JP2000119310A - ブテン重合用触媒およびそれを用いるブテンポリマーの製造法 - Google Patents

ブテン重合用触媒およびそれを用いるブテンポリマーの製造法

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JP2000119310A
JP2000119310A JP10307866A JP30786698A JP2000119310A JP 2000119310 A JP2000119310 A JP 2000119310A JP 10307866 A JP10307866 A JP 10307866A JP 30786698 A JP30786698 A JP 30786698A JP 2000119310 A JP2000119310 A JP 2000119310A
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butene
polymer
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chloride
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Fuyuki Aida
冬樹 相田
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い反応性を示すブテンポリマーを高い収率
で製造するための重合用触媒、およびそれを用いるブテ
ンポリマーの製造法を提供する。 【解決手段】 (a)ハロゲン化ジルコニウムおよび
(b)周期律表第2族、第7族、第8族、第11族およ
び第12族から選ばれる少なくとも1つの金属のハロゲ
ン化物を接触させることにより得られる触媒成分を含有
するブテンの重合用触媒、および上記触媒の存在下にイ
ソブテンを液相で重合することからなる、末端ビニリデ
ン構造を有するポリマー分子を80モル%以上含有する
ブテンポリマーの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四塩化ジルコニウ
ムを含むブテン重合用触媒、およびそれを用いる高い反
応性を有するブテンポリマーの製造法に関するものであ
る。得られるブテンポリマーは、末端に高い反応性を示
すビニリデン構造を有する分子を80モル%以上含有す
るものである。
【0002】
【従来の技術】米国特許第4,152,499号公報に
は、ビニリデン構造の末端二重結合を有するイソブテン
ポリマーは、無水マレイン酸等との間でマレイン化反応
が高率に進行することが開示されている。このような観
点から、ビニリデン構造の末端二重結合を有するポリマ
ー分子の含有割合を更に向上させ、かつイソブテンをよ
り高い収率で重合する方法が求められている。従来、Do
klady Akad. Nauk Armyan S.S.R. 22 (1956) p. 105 や
WO94/28036号公報により、四塩化ジルコニウ
ムを触媒としてイソブテンを重合することは知られてい
る。しかしながら、これらの方法では、収率が低く、ま
たビニリデン構造の末端二重結合を有するポリマー分子
の含有割合が必ずしも高くないため、その改善が求めら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑み、ビニリデン構造の末端二重結合を有するポ
リマー分子を多量に含有するブテンポリマーを高い収率
で製造するための重合用触媒、およびそれを用いるブテ
ンポリマーの製造法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
は、(a)ハロゲン化ジルコニウムおよび(b)周期律
表第2族、第7族、第8族、第11族および第12族か
ら選ばれる少なくとも1つの金属のハロゲン化物を接触
させることにより得られる触媒成分を含有するブテンの
重合用触媒に関するものである。本発明の第2は、本発
明の第1の触媒の存在下に、イソブテンを液相で重合す
ることからなる、末端ビニリデン構造を有するポリマー
分子を80モル%以上含むブテンポリマーの製造法に関
するものである。本発明の触媒によりイソブテンを重合
することにより、高い収率でイソブテンポリマーを得る
ことができ、しかも得られたポリマーはビニリデン構造
の末端二重結合を有するポリマー分子を多量に含むとい
う特徴を有する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における成分(a)として
使用するハロゲン化ジルコニウムは、四ハロゲン化ジル
