JP6285519B2 - 信号処理装置 - Google Patents
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Description
この信号処理方式を簡潔に述べると、1つの信号処理回路、たとえば増幅回路やAD(AnalogtoDigital)コンバータを1つだけ持つ場合に、ある時間帯では1番目のアナログ信号の処理、次の時間帯では2番目のアナログ信号の処理、続く時間帯では3番目のアナログ信号の処理、・・・というように、順次信号処理する方式のことである。
この手段も大まかに言えば上記の変調の一種ではあるが、変調の手段が「非反転信号(元のセンサ信号そのもの)」「無信号」「反転信号」の3種類しかなく、さらにこの3種類はスイッチのみで構成できるため、大幅なコストカットと消費電流の削減を見込みつつ、同時にSN比を改善することが可能となる。
本願発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、SN比の改善を図るとともに、特許文献1よりも使用するセンサの種類や数に適した信号処理装置を提供することにある。
前記演算部は、前記結合部から出力される結合信号と、所定の係数とを線型結合した線型結合データに基づき前記所望の物理量に基づく信号成分を求めるようになっており、前記係数は、0を含まず、且つ、絶対値が全て等しく、さらに前記所望の物理量に基づく信号成分は全て正の係数と負の係数との両方を含んでいてよい。
前記結合部における結合信号の出力回数が前記物理量信号の数と同じであるとともに、さらに前記逆の線形変換が互いに逆行列の関係であってよい。
前記物理量信号の数が4個であってよい。
前記物理量信号が、異なる物理量を計測する少なくとも2種類のセンサから出力される信号であってよい。
まず、実施形態1について説明する。
(実施形態1の構成)
図1は、本発明に係る信号処理装置の実施形態1の構成例を示すブロック図である。
この実施形態1に係る信号処理装置は、図1に示すように、4個のセンサ1−1〜1−4と、4個のスイッチ2−1〜2−4を備える信号反転部2と、結合部3と、測定部4と、演算部5とを備えている。
4個のスイッチ2−1〜2−4は、4個のセンサ1−1〜1−4に対応して設けられている。すなわち、スイッチ2−1〜2−4のそれぞれは、対応するセンサ1−1〜1−4に接続され、同様の機能を備えている。
図2は、センサ1−1の出力信号がスイッチ2−1で反転され、スイッチ2−1から反転信号が出力される場合である。
ここで、センサ1−1〜1−4は2端子型センサとする場合には、例えば電圧出力型と電流出力型がある。このため、センサ1−1〜1−4が電圧出力型の場合には各出力信号は直列に結合されて結合信号が生成され、電流出力型の場合には各出力信号は並列に結合されて結合信号が生成される。
なお、センサ1−1〜1−4が他の出力型のもの、たとえば容量型や抵抗型の場合には、それらを電圧もしくは電流に変換する電気回路を設ければ良い。
演算部5は、測定部4が受け取って所定の処理がされた結合信号C1〜C4を所定の演算により線型結合させ、この線型結合を基に、センサ1−1〜1−4の各出力値を求める所定の演算を行い、この演算結果を出力する。
演算部5によるセンサ1−1〜1−4の各出力値の演算処理は、CPU(中央処理装置)またはコンピュータによるソフトウェアなどによって実現できる。
図3は、図1の実施形態1において、センサ1−1〜1−4として2端子の電圧出力型のセンサを採用する場合の構成を示すブロック図である。
この実施形態1に係る信号処理装置では、図3に示すように、4個のセンサ1−1〜1−4と、信号反転部2Aと、測定部4と、演算部5とを備えている。
信号反転部2Aは、スイッチ2−1〜2−4の切り換え動作により、スイッチ2−1〜2−4がセンサ1−1〜1−4の出力電圧V1〜V4を反転した反転電圧と反転しない非反転電圧とを選択的に出力するようになっている。
また、信号反転部2Aは、スイッチ2−1〜2−4のそれぞれが選択的に出力する反転電圧または非反転電圧を直列に結合して電圧P1〜P4を生成し、この生成した電圧P1〜P4をスイッチ2−1とスイッチ2−4の両端から順に出力するようになっている。
ここで、図3の例では、センサ1−1の出力電圧V1は、スイッチ2−1で反転されてスイッチ2−1から反転電圧−V1が出力され、センサ1−2〜1−4の各出力電圧V2〜V4は、スイッチ2−2〜2−4で反転されずにスイッチ2−2〜2−4からは非反転電圧V2、V3、V4が出力される場合である。このため、信号反転部2Aからの出力電圧は、(−V1+V2+V3+V4)となる。
演算部5は、AD変換部4−2から出力される出力データの電圧P1〜P4を所定の演算により線型結合させ、この線型結合を基に、センサ1−1〜1−4の各出力値を求める所定の演算を行い、この演算結果を出力する。
次に、実施形態1の動作例について、図3、図4を参照して説明する。
図3において、信号反転部2Aのスイッチ2−1〜2−4の切り換え動作が、制御部(図示せず)からの制御信号により行われるものとする。
スイッチ2−1〜2−4は、図4に示すように第1〜第4の動作状態があり、この各動作は第1〜第4の期間T1〜T4に行う。
このため、スイッチ2−1で得られる電圧は、センサ1−1の出力電圧V1を反転した反転電圧−V1となる。また、スイッチ2−2〜2−4で得られる各電圧は、センサ1−2〜1−4の出力電圧V2、V3、V4の非反転電圧V2、V3、V4である。
したがって、第1の期間T1において、信号反転部2Aから出力されて測定部4で処理され、測定部4のAD変換部4−2から出力される出力電圧をP1とすると、この出力電圧P1は、(−V1+V2+V3+V4)に比例する。
すなわち、第2の期間T2では、スイッチ2−1〜2−4からは非反転電圧V1、反転電圧−V2、非反転電圧V3、V4が得られる。第3の期間T3では、スイッチ2−1〜2−4からは非反転電圧V1、V2、反転電圧−V3、非反転電圧V4が得られる。第4の期間T4では、スイッチ2−1〜2−4からは非反転電圧V1、V2、V3、反転電圧−V4が得られる。
P1=−V1+V2+V3+V4・・・(1)
P2=V1−V2+V3+V4 ・・・(2)
P3=V1+V2−V3+V4 ・・・(3)
P4=V1+V2+V3−V4 ・・・(4)
V1=1/4・(−P1+P2+P3+P4)・・・(5)
V2=1/4・(P1−P2+P3+P4) ・・・(6)
V3=1/4・(P1+P2−P3+P4) ・・・(7)
V4=1/4・(P1+P2+P3−P4) ・・・(8)
したがって、この実施形態1によれば、4個のセンサ1−1〜1−4の各出力電圧を求めることができる。
図5は、図3の測定系にノイズ(雑音)を重畳させた場合を示したものである。
このノイズは、ホワイトノイズ、すなわち全周波数帯域に対して一定値のノイズを取るものであるとし、そのノイズ値を±Nのように表す。さらに、センサ4個のノイズの大きさはすべて同じ±Nsだが、互いに無相関であるとする。
