以下、本発明の一実施の形態である演出装置30を備えたパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、パチンコ機1の正面図であり、図2は、遊技盤2の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。この上皿5の中央正面側には、後述する演出装置30の遊技球停留部材32による遊技球の停留の解除タイミングを遊技者が決定するための停留解除ボタン9が設けられている。
そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。また、前面枠13の上部には、左右方向の略全長に亘って前側に膨出するように照明装置35が形成されており、前面枠13の上部における左右の角にはスピーカ48,48がそれぞれ設けられている。また、パチンコ機1の前面には、演出用の電飾ランプが多数設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。この遊技領域4の略中央には、LCDにより構成された表示画面28、遊技球を用いた演出を行う演出装置30、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8が配設されている。そして、図柄表示装置8の下方には第一始動口15が、表示画面28の上方には第一大入賞口18が設けられており、第一大入賞口18への遊技球の入賞を起因として当たり遊技が実行される場合には、主にこの第一大入賞口18が動作する。
また、表示画面28の直下には第二始動口16が設けられている。ここで、この第二始動口16への遊技球の入賞頻度は、第一始動口15への入賞頻度に比べて大幅に少なくなるように構成されている。また、第一始動口15の下方には開閉部材を備えた第二始動電動役物17が設けられており、第一始動口15の右方には普通図柄始動ゲート12が、さらにその右側上方には第二大入賞口19が設けられている。そして、第二始動口16及び第二始動電動役物17のいずれかに遊技球が入賞して当たり遊技が実行される場合には、第二大入賞口19が動作する。
また、第一始動口15の左方には、普通図柄表示部24、普通図柄記憶数表示LED59、第一特別図柄表示部25、及び第二特別図柄表示部26が設けられている。普通図柄表示部24は1つのLEDからなり、点灯状態が普通当たりの当選、消灯状態が落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たり判定の結果を報知することを示す変動状態とされている。また、普通図柄記憶数表示LED59は2つのLEDからなり、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂普通図柄作動保留球数を表示する。そして、第一特別図柄表示部25及び第二特別図柄表示部26は共に7セグメントから構成されており、アルファベットや数字、又はこれらの組み合わせからなる特別図柄が、第一当たり判定又は第二当たり判定の結果に応じて表示される。
次に、図柄表示装置8について説明する。図2に示すように、図柄表示装置8は中央に表示画面28を備えている。この表示画面28の中央には、第一当たり判定及び第二当たり判定の結果を表示するためのデモ図柄を表示する3つのデモ図柄表示部が設けられている。これらのデモ図柄表示部は、遊技者の目を惹くように特別図柄表示部25,26よりも広い領域を占めている。さらに、表示画面28では、当たり遊技終了後の遊技状態を遊技者に報知するための演出等、様々な演出が行われる。そして、表示画面28の右方には演出装置30が配設されている。
次に、演出装置30について、図2乃至図5を参照して説明する。図3は、演出装置30の役物装置31の一部を斜め上方から見た斜視図であり、図4は、役物装置31の右側面図であり、図5は、演出装置30を正面から見た部分拡大図である。尚、図3の下側を演出装置30の正面側、上側を背面側とし、図4の左側を演出装置30の正面側、右側を背面側とする。図2に示すように、演出装置30は、主に役物装置31と、当否確定ランプ37と、振り分け演出実行ランプ38とにより構成されている。
まず、役物装置31について説明する。図3及び図4に示すように、役物装置31は、略円柱状の胴部78と、胴部78を遊技盤2に固定するための固定部79とにより構成されている。この固定部79には、役物装置31を遊技盤2にネジ止めするための4つのネジ挿入孔80(図3参照)が形成されている。さらに、胴部78は、背面側の下部から後方へ延びる係止片81(図4参照)を備えている。そして、遊技盤2に設けられた差込孔(図示外)にこの係止片81が挿入されて役物装置31が位置決めされた状態で、ネジを4つのネジ挿入孔80に螺合することで、役物装置31が遊技盤2に固定される。
次いで、役物装置31の停留部82について説明する。図3に示すように、固定部79の上部の略中央には、上方から遊技球が流入可能な停留部82が設けられている。この停留部82へ流入する遊技球は、第一大入賞口18へ入賞済みの遊技球であるため、役物装置31で演出に使用される遊技球が遊技に影響を与えることははい。この停留部82の正面側には、遊技球が停留されているか否かを視認するための矩形の窓部83が形成されている。そして、透明な合成樹脂やガラス等からなる板が窓部83に配設されることにより、遊技球が停留部82の正面側に流下することを防ぎつつ、遊技球の停留を容易に確認することを可能としている。
また、停留部82の背面側には爪部84が設けられており、その上面は停留部82の背面側へ向けて下方に傾斜している。この爪部84によって、停留部82に停留されている遊技球が停留部82の背面側へ排出されることを防いでいる。さらに、既に停留部82に遊技球が停留されている場合には、停留部82の上方から流入してきた遊技球は、停留されている遊技球の上部と爪部84の上面とを滑り落ち、停留部82の背面側へ排出される。これにより、2つ以上の遊技球が停留部82に停留されることを防止している。
