JP6285221B2 - 重合開始系および高反応性オレフィン機能性高分子の製造方法 - Google Patents

重合開始系および高反応性オレフィン機能性高分子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6285221B2
JP6285221B2 JP2014046191A JP2014046191A JP6285221B2 JP 6285221 B2 JP6285221 B2 JP 6285221B2 JP 2014046191 A JP2014046191 A JP 2014046191A JP 2014046191 A JP2014046191 A JP 2014046191A JP 6285221 B2 JP6285221 B2 JP 6285221B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
group
ether
isobutene
lewis acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014046191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014173091A (ja
Inventor
ファウスト ルドルフ
ファウスト ルドルフ
エマート ヤコブ
エマート ヤコブ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Massachusetts UMass
Original Assignee
University of Massachusetts UMass
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Massachusetts UMass filed Critical University of Massachusetts UMass
Publication of JP2014173091A publication Critical patent/JP2014173091A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6285221B2 publication Critical patent/JP6285221B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/06Metallic compounds other than hydrides and other than metallo-organic compounds; Boron halide or aluminium halide complexes with organic compounds containing oxygen
    • C08F4/26Metallic compounds other than hydrides and other than metallo-organic compounds; Boron halide or aluminium halide complexes with organic compounds containing oxygen of manganese, iron group metals or platinum group metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F110/00Homopolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F110/04Monomers containing three or four carbon atoms
    • C08F110/08Butenes
    • C08F110/10Isobutene

Description

本発明は、ポリマー鎖の少なくとも50mol%は、末端二重結合を有する、高反応性オレフィンポリマーを製造するための方法、および該方法を達成するための新規の重合開始系(polymerization initiating system)に関する。
イソブチレン(IB)のカルボカチオン重合は、大きな科学的関心および工業的関心の主題である。化学的に安定な完全飽和ポリマーであるというポリイソブチレン(PIB)の特有の性質は、ポリイソブチレンを、医療デバイスから、モーターオイルおよび燃料添加剤としての使用に適切な無灰(ashless)(金属非含有)分散剤/界面活性剤までの範囲にわたる用途を有する望ましい物質にする。これらの無灰分散剤/界面活性剤は、オレフィン性末端基を有する低分子量(約500〜約5000の数平均分子量(
Figure 0006285221
))PIBまたはポリブテン(IBとC4オレフィンのコポリマー)由来のオリゴアミン末端基を有する油溶性界面活性剤として特徴付けられ得る。
オレフィン末端基を有する低分子量IBホモポリマーまたはコポリマーを製造するための2つの主要な工業的方法が開発されている。「従来の」方法では、C4混合物およびハロゲン化アルミニウムに基づいた触媒系(catalyst system)を使用し、三置換オレフィンの高い含有量を有するポリブテンが製造される。三置換オレフィン末端基の反応性が低いために、ポリブテンを塩素化して、無水マレイン酸と反応させ、ポリブテニルコハク酸無水物を得て、次いでこれをオリゴアルキレンイミンと反応させて、ポリブテニルスクシンイミド型無灰分散剤/界面活性剤を得る必要がある。他の方法では、低温での重合反応のラン(run)において、純粋なIB供給流、およびアルコールまたはエーテルのいずれかを伴うBF3複合体に基づく触媒が使用されて、エキソオレフィン末端基の高い含有量を有する高反応性PIB(HR PIB)を生じる。従来のポリブテンの三置換オレフィンとは対照的に、PIBエキソオレフィンは、熱的「エン」反応において無水マレイン酸と容易に反応し、PIBコハク酸無水物、次いでポリイソブテニルスクシンイミド無灰分散剤を生じる。最終産物が塩素を含まないので、HR PIBは、従来のポリブテンよりも望ましい。しかしながら、BF3は取り扱いが難しく、そして、該ポリマーはフッ素を含むことがある。さらに、上述のように、この方法には純粋なIB供給流および低温(例えば、-30℃)が必要であるので、より高価な製品が生じる。
HR PIBを製造するための上述の商業的な方法は、Rathに対するUS Pat. No. 5,408,018(およびDE-A 2702604)に報告されている。続いて、Rathらに対するUS Pat. No. 6,407,186、6,753,389および7,217,773、ならびにWettlingらに対するUS Pat. No. 6,846,903、6,939,943および7,038,008に、ある範囲のプロセス増強が報告された。異なる温度領域(temperature regime)および短い滞留時間(residence time)を使用した改変された方法も、以前に記載された(例えば、Baxterらに対するUS Pat. No. 6,562,913および6,683,138)。これらの開示の全てには、BF3触媒およびアルコールまたはエーテル共触媒を用いて実行された重合が記載される。特に、商業的に利用可能な混合C4ラフィネートI流と共に使用した場合、かかる触媒方法は、ポリマー中に残存フッ素を残し得る。少量のフッ素の存在さえも、HFの放出により、下流の官能基化反応器において問題を引き起こすので、フッ素を除去する高価な後処理が必要になる。
