に相当するナビストック数を決定する例について説明した。しかし、第1AT抽選および第2AT抽選においては、ナビストック数に限らず、ATに制御される確率(突入率)および所定数ゲーム(たとえば50ゲーム)消化してATが終了した後に再びATに制御する確率(継続率)を決定するように構成してもよい。この場合、AT抽選において決定された突入率にしたがってATに制御するか否かを決定し、所定数ゲーム消化してATが終了したときにAT抽選において決定された継続率にしたがってATに制御するか否かを決定するように構成してもよい。
また、前述した実施の形態においては、ATに制御されると、所定数ゲーム(たとえば50ゲーム)消化するまで当該ATを継続させる例について説明したが、これに限らず、転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数(たとえば10回など)に到達するまで当該ATを継続させるように構成してもよい。
(N) 高確率状態であるときに当選することにより100%ポイント付与条件を成立させるイチゴ(1)、イチゴ(2)に当選したときには、所定数のポイントが100%報知される例について説明したが、これに限らず、当選しかつ入賞したこと、あるいは当選しかつ図8(b)に示すイチゴ当選時にのみ停止される出目が出現したことにより、所定数のポイントを報知するようにし、当選したが入賞しなかった場合には報知抽選にしたがって報知するようにしてもよい。
(O) 前述した実施の形態において、たとえば9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選しているときに関して当選した9枚役の種類を引き込み可能な操作タイミングで停止操作したときには、引き込み不可能な操作タイミングで停止操作したときよりも、9枚役入賞を発生させ9枚メダルが払出される点において、遊技者にとって有利度合いが高くなる制御が行なわれる例や、転落リプレイに当選しているときに関して同時当選したリプレイの種類に応じて当該転落リプレイ入賞を回避するための回避手順で停止操作したときには、当該回避手順で停止操作したときよりも、たとえばRT中であるときには当該RTが継続される点において、遊技者にとって有利度合いが高くなる制御が行なわれる例などについて説明した。しかし、遊技者にとって有利度合いが高くなる制御としては、たとえば、以下の制御であってもよい。
(O−1) たとえば入賞に伴なうメダル払出枚数が異なる種類の小役が同時当選し得る場合には、同時当選している小役の種類に応じた所定の有利手順と異なる手順で操作が受付けられたときにメダル払出枚数が少ない小役を入賞させる制御を行ない、有利手順で操作が受付けられたときにメダル払出枚数が多い小役を入賞させる制御を行なうものであってもよい。これにより、メダル払出枚数が異なる種類の小役が同時当選したゲームにおいて、有利手順で操作されたときの方が、有利手順と異なる手順で操作されたときよりも、遊技者が獲得する遊技価値が多くなる点で、遊技者にとって有利度合いが高くなるといえる。
(O−2) たとえば、準備モードである場合において、9枚役(1)〜(9)のいずれかに入賞したときに遊技者にとって不利な遊技状態(たとえば、特殊出目が導出してもRTに制御されない状態、リプレイの当選確率がRTよりも低い状態など、いわゆる不利RT)に制御され、9枚役(1)〜(9)を取りこぼしたときに導出され得る特殊出目が導出されると遊技者にとって有利な遊技状態(たとえば、RT)に制御され、AT準備モードであるときに9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときに当該9枚役の種類に応じたナビ演出を実行するように構成し、AT準備モードにおいて9枚役当選時に当該種類に応じたナビ演出を実行するスロットマシンにおいては、当選した9枚役の種類を引き込み可能な操作タイミングで停止操作したときに当該9枚役を入賞させて不利な遊技状態に移行され、当選した9枚役の種類を引き込み不可能な操作タイミングで停止操作したときに、9枚役を取りこぼし9枚メダル払出を受けることができないが、特殊出目を導出させて遊技者にとって有利な状態となるRTに制御するものであってもよい。これにより、AT準備モードにおいて9枚役に当選したゲームにおける有利度合いは別にして、当選した9枚役の種類を引き込み不可能な操作タイミングで停止操作したときの方が、当選した9枚役の種類を引き込み可能な操作タイミングで停止操作したときよりも、当該ゲーム以降のゲームにおいてRTに制御される点で、遊技者にとって有利度合いが高くなるといえる。
また、たとえば、前述したリプレイが1枚払出を伴なう1枚小役で、転落リプレイが1枚よりも多い枚数メダル払出を伴なう特定小役であり、1枚小役、特定小役、BARリプレイが前述した実施の形態と同様に同時当選し、同時当選の組合せに応じた停止手順により特定小役入賞を回避できる場合においては、RT中において特定小役に当選したときに、同時当選の組合せに対応する有利手順(図8(a)参照)と異なる手順で操作が受付けられたときに特定小役の入賞が発生してRTが終了し、所定の結果に対応する有利手順で操作が受付けられたときに1枚小役の入賞が発生して当該RTが維持されるものであってもよい。これにより、RT中において特定小役に当選したゲームにおける有利度合いは別にして、特定小役入賞を回避する手順で操作されたときの方が、特定小役入賞を回避する手順と異なる手順で操作されたときよりも、当該ゲーム以降のゲームにおいてRTが終了せずに維持される点で、遊技者にとって有利度合いが高くなるといえる。
(O−3) たとえば、9枚役(1)〜(9)各々とメロンとが同時当選し得るスロットマシンにおいて、9枚役のいずれかとメロンとが同時当選したときに、当選した9枚役とメロンとの組合せに対応する有利手順と異なる手順で操作が受付けられたときに所定の非有利割合(たとえば、1/9)で9枚役を入賞させ、有利手順で操作が受付けられたときに、所定の非有利割合よりも高い所定の有利割合(100%)でメロンを入賞させる制御を行なうものであってもよい。これにより、9枚役のいずれかとメロンとが同時当選した場合、有利手順で操作されたときの方が、有利手順と異なる手順で操作されたときよりも、高い割合で、9枚メダルを獲得できる点において、遊技者にとって有利度合いが高くなるといえる。
また、たとえば、9枚役(1)〜(9)各々とメロンとが同時当選し得るスロットマシンにおいて、9枚役のいずれかとメロンとが同時当選したときに、当選した9枚役とメロンとの組合せに対応する有利手順と異なる手順で操作が受付けられたときに所定の非有利割合(たとえば、1/9)で所定の非有利量(9枚メダル払出)を伴なう9枚役を入賞させ、有利手順で操作が受付けられたときに、所定の有利割合(たとえば、100%)で所定の有利量(9枚メダル払出)を伴なうメロンを入賞させるもので、かつ(有利割合)×(有利量)>(非有利割合)×(非有利量)の関係を満たすものあってもよい。これにより、9枚役のいずれかとメロンとが同時当選した場合、有利手順で操作されたときの方が、有利手順と異なる手順で操作されたときよりも、遊技者が獲得する遊技価値の量の期待値が大きくなる点において、遊技者にとって有利度合いが高くなるといえる。
(P) 前述した実施の形態においては、付与ポイント総数に応じて遊技者にとって有利度合いが異なる報知条件(たとえば、図17および図18、各種割合)を設定し、該報知条件にしたがって第1AT抽選を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、付与ポイント総数から一義的に特定される長さ(ナビストック数、所定ゲーム数消化する期間、ナビ演出を所定回数実行する期間など)に亘りATに制御されるように、第1AT抽選を行なうように構成してもよい。
たとえば、第1AT抽選においては、付与ポイント総数から一義的にナビストック数が設定されるように構成してもよい。より具体的には、付与ポイント総数が所定数(たとえば2)に対しナビストック数として所定数(たとえば1)が設定され、たとえば付与ポイント総数が「6」であるときには、ナビストック数として「3(6/2)」が設定されるように構成してもよい。
また、第1AT抽選における他の例としては、付与ポイント総数から一義的にATに制御可能なゲーム数が設定されるように構成してもよい。より具体的には、付与ポイント総数が所定数(たとえば1)に対しATに制御可能なゲーム数として所定数(たとえば10)が設定され、たとえば付与ポイント総数が「6」であるときには、ATに制御可能なゲーム数として「60(6×10)」が設定されるように構成してもよい。このように構成した場合であっても、上記した同様の効果を奏する。
その他の変形態様について
(1) 前述した実施の形態においては、図7(b)および(c)に示すように、RTであるときよりも準備モードであるときの方が、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率が高くなるように判定値数が設定されている例について説明した。しかし、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、準備モードであるときよりもRTであるときの方が高くなるように設定されているものであってもよい。
たとえば、準備モードおよびRTにおける1ゲーム当りの転落リプレイの判定値数が、図34(b)および(c)に示す判定値数に設定されているものであってもよい。図34は、変形例における、遊技状態および設定値に基づいて取得される各抽選対象役および判定値数を示す図である。なお、図34(a)、(d)および(e)は、各々、図7(a)、(d)および(e)に示す判定値数と同じであるため説明を省略する。
図34(b)は、遊技状態がボーナス終了後に制御される準備モードであるときであって、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイであるときに「105」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「8880」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「8880」が、判定値数として取得される。
図34(c)は、遊技状態が準備モードであるときに特殊出目が停止することにより制御されるRTであるときであって、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイであるときに「15000」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「16450」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「16450」が、判定値数として取得される。
このように判定値数が設定されている場合であっても、前述した実施の形態と共通する構成においては、同じ効果を奏する。すなわち、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、転落リプレイの判定値数の合計数から、通常遊技状態であるときに5120/65536≒8%であり、準備モードであるときに17760/65536≒27%であり、RTであるときに32900/65536≒50%であり、内部中RTであるときに10000/65536≒15%である。これより、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、転落リプレイが入賞したとしても遊技状態が維持される通常遊技状態や内部中RTであるときよりも、転落リプレイが入賞することにより通常遊技状態に制御されるという不利益を被る準備モードおよびRTであるときの方が、高くなるように設定されている。
また、準備モードにおける1ゲーム当りの特殊出目の出現率は、9枚役(1)〜(9)の判定値数および取りこぼし率から、(9000/65536)×(8/9)≒12%となる。すなわち、図34に示す判定値数に設定されている場合であても、準備モードにおいては、特殊出目の出現率よりも、転落リプレイの当選率が高くなるように設定されている。このため、準備モードにおいては、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに当選する可能性が高いといえる。よって、たとえば非AT準備モードである場合、転落リプレイ入賞して、通常遊技状態に制御され易いといえる。
また、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率に着目し対比すると、準備モードであるときよりもRTであるときの方が、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率が高くなるように設定されている。これにより、RTにおいては、準備モードであるときよりも、転落リプレイに当選して入賞する可能性をより一層高めることができる。よって、たとえば非ARTである場合、非AT準備モードよりも、転落リプレイ入賞して、通常遊技状態に制御され易いといえる。