また、停留部82の下壁部85は左側へ向けて下方に傾斜しており、停留部82の左側には、側面視L字型である板状の遊技球停留部材32が配設されている。この遊技球停留部材32は、固定部79の内部に設けられた停留部材上下動ソレノイド36(図6参照)によって上下し、通常は下壁部85との間に生じる隙間を埋めて遊技球を停留させている。そして、所定のタイミングで上方へ移動することで、停留されている遊技球を停留部82の左側へ流下させる。また、下壁部85には遊技球を検出する停留部スイッチ65(図6参照)が配設されており、遊技球が停留されているか否かが検出される。
次いで、役物装置31の誘導路86について説明する。図3に示すように、胴部78の左側には、正面側の入球位置89まで遊技球を誘導する誘導路86が形成されている。この誘導路は胴部78の外周に沿って滑らかに弧を描くと共に、正面側に向けて下方に傾斜している。そして、停留部82から流下した遊技球を胴部78の左奥側で受け入れて、内周壁87と外周壁88との間を通して正面側の入球位置まで誘導する。
次いで、役物装置31の回転体33について説明する。図3に示すように、胴部78の中央には略円柱状の回転体33が回転可能に支持されており、胴部78の下部に設けられたステップモータ34(図4参照)により回転駆動される。ステップモータ34は、入力パルスが加えられる毎に一定角度だけ回転するモータであり、パルス信号数により回転角度を、パルスレイトにより回転の速さを制御することができる。さらに、回転方向の切り替え(正転と逆転との切り替え)が可能であり、回転角度を検出しながら正確な回転運動を与えることができる。また、回転体33の側面の所定箇所に図示外の検出マークが形成されると共に、胴部78の内部には検出マークを検出するためのフォトセンサ39(図6参照)が配設されている。そして、フォトセンサ39によって検出マークが検出された位置を原点として、ステップモータ34により回転角度を検出しながら回転体33を回転させることで、回転している回転体33の周方向の向きを把握しつつ役物装置31を動作させることができる。
また、回転体33には、遊技球が入球することで確率変動時短状態に当選したことを示す当選入球領域90と、遊技球が入球することで確率変動時短状態に落選したことを示す第一落選入球領域91及び第二落選入球領域92とが形成されている。当選入球領域90の周囲は赤く着色されており、「GO」の文字が印刷されているが、落選入球領域91,92の周囲は黒く着色されているのみであるため、遊技者は、領域が当選入球領域90である否かを容易に認識できる。そして、誘導路86により入球位置89まで誘導されて来た遊技球は、入球領域90〜92のいずれかに入賞することとなる。また、各入球領域90〜92には、遊技球の入球を検出するための近接スイッチが設けられている。
次いで、役物装置31の装飾部材94について説明する。図5に示すように、回転体33の上面には装飾部材94が固定されており、回転体33と共に回転する。本実施の形態に係る装飾部材94は、有色合成樹脂で加工形成された人形であって、この装飾部材94の足元の前側に当選入球領域90(図3参照)が設けられている。また、図4に示すように、回転体33及び装飾部材94の回転軸の軸心Oと、遊技盤2の盤面との角度θが、装飾部材94の向きが前側から容易に確認できる角度である45度以下となるように役物装置31を固定するとよい。これにより、遊技者は人形である装飾部材94が前を向いているか否かを確認することができるため、当選入球領域90が正面側に位置しているか否かを容易に判断することができる。また、装飾部材94の背面側の部分を隠すことができるため、装飾部材94の正面側の入球位置89に遊技者の意識を集中させることができる。さらに、装飾部材94を回転させることにより、演出効果をさらに向上させることを実現している。
次に、当否確定ランプ37について説明する。図2に示すように、役物装置31の上方には当否確定ランプ37が配設されている。この当否確定ランプ37の中央には、当たり遊技終了後に確率変動時短状態を生起する場合(確率変動時短当否抽選に当選している場合)に点灯する当選表示ランプ96が設けられており、この当選表示ランプ96の左右には、当たり遊技終了後に確率変動時短状態を生起しない場合(確率変動時短当否抽選に落選している場合)に点灯する2つの落選表示ランプ97,98が設けられている。
そして、3つの入球領域90〜92のうち、確率変動時短当否抽選の結果に応じた所定の入球領域へ遊技球が入球した場合には、入球領域に対応したランプが点灯する。具体的には、当選入球領域90に入球した場合には当選表示ランプ96が、第一落選入球領域91に入球した場合には左側の落選表示ランプ97が、第二落選入球領域92に入球した場合には右側の落選表示ランプ98が点灯する。
一方で、イレギュラーが生じて、確率変動時短当否抽選の結果とは異なる結果を示す入球領域へ遊技球が入球した場合には、抽選結果を補正して表示させる。すなわち、遊技球が入球した領域がいずれであるかに関わらず、確率変動時短当否抽選に当選している場合には当選表示ランプ96が、落選している場合には2つの落選表示ランプ97,98のいずれかが点灯する。そして、当否確定ランプ37の点灯タイミングに併せて、表示画面28では確率変動時短当否抽選の結果が表示される。
次に、振り分け演出実行ランプ38について説明する。図5に示すように、振り分け演出実行ランプ38は装飾部材94の上方に配設されており、遊技球を3つの入球領域90〜92のいずれかに振り分けて入球させる振り分け演出が行われる際に点灯する。よって、遊技者は振り分け演出が実行されるか否かを容易に把握することができる。この振り分け演出は、確率変動時短当否抽選が行われ、且つ遊技球が停留部82に停留されている場合に実行される。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図6を参照して説明する。