コニウムが好ましく、具体的には四塩化ジルコニウム、
四臭化ジルコニウムおよび四ヨウ化ジルコニウムが挙げ
られ、これらの中でも入手の容易な点から、四塩化ジル
コニウムが特に好ましい。
【0006】成分(b)としては、周期律表第2族、第
7族、第8族、第11族および第12族から選ばれる少
なくとも1つの金属のハロゲン化物を用いる。当該金属
ハロゲン化物における具体的な金属としては、ベリリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、マン
ガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オス
ミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、
パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水
銀等が例示され、ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素のいずれも用いることができる。ハロゲンの
種類としては入手の容易な点から塩化物が好ましく、ま
た金属の原子価数は任意である。
【0007】成分(B)の具体的な金属ハロゲン化物と
しては、塩化ベリリウム、塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、塩化ストロンチウム、塩化マンガン、塩化テク
ネチウム、塩化レニウム、塩化鉄、塩化ルテニウム、塩
化オスミウム、塩化コバルト、塩化ロジウム、塩化イリ
ジウム、塩化ニッケル、塩化パラジウム、塩化白金、塩
化銅、塩化銀、塩化亜鉛、塩化カドミウムおよび塩化水
銀が挙げられる。入手の容易な点から、金属としてはマ
グネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛が好ましい。具体
的には塩化マグネシウム(II)、塩化マンガン(II)、塩化
鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛(II) が好ましい。
【0008】なお、上記化合物の中には結晶水や構造水
を含む形態を有するものもある。本発明においては無水
物および含水物のいずれも使用することができるが、結
晶水を含まない方が好ましい。すなわち、結晶水を含有
する化合物は、分解しない程度に焼成し無水化して使用
することが望ましい。
【0009】本発明のブテン重合用触媒は、成分(a)
と成分(b)とを接触させて得られる触媒成分を含有す
るものである。すなわち、触媒成分は、両成分を相互に
接触させることにより調製することができる。ここでい
う接触には、次の2種の方法がある。 (1)成分(a)と成分(b)とを、各成分と実質的に
反応しない溶媒中で、通常0℃以上、溶媒の沸点未満の
温度で10分〜5時間程度、攪拌下または非攪拌下に接
触させる。 (2)両成分の原料化合物を混合状態で粉砕(共粉砕)
する。特に(2)の方法が好ましい。
【0010】上記方法(2)における共粉砕は、酸素お
よび水が共存しない状態で行うことが肝要であり、窒
素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下における乾式粉
砕を採用することが好ましい。原料化合物の粉砕には、
ジェットミル、振動ボールミル、回転ボールミル、ディ
スク型振動ミル、ロッドミル、衝撃ミル、その他粉砕効
果が得られる撹拌装置であればいずれも使用することが
できる。粉砕に際しての温度条件に特に制限はないが、
一般的には−10℃〜200℃、好ましくは10〜50
℃の範囲から選ぶ。粉砕処理に要する時間は、採用する
粉砕装置、粉砕対象物の種類および量などにより適宜調
節するが、通常は30分以上、好ましくは3〜24時
間、さらに好ましくは10〜16時間の範囲から選ぶ。
粉砕の機械的操作によって、原料化合物に新しい表面が
創出され、あるいは原料化合物相互間で固相反応が生起
することなどにより触媒活性が生ずるものと推測され
る。粉砕物の粒径は特に限定されないが、粉砕物をその
まま触媒として使用する場合には、通常平均粒径は10
〜200μmであることが望ましい。
【0011】粉砕物はまた、シリカ・アルミナ、アルミ
ナ、ゼオライト等のバインダーと混合して造粒し、これ
をアルキル化反応系に供給することもでき、その場合の
造粒粒子の平均粒径は0.5〜5mmの範囲である。よ
り具体的には、造粒は不活性溶媒を用いてアルミナゾル
やシリカゾルなどのバインダー成分と乾式粉砕物とを、
例えば、窒素雰囲気下において0℃以上、溶媒の沸点未
