JP6285095B2 - 半導体基板パッシベーション膜形成用組成物、パッシベーション膜付半導体基板及びその製造方法、並びに太陽電池素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体基板パッシベーション膜形成用組成物、パッシベーション膜付半導体基板及びその製造方法、並びに太陽電池素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物、パッシベーション膜付半導体基板及びその製造方法、並びに太陽電池素子及びその製造方法に関する。
従来のシリコン太陽電池素子の製造工程について説明する。
まず、光閉じ込め効果を促して高効率化を図るよう、テクスチャー構造を形成したp型シリコン基板を準備し、続いてオキシ塩化リン(POCl)、窒素、酸素の混合ガス雰囲気において800℃〜900℃で数十分の処理を行って一様にn型拡散層を形成する。
この従来の方法では、混合ガスを用いてリンの拡散を行うため、表面のみならず、側面、裏面にもn型拡散層が形成される。そのため、側面のn型拡散層を除去するためのサイドエッチングを行う。また、裏面に形成されたn型拡散層はp型拡散層へ変換する必要があり、裏面全体にアルミニウム粉末及びバインダーを含むアルミニウムペーストを塗布し、これを焼成してアルミニウム電極を形成することで、n型拡散層をp型拡散層にするのと同時に、オーミックコンタクトを得ている。
ここで、アルミニウムペーストから形成されるアルミニウム電極は導電率が低く、シート抵抗を下げるために、通常裏面全面に形成したアルミニウム電極は焼成後において10μm〜20μmほどの厚みを有していなければならない。しかし、基板であるシリコンとアルミニウムとでは熱膨張率が大きく異なることから、焼成および冷却の過程で、シリコン基板中に大きな内部応力を発生させ、結晶粒界のダメージ、結晶欠陥増長及び反りの原因となる。
この問題を解決するために、アルミニウムペーストの塗布量を減らし、アルミニウム電極層を薄くする方法がある。しかしながら、アルミニウムペーストの塗布量を減らすと、p型シリコン半導体基板の表面から内部に拡散するアルミニウムの量が不十分となる。その結果、所望のBSF(Back Surface Field)効果(p型拡散層の存在により生成キャリアの収集効率が向上する効果)を達成することができないため、太陽電池の特性が低下するという問題が生じる。
上記に関連して、アルミニウムペーストをシリコン基板表面の一部に付与して部分的にp型拡散層とアルミニウム電極とを形成するポイントコンタトの手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような受光面とは反対側(以下、「裏面側」ともいう)にポイントコンタクト構造を有する太陽電池の場合、アルミニウム電極以外の部分の表面において、少数キャリアの再結合速度を抑制するために、裏面側用の半導体基板パッシベーション膜(以下、単に「パッシベーション膜」ともいう)が用いられる。このようなパッシベーション膜としてはSiO膜等が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような酸化膜を形成することによるパッシベーション効果としては、シリコン基板の裏面表層部シリコン原子の未結合手を終端させ、再結合の原因となる表面準位密度を低減させる効果がある。
また、少数キャリアの再結合を抑制する別の方法として、パッシベーション膜内の固定電荷が発生する電界によって少数キャリア密度を低減する方法がある。このようなパッシベーション効果は一般に電界効果と呼ばれ、負の固定電荷をもつ材料として酸化アルミニウム(Al)膜などが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
このようなパッシベーション膜は、一般的にはALD(Atomic Layer Deposition)法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の方法で形成される(例えば、非特許文献1参照)。また半導体基板上に酸化アルミニウム膜を形成する簡便な手法として、ゾルゲル法による手法が提案されている(例えば、非特許文献2〜4参照)。
特許第3107287号公報 特開2004−6565号公報 特許第4767110号公報
Journal of Applied Physics、104(2008), 113703-1〜113703-7 Thin Solid Films, 517(2009), 6327-6330 Chinese Physics Letters, 26(2009), 088102-1〜088102-4. Nippon Seramikkusu Kyokai Gakujitsu Ronbunshi, 97(1989)369-399
しかしながら、非特許文献1に記載の手法は蒸着などの複雑な製造工程を含むため、生産性を向上させることが困難な場合があった。また非特許文献2〜4に記載の方法において用いられるパッシベーション膜形成用組成物では、経時的にゲル化等の不具合が発生してしまい保存安定性が充分とは言い難かった。
また、従来のパッシベーション膜形成用組成物では、基板上に塗布した際に印刷ムラや、塗膜の厚さのばらつきが発生しやすく、均一な厚さの塗膜及び均一な厚さのパッシベーション膜を形成することが困難であった。印刷ムラとは、印刷に用いたスクリーン版がシリコン基板から離れる際に、一部版離れが悪い部分が生じた為にできる、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が周囲よりも薄くなる現象である。
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、簡便な手法で所望の形状の半導体基板パッシベーション膜を形成することができ、印刷ムラを抑制し、良好な塗膜均一性を発現する半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を提供することを課題とする。また、本発明は該半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いたパッシベーション膜付半導体基板及び太陽電池素子を提供することを課題とする。さらに本発明は、該半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いた、パッシベーション膜付半導体基板及び太陽電池素子の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 下記一般式(I)で表される有機アルミニウム化合物と、脂肪酸アミド及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種と、を含む半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
式(I)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表す。nは0〜3の整数を表す。X及びXはそれぞれ独立して酸素原子又はメチレン基を表す。R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
−(−O−R10−)−O−R ・・・(II)
式(II)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、R10はアルキレン基を示す。nは3以上の任意の整数である。なお、複数存在する−(−O−R10−)−におけるR10は同一であっても異なっていてもよい。
<2> 前記脂肪酸アミドを含有し、該脂肪酸アミドが下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含む前記<1>に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
CONH・・・・(1)
CONH−R−NHCOR・・・・(2)
NHCO−R−CONHR・・・・(3)
CONH−R−N(R・・・・(4)
一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を示す。R及びRは同一であっても異なっていてもよい。
<3> 前記脂肪酸アミドを含有し、該脂肪酸アミドが、ステアリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド及びステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる群より選択される少なくとも1種を含有する前記<1>又は<2>に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
<4> 前記脂肪酸アミドを含有し、該脂肪酸アミドの分解温度が、400℃以下である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
<5> 前記一般式(II)で表される化合物を含有し、該一般式(II)で表される化合物の数平均分子量が300〜1,000,000である前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
<6> 前記一般式(I)におけるRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基である前記<1>〜<5>のいずれかに記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
<7> 前記一般式(I)において、nが1〜3の整数であり、Rがそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
<8> さらに樹脂を含有する前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
<9> 前記樹脂の含有率が0.1質量%〜30質量%である前記<8>に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
<10> 半導体基板と、前記半導体基板上の全面又は一部に設けられた前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の焼成物層と、を有するパッシベーション膜付半導体基板。
<11> 半導体基板上の全面又は一部に、前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与して組成物層を形成する工程と、
前記組成物層を焼成処理して、パッシベーション膜を形成する工程と、
を有するパッシベーション膜付半導体基板の製造方法。
<12> p型層及びn型層がpn接合されてなる半導体基板と、
前記半導体基板上の全面又は一部に設けられた前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の焼成物層と、
前記半導体基板の前記p型層及びn型層の少なくとも一方の層上に配置された電極と、
を有する太陽電池素子。
<13> p型層及びn型層が接合されてなるpn接合を有し、前記p型層及びn型層の少なくとも一方の層上に電極を有する半導体基板の、前記電極を有する面の一方又は両方の面上に、前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いて組成物層を形成する工程と、
前記組成物層を焼成処理して、パッシベーション膜を形成する工程と、
を有する太陽電池素子の製造方法。
本発明によれば、簡便な手法で所望の形状の半導体基板パッシベーション膜を形成することができ、印刷ムラを抑制し、良好な塗膜均一性を発現する半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を提供することができる。また、本発明は該半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いたパッシベーション膜付半導体基板及び太陽電池素子を提供することができる。さらに本発明は、該半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いた、パッシベーション膜付半導体基板及び太陽電池素子の製造方法を提供することができる。