そのため、HR PIBを製造するための他の方法を見つけるための多くの試みがなされている。例えば、ほぼ計算可能なエキソオレフィン末端基を有するPIBが、tert-クロライド末端化(chloride terminated)PIB (PIB-Cl)を、カリウムtert-ブトキシドおよびアルカリエトキシドなどの強塩基と、還流テトラヒドロフラン(THF)中で、20〜24時間反応させること(Kennedy, J.P.; Chang, V.S.C.; Smith, R.A.; Ivaen, B. Polym. Bull. 1979, 1, 575);リビングPIBを、メタリルトリメチルシランでクエンチすること(Nielsen, L.V.; Nielson, R.R.; Gao, B.; Kops, J.; Ivaen, B. Polymer 1997, 38, 2528.);リビングPIBを、ヒンダード塩基(例えば、2,5-ジメチルピロールまたは1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン)でクエンチすること(Simison, K.L.; Stokes, C.D.; Harrison, J.J.; Storey, R.F. Macromolecules 2006, 39, 2481);リビングPIBを、アルコキシシランまたはエーテル化合物でクエンチすること(Storey, R.F.; Kemp, L.L. U.S. Patent Application Publication, 2009/0318624 A1, Dec. 24, 2009);ならびにリビングPIBを、モノスルフィド(mono-sulfide)と反応させ、その後得られたスルホニウム塩を塩基で分解すること(Morgan. D.L.; Stokes, C.D.; Meierhoefer, M.A.; Storey, R.F. Macromolecules 2009, 42, 2344)により得られている。しかしながら、上記の方法は全て、中程度の極性溶媒中、低温でのリビングカチオン重合を含み、高価な反応物を使用するので高価である。
元素の周期表のV族およびVI族の酸化物に基づいたハロゲン非含有金属触媒の広範な開示は、Sigwartらに対するUS Pat. No. 6,441,110に記載されたが、これらの触媒は、不均一であり、適度な量のエキソオレフィンのみを用いて、不充分なモノマー反応率(conversion)を生じた。ニトリルリガンドおよび弱く配位結合しているアニオンを伴う元素の周期系の第3周期から第12周期の金属に基づいた別の触媒系が、Bohnepollらに対するUS Pat. No. 7,291,758に記載された。これらの触媒は、非極性の全てが炭化水素の媒体中ではなく、極性のジクロロメタン溶液中のみで使用された。
より最近では、ある範囲の開始剤または偶然に生じた(adventitious)水と組み合わせたAlCl3-OBu2複合体は、IBの重合を開始させ、極性溶媒(CH2Cl2/ヘキサン80/20 v/v)中、ある範囲の温度(-60〜-20℃)で、95%までの高いエキソオレフィン末端基を有するPIBを生じることが報告された(Vasilenko, I.V.; Frolov, A.N.; Kostjuk, S.V. Macromolecules 2010, 43(13), 5503-5507)。独立して、-20〜20℃の範囲の温度で、CH2Cl2中で、AlCl3またはFeCl3のジアルキルエーテル複合体と組み合わせて開始剤として偶然に生じた水を用いて、同様の結果が報告された(Lui, Q.; Wu Y.; Zhang, Y.; Yan. P.F.; Xu, R.W. Polymers 2010, 51, 5960-5969)。しかしながら、極性溶媒CH2Cl2が必要であるために、この方法の商業的な可能性は、疑問視される。AlCl3-OBu2は、溶媒の非存在下、開始剤を添加せずに、または添加した開始剤として水を使用して、末端ビニリデン結合を有するPIBを製造することが報告されている(KoenigらのUSPG 2011/0201772A1)。しかしながら、ハロゲン化アルキル、エーテル、エステル、アルコールおよびブレンステッド酸などの従来のカチオン性開始剤はいずれも、AlCl3を伴う非極性媒体中で重合を直接開始することは発見されなかった。そのため、非極性炭化水素媒体中での高反応性PIBまたはポリブテンの調製のための、確固とした経済的な方法の必要性が残る。
US Pat. No. 5,408,018 DE-A 2702604 US Pat. No. 6,407,186 US Pat. No. 6,753,389 US Pat. No. 7,217,773 US Pat. No. 6,846,903 US Pat. No. 6,939,943 US Pat. No. 7,038,008 US Pat. No. 6,562,913 US Pat. No. 6,683,138 U.S. Patent Application Publication, 2009/0318624 A1 US Pat. No. 6,441,110 US Pat. No. 7,291,758 USPG 2011/0201772A1
Kennedy, J.P.; Chang, V.S.C.; Smith, R.A.; Ivaen, B. Polym. Bull. 1979, 1, 575 Nielsen, L.V.; Nielson, R.R.; Gao, B.; Kops, J.; Ivaen, B. Polymer 1997, 38, 2528. Simison, K.L.; Stokes, C.D.; Harrison, J.J.; Storey, R.F. Macromolecules 2006, 39, 2481 Morgan. D.L.; Stokes, C.D.; Meierhoefer, M.A.; Storey, R.F. Macromolecules 2009, 42, 2344 Vasilenko, I.V.; Frolov, A.N.; Kostjuk, S.V. Macromolecules 2010, 43(13), 5503-5507 Lui, Q.; Wu Y.; Zhang, Y.; Yan. P.F.; Xu, R.W. Polymers 2010, 51, 5960-5969
本発明の課題は、重合開始系および高反応性オレフィン機能性高分子の製造方法を提供することである。
ルイス酸/ルイス塩基複合体の特定の組み合わせと共に使用される従来のカチオン性開始剤は、-30℃〜+50℃の温度で、炭化水素溶媒中でIBの重合を開始し、高い収率の高反応性PIBを生じることが前もって見いだされた。より具体的には、非極性媒体中でルイス塩基(B)と複合体化したルイス酸触媒(MR”Yn)を含む触媒-開始剤系(catalyst-initiator system)を用いて、-30℃〜+50℃の温度で、炭化水素溶媒中のIBの重合を開始することができ、高い収率の高反応性PIBを提供できることが分かった。
ルイス塩基に対するルイス酸の親和性は、ルイス酸が従来のカチオン性開始剤(RX)と少なくとも部分的に相互作用し得、R+の形成を可能にし、イソブチレンのカチオン重合を開始するようなものであった。最初に複合体化したルイス塩基は、成長中のカルボカチオン鎖の迅速な脱プロトン化に影響を及ぼし、カチオン鎖の異性化または塩基の溶液中の遊離形態への拡散の前に、エキソオレフィンを形成し得た。ルイス塩基がルイス酸と複合体化しなかった場合、少なくとも初期において、成長中のカルボカチオン鎖の脱プロトン化は、異性化に対して、所望の高収率のエキソオレフィンを生じるほど充分に迅速ではなかった。ルイス酸とルイス塩基の相互作用が、従来の開始剤との相互作用を妨げるほどに強かった場合、重合は非効率的であったかまたは全く起こらなかった。ルイス酸またはルイス酸-ルイス塩基複合体は、偶然に生じる水の存在下または非存在下のいずれかで、従来の開始剤とさらに相互作用し得る必要があった。プロトントラップ(例えば2,6-ジtert-ブチルピリジンまたは「DTBP」)の存在下における変換の完全な消失によって明らかなように、従来の開始剤の存在下においてさえも、それによるモノマーの変換が実質的に偶然に生じた水に依存する触媒は適切でなかった。上述の系において、適切なルイス塩基は、エーテル、アルコール、ケトン、アルデヒドおよびエステルなどの酸素-および/または硫黄含有求核剤、ならびにチオエーテルおよびチオケトンなどの硫黄含有求核剤であった。
上述の重合系は、優れた収率の高反応性PIBを提供することが見いだされたが、さらなる研究により、ルイス塩基の適切な選択および複合体を形成するために使用されるルイス酸対ルイス塩基の比の調節により、収率はさらに増加し得るということが見いだされた。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕少なくとも50mol%のエキソオレフィン含有量を有するポリブテンの調製のための方法であって、該方法は、イソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物を、酸素および/または硫黄を含有するルイス塩基と複合体化したルイス酸触媒と、実質的にまたは完全に非極性の溶媒中で接触させる工程、ならびに開始剤を用いて前記イソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物の重合を開始させる工程を含み、前記ルイス酸触媒は、
式MR”mYn