満の温度で10分〜5時間混練し、次いで押出成形を行
う。成形物は乾燥し、必要に応じて焼成する。造粒に使
用する溶媒は、炭素数4〜10の炭化水素、具体的に
は、イソブタン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロナフ
タレン、デカヒドロナフタレン、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどであって、なかでも乾燥性、安全性などの
点から、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサンなどが好ましい。成形物は通常乾燥し、
必要に応じさらに焼成して重合反応に供するが、未乾燥
のまま重合反応系に供することもできる。なお造粒に使
用する溶媒は、必ずしも成分(a)および(b)を溶解
する能力を有する必要はなく、分散剤としての効果があ
れば十分である。この点は以下の溶媒についても同様で
ある。
【0012】前記方法(1)において成分(a)と成分
(b)とを各成分と実質的に反応しない溶媒中で接触さ
せる場合には、溶媒として上記と同様に炭素数4〜10
の炭化水素を用いる。すなわち、具体的には、イソブタ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロナフタレン、
デカヒドロナフタレン、ベンゼン、トルエン、キシレン
などを用いることが望ましく、なかでも除去の容易さ、
安全性などの点から、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサンなどが好ましい。そして、
0℃以上、溶媒の沸点未満の温度範囲で、10分〜5時
間程度両成分を接触させる。なお、あらかじめ粉砕した
ものを溶媒の存在下で混合してもよく、また溶媒の存在
下で混合し、溶媒を除去して粉砕したものも触媒として
使用することもできる。
【0013】成分(a)のハロゲン化ジルコニウムと、
成分(b)の金属ハロゲン化物とを単に共存させるだけ
ではなく、積極的に接触させることにより触媒活性を示
す効果が得られる理由は明かではないが、以下のように
推測される。すなわち、成分(b)の金属ハロゲン化物
が成分(a)のハロゲン化ジルコニウムと作用し、複塩
が生成して重合中間体のカチオンを安定化する。いま、
成分(a)を四塩化ジルコニウムとし、成分(b)を一
般式MXn(Mは第2族、第7族、第8族、第11族お
よび第12族から選ばれる少なくとも1つの金属、Xは
ハロゲン、nはMの原子価数)とすれば、生成する複塩
は、[ZrCl4-mm+・[MXnClmm-(ただしmは0
以上4以下の整数)あるいは[ZrCl4mm-・[MX
n-mm+(ただしmは1以上n以下の整数)で表され
る。このようにして生じた複塩のアニオンが重合中間体
のカチオンを安定化することにより、触媒効率が向上
し、ポリマーの分子量を大きくし、分子量分布を狭くす
ることができると考えられる。
【0014】このようにして成分(a)および(b)を
接触させて得られる触媒成分は、スラリー状態のまま、
ブテンの重合反応系に供給することができる。なお、本
発明の触媒には必要に応じて、本発明の効果を損なわな
い限り成分(a)および(b)以外の任意の成分を加え
ることができる。
【0015】また本発明においては、成分(a)および
(b)を接触させて得られた触媒成分を従来公知の方法
により金属酸化物に担持することもできる。担体として
具体的には周期律表第I〜第VIII族の金属の単独酸化物
または複酸化物が挙げられ、例えばSiO2、Al23
MgO、CaO、B23、TiO2、ZrO2、Fe23、Al
23・MgO、Al23・CaO、Al23・SiO2、Al23
・MgO・CaO、Al23・MgO・SiO2、Al23・Cu
O、Al23・Fe23、Al23・NiO、 SiO2・Mg
Oなどの天然または合成の各種複酸化物を例示すること
ができる。なお、これらの式は、本発明において用いら
れる複酸化物の構造および成分比率を特に限定するもの
ではない。
【0016】これら金属酸化物の担体は、通常200〜
800℃、好ましくは400〜600℃において空気中
または窒素、アルゴン等の不活性ガス中で焼成し、表面
水酸基の量を0.8〜1.5mmol/g に調節して用いるこ
とが好ましい。上記金属酸化物担体の性状について特に
制限はないが、通常、平均粒径は5〜200μm、好ま
しくは10〜150μm、比表面積は50〜1,000m
2/g、好ましくは200〜600m2/g、細孔容積は0.3
〜2.5cm3/g、好ましくは0.5〜2.0cm3/g、見掛比