図6は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図6に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と、第一始動口15に入賞した遊技球を検出する第一始動口スイッチ60と、第二始動口16及び第二始動電動役物17に入賞した遊技球を検出する第二始動口スイッチ61とが接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中継基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中継基板47には、第二始動電動役物17及び2つの大入賞口18,19にそれぞれ設けられた開閉部材を開閉する開閉部材開放ソレノイド62と、普通図柄始動ゲート12及び2つの大入賞口18,19へ入賞した遊技球をそれぞれ検出する入賞口スイッチ63とが接続されており、中継基板47によって配線の中継が行われている。尚、第一始動口15、第二始動口16、第二始動電動役物17、及び2つの大入賞口18,19に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が払い出されるが、役物装置31の回転体33に設けられた3つの入球領域90〜92へ遊技球が入球しても、遊技球の払い出しは行われない。
次いで、サブ統合基板58及び演出制御基板43について説明する。サブ統合基板58にはCPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ48に接続されている。そして、主基板41や電飾基板46から送信されるコマンドに従って、表示画面28の表示や演出装置30による演出等の総合的な制御を行っている。また、演出制御基板43はCPU43aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵しており、サブ統合基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の制御を行っている。
次いで、電飾基板46について説明する。電飾基板はCPU461、RAM462、及びROM463を内蔵している。そして、普通図柄表示部24及び特別図柄表示部25,26と、照明装置35と、回転体33を回転駆動するステップモータ34と、遊技球停留部材32を上下させる停留部材上下動ソレノイド36と、確率変動時短当否抽選の結果を最終的に表示する当否確定ランプ37と、役物装置31による振り分け演出を実行するか否かを表示する振り分け演出実行ランプ38と、回転体33の原点位置を検出するためのフォトセンサ39と、停留部82に遊技球が停留されているか否かを検出する停留部スイッチ65と、当選入球領域90へ入球した遊技球を検出する当選入球領域スイッチ66と、第一落選入球領域91へ入球した遊技球を検出する第一落選入球領域スイッチ67と、第二落選入球領域92へ入球した遊技球を検出する第二落選入球領域スイッチ68と、遊技球の停留の解除タイミングを遊技者が決定するための停留解除ボタン9とが接続されている。そして、電飾基板46は、サブ統合基板58から送信されるコマンドに従って、特別図柄及び普通図柄の表示制御と、照明装置35の発光態様の制御と、演出装置30の制御とを行っている。
次いで、電源基板42について説明する。電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置29に接続されており、各基板及び遊技球発射装置29に直流の安定化した電力を供給している。遊技球発射装置29は、図示外の発射モータや、発射ハンドル7に設けられたタッチセンサ、発射装置停止スイッチ、及び発射強弱ボリューム等からなり、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域へ発射する。
次に、パチンコ機1の主基板41による動作について、図7を参照して説明する。図7は、主基板41におけるメイン処理のフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。主基板41によるパチンコ機1の制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図6参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は、一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メイン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。
図7に示すように、割込信号の感知によってメイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58や払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47等に出力される。制御コマンドには、大入賞口18,19の開閉タイミングを指示するコマンド、決定された特別図柄を示すコマンド、変動している特別図柄の停止を指示するコマンド等多数のコマンドがあるが、特に、演出装置30による振り分け演出の実行を指示する振り分け演出開始コマンド、確率変動時短当否抽選に当選していることを示す当選通知コマンド、及び落選していることを示す落選通知コマンドがサブ統合基板58へ送信される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12、第一始動口15、第二始動口16、第二始動電動役物17、大入賞口18,19への遊技球の入賞を検知する処理が行われる。具体的には、これらの入賞口に設けられた各スイッチにより遊技球が検出されたか否かが判断され、遊技球が検出された場合には、RAM25記憶された各スイッチに対応したフラグがONとされる。尚、これらの全てのフラグは、スイッチ読込処理の開始時にOFFとされる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの各値が所定量だけ加算され、タイマカウンタの各値が所定量だけ減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、当たり遊技中に第一大入賞口18及び第二大入賞口19の開閉動作を指示するための大入賞口開放コマンド、大入賞口閉鎖コマンド等の制御コマンドがRAM52に記憶される。