また、図8(a)で示した転落リプレイに関するリール制御を考慮した場合であっても、次の効果を奏する。まず、準備モード中であるときの1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、27%であるため、図8(a)で示すリール制御を考慮すると転落リプレイの入賞率は13.5%となる。よって、転落リプレイを入賞させることなく消化可能となる非AT準備モード中の平均ゲーム数は、転落リプレイの入賞率から、約7.4ゲームとなる。これより、演出状態がATに制御されていないにも関わらず、準備モードが長期間にわたり継続して制御されることを未然に防止することができ、準備モードが維持され難く通常遊技状態に制御され易くすることができる。
また、準備モード中であるときの転落リプレイの入賞率は、依然として、RT制御への契機となる特殊出目の出現率の12%よりも高い。このため、準備モードにおいて、転落リプレイを偶然取りこぼす確率を加味しても、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに当選する可能性が高いといえる。このため、非AT準備モードであるときには、内部当選状況を把握することができず、転落リプレイの入賞率と特殊出目の出現率とから、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに当選して入賞する可能性が高まるため、通常遊技状態に制御され易くRTに制御され難くすることができる。
一方、AT準備モードであるときには、内部当選状況を把握することができ、転落リプレイの当選率が高確率であるとしても意図的に転落リプレイ入賞を回避することができる。このため、AT準備モードであるときには、通常遊技状態に制御されることを回避でき、特殊出目を停止させることにより結果的にRTに制御させることができる。
すなわち、遊技者にとって有利なRTに制御される前段階の遊技状態として準備モードを設け、当該準備モードにおける演出状態がATに制御されていないときには、準備モードから通常遊技状態に制御され易くすることによりRTに制御され難くし、当該準備モードにおける演出状態がATに制御されているときには、確実にRTに制御させることができる。このため、準備モードにおける演出状態がATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いの差が大きくなりメリハリをつけることができるため、演出状態がATに制御されることに対する期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、RT中であるときの1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、50%であるため、図8(a)で示すリール制御を考慮すると転落リプレイの入賞率は25%となる。よって、転落リプレイを入賞させることなく消化可能となる非ART中の平均ゲーム数は、転落リプレイの入賞率から、約4ゲームとなる。これより、演出状態がATに制御されていないにも関わらず、運良くRTに制御されたとしても、当該RTが長期間にわたり継続して制御されることを未然に防止し、通常遊技状態に制御され易くすることができる。
一方、ARTであるときには、内部当選状況を把握することができ、転落リプレイの当選率が高確率であるとしても意図的に転落リプレイ入賞を回避することができる。このため、ARTであるときには、通常遊技状態に制御されることを回避でき、結果的にRTを維持させることができる。
すなわち、非AT準備モードから運良く非ARTに制御されたとしても、通常遊技状態に制御され易くすることによりRTを維持し難くし、ARTであるときには確実にRTを継続させることができる。このため、RTにおける演出状態がATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いの差が大きくなりメリハリをつけることができるため、演出状態がATに制御されることに対する期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率について、RTであるときよりも準備モードであるときの方が高くなるように判定値数が設定されているスロットマシンであってもよく、準備モードであるときよりもRTであるときの方が高くなるように判定値数が設定されているスロットマシンであってもよい例について説明した。しかし、RTであるときよりも準備モードであるときの方が高くなるように判定値数が設定されているRTと準備モードとの組合せと、準備モードであるときよりもRTであるときの方が高くなるように判定値数が設定されているRTと準備モードとの組合せとを併せ持つスロットマシンであってもよい。
たとえば、準備モードおよびRT各々が複数種類設けられており、たとえば、第1種類の特別遊技状態(たとえばビッグボーナス)終了後において第1種類の準備モードに制御され、該第1種類の準備モードにおいて所定の有利条件が成立すると第1種類のRTに制御され、準備モードおよびRTにおいて所定の終了条件が成立すると通常遊技状態に制御される一方、第2種類の特別遊技状態(たとえばレギュラーボーナス)終了後において第2種類の準備モードに制御され、該第2種類の準備モードにおいて所定の有利条件が成立すると第2種類のRTに制御され、準備モードおよびRTにおいて所定の終了条件が成立すると通常遊技状態に制御されるスロットマシンにおいて、第1種類の準備モードと第1種類のRTとの組合せについてはRTであるときよりも準備モードであるときの方が高くなるように判定値数が設定されており、第2種類の準備モードと第2種類のRTとの組合せについては準備モードであるときよりもRTであるときの方が高くなるように判定値数が設定されているものであってもよい。これにより、どの種類の準備モードに制御されるのかに対し遊技者の期待感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態において、準備モードは転落リプレイに入賞することにより終了して通常遊技状態に制御される例について説明したが、転落リプレイに入賞したとしても通常遊技状態に制御されずに準備モードに継続して制御するものであってもよい。すなわち、準備モードは、特殊出目が停止されるか、ボーナス当選あるいは入賞するまで継続して制御するものであってもよい。この場合、たとえば、準備モードにおいて当選した9枚役の種類毎に対応する特定の操作手順でストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときにだけ特殊出目を停止させるリール制御が行なわれるようにするとともに、AT準備モードにおいてのみ9枚役に当選したときに当該9枚役の種類あるいは当該9枚役の種類に対応する特定の操作手順を特定可能な情報を報知するナビ演出を行なうように構成してもよい。これにより、前述した実施の形態と同様に、準備モードにおいてATに制御されるか否かに応じて特殊出目の出現率が異なり、たとえばATに制御されているときには特殊出目を停止させることができRTに制御され易くなるが、ATに制御されていないときには特殊出目を停止させることが困難となりRTに制御され難くすることができる。その結果、準備モードにおいてATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いにメリハリをつけることができ、AT準備モードに制御されることに対する期待感を効果的に高め、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態において、ナビストック数を1消費することにより、所定回数ゲーム消化する間ATに制御する例について説明したが、これに限らず、ナビストック数は転落リプレイのナビ演出を実行する毎に1消費するようにしてもよい。ナビストック数は、RTにおいてATに制御する期間を特定する値であればどのようなものであってもよい。
(4) 前述した実施の形態において、所定回数ゲーム消化により実行される第2AT抽選において、非AT準備モードであるときと、非ARTであるときとで同じテーブル(図25(d)参照)を用いる例について説明したが、これに限らず、非AT準備モードであるときと、非ARTであるときとで有利度合いが異なるテーブル、すなわちAT当選する確率やより多いナビストック数に決定される割合が異なるテーブルを用いて第2AT抽選が行なわれるようにしてもよい。これにより、仮に、非AT準備モードであるときの方が、非ARTであるときよりも有利な第2AT抽選が行なわれるようにした場合には、準備モードであるときの方がRTであるときよリプレイ当選確率が低いことによる損失を補填することができる。また、非ARTであるときの方が、非AT準備モードであるときよりも有利な第2AT抽選が行なわれるようにした場合には、RT中の有利度合いを高めることができる。
(5) 前述した実施の形態において、所定回数ゲーム消化により実行される第2AT抽選においては、ATに制御される割合およびより多いナビストック数に決定される割合がゲーム消化に応じて段階的に高くなる例について説明した。これにより、非AT中において転落リプレイに入賞せずに極力多い回数ゲーム消化することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、これに限らず、所定回数ゲーム消化により実行される第2AT抽選においては、ATに制御される割合あるいはより多いナビストック数に決定される割合がゲーム消化に応じて段階的に低くなるようにしてもよい。これにより、非AT中において極力早い段階でAT当選することに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 前述した実施の形態において、ボーナス当選したときの遊技状態が、準備モードであるか、RTであるか、通常遊技状態であるか、演出状態がATであるか、あるいは確率状態が高確率状態であるかに関わらず、遊技者にとっての有利度合いが同じテーブルを用いて第1AT抽選を行なう例について説明したが、これに限らず、ボーナス当選したときの遊技状態が、準備モードであるか、RTであるか、通常遊技状態であるか、演出状態がATであるか、あるいは確率状態が高確率状態であるかのうち、少なくともいずれかに応じて、遊技者にとって有利度合いが異なるテーブルを用いて第1AT抽選を行なうようにしてもよい。また、前述した実施の形態において、準備モードにおいてボーナス当選したときには、AT中であるか否かに関わらず、遊技者にとっての有利度合いが同じテーブルを用いて第2AT抽選を行なう例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて、遊技者にとって有利度合いが異なるテーブルを用いて第2AT抽選を行なうようにしてもよい。また、RTにおいてボーナス当選したときには、AT中であるか否かに応じて、遊技者にとって有利度合いが異なるテーブルを用いて第2AT抽選を行なう例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに関わらず、遊技者にとっての有利度合いが同じテーブルを用いて第2AT抽選を行なうようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態において、RTは規定ゲーム(たとえば100ゲーム)消化することにより終了するものであってもよい。また、特殊出目の種類によって有利度合い(リプレイ当選率、規定ゲーム数)が異なるRTに制御するようにしてもよい。これにより、RTのバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 前述した実施の形態において、特殊出目を入賞ラインに停止させるリール制御は、遊技状態に関わらず、9枚役当選時において当該9枚役を取りこぼしたときにのみ行なわれる例について説明した。しかし、特殊出目を入賞ラインに停止させるリール制御は、9枚役当選時において当該9枚役を取りこぼしたときで、かつ遊技状態が準備モードであるときにのみ行なわれるように構成してもよい。これにより、通常遊技状態において特殊出目が停止されたにも関わらずRTに制御されないことにより、遊技者の混乱を招く不都合の発生を未然に防止することができる。
また、前述した実施の形態においては、通常遊技状態であるときに特殊出目が停止されたときであっても、RTに制御されない例について説明したが、これに限らず、通常遊技状態においても低確率でRTに制御されるように構成してもよい。また、通常遊技状態において特殊出目のうち特別出目(たとえば、図5(b)に示す特殊出目のうち赤7−ブランク(1)−ブランク(1))が停止されたときにのみRTに制御されるように構成してもよい。これにより、通常遊技状態から直接RTに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