重は0.20〜0.50g/cm3好ましくは0.25〜0.4
5 g/cm3の性状を有するものが好ましい。
【0017】担持させる方法としては、成分(a)およ
び(b)との共粉砕を行う方法、溶媒の存在下に成分
(a)および(b)を混合する際に、担体を同時に混合
して溶媒を除去する方法などが挙げられるが、いずれの
方法を用いてもよい。その際使用する溶媒としては、前
記溶媒の存在下で成分(a)および(b)を混合する際
に使用する溶媒と同一のものが挙げられる。
【0018】本発明の触媒における成分(a)と成分
(b)の使用割合は、任意に選ぶことができるが、一般
には、成分(a)のハロゲン化ジルコニウム1モルあた
り、成分(b)を1,000モル以下、好ましくは0.0
01〜500モル、さらに好ましくは0.01〜100
モル、特に好ましくは0.1〜50モルを使用する。任
意成分の使用量には格別な限定はないが、通常は成分
(a)および成分(b)の合計重量の0.001〜1,0
00倍、好ましくは0.01〜100倍の範囲で使用す
る。担体の使用量についても特に限定はないが、通常は
成分(a)および成分(b)の合計重量の1〜1,00
0倍、好ましくは2〜500倍の範囲で使用する。
【0019】本発明の触媒を重合反応系に供給する方法
は任意に選ぶことができ、前記成分(a)および(b)
を予め接触混合してから反応系に供給してもよく、個別
に供給して反応系内で接触させてもよいが、通常は上記
両成分を予め接触混合して重合反応系に供給することが
好ましい。
【0020】本発明の触媒により、1−ブテン、2−ブ
テン、イソブテン等のブテン類を重合することができ
る。特にイソブテンを重合することにより、末端ビニリ
デン構造を有する分子を80モル%以上含有するポリマ
ーが得られる。以下、イソブテンの重合に本発明の触媒
を用いる例を説明する。イソブテンを含む工業的な原料
としては、例えばエチレンプラントにおいて、ナフサ、
灯油、軽油、ブタン等のクラッカーから流出するC4
フィネートであって、ブタジエンを抽出等により除去し
たものや、流動接触分解(FCC)装置からの分解生成
物などに含有されるイソブテンを含む炭化水素C4留分
を用いることができる。n−ブテン等が共存していても
イソブテンを選択的に重合させることができるが、本発
明のブテンポリマーを得る原料としてはイソブテンの含
有量が大きいほど好ましい。ブタジエンは、存在する場
合でも通常は不純物程度の微量である。また原料中の水
分は、通常10ppm 以下に調整するが、数十ppm 程度の
水分が含まれていても特に支障なく重合を行うことがで
きる。
【0021】重合反応温度は、−100〜+50℃の範
囲であり、好ましくは−40〜+10℃の範囲である。
低温になるほど、イソブテンを含有する炭化水素のオレ
フィン成分の転化率が抑制される。一方、高温になると
転化率が抑制されるとともに異性化や転位反応等の副反
応が起こり、本発明の重合方法の目的生成物を得ること
が困難になる。
【0022】ブテンポリマーの製造にはバッチ式および
連続式のいずれを用いてもよいが、工業的生産の観点か
らは、連続式による方が経済的かつ効率的である。連続
式では触媒と供給原料との接触時間が重要であり、本発
明による重合反応では、触媒成分と供給原料の接触時間
が5分〜4時間の範囲にあることが望ましい。連続式の
場合には、反応形態として固定床と流動床が考えられる
が、本発明のように重合反応においては流動床が好まし
い。固定床では生成したポリマーが触媒表面に蓄積し易
いため、触媒を失活させる場合がある。また原料と触媒
とを逐次添加する連続槽型反応器を使用する重合方法も
好ましい。接触時間が5分未満では十分なイソブテン成
分の転化率が得られず、一方、4時間を超えると経済的
な損失が大きく、また触媒と長時間接触させることによ
って、生成したブテンポリマーの異性化や転位反応等の
副反応が促進されるため、いずれも好ましくない。
【0023】ブテンポリマーの製造における商業的な採
算性を考慮すると、C4留分、例えばC4ラフィネート中
のイソブテン成分の転化率がより高いことが望ましい
が、本発明の方法を用いることにより、イソブテンの転
化率として約60〜100%を達成することが可能であ
る。ブテンポリマー中の末端ビニリデン構造は13C核磁
気共鳴装置(13CNMR)による解析を行って確認する
ことができる。上記のように、本発明により得られるブ
テンポリマー分子は、繰り返し構造単位全体の80%以
上が完全に直鎖状の分子構造で形成されており、この構
造は燃料油の清浄分散剤、あるいはその原料として有効
である。
【0024】本発明により製造されるブテンポリマー