本実施形態にかかる半導体基板パッシベーション膜を有する太陽電池素子の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。 本実施形態にかかる半導体基板パッシベーション膜を有する太陽電池素子の製造方法の他の一例を模式的に示す断面図である。 本実施形態にかかる半導体基板パッシベーション膜を有する裏面電極型太陽電池素子を模式的に示す断面図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。さらに本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<半導体基板パッシベーション膜形成用組成物>
本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は、下記一般式(I)で表される有機アルミニウム化合物と、脂肪酸アミド及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種とを含む。前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は必要に応じてその他の成分を更に含んでいてもよい。
式(I)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表す。nは0〜3の整数を表す。X及びXはそれぞれ独立して酸素原子又はメチレン基を表す。R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
ここでR〜R、X及びXのいずれかが複数存在する場合、複数存在する同一の記号で表される基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
−(−O−R10−)−O−R ・・・(II)
式(II)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、R10はアルキレン基を示す。nは3以上の任意の整数である。なお、複数存在する−(−O−R10−)−におけるR10は同一であっても異なっていてもよい。
本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を、半導体基板に付与して所望の形状の組成物層を形成し、これを焼成処理することで、優れたパッシベーション効果を有するパッシベーション膜を所望の形状に形成することができる。本発明の手法は、蒸着装置等を必要としない簡便で生産性の高い方法である。さらにマスク処理等の煩雑な工程を要することなく、所望の形状にパッシベーション膜を形成できる。また前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は特定の有機アルミニウム化合物を含むことで、ゲル化等の不具合の発生が抑制されて経時的な保存安定性に優れる。
本明細書において、半導体基板のパッシベーション効果は、半導体基板パッシベーション膜を付与した半導体基板内の少数キャリアの実効ライフタイムを、日本セミラボ社製WT−2000PVN等の装置を用いて、反射マイクロ波導電減衰法によって測定することで評価することができる。
ここで、実効ライフタイムτは、半導体基板内部のバルクライフタイムτと、半導体基板表面の表面ライフタイムτとによって下記式(A)のように表される。半導体基板表面の表面準位密度が小さい場合にはτが長くなる結果、実効ライフタイムτが長くなる。また、半導体基板内部のダングリングボンド等の欠陥が少なくなっても、バルクライフタイムτが長くなって実効ライフタイムτが長くなる。すなわち、実効ライフタイムτの測定によってパッシベーション膜/半導体基板の界面特性、及び、ダングリングボンドなどの半導体基板の内部特性を評価することができる。
1/τ=1/τ+1/τ (A)
尚、実効ライフタイムが長いほど少数キャリアの再結合速度が遅いことを示す。また実効ライフタイムが長い半導体基板を用いて太陽電池素子を構成することで、変換効率が向上する。
(有機アルミニウム化合物)
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は、前記一般式(I)で表される有機アルミニウム化合物(以下「特定有機アルミニウム化合物」と称する場合がある)の少なくとも1種を含む。特定有機アルミニウム化合物は、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレートなどと呼ばれる化合物を包含し、アルミニウムアルコキシド構造に加えてアルミニウムキレート構造を有していることが好ましい。また、Nippon Seramikkusu Kyokai Gakujitsu Ronbunshi, 97(1989)369-399にも記載されているように、有機アルミニウム化合物は焼成処理により酸化アルミニウム(Al)となる。
半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が一般式(I)で表される有機アルミニウム化合物を含有することで、優れたパッシベーション効果を有するパッシベーション膜を形成できる理由について、発明者らは以下のように考えている。しかしながら、本発明は下記理由に何ら限定されない。
特定有機アルミニウム化合物を含有する本発明の半導体パッシベーション膜形成用組成物を焼成処理することにより形成される酸化アルミニウムは、アモルファス状態となりやすく、アルミニウム原子の欠陥等が生じて半導体基板との界面付近に大きな負の固定電荷をもつことができると考えられる。この大きな負の固定電荷が半導体基板の界面近辺で電界を発生することで少数キャリアの濃度を低下させることができ、結果的に界面でのキャリア再結合速度が抑制されるものと考えられる。したがって、特定有機アルミニウム化合物を含有する本発明の半導体パッシベーション膜形成用組成物は、優れたパッシベーション効果を有するパッシベーション膜を形成することができると考えられる。
なお、形成された酸化アルミニウムの状態はX線回折スペクトル(XRD、X-ray diffraction)を測定することにより確認できる。例えば、XRDが特定の反射パターンを示さないことでアモルファス構造であることが確認できる。また、酸化アルミニウムがもつ負の固定電荷は、CV法(Capacitance Voltage measurement)で評価することが可能である。ただし、本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物から形成された酸化アルミニウムの焼成層について、CV法から得られるその表面準位密度は、ALDやCVD法で形成される酸化アルミニウム層の場合と比べ、大きな値となる場合がある。しかし本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物から形成されたパッシベーション膜は、電界効果が大きく少数キャリアの濃度が低下して表面ライフタイムτが長くなる。そのため、表面準位密度は相対的に問題にはならない。
一般式(I)において、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。Rで表されるアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。Rで表されるアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、エチルヘキシル基等を挙げることができる。中でもRで表されるアルキル基は、保存安定性とパッシベーション効果の観点から、炭素数1〜8の無置換のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4の無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(I)において、nは0〜3の整数を表わす。nは保存安定性の観点から、1〜3の整数であることが好ましく、1又は3であることがより好ましい。またX及びXはそれぞれ独立して酸素原子又はメチレン基を表す。保存安定性の観点から、X及びXの少なくとも一方は酸素原子であることが好ましい。
一般式(I)におけるR、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。R、R及びRで表されるアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。R、R及びRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基であり、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、エチルヘキシル基等を挙げることができる。
中でも保存安定性とパッシベーション効果の観点から、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜8の無置換のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜4の無置換のアルキル基であることがより好ましい。
またRは、保存安定性とパッシベーション効果の観点から、水素原子又は炭素数1〜8の無置換のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜4の無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(I)で表される有機アルミニウム化合物は、キレート化による反応性の抑制の観点から、nが1〜3であり、Rがそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である化合物であることが好ましい。
また、一般式(I)で表される有機アルミニウム化合物は、保存安定性及びパッシベーション効果の観点から、nが0であり、Rがそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基である化合物;及び、nが1〜3であり、Rがそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基であり、X及びXの少なくとも一方が酸素原子であり、R及びRがそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、nが0であり、Rがそれぞれ独立して炭素数1〜4の無置換のアルキル基である化合物;及び、nが1〜3であり、Rがそれぞれ独立して炭素数1〜4の無置換のアルキル基であり、X及びXの少なくとも一方が酸素原子であり、前記酸素原子に結合するR又はRが炭素数1〜4のアルキル基であり、X又はXがメチレン基の場合、前記メチレン基に結合するR又はRが水素原子であり、Rが水素原子である化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の場合である。
一般式(I)で表され、nが0の有機アルミニウム化合物であるアルミニウムトリアルコキシドとして具体的には、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、モノsec−ブトキシ−ジイソプロポキシアルミニウム、トリtert−ブトキシアルミニウム、トリn−ブトキシアルミニウム等を挙げることができる。
また一般式(I)で表され、nが1〜3である有機アルミニウム化合物として具体的には、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート((エチルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロポキシド)、トリス(エチルアセトアセタト)アルミニウム、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等を挙げることができる。