一方、信号反転部2Aでのノイズの発生は非常に小さいので無視(ノイズはゼロと)し、測定部4の増幅部4−1のノイズは±Naとして定める。さらに、測定部4のAD変換部4−2のノイズは無視するものとする。
P1=−(V1±Ns)+(V2±Ns)
+(V3±Ns)+(V4±Ns)±Na
・・・(9)
P2=(V1±Ns)−(V2±Ns)
+(V3±Ns)+(V4±Ns)±Na
・・・(10)
P3=(V1±Ns)+(V2±Ns)
−(V3±Ns)+(V4±Ns)±Na
・・・(11)
P4=(V1±Ns)+(V2±Ns)
+(V3±Ns)−(V4±Ns)±Na
・・・(12)
P1=−V1+V2+V3+V4±2Ns±Na・・・(13)
P2=V1−V2+V3+V4±2Ns±Na ・・・(14)
P3=V1+V2−V3+V4±2Ns±Na ・・・(15)
P4=V1+V2+V3−V4±2Ns±Na ・・・(16)
この4式に対し、上記の(5)〜(8)式のV1〜V4と同じ演算を行う。仮にセンサ1−1の出力V1を求めたければ、1/4・(−P1+P2+P3+P4)を計算すれば良いので、(13)〜(16)式の場合でもV1の項のみが残り、V2、V3、V4は消える。
したがって、ノイズを考慮したときのセンサ1−1の出力V1’は、次式となる。
V1’=V1±Ns±1/2・Na・・・(17)
これは、時分割処理のときの出力V1±Ns±Naに比べて、増幅部4−1のノイズが2分の1に減少しており、SN比が改善されたことになる。
V2’=V2±Ns±1/2・Na・・・(18)
V3’=V3±Ns±1/2・Na・・・(19)
V4’=V4±Ns±1/2・Na・・・(20)
このため、すべてSN比の改善が達成できる。
特に、センサ1−1〜1−4のノイズ±Nsの大きさが非常に小さく、増幅部4−1のノイズ±1/2・Naと比べて無視できるとしたときに、この実施形態1は最大の効果を発揮することができる。
まず、説明の便宜のため、図4のスイッチ1−1〜1−4の状態を行列表示する。この行列をSとすると、以下のようになる。
一方で、上記の逆行列S−1は、次のようになる。
これは線型代数学理論における当然の帰結である。
「前提条件1:スイッチ行列Sの各要素は、+1もしくは−1のいずれかである。」
この前提条件は、スイッチの状態を非反転(+1)、もしくは反転(−1)に限定したことによるものである。この限定の理由は以下の通りである。
一般的な電気回路を用いることによって、前記要素を任意の数(たとえば−2や+10など)にすることが不可能なわけではない。しかし、仮に−2に設定しようとすると、これは信号を反転して2倍にするということなのだから、自ずと増幅回路が必要となる。しかも、その増幅は4個のセンサの各々に対して適宜必要となる。+10の例の場合でも同様である。その一方で、+1や−1はスイッチだけで構成することが可能である。したがって、回路構成を大幅に圧縮できる。
従来の時分割による信号処理の方法(または、単なる延長線上の方法)であり、本発明の目的であるSN比の改善にはまったく寄与しない。したがって、+1と−1のみが回路構成の圧縮とSN比の改善を両立させることのできる要素の値である。
しかし、前記に限定したとしても、まだ2の16乗通り、すなわち65536通りの行列が考えられる。
「前提条件2:スイッチ行列Sは、逆行列S−1を持たなければならない。」
前提条件2は、線型代数学の理論により、次のように言い換えることもできる。
「前提条件2’:スイッチ行列Sの行列式は、0(ゼロ)であってはならない。」
この前提条件は、本発明が(5)〜(8)式によって演算行列(スイッチ行列の逆行列)を求めることができる場合に対してのみ有効であることによるものである。これにより、前記の65536通りが22272通りまで減少する。
V1=b11・P1+b12・P2+b13・P3+b14・P4
・・・(21)
上式において、仮にb11=0であったとする。このb11=0というのは、AD変換部4−2の出力P1が有効な信号を出していてもまったく利用されない、ということである。数学的に言えば、信号成分が先の特別な場合に対して4分の3(0.75倍)に減ることになる。したがって、SN比改善の目的としては最適な設定条件とは言えない。
「前提条件3:演算行列の各要素は、+1/4もしくは−1/4のいずれかである。」
ここで、±1/4は、演算行列S−1をスイッチ行列Sの逆行列と定義したために固定化された数値である。実際の運用では、前記でも示した通り、AD変換部4−2の出力の比例係数は任意にとれるのだから、前記よりもう少し緩く条件設定し、
「前提条件3’:演算行列S−1の各要素は、+cもしくは−c(ただしc≠0)のいずれかである。」もしくは、
「前提条件3’’:演算行列S−1の各要素は、すべてゼロでないとともに、各々の絶対値がすべて等しい。」
としても一般性を失わない。
つまり、本発明において最大の効果を発揮するスイッチ行列Sの場合数は384通りある。
しかし、これまでの考察で明らかなように、これら384通りはすべて同じSN比改善効果をもたらすものであり、実際の運用では適宜その384通りの中から選べばよい。
操作1:1行目と3行目を各々−1倍する。
操作2:4行目を1行目に、3行目を2行目に、1行目を3行目に、2行目を4行目に入れ替える。
本発明において、操作1は非反転と反転のスイッチ状態をすべて逆さまにしたものであり、これだけの変更ではSN比に影響は与えない。さらに、操作2はセンサの番号付けを変えただけのことであり、何ら一般性を失わない。これと同じ考察をすることによって、この384通りは理論的にはすべて前記のスイッチ行列Sに帰着される。
つまり、前提条件として本来的に先に課さねばならないのは、演算行列S−1であることに注意が必要である。特に、センサとして4個よりも多い個数(5個以上)に対して本発明と同様の手法を適用するときにはきわめて有効な手法である。これまでの説明は、特に4個のセンサに着目したときに発明の技術的内容を明確に記載するための便宜的なものである。
前記の384通りの中には、先のスイッチ行列S及びS’とは異なる以下のスイッチ行列S’’も含まれている。
操作1:1行目を−1倍する。
操作2:操作1の後に1列目を−1倍する。
これらの2段階の操作によって、前述のスイッチ行列Sに戻る。
(1)「4個のセンサの種類(信号特性)がすべて同じ場合」もしくは「4個のセンサの種類は異なるけれども、同様の信号処理をしたほうがよい場合」
この場合には、スイッチの時間的変化をセンサ4つが互いに対称になるようにするのがよい。したがって、スイッチ行列Sまたはスイッチ行列S’が推奨される。このときの場合の数は、前述の384通りのうち96通り存在する。
この場合には、異なる1個のセンサに対してはスイッチを設けないのがよい。したがって、スイッチ行列S’’が推奨される。このときの場合の数は288通りである。
(1)図3に示す実施形態1の信号処理装置は、センサ1−1〜1−4が2端子の電圧出力型の場合であるが、センサ1−1〜1−4を2端子の電流出力型に置き換えるようにしても良い。