(式中、Mは、Al、Fe、Ga、Hf、ZrおよびWから選択される金属であり;R”は、ヒドロカルビル基であり;Yはハロゲンであり;mは、0または1〜5の整数であり;nは、1〜6の整数であり、ただし、m+nは、金属Mの原子価と等しい)
のルイス酸であり、前記ルイス塩基は、ジヒドロカルビルエーテルであり、それぞれのエーテルヒドロカルビル基は、独立してC1〜C8のヒドロカルビルから選択され、前記エーテルヒドロカルビル基の1つまたはそれぞれは、電子求引基で置換され、該開始剤は、式RX
(式中、Xはハライド(halide)であり;Rは、安定なカルボカチオンを形成し得るヒドロカルビル基であり;基Xに対する炭素結合基Rは、第三級、ベンジル性またはアリル性である)
の化合物である、方法、
〔2〕Mが、GaまたはFeであり、R”がC1〜C8アルキル基である、前記〔1〕記載の方法、
〔3〕mが、0または1である、前記〔1〕記載の方法、
〔4〕Yが、ClまたはBrである、前記〔1〕記載の方法、
〔5〕前記エーテルヒドロカルビル基がアルキル基である、前記〔1〕記載の方法、
〔6〕前記エーテルヒドロカルビル基がC1〜C4アルキル基である、前記〔5〕記載の方法、
〔7〕前記電子求引基がハロゲン原子である、前記〔1〕記載の方法、
〔8〕前記電子求引基が塩素原子である、前記〔7〕記載の方法、
〔9〕前記電子求引基がハロゲン原子である、前記〔5〕記載の方法、
〔10〕前記電子求引基が塩素原子である、前記〔9〕記載の方法、
〔11〕前記非極性媒体が、飽和C4炭化水素、不飽和C4炭化水素およびそれらの混合物から選択される、前記〔1〕記載の方法、
〔12〕前記イソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物が、
純粋なイソブテン、
約5%〜約50%のブテン-1、約2%〜40%のブテン-2、約2%〜約60%のイソブタン、約2%〜約20%のn-ブタンおよび約0.5%までのブタジエンを含むC4精製カット(refinery cut)、ここで全てのパーセンテージは、C4精製カットの全質量に対する質量%である、ならびに
純粋なイソブテンおよび前記C4精製カットの混合物
から選択される、前記〔1〕記載の方法、
〔13〕前記複合体が、約1mM〜約200mMの媒体1リットル当たりのルイス酸-ルイス塩基複合体のミリモルの濃度で、前記イソブテンまたはイソブテン含有モノマーと接触される、前記〔1〕記載の方法、
〔14〕前記ルイス酸およびルイス塩基が、ルイス酸を溶媒に溶解して溶液を形成し、次いで前記ルイス塩基を前記溶液に添加することにより複合体化される、前記〔1〕記載の方法、
〔15〕重合プロセスが連続的に実施される、前記〔1〕記載の方法、
〔16〕前記ポリブテン生成物が、少なくとも70mol%のエキソオレフィン含有量を有する、前記〔1〕記載の方法、
〔17〕実質的にまたは完全に非極性の溶媒中のイソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物の重合を触媒して、少なくとも50mol%のエキソオレフィン含有量を有するポリブテン生成物を提供するための、触媒-開始剤系であって、前記触媒が、ルイス塩基と複合体化されたルイス酸触媒を含み、前記ルイス酸触媒が、式MR”mYn
(式中、Mは、Al、Fe、Ga、Hf、ZrおよびWから選択される金属であり;R”はヒドロカルビル基であり;Yはハロゲンであり;mは、0または1〜5の整数であり;nは、1〜6の整数であり、ただし、m+nは、金属Mの原子価と等しい)
のルイス酸であり、前記ルイス塩基はジヒドロカルビルエーテルであり、それぞれのエーテルヒドロカルビル基は、独立してC1〜C8ヒドロカルビルから選択され、前記エーテルヒドロカルビル基の1つまたはそれぞれは、電子求引基で置換され、重合は、式RX
(式中、Xはハライド(halide)であり;Rは、安定なカルボカチオンを形成し得るヒドロカルビル基であり、基Xに対する炭素結合基Rは、第三級、ベンジル性またはアリル性である)
の開始剤を介して開始される、触媒-開始剤系、
〔18〕Mが、GaまたはFeであり、R”が、C1〜C8アルキル基である、前記〔17〕記載の触媒-開始剤系、
〔19〕mが、0または1である、前記〔17〕記載の触媒-開始剤系、
〔20〕Yが、ClまたはBrである、前記〔17〕記載の触媒-開始剤系、
〔21〕前記エーテルヒドロカルビル基がアルキル基である、前記〔17〕記載の触媒-開始剤系、
〔22〕前記エーテルヒドロカルビル基が、C1〜C4アルキル基である、前記〔21〕記載の触媒-開始剤系、
〔23〕前記電子求引基がハロゲン原子である、前記〔17〕記載の触媒-開始剤系、
〔24〕前記電子求引基が塩素原子である、前記〔23〕記載の触媒-開始剤系、
〔25〕前記電子求引基がハロゲン原子である、前記〔22〕記載の触媒-開始剤系、
〔26〕前記電子求引基が塩素原子である、前記〔25〕記載の触媒-開始剤系、
〔27〕前記ルイス酸および前記ルイス塩基が、ルイス酸を溶媒に溶解して溶液を形成し、次いで前記ルイス塩基を前記溶液に添加することにより複合体化される、前記〔17〕記載の触媒-開始剤系
に関する。
本発明により、重合開始系および高反応性オレフィン機能性高分子の製造方法が提供され得る。
図1は、0℃、ヘキサン中でt-BuCl/[FeCl3・エーテル]系により開始されるIBの重合についての経時的な変換の変動をグラフにより示す。
発明の詳細な説明
本発明の実施に有用なルイス酸触媒は、一般式(MR”mYn)
(式中、Mは、Al、Fe、Ga、Hf、ZrおよびWから選択され、好ましくはGaまたはFe、より好ましくはFeであり;
R”は、ヒドロカルビル基、好ましくはC1〜C8ヒドロカルビル基、より好ましくはC1〜C8アルキル基であり;
mは、0または1〜5の整数、好ましくは0または1、より好ましくは0であり;
Yは、ハロゲン(F、Cl、Br)、好ましくはClまたはBrのいずれか、より好ましくはClであり;
nは、1〜6の整数、好ましくは3〜5であり;
ただし、m+nは、Mの原子価に等しい)により表され得る。本明細書で使用する場合、用語「ヒドロカルビル(hydrocarbyl)」は、水素原子および炭素原子を含み、かつ炭素原子を介して化合物の残りに直接結合する化合物の化学基を意味する。該基は、炭素および水素以外の1つ以上の原子(「ヘテロ原子」)を含み得、ただし該ヘテロ原子は、該基のヒドロカルビルの性質に本質的に影響しない。
ルイス塩基(B)は、ジヒドロカルビルエーテルであり、ここでそれぞれのヒドロカルビル基は、独立してC1〜C8ヒドロカルビルから選択される。上記ルイス塩基のヒドロカルビル基は、好ましくはアルキル基である。エーテルのヒドロカルビル基は、分岐鎖、直鎖または環状であり得る。エーテルのヒドロカルビル基が分岐鎖または直鎖である場合、ヒドロカルビル基は、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはC1〜C4アルキルである。ジヒドロカルビルエーテルルイス塩基の1つまたはそれぞれのヒドロカルビル基は、電子求引基、特にハロゲン原子、好ましくは塩素で置換される。
「開始剤」は、偶然に生じた水の存在下または非存在下かつプロトントラップの存在下で重合を開始し得る化合物として定義される。本発明の開始剤(RX)は、ヒドロカルビルR基およびハロゲンであるX基を含み、ここでXに対する炭素結合基Rは、第三級、ベンジル性またはアリル性であり、ヒドロカルビル基は安定なカルボカチオン(例えばt-ブチル+)を形成し得る。
重合媒体は、ヘキサンまたは飽和C4炭化水素および不飽和C4炭化水素の混合物などの実質的にまたは完全に非極性の媒体でなければならない。
本発明の重合方法において、供給原料(feedstock)は、純粋なイソブチレン、または例えばナフサの熱分解操作もしくは接触分解操作により生じるC4カット(C4 cut)などの、イソブチレンを含む混合C4ヒドロカルビル供給原料であり得る。したがって、適切な供給原料は、典型的に、供給物の総質量に対して、少なくとも10質量%のイソブチレンおよび100質量%までのイソブチレンを含む。イソブチレンに加えて、工業的に重要な供給原料としての使用に適切な従来のC4カットは、典型的に、約5%〜約50%のブテン-1、約2%〜約40%のブテン-2、約2%〜約60%のイソブタン、約2%〜約20%のn-ブタン、および約0.5%までのブタジエンを含み、全てのパーセンテージは、総供給質量に対する質量%である。イソブチレンを含む供給原料はまた、少ない量で、例えば典型的に25%未満、好ましくは約10%未満、最も好ましくは5%未満の他の非C4重合性オレフィンモノマー、例えばプロパジエン、プロピレンおよびC5オレフィンを含み得る。C4カットは、水、極性不純物およびジエンを除去するための従来の手段により精製され得る。
