JP6284211B1 - 無人運転と有人運転とに切り替え可能な荷役車のための保守システム - Google Patents

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【課題】無人運転と有人運転とに切り替え可能な荷役車を構成する消耗部品の交換時期が近付いていることを的確に把握することができる保守システムを提供する。【解決手段】本発明に係る保守システム10は、荷役車F1,F2,F3と相互に通信可能な荷役車管理装置11を備える。荷役車管理装置11は、荷役車F1,F2,F3が無人運転されている時間と第1係数α1の積である第1使用時間と、荷役車F1,F2,F3が有人運転されている時間と第2係数α2(ただし、α2>α1)の積である第2使用時間との和である総使用時間を用いて、荷役車F1,F2,F3の消耗部品の交換時期が近付いているか否かを判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、無人運転と有人運転とに切り替え可能な荷役車のための保守システムに関し、特に、荷役車を構成する消耗部品の交換時期が近付いていることを的確に把握することができる保守システムに関する。
従来から、様々な分野において、消耗部品の使用時間(回数)の累積値が予め定められた交換時間(回数)に達したか否かにより当該消耗部品の交換がなされている。これに関し、特許文献1には、消耗部品の寿命動作回数および寿命稼働時間をデータベース化しておくこと、消耗部品の動作回数が寿命動作回数等から求められた基準値に達したことを知らせること、および、消耗部品の稼働時間と当該消耗部品の使用状況(消耗部品がブレーキの場合はブレーキ力。消耗部品が空調装置の場合は気温と設定温度との差)との積が寿命稼働時間等から求められた基準値に達したことを知らせること、が記載されている。
特許第4901349号公報
ところで、本発明者らによる調査により、無人運転と有人運転とに切り替え可能な荷役車では、どちらの運転がなされているのかによって消耗部品の消耗の度合いに差があることが分かってきた。具体的には、このタイプの荷役車の消耗部品は、緩やかな動作のみが行われる無人運転では比較的ゆっくりと消耗し、急激な動作が行われることが多い有人運転では比較的早く消耗する。したがって、特許文献1に記載されているような従来の手法をそのまま適用しただけでは、無人運転と有人運転とに切り替え可能な荷役車を構成する消耗部品の交換時期が近付いていることを的確に把握することはできない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、無人運転と有人運転とに切り替え可能な荷役車を構成する消耗部品の交換時期が近付いていることを的確に把握することができる保守システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る保守システムは、無人運転と有人運転とに切り替え可能な荷役車のための保守システムであって、荷役車と相互に通信可能な荷役車管理装置と、消耗部品の在庫を管理する在庫管理装置と、消耗部品の発注を行う発注装置とを備え、荷役車管理装置は、(1)荷役車が無人運転されている時間と第1係数との積である第1使用時間と、荷役車が有人運転されている時間と第1係数よりも大きい第2係数との積である第2使用時間との和である総使用時間を用いて、荷役車の消耗部品の交換時期が近付いているか否かを判定し、(2)消耗部品の交換時期が近付いていると判定した場合に、在庫管理装置を介して当該消耗部品の在庫があるか否かを確認し、(3)在庫管理装置を介して当該消耗部品の在庫がないことを確認した場合に、発注装置に当該消耗部品の発注を行わせるとともに発注装置から当該消耗部品の納期に関するデータを受け取り、さらに、納期が交換時期よりも後になると見込まれる場合に、荷役車の有人運転への切り替えを禁止する
有人運転に第1態様と当該第1態様よりも消耗部品に対する負担が大きいと見込まれる第2態様とが含まれ、第2係数に第3係数と当該第3係数よりも大きい第4係数とが含まれている場合、上記保守システムの荷役車管理装置は、第1態様の有人運転がなされている時間と第3係数との積と、第2態様の有人運転がなされている時間と第4係数との積との和をとることによって第2使用時間を求めてもよい。