この場合には、センサ1−1〜1−4とこれらに対応するスイッチ2−1〜2−5との接続は図3と同様であるが、スイッチ2−1〜2−4同士の接続が図3の直列接続から並列接続に変更される。
センサの個数が2個の場合には、これまでと同様の議論によって、スイッチ行列Sとして以下の数6に示す行列、演算行列S−1として以下の数7に示す行列を選べば、SN比が従来よりも√2倍向上することが示される。
図6は、実施形態2に係る信号処理装置の全体構成を示すブロック図である。
この実施形態2に係る信号処理装置は、図6に示すように、3個の加速度センサ(X軸加速度センサ、Y軸加速度センサ、Z軸加速度センサ)11−1〜11−3と、3個の磁気センサ(X軸磁気センサ、Y軸磁気センサ、Z軸磁気センサ)11−4〜11−6と、信号増幅部12と、信号反転部13と、結合部14と、測定部15と、演算部16とを備えている。信号反転部13は、センサからの出力を増幅する信号増幅部12と、信号を反転させるための6個のスイッチ13−1〜13−6とを備える。
この後の説明によって明らかなように、これらのセンサの個数は6個に限定されるものではなく、2個以上であれば良い。また、センサの種類についても、加速度センサと磁気センサに限定されるものではなく、センサの種類は2種類以上であれば良い。さらに、後述のように、センサの種類は1種類でも良い。
スイッチ13−1〜13−6は、センサ11−1〜11−6に対応して設けられている。すなわち、スイッチ13−1〜13−6のそれぞれは、信号増幅部12を介して、対応するセンサ11−1〜11−6に接続され、互いに同様の機能を備えている。
スイッチ13−1は、例えば図7に示すように、2つの入力端子1301、1302と、2つの出力端子1303、1304と、2つの切り換えスイッチ13−1A、13−1Bと、を備えている。
このような構成のスイッチ13−1では、切り換えスイッチ13−1A、13−1Bの切り換え動作により、入力端子1301、1302に入力される差動入力信号を反転して反転信号を出力し、またはその差動入力信号を反転せずにそのまま非反転信号として、出力端子1303、1304から出力する。
力型と電流出力型がある。このため、センサ11−1〜11−6が電圧出力型の場合には各出力信号は直列に結合されて結合信号が生成され、電流出力型の場合には各出力信号は並列に結合されて結合信号が生成される。
測定部15は、スイッチ13−1〜13−6の開閉動作に同期して結合部14で生成される結合信号を順に受け取り、この各結合信号について増幅、AD変換などの所定の処理を行う。
次に、このような構成の実施形態2の動作について説明する。
この実施形態2は、図6に示すように信号増幅部12を含むが、まず図8に示す測定系(構成)について、その動作を説明する。
この測定系は、図8に示すように、図6に示す信号増幅部12を省略し、かつ、X軸加速度センサ11−1とX軸磁気センサ11−4のみの出力信号の処理を対象とする場合である。
スイッチ13−1、13−4の切り換え動作は、制御部(図示せず)からの制御信号により行われるものとする。また、スイッチ13−1、13−4は、図9に示すように第1と第2の動作状態があり、この各動作は第1、第2の期間T1、T2に行う。図9において、スイッチが非反転の出力のときを「+1」で示し、スイッチが反転の出力のときを「−1」で示す。
P1=Sg+Sm・・・(22)
P2=Sg−Sm・・・(23)
この2式から逆にセンサ11−1、11−4の出力信号Sg’、Sm’を演算部16で求めることができ、具体的には以下のようになる。
Sg’=(P1+P2)/2・・・(24)
Sm’=(P1−P2)/2・・・(25)
図10は、図6において、X軸加速度センサ11−1とX軸磁気センサ11−4のみの出力信号の処理を対象としたブロック図であり、図8との違いは信号増幅部12が追加されている点である。
図10に示す信号増幅部12によれば、X軸加速度センサ11−1の出力信号は信号増幅回路12−1で増幅されて、スイッチ13−1に入力される。また、X軸磁気センサ11−4の出力信号は、そのままスイッチ13−4に入力される。
P1=(Sg/α)+Sm・・・(22A)
P2=(Sg/α)−Sm・・・(23A)
この2式から逆にセンサ11−1、11−4の出力信号Sg’、Sm’を演算部16で求めることができ、式(24)(25)を参照すると、以下のようになる。
Sg’=(α/2)×(P1+P2)・・・(24A)
Sm’=(1/2)×(P1−P2)・・・(25A)
次に、図10に示す実施形態2のSN比について、参考例1〜3との考察を行う。
(参考例のSN比)
まず、図14に示すような時分割処理によるセンサ信号の測定系を参考例1とし、この参考例1のSN比について検討する。
この参考例1に係る測定系は、図12に示すように、センサ11−1、11−4と、スイッチ18−1、18−2と、測定部15を備えている。そして、スイッチ18−1、18−2のオンにより、時分割でセンサ11−1、11−4の出力信号Sg、Smを測定部15に入力し、これを測定部15から出力信号Sg’、Sm’として出力する。
このようなノイズを含む場合の測定部15の出力信号Sg’、Sm’は、以下のようになる。
Sg’=Sg±Ng±Na・・・(26)
Sm’=Sm±Nm±Na・・・(27)
図8におけるセンサ11−1のセンサノイズを±Ngとし、センサ11−4のセンサノイズを±Nmとする。また、スイッチ13−1、13−4及び結合部14ではノイズの発生はないが、測定部15のノイズを±Naとする。
このため、ノイズを含む測定部15の出力信号P1、P2は、式(22)(23)を参照すると、以下のようになる。
P1=Sg+Sm±Ng±Nm±Na・・・(28)
P2=Sg−Sm±Ng±Nm±Na・・・(29)
センサ感度(加速度センサX軸)>センサ感度(磁気センサX軸)
センサノイズ(加速度センサX軸)=センサノイズ(磁気センサX軸)
このような仮定の下では、両センサのSN比の大小関係は以下のようになる。
センサSN比(加速度センサX軸)>センサSN比(磁気センサX軸)
ここでは、考察を簡単化するために、等しく置いた加速度センサと磁気センサのノイズを±Nsとし、測定部15のノイズ±Naを無視(Na=ゼロと)すると、式(26)(27)から図14の測定部15の出力信号Sg’、Sm’は以下のようになる。
Sg’=Sg±Ng=Sg±Ns・・・(30)
Sm’=Sm±Nm=Sm±Ns・・・(31)
センサSN比(X軸加速度センサ)=Sg/Ns・・・(32)
センサSN比(X軸磁気センサ)=Sm/Ns ・・・(33)
したがって、両センサのSN比の大小関係は、以下のように上記の仮定のままである。
センサSN比(X軸加速度センサ)>センサSN比(X軸磁気センサ)
このため、図12の参考例1では、両センサ11−1、11−4の感度の比Sg:Smが、そのまま信号処理後のセンサ出力のSN比の比となって現れる。