また、当たり遊技中の大入賞口18,19の開閉動作が終了した際に、演出装置30による振り分け演出の実行を指示する振り分け演出開始コマンドが記憶される。そして、遊技者に最も有利な遊技状態である確率変動時短状態に当選している場合には、当選通知コマンドが記憶される。一方で、落選している場合には落選通知コマンドがRAM52に記憶される。その後、当たり遊技が終了すると、当たり判定時に既に決定されている当たり遊技終了後の遊技状態を生起するためのフラグの処理が行われる。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。この特別図柄処理では、第一始動口15へ遊技球が入賞した際に第一大当たり乱数が、第二始動口16又は第二始動電動役物17へ遊技球が入賞した際に第二大当たり乱数が取得されて、この乱数に基づいて、特別図柄の決定及び大当たりか否かの判定が行われる。そして、大当たりと判定された場合には、決定された特別図柄とその時点での遊技状態とに応じて、当たり遊技終了後に確率変動時短状態を生起するか否かの判定(確率変動時短当否抽選)が行われる。また、この特別図柄処理では、表示画面28に表示される図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始及び終了の指示等が行われる。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に、第二始動電動役物17に設けられた一対の開閉部材(所謂チューリップ)の開閉(普通当たり遊技中の動作)の制御が行われる。これにより、第二始動電動役物17への遊技球の入賞が容易となる。尚、時短遊技状態が生起されている場合には、生起されていない場合よりも第二始動電動役物17が長い時間開放される。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。この普通図柄処理では、普通当たり乱数の取得、普通当たり判定等が行われる。スイッチ読込処理(S11)にて普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過が検出された場合には、普通当たり判定カウンタの値が普通当たり乱数として取得される。取得された乱数は、RAM52に普通当たり乱数として記憶され、普通図柄表示部24を変動及び停止させることで、乱数に基づいた普通当たり判定の判定結果が報知される。
次いで、賞品球の払い出しを行う払出処理(S17)、及びエラーチェック(S18)が行われる。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示画面28にエラー表示を行わせたり、照明装置35を点灯・点滅させたり、スピーカ48,48にエラー音を発音させたりする。そこで、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58へ送信するためのエラーコマンドがRAM52に記憶される。次いで、情報出力処理(S19)において、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報等の各種の情報が出力ポートを介して出力される。情報出力処理が終わるとメイン処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、また最初からメイン処理が実行される。
次に、サブ統合基板58における振り分け演出処理について、図8を参照して説明する。図8は、サブ統合基板58における振り分け演出処理のフローチャートである。サブ統合基板58では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28やスピーカ48、特別図柄表示部25,26等を制御する処理が行われる。特に、演出装置30による振り分け演出の開始を指示するコマンドを受信した場合には、電飾基板46に対して振り分け演出を実行させる指示が行われる。
まず、サブ統合基板58のRAM582について説明する。RAM582には、各種カウンタが記憶されるカウンタ記憶エリア、電飾基板46や演出制御基板43等に出力される制御コマンドが記憶されるコマンド関係記憶エリア、各種フラグが記憶されるフラグ関係記憶エリア等の各種記憶エリアが設けられている。そして、フラグ関係記憶エリアには、確率変動時短当否抽選に当選しているか否かを示す確率変動時短当選フラグが記憶されており、振り分け演出処理において使用される。この確率変動時短当選フラグは、確率変動時短当否抽選に当選している場合に「1」が記憶されて「ON」となり、落選している場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
次いで、サブ統合基板58のROM583について説明する。ROM583には、CPU581がパチンコ機1の制御を補助するための各種プログラムが記憶されている。また、サブ統合基板58から電飾基板46や演出制御基板43等に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア、演出装置30による振り分け演出の内容を決定するための情報が記憶されている振り分け演出関係情報記憶エリア等の各種記憶エリアが設けられている。
以下、サブ統合基板58で行われる振り分け演出処理について、図8を参照して説明する。振り分け演出の開始を指示する振り分け演出開始コマンドを主基板41から受信すると、サブ統合基板58では図8に示す振り分け演出処理が実行される。まず、振り分け演出の演出時間が、タイマカウンタである演出時間計測カウンタに記憶されて、演出時間の計測が開始される(S31)。次いで、確率変動時短状態に当選していることを示す当選通知コマンドを受信したか否かが判断され(S32)、受信していない場合には(S32:NO)、確率変動時短状態に落選していることを示す落選通知コマンドを受信したか否かが判断される(S33)。受信していない場合には(S33:NO)、S32の判断へ戻る。そして、当選通知コマンドを受信した場合には(S32:YES)、確率変動時短当否抽選に当選していることを示す「1」が確率変動時短当選フラグに記憶されて「ON」とされ(S34)、S35の判断へ移行する。また、落選通知コマンドを受信した場合には(S33:YES)、確率変動時短当選フラグには初期値である「0」が記憶されたまま、S35の判断へ移行する。