なお、上記荷役車の一例はフォークリフトである。この場合、荷役車管理装置は、フォークリフトの走行速度、加速度、減速度およびフォーク昇降速度のうちの1つ以上に基づいて当該フォークリフトの有人運転を第1態様または第2態様と認識することができる。
本発明によれば、無人運転と有人運転とに切り替え可能な荷役車を構成する消耗部品の交換時期が近付いていることを的確に把握することができる保守システムを提供することができる。
本発明に係る保守システムのブロック図である。 3台のフォークリフトの運転状態の一例を示す図である。 本発明に係る保守システムの消耗部品データベースに格納されたデータの一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る保守システムの実施例について説明する。
[実施例]
図1に、実施例に係る保守システム10を示す。同図に示すように、保守システム10は、荷役作業エリアA内で荷役作業を行うフォークリフトF1,F2,F3と相互に通信可能な荷役車管理装置11と、荷役車管理装置11に接続された荷役作業データベース12とを備えている。フォークリフトF1,F2,F3は、本発明の「荷役車」に相当する、無人運転と有人運転とに切り替え可能な車両である。
荷役作業データベース12には、フォークリフトF1,F2,F3に行わせるべき荷役作業に関するデータが格納されている。
荷役車管理装置11は、荷役作業データベース12を参照し、適当な荷役作業をフォークリフトF1,F2,F3のそれぞれに割り当てる。これにより、フォークリフトF1,F2,F3は、割り当てられた荷役作業を無人で行う。
また、荷役車管理装置11は、フォークリフトF1,F2,F3の中から有人運転を行わせるべき1台のフォークリフトを選定する。そして、荷役車管理装置11は、選定したフォークリフトに対し、荷役作業を割り当てることなく荷役作業エリアA内に設けられた待機エリアBへの移動を指令する。
オペレータは、待機エリアBにて待機しているフォークリフトに搭乗し、運転席に設けられたスイッチを操作することにより当該フォークリフトを有人運転可能な状態に切り替えることができる。また、オペレータは、所望の荷役作業を行った後、フォークリフトを待機エリアBに移動させ、前述のスイッチを操作することにより当該フォークリフトを無人運転可能な状態に切り替えることができる。荷役車管理装置11は、無人運転への切り替えを検知すると、当該フォークリフトに新しい荷役作業を割り当てる。
なお、荷役車管理装置11は、1台のフォークリフトを常に待機させてもよいし、予め定められた時間(例えば、30分)毎に予め定められた待機時間(例えば、10分間)に限って1台のフォークリフトを待機させてもよい。
無人運転中であるか有人運転中であるか否かに関わらず、フォークリフトF1,F2,F3は、自分自身の運転状態に関するデータを実質的にリアルタイムで荷役車管理装置11に報告する。これにより、荷役車管理装置11は、フォークリフトF1,F2,F3の運転状態を常に把握することができる。荷役車管理装置11に送られる運転状態に関するデータには、有人運転中であるか否か、無人運転中であるか否か、走行速度、リフトの昇降速度等が含まれる。
保守システム10は、荷役車管理装置11に接続された運転履歴データベース13をさらに備えている。運転履歴データベース13には、各フォークリフトF1,F2,F3の無人運転がなされた時間の累積値(以下、「無人累積時間」という)、第1態様の有人運転がなされた時間の累積値(以下、「第1有人累積時間」という)、および第2態様の有人運転がなされた時間の累積値(以下、「第2有人累積時間」という)が格納されている。ここで、「第1態様の有人運転」とは、走行速度、加速度、減速度およびリフトの昇降速度のうちの少なくとも1つが予め定められた閾値を下回っている、消耗部品に対する負担が比較的小さいと見込まれる有人運転を意味する。また、「第2態様の有人運転」とは、第1態様の有人運転以外の有人運転、すなわち、消耗部品に対する負担が比較的大きいと見込まれる有人運転を意味する。
荷役車管理装置11は、フォークリフトF1,F2,F3から送られてきた運転状態に関するデータに基づいて、運転履歴データベース13に格納されているデータ(累積時間)を更新する。