したがって、図8に示す参考例2のセンサ11−1、11−4のSN比に関しても図14に示す参考例1のセンサのSN比と同様の結果が導かれることとなる(式(32)(33)参照)。
図12に示す参考例1及び図8に示す参考例2では、いずれの場合も、2つのセンサ11−1、11−4の感度に大小の差があれば、その大小の差がそのまま信号処理後のSN比に反映されてしまう。したがって、図12に示す参考例1や図8に示す参考例2では、そのSN比の大小関係を逆転させることはできない。
そこで、この実施形態2では、図6または図10に示すように、信号増幅部12を設けることで上記の課題を解決するようにした。
まず、図12に示す参考例1のセンサ11−1、11−4とスイッチ18−1、18−2との間に、図10に示す信号増幅部12を挿入(追加)したものを参考例3とし、この参考例3のSN比について検討する。ここで、信号増幅部12におけるノイズは、一般に非常に小さいので無視する。
Sg’=(Sg±Ns)/α・・・(34)
Sm’=Sm±Ns ・・・(35)
式(34)(35)は、式(30)(31)から求められるSN比と何ら変わらない。したがって、参考例3のように、図12に示す参考例1に図10の信号増幅部12を単に追加してもSN比を逆転させることはできない。
次に、図10に示す実施形態2において、上記の信号処理を行ったときのSN比について検討する。ここで、信号増幅部12でのノイズは、一般に非常に小さいので無視する。
この場合には、ノイズを含む測定部15の出力信号P1、P2は、式(28)(29)及び「数8」に示す2式を参照すると、以下のようになる。
すなわち、X軸加速度センサ11−1のノイズの変化は、以下のようになる。
すなわち、X軸加速度センサ11−1のSN比の変化(=SNgとすると)は、以下のようになる。
SNg≦1 ・・・(36)
SNm≧1 ・・・(37)
したがって、この実施形態2によれば、参考例1〜3と比べて、X軸加速度センサ11−1のSN比は悪化するが、X軸磁気センサ11−4のSN比は向上する。
具体的には、「数17」「数18」に示す両式から、SNg/SNm=1/αであることを鑑みると、センサ間のSN比にα倍の相違があれば、信号増幅回路12−1の増幅率を1/α倍とすれば信号処理後のSN比が両者で等しくなる。
さらに具体的に、本実施形態2を6軸電子コンパスに適用すると、以下のようになる。
加速度センサのSN比(1Gに対するセンサ出力を加速度センサノイズで割ったもの)が、磁気センサのSN比(50uTに対するセンサ出力を磁気センサノイズで割ったもの)のγ倍(γ≧1)であるものとする。
また、図10の例では、信号処理後のSN比が低くなっても良い側のセンサに対して増幅率を1/α倍(α≧1)と設定する場合について説明した。しかし、逆に信号処理後のSN比を高くしたい側のセンサに対してα倍(α≧1)の増幅をする場合には、信号増幅部12の構成要素として信号増幅回路が採用され、理論上は全く同様の効果が得られる。
本実施形態2を具体化する場合を考えると、センサ信号が極端に小さい場合を除けば、増幅率が1.0より大きい信号増幅回路よりも増幅率が1.0より小さい信号増幅回路(減衰回路)を使うほうがより良いものと考えられる。その理由は、減衰回路は信号増幅回路と比較して回路規模が小さい、増幅動作をさせるための電力が少ない、ノイズが小さい、などの利点を持っているためである。
例えば、同種のセンサA−1とセンサA−2とがあり、感度、ノイズ、及びSN比がいずれも同じであるが、信号処理後のSN比はセンサA−1のほうを高くしたいときには、信号増幅部12でセンサA−1の出力信号を1.0倍より大きい増幅率で増幅しても良いし、センサA−2の出力信号を1.0倍より小さい増幅率で増幅させても良い。
図13は、センサ1−1、1−4のノイズ±Ng、±Nmが、±Ng≠±Nmというように異なる場合である。
実際には、まず任意の正の数α2を定義し、|±Ng|/α2=|±Nm|となるように操作する。この操作は特別なものではなく、これまでに説明した信号増幅部12によって、もとのX軸加速度センサの出力を増幅または減衰させれば良い。この操作を行えば、その後の信号処理方法は全く同じであるし、それ故その後の計算も全く同じようにして導かれる。
センサの最終のSN比の計算結果は、図13に示した通りであるが、補足すれば以下のようになる。
磁気センサのSN比の式は、従前のαがα1となっただけで、他は何も変わっていない。
また、加速度センサのSN比は、α2の大きさ、すなわちもとのセンサノイズの大きさによって大きくなったり小さくなったりする。しかし、もとの加速度センサのSN比がもとの磁気センサのSN比よりも大きいことを条件とすれば、α2<α1という大小関係が前提となる。したがって、SN比が無限に小さくなるようなことはない。
次に、この実施形態2の変形例について、図14を参照して説明する。
図10に示す実施形態2に係る信号処理装置では、加速度センサ11−1と磁気センサ11−4の2種類(2個)を対象としたが、この変形例は、図14に示すように、4種類のセンサ11−7〜11−10に置き換えたものである。
4種類のセンサ11−7〜11−10は、以下の関係にあるものとする。
センサ11−7・・・もともとの感度が高く、SN比も大きい。
センサ11−8・・・感度及びSN比とも2番目に大きい。
センサ11−9・・・感度及びSN比とも3番目に大きい。
センサ11−10・・・もともとの感度が上記3つより低く、センサ近傍での増幅回路が必要。
すなわち、センサ11−7の出力をもっとも大きく減衰させるために、センサ11−7とスイッチ13−7との間に、減衰率が最も大きな信号増幅回路12−2を挿入した。
センサ11−8の出力を減衰させるために、センサ11−8とスイッチ13−8との間に、信号増幅回路12−2の減衰率よりも減衰率が小さな信号増幅回路12−3を挿入した。いま、信号増幅回路12−2の減衰率を1/α2、信号増幅回路12−3の減衰率を1/α3としたとき、1>1/α3>1/α2となるように減衰率を設定する。
センサ11−9の出力は、減衰や増幅をすることなく、そのままスイッチ13−9に供給するようにした。
なお、この変形例は、図14に示す以外の部分の構成は、図6の実施形態2と同様であるので、その説明は省略する。
すべてのセンサを減衰、または対象となるすべてのセンサを増幅するような構成は無駄な構成である。このため、少なくとも1つのセンサは、センサ信号をそのまま(増幅も減衰もしない)次段のスイッチに伝達することが合理的な構成となる。図14では、そのセンサ信号として、センサ11−9を選んでいる。
次に、本発明の実施形態3について説明する。
図15は、本発明に係る信号処理装置の実施形態3の構成例を示すブロック図である。
この実施形態3に係る信号処理装置は、図15に示すように、n個のセンサ21−1〜21−nと、n個の増幅・スイッチ22−1〜22−nを備える信号反転部22と、結合部23と、測定部24と、演算部25とを備えている。信号反転部22は信号反転機能と共に増幅機能を併せ持っている。