一般式(I)で表され、nが1〜3である有機アルミニウム化合物は、調製したものを用いても、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、川研ファインケミカル株式会社の商品名、ALCH、ALCH-TR、アルミキレートD、アルキミレートA等が挙げられる。
一般式(I)で表され、nが1〜3である有機アルミニウム化合物は、前記アルミニウムトリアルコキシドと、2つのカルボニル基を有する特定構造の化合物とを混合することで調製することができる。
前記アルミニウムトリアルコキシドと、2つのカルボニル基を有する特定構造の化合物とを混合すると、アルミニウムトリアルコキシドのアルコキシド基の少なくとも一部が前記特定構造の化合物と置換して、アルミニウムキレート構造を形成する。このとき必要に応じて、溶媒が存在してもよく、また加熱処理や触媒の添加を行ってもよい。アルミニウムアルコキシド構造の少なくとも一部がアルミニウムキレート構造に置換されることで、有機アルミニウム化合物の加水分解や重合反応に対する安定性が向上し、これを含む半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の保存安定性がより向上する。
前記2つのカルボニル基を有する特定構造の化合物としては、保存安定性の観点から、β−ジケトン化合物、β−ケトエステル化合物、及びマロン酸ジエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。前記2つのカルボニル基を有する特定構造の化合物として具体的には、アセチルアセトン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、2,3−ペンタンジオン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン、3−ブチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオン、6−メチル−2,4−ヘプタンジオン等のβ−ジケトン化合物;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸ペンチル、アセト酢酸イソペンチル、アセト酢酸ヘキシル、アセト酢酸n−オクチル、アセト酢酸ヘプチル、アセト酢酸3−ペンチル、2−アセチルヘプタン酸エチル、2−ブチルアセト酢酸エチル、4,4−ジメチル−3−オキソ吉草酸エチル、4−メチル−3−オキソ吉草酸エチル、2−エチルアセト酢酸エチル、ヘキシルアセト酢酸エチル、4−メチル−3−オキソ吉草酸メチル、アセト酢酸イソプロピル、3−オキソヘキサン酸エチル、3−オキソ吉草酸エチル、3−オキソ吉草酸メチル、3−オキソヘキサン酸メチル、2−メチルアセト酢酸エチル、3−オキソヘプタン酸エチル、3−オキソヘプタン酸メチル、4,4−ジメチル−3−オキソ吉草酸メチル等のβ−ケトエステル化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジ−tert−ブチル、マロン酸ジヘキシル、マロン酸tert−ブチルエチル、メチルマロン酸ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、sec−ブチルマロン酸ジエチル、イソブチルマロン酸ジエチル、1−メチルブチルマロン酸ジエチル等のマロン酸ジエステルなどを挙げることができる。
前記特定有機アルミニウム化合物がアルミニウムキレート構造を有する場合、アルミニウムキレート構造の数は1〜3であれば特に制限されない。中でも、保存安定性の観点から、1又は3であることが好ましく、溶解度の観点から、1であることがより好ましい。アルミニウムキレート構造の数は、例えば前記アルミニウムトリアルコキシドと、アルミニウムとキレートを形成し得る化合物とを混合する比率を適宜調整することで制御することができる。また市販のアルミニウムキレート化合物から所望の構造を有する化合物を適宜選択してもよい。
一般式(I)で表される有機アルミニウム化合物のうち、いずれを用いてもよいが、用いる溶媒に対する溶解性が良好なものを選択するのが好ましい。具体例として、溶媒にテルピネオールを使用する際には特定有機アルミニウム化合物として、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート((エチルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロポキシド)を使用することができ、これはテルピネオールと容易に混合する。
前記特定有機アルミニウム化合物におけるアルミニウムキレート構造の存在は、通常用いられる分析方法で確認することができる。例えば、赤外分光スペクトル、核磁気共鳴スペクトル、融点等を用いて確認することができる。
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物に含まれる前記特定有機アルミニウム化合物の含有量は、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、保存安定性とパッシベーション効果の観点から、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物中に1質量%〜70質量%とすることが好ましく、3質量%〜60質量%であることがより好ましく、5質量%〜50質量%であることがさらに好ましく、10質量%〜30質量%であることが特に好ましい。
特定有機アルミニウム化合物は、液状であっても固体であってもよく、特に制限はない。パッシベーション効果と保存安定性の観点から、常温での安定性や、溶解性又は分散性が良好な常温での安定性や、溶解性又は分散性が良好な化合物であることで、形成されるパッシベーション膜の均一性がより向上し、所望のパッシベーション効果を安定的に得ることができる。
(脂肪酸アミド又は前記一般式(II)で表される化合物)
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は、脂肪酸アミド及び前記一般式(II)で表される化合物(以下、特定化合物ともいう)から選択される少なくとも1種を含む。
−(−O−R10−)−O−R ・・・(II)
式(II)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、R10はアルキレン基を示す。nは3以上の任意の整数である。なお、複数存在する−(−O−R10−)−におけるR10は同一であっても異なっていてもよい。つまり、一般式(II)で表される化合物は共重合体であってもよい。
脂肪酸アミド及び前記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含むことで、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が半導体基板上へ印刷するのに適した粘度特性を持つ。前記印刷するのに適した粘度特性とは、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与する際に粘度が低下し、付与した後に粘度が上昇する性質を指す。
また、脂肪酸アミド及び前記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含むことで、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の塗膜がより均一となる。これは、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与する際に粘度が低下することによって、印刷工程で膜中へ入り込んでしまう気泡が、パッシベーション膜中へ残ること(固定化)が起こりにくくなるためであると考えられる。
一般式(II)で表される化合物において、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表す。R及びRで表されるアルキル基は、各々独立に、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがより好ましく、炭素数1又は2であることが更に好ましい。
及びRで表されるアルキル基は、各々独立に、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。R及びRで表されるアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル基等が挙げられ、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
及びRの組み合わせに特に制限はないが、R及びRのいずれか一方が水素原子であることが好ましく、R及びRの両方が水素原子であることがより好ましい。R及びRの両方が水素原子である場合、溶媒の溶解性を制御しやすい傾向にある。したがって、より良好な形状のパターンを有する組成物層を形成することが可能である。
一般式(II)中、R10は、アルキレン基を示す。R10で表されるアルキレン基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜4であることがより好ましく、炭素数2又は3であることが更に好ましい。
10で表されるアルキレン基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。R10で表されるアルキレン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましい。なお、R10で表されるアルキレン基は、1種単独であっても、2種以上であってもよい。
一般式(II)で表される化合物において、nは3以上の任意の整数を表わす。nは印刷性の観点から、5〜23,000であることが好ましく10〜11,000であることがより好ましく20〜2,300であることがさらに好ましい。nが5〜23,000であるとより印刷性が良好となる。
一般式(II)で表される化合物としては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレングリコールが更に好ましい。ポリエチレングリコールを用いることで、印刷性が向上しやすい傾向にあり、また、入手も容易である。
一般式(II)で表される化合物としては、1種を単独で用いても、構造の異なる二種以上の一般式(II)で表される化合物を併用、共重合して使用してもよい。
構造の異なる二種以上の一般式(II)で表される化合物を併用する場合のその組み合わせとしては、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの組み合わせ、ポリエチレングリコールとポリエチレングリコールモノメチルエーテルとの組み合わせ等が挙げられる。
前記一般式(II)で表される化合物は、液状であっても固体であってもよく、特に制限はない。パッシベーション効果と印刷性の観点から、常温で溶解性又は分散性が良好に安定な化合物や、溶解性又は分散性が良好な化合物であることが好ましい。このような化合物の場合、形成されるパッシベーション膜の均一性がより向上し、所望のパッシベーション効果を安定的に得ることができる。
また、一般式(II)で表される化合物の形状としては、特に制限されないが、常温(25℃)で固体として存在することが好ましい。固体として存在することで、フィラーとしての役割を果たし、印刷性向上の効果が得られやすい。
一般式(II)で表される化合物が固体である場合、その体積平均粒子径は、20μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。20μm以下の体積平均粒子径を有する一般式(II)で表される化合物を用いた場合には、ガラス粒子と均一に混合しやすく、生産性が向上する。
尚、体積平均粒子径の下限は特に制限されないが、10nm以上であることが好ましい。10nm以上であると、ペースト中での分散性がより良好になる。
前記体積平均粒子径は、例えば、堀場製作所製LA−920 Particle Size Distribution Analyzerで、レーザー波長750nmで測定された測定値(体積分布)から体積平均粒子径(50%径)として算出される。