(9) 前述した実施の形態においては、AT抽選において、ボーナス当選するまでATに制御する特別ナビストック数が決定され得るようにしてもよい。これにより特別ナビストック数に当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。この場合、特別ナビストック数は、準備モードにおいてボーナス当選したときにおいて、通常遊技状態においてボーナス当選したときよりも、AT抽選において高確率で当選するようにしてもよい。また、特別ナビストック数は、準備モードにおいてボーナス当選したときにおいて、RTにおいてボーナス当選したときよりも、AT抽選において高確率で当選するようにしてもよい。これにより、準備モードにおいてボーナス当選することにプレミアを付加することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(10) 前述した実施の形態においては、特別役に当選しているときであってさらに払出枚数が賭数3以上の小役(以下、通常小役という)に当選しているゲームにおいては、当該通常小役に対応する図柄組合せを優先して導出させ、特別役に当選しているときであってさらに払出枚数が賭数3よりも少ない小役(以下、特定小役という)が設けられている場合であって、当該特定小役が当選しているゲームにおいては、特定小役に対応する図柄組合せよりもビッグボーナスやレギュラーボーナスに対応する図柄組合せを優先して導出させるリール制御を行なう例について説明した。このようなリール制御に加えて、以下のリール制御を行なうように構成してもよい。
メダルの払出枚数が賭数と同じ同等小役と、特別役が当選しているときには、たとえば、特別役よりも同等小役を優先的に入賞させるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、同等小役に入賞させて払い出されたメダルで次のゲームを開始でき当該ゲームにおいて通常小役に当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。また、同等小役と特別役とが当選しているときには、同等小役よりも特別役を優先的に入賞させるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、特別役を入賞させるまでに要するゲーム数およびメダル数を低減させることができる。
また、イチゴのように入賞ライン数に応じてメダルの払出枚数が変化し、たとえば、賭数以下となるときと賭数よりも多くなるときとがあり得る特殊小役について、当該特殊小役と、特別役とが当選しているときには、払出枚数が賭数より多くなるように特殊小役を入賞させることが可能な操作手順で操作されたときに、特別役よりも特殊小役を優先的に入賞させるようにリール制御を行ない、払出枚数が賭数以下となるようにしか特殊小役を入賞させることができない操作手順で操作されたときに、特殊小役よりも特別役を優先的に入賞させるようにリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、操作手順をも考慮して、遊技者にとって不利なゲーム結果となる表示結果が導出されることを極力低減することができ、遊技者にとって有利なゲーム結果となる表示結果を優先的に導出させることができる。
なお、特別役に当選しているときであってさらに小役に当選しているゲームにおいては、当選している小役の払出枚数に関わらず、特別役よりも小役に対応する図柄組合せを優先して導出させるリール制御を行なうものであってもよい。
また、通常小役と特定小役とを抽選対象役として同時に読出して抽選するように構成してもよい。このように構成した場合には、たとえば、特別役の当選が持ち越されている状態で、通常小役と特定小役とが当選した場合には、特別役、通常小役、および特定小役に同時に当選している状況になる。この場合には、特別役および特定小役よりも通常小役を優先的に入賞させるリール制御を行ない、通常小役を入賞させることができないときに特定小役よりも特別役を優先的に入賞させるリール制御を行ない、通常小役および特別役を入賞させることができないときに特定小役を入賞させるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、通常小役と特定小役とが同時に当選した場合であっても、遊技者にとって不利なゲーム結果となる表示結果が導出されることを極力低減することができ、遊技者にとって有利なゲーム結果となる表示結果を優先的に導出させることができる。
(11) 前述した実施の形態において、ボーナス当選報知後、ボーナスを入賞させるチャンスタイミングであることを報知するチャンス演出を行なう例について説明した。チャンス演出としては、当選しているボーナスの種類、当該ボーナスを入賞させるための操作手順など、遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出を行なうように構成してもよい。
(12) 前述した実施の形態におけるスロットマシンが流通する業界においては、出荷前段階において第三者機関による検査(型式試験)が義務づけられており、当該型式試験において所定の基準を満たしていると判定された機種のみ遊技場への出荷が許されるといった特別な事情を有している。また、近年においては、射倖性が高まり過ぎないようにするために、スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定した試験を行なえるようにすることが求められている。
そこで、前述した実施の形態におけるスロットマシンにおいては、このような特別な事情およびニーズを考慮して、“スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定して試験を行なうことができる情報”を出力するための“出力手段”をさらに備えるものであってもよい。以下、図35を参照して、遊技制御基板、演出制御基板、および入出力基板を“出力手段”の一例として説明し、推奨操作手順情報を“スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定して試験を行なうことができる情報”の一例として説明する。図35は、型式試験を行なうための試験装置1200と試験に用いる試験用情報を入出力するための入出力基板1100が搭載されたスロットマシンの制御回路の一例を示すブロック図である。
スロットマシン1から試験装置1200に出力される試験用情報には、図35に示すように、ゲーム開始および当選状況を特定するための当選状況情報、リールモータ32L〜32R各々の回転位置(たとえば、所定位置のステップ番号、下段に位置している図柄の領域番号など)を特定するための回転位置情報、ナビ演出の有無などを考慮して実際に遊技者によって操作されることが予測される推奨操作手順を特定するための推奨操作手順情報が含まれる。なお、スロットマシン1から試験装置1200に出力される試験用情報には、入賞が発生したことおよびその種類を特定するための入賞情報やメダルが払い出されたことを特定するための払出情報など、その他の情報が含まれる。
また、試験装置1200からスロットマシン1に入力される試験用情報には、図35に示すように、ゲームを開始するために賭数設定やリール回転などゲームを開始させるためのゲーム開始情報、リールを停止させるなどゲームを終了させるためのゲーム終了情報が含まれる。
スロットマシン1に搭載された入出力基板1100には、遊技制御基板40と電気的に接続するためのコネクタ1101と、演出制御基板90と電気的に接続するためのコネクタ1102と、試験装置1200と電気的に接続するためのコネクタ1103とが設けられている。前述した型式試験は、入出力基板100と試験装置1200とがコネクタにより接続された状態で、各種情報を入出力させることにより行なわれる。以下、型式試験が行なわれる際の各種情報の流れおよび動作について、具体的に説明する。
まず、試験装置1200は、スロットマシン1においてゲームを開始させるために、ゲーム開始情報を出力する。当該ゲーム開始情報は、入出力基板1100を介して遊技制御基板40に入力される。これにより、遊技制御基板40のメイン制御部41においては、ゲームを開始させるための処理(BET処理において賭数設定、抽選処理、リール回転処理など)を行なう。
そして、遊技制御基板40のメイン制御部41は、ゲーム開始時に当選状況情報を生成して出力する。当該当選状況情報は、入出力基板1100を介して試験装置1200に入力される。これにより、試験装置1200において、ゲームが開始されたこと、および当選状況を特定することができる。
また、遊技制御基板40のメイン制御部41は、リール回転に応じて回転位置情報を生成して出力する。当該回転位置情報は、たとえばリールモータ32L〜32R各々の168ステップのうち所定位置に存在するステップを特定するための情報であって、入出力基板1100を介して試験装置1200に入力される。これにより、試験装置1200において、リール2L〜2R各々について現在の回転位置を特定することができる。
また、演出制御基板90のサブ制御部91は、当選状況等に応じて推奨操作手順情報を生成して出力する。当該推奨操作手順情報は、入出力基板1100を介して試験装置1200に入力される。これにより、試験装置1200において、推奨操作手順を特定することができる。
試験装置1200は、回転位置情報から特定されるリール2L〜2Rの現在の回転位置に基づき、推奨操作手順情報から特定される推奨操作手順でリール2L〜2R各々を停止させるためのゲーム終了情報を生成して出力する。当該ゲーム終了情報は、入出力基板1100を介して遊技制御基板40に入力される。これにより、遊技制御基板40のメイン制御部41においては、ゲーム終了情報にしたがってリール2L〜2R各々を停止させ、ゲームを終了させるための処理(リール回転処理、入賞判定処理、払出処理など)を行なう。これにより、推奨操作手順でリール2L〜2R各々を停止させることができる。
以上のように、入出力基板1100を介して、スロットマシン1と試験装置1200との間で情報の入出力が繰り返し行なわれ、自動的にゲームを繰り返し行なうことができる。その結果、自動的にスロットマシン1についての型式試験を行なうことができる。
推奨操作手順は、前述したように、スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定して試験を行なうことができるようにするための情報であればよい。たとえば、推奨操作手順は、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出(たとえば、チャンス演出等)によって遊技者に実際に停止させようとする図柄組合せを導出させるための操作手順であり、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときには所定の操作手順(小役取りこぼしを最小限に抑える手順、いわゆるDDT打法、KKK打法など)であってもよい。
具体的に、推奨操作手順とは、前述したチャンス演出が実行されるときには実際に停止させようとする図柄組合せが当選しているボーナスであるため、当該ボーナスの組合せを導出させるための操作手順をいう。これにより、試験装置1200では、回転位置情報から特定されるリール2L〜2R各々の現在の回転位置が推奨操作手順情報から特定されるリール2L〜2R各々の位置となったときに、対応するリールを停止させるためのゲーム終了情報を出力する。その結果、推奨操作手順でリール2L〜2R各々を停止させることができ、スロットマシン1において当選しているボーナス入賞を発生させることができる。
これにより、推奨操作手順情報が入力される試験装置においては、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出によって遊技者に実際に停止させようとする図柄組合せを導出させるための推奨操作手順を特定することができる。その結果、推奨操作手順で操作された場合の結果に基づいて型式試験を行なうことができるため、スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定して試験を行なうことができる。