n個の増幅・スイッチ22−1〜22−nは、n個のセンサ21−1〜21−nに対応して設けられている。すなわち、増幅・スイッチ22−1〜22−nのそれぞれは、対応するセンサ21−1〜1−nに接続され、同様の機能を備えている。信号反転部22の具体例は後述する。
ここで、センサ21−1〜21−nは2端子型センサとする場合には、例えば電圧出力型と電流出力型がある。このため、センサ21−1〜21−nが電圧出力型の場合には各出力信号は直列に結合されて結合信号が生成され、電流出力型の場合には各出力信号は並列に結合されて結合信号が生成される。
測定部24は、信号反転部22の動作に同期して結合部23で生成される結合信号C1〜Cnを順に受け取り、この各結合信号C1〜Cnについて増幅、AD変換などの所定の処理を行う。
演算部25によるセンサ21−1〜21−nの各出力値の演算処理は、CPU(中央処理装置)またはコンピュータによるソフトウェアなどによって実現できる。
図16は、図15に示す実施形態3において、センサ21−1〜21−nとして2端子の電圧出力型のセンサを採用する場合の構成例を示す。
この実施形態3に係る信号処理装置は、図16に示すように、n個のセンサ21−1〜21−nと、信号反転部22Aと、測定部24と、演算部25とを備えている。
信号反転部22Aは、図16に示すように、増幅・スイッチ22−1〜22−nを備えている。
増幅・スイッチ22−1は、スイッチ群22−1aと、共通の増幅器22−Aと、を備えている。増幅・スイッチ22−2は、スイッチ群22−2aと、増幅器22−Aと、を備えている。同様に、n番目の増幅・スイッチ22−nは、スイッチ群22−naと、増幅器22−Aと、を備えている。
増幅器22−Aは、増幅率が−α倍であり、n個のセンサ21−1〜21−nの出力V1〜Vnのうち、スイッチ群22−1a、22−2a・・・22−naで選択された出力を反転増幅して反転増幅信号を生成するようになっている。
ここで、図16の例では、n個の増幅・スイッチ22−1〜22−nのそれぞれは、同一の増幅器22−Aを使用(共有)するようになっているが、増幅器を個別に設けるようにしても良い。
演算部25は、測定部24から出力される出力データの電圧P1〜Pnを所定の演算により線型結合させ、この線型結合を基に、センサ21−1〜21−nの各出力値を求める所定の演算を行い、この演算結果を出力する。
次に、実施形態3の動作例について、図面を参照して説明する。
図16において、増幅・スイッチ22−1〜22−nのスイッチ群22−1a、22−2a・・・22−naのスイッチの切り換え動作は、制御部(図示せず)からの制御信号により行われるものとする。
まず、第1の期間T1では、スイッチ群22−1aは、スイッチ22−1A、22−1C、222−1D、22−1Fのみがオンになる。また、スイッチ群22−2aは、スイッチ22−2B、2−2Eのみがオンになる。そして、スイッチ群22−naは、スイッチ22−nB、22−nEのみがオンになる。これにより、スイッチのオン状態は図16に示すようになる。
次に、第2の期間T2では、スイッチ群22−1aは、スイッチ22−1B、22−1Eのみがオンになる。また、スイッチ群22−2aは、スイッチ22−2A、22−2C、22−2D、22−2Fのみがオンになる。そして、スイッチ群22−naは、スイッチ22−nB、22−nEのみがオンになる。
、反転増幅部22Aの出力は、(V1−αV2+・・・+Vn)となる。
同様に、第nの期間Tnでは、スイッチ群22−1aは、スイッチ22−1B、22−1Eのみがオンになる。また、スイッチ群22−2aは、スイッチ22−2B、22−2Eのみがオンになる。そして、スイッチ群22−naは、スイッチ22−nA、22−nC、22−nD、22−nFのみがオンになる。
このような第1〜第nの期間T1〜Tnにおける増幅・スイッチ22−1〜22−nの切り換え動作をまとめると、図17に示すようになる。
また、増幅・スイッチ22−2により得られる電圧は、期間T2にセンサ21−2の出力電圧V2を−α倍した電圧−αV2が得られ、それ以外の各期間T1、T3〜Tnにはその出力電圧V2を+1倍した非反転の電圧V2が得られる。
図17では、増幅・スイッチ22−1〜22−nにより得られる各電圧が、非反転の電圧のときは「+1」で示し、−α倍された電圧のときは「−α」で示す。
P1=−αV1+V2+V3+・・・+Vn・・・(38−1)
P2=V1−αV2+V3+・・・+Vn ・・・(38−2)
P3=V1+V2−αV3+・・・+Vn ・・・(38−3)
・・・
Pn=V1+V2+V3+・・・−αVn ・・・(38−n)
V1=1/β・[(α−n+2)P1+P2+P3+・・・+Pn]
・・・(39−1)
V2=1/β・[P1+(α−n+2)P2+P3+・・・+Pn]
・・・(39−2)
V3=1/β・[P1+P2+(α−n+2)P3+・・・+Pn]
・・・(39−3)
・・・・
Vn=1/β・[P1+P2+P3+・・・+(α−n+2)Pn]
・・・(39−n)
ただし、β=−α2+(n−2)α+n−1である。
たとえば、n=6とすれば、信号反転部2Aの出力電圧P1〜P6は以下のようになる。
P1=−αV1+V2+V3+V4+V5+V6・・・(40−1)
P2=V1−αV2+V3+V4+V5+V6 ・・・(40−2)
P3=V1+V2−αV3+V4+V5+V6 ・・・(40−3)
P4=V1+V2+V3−αV4+V5+V6 ・・・(40−4)
P5=V1+V2+V3+V4−αV5+V6 ・・・(40−5)
P6=V1+V2+V3+V4+V5−αV6 ・・・(40−6)
V1=1/β・[(α−4)P1+P2+P3+P4+P5+P6]
・・・(41−1)
V2=1/β・[P1+(α−4)P2+P3+P4+P5+P6]
・・・(41−2)
V3=1/β・[P1+P2+(α−4)P3+P4+P5+P6]
・・・(41−3)
V4=1/β・[P1+P2+P3+(α−4)P4+P5+P6]
・・・(41−4)
V5=1/β・[P1+P2+P3+P4+(α−4)P5+P6]
・・・(41−5)
V6=1/β・[P1+P2+P3+P4+P5+(α−4)P6]
・・・(41−6)
ただし、β=−α2+4α+5である。
図18は、図16の測定系と図17の動作タイミングにおいて、ノイズ(雑音)を重畳させた場合を示したものである。ただし、図示の実施形態3は、図15を基本にしている。
また、信号反転部22及び結合部23では、新たにノイズが発生することはないが、センサノイズと増幅率に応じたノイズがそのまま出力されるものとする。一方、測定部24では増幅部やAD変換部などで測定ノイズが新たに発生するものとし、この測定ノイズを±Naとして定める。
したがって、ノイズを含む出力電圧P1〜Pnは、上記の(38−1)〜(38−n)式を参照することにより以下のようになる。
P1=−α(V1±Ns)+(V2±Ns)
+(V3±Ns)+・・・+(Vn±Ns)±Na
・・・(42−1)
P2=(V1±Ns)−α(V2±Ns)
+(V3±Ns)+・・・+(Vn±Ns)±Na
・・・(42−2)