本明細書で使用する場合、用語「ポリブテン」は、イソブチレンのホモポリマーだけでなく、イソブチレン、ならびに従来のC4カットおよび5個の炭素原子を含む非C4エチレン性不飽和オレフィンモノマーという1つ以上の他のC4重合性モノマーのコポリマーも含むことを意図し、ただしかかるコポリマーは、典型的に、ポリマー数平均分子量(
Figure 0006285221
)に対して少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも65質量%、最も好ましくは少なくとも80質量%のイソブチレン単位を含む。
ルイス酸とルイス塩基は、例えばルイス酸を溶媒(例えば、ジクロロメタンまたは1,2-ジクロロエタン)に溶解し、溶液を形成して、次いで撹拌しながら該溶液にルイス塩基を添加することにより複合体化され得る。複合体は、溶媒と共に重合媒体に添加され得るか、あるいは溶媒は、重合媒体への複合体の添加の前に除去され得る。
複合体中のルイス酸対ルイス塩基のモル比は、典型的に、約1:0.5〜約1:2、好ましくは約1:0.7〜約1:1.5、より好ましくは約1:0.9〜約1:1.4、例えば約1:1〜約1:1.3の範囲内に維持される。
本発明の方法において使用されるルイス酸-ルイス塩基複合体の量は、ポリブテンポリマー生成物の目的の
Figure 0006285221
、ブテンの反応率およびポリブテンの収率を達成するために、開始剤およびモノマーの濃度、反応時間ならびに反応温度と共に調節され得る。上記を考慮して、ルイス酸-ルイス塩基複合体は典型的に、反応混合物1L当たりのルイス酸-ルイス塩基の複合体のミリモルの濃度が約1mM〜約200mM、好ましくは約5mM〜約100mM、より好ましくは約10mM〜約50mM、例えば約10mM〜約30mMで、液相反応混合物中のブテンモノマーを接触させるのに充分な量で使用される。
開始剤は典型的に、ルイス酸-ルイス塩基複合体の量とは独立して、媒体1L当たりの開始剤のミリモルの濃度が、約1mM〜約200mM、好ましくは約5mM〜約100mM、より好ましくは約10mM〜約50mM、例えば約10mM〜約30mMで、液相反応混合物中のブテンモノマーを接触させるのに充分な量で使用される。
重合反応は、バッチワイズで、半連続的に、または連続的に実施され得る。工業スケールでは、重合反応は好ましくは連続的に実施される。管状反応器、管の束の反応器もしくはループ反応器、または反応材料が連続循環する管状もしくは管の束の反応器などの従来の反応器を使用し得る。
重合反応は、環形成または分岐形成とは対照的に、直鎖(linear)重合または連鎖型重合を誘導するように液相で実施される。したがって、周囲温度下で気体である原材料を使用する場合、原材料を液相中に維持するために、反応圧力を制御すること、および/または不活性溶媒もしくは液体希釈剤中に原材料を溶解することが好ましい。原材料を構成する典型的なC4カットは、圧力下で液体であり、溶媒または希釈剤を必要としない。該方法による使用に適した典型的な希釈剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、イソブタン等のC3〜C6アルカンが挙げられる。
ルイス酸-ルイス塩基複合体は典型的に、溶媒に部分的もしくは完全に溶解された液体として、または固体として反応器に導入される。好ましくは重合は、C4原材料を反応温度で液体状態に維持するのに充分な圧力以上の高い圧力で実施される。開始剤は、ルイス酸-ルイス塩基複合体と一緒に液体形態でモノマー原材料もしくは反応混合物に導入されるか、または好ましくは、ルイス酸-ルイス塩基複合体添加ラインとは別のラインにより液体形態でモノマー原材料もしくは反応混合物に導入される。
液相反応混合物温度は、従来の手段により、典型的に約-30℃〜約+50℃、好ましくは約-10℃〜約+30℃、より好ましくは0℃〜約+20℃、例えば0℃〜約+10℃となるように制御される。
重合されるべきブテンの滞留時間は、約5秒から数時間であり得るが、典型的には約1〜約300分、例えば2〜約120分、好ましくは約5〜約60分である。
反応器中の触媒の均一な分配を確実にするために、混合により、即ち、バッフルプレートもしくは振動バッフルなどの適切なバッフル(buffle)を用いて、または適切な流速が確立されるような反応チューブ断面の大きさにすることにより、反応器の内容物の荒い流れを生じさせ得る。
本発明の方法は、典型的に、約20%〜約100%まで、好ましくは約50%〜約100%、より好ましくは約70%〜約100%の範囲のイソブチレン反応率を達成する様式で実施される。温度制御および触媒供給速度の組み合わせた使用により、約400ダルトン〜約4000ダルトン、好ましくは約700ダルトン〜約3000ダルトン、より好ましくは約1000ダルトン〜約2500ダルトンの
Figure 0006285221
;典型的に約1.1〜約4.0、好ましくは約1.5〜約3.0の分子量分布(MWD);ポリマーの総モルに対して、50mol%より高い、好ましくは60mol%より高い、より好ましくは70mol%より高い、例えば約80mol%〜約95mol%のエキソオレフィン含有量;約20mol%未満、例えば約15mol%未満、好ましくは約10mol%未満、より好ましくは約5mol%未満の四置換オレフィン含有量;および約10mol%未満、例えば約5mol%未満、好ましくは約2mol%未満、より好ましくは約1mol%未満の塩素含有量を有するポリブテンの形成が可能になる。
ポリマーの目標の分子量がいったん達成されると、ポリマー生成物は、反応器から放出され得、重合触媒を不活化し、かつ重合を終了する媒体に通され得る。適切な不活化媒体としては、水、アミン、アルコールおよび腐食剤が挙げられる。次いで、ポリイソブチレン生成物は、残存C4炭化水素および低分子量オリゴマーを蒸留して分離され得る。好ましくは、通常、水または腐食剤(caustics)を用いた洗浄により、残存量の触媒が除去される。本発明において、触媒-開始剤系は、触媒-開始剤組成物または触媒-開始剤組合せとも表され得る。
本発明はさらに、以下の実施例を参照して理解されるが、実施例は、本発明の範囲内の全ての可能な態様のリストとして解釈されることを意図せず、そのように解釈されるべきでない。
実施例
重合
MBraun 150-M glove box (Innovative Technology Inc., Newburyport, Massachusetts)中、乾燥窒素雰囲気下で重合を行った。イソブテン(IB)を濃縮して、-30℃で重合反応容器であるねじぶた式培養チューブ(75ml)に分配した。ヘキサン中で、0℃で、1Mのモノマー濃度で適度なFeCl3濃度で共開始して(co-initiate)、重合を行った。所定の時間後、0.2mLのメタノールを添加して重合を終了させた。ポリマーを回収して、NH4OH溶液からの再沈殿により精製した。反応率は重量分析により決定した。
ルイス酸(LA/エーテル複合体)の調製
IBの重合の直前に、室温でFeCl3・ジアルキルエーテル複合体を調製した。Glovebox中で、DCMを、あらかじめ計量して、20mLスクリューキャップ式バイアル中にTeflonシールで密封したFeCl3に添加した。次いで、等モル量の適切なエーテルを、撹拌しながら、ルイス酸を含む密封したバイアルに、シリンジにより滴下し、1.0Mルイス酸/エーテル複合体溶液を形成した。
特徴付け
Waters 717 Plusオートサンプラー、515 HPLCポンプ、2410示差屈折計、2487 UV-VIS検出器、Wyatt Technology Inc.のMiniDawn多角度レーザー光散乱(multi angle laser light scattering)(MALLS)検出器(44.7°、90.0°および135.4°の測定角)、Wyatt Technology Inc.のViscoStar粘度検出器、および以下の順序:500、103、104、105および100オングストロームで連結された5個のUltrastyragel GPCカラムを使用して、ポリマーの数平均分子量(
Figure 0006285221
)および多分散性(polydispersities)(PDI)を、一般的な較正をしたサイズ排除クロマトグラフィーから得た。屈折率(RI)を濃度を測定するために使用した。検出器であった。室温、1.0ml/分の流量で、溶離剤としてテトラヒドロフランを使用した。Wyatt Technology Inc.のAstra 5.4ソフトウェアにより結果を処理した。
核磁気共鳴