次いで、役物装置31の停留部82(図3参照)に遊技球が停留されているか否かが判断される(S35)。先述したように、停留部82には遊技球を検出するための停留部スイッチ65(図6参照)が配設されており、この停留部スイッチ65により遊技球が検出されると、遊技球が停留されていることを示す信号が電飾基板46からサブ統合基板58へ出力される。この信号が入力されておらず、遊技球が停留されていないと判断された場合には(S35:NO)、遊技球を用いた演出装置30による振り分け演出は実行できないため、確率変動時短当否抽選の結果に応じた報知演出を表示画面28に実行させるためのコマンドが演出制御基板43へ送信されると共に、報知演出に同期してスピーカ48から音声を発生させる処理が行われる(S36)。そして、確率変動時短当選フラグが「ON」となっている場合に「OFF」とする処理が行われて(S37)、振り分け演出処理を終了する。
また、停留部82に遊技球が停留されていると判断された場合には(S35:YES)、確率変動時短当選フラグの値により、確率変動時短当否抽選に当選しているか否かが判断される(S40)。当選している場合には(S40:YES)、当選していることを示す複数の振り分け演出の中の1つが決定され、決定された演出を実行させるための当選振り分け演出実行コマンドが、電飾基板46及び演出制御基板43へ送信される(S41)。これにより、指定された振り分け演出を演出装置30に実行させる処理が電飾基板46で行われると共に、振り分け演出に同期した映像を表示画面28に表示させる処理が演出制御基板43で行われる。一方で、確率変動時短当否抽選に落選している場合には(S40:NO)、落選していることを示す複数の振り分け演出の中から1つが決定され、決定された演出を実行させるための落選振り分け演出実行コマンドが、電飾基板46及び演出制御基板43へ送信される(S42)。
次いで、当選入球領域90(図3参照)へ遊技球が入球したことを示す当選領域入球コマンドを電飾基板46から受信したか否かが判断される(S43)。受信していない場合には(S43:NO)、落選入球領域91,92(図3参照)へ入球したことを示す落選領域入球コマンドを受信したか否かが判断される(S50)。そして、受信していない場合には(S50:NO)、S31でセットされたカウンタの値により、演出時間が経過したか否かが判断され(S57)、経過していない場合には(S57:NO)、S43の判断へ戻り、これらの判断が繰り返し行われる。
そして、当選領域入球コマンドを受信した場合には(S43:YES)、確率変動時短当否抽選に当選しているか否かが、確率変動時短当選フラグにより判断される(S44)。当選している場合には(S44:YES)、遊技球が入球領域へ入球したことにより示された内容と、実際の確率変動時短当否抽選の結果とが一致している。よって、当選が確定したことを示す演出を表示画面28に表示させる当選確定演出実行コマンドが、演出制御基板43へ送信される(S45)。そして、当否確定ランプ37における当選表示ランプ96(図2参照)を点灯させる当選表示ランプ点灯コマンドが、電飾基板46へ送信されて(S46)、S37の処理へ移行する。一方で、確率変動時短当否抽選に落選している場合には(S44:NO)、振り分け演出により示された内容が、実際の確率変動当否抽選の結果と異なっている。そこで、振り分け演出により示された内容を補正して、落選していたことを遊技者に報知する演出を表示画面28に表示させる補正落選確定演出実行コマンドが、演出制御基板43へ送信される(S47)。そして、2つの落選表示ランプ97,98のうち、遊技球が入球した落選入球領域91,92に対応するランプを点灯させる落選表示ランプ点灯コマンドが電飾基板46へ送信されて(S48)、S37の処理へ移行する。
また、電飾基板46から落選領域入球コマンドを受信した場合には(S50:YES)、確率変動時短当否抽選に当選しているか否かが判断される(S51)。当選している場合には(S51:YES)、振り分け演出により示された内容が、実際の確率変動当否抽選の結果と異なっている。そこで、実際は当選していることを示す復活演出を表示画面28に表示させる復活当選演出実行コマンドが、演出制御基板43へ送信される(S52)。そして、当選表示ランプ96を点灯させる当選表示ランプ点灯コマンドが電飾基板46へ送信されて(S53)、S37の処理へ移行する。一方で、確率変動時短当否抽選に落選している場合には(S51:NO)、落選が確定したことを示す演出を表示画面28に表示させる落選確定演出実行コマンドが、演出制御基板43へ送信される(S54)。そして、落選入球領域91,92の一方を点灯させる落選表示ランプ点灯コマンドが電飾基板46へ送信されて(S55)、S37の処理へ移行する。
また、入球コマンドを受信する前に演出時間が経過した場合には(S57:YES)、時間切れとなったことを示す時間切れ通知コマンドが電飾基板46へ送信されて(S58)、確率変動時短当否抽選に当選しているか否かが判断される(S59)。当選している場合には(S59:YES)、実際は当選していることを示す復活演出を表示させる復活当選演出実行コマンドが、演出制御基板43へ送信されて(S60)、S37の処理へ移行する。また、落選している場合には(S59:NO)、落選が確定したことを示す演出を表示させる落選確定演出実行コマンドが送信されて(S61)、S37の処理へ移行する。そして、S37の処理では、確率変動時短当選フラグが「ON」となっている場合に「OFF」とする処理が行なわれて(S37)、振り分け演出処理を終了する。
次に、電飾基板46における振り分け演出処理について、図9乃至図13を参照して説明する。図9は、電飾基板46における振り分け演出処理のフローチャートであり、図10乃至図13は、電飾基板46の振り分け演出処理で行われる当選演出実行処理のサブルーチンのフローチャートである。電飾基板46では、サブ統合基板58から送信されるコマンドに従って、演出装置30による振り分け演出を実行する制御が行われる。