P3=(V1±Ns)+(V2±Ns)
−α(V3±Ns)+・・・+(Vn±Ns)±Na
・・・(42−3)
・・・
Pn=(V1±Ns)+(V2±Ns)
+(V3±Ns)+・・・−α(Vn±Ns)±Na
・・・(42−n)
P1=−αV1+V2+V3+・・・+Vn±√(α2+n−1)Ns±Na
・・・(43−1)
P2=V1−αV2+V3+・・・+Vn±√(α2+n−1)Ns±Na
・・・(43−2)
P3=V1+V2−αV3+・・・+Vn±√(α2+n−1)Ns±Na
・・・(43−3)
・・・
Pn=V1+V2+V3+・・・−αVn±√(α2+n−1)Ns±Na
・・・(43−n)
このn個の式に対し、上記の(39−1)〜(39−n)式のV1〜Vnと同じ演算を行う。仮にセンサ21−1の出力V1を求めたければ、1/β・[(α−n+2)P1+P2+P3+・・・+Pn)を計算すれば良い。
したがって、センサノイズ及び測定ノイズを考慮したときの各センサの出力V1’〜Vn’は、以下のようになる。
V1’=V1±γ/β(ηNs±Na)・・・(44−1)
V2’=V2±γ/β(ηNs±Na)・・・(44−2)
V3’=V3±γ/β(ηNs±Na)・・・(44−3)
・・・
Vn’=Vn±γ/β(ηNs±Na)・・・(44−n)
β=−α2+(n−2)α+n−1・・・(45−1)
γ=√[α2+(−2n+4)α+n2−3n+3]・・・(45−2)
η=√(α2+n−1)・・・(45−3)
基本的には、n個のセンサに対して上記の式(44−1)〜(45−3)を用いて、増幅器22−Aの増幅率αを決めれば良い。以下、具体例を2つ挙げてSN比を考察する。
この具体例1は、センサが6個のときに測定ノイズを最小にする場合である。
すなわち、n=6のときである。これまでの計算を適用すると、以下のようになる。
V1’=V1±γ/β(ηNs±Na)・・・(46−1)
V2’=V2±γ/β(ηNs±Na)・・・(46−2)
V3’=V3±γ/β(ηNs±Na)・・・(46−3)
V4’=V4±γ/β(ηNs±Na)・・・(46−4)
V5’=V5±γ/β(ηNs±Na)・・・(46−5)
V6’=V6±γ/β(ηNs±Na)・・・(46−6)
β=−α2+4α+5・・・(47−1)
γ=√(α2−8α+21)・・・(47−2)
η=√(α2+5)・・・(47−3)
微分計算もしくは数値計算等の結果、f6はα≒1.21において最小値0.30を取ることが示される。このとき、β≒8.38、γ≒3.58、η≒2.54である。
したがって、増幅器22−Aの増幅率αを1.21と設定することにより、次式を得ることができる。
V1’≒V1±1.09Ns±0.30Na・・・(48−1)
V2’≒V2±1.09Ns±0.30Na・・・(48−2)
V3’≒V3±1.09Ns±0.30Na・・・(48−3)
V4’≒V4±1.09Ns±0.30Na・・・(48−4)
V5’≒V5±1.09Ns±0.30Na・・・(48−5)
V6’≒V6±1.09Ns±0.30Na・・・(48−6)
この(48−1)〜(48−6)式を見ると、センサノイズ±Nsが無視できるほど小さい場合には、従来の時分割処理と比べてSN比で1/0.30倍、つまり約3.3倍向上することがわかる。
この具体例2は、センサがn個のときにセンサノイズを最小にする場合である。
上記の式(45−1)〜(45−3)において、fn=γη/βを最小にするαを計算すると、α=n/2−1となり、さらに、最小値はnにかかわらず常にfn=1であることが示される。
したがって、この場合には、β=n2/4、γ=n/2、η=n/2となり、式(44−1)〜(44−n)は、以下のようになる。
V1’=V1±Ns±(2/n)Na・・・(49−1)
V2’=V2±Ns±(2/n)Na・・・(49−2)
・・・
Vn’=Vn±Ns±(2/n)Na・・・(49−n)
つまり、センサノイズがそれなりに大きい場合は、α=n/2−1と設定すれば、センサノイズによるSN比は時分割処理の場合と同じであり、さらに測定ノイズによるSN比をn/2倍に向上させることができる。
一方で、センサノイズ及び測定ノイズは任意の設計事項であるので、センサノイズが比較的小さい場合には具体例1を、比較的大きい場合には具体例2を利用することが推奨される。
以下、本発明の実施形態4について説明する。
この実施形態4は、センサに抵抗型センサを使用する場合に好適な信号処理装置である。
図19は、本発明の信号処理装置の実施形態4の構成例を示すブロック図である。
この実施形態4は、図19に示すように、4個の抵抗型センサ31−1〜31−4と、検出回路形成部32と、測定部33と、演算部34とを備えている。
4個の抵抗型センサ31−1〜31−4のそれぞれは、何らかの物理量の変化が電気抵抗値の変化によって検知可能なものであり、この定義は抵抗型センサの一般的な慣例に従うものである。
なお、r及びRについては抵抗値そのものであるので必ず正の値(ゼロより大きい)を取るが、ΔRについては正でも負でもゼロでもよい。
r1=R1+ΔR1・・・(50)
r2=R2+ΔR2・・・(51)
r3=R3+ΔR3・・・(52)
r4=R4+ΔR4・・・(53)
このとき、この4個の抵抗型センサ31−1〜31−4の抵抗値r1〜r4の変化は、互いに異なる物理量の変化に起因して生じるものとする。
検出回路形成部32は、物理量の測定のときに、4個の抵抗型センサ31−1〜31−4のうちから予め定めた2個の抵抗型センサを選択し、図20A〜図20Dに示すように、この選択した2個の抵抗型センサを含む予め定めた抵抗検出回路321〜324を順に形成または組み立てるものである。
検出回路形成部32では、物理量の測定の1サイクルの期間内にフェーズ1〜4の各動作を順に行い、そのフェーズ1〜4に応じて図20A〜図20Dに示すような4個の抵抗検出回路321〜324が形成される。
フェーズ2では、図20Bに示すように、抵抗型センサ31−2、31−3に係る抵抗r2、r3と参照用の2つの抵抗Rrefとを組み込んだ、フルブリッジ回路からなる抵抗検出回路322が形成される。
フェーズ4では、図20Dに示すように、抵抗型センサ31−1、31−4に係る抵抗r1、r4と参照用の2つの抵抗Rrefを組み込んだ、フルブリッジ回路からなる抵抗検出回路324が形成される。
フェーズ1における抵抗検出回路321の出力電圧V1は、電源供給端子325に供給される電圧をVとすると、以下のようになる(図20A参照)。
V1=A1−B1・(ΔR1+ΔR3)・・・(54)
すなわち、抵抗検出回路321の出力電圧V1は、抵抗型センサ31−1、31−3に係る抵抗r1、r3の抵抗値の変化ΔR1、ΔR3の和(加算結果)に応じた電圧を測定することによって求めることができる。なお、A1、B1の値は任意の設計事項なので、電圧の変化に着目すると、式(54)は以下の式(55)と書くことができる。
V1∝ΔR1+ΔR3・・・(55)
V1=ΔR1+ΔR3・・・(56)
次に、フェーズ2における抵抗検出回路322の出力電圧V2を求めると、以下のようになる(図20B参照)。