溶媒としてCDCl3(Cambridge Isotope Laboratory, Inc.)を使用して、プロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを、Bruker 500MHz分光計上で記録した。ポリイソブテン(PIB)末端基含有量を以前に報告されるとおり1H NMRにより測定した(Kumar, R.; Dimitrov, P.; Bartelson, K.J.; Faust, R., Macromolecules 2012, 45, 8598-8603参照)。
結果
何らかの特定の理論に拘束されることを望まないが、FeCl3を用いたIBの重合についての1つの可能な重合スキームは以下のように示されることが提案される:
Figure 0006285221
立体的および電子的な効果はイオン化および鎖転移(β-プロトン引抜後のIBへのプロトン転移)の速度に影響するので、重合速度、分子量およびエキソオレフィンは全て、ROR’のR基およびR’基の選択により影響を受ける。さらに、立体的および電子的な効果は、ルイス酸とエーテルの平衡定数にも影響し得る。
以下に示すFeCl3とエーテルの間の複合体形成を、ATR FT-IR分光学を使用して、室温で、1.0M CH2Cl2溶液中で試験した。FeCl3とジイソプロピルエーテル(エーテル1)の複合体形成の、ATR FT-IRによる以前の研究では、FeCl3に対して過剰量のエーテルを添加した場合に遊離エーテルの存在により実証されるように1:1の複合体のみが形成されることが示された(Liu, Q., Wu, Y., Yan, P., Zhang, Y, Xu, R., Macromolecules 2011, 44, 1866-1875参照;Kumar, R., Dimitrov, P., Bartelson, K. J., Emert, J., Faust, R., Macromolecules 2012, 45, 8598-8603も参照)。
Figure 0006285221
上記の以前に報告された結果と一致して、FeCl3とジイソプロピルエーテル(エーテル1)の1:1の複合体は、不溶性のFeCl3を示さず、これは完全な複合体化を示す。FeCl3と(2-クロロエチル)エチルエーテル(エーテル2)の1:1の複合体は不溶FeCl3を示さなかったが、一方でFeCl3とビス-(2-クロロエチル)エーテル(エーテル3)の対応する複合体は、不溶性のFeCl3を示した。FeCl3:エーテル3の比を1:1.13に上げた場合、不溶性FeCl3は、複合体溶液中にはもはや目視で検出できなかった。FeCl3・エーテル4の1:1の複合体は、ある程度の不溶性のFeCl3を示し、外観は、FeCl3とエーテル3の1:1の複合体と同様であった。エーテルIR特性の低い波長へのシフトは、複合体化事象と一致し、複合体化は、観察された波長シフトを引き起こすエーテルのC-O結合の伸長を引き起こす。
上記の観察は全て、異なるエーテルとの異なる複合体化平衡に関して解釈され得る。1:1のFeCl3 対 エーテル酸素化学量論で不溶性のFeCl3を示さない複合体、すなわちエーテル1および2は、複合体化に好都合な平衡定数を明らかに有する。逆に、不溶性のFeCl3を示す複合体;エーテル3および4との複合体は、低い複合体平衡定数を有する。エーテル3および4の場合、2つの電子求引性塩素原子の存在によりエーテル酸素の電子密度が有意に低下するので、複合体化の低い平衡定数は、電子的な効果の原因があり得る。
重合条件をシミュレートする単純な遠心分離実験を使用して、エーテル1、2、3および4について溶解度の試験を行った。30mL遠心分離チューブ中に、ジクロロメタン(DCM)中1.0M溶液として複合体を調製した。次いで、遠心機を適切な温度(0℃)に設定し、複合体濃度が0.2Mとなるように適切な量のヘキサンを遠心分離チューブに添加した。遠心分離チューブを3750rpmで10分間スピンする前に、遠心機中で適切な温度に平衡化させた。完了時、遠心分離した溶液のアリコートを丸底フラスコに移し、(依然として残っていれば)溶媒および過剰なエーテルを除去し残渣を計量した。このデータから、全溶液中に溶解した複合体の量を計算した(表1参照)。
Figure 0006285221
FeCl3と塩素化エーテル2および3の1:1の複合体は、エーテル1と比較して低下した溶解度を示した。低い濃度の1:1のFeCl3・エーテル3複合体も、この特定のエーテルの酸素上での電子密度の低下による不完全な複合体形成が原因であり得る。この現象は、反応系における複合体の濃度がわずか0.00044Mであった1:1のFeCl3・エーテル4の複合体の場合に、より顕著であった。
次いで、上述の溶解度データを、種々の複合体を使用した重合の結果と相関させた(表2)。
Figure 0006285221
エーテル2または3を用いて調製した、電子求引性塩素原子(1つまたは複数)を有するFeCl3複合体により重合が共開始された場合、FeCl3・エーテル1を用いて得られたものと比較して、高い反応率(>60%)であるが、わずかに低いエキソオレフィン含有量(約60%)が得られた(エントリー6および7 対 エントリー5)。溶液中でエーテル2および3を使用した場合、エーテル1と比較して、可溶性複合体濃度は低かったが、高い反応率が得られた。同様に、FeCl3・エーテル4の1:1の複合体は、可溶性複合体の濃度は極端に低かったが、高いモノマー反応率(しかし、低いエキソオレフィン含有量)を生じた(エントリー8)。これらの結果は、ジエチルエーテルを用いて以前に報告された重合の非存在 (Kumar, R., Dimitrov, P., Bartelson, K. J., Emert, J., Faust, R., Macromolecules 2012, 45, 8598-8603参照) とは対照的である。
FeCl3/エーテル化学量論の化学量論およびFeCl3・エーテル複合体濃度の効果を、それぞれ表3および表4に示す。
Figure 0006285221
重合反応率は、過剰なエーテル1の存在下で減少する(エントリー11)が、過剰なFeCl3の存在下では本質的に変化しないままである(エントリー9)ことが見いだされた。対照的に、FeCl3・エーテル2およびFeCl3・エーテル3の複合体の両方を用いると、試験した範囲のFeCl3:エーテル比において、反応率またはエキソオレフィン含有量に有意な変化はなかった(エントリー12からエントリー21)。これは、エーテル2および3上の電子求引性塩素原子の存在に原因があり得る。
Figure 0006285221
複合体の濃度を低下することは重合の結果に有意な効果を有さなかったが、反応率のわずかな低下およびエキソオレフィン含有量のわずかな増加が観察された(エントリー22〜27)。これらの結果は、触媒/開始系の強固さ(robustness)を証明する。
ヘキサン中、0℃でt-BuCl/FeCl3・エーテルにより開始されたIB重合の反応速度の比較を、グラフ形式で図1に示す。3種類全てのFeCl3・エーテル系について、20分後に飽和反応率が得られ、エキソオレフィン含有量は、重合を通してほとんど一定であった。
プロトントラップ2,6-ジtert-ブチルピリジン(DTBP)の、2-クロロ-2,4,4-トリメチルペンタン(TMPCl)またはt-BuClにより開始され、FeCl3・エーテル複合体により共開始されたIBの重合における影響を表5に示す。
Figure 0006285221
開始剤およびDTBPの非存在下において、FeCl3・エーテル1系の使用により、約29%のIB反応率がもたらされることが以前に見いだされた(Kumar, R., Dimitrov, P., Bartelson, K. J., Emert, J., Faust, R., Macromolecules 2012, 45, 8598-8603参照)。対照的に、開始剤およびDTBPの非存在下では、1:1のFeCl3・エーテル2複合体および1:1.35のFeCl3・エーテル3複合体の使用により、56%および86%の反応率がそれぞれもたらされた(エントリー32および37)。エーテル1と比較して、エーテル2および3の両方についての実質的に高い重合の速度、ならびにエーテル2と比較して、エーテル3についての高い重合の速度は、これらのエーテルの求核性がエーテル3<エーテル2<エーテル1の順に高くなるという事実により説明できる。したがって、エーテルは、エーテル3の場合に複合体からより容易に置換され、これはt-BuClのより速いイオン化が可能にする。