まず、電飾基板46のRAM462及びROM463について説明する。RAM462には、各種カウンタが記憶されるカウンタ記憶エリア、サブ統合基板58等に出力される制御コマンドが記憶されるコマンド関係記憶エリア、各種フラグが記憶されるフラグ関係記憶エリア等の各種記憶エリアが設けられている。また、ROM463には、CPU461がパチンコ機1の制御を補助するための各種プログラムや、制御コマンドのテーブル等が記憶されている。特に、ROM463には、遊技球停留部材32(図3参照)による停留が解除されてから、入球位置89へ遊技球が到達するまでの時間A秒が記憶されている。さらに、回転体33の回転速度と回転角度とに応じて、各入球領域90〜92が入球位置へ到達するまでの時間が記憶されている。これらの値に基づいて、遊技球を所定の入球領域90〜92へ入球させる振り分け演出が行われる。
以下、電飾基板46で行われる振り分け演出処理について、図9を参照して説明する。振り分け演出処理では、まず、サブ統合基板58から振り分け演出実行コマンドを受信したか否かが判断され(S71)、受信していない場合には(S71:NO)、この判断が繰り返し行われる。そして、振り分け演出実行コマンドを受信した場合には(S71:YES)、振り分け演出が実行中であるか否かを示す振り分け演出実行ランプ38を点灯させる処理が行われる(S72)。
次いで、振り分け演出実行コマンドにより指定されている振り分け演出が、当選を示す演出であるか否かが判断される(S73)。当選を示す演出であれば(S73:YES)、コマンドにより指定されている当選演出が実行される(S74)。この詳細は図10乃至図13を参照して後述する。一方で、落選を示す演出であれば(S73:NO)、落選演出が実行される(S75)。
次いで、当選入球領域90へ遊技球が入球したか否かが当選入球領域スイッチ66(図6参照)により判断され(S76)、入球していない場合には(S76:NO)、落選入球領域91,92のいずれかに入球したか否かが落選入球領域スイッチ67,68により判断される(S77)。いずれの入球領域にも入球していない場合には(S77:NO)、サブ統合基板58から時間切れ通知コマンドを受信したか否かが判断され(S78)、受信していない場合、すなわち、演出時間が経過していない場合には(S78:NO)、S76の判断へ戻り、これらの判断が繰り返し行われる。
そして、当選入球領域90へ遊技球が入球した場合には(S76:YES)、当選領域入球コマンドがサブ統合基板58へ送信されて(S81)、S83の判断へ移行する。また、落選入球領域91,92のいずれかに遊技球が入球した場合には(S77:YES)、落選領域入球コマンドがサブ統合基板58へ送信されて(S82)、S83の判断へ移行する。S83では、サブ統合基板58から当選表示ランプ点灯コマンド及び落選表示ランプ点灯コマンドのいずれかを受信したか否かが判断され(S83)、受信していなければ(S83:NO)、繰り返しこの判断が行われる。そして、受信した場合には(S83:YES)、コマンドにより指定されているランプを所定時間点灯させる処理が行われ(S84)、点灯している振り分け演出実行ランプ38を消灯させる処理が行われて(S87)、S71の判断へ戻る。また、入球領域へ遊技球が入球する前に演出時間が経過した場合には(S78:YES)、エラー音を発生させる等のエラー処理が行われ(S86)、振り分け演出実行ランプ38を消灯させる処理が行われて(S87)、S71の判断へ戻る。
次に、当選演出実行処理(S74)の詳細について、図10乃至図13を参照して説明する。先述したように、当選演出実行処理では、サブ統合基板58により決定された当選演出の種類に応じて遊技球を当選入球領域90へ入球させる処理が行われる。尚、落選演出実行処理(S75)における処理内容は、図10乃至図12に示す状態A当選演出実行処理の当選入球領域90を落選入球領域91,92のいずれかに置き換えるのみであるため、この説明を省略する。
まず、図10を参照して、同一の速さで同一方向に回転している回転体33の当選入球領域90へ遊技球を入球させる場合の当選演出実行処理について説明する。まず、回転体33のステップモータ34による回転が開始され(S91)、停留の解除を可能とするまでの待機時間の計測が開始される(S92)。この待機時間中に、表示画面28では様々な演出が行われる。そして、待機時間が経過したか否かが判断され(S93)、経過していなければ(S93:NO)、この判断が繰り返し行われる。待機時間が経過した場合には(S93:YES)、当選入球領域90がA秒後に入球位置89に到達するか否かが判断される(S94)。先述したように、停留が解除されてから遊技球が入球位置89へ到達するまでの時間A秒と、所定の入球領域90〜92が入球位置89へ到達するまでの時間とがROM463に記憶されている。そして、当選入球領域90が入球位置89へ到達するまでにA秒を要すると判断されるまで(S94:NO)、繰り返しこの判断が行われ、A秒を要すると判断された場合には(S94:YES)、遊技球停留部材32による遊技球の停留が解除されて(S95)、振り分け演出処理へ戻る。これにより、遊技球と当選入球領域90とが同じタイミングで入球位置89へ到達することとなり、当選入球領域90へ遊技球を入球させることができる。
次に、図11を参照して、回転体33を途中で逆回転させて当選入球領域90へ遊技球を入球させる場合の当選演出実行処理について説明する。まず、回転体33の回転が開始され(S101)、待機時間の計測が開始される(S102)。そして、待機時間が経過したか否かが判断され(S103)、経過していなければ(S103:NO)、繰り返しこの判断が行われる。待機時間が経過した場合には(S103:YES)、当選入球領域90が入球位置89を通過してからA秒が経過したか否かが判断され(S104)、A秒が経過していなければ(S104:NO)、この判断が繰り返し行われる。そして、当選入球領域90が入球位置89を通過後A秒が経過した場合には(S104:YES)、遊技球停留部材32による遊技球の停留が解除され(S105)、回転体33を同じ速さで逆回転させる処理が行われて(S106)、振り分け演出処理へ戻る。すると、当選入球領域90へ入球する見込みが低いタイミングで停留が解除されるにも関わらず、回転体33の回転方向が逆転して当選入球領域90へ遊技球が入球するための、一旦落胆した遊技者を喜ばせて興趣を強く惹き付けることができる。