例えば、図2に示された状況では、時刻8:00〜時刻17:00の間のフォークリフトF1の無人運転時間、第1態様の有人運転時間および第2態様の有人運転時間は、それぞれ、2時間(8:00〜10:00)、3.5時間(11:00〜12:00,13:00〜14:00,15:30〜17:00)、2.5時間(12:00〜13:00,14:00〜15:30)なので、この間に、荷役車管理装置11は、運転履歴データベース13に格納されているフォークリフトF1の無人累積時間、第1有人累積時間および第2有人累積時間に、2時間、3.5時間および2.5時間を加算する。
運転履歴データベース13に格納されているフォークリフトF2,F3の無人累積時間、第1有人累積時間および第2有人累積時間も、同様にして更新される。
保守システム10は、荷役車管理装置11に接続された消耗部品データベース14をさらに備えている。図3に示すように、消耗部品データベース14には、各フォークリフトF1,F2,F3の消耗部品a,b,c・・・毎に総使用時間および使用可能時間が格納されている。ここで、使用可能時間とは、予め定められた、その消耗部品を使用し続けることができる時間を意味する。総使用時間が使用可能時間に到達した消耗部品は、交換されなければならない。
荷役車管理装置11は、運転履歴データベース13に格納されている無人累積時間、第1有人累積時間および第2有人累積時間に基づいて、各消耗部品a,b,c・・・の総使用時間を算出する。例えば、フォークリフトF1の無人累積時間、第1有人累積時間および第2有人累積時間が500時間、200時間および50時間である場合、荷役車管理装置11は、無人累積時間である500時間と係数α1(本実施例では、α1=1.0)との積である500時間と、第1有人累積時間である200時間と係数α3(本実施例では、α3=1.1)との積である220時間と、第2有人累積時間である50時間と係数α4(本実施例では、α4=1.2)との積である60時間との和である780時間をフォークリフトF1を構成する消耗部品a,b,c・・・の総使用時間とする。
ここで、係数α1、係数α3および係数α4は、本発明の「第1係数」、「第3係数」および「第4係数」に相当する。有人運転は、無人運転よりも消耗部品に対する負担が大きいと見込まれる。また、第2態様の有人運転は、第1態様の有人運転よりも消耗部品に対する負担が大きいと見込まれる。これらのことを考慮して、係数α1,α3,α4は、“α1<α3<α4”の関係を有するように設定される。
荷役車管理装置11は、フォークリフトF1,F2,F3から運転状態に関するデータを受信すると、運転履歴データベース13に格納された無人累積時間、第1有人累積時間および第2有人累積時間を更新するとともに、消耗部品データベース14に格納された総使用時間を更新する。
保守システム10は、荷役車管理装置11に接続された在庫管理装置15および発注装置16をさらに備えている。荷役車管理装置11は、消耗部品データベース14に格納された消耗部品a,b,c・・・のうちの少なくとも1つ(例えば、フォークリフトF2の消耗部品b)の総使用時間と使用可能時間の関係が予め定められた関係(本実施例では、使用可能時間−総使用時間<100時間)になると、消耗備品bの交換時期が近付いていると判定し、在庫管理装置15を介して消耗部品bの在庫があるか否かを確認する。在庫がある場合、荷役車管理装置11は、その在庫をフォークリフトF2用に確保する。一方、在庫がない場合、荷役車管理装置11は、発注装置16に消耗部品bの発注を行わせるとともに、発注装置16から消耗部品bの納期に関するデータを受け取る。
荷役車管理装置11は、発注装置16から消耗部品bの納期に関するデータを受け取ると、フォークリフトF2の消耗部品bの使用可能時間と最新の総使用時間の差と納期とを比較する。そして、使用可能時間と総使用時間の差が納期よりも短い場合、荷役車管理装置11は、フォークリフトF2に無人運転による荷役作業のみを行わせる。言い換えると、荷役車管理装置11は、フォークリフトF2が待機エリアBへ移動するのを禁止する。一方、使用可能時間と総使用時間の差が納期よりも長い場合、荷役車管理装置11は、通常通り、フォークリフトF2に無人運転および有人運転による荷役作業を行わせる。
例えば、使用可能時間と総使用時間の差が90時間であり、かつ納期が80時間である場合、荷役車管理装置11は、フォークリフトF2に通常通りの無人運転および有人運転による荷役作業を行わせる。総使用時間が使用可能時間に到達する前に、消耗部品が利用可能になるからである。一方、使用可能時間と総使用時間の差が90時間であり、かつ納期が100時間である場合、荷役車管理装置11は、フォークリフトF2に無人運転による荷役作業のみを行わせる。総使用時間が使用可能時間に到達するのを後らせ、フォークリフトF2をできるだけ長く使用するためである。