V2=A2−B2・(ΔR3−ΔR2)・・・(57)
V2=ΔR3−ΔR2・・・(58)
このため、検出回路形成部32において、フェーズごとに出力される出力電圧V1〜V4をまとめると、以下のようになる。
V1=ΔR1+ΔR3 ・・・(59)
V2=ΔR3−ΔR2 ・・・(60)
V3=ΔR2+ΔR4 ・・・(61)
V4=−ΔR4+ΔR1・・・(62)
なお、検出回路形成部32はこれまですべてブリッジ回路で構成されるものとして説明してきたが、2個以上の抵抗型センサの抵抗変化分を電圧に変換できる回路であればよい。たとえば、抵抗型センサに一定の電流を流した電流電圧変換回路でも抵抗を電圧に変換することは可能であるし、DA(DigitalToAnalog)変換器で良く利用される抵抗ラダー回路でも可能である。
本実施形態4の場合、抵抗値相互の減算結果を電圧値に変換する場合があるため、コストや精度の観点から、特にフルブリッジ回路が最適である。
また、検出回路形成部32の後段に、トランジスタや増幅器が存在しても良い。
このため、測定部33は、例えば、抵抗検出回路321〜324から出力される出力電圧V1〜V4を増幅する演算増幅器(オペアンプ)からなる増幅回路(図示せず)と、増幅回路の出力をAD変換するAD変換回路(図示せず)と、を備えている。
〜V4について所定の演算により線型結合させ、この線型結合に基づいて各軸(X軸、Y軸、Z軸とする)の出力を求める演算を行い、この演算結果を出力する。
ここで、測定部33は、上記のように、検出回路形成部32から取り込んだ出力電圧V1〜V4についてAD変換回路でAD変換してデジタル信号として出力する。このため、演算部34による各軸の出力の演算は、CPU(中央処理装置)またはコンピュータによるソフトウェアなどによって実現できる。
次に、本発明の実施形態4の具体例について説明する。
まず、具体例1について説明する。
この具体例1は、図19に示す実施形態4において、抵抗型センサ31−1〜31−4として、以下のような出力特性を有する磁気抵抗型のセンサを適用した場合である。
ΔR1=X+Z=kx・Bx+kz・Bz・・・(63)
ΔR2=X−Z=kx・Bx−kz・Bz・・・(64)
ΔR3=Y+Z=ky・By+kz・Bz・・・(65)
ΔR4=Y−Z=ky・By−kz・Bz・・・(66)
なお、式(63)〜(66)で示すような出力特性を有する磁気抵抗型のセンサの具体的な内部構成は、特開2002−71381号公報などに記載のように公知である。
フェーズ1:V1(時分割)=ΔR1=X+Z・・・(67)
フェーズ2:V2(時分割)=ΔR2=X−Z・・・(68)
フェーズ3:V3(時分割)=ΔR3=Y+Z・・・(69)
フェーズ4:V4(時分割)=ΔR4=Y−Z・・・(70)
X軸磁場:X=1/2・(V1(時分割)+V2(時分割))
・・・(71)
Y軸磁場:Y=1/2・(V3(時分割)+V4(時分割))
・・・(72)
Z軸磁場:Z=1/4・(V1(時分割)−V2(時分割)
+V3(時分割)−V4(時分割))
・・・(73)
フェーズ1:V1=ΔR1+ΔR3=X+Y+2Z ・・・(74)
フェーズ2:V2=ΔR3−ΔR2=−X+Y+2Z・・・(75)
フェーズ3:V3=ΔR2+ΔR4=X+Y−2Z ・・・(76)
フェーズ4:V4=−ΔR4+ΔR1=X−Y+2Z・・・(77)
この演算は、具体的には以下のようになる。
X軸磁場:X=1/4・(V1−V2+V3+V4)・・・(78)
Y軸磁場:Y=1/4・(V1+V2+V3−V4)・・・(79)
Z軸磁場:Z=1/8・(V1+V2−V3+V4)・・・(80)
また、図20A〜図20Dの各フェーズでの抵抗検出回路321〜324は、これが唯一の構成ではない。1つ目の例として、各フェーズ間の互換はまったく一般性を失わない。2つ目の例として、4つの全フェーズにおいて抵抗型センサ31−1〜31−4に係る抵抗r1〜r4と参照用の抵抗Rrefを入れ替えてもまったく同様の結果を得ることができる。同様に、各フェーズ間において選択する抵抗型センサ同士を入れ換えても、式(74)〜(77)を満たすことができる。
さて、上記の式(74)〜(77)は、WO2008/032741号公報に記載の〔数9〕と酷似している。そのまま〔数9〕を抜粋すると、以下のようになる。
(α)=A+C=Hx+Hy+2Hz+√2n ・・・(81)
(β)=A+D=Hx−Hy+2Hz+√2n ・・・(82)
(γ)=B+D=−Hx−Hy+2Hz+√2n・・・(83)
(δ)=B+C=−Hx+Hy+2Hz+√2n・・・(84)
一方、式(76)と式(83)は符号が異なる。この符号の相違は、本発明の技術対象に対しては、上記の特許文献に記載される磁気抵抗型センサを用いているために生じている相違であり、すなわち、避けることのできない相違である。しかし、WO2008/032741号公報に記載の発明では符号の反転が可能であるため、(γ)を以下のように定義し直すことによって式(76)と式(83)は同様になる。
(γ)=−B−D・・・(85)
そのため、まず実施形態4の具体例1の比較対象である時分割処理の場合の各フェーズでの信号成分、ノイズ成分を以下のように定義する。
フェーズ1:V1(時分割)=ΔR1=X+Z±Ns±Na・・・(86)
フェーズ2:V2(時分割)=ΔR2=X−Z±Ns±Na・・・(87)
フェーズ3:V3(時分割)=ΔR3=Y+Z±Ns±Na・・・(88)
フェーズ4:V4(時分割)=ΔR4=Y−Z±Ns±Na・・・(89)
サに起因するノイズ、±Naは各フェーズでの測定部33で発生するノイズを示すものとする。さらに、これら両ノイズは、いわゆるホワイトノイズ(白色雑音)、すなわち全周波数帯域に対して一定値のノイズを取るものであるとし、各ノイズはすべて互いに無相関であるものとする。
X軸磁場(ノイズ含む):X’=1/2・(2X±√2Ns±√2Na)
・・・(90)
Y軸磁場(ノイズ含む):Y’=1/2・(2Y±√2Ns±√2Na)
・・・(91)
Z軸磁場(ノイズ含む):Z’=1/4・(4Z±2Ns±2Na)
・・・(92)
フェーズ1:V1=ΔR1+ΔR3
=(X+Z±Ns)+(Y+Z±Ns)±Na
=X+Y+2Z±√2Ns±Na ・・・(93)
フェーズ2:V2=ΔR3−ΔR2
=(Y+Z±Ns)−(X−Z±Ns)±Na
=−X+Y+2Z±√2Ns±Na ・・・(94)
フェーズ3:V3=ΔR2+ΔR4
=(X−Z±Ns)+(Y−Z±Ns)±Na
=X+Y−2Z±√2Ns±Na ・・・(95)
フェーズ4:V4=−ΔR4+ΔR1
=−(Y−Z±Ns)+(X+Z±Ns)±Na
=X−Y+2Z±√2Ns±Na ・・・(96)
測定部33は1つのため、式(93)〜(96)では、各フェーズにおける±Naはノイズを含んだセンサ信号2個分の和に対して各1個分が加えられる。さらに、センサノイズが互いに無相関であることから、式(93)〜(96)では、2行目のように変形することができる。