は、末端ビニリデン構造を有する分子を80モル%以上
含むものである。このように末端ビニリデン構造を多量
に含むために、本発明によるブテンポリマーを原料とし
て用いることにより、マレイン化やヒドロホルミル化等
を行う場合の変性率が向上し、例えばマレイン化反応を
経由してポリブテニルコハク酸イミドを高収率で製造す
ることが可能である。
【0025】重合後の反応液は、C4留分、例えばC4
フィネート中にポリマーおよび金属塩触媒が溶解および
/または分散した形態となる。分散している触媒成分に
ついては、ろ過などの通常の手段によりポリマーから除
去することができる。触媒を分離した反応液について
は、常法により未分離の触媒を失活させた後、蒸留によ
り目的とするブテンポリマーを得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。重合反応の供給原料としては、イソブテンを含有す
るC4ラフィネート(エチレンクラッカーからのブタジ
エン抽出残)を使用した。C4混合物の組成は以下の通
りである(重量%)。
【0027】<重合装置の仕様および重合手法>撹拌
機、温度計、原料供給口および触媒供給口を取り付けた
500mlの4口フラスコを十分乾燥した後に、撹拌し
ながら窒素下において−40℃で液化原料を導入し、所
定の温度に調整した後、触媒を加え、所定時間撹拌して
反応を行った後、大量の含水メタノールを加えて触媒を
失活させた。室温に戻した後、反応混合物をヘキサンで
希釈し、0.1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、そ
の後有機相を分離した。得られた有機相から減圧蒸留に
より未反応の供給原料と炭素数24以下の軽質分を留去
した。残余の生成物から以下の式によりブテンポリマー
の収率を算出した。 ブテンポリマー収率(%)=(得られたポリマー重量/
導入オレフィン重量)×100 ブテンポリマーの分子量はゲル浸透クロマトグラフィー
(GPC)により求め、分子骨格および分子末端のオレ
フィン構造の帰属および定量は13CNMRによる測定を
用いて行った。なお、分子量およびNMRによりオレフ
ィンの構造解析は溶媒を除去して行った。
【0028】<実施例1>径1/2インチのステンレス
鋼製ボール12個と径1インチのステンレス鋼製ボール
4個とを収容した400mlステンレス鋼製ポットに、
無水塩化マグネシウム11gと四塩化ジルコニウム6.
5gを窒素雰囲気下で導入し、その雰囲気において16
時間共粉砕することにより触媒を調製した。重合槽にC
4原料200gを導入し、上記の共粉砕物2gを−30
℃で加え、30分間撹拌して重合を行った。ポリマー収
率は47%であり、Mw=27,000、Mn=7,30
0、および末端ビニリデン構造を有するポリマー分子の
割合は94%であった。また、触媒残渣によるゲルの発
生は認められなかった。
【0029】<実施例2>径1/2インチのステンレス
鋼製ボール12個と径1インチのステンレス鋼製ボール
4個を収容した400mlステンレス鋼製ポットに、無
水塩化マンガン(II)20gと四塩化ジルコニウム6.5
gを窒素雰囲気下で導入し、その雰囲気において16時
間共粉砕することにより触媒を調製した。重合槽にC4
原料200gを導入し、上記の共粉砕物6gを−40℃
で加え、20分間撹拌して重合を行った。ポリマー収率
は30%であり、Mw=26,000、Mn=6,000、
および末端ビニリデン構造を有するポリマー分子の割合
は88%であった。また、触媒残渣によるゲルの発生は
認められなかった。
【0030】<実施例3>径1/2インチのステンレス
鋼製ボール12個と径1インチのステンレス鋼製ボール
4個を収容した400mlステンレス鋼製ポットに、無
水塩化鉄(II)11gと四塩化ジルコニウム6.5gを窒
素雰囲気下で導入し、その雰囲気において16時間共粉
砕することにより触媒を調製した。重合槽にC4原料2
00gを導入し、上記の共粉砕物1gを−20℃で加
え、90分間撹拌して重合を行った。ポリマー収率は9
7%であり、Mw=30,000、Mn=8,000、およ
び末端ビニリデン構造を有するポリマー分子の割合は9
2%であった。
【0031】<実施例4>撹拌装置を設置した1リット
ルなす型フラスコに無水塩化鉄(III)10g、四塩化ジ
ルコニウム7gおよびあらかじめ焼成したシリカ(シラ
ノール1mmol/g、30〜60メッシュ、かさ密度0.7
50g/ml、比表面積100m2/g、細孔容積 1.10ml/
g)90gを導入し、乾燥したメチルシクロヘキサン5
00mlを加え、3時間加熱撹拌を行った。メチルシク