また、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときにおける推奨操作手順は、所定の操作手順(操作手順によって取りこぼしが発生する所定の小役を含む場合において当該所定の小役取りこぼしを最小限に抑える手順、いわゆるDDT打法、KKK打法など)であってもよい。たとえば、ボーナスの当選の有無を認識していない遊技者は、通常、所定の小役を極力入賞可能とさせるように停止操作することが考えられる。なぜなら、当選している所定の小役を取りこぼしてしまう可能性を最小限に抑えることができるためである。すなわち、所定の小役を入賞可能とさせるように停止操作することにより、所定の小役を入賞させないように停止操作した場合と比較して、たとえば、所定の小役に当選しているときには確実に入賞させることができ、また所定の小役に当選しておらず他の小役(たとえば、取りこぼしなしの小役)に当選していたときには当該当選している小役を引き込むことができ、取りこぼしてしまう可能性を最小限に抑えることができるためである。これにより、たとえば所定の小役を入賞させることができない操作手順と比較して、所定の小役を入賞させる操作手順で停止操作することにより、小役を取りこぼしてしまう可能性を低減させることができる。
なお、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときにおける推奨操作手順は、任意の操作手順(いわゆるオヤジ打ち)であってもよい。なぜなら、遊技演出が行なわれていないときに、遊技者は、ゲームの進行を迅速にすることを考慮して、目押しをせずにゲームを進行することが考えられるためである。この場合の推奨操作手順情報とは、リール2L〜2R各々について領域番号0〜20を特定可能な情報をいう。
これにより、推奨操作手順情報が入力される試験装置においては、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときであっても、遊技者に実際に停止させようとする図柄組合せを導出させるための推奨操作手順を特定することができる。その結果、推奨操作手順で操作された場合の結果に基づいて型式試験を行なうことができるため、スロットマシンが市場に出荷されて実際に遊技者によって遊技された場合を想定していわゆるAT中でないときについても試験を行なうことができる。
なお、当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときに出力する推奨操作手順情報は、所定の操作手順(小役取りこぼしを最小限に抑える手順、いわゆるDDT打法、KKK打法など)を特定するための第1情報と、任意の操作手順(いわゆるオヤジ打ち)を特定するための第2情報とを出力するように構成してもよい。これにより、試験装置1200においては、必要に応じて第1情報または第2情報を用いて当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときの試験を行なうことができ、実際に遊技者によって遊技された場合により近い状態で当選状況に関連する情報を報知する遊技演出が行なわれていないときの試験を行なうことができる。
サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドおよび遊技状態コマンドに基づき、第1のストローブ信号を出力し、左リール2Lについての領域番号を特定するためのデータを出力し、第2のストローブ信号を出力し、中リール2Cについての領域番号を特定するためのデータを出力し、さらに、第3のストローブ信号を出力し、右リール2Rについての領域番号を特定するためのデータを出力することにより、推奨操作手順情報の出力を完了する。これにより、入出力基板1100を介して推奨操作手順情報が試験装置1200に入力される。そして、試験装置1200側においては、推奨操作手順情報から各リールについての停止操作すべき位置を特定することができ、回転位置情報から特定される回転位置を考慮して、ゲーム終了情報を出力し、推奨操作手順で各リールを停止させることができる。
なお、推奨操作手順が、リール停止順序をも含む場合には、サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドおよび遊技状態コマンドに基づき、第1のストローブ信号を出力し、第1停止させるリールについての領域番号を特定するためのデータを出力し、第2のストローブ信号を出力し、第2停止させるリールについての領域番号を特定するためのデータを出力し、さらに、第3のストローブ信号を出力し、第3停止させるリールについての領域番号を特定するためのデータを出力することにより、推奨操作手順情報の出力を完了する。これにより、入出力基板1100を介して推奨操作手順情報が試験装置1200に入力される。そして、試験装置1200側においては、推奨操作手順情報から各リールについての停止操作すべき位置に加えてリール停止順序を特定することができ、回転位置情報から特定される回転位置を考慮して、ゲーム終了情報を出力し、推奨操作手順で各リールを停止させることができる。
なお、型式試験が終了した後においては、前述したコネクタ1103を介して不正な情報を入力するような不正行為が行なわれることが考えられる。これを回避するために、たとえば、コネクタ1103は、入出力基板1100から取り外し可能に設け、出荷段階においては、コネクタ1103を取り外すことができるように構成されていてもよい。また、出荷段階においては、入出力基板1100を搭載させずに出荷するように構成してもよい。これにより、不正な情報を入力するような不正行為を未然に防止することができる。
(13) 前述した実施の形態におけるスロットマシンにおいて、特別役と小役とが同時に当選するように構成してもよい。また、同時に当選する特別役と小役の組合せは、次のようなものであってもよい。ここでは、特別役として、ボーナス(A)とボーナス(B)を例示し、このボーナス(A)および(B)は、各々、所定のオレンジ(構成図柄の組合せ:オレンジ−オレンジ−オレンジ)またはプラム(構成図柄の組合せ:プラム−プラム−プラム)といった15枚払出の小役のいずれかと1枚(1)または1枚(2)といった1枚払出の小役のいずれかとが内部抽選において同時に抽選対象役として読み出され、同時に読み出されたビッグボーナスと小役とが重複して当選し得るように構成される例について説明する。抽選対象役として読み出される組合せは、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が含まれる。なお、ボーナス(A)およびボーナス(B)とは、次のような組合せであってもよい。たとえば、ボーナス(A)は、前述した実施の形態におけるビッグボーナス(1)で、ボーナス(B)は、前述した実施の形態におけるビッグボーナス(2)であってもよい。
これらボーナス(A)、ボーナス(B)、オレンジ、プラム、1枚(1)、1枚(2)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されておらず、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、入賞させることができない組合せが設定されている。
さらに、ボーナス(A)と、当該ボーナス(A)と同時当選し得るオレンジと、1枚(1)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、所定のリールにおいて最大引込範囲である4コマを超えて配列されている。その結果、ボーナス(A)と、当該ボーナス(A)と同時当選し得るオレンジと1枚(1)各々の役は、同時に狙える停止操作位置が存在しないように構成されている。
また、ボーナス(B)と、当該ボーナス(B)と同時当選し得るプラムと、1枚(2)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、所定のリールにおいて最大引込範囲である4コマを超えて配列されている。その結果、ボーナス(B)と、当該ボーナス(B)と同時当選し得るプラムと1枚(2)各々の役は、同時に狙える停止操作位置が存在しないように構成されている。
さらに、オレンジと、1枚(1)と、プラムと、1枚(2)各々の役を構成する図柄(図柄の組合せ)は、所定のリールにおいて最大引込範囲である4コマを超えて配列されているために、同時に狙える停止操作位置が存在しないように構成されている。
入賞役として、このようなボーナス(A)、ボーナス(B)、オレンジ、プラム、1枚(1)、1枚(2)を含むスロットマシンにおいては、さらに以下のような構成を備えるものであってもよい。
(13−1) 従来のスロットマシンでは、取りこぼす可能性のある特定役の当選時に用いるリールの停止制御パターンと、いずれの役も当選していない場合に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとし、特定役を取りこぼした際に、いずれの役も当選していない場合には停止することのない特定の停止態様を停止させることで特定役の取りこぼしを示唆するものがあるが、特定役を取りこぼした際に停止する特定の停止態様を遊技者が知らなければ、当選した特定役を取りこぼしたことを知ることできず、このような場合に単に特定役が当選していなかったのか、当選した特定役を取りこぼしたのか、を判別することが困難である。そこで、次のように構成してもよい。
オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時(全てのリールが変動中においていずれかのリールの停止操作がなされたとき)においてオレンジ役の構成図柄を入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、プラム役の構成図柄を入賞ラインのいずれかに引き込む制御を行ない、残りのリールにおいてプラム役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、プラム役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込む制御を行なう。
また、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時にいずれかの入賞ラインにオレンジ役の構成図柄が停止したが、第2停止時(いずれか2つのリールが変動中において一方のリールの停止操作がなされたとき)においてオレンジ役の構成図柄を第1停止時にオレンジ役の構成図柄が停止した入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされたために、第2停止時点において、オレンジ役の構成図柄が停止している入賞ラインに停止させることができなかった場合でも、第3停止時(いずれか1つのリールが変動中において最後のリールの停止操作がなされたとき)において、第1停止時にオレンジ役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、第1停止時にオレンジ役の構成図柄の停止した入賞ラインにオレンジ役の構成図柄を引き込む制御を行なうようになっている。
すなわち第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合でも、残りのリールについてオレンジ役の構成図柄を入賞ラインに引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、オレンジ役の組合せの一部を入賞ラインに揃える制御を行なうようになっている。
また、プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選し、第1停止時、第2停止時においてプラムを取りこぼした場合にも同様の制御を行なうようになっている。
このため、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合でも、残りのリールについてオレンジ役の構成図柄を入賞ラインに引き込み可能な停止操作位置で停止操作が行なわれた場合に、オレンジ役の組合せの一部が入賞ラインに揃うので、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合であっても、オレンジ役の組合せの一部が入賞ラインに揃うか否かによって、オレンジを取りこぼしたか否かを容易に判別することができる。また、プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選し、第1停止時、第2停止時においてプラムを取りこぼした場合にも同様の効果を有する。
また、この例では、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選し、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合に、指標となる図柄(第1停止時に取りこぼした場合には、プラム役の構成図柄、第2停止時に取りこぼした場合には第1停止時に停止したオレンジ役の構成図柄)をオレンジ役の構成図柄が止まった停止位置とみなし、オレンジを取りこぼしていない場合に用いる停止制御テーブルを用いて停止制御を行なう。このため、オレンジ役の組合せを入賞ラインに停止させるための停止制御テーブルと、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合にオレンジ役の組合せの一部を入賞ラインに停止させる停止制御テーブルと、を別個に用意する必要がなくなるので、第1停止時、第2停止時においてオレンジを取りこぼした場合にオレンジ役の組合せの一部を入賞ラインに揃える制御を行なう場合でも停止制御テーブルの格納容量を削減できる。また、プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選した場合も同様である。