X軸磁場(ノイズ含む):X’=1/4・(4X±2√2Ns±2Na)
・・・(97)
Y軸磁場(ノイズ含む):Y’=1/4・(4Y±2√2Ns±2Na)
・・・(98)
Z軸磁場(ノイズ含む):Z’=1/8・(8Z±2√2Ns±2Na)
・・・(99)
X軸SN比:Nsに対するSN比は同じ。Naに対するSN比は√2倍向上。
Y軸SN比:Nsに対するSN比は同じ。Naに対するSN比は√2倍向上。
Z軸SN比:Nsに対するSN比は√2倍向上。Naに対するSN比は2倍向上。
X軸SN比:Naに対するSN比は√6/2倍(約1.22倍)向上。
Y軸SN比:Naに対するSN比は√6/2倍(約1.22倍)向上。
Z軸SN比:Naに対するSN比は√3倍(約1.73倍)向上。
したがって、抵抗型センサに起因するノイズが非常に小さく、測定部33に起因するノイズと比べて無視できるとしたときに、実施形態4の具体例1は最大の効果を発揮する。
次に、実施形態4の具体例2について説明する。
この具体例2は、図19に示す実施形態4において、抵抗型センサ31−1〜31−4として、以下のような出力特性を有する磁気抵抗型のセンサを適用したものである。
ΔR1=X+Z+Yx=kx・Bx+kz・Bz+kyx・By
・・・(100)
ΔR2=X−Z+Yx=kx・Bx−kz・Bz+kyx・By
・・・(101)
ΔR3=Y+Z+Xy=ky・By+kz・Bz+kxy・Bx
・・・(102)
ΔR4=Y−Z+Xy=ky・By−kz・Bz+kxy・Bx
・・・(103)
なお、式(100)〜(103)で示すような出力特性を有する磁気抵抗型のセンサの具体的な内部構成は、特開2002−71381号公報などに記載のように公知である。
フェーズ1:V1=ΔR1+ΔR3=(X+Yx)+(Y+Xy)+2Z
・・・(104)
フェーズ2:V2=ΔR3−ΔR2=−(X+Yx)+(Y+Xy)+2Z
・・・(105)
フェーズ3:V3=ΔR2+ΔR4=(X+Yx)+(Y+Xy)−2Z
・・・(106)
フェーズ4:V4=−ΔR4+ΔR1=(X+Yx)−(Y+Xy)+2Z
・・・(107)
これを具体的に書けば、以下のようになる。
X+Yx=1/4・(V1−V2+V3+V4) ・・・(108)
Y+Xy=1/4・(V1+V2+V3−V4) ・・・(109)
Z=1/8・(V1+V2−V3+V4) ・・・(110)
なお、上記までの説明で明らかなように、Bx、By、Bz乃至X、Y、Zは、特に磁場成分値でなくても良く、4個の抵抗型センサに対して式(100)〜(103)の出力特性を満たすようなセンサであれば元の物理量は磁場に限るものではない。
この式(108)〜(110)の結果を見ると、式(110)によりZ軸の磁場はすでに求められている。実際には、実施形態4の具体例1とまったく同じ式である。つまり、SN比の向上については具体例1とまったく同じ結論が成立する。
V1−V2+V3+V4=4(X+Yx)
=4(kx・Bx+kyx・By)=P1
・・・(111)
V1+V2+V3−V4=4(Y+Xy)
=4(kxy・Bx+ky・By)=P2
・・・(112)
式(111)(112)で定義したP1及びP2を用いて具体的に書けば、以下のようになる。
以上説明したように、本発明の実施形態4によれば、検出回路形成部32が、物理量の測定のときに、4個の抵抗型センサ31−1〜31−4のうちの予め定めた2個の抵抗型センサを選択し、この選択した2個の抵抗型センサを含む予め定めた抵抗検出回路321〜324を形成するようにした。
このため、この実施形態4によれば、複数の抵抗検出回路を必要とする場合に、構成要素の共通化を図って回路規模などの小型化を図ることができる上に、SN比の改善に寄与することができる。
2、2A…信号反転部
2−1〜2−4…スイッチ
3…結合部
4…測定部
4−1…増幅部
4−2…AD変換部
5…演算部
11−1〜11−3…加速度センサ
11−4〜11−6…磁気センサ
11−7〜11−10…センサ
12…信号増幅部
12−1〜12−4…信号増幅回路
13−1〜13−10…スイッチ
14…結合部
15…測定部
16…演算部
21−1〜21−n…センサ
22、22A…信号反転部
22−1〜22−n…増幅・スイッチ
22−1a〜22−na…スイッチ群
22−A…増幅器
23…結合部
24…測定部
25…演算部
31−1〜31−4…抵抗型センサ
32…検出回路形成部
33…測定部
34…演算部
321〜324…抵抗検出回路
Claims (5)
- 所望の物理量に基づく信号成分を含んだ4個以上の物理量信号それぞれに基づく複数の要素信号を、前記物理量信号の数以上の回数だけ結合して互いに相異なる結合信号を出力する結合部と、
前記結合部から出力される結合信号を順に受け取る測定部と、
前記測定部から順に出力される前記結合信号に基づいて生成された信号から前記所望の物理量に基づく信号成分を求める演算部と、を有し、
前記複数の物理量信号を受け取り、当該物理量信号それぞれに対応する前記要素信号のうち、予め定めた信号については、前記物理量信号を反転した反転信号を前記要素信号とし、残りの信号については前記物理量信号を反転せずに非反転信号を前記要素信号として出力する信号反転部をさらに備え、
前記演算部は、前記測定部から順に出力される前記結合信号を線型結合させ、さらに前記演算部における線型結合演算する変換と、前記結合部における結合信号を規定する変換と、が互いに逆の線型変換であり、
全ての前記結合信号において、各結合信号に含まれる要素信号のそれぞれは、前記物理量信号の前記反転信号または前記物理量信号の前記非反転信号のいずれかであって、全ての前記結合信号は前記物理量信号の前記反転信号と前記物理量信号の前記非反転信号との両方を含むことを特徴とする信号処理装置。 - 前記演算部は、前記結合部から出力される結合信号と、所定の係数とを線型結合した線型結合データに基づき前記所望の物理量に基づく信号成分を求めるようになっており、前記係数は、0を含まず、且つ、絶対値が全て等しく、さらに前記所望の物理量に基づく信号成分は全て正の係数と負の係数との両方を含むことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
- 前記結合部における結合信号の出力回数が前記物理量信号の数と同じであるとともに、さらに前記逆の線形変換が互いに逆行列の関係であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の信号処理装置。
- 前記物理量信号の数が4個であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の信号処理装置。
- 前記物理量信号が、異なる物理量を計測する少なくとも2種類のセンサから出力される信号であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の信号処理装置。
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