次に、図12を参照して、当選入球領域90を入球位置89で停止させる場合の当選演出実行処理について説明する。まず、回転体33の回転が開始され(S111)、待機時間の計測が開始される(S112)。そして、待機時間が経過するまで(S113:NO)、待機状態となり、時間が経過すると(S113:YES)、当選入球領域90が入球位置89へ到達したか否かが判断される(S114)。当選入球領域90が入球位置89へ到達するまで(S114:NO)、繰り返しこの判断が行われ、到達すると(S114:YES)、回転体33を停止させる処理が行われる(S115)。この状態で、遊技球停留部材32による遊技球の停留が解除されて(S116)、振り分け演出へ戻る。この場合、遊技球が当選入球領域90へ入球することを、遊技者は停留が解除される段階で認識することができる。よって、遊技者の興趣をより強く惹き付けることができる。
次に、図13を参照して、遊技者自身が遊技球の停留の解除タイミングを決定する場合の当選演出実行処理について説明する。まず、回転体の回転が開始され(S121)、待機時間の計測が開始される(S122)。そして、待機時間が経過するまで(S123:NO)、待機状態となり、時間が経過すると(S123:YES)、回転体33の回転の速さを減少させる処理が行われる(S124)。そして、停留解除ボタン9(図1参照)の操作が有効となり、停留解除ボタン9が押下されたか否かが判断される(S125)。ボタンが押下されるまで(S125:NO)、この判断は繰り返し行われ、停留解除ボタン9が押下されると(S125:YES)、遊技球停留部材32による遊技球の停留が解除されて(S126)、振り分け演出へ戻る。これにより、遊技者は実際に当選入球領域90を狙って遊技球の停留を解除させることができるため、遊技者を楽しませることができる。また、解除のタイミングが悪く、落選入球領域91,92へ入球してしまった場合でも、確率変動時短当否抽選に当選したことが表示画面28及び当否確定ランプ37により遊技者に報知されるため、遊技者を喜ばせることができる。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機1によると、演出装置30の役物装置31に回転体33が設けられており、この回転体33には3つの入球領域(当選入球領域90及び落選入球領域91,92)が形成されている。この回転体33はステップモータ34による回転が可能となっており、このステップモータ34とフォトセンサ39とにより各入球領域の位置が検出される。そして、回転体33の回転速度と入球領域の位置とに応じて、遊技球停留部材32による遊技球の停留の解除タイミングを制御することで、誘導路86を経由させて所定の入球領域へ遊技球を入球させることができる。従って、あたかも入球領域へ遊技球が入球した時点で確率変動時短当否抽選の当否が決定される印象を遊技者に与えることができ、あらかじめ決定されている抽選結果を機械的に遊技者に報知する場合よりも、演出に対する遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。
また、演出装置30による振り分け演出に用いられる遊技球は、既に第一大入賞口18へ入賞済みの遊技球が使用されるため、遊技への影響(例えば、各入賞口への入賞数の低下)を生じさせることなく、振り分け演出に遊技球を用いることができる。そして、回転体33のステップモータ34による回転の速さや方向は切り替えが可能であるため、演出装置30による振り分け演出の内容を多様化させることができる。さらに、停留解除ボタン9により、遊技球の停留の解除タイミングを実際に遊技者が決定することもできるため、遊技者を楽しませることができる。また、装置の不具合や振動等の影響で、入球させるべき所定の入球領域とは異なる入球領域へ遊技球が入球した場合でも、当否確定ランプ37及び表示画面28により、確率変動時短当否抽選による実際の抽選結果を表示することができる。よって、抽選結果が誤認されることを防止することができる。
そして、回転体33の上部には装飾部材94が固定されており、回転体33の回転軸と遊技盤2の盤面との角度θが45度以下となるように役物装置31が固定されている。これにより、入球領域の位置が容易に認識でき、意匠性も向上する。さらに、装飾部材94の背面側に位置する入球領域を隠すことができるため、装飾部材94の正面側に位置している入球位置89に遊技者の注意を惹き付けることができる。
尚、本実施の形態における遊技球停留部材32が本発明の「停留手段」に相当し、確率変動時短状態が生起されるか否かが「有利度合」に相当する。また、ステップモータ34が「回転駆動手段」に相当し、遊技球停留部材32を上方へ移動させて停留を解除する停留部材上下動ソレノイド36が「解除手段」に相当する。また、フォトセンサ39及びステップモータ34が「位置検出手段」に相当し、図10乃至図12で停留の解除タイミングを決定する電飾基板46のCPU461が「入球制御手段」として機能する。
また、当否確定ランプ37が「有利度合表示手段」に相当し、当選入球領域スイッチ66、第一落選入球領域スイッチ67、及び第二落選入球領域スイッチ68が「入球検出手段」に相当する。また、図8に示すS48,S53,及び図9に示すS83,S84で当否確定ランプ37を点灯させるサブ統合基板58のCPU581、及び電飾基板46のCPU461が「有利度合表示制御手段」として機能する。また、停留解除ボタン9が「操作部」に相当し、図12で停留解除ボタン9の操作を有効とするか否かを制御する電飾基板46のCPU461が「操作部有効制御手段」として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、本実施の形態では、当選入球領域90へ遊技球を入球させることで、確率変動時短当否抽選に当選していることを遊技者に報知する演出を行っているが、この演出装置30を用いて表示される有利度合は他の有利度合であってもよい。例えば、大当たりと判定されたか否かを示してもよいし、当たり遊技中のラウンド数を表示してもよい。