一般式(II)で表される化合物のガラス転移温度は、特に制限されないが、−100℃〜100℃の範囲であることが好ましく、−50℃〜25℃の範囲であることがより好ましい。
尚、本発明において一般式(II)で表される化合物のガラス転移温度は、示熱分析装置を用いて測定した、DSC曲線の変異点を調べることで測定できる。
一般式(II)で表される化合物の融点としては、特に制限されないが、20℃〜200℃の範囲であることが好ましく、40℃〜100℃の範囲であることがより好ましい。
尚、本発明において一般式(II)で表される化合物の融点は、示熱分析装置を用いて測定した、融解ピークを調べることで測定できる。
一般式(II)で表される化合物の数平均分子量は、1,000〜5,000,000であることが好ましく、2,000〜5,000,000であることがより好ましい。数平均分子量が1000以上であると、フィラーとしての機能性が十分に得られ、5,000,000以下であると、粘度が高くなりすぎるのを抑制することができるため、より印刷性が良好となる。また、2,000以上であると、更に印刷性を良好とすることができる。
数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて測定することができる。尚、GPC法による数平均分子量の測定条件は、例えば以下のとおりである。
測定装置:Shodex GPC SYSTEM−11(昭和電工株式会社製)
溶離液:CFCOONa 5mmol/ヘキサフルオロイソプロピルアルコール(HFIP)(1リットル)
カラム:サンプルカラム HFIP−800P HFIP−80M×2本、リファレンスカラム HFIP−800R×2本
カラム温度:40℃
流量:1.0ml/分
検出器:Shodex RI STD:PMMA(Shodex STANDARD M−75)
脂肪酸アミドは下記一般式(1)、(2)、(3)又は(4)で表される化合物であることが好ましい。
CONH・・・・(1)
CONH−R−NHCOR・・・・(2)
NHCO−R−CONHR・・・・(3)
CONH−R−N(R・・・・(4)
一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を示す。R及びRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)、(2)、(3)、(4)中、R及びRで表されるアルキル基及びアルケニル基は、各々独立に、炭素数1〜30であり、印刷性とパッシベーション効果の観点から、炭素数1〜25であることが好ましく、炭素数1〜20であることがより好ましい。
で表されるアルキル基及びアルケニル基は、各々独立に、炭素数5〜25であることが好ましく、炭素数10〜20であることがより好ましく、炭素数15〜18であることが更に好ましい。
で表されるアルキル基及びアルケニル基は、各々独立に、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜3であることが更に好ましい。また、Rは炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であるが特に好ましい。
及びRで表される炭素数1〜30のアルキル基及びアルケニル基は、各々独立に、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、直鎖状又は分岐状であることが好ましい。
及びRで表される炭素数1〜30のアルキル基及びアルケニル基は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、デカン基、ドデカン基、オクタデカン基、ヘキサデセニル基、ヘンイコセニル基等を挙げることができる。
また、前記一般式(2)、(3)、(4)において、Rで表されるアルキレン基は、それぞれ独立に、炭素数1〜10であり、印刷性とパッシベーション効果の観点から、炭素数1〜8であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることが更に好ましい。Rで表されるアルキレン基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。Rで表されるアルキレン基は、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基等を挙げることができる。
前記一般式(1)で示される脂肪酸モノアミドの具体例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。
また、前記一般式(2)で示されるN−置換脂肪酸アミドの具体例としては、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−キシリレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
また、前記一般式(3)で示されるN−置換脂肪酸アミドの具体例としては、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等が挙げられる。
また、前記一般式(4)で示されるN−置換脂肪酸アミドアミンの具体例としては、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、リノール酸ジメチルアミノプロピルアミド、リシノレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ヒドロキシステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸N,N−ジヒドロキシメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、オレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、リノール酸ジエチルアミノエチルアミド、リシノレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヒドロキシステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸N,N−ジヒドロキシエチルアミノエチルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジエチルアミノプロピルアミド、リノール酸ジエチルアミノプロピルアミド、リシノレイン酸ジエチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ヒドロキシステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸N,N−ジヒドロキシエチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。
これらの脂肪酸アミドの中でも分散媒への溶解性の観点から、ステアリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、及びステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
前記脂肪酸アミドは、液状であっても固体であってもよく、特に制限はない。パッシベーション効果と印刷性の観点から、常温で溶解性又は分散性が良好に安定な化合物や、溶解性又は分散性が良好な化合物であることが好ましい。これらの化合物の場合、形成されるパッシベーション膜の均一性がより向上し、所望のパッシベーション効果を安定的に得ることができる。
脂肪酸アミドは、400℃以下で蒸散又は分解することが望ましく、300℃以下で蒸散又は分解することがより好ましく、250℃以下で蒸散又は分解することがさらに望ましい。脂肪酸アミドが400℃以下で蒸散又は分散するとパッシベーション膜の形成を阻害しないため好ましい。
脂肪酸アミド及び前記一般式(II)で表される化合物としては、印刷性と分散媒への溶解性の観点の観点から、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ステアリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド及びステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドから選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、ポリエチレングリコール及びステアリン酸アミドから選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
脂肪酸アミド及び前記一般式(II)で表される化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物に含まれる前記脂肪酸アミド及び前記一般式(II)で表される化合物の含有量は、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、印刷性とパッシベーション効果の観点から、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物中に0.01質量%〜70質量%とすることが好ましく、0.01質量%〜60質量%であることがより好ましく、0.01質量%〜50質量%であることがさらに好ましい。
(樹脂)
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は、さらに樹脂を含んでいてもよい。樹脂を含むことで、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が半導体基板上に付与されて形成される組成物層の形状安定性がより向上し、パッシベーション膜を前記組成物層が形成された領域に、所望の形状で選択的に形成することができる。
前記樹脂の種類は特に制限されない。中でも半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を半導体基板上に付与する際に、良好なパターン形成ができる範囲に粘度調整が可能な樹脂であることが好ましい。前記樹脂として具体的には、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド類、ポリビニルアミド類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド類、ポリスルホン酸、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸、セルロース、セルロースエーテル類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン及びゼラチン誘導体、澱粉及び澱粉誘導体、アルギン酸ナトリウム及びアルギン酸ナトリウム誘導体、キサンタン及びキサンタン誘導体、グア及びグア誘導体、スクレログルカン及びスクレログルカン誘導体、トラガカント及びトラガカント誘導体、デキストリン及びデキストリン誘導体、(メタ)アクリル酸樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂(例えば、アルキル(メタ)アクリレート樹脂、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート樹脂等)、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、シロキサン樹脂及びこれらの共重合体などを挙げることができる。
これらの樹脂のなかでも、保存安定性とパターン形成性の観点から、酸性及び塩基性の官能基を有さない中性樹脂を用いることが好ましく、含有量が少量の場合においても容易に粘度及びチキソ性を調節できる観点から、セルロース誘導体を用いることがより好ましい。