(13−2) 従来のスロットマシンでは、小役の単独当選時に用いるリールの停止制御パターンと、小役と特別役の同時当選時に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとすることでリールの停止態様に応じて特別役の当選に期待を持たせていたが、小役の単独当選時の停止態様と、小役と特別役の同時当選時の停止態様と、が異なるため、その停止態様に応じて特別役に当選しているか否かを遊技者から判別できてしまい、期待感が損なわれてしまうという問題がある。そこで、次のように構成してもよい。
オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、入賞ラインにオレンジ役の組合せを揃える制御を行なう。
そのうち、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選している場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置のうち、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2にのみ揃えることが可能な停止操作位置および入賞ラインL1〜L6のいずれにも揃えることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2に揃える制御を行ない、オレンジ役の組合せを入賞ラインL3、L4にのみ揃えることが可能であり、入賞ラインL1、L2に揃えることができない停止操作位置で停止操作がなされたときのみオレンジ役の組合せを入賞ラインL3、L4に揃える制御を行なう。
これに対して、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選している場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置のうち、オレンジ役の組合せを入賞ラインL3、L4にのみ揃えることが可能な停止操作位置および入賞ラインL1〜L6のいずれにも揃えることが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、オレンジ役の組合せを入賞ラインL3、L4に揃える制御を行ない、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2にのみ揃えることが可能であり、入賞ラインL3、L4に揃えることができない停止操作位置で停止操作がなされたときのみオレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2に揃える制御を行なう。
すなわち、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役の組合せを入賞ラインL3、L4よりも入賞ラインL1、L2に優先して揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役の組合せを入賞ラインL1、L2よりも入賞ラインL3、L4に優先して揃える制御を行なう。
同様にプラム、ボーナス(B)+プラムが当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、プラム役の組合せを入賞ラインL3、L4よりも入賞ラインL1、L2に優先して揃える制御を行ない、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、プラム役の組合せを入賞ラインL1、L2よりも入賞ラインL3、L4に優先して揃える制御を行なう。
このような構成により、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラム、が当選している場合には、オレンジ役またはプラム役の組合せが入賞ラインL1、L2に揃う可能性が高く、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選している場合には、オレンジ役またはプラム役の組合せが入賞ラインL3、L4に揃う可能性が高い。すなわちオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選している場合にオレンジ、プラムが入賞した場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選している場合にオレンジ、プラムが入賞した場合と、でオレンジ役またはプラム役の組合せが揃いやすい入賞ラインが異なる。
以上のようなリール制御を行なうように構成した上で、さらに内部抽選においてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジの当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジの当選確率の比率よりもオレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の比率が高くなる確率にてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の抽選を行なう。同様にプラム、ボーナス(B)+プラムの当選確率の合計値に占めるボーナス(B)+プラムの当選確率の比率よりもプラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)の当選確率の合計値に占めるボーナス(B)+プラム+1枚(2)の当選確率の比率が高くなる確率にてプラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)の抽選を行なう。
これにより、オレンジと1枚(1)のうちオレンジが単独で当選している場合よりもオレンジと1枚(1)が同時に当選している場合の方がボーナス(A)と同時に当選している割合が高まり、プラムと1枚(2)のうちプラムが単独で当選している場合よりもプラムと1枚(2)が同時に当選している場合の方がボーナス(B)と同時に当選している割合が高まることとなるため、オレンジ役またはプラム役の組合せが揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2であるか、入賞ラインL3、L4であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。
さらに、オレンジ役またはプラム役の組合せが揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2であっても、入賞ラインL3、L4であっても、ともに特別役が当選している可能性が示唆されるが、役が揃った入賞ラインから特別役が当選しているか否かを判別することは不可能であり、役がいずれの入賞ラインに揃った場合でも、特別役が当選していることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
なお、この例では、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL3、L4よりも高い割合で入賞ラインL1、L2に揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL1、L2よりも高い割合で入賞ラインL3、L4に揃える制御を行なうようになっているが、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL1、L2のみに揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選しており、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役の組合せを入賞ラインL3、L4のみに揃える制御を行なうようにしてもよい。
また、この例では、内部抽選においてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジの当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジの当選確率の比率と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の比率と、が異なる確率にてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の抽選を行ない、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、オレンジ役の組合せが揃った入賞ラインの違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができるようになっているが、内部抽選においてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の当選確率の比率と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジの当選確率の合計値に占めるボーナス(A)+オレンジの当選確率の比率と、が異なる確率にてオレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)の抽選を行ない、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合と、で優先して揃える入賞ラインが異なるように制御することで、オレンジ役の組合せが揃った入賞ラインの違いによって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしてもよい。プラム、ボーナス(B)+プラム、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)の場合についても同様である。
(13−3) 従来のスロットマシンでは、取りこぼす可能性のある特定役の当選時に用いるリールの停止制御パターンと、いずれの役も当選していない場合に用いるリールの停止制御パターンと、を異なるものとし、特定役を取りこぼした際に、いずれの役も当選していない場合には停止することのない特定の停止態様を停止させることによって、リールの停止態様に変化を持たせるものがあるが、同じタイミングで停止操作を行なって特定役を取りこぼした際に停止する特定の停止態様が1種類しかなく、リールの停止態様が単調となってしまうという問題がある。そこで、次のように構成してもよい。
オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、オレンジ役またはプラム役を除く所定のチャンス目を入賞ラインL3、L4よりも入賞ラインL1、L2に優先して揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選しており、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2よりも入賞ラインL3、L4に優先して揃える制御を行なう。
同様にプラム、ボーナス(B)+プラムが当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、チャンス目を入賞ラインL3、L4よりも入賞ラインL1、L2に優先して揃える制御を行ない、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選しており、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込めない停止操作位置で停止操作がなされた場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2よりも入賞ラインL3、L4に優先して揃える制御を行なう。