また、本実施の形態では回転体33に設けられた入球領域は3つであるが、入球領域の数は3つに限られず、適宜設定が可能である。さらに、本実施の形態では、当選入球領域90へ入球するか否かにより、確率変動時短当否抽選に当選しているか否かのみを示しているが、3つ以上の異なる有利度合を1つの演出装置30で遊技者に報知することも可能である。例えば、3つの入球領域をそれぞれ確率変動時短状態、非確率変動時短状態、通常状態(非確率変動非時短状態)に対応させて、遊技状態に従って所定の入球領域へ入球させることで、3つの遊技状態のいずれが生起されるかを遊技者に報知することもできる。これにより、有利度合をより細かく遊技者に報知することができる。
また、本実施の形態では、大入賞口18,19の開閉動作が終了し、振り分け演出(S41及びS41、図8参照)が開始されてから、回転体33の回転を開始させている。しかし、振り分け演出中以外に定常的に回転体33の回転を行い、振り分け演出開始時に回転体33の動作を変化させて、振り分け演出中の動作とそれ以外の動作とを区別して演出を行ってもよい。これにより、当たり遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)に関連しない遊技では、演出装置30は通常の演出部材として動作する。一方で、当たり遊技に関連した遊技では、演出装置30は回転体33や遊技球を用いた特殊演出部材として、遊技者にとって興趣に溢れる複合演出を提供することができる。尚、回転体33の動作の変化に併せて、装飾部材94の動作(例えば、手の動き等)を変化させることが可能であることは言うまでもない。
更には、当たり遊技に関連しない遊技において、例えば、当たり遊技が実行されていない通常状態(低確率状態)中と確率変動状態(高確率状態)中とで回転体33や装飾部材94の動作を区別して演出を行うように構成してもよい。これにより、通常状態であるか、確率変動状態であるかを演出装置30によってより容易に認識することができ、さらに、遊技者にとって興趣にあふれる複合演出を提供することができる。また、通常状態及び確率変動状態で動作を変化させるのではなく、時短状態中と非時短状態中とで回転体33や装飾部材94の動作を区別して演出を行ってもよい。これにより、時短状態であるか否かが演出装置30によって認識しやすくなることに加え、さらに、遊技者にとって興趣にあふれる複合演出を提供することができる。
また、本実施の形態では、大入賞口18,19の開閉動作(ラウンド中)の終了後、表示画面28に当たり遊技終了デモ画面が表示されている間に振り分け演出を実行している。ここで、当たり遊技のラウンド中と当たり遊技終了デモ画面の表示との間に実行される残球処理(大入賞口18,19への入賞の有効な検出を終了するまでの処理)中に、回転体33に高速回転等の特殊な動作を実行させて、振り分け演出の準備を行う制御を行うようにしてもよい。この残球処理中の回転体33は高速回転に限られず、低速回転、変則回転等であってもよい。これにより、当たり遊技のラウンド中と当たり遊技終了デモの表示中との区別が容易となる。よって、当たり遊技終了デモの表示中に行われる振り分け演出の開始時点を回転体33の動作によって容易に認識することができ、振り分け演出の開始時点が遊技者に誤認されることを防止することができる。
また、演出装置30を構成する部材の形状は適宜変更が可能である。例えば、本実施の形態では、前側と後側との区別が容易である人形を装飾部材94に使用し、この人形の前側に当選入球領域90を配設することで入球領域の位置の把握を容易としているが、装飾部材94は人形でなくてもよい。また、装飾部材94をただ回転させるだけでなく、回転体33上で動作させてもよいし、LED等を用いて装飾部材94の色を変化させてもよい。これにより、遊技者の興趣をより強く惹き付けることができる。また、本実施の形態では、回転体33の回転軸と遊技盤2の盤面とがなす角度θを約30度とすることで、装飾部材94の背面側を隠して入球位置89へ遊技者の意識を集中させると共に、入球位置89をパチンコ機1の正面側斜め上方から視認しやすくしている。しかし、この角度θは変更することができ、例えば回転体33の回転軸と遊技盤2とが平行となってもよい。また、役物装置31における外周壁88(図3参照)を透明な部材により形成することで、入球領域へ入球する遊技球の様子をより容易に視認させることができる。
また、回転体33の動作も、図10乃至図13に示した動作に限られない。例えば、回転体33の回転の速さは3段階以上に切替可能としてもよいし、回転体33をコマ送りのように段階的に回転させてもよい。また、本実施の形態では、停留解除ボタン9の操作によって停留が解除される場合、図13に示すように、遊技者による操作が行われると同時に停留を解除しているが、これも変更が可能である。例えば、停留解除ボタン9の操作が行われた後、入球させるべき所定の入球領域へ遊技球が入球するタイミングとなるまで待機してから停留を解除してもよい。これにより、停留のタイミングを自分で決定できる印象を遊技者に与えつつ、あらかじめ決定されている抽選結果に応じた所定の入球領域へ遊技球を入球させることができ、遊技者の興趣を惹き付けることができる。また、停留解除ボタン9の操作と同時に停留を解除した後、遊技球が入球位置89へ到達するタイミングにあわせて回転体33の回転の速さや方向を調整し、所定の入球領域へ入球させる構成としてもよい。
また、演出装置30に使用するセンサ等の部材も変更が可能である。本実施の形態では、回転体33の原点を検出するために回転体33に検出マークを付し、フォトセンサ39を用いてこの検出マークを検出しているが、例えば回転体33に突起を形成し、圧力センサ等の他のセンサにより原点を検出してもよい。また、本実施の形態では、遊技球停留部材32を上方に移動させることにより、遊技球が自然に誘導路86へ流下する構成となっているが、停留部82から誘導路86へ遊技球を移動させるコンベア等の機構を設けてもよい。また、演出装置30を制御する制御基板は電飾基板46やサブ統合基板58以外の他の制御基板であってもよい。