またこれら樹脂の分子量は特に制限されず、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物としての所望の粘度を鑑みて適宜調整することが好ましい。前記樹脂の重量平均分子量は、保存安定性とパターン形成性の観点から、1,000〜10,000,000であることが好ましく、3,000〜5,000,000であることがより好ましい。なお、樹脂の重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定される分子量分布から標準ポリスチレンの検量線を使用して換算して求められる。
これら樹脂は1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が樹脂を含有する場合、前記樹脂の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物中の含有量は、必要に応じて適宜選択することができる。例えば半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が樹脂を含有する場合、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物中の樹脂の含有率は0.1質量%〜30質量%であることが好ましい。パターン形成をより容易にするようなチキソ性を発現させる観点から、前記含有率は1質量%〜25質量%であることがより好ましく、1.5質量%〜20質量%であることがさらに好ましく、1.5質量%〜10質量%であることが特に好ましい。
また樹脂を含有する場合、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物における前記特定有機アルミニウム化合物と前記樹脂の含有比率は、必要に応じて適宜選択することができる。中でも、パターン形成性と保存安定性の観点から、特定有機アルミニウム化合物に対する樹脂の含有比率(樹脂/特定有機アルミニウム化合物)は、0.001〜1000であることが好ましく、0.01〜100であることがより好ましく、0.1〜1であることがさらに好ましい。
(溶媒)
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は、さらに溶媒を含んでいてもよい。半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が溶媒を含有することで、粘度の調整がより容易になり、付与性がより向上すると共により均一な焼成層を形成することができる。前記溶媒としては特に制限されず、必要に応じて適宜選択することができる。中でも前記特定有機アルミニウム化合物、及び前記樹脂を溶解して均一な溶液を与えることができる溶媒が好ましく、有機溶剤の少なくとも1種を含むことがより好ましい。また、前記有機アルミニウム化合物のうち、そのままの状態では加水分解や重合反応を容易に起こし固化するものがあるが、溶媒中に均一に存在することによって反応が抑制され、保存安定性が前記有機アルミニウム化合物単一の状態よりも向上し、ペーストとしての状態を維持しやすい傾向がある。
溶媒として具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−i−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル系溶剤;アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、N−プロピルピロリジノン、N−ブチルピロリジノン、N−ヘキシルピロリジノン、N−シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル系溶剤;α−テルピネン、α−テルピネオール、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン、ターピネオール、イソボルニルシクロヘキサノール、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン系溶剤;水などが挙げられる。これらは1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
中でも前記溶媒は、半導体基板への付与性及びパターン形成性の観点から、テルペン系溶剤、エステル系溶剤、及びアルコール系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、テルペン系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
また、上記の溶媒群の中から高粘度かつ低沸点のもの(高粘度低沸点溶媒)を使用すると、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が半導体基板へ付与される際に膜の形状を十分に維持できる粘度となり、かつその後焼成工程の途中段階で揮発するため残留溶媒による影響が生じないという利点がある。
具体的な高粘度低沸点溶媒としては、イソボルニルシクロヘキサノールなどが挙げられる。
半導体基板パッシベーション膜形成用組成物に溶媒を用いる場合の溶媒の含有量は、付与性、パターン形成性、保存安定性を考慮し決定される。例えば溶媒の含有率は、組成物の付与性とパターン形成性の観点から、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物中に5質量%〜98質量%であることが好ましく、10質量%〜95質量%であることがより好ましい。
(その他添加剤)
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は、酸性化合物又は塩基性化合物を含有してもよい。酸性化合物又は塩基性化合物を含有する場合、保存安定性の観点から、酸性化合物及び塩基性化合物の含有率が、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物中にそれぞれ1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。
前記酸性化合物としては、ブレンステッド酸及びルイス酸を挙げることができ、具体的には塩酸、硝酸等の無機酸;酢酸等の有機酸;などを挙げることができる。また塩基性化合物としては、ブレンステッド塩基及びルイス塩基を挙げることができ、具体的にはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の無機塩基、トリアルキルアミン、ピリジン等の有機塩基などを挙げることができる。
(物性値)
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の粘度は特に制限されず、半導体基板への付与方法等に応じて適宜選択するこができる。例えば、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の粘度は0.01Pa・s〜10000Pa・sとすることができる。中でもパターン形成性の観点から、0.1Pa・s〜1000Pa・sであることが好ましい。なお、前記粘度は回転式せん断粘度計を用いて、25℃、せん断速度1.0s−1で測定される。
また前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物のせん断粘度は特に制限されず、チキソ性を有していることが好ましい。中でもパターン形成性の観点から、せん断速度1.0s−1におけるせん断粘度ηをせん断速度10s−1におけるせん断粘度ηで除して算出されるチキソ比(η/η)が1.05〜100であることが好ましく、1.1〜50であることがより好ましい。
なお、せん断粘度は、コーンプレート(直径50mm、コーン角1°)を装着した回転式のせん断粘度計を用いて、温度25℃で測定される。
なお、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物中に含まれる成分、及び各成分の含有量はTG/DTA等の熱分析、NMR、IR等のスペクトル分析、HPLC、GPC等のクロマトグラフ分析などを用いて確認することができる。
(半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の製造方法)
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の製造方法には特に制限はない。例えば、有機アルミニウム化合物と脂肪酸アミド及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種と必要に応じて溶媒とを、通常用いられる混合方法で混合することで製造することができる。また脂肪酸アミド及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種を溶媒に溶解した後、これと特定有機アルミニウム化合物とを混合することで製造してもよい。
さらに前記特定有機アルミニウム化合物は、アルミニウムアルコキシドと、アルミニウムとキレートを形成可能な化合物とを混合して調製してもよい。その際、適宜溶媒を用いても、加熱処理を行ってもよい。このようにして調製した特定有機アルミニウム化合物と、脂肪酸アミド及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種又は脂肪酸アミド及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含む溶液とを混合して半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を製造してもよい。
(用途)
本発明の半導体基板にパッシベーション膜は、半導体基板にパッシベーション膜を形成するために用いられることが好適な、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物である。また、本発明の半導体基板にパッシベーション膜は、半導体基板が太陽電池用の半導体基板である場合に、より好適に用いることができる。
<パッシベーション膜付半導体基板>
本発明のパッシベーション膜付半導体基板は、半導体基板と、前記半導体基板上の全面又は一部に設けられた前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の焼成物層と、を有する。前記パッシベーション膜付半導体基板は、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の焼成物からなる層であるパッシベーション膜を有することで優れたパッシベーション効果を示す。
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与する半導体基板としては特に制限されず、目的に応じて通常用いられるものから適宜選択することができる。前記半導体基板としては、シリコン、ゲルマニウム等にp型不純物又はn型不純物をドープしたものであれば特に制限されない。中でもシリコン基板であることが好ましい。また、前記半導体基板は、p型半導体基板であっても、n型半導体基板であってもよい。中でもパッシベーション効果の観点から、パッシベーション膜が形成される面がp型層である半導体基板であることが好ましい。前記半導体基板上のp型層は、p型半導体基板に由来するp型層であっても、p型拡散層又はp型拡散層として、n型半導体基板又はp型半導体基板上に形成されたものであってもよい。
また前記半導体基板の厚みは特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば50μm〜1000μmとすることができ、75μm〜750μmであることが好ましい。
前記半導体基板上に形成されたパッシベーション膜の厚みは特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、5nm〜50μmであることが好ましく、10nm〜30μmであることが好ましく、15nm〜20μmであることが更に好ましい。
前記パッシベーション膜付半導体基板は、太陽電池素子、発光ダイオード素子等に適用することができる。例えば、太陽電池素子に適用することで変換効率に優れた太陽電池素子を得ることができる。
<パッシベーション膜付半導体基板の製造方法>