これにより、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選している場合にも、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選している場合にも、オレンジ役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、ともにオレンジ役の組合せが入賞ラインに揃うが、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジが当選している場合、すなわちオレンジ、1枚(1)のうちオレンジのみが単独で当選してオレンジを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL1、L2に揃う可能性が高く、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)が当選している場合、すなわちオレンジ、1枚(1)の双方が同時に当選してオレンジを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL3、L4に揃う可能性が高い。同様に、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選している場合にも、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選している場合にも、プラム役の組合せを入賞ラインに引き込むことが可能な停止操作位置で停止操作がなされた場合には、ともにプラム役の組合せが入賞ラインに揃うが、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選している場合、すなわちプラム、1枚(2)のうちプラムのみが単独で当選してプラムを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL1、L2に揃う可能性が高く、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選している場合、すなわちプラム、1枚(2)の双方が同時に当選してプラムを取りこぼした場合には、チャンス目が入賞ラインL3、L4に揃う可能性が高い。
これにより、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、でチャンス目が揃いやすい入賞ラインが異なるため、オレンジ、プラムを取りこぼした際のリールの停止態様を多様化することができる。
なお、チャンス目は、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼしたこと、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼしたことを条件としていずれかの入賞ラインに揃うように制御され、これらの役または役の組合せが当選していない場合には、チャンス目がいずれの入賞ラインにも揃わないようになっている。このため、チャンス目がいずれかの入賞ラインに揃うことで、特別役に当選している可能性が確実に示唆される。
また、この例では、前述のようにオレンジと1枚(1)のうちオレンジが単独で当選している場合よりもオレンジと1枚(1)が同時に当選している場合の方がボーナス(A)と同時に当選している割合が高まり、プラムと1枚(2)のうちプラムが単独で当選している場合よりもプラムと1枚(2)が同時に当選している場合の方がボーナス(B)と同時に当選している割合が高まることとなるため、チャンス目が揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2であるか、入賞ラインL3、L4であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせることができる。
さらに、チャンス目が揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2であっても、入賞ラインL3、L4であっても、ともに特別役が当選している可能性が示唆されるが、チャンス目が揃った入賞ラインから特別役が当選しているか否かを判別することは不可能であり、チャンス目がいずれの入賞ラインに揃った場合でも、特別役が当選していることに対する遊技者の期待感が損なわれてしまうことがない。
なお、この例では、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、でチャンス目が揃いやすい入賞ラインが変化するようになっているが、表示態様の異なるチャンス目1とチャンス目2を定め、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合と、で出現しやすいチャンス目の種類が変化するようにしてもよい。
また、この例では、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL3、L4よりも高い割合で入賞ラインL1、L2に揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2よりも高い割合で入賞ラインL3、L4に揃える制御を行なうようになっているが、オレンジ、ボーナス(A)+オレンジ、プラム、ボーナス(B)+プラムが当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL1、L2のみに揃える制御を行ない、オレンジ+1枚(1)、ボーナス(A)+オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)、ボーナス(B)+プラム+1枚(2)が当選してオレンジ、プラムを取りこぼした場合に、チャンス目を入賞ラインL3、L4のみに揃える制御を行なうようにしてもよい。
また、この例では、オレンジと1枚(1)のうちオレンジが単独で当選している場合よりもオレンジと1枚(1)が同時に当選している場合の方がボーナス(A)と同時に当選している割合が高く、プラムと1枚(2)のうちプラムが単独で当選している場合よりもプラムと1枚(2)が同時に当選している場合の方がボーナス(B)と同時に当選している割合が高くすることで、チャンス目が揃った入賞ラインが、入賞ラインL1、L2であるか、入賞ラインL3、L4であるか、によって特別役の当選に対する遊技者の期待度に変化を持たせるようにしているが、例えば、チャンス目がいずれかの入賞ラインに揃ったときに、後述するRTへ移行するとともに、チャンス目が入賞ラインL1、L2に揃ったときに第1のRTへ移行し、チャンス目が入賞ラインL3、L4に揃ったときに第1のRTとは有利度(RTの終了条件、再遊技役の当選確率、当選役の種類報知の有無または報知割合など)が異なる第2のRTへ移行する構成としてもよく、このような構成とすることで、オレンジ、プラムを取りこぼした際に、リールの表示態様が多様化するばかりでなく、同じチャンス目が入賞ラインに揃う表示態様であっても、オレンジ、プラムが単独で当選している場合においてオレンジ、プラムを取りこぼした際に移行する可能性のあるRTと、オレンジ+1枚(1)、プラム+1枚(2)が当選している場合においてオレンジ、プラムを取りこぼした際に移行する可能性のあるRTと、で有利度を変化させることができる。
(14) 前述した実施の形態において、ビッグボーナスであるかレギュラーボーナスであるかに応じた準備モードやRTに制御されるように構成してもよい。たとえば、ビッグボーナス(1)が終了したときには、ビッグボーナス(2)が終了したときに制御される準備モードよりも有利な状態(たとえば、転落リプレイの当選率が低いなど)に制御されるように構成してもよい。また、ビッグボーナス(1)が終了したとき制御される準備モードから制御されるRTは、ビッグボーナス(2)が終了したとき制御される準備モードから制御されるRTよりも有利な状態(たとえば、リプレイの当選率が高いなど)に制御されるように構成してもよい。この場合、準備モードやRTへの制御の契機となるボーナスの組合せは、左リール・中リール・右リール毎に異なる図柄から構成されるものであってもよい。たとえば、ビッグボーナス(1)が「赤7−ブドウ−メロン」、ビッグボーナス(2)が「ブドウ−白7−BAR」、レギュラーボーナスが「メロン−イチゴ−スイカ」等であってもよい。これにより、ボーナス入賞したときに、いずれのボーナスに入賞したのかを分かりにくくすることができる。その結果、どの種類のRTに制御されるかに制御されるのかを分かりにくくすることができる。
また、このように構成した場合、ボーナス演出は、ボーナスの種類に関わらず同一内容の演出を行なうことにより、制御されているボーナスの種類を遊技者が特定できないようにしてもよい。これにより、ゲーム終了時の図柄の組合せから、ボーナスの種類が遊技者にとって識別しづらくなり、どの種類のボーナスに制御されているか遊技者に気付かせにくくすることができる。このため、ボーナス終了後に制御される準備モードやRTの種類を特定困難にすることができる。
また、このように構成した場合、液晶表示器51の表示画面を、可変表示装置2の透視窓3の領域よりも大きく、かつ遊技者の目線の高さに近くして可変表示装置2の透視窓3よりも視認しやすい位置に設置してもよい。そして、液晶表示器51の表示画面において、可変表示装置2の表示状態に対応させて図柄をスクロール表示させる仮想リールを表示させ、かつ可変表示装置2の表示結果に対応する演出用図柄を変動表示させる仮想リールの入賞ライン上に表示させるように構成してもよい。具体的に、可変表示装置2においてブドウの組合せが導出されたときには、液晶表示器51の表示画面における入賞ライン上に「ブドウ−ブドウ−ブドウ」が停止表示されるように構成してもよい。これにより、遊技者は、仮想リールの表示によって可変表示装置2をほとんど見なくてもゲームを進められるようになる。このようなスロットマシンにおいて、上記の準備モードやRTへの制御の契機となるボーナスのいずれかが入賞したときには、入賞したボーナスの種類に関わらず、液晶表示器51の表示画面における入賞ライン上に共通の「7−7−7」が停止表示されるように構成してもよい。これにより、液晶表示器51を視認してゲームを進行する遊技者にとっては、どの種類のボーナスに入賞したのか特定困難となる。その結果、どの種類の準備モードやRTに制御されるかを分かりにくくすることができる。
また、前述した実施の形態における遊技者にとって有利なRTは、予め定められたゲーム数消化するか、あるいはビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞することにより終了する(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選することにより終了しない)ように構成してもよい。これにより、予め定められたゲーム数消化するまでにビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選してしまったためRTが終了してしまうことにより遊技者に対して損失感を与えてしまうことを回避することができる。また、ボーナスの当選フラグは、入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、予め定められたゲーム数に到達することによってRTが終了した後に、その間に当選したボーナスを入賞させることが可能となるので、RTの終了時にボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
前述したRTのリプレイ当選確率は、獲得するメダルが少なくなる可能性が高いRT、すなわち1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値が賭数の設定に用いたメダル数よりも小さくなるRTとなるように設定されているものであってもよい。1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値とは、たとえば、ある遊技状態において所定回数(たとえば、1万回、10万回)ゲームを行なったときに獲得するメダル枚数を、前記所定回数からリプレイ入賞する回数を差引いた回数で除した値(理論値)をいう。このように構成した場合であって、さらにATに制御されてARTとなった場合には、ナビ演出にしたがって当選した小役を取りこぼさずに入賞させることにより、1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値を賭数設定に用いるメダル数よりも大きくして、遊技者所有のメダル数が増加するように構成してもよい。