0.005MのDTBPの存在下、5%および36%の反応率が20分で達成された(エントリー33および38)。0.01MのDTBPで、エーテル2の場合に重合は見られなかったが、エーテル3では24%の反応率が依然として得られた(エントリー34および39)。生成物の1H NMRスペクトルにおいてエーテル部分は観察されなかったので、エーテル3は開始剤ではないことに留意のこと。
エーテル3はエーテルよりも塩基性が低く、したがって、伸長鎖末端からのプロトン引抜の低下があり、これは結果的に高い分子量を有するポリマーをもたらすのでエーテル2とは対照的にエーテル3を用いると、一般に分子量が高かった。t-BuClの添加により反応率が増加し、さらに、約60〜70%のエキソオレフィン含有量を有するPIBが得られた(エントリー35および40)。反応率、分子量およびエキソオレフィン含有量は、t-BuClおよびTMPClの両方について同様であった(エントリー35 対 42およびエントリー40 対 44)。
本発明を説明するために特定の代表的な態様および詳細を提供したが、本明細書に開示されるものからの種々の生成物および方法の変化は、本発明の範囲を逸脱することなくなされ得ることが当業者には明らかである。添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定する。
全ての引用される特許、試験手順、優先権書類および他の引用される文書は、かかる資料が本明細書と矛盾がない程度に、参照によるかかる援用が許容される全ての司法権について、参照により充分に援用される。
本発明の特定の特徴は、一連の数的上限および一連の数的下限に関して記載される。本明細書は、これらの境界の任意の組み合わせにより形成される全ての範囲を開示する。本明細書に記載される上限および下限、ならびに範囲の境界および比の境界は、独立して組み合わされ得、これらの境界の全ての組み合わせは、そうではないと示されなければ本発明の範囲内にあるということが理解されるべきである。

Claims (27)

  1. 少なくとも50mol%のエキソオレフィン含有量を有するポリブテンの調製のための方法であって、該方法は、イソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物を、ルイス塩基と複合体化したルイス酸触媒と、実質的にまたは完全に非極性の溶媒中で接触させる工程、ならびに開始剤を用いて前記イソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物の重合を開始させる工程を含み、前記ルイス酸触媒は、
    式MR”mYn
    (式中、Mは、Al、Fe、Ga、Hf、ZrおよびWから選択される金属であり;R”は、ヒドロカルビル基であり;Yはハロゲンであり;mは、0または1〜5の整数であり;nは、1〜6の整数であり、ただし、m+nは、金属Mの原子価と等しい)
    のルイス酸であり、前記ルイス塩基は、ジヒドロカルビルエーテルであり、それぞれのエーテルヒドロカルビル基は、独立してC1〜C8のヒドロカルビルから選択され、前記エーテルヒドロカルビル基の1つまたはそれぞれは、電子求引基で置換され、該開始剤は、式RX
    (式中、Xはハライド(halide)であり;Rは、安定なカルボカチオンを形成し得るヒドロカルビル基であり;基Xに結合る基Rの炭素は、第三級、ベンジル性またはアリル性である)
    の化合物である、方法。
  2. Mが、GaまたはFeであり、R”がC1〜C8アルキル基である、請求項1記載の方法。
  3. mが、0または1である、請求項1記載の方法。
  4. Yが、ClまたはBrである、請求項1記載の方法。
  5. 前記エーテルヒドロカルビル基がアルキル基である、請求項1記載の方法。
  6. 前記エーテルヒドロカルビル基がC1〜C4アルキル基である、請求項5記載の方法。
  7. 前記電子求引基がハロゲン原子である、請求項1記載の方法。
  8. 前記電子求引基が塩素原子である、請求項7記載の方法。
  9. 前記電子求引基がハロゲン原子である、請求項5記載の方法。
  10. 前記電子求引基が塩素原子である、請求項9記載の方法。
  11. 前記非極性媒体が、飽和C4炭化水素、不飽和C4炭化水素およびそれらの混合物から選択される、請求項1記載の方法。
  12. 前記イソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物が、
    純粋なイソブテン、
    約5%〜約50%のブテン-1、約2%〜40%のブテン-2、約2%〜約60%のイソブタン、約2%〜約20%のn-ブタンおよび約0.5%までのブタジエンを含むC4精製カット(refinery cut)、ここで全てのパーセンテージは、C4精製カットの全質量に対する質量%である、ならびに
    純粋なイソブテンおよび前記C4精製カットの混合物
    から選択される、請求項1記載の方法。
  13. 前記複合体が、約1mM〜約200mMの媒体1リットル当たりのルイス酸-ルイス塩基複合体のミリモルの濃度で、前記イソブテンまたはイソブテン含有モノマーと接触される、請求項1記載の方法。
  14. 前記ルイス酸およびルイス塩基が、ルイス酸を溶媒に溶解して溶液を形成し、次いで前記ルイス塩基を前記溶液に添加することにより複合体化される、請求項1記載の方法。
  15. 重合プロセスが連続的に実施される、請求項1記載の方法。
  16. 前記ポリブテン生成物が、少なくとも70mol%のエキソオレフィン含有量を有する、請求項1記載の方法。
  17. 実質的にまたは完全に非極性の溶媒中のイソブテンまたはイソブテン含有モノマー混合物の重合を触媒して、少なくとも50mol%のエキソオレフィン含有量を有するポリブテン生成物を提供するための、触媒-開始剤系であって、前記触媒が、ルイス塩基と複合体化されたルイス酸触媒を含み、前記ルイス酸触媒が、式MR”mYn
    (式中、Mは、Al、Fe、Ga、Hf、ZrおよびWから選択される金属であり;R”はヒドロカルビル基であり;Yはハロゲンであり;mは、0または1〜5の整数であり;nは、1〜6の整数であり、ただし、m+nは、金属Mの原子価と等しい)
    のルイス酸であり、前記ルイス塩基はジヒドロカルビルエーテルであり、それぞれのエーテルヒドロカルビル基は、独立してC1〜C8ヒドロカルビルから選択され、前記エーテルヒドロカルビル基の1つまたはそれぞれは、電子求引基で置換され、重合は、式RX
    (式中、Xはハライド(halide)であり;Rは、安定なカルボカチオンを形成し得るヒドロカルビル基であり、基Xに結合る基Rの炭素は、第三級、ベンジル性またはアリル性である)
    の開始剤を介して開始される、触媒-開始剤系。
  18. Mが、GaまたはFeであり、R”が、C1〜C8アルキル基である、請求項17記載の触媒-開始剤系。
  19. mが、0または1である、請求項17記載の触媒-開始剤系。
  20. Yが、ClまたはBrである、請求項17記載の触媒-開始剤系。
  21. 前記エーテルヒドロカルビル基がアルキル基である、請求項17記載の触媒-開始剤系。
  22. 前記エーテルヒドロカルビル基が、C1〜C4アルキル基である、請求項21記載の触媒-開始剤系。
  23. 前記電子求引基がハロゲン原子である、請求項17記載の触媒-開始剤系。
  24. 前記電子求引基が塩素原子である、請求項23記載の触媒-開始剤系。
  25. 前記電子求引基がハロゲン原子である、請求項22記載の触媒-開始剤系。
  26. 前記電子求引基が塩素原子である、請求項25記載の触媒-開始剤系。
  27. 前記ルイス酸および前記ルイス塩基が、ルイス酸を溶媒に溶解して溶液を形成し、次いで前記ルイス塩基を前記溶液に添加することにより複合体化される、請求項17記載の触媒-開始剤系。
JP2014046191A 2013-03-12 2014-03-10 重合開始系および高反応性オレフィン機能性高分子の製造方法 Active JP6285221B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/796,405 2013-03-12
US13/796,405 US9156924B2 (en) 2013-03-12 2013-03-12 Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014173091A JP2014173091A (ja) 2014-09-22
JP6285221B2 true JP6285221B2 (ja) 2018-02-28

Family