本発明のパッシベーション膜付半導体基板の製造方法は、半導体基板上の全面又は一部に、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与して組成物層を形成する工程と、前記組成物層を焼成処理してパッシベーション膜を形成する工程と、を有する。前記製造方法は必要に応じてその他の工程を更に含んでいてもよい。
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いることで、優れたパッシベーション効果を有するパッシベーション膜を所望の形状に、簡便な方法で形成することができる。
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与する半導体基板としては、前述のパッシベーション膜付半導体基板で説明したものを用いることができる。
前記パッシベーション膜付半導体基板の製造方法は、前記組成物層を形成する工程の前に、半導体基板上にアルカリ水溶液を付与する工程をさらに有することが好ましい。すなわち、半導体基板上に前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与する前に、半導体基板の表面をアルカリ水溶液で洗浄することが好ましい。アルカリ水溶液で洗浄することで、半導体基板表面に存在する有機物、パーティクル等を除去することができ、パッシベーション効果がより向上する。
アルカリ水溶液による洗浄の方法としては、一般的に知られているRCA洗浄などを例示することができる。例えばアンモニア水−過酸化水素水の混合溶液に半導体基板を浸し、60℃〜80℃で処理することで、有機物及びパーティクルを除去、洗浄することできる。洗浄時間は、10秒〜10分間であることが好ましく、30秒〜5分間であることがさらに好ましい。
半導体基板上に、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与して組成物層を形成する方法には特に制限はない。例えば、公知の塗布方法等を用いて、半導体基板上に前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与する方法を挙げることができる。
具体的には、浸漬法、印刷法、スピンコート法、刷毛塗り、スプレー法、ドクターブレード法、ロールコー法、インクジェット法等を挙げることができる。これらの中でもパターン形成性の観点から、各種の印刷法、インクジェット法等が好ましい。
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の付与量は、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、形成されるパッシベーション膜の膜厚が、後述する所望の膜厚となるように適宜調整することができる。
半導体基板パッシベーション膜形成用組成物によって形成された組成物層を焼成処理して、前記組成物層に由来する焼成物層を形成することで、半導体基板上に半導体基板パッシベーション膜を形成することができる。
組成物層の焼成条件は、組成物層に含まれる特定有機アルミニウム化合物をその焼成物である酸化アルミニウム(Al)に変換可能であれば特に制限されない。中でも特定の結晶構造を持たないアモルファス状のAl層を形成可能な焼成条件であることが好ましい。半導体基板パッシベーション膜がアモルファス状のAl層で構成されることで、半導体基板パッシベーション膜により効果的に負電荷を持たせることができ、より優れたパッシベーション効果を得ることができる。具体的に、焼成温度は400℃〜900℃が好ましく、450℃〜800℃がより好ましい。また焼成時間は焼成温度等に応じて適宜選択できる。例えば、0.1時間〜10時間とすることができ、0.2時間〜5時間であることが好ましい。
前記パッシベーション膜付半導体基板の製造方法によって製造されるパッシベーション膜の膜厚は特に制限されず、目的に応じて適宜選択できる。例えば、5nm〜50μmであることが好ましく、10nm〜30μmであることが好ましく、15nm〜20μmであることが更に好ましい。
尚、形成されたパッシベーション膜の膜厚は、触針式段差・表面形状測定装置(例えば、Ambios社製)や非接触式膜圧測定装置(例えばフィルメトリクス社製)を用いて常法により測定される。
前記パッシベーション膜付半導体基板の製造方法は、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与した後、焼成処理によってパッシベーション膜を形成する工程の前に、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物からなる組成物層を乾燥処理する工程をさらに有していてもよい。組成物層を乾燥処理する工程を有することで、より均一なパッシベーション効果を有するパッシベーション膜を形成することができる。
組成物層を乾燥処理する工程は、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物に含まれることがある溶媒の少なくとも一部を除去することができれば、特に制限されない。乾燥処理は例えば30℃〜250℃で1分間〜60分間の加熱処理とすることができ、40℃〜220℃で3分間〜40分間の加熱処理であることが好ましい。また乾燥処理は、常圧下で行なっても減圧下で行なってもよい。
<太陽電池素子>
本発明の太陽電池素子は、p型層及びn型層がpn接合されてなる半導体基板と、前記半導体基板上の全面又は一部に設けられた前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の焼成物層である半導体基板パッシベーション膜と、前記半導体基板の前記p型層及びn型層の少なくとも一方の層上にそれぞれ配置された電極とを有する。前記太陽電池素子は、必要に応じてその他の構成要素を更に有していてもよい。
前記太陽電池素子は、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物から形成されたパッシベーション膜を有することで、変換効率に優れる。
前記パッシベーション膜が設けられる半導体基板の面は、p型層であっても、n型層であってもよい。中でも変換効率の観点からp型層であることが好ましい。前記半導体基板上のp型層は、p型半導体基板に由来するp型層であっても、p型拡散層又はp型拡散層として、n型半導体基板又はp型半導体基板上に形成されたものであってもよい。
前記半導体基板の厚みは特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば50μm〜1000μmとすることができ、75μm〜750μmであることが好ましい
また前記半導体基板上に形成されたパッシベーション膜の厚みは特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、5nm〜50μmであることが好ましく、10nm〜30μmであることが好ましく、15nm〜20μmであることが更に好ましい。
前記太陽電池素子の形状や大きさに制限はない。例えば、一辺が125mm〜156mmの正方形であることが好ましい。
<太陽電池素子の製造方法>
本発明の太陽電池素子の製造方法は、p型層及びn型層が接合されてなるpn接合を有し、p型層及びn型層の少なくとも一方の層上に電極を有する半導体基板の、前記電極を有する面の一方又は両方の面上に、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与して組成物層を形成する工程と、前記組成物層を焼成処理してパッシベーション膜を形成する工程と、を有する。前記太陽電池素子の製造方法は、必要に応じてその他の工程を更に有していてもよい。
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いることで、優れたパッシベーション効果を有する半導体基板パッシベーション膜を備え、変換効率に優れる太陽電池素子を簡便な方法で製造することができる。さらに電極が形成された半導体基板上に、所望の形状となるように半導体基板パッシベーション膜を形成することができ、太陽電池素子の生産性に優れる。
p型層及びn型層の少なくとも一方の層上に電極が配置されたpn接合を有する半導体基板は、通常用いられる方法で製造することができる。例えば半導体基板の所望の領域に、銀ペースト、アルミニウムペースト等の電極形成用ペーストを付与し、必要に応じて焼成処理することで製造することができる。
前記半導体基板パッシベーション膜が設けられる半導体基板の面は、p型層であっても、n型層であってもよい。中でも変換効率の観点からp型層であることが好ましい。
前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与して半導体基板パッシベーション膜を形成する方法の詳細は、既述のパッシベーション膜付半導体基板の製造方法と同様であり、好ましい態様も同様である。
前記半導体基板上に形成される半導体基板パッシベーション膜の厚みは特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、5nm〜50μmであることが好ましく、10nm〜30μmであることが好ましく、15nm〜20μmであることが更に好ましい。
次に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる半導体基板パッシベーション膜を有する太陽電池素子の製造方法の一例を模式的に示す工程図を断面図として示したものである。但し、この工程図は本発明をなんら制限するものではない。
図1(a)に示すように、p型半導体基板1には、表面近傍にn型拡散層2が形成され、最表面に反射防止膜3が形成されている。反射防止膜3としては、窒化ケイ素膜、酸化チタン膜などが挙げられる。反射防止膜3とp型半導体基板1との間に酸化ケイ素などの表面保護膜(図示せず)が更に存在していてもよい。また本発明にかかる半導体基板パッシベーション膜を表面保護膜として使用してもよい。
次いで図1(b)に示すように、裏面の一部の領域にアルミニウムペーストなどの裏面電極5を形成する材料を塗布した後に熱処理して、裏面電極5を形成すると共にp型半導体基板1中にアルミニウム原子を拡散させてp型拡散層4を形成する。
次いで図1(c)に示すように、受光面側に電極形成用ペーストを塗布した後に熱処理して表面電極7を形成する。電極形成用ペーストとしてファイヤースルー性を有するガラス粉末を含むものを用いることで、図1(c)に示すように反射防止膜3を貫通して、n型拡散層2の上に、表面電極7を形成してオーミックコンタクトを得ることができる。
なお、図1では、(b)(c)を別個の工程として図示しているが、(b)(c)の工程を合わせて、1つの工程としてもよい。具体的には、上記(b)において、裏面の一部の領域にアルミニウム電極などの裏面電極5を形成する材料を塗布した後、裏面電極5を形成するための熱処理を行う前に、受光面側に電極形成用ペーストを塗布し、そして、この段階で熱処理を行ってもよい。この方法の場合には、1回の熱処理により裏面と受光面の電極が形成され、工程が簡略化される。
最後に図1(d)に示すように、裏面電極5が形成された領域以外の裏面のp型層上に、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与して組成物層を形成する。付与は例えばスクリーン印刷等の塗布法により行うことができる。この際、所望の形状(裏面電極5が形成された領域以外の裏面のp型層上)に半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が付与されることが望まれている。p型層上に形成された組成物層を焼成処理して半導体基板パッシベーション膜6を形成する。裏面のp型層上に、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物から形成された半導体基板パッシベーション膜6を形成することで、発電効率に優れた太陽電池素子を製造することができる。