[変形例]
以上、本発明に係る保守システムの実施例について説明してきたが、本発明に係る保守システムの構成はこれに限定されない。
例えば、運転履歴データベース13は、第1有人累積時間および第2有人累積時間の代わりに、これらの和である「有人累積時間」を格納してもよい。この場合、荷役車管理装置11は、無人累積時間と係数α1(例えば、α1=1.0)の積と、有人累積時間と係数α2(例えば、α2=1.2)の積との和を総使用時間とすることができる。ここで、係数α2は、本発明の「第2係数」に相当する。有人運転は、無人運転よりも消耗部品に対する負担が大きいと見込まれる。このため、係数α1,α2は、“α1<α2”の関係を有するように設定される。
また、荷役車管理装置11は、総使用時間に対する使用可能時間の割合が所定の値(例えば、90%)を超えたことをきっかけとして、在庫確認を行ってもよい。
また、荷役車管理装置11は、過去の運転履歴を考慮して、納期が交換時期よりも後になるか否かを判定してもよい。より詳しくは、荷役車管理装置11は、有人運転されることが多かったフォークリフト(今後も有人運転されることが多いと見込まれるフォークリフト)については、使用可能時間と総使用時間の差と1.0を超える係数との積を求め、その積と納期とを比較してもよい。これにより、納期が間に合うか否かをより確実に判定することができる。
また、荷役車管理装置11は、運転席に設けられたスイッチの操作を無効にすることにより、有人運転への切り替わりを禁止してもよい。
また、フォークリフトは荷役車の単なる一例である。
また、係数α1,α2,α3,α4の値およびフォークリフトの台数(3台)も単なる一例である。
10 保守システム
11 荷役車管理装置
12 荷役作業データベース
13 運転履歴データベース
14 消耗部品データベース
15 在庫管理装置
16 発注装置
A 荷役作業エリア
B 待機エリア
F1〜F3 フォークリフト(荷役車)

Claims (4)

  1. 無人運転と有人運転とに切り替え可能な荷役車のための保守システムであって、
    前記荷役車と相互に通信可能な荷役車管理装置と、
    前記消耗部品の在庫を管理する在庫管理装置と、
    前記消耗部品の発注を行う発注装置と、
    を備え、
    前記荷役車管理装置は、
    前記荷役車が前記無人運転されている時間と第1係数との積である第1使用時間と、前記荷役車が前記有人運転されている時間と前記第1係数よりも大きい第2係数との積である第2使用時間との和である総使用時間を用いて、前記荷役車の消耗部品の交換時期が近付いているか否かを判定し、
    当該消耗部品の前記交換時期が近付いていると判定した場合に、前記在庫管理装置を介して当該消耗部品の在庫があるか否かを確認し、
    前記在庫管理装置を介して当該消耗部品の在庫がないことを確認した場合に、前記発注装置に当該消耗部品の発注を行わせるとともに前記発注装置から当該消耗部品の納期に関するデータを受け取り、さらに、前記納期が前記交換時期よりも後になると見込まれる場合に、前記荷役車の前記有人運転への切り替えを禁止する
    ことを特徴とする保守システム。
  2. 前記有人運転には、第1態様と、前記第1態様よりも前記消耗部品に対する負担が大きいと見込まれる第2態様とが含まれ、
    前記第2係数には、第3係数と、第3係数よりも大きい第4係数とが含まれ、
    前記荷役車管理装置は、前記第1態様の前記有人運転がなされている時間と前記第3係数との積と、前記第2態様の前記有人運転がなされている時間と前記第4係数との積との和をとることによって前記第2使用時間を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の保守システム。
  3. 前記荷役車がフォークリフトである
    ことを特徴とする請求項に記載の保守システム。
  4. 前記荷役車管理装置は、前記フォークリフトの走行速度、加速度、減速度およびフォーク昇降速度のうちの1つ以上に基づいて当該フォークリフトの前記有人運転を前記第1態様または前記第2態様と認識する
    ことを特徴とする請求項3に記載の保守システム。
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