ID=50235963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014046191A Active JP6285221B2 (ja) 2013-03-12 2014-03-10 重合開始系および高反応性オレフィン機能性高分子の製造方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US9156924B2 (ja)
EP (1) EP2778181B1 (ja)
JP (1) JP6285221B2 (ja)
KR (1) KR102004502B1 (ja)
CN (1) CN104045750B (ja)
CA (1) CA2843356C (ja)
ES (1) ES2712726T3 (ja)
SG (1) SG2014015119A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10174138B1 (en) 2018-01-25 2019-01-08 University Of Massachusetts Method for forming highly reactive olefin functional polymers
US10829573B1 (en) 2019-05-21 2020-11-10 Infineum International Limited Method for forming highly reactive olefin functional polymers

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9034998B2 (en) 2011-12-16 2015-05-19 University Of Massachusetts Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers
US9631038B2 (en) * 2013-10-11 2017-04-25 University Of Massachusetts Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers
US9771442B2 (en) 2015-05-13 2017-09-26 University Of Massachusetts Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers
JP6903068B2 (ja) * 2016-02-16 2021-07-14 ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエアBasf Se 高反応性イソブテンホモポリマーまたはコポリマーの製造方法
MY194378A (en) * 2016-07-22 2022-11-30 Basf Se Process for preparing high-reactivity isobutene homo-or copolymers
US10167352B1 (en) * 2017-06-28 2019-01-01 University Of Massachusetts Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers
US10047174B1 (en) * 2017-06-28 2018-08-14 Infineum International Limited Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers
EP3943518A1 (en) * 2020-07-22 2022-01-26 Indian Oil Corporation Limited Polymerization catalyst system and process to produce highly reactive polyisobutylene
CN115703855A (zh) * 2021-08-13 2023-02-17 南京中科康润新材料科技有限公司 用于c4液化石油气阳离子聚合的催化剂体系及聚丁烯生产方法

Family Cites Families (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2682531A (en) 1951-03-31 1954-06-29 Standard Oil Dev Co Zirconium tetrachloride-ether complexes as low temperature polymerization catalyst
US3850897A (en) 1971-11-26 1974-11-26 Snam Progetti Procedure for the production of polymers and copolymers of isobutylene
DE2702604C2 (de) 1977-01-22 1984-08-30 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Polyisobutene
CA2019908A1 (en) 1989-12-28 1991-06-28 Rudolf Lukas Graft copolymers and the method and initiation system for preparation thereof
GB9025839D0 (en) 1990-11-28 1991-01-09 Bp Chem Int Ltd Cationic polymerisation of 1-olefins
US5286823A (en) 1991-06-22 1994-02-15 Basf Aktiengesellschaft Preparation of highly reactive polyisobutenes
US5350819A (en) 1993-02-19 1994-09-27 Exxon Chemical Patents Inc. Carbocationic catalysts and process for using said catalysts
WO1994028036A1 (en) 1993-05-20 1994-12-08 Exxon Chemical Patents Inc. Heterogeneous lewis acid-type catalysts
WO1995033774A1 (fr) * 1994-06-09 1995-12-14 Kanegafuchi Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Procede de production d'un polymere d'isobutene
US5710225A (en) 1996-08-23 1998-01-20 The Lubrizol Corporation Heteropolyacid catalyzed polymerization of olefins
DE19704482A1 (de) 1997-02-06 1998-08-13 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von halogenfreiem, reaktivem Polyisobuten
DE19734176A1 (de) 1997-08-07 1999-02-11 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von halogenfreiem, reaktivem Polyisobuten
US6407186B1 (en) 1997-12-12 2002-06-18 Basf Aktiengesellschaft Method for producing low-molecular, highly reactive polyisobutylene
DE19825334A1 (de) * 1998-06-05 1999-12-09 Basf Ag Verfahren zur Herstellung hochreaktiver Polyisobutene
ES2216586T3 (es) 1998-06-12 2004-10-16 Univation Technologies Llc Procedimiento de polimerizacion de olefinas que usa complejos activados de acido-base de lewis.