(15) 前述した実施の形態におけるRTの終了条件としては、ボーナスに当選すること、転落リプレイに入賞することにより成立する例について説明した。しかし、RTの終了条件としては、これに限らず、さらに、規定ゲーム数消化すること、所定の終了抽選において当選することにより成立するように構成してもよい。また、準備モードの終了条件としては、ボーナス当選、転落リプレイ入賞、特殊出目停止などにより成立する例について説明した。しかし、準備モードの終了条件としては、これに限らず、さらに、規定ゲーム数消化、所定の終了抽選において当選することにより成立するように構成してもよい。これにより、RTや準備モードが終了するタイミングの種類を豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(16) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(17) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(18) 前述した実施の形態の図17、図18においては、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件として、(ア)ナビストック数が1以上に決定されたことを条件としてATに制御するスロットマシンにおいてATに制御すると決定する割合を例示した。しかし、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件として、(イ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて消化したゲーム数が予め決定された到達ゲーム数に到達したことを条件としてATに制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達ゲーム数を決定する割合、(ウ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて当選した転落リプレイの入賞を回避させた回避回数が決定された到達回数に到達したことを条件として報知期間に制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達回数を決定する割合、などであってもよい。
また、前述した実施の形態においては、上記(ア)の場合、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、高い割合でATに制御すると決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選する例について説明した。しかし、上記(イ)の場合も同様に、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より少ない到達ゲーム数を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。また、上記(ウ)の場合も同様に、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より少ない到達回数を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。
前述した実施の形態の図17、図18においては、報知期間に制御する期間に関与する報知条件として、(エ)ATにおいて消化したゲーム数が獲得したナビストック数に応じた終了ゲーム数に到達したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいてナビストック数を決定する割合、すなわち終了ゲーム数を決定する割合を例示した。しかし、報知期間に制御する期間に関与する報知条件として、(オ)ATにおいて予め決定された終了確率にしたがい所定の終了抽選を実行し、該終了抽選で当選したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいて終了確率を決定する割合、(カ)ATにおいて転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が規定回数に到達したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいて規定回数を決定する割合、などであってもよい。
また、前述した実施の形態においては、上記(エ)の場合、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より多いナビストック数、すなわちより多い終了ゲーム数を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選する例について説明した。しかし、上記(オ)の場合も同様に、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より低い終了確率を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。また、上記(カ)の場合も同様に、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より多い規定回数を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。
また、報知条件は、たとえば、(キ)ATにおいて転落リプレイ当選時にナビ演出を実行するか否かを抽選し、当選したときにナビ演出を実行するスロットマシンにおいて、当選確率を決定する割合、などであってもよい。上記(キ)の場合も同様に、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より高い当選確率を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。
また、報知条件は、上記(ア)〜(キ)のいずれであってもよく、また上記(ア)〜(キ)のうち選択的に組合されたものであってもよい。報知条件が上記(ア)〜(キ)のいずれか、また(ア)〜(キ)のうち選択的に組合されたものであっても、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
(19) 上記(18)で示したように、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件として、少なくとも(イ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて消化したゲーム数が予め決定された到達ゲーム数に到達したことを条件としてATに制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達ゲーム数を決定する割合、(ウ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて当選した転落リプレイの入賞を回避させた回避回数が決定された到達回数に到達したことを条件として報知期間に制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達回数を決定する割合、などを採用するスロットマシンにおいては、報知期間に制御されるまでの準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて、転落リプレイ当選時において当選したリプレイの種類を特定可能にするナビ演出を実行する期間外報知可能期間に制御する手段と、期間外報知可能期間であることを条件として転落リプレイ当選時において当選したリプレイの種類を特定可能にするナビ演出を実行する手段とを備えるものであってもよい。この場合、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件としては、さらに、(ク)期間外報知可能期間において消化したゲーム数が予め決定された期間外終了ゲーム数に到達したことを条件として当該期間外報知可能期間への制御を終了するスロットマシンにおいて期間外終了ゲームを決定する割合、(ケ)期間外報知可能期間において予め決定された期間外終了確率にしたがい所定の期間外終了抽選を実行し、該期間外終了抽選で当選したことを条件として当該期間外報知可能期間への制御を終了するスロットマシンにおいて期間外終了確率を決定する割合、(コ)期間外報知可能期間において転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が期間外規定回数に到達したことを条件として当該期間外報知可能期間への制御を終了するスロットマシンにおいて期間外規定回数を決定する割合、などであってもよい。
また、上記(ク)の場合、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より多い期間外終了ゲーム数を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。また、上記(ケ)の場合、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より低い期間外終了確率を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。上記(コ)の場合、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より多い期間外規定回数を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。
また、報知条件は、たとえば、(サ)期間外報知可能期間において転落リプレイ当選時にナビ演出を実行するか否かを抽選し、当選したときにナビ演出を実行するスロットマシンにおいて、当選確率を決定する割合、などであってもよい。上記(サ)の場合も同様に、付与ポイント総数が多い(遊技者にとって有利度合いが高い)程、より高い当選確率を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。
また、上記スロットマシンにおける報知条件としては、上記(ア)〜(キ)および上記(ク)〜(サ)のいずれであってもよく、また上記(ア)〜(キ)および上記(ク)〜(サ)のうち選択的に組合されたものであってもよい。報知条件が上記(ア)〜(キ)および上記(ク)〜(サ)のいずれか、また選択的に組合されたものであっても、有利状態に制御されている期間のうち報知期間以外においては、通常状態であるときよりも遊技者にとって有利となるように報知条件が設定されるため、遊技者は期待感を抱きながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(20) 前述した実施の形態においては、図25(d)などで示したように、非ATであるときに、所定期間として5ゲーム消化する期間経過する度に、抽選条件が成立して第2AT抽選が行なわれる例について説明した。しかし、所定期間としては、所定回数ゲーム消化する期間に限らず、特定の入賞役(たとえばメロン)に所定回数当選または入賞するまでの期間、転落リプレイに所定回数当選するまでの期間、所定時間経過する期間などであってもよい。これにより、非ATであるときに、所定期間経過するか否かに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(21) 前述した実施の形態の図25においては、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件として、(ア)ナビストック数が1以上に決定されたことを条件としてATに制御するスロットマシンにおいてATに制御すると決定する割合を例示した。しかし、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件として、(イ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて消化したゲーム数が予め決定された到達ゲーム数に到達したことを条件としてATに制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達ゲーム数を決定する割合、(ウ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて当選した転落リプレイの入賞を回避させた回避回数が決定された到達回数に到達したことを条件として報知期間に制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達回数を決定する割合、などであってもよい。
また、前述した実施の形態においては、上記(ア)の場合、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、高い割合でATに制御すると決定するテーブル(図25(a)のテーブルと(d)のテーブル参照)を用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選する例について説明した。しかし、上記(イ)の場合も同様に、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より少ない到達ゲーム数を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。また、上記(ウ)の場合も同様に、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より少ない到達回数を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。