図1に示す製造工程を含む製造方法で製造される太陽電池素子では、アルミニウム等から形成される裏面電極をポイントコンタクト構造とすることができ、基板の反りなどを低減することができる。更に前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いることで、電極形成された領域以外のp型層上にのみ優れた生産性で半導体基板パッシベーション膜を形成することができる。
また図1(d)では裏面部分にのみ半導体基板パッシベーション膜を形成する方法を示したが、半導体基板1の裏面側に加えて、側面にも半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与し、これを焼成処理することで半導体基板1の側面(エッジ)に半導体基板パッシベーション膜をさらに形成してもよい(図示せず)。これにより、発電効率により優れた太陽電池素子を製造することができる。
さらにまた、裏面部分に半導体基板パッシベーション膜を形成せず、側面のみに本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を塗布、乾燥して半導体基板パッシベーション膜を形成してもよい。本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は、側面のような結晶欠陥が多い場所に使用すると、その効果が特に大きい。
図1では電極形成後に半導体基板パッシベーション膜を形成する態様について説明したが、パッシベーション膜形成後に、更にアルミニウムなどの電極を蒸着などによって所望の領域に形成してもよい。
図2は、本実施形態にかかる半導体基板パッシベーション膜を有する太陽電池素子の製造方法の別の一例を模式的に示す工程図を断面図として示したものである。具体的には、図2はアルミニウムペースト又は熱拡散処理によりp型拡散層を形成可能なp型拡散層形成用組成物を用いてp型拡散層を形成後、アルミニウムペーストの熱処理物又はp型拡散層形成用組成物の熱処理物を除去する工程を含む工程図を断面図として説明するものである。ここでp型拡散層形成用組成物としては例えば、アクセプタ元素含有物質とガラス成分とを含む組成物を挙げることができる。
図2(a)に示すように、p型半導体基板1には、表面近傍にn型拡散層2が形成され、表面に反射防止膜3が形成されている。反射防止膜3としては、窒化ケイ素膜、酸化チタン膜などが挙げられる。
次いで図2(b)に示すように、裏面の一部の領域にp型拡散層形成用組成物を塗布した後に熱処理して、p型拡散層4を形成する。p型拡散層4上にはp型拡散層形成用組成物の熱処理物8が形成されている。
ここでp型拡散層形成用組成物に代えて、アルミニウムペーストを用いてもよい。アルミニウムペーストを用いた場合には、p型拡散層4上にはアルミニウム電極8が形成される。
次いで図2(c)に示すように、p型拡散層4上に形成されたp型拡散層形成用組成物の熱処理物8又はアルミニウム電極8をエッチングなどの手法により除去する。
次いで図2(d)に示すように、受光面(表面)及び裏面の一部の領域に選択的に電極形成用ペーストを塗布した後に熱処理して、受光面(表面)に表面電極7を、裏面に裏面電極5をそれぞれ形成する。受光面側に塗布する電極形成用ペーストとしてファイヤースルー性を有するガラス粉末を含むものを用いることで、図2(c)に示すように反射防止膜3を貫通して、n型拡散層2の上に、表面電極7が形成されてオーミックコンタクトを得ることができる。
また裏面電極が形成される領域にはすでにp型拡散層4が形成されているため、裏面電極5を形成する電極形成用ペーストには、アルミニウムペーストに限定されず、銀電極ペースト等のより低抵抗な電極を形成可能な電極用ペーストを用いることもできる。これにより、さらに発電効率を高めることも可能になる。
最後に図2(e)に示すように、裏面電極5が形成された領域以外の裏面のp型層上に、半導体パッシベーション膜形成用組成物を付与して組成物層を形成する。付与は例えばスクリーン印刷等の塗布法により行うことができる。この際、所望の形状(裏面電極5が形成された領域以外の裏面のp型層上)に半導体基板パッシベーション膜形成用組成物が付与されることが望まれている。p型層上に形成された組成物層を焼成処理して半導体基板パッシベーション膜6を形成する。裏面のp型層上に、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物から形成された半導体基板パッシベーション膜6を形成することで、発電効率に優れた太陽電池素子を製造することができる。
また図2(e)では裏面部分にのみ半導体基板パッシベーション膜を形成する方法を示したが、p型半導体基板1の裏面側に加えて、側面にも半導体基板パッシベーション膜形成用材料を塗布、乾燥することでp型半導体基板1の側面(エッジ)に半導体基板パッシベーション膜をさらに形成してもよい(図示せず)。これにより、発電効率がさらに優れた太陽電池素子を製造することができる。
さらにまた、裏面部分に半導体基板パッシベーション膜を形成せず、側面のみに本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与し、これを焼成処理して半導体基板パッシベーション膜を形成してもよい。本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は、側面のような結晶欠陥が多い場所に使用すると、その効果が特に大きい。
図2では電極形成後にパッシベーション膜を形成する態様について説明したが、パッシベーション膜形成後に、更にアルミなどの電極を蒸着などによって所望の領域に形成してもよい。
上述した実施形態では、受光面にn型拡散層が形成されたp型半導体基板を用いた場合について説明を行ったが、受光面にp型拡散層が形成されたn型半導体基板を用いた場合にも同様にして、太陽電池素子を製造することができる。尚、その場合は裏面側にn型拡散層を形成することとなる。
さらに半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は、図3に示すような裏面側のみに電極が配置された裏面電極型太陽電池素子の受光面側又は裏面側の半導体基板パッシベーション膜6を形成することにも使用できる。
図3に概略断面図を示すように、p型半導体基板1の受光面側には、表面近傍にn型拡散層2が形成され、その表面に半導体基板パッシベーション膜6及び反射防止膜3が形成されている。反射防止膜3としては、窒化ケイ素膜、酸化チタン膜などが知られている。また半導体基板パッシベーション膜6は、本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与し、これを焼成処理して形成される。
p型半導体基板1の裏面側には、p型拡散層4及びn型拡散層2上にそれぞれ裏面電極5が設けられ、さらに裏面の電極が形成されていない領域には半導体基板パッシベーション膜6が設けられている。
型拡散層4は、上述のようにp型拡散層形成用組成物又はアルミニウムペーストを所望の領域に塗布した後に熱処理することで形成することができる。またn型拡散層2は、例えば熱拡散処理によりn型拡散層を形成可能なn型拡散層形成用組成物を所望の領域に塗布した後に熱処理することで形成することができる。
ここでn型拡散層形成用組成物としては例えば、ドナー元素含有物質とガラス成分とを含む組成物を挙げることができる。
型拡散層4及びn型拡散層2上にそれぞれ設けられる裏面電極5は、銀電極ペースト等の通常用いられる電極形成用ペーストを用いて形成することができる。また、p型拡散層4上に設けられる裏面電極5は、アルミニウムペーストを用いてp型拡散層4と共に形成されるアルミニウム電極であってもよい。
裏面に設けられる半導体基板パッシベーション膜6は、半導体パッシベーション膜形成用組成物を裏面電極5が設けられていない領域に付与し、これを焼成処理することで形成することができる。また半導体基板パッシベーション膜6は半導体基板1の裏面のみならず、さらに側面にも形成してよい(図示せず)。
図3に示すような裏面電極型太陽電池素子においては、受光面側に電極がないため発電効率に優れる。さらに裏面の電極が形成されていない領域に半導体基板パッシベーション膜が形成されているため、さらに変換効率に優れる。
上記では半導体基板としてp型半導体基板を用いた例を示したが、n型半導体基板を用いた場合も、上記に準じて変換効率に優れる太陽電池素子を製造することができる。
<太陽電池>
太陽電池は、前記太陽電池素子の少なくとも1つを含み、太陽電池素子の電極上に配線材料が配置されて構成される。太陽電池はさらに必要に応じて、配線材料を介して複数の太陽電池素子が連結され、さらに封止材で封止されて構成されていてもよい。
前記配線材料及び封止材としては特に制限されず、当業界で通常用いられているものから適宜選択することができる。
前記太陽電池の大きさに制限はない。0.5m〜3mであることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
<実施例1>
(半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の調製)
ステアリン酸アミドを7.52g、テルピネオール(日本テルペン化学株式会社、ターピネオール−LW)を67.67g混合し、130℃で1時間攪拌してステアリン酸アミド溶液を調製した。(エチルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロポキシド(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を2.25g、テルピネオールを0.83g、イソボルニルシクロヘキサノールを16.07g、前記ステアリン酸アミド溶液を1.30g混合し、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物1を調製した。半導体基板パッシベーション膜形成用組成物1中のステアリン酸アミドの含有率は0.64%、特定有機アルミニウム化合物の含有率は11.00%となった。
(パッシベーション膜の形成)
半導体基板として、表面がミラー形状の単結晶型p型シリコン基板(SUMCO製、50mm角、厚さ:625μm)を用いた。
上記で得られた半導体基板パッシベーション膜形成用組成物1を上記シリコン基板上に、スクリーン印刷法を用いて全面に付与した。この際、シリコン基板10枚連続で印刷を行い、うち10枚全てに印刷ムラがないことを目視で確認した。前記印刷ムラとは、スクリーン版がシリコン基板から離れる際に、一部版離れが悪い部分が生じた為にできる、前記が周囲よりも薄くなっている部分を指す。
なお、表1中の印刷性の項目において、印刷中に目視によって印刷ムラが生じなかったものが10枚中9枚以上のものをA、8枚以下かつ6枚以上のものをB、5枚以下のものをCと表記する。
また、印刷後の塗膜が均一であるものが10枚中9枚であったことを同様に目視で確認した。塗膜が均一である状態とは、前記半導体基板パッシベーション膜形成用組成物がシリコン基板上の印刷部全体に存在している様を指す。
なお、表1中の塗膜均一性の項目において、印刷後に目視によって塗布膜が均一であったものが10枚中9枚以上のものをA、8枚以下かつ6枚以上のものをB、5枚以下のものをCと表記する。
印刷後、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物1を付与したシリコン基板を150℃で5分間乾燥処理した。次いで700℃で1時間焼成処理した後、室温で放冷して評価用基板を作製した。
得られたパッシベーション膜の膜厚は、250μmであった。パッシベーション膜の膜厚は、触針式段差・表面形状測定装置(Ambios社製)を用いて測定した。
(実効ライフタイムの測定)
上記で得られた評価用基板の実効ライフタイム(μs)を、ライフタイム測定装置(日本セミラボ製WT−2000PVN)を用いて、室温で反射マイクロ波光電導減衰法により測定した。得られた評価用基板の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与した領域の実効ライフタイムは、390μsであった。