ロヘキサンを減圧下で留去して担持触媒を得た。重合槽
にC4原料200gを導入し、上記の担持触媒7gを−
30℃で加え、45分間撹拌して重合を行った。ポリマ
ー収率は90%であり、Mw=32,000、Mn=8,4
00、および末端ビニリデン構造を有するポリマー分子
の割合は95%であった。
【0032】<実施例5>撹拌装置を設置した1リット
ルなす型フラスコに無水塩化銅(I)10g、四塩化ジル
コニウム7gおよび乾燥したメチルシクロヘキサン30
0mlを加え、3時間加熱撹拌を行った。メチルシクロ
ヘキサンを減圧下で留去して固体触媒を得た。重合槽に
4原料200gを導入し、上記の担持触媒0.73gを
−30℃で加え、45分間撹拌して重合を行った。ポリ
マー収率は80%であり、Mw=35,000、Mn=9,
000、および末端ビニリデン構造を有するポリマー分
子の割合は94%であった。また、触媒残渣によるゲル
の発生は認められなかった。
【0033】<実施例6>撹拌装置を設置した1リット
ルなす型フラスコに無水塩化銅(II)3g、四塩化ジルコ
ニウム4gおよびあらかじめ焼成したシリカ(シラノー
ル1mmol/g、30〜60メッシュ、かさ密度0.750g
/ml、比表面積100m2/g、細孔容積1.10ml/g)40
gを導入し、乾燥したメチルシクロヘキサン300ml
を加え、3時間加熱撹拌を行った。メチルシクロヘキサ
ンを減圧下で留去して担持触媒を得た。重合槽にC4
料200gを導入し、上記の担持触媒4.3gを−40
℃で加え、30分間撹拌して重合を行った。ポリマー収
率は70%であり、Mw=35,600、Mn=8,90
0、および末端ビニリデン構造を有するポリマー分子の
割合は82%であった。また、触媒残渣によるゲルの発
生は認められなかった。
【0034】<実施例7>径1/2インチのステンレス
鋼製ボール12個と径1インチのステンレス鋼製ボール
4個を収容した400mlステンレス鋼製ポットに、無
水塩化亜鉛(II)1gと四塩化ジルコニウム6.5gを窒
素雰囲気下で導入し、その雰囲気において16時間共粉
砕することにより触媒を調製した。重合槽にC4原料2
00gを導入し、上記の共粉砕物0.6gを−10℃で
加え、10分間撹拌して重合を行った。ポリマー収率は
35%であり、Mw=30,000、Mn=7,000、お
よび末端ビニリデン構造を有するポリマー分子の割合は
82%であった。また、触媒残渣によるゲルの発生は認
められなかった。
【0035】<比較例1>重合槽にC4原料200gを
導入し、四塩化ジルコニウム1.2gを−30℃で加
え、30分間撹拌して重合を行った。ポリマー収率は3
0%であり、Mw=27,000、Mn=4,400、およ
び末端ビニリデン構造を有するポリマー分子の割合は7
7%であった。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、イソブテン純度
が比較的低いC4ラフィネート等の安価なイソブテン含
有原料を使用することが可能であると共に、四塩化ジル
コニウム単独の触媒で重合すると比較し、より高い分子
量のブテンポリマーを得ることができ、しかも高い反応
性を有する末端ビニリデン構造の分子を80モル%以上
含有するブテンポリマーをより高い収率で製造すること
が可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ハロゲン化ジルコニウムおよび
    (b)周期律表第2族、第7族、第8族、第11族およ
    び第12族から選ばれる少なくとも1つの金属のハロゲ
    ン化物を接触させることにより得られる触媒成分を含有
    するブテンの重合用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の触媒の存在下にイソブ
    テンを液相で重合することからなる、末端ビニリデン構
    造を有するポリマー分子を80モル%以上含むブテンポ
    リマーの製造法。
JP10307866A 1998-10-14 1998-10-14 ブテン重合用触媒およびそれを用いるブテンポリマーの製造法 Pending JP2000119310A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014173091A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Univ Of Massachusetts 重合開始系および高反応性オレフィン機能性高分子の製造方法

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