前述した実施の形態の図25においては、報知期間に制御する期間に関与する報知条件として、(エ)ATにおいて消化したゲーム数が獲得したナビストック数に応じた終了ゲーム数に到達したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいてナビストック数を決定する割合、すなわち終了ゲーム数を決定する割合を例示した。しかし、報知期間に制御する期間に関与する報知条件として、(オ)ATにおいて予め決定された終了確率にしたがい所定の終了抽選を実行し、該終了抽選で当選したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいて終了確率を決定する割合、(カ)ATにおいて転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が規定回数に到達したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいて規定回数を決定する割合、などであってもよい。
また、前述した実施の形態においては、上記(エ)の場合、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より多いナビストック数、すなわちより多い終了ゲーム数を高い割合で決定するテーブル(図25(a)のテーブルと、図25(d)の30G消化時テーブル、ボーナス当選時テーブル参照)を用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選する例について説明した。しかし、上記(オ)の場合も同様に、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より低い終了確率を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。また、上記(カ)の場合も同様に、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より多い規定回数を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。
また、報知条件は、たとえば、(キ)ATにおいて転落リプレイ当選時にナビ演出を実行するか否かを抽選し、当選したときにナビ演出を実行するスロットマシンにおいて、当選確率を決定する割合、などであってもよい。上記(キ)の場合も同様に、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より高い当選確率を高い割合で決定されるように当選率が設定されたテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるようにAT抽選するように構成してもよい。
また、報知条件は、上記(ア)〜(キ)のいずれであってもよく、また上記(ア)〜(キ)のうち選択的に組合されたものであってもよい。報知条件が上記(ア)〜(キ)のいずれか、また(ア)〜(キ)のうち選択的に組合されたものであっても、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
(22) 上記(21)で示したように、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件として、少なくとも(イ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて消化したゲーム数が予め決定された到達ゲーム数に到達したことを条件としてATに制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達ゲーム数を決定する割合、(ウ)準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて当選した転落リプレイの入賞を回避させた回避回数が決定された到達回数に到達したことを条件として報知期間に制御するスロットマシンにおいてATへの制御を開始するまでの到達回数を決定する割合、などを採用するスロットマシンにおいては、報知期間に制御されるまでの準備モードあるいはRTにおける非ATにおいて、転落リプレイ当選時において当選したリプレイの種類を特定可能にするナビ演出を実行する期間外報知可能期間に制御する手段と、期間外報知可能期間であることを条件として転落リプレイ当選時において当選したリプレイの種類を特定可能にするナビ演出を実行する手段とを備えるものであってもよい。この場合、報知期間を開始させるか否かに関与する報知条件としては、さらに、(ク)期間外報知可能期間において消化したゲーム数が予め決定された期間外終了ゲーム数に到達したことを条件として当該期間外報知可能期間への制御を終了するスロットマシンにおいて期間外終了ゲームを決定する割合、(ケ)期間外報知可能期間において予め決定された期間外終了確率にしたがい所定の期間外終了抽選を実行し、該期間外終了抽選で当選したことを条件として当該期間外報知可能期間への制御を終了するスロットマシンにおいて期間外終了確率を決定する割合、(コ)期間外報知可能期間において転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が期間外規定回数に到達したことを条件として当該期間外報知可能期間への制御を終了するスロットマシンにおいて期間外規定回数を決定する割合、などであってもよい。
また、上記(ク)の場合、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より多い期間外終了ゲーム数を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。また、上記(ケ)の場合、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より低い期間外終了確率を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。上記(コ)の場合、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より多い期間外規定回数を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。
また、報知条件は、たとえば、(サ)期間外報知可能期間において転落リプレイ当選時にナビ演出を実行するか否かを抽選し、当選したときにナビ演出を実行するスロットマシンにおいて、当選確率を決定する割合、などであってもよい。上記(サ)の場合も同様に、非AT準備モードあるいは非ARTにおいては、通常遊技状態であるときよりも、より高い当選確率を高い割合で決定するテーブルを用いることにより、遊技者にとって有利となるように期間外報知可能期間に関わる抽選を含むAT抽選するように構成してもよい。
また、上記スロットマシンにおける報知条件としては、上記(ア)〜(キ)および上記(ク)〜(サ)のいずれであってもよく、また上記(ア)〜(キ)および上記(ク)〜(サ)のうち選択的に組合されたものであってもよい。報知条件が上記(ア)〜(キ)および上記(ク)〜(サ)のいずれか、また選択的に組合されたものであっても、有利状態に制御されている期間のうち報知期間以外においては、通常状態であるときよりも遊技者にとって有利となるように報知条件が設定されるため、遊技者は期待感を抱きながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(23) 前述した実施の形態においては、報知期間が終了するまでに消化することを期待できるゲーム数であるゲーム数の期待値として、(i)ATにおいて消化したゲーム数が獲得したナビストック数に応じた終了ゲーム数に到達したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいて当該ナビストック数を例示した。しかし、報知期間が終了するまでに消化することを期待できるゲーム数であるゲーム数の期待値、(ii)予め決定された継続確率(AT継続率)にしたがい所定のAT継続抽選を実行し、該AT継続抽選で当選したことを条件としてATへの制御を継続するスロットマシンにおいて当該継続確率、(iii)ATにおいて転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が規定回数に到達したことを条件としてATへの制御を終了するスロットマシンにおいて当該規定回数(ナビ演出可能回数)、などであってもよい。
(24) 前述した実施の形態において、報知期間が終了するまでに消化することを期待できるゲーム数であるゲーム数の期待値に応じて異なる割合に基づいて実行される特定演出として、図28で示した報知態様A〜Cのうち報知態様BあるいはCでの9枚役のナビ演出、図32で示したART演出の背景が昼から夕方あるいは夜に変更される演出などを例示した。しかし、特定演出は、これに限らず、遊技者が他の演出と区別できる態様で実行される演出であれば、どのようなものであってもよい。たとえば、ポイント付与演出の態様として特定態様を含む複数種類の態様が設けられており、ポイント報知に際して、報知期間が終了するまでに消化することを期待できるゲーム数であるゲーム数の期待値に応じて異なる割合に基づいて、ポイント付与演出の態様として特定態様が決定されるように、ポイント付与演出の態様を決定する場合、特定態様でのポイント付与演出が特定演出に該当するといえる。この場合においても、ポイント付与演出の態様に遊技者を注目させることができ、かつポイント付与演出が特定態様で実行される頻度からゲーム数の期待値を推測することができる。
(25) 前述した実施の形態における回転前フリーズは、図11のS30において1ゲームタイマにより所定時間以上計時された後に、フリーズの種類に応じた時間に亘り発生させる例について説明した。これにより、1ゲームタイマによるウェイトと、フリーズとを同時に発生させることを防止することができる。
なお、回転前フリーズは、スタートスイッチ7への操作が有効に受付けられてから、フリーズの種類に応じた時間に亘り発生させるように構成してもよい。たとえば、図11のS30においてNOと判断された場合においても、S31〜S33と同様の処理を行ない、回転前フリーズカウンタを減算するように構成してもよい。これにより、スタートスイッチ7が操作された後にフリーズが発生した場合に、回転前フリーズであるのか、1ゲームタイマによるフリーズであるのかを不明にすることができ、遊技者に期待感を抱かせる機会を増大させることができる。
(26) 前述した実施の形態においては、回転後フリーズの一例として、ストップスイッチ8L〜8R各々が有効化されるタイミングを遅延させる例を示した。しかし、回転後フリーズは、リール回転開始後において、ストップスイッチが有効化されるタイミングを遅延させるものであればよく、たとえば、所定の停止操作(たとえば、第1停止操作、第2停止操作など)が行なわれたときに、未だ回転中のリールに対応するストップスイッチをフリーズの種類に対応する時間に亘り無効化した後、再び有効化するものであってもよい。
また、回転後フリーズとしては、フリーズが発生するタイミングが異なるように複数種類設けられているものであってもよい。たとえば、第3フリーズとしては、回転前フリーズを発生させるとともに、リール回転開始後に回転後フリーズを発生させる第3aフリーズと、第1停止操作後に回転後フリーズを発生させる第3bフリーズと、第2停止操作後に回転後フリーズを発生させる第3cフリーズとが設けられているものであってもよい。この場合、フリーズ抽選により、フリーズを実行するか否か、およびフリーズを実行する場合の種類を第1、第2、第3a、第3b、第3cのいずれにするかを決定するように構成してもよい。これにより、回転後フリーズが発生するタイミングがランダムになるため、より一層遊技者に対し意外性を抱かせることができる。
(27) 前述した実施の形態においては、第1フリーズが発生した場合よりも、第2フリーズあるいは第3フリーズが発生した場合の方が高い割合で、遊技者にとって有利度合いを高くする例として、図10(b)で示したようにレギュラーボーナスよりも長い期間ボーナスに制御されるビッグボーナスに当選している可能性を高めることにより払出されるメダル枚数が直接的に多くなり、かつ、図25(b)および(c)で示したようにATに制御される期間を左右するナビストック数としてより多いナビストック数を獲得する可能性を高めることにより払出されるメダル枚数が間接的に多くなる例について説明した。しかし、遊技者にとって有利度合いを高くする手法としては、図10(b)のみを採用して、払出されるメダル枚数が直接的にのみ多くなるように構成してもよく、または、図25(b)および(c)のみを採用して、払出されるメダル枚数が間接的にのみ多くなるように構成してもよい。
(28) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。