JP2000119310A (ja) * 1998-10-14 2000-04-25 Nippon Petrochem Co Ltd ブテン重合用触媒およびそれを用いるブテンポリマーの製造法
US6346585B1 (en) 1999-06-24 2002-02-12 The Lubrizol Corporation Ammonium heteropolyacid catalized polymerization of olefins
US6407170B1 (en) 1999-06-24 2002-06-18 The Lubrizol Corporation Dispersants prepared from high polydispersity olefin polymers
US6562913B1 (en) 1999-09-16 2003-05-13 Texas Petrochemicals Lp Process for producing high vinylidene polyisobutylene
DE19952030A1 (de) 1999-10-28 2001-05-03 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von hochreaktiven Polyisobutenen
US6858690B2 (en) 1999-11-15 2005-02-22 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Process for polymerizing cationically polymerizable monomers
DE10035298A1 (de) 2000-07-18 2002-01-31 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Polysiobutenen
AU2002221856A1 (en) 2000-11-17 2002-05-27 Basf Aktiengesellschaft Method for deactivating and recovering boron trifluoride when producing polyisobutenes
DE10118182A1 (de) 2001-04-11 2002-10-17 Basf Ag Verfahren zur Aufarbeitung eines flüssigen Reaktionsaustrages der kationischen Polymerisation von Isobuten
DE10211418A1 (de) 2002-03-15 2003-09-25 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung hochreaktiver Polyisobutene
AU2003297458A1 (en) 2002-12-20 2004-07-22 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Polymerization processes
DE10303212A1 (de) 2003-01-24 2004-08-05 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Polyisobuten
DE10356768A1 (de) 2003-12-04 2005-07-07 Universität Karlsruhe (TH) - Körperschaft des öffentlichen Rechts Verfahren zur Herstellung von Salzen schwach koordinierender Anionen, derartige Salze sowie deren Verwendung
US20080269440A1 (en) 2005-01-05 2008-10-30 Rudolf Faust Polymerization of Olefins
DE102005055818A1 (de) 2005-11-21 2007-05-24 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von hochreaktiven Isobutenhomo- oder -copolymeren mittels metallhaltiger Katalysatorkomplexe
WO2008095933A1 (de) 2007-02-09 2008-08-14 Basf Se Verfahren zur polymerisation von ethylenisch ungesättigten monomeren
US8394897B2 (en) * 2008-03-25 2013-03-12 Chevron Oronite Company Llc Production of vinylidene-terminated polyolefins via quenching with monosulfides
US8063154B2 (en) 2008-06-24 2011-11-22 The University Of Southern Mississippi Preparation of exo-olefin terminated polyolefins via quenching with alkoxysilanes or ethers
WO2010139684A1 (de) 2009-06-05 2010-12-09 Basf Se Verbindung aus einem protonierten aromaten und einem schwach koordinierenden anion als polymerisationskatalysator für isobuten oder ein isobuten-haltiges monomerengemisch
CN101955558B (zh) 2009-07-15 2013-03-13 北京化工大学 制备高反应活性聚异丁烯及其共聚物的引发体系
CN102639572B (zh) 2009-11-04 2015-07-22 巴斯夫欧洲公司 制备均聚物或共聚物的方法
CN107033265A (zh) * 2010-02-17 2017-08-11 巴斯夫欧洲公司 生产高反应性异丁烯均聚物或共聚物的方法
US8349977B2 (en) 2010-02-17 2013-01-08 Basf Se Process for preparing high-reactivity isobutene homo- or copolymers
US9562117B2 (en) 2010-11-30 2017-02-07 Basf Se Preparation of derivatives of isobutene copolymers
JP6099648B2 (ja) * 2011-08-11 2017-03-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 高反応性イソブテンホモポリマーまたはイソブテンコポリマーの製造法
US9034998B2 (en) 2011-12-16 2015-05-19 University Of Massachusetts Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers
US9631038B2 (en) * 2013-10-11 2017-04-25 University Of Massachusetts Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10174138B1 (en) 2018-01-25 2019-01-08 University Of Massachusetts Method for forming highly reactive olefin functional polymers
US10829573B1 (en) 2019-05-21 2020-11-10 Infineum International Limited Method for forming highly reactive olefin functional polymers

Also Published As

Publication number Publication date
EP2778181A1 (en) 2014-09-17
ES2712726T3 (es) 2019-05-14
CA2843356A1 (en) 2014-09-12
EP2778181B1 (en) 2018-11-21
US20140275453A1 (en) 2014-09-18
US9156924B2 (en) 2015-10-13
KR20140111981A (ko) 2014-09-22
CN104045750A (zh) 2014-09-17
CA2843356C (en) 2019-12-24
CN104045750B (zh) 2016-08-17
KR102004502B1 (ko) 2019-07-26
SG2014015119A (en) 2014-10-30
JP2014173091A (ja) 2014-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6285221B2 (ja) 重合開始系および高反応性オレフィン機能性高分子の製造方法
KR102065510B1 (ko) 중합 개시 시스템 및 고도로 반응성인 올레핀 작용성 폴리머를 제조하는 방법
CA2928600C (en) Polymerization initiating system and method to produce highly reactive olefin functional polymers
JP5945605B2 (ja) 高反応性オレフィン機能性ポリマーを作製する重合開始系および方法
JP6594572B2 (ja) 高反応性オレフィン機能性ポリマーを形成するための方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170817

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6285221

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250