なお表1中、ライフタイムの項目において、ライフタイムが400μs以上の場合をA、400μs未満かつ100μs以上のものをB、100μs未満のものをCと表記する。
<実施例2>
ポリエチレングリコール(数平均分子量4000)を4.03g、テルピネオールを36.01g混合し、100℃で1時間攪拌してポリエチレングリコール溶液を調製した。(エチルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロポキシド(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を1.62g、イソボルニルシクロヘキサノールを10.67g、前記ポリエチレングリコール溶液を1.37g混合し、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物2を調製した。半導体基板パッシベーション膜形成用組成物2中のポリエチレングリコール含有率は1.00%、特定有機アルミニウム化合物の含有率は11.87%となった。
上記で調製した半導体基板パッシベーション膜形成用組成物2を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン基板上にパッシベーション膜を形成し、同様にして評価し、結果を表1に示した。
<実施例3>
ステアリン酸アミドを7.52g、テルピネオール(日本テルペン化学株式会社、ターピネオール−LW)を67.67g混合し130℃で1時間攪拌してステアリン酸アミド溶液を調製した。(エチルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロポキシド(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を1.92g、イソボルニルシクロヘキサノールを7.64g、前記ステアリン酸アミド溶液を4.10g混合し、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物3を調製した。半導体基板パッシベーション膜形成用組成物3中のステアリン酸アミドの含有率は3.00%、特定有機アルミニウム化合物の含有率は14.08%となった。
半導体基板パッシベーション膜形成用組成物3を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン基板上にパッシベーション膜を形成し、同様にして、結果を表1に示した。
<実施例4>
ステアリン酸アミドを7.52g、テルピネオール(日本テルペン化学株式会社、ターピネオール−LW)を67.67g混合し130℃で1時間攪拌してステアリン酸アミド溶液を調製した。(エチルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロポキシド(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を1.99g、イソボルニルシクロヘキサノールを2.00g、前記ステアリン酸アミド溶液を10.24g混合し、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物4を調製した。半導体基板パッシベーション膜形成用組成物4中のステアリン酸アミドの含有率は7.20%、特定有機アルミニウム化合物の含有率は13.98%となった。
半導体基板パッシベーション膜形成用組成物4を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン基板上にパッシベーション膜を形成し、同様にして、結果を表1に示した。
<実施例5>
ステアリン酸アミドを7.52g、テルピネオール(日本テルペン化学株式会社、ターピネオール−LW)を67.67g混合し130℃で1時間攪拌してステアリン酸アミド溶液を調製した。(エチルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロポキシド(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を1.92g、前記ステアリン酸アミド溶液を12.00g混合し、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物5を調製した。半導体基板パッシベーション膜形成用組成物5中のステアリン酸アミドの含有率は8.63%、特定有機アルミニウム化合物の含有率は13.75%となった。
半導体基板パッシベーション膜形成用組成物5を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン基板上にパッシベーション膜を形成し、同様にして、結果を表1に示した。
<比較例1>
実施例1において、半導体基板パッシベーション膜形成用組成物1の塗布を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、評価用基板を作製し、同様にして評価し、結果を表1に示した。
<比較例2>
(エチルアセトアセタト)アルミニウムジイソプロポキシド(川研ファインケミカル株式会社製、ALCH)を1.68g、テルピネオールを1.27g、イソボルニルシクロヘキサノールを10.74g混合し、組成物C1を調製した。
上記で調製した組成物C1を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン基板上にパッシベーション膜を形成し、同様にして評価し、結果を表1に示した。
<比較例3>
ステアリン酸アミドを7.52g、テルピネオールを67.67g混合し130℃で1時間攪拌してステアリン酸アミド溶液を調製した。テルピネオールを2.88g、イソボルニルシクロヘキサノールを10.62g、前記ステアリン酸アミド溶液を1.50g混合し、組成物C2を調製した。
上記で調製した組成物C2を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシリコン基板上にパッシベーション膜を形成し、同様にして評価し、結果を表1に示した。
以上の結果を下記表1にまとめる。
以上から、本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いることで優れたパッシベーション効果を有する半導体基板パッシベーション膜を形成できることが分かる。また本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物は印刷ムラを抑制し、良好な塗膜均一性を示すことが分かる。さらに本発明の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いることで、簡便な工程で所望の形状に半導体基板パッシベーション膜を形成できることがわかる。
1 p型半導体基板
2 n型拡散層
3 反射防止膜
4 p型拡散層
5 裏面電極
6 パッシベーション膜
7 表面電極
8 p型拡散層形成組成物の熱処理物又はアルミニウム電極

Claims (13)

  1. 下記一般式(I)で表される有機アルミニウム化合物と、
    脂肪酸アミド及び下記一般式(II)で表される化合物から選択される少なくとも1種と、
    を含む半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。

    〔式(I)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜8のアルキル基を表す。nは0〜3の整数を表す。X及びXはそれぞれ独立して酸素原子又はメチレン基を表す。R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。〕
    −(−O−R10−)−O−R ・・・(II)
    〔式(II)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示し、R10はアルキレン基を示す。nは3以上の任意の整数である。なお、複数存在する−(−O−R10−)−におけるR10は同一であっても異なっていてもよい。〕
  2. 前記脂肪酸アミドを含有し、該脂肪酸アミドが下記一般式(1)、(2)、(3)及び(4)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
    CONH・・・・(1)
    CONH−R−NHCOR・・・・(2)
    NHCO−R−CONHR・・・・(3)
    CONH−R−N(R・・・・(4)
    〔一般式(1)、(2)、(3)及び(4)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜30のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキレン基を示す。R及びRは同一であっても異なっていてもよい。〕
  3. 前記脂肪酸アミドを含有し、該脂肪酸アミドが、ステアリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド及びステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1又は請求項2に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
  4. 前記脂肪酸アミドを含有し、該脂肪酸アミドの分解温度が、400℃以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
  5. 前記一般式(II)で表される化合物を含有し、該一般式(II)で表される化合物の数平均分子量が300〜1,000,000である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
  6. 前記一般式(I)におけるRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
  7. 前記一般式(I)において、nが1〜3の整数であり、Rがそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
  8. さらに樹脂を含有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
  9. 前記樹脂の含有率が0.1質量%〜30質量%である請求項8に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物。
  10. 半導体基板と、前記半導体基板上の全面又は一部に設けられた請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の焼成物層と、を有するパッシベーション膜付半導体基板。
  11. 半導体基板上の全面又は一部に、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を付与して組成物層を形成する工程と、
    前記組成物層を焼成処理して、パッシベーション膜を形成する工程と、
    を有するパッシベーション膜付半導体基板の製造方法。
  12. p型層及びn型層がpn接合されてなる半導体基板と、
    前記半導体基板上の全面又は一部に設けられた請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物の焼成物層と、
    前記半導体基板の前記p型層及びn型層の少なくとも一方の層上に配置された電極と、
    を有する太陽電池素子。
  13. p型層及びn型層が接合されてなるpn接合を有し、前記p型層及びn型層の少なくとも一方の層上に電極を有する半導体基板の、前記電極を有する面の一方又は両方の面上に、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の半導体基板パッシベーション膜形成用組成物を用いて組成物層を形成する工程と、
    前記組成物層を焼成処理して、パッシベーション膜を形成する工程と、
    を有する太陽電池素子の製造方法。
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